(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026222
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】業務システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230216BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
G08C15/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132010
(22)【出願日】2021-08-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木津 吉永
(72)【発明者】
【氏名】市村 順一
(72)【発明者】
【氏名】森田 正太郎
【テーマコード(参考)】
2F073
5K048
【Fターム(参考)】
2F073AA08
2F073AA09
2F073AB01
2F073AB05
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC07
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE13
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
5K048AA05
5K048BA36
5K048DA02
5K048DC01
5K048EB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】スマートメータを用いた業務システムの効率化を図る。
【解決手段】業務システム100は、所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機(無線機124)を備える複数のスマートメータ122と、複数のスマートメータ122の通信機(無線機124)から送信された個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部(中継器126)と、複数の中継部(中継器126)から送信された一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニット112と、を備え、スマートメータセンターユニット112は、中継部(中継器126)から一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミング(一括リトライタイミング)において、中継部(中継器126)に対して、一括使用情報の送信を要求する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、
複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、
複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、
を備え、
前記スマートメータセンターユニットは、
前記中継部から前記一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミングにおいて、前記中継部に対して、前記一括使用情報の送信を要求する業務システム。
【請求項2】
前記スマートメータセンターユニットは、
前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、前記所定タイミングと異なる予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する請求項1に記載の業務システム。
【請求項3】
前記スマートメータセンターユニットは、
前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、前記所定タイミングより後の予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する請求項1または2に記載の業務システム。
【請求項4】
所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、
複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、
複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、
を備え、
前記スマートメータセンターユニットは、
前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する業務システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートメータを用いた業務システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス事業者や電力事業者は、需要者が消費したガスや電力の使用量を積算するため、需要箇所にガスメータや電力メータを配置している。また、近年、このようなメータから、通信機能を備え、ガス事業者や電力事業者との間で双方向にデータ通信を行い、ガスや電力の使用量を遠隔から検針可能なスマートメータへの置換も進んでいる。
【0003】
ガス事業者や電力事業者の遠隔制御装置は、需要箇所に配置されたスマートメータと通信を確立し、スマートメータと電文をやりとりすることで、検針値を取得する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したようにスマートメータへの置換が行われることから、将来的に、スマートメータの設置台数がさらに拡大することが予想され、スマートメータを用いた業務システムの効率化が望まれている。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、スマートメータを用いた業務システムの効率化を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、業務システムは、所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、を備え、前記スマートメータセンターユニットは、前記中継部から前記一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミングにおいて、前記中継部に対して、前記一括使用情報の送信を要求する。
【0008】
前記スマートメータセンターユニットは、前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、前記所定タイミングと異なる予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求してもよい。
【0009】
前記スマートメータセンターユニットは、前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、前記所定タイミングより後の予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する。
【0010】
上記課題を解決するために、業務システムは、所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、を備え、前記スマートメータセンターユニットは、前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スマートメータを用いた業務システムの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態にかかる業務システムの構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、スマートメータおよび無線機の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、中継器の構成を説明する概略図である。
【
図4】
図4は、スマートメータセンターユニットの構成を説明する概略図である。
【
図5】
図5は、スマートメータセンターユニットおよび中継器の処理を説明するシーケンス図である。
【
図6】
図6は、スマートメータセンターユニット、中継器、および、スマートメータの処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態にかかる業務システム100の構成を示す概略図である。
図1に示すように、業務システム100は、ガス供給サービス(所定サービス)を提供する複数のガス導管事業者が管理するセンター装置110と、1のガス導管事業者が管理するガス導管事業者システム120と、基地局130とを含む。なお、センター装置110は、ガス供給サービス(所定サービス)を提供する1のガス導管事業者が管理することとしてもよい。
【0015】
センター装置110は、後述するスマートメータ122および中継器(中継部)126と通信可能なスマートメータセンターユニット112を備える。
【0016】
ガス導管事業者システム120は、複数のスマートメータ122と、複数の無線機(通信機)124と、複数の中継器126とを含む。なお、本実施形態では、スマートメータ122は、ガスを提供する需要者単位で設置される。スマートメータ122は、ガス導管事業者から需要者にガスを供給する際に、需要者におけるガスの使用量を自動的に検針するガスメータである。なお、スマートメータ122は、電力事業者から需要者に電力を供給する際に、需要者における電力の使用量を自動的に検針する電力メータであってもよい。
【0017】
無線機124は、スマートメータ122それぞれに対し1対1に対応付けられて設置される。無線機124は、他の無線機124と無線通信することができる。中継器126は、複数の無線機124のいずれかに対応付けられて設置され、その対応付けられた無線機124と有線通信することができる。
【0018】
中継器126は、基地局130を通じてスマートメータセンターユニット112と無線通信することができる。また、スマートメータ122は、中継器126および基地局130を通じてスマートメータセンターユニット112と無線通信することができる。
【0019】
無線機124は、例えば、バッテリで駆動される。無線機124は、バッテリの消費電力を抑えるため、無線通信を比較的近距離で行う。そうすると、すべての無線機124が、中継器126に対応付けられた無線機124と直接に無線通信することができるとは限らない。そこで、無線機124は、無線通信が可能な他の無線機124を1または複数回ホップして、中継器126に対応付けられた無線機124と無線通信する。
【0020】
そして、中継器126に対応付けられた無線機124は、中継器126と有線通信し、中継器126は、基地局130を通じてスマートメータセンターユニット112と無線通信する。こうして、それぞれの無線機124は、スマートメータセンターユニット112とマルチホップ形式の無線通信が可能となっている。
【0021】
また、本実施形態では、上記したような1の中継器126に対して、有線接続された無線機124(通信機)が設置されたスマートメータ122、および、この有線接続された無線機124に対して無線接続されている複数の無線機124(通信機)にそれぞれ設置されたスマートメータ122による検針グループGが設けられている。すなわち、特定の1の中継器126を介してスマートメータセンターユニット112との通信を行う複数のスマートメータ122が、1の検針グループGに設定されることとなる。
【0022】
図2は、スマートメータ122および無線機124の一例を示す概略図である。スマートメータ122は、制御部122a、計量部122b、表示部122c、および、記憶部122dを含む。
【0023】
制御部122aは、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成され、スマートメータ122の全体の制御を行う。
【0024】
また、制御部122aは、計量部122bによる検針結果を示す検針データを記憶部122dに蓄積させる。
【0025】
計量部122bは、スマートメータ122における計量対象の検針を行う。計量対象は、スマートメータ122がガスメータであればガス使用量であり、スマートメータ122が電力メータであれば、電力使用量である。
【0026】
本実施形態では、計量部122bは、所定時間当たり(例えば、2秒当たり)のガスの流量を所定時間毎(例えば、2秒毎)に計量する。そして、所定時間毎に計量した値を逐次積算して1時間毎のガスの流量値を1時間毎の検針結果を示す検針データとして記憶部122dに記憶する。また、1時間毎のガスの流量値を逐次積算して1日毎の検針結果を示す検針データとして記憶部122dに記憶する。
【0027】
表示部122cは、例えば、液晶ディスプレイなどである。表示部122cには、記憶部122dに格納されている検針値(指針値)が表示される。
【0028】
記憶部122dは、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、検針結果を示す検針データが記憶される。
【0029】
無線機124は、無線機通信部124aを含む。無線機通信部124aは、上述のように、他の無線機124、中継器126および基地局130を通じてスマートメータセンターユニット112と無線通信を確立する。
【0030】
また、制御部122aは、1日に1回、スマートメータ122毎に予め設定されたタイミングになると、前日の検針値、および、前日の検針値以降の1時間毎のガスの流量値を含む個別使用情報を、所属する検針グループGの中継器126に向けて無線機124を介して発呼(送信)する。
【0031】
なお、検針値の基準時刻は、予め設定された時刻、例えば、毎日1:00とすることができる。また、個別使用情報として、個別使用情報を発呼する当日の基準時刻(例えば、1:00)における検針値を含めることとしてもよい。
【0032】
また、制御部122aは、検針データの送受信に限らず、例えば、スマートメータ122を一意に特定する識別子、または、スマートメータ122の位置を示す位置データなど、各種のデータの送受信を無線機124を介して行ってもよい。
【0033】
図3は、中継器126の構成を説明する概略図である。中継器126は、制御部126a、通信部126b、および、記憶部126cを含む。
【0034】
中継器126の制御部126aは、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成され、中継器126の全体の制御を行う。
【0035】
中継器126の通信部126bは、基地局130を通じてスマートメータセンターユニット112と無線通信する。
【0036】
中継器126の記憶部126cは、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、所属する検針グループGの各スマートメータ122の個別使用情報が記憶される。
【0037】
また、中継器126の制御部126aは、1日に1回、中継器126毎に予め設定されたタイミングになると、所属する検針グループGの各スマートメータ122の個別使用情報を一括した一括ロードサーベイ電文(一括使用情報)を、スマートメータセンターユニット112へ基地局130を通じて発呼する。
【0038】
すなわち、中継器126は、基地局130を通じて複数のガス導管事業者で共同して利用されるスマートメータセンターユニット112と無線通信することができる。
【0039】
図4は、スマートメータセンターユニット112の構成を説明する概略図である。スマートメータセンターユニット112は、制御部112a、通信部112b、および、記憶部112cを含む。
【0040】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成され、スマートメータセンターユニット112の全体の制御を行う。
【0041】
スマートメータセンターユニット112の通信部112bは、中継器126を介して各スマートメータ122と無線通信する。
【0042】
スマートメータセンターユニット112の記憶部112cは、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、すべての検針グループGの各スマートメータ122の個別使用情報が記憶される。
【0043】
上記したように、予め設定された発呼タイミングとなると、各中継器126と各スマートメータ122との間、スマートメータセンターユニット112と各中継器126との間で通信が行われるが、通信障害が発生した場合等、適切な通信が行われなかった場合、スマートメータセンターユニット112において、各スマートメータ122における検針値の記憶(登録)を行うことができない場合がある。
【0044】
図5は、スマートメータセンターユニット112および中継器126の処理を説明するシーケンス図である。
図5に示すように、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、予め設定された一括リトライタイミングに到達したか否かを判定する(S10)。
【0045】
一括リトライタイミングは、予め設定された日に1回としてもよいし、予め設定された日に複数回としてもよい。一括リトライを予め設定された日に3回行う場合の一例として、1回目を9:00~10:50の間で実行し、2回目を11:00~11:50の間で実行し、3回目を12:00~12:50の間で実行するように設定することができる。
【0046】
なお、一括リトライタイミングは、中継器126からスマートメータセンターユニット112へ一括ロードサーベイ電文(一括使用情報)の送信を行うタイミングと異ならせることが好ましい。また、一括リトライタイミングは、スマートメータ122から中継器126へロードサーベイ電文(個別使用情報)の送信を行うタイミングと異ならせることが好ましい。これにより、スマートメータセンターユニット112と中継器126との間の通信が集中してしまうおそれを抑制することができる。なお、スマートメータセンターユニット112と中継器126との間の通信が集中すると、例えば、スマートメータセンターユニット112の制御部112aや中継器126の制御部126aにおいて処理落ち等の原因となるおそれがある。
【0047】
一括リトライタイミングに到達した場合(S10のYES)には、以下に示す検針値取得リトライ(一括)処理が開始する。スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、予め設定された発呼タイミングで一括ロードサーベイ電文(一括使用情報)をスマートメータセンターユニット112へ送信していない(以下、リトライ対象という)中継器126の抽出を行う(S11)。
【0048】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、上記ステップS11において、リトライ対象の中継器126が抽出されたか否かを判定する(S12)。その結果、リトライ対象の中継器126が抽出された場合(S12のYES)には、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、抽出されたリトライ対象の中継器126の中からいずれか1を処理対象としてセットする(S13)。
【0049】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、上記ステップS13でセットされたリトライ対象の中継器126に対して、蓄積LS電文送信指示を行う(S14)。換言すれば、スマートメータセンターユニット112は、中継器126から一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミング(一括リトライタイミング)において、中継器126に対して、一括使用情報の送信を要求する。
【0050】
このように、中継器126から一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミング(一括リトライタイミング)において、中継器126に対して、一括使用情報の送信を要求することで、通信障害が発生した場合等、適切な通信が行われなかった場合であっても、通信障害が回復した後であれば、スマートメータセンターユニット112において、各スマートメータ122における検針値の記憶(登録)を行うことが可能となる。これにより、スマートメータ122を用いた業務システム100の効率化を図ることが可能となる。
【0051】
このとき、上記ステップS11において、リトライ対象の中継器126が複数抽出された場合には、各中継器126に対する蓄積LS電文送信指示を送信するタイミングが重ならないように蓄積LS電文送信指示を送信してもよい。これにより、各中継器126とスマートメータセンターユニット112との間の通信が集中してしまうおそれを抑制することができる。なお、各中継器126とスマートメータセンターユニット112との間の通信が集中すると、例えば、スマートメータセンターユニット112の制御部112aにおいて処理落ち等の原因となるおそれがある。
【0052】
なお、本実施形態では、リトライ時間の短縮のため、リトライ対象とする中継器126を、その当日が遠隔検針回分日に設定されているスマートメータ122が属する検針グループGの中継器126に限定している。なお、遠隔検針回分日とは、毎月の検針について、特定の地域を分割し、その分割した1地区を回分と呼び、回分毎に異なって設定される検針日を示している。
【0053】
このように、リトライ対象とする中継器126を遠隔検針回分日に設定されているスマートメータ122が属する検針グループGの中継器126に限定することで、リトライにかかる時間が長期化してしまうおそれを低減することが可能となる。なお、リトライにかかる時間が長期化すると、例えば、スマートメータセンターユニット112の制御部112aにおいて処理落ち等の原因となるおそれがある。
【0054】
中継器126の制御部126aは、蓄積LS電文送信指示を受領(受信)すると(C10)、蓄積LS電文送信指示を受領したことを示す応答電文をスマートメータセンターユニット112へ送信するとともに、スマートメータセンターユニット112へ蓄積LS電文を送信する(C11)。蓄積LS電文には、中継器126の記憶部126cに記憶された各ロードサーベイ電文(個別使用情報)が含まれている。
【0055】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、中継器126から蓄積LS電文を受信すると、受信した蓄積LS電文に基づいて各スマートメータ122における検針値をスマートメータセンターユニット112の記憶部112cに記憶(登録)する(S15)。なお、蓄積LS電文を受信できなかった場合には、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、エラーをスマートメータセンターユニット112の記憶部112cに記憶する。
【0056】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、上記ステップS11において抽出されたリトライ対象のすべての中継器126に対しての上記ステップS13~ステップS15の処理が終了したか判定する(S16)。その結果、リトライ対象のすべての中継器126に対しての上記ステップS13~ステップS15の処理が終了していない場合(S16のNO)には、再度、上記ステップS13~ステップS15の処理を繰り返し行う。
【0057】
また、リトライ対象のすべての中継器126に対しての上記ステップS13~ステップS15の処理が終了した場合(S16のYES)、および、上記ステップS10において、一括リトライタイミングに到達していないと判定された場合(S10のNO)には、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、当該検針値取得リトライ(一括)処理を終了する(S17)。
【0058】
図6は、スマートメータセンターユニット112、中継器126、および、スマートメータ122の処理を説明するシーケンス図である。
図6に示すように、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、予め設定された個別リトライタイミングに到達したか否かを判定する(S20)。
【0059】
個別リトライタイミングは、予め設定された日に1回としてもよいし、予め設定された日に複数回としてもよい。個別リトライを予め設定された日に3回行う場合の一例として、1回目を13:00~14:50の間で実行し、2回目を15:00~15:50の間で実行し、3回目を16:00~17:00の間で実行するように設定することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、上記した一括リトライを行う時間と個別リトライを行う時間とが重ならないように設定する。これにより、スマートメータセンターユニット112、中継器126、および、スマートメータ122の間の通信が集中してしまうおそれを抑制することができる。なお、スマートメータセンターユニット112、中継器126、および、スマートメータ122の間の通信が集中すると、例えば、スマートメータセンターユニット112の制御部112aや中継器126の制御部126aにおいて処理落ち等の原因となるおそれがある。
【0061】
個別リトライタイミングに到達した場合(S20のYES)には、以下に示す検針値取得リトライ(個別)処理が開始する。スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、予め設定された発呼タイミングでロードサーベイ電文(個別使用情報)を中継器126へ送信していない(以下、リトライ対象という)スマートメータ122の抽出を行う(S21)。
【0062】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、上記ステップS21において、リトライ対象のスマートメータ122が抽出されたか否かを判定する(S22)。その結果、リトライ対象のスマートメータ122が抽出された場合(S22のYES)には、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、抽出されたリトライ対象のスマートメータ122の中からいずれか1を処理対象としてセットする(S23)。
【0063】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、上記ステップS23でセットされたリトライ対象のスマートメータ122に対して、中継器126を介して(C20)、指針値要求電文を送信する(S24)。換言すれば、スマートメータセンターユニット112は、個別使用情報が送信されていないスマートメータ122を少なくとも対象として、所定タイミング(一括リトライタイミング)と異なる予め設定された特定タイミング(個別リトライタイミング)において、中継器126を介して、個別使用情報の送信を要求する。また、換言すれば、スマートメータセンターユニット112は、個別使用情報が送信されていないスマートメータ122を少なくとも対象として、所定タイミング(一括リトライタイミング)より後の予め設定された特定タイミング(個別リトライタイミング)において、中継器126を介して、個別使用情報の送信を要求する。
【0064】
上記ステップC20において、具体的には、中継器126の制御部126aは、中継器126に対応付けられた無線機124と無線通信が可能な他の無線機124を1または複数回ホップして、スマートメータセンターユニット112から受信した指針値要求電文を、上記ステップS23でセットされたリトライ対象のスマートメータ122に対して送信(中継)する。
【0065】
このように、個別使用情報が送信されていないスマートメータ122を少なくとも対象として、予め設定された特定タイミング(個別リトライタイミング)において、中継器126を介して、個別使用情報の送信を要求することで、通信障害が発生した場合等、適切な通信が行われなかった場合であっても、通信障害が回復した後であれば、スマートメータセンターユニット112において、各スマートメータ122における検針値の記憶(登録)を行うことが可能となる。これにより、スマートメータ122を用いた業務システム100の効率化を図ることが可能となる。
【0066】
このとき、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、各スマートメータ122に対する指針値要求電文を送信するタイミングが重ならないように指針値要求電文を送信する。これにより、スマートメータセンターユニット112、中継器126、および、スマートメータ122の間の通信が集中してしまうおそれを抑制することができる。上記したように、スマートメータセンターユニット112、中継器126、および、スマートメータ122の間の通信が集中すると、例えば、スマートメータセンターユニット112の制御部112aや中継器126の制御部126aにおいて処理落ち等の原因となるおそれがある。
【0067】
スマートメータ122の制御部122aは、指針値要求電文を受領(受信)する(M20)と、中継器126を介して(C21)、スマートメータセンターユニット112へ指針値要求電文を受領したタイミングの検針値(指針値)を送信する(M21)。
【0068】
上記ステップC21において、具体的には、中継器126の制御部126aは、中継器126に対応付けられた無線機124と無線通信が可能な他の無線機124を1または複数回ホップして、スマートメータ122から受信した検針値を、基地局130を通じてスマートメータセンターユニット112へ送信(中継)する。
【0069】
なお、ステップC21において、中継器126は、中継器126毎に予め設定された一括ロードサーベイ電文(一括使用情報)の発呼タイミングを待つこと無くスマートメータ122から受信した検針値をスマートメータセンターユニット112へ送信する。
【0070】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、中継器126を介してスマートメータ122から検針値を受信すると、受信した検針値をスマートメータセンターユニット112の記憶部112cに記憶(登録)する(S25)。なお、検針値を受信できなかった場合には、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、エラーをスマートメータセンターユニット112の記憶部112cに記憶する。
【0071】
スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、上記ステップS21において抽出されたリトライ対象のすべてのスマートメータ122に対しての上記ステップS23~ステップS25の処理が終了したか判定する(S26)。その結果、リトライ対象のすべてのスマートメータ122に対しての上記ステップS23~ステップS25の処理が終了していない場合(S26のNO)には、再度、上記ステップS23~ステップS25の処理を繰り返し行う。
【0072】
また、リトライ対象のすべてのスマートメータ122に対しての上記ステップS23~ステップS25の処理が終了した場合(S26のYES)、および、上記ステップS20において、個別リトライタイミングに到達していないと判定された場合(S20のNO)には、スマートメータセンターユニット112の制御部112aは、当該検針値取得リトライ(個別)処理を終了する(S27)。
【0073】
なお、スマートメータセンターユニット112において登録された各スマートメータ122における検針値またはエラーは、予め設定された指定日となると、ガス導管事業者の不図示の検針コンピュータサーバへ送信され、検針コンピュータサーバの不図示の記憶部に記憶される。
【0074】
そして、エラーが記憶(登録)されたスマートメータ122に対しては、検針員を派遣して訪問検針を行うこととなる。ただし、スマートメータセンターユニット112に蓄積している前日(もしくは数日前まで)のロードサーベイデータ(各スマートメータにおける検針値を記憶)を用いて、その値を検針値として採用することで、エラーが記憶(登録)されたスマートメータ122に対して、検針員を派遣して訪問検針を行わずともよい。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0076】
また、コンピュータを、上記スマートメータセンターユニット112、スマートメータ122、中継器126として機能させるプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
【符号の説明】
【0077】
100 業務システム
112 スマートメータセンターユニット
122 スマートメータ
124 無線機(通信機)
126 中継器(中継部)
【手続補正書】
【提出日】2022-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、
複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、
複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、
を備え、
前記スマートメータと前記中継部とを含む検針グループが設定されており、
前記スマートメータ毎に、所定期間毎の検針日が予め設定されており、
前記所定サービスが提供される特定の地域において、前記特定の地域を分割した地区毎に、前記検針日が異なるように設定され、
前記スマートメータセンターユニットは、
当日が前記検針日に設定されている前記スマートメータが属する前記検針グループの前記中継部から前記一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミングにおいて、前記中継部に対して、前記一括使用情報の送信を要求する業務システム。
【請求項2】
前記スマートメータセンターユニットは、
前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、前記所定タイミングと異なる予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する請求項1に記載の業務システム。
【請求項3】
前記スマートメータセンターユニットは、
前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、前記所定タイミングより後の予め設定された特定タイミングにおいて、前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する請求項1または2に記載の業務システム。
【請求項4】
所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、
複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、
複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、
を備え、
前記スマートメータと前記中継部とを含む検針グループが設定されており、
前記スマートメータ毎に、所定期間毎の検針日が予め設定されており、
前記所定サービスが提供される特定の地域において、前記特定の地域を分割した地区毎に、前記検針日が異なるように設定され、
前記スマートメータセンターユニットは、
当日が前記検針日に設定されている前記スマートメータであって、前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、予め設定された特定タイミングにおいて、前記スマートメータが属する前記検針グループの前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する業務システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、業務システムは、所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、を備え、前記スマートメータと前記中継部とを含む検針グループが設定されており、前記スマートメータ毎に、所定期間毎の検針日が予め設定されており、前記所定サービスが提供される特定の地域において、前記特定の地域を分割した地区毎に、前記検針日が異なるように設定され、前記スマートメータセンターユニットは、当日が前記検針日に設定されている前記スマートメータが属する前記検針グループの前記中継部から前記一括使用情報が送信されていない場合に、予め設定された所定タイミングにおいて、前記中継部に対して、前記一括使用情報の送信を要求する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記課題を解決するために、業務システムは、所定サービスの使用量を計量可能であり、計量した前記所定サービスの使用量を示す個別使用情報を送信可能な通信機を備える複数のスマートメータと、複数の前記スマートメータの前記通信機から送信された前記個別使用情報をそれぞれ取得し、取得したそれぞれの前記個別使用情報を一括した一括使用情報を送信可能な複数の中継部と、複数の前記中継部から送信された前記一括使用情報を取得するスマートメータセンターユニットと、を備え、前記スマートメータと前記中継部とを含む検針グループが設定されており、前記スマートメータ毎に、所定期間毎の検針日が予め設定されており、前記所定サービスが提供される特定の地域において、前記特定の地域を分割した地区毎に、前記検針日が異なるように設定され、前記スマートメータセンターユニットは、当日が前記検針日に設定されている前記スマートメータであって、前記個別使用情報が送信されていない前記スマートメータを少なくとも対象として、予め設定された特定タイミングにおいて、前記スマートメータが属する前記検針グループの前記中継部を介して、前記個別使用情報の送信を要求する。