(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026229
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】部品装着装置、部品装着システム及び部品装着方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230216BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
H04N7/18 D
H04N7/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132035
(22)【出願日】2021-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 洋
【テーマコード(参考)】
5C054
5E353
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE17
5C054HA05
5E353BB03
5E353CC01
5E353CC04
5E353CC13
5E353EE53
5E353GG01
5E353HH08
5E353HH61
5E353HH66
5E353JJ02
5E353JJ42
5E353JJ48
5E353KK02
5E353LL04
5E353LL06
5E353PP01
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認できる部品装着装置を提供する。
【解決手段】部品装着装置は、複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着装置であって、工程毎の撮像対象を撮像する撮像部と、撮像対象の撮像結果を工程毎に記憶する記憶部と、記憶部に記憶された工程毎の撮像結果を同一の画面内に表示する表示部と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着装置であって、
前記工程毎の撮像対象を撮像する撮像部と、
前記撮像対象の撮像結果を前記工程毎に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記工程毎の前記撮像結果を同一の画面内に表示する表示部と、
を備える部品装着装置。
【請求項2】
前記複数の工程は、第1工程と第2工程とを少なくとも含み、
前記記憶部は、
前記第1工程における前記撮像対象の撮像結果を記憶する第1記憶部と、
前記第2工程における前記撮像結果を記憶する第2記憶部と、を少なくとも含み、
前記表示部は、前記第1工程の前記撮像結果と、前記第2工程の前記撮像結果を前記同一の画面内に少なくとも表示する、
請求項1に記載の部品装着装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記第1工程における前記撮像結果を、前記第2工程以降の工程において表示する、
請求項2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
前記第2工程は、前記第1工程の次に実施される、
請求項3に記載の部品装着装置。
【請求項5】
前記撮像結果は、前記撮像対象と前記撮像部の撮像中心との位置ずれを表す画像を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の部品装着装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記工程毎の撮像結果とともに、各工程を識別する識別情報を表示する、
請求項5に記載の部品装着装置。
【請求項7】
前記工程毎に、前記撮像対象が異なる、
請求項1~6のいずれか1項に記載の部品装着装置。
【請求項8】
前記複数の工程は、部品を装着するための異なる工程である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の部品装着装置。
【請求項9】
複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着システムであって、
前記工程毎の撮像対象を撮像する撮像装置と、
前記撮像対象の撮像結果を前記工程毎に記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記工程毎の前記撮像結果を同一の画面内に表示する表示装置と、
を備える部品装着システム。
【請求項10】
複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着方法であって、
前記工程毎の撮像対象を撮像するステップと、
前記撮像対象の撮像結果を前記工程毎に記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶された前記工程毎の前記撮像結果を同一の画面内に表示するステップと、
を有する部品装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品装着装置、部品装着システム及び部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の実装生産プロセスにおいて、各段階(行程)で行われた処理結果を検証して品質を管理する品質管理装置が知られている。この品質管理装置は、プリント基板の部品実装ラインを構成する各実装処理装置で処理された状態の基板の各状態画像を撮像した各画像データを記憶する記憶装置と、その記憶装置に記憶された画像データに基づく画像を表示装置に表示する。そして、この品質管理装置は、記憶装置に格納された同一基板に対する異なる実装処理工程後の状態画像を示す複数の画像データ中に存在する検証対象の物品の方向並びにサイズを統一した検証用画像データを生成し、異なる実装処理工程後の複数の検証用画像データを同一視野表示画面に出力する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の品質管理装置では、各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認することが困難である。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認できる部品装着装置、部品装着システム及び部品装着方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着装置であって、前記工程毎の撮像対象を撮像する撮像部と、前記撮像対象の撮像結果を前記工程毎に記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記工程毎の前記撮像結果を同一の画面内に表示する表示部と、部品装着装置である。
【0007】
本開示の一態様は、複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着システムであって、前記工程毎の撮像対象を撮像する撮像装置と、前記撮像対象の撮像結果を前記工程毎に記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された前記工程毎の前記撮像結果を同一の画面内に表示する表示装置と、を備える部品装着システムである。
【0008】
本開示の一態様は、複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する部品装着方法であって、前記工程毎の撮像対象を撮像するステップと、前記撮像対象の撮像結果を前記工程毎に記憶部に記憶するステップと、前記記憶部に記憶された前記工程毎の前記撮像結果を同一の画面内に表示するステップと、を有する部品装着方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態の部品搭載装置の概略構成を示す平面図
【
図2】本開示の実施形態の第1の部品供給装置の概略構成を示す平面図
【
図3】本開示の実施形態の第1の部品供給装置の概略構成を示す、X方向に沿って切断した断面図
【
図4】本開示の実施形態のキャリア保持部の概略構成を示す平面図
【
図5】本開示の実施形態のキャリア保持部によって保持されるキャリアの概略構成を示す平面図
【
図6】本開示の実施形態のピックアップユニットの概略構成を示す断面図
【
図7】本開示の実施形態のピックアップ部の概略構成を示す側面図
【
図8】本開示の実施形態のピックアップ部の概略構成を示す側面図
【
図9】カバーを取り外した状態のピックアップユニットの平面図
【
図10】本開示の実施形態の下向きの部品保持ヘッドが第1の移動片に接続された状態のピックアップ部の概略構成を示す側面図
【
図11】本開示の実施形態の部品搭載装置の制御部を含む概略ブロック図
【
図12】本開示の実施形態の部品保持ヘッド、中継用部品保持ヘッド、及び部品撮像部の相対的な位置関係を示す概略構成図
【
図13】本開示の実施形態の部品保持ヘッド、中継用部品保持ヘッド、及び部品撮像部の相対的な位置関係を示す概略構成図
【
図14】本開示の実施形態の部品保持ヘッド及び部品保持ヘッドに保持される部品を基板認識カメラによって撮像した画像
【
図15A】本開示の実施形態のフリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図
【
図15B】本開示の実施形態のフリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図
【
図15C】本開示の実施形態のフリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図
【
図15D】本開示の実施形態のフリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図
【
図15E】本開示の実施形態のフリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図
【
図15F】本開示の実施形態のフリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図
【
図16】表示用画像バッファを用いた画像の記憶制御を説明するための図
【
図17】部品装着装置による部品装着時の各工程の状況を示す画像A~Fの一覧表示例を示す図
【
図18】部品装着装置による動作例を示すフローチャート
【
図25】本開示の実施形態の部品搭載システムの構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
(本開示の一実施形態を得るに至った経緯)
従来の品質管理装置では、1つの工程における撮像結果(例えば画像)を表示することが多い。例えば、画像における理論上の撮像中心と、実際に撮像対象が撮像された場合の撮像中心に対する撮像対象の位置ずれを、工程毎に一枚ずつ画面に表示させることが多い。これは、1つのカメラに対して1つの画像バッファしかなく、他の撮像対象を撮像すると画像バッファに画像が上書きされることで、工程が進行すると過去の工程の画像が削除されるためである。例えば、品質管理装置のオペレータは、部品が所定の位置からずれたり、ノズルの位置がずれたりすることを、画像を見ながら確認する。この場合、1つの工程の状況を確認することは容易であるが、他の工程の確認が困難である。また、特許文献1の品質管理装置は、各実装処理装置により処理された状態の基板における同様の箇所を撮像している。そのため、例えば撮像対象が異なり得る様々な工程の撮像結果を一見して確認することは困難であり、オペレータの操作性を改善する余地がある。
【0013】
以下の実施形態では、各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認できる部品装着装置、部品装着システム及び部品装着方法について説明する。
【0014】
(実施形態)
まず、本開示の実施形態の部品搭載装置1の概略構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、部品搭載装置1の概略構成を示す平面図である。
【0015】
図1に示すように、部品搭載装置1は、部品供給装置2と、部品搭載部7とを備える。部品供給装置2は、各種部品を部品搭載部7に供給する装置である。部品搭載部7は、部品供給装置2から供給される部品を受け取って当該部品を基板9に搭載する機構である。以下、図において、X方向及びY方向は、水平面内で互いに直交する方向であって、Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(上下方向)である。
【0016】
部品供給装置2は、部品の種類に応じて複数の部品供給装置を備える。部品供給装置2は、例えば、第1の部品供給装置3と、第2の部品供給装置5とを有する。部品搭載装置1は、複数の部品に対応する複数の部品供給装置を含むので、「混載機」とも称する。
【0017】
第1の部品供給装置3では、例えば、ウエハW1から切り出された部品(ダイ)を供給する。第1の部品供給装置3によって供給される部品は、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有する。当該部品は、例えば直方体又は立方体形状に形成される。第2の部品供給装置5は、例えば、トレイフィーダ、スティックフィーダ、テープフィーダ等である。なお、第2の部品供給装置5は、上記フィーダ以外の部品供給装置であってもよい。また、第2の部品供給装置5は、部品搭載装置1に設けられていなくてもよい。
【0018】
部品搭載部7は、部品を基板9に搭載する搭載ヘッド11と、搭載ヘッド11を移動させるヘッド移動機構13とを備える。搭載ヘッド11は、ヘッド移動機構13によって水平面(XY平面)内を移動可能に設けられる。ヘッド移動機構13は、例えば、X軸テーブル13A及びY軸テーブル13Bを有する直交座標テーブルである。X軸テーブル13A及びY軸テーブル13Bは、それぞれ、搭載ヘッド11をX方向及びY方向に移動させる。
【0019】
本実施形態では、部品搭載装置1には、基板9に搭載する部品を認識する部品認識カメラ15及び基板9を認識する基板認識カメラ17が設けられる。部品認識カメラ15は、例えば、基板9と部品供給装置2との間に設けられる。搭載ヘッド11が受け取った部品は、部品認識カメラ15によって認識された後、基板9に搭載される。このとき、搭載ヘッド11は、基板認識カメラ17によって基板9の位置を認識して部品の搭載を行う。本実施形態の基板認識カメラ17は、搭載ヘッド11と共に水平面内を移動可能に設けられる。例えば、基板認識カメラ17は、X軸テーブル13Aにおいて、搭載ヘッド11と共に設けられる。
【0020】
次に、第1の部品供給装置3の構成について
図2及び
図3を用いて説明する。
図2は、第1の部品供給装置3の概略構成を示す平面図である。
図3は、第1の部品供給装置3の概略構成を示す、X方向に沿って切断した断面図である。
図2において、説明の便宜上、天板19の一部を省略して図示している。
【0021】
図2又は
図3に示すように、本実施形態の第1の部品供給装置3は、キャリア保持部21と、ピックアップユニット23と、エジェクタ25とを備える。キャリア保持部21は、部品を切り出したウエハを支持するキャリア27を保持する。ピックアップユニット23は、キャリア保持部21のキャリア27によって保持された部品をピックアップする。本実施形態のピックアップユニット23は、部品を吸着保持する。エジェクタ25は、キャリア保持部21によって保持されたダイを下方からピックアップユニット23に向けて押し出す。本実施形態のエジェクタ25は、ダイを上方に向けて突き上げる。ここで、キャリア27は、後述のエキスパンド動作において伸縮性を有するシートである。例えば、キャリア27は、ウエハW1を粘着力で保持する粘着シートである。
【0022】
本実施形態の第1の部品供給装置3では、部品を切り出したウエハW1がキャリア27に保持された状態でマガジン29内に収容されている。マガジン29は、例えば、キャリア保持部21よりも外側(+Y方向)に設けられる。マガジン29内のキャリア27は、キャリア搬送部31によってキャリア保持部21に向けて搬送される。搬送されたキャリア27は、キャリア保持部21によって保持される。
【0023】
<キャリア保持部>
図4は、キャリア保持部21の概略構成を示す平面図である。
図4に示すように、本実施形態のキャリア保持部21は、水平面内で移動可能に設けられる。キャリア保持部21は、キャリア保持部21(後述の移動ベース37)を移動させる保持部移動機構(移動部)33を有する。
【0024】
本実施形態の保持部移動機構33は、一方向(Y方向)にキャリア保持部21を移動させる。保持部移動機構33は、例えば、モータ33aと、送りねじ33bと、ガイドレール33cとを有する。送りねじ33bは、モータ33aによる回転運動でキャリア保持部21をY方向に直線移動させる。送りねじ33bは、Y方向に延びて設けられる。ガイドレール33cは、キャリア保持部21をY方向にスライド移動可能に支持する。ガイドレール33cは、例えば、Y方向に延びて設けられてキャリア保持部21のX方向両端部を支持する。
【0025】
キャリア保持部21は、キャリア27を保持する保持部本体35と、保持部本体35を支持する移動ベース(保持テーブル)37とを有する。移動ベース37は、送りねじ33bに接続されて、Y方向に移動可能に設けられるベース部材である。
【0026】
図5は、キャリア保持部21によって保持されるキャリア27の概略構成を示す平面図である。保持部本体35によって保持されるキャリア27は、切り出し済みのウエハW1を保持する。本実施形態のキャリア27の外縁部は、環状部材(リング)43によって保持される。
【0027】
<ピックアップユニット>
図6は、ピックアップユニット23の概略構成を示す断面図である。
図3又は
図6に示すように、ピックアップユニット23は、ユニット移動機構(ピックアップ移動部)63によって天板19上を移動可能に設けられる。本実施形態のピックアップユニット23は、一方向(X方向)に移動可能に設けられる。
【0028】
ユニット移動機構63(
図1)は、例えば、モータ63aと、送りねじ63bと、ガイドレール63cとを有する。送りねじ63bは、モータ63aによる回転運動でピックアップユニット23をX方向に直線移動させる。送りねじ63bは、X方向に延びて設けられる。ガイドレール63cは、ピックアップユニット23をX方向にスライド移動可能に支持する。ガイドレール63cは、例えば、X方向に延びて天板19上に設けられてピックアップユニット23のY方向両端部を支持する。
【0029】
天板19には、上下方向に貫通した開口部65がX方向に延びて形成される。
図6に示すように、開口部65を通じて、ピックアップユニット23は、キャリア27に保持された部品(ダイ)をピックアップする。本実施形態のピックアップユニット23の外郭を構成するカバー67の上面には、上下方向に貫通した開口部69が設けられる。開口部69を通じて、ピックアップユニット23は、ピックアップした部品を搭載ヘッド11(
図3)に受け渡す。このとき、搭載ヘッド11は、例えば基板認識カメラ17(
図1)によって部品を認識してピックアップユニット23から部品を受け取る。
【0030】
図3に示すように、ピックアップユニット23は、ピックアップ部71と、部品撮像部(部品検出部)75(
図6)を備える。
【0031】
<ピックアップ部>
図6に示すように、ピックアップ部71は、キャリア27に保持された部品をピックアップする。具体的には、ピックアップ部71は、エジェクタ25によって突き上げられる部品をピックアップする。ピックアップ部71は、部品を保持する部品保持ヘッド77を有し、部品保持ヘッド77によって部品をピックアップする。具体的には、部品保持ヘッド77は、先端部(下端部)でキャリア27内の部品を吸着保持して、キャリア27から部品を離間させる。
【0032】
部品保持ヘッド77は、第1の移動機構79によって、ヘッドの向きを変更可能に構成される。本実施形態では、ヘッドの向きは、部品保持ヘッド77の先端部の向きである。部品保持ヘッド77は、下向きの状態で第1の部品をピックアップした後、第1の移動機構79によって反転して上向きの状態で搭載ヘッド11(
図3)に受け渡す動作を繰り返すように構成される。具体的には、下向きの部品保持ヘッド77が、第1の部品の第1の面が上向きの状態で、当該第1の部品をピックアップする。さらに、当該第1の部品をピックアップした部品保持ヘッド77を上向きに反転させて第1の部品の第2の面が上向きの状態で搭載ヘッド11に受け渡す。ここで、キャリア27に保持された部品は、第1の面が上向きの状態となっている。
【0033】
第1の部品は、部品保持ヘッド77によって第1の面が上向きの状態でキャリア27から第1の面でピックアップされて、第2の面が上向きになるように向きを変更された後、搭載ヘッド11に受け渡される。さらに、第1の部品は、搭載ヘッド11によって、第1の面が下向きの状態(第2の面が上向きの状態)で第2の面を保持されて、第1の面が下向きの状態で基板9に搭載される。すなわち、第1の部品は、フリップチップ実装の場合に供給される部品である。
【0034】
本実施形態の第1の移動機構79は、部品保持ヘッド77を旋回させる旋回機構である。第1の移動機構79は、モータ80によって回動する第1の回動軸81と、第1の回動軸81の回動に伴って旋回する旋回部材83とを有する。第1の回動軸81は、部品保持ヘッド77を上下方向に回動させる。旋回部材83は、例えば、上下方向に延びる板状部材である。
【0035】
部品保持ヘッド77は、旋回部材83において、例えば第1の回動軸81の中心軸よりも外端部(径方向外側の端部)に設けられる。本実施形態のピックアップ部71は、複数の部品保持ヘッド77を有する。複数の部品保持ヘッド77のうちの少なくとも1組の部品保持ヘッド77は、ヘッドの向きが互いに反対方向を向くように構成される。例えば、ピックアップ部71は、2個の部品保持ヘッド77を有し、一方の部品保持ヘッド77と他方の部品保持ヘッド77とは互いに反対方向を向いている。具体的には、一方の部品保持ヘッド77の先端部は、他方の部品保持ヘッド77の先端部に対して180°反対方向を向いている。一方の部品保持ヘッド77が下向きで第1の部品をピックアップするとともに、他方の部品保持ヘッド77が上向きで部品を搭載ヘッド11に受け渡す。
【0036】
本実施形態の部品保持ヘッド77は、ヘッド保持部85に対して着脱可能に設けられる。これにより、部品保持ヘッド77は、例えば搭載する部品の種類に応じて交換される。部品保持ヘッド77は、ヘッド保持部85を介して旋回部材83に接続されて旋回部材83と共に旋回する。
【0037】
また、本実施形態の部品保持ヘッド77は、第1の回動軸81の中心から遠ざかる径方向に部品保持ヘッド77を移動させる保持ヘッド駆動機構87を有する。
【0038】
図7及び
図8は、ピックアップ部71の概略構成を示す側面図である。本実施形態では、ピックアップ部71が搭載ヘッド11へ第1の部品を受け渡す第1の受け渡し位置TP1は、搭載ヘッド11の上下方向の可動範囲内の高さに位置する。また、受け渡し位置TP1は、基板認識カメラ17(
図1)の焦点距離の範囲内に配置される。
【0039】
<部品撮像部>
図6に示すように、部品撮像部75は、キャリア27に保持される部品を撮像する。本実施形態の部品撮像部75は、ユニット移動機構63によってピックアップユニット23とともに移動可能に構成される。部品撮像部75は、水平方向に延びる撮像部本体97に対して、上下方向に延びる鏡筒99が接続される。鏡筒99は、下向き状態の部品保持ヘッド77の上方に配置される。鏡筒99内には、照明部101、ハーフミラー103、及びレンズ(対物レンズ)105が設けられる。照明部101によって照らされる光はハーフミラー103を通過して下方の部品を照らす。ハーフミラー103は、上方からの照明部101による光を透過し、下方からの光を撮像部本体97に向けて反射するように構成される。
【0040】
<保持ヘッド駆動機構>
図9は、カバー67を取り外した状態のピックアップユニット23の平面図である。
【0041】
図9に示すように、ピックアップユニット23は、カバー67(
図6)内に保持ヘッド駆動機構87を有する。本実施形態の保持ヘッド駆動機構87は、カム機構である。
図9に示すように、保持ヘッド駆動機構87は、カム駆動モータ107と、第1のカム109と、第2のカム111とを有する。
【0042】
カム駆動モータ107は、第1のカム109及び第2のカム111を回転させる。第1のカム109の回転によって、第1のレバー113が第1の支持軸を中心に回転する。第1のレバー113の回転によって、第1の移動部材が径方向に移動する。これにより、第1の移動部材に接続される第1の移動片123(
図8参照)が、第1の移動部材とともに径方向に移動する。
【0043】
図8に示すように、本実施形態の第1の移動片123は、部品保持ヘッド77が下向きの状態になったときに部品保持ヘッド77と接続される位置に配置される。これにより、下向きの部品保持ヘッド77は、第1の移動片123と共に上下方向に移動可能に設けられる。
【0044】
図10は、下向きの部品保持ヘッド77が第1の移動片123に接続された状態のピックアップ部71の概略構成を示す側面図である。
図10に示すように、ヘッド保持部85には、部品保持ヘッド77の径方向の移動をガイドするガイド部材129が設けられる。ガイド部材129には、第1の移動片123に対して径方向に係合するカムフォロア131が設けられる。カムフォロア131は、旋回部材83の旋回時において、円筒カム132に沿って移動する。
【0045】
本実施形態のガイド部材129は、例えばばね等の弾性部材133によって、部品保持ヘッド77を径方向内側に付勢するように設けられる。部品のピックアップ時以外のときは、部品保持ヘッド77の回動半径はR1で一定となっている。
【0046】
部品保持ヘッド77が下向きの状態になったとき、カムフォロア131は第1の移動片123と接続して、第1の移動片123と共に部品保持ヘッド77を上下方向に移動させる。
【0047】
次に、部品搭載装置1の動作について説明する。
図11は、部品搭載装置1の制御部C1を含む概略ブロック図である。
【0048】
部品搭載装置1は、制御部C1、記憶部M1、表示部DP、及び操作部OPを含んで構成される。表示部DPは、例えばオペレータにより表示内容が確認される。操作部OPは、例えばオペレータにより操作される。表示部DP及び操作部OPは、入力機能及び表示機能を有するタッチパネルにより構成されてもよいし、個別に構成されてもよい。表示部DP及び操作部OPは、部品搭載装置1における任意の位置(例えばオペレータから確認し易い位置)に配置されてよい。なお、
図11では、制御部C1から独立して記憶部M1が設けられることを例示しているが、制御部C1内に記憶部M1が含まれてもよい。
【0049】
記憶部M1は、少なくともROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の一次記憶装置を含み、その他の記憶装置を含んでもよい。記憶部M1は、各種のデータ、情報又はプログラム等を記憶する。記憶部M1は、部品実装に関する情報(実装情報)を記憶してよい。記憶部M1は、部品認識カメラ15、基板認識カメラ17又は部品撮像部75等の各種カメラによって撮像される情報(例えば画像)を記憶してよい。また、記憶部M1は、複数の表示用画像バッファBFを有する。表示用画像バッファBFは、各種カメラによって撮像された画像を工程毎に保持する。なお、工程や工程毎のバッファへの画像の記憶制御の詳細については後述する。
【0050】
表示部DPは、各種データ又は情報等を表示する。表示部DPは、例えばDSP(liquid crystal display)又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイであってよい。操作部OPは、各種の操作を受け付け、受け付けた操作に基づく操作情報を制御部C1へ送る。
【0051】
制御部C1は、各種プロセッサにより構成され、記憶部M1に保持されたプログラムを実行することで、各種処理を実行する。また、制御部C1は、部品搭載装置1内の各部の動作を統括的に制御する。
【0052】
制御部C1は、ピックアップユニット23を制御するピックアップ制御部C2と、搭載ヘッド11を制御する搭載ヘッド制御部C3と、ピックアップユニット23及び搭載ヘッド11の位置を算出する算出部C4と、を有する。
【0053】
制御部C1は、記憶部M1に記憶されたプログラムをプロセッサ(処理回路)が実行することにより、記憶部M1の実装情報に基づいて予め定められた手順にて部品実装を行ってもよい。なお、サーバなどに実装情報が格納され、通信により制御部C1に実装情報が提供されるような場合であってもよい。
【0054】
制御部C1は、基板搬送部8(
図1)を駆動してX方向(基板搬送方向)に基板9を搬送し、基板9を所定の位置に配置する(基板搬送ステップ)。
【0055】
部品供給装置2によって部品が供給され、当該部品が搭載ヘッド11によって基板9に搭載(実装)される。以下、第1の部品供給装置3による部品の供給動作について具体的に説明する。なお、第2の部品供給装置5による部品供給動作については、従来の部品供給動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0056】
制御部C1は、第1の部品供給装置3のキャリア搬送部31(
図2)を駆動して、マガジン29に収納されたキャリア27をキャリア保持部21まで搬送する(キャリア搬送ステップ)。キャリア保持部21まで搬送されたとき、キャリア27は、保持部本体35が備える押さえ部材(不図示)と支持ベース(不図示)との間の空間に挿入される。
【0057】
キャリア27がキャリア保持部21まで搬送された後、押さえ部材によってエキスパンドされて、キャリア27はキャリア保持部21によって保持される(キャリア保持ステップ)。具体的には、制御部C1が、駆動部47を駆動して押さえ部材を下方に移動させることでキャリア27をエキスパンドする。これにより、キャリア27がキャリア保持部21によって保持された状態となる。
【0058】
ピックアップ制御部C2は、ピックアップユニット23を駆動して、キャリア27に担持された部品をキャリア27の上方からピックアップする(ピックアップステップ)。このとき、制御部C1は、エジェクタ25を駆動して、キャリア27に担持された部品をキャリア27の下方からピックアップユニット23に向けて突き上げる(突き上げステップ)。ピックアップステップ及び突き上げステップよりも前の段階で、ピックアップユニット23の位置及びエジェクタ25の位置の較正動作が行われる。当該較正動作により、ピックアップユニット23の水平方向の位置及びエジェクタ25の水平方向の位置を一致させることができ、ピックアップ動作をより精確に行うことができる。
【0059】
ピックアップユニット23によってピックアップされた部品は、搭載ヘッド11に受け渡される(受渡ステップ)。受渡ステップよりも前の段階で、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作が行われる。当該較正動作により、搭載ヘッド11の水平方向の位置及びピックアップユニット23の水平方向の位置をより精確に把握することができるため、部品の受渡動作をより精確に行うことができる。本実施形態では、ピックアップユニット23の部品撮像部75がエジェクタ25を撮像することによって位置の較正動作が行われる。
【0060】
搭載ヘッド制御部C3は、搭載ヘッド11(ヘッド移動機構13)を駆動して、ピックアップユニット23から部品を受け取った搭載ヘッド11を基板9まで移動させて、部品を基板9に搭載する(部品搭載ステップ)。部品搭載ステップにおいて、例えば、基板認識カメラ17からの情報(例えば部品を搭載する位置(装着位置)等の情報)を用いて、部品の搭載が行われる。部品搭載ステップでは、基板認識カメラ17による撮像や認識、部品認識カメラ15による撮像や認識が行われてよい。
【0061】
また、制御部C1は、記憶制御部C5と、表示制御部C6と、を有する。記憶制御部C5は、記憶部M1の各表示用画像バッファBFへの画像の保存及び取得(書き込み及び読み出し)を制御する。記憶制御部C5は、例えば、任意の工程において各種カメラが撮像した場合、例えばその工程が終了した時点で、この工程に対応する表示用画像バッファBFへ画像を保存するよう記憶部M1に指示してよい。また、記憶制御部C5は、表示部DPに任意の工程の画像が表示される際に、この工程に対応する表示用画像バッファから画像を取得するよう記憶部M1に指示してよい。
【0062】
表示制御部C6は、記憶制御部C5と連動し、各表示用画像バッファBFに保持された画像を表示部DPに表示させる。表示制御部C6は、各表示用画像バッファBFに保持された各工程の画像の表示タイミングを制御してよい。表示タイミングは、例えば、予め定められていてもよいし、操作部OPを介してオペレータの所望のタイミングに決定されてもよい。また、表示制御部C6は、表示部DPに各工程の画像を表示する際の表示レイアウトを制御してよい。表示レイアウトは、例えば、予め定められていてもよいし、操作部OPを介してオペレータの所望のレイアウトに決定されてもよい。
【0063】
次に、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作について具体的に説明する。
図12は、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作を行う際のキャリア保持部21の概略構成図である。
【0064】
図12に示すように、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作を行う際、キャリア保持部21には較正用治具147が取り付けられる。較正用治具147は、搭載ヘッド11の位置及びピックアップユニット23の位置の較正動作を行うための治具である。較正用治具147は、例えば、キャリア保持部21にキャリア27が保持されていない状態において、支持部(不図示)に支持される。較正用治具147は、例えば平板状に形成される。
【0065】
較正用治具147は、第1の基準マーク149及び第2の基準マーク151を有する。第1の基準マーク149は、部品撮像部75によって検出されるマークである。第2の基準マーク151は、基板認識カメラ17によって検出されるマークである。本実施形態の第2の基準マーク151は、上下方向に延びるポスト153上に形成される。第1の基準マーク149及び第2の基準マーク151を検出することによって、搭載ヘッド11の座標系及びピックアップユニット23の座標系の較正を行う。具体的には、第1の基準マーク149及び第2の基準マーク151の相対的な位置関係(本実施形態では水平方向の距離d1)を用いて、搭載ヘッド11の座標系及びピックアップユニット23の座標系の座標変換を行う。
【0066】
次に、ピックアップステップ及び受渡ステップについて詳細に説明する。
図13は、部品保持ヘッド77及び部品撮像部75の相対的な位置関係を示す概略構成図である。
【0067】
図13に示すように、ピックアップステップ及び受渡ステップの前段階として、一方の下向きの部品保持ヘッド77と他方の上向きの部品保持ヘッド77との相対的なヘッド間水平位置関係を求める。当該ヘッド間水平位置関係は、記憶部M1に記憶される。本実施形態では、部品撮像部75の光軸L1と下向きの部品保持ヘッド77との相対的な光軸-ヘッド間水平位置関係を求める。具体的には、部品撮像部75の光軸L1からの部品保持ヘッド77のずれ量(オフセット)OF1,OF2を計測する。OF1は、下向きの状態の部品保持ヘッド77と光軸L1との水平方向の距離であって、OF2は、上向きの状態の部品保持ヘッド77と光軸L1との水平方向の距離である。OF1,OF2は、記憶部M1に記憶される。
【0068】
図14は、部品保持ヘッド77及び部品保持ヘッド77に保持される部品を基板認識カメラ17によって撮像した画像を示す。
図14に示すように、本実施形態では、OF1は、基板認識カメラ17によって計測される。基板認識カメラ17は、下向きの部品保持ヘッド77が部品をピックアップして上向きに反転した状態において、当該部品保持ヘッド77に保持される部品の部品位置P1を撮像する。さらに、基板認識カメラ17は、部品を保持していない状態の当該部品保持ヘッド77のヘッド位置P2を撮像する。これにより、部品位置P1とヘッド位置P2との水平方向のずれ量を計測し、当該ずれ量をOF1とする。例えば、部品位置P1は、基板認識カメラ17によって撮像される部品の中心位置であって、ヘッド位置P2は、基板認識カメラ17によって撮像されるヘッドの中心位置である。
【0069】
OF2は、基板認識カメラ17によって計測される。基板認識カメラ17は、光軸L1上に移動して、上向きの状態の部品保持ヘッド77を撮像する。OF2は、例えば、部品保持ヘッド77の中心位置と光軸L1との水平方向の距離である。
【0070】
複数の部品保持ヘッド77のうち、一方の部品保持ヘッドを第1の部品保持ヘッド77a、他方の部品保持ヘッドを第2の部品保持ヘッド77bとして説明する。ここで、第1の部品保持ヘッド77aが下向きのときのOF1をOFa1とし、第1の部品保持ヘッド77aが上向きのときのOF2をOFa2とし、第2の部品保持ヘッド77bが下向きのOF1をOFb1とし、第2の部品保持ヘッド77bが上向きのときのOF2をOFb2とする。
【0071】
計測したOF1を用いて、算出部C4は、下向きの部品保持ヘッド77がキャリア27から部品をピックアップできる目標位置OP1を算出する。第1の部品保持ヘッド77aの目標位置OPa1を下記の数式(1)を用いて算出し、第2の部品保持ヘッド77bの目標位置OPb1を下記の数式(2)を用いて算出する。
【0072】
OPa1=光軸L1の位置+OFa1 (1)
OPb1=光軸L1の位置+OFb1 (2)
【0073】
計測したOF1,OF2を用いて、算出部C4は、ピックアップ部71(下向きの部品保持ヘッド77)が目標位置OP1に位置するときの上向きの部品保持ヘッド77の停止位置TP1を算出する。第1の部品保持ヘッド77aが下向きのときにおける上向きの第2の部品保持ヘッド77bの停止位置TPb1を下記の数式(3)を用いて算出する。第2の部品保持ヘッド77bが下向きのときにおける上向きの第1の部品保持ヘッド77aの停止位置TPa1を下記の数式(4)を用いて算出する。
【0074】
TPb1=OPa1-OFa1+OFb2 (3)
TPa1=OPb1-OFb1+OFa2 (4)
【0075】
フリップチップ実装の場合のピックアップステップ及び受渡ステップについて説明する。
図15A~
図15Fは、フリップチップ実装の場合のピックアップ動作及び受渡動作を示す概略図である。
【0076】
まず、
図15Aに示すように、部品撮像部75によって、キャリア27に担持された部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第1の部品撮像ステップ)。
【0077】
第1の部品撮像ステップの後、
図15Bに示すように、第1の部品保持ヘッド77aが下向きになるように旋回部材83(
図6)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの第1の部品保持ヘッド77aが目標位置OPa1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFa1分、ピックアップユニット23を移動させる。
【0078】
さらに、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの第1の部品保持ヘッド77aを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの第1の部品保持ヘッド77aを上方に移動させる。
【0079】
図15Cに示すように、旋回部材83を旋回させて、部品をピックアップした下向きの第1の部品保持ヘッド77aの姿勢を上向きへと変更する。第1の部品保持ヘッド77aの旋回を行うとともに、第2の部品保持ヘッド77bによってピックアップされる次の部品を移動させる。
【0080】
部品撮像部75によって、次にピックアップする部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第2の部品撮像ステップ)。
【0081】
第2の部品撮像ステップの後、
図15Dに示すように、第2の部品保持ヘッド77bが下向きになるように旋回部材83(
図6)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの第2の部品保持ヘッド77bが目標位置OPb1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFb1分、ピックアップユニット23を移動させる。
【0082】
算出部C4は、上記数式(4)を用いて上向きの第1の部品保持ヘッド77aの停止位置TPa1を算出する。算出部C4によって算出された停止位置TPa1に搭載ヘッド11を移動させて部品を受け取る。このとき、保持ヘッド駆動機構87を駆動して下向きの第2の部品保持ヘッド77bを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの第2の部品保持ヘッド77bを上方に移動させる。このように、第2の部品保持ヘッド77bで部品をピックアップするとともに第1の部品保持ヘッド77aで搭載ヘッド11に部品を受け渡す動作(第1動作)が行われる。
【0083】
次に、
図15Eに示すように、旋回部材83を旋回させて、部品をピックアップした下向きの第2の部品保持ヘッド77bの姿勢を上向きへと変更する。第2の部品保持ヘッド77bの旋回を行うとともに、第1の部品保持ヘッド77aによってピックアップされる部品を移動させる。
【0084】
部品撮像部75によって、次にピックアップする部品を撮像する。部品撮像部75は、部品撮像部75の下方に部品保持ヘッド77が位置しない状態で部品を撮像する(第3の部品撮像ステップ)。
【0085】
第3の部品撮像ステップの後、
図15Fに示すように、第1の部品保持ヘッド77aが下向きになるように旋回部材83(
図6)を旋回させる。このとき、ユニット移動機構63を駆動して、下向きの第1の部品保持ヘッド77aが目標位置OPa1に位置するように、ピックアップユニット23を移動させる。具体的には、部品撮像部75によって撮像した位置からOFa1分、ピックアップユニット23を移動させる。
【0086】
算出部C4は、上記数式(3)を用いて上向きの第2の部品保持ヘッド77bの停止位置TPb1を算出する。算出部C4によって算出された停止位置TPb1に搭載ヘッド11を移動させて部品を受け取る。このとき、保持ヘッド駆動機構87を駆動して下向きの第1の部品保持ヘッド77aを下方に移動させて部品をピックアップする。部品のピックアップ後、保持ヘッド駆動機構87を駆動して、下向きの第1の部品保持ヘッド77aを上方に移動させる。このように、第1の部品保持ヘッド77aで部品をピックアップするとともに第2の部品保持ヘッド77bで搭載ヘッド11に部品を受け渡す動作(第2動作)が行われる。
【0087】
以上のように、フリップチップ実装の場合、第1動作及び第2動作を交互に繰り返し行って、キャリア27から搭載ヘッド11へ部品を供給する。
【0088】
次に、表示用画像バッファBFを用いた画像の記憶制御及び画像の表示制御について説明する。
図16は、表示用画像バッファBFを用いた画像の記憶制御を説明するための図である。
【0089】
部品搭載装置1が備える各カメラ(例えば部品認識カメラ15、基板認識カメラ17、部品撮像部75)は、それぞれ、画像バッファbfを有する。画像バッファbfには、この画像バッファbfを有するカメラにより撮像された画像が保持される。各カメラは、各カメラが担当する1つ以上の所定の工程の画像を撮像する。
【0090】
ここでの工程とは、部品搭載装置1により実行される1つの処理であってもよいし、一連の処理のまとまりであってもよい。例えば、上述されたステップが工程とされてもよいし、上述されたステップがより細分化された処理が、工程とされてもよい。また、工程には、具体的に、熱補正バーを認識する工程、基板を搬送する工程、基板を認識する工程、部品を取得する工程、部品を認識する工程、ノズル(部品保持ヘッド77)を認識する工程、等、ダイを認識する認識、エジェクタの突き上げを認識する工程、等が含まれてよい。
【0091】
図16では、所定のカメラが撮像を担当する工程Eで撮像された画像Eが、画像バッファbfに保持されている。なお、1つのカメラが、複数の工程のそれぞれにおいて画像を撮像してもよいし、複数のカメラのそれぞれが、複数の工程のそれぞれにおいて画像を撮像してもよい。各カメラは、画像バッファbfに保持されると、この画像に係る工程に対応する記憶部M1の表示用画像バッファBFへ送る。各カメラは、画像バッファに画像が保持された状態で次の画像を撮像すると、次の画像で画像バッファの画像を上書きして保存する。
【0092】
図11に示したように、部品搭載装置1の記憶部M1は、複数の表示用画像バッファBFを備える。表示用画像バッファBFは、アプリケーションに含まれる部品装着に関する工程毎に使用される。記憶制御部C5は、各カメラから画像バッファbfに保持された画像を取得し、この画像が撮像された工程に対応する表示用画像バッファBFにこの画像を保持させる。
【0093】
図16では、工程A~Eのそれぞれで使用される表示用画像バッファBF(BFa,BFb,…)が示されている。例えば、部品搭載装置1は、工程A、工程B、工程C、工程D、工程E、の順に実行する。
図16では、工程A~Dの表示用画像バッファBFには既に画像が保持されており、記憶制御部C5が、工程Eにおける画像Eを表示用画像バッファBFeに新たに保持させることを示している。
【0094】
なお、所定の表示用画像バッファBFに既に画像が保持されており、同じ工程の画像が撮像された場合には、記憶制御部C5は、新たに撮像された画像を取得し、この表示用画像バッファBFに上書きして保存させてよい。また、この場合、記憶制御部C5は、上書き保存の代わりに画像を合成して合成画像を生成し、表示用画像バッファに合成画像を保持させてもよい。
【0095】
このように、例えば、制御部C1の一例としてのOS(Operating System)は、表示用画像バッファBFの一例としてのVRAM(Video RAM)に、工程毎の撮像対象(例えば基板、ノズル又は部品)の画像A~Eを保持させる。
【0096】
図17は、部品搭載装置1による部品装着時の各工程の状況を示す画像A~Fの一覧表示例を示す図である。
【0097】
表示制御部C6は、工程毎に設けられた表示用画像バッファBFに画像が保持されると、各表示用画像バッファBFに保持された各画像を、表示部DPの画面G1の所定の領域に表示可能である。表示制御部C6は、例えば、表示用画像バッファBFに画像が保持されたタイミングで、この画像を画面G1に表示させてもよいし、表示用画像バッファBFに画像が保持された後の所定のタイミングで、この画像を画面G1に表示させてもよいし、表示用画像バッファBFに画像が保持された後に操作部OPを介してこの画像の表示が指定されたタイミングで、この画像を画面G1に表示させてもよい。
【0098】
図17では、表示制御部C6は、複数の工程の画像を所定のレイアウトに配列して画面G1に表示させている。
図17では、画面G1は、画像A~Cを隣合わせで上段に表示し、画像D~Fを隣合わせで下段に表示している。画像Aは、工程Aの画像であり、表示用画像バッファBFaに保持された画像であり、表示領域RAに表示される。画像Bは、工程Bの画像であり、表示用画像バッファBFbに保持された画像であり、表示領域RBに表示される。画像Cは、工程Cの画像であり、表示用画像バッファBFcに保持された画像であり、表示領域RCに表示される。画像Dは、工程Dの画像であり、表示用画像バッファBFdに保持された画像であり、表示領域RDに表示される。画像Eは、工程Eの画像であり、表示用画像バッファBFeに保持された画像であり、表示領域REに表示される。なお、同様に、画像Fが、工程Fの画像であり、表示用画像バッファBFfに保持された画像であり、表示領域RFに表示されてよく、画像Fが画像Eの隣に配列されて画面G1に表示されてよい。
【0099】
なお、表示制御部C6は、表示レイアウトを変更してもよい。つまり、画面G1における画像A~Fの表示位置を変更してもよい。画面G1における各画像のレイアウトに関するレイアウト情報は、記憶部M1に保持されてよい。表示制御部C6は、レイアウト情報に基づいて、画面G1の所定の位置に各画像を配置して表示させてよい。また、表示制御部C6は、レイアウトの形状を変更してもよい。例えば、
図17では、各工程の各画像が矩形状に順に並べて配列されているが、各画像が円形状に並べて配列されてもよい。例えば、一連の工程が繰り返し実施される場合、円環状に各画像が並べられることで直感的に理解し易くなる。
【0100】
このように、各カメラの画像バッファbfは1つであるが、記憶制御部C5は、アプリケーションにより取りこんだ画像を工程毎に各表示用画像バッファBFに保持させる。表示制御部C6は、各表示用画像バッファBFに保持した画像を画面G1に表示させ、1つ又は複数のカメラで撮像された画像を複数表示できる。
【0101】
なお、表示制御部C6は、例えば画像A~Fを表示するとともに、各画像に係る各工程を識別する工程識別情報を含むラベルを表示させてもよい。この場合、ラベルは、画像内に表示されてもよいし、画像と関連付けて画像とは別に表示されてもよい。ラベルは、工程名又は工程ID等を含んでよい。これにより、オペレータは、表示された各画像が、どの工程の画像であるかを容易に確認できる。また、オペレータは、画面G1において各画像が表示される各表示領域がレイアウトを変更されても、ラベルを確認することで、どの画像がどの工程か容易に認識できる。
【0102】
図18は、部品搭載装置1による動作例を示すフローチャートである。なお、部品撮像部75は、ウエハカメラとして動作する。部品保持ヘッド77は、ピックアップノズル(単にノズルとも称する)として動作する。第1の部品供給装置3は、ウエハ供給ユニットとして動作する。
【0103】
基板認識カメラ17は、第1の部品保持ヘッド77a(ノズル1とも称する)を撮像して画像Aを取得し、画像Aにおけるノズル1を認識する(S11)。この場合、例えば、基板認識カメラ17は、ノズル1の基準位置(例えば画像中心)に対する実際の位置の位置ずれを認識する。この位置ずれは、上述したオフセットを示すOF1又はOF2に相当する。
【0104】
記憶制御部C5は、基板認識カメラ17からノズル1の認識結果を取得して記憶部M1に保持させ、基板認識カメラ17から画像Aを取得して表示用画像バッファBFaに保持させる(S12)。表示制御部C6は、表示用画像バッファBFaに保持された画像Aを画面G1の表示領域RAに表示させる。
【0105】
図19は、画像Aである画像G11の一例を示す図である。画像G11では、ノズル1(第1の部品保持ヘッド77a)が映り込んでおり、画像G11全体における画像中心c1の位置が示されている。なお、画像G11では、ノズル1が強調表示(例えば輪郭表示又は着色表示)されて視認し易くされてもよい。
【0106】
図18に戻り、基板認識カメラ17は、第2の部品保持ヘッド77b(ノズル2とも称する)を撮像して画像Bを取得し、画像Bにおけるノズル2を認識する(S13)。この場合、例えば、基板認識カメラ17は、ノズル2の基準位置(例えば画像中心)に対する実際の位置の位置ずれを認識する。この位置ずれは、上述したオフセットを示すOF1又はOF2に相当する。また、基板認識カメラ17は、その画像バッファbfに画像Bを保持させる。なお、この場合、基板認識カメラ17の画像バッファbfから画像Aが削除されてもよいし、画像Aとともに画像Bが画像バッファbfに保持されてもよい。
【0107】
記憶制御部C5は、基板認識カメラ17からノズル2の認識結果を取得して記憶部M1に保持させ、基板認識カメラ17から画像Bを取得して表示用画像バッファBFbに保持させる(S14)。
【0108】
なお、ステップS11,S12とステップS13,S14とは、異なる工程として扱われてもよいし、同じ工程として扱われてもよい。異なる工程として扱われる場合、上述のように、表示用画像バッファBFaに画像Aが保持され、表示用画像バッファBFbに画像Bが保持される。この場合、表示制御部C6は、表示用画像バッファBFbに保持された画像Bを画面G1の表示領域RBに表示させる。
【0109】
一方、同じ工程として扱われる場合、記憶制御部C5は、表示用画像バッファBFaに保持された画像Aに画像Bを合成して合成画像ABを生成し、合成画像ABを表示用画像バッファBFaに保持させる。この場合、表示制御部C6は、表示用画像バッファBFbに保持された合成画像ABを画面G1の表示領域RAに表示させる。このように同じ工程として取り扱う場合、表示用画像バッファBFが不要となり、部品搭載装置1は、有限の表示用画像バッファBFを有効活用できる。また、部品搭載装置1は、画面G1における工程毎の表示領域を1つ低減でき、低減された表示領域に例えば予定より1つ多くの工程の画像を表示できる。合成画像ABが表示されることで、オペレータは、複数のノズル1,2の位置を容易に比較しながら確認できる。
【0110】
図20は、合成画像ABである画像G12の一例を示す図である。画像G12では、ノズル1(第1の部品保持ヘッド77a)とノズル2(第2の部品保持ヘッド77b)とが映り込んでおり、画像G12全体における画像中心c1の位置が示されている。なお、画像G12では、ノズル1とノズル2とが強調表示(例えば輪郭表示又は着色表示)されて視認し易くされてもよい。
【0111】
図18に戻り、部品撮像部75は、ウエハW1上のダイD1を撮像して画像Cを取得し、画像CにおけるダイD1を認識する(S15)。この場合、例えば、部品撮像部75は、ダイD1の基準位置(例えば画像中心)に対する実際の位置(ダイ中心)の位置ずれを認識する。また、部品撮像部75は、その画像バッファbfに画像Cを保持させる。
【0112】
記憶制御部C5は、部品撮像部75からダイD1の認識結果を取得して記憶部M1に保持させ、部品撮像部75から画像Cを取得して表示用画像バッファBFcに保持させる。表示制御部C6は、表示用画像バッファBFcに保持された画像Cを画面G1の表示領域RCに表示させる。
【0113】
図21は、画像Cである画像G13の一例を示す図である。画像G13では、ウエハW1と、ウエハW1から矩形状に切り出された複数のダイD1(ダイ部品)と、が映り込んでいる。
図21では、紙面の上下方向及び左右方向に延びる太線が各ダイD1の周縁(端辺)を示している。また、画像G13では、画像G13全体における画像中心c1の位置と、矩形状のダイD1の中心であるダイ中心DCと、が示されている。
【0114】
図18に戻り、算出部C4は、部品撮像部75の中心(撮像中心、光軸L1)と部品保持ヘッド77(第1の部品保持ヘッド77a及び第2の部品保持ヘッド77b)の中心との差(
図13のOF1,OF2)と、部品撮像部75の中心とダイ中心との差と、に基づいて、部品保持ヘッド77の補正位置を算出する。部品保持ヘッド77は、算出された補正位置を加味して、ダイD1をピックアップして保持する(S16)。
【0115】
基板認識カメラ17は、基板9を撮像して画像Dを取得し、画像Dにおける基板9を認識する(S17)。この場合、例えば、基板認識カメラ17は、基板9の基準位置(例えば画像中心)に対する実際の位置の位置ずれを認識する。この場合、基板認識カメラ17は、基板9に付された基準マーク9mに基づいて、基板9の位置ずれを認識してよい。
【0116】
記憶制御部C5は、基板認識カメラ17から基板9の認識結果を取得して記憶部M1に保持させ、基板認識カメラ17から画像Dを取得して表示用画像バッファBFdに保持させる。表示制御部C6は、表示用画像バッファBFdに保持された画像Dを画面G1の表示領域RDに表示させる。
【0117】
図22は、画像Dである画像G14の一例を示す図である。画像G14では、基板9の少なくとも一部が映り込んでおり、基準マーク9mが映り込んでいる。基準マーク9mは、基板9の位置合わせのために基板9に設けられている。
【0118】
図18に戻り、部品保持ヘッド77は、ピックアップされたダイD1を搭載ヘッド11へ渡す(S18)。搭載ヘッド11は、が渡されたダイD1を保持する。
【0119】
部品認識カメラ15は、搭載ヘッド11に保持されたダイD1を撮像して画像Eを取得し、画像EにおけるダイD1を認識する(S19)。この場合、例えば、部品認識カメラ15は、ダイD1の基準位置(例えば画像中心)に対する実際の位置(ダイ中心)の位置ずれを認識する。また、部品認識カメラ15は、その画像バッファbfに画像Eを保持させる。
【0120】
記憶制御部C5は、部品認識カメラ15からダイの認識結果(例えばダイ部品の位置)を取得して記憶部M1に保持させ、部品認識カメラ15から画像Eを取得して表示用画像バッファBFeに保持させる。表示制御部C6は、表示用画像バッファBFeに保持された画像Eを画面G1の表示領域REに表示させる。
【0121】
図23は、画像Eである画像G15の一例を示す図である。画像G15では、部品保持ヘッド77に保持されたダイD1が映り込んでいる。また、画像G15では、画像G15全体における画像中心c1の位置と、ダイ中心DCの位置と、が示されている。
【0122】
図18に戻り、基板認識カメラ17は、基板9を撮像して画像Fを取得し、画像Fにおける基板9の装着位置9p(基板9におけるダイD1の装着位置9p)を認識する(S20)。基板認識カメラ17は、例えば記憶部M1に保持された実装情報から、装着位置9pの情報を取得し、この情報に基づいて装着位置9pを認識してよい。この場合、例えば、基板認識カメラ17は、装着位置9pの基準位置に対する実際の位置の位置ずれを認識する。また、基板認識カメラ17は、その画像バッファbfに画像Fを保持させる。
【0123】
記憶制御部C5は、基板認識カメラ17から基板9の認識結果(基板9におけるダイD1の装着位置9p)を取得して記憶部M1に保持させ、基板認識カメラ17から画像Fを取得して表示用画像バッファBFfに保持させる。表示制御部C6は、表示用画像バッファBFfに保持された画像Fを画面G1の表示領域RFに表示させる。
【0124】
図24は、画像Fである画像G16の一例を示す図である。画像G16では、基板9と、基準マーク9mと、基板9に既に装着済みのダイD1aと、が映り込んでいる。また、表示制御部C6は、実装情報に含まれる、基板9における次のダイD1(搭載ヘッド11が保持中のダイD1)の装着位置9pを取得し、画像G16における装着位置9pに、この装着位置9pを示す情報を重畳して表示させる。つまり、表示制御部C6は、画像G16におけるダイD1の装着位置9pを示す情報を、画像G16に重畳して表示させてよい。ダイD1の装着位置9pを示す情報は、例えば、ダイD1の装着位置9pを示すマーク(
図24では括弧(『』))であってもよいし、ダイD1の装着位置9pを特定の表示態様(例えば特定の色)とすることを含んでもよい。
【0125】
搭載ヘッド11は、基板9におけるダイ部品の装着位置9pにダイD1を移動させて、ダイD1を装着位置9pに装着(実装)する。これにより、部品搭載装置1による基板9への部品の装着が完了する。
【0126】
なお、基板9に実装されるダイD1が複数存在する場合には、
図18に示した処理が繰り返し実施されてよい。なお、ノズル認識はノズルの交換時に行われることが主であり、ノズルの交換がされない場合には省略可能である。つまり、ステップS11~S14は省略可能である。そのため、ダイD1の基板9への装着が繰り返される場合には、
図18のステップS15~S20等が繰り返し実施されてよい。この場合、例えば、記憶制御部C5は、
図18の処理の周回毎に、各工程の表示用画像バッファBFが上書きされてよい。つまり、周回毎に表示用画像バッファBFがリセットされてよい。また、例えば一周目の画像A~Fのうちの後半の工程の画像と、2周目の画像A~Fのうちの前半の工程の画像とが、画面G1に同時に表示されてもよい。このように、表示制御部C6は、画面G1上の各表示領域RAを順次更新することが可能である。
【0127】
なお、各画像A~Fでは、各工程での撮像対象のそれぞれが、例えば、画像A~Fのそれぞれの画像中心(撮像中心)に位置することが好ましい。オペレータは、画像中心(撮像中心)からの撮像対象のずれを確認することで、各工程でのカメラの位置ずれを確認できる。なお、画像中心か撮像対象の位置がずれている程、好ましくない状態を示していてよい。本実施形態では、部品搭載装置1は、各工程の画像を1画面に同時に一覧で表示可能である。この場合、オペレータは、確認対象の工程よりも前の工程での撮像対象の位置ずれや工程間での撮像対象の位置ずれ等を容易に確認できる。位置ずれは、例えば撮像対象(例えば部品やノズル)の基準位置に対する実際の位置の位置ずれ等を含む。例えば、オペレータは、画像中心に対してノズルの位置がずれていることを確認した場合、ノズルを交換したり、ノズルの位置を手動で微調整したりする等の対策を実施できる。この際、画像を確認することで、オペレータは直感的に把握できる。
【0128】
なお、表示制御部C6は、画像Aから画像Fの順に、各工程で撮像され次第、画面G1に順次画像を表示させてよい。よって、工程が進行するにつれて、順番に表示画像が増えてよい。また、画面G1において各工程の画像に割り当てられる表示領域RA~RFは有限である。そのため、多数の工程のうち、どの工程の画像を画面G1に表示させるか、表示対象の工程の画像が予め定められてよい。また、制御部C1は、操作部OPを介して、所望の表示対象の工程を選択してもよい。これにより、オペレータが確認したい工程の画像を確実に一覧性良く確認できる。
【0129】
このように、部品搭載装置1は、画面G1に表示するための表示用画像バッファBFを各工程分用意し、各工程での撮影及び認識を行い、各工程完了のトリガで各表示用画像バッファBFに画像を保存していく。これにより、部品搭載装置1は、次の工程に移行しても、前工程の画像と共に画面G1に画像を同時に表示できる。つまり、部品搭載装置1は、各カメラで撮影した各工程での状況を画面G1に一覧でリアルタイムに表示できる。この際、部品搭載装置1は、各カメラにより撮影された撮像対象(例えば基板9、ノズル、部品)の画像を認識することで、画像に対する撮像対象の位置を特定したり、部品が不良品であるか否かを検出したりできる。また、部品搭載装置1は、複数工程でのそれぞれの撮像対象の画像を同じ画面G1に表示する。したがって、部品搭載装置1のオペレータは、画面G1を確認することで、部品装着に係る各工程での状況や品質を容易に確認できる。
【0130】
また、部品搭載装置1は、各工程の画像を表示することで、各工程での位置ずれを並列して表示させることができる。よって、オペレータは、どの工程でどれくらいの位置ずれがあるかを、他の工程と比較しながら全体的に把握できる。また、オペレータは、1つの部品が供給されて基板9上に装着されるまでに、各工程でどの程度位置ズレが発生していたかを、容易に確認できる。
【0131】
本実施形態では、部品搭載装置1として、混載機を例示したが、これに限られない。例えば、部品搭載装置1は、半田又はボンド等を用いて部品を実装する実装機、超音波接合等により部品を実装するボンダ、又はその他の部品装着装置であってもよい。
【0132】
本実施形態では、部品装着に関する機能を1つの装置である部品搭載装置1が有することを主に例示したが、これに限られない。例えば、部品装着に関する機能が複数の装置に分散して保持され、部品搭載システム500が構成されてもよい。
【0133】
図25は、本実施形態の部品搭載システム500の構成例を示す図である。部品搭載システム500は、撮像装置510、記憶装置520、及び表示装置530を備える。撮像装置510は、各種カメラ(例えば部品認識カメラ15、基板認識カメラ17、又は部品撮像部75)の機能を有する。記憶装置520は、記憶部M2としての機能を有する。表示装置530は、表示部DPとしての機能を有する。また、部品搭載システム500は、制御部C1としての機能を有する制御装置を備えてもよい。部品搭載システム500に含まれる各装置は、例えば有線又は無線により通信可能であり、各種データ又は情報等の送受が可能である。
【0134】
撮像装置510は、工程毎の撮像対象を撮像する。記憶装置520は、撮像対象の撮像結果を工程毎に記憶する。表示装置530は、記憶装置520に記憶された工程毎の撮像結果を同一の画面G1内に表示する。
【0135】
以上のように、本実施形態の部品装着装置(例えば部品搭載装置1)は、複数の工程における作業を経て電子部品(例えばダイ部品)を基板9に装着する。部品装着装置は、撮像部(例えば部品認識カメラ15、基板認識カメラ17、部品撮像部75)、記憶部M1、及び表示部DPを備える。撮像部は、工程毎の撮像対象を撮像する。記憶部M1は、撮像対象の撮像結果を工程毎に記憶する。表示部DPは、記憶部M1に記憶された工程毎の撮像結果を同一の画面G1内に表示する。
【0136】
これにより、部品装着装置は、撮像対象が異なり得る様々な撮像対象を撮像し、様々な工程の撮像結果を画面G1に同時に表示できる。よって、オペレータは、各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認できる。例えば、オペレータは、各工程の状況(どの工程でどれくらい撮像中心に対するズレが生じているか)を客観的に容易に把握できる。したがて、部品装着装置は、オペレータの操作性を改善できる。
【0137】
また、複数の工程は、第1工程と第2工程とを少なくとも含んでよい。記憶部M1は、第1工程における撮像対象の撮像結果を記憶する第1記憶部(例えば表示用画像バッファBFa)と、第2工程における撮像結果を記憶する第2記憶部(例えば表示用画像バッファBFb)と、を少なくとも含んでよい。表示部DPは、第1工程の撮像結果と、第2工程の撮像結果を同一の画面G1内に少なくとも表示してよい。
【0138】
これにより、オペレータは、部品装着装置の表示を確認することで、部品装着に係る複数の工程のうち、後の工程において前の工程における撮像結果を確認できる。よって、オペレータは、例えば操作部OPを操作して、前の工程の撮像結果を手動で検索して表示させることが不要である。
【0139】
また、表示部DPは、第1工程における撮像結果を、第2工程以降の工程において表示してよい。これにより、オペレータは、例えば確認時において実施されている工程と実施時期が大きく異なる工程の状況も容易に確認できる。
【0140】
また、第2工程は、第1工程の次に実施されてよい。これにより、オペレータは、部品装着に係る複数の工程のうち、後の工程において前の工程における撮像結果を確認できる。よって、オペレータは、前の工程の撮像結果を手動で検索して表示させることが不要である。また、オペレータは、各工程の状況を時系列で順に一覧性良く確認できる。
【0141】
また、撮像結果は、撮像対象と撮像部の撮像中心(例えば画像中心c1)との位置ずれを表す画像を含んでよい。各撮像部は、撮像対象(例えば基板9、ノズル、部品)を基準位置(例えば撮像中心)に位置させて撮像することが理想的である。しかし、撮像対象の位置が基準位置に対して位置ずれることがあり得る。オペレータは、画面G1上の画像を確認することで、この位置ずれを容易に確認でき、所定の対応(例えば位置の手動調整)を実施できる。
【0142】
また、表示部DPは、工程毎の撮像結果とともに、各工程を識別する識別情報を表示してよい。これにより、オペレータは、表示された各画像が、どの工程の画像であるかを容易に認識できる。特に、複数の画像の表示領域が変更された場合、つまり画面G1上のレイアウトが変更された場合でも、各画像が示す工程を容易に認識できる。
【0143】
また、工程毎に、撮像対象が異なってよい。これにより、オペレータは、例えば撮像対象を同じとして撮像対象の時系列での変化を確認するだけでなく、部品装着装置による各工程で確認を希望する対象が撮像対象とされることで、各工程での様々な撮像対象の状況を容易に確認できる。
【0144】
また、複数の工程は、部品を装着するための異なる工程であってよい。これにより、オペレータは、各工程として部品装着時の作業を細分化した工程に特化して確認できる。
【0145】
また、本実施形態の部品装着システム(例えば部品搭載システム500)は、複数の工程における作業を経て電子部品を基板に装着する。部品装着システムは、撮像装置510、記憶装置520、及び表示装置530を備える。撮像装置510は、工程毎の撮像対象を撮像する。記憶装置520は、撮像対象の撮像結果を工程毎に記憶する。表示装置530は、記憶装置520に記憶された工程毎の撮像結果を同一の画面G1内に表示する。
【0146】
このように、部品装着システムは、部品装着装置の撮像、記憶、表示に係る構成部の少なくとも一部を別々の装置として実現できる。この場合でも。部品装着システムは、部品装着装置と同様の効果を得られる。
【0147】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0148】
また、上記実施形態では、プロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本開示は、各工程の撮像対象の撮像結果を一覧性良く確認できる部品装着装置、部品装着システム及び部品装着方法等に有用である。
【符号の説明】
【0150】
1 部品搭載装置
2 部品供給装置
3 第1の部品供給装置
5 第2の部品供給装置
7 部品搭載部
8 基板搬送部
9 基板
9m 基準マーク
9p 装着位置
11 搭載ヘッド
13 ヘッド移動機構
13A X軸テーブル
13B Y軸テーブル
15 部品認識カメラ
17 基板認識カメラ
19 天板
21 キャリア保持部
23 ピックアップユニット
25 エジェクタ
27 キャリア
29 マガジン
31 キャリア搬送部
33 保持部移動機構
33a モータ
33b 送りねじ
33c ガイドレール
35 保持部本体
37 移動ベース
43 環状部材
47 駆動部
63 ユニット移動機構
63a モータ
63b 送りねじ
63c ガイドレール
65 開口部
67 カバー
69 開口部
71 ピックアップ部
75 部品撮像部
77 部品保持ヘッド
77a 第1の部品保持ヘッド
77b 第2の部品保持ヘッド
79 第1の移動機構
80 モータ
81 第1の回動軸
83 旋回部材
85 ヘッド保持部
87 保持ヘッド駆動機構
97 撮像部本体
99 鏡筒
101 照明部
103 ハーフミラー
105 レンズ
107 カム駆動モータ
109 第1のカム
111 第2のカム
113 第1のレバー
123 第1の移動片
129 ガイド部材
131 カムフォロア
132 円筒カム
133 弾性部材
147 較正用治具
149 第1の基準マーク
151 第2の基準マーク
153 ポスト
500 部品搭載システム
510 撮像装置
520 記憶装置
530 表示装置
C1 制御部
C2 ピックアップ制御部
C3 搭載ヘッド制御部
C4 算出部
C5 記憶制御部
C6 表示制御部
bf 画像バッファ
c1 画像中心
D1,D1a ダイ
DC ダイ中心
DP 表示部
BF,BFa,BFb,BFc,BFd,BFe,BFf 表示用画像バッファ
G1 画面
G11,G12,G13,G14,G15,G16 画像
M1 記憶部
RA,RB,RC,RD,RE,RF 表示領域
W1 ウエハ