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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026062
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】放射線平面検出器
(51)【国際特許分類】
   G01T 7/00 20060101AFI20230216BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
G01T7/00 A
A61B6/00 300S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131676
(22)【出願日】2021-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】503382542
【氏名又は名称】キヤノン電子管デバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川端 智樹
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
【Fターム(参考)】
2G188AA03
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC22
2G188DD05
2G188DD10
2G188DD14
2G188DD35
2G188FF13
2G188FF14
4C093AA01
4C093CA13
4C093EB12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本実施形態の課題は、放射線画像の画質の劣化を防止できる放射線平面検出器を提供することにある。
【解決手段】本実施形態の放射線平面検出器1は、放射線が入射される放射線入射パネル3と、放射線入射パネルから受けた放射線を検出して電気信号を出力するセンサパネル5と、センサパネルから受けた電気信号を画像データ信号に変換する回路基板7と、底壁と底壁の周囲に設けた側壁とを有し、センサパネルと回路基板とを収納する導電性の筐体9と、電磁ノイズを遮蔽する導電性の電磁ノイズ遮蔽体11と、を備えている。筐体には、前記側壁の開口側に放射線入射パネルが設けてあり、電磁ノイズ遮蔽体は、筐体内に配置されていると共に放射線入射パネル側の面にセンサパネルが取り付けてあり、放射線入射パネル側と反対側の面に回路基板が取り付けてあり、周縁部を側壁に接続して、筐体内をセンサパネル側の空間と回路基板側の空間とに区画している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線が入射される放射線入射パネルと、
前記放射線入射パネルから受けた放射線を検出して電気信号を出力するセンサパネルと、
前記センサパネルから受けた電気信号を画像データ信号に変換する回路基板と、
底壁と前記底壁の周囲に設けた側壁とを有し、前記センサパネルと前記回路基板とを収納する導電性の筐体と、
電磁ノイズを遮蔽する導電性の電磁ノイズ遮蔽体と、を備え、
前記筐体には、前記側壁の開口側に前記放射線入射パネルが設けてあり、
前記電磁ノイズ遮蔽体は、前記筐体内に配置されていると共に放射線入射パネル側の面に前記センサパネルが取り付けてあり、前記放射線入射パネル側と反対側の面に前記回路基板が取り付けてあり、周縁部を前記側壁に接続して、前記筐体内を前記センサパネル側の空間と前記回路基板側の空間とに区画している放射線平面検出器。
【請求項2】
前記電磁ノイズ遮蔽体の周縁部は、前記筐体の側壁の開口側端と前記放射線入射パネルの周縁部との間に挟んである請求項1に記載の放射線平面検出器。
【請求項3】
前記電磁ノイズ遮蔽体の周縁部は、周方向に隙間をあけて設けてあり、前記隙間は、回路基板が有する固有の最大動作クロック周波数の波長λに対して、λ/2より小さい隙間寸法としてある請求項2に記載の放射線平面検出器。
【請求項4】
前記センサパネルと前記回路基板とを接続する配線ケーブルを備え、前記電磁ノイズ遮蔽体には、前記配線ケーブルを挿通するケーブル挿通孔が形成してあり、前記ケーブ挿通孔の長手寸法は、回路基板が有する固有の最大動作クロック周波数の波長λに対して、λ/2より小さい隙間寸法としてある請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線平面検出器。
【請求項5】
前記センサパネルと前記回路基板とを接続する配線ケーブルを備え、前記電磁ノイズ遮蔽体には、前記配線ケーブルを接続するコネクタが設けてあり、前記コネクタはシールドコネクタである請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線平面検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線平面検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線平面検出器には、放射線入射パネルから受けた放射線を検出して電気信号を出力するセンサパネルと、センサパネルから受けた電気信号を画像データ信号に変換する回路基板とを備えるものがある。
回路基板には、アナログ回路とデジタル回路が設けられている。アナログ回路は、複数の光電変換部から電荷(画像データ信号)を読み出す。デジタル回路は、読み出された画像データ信号に基づいて放射線画像を構成する。
【0003】
放射線平面検出器が医療に用いられるものである場合には、人体への放射線照射量が必要最低限に抑えられるため、放射線平面検出器に入射する放射線の強度が非常に弱いものとなる。そのため、センサパネルで出力される電気信号が極めて微弱なものとなるので、僅かなノイズが電気信号に混入しても放射線画像の品質が低下するおそれがある。
【0004】
また、近年においては、正確な診断を行うために、センサパネルでは高密度化や、回路基板での画像データ信号の読み出しと処理の高速化を図ることが求められている。そのため、回路基板における処理の高速化が必要となり、動作クロックが高速化して、ノイズが増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-7712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、放射線平面検出器が、筐体内に回路基板を含む構造である場合、回路基板で発生した電磁ノイズが、筐体内の空間的な隙間を伝搬してセンサパネルへ混入し放射線画像の画質が劣化するおそれがあった。
【0007】
本実施形態の目的は、放射線画像の画質の劣化を防止できる放射線平面検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態は、放射線が入射される放射線入射パネルと、前記放射線入射パネルから受けた放射線を検出して電気信号を出力するセンサパネルと、前記センサパネルから受けた電気信号を画像データ信号に変換する回路基板と、底壁と前記底壁の周囲に設けた側壁とを有し、前記センサパネルと前記回路基板とを収納する導電性の筐体と、電磁ノイズを遮蔽する導電性の電磁ノイズ遮蔽体と、を備え、前記筐体には、前記側壁の開口側に前記放射線入射パネルが設けてあり、前記電磁ノイズ遮蔽体は、前記筐体内に配置されていると共に放射線入射パネル側の面に前記センサパネルが取り付けてあり、前記放射線入射パネル側と反対側の面に前記回路基板が取り付けてあり、周縁部を前記側壁に接続して、前記筐体内を前記センサパネル側の空間と前記回路基板側の空間とに区画している放射線平面検出器である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る放射線平面検出器の概略的構成を示す縦断面図である。
図2図2は、図1に示す放射線平面検出器であって、放射線入射パネルを除いて示す平面図である。
図3図3は、図1に示す放射線平面検出器であって、電磁ノイズ遮蔽体の側壁部分を抜き出して示す斜視図である。
図4図4は、第2実施形態に係る放射線平面検出器であって、電磁ノイズ遮蔽体の側壁部分を抜き出して示す斜視図である。
図5図5は、第3実施形態に係る放射線平面検出器の概略的構成を示す縦断面図である。
図6図6は、図5に示す放射線平面検出器であって、放射線入射パネルを除いて示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本実施形態においては、放射線平面検出器の一例として、X線平面検出器について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成要素は、X線の他にもγ線などの各種放射線を検出するための放射線平面検出器にも適用可能である。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
【0012】
放射線平面検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、放射線平面検出器1の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
【0013】
図1及び図2に示すように、放射線平面検出器1は、放射線入射パネル3と、センサパネル5と、回路基板7と、筐体9と、電磁ノイズ遮蔽体11とを備えている。
放射線入射パネル3は、X線を透過する材料(あるいは、X線吸収率の低い材料)によって形成されていることが好ましく、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできている。
【0014】
センサパネル5は、放射線入射パネル3から受けたX線を検出して電気信号を出力するものであり、アレイ基板と、アレイ基板においてX線入射側面に設けたシンチレータ層とを備えている。
シンチレータ層は、受けたX線を蛍光に変換するものであり、アレイ基板は蛍光を光電変換部により電気信号に変換するものである。このシンチレータ層は、アレイ基板においてX線の入射側に配置している。シンチレータ層は、例えば、アレイ基板上にシンチレータ材を蒸着させることにより形成されている。シンチレータ材としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)を主成分とする材料を用いることができる。
アレイ基板は、光電変換部を備えており、光電変換部は、基板上に2次元的に形成された複数の光検出部と、光検出部の行方向及び列方向に沿って形成されたシグナルラインとを備えている。光検出部は、スイッチング素子と、光電変換素子としてのフォトセンサと、を備えている。スイッチング素子は、例えば薄膜トランジスタによって構成されている。フォトセンサは、例えばフォトダイオードによって構成されている。スイッチング素子及びフォトセンサは、例えばa-Si(アモルファスシリコン)を基材として形成されている。
【0015】
回路基板7は、センサパネル5を電気的に駆動し、かつ、センサパネル5からの出力信号を電気的に処理するものである。
回路基板7には、アナログ回路とデジタル回路が設けられている。アナログ回路は、複数の光電変換部から電荷(画像データ信号)を読み出す。デジタル回路は、読み出された画像データ信号に基づいてX線画像を構成する。デジタル回路には多数のスイッチング素子が設けてあり、高速化処理に伴う動作クロックを高速化している。
この回路基板7には、最大動作クロック周波数fが表示されている。
図1に示すように、回路基板7と上述したセンサパネル5とは、フレキシブルな配線ケーブル13(後述する)により電気的に接続されている。
【0016】
筐体9は導電性であり、底壁9aと、底壁9aの周囲に立設された側壁9bとを備えており、本実施形態では、底壁9aは略四角形状を成し、側壁9bは底壁9aの周囲に沿って四角形の枠状に形成されており、底壁9aと反対側は開口側端9cとしてある。
側壁9bの開口側端9cには放射線入射パネル3の周縁部3aが取り付けてあり、筐体9の開口を塞いでいる。
筐体9は、例えば、アルミニウム合金、炭素繊維強化プラスチックなどを用いて形成されているが、樹脂材で形成して内面に導電性金属を設けるものであっても良い。
この筐体9はアース材15により接地されている。
【0017】
電磁ノイズ遮蔽体11は、導電性を有し、筐体9内に設けて、筐体9内の電磁ノイズを遮蔽するものである。電磁ノイズ遮蔽体11はアルミニウム、ステンレス、銅等でできている。
電磁ノイズ遮蔽体11は、底壁11aと、側壁11bと、周縁部11cとを備えている。
底壁11aは、上述したセンサパネル5と回路基板7とを支持している。この底壁11aは、平面視略四角形状を成しており、放射線入射パネル3側の面(一面)12には、センサパネル5が制電プレート17を介して取り付けてある。
制電プレート17は、塩化ビニル樹脂やポリカーボネート樹脂製等の電気を通し難い材質でできている。
底壁11aにおいて、筐体9の底壁9a側の面(他面)14には、上述した回路基板7が取り付けてある。
【0018】
電磁ノイズ遮蔽体11の側壁11bは、底壁11aの周囲に沿って枠状に設けてあり、側壁11bと底壁11aは一体に形成されており、底壁11aと側壁11bとで四角形状の開口した箱型を成している。
また、側壁11bは筐体9の側壁9bの内周側で隙間Tを空けて略平行に位置している。
【0019】
電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cは、側壁11bにおいて、放射線入射パネル3側の端から外周側に突出して形成されている。
図2に示すように、周縁部11cは、電磁ノイズ遮蔽体11の周方向において、隙間dtをあけて複数形成されている。
各周縁部11cは、筐体9の開口側端9cに載置してあり、ねじ等の固定部材で筐体9の側壁9bに固定している。尚、周縁部11cは溶接等により開口側端9cに固定しても良い。
更に、電磁ノイズ遮蔽体11では、側壁11bのコーナー部にも筐体9の側壁9bとの間に隙間Tが形成されている。
【0020】
図1に示すように、電磁ノイズ遮蔽体11は、底壁11aと側壁11bとで、筐体9内の空間を、センサパネル空間S1と回路基板空間S2とに区間している。
センサパネル空間S1は、電磁ノイズ遮蔽体11の底壁11a及び側壁11bと、放射線入射パネル3で囲まれた空間であり、回路基板空間S2は、電磁ノイズ遮蔽体11の底壁11a及び側壁11bと、筐体9の底壁9a及び側壁9bとで囲まれた空間である。
更に、電磁ノイズ遮蔽体11の底壁11aの一面12に取り付けたセンサパネル5は放射線入射パネル3との間に間隔を設けてあり、底壁11aの他面14に取り付けた回路基板7は筐体9の底壁9aとの間に間隔を設けてあり、センサパネル5と回路基板7は、電磁ノイズ遮蔽体11により筺体9の中空内に保持されている。
【0021】
図3に示すように、電磁ノイズ遮蔽体11の側壁11bには、配線ケーブル13の挿通孔19が形成されている。挿通孔19は長辺側の隙間寸法dsの側面視四角形状の孔である。
ここで、電磁ノイズ遮蔽体11における周縁部11c間の隙間寸法dtと、配線ケーブル13の挿通孔19の長辺側の隙間寸法dsについて、説明する。
【0022】
周縁部11c間の隙間寸法dt及び挿通孔の長辺の隙間寸法dsは、共に回路基板7が有する固有の最大動作クロック周波数fのときの波長λに対して、λ/2よりも小さい隙間寸法としてある。最大動作クロック周波数は、回路基板7に表示されている。
周波数と波長の関係式は下記式(1)で示される。
λ=V/f・・・(式1)
λは波長、Vは速度、fは周波数であり、
電磁波の場合のVは、300Mm/sである。
上記(式1)により、例えば、最大動作クロック周波数2.4GHzの場合には、λは12.5cmである。
したがって、周縁部11c間の隙間寸法dtと、配線ケーブル13の挿通孔19の長辺側の隙間寸法dsは、6.25cmよりも小さい値であり、例えば約5cmである。
【0023】
放射線平面検出器1の組み立ては、次のようにして組み立てる。
まず、電磁ノイズ遮蔽体11の底壁11aの一面12に制電プレート17を介してセンサパネル5を取り付け、他面14に回路基板7を取り付ける。
【0024】
センサパネル5と回路基板7とは、電磁ノイズ遮蔽体11の側壁11bに形成した挿通孔19に挿通した配線ケーブル13で接続する。
次に、センサパネル5及び回路基板7を取り付けた電磁ノイズ遮蔽体11を筐体9内に底壁11a側から挿入し、周縁部11cを筐体9の開口側端9cに重ねるようにして載置する。
その後、周縁部11cを筐体9の開口側端9cにビス等で固定し、周縁部11cの上に放射線入射パネル3を載置して、その周縁部3aをビス又は溶接により筐体9の開口側端9c及び電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cに固定する。
【0025】
第1実施形態に係る放射線平面検出器1では、図1(a)に示すように、放射線入射パネル3を透過した放射線(X線)は、センサパネル5で電気信号に変換される。センサパネル5の電気信号は、配線ケーブル13を介して回路基板7に出力されて、回路基板7で画像データ信号に変換される。
【0026】
次に、第1実施形態に係る放射線平面検出器1の作用効果について、説明する。
図1に示すように、筐体9と放射線入射パネル3とで規定される空間内において、センサパネル空間S1は電磁ノイズ遮蔽体11と放射線入射パネル3とにより閉鎖された空間としてあり、回路基板空間S2は、筐体9と電磁ノイズ遮蔽体11とにより閉鎖された空間としてあるので、回路基板7で発生した電磁ノイズがセンサパネル5に伝搬するのを防止するから、電磁ノイズによる放射線画像の劣化を防止できる。
電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cは、筐体9の側壁9bの開口側端9cと放射線入射パネル3の周縁部3aとの間に挟んでいるので、電磁ノイズ遮蔽体11の筐体9への組付けが容易にできる。
特に、電磁ノイズ遮蔽体11を筐体9に組み付けるときには、電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cを筐体9の側壁9bの開口側端に9cに載置することで仮置きでき、その状態でネジ止め等の固定ができるから、組み付け易い。
【0027】
図2に示すように、電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cには、筐体9の側壁9bとの間に隙間寸法dtが形成されているので、電磁ノイズ遮蔽体11を筐体9に組み付けるときに、筐体9の側壁9bの開口側端9cが隙間dtから見えるので、位置決めし易く、組み付けし易い。また、隙間dt間に指を差し入れて持つことができることからも、組み付けし易い。
また、隙間寸法dtを形成することにより、電磁ノイズ遮蔽体11の軽量化を図ることができる。
更に、隙間寸法dtは、回路基板7が有する固有の最大動作クロック周波数fの波長λに対して、λ/2より小さい隙間寸法としてあるから、回路基板7の電磁ノイズが回路基板空間S2から隙間dtを伝搬するのを防止できる。これにより、回路基板7の電磁ノイズがセンサパネル空間S1に混入することで生じる放射線画像の画質の劣化を防止できる。
【0028】
図3に示すように、筐体9の側壁9bに形成された配線ケーブル挿通孔19の長辺側の隙間寸法dsは、回路基板7が有する固有の最大動作クロック周波数fの波長λに対して、λ/2より小さい隙間寸法としてあるから、上述した電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cの隙間dtと同様に、回路基板7の電磁ノイズが回路基板空間S2から隙間dtを伝搬するのを防止できる。
【0029】
以下に、他の実施形態について説明するが、以下に説明する実施形態において、上述した第1実施形態と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付して、その部分の詳細な説明を省略し、上述した第1実施形態と主に異なる点について説明する。
図4を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、配線ケーブル挿通孔19にシールドコネクタ21を設けたことが第1実施形態と異なっている。シールドコネクタ21は、汎用品である。
シールドコネクタ21は、電磁シールド加工を施したコネクタであり、電磁ノイズ遮蔽体11の側壁11bの配線ケーブル挿通孔19に配置してある。シールドコネクタ21は、センサパネル5の基板のケーブル接続口に接続してあり、シールドコネクタ21と回路基板7との間に配線ケーブルを接続している。この第2実施形態では、シールドコネクタ21で配線ケーブル挿通孔19を埋めている。
この第2実施形態によれば、配線ケーブル挿通孔19にシールドコネクタ21を取り付けているので、配線ケーブル挿通孔19から電磁ノイズが伝搬するのを防止できる。
【0030】
図5及び図6を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、電磁ノイズ遮蔽体11には、側壁11bの上端に外周側に突設する導電板23を別体に取り付けて、周縁部11cを形成していることが第1実施形態と異なっている。
【0031】
導電板23は、例えば、スチール、銅、アルミニウム等である。
この第3実施形態によれば、電磁ノイズ遮蔽体11は、底壁11aと側壁11bとで略直方体形状に形成できるので、製造しやすい。そして、側壁11b側に別部材の導電板23を溶接やネジ等により固定する。
また、周縁部11c(23)に形成する隙間寸法dtは、別体の導電板23の取り付け位置を調整することで所定の寸法(λ/2より小さい隙間寸法)にできるから、隙間寸法dtの調整が容易にできる。特に、隙間寸法dtは回路基板7の種類により異なるから、使用する回路基板7に応じた設定がし易い。
【0032】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0033】
例えば、第1実施形態において、電磁ノイズ遮蔽体11の周縁部11cには、隙間dtを形成しないで、周縁部11cは電磁ノイズ遮蔽体11の側壁11bの周囲全体に連続して形成しても良い。
【符号の説明】
【0034】
1…放射線平面検出器、3…放射線入射パネル、5…センサパネル、
7…回路基板、9…筐体、11…電磁ノイズ遮蔽体、
13…配線ケーブル、19…配線ケーブル挿通孔、
S1…センサパネル空間、S2…回路基板空間、dt…周縁部の隙間寸法、ds…配線ケーブル挿通孔の隙間寸法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6