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特開2023-26307情報処理システム、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026307
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230216BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20230216BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20230216BHJP
   A61B 5/021 20060101ALI20230216BHJP
   A61B 5/024 20060101ALI20230216BHJP
   A61B 5/369 20210101ALI20230216BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B5/00 102A
A61B5/00 102B
A61B5/08
A61B5/1455
A61B5/021
A61B5/024
A61B5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071340
(22)【出願日】2022-04-25
(62)【分割の表示】P 2021576447の分割
【原出願日】2021-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】522291946
【氏名又は名称】株式会社ビキタン
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】平川 寛久
(72)【発明者】
【氏名】李 福石
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA08
4C017AA14
4C017BC11
4C017CC03
4C017EE15
4C038VA07
4C038VB03
4C038VC05
4C117XB02
4C117XD04
4C117XE07
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE37
4C117XE43
4C117XE48
4C117XG05
4C117XG22
4C117XG23
4C117XH02
4C117XH16
4C117XJ13
4C117XJ46
4C117XJ48
4C117XJ52
4C117XL01
4C117XL13
4C117XQ18
4C117XQ20
4C127AA03
(57)【要約】
【課題】 インターネットへ接続されない環境であっても、取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザの健康状態を解析し、解析結果を出力する。
【解決手段】 利用者のゲノム情報を記憶する記憶部と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得部と、環境情報を取得する環境情報取得部と、生体情報取得部により取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得部により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示部と、生体情報取得部により取得された生体情報、および、記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析する第一の解析部と、第一の解析部により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定部と、判定部による判定の結果を出力する出力部とを有する第一の情報処理装置を備えることを特徴とする。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のゲノム情報を記憶する記憶部と、
前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得部と、
環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記生体情報取得部により取得された生体情報の少なくとも一部、および、前記環境情報取得部により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示部と、
前記生体情報取得部により取得された生体情報、および、前記記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、前記利用者の健康状態を解析するAI基盤としての第一の解析部と、
前記第一の解析部により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果を出力する出力部と
を有する第一の情報処理装置を備える情報処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラムおよび情報処理装置に関する。特に、本発明は、AI基盤としての解析部を備える情報処理システムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧や体温等の生体情報は、健康状態の異常を発見するための重要な情報である。
【0003】
従来、これらの生体情報を得るには、測定装置を身体に装着し、直接的に値を取得する方法が主流であった。
【0004】
近年では、非接触型の測定器や、ウェアラブル端末等の普及により、従来よりも簡便に生体情報を取得が可能になってきている。
【0005】
また、取得した生体情報を活用する技術として、特許文献1には、生体情報を用いた見守りシステムが開示されており、特許文献2には、生体情報を用いた発病予知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-097445号公報
【特許文献2】特開2016-059759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術ではいずれも、測定器により取得した生体情報は、インターネットを介して接続された情報処理装置において処理されていた。
【0008】
しかしながら、上記構成ではインターネットへ接続できない機器またはインターネットへ接続できない場所での利用ができないという問題がある。また、セキュリティ上の問題により、個人情報である生体情報の測定データおよびその解析結果が漏洩してしまうリスクがある。
【0009】
そのため、本開示の目的は、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。本開示のより具体的な目的の一つは、インターネットへ接続されない環境であっても、ユーザの健康状態を解析することが可能な情報処理システム、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報処理システムは、利用者のゲノム情報を記憶する記憶部と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得部と、環境情報を取得する環境情報取得部と、生体情報取得部により取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得部により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示部と、生体情報取得部により取得された生体情報、および、記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析する第一の解析部と、AI基盤としての第一の解析部により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定部と、判定部による判定の結果を出力する出力部とを有する第一の情報処理装置を備えることを特徴とする。
【0011】
情報処理システムは、さらに、第一の情報処理装置と接続された生体情報取得装置を備え、生体情報取得部は、生体情報取得装置により取得された利用者の生体情報を取得することができる。
【0012】
第一の情報処理装置は、複数個の生体情取得装置と接続され、複数個の生体情報取得装置は、それぞれが、居住施設または共同施設において異なる利用者により利用される部屋に設置され、生体情報取得部は、生体情報取得装置により取得された利用者の生体情報を、利用者の識別番号とともに取得することができる。
【0013】
生体情報取得装置は、居住施設または共同施設の壁および/または天井に埋め込まれて設置されることができる。
【0014】
生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、生体情報を、予め定められた時間に、または、予め定められた時間間隔で取得することができる。
【0015】
生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、利用者の呼吸・心拍・血圧を非接触で取得するものとすることができる。
【0016】
生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、利用者の脳波を接触または非接触で取得するものとすることができる。
【0017】
生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、利用者の体表温度を非接触で取得するものとすることができる。
【0018】
生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、利用者の血糖値を接触または非接触で取得するものとすることができる。
【0019】
生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、利用者の体の一部へ埋め込まれたバイタル測定センサと近距離通信により情報を取得可能なものであることができる。
【0020】
環境情報取得部は、温度、湿度、気圧および酸素濃度の少なくとも一つを取得するものとすることができる。
【0021】
第一の解析部は、さらに、画像情報取得部により取得された利用者の顔の画像を解析することにより、顔色情報および/または表情情報を取得し、当該顔色情報および/または表情情報、生体情報取得部により取得された生体情報、および、記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析することができる。
【0022】
第一の情報処理装置は、さらに、画像取得部により取得された利用者の顔の画像に基づいて、利用者を特定する利用者特定部を有することができる。
【0023】
第一の情報処理装置は、さらに、特定の条件下でのみ外部との通信が可能な通信部を有することができる。
【0024】
情報処理システムは、さらに、第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置と、第二の情報処理装置とインターネット回線により接続が可能な第三の情報処理装置とを備え、第三の情報処理装置は、第二の情報処理装置を介して取得した判定の結果を解析し、対応すべきアクションを決定する第二の解析部と、第二の解析部により決定された、アクションを実行する実行部とを有することができる。
【0025】
情報処理システムは、さらに、第三の情報処理装置とインターネット回線により接続が可能な第四の情報処理装置を備え、アクションは、第四の情報処理装置への、出力部により出力された結果の通知であるものとすることができる。
【0026】
情報処理システムは、さらに、第三の情報処理装置とインターネット回線により接続が可能な第五の情報処理装置を備え、アクションは、第五の情報処理装置への、操作コマンドの送信であるものとすることができる。
【0027】
第三の情報処理装置は、事前にアクセスが許可された健康診断データを取得し、アクションは、第二の情報処理装置への、健康診断データに応じた生活習慣の改善情報の送信であるものとすることができる。
【0028】
情報処理システムは、さらに、第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置、および、当該第二の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第六の情報処理装置を備え、第六の情報処理装置は所定の移動手段に設置され、第六の情報処理装置は、利用者の移動時の生体情報を取得し、当該取得した移動時の生体情報を第二の情報処理装置に送信し、第二の情報処理装置は、第一の情報処理装置と近距離無線通信が可能な距離にいる際に、移動時の生体情報を第一の情報処理装置に送信し、第一の情報処理装置は、取得した移動時の生体情報を第一の解析部に渡すことができる。
【0029】
情報処理システムは、さらに、第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置、および、当該第二の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第七の情報処理装置を備え、第七の情報処理装置は所定の移動手段を備え、第七の情報処理装置は、利用者の生体情報を取得し、当該取得した移動時の生体情報を第二の情報処理装置に送信し、第二の情報処理装置は、第一の情報処理装置と近距離無線通信が可能な距離にいる際に、移動時の生体情報を第一の情報処理装置に送信し、第一の情報処理装置は、取得した生体情報を第一の解析部に渡すことができる。
【0030】
第一の情報処理装置は、充填式バッテリ、一回用電池、または、新エネルギーを電力として利用することができる。
【0031】
本開示における情報処理方法は、一又は複数のコンピュータプロセッサに、利用者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得ステップと、環境情報を取得する環境情報取得ステップと、生体情報取得ステップにおいて取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得ステップにおいて取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示ステップと、生体情報取得ステップにおいて取得された生体情報、および、所定の記憶部に記憶された利用者のゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析する第一の解析ステップと、第一の解析ステップにおいて解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにおける判定の結果を出力する出力ステップとを実行させることを特徴とする。
【0032】
本開示におけるコンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、利用者の生体情報を取得する生体情報取得機能と、利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得機能と、環境情報を取得する環境情報取得機能と、生体情報取得機能により取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得機能により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示機能と、生体情報取得機能により取得された生体情報、および、所定の記憶部に記憶された利用者のゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析する第一の解析機能と、第一の解析機能により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定機能と、判定機能による判定の結果を出力する出力機能とを実現させることを特徴とする。
【0033】
本開示における情報処理装置は、利用者のゲノム情報を記憶する記憶部と、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得部と、環境情報を取得する環境情報取得部と、生体情報取得部により取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得部により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示部と、生体情報取得部により取得された生体情報、および、記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析するAI基盤としての第一の解析部と、第一の解析部により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定部と、判定部による判定の結果を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本開示の発明によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。具体的には、ネインターネットへ接続されないであっても、取得したユーザの生体情報に基づいて、ユーザの健康状態を解析し、解析結果を出力することが可能な情報処理システム、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本開示における情報処理システムのイメージの一例を示す概念図である。
図2】本開示における第一の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図3】本開示における第一の情報処理装置のイメージを示した概念図である。
図4】本開示における第一の情報処理装置の機能構成の一例を示す構成図である。
図5】本開示における第一の情報処理装置のディスプレイに表示される画面のイメージを示した概念図である。
図6】本開示における情報処理システムのイメージの他の例を示す概念図である。
図7】本開示における第三の情報処理装置の機能構成の一例を示す構成図である。
図8】本開示における第一の情報処理装置の機能構成の他の例を示す構成図である。
図9】本開示における情報処理方法のフローの一例を示すフロー図である。
図10】本開示におけるコンピュータプログラムの機能を実現するための回路構成の一例を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示における情報処理システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1は、本開示における情報処理システムのシステム構成の一例を示したものである。
【0038】
本開示における情報処理システム1000は、図1に示されるように、第一の情報処理装置100を備えるものとする。
【0039】
また、情報処理システム1000は、第一の情報処理装置100と接続可能な生体情報取得装置10を備えるものとしてもよいが、生体情報取得装置10の機能を第一の情報処理装置100が備えるものとしてもよい。生体情報取得装置10の詳細については後述する。
【0040】
初めに、図2を用いて、第一の情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。第一の情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力インターフェース(入出力I/F)104と、通信インターフェース(通信I/F)105とを含むことができる。各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0041】
第一の情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により、本実施形態に記載される機能、方法を実現することができる。
【0042】
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されるプログラムに含まれるコード又は命令によって実現する機能、及び/又は、方法を実行する。プロセッサ101は、例えば、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0043】
メモリ102は、ストレージ103からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ101に対して作業領域を提供する。メモリ102には、プロセッサ101がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。
【0044】
ストレージ103は、プログラムを記憶する。ストレージ103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含む。
【0045】
通信I/F105は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F105は、ネットワークを介して、他の情報処理装置との通信を実行する。通信I/F105は、各種データをプロセッサ101からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F105は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ101に伝達する。
【0046】
入出力I/F104は、第一の情報処理装置100に対する各種操作を入力する入力装置、及び、第一の情報処理装置100で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F104は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0047】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ101に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0048】
出力装置は、プロセッサ101で処理された処理結果を出力する。出力装置は、例えば、タッチパネル、スピーカ等を含む。
【0049】
後述する第二の情報処理装置200、第三の情報処理装置300、第四の情報処理装置400、第五の情報処理装置500、第六の情報処理装置および第七の情報処理装置についても、上記第一の情報処理装置100と同様のハードウェア構成とすることができる。
【0050】
図3は、第一の情報処理装置100の外観のイメージを示したものである。
【0051】
図3に一例として示されるように、第一の情報処理装置100は、筐体106および当該筐体106の正面に設けられたディスプレイ107で構成されるものとする。また、筐体106の正面には、カメラ108およびスピーカ109が設けられていてもよい。さらに、第一の情報処理装置100は、各種センサ、充電式バッテリ、電源ケーブル接続部、SIMカード挿入部、SDカードメモリ挿入部、USB挿入部等(図示せず)を備えることができる。
【0052】
そして、第一の情報処理装置100は、図4に一例として示されるように、記憶部110、生体情報取得部120、画像取得部130、環境情報取得部140、表示部150、第一の解析部160、判定部170および出力部180を有するものとする。
【0053】
記憶部110は、利用者のゲノム情報を記憶するものである。
【0054】
記憶部110は、第一の情報処理装置100が有するストレージ103としてもよいし、第一の情報処理装置100から取り外しが可能な記録媒体(USBメモリ、SDカード等)としてもよい。
【0055】
ゲノム情報には、一例として、利用者から採取された唾液や血液を分析することにより得られた利用者の病気や体質の遺伝的傾向を示すデータが含まれるものとする。
【0056】
また、記憶部110は、利用者の住所、氏名、年齢などの基本情報、利用者が過去に発症した病気の履歴を含む病歴情報、利用者の日常の呼吸数や心拍数を含む実績情報、利用者の健康状態の異常に関する異常履歴情報、利用者の状況を通知する見守り者のリストを含む連絡先情報を含むものとしてもよい。
【0057】
実績情報は初期状態では事前に利用者からの申請に含まれる日常の呼吸数や心拍数の値を登録するが、第一の情報処理装置100の利用開始後は、測定された平常時データを経時変化が取り出せるように時系列に保存する。
【0058】
生体情報取得部120は、利用者の生体情報を取得するものである。
【0059】
利用者の生体情報は、一例として、利用者の血圧、脈拍、呼吸、意識、体温、血中酸素濃度等の少なくとも一つであるものとする。このうち、血圧、脈拍、呼吸の3つの情報については、利用者の健康状態を解析するのに重要なパラメータとなる。
【0060】
そして、生体情報取得部120は、上記生体情報を、利用者から非接触で取得することが可能なものとすることができる。
【0061】
一例として、生体情報取得部120は、マイクロ波を照射する送信部と、利用者によって反射されたマイクロ波を受信する受信部を有する。そして、利用者の動きによって照射したマイクロ波と受信したマイクロ波との間にドップラー効果により生じた位相差をもって動作を検出することができる。
【0062】
かかる技術によれば、呼吸や心拍といった動作を意識しない生体活動も、呼吸や鼓動に伴う体表で生じるわずかな動きから検出することができる。また、血圧変動についても推定することができる。
【0063】
生体情報取得部120は、マイクロ波の送受信に伴う位相差の時間変化を検出し、時間変化の中から周波数成分を抽出することで呼吸数や心拍数を求める処理部をさらに有してもよい。
【0064】
なお、マイクロ波は送信部から約180°の照射角で照射され、送信部から約10mまでの距離範囲内の生体情報を検出することができる。
【0065】
画像取得部130は、利用者の少なくとも顔の画像を取得するものである。
【0066】
画像取得部130は、第一の情報処理装置100が設置されている場所の画像を取得する。画像取得部130は上述したカメラ108により画像を取得する。なお、画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0067】
プライバシーの問題を回避するため画像取得部130は平常時には動作しないように制御プログラム上でロックが掛かるようになっており、所定のレベル以上の異常が検出されたときにロックが解除され画像取得が可能となるように制御することもできる。
【0068】
また、利用者が大声を出した場合にカメラ108を起動するような構成としてもよい。
【0069】
環境情報取得部140は、環境情報を取得するものである。
【0070】
環境情報取得部140は、第一の情報処理装置100が設置されている空間の環境情報を取得する。ここで環境情報とは室温や湿度など生活空間に関する情報を指す。
【0071】
一実施形態として環境情報取得部140は、温度センサと湿度センサとを備える。他の実施形態では煙センサやガス漏れを検知するセンサを備えてもよい。温度センサはサーミスタを使用したものでも測温抵抗体を使用したものでもよくその他の方式のものでもよい。湿度センサは高分子抵抗を利用したものでも高分子容量を利用したものでもよくその他の方式でもよいが、電気信号として取り出せる電気式のセンサを使用する。
【0072】
温度センサや湿度センサは連続して室温や部屋の湿度を測定することも可能であるが、一般的にはこれらの環境情報は短時間で急激に変化することは少ないため所定の時間間隔で断続的に環境情報を取得するような構成としてもよい。
【0073】
また、時刻およびカレンダー情報をのせた標準電波を受信する電波受信センサ、および、気圧センサを備えてもよい。これらにより、時刻および天気という環境情報を取得することができる。
【0074】
表示部150は、生体情報取得部120により取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得部140により取得された環境情報の少なくとも一部を表示するものである。
【0075】
図5は、表示部150がディスプレイ107に表示する表示画面151の例を示したものであり、画面には、生体情報表示欄152および環境情報表示欄153が設けられるものとする。
【0076】
生体情報表示欄152には、図5に示されるように、呼吸・心拍・血圧の数値およびグラフが表示されるが、これらに限られるものではない。
【0077】
環境情報表示欄153には、図5に示されるように、時刻・天気が表示されるが、これらに限られるものではない。
【0078】
第一の解析部160は、生体情報取得部120により取得された生体情報、および、記憶部110に記憶されたゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析するものである。すなわち、第一の解析部160は、AI基盤としてAIが上記利用者の健康状態を解析する。
【0079】
第一の解析部160は、特定の病気の発症との関連性が高い要因の学習データをもっており、利用者の遺伝子的に発症する可能性の高い病気の発症前の傾向が、利用者の生体情報に見られるかを解析する。
【0080】
判定部170は、第一の解析部160により解析された健康状態に異常があるか否かを判定するものである。
【0081】
具体的には、判定部170は、初めに、健康状態に第一の異常があるか否かを判定する。第一の異常とは、ゲノム情報に関わらず、生体情報の数値が所定の閾値を超えた場合をいうものとする。具体的には、第一の異常とは、生体情報の数値が直ちに診察の受診を要するレベルをいうものとする。
【0082】
続いて、判定部170は、健康状態に第二の異常があるか否かを判定する。第二の異常とは、生体情報の数値が所定の閾値以下であるものの、ゲノム情報から利用者の遺伝子的に発症する可能性の高い病気の発症前の傾向がみられる場合をいうものとする。具体的には、第二の異常とは、生体情報の数値が直ちに診察の受診を要するレベルではないものの、ゲノム情報から利用者の遺伝子的に発症する可能性の高い病気の発症前の傾向がみられるレベルをいうものとする。
【0083】
これらの判定に用いられる判定基準は、予め記憶部110により記憶されているものとする。
【0084】
異常が検出されない場合、取得した生体情報は上記平常時データと判定され、記憶部110に保存される。記憶部110の容量には制限があるため、平常時データは一定時間間隔のスポットデータを数値換算して時間経過がわかるように保存してもよいし、一定時間間隔の区間データを平均した数値データとして保存するようにしてもよい。また一定時間経過したデータは最新のデータに上書き保存されるようにし、常に最新の一定時間分のみが保存されるように構成して記憶容量の増大を抑制するようにしてもよい。
【0085】
判定部170は、上記判定の結果、異常の状態に応じてランク分けを行うものとしてもよい。例えば一実施形態では平常レベル、緊急を要さないが確認が必要なレベル(第二の異常)、至急処置が必要な緊急レベル(第一の異常)の3段階にランク分けを行う。
【0086】
出力部180は、判定部170による判定の結果を出力するものである。
【0087】
具体的には、出力部180は、判定部170による判定の結果、健康状態に第一の異常があると判定された場合には、第一の情報処理装置100から所定の警告音および/または警告表示を出力することができる。
【0088】
所定の警告音は、第一の情報処理装置100が有するスピーカ109から出力されるものとし、所定の警告表示は、第一の情報処理装置100が有するディスプレイ107に表示されるものとする。
【0089】
また、出力部180は、判定部170による判定の結果、健康状態に第一の異常があると判定された場合には、第一の情報処理装置100から他の装置に対して、警告音および/または警告表示を出力し、さらには、緊急通話を可能とする構成としてもよい。詳細については後述する。
【0090】
他の装置とは、利用者の家族が有する情報処理装置、介護担当者が有する情報処理装置、病院や消防、警察、警備会社等が有する情報処理装置とすることができる。詳細については後述する。
【0091】
また、出力部180は、判定部170による判定の結果、健康状態に第二の異常があると判定された場合には、第一の情報処理装置100から所定の通知音または通知表示を出力することができる。
【0092】
所定の通知音は、第一の情報処理装置100が有するスピーカ109から出力されるものとし、所定の通知表示は、第一の情報処理装置100が有するディスプレイ107に表示されるものとする。
【0093】
また、出力部180は、上記判定部170により決定されたランクに対応するアイコンを、ディスプレイ107に表示してもよい。アイコンは一目で緊急度が判断できるように形状や色を変えることが好ましい。例えば平常レベルが緑、緊急を要さないが確認が必要なレベルが黄色、至急処置が必要な緊急レベルが赤のアイコンで表示することで、利用者は直感的に状況を把握することができる。
【0094】
なお、判定部170によるランク分けは生体情報と環境情報それぞれに対して行い、それぞれにアイコンで表示してディスプレイ107に表示するものであってもよい。利用者はどのような異常が発生しているかを容易に判断することができる。
【0095】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。具体的には、第一の情報処理装置100自身が、利用者のゲノム情報を保持し、かつ、情報をAI分析する機能を有することから、インターネットへ接続されない環境であっても(ネットワークを介しないでスタンドアロンで動作するものであっても)、ユーザの健康状態を解析し、解析結果を出力することが可能となる。
【0096】
続いて、本開示における情報処理システム1000の他の実施形態について説明を行う。
【0097】
図6に示されるように、本開示における情報処理システム1000は、さらに、第二の情報処理装置200および第三の情報処理装置300を備えることができる。
【0098】
第二の情報処理装置200は、第一の情報処理装置100と近距離無線通信により接続可能なものとする。
【0099】
第二の情報処理装置200は、一例として、スマートフォンやタブレットPC等の装置であって、様々な通信規格により外部との通信が可能な装置とすることができる。第二の情報処理装置200のハードウェア構成については上述したとおりである。
【0100】
そして、第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置200とは、BLE(登録商標)等の近距離無線通信を利用して接続されることができる。
【0101】
第三の情報処理装置300は、第二の情報処理装置200とインターネット回線により接続が可能なものとする。
【0102】
第三の情報処理装置300は、一例として、サーバ等の装置であって、外部との通信が可能な装置とすることができる。第三の情報処理装置300のハードウェア構成については上述したとおりである。
【0103】
そして、第二の情報処理装置200と第三の情報処理装置300とは、インターネット回線により接続されることができる。
【0104】
そして、第三の情報処理装置300は、図7に示されるように、第二の解析部310および実行部320を有するものとする。
【0105】
第二の解析部310は、第二の情報処理装置200を介して第一の情報処理装置100から取得した判定の結果を解析し、対応すべきアクションを決定するものである。
【0106】
判定の結果に、健康状態に第一の異常がある旨の情報が含まれる場合と、健康状態に第二の異常がある旨の情報が含まれる場合と、いずれの異常もない旨の情報が含まれる場合とでは、第二の解析部310が、対応すべきアクションとして解析する結果は異なるものとすることができる。
【0107】
実行部320は、第二の解析部310による解析結果に基づいて、アクションを実行するものである。
【0108】
以上の構成によれば、第一の解析部160がInHouse用でClose空間での情報を解析する一方で、第二の解析部310は、インターネットで繋がれた他の機器と連携することにより、利用者の健康状態を維持または改善するために必要なアクションを実行することができる。
【0109】
続いて、アクションの具体例について説明を行う。
【0110】
図6に示されるように、本開示における情報処理システム1000は、さらに、第四の情報処理装置400を備えることができる。
【0111】
第四の情報処理装置400は、第三の情報処理装置300とインターネット回線により接続が可能な装置とする。
【0112】
第四の情報処理装置400とは、利用者の家族が有する情報処理装置、利用者の介護担当者が有する情報処理装置、利用者のかかりつけの病院や近隣の消防、警察、警備会社等が有する情報処理装置である。
【0113】
このとき、上記アクションは、第四の情報処理装置400への、出力部180により出力された結果の通知であるものとする。
【0114】
具体的には、第二の解析部310は、健康状態に第一の異常がある旨の情報が含まれる場合には、第四の情報処理装置400に対して、警告音および/または警告表示を出力するというアクションを決定する。
【0115】
また、図6に示されるように、本開示における情報処理システム1000は、さらに、第五の情報処理装置500を備えることができる。
【0116】
第五の情報処理装置500は、第三の情報処理装置300とインターネット回線により接続が可能なものとする。
【0117】
具体的には、第五の情報処理装置500は、利用者の周りにあるIoT機器とすることができる。例えば、インターネットに接続可能なエアコン、自動窓、電子錠、加湿器、除湿器、電気、アロマディフューザ、スピーカ、冷蔵庫などである。
【0118】
このとき、上記アクションは、第五の情報処理装置500への、操作コマンドの送信である。
【0119】
操作コマンドの一例は、エアコンのON/OFFや温度調整などである。
【0120】
また、第三の情報処理装置300は、さらに、第二の情報処理装置200を愛して第一の情報処理装置100から取得した生体情報、環境情報および/または画像情報に応じて、第五の情報処理装置500を制御してもよい。
【0121】
具体的には、第二の解析部310のAI解析によって、顔色及び顔表情を判断し最適の空間を提供したり、電灯色、リラックス用の香りと連携したり、スピーカと連携し音楽提供したりすることができる。また、温湿度に応じてAIと連携でエアコン稼働で快適維持したり、室内酸素濃度チェック、AIと連携でお知らせ及び自動換気モータ付き窓閉め開けしたりすることができる。また、一定温度以上になると事前登録されたE-mailへ通知する機能、防災センター若しくは管理事務所へ通知する機能、ドアロックと連携でドアを自動で解除する機能があってもよい。また、IoT冷蔵庫と連携して食事についての制限、レシピ等の案内を行うものとしてもよい。
【0122】
なお、必要な機器がIoT連携されていない場合には、第二の情報処理装置200に対して身近の機器を操作した方がよい旨のアドバイスを送信するものとしてもよい。
【0123】
また、上記アクションは、第二の情報処理装置200への、生活習慣の改善情報の送信とすることができる。
【0124】
このとき、第三の情報処理装置300は、事前に許可された健康診断データを取得することができる。そして、生活習慣の改善情報は、健康診断データに応じて生成されるものとする。
【0125】
生活習慣の改善情報は、具体的には、食生活についてのアドバイスなどであり、お勧めのレシピなどを送信することができる。
【0126】
また、図1および図6で示されたように、情報処理システム1000は、さらに、第一の情報処理装置100と接続された生体情報取得装置10を備えることができる。
【0127】
生体情報取得装置10は、上記生体情報取得部120の機能を別の装置として分離したものである。
【0128】
このとき、生体情報取得部120は、生体情報取得装置10により取得された利用者の生体情報を取得する。
【0129】
生体情報取得装置10を第一の情報処理装置100と分離することにより、生体情報取得装置10を建物の壁にセンサを埋め込み又は壁に飾る、壁紙の裏に貼り付け、自動でバイタル情報を取得するなどの多様な使い方が可能となる。
【0130】
かかる構成は、複数の利用者がいる施設や老人ホームなどで採用されることができる。
【0131】
かかる構成によれば、自動で体温、血圧、脈拍、呼吸がリアルタイムモニタリングができるので看護師または管理者からの頻繁な測定はしなくてもいい。
【0132】
利用者が老人ホームに入居している場合、主な生活空間は1部屋の個室であることが多く、第一の情報処理装置100は1箇所に設置することで見守ることができる。しかし利用者がマンションや一戸建てなどの個別の生活拠点に生活する場合、生活空間は居間や寝室など複数の部屋に分かれていることが多く、それぞれの部屋での生体情報の取得が求められる。
【0133】
そこで、本開示における他の実施形態として、情報処理システム1000は、1台の親機(第一の情報処理装置100)と複数台の子機(生体情報取得装置10)とを含むことができる。
【0134】
親機の構成は上述した第一の情報処理装置100の構成と同様である。ただし第一の情報処理装置100の生体情報取得部120は、第一の情報処理装置100自身の生体情報取得部120が取得した生体情報と環境情報取得部140が取得した環境情報以外に、生体情報取得装置10から送信されてくる生体情報と環境情報とも含めて管理し、予め設定された異常判定基準に従い異常の有無を判定する。
【0135】
生体情報取得装置10が複数であると、送信されてくる生体情報と環境情報がどの子機からの情報か識別できないおそれがあるので、それぞれの子機には固有のID番号が付与され、生体情報と環境情報が送信される場合、固有のID番号と対応付けられて送信される。
【0136】
生体情報取得装置10は、少なくとも生体情報取得部および通信部を備える。子機から親機への情報の送信は、近距離無線通信を用いて行われるため子機は無線の届く範囲で自由な位置に設置することができる。各部屋に家屋内の有線端子が設置されている場合は有線で接続してもよい。
【0137】
なお、子機には解析部に相当する要素を含んでいない。これは解析を親機で実施する構成としているためであり、これにより子機の小型化を行うことができる。またトイレや風呂場など特にプライバシーが要求される場所に設置する子機では画像取得部を除いた構成としてもよい。このように子機の設置される場所により構成の異なる子機を混成してもよい。また取り付け場所や形状も設置場所に合わせて変えてもよい。例えばベッドに寝ている時間が長い利用者の寝室に設置する子機では、精度よく生体情報を取得するため、ベッドの下に設置するようにしてもよい。また、子機は壁や天井に埋め込むことにより設置することもできる。これらの構成によれば、生体情報を取得していることを利用者に必要以上に意識させることなく、また、設置場所の美観も損なうことなく設置することができる。
【0138】
生体情報取得部120および/または生体情報取得装置10は、利用者の呼吸・心拍・血圧を非接触で取得するものとすることができる。
【0139】
これらは、上述したマイクロ派の送受信により非接触で得ることができる。
【0140】
また、生体情報取得部120および/または生体情報取得装置10は、利用者の脳波を接触または非接触で取得するものとすることができる。
【0141】
脳波は公知の脳波センサにより得ることができる。また、非接触で脳波を測定する技術については公知または将来の技術により実現すればよい。
【0142】
また、生体情報取得部120および/または生体情報取得装置10は、利用者の体表温度を非接触で取得するものとすることができる。
【0143】
体表温度は、公知のサーモセンサにより得ることができる。
【0144】
また、生体情報取得部120および/または生体情報取得装置10は、利用者の血糖値を接触または非接触で取得するものとすることができる。
【0145】
血糖値は公知の血糖センサにより得ることができる。また、非接触で血糖値を測定する技術については公知または将来の技術により実現すればよい。
【0146】
生体情報取得部120および/または生体情報取得装置10は、利用者の体の一部へ埋め込まれたバイタル測定センサと近距離通信により情報を取得可能なものとすることができる。
【0147】
そして、上記環境情報取得部140は、第一の情報処理装置100が配置された場所の温度、湿度、気圧および酸素濃度の少なくとも一つを取得することができる。
【0148】
これらは、第一の情報処理装置100が備える温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、酸素濃度センサにより取得されることができる。
【0149】
なお、気圧センサにより得られた値は、天気予報を表示するのに利用されることができる。
【0150】
また、環境情報取得部140は、時刻を取得するものであってもよい。このとき、時刻は第一の情報処理装置100が備える電波受信センサにより取得されることができる。なお、時刻は第一の情報処理装置100において設定されたものを用いてもよい。
【0151】
これらはディスプレイ107にすべて表示されるものとしてもよいし、設定されたものだけが表示されるものとしてもよい。この設定は、利用者が行うことができるようにしてもよい。
【0152】
以上の構成によれば、利用者の健康を維持または向上させるのに快適な空間を作り上げることができる。
【0153】
また、環境情報取得部140は、火災センサや音声センサによる値を取得してもよい。これらセンサは第一の情報処理装置100が備えるものであってもよいし、接続可能な他の装置により得られるものとしてもよい。
【0154】
第一の解析部160は、さらに、利用者の顔の画像を解析することにより、顔色情報および/または表情情報を取得し、当該顔色情報および/または表情情報、生体情報取得部により取得された生体情報、および、記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析することができる。
【0155】
顔色情報および表情情報は生体情報に並ぶ重要な判断材料であり、ゲノム解析データと連携し何かの病気を早期発見することが可能となる。
【0156】
また、顔色情報および表情情報については、環境の快適度を測る指標として用いることができるため、かかる情報に基づいて、第五の情報処理装置500を操作することができる。
【0157】
一例として、電灯色、リラックス用の香りと連携し提供、スピーカと連携し音楽提供するなどにより最適の空間(環境)を提供することができる。
【0158】
図8に示されるように、第一の情報処理装置100は、さらに、利用者特定部190を有することができる。
【0159】
利用者特定部190は、画像取得部130により取得された画像に基づいて、利用者を特定するものである。
【0160】
画像取得部130により取得された画像は、利用者の表情や顔色を解析するために用いられる旨説明したが、ここでは、利用者を特定するための顔認証機能を実現するために用いることができる。
【0161】
顔認証の技術については公知の技術を用いることができる。
【0162】
以上の構成によれば、複数の利用者による利用を実現することができるようになる。
【0163】
また、本開示における第一の情報処理装置100は、図8に示されるように、さらに、通信部195を有することができる。
【0164】
通信部195は、特定の条件下でのみ、第一の情報処理装置100に外部装置との通信を可能とさせるものである。
【0165】
特定の条件は、一例として、判定部170によって健康状態に第一の異常があると判定された場合をいうものとする。
【0166】
通信部195による上記通信を実現させるために、第一の情報処理装置100は、有線LAN接続端子および/または無線LANカードを備えるものとすることができる。また、インターネット接続環境が整ってない場合であっても通信が可能なように、SIMカードの挿入端子を備えるものとしてもよい。SIMカードを挿入することにより携帯電話の無線通信網を介して外部装置と通信することが可能となる。
【0167】
具体的には、第一の情報処理装置100は、第二の情報処理装置200および/または第三の情報処理装置300を介することなく第四の情報処理装置400に直接連絡を取ることができるようになる。
【0168】
以上の構成によれば、緊急時の対応を迅速に行うことができるようになる。
【0169】
続いて、本開示における情報処理方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0170】
図9に一例として示されるように、本開示における情報処理方法は、一又は複数のコンピュータプロセッサに、生体情報取得ステップS120、画像取得ステップS130、環境情報取得ステップS140、表示ステップS150、第一の解析ステップS160、判定ステップS170および出力ステップS180を実行させることを特徴とする。
【0171】
生体情報取得ステップS120では、利用者の生体情報を取得する。かかる生体情報取得ステップS120は、上述した生体情報取得部120により実行されることができる。生体情報取得部120の詳細については上述したとおりである。
【0172】
画像取得ステップS130では、利用者の少なくとも顔の画像を取得する。かかる画像取得ステップS130は、上述した画像取得部130により実行されることができる。画像取得部130の詳細については上述したとおりである。
【0173】
環境情報取得ステップS140では、環境情報を取得する。かかる環境情報取得ステップS140は、上述した環境情報取得部140により実行されることができる。環境情報取得部140の詳細については上述したとおりである。
【0174】
表示ステップS150では、生体情報取得ステップS120において取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得ステップS140において取得された環境情報の少なくとも一部を表示する。かかる表示ステップS150は、上述した表示部150により実行されることができる。表示部150の詳細については上述したとおりである。
【0175】
第一の解析ステップS160では、生体情報取得ステップS120において取得された生体情報、および、所定の記憶部に記憶された利用者のゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析する。かかる第一の解析ステップS160は、上述した第一の解析部160により実行されることができる。第一の解析部160の詳細については上述したとおりである。
【0176】
判定ステップS170では、第一の解析ステップS160において解析された健康状態に異常があるか否かを判定する。かかる判定ステップS170は、上述した判定部170により実行されることができる。判定部170の詳細については上述したとおりである。
【0177】
出力ステップS180では、判定ステップS170における判定の結果を出力する。かかる出力ステップS180は、上述した出力部180により実行されることができる。出力部180の詳細については上述したとおりである。
【0178】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。具体的には、第一の情報処理装置自身が、利用者のゲノム情報を保持し、かつ、情報をAI分析する機能を有することから、インターネットへ接続されない環境であっても、ユーザの健康状態を解析し、解析結果を出力することが可能となる。
【0179】
続いて、本開示におけるコンピュータプログラムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0180】
本開示におけるコンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、生体情報取得機能、画像取得機能、環境情報取得機能、表示機能、第一の解析機能、判定機能および出力機能を実現させることを特徴とする。
【0181】
生体情報取得機能は、利用者の生体情報を取得する。
【0182】
画像取得機能は、利用者の少なくとも顔の画像を取得する。
【0183】
環境情報取得機能は、環境情報を取得する。
【0184】
表示機能は、生体情報取得機能により取得された生体情報の少なくとも一部、および、環境情報取得機能により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する。
【0185】
第一の解析機能は、生体情報取得機能により取得された生体情報、および、所定の記憶部に記憶された利用者のゲノム情報に基づいて、利用者の健康状態を解析する。
【0186】
判定機能は、第一の解析機能により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する。
【0187】
出力機能は、判定機能による判定の結果を出力する。
【0188】
上記生体情報取得機能、画像取得機能、環境情報取得機能、表示機能、第一の解析機能、判定機能および出力機能は、図10に示す生体情報取得回路1120、画像取得回路1130、環境情報取得回路1140、表示回路1150、第一の解析回路1160、判定回路1170および出力回路1180により実現されることができる。生体情報取得回路1120、画像取得回路1130、環境情報取得回路1140、表示回路1150、第一の解析回路1160、判定回路1170および出力回路1180は、それぞれ上述した生体情報取得部120、画像取得部130、環境情報取得部140、表示部150、第一の解析部160、判定部170および出力部180により実現されるものとする。各部の詳細については上述したとおりである。
【0189】
以上の構成によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。具体的には、第一の情報処理装置自身が、利用者のゲノム情報を保持し、かつ、取得した情報をAI分析する機能を有することから、インターネットへ接続されない環境であっても、ユーザの健康状態を解析し、解析結果を出力することが可能となる。
【0190】
最後に、本発明者らが本件発明を創出するに至った経緯について説明を行う。
【0191】
社会の高齢化率が急速に高まる中、社会保障費の拡大による医療給付費は現在の約36兆円から2025年度には約54兆円に達する見込みである。一人当たり医療費は、乳幼児期を除くと年齢とともに多くなるが、65歳以降急速に増加し、80歳以降は入院に係る費用(入院+食事・生活療養)の割合が高くなる。医科診療費(2013年度)の3分の1以上が生活習慣病関連であるほか、老化に伴う疾患、精神・神経の疾患の占める割合が高いのが現状である。
【0192】
新型コロナウイルスの感染拡大による「人との接触の制限」、「健康への不安」による外出自粛により、経済・雇用が不安化する中で働き方が変わりつつある中、リモートワークによる健康管理、高齢化による介護など健康に対して意識が今までより高まっている。
【0193】
このような社会のライフサイクル変化とAIによる技術進歩により、ネットワークを経由しない単独装置で、本人ゲノムデータ用いて非接触型ヘルスケアとして体の異変の予知・健康管理サービスの活用を通じて、生活習慣の改善や快適な居住環境をご提供するサービスを提供することを目的として、本件を発明した。
【0194】
現状、家庭用の電子血圧計には、大きく分けて上腕部で測定する「上腕式」と、手首で測定する「手首式」が主類である。また、「上腕式」には、カフ(腕帯)を自分で上腕部に巻くタイプと、血圧計本体と一体化している筒型のカフに腕を通して測定するタイプに分けられる。
【0195】
ヘルスケアとして腕時計式、指に着用する装置、スマートフォン等と連携する装置などがある、高血圧、糖尿病など血圧に関する持病を持っている人は毎日あるいは定期的に血圧測定及び血液検査を行う必要がある。
【0196】
接触型では、装着することによるストレス・装着忘れ等、自然な人間の生活習慣の中でデータが取れない事が多い。非接触型にすることで、何も身に装着せず、いるだけでバイタルデータが取得できる非接触バイタルセンサは、日常の生活を邪魔することなく、人間の健康に寄与することが出来る。
【0197】
さらにゲノム情報をインプットする事で、その人にあった効果的なパーソナライズサービスを提供することを目指したい。また、ネットを経由しないでどこでも単独装置として運用できる。実現できれば、社会に貢献できる事業として認知される要素を持っている
【0198】
そして、本人のゲノムデータを持って、バイタルデータ、顔色及び顔表情、脳波の情報をスタンドアロンのAIと専用アプリを通してサービスAIとの連携で最適な居住環境を提供し、症状の早期発見及びお知らせ、生活習慣のモニタリングし改善指導を提供することができる。
【0199】
非接触型バイタルセンサとしては、以下のものが挙げられる。
・呼吸・心拍・血圧(推定)
・顔認識センサ
・顔認識することで個人を特定
・顔色、顔表情による状態推定
・サーモセンサ(体表温度)
・脳波測定(接続型or非接触型)
・糖尿検査センサ
【0200】
本開示の一実施態様では、ネットワークに接続していない環境でも単独(スタンドアロン)で事前に取得した本人のゲノム分析データと、顔の表情及び行動パターン(動き)を分析するAIがプログラムされた装置と、マイクロ波を利用し非接触でのバイタル情報(心拍、呼吸、血圧、体温など)を取得する装置と、脳波を測定できる装置と、赤外線での検温する装置と、酸素濃度を測定する装置と、天気予報、時刻を表示する装置をもって、健康状態を取得し、生活習慣及び環境を改善する方法を専用表示装置へお知らせするサーバ装置、データ処理システム、データ処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【0201】
本開示の発明は、利用者の疾患の前兆を検知する。ネットワーク接続し発病予知するのはセキュリティでの測定データ漏洩などの課題があり、ネットワーク接続されない場所では使用できない、病気予知ではなく生活習慣の改善には役に立たない。
【0202】
例えばAIが総合判断により自動換気制御、自動照明制御、香り制御、ドア制御などを行うことで生活習慣の改善を求める健康状態を最適化することができる。
【0203】
本開示における発明は、本人が事前に確認されたゲノム分析データを、専用アプリを通して単独装置との連携でそのデータを読み込ませる。
【0204】
自宅で倒れた際にバイタルで心拍、呼吸を測定し、体の変化を把握できるがセンサの精度により誤作動もあるのでAI行動パターン(動き)が自然的ではなければバイタルデータを搭載したAIが総合判断し通報する。
【0205】
この発明によれば、蓄積されたデータをAIが判断し快適な環境を事前にコントロールできる。例えばAIの判断により自動換気制御、自動照明制御、香り制御、ドア制御などを行うことで健康状態を最適化することができる。
【0206】
また、本開示の情報処理システムは、居住施設或いは共同施設でスマートホームとの連携で制御することができる。
【0207】
また、別の実施形態として、本開示の情報処理システムは、さらに、第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置、および、当該第二の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第六の情報処理装置を備えることができる。
【0208】
第六の情報処理装置は所定の移動手段に設置されるものとする。具体的には、所定の移動手段は、バスや飛行機などの乗り物とすることができる。
【0209】
このとき、第六の情報処理装置は、利用者の移動時の生体情報を取得し、当該取得した移動時の生体情報を第二の情報処理装置に送信し、第二の情報処理装置は、第一の情報処理装置と近距離無線通信が可能な距離にいる際に、移動時の生体情報を第一の情報処理装置に送信し、第一の情報処理装置は、取得した移動時の生体情報を第一の解析部に渡すことを特徴とする。
【0210】
かかる構成によれば、バス、飛行機など移動手段で限られたスペース中での乗客若しくはその他の目的での乗員が、装置に識別された専用認識番号を通して本人スマホにある専用アプリで読み込みし、健康チックができるようになる。
【0211】
また、別の実施形態として、情報処理システムは、さらに、第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置、および、当該第二の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第七の情報処理装置を備えることができる。
【0212】
第七の情報処理装置は所定の移動手段を備えるものとする。具体的には、第七の情報処理装置は移動可能なロボットとすることができる。
【0213】
このとき、第七の情報処理装置は、利用者の生体情報を取得し、当該取得した移動時の生体情報を第二の情報処理装置に送信し、第二の情報処理装置は、第一の情報処理装置と近距離無線通信が可能な距離にいる際に、移動時の生体情報を第一の情報処理装置に送信し、第一の情報処理装置は、取得した生体情報を第一の解析部に渡すことを特徴とする。
【0214】
かかる構成によれば、ロボットが特定場所で移動しながら利用者の健康状態を把握することができるようになる。
【0215】
お知らせ方法は単独装置での通報と本人スマホの専用アプリを通して外部AIとの接続により第三者へお知らせする機能、取得したデータの履歴が分かる機能を備えてもよい。
【0216】
また、表示画面には、人間が毎日起きて一番初めに知りたいことの一つである天気情報と時刻表示とを表示することにより、利便性を高くすることができる。
【0217】
また、酸素濃度及びPM濃度を測定するセンサとの連携で、周囲環境を快適にすることができる。
【0218】
本開示における情報処理システム1000は、充填式バッテリ若しくは一回用電池または新エネルギー(太陽電池、風力など)を備え、どこでも測定がでるものとしてもよい。
【0219】
本開示における情報処理システム1000は、子機との連動で居住施設或いは共同施設でバイタルデータを取得できるようにしてもよい。
【0220】
本開示における情報処理システム1000は、居住施設または施設などの壁または天井に埋め込みし、事前に登録した各自のIDと紐づけし該当人のデータを事前に取得しコンディションを確認及びお知らせができるようにしてもよい。
【0221】
本開示における情報処理システム1000では、医師が遠隔からデータを閲覧可能な機能を備えることができ、医師がカメラを用いた遠隔診療を行う際に、時間を短縮できるようにしてもよい。
【0222】
本開示における情報処理システム1000では、電源節約のため、モーションセンサによって人を検知した場合に、各種センサを起動するものとしてもよい。
【0223】
また、生体情報取得部および/または生体情報取得装置は、生体情報を、予め定められた時間に、または、予め定められた時間間隔で取得することができる。
【0224】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【0225】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0226】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。
〔付記〕本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲を付記する。
[1]利用者のゲノム情報を記憶する記憶部と、
前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得部と、
環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記生体情報取得部により取得された生体情報の少なくとも一部、および、前記環境情報取得部により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示部と、
前記生体情報取得部により取得された生体情報、および、前記記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、前記利用者の健康状態を解析するAI基盤としての第一の解析部と、
前記第一の解析部により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果を出力する出力部と
を有する第一の情報処理装置を備える情報処理システム。
[2]前記情報処理システムは、さらに、前記第一の情報処理装置と接続された生体情報取得装置を備え、前記生体情報取得部は、前記生体情報取得装置により取得された前記利用者の生体情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
[3]前記第一の情報処理装置は、複数個の生体情取得装置と接続され、
前記複数個の生体情報取得装置は、それぞれが、居住施設または共同施設において異なる利用者により利用される部屋に設置され、
前記生体情報取得部は、前記生体情報取得装置により取得された前記利用者の生体情報を、前記利用者の識別番号とともに取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
[4]前記前記生体情報取得装置は、前記居住施設または共同施設の壁および/または天井に埋め込まれて設置されることを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
[5]前記生体情報取得部および/または前記生体情報取得装置は、
前記生体情報を、予め定められた時間に、または、予め定められた時間間隔で取得することを特徴とする請求項2、3または4に記載の情報処理システム。
[6]前記生体情報取得部および/または前記生体情報取得装置は、前記利用者の呼吸・心拍・血圧を非接触で取得するものであることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[7]前記生体情報取得部および/または前記生体情報取得装置は、前記利用者の脳波を接触または非接触で取得するものであることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[8]前記生体情報取得部および/または前記生体情報取得装置は、前記利用者の体表温度を非接触で取得するものであることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[9]前記生体情報取得部および/または前記生体情報取得装置は、前記利用者の血糖値を接触または非接触で取得するものであることを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[10]前記生体情報取得部および/または前記生体情報取得装置は、前記利用者の体の一部へ埋め込まれたバイタル測定センサと近距離通信により情報を取得可能なものであることを特徴とする請求項2から9のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[11]前記環境情報取得部は、温度、湿度、気圧および酸素濃度の少なくとも一つを取得することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[12]前記第一の解析部は、さらに、前記画像取得部により取得された前記利用者の顔の画像を解析することにより、顔色情報および/または表情情報を取得し、当該顔色情報および/または表情情報、前記生体情報取得部により取得された生体情報、および、前記記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、前記利用者の健康状態を解析することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[13]前記第一の情報処理装置は、さらに、前記画像取得部により取得された前記利用者の顔の画像に基づいて、前記利用者を特定する利用者特定部を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[14]前記第一の情報処理装置は、さらに、特定の条件下でのみ外部との通信が可能な通信部を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[15]前記情報処理システムは、さらに、前記第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置と、前記第二の情報処理装置とインターネット回線により接続が可能な第三の情報処理装置とを備え、
前記第三の情報処理装置は、前記第二の情報処理装置を介して前記第一の情報処理装置から取得した前記前記判定の結果を解析し、対応すべきアクションを決定する第二の解析部と、前記第二の解析部により決定された前記アクションを実行する実行部とを有することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[16]前記情報処理システムは、さらに、前記第三の情報処理装置とインターネット回線により接続が可能な第四の情報処理装置を備え、前記アクションは、前記第四の情報処理装置への、前記出力部により出力された結果の通知であることを特徴とする請求項15に記載の情報処理システム。
[17]前記情報処理システムは、さらに、前記第三の情報処理装置とインターネット回線により接続が可能な第五の情報処理装置を備え、前記アクションは、前記第五の情報処理装置への、操作コマンドの送信であることを特徴とする請求項15または16に記載の情報処理システム。
[18]前記第三の情報処理装置は、事前に許可された健康診断データを取得し、
前記アクションは、前記第二の情報処理装置への、前記健康診断データに応じた生活習慣の改善情報の送信であることを特徴とする請求項15、16または17に記載の情報処理システム。
[19]前記情報処理システムは、さらに、前記第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置、および、当該第二の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第六の情報処理装置を備え、
前記第六の情報処理装置は所定の移動手段に設置され、
前記第六の情報処理装置は、前記利用者の移動時の生体情報を取得し、当該取得した移動時の生体情報を前記第二の情報処理装置に送信し、
前記第二の情報処理装置は、前記第一の情報処理装置と近距離無線通信が可能な距離にいる際に、前記移動時の生体情報を前記第一の情報処理装置に送信し、
前記第一の情報処理装置は、取得した前記移動時の生体情報を前記第一の解析部に渡すことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[20]前記情報処理システムは、さらに、前記第一の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第二の情報処理装置、および、当該第二の情報処理装置と近距離無線通信により接続可能な第七の情報処理装置を備え、
前記第七の情報処理装置は所定の移動手段を備え、
前記第七の情報処理装置は、前記利用者の生体情報を取得し、当該取得した移動時の生体情報を前記第二の情報処理装置に送信し、
前記第二の情報処理装置は、前記第一の情報処理装置と近距離無線通信が可能な距離にいる際に、前記移動時の生体情報を前記第一の情報処理装置に送信し、
前記第一の情報処理装置は、取得した前記生体情報を前記第一の解析部に渡すことを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[21]前記第一の情報処理装置は、充填式バッテリ、一回用電池、または、新エネルギーを電力として利用することを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[22]一又は複数のコンピュータプロセッサに、利用者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得ステップと、環境情報を取得する環境情報取得ステップと、前記生体情報取得ステップにおいて取得された生体情報の少なくとも一部、および、前記環境情報取得ステップにおいて取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示ステップと、前記生体情報取得ステップにおいて取得された生体情報、および、所定の記憶部に記憶された前記利用者のゲノム情報に基づいて、前記利用者の健康状態を解析するAI基盤としての第一の解析ステップと、前記第一の解析ステップにおいて解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおける判定の結果を出力する出力ステップとを実行させる情報処理方法。
[23]一又は複数のコンピュータプロセッサに、利用者の生体情報を取得する生体情報取得機能と、前記利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得機能と、
環境情報を取得する環境情報取得機能と、前記生体情報取得機能により取得された生体情報の少なくとも一部、および、前記環境情報取得機能により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示機能と、前記生体情報取得機能により取得された生体情報、および、所定の記憶部に記憶された前記利用者のゲノム情報に基づいて、前記利用者の健康状態を解析するAI基盤としての第一の解析機能と、前記第一の解析機能により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定機能と、前記判定機能による判定の結果を出力する出力機能とを実現させるコンピュータプログラム。
[24]利用者のゲノム情報を記憶する記憶部と、前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記利用者の少なくとも顔の画像を取得する画像取得部と、
環境情報を取得する環境情報取得部と、前記生体情報取得部により取得された生体情報の少なくとも一部、および、前記環境情報取得部により取得された環境情報の少なくとも一部を表示する表示部と、前記生体情報取得部により取得された生体情報、および、前記記憶部に記憶されたゲノム情報に基づいて、前記利用者の健康状態を解析するAI基盤としての第一の解析部と、前記第一の解析部により解析された健康状態に異常があるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果を出力する出力部とを備える情報処理装置。
【符号の説明】
【0227】
1000 情報処理システム
100 第一の情報処理装置
110 記憶部
120 生体情報取得部
130 画像取得部
140 環境情報取得部
150 表示部
160 第一の解析部
170 判定部
180 出力部
190 利用者特定部
195 通信部
200 第二の情報処理装置
300 第三の情報処理装置
400 第四の情報処理装置
500 第五の情報処理装置
10 生体情報取得装置
図1
図2
図3
図4
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図6
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図8
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図10