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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026167
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】救助活動支援システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20230216BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230216BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20230216BHJP
   G01S 1/68 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
G08B27/00 Z
G08B25/10 D
G08B17/00 C
G01S1/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131904
(22)【出願日】2021-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】黒坂 悠平
【テーマコード(参考)】
5C087
5G405
【Fターム(参考)】
5C087AA03
5C087AA09
5C087BB11
5C087BB18
5C087BB74
5C087DD04
5C087DD20
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF03
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG06
5C087GG10
5C087GG12
5C087GG36
5C087GG68
5C087GG70
5C087GG82
5G405AA01
5G405AA03
5G405AA06
5G405AB01
5G405AB02
5G405AB03
5G405AB05
5G405AD07
5G405BA07
5G405CA22
5G405CA28
(57)【要約】
【課題】安全で迅速に要救助者に到達可能な救助経路を提示することができる救助活動支援システムを提供する。
【解決手段】救助員端末と火災感知器及び人体感知器と端末位置検出装置と記憶部及び制御部を有するサーバー装置とを備えた救助活動支援システムにおいて、前記制御部は、火災感知器のいずれかが火災の発生を感知し人体感知器が要救助者の存在を感知すると端末位置検出装置からの位置情報に基づいて要救助者までの経路を算出する経路算出手段と、火災感知器の位置を基準に区分けされた建物内部の感知区域を危険区域、通行注意区域または通行容易区域に分類する区域分類手段と、経路算出結果及び区域分類結果を用いて救助経路を決定する救助経路決定手段と、決定した救助経路を表記した地図を送信する送信手段とを有し、救助経路決定手段は危険区域を通行せずかつ経路上の通行注意区域が最も少ない経路を救助経路として決定するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
救助員が所持し表示手段を有する救助員端末と、建物内部に設置されたそれぞれ複数の火災感知器および人体感知器と、前記救助員端末の位置を検出する端末位置検出装置と、記憶部および制御部を有するサーバー装置とを備えた救助活動支援システムであって、
前記記憶部には、前記火災感知器と前記人体感知器のそれぞれの設置位置を含む建物内部の地図情報が予め記憶され、
前記制御部は、
前記火災感知器のいずれかが火災の発生を感知し、前記人体感知器が要救助者の存在を感知すると、前記端末位置検出装置からの位置情報に基づいて前記救助員端末の検出位置から前記要救助者までの経路を、前記地図情報を参照して算出する経路算出手段と、
前記火災感知器の位置を基準に前記地図情報に従い前記建物内部のエリアを複数の感知区域に区分けした区分け結果を用い、前記火災感知器の出力情報を参照して前記複数の感知区域を少なくとも危険区域、通行注意区域または通行容易区域のいずれかに分類する区域分類手段と、
前記経路算出手段による算出結果および前記区域分類手段による分類結果を用いて前記救助員端末に表示する救助経路を決定する救助経路決定手段と、
前記救助経路決定手段が決定した前記救助経路を地図上に表記した情報を前記救助員端末へ送信する送信手段と、
を有し、
前記救助経路決定手段は、前記危険区域を通行せずかつ経路上に前記通行注意区域が最も少なく含まれる経路を前記救助経路として決定する
ことを特徴とした救助活動支援システム。
【請求項2】
前記区域分類手段は、
前記感知区域の火災感知器の出力が第1の閾値以上の場合には当該感知区域を前記危険区域に分類し、
前記感知区域の火災感知器の出力が第2の閾値以上で、第1の閾値未満の場合には当該感知区域を前記通行注意区域に分類し、
前記感知区域の火災感知器の出力が第2の閾値未満の場合に当該感知区域を前記通行容易区域に分類することを特徴とした請求項1に記載の救助活動支援システム。
【請求項3】
前記救助経路決定手段は、さらに、
前記救助経路として、経路上にある通行注意区域の数が同一である候補が複数得られた場合には、経路長さが最も短い候補を前記地図上に表記する救助経路として決定することを特徴とした請求項1または2に記載の救助活動支援システム。
【請求項4】
前記記憶部には、前記火災感知器の出力を用いて前記感知区域ごとの危険度を評価するための所定の計算式が予め記憶され、
前記計算式は、通行する前記感知区域の前記火災感知器が出力する煙濃度および/または温度が高いほど、火災の発生を感知した火災感知器との距離が短いほど大きな評価値となるように設定され、
前記救助経路決定手段は、前記救助経路の候補が複数得られた場合には、
前記計算式を用いて評価値を求め、前記複数の救助経路の候補のうち当該評価値の平均値または最大値が最も小さな候補を前記救助経路として決定する
ことを特徴とした請求項1~3のいずれかに記載の救助活動支援システム。
【請求項5】
前記端末位置検出装置は、
前記建物内部に設置され少なくとも自己の識別コードを送信する複数の発信器と、
前記複数の発信器の設置位置情報を前記識別コードと関連して記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記発信器の設置位置情報と、前記救助員端末が前記発信器から受信した情報に含まれる前記識別コードとに基づいて前記救助員端末の位置を特定する位置特定手段と、
から構成されていることを特徴とした請求項1~4のいずれかに記載の救助活動支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視エリアとなるビル等の施設内における火災発生時に逃げ遅れた人または自力で避難するのが難しい人(以下、要救助者と記す)を消防隊員等の救助員が救助する活動を支援する救助活動支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の施設内において火災が発生した時に要救助者がいる場合、救助員が要救助者を救助するには当然迅速さが求められる。そのため、救助員に対する的確な情報の提供が望まれる。従来、カメラ等の監視装置が設置されているビル等の施設内において火災が発生した場合に、救助員が保有する携帯端末の表示部に救助員自身の現在位置と要救助者の位置を建物内部の床面を模した地図上に表示するようにした救助活動支援システムに関する発明が提案されている(特許文献1)。
また、救助員と要救助者が共に電波にて通信可能な端末を所持していることを前提に、両者の位置を検出した上で、火災発生現場を通らない救助経路を救助員が所持する端末に表示するようにした救助活動支援方法に関する発明が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-006652号公報
【特許文献2】特開2011-242882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている発明においては、要救助者が無線通信端末等を所持していなくても、救助員は携帯端末に表示された地図上の自己の位置を目視確認することによって、自らの判断で要救助者まで迅速に向かうことが可能となる。しかし、見かけ上は最短経路であっても、延焼の進行具合によっては必ずしも救助員が判断した救助経路が適切であるとは限らないため、安全性の観点からは適切な情報提供にならないことがあるという課題がある。
【0005】
一方、特許文献2に開示されている発明によれば、火災発生現場を通らない救助経路が救助員の所持する端末に表示されるため、救助員も要救助者も比較的安全に脱出することができる。しかし、表示された経路が火災発生現場の近傍を通る場合、直接的な火災発生源からの影響はないものの、火災発生からある程度時間が経過すると、火災発生現場の近傍にも熱や煙の影響が及ぶこととなる。そのため、丸腰といってもいい要救助者はもちろん耐熱服などに身を包んだ救助員であっても熱や煙の影響を受けるのを避けられないという課題がある。従って、経路長は短い方が良いが、延焼の程度、熱や煙の程度を踏まえた上で、救助のためのより安全な救助経路を決定して救助者に提示することが望ましい。
【0006】
本発明は上記のような課題に着目してなされたものでその目的とするところは、安全であることを優先しつつできるだけ迅速に要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を救助員に提示することができる救助活動支援システムを提供することにある。
より具体的には、火災発生現場の近傍は避ける一方で、候補となった経路が通行に適しているか否かを評価して、なるべく救助員と要救助者に影響の少ないより安全な救助経路を決定して救助員に提示することができる救助活動支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は、
救助員が所持し表示手段を有する救助員端末と、建物内部に設置されたそれぞれ複数の火災感知器および人体感知器と、前記救助員端末の位置を検出する端末位置検出装置と、記憶部および制御部を有するサーバー装置とを備えた救助活動支援システムであって、
前記記憶部には、前記火災感知器と前記人体感知器のそれぞれの設置位置を含む建物内部の地図情報が予め記憶され、
前記制御部は、
前記火災感知器のいずれかが火災の発生を感知し、前記人体感知器が要救助者の存在を感知すると、前記端末位置検出装置からの位置情報に基づいて前記救助員端末の検出位置から前記要救助者までの経路を、前記地図情報を参照して算出する経路算出手段と、
前記火災感知器の位置を基準に前記地図情報に従い前記建物内部のエリアを複数の感知区域に区分けした区分け結果を用い、前記火災感知器の出力情報を参照して前記複数の感知区域を少なくとも危険区域、通行注意区域または通行容易区域のいずれかに分類する区域分類手段と、
前記経路算出手段による算出結果および前記区域分類手段による分類結果を用いて前記救助員端末に表示する救助経路を決定する救助経路決定手段と、
前記救助経路決定手段が決定した前記救助経路を地図上に表記した情報を前記救助員端末へ送信する送信手段と、
を有し、
前記救助経路決定手段は、前記危険区域を通行せずかつ経路上に前記通行注意区域が最も少なく含まれる経路を前記救助経路として決定するように構成したものである。
【0008】
上記のような構成を有する救助活動支援システムによれば、救助経路決定手段が危険区域を通行せずかつ経路上に通行注意区域が最も少なく含まれる経路を救助経路として決定し、決定した救助経路を地図上に表記した情報を送信手段により救助員端末へ送信するため、救助員端末の表示部に救助経路を表記した地図を表示させることができる。これによって、救助員端末を所持する救助員は、安全かつ迅速に要救助者のいる場所に到達することができ、避難誘導や救助の遅れが発生するのを回避することができる。
【0009】
ここで、望ましくは、前記区域分類手段は、
前記感知区域の火災感知器の出力が第1の閾値以上の場合には当該感知区域を前記危険区域に分類し、
前記感知区域の火災感知器の出力が第2の閾値以上で、第1の閾値未満の場合には当該感知区域を前記通行注意区域に分類し、
前記感知区域の火災感知器の出力が第2の閾値未満の場合に当該感知区域を前記通行容易区域に分類するように構成する。
かかる構成によれば、建物内部のエリアを区分けした複数の感知区域にある火災感知器の出力に大きさに応じて、危険区域、通行注意区域または通行容易区域のいずれかに分類するため、合理的かつ信頼性の高い分類を行うことができる。「火災感知器の出力」とは、煙感知器では検出した煙濃度、熱感知器では検出した温度である。
【0010】
また、望ましくは、前記救助経路決定手段は、さらに、
前記救助経路として、経路上にある通行注意区域の数が同一である候補が複数得られた場合には、経路長さが最も短い候補を前記地図上に表記する救助経路として決定するように構成する。
かかる構成によれば、安全性の観点からはほぼ同じ条件の救助経路の候補が複数得られた場合には、経路長さが最も短い候補を地図上に表記する救助経路として決定するため、迅速に要救助者を救助することができる。
【0011】
また、望ましくは、前記記憶部には、前記火災感知器の出力を用いて前記感知区域ごとの危険度を評価するための所定の計算式が予め記憶され、
前記計算式は、通行する前記感知区域の前記火災感知器が出力する煙濃度および/または温度が高いほど、火災の発生を感知した火災感知器との距離が短いほど大きな評価値となるように設定され、
前記救助経路決定手段は、前記救助経路の候補が複数得られた場合には、
前記計算式を用いて評価値を求め、前記複数の救助経路の候補のうち当該評価値の平均値または最大値が最も小さな候補を前記救助経路として決定するようにする。
かかる構成によれば、所定の計算式を用いて算出した評価値に基づいて、複数の救助経路の候補の中から最適な救助経路を決定するため、より高い精度で安全な救助経路を選択することができる。また、火災発生現場の近傍は避ける一方で、候補となった経路が通行に適しているか否かを評価して、なるべく救助員と要救助者に影響の少ないより安全な救助経路を決定して救助員に提示することができる。
【0012】
また、望ましくは、前記端末位置検出装置は、
前記建物内部に設置され少なくとも自己の識別コードを送信する複数の発信器と、
前記複数の発信器の設置位置情報を前記識別コードと関連して記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記発信器の設置位置情報と、前記救助員端末が前記発信器から受信した情報に含まれる前記識別コードとに基づいて前記救助員端末の位置を特定する位置特定手段と、から構成するようにする。
【0013】
上記のような構成によれば、建物内部に設置され少なくとも自己の識別コードを送信する複数の発信器および火災感知器と、発信器から受信した情報に含まれる識別コードに基づいて端末の位置を特定する位置特定手段とを備えた位置情報システム(IMESを含む)が既に設けられている建物においては、既設の位置情報システムを端末位置検出装置として利用することができるため、容易かつ安価に上記のような構成を有する救助活動支援システムを構築することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る救助活動支援システムによれば、安全であることを優先しつつできるだけ迅速に要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を救助員に提示することができる。また、火災発生現場の近傍は避ける一方で、候補となった経路が通行に適しているか否かを評価して、なるべく救助員と要救助者に影響の少ないより安全な救助経路を決定して救助員に提示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の救助活動支援システムの一例を示すブロック図である。
図2】実施形態の救助活動支援システムを構成する救助活動支援サーバーにおける救助支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3】(A)~(C)は実施形態の救助活動支援システムにおける監視エリアの区分けの仕方と救助経路の決定の仕方の例を示す概念図である。
図4】実施形態の救助活動支援システムにおける危険区域と通行注意区域と通行容易区域の判断の条件の一例を示す図である。
図5】第2実施形態の救助活動支援システムにおける評価値算出式のパラメータX1jの関数f1(d)の例を示すグラフである。
図6】第2実施形態の救助活動支援サーバーによる救助経路の安全度の算出および経路選択処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態をビルの救助活動支援システムに適用した場合における救助経路の提示の具体例を示すもので、(A)は通行注意区域がない場合のフロアマップ、(B)は危険区域と通行注意区域が1つずつある場合のフロアマップを示す図である。
図8】実施形態をビルの救助活動支援システムに適用した場合における救助経路の提示の具体例を示すもので、(A)は危険区域が2つ、通行注意区域が1つある場合のフロアマップ、(B)は危険区域が3つある場合のフロアマップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を適用した救助活動支援システムの実施形態について説明する。図1は、本実施形態の救助活動支援システムの構成例を示すブロック図である。
(第1実施形態)
第1実施形態の救助活動支援システムは、図1に示すように、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に分散して配設されているビーコン(発信器)11と、同じく建物内部の所定エリア内の複数の箇所に分散して配設されている人感センサ(人体感知器)12と、ビーコン11からの信号(電波)を受信可能であって救助員が所持する携帯端末(救助員端末)20と、携帯電話基地局30及びインターネット等の通信ネットワークNを介して救助員端末20との間でデータ通信を行う位置情報サーバー41と、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されている火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60と、ゲートウェイ(中継器)70及び通信ネットワークNを介して火災受信機60との間でデータ通信を行う火災情報サーバー81と、通信ネットワークNを介して救助員端末20へ要救助者までの救助経路に関する情報を提供するための救助支援情報を提供する救助活動支援サーバー91などから構成されている。
【0017】
ビーコン11と携帯端末20および位置情報サーバー41と通信ネットワークNとからなり監視エリア内に存在する人の位置を把握するシステムに関しては、位置情報システムとして既に設置されているものがある場合には、既存のシステムをそのまま利用して、救助活動支援サーバー91を追加することで本実施形態の救助活動支援システムを構築することができる。
人感センサ12としては、赤外線、可視光、超音波、マイクロ波などを使用し人の存在を検知するセンサがある。センサの代わりに、映像カメラと撮影した画像を処理して人物を判定する機能を有するプログラムを組み合わせたものを人体検出手段として用いるようにしても良い。人感センサ(人体検出手段)12の検出情報は、LAN(ローカルエリアネットワーク)または通信ネットワークNを介して救助活動支援サーバー91へ送信される。
【0018】
位置情報サーバー41は、管理エリア内に設置されているビーコン11の設置位置情報及び管理エリアの地図情報(ビルの場合にはフロアマップ)等を記憶した記憶装置(データベース)42を備えている。
一方、救助活動支援サーバー91は、消防隊員等の救助員権限や資格等の属性に関する情報(救助員属性情報)および救助員が所持する携帯端末の通信アドレス等を記憶した記憶装置(データベース)92を備えている。また、救助活動支援サーバー91には表示装置および入力装置を備えたPC(パーソナルコンピュータ)93が接続されている。
【0019】
本実施形態においては、PC93の表示装置に救助活動支援サーバー91が火災発生時に人感センサ12からの検知情報に基づいて把握したエリア内にいる人の位置を記した地図を表示させ、逃げ遅れている人がいると判断した場合に現地へ救助に向かわせる救助員を指定する情報を入力装置より入力することができるように構成されている。このような処理を、救助活動支援サーバー91のプログラムによって自動的に行わせるように構成しても良い。
また、上記位置情報サーバー41と救助活動支援サーバー91は1つの支援サーバーとして構成しても良い。火災情報サーバー81も同様に、位置情報サーバー41や救助活動支援サーバー91と共通のサーバーとして構成しても良い。
【0020】
携帯端末20へ無線信号を発信するビーコン11は自己の識別情報や設備情報(機器ID)などの固有情報を無線信号に乗せて定期的に周囲に発信する発信部を備える。ビーコン11が無線で発信する信号(ビーコン信号)には、少なくとも当該ビーコン11の識別情報(発信器の機器ID)が含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。ビーコン11の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信、可視光通信など公知の通信方式を利用することができる。
【0021】
ビーコン11を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、隣接するそれぞれのビーコン11の通信範囲が建物内の空間を網羅できるように配置されているものとする。
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器50やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加する形態で取り付けたビーコンあるいはそれらの機器の近傍に設置する形態で取り付けたビーコンを利用することができる。
【0022】
携帯端末20は、ビーコン11からの信号を受信する受信機能と、無線通信機能、表示部などを備えるスマートフォン等の機器を利用することができる。
携帯端末20の内部メモリには、定期的にビーコン11から無線で発信されるビーコン信号を受信して当該ビーコン信号に含まれる識別情報(機器ID)等を抽出するとともに、当該ビーコン信号の受信電波強度を検出し、識別情報等と受信電波強度とを含むビーコン情報および自携帯端末固有の識別情報(端末ID)をセットで位置情報サーバー41へ送信する処理と、位置情報サーバー41から送信されたフロア図情報に基づくフロア図(マップ)を表示部の画面に表示する処理を実行するアプリケーション・プログラム(位置情報表示アプリ)が格納されている。
【0023】
火災感知器50は、例えば、熱、煙、炎、有害ガスなどの異常現象の発生を検出すると、火災検出信号を、感知器回線51を介して火災受信機60に送信する。また、本実施形態の救助活動支援システムにおいては、火災感知器50として、温度検知機能または煙濃度検知機能の少なくとも一方の機能を有する感知器が使用されているものとする。なお、火災感知器50は火災検出信号に自身の設置アドレスを付加して送信するものであっても良いし、火災検出信号に自身の設置アドレスを付加しないタイプの感知器であっても良い。火災感知器50として、温度検知機能と煙濃度検知機能の両方の機能を備えるものを使用しても良いし、温度検知機能を有する感知器と煙濃度検知機能を有する感知器を別々に構成し、両方の感知器を隣接して設置するようにしても良い。
【0024】
火災受信機60は、火災感知器50からの火災検出信号を受信した場合に、表示部に火災検出表示を行うとともに、地区ベル鳴動や防排煙連動などの制御を行う。さらに、火災受信機60は、火災の発生場所情報や検知した温度情報、検知した煙濃度情報などを含む火災情報を、ゲートウェイ70及び通信ネットワークNを介して火災情報サーバー81へ送信する。火災情報サーバー81は、火災発信機や消火栓等の火災に関連する建物の設備・機器情報を記憶するデータベース82を備え、これらの情報および火災発生位置情報を位置情報サーバー41へ送信するように構成される。
【0025】
なお、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送した感知器回線51(警戒区域)に基づいて火災の発生場所を特定する。また、ゲートウェイ70を省略し、火災受信機60から火災情報サーバー81へ火災位置を含む火災情報を直接送信するシステムも可能である。火災情報は火災受信機60以外の装置から送信するようにしても良い。
【0026】
救助活動支援サーバー91は、火災発生時に逃げ遅れていると判断した場合に現地へ救助に向かわせる救助員を指定する情報がPC93の入力装置より入力されると、当該救助員が所持する携帯端末の現在位置を確認し、以下に説明する方法で、救助員が要救助者のいるところまで移動するための経路を決定し、決定した救助経路を表示したエリア内地図(フロアマップ)を作成して、救助に向かわせる救助員が所持する携帯端末20へ送信する。これにより、指定された救助員が所持する携帯端末20の表示部に、救助経路を表示したエリア内地図画像が表示される。
【0027】
以下、本実施形態の救助活動支援サーバー91による救助員が要救助者のいる場所まで移動するための経路の決定の仕方について説明する。本実施形態における救助員の救助経路の決定の基本的な考え方は、安全であることを優先しつつできるだけ迅速に要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を探索し救助員端末へ送信する点にある。
図2には、救助活動支援サーバー91により救助員の救助経路を決定し地図を作成して送信する救助支援処理手順の一例が示されている。なお、図2に示す処理は、火災情報サーバー81より救助活動支援サーバー91へ火災の発生が送信されたことに応じて開始される。
【0028】
救助活動支援サーバー91は、火災情報サーバー81より監視エリア内における火災発生の情報を受信すると、火災情報サーバー81に対して火災発生位置の情報と火災感知器の検出情報(煙濃度および温度)とを要求し取得する(ステップS1)。
続いて、受信した火災発生位置情報に基づいて火災が発生したエリアの地図情報(建物においてはフロアマップ)を取得する(ステップS2)。地図情報の取得は、予め自己の管理下のデータベース92に監視対象の全てのエリアの地図情報を格納しておいて必要なものを抽出して読み出しても良いし、位置情報サーバー41が管理するデータベース42に格納されている地図情報の中から必要なものを位置情報サーバー41に要求して受け取るようにしても良い。
【0029】
次に、救助活動支援サーバー91は、ステップS2で取得した地図上のエリア内に設置されている人感センサ12の情報を読み込み(ステップS3)、要救助者がいるか否か判定する(ステップS4)。そして、要救助者がいない(No)と判定するとステップS1へ戻る。
一方、ステップS4で要救助者がいる(Yes)と判定するとステップS5へ進み、図3(A)に示すように、取得した地図の全域を、例えば感知器の設置位置情報に基づいて1つの感知器に1つの区域が対応するように、タイル状もしくはマトリックス状に区分けする。なお、自己の管理下のデータベース92に地図情報を格納している場合には、予めエリアごとにタイル状もしくはマトリックス状に区分けした区分情報を付加した地図情報をデータベース92に格納しておくようにしても良い。
【0030】
続いて、ステップS1で取得した火災発生位置の情報と火災感知器の検出情報並びに火災感知器の仕様、火災に関する法令、規則に基づいて、ステップS5で区分けした各区分を、図4に示すように、煙濃度や温度がかなり高く通行するのを回避すべき危険区域aと、煙濃度および温度が比較的高く通行するのに注意を要する通行注意区域bと、煙濃度および温度がそれほど高くない通行容易区域cとにランク付けする(ステップS6)。
【0031】
なお、上記危険区域aは、火災感知器の出力が法令、規則に照らすと火災が発生していると判断すべき程度になっており消防服を着用した消防隊員であっても通行を回避すべき環境状態にあるような区域、通行注意区域bは一般的な消防服を着用し訓練を受けた消防隊員であれば通行が許容される環境状態にあるような区域、通行容易区域cは要救助者も比較的安全に通行することができる環境状態にあるような区域と定義することもできる。
具体的には、本実施形態のシステムにおいては、煙濃度が10%/m以上または温度が65℃以上である区域を危険区域a、煙濃度が10%/m未満3%/m以上または温度が65℃未満45℃以上である区域を通行注意区域b、煙濃度が3%/m未満で温度が45℃未満である区域を通行容易区域cとランク付けすることとした。なお、危険区域aと通行注意区域bとを分けるための上記閾値および通行注意区域bと通行容易区域cとを分けるための上記閾値は一例であって、上記数値に限定されるものでない。
【0032】
次に、救助活動支援サーバー91は、PC93等からの入力情報に基づいて、データベース92を参照して救助へ向かう救助員(消防隊員)が所持する携帯端末(救助員端末)20の端末情報を取得し、その端末情報に基づいて当該端末の位置情報を位置情報サーバー41へ要求して取得し、救助員端末の位置を把握する(ステップS7)。続いて、救助員端末の位置から要救助者のいる区域まで、通行容易区域cのみを通行して到達することができる救助経路を網羅的に探索する(ステップS8)。
そして、通行容易区域cのみを通行して要救助者のいる区域まで到達することができる救助経路があるか否か判定し(ステップS9)、救助経路がある(Yes)と判定するとステップS10へ進み、図3(B)に示すように、当該救助経路Rを表記した地図情報をステップS7で取得した救助員端末20へ送信する(ステップS10)。なお、通行容易区域cのみを通行して到達することができる救助経路が複数ある場合には、それらの中で最も移動距離が短いものを選択し、同一移動距離のものが複数ある時は危険区域aから最も離れている経路を選択する。
【0033】
また、ステップS9で、通行容易区域cのみを通行して到達することができる救助経路がない(No)と判定するとステップS11へ移行し、通行注意区域bを通行すれば要救助者のいる区域まで到達することができる救助経路を網羅的に探索する。そして、そのような救助経路があるか否か判定し(ステップS12)、救助経路がある(Yes)と判定するとステップS13へ進み、図3(C)に示すように、当該救助経路Rを表記した地図情報をステップS7で取得した救助員端末20へ送信する。なお、通行注意区域bを通行すれば要救助者のいる区域まで到達することができる救助経路が複数ある場合には、それらの中で通行する通行注意区域bの数が最も少ないものを選択し、経路上の通行注意区域bの数が同一のものが複数ある時は最も移動距離が短い経路を選択する。
【0034】
一方、ステップS12で、通行注意区域bを通行すれば要救助者のいる区域まで到達することができる救助経路がない(No)と判定するとステップS14へ移行して、火災発生位置に火災のマークを表記し要救助者の位置を示した地図情報をステップS7で取得した救助員端末20へ送信する。
なお、ステップS10、S13で救助経路を表記した地図(フロアマップ)情報の送信を受けた救助員は、地図に示された救助経路に従って要救助者のいる区域まで移動する。その後は、往路と同じ経路で移動しても良いし、再度救助活動支援サーバー91が最新の感知器情報に基づいて退避口までの救助経路を探索して提示し、それに従って移動するようにしても良い。
【0035】
次に、図7および図8のフロアマップを用いて、上記実施形態をビルの救助活動支援システムに適用した場合における救助経路の提示の具体例について説明する。
図7および図8には、◆印で示された場所で火災が発生した場合に、上述した手順で探索し決定した救助経路を表記したフロアマップの例が示されている。なお、図7および図8において、S0は救助員のいる位置、T0は要救助者のいる位置である。
【0036】
図7(A)は、火源◆の近傍の感知器D1の検出範囲のみ危険区域aとされ、それ以外の区域は通行容易区域と判断された場合の救助経路を表記したフロアマップであり、救助員のいる位置S0から要救助者のいる位置T0の救助経路は、火災がなければR1,R2,R3の3つであるが、危険区域aを通行する経路R1と距離の長い経路R3は破棄され、経路R2が推奨経路として提示される。
図7(B)は、火源◆のある危険区域aに隣接する感知器D2の監視範囲が通行注意区域bと判断され、それ以外の区域は通行容易区域と判断された場合の救助経路を表記したフロアマップであり、危険区域aを通行する経路R1と通行注意区域bを通行する経路R2は破棄され、経路R3が推奨経路として提示される。
【0037】
図8(A)は、火源◆のある危険区域aに隣接する感知器D2の監視範囲が危険区域aと判断され、感知器D3の監視範囲が通行注意区域bと判断され、それ以外の区域は通行容易区域と判断された場合の救助経路を表記したフロアマップであり、危険区域を通行する経路R1と経路R2は破棄され、通行注意区域bのみを通行する経路R3が推奨経路として提示される。
図8(B)は、火源◆のある危険区域aに隣接する感知器D2とさらにその隣の感知器D3の監視範囲が危険区域と判断され、それ以外の区域は通行容易区域と判断された場合の救助経路を表記したフロアマップであり、3つの経路R1とR2とR3が破棄され、推奨経路が表記されていないフロアマップが送信される。
【0038】
図7および図8より、図3を用いて説明した前記実施形態による要救助者に辿り着くことができる救助員の救助経路の提示は、実際の建造物における火災発生時に適用することができることが分かる。
以上説明したように、本実施形態の救助活動支援システムによれば、安全であることを優先しつつできるだけ迅速に要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を救助員に提示することができるという利点がある。
【0039】
なお、上記実施形態の救助活動支援システムにおいては、監視対象エリアに設置されている火災感知器50が煙濃度と温度を検出する機能を備えている場合について説明したが、火災感知器50が火災検知機能のみ備え煙濃度と温度を検出する機能を備えていない場合であっても、例えば火災が発生していると判断された区域(危険区域a)に隣接する区域を通行注意区域とみなすことによって、上述した考え方をそのまま適用することができ、それによって安全を優先しつつ要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を救助員に提示することができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の救助活動支援システムについて説明する。
第2実施形態の救助活動支援システムは、第1実施形態のように火災感知器50が検出した煙濃度や温度を閾値によって各区域をランク分けする代わりに、区域ごとに安全度を表わす指標としての評価値Index(j)を所定の計算式を用いて算出し、算出した評価値に基づいて各区域をランク分けして要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を決定するというものである。
【0041】
本実施形態において使用する評価値Index(j)の算出式は、次式(1)
【数1】
で表わされる。上記式(1)において、Xはパラメータ、WはXの重み係数、iはパラメータXの種類を示す記号、jは区分けされた区域を区別するための記号であり、本実施形態においては、iは1,2,3のいずれか値をとる。上記式は、安全であるほど評価値Index(j)が小さな値となるように設定されている。なお、評価値Index(j)を、危険度を表わす指標として定義するようにしても良い。
【0042】
また、上記式(1)において、X1jは着目する通行注意区域jに関する火災感知器と危険区域との距離dを独立変数とした関数f1(d)にdを与えた時の値で、関数f1(d)としては、図5に示すようにdが大きくなるほど減少する直線または下に凸で減少する曲線で表わされる単調減少関数が適しているが、階段状に減少する関数であっても良い。
2jは通行注意区域jの温度または通行注意区域jの温度と防護服を着用した救助員が活動できる最高温度との比で与えられ、X3jは通行注意区域jの煙濃度または通行注意区域jの煙濃度と救助員が活動できる最高煙濃度との比で与えられる。
【0043】
重み係数W1jとW2jとW3jは、救助員が着用する防護服の堅牢さや救助員が背負う酸素ボンベの容量、救助員が使用するガスマスクの性能等に応じて調整すると良い。
また、X1jの重み係数W1jは、使用する関数f1(d)にも依存するが、例えば「1」に固定することができる。X2jの重み係数W2jとX3jの重み係数W3jは、関数f1(d)が無単位であるので、X2jとして温度の比、X3jとして煙濃度の比を使用する場合には問題ないが、X2jとして温度、X3jとして煙濃度を使用する場合には、無単位化するように設定するのが良い。
【0044】
次に、第2実施形態における上記評価値Index(j)を用いた各救助経路の安全度の算出の仕方と経路の選択の仕方について、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する処理は、第1の実施形態で説明したフローチャートにおけるステップS12~S14の処理に代えて行う処理であり、それ以外の処理および手順は第1の実施形態と同じで良い。
【0045】
要救助者に辿り着ける複数の救助経路がある場合、図6に示すように、先ず各救助経路上の各通行注意区域のそれぞれについて、前記式(1)を用いて評価値Index(j)を算出する(ステップS21)。次に、各救助経路について、次式(2)
【数2】
を用いて、通行する複数の区域の評価値Index(j)の平均値Index(J)を算出する(ステップS22)。なお、jは各救助経路上の区域の数であり、jの最大値mは各救助経路によって異なる。また、平均値Index(J)は、通行注意区域を通行せざるを得ないにしても、救助経路全体として通過する区域は安全そうであるか危険そうであるかの判断の目安となる。
【0046】
次に、各救助経路の平均値Index(J)同士を比較して、平均値Index(J)が最小のものと2番目に小さいものとの差が大きいか否か判定する(ステップS23)。そして、差が大きい(Yes)と判定するとステップS24へ移行して、平均値Index(J)が最小の救助経路を表記した地図(フロアマップ)を救助員端末へ送信する。
一方、ステップS23で最小のものとの差が小さい(No)と判定するとステップS25へ進み、平均値Index(J)が最小のものと2番目に小さいものの救助経路の長さを比較して長さ(移動距離)の短い方の救助経路を表記した地図を救助員端末へ送信する(ステップS25)。
【0047】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、火災発生現場の近傍は避ける一方で、候補となった経路が通行に適しているか否かを評価して、なるべく救助員と要救助者に影響の少ないより安全な救助経路を決定して救助員に提示することができる。また、通行注意区域の安全度を評価値Index(j)に基づいて判定するため、第1の実施形態に比べてより高い精度で安全な救助経路を選択して、救助員へ提示することができるという利点がある。なお、ステップS25においては、平均値Index(J)が最小のものと2番目に小さいものの救助経路にそれぞれ含まれている通行注意区域のIndex(j)の最大値同士を比較して最大値の小さい方の救助経路を表記した地図を救助員端末へ送信するようにしても良い。
【0048】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、タイル状に区分けした各区域を危険度もしくは安全度に応じて3段階にランク分けしているが、火災感知器50が検出した煙濃度や温度に応じて各区域を4段階以上にランク分けして要救助者のいる場所に到達可能な救助経路を決定して救助員端末へ送信するようにしても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、救助員が保持する携帯端末の位置を検出する方式として、ビーコンによる測位を利用したシステムを例示したが、これに限定されず、位置情報システムは、例えばIMES(Indoor MEssaging System)等のその他の方式による測位を利用したシステムであっても良い。すなわち、発信器は、ビーコンに限定されずIMES送信機等であっても良い。あるいは、位置情報として携帯端末が取得したGPS情報を用いるようにしても良い。
また、上記実施形態では、監視対象エリアとしてビルを想定して説明したが、本発明は、監視対象エリアがビル以外の施設である場合にも適用することも可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 救助活動支援システム
11 ビーコン(発信器)
12 人感センサ(人体感知器)
20 携帯端末(救助員端末)
41 位置情報サーバー
42 データベース
50 火災感知器
60 火災受信機
81 火災情報サーバー
82 データベース
91 救助活動支援サーバー
92 データベース
93 PC(パーソナルコンピュータ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8