(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026353
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
F04B 51/00 20060101AFI20230216BHJP
F04B 49/02 20060101ALI20230216BHJP
A47L 11/30 20060101ALI20230216BHJP
A47L 11/34 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
F04B51/00
F04B49/02 311
A47L11/30
A47L11/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124045
(22)【出願日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0106316
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ソン ウォン
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA01
3H145AA22
3H145AA42
3H145BA03
3H145BA31
3H145CA06
3H145CA25
3H145DA01
3H145DA48
3H145EA14
3H145EA27
3H145EA34
3H145FA02
3H145FA16
(57)【要約】
【課題】移動装置とドッキングステーションの間で流体の供給を安定して行なうことができる流体供給システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明による移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムは、内部に流体を収容する第1貯蔵槽を含む移動装置と、移動装置がドッキングされ、内部に流体を収容する第3貯蔵槽、及び第3貯蔵槽に収容された流体を排出するポンプを含むドッキングステーションと、移動装置がドッキングされると、移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断し、移動装置がドッキングステーションに成功的にドッキングされた場合、ポンプが動作負荷で動作するように制御することにより、第3貯蔵槽から第1貯蔵槽へ流体を供給するプロセッサと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体を収容する第1貯蔵槽を含む移動装置と、
前記移動装置がドッキングされ、内部に流体を収容する第3貯蔵槽、及び前記第3貯蔵槽に収容された流体を排出するポンプを含むドッキングステーションと、
前記移動装置がドッキングされると、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断し、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされた場合、前記ポンプが動作負荷で動作するように制御することにより、前記第3貯蔵槽から前記第1貯蔵槽へ流体を供給するプロセッサと、を含むことを特徴とする移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記ポンプが前記動作負荷よりも低い試験動作負荷で動作するように制御することにより、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされたか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ポンプが前記試験動作負荷で動作する間に前記第3貯蔵槽から排出される流体の量と前記第1貯蔵槽に流入する流体の量に基づいて、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされたか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第3貯蔵槽から排出される流体の量と前記第1貯蔵槽に流入する流体の量との差が所定の量よりも小さい場合、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされたと判断し、ポンプが動作負荷で動作するように制御し、
前記第3貯蔵槽から排出される流体の量と前記第1貯蔵槽に流入する流体の量との差が所定の量よりも大きい場合、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされていないと判断し、ドッキングを再試行するように前記移動装置へ信号を伝送することを特徴とする請求項3に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記ポンプが前記動作負荷で動作する間に前記第1貯蔵槽の流量と前記第3貯蔵槽の流量に基づいて前記移動装置のドッキング状態を点検することを特徴とする請求項1に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項6】
前記移動装置は、前記第1貯蔵槽の内部に収容された流体の量を検出し、周期的に前記プロセッサへ信号を伝送する第1感知センサを含み、
前記ドッキングステーションは、前記第3貯蔵槽の内部に収容された流体の量を検出し、周期的に前記プロセッサへ信号を伝送する第2感知センサを含み、
前記プロセッサは、
前記第1感知センサ及び前記第2感知センサから受信した信号に基づいて、周期的に前記第1貯蔵槽の流量及び前記第3貯蔵槽の流量を判断することを特徴とする請求項5に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
下記[数式1]を満たす場合、前記移動装置のドッキング状態を異常状態と判断し、前記異常状態が所定の時間以上持続するか或いは所定の回数を超える場合、前記ポンプの動作を中断させることを特徴とする請求項6に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
[数式1]
A
0:初期の第1貯蔵槽の内部に収容された流体の量
A
n:第1感知センサからn番目に受信した信号の値
B
0:初期の第3貯蔵槽の内部に収容された流体の量
B
n:第2感知センサからn番目に受信した信号の値
δ:基準値
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1貯蔵槽の内部に収容された流体の量が第1閾値以上である場合、或いは前記第3貯蔵槽の内部に収容された流体の量が第2閾値以下である場合、前記ポンプの作動が中断するように制御することを特徴とする請求項1に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項9】
前記移動装置と前記ドッキングステーションとの間に流れる流体を検出する漏れ感知センサをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項10】
前記漏れ感知センサは、前記移動装置に配置される第1回路部、及び前記ドッキングステーションに配置される第2回路部を含み、前記移動装置が前記ドッキングステーションにドッキングされたとき、前記第1回路部と前記第2回路部は、互いに対向する箇所に配置され、
前記移動装置と前記ドッキングステーションとの間に流体が流れるとき、前記第1回路部と前記第2回路部とが電気的に接続されて流体の漏れを感知することを特徴とする請求項9に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項11】
前記移動装置は、自律駆動する自律移動装置であり、
ドッキングが開始すると、前記移動装置は、前記ドッキングステーションに自律的にドッキングされ、ドッキング状態が異常状態と判断されることにより、前記ポンプの動作が中断した場合に前記ドッキングステーションにドッキングを再試行することを特徴とする請求項1に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項12】
前記移動装置には、内部に廃水を収容する第2貯蔵槽がさらに含まれ、
前記移動装置が前記ドッキングステーションにドッキングされると、前記第2貯蔵槽から流体が外部へ排出され、
前記プロセッサは、
前記第2貯蔵槽が流体を排出するのにかかる所要時間を検出し、前記所要時間が所定の時間以上である場合に非正常ログを記録することを特徴とする請求項1に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム。
【請求項13】
移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法であって
前記移動装置がドッキングステーションにドッキングを開始するステップと、
前記移動装置がドッキングされると、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断するステップと、
前記移動装置が成功的にドッキングされた場合、ポンプが動作負荷で動作するように制御することにより、前記ドッキングステーションの第3貯蔵槽から前記移動装置の第1貯蔵槽へ流体を供給するステップと、を含むことを特徴とする移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法。
【請求項14】
前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断するステップは、
前記ポンプが前記動作負荷よりも低い試験動作負荷で動作するように制御することにより、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断することを特徴とする請求項13に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法。
【請求項15】
前記ポンプが前記動作負荷で動作する間に前記第1貯蔵槽の流量と前記第3貯蔵槽の流量に基づいて前記移動装置のドッキング状態を点検するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動装置がドッキングステーションにドッキングされると、移動装置に流体を供給し、流体の漏れを検出し、ドッキング状態を点検することができる移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律移動装置に関する関心が高まっている。自律移動装置は、ユーザまたは搭乗者が移動如何、移動方向、移動速度などを直接操作しなくても移動できる自律走行技術が組み込まれた装置である。例えば、自律走行車、自律移動ロボット、ロボット掃除機などが自律移動装置に該当する。特に、家庭用ロボット掃除機や自動清掃車両などの掃除用移動装置の場合、様々な分野で活用されている。清掃用移動装置は、一定領域を自律走行しながら、内部の貯蔵槽に収容された洗浄液を噴射し、洗浄液を擦ったり拭き取ったりすることにより床、ガラス窓、壁などを清掃することができる。噴射された洗浄液は、再び掃除用移動装置の内部に回収できる。
【0003】
移動装置は、ドッキングステーションに一定時間ドッキングされる。例えば、清掃用移動装置の場合は、ドッキングステーションにドッキングされた状態で、貯蔵槽の内部に収容された洗浄液の供給を受け、回収した洗浄液を排出することができる。また、ドッキングステーションでバッテリーが充電できる。
清掃用移動装置がドッキングステーションから自動的に流体の供給を受けるとき、ドッキングが不完全な状態で流体の供給が開始する状況が発生するおそれがある。また、ドッキングが不完全な場合でも、流体の供給過程でドッキング状態に異常が発生するおそれがあり、流体が漏れる状況が発生するおそれがある。したがって、流体を供給するドッキングステーションでドッキング状態を点検したり、流体の漏れを検出したりすることができる技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、移動装置がドッキングステーションにドッキングされると、流体を供給する前に、まずドッキングが成功的に行われたか否かを判断した後、流体を供給することができる、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムを提供することにある。また、流体の供給が開始した後にドッキング状態を点検し、流体の漏れを検出することができる、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムを提供することにある。
本発明の課題は、上述した課題に限定されるものではなく、上述していない課題は、本明細書及び添付図面から、実施形態の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムは、内部に流体を収容する第1貯蔵槽を含む移動装置と、前記移動装置がドッキングされ、内部に流体を収容する第3貯蔵槽、及び前記第3貯蔵槽に収容された流体を排出するポンプを含むドッキングステーションと、前記移動装置がドッキングされると、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断し、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされた場合、前記ポンプが動作負荷で動作するように制御することにより、前記第3貯蔵槽から前記第1貯蔵槽へ流体を供給するプロセッサと、を含むことを特徴とする。
【0007】
前記プロセッサは、前記ポンプが前記動作負荷よりも低い試験動作負荷で動作するように制御することにより、前記移動装置がドッキングステーションに成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。
【0008】
前記プロセッサは、前記ポンプが前記試験動作負荷で動作する間に前記第3貯蔵槽から排出される流体の量と前記第1貯蔵槽に流入する流体の量に基づいて、前記移動装置がドッキングステーションに成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。
【0009】
前記プロセッサは、前記第3貯蔵槽から排出される流体の量と前記第1貯蔵槽に流入する流体の量との差が所定の量よりも小さい場合には、前記移動装置が前記ドッキングステーションに成功的にドッキングされたと判断し、ポンプが動作負荷で動作するように制御することができる。また、前記プロセッサは、前記第3貯蔵槽から排出される流体の量と前記第1貯蔵槽に流入する流体の量との差が所定の量よりも大きい場合には、前記移動装置がドッキングステーションに成功的にドッキングされていないと判断し、ドッキングを再試行するように前記移動装置へ信号を伝送することができる。
【0010】
前記プロセッサは、前記ポンプが前記動作負荷で動作する間に前記第1貯蔵槽の流量と前記第3貯蔵槽の流量に基づいて前記移動装置のドッキング状態を点検することもできる。
【0011】
このために、前記移動装置は、前記第1貯蔵槽の内部に収容された流体の量を検出し、周期的に前記プロセッサへ信号を伝送する第1感知センサを含むことができる。前記ドッキングステーションは、前記第3貯蔵槽の内部に収容された流体の量を検出し、周期的に前記プロセッサへ信号を伝送する第2感知センサを含むことができる。前記プロセッサは、前記第1感知センサ及び前記第2感知センサから受信した信号に基づいて、周期的に前記第1貯蔵槽の流量及び前記第3貯蔵槽の流量を判断することができる。
【0012】
前記プロセッサは、下記[数式1]を満足する場合、前記移動装置のドッキング状態を異常状態と判断し、前記異常状態が所定の時間以上持続するか或いは所定の回数を超える場合、前記ポンプの動作を中断させることができる。
[数式1]
A
0:初期の第1貯蔵槽の内部に収容された流体の量
A
n:第1感知センサからn番目に受信した信号の値
B
0:初期の第3貯蔵槽の内部に収容された流体の量
B
n:第2感知センサからn番目に受信した信号の値
δ:基準値
【0013】
前記プロセッサは、前記第1貯蔵槽の内部に収容された流体の量が第1閾値以上である場合、或いは前記第3貯蔵槽の内部に収容された流体の量が第2閾値以下である場合、前記ポンプの作動が中断するように制御することができる。
【0014】
ここでは、前記移動装置と前記ドッキングステーションとの間に流れる流体を検出する漏れ感知センサをさらに含むことができる。
【0015】
前記漏れ感知センサは、前記移動装置に配置される第1回路部、及び前記ドッキングステーションに配置される第2回路部を含むが、前記移動装置が前記ドッキングステーションにドッキングされたとき、前記第1回路部と前記第2回路部は、互いに対向する箇所に配置できる。前記移動装置と前記ドッキングステーションとの間に流体が流れるとき、前記第1回路部と前記第2回路部とが電気的に接続されて流体の漏れを感知することができる。
【0016】
前記移動装置は、自律駆動する自律移動装置であり得る。ドッキングが開始すると、前記移動装置は、前記ドッキングステーションに自律的にドッキングされ、ドッキング状態が異常状態と判断されることにより、前記ポンプの動作が中断した場合に前記ドッキングステーションにドッキングを再試行することができる。
【0017】
前記移動装置には、内部に廃水を収容する第2貯蔵槽がさらに含まれ、前記移動装置が前記ドッキングステーションにドッキングされると、前記第2貯蔵槽から流体が外部へ排出され、前記プロセッサは、前記第2貯蔵槽が流体を排出するのにかかる所要時間を検出し、前記所要時間が所定の時間以上である場合、非正常ログを記録することができる。
【0018】
本発明による移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法は、前記移動装置がドッキングステーションにドッキングを開始するステップと、前記移動装置がドッキングされると、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断するステップと、前記移動装置が成功的にドッキングされた場合、ポンプが動作負荷で動作するように制御することにより、前記ドッキングステーションの貯蔵槽から前記移動装置の貯蔵槽へ流体を供給するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
ここで、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断するステップは、前記ポンプが動作負荷よりも低い試験動作負荷で動作するように制御することにより、前記移動装置が成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。
【0020】
移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法は、前記ポンプが前記動作負荷で動作する間に前記第1貯蔵槽の流量と前記第3貯蔵槽の流量に基づいて前記移動装置のドッキング状態を点検するステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム及びその制御方法は、移動装置へ流体を供給する前に、ドッキングが成功的に行われたか否かをポンプの試験動作によって確認することができるので、確認方法が非常に簡単であり、ドッキングが碌に行われた状態で流体の供給が開始することができる。また、ドッキングステーションから移動装置へ流体を供給する間に、ドッキング状態を点検し、流体の漏れを検出することができるので、流体の供給を安定的に行うことができ、流体の浪費を防止することができる。実施形態に係る効果は、上述した効果に限定されず、上述していない効果は、本明細書及び添付図面から、実施形態の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムを概略的に示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの移動装置がドッキングステーションに成功的にドッキングされたか否かを判断する様子を概略的に示す図である。
【
図4a】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの第3貯蔵槽から第1貯蔵槽へ流体が供給される様子を概略的に示す図である。
【
図4b】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの第3貯蔵槽から第1貯蔵槽へ流体が供給される様子を概略的に示す図である。
【
図4c】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの第3貯蔵槽から第1貯蔵槽へ流体が供給される様子を概略的に示す図である。
【
図5a】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの流体漏れ感知方法を説明するための図である。
【
図5b】一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの流体漏れ感知方法を説明するための図である。
【
図6】他の実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法のフローチャートである。
【
図7】
図6に示された移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法でドッキング状態を点検する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、できる限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当該分野に従事する技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって変わり得る。また、特定の場合には、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語の持つ意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、本明細書に記載された「部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能又は動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェアで実現されるか、或いはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現されることができる。
【0024】
以下では、添付図面を参照して、実施形態について、実施形態の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。実施形態は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。以下、添付図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの一例を示す図である。
図1を参照すると、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、移動装置100、ドッキングステーション200及びプロセッサ300を含むことができる。実施形態において、移動装置100は、ユーザ又は搭乗者の操作なしに移動方向を決定して移動することができる装置でる。例えば、移動装置100は、自律走行車(autonomous vehicle)、自律移動ロボット(autonomous mobile robot)、又はロボット掃除機であり得る。移動装置100は、移動するだけでなく、ドッキングのためにドッキングステーション200へ移動し、ドッキングステーション200に連結されることができる。また、
図1には移動装置100が車両の形態で示されているが、これに限定されない。例えば、移動装置100は、小型ロボット掃除機でもよく、人間型の掃除ロボットでもよい。
【0026】
移動装置100は、駆動部101、コントローラ(
図2の102)及び連結部103を含むことができる。駆動部101は、移動装置100を移動させる手段を意味する。言い換えれば、移動装置100は、駆動部101が動作するにつれて移動することができる。駆動部101は、自律走行車のホイールや自律移動ロボットの歩行手段などのように、移動装置100の位置を調整することができる移動手段を含むことができる。また、図示されてはいないが、駆動部101は、移動手段に動力を提供するモータ、エンジン又は移動手段の方向を調整する操舵装置、ステアリングホイールなどの装置を含むことができる。
【0027】
コントローラ102は、駆動部101を制御することにより、移動装置100の移動を制御することができる。コントローラ102は、駆動部101の動作開始如何、動作方向、動作速度など、駆動部101の全般的な動作を制御することができる。コントローラ102は、移動装置100に含まれた様々なセンサから信号を受信することにより、移動領域や障害物を検出して移動装置100の目的のための最適な移動経路を探索することができる。また、コントローラ102は、探索した移動経路に沿って移動装置100が移動するように駆動部101を制御することができる。
【0028】
移動装置100は、少なくとも一つの連結部103を含むことができる。移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされるとき、連結部103がドッキングステーション200のドッキング部203に連結されることによりドッキングが行われ得る。ドッキング部203は、ドッキングステーション200における、移動装置100がドッキングされる領域を意味することができる。例えば、連結部103は、ドッキング部203に挿入され、ロッキングボール(locking ball)によってドッキング部203に物理的に締結されるボールロッキング(ball-locking)構造であり得る。また、連結部103がドッキング部203と接触して信号を送受信する接点通信方式で、連結部103とドッキング部203に連結されることもできる。ただし、上述した連結方式は、例示的なものに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0029】
移動装置100は、ドッキング条件を満足する場合にドッキングを開始することができる。例えば、自動清掃機能を行う清掃車両の場合、洗浄液などの流体の収容量が一定値以下であるとき、移動装置100はドッキングを開始することができる。ドッキングステーション200は、移動装置100がドッキングされると、特定の機能を行うことができる。例えば、移動装置100が清掃車両である場合、ドッキングステーション200は、移動装置100の内部に洗浄液などの流体を充填することができる。また、移動装置100は、ドッキングステーション200にドッキングされた状態で、移動装置100の内部に収容された廃水を排出することができる。
【0030】
プロセッサ300は、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされた場合、特定の機能が行われるように移動装置100及び/又はドッキングステーション200を制御し、ドッキング状態を点検することができる。プロセッサ300は、移動装置100に設けられてもよく、ドッキングステーション200に設けられてもよく、移動装置100及びドッキングステーション200とは別に独立して設けられてもよい。
【0031】
図1に示された移動装置100及びドッキングステーション200には、本実施形態に関連する構成要素が示されている。したがって、
図1に示された構成要素の他に、他の汎用的な構成要素が移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10にさらに含まれ得ることを、本実施形態に関連する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0032】
図2は一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムを概略的に示すブロック図である。
図2を参照すると、一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、第1貯蔵槽110と第2貯蔵槽120を含む移動装置100、第3貯蔵槽210とポンプ220を含むドッキングステーション200、及びプロセッサ300を含むことができる。第1貯蔵槽110は、内部に流体を収容することができる。第1貯蔵槽110が内部に「流体を収容する」とは、第1貯蔵槽110が容器(container)の用途のように流体を単純に収容する機能を行うことと、第1貯蔵槽110の内部に多孔性構造体などの流体を含浸する要素を含むことを意味する。上述した説明は、後述する第2貯蔵槽120、第3貯蔵槽210に同様に適用できる。
【0033】
第1貯蔵槽110の内部に収容された流体は、清掃に使用される洗浄液である。移動装置100が清掃を行うために一定領域を移動するとき、第1貯蔵槽110は、洗浄液を一定速度で噴射することができる。移動装置100は、移動経路に沿って第1貯蔵槽110から洗浄液が噴射でき、噴射された洗浄液を擦ったり拭き取ったりするための道具を含むことができる。第2貯蔵槽120は、内部に廃水を収容することができる。廃水は、第1貯蔵槽110から噴射された洗浄液が回収されたものである。例えば、移動装置100は、清掃に使用された洗浄液を吸入し、吸入された洗浄液は、第2貯蔵槽120に流動することができる。移動装置100は、噴射された洗浄液を吸入する手段を含むことができる。第3貯蔵槽210は、内部に流体を収容することができる。第3貯蔵槽210の内部に収容された流体は、第1貯蔵槽110に収容された流体と同じであり得る。移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされると、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体が第1貯蔵槽110に供給されることができる。
【0034】
ポンプ220は、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体を外部へ排出することができる。ポンプ220に動作電力が印加されると、動作負荷で動作することにより、第3貯蔵槽210に圧力を印加することができる。第3貯蔵槽210に圧力が印加されると、内部に収容された流体が外部へ排出されることができる。プロセッサ300は、ドッキングステーション200の動作を全般的に制御することができる。プロセッサ300は、移動装置100がドッキングされると、移動装置100が成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。「移動装置が成功的にドッキングされた」とは、連結部103とドッキング部203とが正常的に連結されることにより、第3貯蔵槽210から排出される流体が第1貯蔵槽110へ供給されるときに漏れないか或いは漏れ量が一定量以下であることを意味する。言い換えれば、移動装置100が成功的にドッキングされなければ、第3貯蔵槽210から排出される流体が移動装置100とドッキングステーション200との隙間に流れることができる。
【0035】
また、プロセッサ300は、ポンプ220に電力を印加することにより、ポンプ220が動作負荷で動作するように制御することができる。図示されてはいないが、ドッキングステーション200は、ポンプ220に電力を供給する電力貯蔵装置を含むことができる。ポンプ220が動作負荷で動作するとき、第3貯蔵槽210から第1貯蔵槽110へ流体が供給されることにより、第1貯蔵槽110の流体が充填されることができる。また、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされると、第2貯蔵槽120から流体が移動装置100の外部へ排出されることができる。第2貯蔵槽120は、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされたときに少なくとも一部が開放される排出口を含むことができる。排出口は、プロセッサ300の制御によって開放されるか、或いはドッキングステーション200との物理的連結によって開放されることができる。
【0036】
プロセッサ300は、第2貯蔵槽120が流体を排出するのにかかる所要時間を検出することができる。プロセッサ300は、所要時間が所定の時間以上である場合、第2貯蔵槽120の排出口に問題が発生した状況と判断し、非正常ログを記録し、音アラーム又は視覚アラームを送出することができる。
【0037】
図3は一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの移動装置がドッキングステーションに成功的にドッキングされたか否かを判断する様子を概略的に示す図である。
図3を参照すると、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされると、プロセッサ300は、ポンプ220が試験動作負荷で動作するように制御することにより、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。試験動作負荷とは、ポンプ220が正常動作負荷よりも低い負荷で動作することを意味する。ポンプ220が試験動作負荷で動作すると、第3貯蔵槽210から第1貯蔵槽110へ少量の流体が供給されることができる。
【0038】
プロセッサ300は、ポンプ220が試験動作負荷で動作する間に第3貯蔵槽210から排出される流体の量F1と第1貯蔵槽110に流入する流体の量F2に基づいて、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。図示されてはいないが、移動装置100及び/又はドッキングステーション200には、流体の流量を感知する流量感知センサが設けられることができる。移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされた場合、第3貯蔵槽210から排出される流体の量F1と第1貯蔵槽110に流入する流体の量F2は、同一でもよく、差が極めて小さくてもよい。
【0039】
したがって、プロセッサ300は、第3貯蔵槽210から排出される流体の量F1と第1貯蔵槽110に流入する流体の量F2との差が所定の量よりも小さい場合、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされたと判断することができる。判断基準となる所定の量は、第1貯蔵槽110及び第3貯蔵槽210の容量、ポンプ220の性能、流体の種類などに応じて適切に設定できる。プロセッサ300は、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされたと判断した場合、ポンプ220が動作負荷で動作するように制御することにより、第3貯蔵槽210から第1貯蔵槽110へ流体が供給されるように制御することができる。
【0040】
また、プロセッサ300は、第3貯蔵槽210から排出される流体の量F1と第1貯蔵槽110に流入する流体の量F2との差が所定の量よりも大きい場合、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされていないと判断することができる。プロセッサ300は、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされていないと判断した場合、ポンプ220の動作が中断するように制御し、ドッキングを再試行するように移動装置100に信号を伝送することができる。
【0041】
例えば、移動装置100が、自律的に駆動される移動装置100である場合、移動装置100のコントローラ102にドッキング再試行信号を伝送し、コントローラ102は、信号を受信して移動装置100の位置が調整されるように駆動部101を制御することができる。また、プロセッサ300は、移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされなかったことを知らせる音アラーム、視覚アラームを送出することができる。移動装置100及び/又はドッキングステーション200は、音アラームを送出するスピーカと、視覚アラームを送出するディスプレイとを含むことができる。
【0042】
一実施形態において、プロセッサ300がポンプ220を動作負荷よりも低い試験動作負荷で動作するように制御することにより少量の流体を流動させ、これにより移動装置100がドッキングステーション200に成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。したがって、ドッキング不良状態で流体の供給が開始することにより発生しうる流体の漏れ、及び移動装置100とドッキングステーション200の故障を未然に防止することができる。また、少量の流体のみを流動させるので、確認方法が非常に簡単であるという利点がある。
【0043】
図4a乃至
図4cは一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの第3貯蔵槽から第1貯蔵槽へ流体が供給される様子を概略的に示す図である。
図4a乃至
図4cを参照すると、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされると、第1貯蔵槽110と第3貯蔵槽210とは流体連通することができる。移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされると、第1貯蔵槽110と第3貯蔵槽210とは連結管Pによって互いに流体連通することができる。ポンプ220は、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体を連結管Pへ排出し、排出された流体は、連結管Pを流動して第1貯蔵槽110に流入することができる。
【0044】
また、
図2~
図4cを参照すると、一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、貯蔵槽の内部に収容された流体の量を感知する感知センサ111、211を含むことができる。第1貯蔵槽110は、内部に収容された流体の量を感知する第1感知センサ111を含むことができ、第3貯蔵槽210は、内部に収容された流体の量を感知する第2感知センサ211を含むことができる。
【0045】
図4aは第3貯蔵槽210から第1貯蔵槽110への流体の供給が開始した時点を概略的に示す図である。プロセッサ300は、ポンプ220が動作負荷で動作し始めると、第1感知センサ111及び第2感知センサ211から収容された流体の量に対する信号を受信し、記録することができる。言い換えれば、プロセッサ300は、流体の供給が開始した時点における、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量A
iと第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量B
iを確認することができる。具体的には、感知センサ111、211の場合、流量を直接測定する流量センサ、又は貯蔵槽の数の変化から流量の変化が分かる数のセンサ、又は貯蔵槽の重量の変化から流量の変化が分かる重量センサなど、流体の移動をチェックすることができる様々な方法、及びそれによる適切なセンサの適用が可能であろう。
図4bは第3貯蔵槽210から第1貯蔵槽110への流体の供給が開始した後、一定時間が経過した時点を概略的に示す図である。
【0046】
ポンプ220が作動負荷で動作すると、流体は、第3貯蔵槽210から連結管Pを経て第1貯蔵槽110へ流動することができる。よって、第3貯蔵槽210から第1貯蔵槽110への流体の供給が開始した後、一定時間が経過したとき、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量は増加し、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量は減少する。プロセッサ300は、ポンプ220が動作負荷で動作した後、一定時間ごとに第1感知センサ111及び第2感知センサ211から流体の量に対する信号を受信し、記録することができる。言い換えれば、プロセッサ300は、流体の供給が開始した後、一定時間ごとに、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量Atと第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量Btを確認することができる。
【0047】
プロセッサ300は、ポンプ220が動作負荷で動作する間に第1貯蔵槽110の流量と第3貯蔵槽210の流量に基づいて移動装置100のドッキング状態を点検することができる。第1貯蔵槽110の流量は、第1貯蔵槽110に流入する流体の量を意味することができ、第3貯蔵槽210の流量は、第3貯蔵槽210から排出される流体の量を意味することができる。プロセッサ300は、一定時間ごとに第1感知センサ111が測定した第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量から一定時間間隔に対する第1貯蔵槽110の流量を判断することができる。
【0048】
同様に、プロセッサ300は、一定時間ごとに第2感知センサ211が測定した第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量から一定時間間隔に対する第3貯蔵槽210の流量を判断することができる。例えば、プロセッサ300は、流体の供給が開始した時点における、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量Aiと、流体の供給が開始してから一定時間が経過した時点における、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量Atとの差At-Aiから一定時間の間の第1貯蔵槽110の流量を判断することができる。同様に、プロセッサ300は、流体の供給が開始した時点における、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量Biと、流体の供給が開始してから一定時間が経過した時点における、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量Btとの差Bt-Biから一定時間の間の第3貯蔵槽210の流量を判断することができる。
【0049】
また、特定の時点で第1感知センサ111が測定した流体の量と、その直前の時点で第1感知センサ111が測定した流体の量との差から一定時間間隔に対する第1貯蔵槽110の流量を判断することができる。プロセッサ300は、一定時間ごとに第1感知センサ111と第2感知センサ211から流体の量に対する信号を受信し、記録することができる。したがって、プロセッサ300は、一定時間ごとに第1貯蔵槽110の流量と第3貯蔵槽210の流量を確認することができる。
【0050】
プロセッサ300は、第1貯蔵槽110の流量と第3貯蔵槽210の流量との差から移動装置100のドッキング状態を点検することができる。プロセッサ300は、下記[数式1]を満たす場合、移動装置100のドッキング状態が異常状態であると判断することができる。
[数式1]
A
0:初期の第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量
A
n:第1感知センサ111からn番目に受信した信号の値
B
0:初期の第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量
B
n:第2感知センサ211からn番目に受信した信号の値
δ:基準値
【0051】
上記[数式1]において、基準値は、移動装置100のドッキングが碌に行われていない場合、第3貯蔵槽210から排出される流体が第1貯蔵槽110に流入せずに外部へ流出する量から設定できる。例えば、基準値は、0以上であり、第3貯蔵槽210から単位時間あたり排出される流体の量の5%未満である。
【0052】
移動装置100のドッキング状態が正常状態である場合、第1貯蔵槽110の流量と第3貯蔵槽210の流量とは、同一でもよく、差が非常に小さくてもよい。したがって、移動装置100のドッキング状態が正常状態である場合には、第3貯蔵槽210から単位時間あたり排出された流体の量Bn-Bn-1と第1貯蔵槽110に単位時間あたり流入した流体の量An-An-1との差が0であるか或いは非常に小さいので、前記[数式1]を満足しない。
【0053】
これに対し、移動装置100のドッキング状態が異常状態である場合、第3貯蔵槽210の流量と第1貯蔵槽110の流量との間に有意な差が発生することができる。したがって、移動装置100のドッキング状態が正常状態である場合には、第3貯蔵槽210から単位時間あたり排出された流体の量Bn-Bn-1と第1貯蔵槽110に単位時間あたり流入した流体の量An-An-1との差が一定量以上である。当該差を累積した値が基準値よりも大きい場合、前記[数式1]を満たすことができる。
【0054】
プロセッサ300は、前記[数式1]を満たす場合、ドッキング状態が異常状態であると判断し、異常状態が所定の時間以上持続するか或いは所定の回数を超える場合、ポンプ220の動作を中断させることができる。前記[数式1]を満たしても、一時的なドッキング不良によって流体の漏れが発生した状況である。したがって、プロセッサ300は、前記[数式1]を満たす時間又は回数が一定時間又は一定回数以上である場合には、一時的なドッキング不良ではなく、移動装置100のドッキングに問題が発生したと判断し、ポンプ220の動作を中断させることにより、流体の供給を中断させることができる。
【0055】
図4cは、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量が第1閾値T
1以上であり、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量が第2閾値T
2以下である場合に、流体の供給が中断した状況を概略的に示す図である。プロセッサ300は、第1貯蔵槽110の内部に収容された流体の量が第1閾値T
1以上である場合、ポンプ220の作動が中断するようにポンプ220を制御することができる、また、プロセッサ300は、第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量が第2閾値T
2以下である場合、ポンプ220の作動が中断するようにポンプ220を制御することができる。したがって、第1貯蔵槽110にあまり多くの流体が供給されることにより、流体が溢れ出る状況を防止することができる。また、第3貯蔵槽210に排出される流体が十分でない場合に、ポンプ220を稼動させることにより発生し得る電力の浪費や装置の破損を防止することができる。
【0056】
第1閾値T
1と第2閾値T
2は、第1貯蔵槽110と第3貯蔵槽210の全体容量に応じて適切に設定できる。例えば、第1閾値T
1は、第1貯蔵槽110の容量の約70%以上95%以下であり、第2閾値T
2は、第3貯蔵槽210の容量の約20%未満であり得る。
図5a及び
図5bは一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの流体漏れ感知方法を説明するための図である。
【0057】
図5a及び
図5bを参照すると、一実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、移動装置100とドッキングステーション200との間に流れる流体を検出する漏れ感知センサ400を含むことができる。漏れ感知センサ400は、移動装置100に配置される第1回路部410と、ドッキングステーション200に配置される第2回路部420とを含むことができる。移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされたとき、第1回路部410と第2回路部420は、互いに対向する箇所に配置できる。
【0058】
図5aは、流体が漏れていない状況を示す。
図5aを参照すると、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされたとき、移動装置100とドッキングステーション200との間には微細な間隔Dが存在することができる。したがって、移動装置100がドッキングステーション200にドッキングされると、第1回路部410と第2回路部420とは、互いに微細な間隔Dだけ互いに離隔することができる。よって、流体が漏れていない状況で、第1回路部410と第2回路部420とは電気的に接続されない。
【0059】
図5bは、流体が漏れた状況を示す。
図5bを参照すると、流体が漏れると、移動装置100とドッキングステーション200との間に流れることができるので、漏れた流体Lによって第1回路部410と第2回路部420とが互いに電気的に接続されることができる。言い換えれば、漏れた流体Lによって第1回路部410と第2回路部420から接点回路が形成されることができる。漏れ感知センサ400は、第1回路部410と第2回路部420とが電気的に接続されると、流体が漏れたと感知することができる。プロセッサ300は、漏れ感知センサ400から流体が漏れたという信号を受信することができ、この場合、音アラーム又は視覚アラームを送出することができる。また、漏れ感知センサ400は、漏れた流体Lを毛細管形状によって第1回路部410及び第2回路部420へ移送することができる材料を含むことができる。例えば、漏れ感知センサ400は、流体を吸収して移送することができる綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔質セラミック、セルロース、ポリエステル、ポリアミドのうちの少なくとも一つを含むことができる。また、連結管Pと漏れ感知センサ400に連結された芯が備えられてもよい。
図6は他の実施形態に係る移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システムの制御方法のフローチャートである。上述した内容と重複する部分についての詳細な説明は省略する。
【0060】
ステップ610で、移動装置100がドッキングステーション200へのドッキングを開始することができる。移動装置100は、ドッキングが開始する条件を満たす場合にドッキングを開始することができる。例えば、移動装置100の貯蔵槽の内部に収容された流体が一定値以下であるとき、ドッキングが開始する条件を満たすことができる。ステップ620で、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、移動装置100がドッキングされると、移動装置100が成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10がポンプ220を動作負荷よりも低い試験動作負荷で動作するように制御することができる。移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、ポンプ220が試験負荷で動作する間に第3貯蔵槽210から排出される流体の量と第1貯蔵槽110に流入する流体の量に基づいて、移動装置100が成功的にドッキングされたか否かを判断することができる。
【0061】
ステップ630で、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、移動装置100が成功的にドッキングされた場合にポンプ220が動作負荷で動作するように制御することにより、ドッキングステーション200の貯蔵槽から移動装置100の貯蔵槽へ流体を供給することができる。
【0062】
ステップ640で、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、ポンプ220が動作負荷で動作する間に第1貯蔵槽110の流量と第3貯蔵槽210の流量に基づいて移動装置100のドッキング状態を点検することができる。
【0063】
図7は、
図6に示された移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10の制御方法でドッキング状態を点検する方法のフローチャートである。ステップ710で、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、移動装置100の第1貯蔵槽110の現在流量とドッキングステーション200の第3貯蔵槽210の現在流量を検出することができる。第1貯蔵槽110の流量は、第1貯蔵槽110に流入する流体の量を意味し、第3貯蔵槽210の流量は、第3貯蔵槽210から排出される流体の量を意味することができる。
【0064】
ステップ720で、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、第1貯蔵槽110の流量変化量と第3貯蔵槽210の流量変化量を計算することができる。流量変化量は、一定時間ごとに、第1貯蔵槽110及び第3貯蔵槽210の内部に収容された流体の量から計算できる。ステップ730で、第1貯蔵槽110の流量変化量と第3貯蔵槽210の流量変化量との差が所定の範囲を超えるか否かを判断することができる。より具体的には、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、前記[数式1]を満たすか否かを判断することができる。
【0065】
流量変化量の差が所定の範囲を超えない場合、移動装置100のドッキング状態が正常であると判断し、ドッキング状態の点検が終了できる。流量変化量の差が所定の範囲を超える場合、ステップ740で、ドッキング状態が異常状態であると判断し、ステップ750で異常状態を記録することができる。言い換えれば、ドッキングが正常状態でない場合には、第3貯蔵槽210から排出される流体の量と第1貯蔵槽110に流入する流体の量との差が所定の範囲を超えるため、これに基づいてドッキング状態を点検することができる。
【0066】
ステップ760で、異常状態の累積回数が所定の回数を超えるかを判断することができる。異常状態の累積回数の代わりに異常状態の持続時間を判断することもできる。異常状態の累積回数が所定の回数を超えない場合、再びステップ710が開始してドッキング状態の点検を行うことができる。異常状態の累積回数が所定の回数を超える場合、ステップ770で、移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム10は、ポンプ220の作動を中断させ、移動装置100のドッキングを再試行することができる。
【0067】
本実施形態に関連する技術分野における通常の知識を有する者は、上述した記載の本質的な特性から逸脱することなく変形形態で実現できることを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にある全ての相違点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0068】
10 移動装置のためのドッキングステーションの流体供給システム
100 移動装置
101 駆動部
102 コントローラ
103 連結部
110 第1貯蔵槽
111 第1感知センサ
120 第2貯蔵槽
200 ドッキングステーション
203 ドッキング部
210 第3貯蔵槽
211 第2感知センサ
220 ポンプ
300 プロセッサ
400 漏れ感知センサ
410 第1回路部
420 第2回路部
Ai 流体の量
Bi 流体の量
At 流体の量
Bt 流体の量
L 漏れた流体
T1 第1閾値
T2 第2閾値
P 連結管