(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026504
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6582 20110101AFI20230216BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20230216BHJP
【FI】
H01R13/6582
H01R12/71
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205838
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2019235164の分割
【原出願日】2019-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】堀野 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】垣野 正義
(57)【要約】
【課題】高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能なコネクタを提供する。
【解決手段】本開示に係るコネクタ50は、回路基板CB2に実装され、第1遮蔽部材40を有する接続対象コネクタ10と接続されるコネクタ50であって、インシュレータ60と、インシュレータ60に取り付けられているコンタクト70aと、コンタクト70aと同一側でインシュレータ60に取り付けられている第2遮蔽部材80と、を備え、第2遮蔽部材80は、接続対象コネクタ10とコネクタ50とが接続する接続方向と直交する第1方向においてコンタクト70aと隣接する基部81bと、基部81bにおいてコンタクト70aと第1方向の反対側に形成され、回路基板CB2に実装される実装部86bと、接続方向における接続側に向けて実装部86bから延出し、第1遮蔽部材40と接触する接触部85bと、を有する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装され、第1遮蔽部材を有する接続対象コネクタと接続されるコネクタであって、
インシュレータと、
前記インシュレータに取り付けられているコンタクトと、
前記コンタクトと同一側で前記インシュレータに取り付けられている第2遮蔽部材と、
を備え、
前記第2遮蔽部材は、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続方向と直交する第1方向において前記コンタクトと隣接する基部と、
前記基部において前記コンタクトと前記第1方向の反対側に形成され、前記回路基板に実装される実装部と、
前記接続方向における接続側に向けて前記実装部から延出し、前記第1遮蔽部材と接触する接触部と、
を有する、
コネクタ。
【請求項2】
前記接触部は、前記第1方向に沿って、前記実装部と前記コンタクトとの間で延在する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記接触部の前記第1方向の幅は、前記実装部における前記第1方向の実装幅以上である、
請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記接触部は、前記第1方向及び前記接続方向と直交する第2方向において、前記コンタクトに対し両側に対称的に配置されている、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記接触部は、前記実装部における前記第2方向の外側の端部から延出する、
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記実装部は、前記第2方向において、前記コンタクトに対し両側に対称的に配置されている、
請求項4又は5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1方向は、前記コネクタの長手方向であり、
前記コンタクトは、前記コネクタの短手方向に沿って配置されている、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第2遮蔽部材は、前記インシュレータに対して前記回路基板側から取り付けられている第2部材を有し、
前記実装部及び前記接触部は、前記第2遮蔽部材の前記第2部材において前記第1方向の端部に形成されている、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記接触部は、ばね弾性を有する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のコネクタと、
前記コネクタと接続され、前記第1遮蔽部材を有する前記接続対象コネクタと、
を備え、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続状態において、前記接触部は、前記第1遮蔽部材と接触している、
コネクタモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のコネクタ、又は請求項10に記載のコネクタモジュールを備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器では通信速度の高速化及び情報量の増加が著しく進んでいる。近年の通信方式では周波数帯域が高く、良好な伝送特性を得るために、ノイズ遮蔽効果を得ることが可能な遮蔽構造、並びに高周波信号に対するクロストーク及びインピーダンスマッチング等を適切に考慮した設計がコネクタに対しても要求される。
【0003】
特許文献1には、コンタクト部材の外方位置にシールドシェルを配置した構造において、コネクタ幅方向の小型化を容易に図ることを可能とする電気コネクタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の電気コネクタ装置は、ノイズ遮蔽効果を得ることが可能な遮蔽構造を有するものの、高周波信号に対する良好な伝送特性を得るためのコネクタ設計が十分ではなかった。
【0006】
このような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能なコネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタは、
回路基板に実装され、第1遮蔽部材を有する接続対象コネクタと接続されるコネクタであって、
インシュレータと、
前記インシュレータに取り付けられているコンタクトと、
前記コンタクトと同一側で前記インシュレータに取り付けられている第2遮蔽部材と、
を備え、
前記第2遮蔽部材は、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続方向と直交する第1方向において前記コンタクトと隣接する基部と、
前記基部において前記コンタクトと前記第1方向の反対側に形成され、前記回路基板に実装される実装部と、
前記接続方向における接続側に向けて前記実装部から延出し、前記第1遮蔽部材と接触する接触部と、
を有する。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタモジュールは、
上記のコネクタと、
前記コネクタと接続され、前記第1遮蔽部材を有する前記接続対象コネクタと、
を備え、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続状態において、前記接触部は、前記第1遮蔽部材と接触している。
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る電子機器は、
上記のコネクタ又は上記のコネクタモジュールを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係るコネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器によれば、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1コネクタと第2コネクタとが互いに接続されている状態の一実施形態に係るコネクタを上面視で示した外観斜視図である。
【
図2】第1コネクタと第2コネクタとが互いに分離している状態の一実施形態に係るコネクタを上面視で示した外観斜視図である。
【
図3】
図1の第1コネクタ単体を上面視で示した外観斜視図である。
【
図4】
図1の第1コネクタ単体を下面視で示した外観斜視図である。
【
図5】第1インシュレータのみを非表示にした状態で
図3の第1コネクタを上面視で示した斜視図である。
【
図6】
図5の一対の第1遮蔽部材のみを上面視で示した斜視図である。
【
図7】
図5の一対の第1コンタクトのみを上面視で示した斜視図である。
【
図8】
図1の第2コネクタ単体を上面視で示した外観斜視図である。
【
図9】
図1の第2コネクタ単体を下面視で示した外観斜視図である。
【
図10】
図8の第2コネクタの上面視による分解斜視図である。
【
図11】第2インシュレータのみを非表示にした状態で
図8の第2コネクタを上面視で示した斜視図である。
【
図12】
図11の第2遮蔽部材のみを上面視で示した斜視図である。
【
図13】
図11の一対の第2コンタクトのみを上面視で示した斜視図である。
【
図14】第1インシュレータ及び第2インシュレータのみを非表示にした状態で
図1のコネクタを上面視で示した斜視図である。
【
図16】第1インシュレータ及び第2インシュレータのみを非表示にした状態で、
図1のコネクタの変形例を上面視で示した、
図14に対応する斜視図である。
【
図17】
図16のXVII-XVII矢線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、
図1、
図2、及び
図8乃至
図17において、異なる図面同士で互いに整合している。各矢印の方向は、
図3乃至
図7において、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、後述する回路基板CB1及びCB2の図示を省略する。
【0012】
図1は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに接続されている状態の一実施形態に係るコネクタ1を上面視で示した外観斜視図である。
図2は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに分離している状態の一実施形態に係るコネクタ1を上面視で示した外観斜視図である。
【0013】
例えば
図2に示すとおり、コネクタ1は、互いに接続可能な第1コネクタ10及び第2コネクタ50を有する。第1コネクタ10は、第1インシュレータ20と、後述する第1接触部34aを有し、第1インシュレータ20に取り付けられている第1コンタクト30aと、を有する。第1コネクタ10は、第1インシュレータ20に取り付けられている、信号コンタクト30b及び第1遮蔽部材40を有する。
【0014】
第2コネクタ50は、第1インシュレータ20に対して嵌合可能な第2インシュレータ60を有する。第2コネクタ50は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態で第1接触部34aと接触する後述の第2接触部74aを有し、第2インシュレータ60に取り付けられている第2コンタクト70aを有する。第2コネクタ50は、第2インシュレータ60に取り付けられている、信号コンタクト70b及び第2遮蔽部材80を有する。
【0015】
以上のように、コネクタ1が有する遮蔽部材は、第1インシュレータ20及び第2インシュレータ60に取り付けられている。より具体的には、遮蔽部材は、第1インシュレータ20に取り付けられている第1遮蔽部材40と、第2インシュレータ60に取り付けられている第2遮蔽部材80と、を有する。
【0016】
以下では、例えば、一実施形態に係る第2コネクタ50はリセプタクルコネクタであり、第1コネクタ10はプラグコネクタであるとして説明する。すなわち、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する嵌合状態において、第2コンタクト70a及び信号コンタクト70bが弾性変形する第2コネクタ50をリセプタクルコネクタとし、第1コンタクト30a及び信号コンタクト30bが弾性変形しない第1コネクタ10をプラグコネクタとして説明する。第1コネクタ10及び第2コネクタ50の種類は、これらに限定されない。例えば、第2コネクタ50がプラグコネクタの役割を果たし、第1コネクタ10がリセプタクルコネクタの役割を果たしてもよい。
【0017】
以下では、第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、回路基板CB1及びCB2にそれぞれ実装されるとして説明する。第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、互いに接続されている状態で、回路基板CB1と回路基板CB2とを電気的に接続する。回路基板CB1及びCB2は、リジッド基板であってよいし、又はそれ以外の任意の回路基板であってもよい。例えば、回路基板CB1及びCB2の少なくとも一方は、フレキシブルプリント回路基板であってもよい。
【0018】
以下では、第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、回路基板CB1及びCB2に対して垂直方向に互いに接続されるとして説明する。すなわち、第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、一例として上下方向に沿って互いに接続される。接続方法は、これに限定されない。第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、回路基板CB1及びCB2に対して平行方向に互いに接続されてもよいし、実装されている回路基板に対して一方が垂直方向となるように、かつ実装されている回路基板に対して他方が平行方向となるように、互いに接続されてもよい。
【0019】
特許請求の範囲に記載されている「接続方向」は、本明細書において、一例として上下方向に対応する。同様に、「接続方向と直交する第1方向」は、一例として左右方向に対応する。「コネクタ1の長手方向」は、一例として左右方向に対応する。「第1方向及び接続方向と直交する第2方向」は、一例として前後方向に対応する。「コネクタ1の短手方向」は、一例として前後方向に対応する。「接続方向における接続側」は、一例として上側に対応する。「回路基板側」は、一例として下側に対応する。
【0020】
一実施形態に係るコネクタ1は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが接続されている状態で、互いに接触している二対の第1コンタクト30a及び第2コンタクト70aを有する。コネクタ1は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態で互いに接触している一対の第1コンタクト30a及び第2コンタクト70aを遮蔽する遮蔽構造を有する。
【0021】
図3は、
図1の第1コネクタ10単体を上面視で示した外観斜視図である。
図4は、
図1の第1コネクタ10単体を下面視で示した外観斜視図である。第1コネクタ10は、一例として、第1コンタクト30a、信号コンタクト30b、及び第1遮蔽部材40と、第1インシュレータ20とがインサート成形により一体的に成形されることで得られる。
【0022】
第1コネクタ10を構成する第1インシュレータ20は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料によって形成されている。第1インシュレータ20は、左右方向に板状に延在する。第1インシュレータ20は、下部を構成する底板部21と、底板部21の上面の周縁部全体から上方に突出する環状の外周壁22と、を有する。外周壁22は、前後方向に延在する一対の短手壁22aと、左右方向に延在する一対の長手壁22bと、を含む。第1インシュレータ20は、底板部21と外周壁22とによって形成されている空間によって構成される嵌合凹部23を有する。
【0023】
第1インシュレータ20は、外周壁22の短手壁22aにおける左右方向の外面から短手壁22aの内部にわたって形成されている第1コンタクト保持溝24aを有する。第1コンタクト保持溝24aは、第1コンタクト30aを一体的に保持する。第1インシュレータ20は、外周壁22の長手壁22bにおける前後方向の外面及び内面にわたって形成されている信号コンタクト保持溝24bを有する。信号コンタクト保持溝24bは、信号コンタクト30bを一体的に保持する。
【0024】
第1インシュレータ20は、外周壁22の短手壁22aにおける左右方向の外面及び内面、並びに前後方向の外面にわたって形成されている第1遮蔽部材保持溝25を有する。第1遮蔽部材保持溝25は、第1遮蔽部材40を一体的に保持する。
【0025】
図5は、第1インシュレータ20のみを非表示にした状態で
図3の第1コネクタ10を上面視で示した斜視図である。
図6は、
図5の一対の第1遮蔽部材40のみを上面視で示した斜視図である。
図7は、
図5の一対の第1コンタクト30aのみを上面視で示した斜視図である。
図5乃至
図7を主に参照しながら、第1コンタクト30a、信号コンタクト30b、及び第1遮蔽部材40のそれぞれの構成について詳細に説明する。
【0026】
第1コンタクト30aは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図5及び
図7に示す形状に成形加工したものである。第1コンタクト30aの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。
【0027】
第1コンタクト30aは、L字状に外側に延出する実装部31aを有する。第1コンタクト30aは、実装部31aの上端部から上方に向けて逆テーパ状に形成されている接続部32aを有する。第1コンタクト30aは、接続部32aから上方に向けてU字状に延出する湾曲部33aを有する。第1コンタクト30aは、湾曲部33aの自由端側において左右方向の外面を含むように構成される第1接触部34aを有する。
【0028】
図3にも示すとおり、第1コンタクト30aは、実装部31aを除いた他の部分全体と第1コンタクト保持溝24aとが一体化することにより、第1コンタクト保持溝24aに対して保持されている。第1コンタクト30aは、コネクタ1の短手方向に沿って配置されている。第1コンタクト30aが第1インシュレータ20の第1コンタクト保持溝24aに保持されると、第1コンタクト30aの実装部31aの先端は、短手壁22aよりも外側に位置する。
【0029】
信号コンタクト30bは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図5に示す形状に成形加工したものである。信号コンタクト30bの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。
【0030】
信号コンタクト30bは、L字状に外側に延出する実装部31bを有する。信号コンタクト30bは、実装部31bの上端部から上方に向けて延出する接触部32bを有する。接触部32bは、前後方向の内面により構成される接触面を有する。接触部32bは、実装部31bよりも左右方向に幅広に形成されている。信号コンタクト30bは、接触部32bから外側に向かってU字状に延出する湾曲部33bを有する。信号コンタクト30bは、湾曲部33bの自由端側において前後方向の外面を含むように構成される接触部34bを有する。信号コンタクト30bは、接触部32bの接触面の上部に形成されている突起35bを有する。
【0031】
湾曲部33bの自由端は、接触部32bと同程度の高さ位置に形成されている。
図3にも示すとおり、信号コンタクト30bは、実装部31bを除いた他の部分の内面全体と信号コンタクト保持溝24bとが接面することにより、信号コンタクト保持溝24bに対して一体的に保持されている。信号コンタクト30bが第1インシュレータ20の信号コンタクト保持溝24bに保持されると、信号コンタクト30bの実装部31bの先端は、長手壁22bよりも外側に位置する。
【0032】
第1遮蔽部材40は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図5及び
図6に示す形状に成形加工したものである。第1遮蔽部材40の加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。第1遮蔽部材40は、第1インシュレータ20の第1遮蔽部材保持溝25に対して一体的に保持され、第1インシュレータ20の左右両側に配置されている。
【0033】
第1遮蔽部材40は、その下端部を構成する第1基部41を有する。第1遮蔽部材40は、上下方向に沿って第1基部41からL字状に延出し、第1基部41における前後方向の両側に配置されている第1延出部42を有する。第1遮蔽部材40は、左右方向に沿った第1基部41の一対の縁から上下方向に沿ってU字状に延出する第2延出部43を有する。
【0034】
第1遮蔽部材40は、その左右方向における内端部において、前後両側の第1基部41を連結する連結部44を有する。第1遮蔽部材40は、上下方向に沿って連結部44からL字状に延出し、連結部44の前後方向の幅全体に延在する第1遮蔽部45を有する。
図4にも示すとおり、第1遮蔽部材40は、前後両側の第1基部41の下面によって構成される実装部46を有する。一の第1遮蔽部材40において前後両側に配置されている実装部46は、例えば、回路基板CB1の実装面において互いに分離している一対の接地パターンに対して、分離した状態で実装される。
【0035】
以上のような構造の第1コネクタ10では、回路基板CB1の実装面に形成された回路パターンに対して、第1コンタクト30aの実装部31aがはんだ付けされる。当該実装面に形成された回路パターンに対して、信号コンタクト30bの実装部31bがはんだ付けされる。当該実装面に形成された接地パターンに対して、第1遮蔽部材40の実装部46がはんだ付けされる。以上により、第1コネクタ10は、回路基板CB1に対して実装される。回路基板CB1の実装面には、例えば、通信モジュール等の第1コネクタ10とは別の電子部品が実装される。
【0036】
続いて、第2コネクタ50の構成について
図8乃至
図13を主に参照しながら説明する。
【0037】
図8は、
図1の第2コネクタ50単体を上面視で示した外観斜視図である。
図9は、
図1の第2コネクタ50単体を下面視で示した外観斜視図である。
図10は、
図8の第2コネクタ50の上面視による分解斜視図である。
【0038】
第2コネクタ50は、例えば、以下の方法で組み立てられる。すなわち、第2インシュレータ60に対して上方から第2コンタクト70aを圧入する。第2インシュレータ60に対して下方から信号コンタクト70bを圧入する。第2インシュレータ60に対して上方及び下方から第2遮蔽部材80を圧入する。
【0039】
図10に示すとおり、第2インシュレータ60は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した、左右方向に延在する板状部材である。第2インシュレータ60は、下部を構成する底板部61と、底板部61の周縁部全体を外側から囲みながら上方に突出する環状の外周壁62と、を有する。外周壁62は、前後方向に延在する一対の短手壁62aと、左右方向に延在する一対の長手壁62bと、を含む。第2インシュレータ60は、底板部61の中央部から上方に向けて突出する嵌合凸部63を有する。
【0040】
第2インシュレータ60は、外周壁62の短手壁62aの前後方向の中央部に形成されている第2コンタクト保持溝64aを有する。第2コンタクト保持溝64aは、圧入された第2コンタクト70aを保持する。第2インシュレータ60は、外周壁62の長手壁62bにおける前後方向の内面及び嵌合凸部63の前後方向の外面にわたって形成されている信号コンタクト保持溝64bを有する。信号コンタクト保持溝64bは、圧入された信号コンタクト70bを保持する。
【0041】
第2インシュレータ60は、外周壁62の短手壁62aにおける左右方向の外面、前後方向の外面、及び短手壁62aの内部にわたって形成されている第2遮蔽部材保持溝65を有する。第2遮蔽部材保持溝65は、圧入された第2遮蔽部材80を保持する。
【0042】
図11は、第2インシュレータ60のみを非表示にした状態で
図8の第2コネクタ50を上面視で示した斜視図である。
図12は、
図11の第2遮蔽部材80のみを上面視で示した斜視図である。
図13は、
図11の一対の第2コンタクト70aのみを上面視で示した斜視図である。
図11乃至
図13を主に参照しながら、第2コンタクト70a、信号コンタクト70b、及び第2遮蔽部材80のそれぞれの構成について詳細に説明する。
【0043】
第2コンタクト70aは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図11及び
図13に示す形状に成形加工したものである。第2コンタクト70aの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。
【0044】
第2コンタクト70aは、L字状に外側に延出する実装部71aを有する。第2コンタクト70aは、実装部71aの上端部から連続して上方に形成されている係止部72aを有する。係止部72aは、実装部71a及び後述する湾曲部73aよりも前後方向に幅広に形成されている。第2コンタクト70aは、係止部72aから上方に向けてU字状に延出する湾曲部73aを有する。第2コンタクト70aは、湾曲部73aの自由端側において左右方向の内面を含むように構成される第2接触部74aを有する。第2接触部74aは、左右方向に沿って弾性変形可能なようにばね弾性を有する。
【0045】
図10にも示すとおり、第2コンタクト70aは、係止部72aが第2コンタクト保持溝64aに係止することにより、第2コンタクト保持溝64aに対して保持されている。第2コンタクト70aは、コネクタ1の短手方向に沿って配置されている。第2コンタクト70aが第2インシュレータ60の第2コンタクト保持溝64aに保持されると、第2コンタクト70aの実装部71aの先端は、短手壁62aの左右方向の最外端よりも内側に位置する。
【0046】
信号コンタクト70bは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図10及び
図11に示す形状に成形加工したものである。信号コンタクト70bの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。
【0047】
信号コンタクト70bは、
図10のとおり、L字状に外側に延出する実装部71bを有する。信号コンタクト70bは、実装部71bの上端部から連続して上方に形成されている部分と、当該部分と前後方向に離間しかつ対向する部分と、を含む一対の係止部72bを有する。係止部72bは、実装部71b及び後述する湾曲部73bよりも左右方向に幅広に形成されている。信号コンタクト70bは、一対の係止部72bを接続する湾曲部73bと、内側に形成された係止部72bに連続するS字状の弾性接触部74bと、弾性接触部74bの先端部に外側に向いて形成されている接触部75bと、を有する。信号コンタクト70bは、湾曲部73bの前後方向の内面から突出する突起を含む接触部76bを有する。
【0048】
弾性接触部74bの自由端は、接触部75bと同程度の高さ位置に形成されている。
図8にも示すとおり、信号コンタクト70bは、係止部72bが信号コンタクト保持溝64bに係止することにより、信号コンタクト保持溝64bに対して保持されている。信号コンタクト70bが第2インシュレータ60の信号コンタクト保持溝64bに保持されると、弾性接触部74bは、嵌合凸部63に形成されている信号コンタクト保持溝64b内において前後方向に弾性変形可能である。信号コンタクト70bが第2インシュレータ60の信号コンタクト保持溝64bに保持されると、信号コンタクト70bの実装部71bの先端は、長手壁62bの前後方向の最外端よりも内側に位置する。
【0049】
第2遮蔽部材80は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図10乃至
図12に示す形状に成形加工したものである。第2遮蔽部材80の加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。第2遮蔽部材80は、第2インシュレータ60の第2遮蔽部材保持溝65に対して圧入されることで第2インシュレータ60によって保持される。
【0050】
第2遮蔽部材80は、例えば、3つの部材を含む。より具体的には、第2遮蔽部材80は、外周壁62を四方から囲むように第2インシュレータ60に対して上方から取り付けられる第1部材80aと、第2インシュレータ60の左右両側に配置されるように第2インシュレータ60に対して下方から取り付けられる一対の第2部材80bと、を含む。
【0051】
第2部材80bは、その下端部を構成する第2基部81bを有する。第2基部81bは、左右方向において第2コンタクト70aと隣接する。第2部材80bは、上下方向に沿って第2基部81bからL字状に延出し、第2基部81bの前後方向の幅全体に延在する第2遮蔽部82bを有する。第2部材80bは、第2基部81bの中央部を構成し、第2基部81bの前後方向の幅全体に延在する第3遮蔽部83bを有する。第2部材80bは、左右方向に沿った第2基部81bの一対の縁から上下方向に沿ってL字状に延出する係止部84bを有する。
【0052】
第2部材80bは、係止部84bよりも左右方向の内側に配置され、左右方向に沿った第2基部81bの一対の縁から上下方向に沿ってS字状に延出する接触部85bを有する。接触部85bは、第2部材80bにおいて左右方向の内端部に形成されている。
【0053】
第2部材80bは、
図9のとおり、左右方向において第2コンタクト70aよりも内側に配置され、回路基板CB2に実装される第1実装部86bを有する。第1実装部86bは、第2基部81bにおいて第2コンタクト70aと左右方向の反対側にL字状に形成されている。第1実装部86bは、第2部材80bにおいて左右方向の内端部に形成されている。一対の第1実装部86bは、一の第2部材80bにおいて第2基部81bの前後両側にそれぞれ配置されている。第1実装部86bは、前後方向において、第2コンタクト70aに対し両側に対称的に配置されている。一対の第1実装部86bは、例えば、回路基板CB2の実装面において互いに分離している一対の回路パターンに対して、分離した状態でそれぞれ実装される。
【0054】
図9にも示すとおり、第2部材80bは、第2基部81bの左右方向の外端部における前後両側の下面と前後両側の係止部84bの下面とによって構成される第2実装部87bを有する。一の第2部材80bにおいて前側に配置されている第2実装部87bと後側に配置されている第2実装部87bとは、例えば、回路基板CB2の実装面において互いに分離している一対の回路パターンに対して、分離した状態でそれぞれ実装される。
【0055】
図12に示すとおり、接触部85bは、上側に向けて第1実装部86bから延出する。接触部85bは、第1実装部86bにおける前後方向の外側の端部から延出する。より具体的には、接触部85bは、第1実装部86bからS字状に延出し、ばね弾性を有する。
図11に示すとおり、接触部85bは、左右方向に沿って、第1実装部86bと第2コンタクト70aとの間で延在する。接触部85bの左右方向の幅は、第1実装部86bにおける左右方向の実装幅以上である。接触部85bは、前後方向において、第2コンタクト70aに対し両側に対称的に配置されている。
【0056】
図10にも示すとおり、第2部材80bは、係止部84b及び第2遮蔽部82bが第2遮蔽部材保持溝65に係止することにより、第2遮蔽部材保持溝65に対して保持される。より具体的には、一対の係止部84bは、第2遮蔽部材保持溝65のうち短手壁62aの前後両側の内部に形成されている溝に係止する。第2遮蔽部82bは、第2遮蔽部材保持溝65のうち短手壁62aにおける左右方向の外面に形成されている溝に係止する。
【0057】
第1部材80aは、その上端部を構成する第3基部81aを有する。第1部材80aは、前後方向の外周部において左右方向に所定の幅を有して延在する第4遮蔽部82aを有する。第1部材80aは、左右方向において、第2遮蔽部82bよりもさらに外側に配置されている第5遮蔽部83aを有する。第5遮蔽部83aは、第2遮蔽部82bよりも前後方向に幅広であり、前後方向において第2遮蔽部82bの全体と重なるように配置されている。
図8にも示すとおり、第1部材80aは、左右方向に沿って第2インシュレータ60の長手壁62bの外側に配置されている外周側遮蔽部84aを有する。外周側遮蔽部84aは、左右両側に位置する第4遮蔽部82aを連結するように左右方向に沿って延在する。
【0058】
図11に示すとおり、第1部材80aは、上下方向に沿って第3基部81aから延出し、前後方向において、第2コンタクト70aに対し両側に配置されている接触部85aを有する。接触部85aは、左右方向に沿って弾性変形可能なようにばね弾性を有する。第1部材80aは、前後方向の外周部において左右方向の両端部に形成されている係止部86aを有する。
【0059】
第1部材80aは、第5遮蔽部83aの前後両側における下端部から下方に直線状に延出する第1実装部87aと、係止部86aの下端部から下方に直線状に延出する第2実装部88aと、外周側遮蔽部84aの左右両端部から下方に直線状に延出する第3実装部89aと、を有する。例えば、互いに隣接する、左方向前側の第1実装部87aと前方向左側の第2実装部88aとは、回路基板CB2の実装面において同一の接地パターンに実装される。例えば、互いに隣接する、左方向後側の第1実装部87aと後方向左側の第2実装部88aとは、回路基板CB2の実装面において同一の接地パターンに実装される。第1部材80aの右側においても同様に構成される。例えば、4つの第3実装部89aは、回路基板CB2の実装面において互いに分離している4つの接地パターンに対して、分離した状態でそれぞれ実装される。
【0060】
図10にも示すとおり、第1部材80aは、係止部86aが第2遮蔽部材保持溝65に係止することにより、第2遮蔽部材保持溝65に対して保持される。
【0061】
以上のような構造の第2コネクタ50では、回路基板CB2の実装面に形成された回路パターンに対して、第2コンタクト70aの実装部71aがはんだ付けされる。当該実装面に形成された回路パターンに対して、信号コンタクト70bの実装部71bがはんだ付けされる。当該実装面に形成された接地パターンに対して、第2遮蔽部材80の第1部材80aの第1実装部87a、第2実装部88a、及び第3実装部89a、並びに第2部材80bの第1実装部86b及び第2実装部87bがはんだ付けされる。例えば、第1部材80aの左方向前側の第1実装部87a、前方向左側の第2実装部88a、及び左側に配置されている第2部材80bの前側の第2実装部87bが同一の接地パターンに対してはんだ付けされる。左側に配置されている第2部材80bの後側、及び右側に配置されている第2部材80bについても同様である。これにより、2つの第1部材80a及び第2部材80bは、電気的に1つの遮蔽部材としてみなすことが可能である。以上により、第2コネクタ50は、回路基板CB2に対して実装される。回路基板CB2の実装面には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、又はメモリ等の第2コネクタ50とは別の電子部品が実装される。
【0062】
図14は、第1インシュレータ20及び第2インシュレータ60のみを非表示にした状態で
図1のコネクタ1を上面視で示した斜視図である。
図15は、
図14のXV-XV矢線に沿った断面図である。
図14及び
図15を参照しながら、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが接続し、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態でのコネクタ1の構成について主に説明する。
【0063】
例えば、
図3に示す第1コネクタ10の上下方向の向きを逆にした状態で、第1コネクタ10と第2コネクタ50との前後位置及び左右位置を略一致させながら、互いを上下方向に対向させる。そして、第1コネクタ10を下方に移動させる。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに接続され、コネクタ1の嵌合状態が得られる。このとき、第1インシュレータ20の嵌合凹部23と第2インシュレータ60の嵌合凸部63とが互いに嵌合する。
【0064】
コネクタ1の嵌合状態では、第1コンタクト30aの第1接触部34aと第2コンタクト70aの第2接触部74aとが接触し、ばね弾性を有する第2接触部74aが左右方向の外側に弾性変形する。第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとは、第1接触部34aと第2接触部74aとによって一箇所のみにおいて接触する。
【0065】
コネクタ1の嵌合状態では、信号コンタクト30bの突起35bが下方に移動しながら信号コンタクト70bの接触部75bを乗り越えて、信号コンタクト30bの接触部32bと信号コンタクト70bの接触部75bとが接触する。このとき、ばね弾性を有する弾性接触部74bが前後方向の内側に弾性変形する。同様に、信号コンタクト30bの接触部34bと信号コンタクト70bの接触部76bとは、互いに接触している。信号コンタクト30bと信号コンタクト70bとは、接触部32bと接触部75bとによって、及び接触部34bと接触部76bとによって二箇所において接触する。
【0066】
コネクタ1の嵌合状態では、第1遮蔽部材40の第1延出部42と第2遮蔽部材80の第1部材80aの接触部85aとは、互いに接触している。第1遮蔽部材40の第1延出部42は、上下方向に沿って第1基部41から延出し、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に配置されている。より具体的には、第1遮蔽部材40の第1延出部42は、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して、前後方向の両側で隣接するように配置されている。同様に、第1部材80aの接触部85aは、上下方向において第1基部41と同一側に配置されている第3基部81aから上下方向に沿って延出し、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に配置されている。より具体的には、第1部材80aの接触部85aは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して、前後方向の両側で隣接するように配置されている。
【0067】
以上のように、嵌合状態では、第1遮蔽部材40と第1部材80aとは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して隣接しながらこれらを前後方向に挟む二対の第1延出部42及び接触部85aによって二箇所において接触する。二対の第1延出部42及び接触部85aは、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に対称的に配置されている。
【0068】
コネクタ1の嵌合状態では、第1遮蔽部材40の第2延出部43と第2遮蔽部材80の第2部材80bの接触部85bとは、互いに接触している。第1遮蔽部材40の第2延出部43は、上下方向に沿って第1基部41から延出し、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に配置されている。より具体的には、第1遮蔽部材40の第2延出部43は、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して、前後方向の両側で近接するように配置されている。同様に、第2部材80bの接触部85bは、上下方向において第1基部41と反対側に配置されている第2基部81bから上下方向に沿って延出し、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に配置されている。より具体的には、第2部材80bの接触部85bは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して、前後方向の両側で近接するように配置されている。
【0069】
以上のように、嵌合状態では、第1遮蔽部材40と第2部材80bとは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して近接しながらこれらを前後方向に挟む二対の第2延出部43及び接触部85bによって二箇所において接触する。二対の第2延出部43及び接触部85bは、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に対称的に配置されている。
【0070】
以上のように、嵌合状態では、第1遮蔽部材40と第2遮蔽部材80とは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して隣接又は近接する四箇所において接触する。
【0071】
コネクタ1の嵌合状態では、第1遮蔽部材40の第1遮蔽部45は、左右方向において、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して内側に配置されている。第2遮蔽部材80の第2部材80bの第2遮蔽部82bは、左右方向において、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して外側に配置されている。以上のように、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aは、左右方向における両側から第1遮蔽部45及び第2遮蔽部82bによって遮蔽されている。
【0072】
コネクタ1の嵌合状態では、第2遮蔽部材80の第2部材80bの第3遮蔽部83bは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して上下方向における嵌合側と反対側に配置されている。このように、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aは、嵌合側と反対側から第3遮蔽部83bによって遮蔽されている。
【0073】
コネクタ1の嵌合状態では、第2遮蔽部材80の第1部材80aの第4遮蔽部82aは、前後方向において、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対し両側に配置されている。このように、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aは、前後方向における両側から第4遮蔽部82aによって遮蔽されている。
【0074】
コネクタ1の嵌合状態では、第2遮蔽部材80の第1部材80aの第5遮蔽部83aは、左右方向において、第2遮蔽部82bよりもさらに外側に配置されている。このように、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aは、左右方向における外側において、第2遮蔽部82b及び第5遮蔽部83aの二重構造によって遮蔽されている。
【0075】
以上のような一実施形態に係る第2コネクタ50によれば、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能である。例えば、第2部材80bの接触部85bが、上下方向における上側に向けて第1実装部86bから延出し、第1遮蔽部材40と接触する。これにより、接触部85bと第1遮蔽部材40との接触点と回路基板CB2の実装面に実装されている第1実装部86bとの距離が短縮化される。したがって、回路長が短縮化されることによってクロストークの悪化を抑制することが可能であり、高周波信号に対する伝送特性が向上する。すなわち、配線が必要以上に長くなって磁界が相互に発生しやすくなりクロストークが悪化するといった問題を抑制可能である。したがって、ノイズの発生を原因とする誤作動が抑制される。
【0076】
接触部85bが、左右方向に沿って、第1実装部86bと第2コンタクト70aとの間で延在することで、接地されている第2部材80bの接触部85bが第2コンタクト70aと近接する。これにより、第2コンタクト70aのノイズ遮蔽効果が高まり、高周波信号に対する伝送特性が向上する。
【0077】
接触部85bの左右方向の幅が、第1実装部86bにおける左右方向の実装幅以上であることで、接触部85bが幅広となり、その導電性が向上する。したがって、第2コンタクト70aのノイズ遮蔽効果が高まり、高周波信号に対する伝送特性が向上する。
【0078】
接触部85bが、前後方向において、第2コンタクト70aに対し両側に対称的に配置されていることで、リターンパスが対称的に形成される。これにより、リターンパスを通る信号が流れやすくなり、高周波信号に対する伝送特性が向上する。仮に、リターンパスの流れが左右不均一であると、リターン経路として戻る電流の磁界が乱れてノイズが発生しやすくなるが、一実施形態に係る第2コネクタ50によれば、このようなノイズの発生が抑制される。したがって、EMI(Electro Magnetic Interference)特性の悪化を抑制可能である。
【0079】
接触部85bが第1実装部86bにおける前後方向の外側の端部から延出することで、第1実装部86bよりも外側に配置され、第1遮蔽部材40と接触部85bとの接触を構造的により容易に実現することが可能である。
【0080】
第1実装部86bが、前後方向において、第2コンタクト70aに対し両側に対称的に配置されていることで、リターンパスが対称的に形成される。これにより、リターンパスを通る信号が流れやすくなり、高周波信号に対する伝送特性が向上する。仮に、リターンパスの流れが左右不均一であると、リターン経路として戻る電流の磁界が乱れてノイズが発生しやすくなるが、一実施形態に係る第2コネクタ50によれば、このようなノイズの発生が抑制される。したがって、EMI(Electro Magnetic Interference)特性の悪化を抑制可能である。
【0081】
第2コンタクト70aが、コネクタ1の短手方向に沿って配置されていることで、コネクタ1の長手方向の幅が縮小される。したがって、コネクタ1が、長手方向において小型化される。例えば、高速伝送に対応した近年の通信端末では、通信電波の指向性により、アンテナを配置する箇所及び方向が増加しているので、省スペース化のために通信端末に内蔵されるコネクタの小型化が要求されている。一実施形態に係るコネクタ1は、このような要求も満たすことが可能である。また、信号コンタクト70bをコネクタ1内で遠く離間することができるので、信号コンタクト70bはそれぞれ独立した遮蔽部材を用いてシールドすることができる。このとき、遮蔽部材を設けるのに十分なスペースを確保することができる。
【0082】
接触部85bが、第1実装部86bからS字状に延出することで、第1コネクタ10の第1遮蔽部材40とより確実に接触することができる。
【0083】
第1実装部86b及び接触部85bが、第2部材80bにおいて左右方向の内端部に形成されていることで、第2部材80bにおいて左右方向の外端部に形成されている場合と比較して、コネクタ1の左右方向の幅が縮小される。したがって、コネクタ1が、左右方向において小型化される。
【0084】
接触部85bが、ばね弾性を有することで、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態における嵌合力が向上する。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ50との接続が安定する。
【0085】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0086】
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0087】
上述した第1コネクタ10及び第2コネクタ50の組立方法は、上記の説明の内容に限定されない。第1コネクタ10及び第2コネクタ50の組立方法は、それぞれの機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、第1コネクタ10において、第1コンタクト30a、信号コンタクト30b、及び第1遮蔽部材40の少なくとも1つがインサート成形ではなく圧入により第1インシュレータ20に取り付けられてもよい。例えば、第2コネクタ50において、第2コンタクト70a、信号コンタクト70b、及び第2遮蔽部材80の少なくとも1つが圧入ではなくインサート成形により第2インシュレータ60と一体的に成形されてもよい。
【0088】
上記実施形態では、遮蔽部材が、第1遮蔽部材40及び第2遮蔽部材80を有すると説明したが、遮蔽部材の構成はこれに限定されない。例えば、遮蔽部材が一体的に形成されており、嵌合状態にある第1インシュレータ20及び第2インシュレータ60の少なくとも一方に取り付けられていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、第1遮蔽部45が第1遮蔽部材40に形成され、第2遮蔽部82b及び第3遮蔽部83bが第2遮蔽部材80に形成されていると説明したが、これに限定されない。第1遮蔽部45、第2遮蔽部82b、及び第3遮蔽部83bに加えて、第4遮蔽部82a、第5遮蔽部83a、及び外周側遮蔽部84aも含めた各遮蔽部は、第1遮蔽部材40及び第2遮蔽部材80のいずれか一方に形成されていればよい。例えば、全ての遮蔽部が、第2遮蔽部材80にのみ形成されていてもよい。各遮蔽部は、第1遮蔽部材40及び第2遮蔽部材80の両方に分割された状態で形成されていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、例えば、第3遮蔽部83bは、
図15等に示すとおり、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aの直下に配置されていると説明したが、これに限定されない。例えば、第3遮蔽部83bは、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対して左右方向にずれた位置に配置されていてもよい。
【0091】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80が互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対し両側に配置されている第4遮蔽部82aを有すると説明したが、これに限定されない。第2遮蔽部材80は、良好なノイズ遮蔽効果が得られるのであれば、片側にのみ第4遮蔽部82aを有してもよいし、第4遮蔽部82aを有さなくてもよい。
【0092】
図16は、第1インシュレータ20及び第2インシュレータ60のみを非表示にした状態で、
図1のコネクタ1の変形例を上面視で示した、
図14に対応する斜視図である。
図17は、
図16のXVII-XVII矢線に沿った断面図である。
図16及び
図17に示すコネクタ1の変形例では、第2遮蔽部材80は、第1部材80aを有さずに、第2部材80bのみを有する。
【0093】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80が第5遮蔽部83aを有すると説明したが、これに限定されない。例えば、
図16及び
図17に示すとおり、第2遮蔽部材80は、良好なノイズ遮蔽効果が得られるのであれば、第5遮蔽部83aを有さなくてもよい。
【0094】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80が外周側遮蔽部84aを有すると説明したが、これに限定されない。例えば、
図16及び
図17に示すとおり、第2遮蔽部材80は、良好なノイズ遮蔽効果が得られるのであれば、外周側遮蔽部84aを有さなくてもよい。
【0095】
上記実施形態では、遮蔽部材が、第1遮蔽部45、第2遮蔽部82b、第3遮蔽部83b、第4遮蔽部82a、及び第5遮蔽部83aを有すると説明したが、これに限定されない。例えば、遮蔽部材は、第1遮蔽部45乃至第5遮蔽部83aに加えて、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aに対し上下方向において第3遮蔽部83bと反対側に配置されている第6遮蔽部を有してもよい。例えば、第6遮蔽部は、第1遮蔽部材40及び第2遮蔽部材80のいずれか一方に形成されていてもよい。これにより、第6遮蔽部は、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aを上側から遮蔽する。したがって、第1遮蔽部45乃至第5遮蔽部83a、及び第6遮蔽部が、互いに接触している第1接触部34a及び第2接触部74aを前後左右上下の6方向から遮蔽するので、ノイズ遮蔽効果がさらに向上する。
【0096】
上記実施形態では、第1遮蔽部材40の第1延出部42と第2遮蔽部材80の接触部85aとが、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分の両側で互いに接触していると説明したが、これに限定されない。例えば、
図16に示すとおり、良好な伝送特性が得られるのであれば、第2遮蔽部材80が接触部85aを有さずに、第1遮蔽部材40の第1延出部42のみが、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分の両側に配置されていてもよい。
【0097】
上記実施形態では、第1基部41及び第1延出部42が、第1遮蔽部材40に形成されていると説明したが、これに限定されない。第1基部41及び第1延出部42を含む各構成部は、第1遮蔽部材40及び第2遮蔽部材80のいずれか一方に形成されていればよい。各構成部は、第1遮蔽部材40及び第2遮蔽部材80の両方に分割された状態で形成されていてもよい。
【0098】
上記実施形態では、二対の第2延出部43及び接触部85bが、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に対称的に配置されていると説明したが、これに限定されない。良好な伝送特性が得られるのであれば、二対の第2延出部43及び接触部85bは、非対称的に配置されていてもよい。
【0099】
上記実施形態では、二対の第1延出部42及び接触部85aが、前後方向において、第1コンタクト30aと第2コンタクト70aとの接触部分に対し両側に対称的に配置されていると説明したが、これに限定されない。良好な伝送特性が得られるのであれば、二対の第1延出部42及び接触部85aは、非対称的に配置されていてもよい。
【0100】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80の接触部85bが、左右方向に沿って、第1実装部86bと第2コンタクト70aとの間で延在すると説明したが、これに限定されない。例えば、第2遮蔽部材80の接触部85bは、任意の方向に沿って延在してもよい。
【0101】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80の接触部85bの左右方向の幅が、第1実装部86bにおける左右方向の実装幅以上であると説明したが、これに限定されない。例えば、接触部85bの左右方向の幅が、第1実装部86bにおける左右方向の実装幅よりも小さくてもよい。
【0102】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80の接触部85bが、第1実装部86bからS字状に延出すると説明したが、これに限定されない。接触部85bは、任意の形状で第1実装部86bから延出してもよい。
【0103】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80の接触部85bが、ばね弾性を有すると説明したが、これに限定されない。接触部85bは、ばね弾性を有さなくてもよい。代わりに、接触部85bと接触する第2延出部43がばね弾性を有してもよい。
【0104】
上記実施形態では、第1コンタクト30a及び第2コンタクト70aは、コネクタ1の短手方向に沿って配置されていると説明したが、これに限定されない。第1コンタクト30a及び第2コンタクト70aは、コネクタ1の長手方向に沿って配置されていてもよい。一対の第1コンタクト30aが、第1インシュレータ20の左右方向の両端に配置され、一対の第2コンタクト70aが、第2インシュレータ60の左右方向の両端に配置されていると説明したが、これに限定されない。例えば、一対の第1コンタクト30aが、第1インシュレータ20の左右方向の内側に配置され、一対の第2コンタクト70aが、第2インシュレータ60の左右方向の内側に配置されていてもよい。
【0105】
上記実施形態では、コネクタ1は、第1コンタクト30a及び第2コンタクト70aとは異なる複数のコンタクト、すなわち信号コンタクト30b及び信号コンタクト70bを有すると説明したが、これに限定されない。コネクタ1は、信号コンタクト30b及び信号コンタクト70bを有さなくてもよい。上記実施形態では、これら複数のコンタクトが、コネクタ1の長手方向に沿って配置されていると説明したが、これに限定されない。これら複数のコンタクトは、コネクタ1の短手方向に沿って配置されていてもよい。
【0106】
上記実施形態では、第2遮蔽部材80は、第1部材80a及び第2部材80bを有すると説明したが、これに限定されない。第2遮蔽部材80は、2つの部材に分離せずに、一の部材として一体的に形成されていてもよい。
【0107】
上記実施形態における各実装部の実装パターンは、上記の説明内容に限定されない。各実装部は、対応する回路基板の実装面において任意の実装パターンで実装されていてもよい。
【0108】
以上のようなコネクタ1は、回路基板CB1及び回路基板CB2を含んだ電子機器に搭載される。電子機器は、例えば、スマートフォン等の任意の通信端末機器、パーソナルコンピュータ、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び複合機等の任意の情報処理機器を含む。その他、電子機器は、任意の産業機器を含む。
【0109】
このような電子機器は、コネクタ1において、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能である。このような電子機器は、信号伝送における良好な伝送特性を有する。したがって、電子機器の製品としての信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0110】
1 コネクタ(コネクタモジュール)
10 第1コネクタ(接続対象コネクタ)
20 第1インシュレータ
21 底板部
22 外周壁
22a 短手壁
22b 長手壁
23 嵌合凹部
24a 第1コンタクト保持溝
24b 信号コンタクト保持溝
25 第1遮蔽部材保持溝
30a 第1コンタクト
30b 信号コンタクト
31a 実装部
31b 実装部
32a 接続部
32b 接触部
33a 湾曲部
33b 湾曲部
34a 第1接触部
34b 接触部
35b 突起
40 第1遮蔽部材
41 第1基部
42 第1延出部
43 第2延出部
44 連結部
45 第1遮蔽部
46 実装部
50 第2コネクタ(コネクタ)
60 第2インシュレータ(インシュレータ)
61 底板部
62 外周壁
62a 短手壁
62b 長手壁
63 嵌合凸部
64a 第2コンタクト保持溝
64b 信号コンタクト保持溝
65 第2遮蔽部材保持溝
70a 第2コンタクト(コンタクト)
70b 信号コンタクト
71a 実装部
71b 実装部
72a 係止部
72b 係止部
73a 湾曲部
73b 湾曲部
74a 第2接触部
74b 弾性接触部
75b 接触部
76b 接触部
80 第2遮蔽部材
80a 第1部材
80b 第2部材
81a 第3基部
81b 第2基部(基部)
82a 第4遮蔽部
82b 第2遮蔽部
83a 第5遮蔽部
83b 第3遮蔽部
84a 外周側遮蔽部
84b 係止部
85a 接触部
85b 接触部
86a 係止部
86b 第1実装部(実装部)
87a 第1実装部
87b 第2実装部
88a 第2実装部
89a 第3実装部
CB1 回路基板
CB2 回路基板
【手続補正書】
【提出日】2023-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装され、第1遮蔽部材を有する接続対象コネクタと接続されるコネクタであって、
インシュレータと、
前記インシュレータに取り付けられているコンタクトと、
前記インシュレータに取り付けられている第2遮蔽部材と、
を備え、
前記第2遮蔽部材は、
前記コンタクトを外側から囲む第1遮蔽部と、
少なくとも一部が前記第1遮蔽部の内側に位置する第2遮蔽部と、を有し、
前記第2遮蔽部は、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続方向と直交する第1方向において前記コンタクトと隣接する基部と、
前記接続方向における接続側に向けて前記基部から延出し、前記第1遮蔽部の内側に位置する接触部と、を含み、
前記接触部は、前記第1方向と直交する第2方向において、前記第1遮蔽部材と接触する、
コネクタ。
【請求項2】
前記第2遮蔽部材は、前記基部において前記コンタクトと前記第1方向の反対側に形成され、前記回路基板に実装される実装部をさらに含む、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1遮蔽部は、前記接続方向における接続側から前記インシュレータに取り付けられ、
前記第2遮蔽部は、前記接続側とは反対側から前記インシュレータに取り付けられる、
請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記接触部は、第1接触部と第2接触部とをさらに備え、
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記第1方向及び前記接続方向と直交する第2方向において、前記コンタクトに対し両側に配置されている、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1方向は、前記コネクタの長手方向であり、
前記コンタクトは、前記コネクタの短手方向に沿って配置されている、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1遮蔽部と前記第2遮蔽部とは、互いに分離された部材である、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記インシュレータに取り付けられている信号コンタクトをさらに備え、
前記第1方向において、前記接触部は、前記コンタクトと前記信号コンタクトとの間に位置する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコネクタと、
前記コネクタと接続され、前記第1遮蔽部材を有する前記接続対象コネクタと、
を備え、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続状態において、前記接触部は、前記第1遮蔽部材と接触している、
コネクタモジュール。
【請求項9】
前記接触部は、第1接触部と第2接触部とをさらに備え、
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記第1方向及び前記接続方向と直交する第2方向において、前記コンタクトに対し両側に配置され、
前記接続状態において、前記第1遮蔽部材は、前記第2方向において、前記第1接触部と前記第2接触部との間に位置する、
請求項8に記載のコネクタモジュール。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコネクタ、又は請求項8及び9のいずれかに記載のコネクタモジュールを備える電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタは、
回路基板に実装され、第1遮蔽部材を有する接続対象コネクタと接続されるコネクタであって、
インシュレータと、
前記インシュレータに取り付けられているコンタクトと、
前記インシュレータに取り付けられている第2遮蔽部材と、
を備え、
前記第2遮蔽部材は、
前記コンタクトを外側から囲む第1遮蔽部と、
少なくとも一部が前記第1遮蔽部の内側に位置する第2遮蔽部と、を有し、
前記第2遮蔽部は、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続方向と直交する第1方向において前記コンタクトと隣接する基部と、
前記接続方向における接続側に向けて前記基部から延出し、前記第1遮蔽部の内側に位置する接触部と、を含み、
前記接触部は、前記第1方向と直交する第2方向において、前記第1遮蔽部材と接触する。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタモジュールは、
上記のコネクタと、
前記コネクタと接続され、前記第1遮蔽部材を有する前記接続対象コネクタと、
を備え、
前記接続対象コネクタと前記コネクタとが接続する接続状態において、前記接触部は、前記第1遮蔽部材と接触している。