(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026041
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】連結構造体
(51)【国際特許分類】
B65D 5/22 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
B65D5/22 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131635
(22)【出願日】2021-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】504257944
【氏名又は名称】梅花堂紙業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181582
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 直斗
(72)【発明者】
【氏名】カオ ダック タン
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB01
3E060BA04
3E060BA08
3E060BC02
3E060DA11
3E060DA25
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で容易かつ強固に連結でき、長期間の繰り返しの使用が可能であり、保管時の省スペース化を図ることができる連結構造体を提供すること。
【解決手段】梱包材1A(連結構造体)は、基面部2と互いに連結可能な立設面部3A(第1立設面部)及び立設面部3B(第2立設面部)とを備える。立設面部3Aは差込孔31を有する。立設面部3Bには延設部4が設けられている。延設部4は、立設面部3Aの端部30Aの外面に重ね合わされる重合部41と、立設面部3Aの差込孔31に外側から差し込む差込部42とを有する。差込部42は、立設面部3Bに設けられた係合孔32(被係合部)に係合する係合片部43(係合部)を有し、かつ、立設面部3Aの差込孔31に差し込んで立設面部3B側に折り返し、立設面部3Aの端部30Aの内面に沿って配置された状態で、係合片部43を係合孔32に係合できるよう構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基面部と、
前記基面部に設けられた隣接する2つの辺部から折り曲げて立設されると共に、互いに連結可能な板状の第1立設面部及び第2立設面部と、を備え、
前記第1立設面部は、前記第2立設面部側の一端部に設けられた差込孔を有し、
前記第2立設面部には、前記第1立設面部側の一端部から延びる延設部が設けられ、
前記延設部は、前記第1立設面部の前記一端部の外面に重ね合わされる重合部と、前記第1立設面部の前記差込孔に外側から差し込む差込部と、を有し、
前記差込部は、前記第2立設面部及び前記延設部の少なくとも一方に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、かつ、前記第1立設面部の前記差込孔に差し込んで前記第2立設面部側に折り返し、前記第1立設面部の前記一端部の内面に沿って配置された状態で、前記係合部を前記被係合部に係合できるよう構成されている、連結構造体。
【請求項2】
前記被係合部は、前記第2立設面部の前記一端部に設けられた係合孔であり、前記係合部は、前記差込部に設けられ、前記係合孔に差し込んで係合する係合片部である、請求項1に記載の連結構造体。
【請求項3】
前記被係合部は、前記第1立設面部の前記一端部に設けられた第1係合孔と、前記延設部の前記重合部に設けられた第2係合孔と、により構成され、前記延設部の前記重合部が前記第1立設面部の前記一端部の外面に重ね合わされた状態で、前記第1係合孔と前記第2係合孔とが互いに連通するよう構成され、前記係合部は、前記差込部に設けられ、前記第1係合孔及び前記第2係合孔に差し込んで係合する係合片部である、請求項1に記載の連結構造体。
【請求項4】
前記差込部は、その一部に折り畳み可能な折り畳み部を有し、前記折り畳み部を折り畳んだ状態で前記第1立設面部の前記差込孔に差し込むことができるよう構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の連結構造体。
【請求項5】
前記第2立設面部の前記一端部に折り目が設けられ、前記第1立設面部及び前記第2立設面部を連結した状態で前記第2立設面部を前記折り目に沿って折り曲げることにより、前記第1立設面部及び前記第2立設面部の連結状態を維持したまま前記第1立設面部を前記基面部側に折り畳むことができるよう構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の連結構造体。
【請求項6】
互いに連結可能な板状の第1連結面部及び第2連結面部を備え、
前記第1連結面部は、前記第2連結面部に連結する連結端部に設けられた差込孔を有し、
前記第2連結面部には、前記第1連結面部に連結する連結端部から延びる延設部が設けられ、
前記延設部は、前記第1連結面部の前記連結端部の外面に重ね合わされる重合部と、前記第1連結面部の前記差込孔に外側から差し込む差込部と、を有し、
前記差込部は、前記第2連結面部及び前記延設部の少なくとも一方に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、かつ、前記第1連結面部の前記差込孔に差し込んで前記第2連結面部側に折り返し、前記第1連結面部の前記連結端部の内面に沿って配置された状態で、前記係合部を前記被係合部に係合できるよう構成されている、連結構造体。
【請求項7】
前記被係合部は、前記第2連結面部の前記連結端部に設けられた係合孔であり、前記係合部は、前記差込部に設けられ、前記係合孔に差し込んで係合する係合片部である、請求項6に記載の連結構造体。
【請求項8】
前記被係合部は、前記第1連結面部の前記連結端部に設けられた第1係合孔と、前記延設部の前記重合部に設けられた第2係合孔と、により構成され、前記延設部の前記重合部が前記第1連結面部の前記連結端部の外面に重ね合わされた状態で、前記第1係合孔と前記第2係合孔とが互いに連通するよう構成され、前記係合部は、前記差込部に設けられ、前記第1係合孔及び前記第2係合孔に差し込んで係合する係合片部である、請求項6に記載の連結構造体。
【請求項9】
前記差込部は、その一部に折り畳み可能な折り畳み部を有し、前記折り畳み部を折り畳んだ状態で前記第1連結面部の前記差込孔に差し込むことができるよう構成されている、請求項6~8のいずれか1項に記載の連結構造体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の連結構造体を備える、梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、底面部の周囲に側面部を折り曲げて組み立てる梱包材が知られている。隣接する側面部同士は、接着剤による接着、留め具による固定等の方法で連結している。また、特許文献1には、接着剤や留め具を用いることなく、隣接する側面部同士を組み立てて連結する構造を有する梱包材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の梱包材において、隣接する側面部同士を接着剤や留め具で連結すると、その連結を容易に解除できないため、繰り返しの使用に適していなかった。また、隣接する側面部同士を組み立てて連結する構造では、連結強度が十分であるとは言えなかった。
【0005】
本発明は、簡易な構成で容易かつ強固に連結でき、長期間の繰り返しの使用が可能であり、保管時の省スペース化を図ることができる連結構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様である連結構造体は、板状の基面部と、基面部に設けられた隣接する2つの辺部から折り曲げて立設されると共に、互いに連結可能な板状の第1立設面部及び第2立設面部と、を備える。第1立設面部は、第2立設面部側の一端部に設けられた差込孔を有する。第2立設面部には、第1立設面部側の一端部から延びる延設部が設けられている。
【0007】
延設部は、第1立設面部の一端部の外面に重ね合わされる重合部と、第1立設面部の差込孔に外側から差し込む差込部と、を有する。差込部は、第2立設面部及び延設部の少なくとも一方に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、かつ、第1立設面部の差込孔に差し込んで第2立設面部側に折り返し、第1立設面部の一端部の内面に沿って配置された状態で、係合部を被係合部に係合できるよう構成されている。
【0008】
上記連結構造体によれば、第2立設面部の一端部から延びる延設部の差込部を第1立設面部の差込孔に差し込んで第2立設面部側に折り返し、差込部の係合部を被係合部に係合することにより、隣接する第1立設面部と第2立設面部とを延設部によって容易に連結できる。また、延設部を第1立設面部の差込孔に挿通し、重合部及び差込部によって第1立設面部の一端部を外側及び内側から挟み込むような状態で、差込部の係合部を被係合部に係合するため、隣接する第1立設面部と第2立設面部とを強固に連結できる。
【0009】
また、上述したように、隣接する第1立設面部と第2立設面部とを簡易な構成で容易に連結できることから、両者の連結を解除して組み立て前の状態に戻すことも容易である。そのため、必要に応じて組み立てて使用したり組み立て前の状態に戻したりして、繰り返しの使用が可能となる。また、繰り返しの使用でも強固な連結を維持できるため、耐久性に優れている。また、使用しない時に組み立て前の状態に戻して保管すれば、保管時の省スペース化を図ることができる。
【0010】
上記連結構造体において、被係合部は、第2立設面部の一端部に設けられた係合孔であり、係合部は、差込部に設けられ、係合孔に差し込んで係合する係合片部であってもよい。この場合には、隣接する第1立設面部と第2立設面部とを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、連結構造体を構成する材料の厚みが薄い場合に有効な連結構造である。
【0011】
また、被係合部は、第1立設面部の一端部に設けられた第1係合孔と、第2立設面部の重合部に設けられた第2係合孔と、により構成され、第2立設面部の重合部が第1立設面部の一端部の外面に重ね合わされた状態で、第1係合孔と第2係合孔とが互いに連通するよう構成され、係合部は、差込部に設けられ、第1係合孔及び第2係合孔に差し込んで係合する係合片部であってもよい。この場合には、隣接する第1立設面部と第2立設面部とを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、連結構造体を構成する材料の厚みが厚い場合に有効な連結構造である。
【0012】
また、差込部は、その一部に折り畳み可能な折り畳み部を有し、折り畳み部を折り畳んだ状態で第1立設面部の差込孔に差し込むことができるよう構成されていてもよい。この場合には、延設部の差込部を第1立設面部の差込孔に差し込んだ後、折り畳み部の折り畳みを解除することにより、その折り畳み部によって延設部の差込部が第1立設面部の差込孔から外側に抜けることを抑制できる。これにより、隣接する第1立設面部と第2立設面部とをより強固に連結できる。
【0013】
また、第2立設面部の一端部に折り目が設けられ、第1立設面部及び第2立設面部を連結した状態で第2立設面部を折り目に沿って折り曲げることにより、第1立設面部及び第2立設面部の連結状態を維持したまま第1立設面部を基面部側に折り畳むことができるよう構成されていてもよい。この場合には、第1立設面部及び第2立設面部を連結した状態であっても容易に折り畳むことができ、保管時の省スペース化を図ることができる。また、折り畳みを解除すれば、すぐに元の状態(組み立てた状態)に戻すことができ、繰り返しの使用が容易である。
【0014】
本発明の他の態様である連結構造体は、互いに連結可能な板状の第1連結面部及び第2連結面部を備えている。第1連結面部は、第2連結面部に連結する連結端部に設けられた差込孔を有する。第2連結面部には、第1連結面部に連結する連結端部から延びる延設部が設けられている。
【0015】
延設部は、第1連結面部の連結端部の外面に重ね合わされる重合部と、第1連結面部の差込孔に外側から差し込む差込部と、を有する。差込部は、第2連結面部及び延設部の少なくとも一方に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、かつ、第1連結面部の差込孔に差し込んで第2連結面部側に折り返し、第1連結面部の連結端部の内面に沿って配置された状態で、係合部を被係合部に係合できるよう構成されている。
【0016】
上記連結構造体によれば、第2連結面部の連結端部から延びる延設部の差込部を第1連結面部の差込孔に差し込んで第2連結面部側に折り返し、差込部の係合部を被係合部に係合することにより、第1連結面部と第2連結面部とを延設部によって容易に連結できる。また、延設部を第1連結面部の差込孔に挿通し、重合部及び差込部によって第1連結面部の連結端部を外側及び内側から挟み込むような状態で、差込部の係合部を被係合部に係合するため、第1連結面部と第2連結面部とを強固に連結できる。
【0017】
また、上述したように、第1連結面部と第2連結面部とを簡易な構成で容易に連結できることから、両者の連結を解除して組み立て前の状態に戻すことも容易である。そのため、必要に応じて組み立てて使用したり組み立て前の状態に戻したりして、繰り返しの使用が可能となる。また、繰り返しの使用でも強固な連結を維持できるため、耐久性に優れている。また、使用しない時に組み立て前の状態に戻して保管すれば、保管時の省スペース化を図ることができる。
【0018】
上記連結構造体において、被係合部は、第2連結面部の連結端部に設けられた係合孔であり、係合部は、差込部に設けられ、係合孔に差し込んで係合する係合片部であってもよい。この場合には、第1連結面部と第2連結面部とを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、連結構造体を構成する材料の厚みが薄い場合に有効な連結構造である。
【0019】
また、被係合部は、第1連結面部の連結端部に設けられた第1係合孔と、延設部の重合部に設けられた第2係合孔と、により構成され、延設部の重合部が第1連結面部の連結端部の外面に重ね合わされた状態で、第1係合孔と第2係合孔とが互いに連通するよう構成され、係合部は、差込部に設けられ、第1係合孔及び第2係合孔に差し込んで係合する係合片部であってもよい。この場合には、第1連結面部と第2連結面部とを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、連結構造体を構成する材料の厚みが厚い場合に有効な連結構造である。
【0020】
また、差込部は、その一部に折り畳み可能な折り畳み部を有し、折り畳み部を折り畳んだ状態で第1連結面部の差込孔に差し込むことができるよう構成されていてもよい。この場合には、延設部の差込部を第1連結面部の差込孔に差し込んだ後、折り畳み部の折り畳みを解除することにより、その折り畳み部によって延設部の差込部が第1連結面部の差込孔から外側に抜けることを抑制できる。これにより、第1連結面部と第2連結面部とをより強固に連結できる。
【0021】
本発明のさらに他の態様である梱包材は、上記連結構造体を備える。
上記梱包材によれば、簡易な構成で容易かつ強固に連結でき、長期間の繰り返しの使用が可能であり、保管時の省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態における梱包材の平面図である。
【
図2】第1実施形態における梱包材の一部を拡大した平面図である。
【
図3】第1実施形態における隣接する立設面部同士の連結手順を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態における隣接する立設面部同士の連結構造を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態における組み立てた状態の梱包材を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態における折り畳んだ梱包材の一部を拡大した平面図である。
【
図7】第1実施形態における梱包材の使用状態を示す斜視図である。
【
図8】第2実施形態における梱包材の平面図である。
【
図9】第2実施形態における梱包材の一部を拡大した平面図である。
【
図10】第2実施形態における隣接する立設面部同士の連結手順を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態における隣接する立設面部同士の連結構造を示す斜視図である。
【
図12】第2実施形態における組み立てた状態の梱包材を示す斜視図である。
【
図13】第2実施形態における折り畳んだ梱包材の一部を拡大した平面図である。
【
図14】第3実施形態における組み立てた状態のシートパレットを示す斜視図である。
【
図15】第4実施形態における梱包材の平面図である。
【
図16】第4実施形態における組み立てた状態の梱包材を示す斜視図である。
【
図17】第5実施形態における梱包材の平面図である。
【
図18】第5実施形態における組み立てた状態の梱包材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、
図1~
図7に示すように、本発明の連結構造体を梱包材1Aに適用した例である。梱包材1Aは、組み立て可能に構成されている。梱包材1Aは、組み立てた状態で梱包物10の少なくとも一部を覆い、輸送時、保管時等において梱包物10を保護するために用いられる。
【0024】
図1に示すように、梱包材1Aは、厚さ約1mmの紙製シートからなる。梱包材1Aは、組み立て前の状態(展開状態)において、基面部2と4つの立設面部3A、3B、3C、3Dとを有する。基面部2は、四角形(矩形)板状であり、4つの辺部21、22、23、24を有する。立設面部3A、3B、3C、3Dは、四角形(矩形)板状である。立設面部3A、3B、3C、3Dは、基面部2の各辺部21、22、23、24に沿って、基面部2の周囲に設けられている。基面部2と各立設面部3A、3B、3C、3Dとの間には、折り目11が形成されている。
【0025】
4つの立設面部3A、3B、3C、3Dにおいて、隣接する立設面部3Aと立設面部3B、立設面部3Aと立設面部3D、立設面部3Cと立設面部3B、立設面部3Cと立設面部3Dは、互いに連結可能に構成されている。ここでは、隣接する立設面部3A(第1立設面部)と立設面部3B(第2立設面部)との連結構造について詳細に説明する。
【0026】
図2に示すように、立設面部3Aは、立設面部3B側の端部30Aに設けられ、厚み方向に貫通して形成された縦長状の差込孔31を有する。立設面部3Bには、立設面部3A側の端部30Bから延びる延設部4が設けられている。延設部4は、立設面部3Aの端部30Aと立設面部3Bの端部30Bとの間に挟まれた部分に設けられている。立設面部3Bの端部30Bと延設部4との間には、折り目12が形成されている。
【0027】
立設面部3Bの端部30Bには、厚み方向に貫通して形成された縦長状の係合孔32(被係合部)が折り目12に沿って設けられている。また、立設面部3Bの端部30Bには、折り目11と折り目12とが交差する位置から折り目11及び折り目12に対して45°をなす方向に折り目13が形成されている。
【0028】
延設部4は、基端部分を構成する重合部41と、先端部分を構成する差込部42とを有する。重合部41と差込部42との間には、折り目14が形成されている。差込部42は、差込本体部421と、立設面部3A側の端部に設けられた折り畳み部422とを有する。差込本体部421は、先端側に突出して形成された係合片部43(係合部)を有する。折り畳み部422は、折り目14に対して直交する方向に形成された折り目15に沿って差込本体部421側に折り畳み可能に構成されている。
【0029】
次に、立設面部3Aと立設面部3Bとを連結する手順について説明する。
図3(A)に示すように、立設面部3Aを基面部2の辺部21から折り目11に沿って折り曲げて立設する。また、立設面部3Bを基面部2の辺部22から折り目11に沿って折り曲げて立設する。そして、延設部4を折り目12に沿って折り曲げ、重合部41を立設面部3Aの端部30Aの外面に重ね合わせる。その後、折り畳み部422を折り目15に沿って折り畳んだ状態で、差込部42を立設面部3Aの差込孔31に外側から内側に向かって差し込む。
【0030】
図3(B)に示すように、立設面部3Aの差込孔31に差し込んだ差込部42を折り目14に沿って立設面部3B側に折り返すと共に、折り畳み部422の折り畳みを解除する。そして、差込部42を立設面部3Aの端部30Aの内面に沿って配置した状態で、差込部42の係合片部43を立設面部3Bの係合孔32に差し込んで係合する。これにより、立設面部3Aの端部30Aと立設面部3Bの端部30Bとを延設部4によって連結する。
【0031】
立設面部3Aと立設面部3Bとを連結した状態において、
図4(A)に示すように、延設部4の重合部41は、立設面部3Aの端部30Aの外面に重ね合わされている。
図4(B)に示すように、延設部4の差込部42は、立設面部3Aの差込孔31を介して立設面部3B側に折り返され、立設面部3Aの端部30Aの内面に沿って配置されている。このとき、折り畳み部422の折り畳みが解除されていることにより、延設部4の差込部42が立設面部3Aの差込孔31から外側に抜けることを抑制している。差込部42の係合片部43は、立設面部3Bの係合孔32に係合している。
【0032】
このように、立設面部3Bの端部30Bから延設された延設部4を、立設面部3Aの差込孔31に挿通した状態で、かつ、重合部41及び差込部42によって外側及び内側から挟み込むような状態で、立設面部3Bの端部30Bに係合している。これにより、立設面部3Aの端部30Aと立設面部3Bの端部30Bとを延設部4によって強固に連結することができる。
【0033】
なお、4つの立設面部3A、3B、3C、3Dにおいて、立設面部3Cは、上述した立設面部3Aと同様の構成を有する。また、立設面部3Dは、上述した立設面部3Bと同様の構成を有する。そして、隣接する立設面部3A及び立設面部3D、立設面部3C及び立設面部3B、立設面部3C及び立設面部3Dは、上述した立設面部3A及び立設面部3Bと同様の手順で連結することができる。
【0034】
図5に示すように、組み立てた状態の梱包材1Aにおいて、基面部2は、梱包材1Aの底面部分を構成する。基面部2の各辺部21、22、23、24から立設された4つの立設面部3A、3B、3C、3Dは、梱包材1Aの側面部分を構成する。立設面部3A及び立設面部3Cの高さは、立設面部3B及び立設面部3Dの高さよりも高い。
【0035】
隣接する立設面部3A及び立設面部3Bは、立設面部3A及び立設面部3D、立設面部3C及び立設面部3B、立設面部3C及び立設面部3Dは、互いに連結されている。梱包材1Aは、基面部2と4つの立設面部3A、3B、3C、3Dとにより形成された4つの角部を有する。
【0036】
図6(A)に示すように、組み立てた状態の梱包材1Aは、立設面部3A及び立設面部3Bを連結した状態で、立設面部3Bを折り目13に沿って折り曲げることにより、立設面部3A及び立設面部3Bの連結状態を維持したまま、立設面部3Aを基面部2側に折り畳むことができる。
【0037】
梱包材1Aの4つの角部において同様に折り畳むことにより、4つの立設面部3A、3B、3C、3Dの連結状態を維持したまま、梱包材1Aをシート状に折り畳むことができる。梱包材1Aをシート状に折り畳むことができるため、保管時の省スペース化を実現できる。また、折り畳みを解除すれば、すぐに梱包材1Aを元の状態(
図5の状態)に戻すことができる。
【0038】
また、
図6(B)に示すように、組み立てた状態の梱包材1Aは、立設面部3A及び立設面部3Bを連結した状態で、立設面部3Bを一旦折り目11に沿って折り曲げた後に折り目13に沿って折り曲げることもできる。これにより、梱包材1Aを
図6(A)の状態よりもさらに小型に折り畳むことができる。
【0039】
図7に示すように、梱包材1Aは、組み立てた状態において、梱包物10の上面側及び底面側を覆うキャップ材及びトレイ材として用いられる。これにより、輸送時、保管時等において、梱包物10を梱包材1Aによって保護することができる。
【0040】
次に、本実施形態の梱包材1Aにおける作用効果について説明する。
本実施形態の梱包材1Aによれば、例えば、隣接する立設面部3A及び立設面部3Bの場合、立設面部3Bの端部30Bから延びる延設部4の差込部42を立設面部3Aの差込孔31に差し込んで立設面部3B側に折り返し、差込部42の係合片部43を立設面部3Bの係合孔32に係合することにより、隣接する立設面部3Aと立設面部3Bとを延設部4によって容易に連結できる。また、延設部4を立設面部3Aの差込孔31に挿通し、重合部41及び差込部42によって立設面部3Aの端部30Aを外側及び内側から挟み込むような状態で、差込部42の係合片部43を立設面部Bの係合孔32に係合するため、隣接する立設面部3Aと立設面部3Bとを強固に連結できる。
【0041】
また、上述したように、隣接する立設面部3A、3B、3C、3D同士を簡易な構成で容易に連結できることから、両者の連結を解除して組み立て前の状態に戻すことも容易である。そのため、必要に応じて組み立てて使用したり組み立て前の状態に戻したりして、繰り返しの使用が可能となる。また、繰り返しの使用でも強固な連結を維持できるため、耐久性に優れている。また、使用しない時に組み立て前の状態に戻して保管すれば、保管時の省スペース化を図ることができる。
【0042】
本実施形態の梱包材1Aにおいて、例えば、隣接する立設面部3A及び立設面部3Bの場合、延設部4の差込部42に設けられた係合片部43を立設面部3Bの端部30Bに設けられた係合孔32に係合できるよう構成されている。そのため、隣接する第1立設面部3Aと第2立設面部3Bとを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、本実施形態のように、梱包材1Aを構成する材料の厚みが薄い場合に有効な連結構造である。
【0043】
また、延設部4の差込部42は、その一部に折り畳み可能な折り畳み部422を有し、折り畳み部422を折り畳んだ状態で立設面部3Aの差込孔31に差し込むことができるよう構成されている。そのため、延設部4の差込部42を立設面部3Aの差込孔31に差し込んだ後、折り畳み部422の折り畳みを解除することにより、その折り畳み部422によって延設部4の差込部42が立設面部3Aの差込孔31から外側に抜けることを抑制できる。これにより、隣接する立設面部3Aと立設面部3Bとをより強固に連結できる。
【0044】
また、立設面部3Bの端部30Bに折り目13が設けられ、立設面部3A及び立設面部3Bを連結した状態で立設面部3Bを折り目13に沿って折り曲げることにより、立設面部3A及び立設面部3Bの連結状態を維持したまま立設面部3Aを基面部2側に折り畳むことができるよう構成されている。そのため、立設面部3A及び立設面部3Bを連結した状態(隣接する立設面部3A、3B、3C、3D同士を連結した状態)であっても容易に折り畳むことができ、保管時の省スペース化を図ることができる。また、折り畳みを解除すれば、すぐに元の状態(組み立てた状態)に戻すことができ、繰り返しの使用が容易である。
【0045】
(第2実施形態)
本実施形態は、
図8~
図13に示すように、梱包材1Aにおいて、隣接する立設面部3A、3B、3C、3Dの連結構造を変更した例である。なお、第1実施形態(
図1~
図7)と同様の構成及び作用効果については説明を省略する。
【0046】
図8に示すように、梱包材1Aは、厚さ約3mmの段ボールからなる。隣接する立設面部3A(第1立設面部)と立設面部3B(第2立設面部)との連結構造において、立設面部3Aの端部30Aには、厚み方向に貫通して形成された縦長状の第1係合孔33(被係合部)が設けられている。延設部4の重合部41には、厚み方向に貫通して形成された縦長状の第2係合孔44(被係合部)が設けられている。
【0047】
図9に示すように、延設部4の差込部42の幅は、重合部41の幅よりも小さい。差込部42の差込本体部421と係合片部43(係合部)との間には、折り目16が形成されている。係合片部43の先端部には、他の部分よりも少しだけ幅を大きくした幅広部431が設けられている。
【0048】
次に、立設面部3Aと立設面部3Bとを連結する手順について説明する。
図10(A)に示すように、立設面部3Aを基面部2の辺部21から折り目11に沿って折り曲げて立設する。また、立設面部3Bを基面部2の辺部22から折り目11に沿って折り曲げて立設する。そして、延設部4を折り目12に沿って折り曲げ、重合部41を立設面部3Aの端部30Aの外面に重ね合わせる。このとき、第1係合孔33と第2係合孔44とが互い連通するように、すなわち互いに重なる位置に配置される。その後、折り畳み部422を折り目15に沿って折り畳んだ状態で、差込部42を立設面部3Aの差込孔31に外側から内側に向かって差し込む。
【0049】
図10(B)に示すように、立設面部3Aの差込孔31に差し込んだ差込部42を折り目14に沿って立設面部3B側に折り返すと共に、折り畳み部422の折り畳みを解除する。そして、差込部42を立設面部3Aの端部30Aの内面に沿って配置した状態で、係合片部43を折り目16に沿って折り曲げ、立設面部3Aの第1係合孔33及び延設部4の第2係合孔44に差し込んで係合する。これにより、立設面部3Aの端部30Aと立設面部3Bの端部30Bとを延設部4によって連結する。
【0050】
立設面部3Aと立設面部3Bとを連結した状態において、
図11(A)に示すように、延設部4の重合部41は、立設面部3Aの端部30Aの外面に重ね合わされている。
図11(B)に示すように、延設部4の差込部42は、立設面部3Aの差込孔31を介して立設面部3B側に折り返され、立設面部3Aの端部30Aの内面に沿って配置されている。このとき、折り畳み部422の折り畳みが解除されていることにより、延設部4の差込部42が立設面部3Aの差込孔31から外側に抜けることを抑制している。差込部42の係合片部43は、立設面部3Aの第1係合孔33及び延設部4の第2係合孔44に係合している。係合片部43は、幅広部431によって立設面部3Aの第1係合孔33及び延設部4の第2係合孔44からの抜けを抑制している。
【0051】
このように、立設面部3Bの端部30Bから延設された延設部4を、立設面部3Aの差込孔31に挿通した状態で、かつ、重合部41及び差込部42によって外側及び内側から挟み込むような状態で、立設面部3A及び延設部4の両方に係合している。これにより、立設面部3Aの端部30Aと立設面部3Bの端部30Bとを延設部4によって強固に連結することができる。
【0052】
なお、4つの立設面部3A、3B、3C、3Dにおいて、立設面部3Cは、上述した立設面部3Aと同様の構成を有する。また、立設面部3Dは、上述した立設面部3Bと同様の構成を有する。そして、隣接する立設面部3A及び立設面部3D、立設面部3C及び立設面部3B、立設面部3C及び立設面部3Dは、上述した立設面部3A及び立設面部3Bと同様の手順で連結することができる。
【0053】
図12に示すように、組み立てた状態の梱包材1Aにおいて、基面部2は、梱包材1Aの底面部分を構成する。基面部2の各辺部21、22、23、24から立設された4つの立設面部3A、3B、3C、3Dは、梱包材1Aの側面部分を構成する。4つの立設面部3A、3B、3C、3Dの高さは同じである。
【0054】
隣接する立設面部3A及び立設面部3Bは、立設面部3A及び立設面部3D、立設面部3C及び立設面部3B、立設面部3C及び立設面部3Dは、互いに連結されている。梱包材1Aは、基面部2と4つの立設面部3A、3B、3C、3Dとにより形成された4つの角部を有する。
【0055】
図13(A)に示すように、組み立てた状態の梱包材1Aは、立設面部3A及び立設面部3Bを連結した状態で、立設面部3Bを折り目13に沿って折り曲げることにより、立設面部3A及び立設面部3Bの連結状態を維持したまま、立設面部3Aを基面部2側に折り畳むことができる。
【0056】
梱包材1Aの4つの角部において同様に折り畳むことにより、4つの立設面部3A、3B、3C、3Dの連結状態を維持したまま、梱包材1Aをシート状に折り畳むことができる。梱包材1Aをシート状に折り畳むことができるため、保管時の省スペース化を実現できる。また、折り畳みを解除すれば、すぐに梱包材1Aを元の状態(
図12の状態)に戻すことができる。
【0057】
また、
図13(B)に示すように、組み立てた状態の梱包材1Aは、立設面部3A及び立設面部3Bを連結した状態で、立設面部3Bを一旦折り目11に沿って折り曲げた後に折り目13に沿って折り曲げることもできる。これにより、梱包材1Aを
図13(A)の状態よりもさらに小型に折り畳むことができる。
【0058】
本実施形態の梱包材1Aによれば、例えば、隣接する立設面部3A及び立設面部3Bの場合、延設部4の重合部41が立設面部3Aの端部30Aの外面に重ね合わされた状態で、第1係合孔33と第2係合孔44とが互いに連通するよう構成されている。そして、延設部4の係合片部43を第1係合孔33及び第2係合孔44に係合できるよう構成されている。そのため、隣接する立設面部3Aと立設面部3Bとを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、本実施形態のように、梱包材1Aを構成する材料の厚みが厚い場合に有効な連結構造である。
【0059】
(第3実施形態)
本実施形態は、
図14に示すように、本発明の連結構造体をシートパレット1Bに適用した例である。なお、第1実施形態(
図1~
図7)と同様の構成及び作用効果については説明を省略する。
【0060】
図14に示すように、シートパレット1Bは、組み立て可能に構成されている。シートパレット1Bは、荷物の輸送、保管等に用いられるシート状のパレットである。シートパレット1Bでの荷役には、プッシュプル機能を備えたフォークリフトが使用される。
【0061】
シートパレット1Bは、厚さ約1mmの紙製シートからなる。シートパレット1Bは、基面部2と、基面部2の周囲に設けられた立設面部3A、3B、3D及びタブ3Eとを有する。基面部2は、荷物を載置する載置面部分である。タブ3Eは、立設面部3Aと同様に四角形(矩形)板状であり、フォークリフトのグリッパーで把持する部分である。
【0062】
3つの立設面部3A、3B、3Dにおいて、隣接する立設面部3Aと立設面部3B、立設面部3Aと立設面部3Dは、上述した第1実施形態と同様の構成により、延設部4によって互いに連結可能に構成されている。なお、立設面部3B及び立設面部3Dには、それぞれタブ3E側の端部から延びる延設部40が設けられている。
【0063】
(第4実施形態)
本実施形態は、
図15、
図16に示すように、本発明の連結構造体を梱包材5Aに適用した例である。梱包材5Aは、箱状に組み立て可能に構成されている。梱包材5Aは、組み立てた状態において、梱包物の梱包等に用いられる。
【0064】
図15に示すように、梱包材5Aは、厚さ約1mmの紙製シートからなる。梱包材5Aは、組み立て前の状態(展開状態)において、連続して設けられた4つの側面部6A、6B、6C、6Dを有する。側面部6A、6B、6C、6Dは、四角形(矩形)板状である。側面部6Aと側面部6C、側面部6Bと側面部6Dは、同じ大きさであり、組み立てた状態で対向する位置に配置される。側面部6Aと側面部6Bとの間、側面部6Bと側面部6Cとの間、側面部6Cと側面部6Dとの間には、それぞれ折り目51が形成されている。
【0065】
梱包材5Aは、持ち手を含む上面部分を構成する上面部631、632、633、634を有する。上面部631、632、633、634は、それぞれ側面部6A、6B、6C、6Dの上側に設けられている。また、梱包材5Aは、底面部分を構成する底面部641、642、643、644を有する。底面部641、642、643、644は、それぞれ側面部6A、6B、6C、6Dの下側に設けられている。
【0066】
4つの側面部6A、6B、6C、6Dにおいて、側面部6Aと側面部6Dは、互いに連結可能に構成されている。以下、側面部6A(第1連結面部)と側面部6D(第2連結面部)との連結構造について詳細に説明する。
【0067】
側面部6Aは、側面部6Dに連結する端部である連結端部60Aに設けられ、厚み方向に貫通して形成された縦長状の差込孔61を有する。側面部6Dには、側面部6Aに連結する端部である連結端部60Dから延びる延設部7が設けられている。側面部6Dの連結端部60Dと延設部7との間には、折り目52が形成されている。側面部6Dの連結端部60Dには、厚み方向に貫通して形成された縦長状の係合孔62(被係合部)が折り目52に沿って設けられている。
【0068】
延設部7は、基端部分を構成する重合部71と、先端部分を構成する差込部72とを有する。重合部71と差込部72との間には、折り目53が形成されている。差込部72は、差込本体部721と、差込部72の下端部に設けられた折り畳み部722とを有する。差込本体部721は、折り畳み部722よりも先端側に突出して形成された係合片部73(係合部)を有する。折り畳み部722は、折り目53に対して直交する方向に形成された折り目54に沿って差込本体部721側に折り畳み可能に構成されている。
【0069】
次に、側面部6Aと側面部6Dとを連結する手順について説明する。
図16(A)、(B)に示すように、側面部6A、6B、6C、6Dを折り目51に沿って折り曲げる。そして、延設部7を折り目52に沿って折り曲げ、重合部71を側面部6Aの連結端部60Aの外面に重ね合わせる。その後、折り畳み部722を折り目54に沿って折り畳んだ状態で、差込部72を側面部6Aの差込孔61に外側から内側に向かって差し込む。
【0070】
側面部6Aの差込孔61に差し込んだ差込部72を折り目53に沿って側面部6D側に折り返すと共に、折り畳み部722の折り畳みを解除する。そして、差込部72を側面部6Aの連結端部60Aの内面に沿って配置した状態で、差込部72の係合片部73を側面部6Dの係合孔62に差し込んで係合する。これにより、側面部6Aの連結端部60Aと側面部6Dの連結端部60Dとを延設部7によって連結する。
【0071】
側面部6Aと側面部6Dとを連結した状態において、延設部7の重合部71は、側面部6Aの連結端部60Aの外面に重ね合わされている。延設部7の差込部72は、側面部6Aの差込孔61を介して側面部6D側に折り返され、側面部6Aの連結端部60Aの内面に沿って配置されている。このとき、折り畳み部722の折り畳みが解除されていることにより、延設部7の差込部72が側面部6Aの差込孔61から外側に抜けることを抑制している。差込部72の係合片部73は、側面部6Dの係合孔62に係合している。
【0072】
このように、側面部6Dの連結端部60Dから延設された延設部7を、側面部6Aの差込孔61に挿通した状態で、かつ、重合部71及び差込部72によって外側及び内側から挟み込むような状態で、側面部6Dの連結端部60Dに係合している。これにより、側面部6Aの連結端部60Aと側面部6Dの連結端部60Dとを延設部7によって強固に連結することができる。
【0073】
図16(A)、(B)に示すように、組み立てた状態の梱包材5Aにおいて、側面部6A、6B、6C、6Dは、梱包材5Aの側面部分を構成する。上面部631、632、633,634は、梱包材5Aの持ち手を含む上面部分を構成する。底面部641、642、643、644は、梱包材5Aの底面部分を構成する。側面部6A及び側面部6Dは、互いに連結されている。
【0074】
次に、本実施形態の梱包材5Aにおける作用効果について説明する。
本実施形態の梱包材5Aによれば、側面部6Dの連結端部60Dから延びる延設部7の差込部72を側面部6Aの差込孔61に差し込んで側面部6D側に折り返し、差込部72の係合片部73を側面部6Dの係合孔62に係合することにより、側面部6Aと側面部6Dとを延設部7によって容易に連結できる。また、延設部7を側面部6Aの差込孔61に挿通し、重合部71及び差込部72によって側面部6Aの連結端部60Aを外側及び内側から挟み込むような状態で、差込部72の係合片部73を側面部6Dの係合孔62に係合するため、側面部6Aと側面部6Dとを強固に連結できる。
【0075】
また、上述したように、側面部6Aと側面部6Dとを簡易な構成で容易に連結できることから、両者の連結を解除して組み立て前の状態に戻すことも容易である。そのため、必要に応じて組み立てて使用したり組み立て前の状態に戻したりして、繰り返しの使用が可能となる。また、繰り返しの使用でも強固な連結を維持できるため、耐久性に優れている。また、使用しない時に組み立て前の状態に戻して保管すれば、保管時の省スペース化を図ることができる。
【0076】
本実施形態の梱包材5Aにおいて、延設部7の差込部72に設けられた係合片部73を側面部6Dの連結端部60Dに設けられた係合孔62に係合できるよう構成されている。そのため、側面部6Aと側面部6Dとを容易かつ強固に連結でき、繰り返しの使用も可能である。特に、本実施形態のように、梱包材5Aを構成する材料の厚みが薄い場合に有効な連結構造である。
【0077】
また、延設部7の差込部72は、その一部に折り畳み可能な折り畳み部722を有し、折り畳み部722を折り畳んだ状態で側面部6Aの差込孔61に差し込むことができるよう構成されている。そのため、延設部7の差込部72を側面部6Aの差込孔61に差し込んだ後、折り畳み部722の折り畳みを解除することにより、その折り畳み部722によって延設部7の差込部72が側面部6Aの差込孔61から外側に抜けることを抑制できる。これにより、側面部6Aと側面部6Dとをより強固に連結できる。
【0078】
(第5実施形態)
本実施形態は、
図17、
図18に示すように、本発明の連結構造体を梱包材5Bに適用した例である。梱包材5Bは、四角形筒状の枠体となるように組み立て可能に構成されている。梱包材5Bは、組み立てた状態において、梱包物の梱包、保護、保持、支持等に用いられる。
【0079】
梱包材5Bは、厚さ約1mmの紙製シートからなる。梱包材5Bは、組み立て前の状態(展開状態)において、側面部6A、6B、6C、6Dを有する。側面部6Dには、延設部7が設けられている。その他は、第4実施形態(
図15、
図16)と同様の構成及び作用効果を有するため、説明を省略する。
【0080】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0081】
(1)上記実施形態において、連結構造体を、梱包物の梱包に用いられる梱包材、荷物の輸送、保管等に用いられるシートパレット等に適用した例を示したが、他の用途に適用してもよい。なお、梱包材には、梱包物を梱包する箱等のほか、梱包物の梱包の際に用いられる部材、例えば、梱包物の保護、保持、支持等に用いられる部材も含まれる。
【0082】
(2)上記実施形態において、連結構造体の材質としては、紙製シート(例えば、板紙等)や段ボールといった紙製材料を用いたが、材質はこれに限定されるものではなく、例えば、プラスチック等の樹脂材料等を用いることもできる。
【0083】
(3)上記第1~第3実施形態において、基面部2は平面視で四角形状としたが、基面部2は隣接する2つの辺部を有する形状であればよく、例えば、三角形、五角形、六角形等の多角形状であってもよい。
【0084】
(4)上記第1~第3実施形態において、隣接する立設面部3A(第1立設面部)と立設面部3B(第2立設面部)とを1つの延設部4によって連結する構成としたが、例えば、2つ以上の延設部4によって連結する構成としてもよい。
【0085】
(5)上記第4~第5実施形態において、係合部及び被係合部の構成を上記第2実施形態(
図8~
図13)と同様の構成としてもよい。すなわち、例えば、側面部6Aの連結端部60Aに第1係合孔(被係合部)を設け、延設部7の重合部71に第2係合孔(被係合孔)を設け、延設部7の係合片部73を第1係合孔及び第2係合孔に差し込んで係合するように構成してもよい。
【0086】
(6)上記第4~第5実施形態において、上記第2実施形態(
図8~
図13)と同様に、係合片部73(係合部)の先端部に他の部分よりも少しだけ幅を大きくした幅広部を設け、係合孔62(被係合部)からの係合片部73の抜けをさらに抑制する構成としてもよい。
【0087】
(7)上記第4~第5実施形態において、側面部6A(第1連結面部)と側面部6D(第2連結面部)とを1つの延設部7によって連結する構成としたが、例えば、2つ以上の延設部7によって連結する構成としてもよい。
【0088】
(8)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0089】
1A…梱包材(連結構造体)、2…基面部、3A~3D…立設面部、4…延設部、21~24…辺部、30A…端部(立設面部の一端部)、30B…端部(立設面部の一端部)31…差込孔、32…係合孔(被係合部)、41…重合部、42…差込部、43…係合片部(係合部)