(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026668
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】空気調和機の室内ユニット
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20230216BHJP
F24F 1/0007 20190101ALI20230216BHJP
F24F 1/0022 20190101ALI20230216BHJP
【FI】
F24F1/0007 401B
F24F1/0007 401C
F24F1/0007
F24F1/0022
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001065
(22)【出願日】2023-01-06
(62)【分割の表示】P 2021508512の分割
【原出願日】2019-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横関 誠
(72)【発明者】
【氏名】吉武 伸哲
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 英樹
(72)【発明者】
【氏名】我科 賢二
(57)【要約】
【課題】送風装置の送風性能の向上を図るとともに、室内ユニットの薄型化による施工性の向上を図ることが可能な空気調和機を得る。
【解決手段】空気調和機の室内ユニットは、ユニット本体と天井パネルを備える。天井パネルは、パネル本体と吸込グリルを備えるとともに、天井パネルの吹出口よりも吸込口側寄りに最下部が位置し、第1の傾斜部と、第1の傾斜部とは反対側へ傾斜し、吸込グリルの全体を含む第2の傾斜部とを有する。吸込グリルは、室内空間の空気を吸い込み可能な格子形態をなす吸込部と、吸込部の長手方向の両外側に配置されて室内空間の空気が吸込み不能なダミー部と、ダミー部に設けられ、パネル本体に吸込グリルを固定するための固定機構とを有する。ダミー部の下面および固定機構の下面は、吸込部の格子形態と同様の格子形態をなす。固定機構は、固定位置と取外し位置の間で吸込グリルの長手方向にスライドする。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井空間に設置され、熱交換器および送風装置を筐体に収容してなるユニット本体と、
室内空間の空気を吸い込む吸込口および温調した空気を一方向に吹き出す吹出口がそれぞれ配置され、前記ユニット本体の下部を覆う天井パネルと、を備え、
前記天井パネルは、前記吸込口および前記吹出口をそれぞれ有するパネル本体と、前記吸込口を覆う吸込グリルと、を備えるとともに、前記天井パネルの前記吹出口よりも前記吸込口側寄りに当該天井パネルの最下部が位置し、前記最下部を基端に前記吹出口の配置側へ先端まで上向きに傾斜する第1の傾斜部と、前記最下部を基端に前記吹出口の配置側とは反対側へ先端まで上向きに傾斜し、前記吸込グリルの全体を含む第2の傾斜部と、を有し、
前記吸込グリルは、前記室内空間の空気を吸い込み可能な格子形態をなす吸込部と、前記吸込部の長手方向の両外側に配置されて前記室内空間の空気が吸込み不能なダミー部と、前記ダミー部に設けられ、前記パネル本体に前記吸込グリルを固定するための固定機構と、を有し、
前記ダミー部の下面および前記固定機構の下面は、前記吸込部の前記格子形態と同様の格子形態をなしており、
前記固定機構は、固定位置と取外し位置の間で前記吸込グリルの長手方向にスライドする
空気調和装置の室内ユニット。
【請求項2】
前記固定機構は、前記パネル本体に設けられる固定用台座と、前記吸込グリルに設けられ前記固定用台座と係合する固定部材とからなり、前記固定部材が、前記吸込グリルの長手方向にスライドする
請求項1に記載の空気調和装置の室内ユニット。
【請求項3】
前記固定部材は、前記取外し位置では、前記固定部材に一端が前記吸込グリルの短手方向の外側面から突出し、前記固定位置では前記外側面と面一になる
請求項2に記載の空気調和装置の室内ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、天井設置型の空気調和機の室内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
天井設置型の空気調和機は、建屋の天井空間に設置された室内ユニットと、室内ユニットの下端に取り付けられた天井パネルとを備えている。室内ユニットの筐体内部は、熱交換室と送風室とに仕切られている。熱交換室には、冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換器が配置されている。送風室には、送風装置が配置されている。送風装置は、ファンモータ、ファンユニットを備えている。ファンユニットは、ファンモータで回転されるファンと、ファンを取り囲むファンケースを備えている。天井パネルは、天井面に沿うような形態で空調すべき室内に露出されているとともに、天井パネルの外郭を規定する縁部が天井面に接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0829133号公報
【特許文献2】実開昭59-152308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送風装置の送風性能の向上を図るための方策として、例えばファンケースを大型化し、ファンから熱交換器への送風量を増大させることが挙げられる。これに対し、室内ユニットの施工性の向上を図るための方策として、例えば筐体の高さを低くし、天井空間の設置スペースを小さくすることが挙げられる。
【0005】
しかしながら、これらの方策は相反する関係にあり、双方を両立させることは容易でない。このため、従来においては、例えば天井パネルが厚くならないように、ファンケースを筐体の枠内に収めるか、筐体枠からの出っ張り代を最小限に止めるような設計がなされてきた。したがって、ファンケースが大型化された分だけ、筐体も大型化されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、送風装置の送風性能の向上を図るとともに、室内ユニットの薄型化による施工性の向上を図ることが可能な空気調和機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、空気調和機の室内ユニットは、天井空間に設置され、熱交換器および送風装置を筐体に収容してなるユニット本体と、室内空間の空気を吸い込む吸込口および温調した空気を一方向に吹き出す吹出口がそれぞれ配置され、ユニット本体の下部を覆う天井パネルとを備えている。天井パネルは、吸込口および吹出口をそれぞれ有するパネル本体と、吸込口を覆う吸込グリルとを備えるとともに、天井パネルの吹出口よりも吸込口側寄りに当該天井パネルの最下部が位置し、該最下部を基端に吹出口の配置側へ先端まで上向きに傾斜する第1の傾斜部と、前記最下部を基端に吹出口の配置側とは反対側へ先端まで上向きに傾斜し、前記吸込グリルの全体を含む第2の傾斜部とを有する。吸込グリルは、室内空間の空気を吸い込み可能な格子形態をなす吸込部と、吸込部の長手方向の両外側に配置されて室内空間の空気が吸込み不能なダミー部と、ダミー部に設けられ、パネル本体に吸込グリルを固定するための固定機構とを有する。ダミー部の下面および固定機構の下面は、吸込部の格子形態と同様の格子形態をなしている。固定機構は、固定位置と取外し位置の間で吸込グリルの長手方向にスライドする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットを分解して示す斜視図である。
【
図3】第1の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの断面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットを室内側から見た平面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの吸込グリルを開放するとともに、遮蔽板を外した状態を室内側から見た平面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの吸込グリル開いた状態の一例を示す斜視図である。
【
図7】
図4の矢印A41部分における仮固定機構の断面を矢印方向に示す図である。
【
図8】固定ピースが取り付け位置にある状態で、
図4の矢印A42部分における固定機構の断面を矢印方向に示す図である。
【
図9】固定ピースが取り付け位置にある状態で、
図4の矢印A43部分における固定機構の断面を矢印方向に示す図である。
【
図10】固定ピースが取り付け位置にある状態で、
図4の矢印A44部分における固定機構の断面を矢印方向に示す図である。
【
図11】固定ピースが取り外し位置にある状態で、
図4の矢印A42部分における固定機構の断面を矢印方向に示す図である。
【
図12】固定ピースが取り外し位置にある状態で、
図4の矢印A43部分における固定機構の断面を矢印方向に示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、
図1から
図12を参照して説明する。
【0010】
図1は、空気調和機の室内ユニットの斜視図、
図2は、ユニット本体と天井パネルとを互いに分離した状態を示す斜視図である。
図3は、室内ユニットの断面図である。
図4は、室内ユニットを室内側から見た平面図である。
図5は、後述する吸込グリルを開くとともに、遮蔽板を外した状態で室内ユニットを室内側から見た平面図である。
【0011】
図1から
図5に示すように、空気調和機の室内ユニット1は、天井空間に設置されるユニット本体2と、ユニット本体2の下部をカバーする天井パネル3とを備えている。天井空間は、例えば建屋の天井裏の梁と天井板との間に規定された空間である。
【0012】
ユニット本体2は、下向きに開口した四角い偏平な箱形の要素であって、例えば四本の吊りボルト4を介して天井裏の梁などから吊り下げられている。
【0013】
図2に示すように、ユニット本体2は、筐体5を備えている。筐体5は、奥行き寸法D、幅寸法W、および厚さ寸法Hを有している。筐体5の奥行き寸法Dは、幅寸法Wよりも小さい。筐体5の厚さ寸法Hは、奥行き寸法Dおよび幅寸法Wよりも十分に小さい。筐体5は、例えば板金材のような薄肉の金属板で構成され、ユニット本体2の外郭を規定している。筐体5は、天板6、第1の側板7、第2の側板8、第3の側板9、および第4の側板10を備えている。
【0014】
天板6は、水平方向へ四辺形状に広がっている。第1の側板7および第2の側板8は、天板6の短辺から垂下し、筐体5の幅方向に間隔をあけて対向している。第3の側板9および第4の側板10は、天板6の長辺から垂下し、筐体5の奥行き方向に間隔をあけて対向している。これらの側板7,8,9,10は、天板6を取り囲むように連結されている。
【0015】
第1の側板7および第2の側板8には、吊り金具11が固定されている。吊り金具11は、第1の側板7もしくは第2の側板8から筐体5の幅方向に張り出している。吊り金具11には、吊りボルト4の下端部が連結されている。吊りボルト4に螺合されたナット(図示省略)の位置を調整することで、ユニット本体2の天井からの出っ張り高さが調整される。
【0016】
図2および
図3に示すように、筐体5は、天板6、第1の側板7、第2の側板8、第3の側板9、および第4の側板10で規定される収容部12を有している。収容部12は、筐体5の幅方向に延びた仕切り板13によって熱交換室14と送風室15の二室に区画されている。熱交換室14および送風室15は、筐体5の奥行き方向に並んでいる。
【0017】
図3に示すように、熱交換室14には、熱交換器16およびドレンパン17が収容されている。熱交換室14に面した天板6および第3の側板9の内面は、例えば発泡スチロールのような断熱材18で覆われている。同様に、熱交換室14に面した第2の側板8の内面は、他の断熱材(図示省略)で覆われている。熱交換室14の第1の側板7に隣接した端部には、機械室(図示省略)が形成されている。機械室は、熱交換室14から隔てられた独立した室であり、例えばドレンポンプ、冷媒分配器、複数の冷媒配管のような各種の冷凍サイクル機器(いずれも図示省略)が収容されている。
【0018】
熱交換器16は、複数の放熱フィン19および冷媒が流れる複数本の伝熱管20を備えている。熱交換器16は、筐体5の第2の側板8と機械室との間に跨って、筐体5の幅方向に延びている。ドレンパン17は、例えば発泡スチロールのような断熱材で構成されている。ドレンパン17は、熱交換器16から滴下する水滴を受け止めるように熱交換器16を下方から支えるとともに、断熱材18および他の断熱材と協働して熱交換器16を取り囲んでいる。
【0019】
図2、
図3、
図5に示すように、送風室15には、送風装置21が収容されている。送風装置21は、ファンモータ22、第1のファンユニット23、第2のファンユニット24を備えている。
ファンモータ22は、モータハウジング25に支持された回転軸26を有している。回転軸26は、モータハウジング25の一端から水平に突出された第1の軸部26aと、モータハウジング25の他端から水平に突出された第2の軸部26bとを含んでいる。これらの軸部26a,26bは、互いに同軸状に配置されている。
【0020】
第1のファンユニット23および第2のファンユニット24は、ファンモータ22を挟んで対向するように、互いに間隔をあけて配置されている。第1のファンユニット23および第2のファンユニット24は、それぞれファン27およびファンケース28を有している。
【0021】
ファン27は、円筒状の多翼ファン(シロッコファン)として構成されている。第1のファンユニット23のファン27は、回転軸26の第1の軸部26aの先端部に同軸状に取り付けられている。第2のファンユニット24のファン27は、回転軸26の第2の軸部26bの先端部に同軸状に取り付けられている。
【0022】
ファンケース28は、吸気孔29およびノズル部30を有している。吸気孔29は、ファン27の軸方向に沿う両側で送風室15に開口されている。ノズル部30は、収容部12の仕切り板13を貫通し、熱交換室14に開口する吐出口31を有している。吐出口31は、筐体5の幅方向に沿う横長の四角い開口形状をなしている。また、第1のファンユニット23の吐出口31および第2のファンユニット24の吐出口31は、筐体5の幅方向に互いに間隔をあけて並んでいる。
【0023】
ファンケース28は、筐体5の下縁、具体的には第1から第4の側板7,8,9,10の下縁よりも下方に突出する突出部分32を有する。
【0024】
これらのファンユニット23,24のファン27が回転すると、送風室15内の空気が吸気孔29を通じてファン27の内側に吸い込まれる。ファン27に吸い込まれた空気は、ファン27の外周部からファンケース28の内部に吐出されるとともに、ノズル部30の吐出口31を通じて熱交換室14に吹き出される。
【0025】
天井パネル3は、ユニット本体2の下部を室内側からカバーする要素であって、図示しない天井に沿うような姿勢で配置されている。天井パネル3は、パネル本体33と、吸込グリル34とを備えている。パネル本体33および吸込グリル34は、例えば合成樹脂材料で形成されている。
【0026】
図1から
図5に示すように、パネル本体33は、天井に沿って、筐体5の奥行き寸法Dおよび幅寸法Wよりもいずれも大きな四辺形状の外郭をなし、筐体5の開口領域を覆っている。筐体5の開口領域は、第1の側板7、第2の側板8、第3の側板9、および第4の側板10のそれぞれの下端で囲まれた領域である。これにより、パネル本体33は、収容部12に収容されたドレンパン17、ファンモータ22およびファンケース28をカバーし、遮蔽している。
【0027】
パネル本体33は、吸込口35、吹出口36、および作業口37を有している。
吸込口35は、筐体5の幅方向に沿う横長の形状をなし、送風室15と対向するように配置されている。室内空間の空気は、ファン27が回転することにより、吸込口35から送風室15に吸い込まれる。
【0028】
吹出口36は、筐体5の幅方向に沿う横長の形状をなし、熱交換室14と対向するように配置されている。ファン27が回転することにより吐出口31を通じて熱交換室14に吹き出された空気は、熱交換器16で温調された後、吹出口36から室内に向けて吹き出される。本実施形態では、パネル本体33には吹出口36が一つだけ設けられており、吹出口36は、温調された空気を開口方向の一方向に吹き出す。
【0029】
吹出口36には、フラップ38が取り付けられている。フラップ38は、吹出口36から室内に向けて吹き出す空気の吹き出し方向を変化させる要素であって、パネル本体33に回動可能に支持されている。フラップ38は、外観上、パネル本体33および吸込グリル34と同一素材であるとともに、同一色であることが望ましい。フラップ38は、吹出口36に沿った細長い矩形状の平板であり、吹出口36を開閉するのに支障がないように、縦横寸法ともに吹出口36よりも若干小さい。ただし、フラップ38で吹出口36を閉塞した状態で、吹出口36とフラップ38との間に目立った隙間のないように、フラップ38は寸法設定されている。
【0030】
作業口37は、ユニット本体2の天井からの出っ張り高さを調整する際、吊りボルト4に下方からアクセスするための開口である。作業口37は、吸込口35および吹出口36の長手方向の両側にそれぞれ1つずつ、パネル本体33の四隅に配置されている。通常時、吸込口35の両脇に位置する作業口37aは、吸込グリル34で遮蔽され、吹出口36の両外側に位置する作業口37bは、遮蔽板39で遮蔽されている。遮蔽板39は、パネル本体33に着脱可能に取り付けられている。
【0031】
吸込グリル34は、吸込口35および作業口37aを覆うように、パネル本体33に着脱可能に取り付けられている。吸込グリル34は、吸込部40およびダミー部41を有している。吸込部40は、筐体5の幅方向に沿う横長で、室内空間の空気を吸い込み可能な格子状をなし、吸込口35と対向するように配置されている。ダミー部41は、吸込部40を挟むように、吸込部40の長手方向の両外側に1つずつ配置されている。ダミー部41は、室内空間の空気を吸い込み不能な板状体であるが、該板状体の下面は吸込部40と同様の格子形態をなしている。
【0032】
吸込部40は、長手方向に連続する横桟42aが所定間隔で並ぶとともにこれらの横桟42aと交差する縦桟42bにより形成される格子形態をなしている。これに対し、ダミー部41は、吸込部40の横桟42aに沿って長手方向に連続するとともに、吸込部40の横桟42aと同一間隔で並んだ横桟42cを有する格子形態をなしている。これにより、吸込部40およびダミー部41は、外観上、吸込部40の長手方向に沿って横桟42a,42cが同一間隔で並んだ同等の格子形態をなす。
【0033】
吸込部40の上面には、フィルタ43が取り外し可能に支持されている。フィルタ43は、吸込口35を覆うように吸込部40の長手方向に延在し、一例として2つに分割して構成されている。これらのフィルタ43は、第1のファンユニット23および第2のファンユニット24のファンケース28とそれぞれ対向している。フィルタ43には、吸込部40から吸い込まれる室内空間の空気をろ過するフィルタ要素(図示省略)が取り付けられている。
【0034】
吸込グリル34は、長手方向に沿った外側辺縁34aを支点にパネル本体33に対して回動し、吸込口35および作業口37aを開閉する。吸込グリル34には、パネル本体33の係合部33aと係合する係合片(図示省略)が設けられている。係合部33aは、吸込口35および作業口37aの外側周縁35a,37cに配置されている。係合片は、吸込グリル34の長手方向に沿った外側辺縁34aに配置されている。係合部33aと係合片が係合することで、
図6に示すように、吸込口35および作業口37aの開閉時、吸込グリル34は、パネル本体33に対してぶら下がった状態となる。
図6は、吸込グリル34が開いてぶら下がった状態の一例を示す斜視図である。
【0035】
この状態においては、
図5および
図6に示すように、作業口37aを室内側に露出させることができる。したがって、作業口37aを通して吊り金具11および吊りボルト4を目視することができる。これにより、作業口37aから吊りボルト4に螺合されたナット(図示省略)の位置を調整することで、ユニット本体2の天井からの出っ張り高さを調整できる。すなわち、例えば作業口37aをカバーする専用部品を追加することなく、吸込グリル34で作業口37aを遮蔽でき、吸込グリル34を開くだけで、ユニット本体2の出っ張り高さが調整可能となる。
【0036】
図2および
図4に示すように、吸込グリル34は、仮固定機構44を備えている。仮固定機構44は、吸込口35および作業口37aがそれぞれ遮蔽された状態となるように、パネル本体33に吸込グリル34を仮固定するための機構である。仮固定とは、パネル本体33に吸込グリル34を固定するまでの間、吸込グリル34の姿勢を保持して安定させることとして規定する。仮固定することにより、パネル本体33に対する吸込グリル34の固定作業が容易になる。
【0037】
図7には、仮固定機構44の構成を示す。
図7は、
図4の矢印A41部分における仮固定機構44の断面を矢印方向に示す図である。
図2、
図4および
図7に示すように、仮固定機構44は、仮掛けフック45および仮掛け爪46を有し、吸込グリル34の長手方向に沿った内側辺縁34bのほぼ中央部に配置されている。
【0038】
仮掛けフック45は、台座部45aと、腕部45bと、返し部45cとを含み、例えば合成樹脂材料で形成されている。台座部45aは、パネル本体33との固定部分であり、パネル本体33の上面側の固定部33bにねじ45dで位置決め固定されている。腕部45bは、台座部45aから垂下し、吸込部40において隣り合う横桟42a同士の隙間40aに差し込まれている。これにより、腕部45bは、台座部45aとの連結部位45eを起点に、隙間40aにおいて吸込部40の短手方向に撓み変形する片持ちばねの構造をなす。返し部45cは、腕部45bの先端に設けられ、腕部45bの撓み変形からの弾性復帰力で仮掛け爪46を引っ掛ける。返し部45cは、隙間40aからアクセス可能とされている。これにより、腕部45bに対し、弾性復帰力に抗して返し部45cから外力を作用可能となっている。
【0039】
仮掛け爪46は、隙間40aを規定する一方の横桟42aから返し部45cに向けて突出している。仮掛け爪46は、返し部45cに引っ掛かり、吸込グリル34をパネル本体33に対して支持する。吸込口35および作業口37aをそれぞれ遮蔽するように吸込グリル34を閉じると、仮掛け爪46が返し部45cに引っ掛かる。これにより、パネル本体33に吸込グリル34が仮固定される。なお、吸込口35および作業口37aをそれぞれ開口させるように吸込グリル34を開ける場合、返し部45cを仮掛け爪46から離す方向へ腕部45bを倒し、返し部45cと仮掛け爪46との引っ掛かりを解けばよい。
【0040】
図2および
図4に示すように、仮固定機構44に加えて、吸込グリル34は、固定機構47を備えている。固定機構47は、仮固定機構44で仮固定された吸込グリル34をパネル本体33に固定するための機構である。固定機構47によれば、吸込グリル34は、吸込口35および作業口37aをそれぞれ遮蔽した状態でパネル本体33に対して位置決め固定される。
【0041】
図8から
図12には、固定機構47の構成を示す。
図8および
図11は、
図4の矢印A42部分における固定機構47の断面を矢印方向に示す図である。
図9および
図12は、
図4の矢印A43部分における固定機構47の断面を矢印方向に示す図である。
図10は、
図4の矢印A44部分における固定機構47の断面を矢印方向に示す図である。
【0042】
図8から
図12に示すように、固定機構47は、仮固定機構44で仮固定された吸込グリル34をパネル本体33に固定するための機構である。固定機構47によれば、吸込グリル34は、吸込口35および作業口37aをそれぞれ遮蔽した状態でパネル本体33に対して位置決め固定される。固定機構47は、固定ピース48、ピース台座49および固定ねじ50を有し、ダミー部41に配置されている。
【0043】
固定ピース48は、第1片部48a、第2片部48b、第3片部48c、第4片部48d、および第5片部48eを含み、例えばダミー部41と同一の合成樹脂材で形成されている。固定ピース48は、吸込部40、ダミー部41、およびパネル本体33で囲まれた領域に嵌め込まれる。
【0044】
第1片部48aは、ダミー部41とほぼ面一の板状体であり、吸込グリル34の長手方向へダミー部41の幅寸法とほぼ同一寸法で延在している。第1片部48aは、ダミー部41と同様の格子形態をなしており、その下面部には、ダミー部41の横桟42cと同一間隔で、吸込部40の横桟42aと連続する横桟42dが設けられている。これにより、第1片部48aの外観形態は、吸込部40およびダミー部41とほぼ同化する。
【0045】
第2片部48bは、第1片部48aの一長辺縁から起立する板状体であり、長方形の開口形状をなすガイド孔48fを有している。ガイド孔48fには、ダミー部41から突出するガイド軸41bが挿抜可能に挿し込まれている。これにより、固定ピース48は、ダミー部41に対し、適切な姿勢で位置付けられるとともに、ガイド孔48fの一端から他端の間でスライド可能に位置付けられる。
【0046】
例えば、
図8に示すように、ガイド孔48fの一端48gとガイド軸41bとが接触する位置は、ダミー部41に対する固定ピース48の取り付け位置を規定する。取り付け位置において、第1片部48aおよび第2片部48bの端面は、吸込部40の当接面40bとそれぞれ接触している。なお、
図8、
図9、および
図10には、固定ピース48が取り付け位置にある状態をそれぞれ示す。これに対し、
図11に示すように、ガイド孔48fの他端48hとガイド軸41bとが接触する位置は、ダミー部41に対する固定ピース48の取り外し位置を規定する。取り外し位置において、第1片部48aおよび第2片部48bの端面は、吸込部40の当接面40bからいずれも離れている。なお、
図11および
図12には、固定ピース48が取り外し位置にある状態をそれぞれ示す。
【0047】
第3片部48cは、第2片部48bに連続する板状体である。第3片部48cは、第2片部48bの起立端からさらに起立して屈曲し、固定ピース48が取り付け位置にスライドする方向へ向けて延びている。
図11に示すように、第3片部48cと第2片部48bの起立端との間には、空隙48iが形成されている。すなわち、第3片部48cは、第2片部48bから鉤状に突出している。
【0048】
図10に示すように、第4片部48dは、第1片部48aに連続する板状体である。第4片部48dは、第1片部48aの一短辺縁から起立して屈曲し、固定ピース48が取り付け位置にスライドする方向へ向けて延びている。第4片部48dは、第1片部48aに対して凹状に上方へ連続している。これにより、第4片部48dの延出端部48jは、格子形態をなす吸込グリル34の外観化粧面よりも上方へ奥まって位置付けられる。外観化粧面は、ダミー部41の横桟42cや吸込部40の横桟42aによって構成されている。延出端部48jは、二股に分かれており、固定ピース48が取り付け位置にスライドすると、固定ねじ50のねじ軸50aを挟み込む。
【0049】
図6、
図8および
図11に示すように、第5片部48eは、第1片部48aおよび第2片部48bに壁状に連続する板状体である。第5片部48eは、固定ピース48が取り付け位置にスライドした状態で、吸込グリル34の短手方向に沿ったダミー部41の外側面41cとほぼ面一となる。
【0050】
図8から
図12に示すように、ピース台座49は、第1片部49a、第2片部49b、第3片部49c、第4片部49d、第5片部49e、第6片部49f、第7片部49g、第8片部49h、および第9片部49iを含み、例えば吸込部40と同一の合成樹脂材で形成されている。ピース台座49は、吸込部40に固定されている。
【0051】
第1片部49aは、固定ピース48の第3片部48cと係合する板状体であり、吸込グリル34の長手方向へ空隙48iに向けて延在している。
図8に示すように、固定ピース48が取り付け位置にスライドすると、第1片部49aは、空隙48iに差し込まれて固定ピース48の第3片部48cと係合する。これにより、固定ピース48が吸込部40に位置決めされる。すなわち、第1片部49aは、第2片部49bから第9片部49iにより構成されるピース台座49の本体部分から第3片部48cと係合可能な鉤状に突出している。これに対し、
図11に示すように、固定ピース48が取り外し位置にスライドすると、第1片部49aは、空隙48iから抜け出して固定ピース48の第3片部48cとの係合が解かれる。
【0052】
図8から
図12に示すように、第2片部49bは、空隙48iへの差込側とは反対側の第1片部49aの辺縁から起立する板状体である。第3片部49cは、第2片部49bの起立端から第1片部49aとほぼ平行に延出する板状体である。第4片部49dは、第3片部49cの延出端から垂下する板状体である。第5片部49eは、第1片部49aおよび第2片部49bに壁状に連続する板状体である。第6片部49fは、第2片部49b、第3片部49c、および第4片部49dにそれぞれ壁状に連続する板状体である。第7片部49gは、第4片部49dの延出端から第1片部49aとほぼ平行に延出する板状体である。第8片部49hは、第7片部49gの延出端から起立する板状体である。第9辺部iは、第7片部49gおよび第8片部49hに壁状に連続する板状体である。第7片部49g、第8片部49h、および第9片部49iは、吸込部40に対するピース台座49の固定部分である。
【0053】
図10に示すように、固定ねじ50は、固定ピース48をパネル本体33に固定する。具体的には、吸込部40に位置決めされた状態の固定ピース48の第4片部48dがパネル本体33の固定台座33cに固定ねじ50で固定される。固定ピース48が吸込部40に位置決めされた状態は、第1片部49aが空隙48iに差し込まれて固定ピース48の第3片部48cと係合し、第4片部48dの延出端部48jが固定ねじ50のねじ軸50aを挟み込んだ状態である。固定台座33cは、パネル本体33の吸込口35と作業口37aとを隔てる隔壁を構成する部分である。固定ねじ50を締め付けることで第4片部48dが固定台座33cに締結され、吸込グリル34は、固定ピース48を介してパネル本体33に位置決め固定される。逆に、固定ねじ50を緩めることで第4片部48dと固定台座33cとの締結が解かれ、
図11に示すように、固定ピース48を取り外し位置にスライドさせることが可能となる。
【0054】
したがって、パネル本体33の吸込口35および作業口37aを開閉させる際には、固定ねじ50を緩める必要がある。すなわち、固定ねじ50を緩める所定の工具を用いることなく、ユーザが筐体5のファンモータ22やファン27などに触れることを防止できる。また、固定ねじ50は、吸込部40の隙間40aからアクセス可能とされている。ただし、固定ねじ50の頭部50bは、格子形態をなす吸込グリル34の外観化粧面よりも上方へ奥まった位置に存在している。このため、ねじキャップなどの別部品を追加することなく、固定ねじ50の頭部50bを外観上目立たなくできる。
【0055】
図3に示すように、本実施形態において、天井パネル3は、第1の傾斜部51と、第2の傾斜部52とを有している。天井パネル3は、ファンケース28の突出部分32をカバーしている。
【0056】
第1の傾斜部51は、突出部分32の最下部32aを天井パネル3がカバーする部位(以下、カバー部位という)3aを基端に、吹出口36の配置側へ先端51aまで上向きに傾斜している。第1の傾斜部51は、パネル本体33の一部であるパネル傾斜部33dと、吸込グリル34の一部であるグリル第1部分34cとを、主な要素として含んで構成されている。加えて、第1の傾斜部51は、パネル本体33の一部であるパネル枠部33eおよびフラップ38も構成要素として含んでいる。パネル枠部33eは、吸込グリル34、フラップ38、および遮蔽板39がそれぞれ取り付けられるパネル本体33の枠部分である。また、グリル第1部分34cは、吸込部40およびダミー部41のそれぞれ一部分を含んで構成されている。
【0057】
第2の傾斜部52は、カバー部位3aを基端に吹出口36の配置側とは反対側へ先端52aまで上向きに傾斜している。すなわち、第2の傾斜部52は、カバー部位3aを境に第1の傾斜部51とは反対側へ傾斜している。第2の傾斜部52は、グリル第2部分34dを主な要素として含んで構成されている。加えて、第2の傾斜部52は、パネル枠部33eも構成要素として含んでいる。グリル第2部分34dは、吸込グリル34の全体のうち、第1の傾斜部51に含まれるグリル第1部分34cを除いた残りの部分である。グリル第2部分34dは、吸込部40およびダミー部41のうち、グリル第1部分34cの構成部分を除いた残りの部分を含んで構成されている。
【0058】
カバー部位3aは、天井パネル3の最下部に相当する。したがって、天井パネル3は、最下部であるカバー部位3aを境に、筐体5の奥行き方向の一方側が第1の傾斜部51によって、他方側が第2の傾斜部52によって、それぞれ外観上ほぼ平面的に構成される。第1の傾斜部51と第2の傾斜部52の水平面に対する傾斜角度は、ファンケース28の突出部分32の突出度合に応じて設定すればよい。これらの傾斜角度は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
天井パネル3をこのような構成とするべく、パネル本体33は、カバー部位3a挟んで吹出口36側にパネル傾斜部33dが配置されている。また、吸込グリル34は、グリル第1部分34cとグリル第2部分34dとに、カバー部位3aを境に屈曲した構造をなす。また、フィルタ43は、吸込グリル34と同様に、フィルタ第1部分43aとフィルタ第2部分43bとに、カバー部位3aでの支持部分43cを境に屈曲した構造をなす。
【0060】
図3および
図6に示すように、第1の傾斜部51の先端51aの垂直方向の厚みH51は、第2の傾斜部52の先端52aの厚みH52よりも薄い。第1の傾斜部51の先端51aは、パネル枠部33eの第1パネル枠部33fによって規定される。第1パネル枠部33fは、パネル枠部33eのうち、フラップ38および遮蔽板39の取り付け側に位置する長手部分である。第2の傾斜部52の先端52aは、パネル枠部33eの第2パネル枠部33gによって規定される。第2パネル枠部33gは、パネル枠部33eのうち、吸込グリル34の取り付け側に位置する長手部分である。すなわち、第1パネル枠部33fは、第2パネル枠部33gよりも扁平な形態をなしている。厚みH51と厚みH52の寸法比は、第1の傾斜部51と第2の傾斜部52の水平面に対する傾斜角度、換言すればファンケース28の突出部分32の突出度合に応じて設定すればよい。
【0061】
このように本実施形態によれば、第1の傾斜部51および第2の傾斜部52を有する天井パネル3でファンケース28の突出部分32をカバーしている。このため、ファンケース28を大型化し、ファン27からの送風量を増大させることができる一方で、筐体5の厚さ寸法Hを抑制することができる。筐体5の厚さ寸法Hを抑制することで、室内ユニット1を薄型化させることができるとともに、室内ユニット1の天井空間への据付制約の要素となる天井懐寸法を小さくできる。この結果、室内ユニット1の天井空間への設置時における施工性の向上を図ることが可能となる。また、ファン27の送風量を増大させるべくファンケース28を最大限まで大型化させた場合であっても、天井パネル3の厚みを抑えたデザインとすることが可能となる。
【0062】
また、本実施形態によれば、第1の傾斜部51の先端51a(第1パネル枠部33f)の厚みH51は、第2の傾斜部52の先端52a(第2パネル枠部33g)の厚みH52よりも薄い。先端51aは、天井パネル3の最下部であるカバー部位3aに対して吹出口36の配置側に位置し、先端52aは、その反対側に位置している。したがって、室内空間において先端51aが室内、先端52aが壁をそれぞれ向くように室内ユニット1を設置することで、ユーザの目につきやすい先端51aの厚みH51を先端52aの厚みH52と比べて薄くすることができる。これにより、天井パネル3の全体が外観上薄く見えるデザインとすることが可能となる。
【0063】
上述したように、本実施形態では、吸込グリル34は、グリル第1部分34cとグリル第2部分34dとに、カバー部位3aを境に屈曲した構造とされている。ただし、吸込グリル34は、このように屈曲させなくともよい。以下、吸込グリルを屈曲させることなく、外観上ほぼ平面的な構造とした実施形態を第2の実施形態として説明する。
【0064】
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態の室内ユニット1aの断面図である。第2の実施形態の室内ユニット1aは、天井パネル53の構成が第1の実施形態の室内ユニット1と相違している。これ以外の室内ユニット1aの構成は、室内ユニット1と同様である。したがって、室内ユニット1と同様の構成については、図面上で同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図13に示すように、天井パネル53は、パネル本体54と、吸込グリル55とを備えている。また、天井パネル53は、第1の傾斜部56と、第2の傾斜部57とを有している。
【0066】
第1の傾斜部56は、カバー部位3aを基端に、吹出口36の配置側へ先端56aまで上向きに傾斜している。第1の傾斜部56は、パネル本体54の一部であるパネル傾斜部54aを主な要素として構成され、吸込グリル55を含まずに構成されている。
【0067】
第2の傾斜部57は、カバー部位3aを基端に吹出口36の配置側とは反対側へ先端57aまで上向きに傾斜している。すなわち、第2の傾斜部57は、カバー部位3aを境に第1の傾斜部56とは反対側へ傾斜している。第2の傾斜部57は、吸込グリル55の全体、つまり吸込部およびダミー部の全体を主な要素として含んで構成されている。
【0068】
したがって、パネル本体54は、第1の実施形態と同様に、カバー部位3a挟んで吹出口36側にパネル傾斜部54aが配置されている。これに対し、吸込グリル55は、カバー部位3aを境に屈曲した構造にはなっておらず、カバー部位3aを挟んで吹出口36側には配置されていない。なお、フィルタ58は、吸込グリル55と同様に、屈曲することなく、カバー部位3aでの支持部分58aを挟んで吹出口36側には配置されていない。
【0069】
本実施形態によれば、室内空間において先端56a(第1パネル枠部33f)が室内、先端57a(第2パネル枠部33g)が壁をそれぞれ向くように室内ユニット1aを設置した場合、室内空間から見ると、吸込グリル55の格子形態がパネル傾斜部54aの奥側に隠れる。このため、第1の実施形態のグリル第1部分34cのようには格子形態を室内側に露出させずに済む。したがって、室内空間から見た場合、格子形態を持たないパネル傾斜部54aが室内側に露出されるため、天井パネル53を外観上フラットですっきりとしたデザインとすることが可能となる。
【0070】
以上、本発明の第1および第2の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…室内ユニット、2…ユニット本体、3…天井パネル、3a…カバー部位、5…筐体、16…熱交換器、21…送風装置、27…ファン、28…ファンケース、32…ファンケースの突出部分、32a…突出部分の最下部、35…吸込口、36…吹出口、51…第1の傾斜部、51a…第1の傾斜部の先端、52…第2の傾斜部、52a…第2の傾斜部の先端。