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特開2023-26228可視化装置、可視化方法、及び可視化プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026228
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】可視化装置、可視化方法、及び可視化プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132032
(22)【出願日】2021-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】中澤 和也
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA03
3C223CC02
3C223CC03
3C223DD03
3C223EB03
3C223FF13
3C223FF16
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】設備群全体の消費電力が特に大きいときの設備群の稼働状況、或いは、設備群全体の消費電力が特に小さいときの設備群の稼働状況を、ユーザが容易に把握することを可能とする。
【解決手段】可視化装置(1)は、期間群に含まれる各期間における設備群(2)全体の消費電力を示す第1画面(σ1)をディスプレイ(15)に表示する第1表示処理(S11)と、設備群(2)に含まれる各設備の特定の期間におけるサイクルタイムを示す第2画面(σ2)をディスプレイ(15)に表示する第2表示処理(S12)と、特定の設備を用いて実施される各工程の特定の期間におけるサイクルタイムを示す第3画面(σ3)をディスプレイ(15)に表示する第3表示処理(S13)と、を実行するプロセッサ(11)を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備群の稼働状況を可視化する可視化装置であって、
期間群に含まれる各期間における前記設備群全体の消費電力を示す第1画面をディスプレイに表示すると共に、ユーザ操作に応じて前記期間群から特定の期間を選択する第1表示処理と、
前記設備群に含まれる各設備の前記特定の期間におけるサイクルタイムを示す第2画面を前記ディスプレイに表示すると共に、ユーザ操作に応じて前記設備群から特定の設備を選択する第2表示処理と、
前記特定の設備を用いて実施される各工程の前記特定の期間におけるサイクルタイムを示す第3画面を前記ディスプレイに表示する第3表示処理と、を実行する少なくとも1つのプロセッサを備えている、
ことを特徴とする可視化装置。
【請求項2】
前記第2表示処理において、前記プロセッサは、前記第1画面と共に前記第2画面を前記ディスプレイに表示し、
前記第3表示処理において、前記プロセッサは、前記第1画面及び前記第2画面と共に前記第3画面を前記ディスプレイに表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の可視化装置。
【請求項3】
前記第1画面は、期間、及び、前記設備群の単位生産数量あたりの消費電力の一方を横軸とし、他方を縦軸とするグラフを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可視化装置。
【請求項4】
前記第1画面は、生産数量、及び、前記設備群の消費電力の一方を横軸とし、他方を縦軸とする散布図を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可視化装置。
【請求項5】
前記第2画面は、前記設備群に含まれる各設備の前記特定の期間におけるサイクルタイムと共に、又は、当該サイクルタイムに代えて、前記設備群に含まれる各設備の前記特定の期間における停止時間及び待機時間の一方又は両方を示す、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の可視化装置。
【請求項6】
前記第3画面は、前記特定の設備を用いて実施される各工程の前記特定の期間におけるサイクルタイムと共に、又は、当該サイクルタイムに代えて、前記特定の設備を用いて実施される各工程の前記特定の期間における停止時間及び待機時間の一方又は両方を示す、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の可視化装置。
【請求項7】
設備群の稼働状況を可視化する可視化方法であって、
期間群に含まれる各期間における前記設備群の消費電力を示す第1画面をディスプレイに表示すると共に、ユーザ操作に応じて前記期間群から特定の期間を選択する第1表示処理と、
前記設備群に含まれる各設備の前記特定の期間におけるサイクルタイムを示す第2画面を前記ディスプレイに表示すると共に、ユーザ操作に応じて前記設備群から特定の設備を選択する第2表示処理と、
前記特定の設備を用いて実施される各工程の前記特定の期間におけるサイクルタイムを示す第3画面を前記ディスプレイに表示する第3表示処理と、を少なくとも1つのプロセッサを用いて実行する、
ことを特徴とする可視化方法。
【請求項8】
前記プロセッサを備えるコンピュータを請求項1~6の何れか一項に記載の可視化装置として動作させるための可視化プログラムであって、前記プロセッサに前記第1表示処理、前記第2表示処理、及び前記第3表示処理を実行させる可視化プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備群の稼働状況を可視化する可視化装置、可視化方法、及び可視化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
CO削減に向けた取り組みとして、製造現場においても消費電力の削減が求められている。その取り組みの一環として、各設備の消費電力を把握する必要がある。このような目的に利用可能な技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。特許文献1には、複数の分電盤を備えた工場や施設において、分岐ブレーカのグループ分けを行い、グループ毎の電力使用量を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-045585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造現場において消費電力の削減を実現するためには、設備群全体の消費電力が特に大きいときの設備群の稼働状況、或いは、設備群全体の消費電力が特に小さいときの設備群の稼働状況を詳細に把握し、設備群の稼働状況の最適化を図ることが重要である。
【0005】
上述したように、特許文献1に記載の技術は、分岐ブレーカのグループ分けを行い、グループ毎の電力使用量を表示するものであり、設備群の稼働状況を可視化するものではない。このため、特許文献1に記載の技術を利用しても、設備群の稼働状況を詳細に把握することはできず、したがって、設備群の稼働状況の最適化を図ることもできない。
【0006】
本発明の一態様は、設備群全体の消費電力が特に大きいときの設備群の稼働状況、或いは、設備群全体の消費電力が特に小さいときの設備群の稼働状況を、ユーザが容易に把握することが可能な可視化装置、可視化方法、及び可視化プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る可視化装置は、設備群の稼働状況を可視化する可視化装置であり、第1表示処理と、第2表示処理と、及び第3表示処理とを実行する少なくとも1つのプロセッサを備えている。また、本発明の一態様に係る可視化方法は、設備群の稼働状況を可視化する可視化方法であり、第1表示処理と、第2表示処理と、及び第3表示処理とを、少なくとも1つのプロセッサを用いて実行する。
【0008】
ここで、第1表示処理は、期間群に含まれる各期間における前記設備群全体の消費電力を示す第1画面をディスプレイに表示すると共に、ユーザ操作に応じて前記期間群から特定の期間を選択する処理である。また、第2表示処理は、前記設備群に含まれる各設備の前記特定の期間におけるサイクルタイムを示す第2画面を前記ディスプレイに表示すると共に、ユーザ操作に応じて前記設備群から特定の設備を選択する処理である。また、第3表示処理は、前記特定の設備を用いて実行される各処理の前記特定の期間におけるサイクルタイムを示す第3画面を前記ディスプレイに表示する処理である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、設備群全体の消費電力が特に大きいときの設備群の稼働状況、或いは、設備群全体の消費電力が特に小さいときの設備群の稼働状況を、ユーザが容易に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る可視化装置の構成を示す図である。
図2図1に示す可視化装置が実施する可視化方法の流れを示すフロー図である。
図3図2に示す可視化方法において表示する第1画面の一例を示す図である。
図4図2に示す可視化方法において表示する第2画面の一例を示す図である。
図5図2に示す可視化方法において表示する第3画面の一例を示す図である。
図6図3に示す第1画面の第1の変形例を示す図である。
図7図3に示す第1画面の第2の変形例を示す図である。
図8図4に示す第2画面の変形例を示す図である。
図9図5に示す第3画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(可視化装置の構成)
本発明の一実施形態に係る可視化装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、可視化装置1の構成を示すブロック図である。
【0012】
可視化装置1は、設備群2の稼働状況を可視化する可視化方法S1を実行するための装置である。設備群2は、複数の設備の集合である。本実施形態において、設備群2は、単一の電源3から電力供給を受ける3台の設備A,B,Cにより構成されている。可視化方法S1の流れについては、参照する図面を代えて後述する。
【0013】
可視化装置1は、図1に示すように、プロセッサ11、メモリ12、入出力IF(インタフェース)13、及び通信IF(インタフェース)14を備えている。プロセッサ11、メモリ12、入出力IF13、及び通信IF14は、バスを介して互いに接続されている。
【0014】
メモリ12には、可視化方法S1を実行するための可視化プログラムP1が格納されている。プロセッサ11は、可視化プログラムPに従って可視化方法S1を実行する。プロセッサ11として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、メモリ12として利用可能なデバイスとしては、例えば、フラッシュメモリを挙げることができる。
【0015】
入出力IF13には、入力装置及び/又は出力装置が接続される。入出力IF13に接続される出力装置としては、例えば、ディスプレイやプリンタなどが挙げられる。入出力IFに接続される入力装置としては、例えば、キーボードやマウスなどが挙げられる。入出力IF13としては、例えば、HDMI(登録商標)やUSB(登録商標)などを用いることができる。本実施形態において、入出力IF13には、ディスプレイ15が接続されている。
【0016】
通信IF14には、通信ネットワークを介して情報処理装置が接続される。通信IF14に接続される情報処理装置としては、例えば、センサやPLC(Programmable Logic Controller)などが挙げられる。通信IF14としては、例えば、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、CC-Link(登録商標)などを用いることができる。本実施形態において、通信IF14には、センサ4と、PLC21~23と、が接続されている。センサ4は、電源3から設備群2への電力供給路上に設けられた、設備群2全体の消費電力Pを検出するセンサである。設備群2全体の消費電力Pは、設備A,B,Cの消費電力PA,PB,PCのPA+PB+PCと一致又は略一致する。PLC21は、設備Aを制御するPLCであり、PLC22は、設備Bを制御するPLCであり、PLC23は、設備Cを制御するPLCである。
【0017】
設備Aは、工程A1,A2,…を実行する。PLC21は、設備AのサイクルタイムTA0、及び、工程A1,A2,…のサイクルタイムTA1,TA2,…を特定し、可視化装置1に通知する機能を有している。同様に、設備Bは、工程B1,B2,…を実行する。PLC22は、設備BのサイクルタイムTB0、及び、工程B1,B2,…のサイクルタイムTB1,TB2,…を特定し、可視化装置1に通知する機能を有している。同様に、設備Cは、工程C1,C2,…を実行する。PLC23は、設備CのサイクルタイムTC0、及び、工程C1,C2,…のサイクルタイムTC1,TC2,…を特定し、可視化装置1に通知する機能を有している。また、可視化装置1は、設備A,B,Cから通知されたサイクルタイムTA0,TA1,TA2,…,TB0,TB1,TB2,…,TC0,TC1,TC2,…を可視化する機能を有している。これらの機能は、公知の技術(例えば、BEET,INC.のePVS(登録商標))を用いて実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を割愛する。
【0018】
なお、本実施形態においては、装置A,B,Cが共通の電源3から供給される電力を消費する構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。例えば、装置A,B,Cが個別の電源から供給される電力を消費する構成を採用してもよい。この場合、例えば、装置A,B,Cの各々にセンサを設け、これらのセンサを用いて装置A,B,Cの消費電力PA,PB,PCを検出し、可視化装置1において消費電力P=PA+PB+PCを算出すればよい。
【0019】
なお、プロセッサ11に可視化方法S1を実行させるための可視化プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録され得る。この記録媒体は、メモリ12であってもよいし、その他の記録媒体であってもよい。例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などが、その他の記録媒体として利用可能である。
【0020】
(可視化方法の流れ)
可視化装置1により実行される可視化方法S1の流れについて、図2図5を参照して説明する。図2は、可視化方法S1の流れを示すフロー図である。図3は、可視化方法S1において表示される第1画面σ1の一例を示す図である。図4は、可視化方法S1において表示される第2画面σ2の一例を示す図である。図5は、可視化方法S3において表示される第3画面σ3の一例を示す図である。
【0021】
なお、可視化方法S1を実行する前に、期間群に含まれる各期間について、以下の情報がメモリ12に格納されているものとする。なお、期間は、任意の時間単位である。期間は、例えば、月であってもよいし、週であってもよいし、日であってもよいし、時であってもよい。また、期間群は、期間よりも長い任意の時間単位である。期間群は、例えば、年であってもよいし、月であってもよいし、週であってもよいし、日であってもよい。図3図5に示す例では、日を期間とし、月を期間群とする。
【0022】
(1)設備群2全体の消費電力P、
(2)設備AのサイクルタイムTA0、
(3)設備Aが実施する工程A1,A2,…のサイクルタイムTA1,TA2,…、
(4)設備BのサイクルタイムTB0、
(5)設備Bが実施する工程B1,B2,…のサイクルタイムTB1,TB2,…、
(6)設備CのサイクルタイムTC0、
(3)設備Cが実施する工程C1,C2,…のサイクルタイムTC1,TC2,…。
【0023】
可視化方法S1は、図2に示すように、第1表示処理S11、第2表示処理S12、第3表示処理S13を含んでいる。
【0024】
第1表示処理S11は、特定の期間群に含まれる各期間における設備群2全体の消費電力Pを示す第1画面σ1をディスプレイ15に表示すると共に、ユーザ操作に応じて特定の期間群から特定の期間を選択するための処理である。本実施形態おいては、プロセッサ11が、特定の期間群に含まれる各期間における設備群2全体の消費電力Pをメモリ12から読み出し、第1表示処理S11を実行する。
【0025】
第1画面σ1の一例を、図3に示す。図3に示した第1画面σ1は、2021年6月の各日における設備群2全体の消費電力Pを表すグラフを含んでいる。第1画面σ1を目視したユーザは、2021年6月において消費電力Pが特に大きい日を容易に特定することができる。図3においては、マウスを用いたユーザ操作によって、消費電力Pが特に大きい2021年6月7日が選択された様子を示している。
【0026】
第2表示処理S12は、設備群2に含まれる各設備の特定の期間(第1表示処理S11において選択された期間)におけるサイクルタイムを示す第2画面σ2をディスプレイ15に表示すると共に、ユーザ操作に応じて設備群2から特定の設備を選択するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、設備群2に含まれる各設備の特定の期間におけるサイクルタイムをメモリ12から読み出し、第2表示処理S12を実行する。
【0027】
第2画面σ2の一例を、図4に示す。図4に示した第2画面σ2は、設備A,B,Cの2021年6月7日のサイクルタイムTA0,TB0,TC0を示すグラフを含んでいる。第2画面σ2を目視したユーザは、2021年6月7日のサイクルタイムが特に長い設備を容易に特定することができる。図4においては、マウスを用いたユーザ操作によって、サイクルタイムが特に長い設備Aが選択された様子を示している。
【0028】
なお、第2表示処理S12において、プロセッサ11は、図4に示すように、第2画面σ2と共に第1画面σ1をディスプレイ15に表示してもよい。これにより、消費電力Pが特に大きい期間の確認と、サイクルタイムが特に長い設備の確認とを、同時に行うことが可能になる。
【0029】
第3表示処理S13は、特定の設備(第2表示処理S12において選択された設備)が実行する各工程の特定の期間(第1表示処理S11において選択された期間)におけるサイクルタイムを示す第3画面σ3をディスプレイ15に表示するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、特定の設備が実行する各工程の特定の期間におけるサイクルタイムをメモリ12から読み出し、第3表示処理S13を実行する。
【0030】
第3画面σ3の一例を、図5に示す。図5に示した第3画面σ3は、設備Aが実行する工程A1,A2,…の2021年6月7日のサイクルタイムTA1,TA2,…を示すグラフを含んでいる。ここでは、サイクルタイムが長い方から順に予め定められた個数(ここでは5つ)の工程A6,A4,A1,A8,A2を選択し、それらのサイクルタイムTA6,TA4,TA1,TA8,TA2を棒グラフとして表示する構成を例示している。
【0031】
なお、第3表示処理S13において、プロセッサ11は、図5に示すように、第3画面σ3と共に第1画面σ1及び第2画面σ2をディスプレイ15に表示してもよい。これにより、消費電力Pが特に大きい期間の確認と、サイクルタイムが特に長い設備の確認と、サイクルタイムが特に長い工程の確認とを、同時に行うことが可能になる。
【0032】
なお、本実施形態においては、ユーザが直接操作するPC(Personal Computer)において可視化方法S1を実施する構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、ネットワークを介してPCに接続されたクラウドサーバにおいて可視化方法S1を実施する構成を採用してもよい。この場合、クラウドサーバには、センサ4及びPLC21~23がネットワークを介して接続される。そして、クラウドサーバは、第1画面σ1、第2画面σ2、及び第3画面σ3をPCに提供し、PCは、クラウドサーバから取得した第1画面σ1、第2画面σ2、及び第3画面σ3を、そのPCに接続されたディスプレイに表示する。また、PCは、そのPCに接続されたマウスを用いて検出したユーザ操作をクラウドサーバに通知し、クラウドサーバは、PCから通知されたユーザ操作に応じて期間の選択(第1表示処理S11)及び設備の選択(第2表示処理S12)を行う。この場合、クラウドサーバが特許請求の範囲における「可視化装置」として機能することになる。
【0033】
(第1画面の変形例)
第1画面σ1の第1の変形例について、図6を参照して説明する。図6は、第1画面σ1の第1の変形例を示す図である。
【0034】
図6に示す第1画面σ1には、期間(日)を横軸とし、期間(日)を横軸とし、単位生産数量あたりの消費電力Qを縦軸とする折線グラフが含まれている。期間毎に生産数量が変化する場合、図6に示す第1画面σ1を採用した場合、ピーク値を探すことによって、電力使用効率が特に低い期間を容易にピックアップすることが可能になる。
【0035】
ここで、単位生産数量は、任意である。単位生産数量は、例えば、製品1個であってもよいし、製品1ロットであってもよい。単位生産数量の如何によらず、ある期間における生産数量が単位生産数量のn倍である場合、その期間における単位生産数量あたりの消費電力Qは、その期間における生産数量PからQ=P/nに従って算出することができる。
【0036】
なお、図6に示す第1画面σ1においては、各期間における消費電力Pを表すグラフとして、折線グラフを用いている。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、各期間における消費電力Pを表すグラフとして、棒グラフを用いてもよい。
【0037】
また、図6に示す第1画面σ1においては、期間(日)を横軸とし、消費電力P又は単位生産数量あたりの消費電力Qを縦軸としている。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、期間(日)を縦軸とし、単位生産数量あたりの消費電力Qを横軸としてもよい。
【0038】
第1画面σ1の第2の変形例について、図7を参照して説明する。図7は、第1画面σ1の第2の変形例を示す図である。
【0039】
図7に示す第1画面σ1には、各期間における生産数量を横軸とし、各期間における消費電力Pを縦軸とする散布図が含まれている。期間毎に生産数量が変化する場合、図7に示す第1画面σ1を採用した場合、はずれ値を探すことによって、電力使用効率が特に低い期間を容易にピックアップすることが可能になる。
【0040】
なお、図7に示す第1画面σ1においては、各期間における消費電力Pを表すグラフとして、各期間における生産数量を横軸とし、各期間における消費電力Pを縦軸とする散布図を用いている。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、各期間における消費電力Pを表すグラフとして、各期間の生産数量を縦軸とし、各期間の消費電力Pを横軸とする散布図を用いてもよい。
【0041】
(第2画面の変形例)
第2画面σ2の変形例について、図8を参照して説明する。図8は、第2画面σ2の変形例を示す図である。
【0042】
図8に示す第2画面σ2には、設備群2に含まれる各設備の特定の期間(第1表示処理S11において選択された期間)における停止時間及び待機時間を示す積み上げ棒グラフが含まれている。図8に示す第2画面σ2を目視したユーザは、停止時間及び/又は待機時間が特に長い設備を容易に特定することができる。
【0043】
なお、各設備の停止時間は、その設備が停止している時間のことを指し、各設備の待機時間は、その設備が待機している時間のことを指す。待機時間には、その設備の前段の設備から中間生成物を搬入可能になるまでその設備が待機する時間と、その設備の後段の設備へ中間生成物を搬出可能になるまでその設備が待機する時間とが含まれる。
【0044】
(第3画面の変形例)
第3画面σ3の変形例について、図9を参照して説明する。図9は、第3画面σ3の変形例を示す図である。
【0045】
図9に示す第3画面σ3には、特定の設備(第2表示処理S12において選択された設備)が実行する各工程の特定の期間(第1表示処理S11において選択された期間)に停止時間及び待機時間を示す積み上げ棒グラフが含まれている。図9に示す第3画面σ3を目視したユーザは、停止時間及び/又は待機時間が特に長い工程を容易に特定することができる。
【0046】
なお、各工程の停止時間は、その工程を実施するために用いるアクチュエータが停止している時間のことを指し、各設備の待機時間は、その工程を実施するために用いるアクチュエータが待機している時間のことを指す。待機時間には、その工程の前段の工程から中間生成物を取得可能になるまでアクチュエータが待機する時間と、その工程の後段の工程へ中間生成物を提供可能になるまでそのアクチュエータが待機する時間とが含まれる。
【0047】
(付記事項)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 可視化装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 入出力IF
14 通信IF
15 ディスプレイ
S1 可視化方法
S11 第1表示処理
S12 第2表示処理
S13 第3表示処理
σ1 第1画面
σ2 第2画面
σ3 第3画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9