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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026527
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】光偏向器
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211345
(22)【出願日】2022-12-28
(62)【分割の表示】P 2020502918の分割
【原出願日】2019-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2018032852
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】矢部 友崇
(72)【発明者】
【氏名】河合 研至
(72)【発明者】
【氏名】大島 清朗
(57)【要約】
【課題】反射板の振角を大きくすることができる光偏向器を提供する。
【解決手段】駆動素子(6A)、(6B)において、反射板(2)から第1距離(L1)だけ離れた第1位置(P1)におけるY方向寸法が、反射板(2)から第1距離(L1)よりも大きい第2距離(L2)だけ離れた第2位置(P2)におけるY方向寸法よりも大きいことから、第1位置(P1)における梁状部(5A)、(5B)先端の変位量を大きくするとともに、梁状部(5A)、(5B)全体の発生力を大きくし、反射板(2)の振角を大きくすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板と、
前記反射板の回動軸を定める一対の軸部と、
前記一対の軸部を支持するとともに前記回動軸に交差するように延びる一対の梁状部と、
前記梁状部を変形させることで前記反射板を回動させる駆動素子と、を備え、
前記駆動素子は、前記梁状部に配置され、前記回動軸の軸方向に沿って前記反射板から第1距離だけ離れた位置における前記回動軸との直交方向の寸法が、前記軸方向に沿って前記反射板から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ離れた位置における前記直交方向の寸法よりも大きく、
前記駆動素子において前記梁状部の基端側に位置する第1辺は、前記軸方向に沿って前記反射板から離れるにしたがって前記回動軸に近づくように、前記軸方向に対して傾斜した傾斜部を有することを特徴とする光偏向器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光偏向器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光を走査するための光偏向器として、アーム部(梁状部)の自由端側にミラー部(反射板)が接続され、圧電素子(駆動素子)がアーム部に設けられることにより、ミラー部を回動させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された光偏向器では、アーム部の自由端側に、圧電素子を設けない受動領域を形成することにより、アーム部が反り変形した際に圧電素子が損傷することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-153703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような駆動方式の光偏向器においては、回動軸との直交方向における駆動素子の寸法が大きいほど梁状部の反り(先端の変位量)が大きくなる一方で、
梁状部に生じる発生力(反射板を回動させようとする力)が小さくなる。反射板の振角を大きくするためには、梁状部先端の変位量を大きくしつつ発生力も大きくする必要があるが、これらを両立することは困難であった。
【0005】
したがって、本発明の課題は、反射板の振角を大きくすることができる光偏向器を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の光偏向器は、反射板と、前記反射板の回動軸を定める一対の軸部と、前記一対の軸部を支持するとともに前記回動軸に交差するように延びる一対の梁状部と、前記梁状部を変形させることで前記反射板を回動させる駆動素子と、を備え、前記駆動素子は、前記梁状部に配置され、前記回動軸の軸方向に沿って前記反射板から第1距離だけ離れた位置における前記回動軸との直交方向の寸法が、前記軸方向に沿って前記反射板から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ離れた位置における前記直交方向の寸法よりも大きいことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例に係る光偏向器を示す平面図である。
図2】前記光偏向器におけるアクチュエータ長さと発生力との関係を示すグラフである。
図3】前記光偏向器の要部を拡大して示す平面図である。
図4】本発明の第1の変形例に係る光偏向器を示す平面図である。
図5】本発明の第2の変形例に係る光偏向器を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る光偏向器は、反射板と、反射板の回動軸を定める一対の軸部と、一対の軸部を支持するとともに回動軸に交差するように延びる一対の梁状部と、梁状部を変形させることで反射板を回動させる駆動素子と、を備える。駆動素子は、梁状部に配置され、回動軸の軸方向に沿って反射板から第1距離だけ離れた位置における回動軸との直交方向の寸法が、軸方向に沿って反射板から第1距離よりも大きい第2距離だけ離れた位置における直交方向の寸法よりも大きい。
【0009】
駆動素子において、反射板から第1距離だけ離れた位置(第1位置)における直交方向寸法が、反射板から第1距離よりも大きい第2距離だけ離れた位置(第2位置)における直交方向寸法よりも大きいことから、梁状部先端は、第1位置において第2位置よりも変位量が大きくなる。また、梁状部全域の直交方向寸法を第1位置における直交方向寸法と等しくする構成と比較して、梁状部全体の発生力が大きくなる。
【0010】
梁状部先端のうち反射板に近い位置ほど、その変位量の大きさによって反射板の振角が影響を受けやすい。また、梁状部全体の発生力が反射板の振角に影響を与える。従って、第1位置における梁状部先端の変位量を大きくし、梁状部全体の発生力を大きくすることにより、反射板の振角を大きくすることができる。
【0011】
駆動素子は、反射板から第1距離だけ離れた位置における所定幅の微小面積が、反射板から第2距離だけ離れた位置における所定幅の微小面積よりも大きいことが好ましい。これにより、第1位置における梁状部先端の変位量を大きくするとともに、梁状部全体の発生力を大きくすることができ、反射板の振角を大きくすることができる。
【0012】
駆動素子における前記梁状部の基端側の第1辺は、前記軸方向に沿って前記反射板から離れるにしたがって前記回動軸に近づくように、前記軸方向に対して傾斜した傾斜部を有
することが好ましい。これにより、第1位置における駆動素子の直交方向寸法が、第2位置における駆動素子の直交方向寸法よりも大きくなり、第1位置における梁状部先端の変位量を大きくするとともに、梁状部全体の発生力を大きくすることができ、反射板の振角を大きくすることができる。
【0013】
駆動素子における梁状部の先端側の第2辺は、軸部の延長線上に配置されていることが好ましい。これにより、反射板を好適に回転させることができる。
【0014】
反射板及び梁状部を囲む枠状のフレームをさらに備え、梁状部とフレームとの間には、この梁状部の先端から基端にかけて延びるスリットが形成されていることが好ましい。これにより、好適に梁状部先端を変位させることができる。
【0015】
一対の軸部と一対の梁状部と駆動素子とが駆動ユニットを構成し、回動軸に対して直交方向に並ぶように配置された2組の駆動ユニットを備えていてもよい。2組の駆動ユニットによって反射板を互いに反対向きに回動させるようにすれば、反射板の合計の振角を大きくすることができる。
【実施例0016】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。光偏向器1Aは、図1に示すように、反射板2と、フレーム3と、2組の駆動ユニット10A、10Bと、を備える。光偏向器1Aは、例えば車両に搭載されて赤外線等の光を送受信することで他車両や設置物等との距離を検出する検出装置において、赤外線を走査するために用いられる。本実施例では、反射板2の回動軸O1、O2の軸方向をX方向とし、後述するように板状に形成された梁状部5A、5Bの面内においてX方向と直交する方向をY方向とし、梁状部5A、5Bの板厚方向をZ方向とする。
【0017】
反射板2は、光を反射する反射面を片面に有し、矩形板状に形成されている。フレーム3は、矩形枠状に形成されたものであって、反射板2と2組の駆動ユニット10A、10Bとをその内側に収容する。
【0018】
駆動ユニット10Aは、一対の軸部4A、4Bと、一対の梁状部5A、5Bと、一対の駆動素子6A、6Bと、を備える。駆動ユニット10Bも駆動ユニット10Aと同様の構成を有するとともに、ZX平面を対称面として駆動ユニット10Aと対称な形状を有しており、以下では主として駆動ユニット10Aについて説明する。
【0019】
軸部4A、4Bは、反射板2におけるY方向に沿った辺のうち、中央部からY方向の一方側(図1における上側)にずれた位置に連続し、X方向に沿って延びている。
【0020】
梁状部5A、5Bは、フレーム3の角部近傍に配置されるとともに板状に形成され、フレーム3におけるX方向に沿った辺から、Y方向に沿って内側に向かうように延びる。また、一対の梁状部5A、5Bは、その先端かつX方向内側の角部を接続部51として軸部4A、4Bに接続されており、反射板2をX方向から挟むように配置される。このとき、梁状部5A、5Bとフレーム3との間には、梁状部5A、5Bの先端から基端にかけて延びるスリット52が形成されている。即ち、フレーム3におけるY方向に沿って延在する部分と、梁状部5A、5BのX方向外側の辺(反射板2から最も離れた辺)と、の間に隙間が形成されており、フレーム3のX方向に沿った辺から梁状部5A、5Bが突き出た形状となっている。
【0021】
駆動素子6A、6Bは、例えばシリコン基板上に下部電極と圧電体と上部電極とがこの順に積層された圧電素子であって、電極間に電圧が印加されることにより伸縮するもので
ある。駆動素子6A、6Bは梁状部5A、5Bに配置されており、駆動素子6A、6Bが伸縮することにより、梁状部5A、5Bは、基端側(フレーム3側)を固定端とするとともに先端側を自由端として反り変形する。本実施例では、電圧印加時に梁状部5A、5Bの先端がZ方向の一方側(図1における紙面手前側)に向かうように変位する。
【0022】
駆動素子6A、6Bは、平面視台形状に形成され、梁状部5A、5B基端側の第1辺61と、先端側の第2辺62と、フレーム3内におけるX方向内側の第3辺63と、X方向外側の第4辺64と、を有する。第1辺61は、X方向に沿って反射板2から離れるにしたがって回動軸O1に近づくようにX方向に対して傾斜しており、その全体が傾斜部となっている。第2辺62は、軸部4A、4Bの延長線上に配置されるとともにX方向に沿って延在している。第3辺63及び第4辺64は、いずれもY方向に沿って延在している。
【0023】
以下、駆動ユニット10A、10Bによって反射板2を回動させる際の各部の動作について説明する。駆動ユニット10Aにおける駆動素子6A、6Bには略同時に電圧が印加され、駆動ユニット10Bにおける駆動素子6A、6Bには略同時に電圧が印加される。駆動ユニット10Aの駆動素子6A、6Bと、駆動ユニット10Bの駆動素子6A、6Bと、には互いに異なるタイミングで電圧が印加される。
【0024】
駆動ユニット10Aの駆動素子6A、6Bに電圧が印加されると、駆動ユニット10Aの梁状部5A、5Bが反り変形し、その先端である接続部51に接続された軸部4A、4BがZ方向一方側に移動しようとする。このとき、駆動ユニット10Bにおいては梁状部5A、5Bが変形せず、軸部4A、4Bは移動しない。これにより、反射板2は、駆動ユニット10A側がZ方向一方側に向かうとともに駆動ユニット10B側がZ方向他方側に向かうように、回動軸O2(駆動ユニット10Bの軸部4A、4Bを通る回動軸)を中心に回動する。
【0025】
一方、駆動ユニット10Bの駆動素子6A、6Bに電圧が印加された場合、反射板2は、駆動ユニット10B側がZ方向一方側に向かうとともに駆動ユニット10A側がZ方向他方側に向かうように、回動軸O1(駆動ユニット10Aの軸部4A、4Bを通る回動軸)を中心に回動する。
【0026】
ここで、梁状部が反り変形する際の駆動素子のY方向寸法(アクチュエータ長さ)と、梁状部全体が反射板を回動させようとする力(発生力)との関係を図2に示す。尚、図2のグラフは、駆動素子のY方向寸法がX方向全域に亘って略一定であるという条件下でのアクチュエータ長さと発生力との関係を示しており、アクチュエータ長さが長くなるほど、全体の発生力が小さくなっている。
【0027】
駆動素子6A、6Bの第1辺61が上記のように傾斜しており、第2辺62がX方向に沿って延在していることで、駆動素子6A、6BのY方向寸法は、反射板2から離れるほど小さくなる。従って、駆動素子6A、6Bは、図3に示すように、X方向に沿って反射板2から第1距離L1だけ離れた第1位置P1におけるY方向寸法y1が、X方向に沿って反射板2から第2距離L2(L2>L1)だけ離れた第2位置P2におけるY方向寸法y2よりも大きい。
【0028】
また、第1位置P1を中心とする幅Δxの範囲における駆動素子6A、6Bの微小面積ΔS1が、第2位置P2を中心とする幅Δxの範囲における駆動素子6A、6Bの微小面積ΔS2よりも大きい。
【0029】
駆動素子6A、6Bが上記のような形状を有していることにより、梁状部5A、5Bは、反り変形する際、X方向内側ほどその先端の変位量が大きくなる。梁状部5A、5B先端のうち反射板2に近い位置(X方向内側)ほど、その変位量の大きさによって反射板2の振角が影響を受けやすい。
【0030】
また、梁状部5A、5B先端のうち反射板2から遠い位置(X方向外側)ほど、発生力が大きくなる。従って、梁状部全域のY方向寸法を第3辺63の長さと等しくする構成と比較して、梁状部5A、5B全体の発生力が大きくなる。梁状部5A、5B全体の発生力が反射板2の振角に影響を与える。
【0031】
上記の構成により、駆動素子6A、6Bにおいて、反射板2から第1距離L1だけ離れた第1位置P1におけるY方向寸法が、反射板2から第1距離L1よりも大きい第2距離L2だけ離れた第2位置P2におけるY方向寸法よりも大きいことから、第1位置P1における梁状部5A、5B先端の変位量を大きくするとともに、梁状部5A、5B全体の発生力を大きくし、反射板2の振角を大きくすることができる。
【0032】
第1位置P1を中心とする幅Δxの範囲における駆動素子6A、6Bの微小面積ΔS1が、第2位置P2を中心とする幅Δxの範囲における駆動素子6A、6Bの微小面積ΔS2よりも大きいことで、第1位置P1における梁状部5A、5B先端の変位量を大きくするとともに、第2位置P2において大きな発生力を得て、梁状部5A、5B全体の発生力を大きくし、反射板2の振角を大きくすることができる。
【0033】
駆動素子6A、6Bの第1辺61が、X方向に沿って反射板2から離れるにしたがって回動軸O1に近づくようにX方向に対して傾斜して延在していることで、第1位置P1における駆動素子6A、6BのY方向寸法が、第2位置P2における駆動素子6A、6BのY方向寸法よりも大きくなり、第1位置P1における梁状部5A、5B先端の変位量を大きくするとともに、梁状部5A、5B全体の発生力を大きくすることができ、反射板2の振角を大きくすることができる。
【0034】
駆動素子6A、6Bの第2辺62が軸部4A、4Bの延長線上に配置されていることで、梁状部5A、5B先端の変位量を大きくすることができる。
【0035】
梁状部5A、5Bとフレーム3との間にスリット52が形成されていることで、反射板2から離れた位置においても梁状部5A、5B先端を変位させることができる。
【0036】
光偏向器1Aが2組の駆動ユニット10A、10Bを備え、駆動ユニット10A、10Bが反射板2を互いに反対向きに回動させることで、反射板2の合計の振角を大きくすることができる。
【0037】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0038】
例えば、前記実施例では、反射板2が矩形板状に形成されているものとしたが、反射板は適宜な形状を有していればよい。図4に示す光偏向器1Bのように、円板状の反射板2Bを用いてもよい。また、楕円板状の反射板を用いてもよい。
【0039】
また、前記実施例では、反射板2が回動軸O1、O2を中心に回動するものとしたが、反射板は、互いに異なる方向に延びる複数の回動軸を中心に回動するように構成されていてもよい。例えば、図5に示す光偏向器1Cのように、反射板2Cが、X方向に沿った回動軸O1、O2を中心に回動可能であるとともに、Y方向に沿った回動軸O3を中心に回動可能な構成としてもよい。
【0040】
光偏向器1Cは、光偏向器1Aにおける反射板2を回動ユニット7に置き換えたものである。回動ユニット7は、反射板2Cと、一対の軸部71A、71Bと、枠部72と、駆動手段と、を備える。一対の軸部71A、71BはY方向に沿って延びており、回動軸O3を定める。駆動手段は、駆動素子6A、6Bとは独立に制御され、回動軸O3を中心に反射板2Cを回動させる。このような構成によれば、光を二次元的に走査することができる。
【0041】
また、前記実施例では、駆動素子6A、6Bの第1辺61が、X方向に沿って反射板2から離れるにしたがって回動軸O1に近づくようにX方向に対して傾斜して延在し、その全体が傾斜部となっているものとしたが、駆動素子の第1辺は、その一部に傾斜部を有していてもよい。
【0042】
また、前記実施例では、駆動素子6A、6Bの第2辺62が軸部4A、4Bの延長線上に配置されているものとしたが、このような構成に限定されない。即ち、梁状部5A、5Bの先端部分に駆動素子が配置されていなくてもよいし、軸部4A、4BからY方向にはみ出すように駆動素子が設けられていてもよい。
【0043】
また、前記実施例では、光偏向器1Aが2組の駆動ユニット10A、10Bを備えるものとしたが、光偏向器は1組の駆動ユニットのみを備えていてもよく、振角の設計値に応じて駆動ユニットの数を適宜に設定すればよい。
【0044】
また、前記実施例では、駆動素子6A、6Bの第1辺61が傾斜していることにより、駆動素子6A、6Bの第1位置P1におけるY方向寸法が第2位置P2におけるY方向寸法よりも大きいものとしたが、このような構成に限定されない。例えば第1辺は、X方向内側から順に、X方向に沿って延在する部分と、Y方向内側に向かって延在する部分と、X方向に沿って延在する部分と、を有することにより段状に形成されていてもよい。また、第1辺は、X方向に沿って延びる部分と、傾斜した部分と、段状の部分と、が適宜に組み合わされたものであってもよい。
【0045】
また、駆動素子のX方向全域に亘って、X方向内側ほどY方向寸法が大きい形状となっていなくてもよい。即ち、X方向外側位置において部分的に内側位置よりもY方向寸法が大きくなっていてもよく、駆動素子は、前記実施例のような関係を満たす少なくとも1組の第1位置及び第2位置を有していればよい。
【0046】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 光偏向器
2 反射板
3 フレーム
4A、4B 軸部
5A、5B 梁状部
52 スリット
6A、6B 駆動素子
61 第1辺
62 第2辺
10A、10B 駆動ユニット
図1
図2
図3
図4
図5