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特開2023-26371車両用OTAアップデート実行装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026371
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】車両用OTAアップデート実行装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20230216BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
G06F8/65
B60R16/02 660U
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126610
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0107198
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヒョクサン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ミョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジンア
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ユンシク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハクジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドンヨル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ヨンジー
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA05
5B376CA32
5B376CA43
5B376CA75
5B376GA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不完全なOTAアップデートが実行されることを防止する車両用OTAアップデート実行装置及び実行方法を提供する。
【解決手段】車両用OTAアップデート実行装置は、車両のOTAアップデートのための少なくとも一つのメッセージを表示するディスプレイ部及び車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて表示される少なくとも一つのメッセージを生成する制御部を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のOTAアップデート(Over-The-Air Update)のための少なくとも一つのメッセージを表示するディスプレイ部と、
前記車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて前記表示される少なくとも一つのメッセージを生成する制御部と、を含む、
車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つのメッセージは、
前記OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、前記OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又は前記OTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項3】
前記第1のメッセージは、
前記車両のイグニッション(Ignition)電源がオフになり、前記OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成される、
請求項2に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項4】
前記第2の条件は、
前記車両の常時電源がオンになっている条件、前記車両の無線通信(radio communication)が実行可能な条件、前記車両の低電圧バッテリーのSOC(State Of Charge)値が既設定された第1の値より大きい条件、前記車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きい条件、又は前記車両が停車中である条件のうち少なくとも一つを含む、
請求項2に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項5】
前記第1のメッセージは、
前記OTAアップデートの予想時間を示す情報、又は前記OTAアップデートのアップデート内容を示す情報のうち少なくとも一つを含む、
請求項2に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項6】
前記第2のメッセージは、
前記第1のメッセージが表示され、前記使用者から前記OTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して生成される、
請求項2に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項7】
前記第2のメッセージは、
前記第1の条件が満たされたか否かを示す情報を含む、
請求項6に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項8】
前記第1の条件は、
前記車両のフード(Hood)が閉まっている条件、前記車両のギア(Gear)がP(Parking)になっている条件、前記車両のランプ(Lamp)がオフになっている条件、又は前記車両のパーキングブレーキ(Parking Brake)が締結されている条件のうち少なくとも一つを含む、
請求項7に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項9】
前記第3のメッセージは、
前記第2のメッセージが表示され、前記第1の条件が満たされることに対応して生成される、
請求項2に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項10】
前記第3のメッセージは、
前記第1の条件が満たされることを示す情報をさらに含む、
請求項9に記載の車両用OTAアップデート実行装置。
【請求項11】
車両のOTAアップデートのための少なくとも一つのメッセージを表示する段階と、
前記車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて前記表示される少なくとも一つのメッセージを生成する段階と、を含む、
車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つのメッセージは、
前記OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、前記OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又は前記OTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含む、
請求項11に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項13】
前記第1のメッセージは、
前記車両のイグニッション電源がオフになり、前記OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成される、
請求項12に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項14】
前記第2の条件は、
前記車両の常時電源がオンになっている条件、前記車両の無線通信が実行可能な条件、前記車両の低電圧バッテリーのSOC値が既設定された第1の値より大きい条件、前記車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きい条件、又は前記車両が停車中である条件のうち少なくとも一つを含む、
請求項12に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項15】
前記第1のメッセージは、
前記OTAアップデートの予想時間を示す情報、又は前記OTAアップデートのアップデート内容を示す情報のうち少なくとも一つを含む、
請求項12に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項16】
前記第2のメッセージは、
前記第1のメッセージが表示され、前記使用者から前記OTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して生成される、
請求項12に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項17】
前記第2のメッセージは、
前記第1の条件が満たされたか否かを示す情報を含む、
請求項16に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項18】
前記第1の条件は、
前記車両のフードが閉まっている条件、前記車両のギアがPになっている条件、前記車両のランプがオフになっている条件、又は前記車両のパーキングブレーキが締結されている条件のうち少なくとも一つを含む、
請求項17に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項19】
前記第3のメッセージは、
前記第2のメッセージが表示され、前記第1の条件が満たされることに対応して生成される、
請求項12に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【請求項20】
前記第3のメッセージは、
前記第1の条件が満たされることを示す情報をさらに含む、
請求項19に記載の車両用OTAアップデート実行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、車両用OTAアップデート実行装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、電気車、ハイブリッドカー、又はプラグインハイブリッドカーなどは、車両に含まれたバッテリーに基づいて駆動される。前述した車両に含まれた制御器に対するOTAアップデートも、車両に含まれたバッテリーに基づいて実行され得る。ただし、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両のバッテリーの状態又は車両の状態を十分に確認せずにアップデートを進行すると、不完全なOTAアップデートが実行されるという問題がある。
【0003】
また、車両の使用者の操作により解決可能な車両の状態を、OTAアップデートに先立ち、使用者に予め通知しないと、不完全なOTAアップデートが実行されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両のバッテリーの状態を確認し、これを使用者に通知できる装置又は方法の提供を課題とする。
【0005】
また、実施形態は、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態を確認し、使用者によって操作され得る車両の状態を使用者に通知できる装置又は方法の提供を課題とする。
【0006】
本発明の技術的課題は、以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態による車両用OTAアップデート実行装置は、車両のOTAアップデート(Over-The-Air Update)のための少なくとも一つのメッセージを表示するディスプレイ部;及び前記車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて前記表示される少なくとも一つのメッセージを生成する制御部;を含んでよい。
【0008】
また、実施形態による前記少なくとも一つのメッセージは、前記OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、前記OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又は前記OTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含んでよい。
【0009】
また、実施形態による前記第1のメッセージは、前記車両のイグニッション(Ignition)電源がオフになり、前記OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0010】
また、実施形態による前記第2の条件は、前記車両の常時電源がオンになっている条件、前記車両の無線通信(radio communication)が実行可能な条件、前記車両の低電圧バッテリーのSOC(State Of Charge)値が既設定された第1の値より大きい条件、前記車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きい条件、又は前記車両が停車中である条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0011】
また、実施形態による前記第1のメッセージは、前記OTAアップデートの予想時間を示す情報、又は前記OTAアップデートのアップデート内容を示す情報のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0012】
また、実施形態による前記第2のメッセージは、前記第1のメッセージが表示され、前記使用者から前記OTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して生成されてよい。
【0013】
また、実施形態による前記第2のメッセージは、前記第1の条件が満たされたか否かを示す情報を含んでよい。
【0014】
また、実施形態による前記第1の条件は、前記車両のフード(Hood)が閉まっている条件、前記車両のギア(Gear)がP(Parking)になっている条件、前記車両のランプ(Lamp)がオフになっている条件、又は前記車両のパーキングブレーキ(Parking Brake)が締結されている条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0015】
また、実施形態による前記第3のメッセージは、前記第2のメッセージが表示され、前記第1の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0016】
また、実施形態による前記第3のメッセージは、前記第1の条件が満たされることを示す情報をさらに含んでよい。
【0017】
また、実施形態による車両用OTAアップデート実行方法は、車両のOTAアップデート(Over-The-Air Update)のための少なくとも一つのメッセージを表示する段階;及び前記車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて前記表示される少なくとも一つのメッセージを生成する段階;を含んでよい。
【0018】
また、実施形態による前記少なくとも一つのメッセージは、前記OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、前記OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又は前記OTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含んでよい。
【0019】
また、実施形態による前記第1のメッセージは、前記車両のイグニッション(Ignition)電源がオフになり、前記OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0020】
また、実施形態による前記第2の条件は、前記車両の常時電源がオンになっている条件、前記車両の無線通信(radio communication)が実行可能な条件、前記車両の低電圧バッテリーのSOC値が既設定された第1の値より大きい条件、前記車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きい条件、又は前記車両が停車中である条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0021】
また、実施形態による前記第1のメッセージは、前記OTAアップデートの予想時間を示す情報、又は前記OTAアップデートのアップデート内容を示す情報のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0022】
また、実施形態による前記第2のメッセージは、前記第1のメッセージが表示され、前記使用者から前記OTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して生成されてよい。
【0023】
また、実施形態による前記第2のメッセージは、前記第1の条件が満たされたか否かを示す情報を含んでよい。
【0024】
また、実施形態による前記第1の条件は、前記車両のフード(Hood)が閉まっている条件、前記車両のギア(Gear)がP(Parking)になっている条件、前記車両のランプ(Lamp)がオフになっている条件、又は前記車両のパーキングブレーキ(Parking Brake)が締結されている条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0025】
また、実施形態による前記第3のメッセージは、前記第2のメッセージが表示され、前記第1の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0026】
また、実施形態による前記第3のメッセージは、前記第1の条件が満たされることを示す情報をさらに含んでよい。
【発明の効果】
【0027】
実施形態は、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両のバッテリーの状態を確認し、これを使用者に通知することができる。
【0028】
また、実施形態は、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態を確認し、使用者によって操作され得る車両の状態を使用者に通知することができる。
【0029】
その他に、本文書により直接的又は間接的に把握される様々な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態による車両用OTAアップデート装置が動作する環境の例示を示す図である。
図2】実施形態による車両用OTAアップデート装置の例示を示す図である。
図3】実施形態による第1のメッセージ乃至第3のメッセージの例示を示す図である。
図4】実施形態による車両用OTAアップデート実行方法の例示を示す図である。
図5】実施形態による車両用OTAアップデート実行方法の例示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を通じて詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するように留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するに当たって、関連した公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨害すると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0032】
本発明の実施形態の構成要素を説明するに当たり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用してよい。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されるものではない。また、特に定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されている用語と同様の用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味として解釈されなければならず、本出願において明らかに定義されていない限り、理想的かつ過度に形式的な意味に解釈されるものではない。
【0033】
以下、図1図5を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0034】
図1は、実施形態による車両用OTAアップデート装置が動作する環境の例示を示す図である。
【0035】
この図は、実施形態による車両用OTAアップデート装置1000(又は、装置)が動作する環境の例示を説明するための図である。
【0036】
この図には、装置が実施形態による車両の外部に位置すると示されているが、装置は、車両の内部に位置してもよい。
【0037】
実施形態による車両1002は、電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッドカー(HEV、Hybrid Electric Vehicle)及び/又はプラグインハイブリッドカー(PHEV、Plug-in Hybrid Electric Vehicle)のうち少なくとも何れか一つを含んでよい。
【0038】
実施形態によるOTAアップデート(Over-The-Air Update)は、車両のソフトウェア(software)を、無線通信網を使用してアップデートする方式を示してよい。一般的には、車両のソフトウェアは、ソフトウェアのアップデートのためのデータが保存された保存装置を、有線で車両に連結して実施する。ただし、通信技術の発達により、無線通信網を使用してソフトウェアのアップデートに必要なデータを車両が直接受信してアップデートをすることが可能である。
【0039】
実施形態による装置は、サーバ1001からOTAアップデートのための情報(又は、ソフトウェアのアップデートに必要なデータ)を受信してよい。実施形態によるOTAアップデートのための情報は、前述したOTAアップデートを実行するための情報であってよい。例えば、OTAアップデートのための情報は、ソフトウェアパッケージ(package)情報又はソフトウェアバージョン(version)情報などを含む。
【0040】
実施形態による装置は、サーバから受信するOTAアップデートのための情報に基づいて、車両のOTAアップデートを実行してよい。すなわち、装置は、サーバから受信したOTAアップデートのための情報、及び車両にソフトウェアに関する情報を互いに比較して、OTAアップデートを実行してよい。例えば、装置は、サーバから受信したソフトウェアバージョン情報、及び車両に含まれた制御器のソフトウェアバージョン情報を互いに比較して、OTAアップデートを実行するか否かを決定する。
【0041】
前述したように、実施形態による車両は、一つ又はそれ以上の制御器を含んでよい。実施形態による制御器は、車両に含まれて特定の機能を実行する装置を示してよい。例えば、制御器は、車両に含まれたECU(Electronic Control Unit)を示す。
【0042】
実施形態によるOTAアップデートは、前述した制御器の各制御器別に実行されてよい。すなわち、装置が実行するOTAアップデートは、各制御器に対して独立的に実行されるか、車両に含まれたすべての制御器に対して一括的に実行されてよい。
【0043】
実施形態による装置は、この図で説明するOTAアップデートにより、車両に含まれた制御器のソフトウェアを無線でアップデートしてよい。すなわち、装置は、OTA方式で制御器のソフトウェアをアップデートし、制御器の新しい機能の追加、既存のエラーの改善及び/又は保安の強化などを実行することができる。
【0044】
図2は、実施形態による車両用OTAアップデート装置の例示を示す図である。
【0045】
この図は、実施形態による車両用OTAアップデート装置2000(又は、装置)の例示を示すブロック図である。装置は、図1で前述した装置に該当してよい。
【0046】
一般的には、電気車、ハイブリッドカー、又はプラグインハイブリッドカーなどは、車両に含まれたバッテリーに基づいて駆動される。前述した車両に含まれた制御器に対するOTAアップデートも、車両に含まれたバッテリーに基づいて実行されてよい。ただし、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両のバッテリーの状態又は車両の状態を十分に確認せずにアップデートを進行すると、不完全なOTAアップデートが実行されるという問題がある。
【0047】
また、車両の使用者の操作により解決可能な車両の状態を、OTAアップデートに先立ち、使用者に予め通知しないと、不完全なOTAアップデートが実行されるという問題がある。
【0048】
実施形態による装置は、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両のバッテリーの状態を確認し、これを使用者に通知することができる。また、実施形態による装置は、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態を確認し、使用者によって操作され得る車両の状態を使用者に通知することができる。
【0049】
実施形態による装置は、車両のOTAアップデートのための少なくとも一つのメッセージを表示するディスプレイ部2001及び/又は車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて表示される少なくとも一つのメッセージを生成する制御部2002を含んでよい。実施形態による装置は、この図に示されていない一つ又はそれ以上のエレメント(element)をさらに含んでよい。
【0050】
実施形態による少なくとも一つのメッセージは、車両のOTAアップデートにおいて確認される前述した車両の状態及び/又はバッテリーの状態に関するメッセージであってよい。実施形態による少なくとも一つのメッセージは、ディスプレイ部に表示されて使用者に示され得る。
【0051】
実施形態による少なくとも一つのメッセージは、OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又はOTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含んでよい。実施形態による第1のメッセージ乃至第3のメッセージに関する具体的な説明は、図3で後述する。
【0052】
実施形態による少なくとも一つの条件は、OTAアップデートのための条件を含んでよい。OTAアップデートのための条件は、前述したOTAアップデートが実行されるために、車両の制御器又はバッテリーが満たされるべき条件を示してよい。
【0053】
実施形態による少なくとも一つの条件は、OTAアップデートのための第1の条件及び/又はOTAアップデートのための第2の条件を含んでよい。OTAアップデートのための第1の条件及び第2の条件は、両方ともOTAアップデートを実行するために車両の制御器又はバッテリーが満たされるべき条件を示してよいが、互いに異なる条件を示してもよい。
【0054】
実施形態による第1の条件及び第2の条件に対する具体的な説明は、図3で後述する。
【0055】
実施形態による装置は、この図で説明する方法により、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態又は車両バッテリーの状態を確認し、確認された結果を車両使用者に提供することができる。使用者は、提供された確認結果に基づいて、車両の状態及び/又はバッテリーの状態を制御するために適切な措置を取ることができる。その結果、実施形態による装置は、安全かつ完全なOTAアップデートを実行することができる。
【0056】
図3は、実施形態による第1のメッセージ乃至第3のメッセージの例示を示す図である。
【0057】
この図は、実施形態による第1のメッセージ乃至第3のメッセージ(図2で前述した第1のメッセージ乃至第3のメッセージ)の例示を説明するための図である。
【0058】
図2で前述したように、実施形態による少なくとも一つのメッセージは、OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又はOTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含んでよい。
【0059】
また、図2で前述したように、実施形態による少なくとも一つのメッセージは、車両に関する少なくとも一つの条件(図2で前述した少なくとも一つの条件)に基づいて生成されてよい。
【0060】
3000は第1のメッセージを示し、3001は第2のメッセージを示し、3003は第3のメッセージを示してよい。
【0061】
実施形態による第1のメッセージは、車両のOTAアップデートの開始の承認を受けるためのメッセージであってよい。すなわち、装置は、第1のメッセージをディスプレイ部に表示して、使用者からOTAアップデートの開始の承認を受けることができる。
【0062】
第1のメッセージは、OTAアップデートの予想時間を示す情報、又は前記OTAアップデートのアップデート内容を示す情報のうち少なくとも一つを含んでよい。例えば、第1のメッセージは、「車両アップデートの準備ができました。アップデートボタンを押すと、アップデートが進行され、アップデート中には車両を運用することができません。アップデート予想時間:約XX分、アップデート内容:<内容>」を示すテキスト情報を含む。
【0063】
前述したように、第1のメッセージ乃至第3のメッセージは、少なくとも一つの条件に基づいて生成されてよい。少なくとも一つの条件は、この図に示された次の画面表出条件を示してよい。前述した条件は、装置によって持続的に確認され、不満足の場合、OTAアップデートがキャンセルされることがある。また、特定の条件下では、装置によってモニタリング及び状態表示のみが示されることがある。
【0064】
第1のメッセージは、車両のイグニッション(Ignition)電源がオフになり、OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0065】
実施形態による車両の電源は、イグニッション電源及び/又は常時(constant)電源を含んでよい。イグニッション電源は、車両の始動のための電源であってよい。常時電源は、車両の始動有無に関係なく、常時的にオン(on)になる電源であってよい。
【0066】
すなわち、車両のOTAアップデートの開始の承認を受けるためのメッセージを示す第1のメッセージは、車両のイグニッション電源がオフになる状態で、OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0067】
実施形態による第2の条件は、車両の常時電源がオンになっている条件、車両の無線通信(radio communication)が実行可能な条件、車両の低電圧バッテリーのSOC(State Of Charge)値が既設定された第1の値より大きい条件、車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きい条件、又は車両が停車中である条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0068】
例えば、この図に示されたように、車両のイグニッション電源がオフになり、車両の常時電源がオンになっており、車両の無線通信が実行可能であり、車両の低電圧バッテリーのSOC値が既設定された第1の値より大きく、車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きく、車両が停車中である場合、第1のメッセージが生成されてよい。
【0069】
第2のメッセージは、第1のメッセージが表示され、使用者からOTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して生成されてよい。使用者は、第1のメッセージに含まれた「アップデート」ボタンをクリックすることにより、OTAアップデートの開始を承認する情報を入力することができる。
【0070】
前述したように、第2のメッセージは、OTAアップデートのための第1の条件を示すためのメッセージであってよい。すなわち、第2のメッセージは、第1の条件が満たされたか否かを示す情報を含んでよい。例えば、第2のメッセージは、「アップデートがまもなく始まります。(60sec Count down)アップデートの進行のためには、次の状態を維持しなければなりません。-始動オフO、-外装ランプオフO、-ギアレバーPに位置O、-エンジンフード閉鎖O、-駐車ブレーキ締結O、画面がオフになってもアップデートは進行されるので、安心して下車してもよいです。」というテキスト情報を含む。
【0071】
実施形態によるOTAアップデートのための第1の条件は、OTAアップデートが実行されるために必要な条件を示してよい。第1の条件は、車両のフード(Hood)が閉まっている条件、車両のギア(Gear)がP(Parking)になっている条件、車両のランプ(Lamp)がオフになっている条件、又は車両のパーキングブレーキ(Parking Brake)が締結されている条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0072】
例えば、第1のメッセージが表示され、使用者からOTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して、装置は、第2のメッセージを介して第1の条件に含まれた一つ又はそれ以上の条件をディスプレイ部に表示する。使用者は、ディスプレイ部に表示された第2のメッセージに含まれた一つ又はそれ以上の条件を満たすために、車両の状態を制御してよい。例えば、使用者は、車両のエンジンフードが開かれている場合、ディスプレイ部に表示された第2のメッセージを介してこれを認知することができる。
【0073】
すなわち、装置は、ディスプレイ部に第2のメッセージが表示されたことに対応して、第2の条件が満たされたか否かをモニタリングし、これをディスプレイ部に状態を表示することができる。
【0074】
実施形態による第3のメッセージは、OTAアップデートが準備中であることを示すためのメッセージであってよい。第3のメッセージは、第2のメッセージが表示され、第1の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0075】
すなわち、第3のメッセージは、使用者によって前述した第1の条件がすべて満たされた場合に生成され得る。第3のメッセージは、第1の条件が満たされることを示す情報をさらに含んでよい。例えば、第3のメッセージは、「アップデートが準備中です。アップデートの進行のためには、次の状態を維持しなければなりません。-始動オフO、-外装ランプオフO、-ギアレバーPに位置O、-エンジンフード閉鎖O、-駐車ブレーキ締結O、画面がオフになってもアップデートは進行されるので、安心して下車してもよいです。」というテキストを含む。
【0076】
実施形態による装置は、第3のメッセージは、ディスプレイ部に表示され、一定の時間が経過したことに対応して、車両のOTAアップデートを実行することができる。
【0077】
実施形態による装置は、この図で説明する方法により、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態又は車両バッテリーの状態を確認し、確認された結果を車両使用者に提供することができる。使用者は、提供された確認結果に基づいて、車両の状態及び/又はバッテリーの状態を制御するために適切な措置を取ることができる。そのため、実施形態による装置は、安全かつ完全なOTAアップデートを実行することができる。
【0078】
図4は、実施形態による車両用OTAアップデート実行方法の例示を示す図である。
【0079】
この図は、実施形態による車両用OTAアップデート実行方法(又は、方法)の例示を示す。図1図3で前述した装置は、この図で説明する方法を実行してよい。
【0080】
実施形態による制御部(図2で前述した制御部)は、車両のイグニッション電源がオフになり、OTAアップデートのための第2の条件が満たされたことに対応して、第1のメッセージを生成することができる(S4000)。イグニッション電源、OTAアップデートのための第2の条件に対する具体的な説明は、図3で前述したものと同一又は類似している。
【0081】
制御部は、第1のメッセージが表示され、使用者からOTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して、第2のメッセージを生成することができる(S4001)。OTAアップデートの開始を承認する情報、第2のメッセージに対する具体的な説明は、図3で前述したものと同一又は類似している。
【0082】
制御部は、第1のメッセージが表示されても使用者からOTAアップデートの開始を承認する情報が入力されていない場合、車両のOTAアップデートをキャンセルすることができる(S4004)。
【0083】
制御部は、第2のメッセージが表示され、第1の条件が満たされることに対応して、第3のメッセージを生成することができる(S4002)。図3で前述したように、第3のメッセージが生成されて表示され、一定の時間が経過したことに対応して、OTAアップデートが実行され得る(S4003)。第1の条件、第3のメッセージに対する具体的な説明は、図3で前述したものと同一又は類似している。
【0084】
制御部は、第2のメッセージが表示されても第1の条件が満たされないことに対応して、車両のOTAアップデートをキャンセルすることができる(S4004)。ただし、この図に示されていないが、OTAアップデートがキャンセルされた後、使用者によって第1の条件が再び満たされた場合、車両のOTAアップデートが実行され得る。
【0085】
実施形態による装置は、この図で説明する方法により、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態又は車両バッテリーの状態を確認し、確認された結果を車両の使用者に提供することができる。使用者は、提供された確認結果に基づいて、車両の状態及び/又はバッテリーの状態を制御するために適切な措置を取ることができる。そのため、実施形態による装置は、安全かつ完全なOTAアップデートを実行することができる。
【0086】
図5は、実施形態による車両用OTAアップデート実行方法の例示を示す図である。
【0087】
この図は、実施形態による車両用OTAアップデート実行方法(又は、方法)の例示を示すフローチャートである。図1図4で前述した装置は、この図で説明する方法を実行してよい。
【0088】
実施形態による方法は、車両のOTAアップデートのための少なくとも一つのメッセージを表示する段階(S5000)、及び車両に関する少なくとも一つの条件に基づいて表示される少なくとも一つのメッセージを生成する段階(S5001)を含んでよい。方法は、この図に示されていない一つ又はそれ以上の段階をさらに含んでよい。
【0089】
実施形態による少なくとも一つのメッセージは、OTAアップデートの開始の承認を受けるための第1のメッセージ、OTAアップデートのための第1の条件を示すための第2のメッセージ、又はOTAアップデートが準備中であることを示すための第3のメッセージのうち少なくとも一つを含んでよい。
【0090】
実施形態による第1のメッセージは、車両のイグニッション(Ignition)電源がオフになり、OTAアップデートのための第2の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0091】
実施形態による第2の条件は、車両の常時電源がオンになっている条件、車両の無線通信(radio communication)が実行可能な条件、車両の低電圧バッテリーのSOC値が既設定された第1の値より大きい条件、車両の高電圧バッテリーのSOC値が既設定された第2の値より大きい条件、又は車両が停車中である条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0092】
実施形態による第1のメッセージは、OTAアップデートの予想時間を示す情報、又はOTAアップデートのアップデート内容を示す情報のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0093】
実施形態による第2のメッセージは、第1のメッセージが表示され、使用者からOTAアップデートの開始を承認する情報が入力されたことに対応して生成されてよい。
【0094】
実施形態による第2のメッセージは、第1の条件が満たされたか否かを示す情報を含んでよい。
【0095】
実施形態による第1の条件は、車両のフード(Hood)が閉まっている条件、車両のギア(Gear)がP(Parking)になっている条件、車両のランプ(Lamp)がオフになっている条件、又は車両のパーキングブレーキ(Parking Brake)が締結されている条件のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0096】
実施形態による第3のメッセージは、第2のメッセージが表示され、第1の条件が満たされることに対応して生成されてよい。
【0097】
実施形態による第3のメッセージは、第1の条件が満たされることを示す情報をさらに含んでよい。
【0098】
前述したOTAアップデート、少なくとも一つのメッセージ、少なくとも一つの条件、第1のメッセージ、第2のメッセージ、第3のメッセージ、第1の条件、及び第2の条件に対する説明は、図1図4で前述したものと同一又は類似している。
【0099】
実施形態による装置は、この図で説明する方法により、車両のOTAアップデートを実行するに先立ち、車両の状態又は車両バッテリーの状態を確認し、確認された結果を車両使用者に提供することができる。使用者は、提供された確認結果に基づいて、車両の状態及び/又はバッテリーの状態を制御するために適切な措置を取ることができる。そのため、実施形態による装置は、安全かつ完全なOTAアップデートを実行することができる。
【0100】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。
【0101】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等の範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0102】
1000 車両用OTAアップデート実行装置
1001 サーバ
1002 車両
2000 車両用OTAアップデート実行装置
2001 ディスプレイ部
2002 制御部
3000 第1のメッセージ
3001 第2のメッセージ
3002 第3のメッセージ
図1
図2
図3
図4
図5