(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026087
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】物質検出システム
(51)【国際特許分類】
G01N 5/02 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G01N5/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131733
(22)【出願日】2021-08-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】緒方 健治
(72)【発明者】
【氏名】黒木 省吾
(57)【要約】
【課題】検出結果の精度を安定化させることができる物質検出システムを提供する。
【解決手段】物質検出システム1Aは、物質センサ10と、距離センサ11と、情報処理部20と、を備える。物質センサ10は、発生源2から発せられた物質3を検出する。距離センサ11は、発生源2と物質センサ10との距離Lを検出する。情報処理部20は、判定部21を備える。判定部21は、距離センサ11で検出される距離Lが、物質センサ10の検出結果を有効とする範囲L1~L2に入っているか否かを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象から発せられた物質を検出する物質センサと、
前記検出対象と前記物質センサとの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサで検出される距離が、前記物質センサの検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する判定部と、
を備える物質検出システム。
【請求項2】
前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が可能であることを報知する報知部を備える、
請求項1に記載の物質検出システム。
【請求項3】
前記報知部は、
前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が不可であることを報知する、
請求項2に記載の物質検出システム。
【請求項4】
前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を開始する制御部を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を停止する、
請求項4に記載の物質検出システム。
【請求項6】
前記検出対象毎に、前記範囲を記憶する範囲記憶部を備え、
前記判定部は、前記検出対象に対応する前記範囲を前記範囲記憶部から読み出して判定を行う、
請求項1から5のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項7】
前記物質センサの検出結果と、前記距離センサの検出結果とを対応付けて記憶する検出結果記憶部を備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項8】
検出対象から発せられた物質を検出する物質センサと、
前記検出対象と前記物質センサとの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第1補正部と、
を備える物質検出システム。
【請求項9】
周囲の環境情報を検出する環境センサと、
前記環境センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第2補正部と、
を備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項10】
前記物質センサと前記距離センサとが一体化している、
請求項1から8のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項11】
本体と、
前記本体に脱着可能なアダプタと、を備え、
前記物質センサと前記距離センサとが、前記アダプタに実装されている、
請求項10に記載の物質検出システム。
【請求項12】
前記物質センサと前記距離センサとが互いに分離可能である、
請求項10に記載の物質検出システム。
【請求項13】
前記物質センサと、前記距離センサと、前記環境センサとが一体化している、
請求項9に記載の物質検出システム。
【請求項14】
本体と、
前記本体に脱着可能なアダプタと、を備え、
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとが、前記アダプタに実装されている、
請求項13に記載の物質検出システム。
【請求項15】
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとのうち、少なくとも2つが互いに分離可能である、
請求項13に記載の物質検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物質が吸着又は脱離した時に生じる振動子の共振周波数の変化量に基づいて、発生源から発せられる物質を検出する化学センサデバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の化学センサデバイスでは、物質の発生源と化学センサデバイスとの距離によって、物質の検出結果がばらつくという不都合がある。このばらつきを押さえることが、検出結果の精度の安定化につながる。
【0005】
本発明は、上記実情の下になされたものであり、検出結果の精度を安定化させることができる物質検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る物質検出システムは、
検出対象から発せられた物質を検出する物質センサと、
前記検出対象と前記物質センサとの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサで検出される距離が、前記物質センサの検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する判定部と、
を備える。
【0007】
この場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が可能であることを報知する報知部を備える、
こととしてもよい。
【0008】
前記報知部は、
前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が不可であることを報知する、
こととしてもよい。
【0009】
前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を開始する制御部を備える、
こととしてもよい。
【0010】
前記制御部は、
前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を停止する、
こととしてもよい。
【0011】
前記検出対象毎に、前記範囲を記憶する範囲記憶部を備え、
前記判定部は、前記検出対象に対応する前記範囲を前記範囲記憶部から読み出して判定を行う、
こととしてもよい。
【0012】
前記物質センサの検出結果と、前記距離センサの検出結果とを対応付けて記憶する検出結果記憶部を備える、
こととしてもよい。
【0013】
本発明の第2の観点に係る物質検出システムは、
検出対象から発せられた物質を検出する物質センサと、
前記検出対象と前記物質センサとの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第1補正部と、
を備える。
【0014】
第1の観点および第2の観点いずれにおいても、
周囲の環境情報を検出する環境センサと、
前記環境センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第2補正部と、
を備える、
こととしてもよい。
【0015】
前記物質センサと前記距離センサとが一体化している、
こととしてもよい。
【0016】
本体と、
前記本体に脱着可能なアダプタと、を備え、
前記物質センサと前記距離センサとが、前記アダプタに実装されている、
こととしてもよい。
【0017】
前記物質センサと前記距離センサとが互いに分離可能である、
こととしてもよい。
【0018】
前記物質センサと、前記距離センサと、前記環境センサとが一体化している、
こととしてもよい。
【0019】
本体と、
前記本体に脱着可能なアダプタと、を備え、
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとが、前記アダプタに実装されている、
こととしてもよい。
【0020】
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとのうち、少なくとも2つが互いに分離可能である、
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、検出対象と物質センサとの距離が、物質センサの検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する判定部を備えている。このため、物質センサの検出結果が有効であるか否かを判定することができる。この結果、物質センサの検出結果の精度を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の物質検出システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の物質検出システムを構成する情報処理部の物質検出処理を示すフローチャートである。
【
図4】発生源からの距離と物質センサの検出レベルとの関係を示すグラフである。
【
図5】本発明の実施の形態2に係る物質検出システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図5の物質検出システムを構成する情報処理部の物質検出処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態3に係る物質検出システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】
図7の範囲記憶部に記憶されるデータの一例を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施の形態4に係る物質検出システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】
図9の検出結果記憶部に記憶されるデータの一例を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施の形態5に係る物質検出システムの構成を示すブロック図である。
【
図12】距離と補正値との関係を示すグラフである。
【
図13】
図11の物質検出システムの他の例を示すブロック図である。
【
図14】本発明の実施の形態6に係る物質検出システムの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の実施の形態7に係る物質検出システムの斜視図である。
【
図16】本発明の実施の形態8に係る物質検出システムの斜視図である。
【
図17】(A)は、本発明の実施の形態9に係る物質検出システムの斜視図である。(B)は、(A)の物質検出システムの一部を示す斜視図である。(C)及び(D)は、(A)の物質検出システムを構成するアダプタを互いに異なる方向から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分には同一の符号が付される。
【0024】
実施の形態1.
まず、本発明の実施の形態1について説明する。本実施の形態に係る物質検出システムは、気体中に含まれる物質を検出する。
【0025】
[全体構成]
図1に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Aは、検出対象である発生源2から発せられた物質3を検出する。物質検出システム1Aは、物質センサ10と、距離センサ11と、情報処理部20と、を備える。
【0026】
物質センサ10は、発生源2から発せられた物質3を検出する。発生源2から発せられた物質3は、空気中に漂っている。物質センサ10は、その空気を取り込む取り込み口10aを有している。物質センサ10は、空気中に漂っている物質3を取り込み口10aから取り込む。なお、物質センサ10には、空気を取り込むためのポンプが設けられていてもよいが、ポンプが設けられていなくてもよい。物質センサ10は、物質3を取り込み口10aから単に取り込むだけのものであってもよい。
【0027】
物質センサ10の内部には、物質3を吸着する不図示の吸着膜が設けられており、取り込まれた空気は、吸着膜に吸着する。物質センサ10は、物質3が吸着した吸着膜の重量変化を検出する。重量変化は、例えば吸着膜の振動周波数の変化から求めることができる。例えば、吸着膜を圧電素子で加振可能な梁に搭載し、その梁の振動振幅の変化に基づいて物質3を検出することができる。吸着膜に吸着された物質3の数が多ければ多いほど、物質センサ10での物質3の検出レベルは大きくなる。
【0028】
なお、検出される物質3は1種類には限られない。発生源2からは、複数種類の物質3が発せられる。物質センサ10は、各種類の物質3を検出する感応膜をそれぞれ備え、複数種類の物質3を検出するようにすることができる。
【0029】
距離センサ11は、特定の方向Dに存在する物体との距離Lを検出する。発生源2を検出対象とするときは、物質検出システム1Aの使用者は、その特定の方向Dに発生源2が存在するように距離センサ11を向ける。距離センサ11としては、例えば、赤外線近接センサが用いられる。物質センサ10と距離センサ11とは、近接して配置されており、物質センサ10の取り込み口10aは、特定の方向Dを向いている。このため、距離センサ11で検出される物体との距離は、物質センサ10と物体との距離とみなすことができる。距離センサ11は、発生源2と物質センサ10との距離Lを検出する。
【0030】
情報処理部20は、ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現される情報処理装置である。情報処理部20は、判定部21と、報知部22と、制御部23と、を備える。
【0031】
判定部21は、距離センサ11で検出される距離Lが、物質センサ10の検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する。本実施の形態では、この範囲を、距離L1以上距離L2以下であるとする。以下では、この範囲を範囲L1~L2と表記する。
【0032】
報知部22は、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2に入ったと判定部21が判定した場合に、物質センサ10による物質3の検出が可能であることを報知する。この報知を、検出可能報知という。さらに、報知部22は、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2から外れたと判定部21が判定した場合に、物質センサ10による物質3の検出が不可であることを報知する。この報知を、検出不可報知という。
【0033】
制御部23は、使用者からの操作入力を受け付ける。制御部23は、操作入力により、物質3の検出が指示されると、物質センサ10を制御して、物質3の検出を行う。物質3の検出結果は、その物質3の検出量を含んでいる。
【0034】
[ハードウエア構成]
図2には、物質検出システム1Aのハードウエア構成が示されている。
図2に示すように、物質検出システム1Aの情報処理部20に係る部分は、CPU(Central Processing Unit)30と、メモリ31と、外部記憶部32と、入出力部33と、カードインターフェイス34と、通信インターフェイス35と、操作入力部36と、表示部37と、を備える。情報処理部20の各構成要素は、内部バス40を介して接続されている。
【0035】
CPU30は、ソフトウエアプログラム(以下、単に「プログラム」とする)を実行するプロセッサ(演算装置)である。メモリ31には、外部記憶部32からプログラム39が読み込まれ、CPU30は、メモリ31に格納されたプログラム39を実行することにより、情報処理部20の動作を行う。CPU30はタイマを内蔵しており、時間計測が可能である。
【0036】
メモリ31は、例えばRAM(Random Access Memory)である。メモリ31には、CPU30によって実行されるプログラム39が格納される他、CPU30によるプログラム39の実行において必要なデータと、プログラム39の実行の結果生成されるデータとが記憶される。
【0037】
外部記憶部32は、例えばハードディスク等である。外部記憶部32は、CPU30により実行されるプログラム39が記憶される。また、持ち運び可能なUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体50にはプログラム39が記憶されている。外部記憶部32には、記録媒体50から転送されたプログラム39が記憶されている。また、外部記憶部32は、距離の判定に用いられる範囲L1~L2における距離L1,L2を記憶している。
【0038】
入出力部33は、物質センサ10及び距離センサ11とのデータ入出力を行うインターフェイスである。物質センサ10で検出された物質3の情報(振動周波数が変化した吸着膜(物質3の種類)、検出レベル)、距離センサ11で検出された距離Lは、入出力部33を介してメモリ31等に記憶される。
【0039】
カードインターフェイス34は、記録媒体50とのインターフェイスである。プログラム39は、このカードインターフェイス34を介して入力され、外部記憶部32に記憶される。
【0040】
通信インターフェイス35は、インターネット等の通信ネットワークに接続するインターフェイスである。この通信インターフェイス35を介して、外部のサーバコンピュータ等に接続される。
【0041】
操作入力部36は、使用者によって操作されるマンマシンインターフェイスである。操作入力部36は、例えばタッチパネル及びマウスなどのポインティングデバイスと、キーボードとを備える。操作入力部36への操作入力は、CPU30に送られる。CPU30は、操作入力の内容に従ってプログラム39を実行する。例えば、検出開始の操作入力は、操作入力部36に入力される。
【0042】
表示部37は、画像を表示するマンマシンインターフェイスである。表示部37は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)を備える。表示部37には、検出された匂いの判定結果等が表示される。なお、操作入力部36及び表示部37はタッチパネルとして1つにまとめられていてもよい。例えば、検出可能報知及び検出不可報知は、表示部37に表示される。また、物質3の検出結果は、表示部37に表示される。
【0043】
操作入力部36及び表示部37は、タッチパネルとして一体化されていてもよい。また、物質検出システム1Aには、音声を入出力する音声入出力部が設けられていてもよい。音声入出力部は、検出開始の操作入力、検出可能報知及び検出不可報知、物質3の検出結果に関する音声の入出力を行うことができる。上述のように、
図1の判定部21、報知部22及び制御部23の処理は、CPU30が、入出力部33を介して物質センサ10及び距離センサ11を動作させ、操作入力部36の操作入力に従って動作し、表示部37等を動作させることによって実現される。
【0044】
[物質検出処理]
次に、本発明の実施の形態に係る物質検出システム1Aの動作について説明する。ここでは、情報処理部20により実行される物質検出処理を中心に説明する。
【0045】
図3に示すように、まず、情報処理部20は、距離センサ11に発生源2との距離Lを検出させる(ステップS1)。続いて、情報処理部20の判定部21は、検出された距離Lが範囲L1~L2内であるか否か、すなわちL1≦L≦L2であるか否かを判定する(ステップS2)。距離Lが範囲L1~L2内でない場合(ステップS2;No)、情報処理部20の報知部22は、検出不可報知を行う(ステップS3)。ステップS3終了後、情報処理部20は、再び距離センサ11に距離Lを検出させる(ステップS1)。このように、距離Lが範囲L1~L2内でない間は、情報処理部20は、ステップS1→S2→S3を繰り返すループ処理を行う。
【0046】
一方、距離Lが範囲L1~L2内となった場合(ステップS2;Yes)、情報処理部20の報知部22は、検出可能報知を行う(ステップS4)。その後、情報処理部20は、検出開始の操作入力がなされたか否かを判定する(ステップS5)。検出開始の操作入力がなされていなければ(ステップS5;No)、情報処理部20は、再び距離センサ11に距離Lを検出させる(ステップS1)。このように、距離Lが範囲L1~L2内であり(ステップS2;Yes)、検出開始の操作入力がない(ステップS5;No)間は、情報処理部20は、ステップS1→S2→S4→S5を繰り返すループ処理を繰り返す。この間、距離Lが範囲L1~L2から外れた場合(ステップS2;No)、情報処理部20は、ステップS1→S2→S3のループ処理に戻る。その後、距離Lが再び範囲L1~L2内に復帰すると(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、検出開始の操作入力待ち(ステップS5;No)となって、ステップS1→S2→S4→S5を繰り返す。
【0047】
検出開始の操作入力がなされると(ステップS5;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10により、気体の取り込みを開始させる(ステップS6)。続いて、情報処理部20は、気体を取り込む時間として予め設定された時間Tが経過したか否かを判定する(ステップS7)。時間Tが経過しない間(ステップS7;No)、距離Lが範囲L1~L2内にあれば(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10に気体の取り込みを継続させる(ステップS6)。すなわち、情報処理部20は、ステップS1→S2→S4→S5→S6→S7を繰り返すループ処理を行い、所定時間Tだけ気体の取り込みを行う。距離Lが範囲L1~L2内から外れた場合(ステップS2;No)、情報処理部20は、再び、ステップS1→S2→S3を繰り返すループ処理を行う。距離Lが再び範囲L1~L2内に復帰すると(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、ステップS1→S2→S4→S5→S6→S7を繰り返す。時間Tは気体を取り込んでいる累積時間とすることができる。なお、時間Tについては、範囲L1~L2に復帰する度に初期化するようにしてもよい。
【0048】
時間Tが経過すると(ステップS7;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10に物質3を検出させる(ステップS8)。ここでは、情報処理部20は、物質センサ10から出力される物質3の検出レベルを示す電気信号を入力し、入力した電気信号に基づいて、物質3を検出する。物質3の検出結果は、外部出力されるが、内部に記憶されるようにしてもよい。ステップS8終了後、物質検出処理が終了する。
【0049】
なお、時間Tの経過を待つことなく、物質3を直ちに検出するようにしてもよい。この場合には、距離Lが範囲L1~L2内に入ると(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10に物質3を検出させる(ステップS8)。ステップS8終了後は、情報処理部20は、物質検出処理を終了する。
【0050】
物質センサ10の検出レベルは、発生源2からの距離Lに左右される。発生源2からの距離Lが大きくなるにつれて、次第に物質3の濃度が低くなるためである。本実施の形態に係る物質検出システム1Aは、物質センサ10と物質3の発生源2との距離Lが距離L1以上距離L2以下の範囲にあるときにのみ、物質3の検出を行う。
【0051】
図4には、距離Lと物質センサ10における物質3の検出レベルとの関係が示されている。このグラフでは、距離Lが0のときの検出レベルを1として正規化している。仮に、距離Lの大きさに関わらず、物質3の検出を行った場合には、物質3の検出レベルは、
図4に示すように、そのときの距離Lに大きな影響を受ける。これに対し、物質3の検出時の距離Lを距離L1以上距離L2以下の範囲内とすれば、距離Lに応じた検出レベルの変動は、幅E程度に収めることができる。これは、物質3を検出する際の距離Lを制限した方が、距離Lの変動による物質3の検出結果のばらつきを低減することができることを示している。
【0052】
なお、
図4では、距離Lと物質3の検出レベルとを線形な関係として示している。しかしながら、距離Lと物質3の検出レベルとが線形な関係にあるとは限らない。物質3の検出レベルは、物質3の濃度と密接に関連しているため、距離Lが大きくなるにつれて検出レベルは低下するが、その変化は非線形である場合もある。この特性は、単調減少の関数f(L)として表すことができる。すなわち、f(L)は非線形な関数であり得る。
【0053】
物質センサ10の検出結果を有効とする範囲L1~L2としては、検出レベルの変動が許容できる範囲を選定することができる。例えば、上記関数f(L)において、検出レベルの変動が少ない範囲を範囲L1~L2として決定することができる。この場合、予め、距離Lを変えながら発生源2から発せられる物質3を物質センサ10で検出し、距離Lに対する物質3の検出レベルの実測データを得ておき、その実測データに基づいて、関数f(L)を求め、求められた関数f(L)に基づいて、範囲L1~L2を決定することができる。
【0054】
関数f(L)は、実測データに基づく統計的な処理を行って用いることができる。例えば最小二乗法等を用いて関数f(L)を求めることができる。また、機械学習、特に深層学習を行って、関数f(L)を求めたり、物質3の検出結果のばらつきが最も少ない範囲L1~L2を直接求めたりすることができる。
【0055】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について説明する。上記実施の形態1に係る物質検出システム1Aは、物質センサ10と発生源2との距離Lが範囲L1~L2内にある場合に、物質3が検出可能であることを使用者に報知し、使用者の操作入力により、物質センサ10による物質3の検出を行う。これに対して、本実施の形態2に係る物質検出システムは、物質センサ10と発生源2との距離Lが範囲L1~L2内にある場合に、物質3の検出を自動的に行う。
【0056】
図5に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Bは、物質センサ10と、距離センサ11と、情報処理部20と、を備える点は、物質検出システム1Aと同じである。物質検出システム1Bでは、情報処理部20は、判定部21と、制御部24と、を備える。
【0057】
判定部21の動作は、上記実施の形態1と同じである。すなわち、判定部21は、距離センサ11で検出される距離Lが、物質センサ10の検出結果を有効とする範囲L1~L2内に入っているか否かを判定する。
【0058】
制御部24は、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2内に入ったと判定部21が判定した場合に、物質センサ10での物質3の検出を開始する。一方、制御部24は、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2から外れたと判定部21が判定した場合に、物質センサ10での物質3の検出を停止する。
【0059】
次に、本発明の実施の形態に係る物質検出システム1Bの動作について説明する。ここでは、情報処理部20により実行される物質検出処理を中心に説明する。
【0060】
図6に示すように、まず、情報処理部20は、距離センサ11に発生源2との距離Lを検出させる(ステップS1)。続いて、情報処理部20の判定部21は、距離センサ11で検出された距離Lが範囲L1~L2内であるか否か、すなわちL1≦L≦L2であるか否かを判定する(ステップS2)。距離Lが範囲L1~L2内でない場合(ステップS2;No)、情報処理部20は、距離センサ11に再び距離Lを検出させる(ステップS1)。このように、距離Lが範囲L1~L2内でない間は、情報処理部20は、ステップS1→S2を繰り返すループ処理を行う。
【0061】
一方、距離Lが範囲L1~L2内となった場合(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10により、気体の取り込みを開始させる(ステップS6)。続いて、情報処理部20は、気体を取り込む時間として予め設定された時間Tが経過したか否かを判定する(ステップS7)。時間Tが経過しない間(ステップS7;No)、距離Lが範囲L1~L2内にあれば(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10に気体の取り込みを継続させる(ステップS6)。すなわち、情報処理部20は、ステップS1→S2→S6→S7を繰り返すループ処理を行う。距離Lが範囲L1~L2内から外れた場合(ステップS2;No)、情報処理部20は、再び、ステップS1→S2を繰り返すループ処理を行う。その後、距離Lが再び範囲L1~L2内に復帰すると(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、再び、ステップS1→S2→S6→S7を繰り返し、気体の取り込みを継続する。
【0062】
時間Tが経過すると(ステップS7;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10に物質3を検出させる(ステップS8)。具体的には、情報処理部20は、物質センサ10から出力される物質3の検出レベルを示す電気信号を入力し、入力した信号に基づいて、物質3を検出する。検出結果は、外部出力される。ステップS8終了後、物質検出処理が終了する。
【0063】
このように、距離Lが範囲L1~L2にあるときに外部への報知を行わずに、物質3の検出を行うことができる。
【0064】
本実施の形態でも、時間Tの経過を待つことなく、物質3を直ちに検出するようにしてもよい。この場合には、距離Lが範囲L1~L2内に入ると(ステップS2;Yes)、情報処理部20は、物質センサ10に物質3を検出させる(ステップS8)。ステップS8終了後は、情報処理部20は、物質検出処理を終了する。
【0065】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1,2に係る物質検出システム1A,1Bでは、基本的に検出される発生源2は、1種類であり、検出が有効な範囲L1~L2も1つである。これに対して、本実施の形態3に係る物質検出システムは、複数種類の発生源2に対応する。一般的に、発生源2の種類が異なれば、検出が有効な範囲L1~L2も異なる。そこで、本実施の形態3では、検出される発生源2毎に範囲L1~L2を変更する。
【0066】
本実施の形態3に係る物質検出システムにおいて、物質センサ10は、発生源A,発生源B,発生源C、…など、複数種類の発生源2から発せられる物質3を検出可能である。
【0067】
図7に示すように、物質検出システム1Cを構成する情報処理部20は、検出される発生源2毎に、異なる範囲L1~L2を記憶する範囲記憶部25を備える。
図8に示すように、範囲記憶部25には、発生源2と、距離L1、L2とが対応づけて記憶されている。例えば、発生源Aに対応する距離L1は、L1Aであり、距離L2は、L2Aであるとすると、距離L1A,L2Aが発生源Aに対応づけて記憶される。L1A,L2Aは、具体的な数値である。発生源Bに対応する距離L1B,L2B、発生源Cに対応する距離L1C,L2Cについても同様である。
【0068】
判定部21は、検出対象となる発生源2から発せられる物質3に対応する範囲L1~L2を範囲記憶部25から読み出す。判定部21は、読み出された範囲L1~L2を基準として、距離Lの判定を行う。範囲L1~L2の読み出しは、検出される発生源2が変更される度に行われる。具体的には、判定部21は、発生源Aに対しては、範囲L1A~L2Aを判定基準とし、発生源Bに対しては、範囲L1B~L2Bを判定基準とし、発生源Cに対しては、範囲L1C~L2Cを判定基準とする。検出対象の発生源2の変更は、使用者の操作入力によって行われる。
【0069】
このようにすれば、検出対象である発生源2毎に、適切な範囲L1~L2で、物質3を検出することが可能となる。
【0070】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4について説明する。上記実施の形態1~3に係る物質検出システム1A~1Cでは、物質3の検出結果を外部出力している。本実施の形態4に係る物質検出システムは、物質3の検出結果を、距離センサ11の検出結果と結びつけて記憶する。
【0071】
図9に示すように、本実施の形態4に係る物質検出システム1Dにおいて、情報処理部20は、判定部21及び制御部24に加え、物質センサ10の検出結果と、距離センサ11の検出結果とを対応付けて記憶する検出結果記憶部26を備える。
【0072】
図10に示すように、検出結果記憶部26には、物質センサ10の物質3の検出結果と、そのときに距離センサ11で検出された距離Lとを対応づけて記憶する。本実施の形態に係る物質検出システム1Dは、物質3の検出結果と距離Lとの関係を調べたりするのに用いることができる。
【0073】
本実施の形態4では、物質検出システム1Dの動作モードとして、データ取得モードと、検出モードとの2つの動作モードが用意される。
【0074】
データ取得モードでは、まだ、範囲L1~L2が設定されていない状態である。この状態では、物質検出システム1Dの情報処理部20は、判定部21による判定を行わず、制御部24により、距離センサ11で発生源2との距離Lを検出するとともに物質センサ10で物質3を検出させる。それらの検出結果は検出結果記憶部26に記憶される。
【0075】
検出結果記憶部26に記憶されたデータは、例えば、通信ネットワークを介してサーバコンピュータ60に送られ、サーバコンピュータ60にてデータ収集される。サーバコンピュータ60は、収集したデータを教師データとして機械学習を行って、発生源2に対応する範囲L1~L2を決定する。サーバコンピュータ60は、決定された範囲L1~L2を物質検出システム1Dに送信し、物質検出システム1Dは、決定された範囲L1~L2を記憶する。範囲L1~L2は、発生源2の種別毎に決定される。
【0076】
その後、物質検出システム1Dは、検出モードに移行し、距離センサ11で検出された発生源2との距離Lが、範囲L1~L2内のときに、物質センサ10で物質3の検出を行う。
【0077】
また、この物質検出システム1Dによれば、例えば、物質3の検出結果が、発生源2と離れた状態で得られたのか、近接した状態で得られたのかを使用者が把握することができる。また、検出結果と距離Lとを対応付けて記憶することにより、物質3の検出レベルを、距離センサ11の距離Lで後から補正するなどの処理を行うことができる。
【0078】
また、距離Lに関わらず、物質センサ10で物質3を検出し、距離Lと物質3の検出結果を対応づけて検出結果記憶部26に記憶するようにしてもよい。この場合、検出結果記憶部26に記憶されたデータのうち、範囲L1~L2外にある検出結果は削除するようにしてもよい。
【0079】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5について説明する。上記実施の形態1~4に係る物質検出システム1A~1Dは、発生源2との距離Lが範囲L1~L2にあるときに物質センサ10により物質3を検出する。これに対して、本実施の形態5に係る物質検出システムは、距離センサ11によって検出された発生源2との距離Lに基づいて物質3の検出結果を補正する。
【0080】
図11に示すように、本実施の形態5に係る物質検出システム1Eにおいて、情報処理部20は、第1補正部としての補正部27を備える。補正部27は、距離センサ11の検出結果に基づいて、物質センサ10の検出結果を補正する。
【0081】
図12には、距離センサ11で検出される距離Lと補正値dVとの関係が示されている。
図12に示すように、距離Lが大きくなればなるほど、補正値dVも大きくなっている。距離Lと、補正値dVとの関係は、以下の式で表すことができる。
補正値dV=g(L)
すなわち、補正値dVは、距離Lの関数g(L)となる。
【0082】
物質センサ10の物質3の検出値をVとする。検出値Vは、例えば、以下の変換式を用いて補正することができる。ここで、補正後の物質3の検出値をVLとする。
VL=V+dV
【0083】
なお、
図12では、関数g(L)は、距離Lに対して補正値dVが線形に変化するものとした。しかしながら、関数g(L)は線形である必要はなく、非線形であってもよい。関数g(L)は、例えば、
図4に示す距離Lに対する関数f(L)の変化量に基づいて、求めることができる。
【0084】
また、
図13に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Eは、判定部21を備えていなくてもよい。すなわち、本実施の形態では、判定部21による距離Lの判定を行わず、範囲L1~L2の外であっても、物質センサ10による物質3の検出が可能となる。
【0085】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6について説明する。上述の実施の形態1~5に係る物質検出システム1A~1Eは、物質センサ10で検出された物質3の検出値をそのまま物質3の検出値とした。これに対し、本実施の形態6に係る物質検出システムは、周囲の環境、例えば、温度又は湿度によって物質3の検出レベルを補正する。
【0086】
上述のように、物質センサ10は、物質3の吸着により感応膜の重量変化を検出する。感応膜への物質3の吸着状態は、周囲の環境、例えば気体に含まれる水蒸気に影響を受ける。本実施の形態に係る物質検出システムは、感応膜への物質3の吸着に影響を与える周囲の環境情報を検出し、検出した環境情報で、物質センサ10で検出された物質3の検出値を補正する。
【0087】
図14に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Fは、環境センサ12を備える。環境センサ12は、周囲の環境情報を検出する。検出される環境情報は、周囲の空気に含まれる水蒸気量と相関性のある温度又は湿度とすることができる。
【0088】
本実施の形態に係る物質検出システム1Fにおいて、情報処理部20は、第2の補正部としての補正部28を備える。補正部28は、環境センサ12の検出結果に基づいて、物質センサ10の検出結果を補正する。
【0089】
補正部28は、環境情報の基準値を記憶している。さらに、補正部28は、環境センサ12で検出された環境情報と基準値との差分と、物質センサ10の物質3の検出レベルの補正値との対応関係を示すデータを記憶している。このデータは、例えば、差分を入力としたときに補正値を出力する関数であってもよいし、差分と補正値との対応関係を示すデータ群であってもよい。
【0090】
補正部28は、環境センサ12で検出された環境情報と基準値との差分を求める。そして、差分と補正値との対応関係を示すデータから、その差分に対応する補正値を求める。そして、補正部28は、物質センサ10で検出された物質3の検出値を、補正値で補正する。
【0091】
なお、環境センサ12で検出される環境情報は、温度及び湿度に限られない。気体に含まれる水蒸気量を直接検出するようにしてもよい。また、気体に含まれる物質であって、感応膜への物質3の吸着を促進または阻害する物質3の量を検出するものを用いることもできる。すなわち、環境センサ12は、物質センサ10での物質3の検出レベルに影響を与える環境情報を検出するものであればよい。
【0092】
環境センサ12の検出結果による補正は、距離センサ11の検出結果による補正と組み合わせることができる。物質センサ10で検出された物質3の検出値を、環境センサ12で検出された環境情報で補正し、さらに、環境情報で補正された検出値を、距離センサ11で検出された距離Lで補正するようにしてもよい。物質センサ10の検出値を、先に環境センサ12の検出結果で補正するか、先に距離センサ11の検出結果で補正するかは、適宜決定することができる。また、環境センサ12の検出結果と、距離センサ11の検出結果とを引数とする単一の関数の出力を補正値として用いるようにしてもよい。
【0093】
実施の形態7.
本発明の実施の形態7について説明する。上述の実施の形態1~6では、物質検出システムの機能的な内部構成について説明している。本実施の形態7では、物質検出システムの物理的な構造について説明する。
【0094】
図15に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Gの外観は、全体として平板状であり、同じ面に物質センサ10と、距離センサ11とが設けられている。物質センサ10の取り込み口10aは、距離センサ11の距離Lの検出方向を向いており、距離センサ11によって検出される距離Lが、物質センサ10と発生源2との距離と同等であるとみなせる程度に物質センサ10と距離センサ11とが近接配置されている。
【0095】
この物質検出システム1Gでは、物質センサ10と距離センサ11とが同じ筐体4内に収納されており、一体化している。情報処理部20は、その筐体4内に収納されている。このようにすれば、システム全体をコンパクトなものとすることができる。
【0096】
なお、環境センサ12(図示無し)については、物質センサ10及び距離センサ11と一体化するようにしてもよい。物質センサ10及び距離センサ11と、環境センサ12とが、脱着可能に構成されていてもよい。
【0097】
実施の形態8.
本発明の実施の形態8について説明する。上記実施の形態7に係る物質検出システム1Gでは、物質センサ10と距離センサ11とが一体化している。これに対し、本実施の形態に係る物質検出システムは、物質センサ10と距離センサ11とを、それぞれ別のユニットに収容している。
【0098】
具体的には、
図16に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Hは、ユニット5と、ユニット6と、を備える。ユニット5には、物質センサ10が収容されており、ユニット6には、距離センサ11が収容されている。情報処理部20は、ユニット5又はユニット6、もしくはユニット5,6の両方に収容されている。
【0099】
ユニット6は、ユニット5の周囲を囲む形でユニット5に装着される。ユニット6がユニット5に装着されると、物質センサ10の取り込み口10aが、距離センサ11において距離Lを検出する方向を向いた状態となり、距離センサ11によって検出される距離Lが、物質センサ10と発生源2との距離Lと同等であるとみなせるようになる。
【0100】
このように、本実施の形態に係る物質検出システム1Hでは、物質センサ10と距離センサ11とが互いに分離可能である。このようにすれば、物質センサ10と距離センサ11とのいずれかが故障した場合でも、距離センサ11を備えるユニット6と、物質センサ10とを備えるユニット5とを、容易に取り換えることができる。
【0101】
なお、環境センサ12を備える場合、環境センサ12は、ユニット5に収容されるようにしてもよいし、ユニット6に収容されるようにしてもよい。また、環境センサ12は、ユニット5,6とは異なり、ユニット5,6と脱着可能な別のユニットに収容されるようにしてもよい。
【0102】
実施の形態9.
本発明の実施の形態9について説明する。上記実施の形態7,8に係る物質検出システム1G,1Hでは、物質センサ10及び距離センサ11は、情報処理部20が収容された筐体4、ユニット5,6に収容されるようにしている。これに対し、本実施の形態に係る物質検出システムは、物質センサ10及び距離センサ11を、情報処理部20が収容された本体とは別のアダプタに収容している。
【0103】
図17(A)及び
図17(B)に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1Iは、本体7と、本体7に脱着可能なアダプタ8と、を備える。物質センサ10と距離センサ11とが、アダプタ8に実装されている。物質センサ10の取り込み口10aは、距離センサ11において距離Lを測定する方向を向いた状態となっている。また、距離センサ11によって検出される距離Lが、物質センサ10と発生源2との距離Lと同等であるとみなせるように物質センサ10と距離センサ11とが近接配置されている。
【0104】
図17(C)及び
図17(D)には、カバーが外されたアダプタ8が示されている。
図17(C)及び
図17(D)に示すように、アダプタ8では、物質センサ10及び距離センサ11に加え、環境センサ12が設けられている。環境センサ12は、物質センサ10の周囲の環境情報を検出する。また、情報処理部20は、本体7に実装されている。
【0105】
アダプタ8は、検出する発生源2毎に複数用意されている。この場合、アダプタ8に搭載される物質センサ10は、検出する物質3の種類が、アダプタ8毎に異なっている。例えば、発生源A検出用、発生源B検出用、発生源C検出用のアダプタ8がそれぞれ用意される。発生源Aを検出対象とする場合には、発生源A検出用のアダプタ8が本体7に装着されて使用される。
【0106】
このようにすれば、アダプタ8を交換するだけで、検出する発生源2を容易に変更することができる。
【0107】
以上詳細に説明したように、上記実施の形態に係る物質検出システム1A~1Iによれば、発生源2と物質センサ10との距離Lが、物質センサ10の検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する判定部21を備えている。このため、上記距離Lがその範囲L1~L2に入っている場合の物質センサ10の検出結果を有効とすることができる。この結果、検出結果の精度を安定化させることができる。
【0108】
また、上記実施の形態1に係る物質検出システム1Aによれば、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2に入ったと判定部21が判定した場合に、物質センサ10による物質3の検出が可能であることを報知する報知部22を備える。このようにすれば、物質検出システム1Aを使用する使用者が、距離Lを適切なものとした状態であることを知り、その状態で物質3の検出を行うことが可能となる。
【0109】
また、上記実施の形態1に係る物質検出システム1Aによれば、報知部22は、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2から外れたと判定部21が判定した場合に、物質センサ10による物質3の検出が不可であることを報知する。このようにすれば、物質検出システム1Aを使用する使用者が、距離Lを検出に適切な範囲から外れたことを知り、距離Lを範囲内に戻すことを促すことが可能となる。
【0110】
また、上記実施の形態2に係る物質検出システム1Bによれば、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2に入ったと判定部21が判定した場合に、物質センサ10での物質3の検出を開始する制御部24を備える。このようにすれば、距離Lを適切な範囲L1~L2に入った場合にのみ自動的に物質3の検出を行うことが可能となる。
【0111】
また、上記実施の形態2に係る物質検出システム1Bによれば、制御部24は、距離センサ11で検出される距離Lが範囲L1~L2から外れたと判定部21が判定した場合に、物質センサ10での物質3の検出を停止する。このようにすれば、距離Lが範囲L1~L2から外れた場合には、物質3の検出を自動的に停止させることができる。
【0112】
また、上記実施の形態3に係る物質検出システム1Cによれば、検出対象となる発生源2毎に、範囲L1~L2を記憶する範囲記憶部25を備える。判定部21は、発生源2に対応する範囲L1~L2を範囲記憶部25から読み出して判定を行う。このようにすれば、発生源2毎に異なる適切な範囲L1~L2で、物質3を検出することができる。
【0113】
また、上記実施の形態4に係る物質検出システム1Dによれば、物質センサ10の検出結果と、距離センサ11の検出結果とを対応付けて記憶する検出結果記憶部26を備える。このようにすれば、物質センサ10の検出結果と発生源2との距離Lとの関係を明らかにすることができる。
【0114】
また、上記実施の形態5に係る物質検出システム1Eによれば、発生源2から発せられた物質3を検出する物質センサ10と、発生源2と物質センサ10との距離Lを検出する距離センサ11と、距離センサ11の検出結果に基づいて、物質センサ10の検出結果を補正する補正部27と、を備える。このようにすれば、物質3の検出結果における距離Lの影響をなくし、物質3の高精度な検出が可能となる。
【0115】
また、上記実施の形態6に係る物質検出システム1Fによれば、周囲の環境情報を検出する環境センサ12を備える。補正部28は、環境センサ12の検出結果に基づいて、物質センサ10の検出結果を補正する。このようにすれば、周囲の環境に影響を受けずに、物質3を検出することが可能となる。
【0116】
また、上記実施の形態7に係る物質検出システム1Gによれば、物質センサ10と距離センサ11とが一体化している。このようにすれば、物質センサ10と距離センサ11との位置関係を固定することができるので、常に同じ条件で、物質3の検出結果を得ることができる。
【0117】
また、上記実施の形態8に係る物質検出システム1Hによれば、物質センサ10と距離センサ11とが互いに分離可能なものとすることができる。このようにすれば、例えば距離センサ11が故障した場合に、距離センサ11を容易に交換することができる。
【0118】
また、上記実施の形態9に係る物質検出システム1Iによれば、本体7と、本体7に脱着可能なアダプタ8と、を備えるものとし、物質センサ10と距離センサ11とが、アダプタ8に実装されている。このようにすれば、アダプタ8を交換するだけで検出対象となる発生源2を変更することができる。
【0119】
また、
図15に示す物質検出システム1Gのように、環境センサ12については、物質センサ10及び距離センサ11と一体化しているものとしてもよい。また、環境センサ12が、物質センサ10と距離センサ11とは、別ユニットに実装されているものとしてもよい。さらに、物質センサ10と距離センサ11と環境センサ12とのうち、少なくとも2つが互いに分離可能となっていてもよい。
【0120】
なお、上記実施の形態では、報知部22は、距離Lが範囲L1~L2内にあるときの検出可能報知と範囲L1~L2外にあるときの検出不可報知とを両方行っている。しかしながら、本発明はこれには限られない。どちらか一方を報知するだけでもよい。
【0121】
なお、上記実施の形態では、物質センサ10を、吸着膜の振動周波数の変化で物質3を検出するものとしている。しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、吸着膜への物質3の吸着を、その吸着膜に流れる電流、電圧、抵抗の変化、容量の変化で検出するものであってもよいし、他の原理で検出するものであってもよい。本発明は、物質3の検出方法には限定されない。
【0122】
このように、物質検出システム1A~1Iのハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0123】
CPU30、メモリ31、外部記憶部32、入出力部33、カードインターフェイス34、通信インターフェイス35、操作入力部36、表示部37及び内部バス40などから構成される物質検出システム1A~1Iの処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。コンピュータシステムは、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話、パソコン、モバイルコンピュータなどである。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する物質検出システム1A~1Iを構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで物質検出システム1A~1Iを構成してもよい。
【0124】
物質検出システム1A~1Iの機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0125】
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0126】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、発生源から発せられる物質の検出に適用することができる。
【符号の説明】
【0128】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I 物質検出システム、2 発生源、3 物質、4 筐体、5,6 ユニット、7 本体、8 アダプタ、10 物質センサ、10a 取り込み口、11 距離センサ、12 環境センサ、20 情報処理部、21 判定部、22 報知部、23,24 制御部、25 範囲記憶部、26 検出結果記憶部、27,28 補正部、30 CPU、31 メモリ、32 外部記憶部、33 入出力部、34 カードインターフェイス、35 通信インターフェイス、36 操作入力部、37 表示部、39 プログラム、40 内部バス、50 記録媒体、60 サーバコンピュータ
【手続補正書】
【提出日】2021-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る物質検出システムは、
検出対象から発せられた物質を検出する物質センサと、
前記検出対象と前記物質センサとの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサで検出される距離が、前記物質センサの検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する判定部と、
前記物質センサの検出結果と、前記距離センサの検出結果とを対応付けて記憶する検出結果記憶部と、
データ取得モードで動作する場合、前記判定部による判定を行わず、前記距離センサで前記距離を検出するとともに前記物質センサで物質を検出させて、それらの検出結果を前記検出結果記憶部に記憶させる一方、検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出された前記距離が前記判定部で前記範囲に入っていると判定された場合に、前記物質センサでの物質の検出を可能とする制御部と、
を備える。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が可能であることを報知する報知部を備える、
こととしてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記報知部は、
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が不可であることを報知する、
こととしてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記制御部は、
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を開始する、
こととしてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前記制御部は、
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を停止する、
こととしてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
前記検出結果記憶部に記憶されたデータに基づいて機械学習を行って、前記範囲を決定する機械学習部を備え、
前記機械学習部で決定された前記範囲を、前記範囲記憶部に記憶する、
こととしてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
前記距離センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第1補正部を備える、
こととしてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとのうち、少なくとも2つが互いに分離可能である、
こととしてもよい。
前記制御部は、
前記検出モードで動作する場合、前記検出結果記憶部に記憶されたデータのうち、前記範囲外であることを示す前記距離センサの検出結果と、対応する前記物質センサの検出結果とを削除する、
こととしてもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象から発せられた物質を検出する物質センサと、
前記検出対象と前記物質センサとの距離を検出する距離センサと、
前記距離センサで検出される距離が、前記物質センサの検出結果を有効とする範囲に入っているか否かを判定する判定部と、
前記物質センサの検出結果と、前記距離センサの検出結果とを対応付けて記憶する検出結果記憶部と、
データ取得モードで動作する場合、前記判定部による判定を行わず、前記距離センサで前記距離を検出するとともに前記物質センサで物質を検出させて、それらの検出結果を前記検出結果記憶部に記憶させる一方、検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出された前記距離が前記判定部で前記範囲に入っていると判定された場合に、前記物質センサでの物質の検出を可能とする制御部と、
を備える物質検出システム。
【請求項2】
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が可能であることを報知する報知部を備える、
請求項1に記載の物質検出システム。
【請求項3】
前記報知部は、
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサによる物質の検出が不可であることを報知する、
請求項2に記載の物質検出システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲に入ったと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を開始する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記検出モードで動作する場合、前記距離センサで検出される距離が前記範囲から外れたと前記判定部が判定した場合に、前記物質センサでの物質の検出を停止する、
請求項4に記載の物質検出システム。
【請求項6】
前記検出対象毎に、前記範囲を記憶する範囲記憶部を備え、
前記判定部は、前記検出対象に対応する前記範囲を前記範囲記憶部から読み出して判定を行う、
請求項1から5のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項7】
前記検出結果記憶部に記憶されたデータに基づいて機械学習を行って、前記範囲を決定する機械学習部を備え、
前記機械学習部で決定された前記範囲を、前記範囲記憶部に記憶する、
請求項6に記載の物質検出システム。
【請求項8】
前記距離センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第1補正部を備える、
請求項1に記載の物質検出システム。
【請求項9】
周囲の環境情報を検出する環境センサと、
前記環境センサの検出結果に基づいて、前記物質センサの検出結果を補正する第2補正部と、
を備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項10】
前記物質センサと前記距離センサとが一体化している、
請求項1から8のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項11】
本体と、
前記本体に脱着可能なアダプタと、を備え、
前記物質センサと前記距離センサとが、前記アダプタに実装されている、
請求項10に記載の物質検出システム。
【請求項12】
前記物質センサと前記距離センサとが互いに分離可能である、
請求項10に記載の物質検出システム。
【請求項13】
前記物質センサと、前記距離センサと、前記環境センサとが一体化している、
請求項9に記載の物質検出システム。
【請求項14】
本体と、
前記本体に脱着可能なアダプタと、を備え、
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとが、前記アダプタに実装されている、
請求項13に記載の物質検出システム。
【請求項15】
前記物質センサと前記距離センサと前記環境センサとのうち、少なくとも2つが互いに分離可能である、
請求項13に記載の物質検出システム。
【請求項16】
前記制御部は、
前記検出モードで動作する場合、前記検出結果記憶部に記憶されたデータのうち、前記範囲外であることを示す前記距離センサの検出結果と、対応する前記物質センサの検出結果とを削除する、
請求項1に記載の物質検出システム。