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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026248
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】バイクへのサーフボードの取り付け具
(51)【国際特許分類】
   B62J 11/05 20200101AFI20230216BHJP
【FI】
B62J11/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132072
(22)【出願日】2021-08-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 電気通信回線を通じて発表した掲載年月日:令和3年7月2日、掲載アドレス:https://www.goddess.co.jp/index.php?word=&act=&p=24
(71)【出願人】
【識別番号】595058738
【氏名又は名称】ゴッデスインターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正
(57)【要約】
【課題】特にスクーター型のバイクの側方へのサーフボードの取り付け及び取り外しを容易に行うことができる携帯型のバイクへのサーフボードの取り付け具を提供する。
【解決手段】バイクの一方の側方前側にサーフボードの長手方向一端側を着脱可能に装着する第1の取付けベルト10と、バイクの一方の側方後側に前記サーフボードの長手方向他端側を着脱可能に装着する第2の取付けベルト20を有し、第1の取付けベルトは、バイクのハンドルの支柱部かその近傍に着脱可能に巻き付けて固定できるハンドル支柱部巻き付けベルト300と、このベルトに着脱可能に連結すると共に、サーフボードの長手方向一端側に着脱可能に取り付けるバイク前方側ボード取付けベルト100を有し、第2の取付けベルトは、バイク後方側ボード取付けベルト200でバイクのシート後方側の所定位置に着脱可能に取り付けてサーフボードの長手方向他端側を保持する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイクの側方にサーフボードを着脱可能に取り付けるバイクへのサーフボードの取り付け具であって、
前記バイクの一方の側方前側に前記サーフボードの長手方向一端側を着脱可能に取り付けるための第1の取付けベルトと、前記バイクの一方の側方後側に前記サーフボードの長手方向他端側を着脱可能に取り付けるための第2の取付けベルトを有し、
前記第1の取付けベルトは、前記バイクのハンドルの支柱部かその近傍に着脱可能に巻き付けて固定できるハンドル支柱部巻き付けベルトと、当該ハンドル支柱部巻き付けベルトに着脱可能に連結すると共に、前記サーフボードの長手方向一端側に着脱可能に取り付けるバイク前方側ボード取付けベルトを有し、
前記第2の取付けベルトは、前記バイクのシート後方側の所定位置に着脱可能に取り付けた状態で前記サーフボードの長手方向他端側を保持するようになっており、
前記ハンドル支柱部巻き付けベルトと、前記バイク前方側ボード取付けベルトと、前記バイク後方側ボード取付けベルトは、それぞれ一定範囲の周長に調整可能な長さを有するループ状をなしながら前記サーフボードを前記バイクの側方に取り付けるループ長さ調整部をそれぞれ備えており、
前記サーフボードを前記バイクの側方に取り付ける際に、前記バイクのサイズや前記バイクに装着するサーフボードのサイズに応じて前記各ループ長さ調整手段により前記各取付けベルトのループ長さを調整することで、前記サーフボードを前記バイクに装着したまま前記バイクを走行可能とさせることを特徴とするバイクへのサーフボードの取り付け具。
【請求項2】
前記バイクへのサーフボードの取り付け具は、補助ベルトを更に備え、
前記補助ベルトは、その一端側が前記バイクの運転者の前記サーフボード側の足の所定位置に巻き付けた状態で固定でき、かつその他端側が前記前方側ボード取付けベルトに着脱可能に連結され、更に当該補助ベルトの所定位置には伸縮部が備わり、
前記補助ベルトは、前記バイクの走行中においては、前記運転者が両脚をバイクのステップに乗せた状態では最短の長さになるように縮んでおり、かつ前記バイクを停止した際に前記運転者が当該バイクと前記サーフボードとの間に前記補助ベルトの一端を装着した足を入れてその足で接地してバイクの停止状態を維持させることができるような長さに伸びる程度の伸縮性を有していることを特徴とする請求項1に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具。
【請求項3】
前記ハンドル支柱部巻き付けベルト、前記バイク前方側ボード取付けベルト、前記バイク後方側ボード取付けベルトの少なくとも1つが、所定幅を有するベルトの代わりに前記サーフボードを前記バイクの一方の側方に取り付けた際に当該バイクやサーフボードを傷めない紐状の形態をなすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具。
【請求項4】
前記バイク前方側ボード取付けベルトと、前記バイク後方側ボード取付けベルトはそれぞれ、前記サーフボードを前記バイクの側方に取り付けた状態で見て、当該サーフボードのデッキ面とボトム面、下方側になるレール部を保護しながら保持するサーフボード保護・保持手段を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のバイクへのサーフボードの取り付け具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば排気量50ccの原付やそれ以上の排気量を有するスクーター型のバイク(以下単に「バイク」とする)の側方にサーフボードをしっかりと取り付けた状態で、自転車では往復が困難な距離を走行して目的とするサーフポイントにバイクで行き帰りできるようにする使い勝手に優れたバイクへのサーフボードの取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
サーフィンに適した海岸の比較的近くに住んでいるサーファーは、通常自転車に2本のU字型のサーフボード固定具を取り付けてサーフィンを行うビーチへの往復を行っている。しかしながら、目指すサーフポイントまで幾つかの坂道を越えたりしなければならない程度に海から離れた地域に住んでいるサーファーにとっては、このような自転車にサーフボードを固定して自宅からサーフポイントまでの間往復するのには時間的にも体力的にもかなり無理がある。また、仮にこの移動に自動車を使おうとすると、駐車場の問題や渋滞の問題など余分な様々な問題が生じる。
【0003】
更には、特に近年ではストレス解消と健康維持や向上のために若い人達だけでなく年齢の高い人がサーフィンを楽しむようになっている。そのため、家から海までの往復の経路に体力を浪費することなく、サーフィンを無理せず十分に満喫するために何らかの利便性の高い方策が求められている。
【0004】
なお、スクータータイプの原付やそれ以上の排気量のバイクに上述した自転車のフレームに固定する2本のU字型のサーフボード固定具を取り付けて、自宅からサーフポイントの間までを往復する際に使用する固定式取り付け型サーフボードキャリアが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3176193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年のスクータータイプのバイクは、特にその前方部分が樹脂製のカウルで全体的に覆われており、特別な加工を施さなければU字型パイプの前側の部分を取り付けることができない。同様に、その後側部分も荷台等を除いて樹脂製のカウルでかなりの部分が覆われており、同じく特別な加工を施さなければU字型パイプの後方の部分を取り付けることができない。そのため、2本のU字型パイプをバイクに取り付けるに当たって、U字型パイプのキャリア自体の値段よりも格段に高額な取り付け加工費用を必要としてしまう。
【0007】
更に、バイクに一旦この2本のU字型パイプを取り付けたままマンションなどのバイク置き場に止めておくと、 U字型パイプの部分が非常に邪魔になって他のバイク利用者に迷惑をかけてしまう。これに加えて、サーフィンを行うときだけU字型パイプを取り付け、サーフィンを終えて帰宅した後に体力を消耗した状態でU字型パイプを取り外す作業を行うことは、身体面にかなりの負担をかけることになる。
【0008】
一方、サーフィンに適した波が立つサーフポイントは、その海岸の沿岸上を通過する低気圧やビーチからある程度離れた台風の位置によって異なってくる。具体的には、湘南地方においては、東うねりでは大磯海岸、南うねりでは茅ヶ崎や鵠沼、台風のうねりが入ってこれらの海岸はクローズ状態(サーフィンができない状態)になった場合は、上級者は稲村が崎、それ以外の人達は鎌倉の由比ヶ浜あたりが絶好のサーフポイントとなる。
【0009】
即ち、サーフィンを楽しむにあたって、そのときの気象状態に応じて最適な波が立つサーフポイントを選んで、そこまである程度の距離を移動してからサーフィンを楽しむのが理想的なサーフィンスタイルである。
【0010】
この場合、海岸の近くにサーファーが住んでいたとしても、自分の住んでいる近くの海岸であれば自転車などですぐサーフィンを楽しみに行くことができるが、上述したような近場でもある程度離れたサーフポイントに行くことがその時のサーフィンに適した最高の波に巡り会えるために必要となり、行き帰りがかなり大変で往復するのが実質的に困難となる。
【0011】
以上に加えて、近年は例えばバリ島などの有名なサーフィンポイントでサーフィンを楽しむためのサーフトリップツアーが広まっており、このような海外へのサーフトリップツアーを楽しむ人達も増加している。この場合、例えばバリ島に到着した後に広いクタビーチのホテルの前の限られたエリアのみでしか旅の最中サーフィンを楽しむことができないと、海外サーフトリップの楽しみや醍醐味が半減してしまう。
【0012】
そのため、現地でレンタルバイクを借りてこのバイクにサーフボードを固定してクタビーチ全般のみならずそれ以外のヌサドゥアやウルワツなどの有名なサーフポイントにおける波情報を現地で仕入れてそこまで移動してサーフィンを楽しむと、高価な海外トリップを支払ってもお釣りが来るくらいの思い出深く充実したサーフィンツアーを楽しむことができる。
【0013】
本発明の目的は、特にスクーター型のバイクの側方へのサーフボードの取り付け及び取り外しを容易に行うことができ、かつサーフィンを楽しんでいる間は例えばバイクのシート下側の収容空間にしまっておくことができ、更には遠方にサーフトリップに出かける場合に現地でバイクを借りた際に利用可能な携帯型のバイクへのサーフボードの取り付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係るバイクへのサーフボードの取り付け具は、
バイクの側方にサーフボードを着脱可能に取り付けるバイクへのサーフボードの取り付け具であって、
前記バイクの一方の側方前側に前記サーフボードの長手方向一端側を着脱可能に取り付けるための第1の取付けベルトと、前記バイクの一方の側方後側に前記サーフボードの長手方向他端側を着脱可能に取り付けるための第2の取付けベルトを有し、
前記第1の取付けベルトは、前記バイクのハンドルの支柱部かその近傍に着脱可能に巻き付けて固定できるハンドル支柱部巻き付けベルトと、当該ハンドル支柱部巻き付けベルトに着脱可能に連結すると共に、前記サーフボードの長手方向一端側に着脱可能に取り付けるバイク前方側ボード取付けベルトを有し、
前記第2の取付けベルトは、前記バイクのシート後方側の所定位置に着脱可能に取り付けた状態で前記サーフボードの長手方向他端側を保持するようになっており、
前記ハンドル支柱部巻き付けベルトと、前記バイク前方側ボード取付けベルトと、前記バイク後方側ボード取付けベルトは、それぞれ一定範囲の周長に調整可能な長さを有するループ状をなしながら前記サーフボードを前記バイクの側方に取り付けるループ長さ調整部をそれぞれ備えており、
前記サーフボードを前記バイクの側方に取り付ける際に、前記バイクのサイズや前記バイクに装着するサーフボードのサイズに応じて前記各ループ長さ調整手段により前記各取付けベルトのループ長さを調整することで、前記サーフボードを前記バイクに装着したまま前記バイクを走行可能とさせることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具は、請求項1に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具において、
前記バイクへのサーフボードの取り付け具は、補助ベルトを更に備え、
前記補助ベルトは、その一端側が前記バイクの運転者の前記サーフボード側の足の所定位置に巻き付けた状態で固定でき、かつその他端側が前記前方側ボード取付けベルトに着脱可能に連結され、更に当該補助ベルトの所定位置には伸縮部が備わり、
前記補助ベルトは、前記バイクの走行中においては、前記運転者が両脚をバイクのステップに乗せた状態では最短の長さになるように縮んでおり、かつ前記バイクを停止した際に前記運転者が当該バイクと前記サーフボードとの間に前記補助ベルトの一端を装着した足を入れてその足で接地してバイクの停止状態を維持させることができるような長さに伸びる程度の伸縮性を有していることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具は、請求項1又は請求項2に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具において、
前記ハンドル支柱部巻き付けベルト、前記バイク前方側ボード取付けベルト、前記バイク後方側ボード取付けベルトの少なくとも1つが、所定幅を有するベルトの代わりに前記サーフボードを前記バイクの一方の側方に取り付けた際に当該バイクやサーフボードを傷めない紐状の形態をなすことを特徴としている。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載のバイクへのサーフボードの取り付け具は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のバイクへのサーフボードの取り付け具において、
前記バイク前方側ボード取付けベルトと、前記バイク後方側ボード取付けベルトはそれぞれ、前記サーフボードを前記バイクの側方に取り付けた状態で見て、当該サーフボードのデッキ面とボトム面、下方側になるレール部を保護しながら保持するサーフボード保護・保持手段を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、特にスクーター型のバイクの側方へのサーフボードの取り付け及び取り外しを容易に行うことができ、かつサーフィンを楽しんでいる間は例えばバイクのシート下側の収容空間にしまっておくことができ、更には遠方にサーフトリップに出かける場合に現地でバイクを借りた際に利用可能な携帯型のバイクへのサーフボードの取り付け具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具のバイクの幅方向一方の側の前側に取り付ける第1の取付けベルトを概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具のバイクの幅方向一方の側の後ろ側に取り付ける第2の取付けベルトを概略的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具を用いてサーフボードをバイク幅方向の一方の側に装着した状態を示す側面図である。
図4図3に示した状態に対応する平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具をまとめて収納袋に収納する状態を示す説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具の第1変形例を示す説明図である。
図7】本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具の第2変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るバイクへのサーフボードの取り付け具(以下、適宜単に「バイクへのサーフボードの取付けベルト」とする)について、その一実施形態を示した図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明のあくまで一例を示すものであり、本発明の各構成要件は、本発明を逸脱しない範囲内、即ち本発明の作用効果を発揮し得る範囲内において様々な構成要素を適用可能である。つまり、本発明は、以下に示す実施形態の形状関係.寸法関係、及びこれらの部品やその要素の種類や材質に限定されるものでない。
【0021】
続いて、各図面について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具のバイクの幅方向一方の側の前側に取り付ける第1の取付けベルトを概略的に示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具のバイクの幅方向一方の側の後ろ側に取り付ける第2の取付けベルトを概略的に示す斜視図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具を用いてサーフボードをバイク幅方向の一方の側に装着した状態を示す側面図である。また、図4は、図3に示した状態に対応する平面図である。また、図5は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具をまとめて収納袋に収納する状態を示す説明図である。
【0022】
本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1は、バイク800(図3及び図4参照)の側方にサーフボード500(図3及び図4参照)を着脱可能にしっかりと取り付けるためのもので、バイク800の一方の側方前側にサーフボード500の長手方向一端側を着脱可能に取り付けるための第1の取付けベルト10と、バイク800の一方の側方後側にサーフボード500の他端側を着脱可能に取り付けるための第2の取付けベルト20を有している。
【0023】
そして、第1の取付けベルト10は、バイク800のハンドルの支柱部かその近傍に着脱可能に巻き付けて固定できるハンドル支柱部巻き付けベルト300と、ハンドル支柱部巻き付けベルト300に着脱可能に連結すると共に、サーフボード500の長手方向一端側に着脱可能に取り付けるバイク前方側ボード取付けベルト100を備えている。
【0024】
ハンドル支柱部巻き付けベルト300と、バイク前方側ボード取付けベルト100は、本実施形態の場合、海外旅行用のスーツケースやトランクケースに用いるスーツケースベルトやトランクベルトと同等品のものが使用されている。これ以外にも、荷締めベルト、固定ベルト、固定バンド、結束ベルトと等価的な形状や材質のベルトであっても使用可能である。
【0025】
ベルトの材質としては、ポリプロピレンや、ナイロン(登録商標)、ポリエステルとポリウレタンとポリアセタールの組み合わせなどが使用されてしっかりとした強度と耐久性、耐熱性、耐破損性を有するようになっている。
【0026】
ハンドル支柱部巻き付けベルト300と、バイク前方側ボード取付けベルト100は、それぞれ一定範囲の周長に調整可能な長さを有するループ状をなしながらサーフボード500をバイク800に取り付けるループ長さ調整部120部をそれぞれ備えている。
【0027】
ハンドル支柱部巻き付けベルト300には、ベロクロファスナーが所定長さに亘って備わっており、ハンドル支持部巻き付けベルト300をバイク800に取り付けるに当たって、ループ状のバイク前方側ボード取付けベルト100のループ内に一方の端部を通してから、ハンドル下方のハンドル支持部となる例えばバイク800のバイク前面側ボディカウル810の上方部分にいわば犬の首輪を巻き付けるようにハンドル支持部巻き付けベルトがずれなくなるまでしっかりと巻きつけて、ベロクロファスナーからなる両端結合部310によって互いの端部近傍を重ね合わせるようになっている。
【0028】
ベロクロファスナーによる両端結合部310が十分な範囲の長さを有していることで、例えば50ccの小型の原付スクータータイプから250ccかそれ以上の大型のスクータータイプの何れにもハンドル支柱部巻き付けベルト300をベロクロファスナーからなる両端結合部310をその重ね長さ量を調整しながらしっかりと取り付けることができる。
【0029】
バイク前方側ボード取付けベルト100には、ベルトループ形成用結合バックル110が備わっている。具体的には、バイク前方側ボード取付けベルト100の一方の端部にバックルのメス側ソケットが備わり、その他方の端部にバックルのオス側弾性爪部が備わっている。そして、オス側弾性爪部の幅方向両端部分を指で押してオス側弾性爪部の爪先を狭めながらメス側ソケットにはめ込んでバイク前方側ボード取付けベルト100がループ状をなすようにベルトループ形成用結合バックル110でその両端部を結合するようになっている。
【0030】
ベルトループ形成用結合バックル110は、いわゆる前述したスーツケースやトランクケースに用いるスーツケースベルトやトランクベルトに用いるバックルと同様の強度と耐久性に優れたものが用いられている。
【0031】
また、バイク前方側ボード取付けベルト100には、ループ長さ調整部120が備わっている。なお、本実施形態では、ループ長さ調整部120は、上述したベルトループ形成用結合バックル110の構造上の一部として設けられ、これによってバイク前方側ボード取付けベルト100のループ長さを調整できるようになっている。しかしながら、このループ長さ調整部については、本実施形態と異なり、「日」の文字を縦方向に潰したような形状のスーツケースやトランクケースに用いるスーツケースベルトやトランクベルトと同様のものをバイク前方側ボード取付けベルト100の所定位置に独立して設けても良い。
【0032】
これによって、バイク800の側方に取り付けるサーフボード500の幅や厚みの違いに対応して長さを調整し、バイク前方側ボード取付けベルト100によってサーフボードのこのベルトの巻かれた部分が前方側ボード取付けベルトに対してずれることなくしっかりと固定するようになっている。
【0033】
同じく、バイク800の排気量に応じてバイク800の大きさ(サイズ)が一般的に変わるので、バイク800の側方のちょうど良い高さにサーフボード500を取り付けることができるように、ベルトループ形成用結合バックル110の一部として備わったループ長さ調整部120で調整するのが良い。
【0034】
また、バイク前方側ボード取付けベルト100には、サーフボード500のデッキ面やボトム面、バイク800に装着した状態で中央より前方下側のレールを保護しながらしっかりと保持する可撓性及び変形性に富んだ柔軟で厚みのあるスポンジゴムのチューブからなるサーフボード保護・保持用クッションチューブ130が備わっている。
【0035】
そして、バイク前方側ボード取付けベルト100は、そのループ形成用結合バックル110の形成部分を除いてベルトの一定の長さに亘ってサーフボード保護・保持用クッションチューブ130に挿通されている。
【0036】
具体的には、サーフボード保護・保持用クッションチューブ130は、図3及び図4に示すように、バイクへのサーフボード取付けベルト1を用いてサーフボード500をバイク800に取り付けた状態で走行させた際に、バイク800の走行中にサーフボード500の前側のデッキ面とボトム面、下方前側になるレール部を保護しながらしっかりと保持するようになっている。
【0037】
なお、サーフボード保護・保持用クッションチューブ130の材質や寸法については、公知の自転車に取り付ける2本のU字型からなるサーフボードキャリアに用いるものと同等のものが本発明において使用可能である。
【0038】
なお、バイク前方側ボード取付けベルト100の具体的な取付け方法の一例としては、例えばバイク800に取り付けるサーフボード500がトライフィンのショートボードの場合、トライフィンの部分をバイク800の前方外側に向けてボード後方側の1本のフィンとそれよりボード前方側の2本のフィンの間に形成されているボードのデッキ面とボトム面をバイク前方側ボード取付けベルト100でしっかりと巻き付けて固定する。
【0039】
この際、予めバイク前方側ボード取付けベルト100をハンドル支柱部巻き付けベルト300に通しておき、サーフボード500のトライフィンの部分に巻き付けたバイク前方側ボード取付けベルト100がハンドル支柱部巻き付けベルト300にしっかりと接続してサーフボード500のこの部分をバイク800の一方の側方の所定の高さにしっかりと保持する。
【0040】
以上のことから分かるように、バイク前方側ボード取付けベルト100の長さや幅は、様々な排気量のスクーター型のバイク800の側方のちょうど良い位置に取り付け可能であると共に、バイク800に取り付け可能な大きさのサーフボード500の個々の幅や厚さに対応可能な長さや幅を有している。
【0041】
また、第2の取付けベルト20は、バイク後方側ボード取付けベルト200からなり、バイク800のシート後方側の所定位置(本実施形態では荷台850)に着脱可能に取り付けた状態でサーフボード500の他端側を保持するようになっている。
【0042】
バイク後方側ボード取付けベルトも、本実施形態の場合、ハンドル支柱部巻き付けベルト300と、バイク前方側ボード取付けベルト100と同様に、海外旅行用のスーツケースやトランクケースに用いるスーツケースベルトやトランクベルトと同等品のものが使用されている。これ以外にも、荷締めベルト、固定ベルト、固定バンド、結束ベルトと等価的な形状や材質のベルトであっても使用可能である。
【0043】
ベルトの材質としては、ポリプロピレンや、ナイロン(登録商標)、ポリエステルとポリウレタンとポリアセタールの組み合わせなどが使用されてしっかりとした強度と耐久性、耐熱性、耐破損性を有するようになっている。
【0044】
バイク後方側ボード取付けベルト200にも、バイク前方側ボード取付けベルト100と同様にベルトループ形成用結合バックル210が備わっている。具体的にはバイク後方側ボード取付けベルト200の一方の端部にバックルのメス側ソケットが備わり、その他方の端部にバックルのオス側弾性爪部が備わっている。
【0045】
そして、オス側弾性爪部の幅方向両端部分を指で押してオス側弾性爪部の爪先を狭めながらメス側ソケットにはめ込んでバイク後方側ボード取付けベルト200がループ状をなすようにバックルでその両端部を結合するようになっている。このバックルは、バイク前方側ボード取付けベルト100と同様に、いわゆる前述したスーツケースやトランクケースに用いるスーツケースベルトやトランクベルトに用いるバックルと同様の強度と耐久性に優れたものが用いられている。
【0046】
また、バイク後方側ボード取付けベルト200にも、ループ長さ調整部220が備わっている。なお、本実施形態では、ループ長さ調整部220は、上述したベルトループ形成用結合バックル210の構造上の一部として設けられ、これによってバイク後方側ボード取付けベルト200のループ長さを調整できるようになっている。しかしながら、このループ長さ調整部については、本実施形態と異なり、「日」の文字を縦方向に潰したような形状のスーツケースやトランクケースに用いるスーツケースベルトやトランクベルトと同様のものをバイク後方側ボード取付けベルト200の所定位置に独立して設けても良い。
【0047】
これによって、バイク800の側方に取り付けるサーフボード500の幅や厚みの違いに対応して長さを調整し、バイク後方側ボード取付けベルト200によってサーフボード500のこのベルトの巻かれた部分がバイク後方側ボード取付けベルト200に対してずれることなくしっかりと固定するようになっている。
【0048】
そして、バイク前方側ボード取付けベルト100と同様に、バイク800の排気量に応じてバイク自体の大きさ(サイズ)が一般的に変わるので、バイク800の側方のちょうど良い高さにサーフボード500を取り付けることができるように、ベルトループ形成用結合バックル210の一部として備わったループ長さ調整部220で調整するようになっている。
【0049】
また、バイク後方側ボード取付けベルト200には、バイク前方側ボード取付けベルト100と同様に、サーフボード500のデッキ面やボトム面、バイク800に装着した状態で中央より後方下側のレールを保護しながらしっかりと保持する可撓性及び変形性に富んだ柔軟で厚みのあるスポンジゴムのチューブからなるサーフボード保護・保持用クッションチューブ230が備わっている。
【0050】
そして、バイク後方側ボード取付けベルト200は、ベルトループ形成用結合バックル210の形成部分を除いて、ベルトの一定の長さに亘ってサーフボード保護・保持用クッションチューブ230に挿通されている。
【0051】
具体的には、サーフボード保護・保持用クッションチューブ230は、前方ボード取付けベルト100と同様に、図3及び図4に示すように、バイクへのサーフボードの取り付け具1を用いてサーフボード500をバイク800に取り付けた状態で走行させた際に、バイク走行中にサーフボード500の後側のデッキ面とボトム面、下方後側になるレール部を保護しながらしっかりと保持するようになっている。
【0052】
なお、サーフボード保護・保持用クッションチューブ230の材質や寸法については、公知の自転車に取り付ける2本のU字型からなるサーフボードキャリアに用いるものと同等のものが本発明において使用可能である。
【0053】
バイク後方側ボード取付けベルト200の具体的な取付け方法の一例としては、例えばバイク800に取り付けるサーフボード500がトライフィンのショートボードの場合、トライフィンの部分をバイク800の前方外側に向けてバイク800の一方の側方に装着する際に、サーフボード500のノーズ側のボトム面とデッキ面をバイク後方側ボード取付けベルト200でしっかりと巻きつけて固定する。
【0054】
この際、本実施形態では、予めバイク後方側ボード取付けベルト200をバイク後方に備わる荷台850の一部に通しておき、サーフボード500のノーズ側の部分側に巻き付けたバイク後方側ボード取付けベルト200がサーフボード500のこの部分をバイク800の一方の側方の所定の高さにしっかりと保持する。
【0055】
以上のことから分かるように、バイク後方側ボード取付けベルト200の長さや幅は、様々な排気量のスクーター型のバイク800の側方のちょうど良い位置に取り付け可能であると共に、このバイク800に取り付け可能な大きさのサーフボード500の個々の幅や厚さに対応可能な長さや幅を有している。
【0056】
そして、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1を用いてサーフボード500をバイク800の側方に取り付ける際に、バイク800のサイズやバイク800に装着するサーフボード500のサイズに応じてベルトループ形成用結合バックル110,210のそれぞれの一部として備わったループ長さ調整部120,220により各取付けベルト200のループ長さをしっかりと調整することで、サーフボード500をバイク800にしっかりと装着したままバイク800を走行させることができる。これによって、自転車では実際に往復することが困難である遠くのサーフポイントまでの往復を行き帰りに余分な体力を使うことなく容易にできるようになる。
【0057】
以下に、上述した説明を踏まえて本発明に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1を用いたバイク側方にサーフボード500を手際良くかつ確実に取り付ける手順の一例について、以下に分かりやすく説明する。
【0058】
なお、この手順はあくまで一例を示すものに過ぎず、適宜その他の手順で本発明に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1を用いたバイク側方にサーフボード500を取り付けることができることは言うまでもない。
【0059】
最初に、バイク800のハンドルの支柱部かその近傍、例えば本実施形態の場合、バイク800のバイク前面側ボディカウル810の上側にハンドル支柱部巻き付けベルト300を仮止めする。この際、ハンドル支柱部巻き付けベルト300の両端に備わったベロクロファスナーからなるベルト両端結合部310によってバイク800のサイズに応じてこのベルト取り付け部位において若干緩い程度のループ状を形成するように仮止めする。
【0060】
なお、図3に示す構成においては、ベロクロファスナーによるベルト両端結合部310にバイク前方側ボード取付けベルト100が係合する位置にこのベロクロファスナーによる結合部分を配置している。これによって、ベロクロファスナーを構成するバン両端結合部310がバイク前方側ボード取付けベルト100に引っ張られることでよりしっかりと結合する。
【0061】
続いて、若干緩くループ状をなすように仮止めしたハンドル支柱部巻き付けベルト300にバイク前方側ボード取付けベルト100の一端を通した後、両者が互いにループ状をなしながら連結するようにベルトループ形成用結合バックル110でハンドル支柱部巻き付けベルト300に取り付ける。なお、この際、バイク前方側ボード取付けベルト100のループの大きさが、これによって固定するサーフボードの部位よりも若干余裕を持った大きさのループとして形成されるようにバックルを仮止めする。
【0062】
これと共に、バイク800の排気量に応じてバイク800の大きさが一般的に変わるので、バイク800の側方のちょうど良い高さにサーフボード500を取り付けることができるように、ベルトループ形成用結合バックル110の一部として備わったループ長さ調整部120で調整しておく。
【0063】
同じく、この状態において、サーフボード保護・保持用クッションチューブ130を、図3及び図4に示す位置に対応するようにバイク前方側ボード取付けベルト100に沿って所定位置にずらしておく。即ち、この位置は、サーフボード500をバイク800の側方に取り付けた後にサーフボード500のデッキ面やボトム面、バイク800に装着した状態で中央より前方下側のレールを保護しながらしっかりと保持するのに相応しい位置である。
【0064】
次いで、バイク後方側ボード取付けベルトをバイク800に取り付ける。この取り付けにあたって、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、バイク800の荷台850にバイク後方側ボード取付けベルト200の一端を通した後にベルトループ形成用結合バックル210で若干余裕のあるループ形状をなすように仮取付けしておく。
【0065】
この際のループの大きさは、上述したバイク前方側ボード取付けベルト100と同様に、これによって固定するサーフボード500の部位よりも若干余裕を持った大きさのループとして形成されるようにバックルを仮止めする。
【0066】
これと共に、バイク800の排気量に応じてバイク800の大きさが一般的に変わるので、バイク側方のちょうど良い高さにサーフボード500を取り付けることができるようにベルトループ形成用結合バックル210の一部として備わったループ長さ調整部220で調整しておく。同じく、この状態において、サーフボード保護・保持用クッションチューブ230を、図5に示す位置に対応するようにバイク後方側ボード取付けベルト200に沿って所定位置にずらしておく。即ち、この位置は、サーフボード500をバイク800の側方に取り付けた後にサーフボード500のデッキ面やボトム面、バイク800に装着した状態で中央より後方下側のレールを保護しながらしっかりと保持するのに相応しい位置である。
【0067】
そして、サーフボード500をバイク800の側方に仮取付けする。この際、バイク前側に位置するサーフボード500の長手方向一方の端部の近傍をバイク前方側ボード取付けベルト100によって形成された余裕のあるループ部分に通して仮取付けすると共に、バイク後ろ側に位置するサーフボード500の長手方向他方の端部近傍をバイク後方側ボード取付けベルト200によって形成された余裕のあるループ部分に通して仮取付けする。
【0068】
なお、本実施形態の場合、サーフボード500のテール部分をバイク前方側ボード取付けベルト100に仮取付けすると共に、サーフボード500のトップ部分をバイク後方側ボード取付けベルト200に仮取付けする。また、サーフボード500のデッキ面をバイク側に接するように、即ちフィンの形成されたボトム面をバイク800の外側に向くようにサーフボード500をバイク側方に仮取付けする。
【0069】
ここで、本実施形態の場合、図3及び図4に示すように、トライフィンの部分をバイク800の前方外側に向けてボード後方側の1本のフィンとそれよりボード前方側の2本のフィンの間に形成されているボードのデッキ面とボトム面をバイク前方側ボード取付けベルト100が位置するように仮取付けする。そして、サーフボード500をバイク800に取り付けた状態で走行させた際に、サーフボード500がバイク800の側方に対してちょうど良い高さや前後方向の位置にしっかりと取り付けられた状態を維持するように、ハンドル支柱部巻き付けベルト300のベロクロファスナーからなる両端結合部310でハンドル支柱部巻き付けベルト300をバイク800のハンドル支持部近傍の所定位置にしっかりと締め付け固定する。
【0070】
即ち、ハンドル支持部巻き付けバンド300をハンドル支持部回りにおいてしっかりと巻き締めることで、その状態でバンド両端結合部310を仮結合状態から本結合状態にしてハンドル支持部巻き付けバンド300のバイク800への巻き締め固定をしっかりと行うことができる。
【0071】
これと同時に、バイク前方側ボード取付けベルト100とバイク後方側ボード取付けベルト200のベルトループ形成用結合バックル110,210の一部としてそれぞれに備わったループ長さ調整部120,220で各ベルトの長さをしっかりと締め付け調整する。同じく、サーフボード保護・保持用クッションチューブ130,230のそれぞれがバイク走行中にサーフボード500の後側のデッキ面とボトム面、下方後側になるレール部を保護しながらしっかりと保持するように確認調整する。
【0072】
特に、バイク800のマフラー890がサーフボード500の取付け側にある場合、バイク後方側ボード取付けベルト200のサーフボード保護・保持用クッションチューブ230がバイク800のマフラー890とサーフボード500との間に介在してマフラー890の熱がサーフボード500の表面に直接伝達しないようにするのが良い。
【0073】
なお、サーフボード500は必ずロッカー(ボード長手方向に沿って一方側に向かった反り)を有しているので、例えば本実施形態を示す図3の平面図のように、サーフボード500のボトム面(フィンが形成されている面)がバイク800に対してボートの反対側を向くようにサーフボード500をバイク800の側方に取り付けることで、図4に示す平面図から明らかなように、サーフボード500の長手方向、即ちバイク800の中央部辺りが最も膨出した流線型形状を有するようになる。
【0074】
これによって、自転車とは異なり、走行中にある程度のスピードが出て前方から走行風を受ける場合に、このようにサーフボード500のボトム面の中央部がバイク側方の外側に最も膨出することで、走行風の風圧がサーフボード500をバイク800の側方に押し付けるように作用する。その結果、走行中にサーフボード500をバイク800の側方にしっかりと取り付けた状態を維持することができ、好ましいと言える。
【0075】
しかしながら、サーフボード500のバイク800への取り付け形態に関して、図3及び図4に示す本実施形態のような取り付け形態に限定されるものではなく、例えばバイク800の前側にサーフボード500のトップが向いて後側にテールが向くように取り付けても良く、サーフボード500のボトム面をバイク800と接する側にすると共に、デッキ面をこれと反対側であるバイク800の外側に向かうように取り付けても、本発明の作用を発揮することは可能である。
【0076】
以上説明した本発明の一実施形態に係る構成から明らかなように、本発明に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1を用いてサーフボードをスクーター型のバイク800に取り付けることによって、上述の解決すべき課題の欄で記載した具体的な課題を全て解決することができる。そして、本発明の効果において記載したように、スクーター型のバイク800の側方にサーフボード500を容易に取り付けることができると共に取り外すことができる。
【0077】
更には、かつサーフィンを楽しんでいる間は、例えばバイク800のシート下側の収容空間にしまっておくことができる。
【0078】
更には遠方にサーフトリップに出かける場合に現地でバイク800を借りた際に活用できる。これは、図5を参照すれば容易に理解できる。図5は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1をまとめて収納袋に収納する状態を示す説明図である。このように本発明によると、携帯型の非常に使い勝手の良いバイクへのサーフボードの取り付け具1を提供することが可能となる。
【0079】
続いて、上述した実施形態の変形例に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1の第1変形例を示す説明図である。また、図7は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1の第2変形例を示す説明図である。なお、上述の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0080】
最初にこれらの変形例の概要について説明する。この第1及び第2変形例に係るバイクへのサーフボードの取り付け具は、バイクへのサーフボードの取り付け具が、補助ベルトを更に備えている。そして、補助ベルトは、その一端側がバイクの運転者のサーフボード側の足の所定位置に巻き付けた状態で固定でき、かつその他端側が前方側ボード取付けベルトに着脱可能に連結されている。補助ベルトは更に、その中間部分の所定位置において伸縮部が備わっている。そして、補助ベルトにこのような伸縮部が備わっていることで、補助ベルトは、バイクの走行中においては、運転者が両脚をバイクのステップに乗せた状態では最短の長さになるように縮んでいる。
【0081】
これと同様に、補助ベルトに備わる伸縮部は以下のような程度の伸縮性を有している。具体的には、バイクを停止した際に運転者がバイクとサーフボードとの間に補助ベルトの一端を装着した足を入れてその足で接地してバイクの停止状態を維持させることができるような長さに伸びる程度の伸縮性を有している。
【0082】
図6は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1の第1変形例を示す説明図である。また、図7は、本発明の一実施形態に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1の第2変形例を示す説明図である。
【0083】
補助ベルトの伸縮部は、この図面から明らかなように、上述の作用効果を発揮できる構造の一例として、例えば図6(a)及び図6(b)に示すように十分な引っ張り力を必要とする弾性圧縮コイルばね状のコードの形態を有していても良く、若しくは図7(a)及び図7(b)に示すように補助ベルトの一部を十分な引っ張り力を必要とする弾性ゴム材としても良い。
【0084】
以下、図6及び図7における第1及び第2変形例の補助ベルトの図面に対応させた補足説明を行う。図6(a)は、本発明の上述した実施形態の第1変形例に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1を用いてサーフボードをバイク800の側方に取り付けてバイク800を走行させている状態を示している。
【0085】
この図から明らかなように、第1変形例に係る補助ベルト150の中間部に備わる伸縮部155は、圧縮コイルばねのごとく弾性コイル形状の形態を有しており、補助ベルト150の伸縮部155が縮んだ状態で、一方の端部をバイク800の運転者900のサーフボード側の脛910の部分にベロクロファスナーなどの結合素材を用いてしっかりと結合させている。また、他方の端部をバイクへのサーフボードの取り付け具1の前方側サーフボード取付けベルト100の所定位置に同じくベロクロファスナーなどの結合素材を用いてしっかりと結合させている。
【0086】
サーフボード500は、ハンドル支柱部巻き付けベルト300とバイク前方側ボード取付けベルト100、及びバイク後方側ボード取付けベルト200によって前後方向の2箇所においてバイク自体の側方に吊り下げられるように取り付けられているが、この補助ベルトを例えば、その他端をバイク前方側取付けベルト100の下側部分に結合することで、バイク800の走行中に補助ベルト150の引っ張り力によってサーフボード500がバイク800の幅方向に揺動するのを防止する。
【0087】
これによって、例えば図6に示すような状態において、走行中に右側にバイク800をかなり傾けて右折したりカーブを走行したりした場合においても、サーフボード500をバイク800の側方にしっかりと固定したまま安定した状態で走行させることができる。その結果、サーフボード500をバイク800に取り付けたままかなりの長距離に亘って走行することができ、広範囲にわたってサーフトリップを楽しむことを可能にする。
【0088】
一方、赤信号や渋滞などでバイク800を一旦停止させる場合、どちらかの足を設置させたければいけないが、この第1変形例を用いることで、例えば図6(b)に示すようにサーフボード500をバイク800の右側方に取り付けている場合、サーフボード500とバイク800のステップの間に右足920を入れてその足裏を道路にしっかりと接地させてバイク800を安定して提出させたままとすることができる。
【0089】
この際、補助ベルト150の圧縮コイルばね状の伸縮部155が、運転者900の右足920の動作によって引っ張られて伸びることで、この運転者900の右足920の動作を妨げることなく右足920の足裏を道路に接地させてバイク800を停止させたままとすることができる。
【0090】
なお、本発明の第2変形例に係るバイクへのサーフボードの取り付け具1についても、図7(a)及び図7(b)のそれぞれに示す図が図6(a)及び図6(b)に対応して同様な作用効果を発揮するようになっている。
【0091】
即ち、第2変形例における補助ベルト160においては、第1変形例のような圧縮コイルばね状の伸縮部155が補助ベルト150の一部に備わる代わりに、ある程度の引っ張り力を作用すると、図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態に伸びることができるゴムベルト状の伸縮部165として、補助ベルト160の真ん中辺りに形成されている。
【0092】
この場合であっても、図6図7を対比してみると明らかなように、上述した図6に示す第1変形例の作用効果と同等の作用効果をこの第2変形例も発揮することができる。
【0093】
なお、本発明は、上述した実施形態及びその変形例において紹介した形状、寸法、材質、具体的な接続方法に限定されることはなく、本発明の作用を発揮し得る範囲内であれば様々な形態の構成要素を使用することが可能である。
【0094】
具体的には、例えば、上述の実施形態においては、バイク前方側ボード取付けベルトとバイク後方側ボード取付けベルトはそれぞれ、サーフボードをバイクの側方に取り付けた状態で見て、サーフボードのデッキ面とボトム面、下方側になるレール部を保護しながら保持するサーフボード保護・保持手段としてのサーフボード保護・保持用クッションチューブを備えている。
【0095】
しかしながら、バイク前方側ボード取付けベルトとバイク後方側ボード取付けベルトの双方がサーフボード保護・保持用クッションチューブをそれぞれ備えている必要は必ずしもなく、バイク前方側ボード取付けベルトとバイク後方側ボード取付けベルトの片方若しくは双方がサーフボードを傷めないようにサーフボードのデッキ面とボトム面、下方側になるレール部を直接保持するようにしても良い。
【0096】
また、例えば、ハンドル支柱部巻き付けベルト、バイク前方側ボード取付けベルト、バイク後方側ボード取付けベルトの少なくとも1つが、所定幅を有するベルトの代わりにサーフボードをバイクの一方の側方に取り付けた際にバイクやサーフボードを傷めない紐状の形態を有していても、本発明の範囲に当然に含まれるものである。
【0097】
更にはバイク前方側ボード取付けベルトとバイク後方側ボード取付けベルトのそれぞれの幅については寸法上自由度があるが、好ましくはサーフボードがトライフィンの場合、サーフボードをバイクの側方に取り付けた状態において、トライフィンが前方側に位置する場合、その最もボトムに近い1本のフィンとこれよりボード長手方向に若干離れて並行して備わった2本のフィンとの間にその部分を固定するベルトがちょうど入り込む程度の幅を有しているのが良い。
【0098】
同じく、サーフボードがクワッドフィンの場合、その最もボトムに近い2本のフィンとこれよりボード長手方向に若干離れて並行して備わった2本のフィンとの間にその部分を固定するベルトがちょうど入り込む程度の幅を有しているのが良い。
【0099】
バイクの場合は自転車と異なり、加速や減速の際に後方や前方に大きな慣性力がサーフボードに作用するが、バイク前方側ボード取付けベルトとバイク後方側ボード取付けベルトのそれぞれの幅をこのようにすることで、それぞれのフィンが、これらの慣性力がサーフボード全体に直接作用させない役目を果たすストッパーとして機能し、バイクの加速時や減速時において慣性力によりバイク側方へのボードの取付け状態にズレが生じてバイクへのサーフボードの取り付け具全体の締め付けの緩みの原因になったりするのを防止することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 バイクへのサーフボードの取り付け具
10 第1の取付けベルト
20 第2の取付けベルト
100 バイク前方側ボード取付けベルト
110 ベルトループ形成用結合バックル
120 ループ長さ調整部
130 サーフボード保護・保持用クッションチューブ
150 補助ベルト
155 圧縮コイルばね状の伸縮部
160 補助ベルト
165 ゴムベルト状の伸縮部
200 バイク後方側ボード取付けベルト
210 ベルトループ形成用結合バックル
220 ループ長さ調整部
230 サーフボード保護・保持用クッションチューブ
300 ハンドル支柱部巻き付けベルト
310 両端結合部
500 サーフボード
800 バイク
810 バイク前面側ボディカウル
850 荷台
890 マフラー
900 運転者
910 脛
920 右足
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7