(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026341
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】コンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング及びアイソレータ
(51)【国際特許分類】
H01P 1/36 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
H01P1/36 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119417
(22)【出願日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】202110922239.4
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522300363
【氏名又は名称】西南応用磁学研究所
【氏名又は名称原語表記】Southwest Institute of Applied Magnetics of China
【住所又は居所原語表記】No. 268, North Binhe Road, Mianyang, Sichuan 621000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】楊 勤
(72)【発明者】
【氏名】張 華峰
(72)【発明者】
【氏名】馮 楠軒
(72)【発明者】
【氏名】趙 春美
(57)【要約】
【課題】ポートの静電容量が向上でき、600~700MHzの集中定数サーキュレータ/アイソレータといった内部素子の完全国産化ができ、単一のコンデンサのサイズが減少でき、単一のコンデンサの厚さが増加でき、コンデンサの作製に寄与し、低周波部品の作製材料のコストを削減できる、コンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング及びアイソレータを提供する。。
【解決手段】ピン金属部分61、キャリア金属部分62、及びプラスチック部分63を備え、キャリア金属部分62に、形状及び大きさが同じで3つのコンデンサ接地ピンが設けられる。3つのコンデンサ接地ピンがいずれも内側に曲げられることにより、上層チップコンデンサ8と下層チップコンデンサ9とを収容するための収容チャンバー62eが形成され、上層チップコンデンサ8と下層チップコンデンサ9が収容チャンバー62e内で上下に並列に接続される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピン金属部分(61)、キャリア金属部分(62)、及びプラスチック部分(63)を備えるコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジングであって、
前記キャリア金属部分(62)には、形状及び大きさが同じである第1コンデンサ接地ピン(62a)、第2コンデンサ接地ピン(62b)、及び第3コンデンサ接地ピン(62c)と、中間接地板(62d)と、が設けられており、
前記第1コンデンサ接地ピン(62a)と中間接地板(62d)とは、左右に対向して設けられ、前記第2コンデンサ接地ピン(62b)と第3コンデンサ接地ピン(62c)とは、左右に対向して設けられ、
前記第1コンデンサ接地ピン(62a)、第2コンデンサ接地ピン(62b)、及び第3コンデンサ接地ピン(62c)は、いずれもキャリア金属部分の縁から上方へ伸びて内側に曲げられることにより、上層チップコンデンサ(8)と下層チップコンデンサ(9)とを収容するための収容チャンバー(62e)が形成され、
前記収容チャンバー(62e)の底部は、中間接地板(62d)の上面に揃える、
ことを特徴とするコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項2】
前記ピン金属部分(61)及びキャリア金属部分(62)は、リン青銅材料をプレス加工して洋白で電気めっきすることにより成形される、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項3】
前記リン青銅材料は、C5191リン青銅材料である、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項4】
前記プラスチック部分(63)は、LCPプラスチックで射出成形される、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項5】
前記LCPプラスチックの規格はE130iである、
ことを特徴とする請求項4に記載のコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項6】
前記第1コンデンサ接地ピン(62a)、第2コンデンサ接地ピン(62b)及び第3コンデンサ接地ピン(62c)は、上部幅が上層チップコンデンサ(8)の幅よりも短い、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項7】
前記第1コンデンサ接地ピン(62a)、第2コンデンサ接地ピン(62b)及び第3コンデンサ接地ピン(62c)は、上部曲げ位置の幅が0.3mm~0.4mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のプラスチックパッケージハウジングによって作製されるアイソレータであって、
上から下に順番に組み立てられる上金属ハウジング(1)、ストロンチウム永久磁石(2)、上層チップコンデンサ(8)、中心導体モジュール(3)、下層チップコンデンサ(9)、RF抵抗(5)、プラスチックパッケージハウジング(6)、及び下金属ハウジング(7)を備え、
前記上層チップコンデンサ(8)と下層チップコンデンサ(9)とは、前記収容チャンバー(62e)内で上下に並列に接続されている、
ことを特徴とするアイソレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波部品の技術分野に関し、特に、コンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング、及びこのプラスチックパッケージハウジングからなるアイソレータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の5G通信のSub6GHz周波数帯域の範囲は450MHz~6GHzであり、低周波通信(通信については、ミリ波が高周波と呼ばれる。)の分野に属している。低周波通信は、その長い伝送距離及び強力な浸透能力により、各国の通信事業者に支持されている。中国広電(CBN)及び中国移動(CMCC)は、700MHzの周波数帯域での展開を加速しており、トルコの通信事業者であるTurkTelekomは、5G通信でのN71周波数帯域(617MHz~698MHz)の適用を模索してきた。低周波通信基地局の設備としては、システムにおいて小型化という特徴の備える集中定数(Lumped Parameter)アイソレータ/アイソレータをより緊急に必要とする。
【0003】
現在、従来の低周波集中定数の非相反磁気部品であるアイソレータは、
図1に示すように構成され、主に、上金属ハウジング1、ストロンチウム永久磁石(Strontium Permanent Magnet)2、中心導体モジュール3、単層チップコンデンサ4、RF抵抗5、プラスチックパッケージハウジング6、及び下金属ハウジング7を備える。ここで、上金属ハウジング1及び下金属ハウジング7は、いずれも鉄製の金属ハウジングであり、部品に対して閉磁気回路を提供する。ストロンチウム永久磁石2は、部品に対して外部から印加された定磁場を提供する。中心導体モジュール3は、回路の非相反接合(nonreciprocity)であり、エネルギー循環を機能する。単層チップコンデンサ4と中心導体モジュール3とは、LCループを構成する。RF抵抗5は、50オームの整合負荷を提供する。プラスチックパッケージハウジング6は、信号伝送用の伝送経路を提供するとともに、内部素子(単層チップコンデンサ4とRF抵抗5とが含まれる。)の溶接取付用のキャリアである。
【0004】
上記の従来の低周波集中定数アイソレータの構造において、そのプラスチックパッケージハウジング6は、具体的に
図2に示すように構成され、主に、ピン金属部分61、キャリア金属部分62、及びプラスチック部分63を備える。ここで、ピン金属部分61は、2つの個別のピン(信号伝送を提供するものである。)である。キャリア金属部分62は、接地及び素子の溶接取付用キャリアの位置を提供する。プラスチック部品63は、2つの金属部分(即ち、ピン金属部分61及びキャリア金属部分62)の組み合わせに対してキャリアを提供し、内部素子に対して保護バリアを提供する。
【0005】
上記の従来のプラスチックパッケージハウジングのコンデンサの取付位置は、
図3に示すように、図中の2.2mm*1mm及び3.3mm*1mmのサイズでの位置がコンデンサの取付位置であり、コンデンサの最大制作サイズが2.05mm*0.95mmである。
【0006】
上記の従来のプラスチックパッケージハウジングには、主に以下の問題がある。
低周波数集中定数の非相反磁気部品は、静電容量値が周波数の低下と伴って増加するように設計されており、現在、コンデンサのセラミック材料が、140の誘電率しか達成できない。758MHz~803MHzの集中定数アイソレータ/アイソレーションについては、現在、最大コンデンサ取付サイズが2.1mm*1mmになりコンデンサの厚さが約0.1mm~0.13mmになるようにプラスチックパッケージハウジングを設計しないと、その17PF~22PFである静電容量値の設計要求が満たさない。高誘電率のセラミック材料の開発が難しいため、厚さが0.16mm以下であるコンデンサを作製する場合、作製されたコンデンサの容量の離散性が大きくなり、大量に供給できず、現在、低周波数集中定数アイソレータ/サーキュレータの量産ができなくなってしまう。上記の従来のコンデンサ及びプラスチックパッケージハウジングの設計を継続して採用すると、後続の通信で使用される600MHz~700MHzの集中定数サーキュレータ/アイソレータの設計が非常に困難になってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジングを提供することにより、プラスチックパッケージハウジングのサイズ及びコンデンサの取付サイズが一定である場合、より低い周波数帯域のアイソレータの設計が達成できること、を目的のその1つとするものである。本発明は、低周波数帯域のサーキュレータの設計に適用されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る技術案は、以下の通りである。
ピン金属部分、キャリア金属部分、及びプラスチック部分を備えるコンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジングであって、前記キャリア金属部分には、形状及び大きさが同じである第1コンデンサ接地ピン、第2コンデンサ接地ピン、及び第3コンデンサ接地ピンと、中間接地板と、が設けられており、前記第1コンデンサ接地ピンと中間接地板とは、左右に対向して設けられ、前記第2コンデンサ接地ピンと第3コンデンサ接地ピンとは、左右に対向して設けられ、前記第1コンデンサ接地ピン、第2コンデンサ接地ピン、及び第3コンデンサ接地ピンは、いずれも内側に曲げられることにより、上層チップコンデンサと下層チップコンデンサとを収容するための収容チャンバーが形成され、前記収容チャンバーの底部は、中間接地板の上面に揃える、コンデンサ並列接続に基づくアイソレータ用プラスチックパッケージハウジング。
【0009】
好ましい技術案において、前記ピン金属部分及びキャリア金属部分は、リン青銅材料をプレス加工して洋白で電気めっきすることにより成形される。より好ましくは、C5191リン青銅が用いられ、好ましくは、その厚さが0.13mmである。これにより、チップコンデンサを強固に溶接することが確保できる。当業者にとっては、プラスチックパッケージハウジングの金属部分を作製するために他の規格の既知材料を使用することによっても本発明が達成できること、を理解すべきである。
【0010】
好ましい技術案において、前記プラスチック部分は、LCPプラスチックで射出成形され、LCPプラスチックの規格はE130iであることが好ましい。この規格のプラスチックは、成形後の流動性及び強度がよい。当業者にとっては、プラスチックパッケージハウジングのプラスチック部分を作製するために他の規格の既知材料を使用することによっても本発明が達成できること、を理解すべきである。
【0011】
好ましい技術案において、前記第1コンデンサ接地ピン、第2コンデンサ接地ピン及び第3コンデンサ接地ピンは、上部幅が上層チップコンデンサの幅よりも短く、好ましくは0.1mmだけ短い。上層チップコンデンサは、このように設計される場合、溶接時に、半田の短絡を起こしにくい。
【0012】
好ましい技術案において、前記第1コンデンサ接地ピン、第2コンデンサ接地ピン、及び第3コンデンサ接地ピンは、上部曲げ位置の幅が0.3mm~0.4mmである。
【0013】
本発明は、上記プラスチックパッケージハウジングによって作製されるアイソレータを提供することを目的のその2つとするものである。その技術案は、上から下に順番に組み立てられる上金属ハウジング、ストロンチウム永久磁石、上層チップコンデンサ、中心導体モジュール、下層チップコンデンサ、RF抵抗、プラスチックパッケージハウジング、及び下金属ハウジングを備え、前記プラスチックパッケージハウジングは、ピン金属部分、キャリア金属部分、及びプラスチック部分を備え、前記キャリア金属部分には、形状及び大きさが同じである第1コンデンサ接地ピン、第2コンデンサ接地ピン、及び第3コンデンサ接地ピンが設けられており、前記第1コンデンサ接地ピン、第2コンデンサ接地ピン、及び第3コンデンサ接地ピンは、いずれも内側に曲げられることにより収容チャンバーが形成され、前記上層チップコンデンサと下層チップコンデンサとは、前記収容チャンバー内で上下に並列に接続されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は従来技術と比べて、その利点が次の通りである。本発明は、従来のプラスチックパッケージハウジングの設計と比べて、ポートの静電容量が向上でき、600~700MHzの集中定数アイソレータ/サーキュレータといった内部素子の完全国産化が達成でき、単一のコンデンサのサイズが減少でき、単一のコンデンサの厚さが増加でき、コンデンサの作製に寄与し、低周波部品の作製材料のコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は従来の低周波集中定数アイソレータの分解構造図である。
【
図2】
図2は
図1におけるプラスチックパッケージハウジングの構造概略図である。
【
図3】
図3は
図2における従来のプラスチックパッケージハウジングのコンデンサの取付位置の概略図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例に係る低周波集中定数アイソレータの分解構造図である。
【
図5】
図5は
図1におけるプラスチックパッケージハウジングの概略構造図である。
【
図6】
図6は本発明に係るアイソレータの上、下コンデンサの並列経路の概略図である。
【
図7】
図7は本発明に係るアイソレータ用のプラスチックパッケージハウジングの生産及び入料の概略図である。
【
図8】
図8は本発明に係るアイソレータ入出力の両ポートの定在波シミュレーション曲線である。
【
図9】
図9は本発明に係るアイソレータ挿入損失のシミュレーション曲線である。
【
図10】
図10は、本発明に係るアイソレータのアイソレーションシ(isolation)のミュレーション曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について、添付の図面を参照してさらに説明する。
【0017】
実施例1
低周波集中定数アイソレータは、
図4に示すように、上から下に順番に組み立てられる上金属ハウジング1、ストロンチウム永久磁石2、上層チップコンデンサ8、中心導体モジュール3、下層チップコンデンサ9、RF抵抗5、プラスチックパッケージハウジング6、及び下金属ハウジング7を備え、
【0018】
前記プラスチックパッケージハウジング6は、
図5及び
図6に示すように構成され、2つのピン金属部分(それぞれが出力ポート信号伝送ピン61a、入力ポート信号伝送ピン61bである。)、キャリア金属部分62、及びプラスチック部分63を備え、前記キャリア金属部分62には、形状及び大きさが同じである第1コンデンサ接地ピン62a、第2コンデンサ接地ピン62b、及び第3コンデンサ接地ピン62cと、中間接地板62dと、が設けられており、前記第1コンデンサ接地ピン62aと中間接地板62dとは、左右に対向して設けられ、前記第2コンデンサ接地ピン62bと第3コンデンサ接地ピン62cとは、左右に対向して設けられ、前記第1コンデンサ接地ピン62a、第2コンデンサ接地ピン62b、及び第3コンデンサ接地ピン62cは、いずれも内側に曲げられることにより収容チャンバー62eが形成され、前記上層チップコンデンサ8と下層チップコンデンサ9とは、前記収容チャンバー62e内で上下に並列に接続されており、上層チップコンデンサ8と下層チップコンデンサ9との間には、中心導体伝送線10が設けられる。
【0019】
本実施例において、プラスチックパッケージハウジング6の金属部分であるピン金属部分61及びキャリア金属部分62は、いずれも厚さが0.13mmであるC5191リン青銅材料をプレス加工して洋白で電気めっきすることにより成形される。これにより、チップコンデンサを強固に溶接することが確保できる。
【0020】
本実施例において、前記プラスチックパッケージハウジング6のプラスチック部分63は、E130iのLCPプラスチックで射出成形さる。この規格のプラスチックは、成形後の流動性及び強度がよい。
【0021】
本実施例において、前記プラスチックパッケージハウジング6において設計された第1コンデンサ接地ピン62a、第2コンデンサ接地ピン62b及び第3コンデンサ接地ピン62cは、上部幅が上層チップコンデンサ8の幅よりも0.1mmだけ短い。上層チップコンデンサは、このように設計される場合、溶接時に、半田の短絡を起こしにくい。
【0022】
前記プラスチックパッケージハウジング6には、
図7に示すように、入料時の上部にある3つのコンデンサ接地ピン(即ち、第1コンデンサ接地ピン62a、第2コンデンサ接地ピン62b、及び第3コンデンサ接地ピン62c)がプラスチック部分63の側壁に上向きで平行し、プレス成形時に、上部コンデンサ接地ピンの予定曲げ箇所に対してパンチング処理を行うことにより曲げ溝62fが形成される。パンチング溝は、60°の三角溝設計を採用することにより、曲げ位置の幅を0.3~0.4mmにし、その後の組立・成形に寄与する。
【0023】
本実施例の設計によると、このように設計されたプラスチックパッケージハウジングは、ポート静電容量が従来のプラスチックパッケージハウジングの設計の限界容量である16~21PFから20~32PFの制限容量に増加され、コンデンサのサイズが従来設計の2.15mm*0.95mmから1.5mm*0.95mm~2.0mm*0.95mmに減少され、単一のコンデンサの厚さが従来設計の0.12mm~0.15mmから0.17mm~0.25mmに増加されることができる。これにより、コンデンサの作製に寄与し、低周波部品作製用のコンデンサ材料のコストは、従来設計の18元~20元から8元~12元に低減されることができる。
【0024】
本実施例では、600MHz~700MHzの周波数帯域範囲においてN71周波数帯域における617MHz~652MHz対してアイソレータの設計が行われる。シミュレーション計算の電気的性能曲線の結果は、
図8~10に示されている。
【0025】
図面から分かるように、この規格の製品のシミュレーション設計は、定在波比が1.4以下になり、挿入損失が0.6dB以下になり、アイソレーションが15dB以下になることができる。工程経験によると、この規格の製品は、最終的に、-40℃~125℃の場合に、定在波比<1.8、挿入損失<1.1dB、アイソレーション>10dBを達成でき、この周波数帯域のアイソレータに対するユーザーの指標要求を満たす。
【0026】
617MHz~652MHzのアイソレータの3つのポートのシミュレーション設計静電容量値は、22.83PF、21.72PF、及び25.26PFである。工程の経験、及びシミュレーションモデルと実際の実装静電容量値との差別に基づき得られた、この規格のアイソレータが必要とする3つのポートの実際静電容量値は、最終的に、24PF~25PF、23PF~24PF、27PF~28PFになる。
【0027】
本発明に係るプラスチックパッケージハウジングの設計及び国内のチップコンデンサの作製能力によると、以下の厚さ及び静電容量値の有するコンデンサを選択してこの規格のアイソレータに適合させることができる。
【0028】
24PF~25PFの静電容量値が要求されるものは、サイズがL*W*T=2mm*0.91mm*0.17mmであり静電容量値が13.25PFであるコンデンサと、サイズがL*W*T=1.8mm*0.9mm*0.18mmであり静電容量値が11.1PFであるコンデンサと、という2つのコンデンサからなる。
【0029】
23PF~24PFの静電容量値が要求されるものは、サイズがL*W*T=2mm*0.91mm*0.17mmであり静電容量値が13.25PFであるコンデンサと、サイズがL*W*T=1.8mm*0.9mm*0.19mmであり静電容量が10.5PFであるコンデンサと、という2つのコンデンサからなる。
【0030】
27PF~28PFの静電容量値が要求されるものは、サイズがL*W*T=3mm*0.9mm*0.25mmであり静電容量値が13.4PFであるコンデンサと、サイズがL*W*T=2.5mm*0.9mm*0.2mmであり静電容量値が13.9PFであるコンデンサと、という2つのコンデンサからなる。
【0031】
実施例2
本実施例は、第2コンデンサ接地ピン62b及び第3コンデンサ接地ピン62cの上部幅が上層チップコンデンサ8の幅よりも0.3mmだけ短いことの以外、実施例1と同じである。
【0032】
上記の説明は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の精神および原則の範囲内でなされた修正、同等の交換、及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0033】
1 上金属ハウジング、2 ストロンチウム永久磁石、3 中心導体モジュール、4 単層チップコンデンサ、5 RF抵抗、6 プラスチックパッケージハウジング、61 ピン金属部分、61a 出力ポート信号伝送ピン、61b 入力ポート信号伝送ピン、62 キャリア金属部分、62a 第1コンデンサ接地ピン、62b 第2コンデンサ接地ピン、62c 第3コンデンサ接地ピン、62d 中間接地板、62e 収容チャンバー、62f 曲げ溝、63 プラスチック部分、7 下金属ハウジング、8 上層チップコンデンサ、9 下層チップコンデンサ、10 中心導体伝送線。