(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026592
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法、制御装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G05B19/05 D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000219
(22)【出願日】2023-01-04
(62)【分割の表示】P 2018018220の分割
【原出願日】2018-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】君島 和彦
(57)【要約】
【課題】制御対象機器をより容易に追加することができる制御システム、制御方法、制御装置及び表示装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の制御システムは、1以上の制御対象機器と、1以上のセンサと、制御装置と、表示装置と、を持つ。1以上のセンサは、前記制御対象機器の制御に必要な情報を取得する。制御装置は、PLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成され、1以上の前記制御対象機器と1以上の前記センサとに接続される。前記制御装置は、前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置から取得される情報に基づいて、1以上の前記制御対象機器のフィードバック制御を並列で実行する。表示装置は、プログラマブル表示器を用いて構成され、前記制御装置に接続される。前記表示装置は、前記制御装置から取得される情報に基づいて、前記制御対象機器の制御に関する情報を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の制御対象機器と、
前記制御対象機器の制御に必要な情報を取得する1以上のセンサと、
PLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成され、1以上の前記制御対象機器と1以上の前記センサとに接続された制御装置と、
プログラマブル表示器を用いて構成され、前記制御装置に接続された表示装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置から取得される情報に基づいて、1以上の前記制御対象機器のフィードバック制御を並列で実行し、
前記表示装置は、前記制御装置から取得される情報に基づいて、前記制御対象機器の制御に関する情報を表示する、
制御システム。
【請求項2】
前記制御装置、前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置において取得された情報を記憶するレジスタと、
前記レジスタに対して前記情報の入出力を行う入出力部と、
をさらに備え、
前記入出力部は、前記レジスタが有する記憶領域のうち前記情報の種別に応じた記憶領域に前記情報を記憶させ、前記情報の種別に応じた記憶領域から前記情報を取得する、 請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記情報の種別と前記情報の種別に応じた記憶領域との対応関係を示すレジスタ情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記入出力部は、前記レジスタに対して入出力する対象の情報について、前記情報の種別に応じた記憶領域を前記レジスタ情報に基づいて識別する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記情報の種別に対応づけられた画面定義情報を予め記憶し、取得された情報と、前記情報の種別に応じた画面定義情報とに基づいて前記制御対象機器の制御に関する情報を表示する画面を生成する、
請求項2又は3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記表示装置は、1以上の前記制御対象機器に共通の前記画面定義情報を予め記憶し、取得された情報と、前記情報の種別に応じた画面定義情報と、表示対象の制御対象機器の識別情報と、に基づいて前記制御対象機器の制御に関する情報を表示する画面を生成する、
請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
1以上の制御対象機器と、
前記制御対象機器の制御に必要な情報を取得する1以上のセンサと、
PLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成され、1以上の前記制御対象機器と1以上の前記センサとに接続された制御装置と、
プログラマブル表示器を用いて構成され、前記制御装置に接続された表示装置と、
を備える制御システムが、
前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置から取得される情報に基づいて、1以上の前記制御対象機器のフィードバック制御を前記制御装置によって並列で実行し、
前記制御装置から取得される情報に基づいて、前記表示装置に前記制御対象機器の制御に関する情報を表示させる、
制御方法。
【請求項7】
PLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成された制御装置であって、
プログラマブル表示器を用いて構成され、前記制御装置から取得される情報に基づいて制御対象機器の制御に関する情報を表示する表示装置と、前記制御対象機器の制御に必要な情報を取得する1以上のセンサと、1以上の前記制御対象機器とに接続され、
前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置から取得される情報に基づいて、1以上の前記制御対象機器のフィードバック制御を並列で実行する、
制御装置。
【請求項8】
プログラマブル表示器を用いて構成された表示装置であって、
PLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成され、1以上の制御対象機器と前記制御対象機器の制御に必要な情報を取得する1以上のセンサとに接続され、前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置から取得される情報に基づいて、1以上の前記制御対象機器のフィードバック制御を並列で実行する制御装置に接続され、
前記制御装置から取得される情報に基づいて、前記制御対象機器の制御に関する情報を表示する、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御システム、制御方法、制御装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の制御システムは、制御対象機器をフィードバック制御する制御対象機器ごとのワンループコントローラ(以下「コントローラ」という。)と、その制御に関する表示を行う集合表示灯などの表示部と、制御の目的に応じた警報機能を実現する警報設定器と、各種物理量の計測及び表示を行う指示計と、を備え、これらの各機器の間の入出力をPLC(Programmable Logic Controller)等のハードウェアで実現する構成が一般的であった。しかしながら従来の構成では、制御対象機器の追加時において、これらの各機器やPLC等のハードウェアの改造が必要となることや、制御対象機器ごとにコントローラを増設する必要があるなどの理由により、多くの追加コストが必要となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5508078号公報
【特許文献2】特許第5155228号公報
【特許文献3】特許第5295464号公報
【特許文献4】特許第4823885号公報
【特許文献5】特許第3832619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、制御対象機器をより容易に追加することができる制御システム、制御方法、制御装置及び表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の制御システムは、1以上の制御対象機器と、1以上のセンサと、制御装置と、表示装置と、を持つ。1以上のセンサは、前記制御対象機器の制御に必要な情報を取得する。制御装置は、PLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成され、1以上の前記制御対象機器と1以上の前記センサとに接続される。前記制御装置は、前記センサ、前記制御対象機器又は前記表示装置から取得される情報に基づいて、1以上の前記制御対象機器のフィードバック制御を並列で実行する。表示装置は、プログラマブル表示器を用いて構成され、前記制御装置に接続される。前記表示装置は、前記制御装置から取得される情報に基づいて、前記制御対象機器の制御に関する情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態の制御システム100のシステム構成の具体例を示す図。
【
図2】本実施形態の制御装置2の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図3】本実施形態の表示装置3の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図4】本実施形態におけるレジスタ情報の具体例を示す図。
【
図5】本実施形態における画面定義情報の具体例を示す図。
【
図6】本実施形態におけるプロセス情報画面の第1の具体例を示す図。
【
図7】本実施形態におけるプロセス情報画面の第2の具体例を示す図。
【
図8】本実施形態の制御システム100において、表示装置3が各センサ1から取得される計測情報と、制御対象機器4の制御状態を示す情報とをプロセス情報としてプロセス情報画面を表示する処理の流れを示すシーケンス図。
【
図9】本実施形態の制御システム100において、表示装置3に入力された制御目標値を制御対象機器4に反映させる処理の流れを示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の制御システム、制御方法、制御装置及び表示装置を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本実施形態の制御システム100のシステム構成の具体例を示す図である。制御システム100は、制御対象プロセスPの制御又は監視を実現するシステムである。具体的には、制御システム100は、1以上のセンサ1と、制御装置2と、表示装置3とを備える。
図1は1以上のセンサ1の一例としてセンサ1-1~1-3を示す。各センサ1は、制御対象プロセスPの制御に必要な物理量を計測する。各センサ1は同じ物理量を計測するものであってもよいし、異なる物理量を計測するものであってもよい。
【0009】
制御装置2は、各センサ1の計測結果に基づいて制御対象プロセスPを制御する。具体的には、制御対象プロセスPは、1以上の制御対象機器4の動作によって実現される。
図1は、1以上の制御対象機器4の一例として制御対象機器4-1~4-3を示す。制御装置2は、各制御対象機器4の動作を制御することによって制御対象プロセスPの制御を実現する。制御装置2は、各センサ1の計測結果に基づいて各制御対象機器4の動作を制御する。
【0010】
表示装置3は、制御対象プロセスPの制御に関する各種情報(以下「プロセス情報」という。)を表示する機能を有する。表示装置3において表示されるプロセス情報は、制御対象プロセスPの制御に関するものであればどのような情報であってもよい。例えば、表示装置3は、プロセス情報の一例として各センサ1の計測情報を表示する。この場合、表示装置3は、制御装置2を介して各センサ1の計測情報を取得する。
【0011】
また、表示装置3は、制御装置2に対してプロセス情報を提供する機能を有する。制御装置2に提供されるプロセス情報は、制御対象プロセスPの制御に関するものであればどのような情報であってもよい。例えば、表示装置3は、プロセス情報の一例として、各制御対象機器4のフィードバック制御における制御量の目標値(以下「制御目標値」という。)を示す情報を提供する。この場合、表示装置3は、自装置に対する制御目標値の入力を受け付け、入力された情報を制御装置2に提供する。
【0012】
なお、制御対象プロセスPの一例として水処理プラント等における送水プロセスが挙げられる。送水プロセスは、各種の貯水槽間で水を送るプロセスである。以下では、本実施形態の制御システム100について、この送水プロセスを適宜例にとり説明するが、本実施形態の制御システム100の制御対象プロセスはこれに限定されるものではない。制御対象プロセスは、1以上の制御対象機器の制御によって実現可能なプロセスであれば、送水プロセス以外のどのようなプロセスであってもよい。
【0013】
図2は、本実施形態の制御装置2の機能構成の具体例を示すブロック図である。制御装置2は、バスで接続されたプロセッサやメモリなどを備えたPLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成され、プログラムを実行する。制御装置2は、プログラムの実行によって第1通信部21、第2通信部22、第3通信部23、レジスタ24、記憶部25、レジスタ入出力部26及び機器制御部27を備える装置として機能する。
【0014】
第1通信部21、第2通信部22及び第3通信部23は、各種の通信インタフェースを用いて構成される。各通信部の通信インタフェースは、通信相手となる機器の通信規格に対応したものであればどのような通信インタフェースであってもよい。また、通信インタフェースの通信規格は、イーサネット(登録商標)やRS-232C等の汎用的な通信規格であってもよいし、産業用途向けに規格化されたものであってもよい。
【0015】
ここで、第1通信部21は表示装置3との通信に用いられ、第2通信部22は各センサ1との通信に用いられる。また、第3通信部23は各制御対象機器4との通信に用いられる。第2通信部22及び第3通信部23は、通信相手となるセンサ1-1~1-3又は制御対象機器4-1~4-3ごとに異なる通信インタフェースを備えてもよい。
【0016】
レジスタ24は、データを一時的に記憶させておくことが可能な記憶回路である。一般に、レジスタは、主記憶装置や補助記憶装置として用いられるRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の汎用的なメモリよりも高速にデータを入出力することが可能である。レジスタ24には、制御対象機器4の制御に関する各種情報が記憶される。例えば、レジスタ24には、各センサ1の計測情報や、表示装置3から通知される制御目標値、各制御対象機器4との間でやり取りされる制御情報が記憶される。
【0017】
記憶部25は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部25はレジスタ情報を予め記憶している。レジスタ情報は、レジスタ24に記憶される情報の種別と、各種別の情報が記憶されるレジスタ24の各記憶領域との対応関係を示す情報である。具体的には、レジスタ情報は、レジスタ24が有する各記憶領域のアドレス情報と、レジスタ24に記憶される情報の種別との対応関係として表される。以下では、ある種別の情報に対応づけられたレジスタ24の記憶領域を、その情報の「対応領域」という。
【0018】
レジスタ入出力部26は、レジスタ24に対するデータの入出力を行う。具体的には、レジスタ24に情報を記憶させる場合、レジスタ入出力部26は、その情報の対応領域をレジスタ情報に基づいて識別し、識別した対応領域にその情報を記憶させる。また、レジスタ24から所定の情報を取得する場合、レジスタ入出力部26は、その情報の対応領域をレジスタ情報に基づいて識別し、識別した対応領域からその情報を取得する。
【0019】
機器制御部27は、各制御対象機器4の動作を制御する機能を有する。具体的には、機器制御部27は、レジスタ入出力部26を介してレジスタ24から各センサ1の計測情報を取得し、取得した計測情報に基づいて各制御対象機器4に与える操作量を決定する。機器制御部27は、決定した操作量を示す制御情報を各制御対象機器4に送信することによって各制御対象機器4の動作を制御する。
【0020】
従来、水処理プラントにおける各制御対象機器4(例えばポンプ)の制御は、制御対象機器4ごとに設けられたワンループコントローラで実現されるのが一般的であった。機器制御部27は、このような制御対象機器4ごとに設けられていたワンループコントローラの制御機能を集約したものであり、従来と同様に、複数の制御対象機器4の制御を個別に、かつ高速に並列実行することができる。このような機能を有する機器制御部27は、制御装置2が高速な処理が可能なPLC等のハードウェアを用いて構成されることによって実現可能となる。
【0021】
図3は、本実施形態の表示装置3の機能構成の具体例を示すブロック図である。表示装置3は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。表示装置3は、プログラムの実行によって通信部31、記憶部32、表示部33、入力部34及び制御部35を備える装置として機能する。
【0022】
通信部31は、通信インタフェースを用いて構成される。通信インタフェースは、イーサネット(登録商標)やRS-232C等の汎用的な通信インタフェースであってもよいし、その他の通信インタフェースであってもよい。表示装置3は通信部31を介して制御装置2と通信する。
【0023】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、画面定義情報を予め記憶している。画面定義情報は、制御対象プロセスの制御に関する情報(以下「プロセス情報」という。)を表示する画面の生成に用いられる情報である。
【0024】
表示部33は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を用いて構成される。又は、表示部33は、これらの表示装置を自装置に接続する外部出力インタフェースを用いて構成されてもよい。
【0025】
入力部34は、マウスやキーボード等の入力装置を用いて構成される。又は、入力部34は、これらの入力装置を自装置に接続する外部入力インタフェースを用いて構成されてもよい。入力部34は、各制御対象機器4の操作や設定に関する情報の入力を受け付ける。入力部34は、これらの入力情報を制御部35に出力する。なお、表示部33がタッチパネル等の入力機能を有する表示装置を用いて構成される場合、入力部34は表示部33と一体に構成されてもよい。
【0026】
制御部35は、表示装置3をプログラマブル表示器として機能させるための各種処理を実行する機能部である。具体的には、制御部35は、表示部33にプロセス情報を表示させるための画面(以下「プロセス情報画面」という。)を生成する機能を有する。制御部35は、プロセス情報と画面定義情報とに基づいてプロセス情報画面を生成し、表示部33に表示させる。
【0027】
ここで、制御部35は、主に以下の2つの態様でプロセス情報を取得する。一態様では、制御部35は、通信部31を介して制御装置2と通信することにより、制御装置2からプロセス情報を取得する。この場合、例えば、制御部35は、各センサ1の計測情報をプロセス情報として取得する。また、一態様では、制御部35は、入力部34を介してプロセス情報を取得する。この場合、例えば、制御部35は、ユーザによって入力された各制御対象機器4の制御目標値をプロセス情報として取得する。
【0028】
また、制御部35は、制御装置2に対して各制御対象機器4の制御に必要な情報(プロセス情報の一部ということもできる)を提供する機能を有する。例えば、制御部35は、通信部31を介して制御装置2と通信することにより、制御装置2に対して上記の制御目標値を送信する。
【0029】
制御部35が実現する上記の各機能において、表示装置3と制御装置2との間におけるプロセス情報の送受信は、制御装置2のレジスタ24を介して行われる。具体的には、制御部35は、通信部31を介して制御装置2のレジスタ入出力部26と通信し、レジスタ入出力部26にレジスタ24に対するプロセス情報の入出力を要求する。レジスタ入出力部26は、この指示に応じて入出力の対象となる対応領域をレジスタ情報に基づいて識別する。
【0030】
表示装置3は、上記の各機能部を備えることにより、いわゆるプログラマブル表示器として機能する。一般に、プログラマブル表示器とは、情報の表示機能や入出力機能などを備え、ユーザが表示画面や入出力インタフェース等をカスタマイズすることができるように構成された装置である。一般に、このようなプログラマブル表示器は、各種のプラントにおいて制御対象プロセスの監視又は操作に用いられる。
【0031】
以上、本実施形態における制御装置2及び表示装置3の機能構成について説明したが、制御装置2及び表示装置3が有する各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0032】
図4は、本実施形態におけるレジスタ情報の具体例を示す図である。
図4は、レジスタ24において、アドレスD0000~D0127の範囲の連続領域がディジタル入力信号の対応領域(ディジタル入力信号エリア)に、アドレスD0128~D0639の範囲の連続領域がアナログ入力信号の対応領域(アナログ入力信号エリア)に、アドレスD0640~D0767の範囲の連続領域がパルス入力信号の対応領域(パルス入力信号エリア)に、アドレスD0768~D1023の範囲の連続領域がPID入力信号の対応領域(PID入力信号エリア)に、アドレスD2000~D2127の範囲の連続領域がディジタル出力信号の対応領域(ディジタル出力信号エリア)に、アドレスD2128~D2639の範囲の連続領域が設定値出力信号の対応領域(設定値出力信号エリア)に、アドレスD2640~D2767の範囲の連続領域がPID出力信号の対応領域(PID出力信号エリア)に、それぞれ割り当てられた例を示す(第1の対応領域)。
【0033】
さらに、
図4は、アナログ入力信号エリアにおいて、アドレスD0601~D0610の範囲の連続領域が、ポンプ1号機の現在の回転数を示す信号を記憶する対応領域に、設定値出力信号エリアにおいて、アドレスD2601~D2610の範囲の連続領域が、ポンプ1号機の回転数の設定値を示す信号の対応領域に、それぞれ割り当てられた例を示す(第2の対応領域)。このような第1又は第2の対応領域の割り当てを示す情報は、レジスタ情報として予めユーザによって登録される。
【0034】
一般に、レジスタを用いる場合、必ずしもどの領域に何の情報を記憶させるかを予め決定しておく必要はないが、その場合、どの領域に何の情報が記憶されているかを管理する仕組みが別途必要になる。汎用的な情報処理装置のオペレーティングシステムには、このような管理の仕組みを備えたものもあるが、そのような仕組みを備えた装置を導入又は構築し、かつ要求される制御性能を満たす制御システムを構築するには、ハードウェア及びソフトウェアの面で相応のコストがかかる。そのため、そのような管理の仕組みによらずレジスタを用いる場合、どの領域に何の情報を記憶させるかを予め決定しておくことが望ましい。
【0035】
この場合、記憶させる個々の情報ごとの記憶領域(第2の対応領域)をレジスタの先頭アドレスから順番に割り当てていくことも可能である。しかしながら、そのような割り当て方では、システムに対する機器の追加又は削除を繰り返すうちに、記憶領域の管理や設計が煩雑になっていきメンテナンス性が低下していく。本実施形態では、個々の情報ごとに割り当てられる第2の対応領域に加え、記憶される情報の大まかな種別や用途などの単位で第2の対応領域よりも大きな第1の対応領域が予め決定される。このような第1の対応領域が予め決定されることにより、ユーザは追加又は削除する機器に対応する第1の対応領域についてのみレジスタ情報をメンテナンスすればよくなるため、上記のようなメンテナンス性の低下を抑制することができる。
【0036】
図5は、本実施形態における画面定義情報の具体例を示す図である。例えば、画面定義情報には、
図5に示す第1の画面定義情報と第2の画面定義情報とが含まれる。
図5(A)及び
図5(B)は第1の画面定義情報の具体例を示す。第1の画面定義情報は、プロセス情報画面の雛形となる画面(以下「テンプレート画面」という。)を示す情報である。テンプレート画面は、プロセス情報画面全体の雛形であってもよいし、プロセス情報画面の一部分の雛形であってもよい。
図5(A)及び
図5(B)は、プロセス情報画面の一部分の雛形となるテンプレート画面T1及びT2の具体例を示す。
【0037】
図5(A)に示すテンプレート画面T1は、ポンプの現在の回転数を表示するためのテンプレート画面である。テンプレート画面T1は、第1の表示領域T11、第2の表示領域T12及び第3の表示領域T13を有する。各表示領域T11~T13には、表示対象に関するプロセス情報が表示される。例えば、第1の表示領域T11には表示対象のポンプの識別情報が表示される。また、第2の表示領域T12には当該ポンプの現在の回転数が表示される。また、第3の表示領域T13には当該ポンプの最大回転数に対する現在の回転数の比率(%)が図示される。
【0038】
図5(B)に示すテンプレート画面T2は、ポンプの回転数の設定値を表示するためのテンプレート画面である。テンプレート画面T2は、第1の表示領域T21、第2の表示領域T22及び第3の表示領域T23を有する。各表示領域T21~T23には、表示対象に関するプロセス情報が表示される。例えば、第1の表示領域T21には表示対象のポンプの識別情報が表示される。また、第2の表示領域T22には当該ポンプの回転数の設定値が表示される。また、第3の表示領域T23には当該ポンプの最大回転数に対する設定値の比率(%)が図示される。
【0039】
図5(C)は第2の画面定義情報の具体例を示す。第2の画面定義情報は、表示対象のプロセス情報と、そのプロセス情報を表示するためのテンプレート画面及びその表示領域との対応関係を示す情報である。
図5(C)は、“ポンプ1号機の現在の回転数”を表示するためのテンプレート画面がテンプレート画面T1であり、その表示領域が表示領域T11であることを表している。また、
図5(C)は、“ポンプ1号機の回転数の設定値”を表示するためのテンプレート画面がテンプレート画面T2であり、その表示領域が表示領域T21であることを表している。
【0040】
表示装置3の制御部35は、取得したプロセス情報と、
図5に示すような画面定義情報とに基づいてプロセス情報画面を生成する。
【0041】
図6は、本実施形態におけるプロセス情報画面の第1の具体例を示す図である。例えば、
図6に示すプロセス情報画面S1は、ポンプ1号機、ポンプ2号機及びポンプ3号機の3基のポンプの現在の回転数、及び各ポンプの回転数の設定をプロセス情報として示すプロセス情報画面の例である。このプロセス情報画面S1は、表示装置3の制御部35が、各ポンプの現在の回転数を示すサブ画面S11、S12及びS13と、各ポンプの回転数の設定値を示すサブ画面S14、S15及びS16と、をそれぞれ生成し、生成した各サブ画面を並べて配置することによって生成される。
【0042】
このようなプロセス情報画面S1は、例えば以下のような処理の流れで生成される。まず、プロセス情報画面S1に表示される各ポンプの現在の回転数が各センサ1によって計測される。各センサ1は、その計測情報を制御装置2送信する。続いて、制御装置2では、第2通信部22が各センサ1から送信された計測情報を受信し、受信した計測情報をレジスタ入出力部26に出力する。レジスタ入出力部26は、第2通信部22を介して取得された各センサ1の計測情報を、レジスタ24のそれぞれの対応領域に記憶させる。また、それぞれの対応領域に既に計測情報が記憶されている場合、レジスタ入出力部26は、既に記憶されている計測情報を新たに取得された計測情報で更新する。
【0043】
例えば、レジスタ情報が
図4のように登録されている場合、レジスタ入出力部26は、ポンプ1号機について取得された計測情報をアナログ入力エリアのアドレスD0601~D0610で参照される記憶領域に記憶させる。レジスタ入出力部26は、レジスタ24において各ポンプの現在の回転数を示す情報の登録又は更新が発生したことを表示装置3に通知する。表示装置3の制御部35は、この通知に応じて、制御装置2のレジスタ入出力部26に対して、登録又は更新された計測情報の提供を要求する。レジスタ入出力部26は、この要求に応じて各センサ1の計測情報を表示装置3に送信する。
【0044】
続いて、表示装置3の制御部35は、制御装置2から送信された各センサ1の計測情報を受信し、受信した計測情報を表示するプロセス情報画面の生成に用いるテンプレート画面を画面定義情報に基づいて識別するとともに、識別されたテンプレート画面に計測情報を表示させる領域を識別する。例えば、画面定義情報が
図5のように登録されている場合、制御部35はポンプ1号機の現在の回転数を表示するテンプレート画面としてテンプレート画面T1を識別し、計測情報を表示させる領域として表示領域T11を識別する。制御部35は、ポンプ1号機の識別情報がテンプレート画面T1の表示領域T11に、計測情報が示すポンプ1号機の現在の回転数が表示領域T11に、ポンプ1号機の最大回転数に対する現在の回転数の比率(%)が表示領域T13に、それぞれ表示されるようにテンプレート画面T1を編集することによってサブ画面S11を生成する。制御部35は、サブ画面S11と同様の方法で、他のサブ画面S12、S13、S14、S15及びS16をそれぞれ生成し、生成した各サブ画面を並べて配置することによってプロセス情報画面S1を生成する。
【0045】
図7は、本実施形態におけるプロセス情報画面の第2の具体例を示す図である。例えば、
図7に示すプロセス情報画面S2は、ユーザがポンプ1号機に対して制御モードの設定、運転操作及び吐出弁操作を行う際に用いるユーザインタフェースを提供するプロセス情報画面の例である。このプロセス情報画面S2は、表示装置3の制御部35が、ポンプ1号機に対する制御モードの設定、運転操作及び吐出弁操作においてユーザが選択可能な各種の操作メニューを示すサブ画面S21、S22及びS23をそれぞれ生成し、生成した各サブ画面を並べて配置することによって生成される。
【0046】
例えば、サブ画面S21には、ポンプ1号機の制御モードの設定に関する操作の入力を受け付けるユーザインタフェースが表示される。
図5は、ポンプ1号機に対して“自動”、“手動”、“連動”又は“単独”のいずれかの制御モードを指示するためのユーザインタフェースが表示された例である。
【0047】
また、例えば、サブ画面S22には、ポンプ1号機の運転に関する操作の入力を受け付けるユーザインタフェースが表示される。
図5は、ポンプ1号機に対して“運転”又は“停止”のいずれかを指示するためのユーザインタフェースが表示された例である。
【0048】
また、例えば、サブ画面S23には、ポンプ1号機の吐出弁に関する操作の入力を受け付けるユーザインタフェースが表示される。
図5は、ポンプ1号機に対して吐出弁の“開”動作、”停止”又は”閉”動作のいずれかを指示するためのユーザインタフェースが表示された例である。
【0049】
このようなプロセス情報画面S2も、上述のプロセス情報画面S1と同様に、制御部35が、予め記憶部32に記憶されているテンプレート画面(図示せず)を編集することによって生成される。この場合、テンプレート画面を示す第1の画面定義情報と、表示対象(この場合ポンプ1号機)と、その表示対象について表示するテンプレート画面の種別と、各テンプレート画面内に表示するメニューとの対応関係を示す第2の画面定義情報とが画面定義情報として予め記憶部32に記憶されている。制御部35は、これらの画面定義情報に基づいてサブ画面S21、S22及びS23をそれぞれ生成し、生成したサブ画面を並べて配置することによってプロセス情報画面S2を生成する。
【0050】
また、この場合、制御部35は、このように生成したプロセス情報画面S2を用いて入力された情報を制御装置2に提供する。上述のとおり、この情報の提供は制御装置2のレジスタ24を介して行われる。例えば、プロセス情報画面S2に対する入力情報は、
図4に示す設定値出力信号エリアに記憶される。制御装置2のレジスタ入出力部26は、レジスタ24の設定値出力信号エリアにおける情報の登録又は更新の発生に応じて、設定値出力信号エリアに記憶した情報を読み出し、読み出した情報を機器制御部27に出力する。機器制御部27は、レジスタ入出力部26から出力された情報に基づいて制御情報を生成し、生成した制御情報を対応する制御対象機器4(この場合ポンプ1号機)に送信する。このような動作により、表示装置3に対して入力されたユーザの操作が制御対象機器4の動作に反映される。
【0051】
図8は、本実施形態の制御システム100において、表示装置3が各センサ1から取得される計測情報と、制御対象機器4の制御状態を示す情報(以下「状態情報」という。)とをプロセス情報としてプロセス情報画面を表示する処理の流れを示すシーケンス図である。まず、各センサ1が制御装置2に対して計測情報を送信する(ステップS101)とともに、各制御対象機器4が制御装置2に対して状態情報を送信する(ステップS102)。制御装置2は、各センサ1から送信された計測情報を受信する(ステップS103)とともに、各制御対象機器4から送信された状態情報を受信する(ステップS104)。
【0052】
続いて、制御装置2において、レジスタ入出力部26が、受信された計測情報及び状態情報をレジスタ24に記憶させる処理(入力処理)を実行する(ステップS105)。この入力処理の実行により、レジスタ入出力部26はレジスタ24のそれぞれの対応領域に計測情報及び状態情報を記憶させる。例えば、レジスタ入出力部26は、計測情報をレジスタ24のディジタル入力信号エリアに記憶させ、状態情報をPID出力信号エリアに記憶させる。レジスタ入出力部26は、ディジタル入力信号エリア及びPID出力信号エリアにおいて、情報の登録又は更新が発生したことを表示装置3に通知する(ステップS1051)。この通知に応じて、表示装置3の制御部35は、ディジタル入力信号エリア及びPID出力信号エリアに記憶された情報の提供を制御装置2に要求する(ステップS1052)。
【0053】
ここで、制御部35は、必ずしも第1の対応領域の単位で情報を要求する必要はない。例えば、制御装置2から第2の対応領域の単位で登録又は更新の通知がなされる場合、制御部35は通知された第2の対応領域について情報を要求してもよい。
【0054】
続いて、制御装置2のレジスタ入出力部26は、表示装置3の要求に応じて、ディジタル入力信号エリア及びPID出力信号エリアに記憶された情報、すなわち計測情報及び状態情報を表示装置3に送信する(ステップS106)。
【0055】
続いて、表示装置3において、制御部35が制御装置2から送信された計測情報及び状態情報を受信する(ステップS107)。制御部35は、受信された計測情報及び状態情報と、表示装置3に予め記憶されている画面定義情報とに基づいてプロセス情報画面を生成する(ステップS108)。制御部35は、生成したプロセス情報画面を表示部33に表示させる(ステップS109)。
【0056】
図9は、本実施形態の制御システム100において、表示装置3に入力された制御目標値を制御対象機器4に反映させる処理の流れを示すシーケンス図である。制御対象機器4がポンプである場合、制御目標値は例えばポンプの回転数の設定値である。まず、表示装置3において、制御部35が制御目標値の入力を受け付けるための入力画面を表示する(ステップS201)。この入力画面は、
図6や
図7に示したプロセス情報画面と同様の方法で生成される。制御部35は、入力画面に対して入力された入力情報を入力部34を介して取得し、取得した入力情報を制御装置2に送信する(ステップS202)。制御装置2は、表示装置3から送信された入力情報を受信する(ステップS203)。
【0057】
続いて、制御装置2において、レジスタ入出力部26が、受信された入力情報をレジスタ24に記憶させる処理(入力処理)を実行する(ステップS204)。この入力処理の実行により、レジスタ入出力部26はレジスタ24の対応領域に入力情報を記憶させる。例えば、レジスタ入出力部26は、入力情報をレジスタ24のPID入力信号エリアに記憶させる。レジスタ入出力部26は、PID出力信号エリアにおいて情報の登録又は更新が発生したことに応じて、PID入力信号エリアに記憶された情報を機器制御部27に出力する。
【0058】
続いて、機器制御部27が、レジスタ入出力部26から出力された入力情報に基づいて、入力情報が示す制御目標値を制御対象機器4に指示するための制御情報を生成する(ステップS205)。機器制御部27は、生成した制御情報を制御対象機器4に送信する(ステップS206)。制御対象機器4は、制御装置2から送信された制御情報を受信する(ステップS207)。制御対象機器4は、受信した制御情報が示す制御目標値を自身の動作に反映させる(ステップS208)。
【0059】
このように構成された本実施形態の制御システム100では、制御装置2と表示装置3とが、情報の種別ごとに、その情報を記憶する領域が予め定められたレジスタ24を介して情報の送受信を行う。このような構成により、本実施形態の制御システム100において、制御対象機器をより容易に追加することが可能となる。以下、本実施形態の制御システム100において得られる効果について、従来の制御システムの構成例を示しながら詳細に説明する。
【0060】
図10は、従来の制御システムの構成例を示す図である。
図10に示すように、従来の制御システム90は、制御対象機器91ごとに1つのワンループコントローラ92(シングルループコントローラともいう)を備え、各ワンループコントローラ92がそれぞれに対応する制御対象機器91を制御する構成が一般的であった。例えば、
図10に示す従来例の制御システム90は、2つの制御対象機器91を有し、2つの制御対象機器91ごとにそれぞれ1つのワンループコントローラ92を備える。各ワンループコントローラ92には、制御対象機器91の状態を計測するセンサ93や、センサ93の計測値や計測値から得られる物理量等を示す指示計94、センサ93の出力に応じて警報動作を行う警報設定器95などが接続される。また、センサ93の出力がパルス信号である場合には、出力されたパルス信号を計数するパルスカウンタ96がワンループコントローラ92に接続される場合もある。
【0061】
また、このような従来構成の制御システム90は、制御対象機器91の制御に関する情報を報知する手段として集合表示灯などの表示器97を備え、表示器97の動作を制御する手段としてPLC等により構成された制御部98を備えているのが一般的であった。
【0062】
このような従来構成の制御システム90において制御対象機器の追加が必要になった場合、追加する制御対象機器を制御するためのワンループコントローラや、それに接続する警報器、指示計、センサなどの機器を新たに用意する必要があった。さらに、制御対象機器を追加する際には、用意した各機器の配線や接続、設定等の作業が必要になる。特に、集合表示灯などの表示器を追加機器に対応させるためには、既存の表示器やPLC等のハードウェアの改造を必要とする場合もあり、このような作業は機器追加時の大きな負荷となっていた。
【0063】
これに対して、本実施形態の制御システム100は、従来、制御対象機器ごとに設けられていたワンループコントローラに代えて、複数の制御対象機器のフィードバック制御を並列で実行可能な制御装置2を備える。そのため、本実施形態の制御システム100では、制御対象機器を新たに追加する場合に、追加する制御対象機器ごとのワンループコントローラを新たに用意する必要がない。
【0064】
また、本実施形態の制御システム100は、各制御対象機器4に関する各種情報の表示をソフトウェア処理によって行う表示装置3を備える。さらに、本実施形態の制御システム100では、表示装置3と制御装置2との間の各種情報の送受信がレジスタ24を介して行われる。そして、レジスタ24において、各種情報は、情報の種別に応じて予め定められた対応領域に記憶される。このような構成によれば、制御対象機器の追加時においては、レジスタ情報に追加機器を登録するだけでよいため、従来、表示器やPLC等にハードウェアの改造が必要であったのに比べて、追加機器の導入をより容易に行うことが可能となる。
【0065】
また、各種情報の表示がソフトウェア処理によって実現されるため、従来、各制御対象機器に設けられた表示器(いわゆるタグ)等の表示を仮想的に再現して表示装置3に表示させることも可能となる。そのため、ユーザは、各装置のタグを目視することなく、表示装置3の表示を目視することで各制御対象機器の状態を一元的に把握することが可能となる。
【0066】
また、従来のプログラマブル表示器では、表示対象の制御対象機器ごとのプロセス情報画面を表示する場合には、同様の制御対象機器についても機器ごとの画面テンプレートを予め生成しておく必要があった。これに対して、本実施形態の表示装置3は、同様の制御対象機器については、各機器に個別の値を共通のテンプレート画面に埋め込むことで、1つのテンプレート画面で複数の制御対象機器のプロセス情報画面を生成することができる。そのため、制御対象機器の追加時にかかる負荷を低減することができる。
【0067】
以上のような効果を奏するため、本実施形態の制御システム100では、より容易に制御対象機器を追加することが可能となる。
【0068】
(変形例)
なお、上記の実施形態では、制御装置2がレジスタ情報を記憶する例を説明したが、レジスタ情報は必ずしも制御装置2のみに記憶されている必要はない。例えば、レジスタ情報は、制御装置2と表示装置3との両方に分散して記憶されてもよい。具体的には、制御装置2が、各センサ1及び各制御対象機器4との間での情報の送受信に必要なレジスタ情報を記憶し、表示装置3が、制御装置2との間での情報の送受信に必要なレジスタ情報を記憶するように構成されてもよい。この場合、各種情報の対応領域の識別を表示装置3の制御部35が行い、制御装置2のレジスタ入出力部26は制御部35が指定するアドレスの記憶領域に対してデータを入出力するように構成されてもよい。
【0069】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、PLCを用いて構成され、1以上の制御対象機器4と1以上のセンサ1とに接続された制御装置2と、プログラマブル表示器を用いて構成され、制御装置2に接続された表示装置3と、を持ち、制御装置2が、センサ1、制御対象機器4又は表示装置3から取得される情報に基づいて、1以上の制御対象機器4のフィードバック制御を並列で実行し、表示装置3が、制御装置2から取得される情報に基づいて、制御対象機器4の制御に関する情報を表示することにより、制御システム100における制御対象機器4の追加をより容易に実現することができる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
100…制御システム、1,1-1~1-3…センサ、2…制御装置、21…第1通信部、22…第2通信部、23…第3通信部、24…レジスタ、25…記憶部、26…レジスタ入出力部、27…機器制御部、3…表示装置、31…通信部、32…記憶部、33…表示部、34…入力部、35…制御部、4,4-1~4-3…制御対象機器、90…従来の制御システム、91…制御対象機器、92…ワンループコントローラ、93…センサ、94…指示計、95…警報器、96…パルスカウンタ、97…表示器、98…制御部