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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026396
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】連続アームロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 18/06 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
B25J18/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128397
(22)【出願日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】2111565.4
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】590005438
【氏名又は名称】ロールス‐ロイス、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROLLS-ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、ディー、ノートン
(72)【発明者】
【氏名】ドラゴス、エイ、アクシンテ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ、ルッソ
(72)【発明者】
【氏名】シン、ドン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS17
3C707CU07
3C707CU09
3C707HT04
3C707KT01
3C707KT04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第2連続アームロボットが第1連続アームロボットを支持し単一の冗長ロボットシステムとする、連続アームロボットシステムを提供する。
【解決手段】少なくとも第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとを備える連続アームロボットシステムであって、各連続アームロボットはそれ自体のアクチュエータパックにより制御され、各アクチュエータパックは単一の制御コンピュータに連結される連続アームロボットシステムにおいて、少なくとも前記第2連続アームロボットは、解放可能な接続機構を備え、前記接続機構は、作業スペースにおいて把持によって前記第1連続アームロボットと係合することにより、少なくとも前記第2連続アームロボットが前記第1連続アームロボットに対して支持を提供する状態で、少なくとも2つの前記連続アームロボットを結合して単一の冗長ロボットシステムにする、連続アームロボットシステム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとを備える連続アームロボットシステムであって、各連続アームロボットはそれ自体のアクチュエータパックにより制御され、各アクチュエータパックは単一の制御コンピュータに連結される連続アームロボットシステムにおいて、
少なくとも前記第2連続アームロボットは、解放可能な接続機構を備え、
前記接続機構は、作業スペースにおいて把持によって前記第1連続アームロボットと係合することにより、少なくとも前記第2連続アームロボットが前記第1連続アームロボットに対して支持を提供する状態で、少なくとも2つの前記連続アームロボットを結合して単一の冗長ロボットシステムにする、
連続アームロボットシステム。
【請求項2】
前記接続機構は、前記第2連続アームロボットの端部に配置される、
請求項1に記載の連続アームロボットシステム。
【請求項3】
前記接続機構は、連続アームセクションに沿って配置され、
前記連続アームセクションの端部は、機能性ヘッドを特徴とする、
請求項1に記載の連続アームロボットシステム。
【請求項4】
前記接続機構は、油圧式、空気圧式、機械的把持部式、または電磁式のうちの1つである、
請求項1~3のいずれかに記載の連続アームロボットシステム。
【請求項5】
各連続アームロボットは、複数のセンサを備える、
請求項1に記載の連続アームロボットシステム。
【請求項6】
クランプは、インターロックを特徴とし、これにより、当該インターロックを起動させた場合、前記ロボットシステムの動作が妨げられる、
請求項1に記載の連続アームロボットシステム。
【請求項7】
前記第2連続アームロボットは、その先端における機能性ツールを特徴とする、
請求項3のうちの一項による連続アームロボットシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のロボットシステムを動作させる方法であって、
作業スペースに、前記第1連続アームロボットを挿入するとともに前記第2連続アームロボットを挿入するステップと、
前記第1連続アームロボットと前記第2連続アームロボットとを接続することで前記ロボット同士を結合してロボットシステムを形成するステップと、
少なくとも前記第1連続アームロボットを使用して所望のタスクを実施するステップと、
前記第1連続アームロボットと前記第2連続アームロボットとを接続解除するステップと、
前記連続アームロボットを前記作業スペースから引き出すステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、結合された連続アームロボットに関する。特に、本開示は、複数の接合された二重機能連続アームロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
連続アームロボットやスネークアームロボットが、多くの用途において関心を集めている。なぜならば、他のロボットシステムや人間のオペレータが容易にアクセスできないスペース内で、ロボットを操作することができるからである。これは多くの自由度で本体を操作できることにより、エンドツールを正確かつ容易に位置決めできるためである。この位置決めは、ロボット内部の腱を操作するアクチュエータにより制御される。これにより、アームの各関節を高い位置精度で個別に制御することができる。
【0003】
多くのアームロボットは、6度以下の自由度を有している。ただし、より高い巧妙性を必要とするタスクの場合、必要とされる自由度の数が増える。このような場合、自由度を増加させる必要がある。自由度の数を増加させることは、例えば複雑な構造物のメンテナンスや低侵襲手術での使用等、アームを狭い場所で動作させることが可能になるということを意味する。連続アームロボットは、2つの主たる方針に沿って設計される。第1に、スネーク型ロボットが存在する。スネーク型ロボットは、剛性R/U/S(Revolute/Universal/Spherical)関節により、または柔軟な関節により接続された複数の剛性結合セクションからなる。各セクションは、単数または複数のセグメントから構成され、オンボード作動、または遠隔作動により他のセクションから独立して制御される。第2に、連続ロボットが存在する。連続ロボットは、柔軟なバックボーンからなり、その局所的および全体的変形は、単数または複数のアクチュエータにより制御される。
【0004】
機能的ながら、高い柔軟性を有するロボットの現行の設計には、ロボットアームに必要な関節の数が多いという問題がある。これらの関節がある結果、従来の6自由度ロボットに比較して、ロボットアームは剛性の程度が低い。この低い剛性により、載荷能力が低下し、アームが動作している環境と有し得る相互作用が減少する。最新の技術では、アクチュエータをロックすることでシステムを「凍結させる」ことにより、またはバックボーンに補強手段を追加することにより、これを克服することを目指している。これは、短い長さのロボットアームには有効であり得る。しかしながら、これをより長い長さのロボットに採用した場合、アームは長い片持ち梁のように動作し、梁の撓みによって位置や誘導に重大な問題が生じる。このため、ロボットおよび/またはロボットの作業対象物がダメージを受ける虞があり、このようなロボットの使用は軽量作業に限定される。したがって、これらの問題を克服するために、改良された連続アームロボットシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1態様によれば、少なくとも第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとを備える連続アームロボットシステムであって、各連続アームロボットはそれ自体のアクチュエータパックにより制御され、各アクチュエータパックは単一の制御コンピュータに連結される連続アームロボットシステムにおいて、少なくとも前記第2連続アームロボットは、解放可能な接続機構を備え、前記接続機構は、作業スペースにおいて把持によって前記第1連続アームロボットと係合することにより、少なくとも前記第2連続アームロボットが前記第1連続アームロボットに対して支持を提供する状態で、少なくとも2つの前記連続アームロボットを結合して単一の冗長ロボットシステムにする連続アームロボットシステムが提供される。
【0006】
前記接続機構は、前記第2連続アームロボットの端部に配置され得る。
【0007】
前記接続機構は、連続アームセクションに沿って配置され得る。前記連続アームセクションの端部は、機能性ヘッドを特徴とする。
【0008】
前記接続機構は、油圧式、空気圧式、機械的把持部式、または電磁式のうちの1つであり得る。
【0009】
各連続アームロボットは、複数のセンサを備え得る。センサの一部は、第1連続アームと第2連続アーム間の距離および相対位置を測定するように設けられ得る。
【0010】
クランプは、インターロックを特徴とし得る。これにより、当該インターロックを起動させた場合、前記ロボットシステムの動作が妨げられる。
【0011】
前記第2連続アームロボットは、その先端における機能性ツールを特徴とし得る。
【0012】
前記連続ロボットの一方には、カメラシステムおよび/または照明システムが搭載され得る。
【0013】
前記接続機構の挙動は、剛性であり得る。
【0014】
前記接続機構は、柔軟であり得る。
【0015】
前記接続部は、前記システムを6自由度未満に抑え得る。
【0016】
前記アームの両方は、連続アームロボットであり得る。
【0017】
前記アームの一方は、部分的に柔軟なロボットアームであり得る。
【0018】
本開示の第2態様によれば、上述のロボットシステムを動作させる方法であって、作業スペースに、前記第1連続アームロボットを挿入するとともに前記第2連続アームロボットを挿入するステップと、前記第1連続アームロボットと前記第2連続アームロボットとを接続することで前記ロボット同士を結合してロボットシステムを形成するステップと、少なくとも前記第1連続アームロボットを使用して所望のタスクを実施するステップと、前記第1連続アームロボットと前記第2連続アームロボットとを接続解除するステップと、前記連続アームロボットを前記作業スペースから引き出すステップと、を備える方法が提供される。
【0019】
前記第1連続ロボットおよび前記第2連続ロボットは、所定の設定に向けて移動し得るとともに、前記第1アームと前記第2アームとを接続するように相対的な位置決めにより制御されて互いに接近し得る。
【0020】
当業者は、相互に排他的である場合を除き、上記の態様のうちの任意の1つに関連して記載される特徴は、変更すべき点は変更の上で任意の他の態様に適用され得ることを理解するであろう。さらに、相互に排他的である場合を除き、本明細書に記載される任意の特徴は、任意の態様に適用され得る、および/または本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わされ得る。
【0021】
次に、例示のみとしての実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A図1aは、連続アームロボットの断面の先行技術例を示す。
図1B図1Bは、連続ロボットアームの関節の一例を示す。
図2図2は、本開示による連続アームロボットシステムのイメージ図を示す。
図3図3は、本開示による連続アームロボットの動作の概略図を示す。
図4図4は、本開示による少なくとも2つのアーム連続アームロボットシステムの制御に使用される制御システムの一例を示す。
図5図5は、本開示の連結連続アームロボットシステムの動作のフローチャートを示す。
図6図6は、本開示による3つの連続ロボットシステムの一例を示す。
図7図7は、図6に示す第2連続アームロボットと第1連続アームロボットとの間のクランプ機構の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の態様および実施形態を、添付図面を参照して説明する。さらなる態様および実施形地は、当業者には明らかであろう。
【0024】
図1aは、連続アームロボットの断面の先行技術例を示す。先行技術の連続アームロボットは、連続アームロボット部101を備えている。連続アームロボット部101は、アクチュエータパック102に恒久的に組み込まれるとともに、これから延び出している。アクチュエータパック102は、複数の独立したアクチュエータ103を収容している。これらのアクチュエータは、連続アーム101を貫通する腱内の張力を調節するように使用される。腱は、アーム内の関節に関連付けられている。これらの関節の各々は、関節に関連付けられた腱の緊張または弛緩に応じて動作するように設計されている。したがって、腱の緊張または弛緩により、関節の収縮または伸展が生じるため、連続アームは屈曲することができる。アクチュエータパックは、検査される部品の付近に配置されたレールまたは支持体104上に配置されていることが示されている。また、アクチュエータには、アクチュエータに電力を供給しアドレス指定をするために使用される複数の電力・信号ケーブル105が設けられている。アクチュエータの範囲に亘る個々の信号は、関節の制御を提供し、これにより、連続アーム101を方向付けることができる。図1に示さないが、アクチュエータに結合されたコンピュータ装置であって、連続アームの動作を制御するとともに所望のタスクを実施するコンピュータ装置を携えるオペレータも必要である。連続アームはアクチュエータパックに恒久的に組み込まれているため、別のツールが必要な場合、アクチュエータを含む完全な連続アームロボットシステムを使用する必要がある。先行技術のアクチュエータに接続されたコンピュータ装置は、ロボットに必要な操作ソフトウェアおよびジョイスティック等の制御入力部を特徴とし、連続アームを制御することができる任意の適切なコンピュータシステム、例えばラップトップコンピュータであり得る。
【0025】
図1Bは、連続アームロボットの関節の一例を示す。アームは、複数の関節を備えており、関節毎に少なくとも2本のケーブルが必要である。例えば、3つの関節を有し、各関節が4つの腱を有するシステムは、駆動に12個のアクチュエータが必要である。関節の数を増やすには、アクチュエータの数を増やすか、関節毎の腱の数を減らす必要がある。強調された関節106、107、108は、三次元的に動作するように操作することができる。関節は、以下のように構成されている。関節106および関節108は、アームの中心に対して同一平面において屈曲可能である。一方、関節107が移動可能である平面は、関節106および関節108に対して90°だけオフセットしている。このように、関節の角度を交互に繰り返す構成により、各々が異なる直交平面において動作し、アームは三次元的に操作され得る。アーム内の各関節には、屈曲可能な量に限界がある。これは、アームの設計と使用される材料により決まる。各関節における屈曲の限界は、最小曲げ半径、および関節に変化をもたらすために必要なトルクの条件等の特性を設定する。関節の動作、および同じ長さの他のロボットアームに比較してアームの低い剛性をもたらす関節の動きやすさを許容するのは、関節内のスペースの存在である。これは、スネーク型ロボットマニピュレータの構造的挙動が、荷重を受けた片持ち梁に例えられるためである。これは、システムはその一端部がアクチュエーションパックを有するベースに固定され、残りのアームは、他の接触点なしに周囲環境を介して誘導されるように使用されるからである。このような状態において、スネーク型ロボットの本体および/または先端にかかる自重を含む荷重により、理想的な姿勢から大きく撓むことが強いられる。アームの端部には、連続アームが所定位置に配置された後に単数または複数の機能を実施するように設計されたツールまたはプローブが配置される。連続アームロボットのヘッドには、通常光学システムが設けられている。これにより、オペレータは、部品に挿入されているヘッドを見ることができるとともに、ヘッドがそのタスクを実施しているときにこれを制御することができる。また、光学システムは、照明システムに連結されることが多い。ツール用の制御ケーブル、照明システムへの電源コネクタ、および光ケーブルは、通常、連続アーム内の関節の中央を通って延び得る。これにより、ケーブルを想定されるダメージから保護するという利点が得られる。これらの部品ならびにアーム構造体の全ては、アクチュエータに恒久的に連結されている。つまり、アームが故障したり問題が発生したりした場合には、連続アームロボット全体を交換する必要がある。
【0026】
図2は、本開示による連続アームロボットシステムのイメージ図を示す。連続アームロボットは、同じサイズであり得る。代替的に、連続アームロボットは、異なる長さおよび/または厚さを有し得る。連続アームロボットシステムは、第1連続アームロボット201および第2連続アームロボット202を特徴としている。連続アームロボットとして説明するが、アームの一方は、部分的に柔軟なロボットアームロボットであり得る。これらの連続アームロボットは、単一のコンピュータおよびプログラムに結合されたそれら自体のそれぞれのアクチュエータパックにより制御される。第1連続アームロボットは、ロボットシステムが実施すべき所望のタスクを実施するアクチュエータパックに取り付けられている。第2連続アームロボットは、連続アームロボットセクションに沿った箇所における接続機構203(図2においてこれはアームの端部に示されている)を特徴としている。この接続機構は、第1連続アームロボットがその所望のタスクを実施する間、第1連続アームロボットを適切な場所で把持し、第1連続アームロボットを支持するように構成されている。したがって、この第2連続アームロボットは、第1連続アームロボットを支持するために適切な位置に移動可能であるとともに、システムが複数のチャネルに亘る負荷を補償することを可能としている。従って、連続アームロボットシステムは、単一の連続アームロボットシステムの場合のように大きな撓みを被ることがない。互いに固定されるように連結された2つの連続アームロボットを使用することにより、システムの静的および動的挙動が向上し得る。連続アームロボットは両方とも移動可能であるため、オペレータは、第1連続アームロボットの把持位置を、そのタスクを実行するために任意の適切な位置に移動させることができる。例えば、適切な位置は、第1連続アームロボットの先端に近くてもよく、または先端から離れた多くの関節セクションであってもよい。第2ロボットアームにより、単一のスネークアームロボットではチャネルを介して持ち込むことができなかったさらなるツールをそのエリアに持ち込むことができるため、第2ロボットアームの存在により、システムにさらなる利点がもたらされる。ツールの供給は、連続アームロボットの関節セクションのコアを介して行うことができる。これにより、このシステムを利用することにより、一回の操作で、空気や種々の気体等の複数の供給物を、所望のエリアに供給することができる。同様に、システム内で複数の連続アームロボットを使用することにより、単一のアームロボットを使用することでは存在し得なかったさらなるセンサが存在することが可能になる。ロボットの長さは、任意の適切な長さとすることができる。一実施形態において、2つの連続アームロボットの接続は、端部から最初の6DoFの後に生じる。これにより、最適な性能の向上がもたらされる。
【0027】
連続アームロボットのヘッドには、超音波、カメラ、深度センサ等のセンサが設けられ得る。代替的に、研削ツールやフライスツール等の機械的ツール、またはレーザー等の電気ツール、またはガスを使用する切断機器が設けられ得る。複数の連続アームロボットを利用することにより、第1連続アームロボット上の操作専用の自由なエンドエフェクタを有しつつ、「保持する」第2連続アームロボット上のセンサのうちの一部を移動させることができる。これにより、より多くの操作を可能とする、または両ロボットの外径を小さくすることができる可能性がある。ロボットの接続態様に応じて、接続したロボットを、圧縮空気/液体、気体、電気を連続アームの端部におけるツールに供給するように使用することもできる。結合された連続アームロボットを使用する目的は、相互に接続することによって、剛性および/または積載量を増加させることである。連続アームを結合するさらなる利点には、主たる連続アームを他のもので「駆動/牽引」することでその動作範囲/精度を向上させる可能性、および単一のアクセス通路が許容する単一のロボットよりも多くのツールを供給できる可能性が含まれる。
【0028】
図3は、接続された連続アームロボットの動作の概略図を示す。本図において、第1連続ロボット301が、アクセス通路305を介して挿入されている。第1連続アームロボットが位置決めされた後、または挿入と同時に、第2連続アームロボット302が、第2アクセス通路306を介して供給され得る。これにより、両連続アームロボットは、同一の作業スペース307の内部にある。第2連続アームロボットは、第1連続アームロボットに向けられる。こうして、第2連続アームロボットは、接続機構303により、第1連続アームロボットに、クランプまたは接続することができる。第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとが連結した状態で、第1連続アームロボットのアクチュエータヘッドがそのツールまたは把持部を使用することができ、これにより対象物304を加工することができる。典型的な連続ロボットのタスクの他に、協働使用により特定の機械加工性および操作タスクが向上する。また、協働は、周囲環境との力の相互作用を必要とする検査タスク(例えば超音波検査)に利用され得る。第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとを結合することは、対象物の加工中に、第1連続アームロボットが支持されるため、それ単独で動作する場合よりも変形が少ないことを意味する。第1連続アームロボットおよび第2連続アームロボットを取り外す場合は、ロボット間のクランプを解除する。これにより、第1連続アームロボットおよび第2連続アームロボットは、それらそれぞれの進入通路に沿って取り外され得る。イメージ図では2つのアクセスポートの使用が示されているが、これらは、例えば、ガスタービンエンジンや他の複雑なシステム内のボアスコープ孔であり得る。しかしながら、ロボットアームは、システム内への任意の適切な進入ポートでも使用できる。また、2つのロボットアームが異なる進入経路を使用する必要はなく、それらは互いに隣接してシステムに挿入され得る。結合された連続アームロボットを使用することは、作業エリアへのアクセスは50mm未満とし得ることを意味する。サイズに関する条件は、連続アームが通り抜けることができるほど大きければよいということだけである。これは、より大きな産業用ロボットではアクセスできないエリアで、結合された連続ロボットを使用することができるということを意味する。このため、航空宇宙、原子力、石油、およびガス、ならびに通信の技術分野においては全てロボットや人間の技術者のアクセスに問題があるため、本システムを利用することができる。当業者には、これは非包括的なリストであって、本技術はあらゆる適切な場所の使用に拡張され得ることが理解されるであろう。
【0029】
第2連続アームロボットを第1連続アームロボットに誘導するために、カメラシステムが第1連続アームロボットおよび/または第2連続アームロボットにおいて採用され得る。これにより、オペレータは、第2連続アームロボットのヘッドを第1連続アームロボットに向けて方向付けることができる。代替的または追加的に、相対的な位置情報をオペレータにフィードバックする位置決めセンサを、両連続アームロボットにおいて採用することができる。これにより、オペレータは、ロボット同士が適切な連結を確立し得るように、ロボットを互いに対して操作することができる。適切なセンサは、誘導用のカメラまたは深度センサであってよく、個別にまたは組み合わせて使用することができる。磁気センサを組み込むことも可能である。追加的または代替的に、形状検知のために光ファイバを使用することができる。これは、第1連続アームロボットおよび/または第2連続アームロボットの各々にセンサを結合することにより可能とされ得る。これにより、ロボットは、オペレータにそれらの位置に関する正確な位置データを提供することができる。相対位置制御は、2つのロボットアームが互いに接近しているときに利用できる。2つのロボットアームは、連結前には、両者とも互いから独立して移動することができる。しかしながら、結合後は、それらは単一のシステムとして制御される。接続されると、ロボットシステムの制御は、同期/同調制御を介して実施される。独立した動作は、それらがそれら自体のアクチュエータを有しているためである。これにより、第2連続アームロボットの正確な位置決めが可能となる。これが必要であるのは、第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとの連結箇所がシステムの剛性を決定するからである。さらに、第1連続アームロボットのヘッドが可能な動作のレベルの制御も利用できる。動作の制御は、第2連続アームロボットを第1連続アームロボットの端部により近づけて接続し、接続部と端部との間の動作を制限することで達成される。このように、オペレータが第2ロボットを第1連続アームロボットのヘッドに近づけて接続する場合、第1連続アームロボットが可能な動作の自由度が減少するが、システムの撓みも減少する。これは、ヘッドに対する位置制御性が高くなることを意味するため、より重い物体を移動させたり、ヘッドが反力を生じるようなプロセス、例えばメディア噴霧で使用したりすることができる。このように、システムは、ヘッドが物体の側面に接触すると物体にダメージを与えかねない狭いスペースで作業することができる。代替的に、このプロセスを利用して自由度をロックすることで、ヘッドが単一の平面でしか移動できないように制御することもできる(これは、画家が手首を握って直線を製作するのに似ている)。しかしながら、第1連続アームをヘッドから離して接続することにより、得られる可撓性および自由度が増大する。このため、より高い巧妙性が必要とされるエリアにおいて、連続アームロボットシステムを、より制御性高く作業させることができる。上述のように、アームを「手をつなぐ」ように接続することができ、これにより、タスクを実施するアームに対する支持を強化することができる。これにより、同一のサイズの連続アームロボットでも、それなしではできないような、より重くより強いタスクを実施することができる。このようなシステムを有することにより、タスク実行中のアームのヘッドに力がかかるようなタスクの実施中、例えば噴霧中に、ヘッドを支持することができる。このような場合、補助アームの存在が、支柱としての役割を果たす。このようなシステムを使用することにより、このようなタスクの実施中に、ロボットヘッドが周囲エリアにダメージを与えることが防止され得る。
【0030】
図3に示す例においては接続が第2連続アームロボットのヘッドでなされているが、接続は、第2連続アームおよび第1連続アームの長さに沿った任意の適切な個所でなされ得る。接続箇所は、装置を挿入する前に決定することができる。代替的に、オペレータが、連続アームロボットを作業スペース内で位置決めしながら連結箇所を決定してもよい。これにより、結合された連続アームロボットが、結合されたアームにより高い剛性を有する別個に機能するヘッドを有することができる。アームに沿った箇所での接続は、例えば、連続アームロボットに沿った箇所に電磁クランプを有することにより実施され得る。これにより、例えば、一方のヘッドが噴霧等の修理タスクをなす一方で、第2ヘッドが照明システムおよびカメラシステムを提供することができる。代替的に、2つのヘッドが、洗浄と修理のような補完的な機能を提供してもよい。システム内に2つの連続アームが存在することにより、流体がアームの中心に沿ってまたは周辺に沿ってパイプ輸送され得るため、作業エリアへの供給量も増大する。同様に、照明システムおよびカメラシステム等の光学システムを作業エリアに供給することも可能である。したがって、ヘッドからアームをさらに下方に接続することにより、システムの内部で2つのヘッドを独立して制御することができる。このため、それらは、2つのアームが連結された時点から、連続アームの端部の完全な機能性を維持する。同一システム内で異なるタスクを実施できる2つのヘッドを有することにより、ロボットシステムの機能性が向上する。これは、複数のプロセスが同時に実行されることも意味する。これにより、複雑な設備でのメンテナンス時間が短縮され得るため、その稼働停止時間が短縮され得る。
【0031】
ロボットのアームは、多くの異なるオプションにより接続可能である。接続システムは、連続アームを磁気的または接着剤により互いに結合することによりなされ得る。代替的または追加的に、接続システムは、機械的、空気的または油圧的なクランプシステムにより達成され得る。接続システムの制御部は、アクチュエータパック上の接続制御ユニットに結合されている。制御コンピュータプログラムの信号時に、アクチュエータパックは起動して第2連続アームロボットを第1連続アームロボットに接続するためのプロセスが開始される。例えば、油圧的および空気的接続システムの場合、接続制御部は、クランプへの流体供給が制御して、第1連続アームロボットの周囲でクランプを閉鎖させる。電磁連結を利用する代替例においては、接続制御ユニットは、電磁クランプに必要な電流を供給して電磁クランプを係合させる。
【0032】
図4に示すような少なくとも2つのアーム連続アームロボットシステムを制御するために、制御システムが必要である。制御システムは、適切な制御プログラムを実行するのに適したプロセッサおよびメモリを有するコンピュータ401を特徴としている。コンピュータは、ユーザの入力のための手段も有している。これは、オペレータがロボットの動作を制御するために動かすジョイスティックに接続されたUSBポートであり得る。コンピュータのさらなる機能が望まれる。これには、キーボード等の第2ユーザ入力デバイスや、タッチスクリーンデバイスを介して入力されるスルーコマンドが含まれ得る。マウス等のさらなる機能も使用され得る。コンピュータには、異なる連続アームロボットに関連付けられたアクチュエータパックと接続する手段も必要である。この接続は、ケーブルの使用による物理的な連結でも無線でも可能である。
【0033】
第1連続アームロボット402および第2連続アームロボット403は、連続アームロボットの各々のアクチュエータパックを制御するために使用されるコンピュータプログラムにより制御される。このコンピュータプログラムは、連続アームシステムのコンピュータにインストールされている。コンピュータは、連続アームロボットの動作を制御するために、単一の連続アームの動作の運動モデル、および結合後の連結された連続アームシステムを操作する。コンピュータプログラムは、一方の連続アームをマスターとして、かつ他方の連続アームロボットをスレーブとして扱い得る。代替的に、コンピュータプログラムは、両者を一対として扱うことができる。コンピュータ制御プログラムは、システムにおける複数のマニピュレータについて、ならびに結合を有しない連続アームロボットについてモデル化する運動モデルに適合する必要がある。これは、アームが把持されると、これがアームの制御および位置を変更するからである。例えば、第1連続ロボットが第2連続ロボットに把持された状態では、関連するタスクを実施する際、作業ヘッドの関連する撓みが少ない。したがって、プログラムによる動作のモデル化は、ロボットシステムの剛性の変化に適合する必要がある。連続アームの所望のタスクを実施する際のそれらの制御を改善するために、正確なカメラシステムおよび/または位置センサが採用され得る。これにより、コンピュータプログラムおよびオペレータに、少なくとも第1連続アームロボットおよび第2連続アームロボットの位置に関する正確な時間情報が供給される。コンピュータプログラムからの出力は、ロボットアームの各々を制御する腱に接続されたアクチュエータを制御するために利用される。コンピュータプログラムは、接続システムに提供される信号も制御することができる。コンピュータプログラムは、アームに配置され得るセンサから信号を取って、接続システムの移動および動作を決定することが可能であり得る。また、コンピュータプログラムは、接続システムから信号を受信して、接続システムに十分な圧力がかかっていることを保証するとともに、オペレータに接続が正しく係合されているという情報を提供し得る。追加的および/または代替的に、ロボットシステムは、接続インターロック(interlock)を設けられ得る。これにより、接続部からの信号が失われた場合、システムは、接続信号が回復するまでタスクとともに停止する。コンピュータプログラムがユーザの入力に連結されることにより、オペレータは、連続アームロボットを制御することができる。プログラムは、単数または複数の連続アームロボットに撮像装置が存在する場合、これに結合され得る。例えば、これにより、アームのうちの単数または複数が光ファイバーカメラを有し、その出力がデコーダに供給され得る。デコーダの信号がコンピュータおよびプログラムに提供されることにより、オペレータは、連続アームロボットの操作をそのままのリアルタイム表示で見ることができるとともに、リアルタイム表示から、オペレータはロボットを所定位置に操縦することができる。また、コンピュータプログラムは、所望時に接続システムを操作可能とする入力も有する。コンピュータプログラムは、各連続ロボットを個別に操作することができる。また、2つ以上の連続ロボットを同時に操作することも可能であり得る。コンピュータプログラムからの出力は、次いでアクチュエータに送信されて連続ロボットの出力が制御される。
【0034】
第1連続アームロボット404に関連付けられたアクチュエータパックおよび第2連続アームロボット405に関連付けられたアクチュエータパックは、コンピュータに結合可能な入力を特徴としている。これは、ネットワークケーブルの挿入のためのケーブルジャックの存在、または無線伝送カードの存在、またはこの両方であり得る。これらは、アクチュエータパック内のプロセッサに連結される。プロセッサは、アクチュエータの動作を制御するために使用されるエンコーダに連結される。アクチュエータパックのアクチュエータバンク内のアクチュエータは、対になっていてもよい。アクチュエータは、腱を動作させて連続アーム内の関節を動作させる正確に制御された動作、および十分なトルクを生成可能でなくてはならない。アクチュエータは、ブラシレスサーボモータであり得る。このようなサーボモータは、軽量でありながら、トルクおよび連続アームロボットの正確な位置決めに必要な動制御のトルクおよび精度をもたらすという利点を提供する。代替的に、アクチュエータは、当業者に明白な任意の他の適切なアクチュエータであり得る。アクチュエータは、アクチュエータをバンクに接続可能とするフレームに装着され得る。バンクは、フレームにおいて他の一対のアクチュエータと組み合わされている場合、結合されてアクチュエータパックを形成し得る。アクチュエータの駆動電子機器は、アクチュエータの動作を制御するようにアクチュエータに連結される。また、アクチュエータの対は、ロードセルを設けられ得る。ロードセルは、アクチュエータにかかる荷重を測定し、個々のアクチュエータを制御するように使用されるサーボ駆動部に、関連する荷重の信号をフィードバックすることができる。したがって、アクチュエータの正確な制御を得ることができる。アクチュエータの動作により、アームにおける腱内部の張力が設定される。張力を制御することで、アーム内の各関節の動作がもたらされ、アームの状態がまっすぐから撓む。これにより、ロボットおよびヘッドを適切な位置に操作することができる。第2連続アームロボットは、第2連続アームロボットを第1連続アームロボットに接続可能とする接続コントローラ機構をも特徴としているため、第2連続アームロボットおよびそのアクチュエータは、第1連続アームアクチュエータのものとは異なる。さらに、連続アームロボットは、位置決めセンサを特徴とし得る。これにより、互いに対する距離および位置を、オペレータが特定することができるため、2つのスネークを互いに適切に誘導することができる。これらのセンサは、アクチュエータに信号をフィードバックする。アクチュエータは、信号を、アクチュエータを制御するコンピュータプログラムに中継する。アクチュエータおよび制御コンピュータプログラムの両方の制御が、共通のクロックに同期して連続アームロボット同士の協調した動作が可能とされることが重要である。ケーブルで操作する連続アームロボットについての例を説明したが、ケーブル駆動でないシステム、例えば、空気圧、油圧、または電気モータで制御される連続アームロボットを使用することも可能である。
【0035】
アームがロックされると、オペレータは、この時点でタスクを実行中の連続アームロボットを制御することができる。第2ロボットアームがヘッドで接続している場合、第2連続アームには、2つのロボットが係合解除されるまで、全くまたは最小限の制御しか必要ない。しかしながら、第2連続アームが端部に機能的なツールを有している場合、第2連続アームロボットは、第1連続アームロボットの制御と同時にまたは別々に制御され得る。タスクの実施後、オペレータにより接続システムを係合解除するコマンドが提供されて、2つのロボットが係合解除され得る。2つの連続アームロボットは、その後別々に制御されて、それ自体がダメージを受けることなく、また作業スペース内のいかなる機器にもダメージを与えずに、作業スペースから取り出され得る。
【0036】
図5は、連結された連続アームロボットの動作のフローチャートを示す。ステップ1において、複数の別個の連続アームロボットが、単数または複数のアクセスエリアを介して作業スペースに進入する。アクセスエリアは、ガスタービンエンジン内のボアスコープ等のアクセスポート、または他の限定された空間のアクセスエリアであり得る。2つ以上の連続アームロボットは、別々にまたは同時に挿入され得る。ロボットが作業エリアに進入した後、単数または複数のオペレータが、それらを作業対象に向けて方向付ける。この方向付けにより、2つ以上のスネークアームロボットは、作業スペースにおいて同一近さ内にある。ステップ2において、2つ以上の連続アームロボットは、互いに接続する。2つ以上の連続アームロボットは、所定の設定で移動し、それらの間の最後の距離がカバーされる。それらは、アーム同士の相対的な位置決めにより制御される。近接センサおよび位置決めセンサおよび/または光学システムを使用することにより、オペレータは状態を見ることができる。連続アームロボットが所定位置に配置された後、オペレータは、接続システムを係合することができ、これにより連続アームは機械的に互いに接続する。接続システムには、圧力センサ等のセンサが設けられ得る。これにより、オペレータは、2つ以上の連続アームロボット同士の完全な接続を確認することができる。これにより、オペレータは、必要なタスクを進められることが分かる。このシステムは、インターロックシステムに結合され得る。これにより、第1連続アームロボットがもう把持されていないと判断された場合、十分な接続が再び確立されるまで、インターロックシステムは第1連続アームロボットの動作を停止する。ステップ3は、所望のタスクの実施である。本ステップにおいて、第1連続アームロボットおよび可能であれば別の連続アームロボットが正しく位置決めされて所望のタスクを実行するように、それらを作業スペース内の所定位置に移動させる。連続アームが所定位置にある状態で、それらは操作されて必要なタスク、例えばがれき除去または修理タスクを実施することができる。タスクに複数の連続ロボットが使用される場合、第1連続ロボットアームを最初に配置してそのタスクを実施させ、次いで、第2連続アームロボットを所定位置に移動させてその関連付けられたタスクを実施させる前に、第1連続ロボットアームを取り外すことができることが必要な場合がある。代替的に、システムが補完的である場合、タスクの実施前に、両方を所定位置に移動させ得る。このタスクの実施後、複数の連続アームを所望の安全な位置に移動させ得る。それらが所望の安全な位置に配置された後、ステップ4が実施され得る。これは、少なくとも第1連続アームロボットと第2連続アームロボットとの係合解除である。3つ以上の連続アームロボットが使用される場合、第1連続アームロボットに最大の支持が依然として提供されるように、連続アームロボットを係合解除する所望の順序が存在し得る。連続アームロボットの係合解除は、接続システムを解放することを伴い、さらには、連続アームロボットを第1連続アームロボットから安全な距離まで移動させることを含み得る。連続アームロボットが係合解除されたら、オペレータは、それらを作業エリア内で再び位置決めし得る。これにより、それらは、必要に応じて部品の異なるセクションで使用できる。この場合、プロセスは上記のように繰り返される。ステップ6は、少なくとも第1連続アームロボットおよび第2連続アームロボットをアクセスポートから取り外すことである。これは、1つの連続アームロボットを1回毎に行ってもよいし、または同時に行ってもよい。
【0037】
図6は、3つの連続ロボットシステムの一例を示す。本図において、第1連続アームロボット601は、作業スペースの外部に配置されたそのアクチュエータパックから、ロボットシステムの必要なタスクを実施するために必要な先端604まで延びている。第2連続アームロボット602は、異なるアクセスポートから延びている。同様に、アクチュエータパックは作業スペースの外部に配置されており、連続アームロボットは、その先端において作業スペース内に延びている。第2連続アームロボットは、第1連続ロボットの本体の周囲に係合してそれを所定位置にクランプするように使用される2部品挟持クランプ605の形状を有している。本例において、第3連続アームロボット603も存在している。第3連続ロボットの存在により、第1連続アームロボットに対するさらなる支持が提供される。これにより、第1連続アームロボットは、それ自体で、または第2連続アームロボットがあるだけでは不可能な、より大きな負荷を支持することが可能となる。第1連続アームロボットおよび第2連続アームロボットと同様に、第3連続アームロボットのアクチュエータパックは作業スペースの外部にある。第3連続アームロボットは、それが第1連続アームロボット607の磁性セクションに係合する電磁クランプ機構606を使用して第1連続アームロボットをクランプ/把持する位置において、第1連続アームロボットまで延びていることが図示されている。したがって、第1連続アームロボットの先端は、作業スペース内で必要な作業タスクを実施するように自由である。第3ロボットシステムの代替例は、第1連続アームロボットおよび第3連続アームロボットが或る目的のために使用され得る機能性ヘッドを有する一方で、第2連続アームロボットが2つのクランプを特徴としていることで第1連続アームロボットおよび第3連続アームロボットに係合し得ることである。したがって、第2連続アームロボットは、第1連続アームロボットおよび第3連続アームロボットに対する支柱としての役割を果たす。
【0038】
図7は、図6に示す第2連続アームロボットと第1連続アームロボットとの間のクランプ機構の一例を示す。クランプ機構703は、第2連続アームロボット702の端部に配置されている。第2連続アームロボットが第1連続アームロボット701に近づくように移動する間に、オペレータは、接続システムが解放状態にあることを保証する。これは、接続システムが、第1連続アームロボットにダメージを与えずに第1連続アームロボットに対して配置され得ることを保証することである。これは、第1連続アームロボットに接続するように、接続システムが既に所定位置にあることも意味する。接続システムが第1連続アームロボットの周囲に配置された後、オペレータは、第1連続アームロボットが第2連続アームロボットによって保持されるように接続システムを閉鎖するための信号を起動することができる。オペレータに接続システムの単数または複数の箇所に接触が存在すること、および接続システムが安全に閉鎖され得ることを報知するために、圧力センサ等のセンサが接続システムに適用され得る。解放するために、オペレータは、接続システムを解放するためのコマンドを発する。これにより、第2連続アームロボットは、第1連続アームロボットを解放する。接続システムの挙動は、剛性であり得る。この場合、高い剛性を有する接続が達成できる。代替的に、接続システムは、柔軟であってもよい。これにより、剛性は低下するが高い可撓性を有するため、弾性的な挙動を呈する。さらに、接続部は、6自由度未満に抑えられ、ロボット間の単数または複数の相対動作モードが可能とされる。この場合、接続部は、固定具としてふるまうのではなく、回転関節、自在関節、球状関節、プリズム状関節、または他の関節と同等になり得る。上述のように、連続アームロボットのうちの1つが、柔軟なロボットではなく、部分的に柔軟なロボットアームであり得る。この場合でも、それはそれ自体のアクチュエータパックに関連付けられ得るとともに、それ自身の位置決めおよび動作に対する制御が少ない点を除いて、連続アームシステムであるかのように同様に動作し得る。
【0039】
上述の例では、システムは2つの結合された連続アームを有するものとして示したが、システムにおいて互いに結合された3つ以上の連続アームを有することが可能である。システムにおいてアームの数を増やすことにより、システムは、より高度な機能性を有し得る。
【0040】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本明細書に記載された概念から逸脱することなく、様々な変更及び改良を行うことができることが理解されるであろう。相互に排他的である場合を除き、特徴のうちのいずれかは、別個にまたは他の特徴と組み合わせて採用され得る。本開示は、本明細書に記載される1つ以上の特徴のすべての組み合わせおよび下位の組み合わせまで拡張し、これらを含む。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】