(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026290
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】WEB通話システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20230216BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20230216BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04L67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014340
(22)【出願日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2021131577
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504124635
【氏名又は名称】株式会社サガス
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片渕 藤夫
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA04
5K201BC01
5K201CA06
5K201CB06
5K201EA05
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED07
5K201EF06
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】通話料金が廉価で、リアルタイムで所望の情報を得ることができるWEB通話システムを提供する。
【解決手段】通話元の第1端末装置2と、通話先の第2端末装置3と、前記端末装置2,3の間のWEBを介したリアルタイム通信によるWEB通話を制御するサーバ1と、を備える。サーバ1は、通話元の第1端末装置2がWEBサイトを閲覧中に、当該WEBサイトに設けられた通話呼び出しボタンBをONすることで前記通話元の第1端末装置2から通話呼び出し指令を入力したら、当該通話呼び出し指令に定義されたURLへ接続し、当該URLを閲覧している前記通話先の第2端末装置3に通話呼び出しがされている旨を出力し、前記通話先の第2端末装置3から通話可能指令を入力したら、前記通話元の第1端末装置2及び前記通話先の第2端末装置3にて作動中のWEBブラウザに専用通話WEBサイトを表示し、WEB通話を許可する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話元の端末装置と、通話先の端末装置と、前記端末装置の間のWEBを介したリアルタイム通信によるWEB通話を制御するサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記通話元の端末装置がWEBサイトを閲覧中に、当該WEBサイトに設けられた通話呼び出しボタンをONすることで前記通話元の端末装置から通話呼び出し指令を入力したら、当該通話呼び出し指令に定義されたURLへ接続し、当該URLを閲覧している前記通話先の端末装置に通話呼び出しがされている旨を出力し、
前記通話先の端末装置から通話可能指令を入力したら、前記通話元の端末装置及び前記通話先の端末装置にて作動中のWEBブラウザに専用通話WEBサイトを表示し、前記通話元の端末装置と前記通話先の端末装置との間のWEB通話を許可するWEB通話システム。
【請求項2】
前記通話呼び出しボタンは、前記通話元の端末装置が閲覧するWEBサイトに複数設けられ、
前記それぞれの通話呼び出しボタンに、互いに異なるURLが定義されている請求項1に記載のWEB通話システム。
【請求項3】
前記通話呼び出しがされている旨の出力は、音信号である請求項1又は2に記載のWEB通話システム。
【請求項4】
前記第2端末装置の少なくとも一部は、スマートフォンである請求項1~3のいずれかに記載のWEB通話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WEB通話システムに関し、特にインターネットのWEBサイトに設けられた通話ボタンをクリックすると通話可能となるWEB通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、WEBサイトを閲覧している場合に、そのWEBサイトに掲載されたコンテンツ、たとえば商品やサービスの詳細を知りたいときは、そのWEBサイトに記載された連絡先に電話したり、電子メールを送信したりすることが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、WEBサイトに記載された連絡先に電話すると通話料金が発生する。勿論、無料通話の電話も設定されているが、通話が無料というのは電話をかけた者が無料という意味であり、事業者が通話料金を支払っていることに変わりはない。また、電子メールによる連絡ではリアルタイムで知りたい情報を得ることはできない。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、通話料金が廉価であり、しかもリアルタイムで所望の情報を得ることができるWEB通話システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、WebRTCなどによるWEB通話を制御するサーバと、通話元の端末装置と、通話先の端末装置と、を備えるWEB通話システムにおいて、
予め所望のWEBサイトに通話先の端末装置に接続するための通話呼び出しボタンを設けておき、
通話元の端末装置が当該WEBサイトを閲覧中にこの通話呼び出しボタンをONすることで通話元の端末装置から通話呼び出し指令が出力されたら、当該通話呼び出し指令に定義されたURLへ接続し、当該URLを閲覧している通話先の端末装置に通話呼び出しがされている旨を出力し、
前記通話先の端末装置から通話可能指令が出力されたら、前記通話元の端末装置及び前記通話先の端末装置にて作動中のWEBブラウザに専用通話WEBサイトを表示し、前記通話元の端末装置と前記通話先の端末装置との間のWEB通話を許可することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、通話呼び出しボタンをONするだけでWEB通話が許可されるので、通話料金が廉価であり、しかもリアルタイムで所望の情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係るWEB通話システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【
図2】本発明に係るWEB通話システムの通話呼び出しボタンを使用したWEBサイトの一例を示す図である。
【
図3】本発明に係るWEB通話システムの通話呼び出しボタンとURLとの関係の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係るWEB通話システムの一実施の形態において、通話元及び通話先の端末装置のディスプレイに表示される専用通話WEBサイトの一例を示す図である。
【
図5】本発明に係るWEB通話システムの一実施の形態で実行される情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のWEB通話システムSは、WebRTC(Web Real-Time Communication)などのように、ウェブブラウザを経由してリアルタイム通信を実行するシステムであり、ウェブページ内で直接ピア・ツー・ピア通信を行う。これにより、プラグインのインストールやネイティブアプリをダウンロードしなくても、ウェブブラウザ間のボイスチャット、ビデオチャット、ファイル共有などを行うことができる。本実施形態のWEB通話システムSは、特に限定はされず、WEBサイトに掲載されたコンテンツの質問、申し込み、入会・解約、相談などのサービスに利用することができる。
【0009】
図1は、本発明に係るWEB通話システムの一実施の形態を示すブロック図である。本実施形態のWEB通話システムSは、
図1に示すように、サーバ1と、当該サーバ1にインターネット4を介して接続された第1端末装置2及び第2端末装置3と、を備える。これらサーバ1、第1端末装置2、第2端末装置3は、いずれも、プログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(MPUその他の演算処理装置でもよい)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMと、通信装置として機能するインターフェースとを備えるコンピュータで構成されている。
【0010】
サーバ1は、第1端末装置2と第2端末装置3との間の、WEBを介したリアルタイム通信による音声通話又はビデオ通話を制御するコンピュータである。
【0011】
サーバ1に接続する第1端末装置2と第2端末装置3は、サーバ1による制御の下で、WebRTCによる音声通話又はビデオ通話を実行する。そのため、第1端末装置2及び第2端末装置3のそれぞれは、ユーザが使用するマイクロホンとスピーカ又はこれらをまとめたヘッドセットと、動画を撮影するカメラとを備える。なお、音声通話による場合はカメラを備えなくてもよい。そして、第1端末装置2をサービス収受側の端末装置、第2端末装置3をサービス提供側の端末装置として、音声通話又はビデオ通話が行われる。なお、
図1に示す例は、サービス収受側の第1端末装置2も、サービス提供側の第2端末装置3も1台としたが、たとえば複数台の第1端末装置2に対して、1台の第2端末装置3を接続してもよい。さらに、複数の第1端末装置2に対して、複数の第2端末装置3を接続してもよい。また、第1端末装置2及び第2端末装置3として、スマートフォン、ディスクトップパソコン、ノートパソコン、PDAなど、少なくともWEBサイトの閲覧機能と、本実施形態のWEB通話システムのソフトウェアの実行機能とを有するデバイスを例示することができる。
【0012】
図2は、本発明に係るWEB通話システムSを使用したWEBサイトの一例を示す図であり、第1端末装置2のディスプレイ21に表示された例を示す。本実施形態のWEB通話システムSは、通話呼び出しボタンBが貼り付けられたWEBサイトを対象にし、本実施形態のWEB通話システムSを利用するゲストが、第1端末装置2にインストールされたWEBブラウザを用いて
図2に示すWEBページに接続し、そこに掲載された商品やサービスのコンテンツを閲覧した場合に、そのサイト内の特定の商品やサービスの詳細を知りたいときには、通話呼び出しボタンBを使用し、リアルタイムのWEB通話にて情報を収集する。
【0013】
たとえば、英会話のマンツーマン授業を受けたいと思っているゲストが、A社のWEBサイトを閲覧すると、講師X氏、Y氏…のように、何人かの講師が掲載され、講師ごとに提供される具体的な英会話教育の内容が記載されているとする。ゲストが、興味があると思った、たとえば講師X氏の授業内容をさらに詳細に知りたい場合には、講師X氏の紹介の近くに貼り付けられた通話呼び出しボタンBをクリック(ON)すると、A社が提供する英会話マンツーマン授業のサポートセンターに設置された第2端末装置3との間でWEB通話が開始される。
【0014】
こうした通話呼び出しボタンBは、WEBサイトの任意の位置に任意の数だけ貼り付けることができ、通話呼び出しボタンBをクリックすると、その通話呼び出しボタンBに応じて定義されたURL(Uniform Resource Locator)がHTTP通信によりサーバ1に出力され、これを受信したサーバ1は、URLを閲覧している第2端末装置3に通話呼び出し音を出力する指令信号を送信する。つまり、サポートセンターなどに設置された第2端末装置3が、当該第2端末装置3にインストールされたWEBブラウザを用いてお客様サポートのWEBサイトを閲覧している間に、ゲストである第1端末装置2により通話呼び出しボタンBがクリックされると、即座に第2端末装置3に通話呼び出し音が鳴る。
【0015】
図3は、本実施形態のWEB通話システムSの通話呼び出しボタンBとURLとの関係の一例を示す図である。WEBサイトに複数の通話呼び出しボタンBを貼り付けた場合、
図3に示すようにそれぞれの通話呼び出しボタンBに、互いに異なるURLを定義することができる。これにより、クリックされる通話呼び出しボタンBに応じて異なる対応窓口を設定することができる。
【0016】
サーバ1は、第2端末装置3が通話呼び出し音を鳴らし、当該第2端末装置3のオペレータが呼び出し音に気付いて第2端末装置3のWEBブラウザの表示画面に表示された通話可能ボタン(不図示)をクリック(ON)すると、第1端末装置2のWEBブラウザ及び第2端末装置3のWEBブラウザの各表示画面を専用通話WEBサイトに遷移させる。
図4は、第2端末装置3のディスプレイ31に表示される専用通話WEBサイトの表示画面の一例を示す図であり、音声通話の例を示す。この専用通話WEBサイトが、WebRTCによるWEB通話サイトである。
【0017】
上述したとおり、第2端末装置3は、ディスクトップパソコンやノートパソコンのほかスマートフォンにより構成することができる。スマートフォンに本実施形態のWEB通話システムのアプリケーションソフトウェアをインストールして第2端末装置3として用いると、いずれかの窓口A~Fを担当するオペレータは、当該スマートフォンを携帯しておけば、移動中や屋外など定位置にいなくても、呼び出し音又はバイブレーションによりゲストからの着信に気付き易い。また、スマートフォンを携帯しておけば、定位置にいなくてもそのままスマートフォンでの通話応対が可能となる。
【0018】
次に、本実施形態のWEB通話システムSによる操作内容を説明する。
図5は、本実施形態のWEB通話システムSで実行される情報処理を示すフローチャートである。
【0019】
まずステップS1において、第1端末装置2を用いて、
図2に示すWEBサイトを閲覧していたゲストが、通話呼び出しボタンBをクリックすると、これがサーバ1に送信される。続くステップS2において、サーバ1は、クリックされた通話呼び出しボタンBに定義されたURLへHTTP通信により接続し、ステップS3において、当該URLに接続している第2端末装置3のスピーカから通話呼び出し音を出力する信号を送信する。これにより、ステップS4において、そのURLに接続している第2端末装置3のスピーカから通話呼び出し音が鳴る。なお、第2端末装置3がスマートフォンである場合、通話呼び出し音に代えてバイブレーション機能が作動することもある。
【0020】
続くステップS5において、第2端末装置3を操作するオペレータが、通話可能な場合には、第2端末装置3のWEBブラウザの表示画面に表示された通話可能ボタンをクリック(ON)する。これにより、その後の処理はステップS8へ進むが、通話呼び出し音が鳴ったときにオペレータが他のWEB通話に対応中又は手が離せない場合など通話可能ボタンが所定時間内にクリックされないときは、ステップS6へ進み、サーバ1は、第1端末装置2に対し、現在通話先であるお客様サポートが満枠中である旨を送信する。これにより、ステップS7において、第1端末装置2のディスプレイには、通話先が満枠である旨の表示がされる。
【0021】
ステップS5において、第2端末装置3を操作するオペレータが、第2端末装置3のWEBブラウザの表示画面に表示された通話可能ボタンをクリックすると、これを受信したサーバ1は、ステップS8において、第1端末装置2及び第2端末装置3のそれぞれのディスプレイに表示されたWEBサイトを、
図4に示すような専用通話WEBサイトに遷移する。これにより、ステップS9において、ゲストが使用する第1端末装置2と、お客様サポートセンターのオペレータが使用する第2端末装置3とがWebRTCで接続され、音声通話又はビデオ通話が開始される。
【0022】
そして、ゲストが使用する第1端末装置2のディスプレイには、お客様サポートセンターのオペレータが使用する第2端末装置3のカメラで撮像した、たとえばオペレータの画像や、第2端末装置3で読み出した文書データなどが表示されるとともに、ゲストが使用する第1端末装置2のスピーカには、第2端末装置3のマイクロホンで集音したオペレータの音声が出力される。同様に、オペレータが使用する第2端末装置3のディスプレイには、ゲストが使用する第1端末装置2のカメラで撮像した、たとえばゲストの画像や、第1端末装置2で読み出した文書データなどが表示されるとともに、オペレータが使用する第2端末装置3のスピーカには、第1端末装置2のマイクロホンで集音したゲストの音声が出力される。このような音声通話又はビデオ通話を通じて、ゲストとオペレータとの会話が行われる。
【0023】
以上のとおり、本実施形態のWEB通話システムSによれば、WEBサイトの所望箇所に通話呼び出しボタンBを設けておき、ゲストがこの通話呼び出しボタンBをクリックするだけで通話先の第2端末装置3にて呼出音が鳴り、通話可能ボタンをクリックすると、第1端末装置2及び第2端末装置3のそれぞれのWEBブラウザに専用通話WEBサイトが表示され、WebRTCによるWEB通話が開始される。
【0024】
本実施形態のWEB通話システムSでは、商用電話回線を使用しないでWebRTCによる通話であるため、回線使用料が著しく廉価になる。また、知りたい情報があった場合に、即座にリアルタイムで通話することができるので、情報収集・情報提供を迅速に行うことができる。しかも、会話による情報収集・情報提供であるため、電子メールによる問い合わせなどの文章による場合に比べて簡単かつ短時間で行うことができる。また、特定の通話ソフトウェアを使用するものではなくWEBブラウザにより対応可能であるため、WEBサイトが閲覧可能な端末装置であれば、特定のソフトウェアをインストールすることなく使用することができる。また、通話ソフトウェアでは必要とされる通話用URLの事前交換も必要としない。
【0025】
また本実施形態のWEB通話システムSでは、WEBサイトの通話呼び出しボタンBをクリックするだけでお客様サポートセンターのオペレータとの通話が可能になるため、通話元の個人情報が漏洩するおそれもないし、通話先のお客様サポートセンターにとっても個人情報を管理する必要もない。
【0026】
また本実施形態のWEB通話システムSでは、通話元である第1端末装置2から通話呼び出しボタンBがクリックされた場合、通話先である第2端末装置3において呼び出し音が鳴るため、常時第2端末装置3のディスプレイを注視しなくても対応することができ、オペレータの業務の自由度が広がる。
【0027】
また本実施形態のWEB通話システムSでは、それぞれの通話呼び出しボタンBに対して互いに異なるURLが定義できるので、通信先である第2端末装置3においてオペレータの対応内容が予め定められたものとなり、対応が容易になる。
【0028】
また本実施形態のWEB通話システムSでは、第2端末装置3の少なくとも一部は、スマートフォンで構成されているので、オペレータは、当該スマートフォンを携帯しておけば、移動中や屋外など定位置にいなくても、呼び出し音又はバイブレーションによりゲストからの着信に気付き易い。また、スマートフォンを携帯しておけば、定位置にいなくてもそのままスマートフォンでの通話応対が可能となる。
【符号の説明】
【0029】
S…WEB通話システム
1…メインサーバ
2…第1端末装置(通話元)
3…第2端末装置(通話先)
4…電気通信回線網(インターネット)