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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026534
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】サーバ装置及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20230216BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H02J13/00 301J
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
H02J3/38 110
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211585
(22)【出願日】2022-12-28
(62)【分割の表示】P 2021553605の分割
【原出願日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2019195530
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】志賀 昭弘
(57)【要約】
【課題】分散電源の遠隔監視サービスにおけるユーザの利便性を高めることを可能とするサーバ装置及び管理方法を提供する。
【解決手段】サーバ装置は、1以上の分散電源を含む複数の機器を管理する装置である。前記サーバ装置は、前記複数の機器に含まれる機器ごとに、前記機器に固有の機器識別子を前記機器のユーザに固有のユーザ識別子と関連付ける関連付け処理と、特定ユーザのユーザ識別子と関連付けられた2以上の機器の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録する登録処理と、を実行する処理部を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の分散電源を含む複数の機器を管理するサーバ装置であって、
特定ユーザと関連付けられた2以上の機器の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録する登録処理と、
前記登録された2以上の機器のそれぞれから取得される測定データを示す監視画面を前記特定ユーザの端末装置に表示する表示処理と、
を実行する処理部を備え、
前記登録された2以上の機器から取得される前記測定データは、第1分散電源についての第1測定データと、第2分散電源についての第2測定データとを含み、
前記表示処理は、
前記第1分散電源と前記第2分散電源とが互いに異なる分散電源であって、且つ、前記第1分散電源と前記第2分散電源とが互いに異なる分散電源種別に属する場合、前記第1測定データ及び前記第2測定データのそれぞれを前記監視画面上で表示する処理を含む
サーバ装置。
【請求項2】
前記表示処理は、
前記第1分散電源と前記第2分散電源とが互いに異なる分散電源であって、且つ、前記第1分散電源と前記第2分散電源とが同一の分散電源種別に属する場合、前記第1測定データと前記第2測定データとを合算した合算データを前記監視画面上で表示する処理を含む
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記表示処理は、
前記第1分散電源と前記第2分散電源とが同一の分散電源である場合、前記第1測定データ及び前記第2測定データのうちいずれか一方の測定データを前記監視画面上で表示せずに、他方の測定データを前記監視画面上で表示する処理を含む
請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記複数の機器は、1以上の電力管理装置をさらに含み、
前記登録処理は、
前記2以上の機器の組み合わせとして前記分散電源及び前記電力管理装置の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記分散電源及び前記電力管理装置のうち前記監視画面上で優先的に表示する主機器として前記電力管理装置を登録する処理を含む
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記表示処理は、
前記第1分散電源と前記第2分散電源とが同一の分散電源であって、且つ、前記主機器として前記電力管理装置が登録されている場合、前記分散電源から取得される測定データを前記監視画面上で表示せずに、前記電力管理装置から取得される測定データを前記監視画面上で表示する処理を含む
請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記複数の機器は、1以上の電力管理装置をさらに含み、
前記登録処理は、
前記2以上の機器の組み合わせとして第1電力管理装置及び第2電力管理装置の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記第1電力管理装置及び前記第2電力管理装置のうち前記特定ユーザにより選択された電力管理装置を、前記監視画面上で優先的に表示する主機器として登録する処理を含む
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記表示処理は、
前記第1分散電源と前記第2分散電源とが同一の分散電源であって、且つ、前記主機器として前記第1電力管理装置が登録されている場合、前記第2電力管理装置から取得される測定データを前記監視画面上で表示せずに、前記第1電力管理装置から取得される測定データを前記監視画面上で表示する処理を含む
請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記処理部は、
前記2以上の機器の組み合わせの登録の解除が前記特定ユーザにより選択された場合、前記登録を解除する解除処理をさらに実行する
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記処理部は、
前記登録が解除された場合、前記特定ユーザと関連付けられた前記2以上の機器のそれぞれから取得される測定データを互いに異なる監視画面上で表示する処理をさらに実行する
請求項8に記載のサーバ装置。
【請求項10】
1以上の分散電源を含む複数の機器を管理する管理方法であって、
特定ユーザと関連付けられた2以上の機器の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録することと、
前記登録された2以上の機器のそれぞれから取得される測定データを示す監視画面を前記特定ユーザの端末装置に表示することと、
を有し、
前記登録された2以上の機器から取得される前記測定データは、第1分散電源についての第1測定データと、第2分散電源についての第2測定データとを含み、
前記表示することは、
前記第1分散電源と前記第2分散電源とが互いに異なる分散電源であって、且つ、前記第1分散電源と前記第2分散電源とが互いに異なる分散電源種別に属する場合、前記第1測定データ及び前記第2測定データのそれぞれを前記監視画面上で表示することを含む
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力管理システムで用いるサーバ装置及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力の需要家施設に分散電源が設けられる場合において、分散電源の電力状況を遠隔で監視したいというニーズがある。このようなニーズに応えるために、分散電源用の監視画面を分散電源のユーザの端末装置に表示させる遠隔監視サービスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-157409号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様に係るサーバ装置は、1以上の分散電源を含む複数の機器を管理する装置である。前記サーバ装置は、前記複数の機器に含まれる機器ごとに、前記機器に固有の機器識別子を前記機器のユーザに固有のユーザ識別子と関連付ける関連付け処理と、特定ユーザのユーザ識別子と関連付けられた2以上の機器の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録する登録処理と、を実行する処理部を備える。
【0005】
第2の態様に係る管理方法は、1以上の分散電源を含む複数の機器を管理する方法である。前記管理方法は、前記複数の機器に含まれる機器ごとに、前記機器に固有の機器識別子を前記機器のユーザに固有のユーザ識別子と関連付けることと、特定ユーザのユーザ識別子と関連付けられた2以上の機器の組み合わせが前記特定ユーザにより選択された場合、前記2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録することと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係る電力管理システムを示す図である。
図2】一実施形態に係る施設の構成を示す図である。
図3】一実施形態に係る遠隔監視サーバの構成を示す図である。
図4】一実施形態に係る機器情報DBを示す図である。
図5】一実施形態に係る測定データDBを示す図である。
図6】一実施形態に係るユーザ情報DBを示す図である。
図7】一実施形態に係る関連付け処理部による関連付け処理例及び登録処理部による登録処理例を示す図である。
図8】一実施形態に係る登録処理部による登録処理の際に端末装置に表示される表示画面例を示す図である。
図9】一実施形態に係る表示処理部が端末装置に表示させる監視画面に含まれる測定データ例を示す図である。
図10】一実施形態に係るケース2の一例を示す図である。
図11】一実施形態に係るケース2の他の例を示す図である。
図12】一実施形態に係るケース3の一例を示す図である。
図13】一実施形態に係るケース3の他の例を示す図である。
図14】一実施形態に係るケース3のさらに他の例を示す図である。
図15】一実施形態に係る解除処理部による解除処理の際に端末装置に表示される表示画面例を示す図である。
図16】一実施形態に係る電力管理システムにおける動作シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
複数の分散電源を1ユーザが使用するような場合において、監視画面を分散電源別に提供すると、ユーザが複数の分散電源の電力状況を一度に確認することができないため、ユーザの利便性が低いという問題がある。
【0008】
そこで、本開示は、分散電源の遠隔監視サービスにおけるユーザの利便性を高めることを可能とすることを目的とする。
【0009】
図面を参照して実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0010】
(電力管理システム)
まず、一実施形態に係る電力管理システムについて説明する。図1は、一実施形態に係る電力管理システム1を示す図である。
【0011】
図1に示すように、電力管理システム1は、複数の施設10(10a,10b,10c,…)と、遠隔監視サーバ400と、複数の端末装置500(500a,500b,500c,…)とを有する。各施設10、遠隔監視サーバ400、及び各端末装置500は、ネットワーク30を介して相互に接続されている。
【0012】
ネットワーク30は、例えばワイドエリアネットワークである。ネットワーク30は、WWAN(Wireless Wide Area Network)を含んでもよいし、インターネットを含んでもよい。
【0013】
各施設10は、電力系統20からの電力の供給を受ける需要家施設である。各施設10は、分散電源11と、EMS(Energy Management System)機器12とを有する。図1に示す例において、施設10aは分散電源11aとEMS機器12aとを有し、施設10bは分散電源11bとEMS機器12bとを有し、施設10cは分散電源11cとEMS機器12cとを有する。
【0014】
分散電源11は、少なくとも電力を出力する機能を有する装置である。分散電源の種別には、例えば、太陽電池、蓄電池、及び燃料電池がある。図1において、各施設10に設けられる分散電源11を1つのみ図示しているが、各施設10は、複数の分散電源を有していてもよい。
【0015】
EMS機器12は、施設10に関する電力情報を管理する装置(電力管理装置)である。EMS機器12は、分散電源11を制御する機能を有していてもよい。
【0016】
遠隔監視サーバ400は、1以上の分散電源11と1以上のEMS機器12とを含む複数の機器を管理するサーバ装置の一例である。遠隔監視サーバ400は、遠隔監視サービスを端末装置500のユーザに提供する。遠隔監視サーバ400は、各施設10について、分散電源11及びEMS機器12のうち少なくとも1つから測定データを受信し、受信した測定データを管理する。遠隔監視サーバ400は、端末装置500からデータ要求を受け付けると、データ要求により要求された測定データを端末装置500に送信する。
【0017】
端末装置500は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末又は専用端末である。端末装置500は、施設10の各機器の状態を監視するための監視画面を表示し、この監視画面上で遠隔監視サーバ400からの測定データを表示する。端末装置500は、遠隔監視専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされていてもよいし、汎用のウェブブラウザ上で監視画面を表示してもよい。端末装置500を操作する主体、すなわち、遠隔監視サービスを利用する主体は、分散電源を利用するユーザ(例えば、施設10の住人)であるものとする。
【0018】
(施設の構成例)
次に、施設10の構成例について説明する。図2は、一実施形態に係る施設10の構成を示す図である。図2において、ブロック間の太線は電力線を示しており、細線は信号線を示している。なお、これに限定されるものではなく、電力線で信号を伝送してもよい。信号線は、有線で構成されていてもよいし、無線で構成されていてもよい。
【0019】
図2に示すように、施設10は、ルータ310を有する。ルータ310は、ネットワーク30に接続されている。ルータ310は、施設10に設けられるローカルエリアネットワークを構成する。
【0020】
一実施形態において、施設10は、蓄電池設備100と、太陽電池設備200と、負荷機器320と、測定機器330と、EMS機器12とを有する。蓄電池設備100は分散電源の一例であり、太陽電池設備200は分散電源の他の例である。他の実施形態において、施設10は、蓄電池設備100及び太陽電池設備200のいずれか一方を有していなくてもよいし、分散電源としての燃料電池設備を有していてもよい。
【0021】
一実施形態において、蓄電池設備100は、複数の蓄電池装置110(110a乃至110c)と、蓄電池PCS(Power Conditioning System)120とを有する。他の実施形態において、蓄電池設備100を構成する蓄電池装置110が1つのみであってもよい。
【0022】
各蓄電池装置110は、電力を蓄積する装置である。各蓄電池装置110は、複数のセルと、複数のセルを管理するBMS(Battery Management System)とを有する。各蓄電池装置110は、電力線を介して蓄電池PCS120と接続されている。各蓄電池装置110は、蓄電池PCS120の制御下で、電力線を介して入力される電力の充電を行ったり、放電により電力を出力したりする。
【0023】
蓄電池設備100は、蓄電池装置110を追加可能に構成されていてもよい。例えば、最初は蓄電池装置110aのみを蓄電池PCS120に接続し、その後、増設により蓄電池装置110b及び110cを適宜追加可能であってもよい。蓄電池設備100は、蓄電池装置110を除去又は取り替え可能に構成されていてもよい。例えば、蓄電池装置110aが劣化した場合、劣化した蓄電池装置110aを除去した後、新しい蓄電池装置110aが蓄電池PCS120に接続されてもよい。
【0024】
一実施形態において、蓄電池設備100は、蓄電池PCS120と、蓄電池制御装置130と、無線通信装置140とを有する。他の実施形態において、蓄電池設備100は、無線通信装置140を有していなくてもよい。
【0025】
蓄電池PCS120は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置である。蓄電池PCS120は、放電時において、各蓄電池装置110から入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電力系統20側に出力する。蓄電池PCS120は、充電時において、電力系統20側から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電力を各蓄電池装置110に出力する。
【0026】
蓄電池PCS120は、通信線を介して各蓄電池装置110のBMSとの通信を行うことにより、各蓄電池装置110を制御するとともに、蓄電池装置110のそれぞれから測定データを取得する。また、蓄電池PCS120は、蓄電池装置110で測定を行って得た測定データを取得する。蓄電池PCS120は、通信線を介して蓄電池制御装置130との通信を行うことにより、蓄電池制御装置130からコマンドを受信したり、測定データを蓄電池制御装置130に送信したりする。このような蓄電池装置110に関する測定データを蓄電池測定データと呼ぶ。
【0027】
蓄電池制御装置130は、蓄電池設備100(特に、蓄電池PCS120)を制御する装置である。蓄電池制御装置130は、蓄電池PCS120を介して各蓄電池装置110を制御する装置とみなすこともできる。蓄電池制御装置130は、蓄電池測定データを蓄電池PCS120から取得し、ルータ310又は無線通信装置140を介して蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信する。
【0028】
蓄電池制御装置130は、ユーザインターフェイスを有する、いわゆるリモコン装置であってもよい。蓄電池制御装置130は、ユーザに情報を通知したり、ユーザからの入力操作を受け付けたりする。蓄電池制御装置130は、ユーザからの入力操作に応じて蓄電池設備100(特に、蓄電池PCS120)を制御する。
【0029】
無線通信装置140は、ネットワーク30に含まれるWWANとの無線通信を行う装置である。無線通信装置140は、蓄電池制御装置130とは別体に構成されており、通信線を介して蓄電池制御装置130に接続されている。別体に構成されるとは、無線通信装置140は、電気的(もしくは通信的)には蓄電池制御装置130と接続されており、物理的には接続されていないことをいう。
【0030】
無線通信装置140とWWANとの無線通信は、セルラ通信方式に準拠したものであってもよいし、LPWA方式に準拠したものであってもよい。無線通信装置140を蓄電池制御装置130に電気的に接続することにより、ネットワーク30との通信機能を蓄電池制御装置130に付与することができる。
【0031】
太陽電池設備200は、太陽電池装置210と、太陽電池PCS220とを有する。
【0032】
太陽電池装置210は、受光に応じて発電を行う装置である。太陽電池装置210は、発電された直流電力を太陽電池PCS220に出力する。太陽電池装置210の発電量は、太陽電池装置210に照射される日射量に応じて変化する。
【0033】
太陽電池PCS220は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置である。太陽電池PCS220は、太陽電池装置210から入力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する。
【0034】
太陽電池PCS220は、ルータ310を介してEMS機器12との通信を行うことにより、太陽電池設備200に関する太陽電池測定データをEMS機器12に送信する。太陽電池測定データは、太陽電池装置210に関する測定データであって、太陽電池PCS220が測定するデータである。
【0035】
太陽電池PCS220は、太陽電池測定データをEMS機器12に送信することに加えて、太陽電池測定データを蓄電池制御装置130に送信してもよい。このような場合、蓄電池制御装置130は、太陽電池測定データを太陽電池PCS220から取得し、ルータ310又は無線通信装置140を介して、蓄電池測定データとともに太陽電池測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信してもよい。
【0036】
負荷機器320は、電力線を介して供給される電力を消費する装置である。例えば、負荷機器320は、冷蔵庫、照明、エアコン、及び/又はテレビなどの装置を含む。負荷機器320は、単数の装置であってもよく、複数の装置を含んでもよい。
【0037】
測定機器330は、電力系統20から施設10への電力の流れである順潮流と、施設10から電力系統20への電力の流れである逆潮流とに対する測定を行う装置である。この測定は、電流、電圧、及び電力のうち少なくとも1つの測定を含む。測定機器330は、信号線を介して測定データをEMS機器12に送信する。
【0038】
EMS機器12は、太陽電池設備200及び負荷機器320を制御する装置である。EMS機器12は、太陽電池設備200からの太陽電池測定データ及び測定機器330からの測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信する。
【0039】
図2に示す施設10の構成例において、蓄電池設備100は、太陽電池設備200とこの太陽電池設備200を制御するEMS機器12とが設置されていた施設10に、後から設置されたものであってもよい。このような設置シナリオにおいて、蓄電池設備100は、太陽電池設備200が出力する電力を蓄積し、蓄積した電力を負荷機器320に供給してもよい。
【0040】
但し、図2に示す施設10の構成は一例であって、他の構成を想定してもよい。例えば、施設10は、複数の太陽電池設備200と、複数のEMS機器12とを有していてもよい。各EMS機器12は、1以上の太陽電池設備200を管理する。各EMS機器12は、自機器の配下にある太陽電池設備200の太陽電池測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信してもよい。
【0041】
また、施設10は、複数の蓄電池設備100を有していてもよい。複数の蓄電池設備100は、EMS機器12の配下にある第1蓄電池設備と、EMS機器12の配下にない第2蓄電池設備とを含んでもよい。このような設置シナリオにおいて、EMS機器12が第1蓄電池設備の蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信するとともに、第2蓄電池設備が第2蓄電池設備の蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に周期的に送信してもよい。
【0042】
(サーバ装置)
次に、遠隔監視サーバ400について説明する。図3は、一実施形態に係る遠隔監視サーバ400の構成を示す図である。
【0043】
図3に示すように、遠隔監視サーバ400は、通信部401と、記憶部402と、処理部403とを有する。
【0044】
通信部401は、送受信機を含んで構成されており、ネットワーク30と接続され、ネットワーク30を介して各施設10及び各端末装置500との通信を行う。通信部401は、各施設10で測定された測定データを周期的に受信し、受信した測定データを処理部403に出力する。
【0045】
また、通信部401は、端末装置500からネットワーク30を介してデータ要求を受信すると、受信したデータ要求を処理部403に出力する。この場合、通信部401は、処理部403の制御下で、データ要求に対応する測定データをこの端末装置500に送信する。
【0046】
記憶部402は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及び補助記憶装置を含んで構成されており、各種のデータ及び情報を記憶する。また、記憶部402は、処理部403により実行されるプログラムを記憶する。
【0047】
処理部403は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成されており、通信部401及び記憶部402を制御する。処理部403は、通信部401が受信した測定データを記憶及び蓄積するように記憶部402を制御する。処理部403は、端末装置500からのデータ要求を通信部401が受信すると、このデータ要求を行った端末装置500に対して、通信部401を介して測定データを送信する。
【0048】
処理部403は、記憶部402に記憶されたプログラムを実行することにより、データ管理部403a、関連付け処理部403b、登録処理部403c、表示処理部403d、及び解除処理部403eの各機能部を構成する。
【0049】
データ管理部403aは、記憶部402に記憶されるデータベース(DB)を管理する。例えば、データ管理部403aは、遠隔監視対象の各機器に関する機器情報DBと、各機器からの測定データを含む測定データDBと、ユーザに関するユーザ情報DBとを管理する。
【0050】
図4は、一実施形態に係る機器情報DBを示す図である。
【0051】
図4に示すように、機器情報DBは、遠隔監視対象の機器ごとに、機器ID(機器識別子)と、パスワードと、機器種別と、設置場所とを含む。
【0052】
機器IDは、機器に固有の機器識別子である。パスワードは、関連付け処理部403bによる関連付け処理がなされる前に利用される認証情報である。この関連付け処理がなされる前においては、ユーザは、機器ID及びパスワードを用いて遠隔監視サーバ400(遠隔監視サービス)へのログイン処理を行う。この場合、遠隔監視対象の機器の測定データを含む監視画面が機器別に提供されることになる。このため、ユーザが監視したい機器が複数存在する場合、機器毎にログイン処理を行い、機器別の監視画面を切り替えながら遠隔監視を行うことになる。
【0053】
機器種別は、機器の種別を示す情報である。図4において、機器種別として、EMS機器12及び蓄電池設備100の2種類を例示している。EMS機器12の配下に太陽電池設備200があることを想定しているため、図4において「EMS(太陽電池設備)」と表記している。
【0054】
設置場所は、機器が設置された場所を示す識別子である。
【0055】
図5は、一実施形態に係る測定データDBを示す図である。
【0056】
図5に示すように、測定データDBは、遠隔監視対象の機器ごとに、測定データ種別とデータ値とのセットを複数含む。
【0057】
図5に示す例において、機器ID「xxxx1」乃至「xxxx3」はEMS機器12に対応しており、測定データ種別として、発電電力([kW])、発電量([kWh])、順潮流電力([kW])、及び逆潮流電力([kW])を例示している。
【0058】
一方、機器ID「yyyy1」乃至「yyyy3」は蓄電池設備100に対応しており、測定データ種別として、充電電力([kW])、放電電力([kW])、及び蓄電残量([%])を例示している。
【0059】
図6は、一実施形態に係るユーザ情報DBを示す図である。
【0060】
図6に示すように、ユーザ情報DBは、ユーザごとに、ユーザIDとパスワードとを含む。
【0061】
ユーザIDは、遠隔監視対象の機器のユーザに固有のユーザ識別子である。ユーザIDは、関連付け処理部403bによりユーザに割り当てられる。
【0062】
パスワードは、関連付け処理部403bによる関連付け処理がなされた後に利用される認証情報である。
【0063】
関連付け処理部403b、登録処理部403c、表示処理部403d、及び解除処理部403eは、データ管理部403aにより管理されるDBを用いた処理を行う。
【0064】
第1に、関連付け処理部403bは、遠隔監視対象の機器ごとに、機器に固有の機器IDをユーザに固有のユーザIDと関連付ける。
【0065】
例えば、関連付け処理部403bは、ユーザが1つの機器について機器ID及びパスワードを用いて遠隔監視サーバ400(遠隔監視サービス)へのログイン処理を行った後、別の機器の機器ID及びパスワードを用いて関連付け操作を行った場合、このユーザにユーザID及びパスワードを割り当てる。また、関連付け処理部403bは、当該1つの機器の機器ID及び当該別の機器の機器IDをこのユーザIDと関連付ける。
【0066】
関連付け処理部403bによる関連付け処理がなされた後は、ユーザは、ユーザID及びパスワードを用いて遠隔監視サーバ400(遠隔監視サービス)へのログイン処理を行うことができる。このため、関連付け処理は、機器単位のアカウントをユーザ単位のアカウントに統合する処理とみなすことができる。
【0067】
第2に、登録処理部403cは、特定ユーザのユーザIDと関連付けられた2以上の機器の組み合わせが特定ユーザにより選択された場合、当該2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録する。例えば、登録処理部403cは、関連付け処理部403bによる関連付け処理が行われた後、1つのユーザIDと関連付けられた複数の機器IDの中から選択された機器IDの組み合わせを登録する。
【0068】
登録処理部403cによる登録処理が行われた後は、ユーザは、登録された機器(機器ID)の組み合わせを1つの監視画面上で監視可能になる。このため、登録処理部403cによる登録処理は、機器別の監視画面を1つの監視画面に統合する処理とみなすことができる。
【0069】
登録処理部403cによる登録処理において、監視画面上で優先的に表示する主機器と、主機器以外の従機器とを登録可能である。登録処理部403cは、2以上の機器の組み合わせとして分散電源及びEMS機器の組み合わせが選択されている場合、分散電源及びEMS機器のうち主機器としてEMS機器を登録してもよい。登録処理部403cは、2以上の機器の組み合わせとして第1EMS機器及び第2EMS機器の組み合わせがユーザにより選択された場合、第1EMS機器及び第2EMS機器のうちユーザにより選択されたEMS機器を主機器として登録してもよい。以下において、主機器をメイン、従機器をメンバーとそれぞれ呼ぶことがある。
【0070】
図7は、一実施形態に係る関連付け処理部403bによる関連付け処理例及び登録処理部403cによる登録処理例を示す図である。
【0071】
図7に示すように、関連付け処理部403bは、ユーザ操作に基づいて、機器ID「xxxx1」のEMS機器12と、機器ID「xxxx2」のEMS機器12と、機器ID「yyyy1」の蓄電池設備100とを、ユーザID「abcd」と関連付ける。ここで、機器ID「xxxx1」のEMS機器12の設置場所は「施設A」であり、機器ID「xxxx2」のEMS機器12の設置場所は「施設B」であり、機器ID「yyyy1」の蓄電池設備100の設置場所は「施設A」である。その結果、関連付け処理部403bは、ユーザID「abcd」と、パスワード「efgh」と、機器ID「xxxx1」と、機器ID「xxxx2」と、機器ID「yyyy1」とを含む関連付け情報を生成し、生成した関連付け情報を記憶部402に記憶させる。
【0072】
そして、登録処理部403cは、ユーザ操作に基づいて、関連付け情報に含まれる複数の機器IDの中から、同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして機器ID「xxxx1」と機器ID「yyyy1」との組み合わせを登録する。その結果、登録処理部403cは、ユーザID「abcd」と、機器ID「xxxx1」と機器ID「yyyy1」とを含む表示機器情報を生成し、生成した表示機器情報を記憶部402に記憶させる。
【0073】
この表示機器情報が生成された後は、ユーザID「abcd」のユーザが遠隔監視サーバ400へのログイン処理を行うと、機器ID「xxxx1」のEMS機器12から取得される測定データと機器ID「yyyy1」の蓄電池設備100から取得される測定データとを同一監視画面上で纏めて確認可能である。
【0074】
図8は、一実施形態に係る登録処理部403cによる登録処理の際に端末装置500に表示される表示画面例を示す図である。
【0075】
図8に示すように、登録処理時の表示画面は、関連付け情報に含まれる機器IDごとに、メイン及びメンバーのいずれかを選択するための表示オブジェクト601(チェックボックス)と、機器の設置場所を示す表示オブジェクト602と、機器の外観及び機器IDを示す表示オブジェクト602とを含む。ここでは、機器ID「xxxx1」のEMS機器12がメインとして選択され、機器ID「yyyy1」の蓄電池設備100がメンバーとして選択されている。
【0076】
このような選択状態でユーザが「統合する」ボタン604を選択すると、登録処理部403cは、機器ID「xxxx1」のEMS機器12をメイン、機器ID「yyyy1」の蓄電池設備100をメンバーとして、これらの機器の組み合わせを登録する。すなわち、登録処理部403cは、図7に示すような表示機器情報を生成する。
【0077】
第3に、表示処理部403dは、登録処理部403cにより登録された2以上の機器のそれぞれから取得される測定データを示す監視画面を特定ユーザの端末装置500に表示する。具体的には、表示処理部403dは、データ管理部403aにより管理されている測定データDB(図5参照)と、登録処理部403cにより生成された表示機器情報(図7参照)に含まれる機器IDの組み合わせとに基づいて、対応する各機器の測定データを同一監視画面上で表示する。
【0078】
図9は、一実施形態に係る表示処理部403dが端末装置500に表示させる監視画面に含まれる測定データ例を示す図である。
【0079】
図9に示すように、表示処理部403dは、登録処理部403cにより生成された表示機器情報(図7参照)に含まれる機器IDの組み合わせである機器ID「xxxx1」及び機器ID「yyyy1」に基づいて、データ管理部403aにより管理されている測定データDB(図5参照)から、機器ID「xxxx1」に対応する測定データ及び機器ID「yyyy1」に対応する測定データを抽出し、抽出した測定データを同一監視画面上で表示する。
【0080】
表示処理部403dは、基本的には、登録処理部403cにより登録された2以上の機器のそれぞれから取得される測定データを監視画面上で表示する。登録された2以上の機器から取得される測定データは、第1分散電源についての第1測定データと、第2分散電源についての第2測定データとを含む。例えば、第1分散電源は、蓄電池設備100及び太陽電池設備200(EMS機器12)のいずれかであり、第2分散電源は、蓄電池設備100及び太陽電池設備200(EMS機器12)のいずれかである。
【0081】
表示処理部403dは、登録処理部403cにより登録された2以上の機器の組み合わせに応じて、次の(a)乃至(c)の各ケースの処理を行う。
【0082】
(a)第1分散電源と第2分散電源とが互いに異なる分散電源であって、且つ、第1分散電源と第2分散電源とが互いに異なる分散電源種別に属するケース(ケース1):
この場合(ケース1)、表示処理部403dは、第1分散電源についての第1測定データと、第2分散電源についての第2測定データとのそれぞれを、同一監視画面上で表示する。例えば、図7乃至図9に示したように、EMS機器12(太陽電池設備200)と蓄電池設備100との組み合わせが登録処理部403cにより登録された場合、太陽電池設備200の測定データと蓄電池設備100の測定データとを同一監視画面上で表示する。
【0083】
(b)第1分散電源と第2分散電源とが互いに異なる分散電源であって、且つ、第1分散電源と第2分散電源とが同一の分散電源種別に属するケース(ケース2):
この場合(ケース2)、表示処理部403dは、第1分散電源についての第1測定データと、第2分散電源についての第2測定データとを合算した合算データを監視画面上で表示する。具体的には、表示処理部403dは、第1測定データ及び第2測定データを測定データ種別ごとに合算して監視画面上で表示する。このような合算を行うか否かをユーザが選択可能であってもよい。
【0084】
図10は、ケース2の一例を示す図である。図10において、蓄電池設備100が2つ存在する一例を示している。一方の蓄電池設備100A及び他方の蓄電池設備100Bは、同一の施設10に設けられてもよいし、互いに異なる施設10(例えば図1に示す施設10a及び10b)に設けられてもよい。
【0085】
図10に示すように、EMS機器12(太陽電池設備200)と蓄電池設備100Bとの組み合わせが登録処理部403cにより登録され、且つ、EMS機器12の配下には蓄電池設備100Aがある。遠隔監視サーバ400は、太陽電池設備200の太陽電池測定データ及び蓄電池設備100Aの蓄電池測定データAをEMS機器12から受信するとともに、蓄電池設備100Bの蓄電池測定データBを蓄電池設備100Bから受信する。遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、太陽電池設備200の太陽電池測定データを端末装置500の監視画面に表示させるとともに、蓄電池測定データA+B(測定データ種別ごとの合算値)を端末装置500の監視画面に表示させる。
【0086】
図11は、ケース2の他の例を示す図である。図11において、太陽電池設備200及びEMS機器12のセットが2つ存在する一例を示している。太陽電池設備200AとEMS機器12Aとからなる一方のセット、及び、太陽電池設備200BとEMS機器12Bとからなる他方のセットは、同一の施設10に設けられてもよいし、互いに異なる施設10(例えば図1に示す施設10a及び10b)に設けられてもよい。
【0087】
図11に示すように、EMS機器12A(太陽電池設備200A)とEMS機器12B(太陽電池設備200B)との組み合わせが登録処理部403cにより登録されている。遠隔監視サーバ400は、太陽電池設備200Aの太陽電池測定データAをEMS機器12Aから受信するとともに、太陽電池設備200Bの太陽電池測定データBをEMS機器12Bから受信する。遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、太陽電池測定データA+B(測定データ種別ごとの合算値)を端末装置500の監視画面に表示させる。
【0088】
(c)第1分散電源と第2分散電源とが同一の分散電源であるケース(ケース3):
このようなケースとして、1つの分散電源が2つのEMS機器12の配下にあり、2つのEMS機器12のそれぞれが同一の分散電源の測定データを遠隔監視サーバ400に送信するケースがある(図12参照)。或いは、蓄電池設備100の蓄電池制御装置130がEMS機器12と同様な機能を有しており、この蓄電池制御装置130が太陽電池設備200の測定データを遠隔監視サーバ400に送信するとともに、この太陽電池設備200の測定データをEMS機器12が遠隔監視サーバ400に送信するケースがある(図13参照)。或いは、蓄電池制御装置130がEMS機器12及び遠隔監視サーバ400の両方に測定データを送信し、このEMS機器12が測定データを遠隔監視サーバ400に転送するケースがある(図14参照)。
【0089】
この場合(ケース3)、表示処理部403dは、第1分散電源についての第1測定データと、第2分散電源についての第2測定データとのうち、いずれか一方の測定データを監視画面上で表示せずに、他方の測定データを監視画面上で表示する。すなわち、表示処理部403dは、重複する測定データ(重複する測定データ種別)のうち一方を排除する処理を行う。
【0090】
例えば、表示処理部403dは、第1分散電源と第2分散電源とが同一の分散電源であって、且つ、主機器としてEMS機器が登録されている場合、分散電源から取得される測定データを監視画面上で表示せずに、EMS機器から取得される測定データを監視画面上で表示してもよい。
【0091】
表示処理部403dは、第1分散電源と第2分散電源とが同一の分散電源であって、且つ、主機器として第1EMS機器が登録されている場合、第2EMS機器から取得される測定データを監視画面上で表示せずに、第1EMS機器から取得される測定データを監視画面上で表示してもよい。
【0092】
図12は、ケース3の一例を示す図である。図12に示すように、2つのEMS機器12(12A及び12B)の組み合わせが登録処理部403cにより登録されており、EMS機器12A及び12Bの配下に同一の太陽電池設備200がある。太陽電池設備200は、太陽電池測定データをEMS機器12A及び12Bに送信し、EMS機器12A及び12Bのそれぞれは、この太陽電池測定データを遠隔監視サーバ400に転送する。遠隔監視サーバ400は、太陽電池設備200の太陽電池測定データをEMS機器12A及び12Bの両方から受信する。遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、重複して受信する太陽電池測定データ(重複する測定データ種別)のうち、主機器として登録された方のEMS機器12(12A又は12B)からの蓄電池測定データを監視画面上で表示する。ここでは分散電源が太陽電池設備200である一例について説明したが、太陽電池設備200に代えて、蓄電池設備100がEMS機器12A及び12Bの配下にあってもよい。
【0093】
図13は、ケース3の他の例を示す図である。図13に示すように、EMS機器12(太陽電池設備200)と蓄電池設備100との組み合わせが登録処理部403cにより登録されており、EMS機器12及び蓄電池設備100のそれぞれが太陽電池測定データを遠隔監視サーバ400に転送する。遠隔監視サーバ400は、太陽電池設備200の太陽電池測定データをEMS機器12及び蓄電池設備100の両方から受信する。遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、重複して受信する太陽電池測定データ(重複する測定データ種別)のうち、主機器として登録されたEMS機器12からの蓄電池測定データを監視画面上で表示する。或いは、蓄電池設備100が主機器として登録されている場合、遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、重複して受信する太陽電池測定データ(重複する測定データ種別)のうち、主機器として登録された蓄電池設備100からの蓄電池測定データを監視画面上で表示する。
【0094】
図14は、ケース3のさらに他の例を示す図である。図14に示すように、EMS機器12と蓄電池設備100との組み合わせが登録処理部403cにより登録されており、蓄電池設備100が蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に送信するとともに、EMS機器12が蓄電池測定データを遠隔監視サーバ400に転送する。遠隔監視サーバ400は、蓄電池設備100の蓄電池測定データをEMS機器12A及び蓄電池設備100の両方から受信する。遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、重複して受信する蓄電池測定データ(重複する測定データ種別)のうち、主機器として登録されたEMS機器12からの蓄電池測定データを監視画面上で表示する。或いは、蓄電池設備100が主機器として登録されている場合、遠隔監視サーバ400(表示処理部403d)は、重複して受信する太陽電池測定データ(重複する測定データ種別)のうち、主機器として登録された蓄電池設備100からの蓄電池測定データを監視画面上で表示する。
【0095】
このように、遠隔監視サーバ400において、関連付け処理部403bは、遠隔監視対象の機器ごとに、機器に固有の機器IDをユーザに固有のユーザIDと関連付ける。登録処理部403cは、特定ユーザのユーザIDと関連付けられた2以上の機器の組み合わせが特定ユーザにより選択された場合、当該2以上の機器の組み合わせを同一の監視画面上で表示する機器の組み合わせとして登録する。これにより、複数の分散電源を1ユーザが使用するような場合において、ユーザが複数の分散電源の電力状況を一度に確認することが可能になるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0096】
解除処理部403eは、ユーザ操作に基づいて、登録処理部403cによる表示機器登録及び関連付け処理部403bによるアカウント統合を解除する処理を行う。
【0097】
例えば、解除処理部403eは、登録処理部403cによる2以上の機器の組み合わせの登録の解除がユーザにより選択された場合、この登録を解除する。登録が解除された場合、表示処理部403dは、1つのユーザIDと関連付けられた2以上の機器のそれぞれから取得される測定データを互いに異なる監視画面上で表示することになる。図15は、一実施形態に係る解除処理部403eによる解除処理の際に端末装置500に表示される表示画面例を示す図である。図15に示すように、「解除する」ボタン605をユーザが選択した場合、解除処理部403eは、登録処理部403cによる2以上の機器の組み合わせの登録を解除する。
【0098】
また、解除処理部403eは、ユーザIDと機器IDとの関連付けの解除がユーザにより選択された場合、この関連付けを解除する。関連付けが解除された場合、ユーザは、遠隔監視サーバ400へのログイン処理を機器ごとに行うことになる。
【0099】
(動作シーケンス例)
次に、電力管理システム1における動作シーケンス例について説明する。図16は、一実施形態に係る電力管理システム1における動作シーケンスを示す図である。ここでは、登録処理部403cによる登録処理が完了していると仮定する。
【0100】
図16に示すように、ステップS0において、端末装置500は、ユーザID及びパスワードを遠隔監視サーバ400に送信し、遠隔監視サーバ400へのログイン処理を行う。ログアウト操作がされるまでログイン状態が維持されてもよい。
【0101】
ステップS1乃至S8において、遠隔監視サーバ400の通信部401は、施設10で得られた測定データを施設10から受信する。遠隔監視サーバ400のデータ管理部403aは、通信部401が測定データを受信する度に、受信した測定データで測定データDB(図5参照)を更新する。
【0102】
ステップS11において、遠隔監視サーバ400の処理部403は、端末装置500から通信部401を介してデータ要求を受け付ける。
【0103】
ステップS12において、遠隔監視サーバ400の処理部403は、データ要求を行った端末装置500のユーザのユーザIDに基づいて、このユーザIDについて登録処理部403cが登録した各機器の測定データを端末装置500に送信する。端末装置500は、各機器の測定データを含む監視画面を表示する。
【0104】
(その他の実施形態)
上述した実施形態において、各装置間の通信として所定プロトコルに準拠する所定メッセージの通信を行ってもよい。所定プロトコルは、例えば、ECHONET Lite(登録商標)方式、SEP2.0、KNX、Open ADR(Automatic Demand Response)等である。
【0105】
蓄電池制御装置130が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0106】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0107】
なお、2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。一実施形態に係るサーバ装置及び管理方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、及び「11.「住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16