(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002651
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】研磨物品及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
B24D 3/00 20060101AFI20221227BHJP
B24D 3/04 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
B24D3/00 310F
B24D3/04
B24D3/00 310Z
B24D3/00 340
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165674
(22)【出願日】2022-10-14
(62)【分割の表示】P 2020573303の分割
【原出願日】2019-06-28
(31)【優先権主張番号】62/692,309
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン-ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラパカ、スリカンス
(72)【発明者】
【氏名】サランギ、ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】ザレスキー、ロジャー ピー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ほとんどの従来の結合研磨体と比較して比較的大きな寸法を有することができ、さらにその中に含まれる比較的大きな研磨グリットを有することができ、鋳造業などの大規模な切断及び研削操作での使用に特に適し得る研磨物品を提供する。
【解決手段】直径が少なくとも260mm、体積が少なくとも20立方センチメートルの本体を有する結合研磨剤を含む研磨物品であって、本体がまた、無機材料を含む結合材料、結合材料に含まれる粒径が少なくとも40ミクロンの研磨粒子、及び特定の均一性係数を有する、研磨物品200。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨物品であって、
本体を有する結合研磨剤を含み、前記本体が、
無機材料を含む結合材料、
前記本体内に含まれる、少なくとも40ミクロンの平均粒径(D50)を有する研磨粒
子、及び
85以下の均一性係数
を含む、
研磨物品。
【請求項2】
前記本体が、少なくとも260mmの直径及び少なくとも20cm3の体積を含む、請
求項1に記載の研磨物品。
【請求項3】
前記本体が、少なくとも4mm~500mm以下の範囲内の厚さを含む、請求項1又は
2に記載の研磨物品。
【請求項4】
前記本体が、少なくとも0.5~10以下の範囲内のABR係数(Cb/Cap)を含
み、Cbが、前記本体の総体積に対する前記結合材料の体積%を表し、Capが、前記本
体の総体積に対する前記研磨粒子の体積%を表す、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項5】
多孔性が、少なくとも10ミクロン~1000ミクロン以下の範囲内の平均孔径(D5
0)を含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項6】
前記本体が、前記本体の総体積に対して少なくとも20体積%~95体積%以下の範囲
内の全多孔性を含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項7】
前記全多孔性の少なくとも一部が開放多孔性であり、前記開放多孔性が前記本体を通っ
て延びる相互接続されたチャネルを定義し、前記全多孔性の少なくとも一部が閉鎖多孔性
であり、前記閉鎖多孔性が前記結合材料に含まれる離散的で孤立したボイドを定義する、
請求項6に記載の研磨物品。
【請求項8】
前記研磨粒子が少なくとも65ミクロンの平均粒径(D50)を有する、請求項1又は
2に記載の研磨物品。
【請求項9】
前記本体が、前記本体の全体積に対して少なくとも20体積%~65体積%以下の含有
量の前記研磨粒子を含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項10】
前記本体が、前記本体の全体積に対して少なくとも1体積%~65体積%以下の含有量
の前記結合材料を含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項11】
前記本体が、前記本体の全体積に対して少なくとも1体積%~15体積%以下の範囲内
の含有量の前記結合材料を含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項12】
前記結合材料が、金属、金属合金、セラミック、ガラス質、又はそれらの任意の組み合
わせからなる群から選択される無機材料を含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項13】
前記結合材料が、多結晶相、アモルファス相、単結晶相、又はそれらの任意の組み合わ
せを含む、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項14】
研磨物品を製造する方法であって、
研磨粒子、結合前駆体材料及びゲル化剤を含む混合物を形成すること、
前記混合物から結合研磨体を形成し、前記結合研磨体が、無機材料を含む結合材料を含
み、85以下の均一性係数をさらに含むこと
を含む、方法。
【請求項15】
混合物を形成することが、カチオン剤を前記混合物に添加してゲルを形成することをさ
らに含み、前記カチオン剤が、硫酸塩、塩化物、クロム酸塩、硝酸塩、炭酸塩(例えば、
重炭酸塩)、水和物又はそれらの任意の組み合わせを含む化合物を含む、請求項14に記
載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、研磨物品、特に、特定の均一性を有する結合研磨物品に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工用途で使用される研磨物品には、通常、結合研磨物品及びコーティング研磨物
品が含まれる。結合研磨物品は、一般に、研磨粒子を含む結合マトリックスを有する。結
合研磨物品は、適切な機械加工装置に取り付けて、成形、研削、研磨、切断などの様々な
用途に使用することができる。業界では、歯車研削の必要性を満たすために、改善された
研磨工具が引き続き求められている。
【発明の概要】
【0003】
添付の図面を参照することにより、本開示をよりよく理解することができ、その多数の
特徴及び利点を当業者に明らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態による研磨物品を形成するプロセスを含むフローチャートを含む。
【
図3】一実施形態による研磨物品の超音波画像を含む。
【
図5】均一性係数を評価するためのサンプルS1及びサンプルC1の正規化された確率プロットを含む。
【
図6A】サンプルS2及びサンプルC2の円筒度対CMR’を示すプロットを含む。
【
図6B】サンプルS2及びサンプルC2の平均真直度対CMR’を示すプロットを含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下は、一般に、材料除去操作での使用に適した結合研磨物品を対象とする。結合研磨
物品は、例えば、表面研削、精密研削操作(例えば、歯車研削操作)などを含む様々な用
途で使用することができる。1つの特定の態様では、研磨物品は、鋳造用途で性能が改善
された特定の寸法及び構造の結合研磨剤を含み得る。
【0006】
本明細書での結合研磨物品への言及は、結合材料の体積内に研磨粒子を含有する三次元
体積の研磨材料への言及を含む。結合研磨物品は、結合又は接着材料の層に含有される単
層の研磨粒子を利用し得るコーティング研磨物品とは区別することができる。さらに、本
明細書の実施形態の結合研磨物品は、結合材料の三次元体積内にいくらかの多孔性を含み
得る。
【0007】
図1は、一実施形態による研磨物品の形成に関するフローチャートを含む。図示のよう
に、研磨物品を形成するプロセスは、ステップ101で混合物を形成することによって開
始することができる。混合物は、その中に均一に混合された複数の成分を含むスラリーで
あり得る。一実施形態によれば、混合物を形成するプロセスは、担体材料を提供すること
を含み得る。担体材料は、その中に固体成分を含むのに適した液体であり得る。例えば、
1つの特定の実施形態では、担体は水を含むことができ、より具体的には、本質的に脱イ
オン水などの水からなり得る。
【0008】
混合物を形成するプロセスは、結合前駆体材料を担体に添加することをさらに含み得る
。結合前駆体材料は、最終的に形成される研磨物品の結合材料となる材料であり得る。一
実施形態によれば、結合前駆体材料は、最終的に形成される研磨物品の結合材料を形成す
るように構成された粉末材料を含み得る。一実施形態では、結合前駆体材料は、金属、金
属合金、セラミック、ガラス質材料又はフリット材料、又はそれらの任意の組み合わせな
どであるがこれらに限定されない無機材料を含み得る。結合前駆体材料は、アモルファス
相、多結晶相、単結晶相の無機材料、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0009】
一実施形態によれば、結合前駆体材料は、特定の含有量で添加され得る。例えば、混合
物は、混合物の総重量に対して少なくとも1重量%、例えば、少なくとも2重量%又は少
なくとも3重量%又は少なくとも4重量%又は少なくとも5重量%又は少なくとも6重量
%又は少なくとも7重量%又は少なくとも8重量%又は少なくとも9重量%又は少なくと
も10重量%又は少なくとも12重量%又は少なくとも14重量%又は少なくとも16重
量%又は少なくとも18重量%又は少なくとも20重量%又は少なくとも22重量%又は
少なくとも24重量%又は少なくとも26重量%又は少なくとも28重量%又は少なくと
も30重量%の結合前駆体材料を含み得る。依然として、1つの非限定的な実施形態では
、混合物は、混合物の総重量に対して30重量%以下、例えば、28重量%以下又は25
重量%以下又は22重量%以下又は20重量%以下又は18重量%以下又は15重量%以
下又は12重量%以下又は10重量%以下又は8重量%以下又は以下5重量%又は3重量
%以下の結合前駆体材料を含み得る。混合物は、上記の最小及び最大パーセンテージのい
ずれかを含む範囲内の量の結合前駆体材料の含有量を含み得る。
【0010】
別の実施形態によれば、混合物を形成するプロセスは、混合物にゲル化剤を添加するこ
とを含み得る。混合物へのゲル化剤の添加は、例えば、乾燥成分の添加前を含む様々な時
点で完了すればよい。ゲル化剤は、混合物をゲルに変えることを容易にする材料であり得
る。ゲル化剤は、例えば、ゲル化プロセスを容易にするために熱を加えることを含むゲル
化プロセスと組み合わせて使用され得る。
【0011】
一実施形態によれば、ゲル化剤は、ガムなどの有機材料であり得る。例えば、ゲル化剤
は、寒天、アガロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ジェランガム、
カラギーナンガム、グアーガム、タラガム、セルロースガム、ローカストビーンガム、ペ
クチン、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。1つの特定の実施
形態によれば、ゲル化剤は、好ましくはジェランガムであり得る。別の特定の実施形態に
よれば、ゲル化剤は、ペクチン、又はペクチンと、本明細書の実施形態に記載されている
少なくとも1つの他のゲル化剤との組み合わせを含み得る。
【0012】
特定の実施形態では、混合物は、改善された研磨物品の形成を容易にするために、特定
の含有量のゲル化剤を含み得る。例えば、混合物は、混合物の総重量に対して少なくとも
0.1重量%、例えば、少なくとも0.2重量%又は少なくとも0.5重量%又は少なく
とも0.8重量%又は少なくとも1重量%又は少なくとも1.5重量%又は少なくとも2
重量%又は少なくとも2.5重量%又は少なくとも3重量%又は少なくとも3.5重量%
又は少なくとも4重量%又は少なくとも4.5重量%又は少なくとも5重量%又は少なく
とも5.5重量%又は少なくとも6重量%又は少なくとも6.5重量%又は少なくとも7
重量%又は少なくとも7.5重量%のゲル化剤を含み得る。1つの非限定的な例では、混
合物は、混合物の総重量に対して10重量%以下、例えば、9重量%以下又は8重量%以
下又は7重量%以下又は6重量%以下又は5重量%以下又は4重量%以下又は3重量%以
下又は2重量%以下又は1重量%以下のゲル化剤を含み得る。混合物は、上記の最小及び
最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内の量のゲル化剤の含有量を含み得る。
【0013】
混合物は、最終的に形成された研磨物品の研磨成分を形成するように構成された研磨粒
子をさらに含み得る。研磨粒子は、例えば、結合前駆体材料の混合物への添加後を含む、
様々な時点で混合物に添加すればよい。依然として、他の実施形態では、研磨粒子は、例
えば、ゲル化剤、結合前駆体材料、又は1つ以上の添加剤を含むがこれらに限定されない
、混合物中の他の1つ以上の成分と組み合わせて添加され得ることが理解されよう。研磨
粒子は、酸化物、ホウ化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、オキシ炭化物、アモルファス、
単結晶、多結晶、超研磨剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群からなどの材料を
含み得る。1つの特定の実施形態では、研磨粒子は、アルミナを含むことができ、本質的
にアルミナからなり得る。
【0014】
混合物は、研磨物品の適切な製造及び/又は性能の改善を容易にするために、特定の含
有量の研磨粒子を含み得る。例えば、一実施形態では、混合物は、混合物の総重量に対し
て少なくとも20重量%、例えば、少なくとも22重量%又は少なくとも24重量%又は
少なくとも26重量%又は少なくとも28重量%又は少なくとも30重量%又は少なくと
も35重量%又は少なくとも40重量%又は少なくとも45重量%又は少なくとも50重
量%又は少なくとも55重量%又は少なくとも60重量%又は少なくとも65重量%又は
少なくとも70重量%の研磨粒子を含み得る。別の非限定的な実施形態では、混合物は、
混合物の総重量に対して80重量%以下、例えば、75重量%以下又は70重量%以下又
は65重量%以下又は60重量%以下又は55重量%以下又は50重量%以下又は45重
量%以下又は40重量%以下又は35重量%以下又は30重量%以下、例えば25重量%
以下の研磨粒子を含み得る。混合物は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを
含む範囲内の量の研磨粒子の含有量を含み得る。
【0015】
混合物は、研磨物品の製造及び/又は性能の改善を容易にし得る1つ以上の添加剤をさ
らに含み得る。いくつかの例示的な添加剤には、分散剤、界面活性剤、カチオン剤、又は
それらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。本明細書で使用され
る場合、分散剤は、静電反発又は立体反発によって混合物の凝結を防止することができる
。本明細書で使用される場合、界面活性剤は、2つの液体、固体と液体、又は気体と液体
との間の表面張力を低下させることができる。本明細書で使用される場合、カチオン剤は
、アニオン性材料であり得るゲル化剤と架橋するイオン性化合物(例えば、塩)であり得
る。
【0016】
1つ以上の添加剤は、例えば、結合前駆体材料及び研磨粒子を含む、混合物への固体成
分の添加後を含む、様々な時点で混合物に添加すればよい。依然として、他の実施形態で
は、1つ以上の添加剤は、例えば、ゲル化剤、結合前駆体材料、又は1つ以上の添加剤を
含むがこれらに限定されない、混合物中の他の1つ以上の成分と組み合わせて添加され得
ることが理解されよう。添加剤が添加される順序もまた、研磨物品の適切な形成を容易に
するために重要であり得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、カチオン剤は、他
の添加剤が混合物に添加された後に添加され得る。
【0017】
分散剤は、ポリアクリル酸ナトリウム(例えば、Darvan 811)、顔料親和性
基を有するコポリマー(例えば、BYK192)、アンモニウムポリメタアクリラート(
例えば、Darvan C-N)、ポリアクリル酸アンモニウム(例えば、Darvan
821A)、ポリアクリル酸、水中のアクリルポリマー中のアンモニウム塩(例えば、
Dispex)、クエン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、臭化セチルトリメ
チルアンモニウム又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含み得る。
【0018】
混合物は、研磨物品の製造及び/又は性能の改善を容易にするために、特定の含有量の
分散剤を含み得る。例えば、混合物は、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%
、例えば、少なくとも0.2重量%又は少なくとも0.5重量%又は少なくとも0.8重
量%又は少なくとも1重量%又は少なくとも1.5重量%又は少なくとも2重量%又は少
なくとも2.5重量%又は少なくとも3重量%又は少なくとも3.5重量%又は少なくと
も4重量%又は少なくとも4.5重量%又は少なくとも5重量%の分散剤を含み得る。別
の非限定的な実施形態では、混合物は、混合物の総重量に対して6重量%以下、例えば、
5重量%以下又は4重量%以下又は3重量%以下又は2重量%以下又は1重量%以下の分
散剤を含み得る。混合物は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内
の量の分散剤の含有量を含み得る。
【0019】
界面活性剤の適切な例には、無機材料、有機材料、又はそれらの組み合わせが含まれ得
る。適切な界面活性剤には、スルファート、サルコシナート、ラウラート、ステアラート
、レシチンなどが含まれ得る。1つの特定の実施形態では、界面活性剤は、ラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウム、ラウレル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸
ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ソルビタン、ポリエチ
レングリコール、ポリソルバート、モノステアリン酸グリセロール、卵レシチン又はそれ
らの任意の組み合わせを含み得る。
【0020】
混合物は、研磨物品の製造及び/又は性能の改善を容易にし得る特定の含有量の界面活
性剤を含み得る。例えば、混合物は、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%、
例えば、少なくとも0.2重量%又は少なくとも0.5重量%又は少なくとも0.8重量
%又は少なくとも1重量%又は少なくとも1.5重量%又は少なくとも2重量%又は少な
くとも2.5重量%又は少なくとも3重量%又は少なくとも3.5重量%又は少なくとも
4重量%又は少なくとも4.5重量%又は少なくとも5重量%の界面活性剤を含み得る。
別の非限定的な実施形態では、混合物は、混合物の総重量に対して6重量%以下、例えば
、5重量%以下又は4重量%以下又は3重量%以下又は2重量%以下又は1重量%以下の
界面活性剤を含み得る。混合物は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む
範囲内の量の界面活性剤の含有量を含み得る。
【0021】
カチオン剤のいくつかの適切な例には、無機化合物、特に硫酸塩、塩化物、クロム酸塩
、硝酸塩、炭酸塩(例えば、重炭酸塩)、水和物などの塩が含まれ得る。特定の例では、
カチオン剤は、アルカリ元素、アルカリ土類元素、遷移金属元素、水素、又はそれらの組
み合わせを含む化合物を含み得る。より具体的には、カチオン剤は、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、アンモニウム、銅、マグネシウム、鉄、カルシウム、又はそれらの任意の
組み合わせを含む化合物を含み得る。1つの特定の実施形態では、カチオン剤は、好まし
くは、塩化カルシウム又は塩化ナトリウムである。例えば、カチオン剤は、塩化カルシウ
ム又は塩化ナトリウムからなり得る。
【0022】
カチオン剤は、例えば、混合物への固体成分(例えば、研磨粒子、1つ以上の充填剤、
結合前駆体混合物)の添加後を含む、様々な時点で混合物に添加すればよい。1つの特定
の実施形態では、カチオン剤は、ゲル化の前にスラリーに添加される最後の成分であり得
る。依然として、他の実施形態では、カチオン剤は、例えば、ゲル化剤、結合前駆体材料
、研磨粒子又は1つ以上の添加剤を含むがこれらに限定されない、混合物中の他の1つ以
上の成分と組み合わせて添加され得ることが理解されよう。
【0023】
混合物は、研磨物品の製造及び/又は性能の改善を容易にし得る特定の含有量のカチオ
ン剤を含み得る。例えば、混合物は、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%、
例えば、少なくとも0.2重量%又は少なくとも0.5重量%又は少なくとも0.8重量
%又は少なくとも1重量%又は少なくとも1.5重量%又は少なくとも2重量%又は少な
くとも2.5重量%又は少なくとも3重量%又は少なくとも3.5重量%又は少なくとも
4重量%又は少なくとも4.5重量%又は少なくとも5重量%のカチオン剤を含み得る。
別の非限定的な実施形態では、混合物は、混合物の総重量に対して6重量%以下、例えば
、5重量%以下又は4重量%以下又は3重量%以下又は2重量%以下又は1重量%以下の
カチオン剤を含み得る。混合物は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む
範囲内の量のカチオン剤の含有量を含み得る。
【0024】
混合物を形成する方法は、1つ以上の成分が添加されている間、連続的に混合すること
を含み得る。特に、混合は、成分を添加するプロセス全体を通して継続され得る。特定の
例では、成分は特定の順序で添加すればよく、例えば、ゲル化剤を最初に添加し、続いて
結合前駆体材料及び研磨粒子を添加すればよい。分散剤、界面活性剤及びカチオン剤など
の1つ以上の添加剤は、結合前駆体材料及び/又は研磨粒子の添加の前又は後に添加すれ
ばよい。特定の実施形態では、カチオン剤は、すべての成分の最後に添加することができ
る。別の実施形態では、混合を助けるために、せん断ミキサー、ボールミル、又はそれら
の任意の組み合わせなどのミキサーを使用することができる。一態様では、せん断ミキサ
ーは、高せん断ミキサー、又は低せん断ミキサーであり得る。特定の態様では、混合を助
けるために、せん断速度は、少なくとも500S-1、少なくとも700S-1、少なく
とも800S-1、又は少なくとも900S-1であり得る。別の特定の態様では、せん
断速度は、最大で1200S-1、最大で1100S-1、又は最大で1000S-1で
あり得る。せん断速度は、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内で
あり得ることが理解されよう。例えば、適切なせん断速度は、500S-1~1200S
-1であり得る。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、研磨物品を製造する方法は、混合物をゲルに変えるこ
とを含む。混合物のゲル化は、例えば、ゲル化剤及び/又は1つ以上の添加剤を含む、1
つ以上の成分の添加によって容易にすることができる。1つの特定の実施形態によれば、
混合物をゲルに形成するプロセスは、最初にゲルと水などの担体とを含む混合物を形成す
ることを含み得る。ゲル及び水を含む混合物を形成した後、結合前駆体材料、研磨粒子、
及び1つ以上の添加剤の少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせを添加すること
によって、プロセスを継続することができる。結合前駆体材料、研磨粒子、及び/又は1
つ以上の添加剤を混合物に添加した後、カチオン剤を混合物に添加することによって、プ
ロセスを継続することができる。特定の例では、カチオン剤は、混合物をゲルに形成する
前に、混合物を形成する最終ステップで添加され得る。
【0026】
ゲルを形成するプロセスは、ゲルを水和することを含み得る。特定の実施形態では、ゲ
ルを形成するプロセスは、ゲルを水和するプロセスであり得る。特に、ゲルを形成するプ
ロセスは、混合物をゲル化温度に加熱することを含み得る。より具体的には、混合物は、
混合物をゲル化温度に加熱しながら混合され得る。少なくとも1つの実施形態では、ゲル
化温度は、少なくとも50℃、例えば、少なくとも60℃又は少なくとも70℃又は少な
くとも80℃又は少なくとも90℃又は少なくとも100℃であり得る。依然として、1
つの非限定的な実施形態では、ゲル化温度は、100℃以下、例えば、90℃以下又は8
0℃以下又は70℃以下であり得る。ゲル化温度は、上記の最低温度及び最高温度のいず
れかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0027】
本明細書では発泡ゲルとも呼ばれ得るゲルを形成した後、ゲルからグリーン体を形成す
ることによって、プロセスを継続することができる。一実施形態によれば、グリーン体を
形成するプロセスは、プレス、成形、鋳造、乾燥、凍結、冷却、又はそれらの任意の組み
合わせの群からの少なくとも1つのプロセスを含み得る。1つの特定の実施形態では、グ
リーン体を形成するプロセスは、鋳造を含み得る。鋳造は、ゲルを製造ツール又は適切な
形状及びサイズの鋳型に注入することによって完了することができる。グリーン体を形成
するプロセス中、ゲルの一部がまだ形成途中の可能性がある。つまり、グリーン体の形成
中に必ずしもゲル化が完了する必要はない。依然として、特定の例では、グリーン体を形
成するプロセスの前に混合物を完全にゲル化することが望ましい場合がある。本明細書で
使用される場合、ゲルへの言及は、ゲル中の固体粒子によって定義される統合されたネッ
トワークに含まれる水を含む固体の自立構造を含む。ゲルは、自立するように特定の降伏
応力を有し得る。例えば、ゲルは、少なくとも30Pa、例えば少なくとも60Pa又は
少なくとも130Paの降伏応力を有することができる。
【0028】
特定の実装形態では、グリーン体を形成するプロセスは、グリーン体の形成中に脱気す
ることを含み得る。例えば、気泡を除去するために成形中に脱気を行うことができる。
【0029】
グリーン体が形成された後、グリーン体を結合研磨体に変更又は変換するために、グリ
ーン体に対してさらなるプロセスを実施してもよい。ステップ101を完了した後、プロ
セスは、特定の均一性係数を有する結合研磨体を形成することによって、ステップ103
で継続することができる。例えば、グリーン体を最終的に形成される結合研磨体に変換す
るための1つ以上のプロセスは、乾燥、焼結、冷却、プレス、ガラス化、又はそれらの任
意の組み合わせを含み得る。1つの特定の実施形態では、プロセスは、鋳造、冷却、乾燥
、及び焼成を含み得る。ガラス化された結合材料に関連して、焼成条件は、ガラス質の結
合材料を形成するのに適するものであり得る。例えば、焼成温度は、少なくとも800℃
又は少なくとも900℃又は少なくとも1000℃又は少なくとも1100℃又は少なく
とも1200℃であり得る。依然として、一実施形態では、焼成温度は、1400℃以下
又は1300℃以下又は1200℃以下又は1100℃以下又は1000℃以下又は90
0℃以下であり得る。
【0030】
最終的に形成される研磨物品は、結合材料の三次元体積(すなわち、マトリックス)に
研磨粒子を含む結合材料の相互接続されたネットワークを定義する結合研磨体であり得る
。さらに、結合研磨体は、本体全体に分布し、結合材料及び研磨粒子の相とは異なる相を
定義するある量の多孔性を有し得る。
【0031】
本明細書の実施形態のプロセスによって形成された結合研磨体は、特定の特徴を有し得
る。例えば、結合研磨体は、ほとんどの従来の結合研磨体と比較して比較的大きな寸法を
有することができ、さらにその中に含まれる比較的大きな研磨グリットを有することがで
き、これは、鋳造業などの大規模な切断及び研削操作での使用に特に適し得る。
【0032】
図2は、一実施形態による、結合研磨体の斜視図を含む。研磨物品200は、結合研磨
体201を含み得る。結合研磨体201は、ワークピースに対して研磨物品200を回転
させるために研削盤のスピンドルと係合するように構成されたアーバー穴202を含み得
る。
図2にさらに示されるように、結合研磨体は、軸線方向を定義する軸線方向軸203
と、半径方向の軸線を定義する横方向軸204とを含む。軸線方向軸203は、結合研磨
体201の厚さ(t)によって定義される垂直方向に延びる。横方向軸204は、結合研
磨体201の半径又は直径(D)を定義する半径方向に延びる。
【0033】
一実施形態によれば、結合研磨体は、少なくとも260mm、例えば、少なくとも27
0mm又は少なくとも280mm又は少なくとも290mm又は少なくとも300mm又
は少なくとも325mm又は少なくとも350mm又は少なくとも375mm又は少なく
とも400mm又は少なくとも425mm又は少なくとも450mm又は少なくとも47
5mm又は少なくとも500mm又は少なくとも525mm又は少なくとも550mm又
は少なくとも575mmの直径(D)を有し得る。依然として、1つの非限定的な実施形
態では、結合研磨体は、800mm以下又は700mm以下又は600mm以下又は57
5mm以下又は550mm以下又は525mm以下又は500mm以下又は475mm以
下又は450mm以下又は425mm以下又は400mm以下又は375mm以下又は3
50mm以下又は以下325mm以下又は300mm以下又は290mm以下又は280
mm以下の直径(D)を有し得る。直径(D)は、上記の最小値及び最大値のいずれかを
含む範囲内であり得ることが理解されよう。本明細書での直径への言及は、複数の測定か
ら平均化された、結合研磨体の平均直径であり得る。
【0034】
別の実施形態では、結合研磨体201は、用途に応じて特定の体積を有し得る。例えば
、結合研磨体201の体積は、少なくとも1cm3であり得る。他の例では、結合研磨体
201の体積は、少なくとも10cm3又は少なくとも20cm3又は少なくとも30c
m3又は少なくとも50cm3又は少なくとも75cm3又は少なくとも100cm3で
あり得る。さらに、別の非限定的な実施形態では、本体は、1000cm3以下又は90
0cm3以下又は800cm3以下又は700cm3以下又は600cm3以下又は50
0cm3以下の体積を有し得る。結合研磨体の体積は、少なくとも10cm3~1000
cm3以下の体積など、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ること
が理解されよう。
【0035】
さらに別の実施形態では、結合研磨体201は、特定の用途で使用するように構成され
た特定の厚さ(t)を有し得る。例えば、結合研磨体201は、本体が少なくとも2mm
、例えば少なくとも3mm又は少なくとも4mm又は少なくとも5mm又は少なくとも1
0mm又は少なくとも15mm又は少なくとも20mm又は少なくとも30mm又は少な
くとも50mm又は少なくとも100mm又は少なくとも200mm又は少なくとも30
0mmの厚さを含む厚さを有し得る。さらに、別の実施形態では、結合研磨体201の厚
さ(t)は、500mm以下、例えば、400mm以下又は300mm以下又は200m
m以下又は100mm以下又は80mm以下又は60mm以下又は40mm以下又は20
mm以下又は10mm以下であり得る。結合研磨体201の厚さ(t)は、少なくとも2
mm~400mm以下の体積など、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であ
り得ることが理解されよう。本明細書での厚さへの言及は、複数の測定から平均化された
、結合研磨体の平均厚さであり得る。
【0036】
結合研磨体201は、少なくとも5:1の特定のアスペクト比(D:t)、例えば、少
なくとも10:1又は少なくとも20:1又は少なくとも40:1又は少なくとも50:
1又は少なくとも100:1又は少なくとも150:1又は少なくとも300:1又は少
なくとも500:1又は少なくとも800:1又は少なくとも1000:1のアスペクト
比を有し得る。さらに、別の非限定的な実施形態では、アスペクト比(D:t)は、10
0,000:1以下又は10,000:1以下又は1000:1以下又は500:1以下
であり得る。アスペクト比は、上記の最小から最大の比のいずれかを含む範囲内にあり得
ることが理解されよう。
【0037】
結合研磨体201は、少なくとも40ミクロンの平均粒径(D50)を有する研磨粒子
を含み得る。本明細書の結合研磨体は、比較的大きなサイズの研磨粒子を利用することが
でき、比較的大きなサイズの研磨粒子は、混合物及び結果として生じる結合研磨体全体に
均一に分布させることが困難であることが歴史的に証明されている。特に、それらの比較
的大きいサイズのために、そのような研磨粒子は、ゲル及び混合物中で分離及び凝集する
傾向があり、不均一性及び密度変動を伴う研磨製品をもたらす。1つの特定の実施形態で
は、研磨粒子は、少なくとも50ミクロン又は少なくとも55ミクロン又は少なくとも6
0ミクロン又は少なくとも65ミクロン又は少なくとも70ミクロン又は少なくとも75
ミクロン又は少なくとも80ミクロン又は少なくとも85ミクロン又は少なくとも90ミ
クロン又は少なくとも95ミクロン又は少なくとも100ミクロン又は少なくとも105
ミクロン又は少なくとも110ミクロン又は少なくとも115ミクロン又は少なくとも1
20ミクロン又は少なくとも130ミクロン又は少なくとも150ミクロン又は少なくと
も175ミクロン又は少なくとも200ミクロン又は少なくとも250ミクロン又は少な
くとも300ミクロン又は少なくとも350ミクロン又は少なくとも400ミクロン又は
少なくとも450ミクロン又は少なくとも500ミクロン又は少なくとも600ミクロン
又は少なくとも700ミクロン又は少なくとも800ミクロンの平均粒径(D50)を有
し得る。依然として、1つの非限定的な実施形態では、研磨粒子は、5000ミクロン以
下又は4000ミクロン以下又は3000ミクロン以下又は2000ミクロン以下又は1
000ミクロン以下又は900ミクロン以下又は800ミクロン以下又は700ミクロン
以下又は600ミクロン以下又は500ミクロン以下又は400ミクロン以下又は300
ミクロン以下又は200ミクロン以下又は150ミクロン以下又は130ミクロン以下の
平均粒径(D50)を有し得る。研磨粒子は、例えば、少なくとも50ミクロン~500
0ミクロン以下の範囲内又は少なくとも100ミクロン~2000ミクロン以下の範囲又
は少なくとも50ミクロン~800ミクロン以下の範囲内又はさらには少なくとも50ミ
クロン~400ミクロン以下の範囲内を含むがこれらに限定されない、上記の最小値及び
最大値のいずれかを含む範囲内の平均粒径(D50)を有し得る。
【0038】
研磨粒子は、様々な組成、形状、サイズ、及び他の特徴を有し得る。例えば、研磨粒子
は、請求された非凝集粒子、凝集粒子、成形研磨粒子、成形研磨複合体、定厚研磨粒子(
constant thickness abrasive particle:CTA
P)、ランダム成形研磨粒子、又はそれらの任意の組み合わせの群からなどの研磨粒子タ
イプを含み得る。別の実施形態では、研磨粒子は、酸化物、ホウ化物、窒化物、炭化物、
酸窒化物、オキシ炭化物、アモルファス、単結晶、多結晶、超研磨剤、又はそれらの任意
の組み合わせの群からなどの材料を含み得る。
【0039】
一実施形態によれば、結合研磨体201は、性能の改善を容易にし得る特定の構造を有
し得る。例えば、結合研磨体201は、結合研磨体201の総体積に対して少なくとも2
0体積%、例えば、少なくとも25体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも35
体積%又は少なくとも40体積%又は少なくとも45体積%又は少なくとも50体積%又
は少なくとも55体積%の含有量の研磨粒子を含み得る。依然として、1つの非限定的な
実施形態では、結合研磨体201は、結合研磨体201の総体積に対して65体積%以下
、例えば、60体積%以下又は55体積%以下又は50体積%以下又は45体積%以下又
は40体積%以下又は35体積%以下又は30体積%以下の含有量の研磨粒子を含み得る
。結合研磨体201中の研磨粒子の含有量は、上記の最小及び最大パーセンテージのいず
れかを含む範囲内であり得る。
【0040】
1つの特定の態様では、結合研磨体201は、無機材料を含む結合材料を含み得る。無
機材料のいくつかの適切な例には、金属、金属合金、セラミック、ガラス質相、又はそれ
らの任意の組み合わせが含まれ得る。さらに、結合材料は、ガラス質相、アモルファス相
、多結晶相、単結晶相、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得
る。特定の例では、結合材料は、本質的に、多結晶相、ガラス質相、又は単結晶相からな
り得る。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、結合材料は、ガラス質酸化物含有材料などの酸化物を
含み得る。酸化物のいくつかの適切な例には、二酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニ
ウム、アルカリ酸化物(M2O)、アルカリ土類酸化物(MO)遷移金属酸化物、希土類
金属酸化物、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。特定の例では、結合材料は、
ソーダ石灰ガラス質材料、ボロシリカート材料、又はアルミノシリカート材料であり得る
。
【0042】
結合研磨体201は、性能の改善を容易にし得る特定の含有量の結合材料を含み得る。
例えば、結合研磨体201は、結合研磨体201の総体積に対して少なくとも2体積%、
例えば、少なくとも3体積%又は少なくとも4体積%又は少なくとも5体積%又は少なく
とも6体積%又は少なくとも8体積%又は少なくとも10体積%又は少なくとも12体積
%又は少なくとも14体積%又は少なくとも16体積%又は少なくとも18体積%又は少
なくとも20体積%又は少なくとも25体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも
35体積%又は少なくとも40体積%の含有量の結合材料を含み得る。依然として、1つ
の非限定的な実施形態では、結合研磨体201は、結合研磨体201の総体積に対して6
5体積%以下、又は60体積%以下又は55体積%以下又は50体積%以下又は45体積
%以下又は40体積%以下又は35体積%以下又は30体積%以下又は25体積%以下又
は22体積%以下又は20体積%以下又は18体積%以下又は16体積%以下又は14体
積%以下又は12体積%以下又は10体積%以下又は8体積%以下又は6体積%以下の含
有量の結合材料を含み得る。結合材料の含有量は、例えば、本体の総体積に対して少なく
とも1体積%~15体積%以下の範囲内の結合材料の含有量を含む、上記の最小値及び最
大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0043】
結合研磨体201は、研磨粒子の含有量に対して結合材料の含有量が制御されているよ
うな特定の構造を含み得る。例えば、一例では、本体は、少なくとも0.5~10以下の
範囲内のABR係数(Cb/Cap)を有することができ、Cbは、結合研磨体201の
総体積に対する結合材料の体積%を表し、Capは、結合研磨体201の総体積に対する
研磨粒子の体積%を表す。特定の例では、結合研磨体201は、少なくとも0.55、例
えば、少なくとも0.6又は少なくとも0.65又は少なくとも0.7又は少なくとも0
.75又は少なくとも0.8又は少なくとも0.85又は少なくとも0.9又は少なくと
も0.95又は少なくとも1又は少なくとも1.05又は少なくとも1.1又は少なくと
も1.15又は少なくとも1.2又は少なくとも1.25又は少なくとも1.3又は少な
くとも1.35又は少なくとも1.4又は少なくとも1.45又は少なくとも1.5又は
少なくとも1.55又は少なくとも1.6又は少なくとも1.65又は少なくとも1.7
又は少なくとも1.75又は少なくとも1.8又は少なくとも1.85又は少なくとも1
.9又は少なくとも1.95又は少なくとも2又は少なくとも2.2又は少なくとも2.
5又は少なくとも2.8又は少なくとも3又は少なくとも3.5又は少なくとも4又は少
なくとも4.5又は少なくとも5又は少なくとも5.5又は少なくとも6又は少なくとも
7又は少なくとも8又は少なくとも9のABR係数(Cb/Cap)を有し得る。さらに
、別の非限定的な実施形態では、結合研磨体201は、9以下、例えば、8.5以下又は
8以下又は7.5以下又は7以下又は6.5以下又は6以下又は5.5以下又は5以下又
は4.5以下又は4以下又は3.5以下又は3以下又は2.5以下又は以下2又は1.5
以下又は1以下又は0.9以下のABR係数(Cb/Cap)を有し得る。ABR係数(
Cb/Cap)は、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが理
解されよう。
【0044】
別の実施形態では、結合研磨体201は、研磨物品の性能の改善を容易にし得る特定の
タイプ及び含有量の多孔性を有し得る。例えば、結合研磨体201は、少なくとも10ミ
クロン、例えば、少なくとも20ミクロン又は少なくとも30ミクロン又は少なくとも4
0ミクロン又は少なくとも50ミクロン又は少なくとも60ミクロン又は少なくとも70
ミクロン又は少なくとも80ミクロン又は少なくとも90ミクロン又は少なくとも100
ミクロン又は少なくとも200ミクロン又は少なくとも300ミクロン又は少なくとも4
00ミクロン又は少なくとも500ミクロン又は少なくとも600ミクロン又は少なくと
も700ミクロン又は少なくとも800ミクロン又は少なくとも900ミクロンの平均孔
径(D50)を有し得る。依然として、1つの非限定的な実施形態では、結合研磨体20
1の多孔性の平均孔径(D50)は、1000ミクロン以下又は900ミクロン以下又は
800ミクロン以下又は700ミクロン以下又は600ミクロン以下又は500ミクロン
以下又は400ミクロン以下又は300ミクロン以下又は200ミクロン以下又は100
ミクロン以下又は80ミクロン以下又は60ミクロン以下又は40ミクロン以下又は20
ミクロン以下又は10ミクロン以下であり得る。平均孔径は、上記の最小値及び最大値の
いずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0045】
結合研磨体201は、性能の改善を容易にし得る特定の含有量の多孔性を有し得る。例
えば、結合研磨体201は、結合研磨体201の総体積に対して少なくとも20体積%、
例えば、少なくとも25体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも35体積%又は
少なくとも40体積%又は少なくとも45体積%又は少なくとも50体積%又は少なくと
も55体積%又は少なくとも60体積%又は少なくとも65体積%又は少なくとも70体
積%又は少なくとも75体積%又は少なくとも80体積%の多孔性を含み得る。依然とし
て、1つの非限定的な実施形態では、結合研磨体201は、結合研磨体201の総体積に
対して95体積%以下、例えば、90体積%以下又は85体積%以下又は80体積%以下
又は75体積%以下又は70体積%以下又は65体積%以下又は60体積%以下又は55
体積%以下又は50体積%以下45体積%以下又は40体積%以下又は35体積%以下又
は30体積%以下の多孔性を含み得る。結合研磨体201の多孔性の含有量は、上記の最
小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0046】
結合研磨体201の多孔性は、開放多孔性、閉鎖多孔性、又はそれらの組み合わせを含
み得る。開放多孔性は、結合研磨体201を通って延びる相互接続されたチャネルとして
定義することができる。閉鎖多孔性は、結合材料に含まれる離散的で孤立したボイドを定
義することができる。一実施形態によれば、
【0047】
一実施形態によれば、結合研磨体201は、性能の改善を容易にし得る特定の含有量の
開放多孔性を含み得る。例えば、結合研磨体201は、多孔性の総体積に対して少なくと
も15体積%、例えば、少なくとも20体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも
40体積%又は少なくとも50体積%又は少なくとも60体積%又は少なくとも70体積
%又は少なくとも80体積%又は少なくとも90体積%の開放多孔性を含み得る。依然と
して、1つの非限定的な実施形態では、結合研磨体201は、結合研磨体201内の多孔
性の総体積に対して95体積%以下、例えば、90体積%以下又は80体積%又は70体
積%以下又は60体積%以下又は50体積%以下又は40体積%以下又は30体積%以下
又は20体積%以下の開放多孔性を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、結合研磨
体201のすべての多孔性は、開放多孔性であり得る。開放多孔性の含有量は、上記の最
小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0048】
一実施形態によれば、結合研磨体201は、性能の改善を容易にし得る特定の含有量の
閉鎖多孔性を含み得る。例えば、結合研磨体201は、結合研磨体201内の多孔性の全
含有量に対して少なくとも10体積%、例えば、少なくとも15体積%又は少なくとも2
0体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも40体積%又は少なくとも50体積%
又は少なくとも60体積%又は少なくとも70体積%又は少なくとも80体積%又は少な
くとも90体積%の閉鎖多孔性を含み得る。依然として、1つの非限定的な実施形態では
、結合研磨体201は、結合研磨体201内の多孔性の総体積に対して95体積%以下、
例えば、90体積%以下又は80体積%又は70体積%以下又は60体積%以下又は50
体積%以下又は40体積%以下又は30体積%以下又は20体積%以下の閉鎖多孔性を含
み得る。少なくとも1つの実施形態では、結合研磨体201のすべての多孔性は、閉鎖多
孔性であり得る。閉鎖多孔性の含有量は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれか
を含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0049】
本明細書の実施形態のプロセスは、比較的大きな研磨粒子を利用する特定のグレード及
び/又は構造を有し、従来のプロセスでは以前には達成されなかったような、本体全体の
相の分布に関して優れた均一性を有する結合研磨物品の形成を容易にし得る。特に、結合
研磨体201は、85以下の特定の均一性係数を有し得る。例えば、均一性係数は、84
以下又は82以下又は80以下又は78以下又は76以下又は74以下又は72以下又は
70以下又は68以下又は66以下又は64以下又は62以下又は60以下又は58以下
又は56以下又は54以下又は52以下又は50以下又は以下48以下又は46以下又は
44以下又は42以下又は40以下又は38以下又は36以下又は34以下又は32以下
又は30以下又は以下28以下又は26以下又は24以下又は22以下又は20以下又は
18以下又は16以下又は14以下又は12以下又は10以下又は8以下又は6以下又は
4以下又は2以下であり得る。依然として、1つの非限定的な実施形態では、均一性係数
は、少なくとも1、例えば、少なくとも2又は少なくとも4又は少なくとも6又は少なく
とも8又は少なくとも10又は少なくとも12又は少なくとも14又は少なくとも16又
は少なくとも18又は少なくとも20又は少なくとも22又は少なくとも24又は少なく
とも26又は少なくとも28又は少なくとも30又は少なくとも32又は少なくとも34
又は少なくとも36又は少なくとも38又は少なくとも40又は少なくとも42又は少な
くとも44又は少なくとも46又は少なくとも48又は少なくとも50又は少なくとも5
2又は少なくとも54又は少なくとも56又は少なくとも58又は少なくとも60又は少
なくとも62又は少なくとも64又は少なくとも66又は少なくとも68又は少なくとも
70又は少なくとも72又は少なくとも74又は少なくとも76又は少なくとも78又は
少なくとも80であり得る。均一性係数は、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範
囲内にあり得ることが理解されよう。
【0050】
均一性係数は、超音波システムMistras UltraPAC(UPK-T36-
HS)を介して、結合研磨体を通過する飛行時間情報を測定することによって評価するこ
とができる。具体的には、結合研磨体を水に沈めて、すべての開放多孔性を水で満たすこ
とであり得る。1mHzの浸水センサ及び19.0mmの有効直径を備えた単一のパルス
エコー超音波センサ(モデル#KS75-1)が、ホイールから1インチの位置に配置さ
れる。センサは、1インチの距離を維持しながら、ホイールの表面全体にセンサを移動さ
せるDCステップモータに取り付けられる。UTWin V3.62ソフトウェアを使用
して、ステップモータの動きが制御される。ゲインは、10cB、400Vパルサー、2
.0mHzのLPフィルタ、0.5mHzのHPフィルタ、100mHzのサンプリング
レートに設定される。データは、JETカラーマップ配列形式によって取得及び処理され
、UTWinソフトウェアを介してRGB画像が作成される。スキャン解像度は1.0x
1.0mmで、スキャン速度はX方向で150mm/s、Z方向で50mm/sである。
【0051】
超音波分析からのカラー(赤-緑-青すなわちRGB)画像を使用して、画像はMat
labなどの画像処理ソフトウェアで分析される。RGB画像はMatlabの「rgb
2lab」関数を使用してMatlabでLAB画像に変換され、これにより、ホイール
に関連付けられた領域のみを識別する適切な画像が作成される。値が100の画像の部分
は、オープンスペース(すなわち、ホイールではない)に関連付けられ、画像から削除さ
れる。
【0052】
次に、RGB画像はインデックス画像に変換され、各ピクセルには256色の可能な色
からの色値(すなわち、0~255の値)が割り当てられる。これは、Matlabの「
rgb2ind」関数を使用して完了される。最も暗い青は最小値又は0に関連付けられ
、最も明るい赤は最大値又は255に関連付けられる。
【0053】
インデックス画像は、作成された後、LAB画像と比較され、ホイールに関連付けられ
たピクセルのみが評価されるようになる。比較は、ホイール領域に関連付けられていない
インデックス画像のピクセルが以降の分析から削除される論理インデックス操作を使用し
て完了される。結果は、領域補正されたインデックス画像である。
【0054】
次に、領域補正されたインデックス画像を使用して、
図5に示すように正規化された確
率プロットを作成する。プロットの各ボックスは、0~255の5つの連続した値を表す
。例えば、最初のボックス(左端)は、0~4の値を有するピクセルの数を表す。正規化
された確率プロットとプロットの生成に使用されたデータとから、統計パーセンタイルが
評価される。パーセンタイルには、25パーセンタイル、50パーセンタイル、及び75
パーセンタイルが含まれる。均一性係数は、75パーセンタイルと25パーセンタイルと
の差である。その成分の均一性が高い本体は、0~255の分布の広がりが少ないため、
75パーセンタイルと25パーセンタイルとの差も小さくなる。
【0055】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。それらの態様及び実施形態のいくつかは
、本明細書に記載されている。本明細書を読んだ後、当業者であれば、それらの態様及び
実施形態が単なる例示であり、本発明の範囲を限定しないことが理解されよう。実施形態
は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上によるものであり得る。
【0056】
実施形態
実施形態1.研磨物品であって、
少なくとも260mmの直径及び少なくとも20立方センチメートルの体積を含む本体
を有する結合研磨剤を含み、本体が、
無機材料を含む結合材料、
本体内に含まれる、少なくとも40ミクロンの平均粒径(D50)を有する研磨粒子、
及び
85以下の均一性係数
をさらに含む、
研磨物品。
【0057】
実施形態2.本体が少なくとも0.5~10以下の範囲内のABR係数(Cb/Cap
)を含み、Cbが、本体の総体積に対する結合材料の体積%を表し、Capが、本体の総
体積に対する研磨粒子の体積%を表す、実施形態1に記載の研磨物品。
【0058】
実施形態3.本体が、少なくとも0.55又は少なくとも0.6又は少なくとも0.6
5又は少なくとも0.7又は少なくとも0.75又は少なくとも0.8又は少なくとも0
.85又は少なくとも0.9又は少なくとも0.95又は少なくとも1又は少なくとも1
.05又は少なくとも1.1又は少なくとも1.15又は少なくとも1.2又は少なくと
も1.25又は少なくとも1.3又は少なくとも1.35又は少なくとも1.4又は少な
くとも1.45又は少なくとも1.5又は少なくとも1.55又は少なくとも1.6又は
少なくとも1.65又は少なくとも1.7又は少なくとも1.75又は少なくとも1.8
又は少なくとも1.85又は少なくとも1.9又は少なくとも1.95又は少なくとも2
又は少なくとも2.2又は少なくとも2.5又は少なくとも2.8又は少なくとも3又は
少なくとも3.5又は少なくとも4又は少なくとも4.5又は少なくとも5又は少なくと
も5.5又は少なくとも6又は少なくとも7又は少なくとも8又は少なくとも9のABR
係数(Cb/Cap)を含む、実施形態2に記載の研磨物品。
【0059】
実施形態4.本体が、9以下又は8.5以下又は8以下又は7.5以下又は7以下又は
6.5以下又は6以下又は5.5以下又は5以下又は4.5以下又は4以下又は3.5以
下又は3以下又は2.5以下又は2以下又は以下1.5以下又は1以下又は0.9以下の
ABR係数(Cb/Cap)を含む、実施形態2に記載の研磨物品。
【0060】
実施形態5.本体が、少なくとも1又は少なくとも2又は少なくとも4又は少なくとも
6又は少なくとも8又は少なくとも10又は少なくとも12又は少なくとも14又は少な
くとも16又は少なくとも18又は少なくとも20又は少なくとも22又は少なくとも2
4又は少なくとも26又は少なくとも28又は少なくとも30又は少なくとも32又は少
なくとも34又は少なくとも36又は少なくとも38又は少なくとも40又は少なくとも
42又は少なくとも44又は少なくとも46又は少なくとも48又は少なくとも50又は
少なくとも52又は少なくとも54又は少なくとも56又は少なくとも58又は少なくと
も60又は少なくとも62又は少なくとも64又は少なくとも66又は少なくとも68又
は少なくとも70又は少なくとも72又は少なくとも74又は少なくとも76又は少なく
とも78又は少なくとも80の均一性係数を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0061】
実施形態6.均一性係数が、84以下又は82以下又は80以下又は78以下又は76
以下又は74以下又は72以下又は70以下又は68以下又は66以下又は64以下又は
62以下又は60以下又は58以下又は56以下又は54以下又は52以下又は50以下
又は以下48以下又は46以下又は44以下又は42以下又は40以下又は38以下又は
36以下又は34以下又は32以下又は30以下又は以下28以下又は26以下又は24
以下又は22以下又は20以下又は18以下又は16以下又は14以下又は12以下又は
10以下又は8以下又は6以下又は4以下又は2以下である、実施形態1に記載の研磨物
品。
【0062】
実施形態7.本体が、少なくとも270mm又は少なくとも280mm又は少なくとも
290mm又は少なくとも300mm又は少なくとも325mm又は少なくとも350m
m又は少なくとも375mm又は少なくとも400mm又は少なくとも425mm又は少
なくとも450mm又は少なくとも475mm又は少なくとも500mm又は少なくとも
525mm又は少なくとも550mm又は少なくとも575mmの直径を有する、実施形
態1に記載の研磨物品。
【0063】
実施形態8.本体が、800mm以下又は700mm以下又は600mm以下又は57
5mm以下又は550mm以下又は525mm以下又は500mm以下又は475mm以
下又は450mm以下又は425mm以下又は400mm以下又は375mm以下又は3
50mm以下又は以下325mm以下又は300mm以下又は290mm以下又は280
mm以下の直径を有する、実施形態1に記載の研磨物品。
【0064】
実施形態9.直径が少なくとも260mm~600mm以下の範囲内である、実施形態
1に記載の研磨物品。
【0065】
実施形態10.本体が少なくとも1cm3の体積を有する、実施形態1に記載の研磨物
品。
【0066】
実施形態11.本体が1000cm3以下の体積を有する、実施形態1に記載の研磨物
品。
【0067】
実施形態12.本体が少なくとも1cm3~1000cm3以下の体積を有する、実施
形態1に記載の研磨物品。
【0068】
実施形態13.本体が少なくとも2mmの厚さを有する、実施形態1に記載の研磨物品
。
【0069】
実施形態14.本体が500mm以下の厚さを有する、実施形態1に記載の研磨物品。
【0070】
実施形態15.本体が少なくとも2mm~500mm以下の範囲内の厚さを有する、実
施形態1に記載の研磨物品。
【0071】
実施形態16.本体が少なくとも4mm~20mm以下の範囲内の厚さを有する、実施
形態1に記載の研磨物品。
【0072】
実施形態17.多孔性が、少なくとも10ミクロン~1000ミクロン以下の範囲内の
平均孔径(D50)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0073】
実施形態18.本体が、本体の総体積に対して少なくとも20体積%、又は少なくとも
25体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも35体積%又は少なくとも40体積
%又は少なくとも45体積%又は少なくとも50体積%又は少なくとも55体積%又は少
なくとも60体積%又は少なくとも65体積%又は少なくとも70体積%又は少なくとも
75体積%又は少なくとも80体積%の多孔性を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0074】
実施形態19.本体が、本体の総体積に対して95体積%以下、又は90体積%以下又
は85体積%以下又は80体積%以下又は75体積%以下又は70体積%以下又は65体
積%以下又は60体積%以下又は55体積%以下又は50体積%以下又は45体積%以下
又は40体積%以下又は35体積%以下又は30体積%以下の多孔性を含む、実施形態1
に記載の研磨物品。
【0075】
実施形態20.本体が、本体の総体積に対して少なくとも20体積%~95体積%以下
の範囲内の多孔性を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0076】
実施形態21.全多孔性の少なくとも一部が開放多孔性であり、開放多孔性が本体を通
って延びる相互接続されたチャネルを定義する、実施形態1に記載の研磨物品。
【0077】
実施形態22.本体が、本体の多孔性の全含有量に対して少なくとも10体積%、又は
少なくとも15体積%又は少なくとも20体積%又は少なくとも30体積%又は少なくと
も40体積%又は少なくとも50体積%又は少なくとも60体積%又は少なくとも70体
積%又は少なくとも80体積%又は少なくとも90体積%の開放多孔性を含むか、又は本
質的にすべての多孔性が開放多孔性である、実施形態21に記載の研磨物品。
【0078】
実施形態23.本体が、本体の多孔性の全含有量に対して95体積%以下、又は90体
積%以下又は80体積%以下又は70体積%又は60体積%以下又は50体積%以下又は
40体積%以下又は30体積%以下又は20体積%以下の開放多孔性を含む、実施形態2
1に記載の研磨物品。
【0079】
実施形態24.全多孔性の少なくとも一部が閉鎖多孔性であり、閉鎖多孔性が、結合材
料に含まれる離散的で孤立したボイドを定義する、実施形態1に記載の研磨物品。
【0080】
実施形態25.本体が、本体の多孔性の全含有量に対して少なくとも10体積%、又は
少なくとも15体積%又は少なくとも20体積%又は少なくとも30体積%又は少なくと
も40体積%又は少なくとも50体積%又は少なくとも60体積%又は少なくとも70体
積%又は少なくとも80体積%又は少なくとも90体積%の閉鎖多孔性を含むか、又は本
質的にすべての多孔性が閉鎖多孔性である、実施形態24に記載の研磨物品。
【0081】
実施形態26.本体が、本体の多孔性の全含有量に対して95体積%以下、又は90体
積%以下又は80体積%以下又は70体積%又は60体積%以下又は50体積%以下又は
40体積%以下又は30体積%以下又は20体積%以下の閉鎖多孔性を含む、実施形態2
4に記載の研磨物品。
【0082】
実施形態27.研磨粒子が、少なくとも45ミクロン又は少なくとも50ミクロン又は
少なくとも55ミクロン又は少なくとも60ミクロン又は少なくとも65ミクロン又は少
なくとも70ミクロン又は少なくとも75ミクロン又は少なくとも80ミクロン又は少な
くとも85ミクロン又は少なくとも90ミクロン又は少なくとも95ミクロン又は少なく
とも100ミクロン又は少なくとも105ミクロン又は少なくとも110ミクロン又は少
なくとも115ミクロン又は少なくとも120ミクロン又は少なくとも130ミクロン又
は少なくとも150ミクロン又は少なくとも175ミクロン又は少なくとも200ミクロ
ン又は少なくとも250ミクロン又は少なくとも300ミクロン又は少なくとも350ミ
クロン又は少なくとも400ミクロン又は少なくとも450ミクロン又は少なくとも50
0ミクロン又は少なくとも600ミクロン又は少なくとも700ミクロン又は少なくとも
800ミクロンの平均粒径(D50)を有する、実施形態1に記載の研磨物品。
【0083】
実施形態28.研磨粒子が、5000ミクロン以下又は4000ミクロン以下又は30
00ミクロン以下又は2000ミクロン以下又は1000ミクロン以下又は900ミクロ
ン以下又は800ミクロン以下又は700ミクロン以下又は600ミクロン以下又は50
0ミクロン以下又は400ミクロン以下又は300ミクロン以下又は200ミクロン以下
又は150ミクロン以下又は130ミクロン以下の平均粒径(D50)を有する、実施形
態1に記載の研磨物品。
【0084】
実施形態29.研磨粒子が、非凝集粒子、凝集粒子、成形研磨粒子、成形研磨複合体、
定厚研磨粒子(constant thickness abrasive parti
cle:CTAP)、ランダム成形研磨粒子、又はそれらの任意の組み合わせからなる群
から選択される研磨粒子タイプを含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0085】
実施形態30.研磨粒子が、酸化物、ホウ化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、オキシ炭
化物、アモルファス、単結晶、多結晶、超研磨剤又はそれらの任意の組み合わせからなる
群から選択される材料を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0086】
実施形態31.本体が、本体の総体積に対して少なくとも20体積%又は少なくとも2
5体積%又は少なくとも30体積%又は少なくとも35体積%又は少なくとも40体積%
又は少なくとも45体積%又は少なくとも50体積%又は少なくとも55体積%の含有量
の研磨粒子を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0087】
実施形態32.本体が、本体の総体積に対して65体積%以下、又は60体積%以下又
は55体積%以下又は50体積%以下又は45体積%以下又は40体積%以下又は35体
積%以下又は30体積%以下の含有量の研磨粒子を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0088】
実施形態33.本体が、本体の総体積に対して少なくとも20体積%~50体積%以下
の範囲内の含有量の研磨粒子を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0089】
実施形態34.本体が、本体の総体積に対して少なくとも1体積%、又は少なくとも2
体積%又は少なくとも3体積%又は少なくとも4体積%又は少なくとも5体積%又は少な
くとも6体積%又は少なくとも8体積%又は少なくとも10体積%又は少なくとも12体
積%又は少なくとも14体積%又は少なくとも16体積%又は少なくとも18体積%又は
少なくとも20体積%又は少なくとも25体積%又は少なくとも30体積%又は少なくと
も35体積%又は少なくとも40体積%の含有量の結合材料を含む、実施形態1に記載の
研磨物品。
【0090】
実施形態35.本体が、本体の総体積に対して65体積%以下、又は60体積%以下又
は55体積%以下又は50体積%以下又は45体積%以下又は40体積%以下又は35体
積%以下又は30体積%以下又は25体積%以下又は22体積%以下又は20体積%以下
又は18体積%以下又は16体積%以下又は14体積%以下又は12体積%以下又は10
体積%以下又は8体積%以下又は6体積%以下の含有量の結合材料を含む、実施形態1に
記載の研磨物品。
【0091】
実施形態36.本体が、本体の総体積に対して少なくとも1体積%~15体積%以下の
範囲内の含有量の結合材料を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0092】
実施形態37.結合材料が、金属、金属合金、セラミック、ガラス質、又はそれらの任
意の組み合わせからなる群から選択される無機材料を含む、実施形態1に記載の研磨物品
。
【0093】
実施形態38.結合材料が、多結晶相、アモルファス相、単結晶相、又はそれらの任意
の組み合わせを含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0094】
実施形態39.結合材料が、本質的に、多結晶相、アモルファス相、又は単結晶相から
なる、実施形態1に記載の研磨物品。
【0095】
実施形態40.結合材料が酸化物を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0096】
実施形態41.結合材料が、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、酸
化アルミニウム(Al2O3)、アルカリ酸化物(M2O)、アルカリ土類酸化物(MO
)遷移金属酸化物、希土類金属酸化物、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選
択される少なくとも1つの組成物を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0097】
実施形態42.研磨物品を製造する方法であって、
研磨粒子、結合前駆体材料及びゲル化剤を含む混合物を形成すること、
混合物から結合研磨体を形成し、結合研磨体が、無機材料を含む結合材料を含み、85
以下の均一性係数をさらに含むこと
を含む、方法。
【0098】
実施形態43.研磨物品を製造する方法であって、
研磨粒子、結合前駆体材料及びゲル化剤を含む混合物を形成すること、
カチオン剤を混合物に添加して、ゲルを形成すること、
ゲルからグリーン体を形成すること、及び
グリーン体から結合研磨体を形成すること
を含む、方法。
【0099】
実施形態44.混合物を形成することが、カチオン剤を混合物に添加してゲルを形成す
ることをさらに含む、実施形態42に記載の方法。
【0100】
実施形態45.カチオン剤が、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、銅、
マグネシウム、鉄、カルシウム、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され
るカチオンを含む、実施形態43及び44のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態46.混合物が、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%のカチオン
剤を含む、実施形態43及び44のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態47.混合物が、混合物の総重量に対して6重量%以下のカチオン剤を含む、
実施形態43及び44のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
実施形態48.ゲル化剤が、寒天、アガロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセ
ルロース、ジェランガム、カラギーナンガム、グアーガム、タラガム、セルロースガム、
ローカストビーンガム、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施
形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
実施形態49.混合物が、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%のゲル化剤
を含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
実施形態50.混合物が、混合物の総重量に対して10重量%以下のゲル化剤を含む、
実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
実施形態51.研磨粒子が、酸化物、ホウ化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、オキシ炭
化物、アモルファス、単結晶、多結晶、超研磨剤、又はそれらの任意の組み合わせからな
る群から選択される材料を含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
実施形態52.混合物が、混合物の総重量に対して少なくとも20重量%の研磨粒子を
含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
実施形態53.混合物が、混合物の総重量に対して80重量%以下の研磨粒子を含む、
実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
実施形態54.結合前駆体材料が、金属、金属合金、セラミック、ガラス質、又はそれ
らの任意の組み合わせからなる群から選択される無機材料を含む、実施形態42及び43
のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
実施形態55.混合物が、混合物の総重量に対して少なくとも1重量%の結合前駆体材
料を含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
実施形態56.混合物が、混合物の総重量に対して30重量%以下の結合前駆体材料を
含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態57.混合物をゲル化温度に加熱することによってゲルを形成することをさら
に含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態58.混合物をゲル化温度に加熱しながら混合物を混合する、実施形態57に
記載の方法。
【0114】
実施形態59.ゲル化温度が少なくとも50℃又は少なくとも60℃又は少なくとも7
0℃又は少なくとも80℃又は少なくとも90℃又は少なくとも100℃又は少なくとも
120℃又は少なくとも150℃である、実施形態57に記載の方法。
【0115】
実施形態60.ゲル化温度が300℃以下又は250℃以下又は200℃以下又は15
0℃以下又は100℃以下又は90℃以下である、実施形態57に記載の方法。
【0116】
実施形態61.混合物を形成することが、水を含む担体を添加することをさらに含む、
実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
実施形態62.混合物をゲルに形成することが、
a)ゲルと水とを含む混合物を形成すること、
b)ステップa)の後に、結合前駆体材料、研磨粒子、又は添加剤のうちの1つを混合
物に添加すること、及び
c)ステップb)の後に混合物にカチオン剤を添加すること
を含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
実施形態63.混合物を形成することが、混合物に分散剤を添加することを含み、分散
剤が、ポリアクリル酸ナトリウム、顔料親和性基を有するコポリマー、アンモニウムポリ
メタアクリラート、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸、水中のアクリルポリ
マー中のアンモニウム塩、クエン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、臭化セチ
ルトリメチルアンモニウムからなる群から選択される、実施形態42及び43のいずれか
1つに記載の方法。
【0119】
実施形態64.混合物が、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%の分散剤を
含む、実施形態43及び44のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
実施形態65.混合物が、混合物の総重量に対して6重量%以下の分散剤を含む、実施
形態43及び44のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
実施形態66.混合物を形成することが、混合物に界面活性剤を添加することを含み、
界面活性剤が、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレル硫酸ナトリウム、ラウリン
酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、ソルビタン、ポリエチレングリコール、ポリソルバート、モノステアリン酸グリセ
ロール、卵レシチンからなる群から選択される、実施形態42及び43のいずれか1つに
記載の方法。
【0122】
実施形態67.混合物が、混合物の総重量に対して少なくとも0.1重量%の界面活性
剤を含む、実施形態42及び43のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
実施形態68.混合物が、混合物の総重量に対して6重量%以下の界面活性剤を含む、
実施形態43及び44のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
実施形態69.
混合物からゲルを形成すること、及び
ゲルからグリーン体を形成すること
をさらに含む、実施形態42に記載の方法。
【0125】
実施形態70.グリーン体を形成することが、プレス、成形、鋳造、乾燥、又はそれら
の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのプロセスを含む、実施形
態43及び69のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
実施形態71.ゲルが、統合されたネットワークに含まれる水を含む固体の自立構造を
含む、実施形態43及び69のいずれか1つに記載の方法。
【実施例0127】
例1
代表的なサンプル(サンプルS1)は、以下のプロセスに従って作成する。脱イオン水
の担体を入手し、約3000kgの水を測定する。約220ミクロンの平均粒径(D50
)を有し、Saint-Gobain Corporation社から白色溶融アランダ
ムとして市販されている約10,000kgの研磨粒子を準備する。Saint-Gob
ain Corporation社からVitriumとして市販されている約2200
kgの結合前駆体材料も準備する。Schill&Seilacher GmbH社から
Perlastan L30として市販されている約20gの界面活性剤も準備する。C
P Kelco Corporation社からKelcogelとして市販されている
約120gのゲル化剤を準備する。Vanderbilt Minerals社からDa
rvan 821Aとして市販されている約60gの分散剤も準備する。Fisher
Scientific社から塩化カルシウムとして市販されている約20gのカチオン剤
を準備する。
【0128】
ゲル化剤を撹拌しながら水に添加する。混合中、混合物は約80~85℃のゲル化温度
で加熱する。次に、結合前駆体材料をゲルに添加し、続いて分散剤、続いて研磨粒子、続
いて界面活性剤、最後にカチオン剤を最後に添加する。カチオン剤の添加によって、架橋
及びゲルの形成が開始される。混合は約0.5~0.99バールの減圧雰囲気で継続し、
ゲルからより大きな細孔を除去する。
【0129】
次に、ゲルを製造ツールに注入し、ゲルからグリーン体を鋳造する。鋳造中、ゲルに追
加の圧力又は温度は加えず、ゲルは自由に鋳造されてグリーン体を形成する。ゲルが乾燥
し、グリーン体が安定する。他のプロセスでは任意選択的にゲルに圧力を加えてグリーン
体を形成する場合もあることが理解されよう。
【0130】
ゲルからグリーン体を形成した後、グリーン体を焼成して、結合前駆体材料からガラス
質結合材料を作成する。焼成スケジュールには、室温から約910~925℃の焼成温度
まで約100℃/hrの上昇が含まれ、通常の雰囲気下で約8時間保持する。焼成温度で
の適切な時間の後、焼成された本体は、約30℃/hrの下降で冷却する。
【0131】
結合研磨体の寸法を確定するように、研磨物品に仕上げを施す。結合研磨体は、約62
の均一性係数、本質的にガラス質材料からなる13体積%の結合材料、約44体積%の研
磨粒子、多孔性の全含有量に対する約30体積%の開放多孔性及び多孔性の全含有量に対
する約70体積%の閉鎖多孔性を含む約43体積%の多孔性、並びに約110ミクロンの
平均孔径を有する。さらに、サンプルS1の結合研磨体は、直径が127mm、厚さが約
25mm、体積が約225cm3である。
【0132】
図3は、均一性係数を評価するために使用されるサンプルS1の超音波画像を含む。
【0133】
例2
従来のサンプル(サンプルC1)は、以下のプロセスに従って形成する。研磨剤を計量
し、結合剤としてデキストリンを用いて大型ミキサーで混合する。内容物を5分間混合す
る。次に、動物膠を混合物に添加し、3分間混合する。動物膠が砥粒の表面を濡らしてデ
キストリンが表面に均一にコーティングされたら、混合を停止する。次に、接着剤を混合
物に加え、接着剤が砥粒を均一にコーティングするまで内容物を5分間混合する。圧縮ス
テップに耐えるために必要なグリーン強度を付与するために、別のラウンドでデキストリ
ンを混合物に添加する。次に、混合物をふるいにかけて大きな塊を除去し、次に型に均一
に分配する。次に、型を傾斜させて空気を除去し、混合物を圧縮/プレスして(80トン
の力を加えて)目的の体積にする。次に、ホイールを80℃で12時間乾燥させ、915
℃で100℃/hrの上昇速度で焼成し、8時間浸漬する。次に、ホイールを許容寸法に
仕上げ、超音波技術を使用して分析する。
【0134】
結合された研磨ホイールには、13体積%の接着剤、44体積%の研磨剤、43体積%
の多孔性が含まれる。
【0135】
図4は、均一性係数を評価するために使用されるサンプルC1の超音波画像を含む。図
5は、均一性係数の評価のために超音波によって分析されたサンプルS1及びC1の正規
化された確率プロットを含む。サンプルS1の均一性係数は62で、サンプルC1の均一
性係数は86である。
【0136】
例3
サンプルS2及びC2は、サンプルS1の成分と同じ成分を含めて形成した。すべての
成分は、例1に記載されたのと同じ様式で混合した。サンプルS2及びC2のゲルを型に
注入した。サンプルS2のゲルのみを脱気して、成形中に気泡を除去した。グリーン体は
、例1に記載されたのと同じ条件で焼成した。
【0137】
サンプルS2及びC2は、3次元公差及びテーパ公差について同じせん断速度で試験し
た。
図6A及び
図6Bは、それぞれ、円筒度対CMR’及び平均真直度対CMR’のプロ
ットを含む。サンプルS2は、同じ試験条件でC2と比較して、円筒度の改善、したがっ
て3次元公差の改善を示した。サンプルS2はまた、サンプルC2と比較して、
図6Bに
示されるように、改善された平均真直度(テーパ公差とも呼ばれる)を有していた。
【0138】
例4
サンプルS3は、例1に記載されたのと同じ様式で、少なくとも260mmの直径、少
なくとも2mmの厚さ、及び85以下の均一性係数を有するように形成する。サンプルS
3は、同じ条件下で試験した従来通りに成形された研磨物品と比較して、研削工具の同じ
カートリッジを使用して少なくとも5~10個のワークピースを研削して試験した場合、
一貫性が向上し、ワークピースごとに新しいカートリッジを使用したワークピースの表面
仕上げが向上することが期待される。
【0139】
本明細書に記載の実施形態の仕様及び図は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提
供することを意図している。仕様及び図は、本明細書に記載された構造又は方法を使用す
る装置及びシステムのすべての要素及び特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つこと
を意図したものではない。別個の実施形態もまた、単一の実施形態で組み合わせて提供さ
れてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴も
また、別個に又は任意の下位的な組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に記載
されている値への参照には、その範囲内のすべての各値が含まれる。他の多くの実施形態
は、本明細書を読んだ後にのみ当業者に明らかになり得る。構造的置換、論理的置換、又
は別の変更を、本開示の範囲から逸脱することなく行うことができるように、他の実施形
態を使用して、本開示から導き出すことができる。したがって、本開示は、限定的ではな
く例示的であると見なされるべきである。特定の実施形態に関して、利益、他の利点、及
び問題の解決策を上で説明した。ただし、利益、利点、問題の解決策、並びに利益、利点
、又は解決策を発生させるか、又はより顕著にする可能性のある特徴は、いずれか又はす
べての請求項の重要な、必須の、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0140】
図と組み合わせた説明は、本明細書に開示された教示を理解するのを助けるために提供
される。以下の議論は、教示の特定の実施及び実施形態に焦点を当てている。この焦点は
、教示の説明を助けるために提供されており、教示の範囲又は適用性に対する制限として
解釈されるべきではない。ただし、この用途において他の教示が当然ながら使用され得る
。
【0141】
本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comp
rising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、
「有する(has)」、「有する(having)」又はそれらの任意の他の変形は、非
排他的な包含を含むことが意図される。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装
置は、必ずしもそれらの特徴だけに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない
、又はそのような方法、物品、又は装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、逆のこと
について明確に述べられていない限り、「又は」は、排他的論理和ではなく、包括的論理
和を指す。例えば、条件A又はBは、Aが真(又は存在する)及びBが偽(又は存在しな
い)、Aが偽(又は存在しない)及びBが真(又は存在する)、並びにAとBとの両方が
真(又は存在する)のいずれか1つによって満たされる。
【0142】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書で説明されるエレメント及びコンポーネ
ントを説明するために使用される。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意
味を与えるために行われる。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むように読む必要
があり、別の意味であることが明確ではない限り、単数形には複数形も含まれ、その逆も
同様である。例えば、本明細書で単一のアイテムが説明されている場合、単一のアイテム
の代わりに複数のアイテムを使用してもよい。同様に、複数のアイテムが本明細書で説明
されている場合、その複数のアイテムの代わりに単一のアイテムを使用してもよい。
【0143】
別段の定めがない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発
明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているのと同じ意味を有する。材料、方
法、及び例は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に記載され
ていない範囲で、特定の材料及び加工行為に関する多くの詳細は従来のものであり、構造
技術及び対応する製造技術内の参考書及び他の情報源に見出すことができる。
【0144】
上記に開示された主題は、例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、添
付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲内にあるそのようなすべての修正、強化、及び
他の実施形態を網羅することを意図している。したがって、法律で認められる最大限の範
囲で、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等物の最も広い許容可能な
解釈によって決定され、前述の詳細な説明によって限定又は制限されないものとする。