IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ムービックの特許一覧

特開2023-26049ライティングアクリルスタンド及びその製造方法
<>
  • 特開-ライティングアクリルスタンド及びその製造方法 図1
  • 特開-ライティングアクリルスタンド及びその製造方法 図2
  • 特開-ライティングアクリルスタンド及びその製造方法 図3
  • 特開-ライティングアクリルスタンド及びその製造方法 図4
  • 特開-ライティングアクリルスタンド及びその製造方法 図5
  • 特開-ライティングアクリルスタンド及びその製造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026049
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】ライティングアクリルスタンド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G09F13/18 N
G09F13/18 Q
G09F13/18 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131647
(22)【出願日】2021-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】500302633
【氏名又は名称】株式会社ムービック
(74)【代理人】
【識別番号】100172306
【弁理士】
【氏名又は名称】知念 芳文
(72)【発明者】
【氏名】江戸 勇太
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA11
5C096AA27
5C096BA01
5C096BC11
5C096CA02
5C096CA06
5C096CA13
5C096CA14
5C096CA22
5C096CA33
5C096CB01
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD02
5C096CD09
5C096CD12
5C096CD14
5C096CD22
5C096CD23
5C096CE06
5C096CE29
5C096EB02
5C096EB16
5C096FA04
5C096FA05
5C096FA13
(57)【要約】
【課題】低コストかつ簡易な構成で製造可能であり、光る図柄と光らない図柄を同一面で組み合わせて展示することが可能なライティングアクリルスタンドを提供する。
【解決手段】ライティングアクリルスタンド(100)は、図柄が裏面(12)に印刷された第1のアクリル板(10)と、発光部からの光を反射させるための塗料(23)が裏面(22)の少なくとも一部に印刷された第2のアクリル板(20)とを有し、第1のアクリル板は、台座へ挿入可能な第1の突出部(15)を有し、第2のアクリル板は、台座へ挿入可能な第2の突出部(25)を有し、第1の突出部の台座への挿入方向の長さ(L1)は、第2の突出部の挿入方向の長さ(L2)よりも短く、第1のアクリル板の裏面における第1の突出部の少なくとも一部には、遮光塗料(14)が印刷されており、第1の突出部の先端(16)には、複数の凹凸形状(17、18、19)が形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を備えた台座に固定され、該発光部からの光により図柄が照明されるライティングアクリルスタンドであって、
前記図柄が第1の裏面に印刷された第1のアクリル板と、
前記発光部からの光を反射させるための塗料が第2の裏面の少なくとも一部に印刷された第2のアクリル板と、を有し、
前記第1のアクリル板は、前記台座へ挿入可能な第1の突出部を有し、
前記第2のアクリル板は、前記台座へ挿入可能な第2の突出部を有し、
前記第1の突出部の前記台座への挿入方向の長さは、前記第2の突出部の前記挿入方向の長さよりも短く、
前記第1のアクリル板の前記第1の裏面と前記第2のアクリル板の表面とを対向させた状態で、前記第1の突出部と前記第2の突出部との少なくとも一部を重ね合わせて前記台座の凹部へ挿入することにより、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板は前記台座に固定されるように構成されており、
前記第1のアクリル板の前記第1の裏面における前記第1の突出部の少なくとも一部には、遮光塗料が印刷されており、
前記第1の突出部の先端には、複数の凹凸形状が形成されていることを特徴とするライティングアクリルスタンド。
【請求項2】
前記複数の凹凸形状は、複数の山部と複数の谷部とが交互に形成された波形状部であることを特徴とする請求項1に記載のライティングアクリルスタンド。
【請求項3】
前記挿入方向から見た場合に、前記複数の山部の頂点は、前記発光部を構成する一列に配列された複数のLEDとは異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のライティングアクリルスタンド。
【請求項4】
前記第2のアクリル板の前記塗料は、前記第1のアクリル板の前記図柄の少なくとも一部に重ねて印刷された白色塗料と対向する位置には印刷されていないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のライティングアクリルスタンド。
【請求項5】
発光部を備えた台座に固定され、該発光部からの光により図柄が照明されるライティングアクリルスタンドを構成するアクリル板の製造方法であって、
第1の所定サイズのアクリル板の一方の面に、前記図柄をカラー印刷するとともに遮光塗料を印刷する工程と、
前記図柄の印刷後、前記第1の所定サイズのアクリル板のうち前記図柄の少なくとも一部に対応する位置に白色塗料を前記図柄に重ねて印刷する工程と、
レーザを用いて、前記第1の所定サイズのアクリル板から前記図柄が印刷された第1のアクリル板を切り抜く工程と、
第2の所定サイズのアクリル板に、前記第1のアクリル板と対向させて重ねた場合に前記図柄に重ねて印刷された前記白色塗料とは異なる位置に塗料を印刷する工程と、
レーザを用いて、前記第2の所定サイズのアクリル板から前記塗料が印刷された第2のアクリル板を切り抜く工程と、を有することを特徴とするライティングアクリルスタンドを構成するアクリル板の製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED等の発光部を備えた台座に固定され、発光部からの光により図柄が照明されるライティングアクリルスタンド、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも1個の小型電球とこの電球を点滅させる電気回路とを備えた回路板ボックスと、回路板ボックスに装着する保持体と、保持体に対して着脱自在に装着出来て電球の先端が後端部に対向するようにした舌状の透明プラスチック板とよりなり、透明板は少なくともその突出先端部がテーパー状に切削されて梨地状のカット面を有し、電球からの光が透明プラスチック板内を通過して梨地状のカット面にて発光するようにしたイルミネーション・プレート装置が開示されている。特許文献2には、文字や模様を融刻した透明樹脂板に、電球よりやや大きい電球用孔をくり抜き、電球用孔の木口に光を透過する有色の透過塗料を塗り、他の孔の木口には不透過塗料を塗り、透明樹脂板を重ね合せ電球で光を投射し、文字や模様を浮かび上らせる装飾パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-10980号公報
【特許文献2】実開昭61-153080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているイルミネーション・プレート装置は、光る図柄と光らない図柄を組み合わせて、展示することができない。また、特許文献1に開示されているイルミネーション・プレート装置及び特許文献2に開示されている装飾パネルは、いずれも複雑な構成を有しており、コストも高い。
【0005】
そこで本発明は、低コストかつ簡易な構成で製造可能であり、光る図柄と光らない図柄を同一面で組み合わせて展示することが可能なライティングアクリルスタンド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面としてのライティングアクリルスタンドは、発光部を備えた台座に固定され、該発光部からの光により図柄が照明されるライティングアクリルスタンドであって、前記図柄が第1の裏面に印刷された第1のアクリル板と、前記発光部からの光を反射させるための塗料が第2の裏面の少なくとも一部に印刷された第2のアクリル板とを有し、前記第1のアクリル板は、前記台座へ挿入可能な第1の突出部を有し、前記第2のアクリル板は、前記台座へ挿入可能な第2の突出部を有し、前記第1の突出部の前記台座への挿入方向の長さは、前記第2の突出部の前記挿入方向の長さよりも短く、前記第1のアクリル板の前記第1の裏面と前記第2のアクリル板の表面とを対向させた状態で、前記第1の突出部と前記第2の突出部との少なくとも一部を重ね合わせて前記台座の凹部へ挿入することにより、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板は前記台座に固定されるように構成されており、前記第1のアクリル板の前記第1の裏面における前記第1の突出部の少なくとも一部には、遮光塗料が印刷されており、前記第1の突出部の先端には、複数の凹凸形状が形成されている。
【0007】
本発明の他の側面としてのライティングアクリルスタンドを構成するアクリル板の製造方法は、発光部を備えた台座に固定され、該発光部からの光により図柄が照明されるライティングアクリルスタンドを構成するアクリル板の製造方法であって、所定サイズのアクリル板の一方の面に、前記図柄をカラー印刷するとともに遮光塗料を印刷する工程と、前記図柄の印刷後、前記アクリル板のうち前記図柄の少なくとも一部に対応する位置に白色塗料を前記図柄に重ねて印刷する工程と、レーザを用いて、前記アクリル板から前記図柄が印刷された第1のアクリル板を切り抜く工程と、所定サイズのアクリル板に、前記第1のアクリル板と対向させて重ねた場合に前記図柄に重ねて印刷された前記白色塗料とは異なる位置に塗料を印刷する工程と、レーザを用いて、前記アクリル板から前記塗料が印刷された第2のアクリル板を切り抜く工程とを有する。
【0008】
本発明の他の目的や特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低コストかつ簡易な構成で製造可能であり、光る図柄と光らない図柄を同一面で組み合わせて展示することが可能なライティングアクリルスタンド及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るライティングアクリルスタンドの全体構成(台座に挿入した後の状態)の(a)無灯火状態、(b)発光状態をそれぞれ示す正面図である。
図2】本実施形態に係るライティングアクリルスタンドの全体構成(台座に挿入する前の状態)を示す正面図である。
図3】本実施形態に係るライティングアクリルスタンドの全体構成の(a)台座なしの状態、(b)台座ありの状態をそれぞれ示す側面図である。
図4】本実施形態に係るライティングアクリルスタンドを(a)表面側から見た分解斜視図、(b)第1のアクリル板を裏面から見た斜視図である。
図5】本実施形態に係る第1のアクリル板の(a)第1の突出部及び第2の突出部の周辺の拡大斜視図、(b)第1の突出部と第2の突出部と台座の発光部との位置関係を示す図である。
図6】本実施形態に係るライティングアクリルスタンドを構成するアクリル板の製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に関し、図面を参照して説明する。
【0012】
まず、図1乃至図4を用いて、本実施形態に係るライティングアクリルスタンド100の全体構成について説明する。図1(a)、(b)はライティングアクリルスタンド100の全体構成(台座30に挿入した後の状態)の正面図であり、図1(a)は無灯火状態、図1(b)は発光状態をそれぞれ示している。図2は、ライティングアクリルスタンド100の全体構成(台座30に挿入する前の状態)を示す正面図である。図3(a)、(b)はライティングアクリルスタンド100の全体構成の側面図であり、図3(a)は台座30無しの状態、図3(b)は台座30ありの状態をそれぞれ示している。図4(a)はライティングアクリルスタンド100を表面側から見た分解斜視図、図4(b)は第1のアクリル板10を裏面側から見た斜視図である。
【0013】
ライティングアクリルスタンド100は、発光部32を備えた台座30に固定され、発光部32からの光によりキャラクターの図柄13の一部が照明されるように構成されている。より具体的には、ライティングアクリルスタンド100は、発光部32から直接照射された光を反射させる部分(主に第2のアクリル板20)と、発光部32からの光が直接に照射されない部分(主に第1のアクリル板10)とを形成し、明暗のコントラストをはっきりさせて図柄13を鑑賞することができる。なお、図柄13はキャラクターに限定されるものではなく、花のような自然物、東京タワーのような人口的な建造物等、キャラクター以外の図柄であっても良い。
【0014】
図1乃至図4に示されるように、ライティングアクリルスタンド100は、第1のアクリル板10と第2のアクリル板20とを有する。第1のアクリル板10の裏面12(第2のアクリル板20と対向する面)には、図柄13が印刷されている。第2のアクリル板20の裏面22の少なくとも一部には、発光部32からの光を反射させるための白色塗料23が印刷されている。ただし本実施形態は、白色塗料23に限定されるものではなく、光を反射させる性質を持つ塗料であれば、白色以外の塗料(蛍光塗料等)を用いてもよい
【0015】
第1のアクリル板10は、その下側において、台座30へ挿入可能な第1の突出部15を有する。同様に、第2のアクリル板20は、その下側において、台座30へ挿入可能な第2の突出部25を有する。第1のアクリル板10の裏面12と第2のアクリル板20の表面21とを対向させた状態で、第1の突出部15と第2の突出部25との少なくとも一部を重ね合わせて台座30の凹部31へ挿入することにより、第1のアクリル板10と第2のアクリル板20は台座30に固定されるように構成されている。なお本実施形態において、第1のアクリル板10と第2のアクリル板20は基本的に略同じ外形を有するが、互いに異なる外形を有していても良い。
【0016】
図2及び図4(a)に示されるように、第1のアクリル板10の裏面12における第1の突出部15の少なくとも一部には、発光部32からの光により第1のアクリル板10が照明されることを防ぐためのマスキング部(遮光部)として機能する遮光塗料14が印刷されている。なお遮光塗料14は、例えば黒色塗料であるが、これに限定されるものではなく、遮光する機能を有する塗料であれば、黒色以外の塗料であっても良い。また、第1の突出部15の先端16には、複数の山部18と複数の谷部19とが交互に形成された波形状部17が形成されている。波形状部17は、発光部32からの光により第1のアクリル板10が照明されることを防ぐために、第1の突出部15の先端16に形成されている。ただし本実施形態において、第1のアクリル板10が照明されることを防ぐための形状は、波形状部17に限定されるものではなく、波形状以外の複数の凹凸形状であっても良い。
【0017】
図4(b)に示されるように、第1のアクリル板10の裏面12には、図柄13(図柄の塗料13a)がカラー印刷されている。また、図柄13(図柄の塗料13a)の少なくとも一部に重なるように白色塗料13bが印刷されている。白色塗料13bは、図柄13が透けて見えるのを防止するために印刷されている。また、図4(a)に示されるように、第2のアクリル板20の裏面22の一部には、白色塗料23が印刷されている。白色塗料23は、第2のアクリル板20のうち、発光部32からの光で発光させたい部分に印刷される。すなわち第2のアクリル板20においては、白色塗料23が印刷された部分のみが光って見える。本実施形態において、第2のアクリル板20の白色塗料23は、第1のアクリル板10の図柄13(図柄の塗料13a)に重ねて印刷された白色塗料13bと対向する位置には印刷されていないように、又は印刷されるとしてもその重なりが僅かになるように設計されている。これにより、ライティングアクリルスタンド100を正面から見た場合に、第2のアクリル板20の白色塗料23が印刷されている部分だけが光るようにすることができる。第2のアクリル板20の特定の領域のみを光らせることにより、ライティングアクリルスタンド100を鑑賞する者に特別な印象を持たせることができる。なお本実施形態において、白色塗料23を印刷することに代えて、第2のアクリル板20の光らせる特定の領域をレーザ等を用いて削っても同様の効果が得られる。また、白色塗料13bは白色の塗料に限定されず、薄い灰色等の白色以外の色の塗料であっても良い。さらに、図柄の塗料13aに重なるように白色塗料13bを印刷しない場合、白色塗料13bを印刷した場合に比べて図柄13の明暗のコントラストが小さくなるが、図柄13(図柄の塗料13a)を印刷した第1のアクリル板10の裏面12には、白色塗料13bを印刷しなくても良い。
【0018】
台座30は、凹部31の底面に複数のLED32a~32gからなる発光部32を有する。凹部31の内部には、各アクリル板を抜けにくくするための突起が設けられている。例えば本実施形態において、第1のアクリル板10の厚さは1.8mm、第2のアクリル板20の厚さは2.0mmであるため、突起の存在を考慮して、凹部31の縦幅(台座30に差し込まれる各アクリル板の厚さと同じ方向の幅)は、アクリル板の合計の厚さ3.8mmよりも僅かに広い4mmに設定することが好ましい。
【0019】
次に、図5を参照して、第1のアクリル板10の第1の突出部15及び第2のアクリル板20の第2の突出部25の構成について詳述する。図5(a)は第1の突出部15及び第2の突出部25の周辺の拡大斜視図、図5(b)は第1の突出部15と第2の突出部25と台座30の発光部32との位置関係を示す図である。
【0020】
本実施形態において、ライティングアクリルスタンド100の特徴の一つは、第1のアクリル板10の第1の突出部15の先端16が、複数の山部18と複数の谷部19とが交互に形成された波形状部17を有することである。波形状部17は、発光部32からの光を反射して第1のアクリル板10が照明されることを防ぐために設けられている。第1の突出部15の先端16を波形状部17にすることなく例えばフラットな形状にすると、下側に配置された発光部32の光が直進して第1のアクリル板10に入り第1のアクリル板10が光りやすくなる。このため本実施形態では、波形状部17を設けることにより、光が直進しにくくし、第1のアクリル板10が光りにくくなるように構成されている。図5(a)、(b)に示されるように、複数の山部18と複数の谷部19とで形成された波形状部17は、丸みを帯びていることが好ましい。なお本実施形態において、第1の突出部15の先端16を波形状部17以外の複数の凹凸を有する形状としてもよいが、例えばユーザが触れたときにけがをしないように、丸みを帯びた凹凸形状にすることが好ましい。
【0021】
本実施形態において、ライティングアクリルスタンド100の他の特徴の一つは、第1のアクリル板10の裏面12における第1の突出部15の少なくとも一部に、遮光塗料14が印刷されていることである。本実施形態において、遮光塗料14は、第1のアクリル板10の裏面12のうち、第1の突出部15にのみ印刷されている。第1の突出部15よりも上側の領域まで第1のアクリル板10の裏面12に遮光塗料14を印刷すると、その領域は台座30に隠れていないため、ユーザから見えて見栄えが良くない。このため遮光塗料14は、第1の突出部15にのみ印刷されていることが好ましい。後述のように、遮光塗料14は、図柄13の印刷と同一工程で印刷することができ、製造が簡便になり、コストダウンに寄与する。なお、第1の突出部15の底面(発光部32に対向する面)に遮光塗料14を印刷するのはコストがかかるが、底面に遮光塗料14を印刷しても良い。また、遮光塗料14の印刷を図柄13の印刷と同一工程で行わないことはコストがかかるが、遮光塗料14の印刷を同一行程で行うことは必須ではなく、また、第2のアクリル板20の表面21における第2の突出部25に遮光塗料14を印刷しても良い。
【0022】
本実施形態において、ライティングアクリルスタンド100の他の特徴の一つは、第1の突出部15の台座30への挿入方向(垂直方向)IDの長さL1が第2の突出部25の挿入方向IDの長さL2よりも短いことである。第1のアクリル板10の最下辺(第1の突出部15の山部18)と発光部32との間の距離を大きくすることにより、第1のアクリル板10に入光する光量を低減することができる。例えば本実施形態において、第2のアクリル板20の第2の突出部25の垂直方向の長さL2は15mm、第1のアクリル板10の第1の突出部15の垂直方向の長さL1、すなわち山部18の位置における長さは10mmである。なお、第1の突出部15の谷部19の位置における長さは7.5mmである。また本実施形態において、第2のアクリル板20の第2の突出部25は、発光部32の破損を防ぐため、複数のLED32a~32gに接しないように構成されている。
【0023】
本実施形態において、第1のアクリル板10及び第2のアクリル板20の本体部の横幅は、台座30の凹部31の横幅(水平方向の幅)よりも長い。このような構成により、突出部15及び突出部25全体が凹部31に挿入されるが、突出部15以外の第1のアクリル板10及び突出部25以外の第2のアクリル板20は凹部31に挿入されない構造となっている。なお、第1のアクリル板10及び第2のアクリル板20本体の横幅を台座30全体の横幅よりも短くする必要はなく、デザインによっては、第1のアクリル板10及び第2のアクリル板20の本体の横幅が台座30からはみ出すような大きさでも良い。第1の突出部15及び第2の突出部25の横幅を台座30の凹部31の横幅と略等しく(厳密には僅かに短く)することにより、第1の突出部15の長さL1を短くしても、第1のアクリル板10が凹部31からズレて倒れることが減り、安定して固定される。
【0024】
図5(b)に示されるように、挿入方向IDから見た場合(垂直方向)において、複数の山部18の頂点は、発光部32を構成する一列に配列された複数のLED32a~32gとは異なる位置に配置されていることが好ましい。すなわち垂直方向において、複数のLED32a~32gのそれぞれの位置と、波形状部17の傾斜部(山部18の頂点と谷部19の底点以外の部位)の位置または谷部19の底点の位置とが一致するように構成することが好ましい。これにより、複数のLED32a~32gからの光が波形状部17の傾斜部を照射するため、または谷部19の底点は複数のLED32a~32gから離れているため、光が第1のアクリル板10に入光しにくくなる。なお、複数のLEDの個数は7個に限定されるものではなく、それ以外の個数でも良い。または、1個のLEDのみを有していても良い。
【0025】
次に、図6(a)~(d)を用いて、ライティングアクリルスタンド100の製造方法について説明する。図6(a)~(d)は、ライティングアクリルスタンド100の製造方法の説明図である。なお、図6(a)~(d)は第1のアクリル板10の製造方法について示すが、その製造方法の一部は第2のアクリル板20にも共通するため、第2のアクリル板20の製造方法の説明図を省略する。
【0026】
まず、図6(a)に示されるように、A3,A4サイズ等の所定サイズのアクリル板101を準備する。ただし、アクリル板101のサイズは、これらに限定されるものではない。続いて、図6(b)に示されるように、所定サイズのアクリル板101の一方の面(第1のアクリル板10の裏面12となる面)に図柄13(図柄の塗料13a)をカラー印刷する。このとき、図柄13を印刷するアクリル板101の一方の面と同じ面において第1の突出部15に対応する位置に、マスキング部(遮光部)としての遮光塗料14を同じ工程で印刷する。なお本実施形態において、図柄の塗料13a及び遮光塗料14は、インクジェットプリンタを用いて印刷されるが、図柄の塗料13a及び遮光塗料14の印刷方法はこれに限定されるものではない。
【0027】
続いて、図6(c)に示されるように、アクリル板101のうち図柄13の少なくとも一部に対応する位置に、白色塗料(第1の白色塗料)13bを図柄13(図柄の塗料13a)に重ねて印刷する。本実施形態において、第1のアクリル板10と第2のアクリル板20とを重ねて台座30に固定した場合に、第2のアクリル板20に印刷された白色塗料23と重なる位置には、白色塗料13bを印刷しない。続いて、図6(d)に示されるように、レーザ等の切断手段を用いて、アクリル板101から図柄13が印刷された第1のアクリル板10を切り抜く。以上の工程で、第1のアクリル板10が完成する。
【0028】
次に、第2のアクリル板20を製造する。まず、所定サイズのアクリル板のうち、第1のアクリル板10の裏面12と、当該所定サイズのアクリル板において第2のアクリル板20の表面21となる面とを対向させて重ねた場合に第1のアクリル板10の白色塗料13bとは異なる位置に、白色塗料(第2の白色塗料)23を印刷する。白色塗料23は、第2のアクリル板20の裏面22となる一方の面に印刷される。なお、第2のアクリル板20の製造に用いられるアクリル板は、第1のアクリル板10の製造に用いられるアクリル板101と同一のアクリル板、又はアクリル板101とは異なるアクリル板のいずれでも良い。続いて、レーザ等の切断手段を用いて、アクリル板から白色塗料23が印刷された第2のアクリル板20を切り抜く。以上の工程で、第2のアクリル板20が完成する。なお本実施形態において、第1のアクリル板10の製造後に第2のアクリル板20を製造しているが、これに限定されるものではない。第1のアクリル板10と第2のアクリル板20の製造順序は、逆でもよく、またはこれらを同時に製造しても良い。
【0029】
本実施形態のライティングアクリルスタンドの製造方法によれば、第1のアクリル板10の裏面12に図柄13を印刷する際に、黒色のマスキング部として機能する遮光塗料14を同じ工程で印刷することができるため、カラー印刷工程が一工程ですみ、製造プロセスが効率化する。
【0030】
本実施形態において、第1の突出部15の長さL1は、第2の突出部25の長さL2よりも短く、第1の突出部15の少なくとも一部には遮光塗料14が印刷されており、第1の突出部15の先端16には、波形状部17等の複数の凹凸形状が形成されている。このため本実施形態によれば、低コストかつ簡易な構成で製造可能であり、光る図柄と光らない図柄を同一面で組み合わせて展示することが可能なライティングアクリルスタンド及びその製造方法を提供することができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0032】
例えば、第1のアクリル板10及び第2のアクリル板20に代えて、ガラス等の導光性を有する透明の素材を用いても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 第1のアクリル板
11 表面
12 裏面
13 図柄
13a 図柄の塗料
13b 白色塗料(第1の白色塗料)
14 遮光塗料
15 第1の突出部
16 先端
17 波形状部
18 山部
19 谷部
20 第2のアクリル板
21 表面
22 裏面
23 白色塗料(第2の白色塗料)
25 第2の突出部
30 台座
31 凹部
32 発光部
32a~32g LED
100 ライティングアクリルスタンド
101 アクリル板
L1 第1の突出部の長さ
L2 第2の突出部の長さ


図1
図2
図3
図4
図5
図6