(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026269
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】7の倍数の判別カードおよび用具
(51)【国際特許分類】
G09B 19/02 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G09B19/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021150626
(22)【出願日】2021-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】592234425
【氏名又は名称】中元 恒
(71)【出願人】
【識別番号】593142204
【氏名又は名称】中元 保子
(72)【発明者】
【氏名】中元 恒
(72)【発明者】
【氏名】中元 保子
(57)【要約】
【課題】 ある自然数が7の倍数か否かを判別するには、計算に手間がかかることが多かった。本発明は、2桁以上の自然数について、7の倍数を判別するに際し、比較的簡単に判別できるようになった。そこで、計数処理に役立てたり、素数の7の倍数の判別に利用できるほか、因数分解にも役立てることが可能となった。
【解決手段】 ある自然数について、7の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=7N(aは1桁以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、a-2b=7(3a-2N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にプラス7かマイナス7あるいはゼロになるので、もとの自然数が7の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数についてこのような操作の繰り返しを利用することによって、7の倍数を判別するカード及び用具を提供できるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2桁以上のある自然数について、7の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=7N(aは1桁以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、(a-2b)=7(3a-2N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にプラス7かマイナス7あるいはゼロになるので、もとの自然数が7の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数についてその操作の繰り返しを利用することによる7の倍数を判別するカード及び用具。
【請求項2】
2桁以上のある自然数について、7の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=7N(aは1桁以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、(a-2b)=7(3a-2N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にマイナス14になる場合が例外的にある。この場合も、もとの自然数についてその操作の繰り返しを利用することによる7の倍数を判別するカード及び用具。
【請求項3】
ある自然数について、7の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=7N(aは1桁以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、(a-2b)=7(3a-2N)となるので、このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的にプラス7かマイナス7あるいはゼロ(例外的にマイナス14)になる。よって、もとの自然数が7の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数についてその操作の繰り返しを利用することによる7の倍数を判別するカード及び計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、映像などの用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な数字や桁数の多い数字(ある自然数)を因数分解したり、その約数を見つけたり、素数の判別や計数処理に役立ち、7の倍数か否かを判別することや、更に計数処理に応用できるカード、事務器具及び計算機などの用具に関する。
【背景技術】
【0002】
大きい数字(ある自然数)を因数分解したり、約したりすることはよく行われることであり、従来より、2、3、4、5、6、8、9、11等の素数やその数倍の数字の倍数を判別することはよく知られている。
【0003】
また、7の倍数を判別することは、以下の特許文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06-149149号公報
【特許文献2】特開平07-005802号公報
【特許文献3】特開平07-005803号公報
【特許文献4】特開平07-013481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の先行技術文献よりも、2桁以上の7の倍数を簡単に判別することができるものであり、特に、桁数の多い自然数について、7の倍数か否かを判別するのに役立てたり、計数処理に利用したり、素数の判別や因数分解などに役立てるものである。
従来の先行技術文献でも7の倍数を判別することができたが、さらに簡単に判別できるようにすることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、7N(Nは1以上の自然数、以下同じ)で表される7の倍数の自然数を(10a+b)(aは1桁以上の整数、bは0又は1桁の整数、以下同じ)で表すとすると、10a+b=7Nより、b=7N-10aになり、a-2b=7(3a-2N)となるので、a-2bは7の倍数になる。そのため、このような1回の操作で(10a+b)の自然数の数字の桁数が基本的に1桁少なくなる。そこで、1桁少なくなった数字に、上記の操作を繰り返すと、桁数がさらに1桁少なくなる。その操作を何回も繰り返すと最後には桁数が1桁あるいは2桁(マイナス14)になり、1桁の場合は、0又は7あるいはマイナス7になる。
【0007】
例外として、この操作で数字が2桁になった場合の28と49では、最後の(a-2b)の操作でマイナス14になるが、14に対してこの操作をすればマイナス7になる。
【0008】
本発明は上記の方法を応用した2桁以上の7の倍数を判別するカード及び計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、映像などの用具として利用するものであり、その材料は特に制限はなく、公知のものが使用でき、その大きさも利用目的によって自由に設定することができる。
【0009】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は2桁以上の自然数(桁数に拘わらず、上限は特に制限なし)に利用できるものであり、本発明では、例示として、2~10桁の数字で行った。
【実施例0010】
7の倍数の2桁の自然数(14,21、28,35、42、49、56、63、70、77、84、91、98)について、上記の(a-2b)の操作を行うと、それぞれ(マイナス7、0、マイナス14、マイナス7、0、マイナス14、マイナス7、0、7、マイナス7、0、7、マイナス7)となる。例外として、2桁からの操作で、桁数が1桁少ない1桁にならないのは、元の自然数が28と49であるが、これらは、マイナス14の14について、(a-2b)の操作を行うと、マイナス7となる。
自然数が3桁の581が7の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは58、bは1になる。上記の(a-2b)は(58-2×1=56)になる。さらにこの56についてaは5、bは6なので、a-2b=5-2×6=マイナス7になる。そこで、581は7の倍数であることがわかる。