(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026783
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 11/00 20060101AFI20230221BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G07F11/00 B
G07F9/00 R
G07F11/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132135
(22)【出願日】2021-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】500313606
【氏名又は名称】株式会社ブイシンク
(74)【代理人】
【識別番号】100156362
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 健一
(72)【発明者】
【氏名】井部 孝也
【テーマコード(参考)】
3E044
3E046
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044BA02
3E044BA04
3E044CA02
3E044DB06
3E044DB07
3E044FB07
3E044FB09
3E046BA01
3E046BB01
3E046CB06
3E046CB07
3E046CC03
3E046CC04
3E046DA03
3E046DA07
3E046EA11
3E046EA12
3E046EB01
3E046FA01
3E046HA03
(57)【要約】
【課題】一連の購入操作により複数種類の商品を一括して購入できる自動販売機を提供する。
【解決手段】商品を販売する自動販売機1において、搬送制御部72は、選択された選択商品の購入が確定されると、選択商品が収納されたすべての収納部30の配置情報に基づいて、エレベータ40を選択商品が収納された収納段D1~D10まで昇降させて、その収納段D1~D10に設けられたコンベア31により選択商品をエレベータ40に搬送して載置していく。すべての選択商品がエレベータ40に載置されると、エレベータ40を商品取出口12に搬送して、すべての選択商品を商品取出口12に一括して提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を販売する自動販売機において、
商品を取り出す商品取出口と、
商品を収納し、左右方向の複数の収納レーンと上下方向の複数の収納段とで区画される複数の収納部と、
前記収納部の前方に配置されるとともに、自動販売機の上下方向に沿って昇降可能に構成され、前記収納部に収納された商品を前記商品取出口に搬送するためのエレベータと、
前記複数の収納部のそれぞれの収納部に設けられ、前記収納部に収納された商品を前記エレベータに搬送して載置していくためのコンベアと、
前記収納部に収納された商品から1または複数の選択商品を選択する購入選択部と、
商品を販売するための制御を行う販売制御部と、
商品を搬送するための制御を行う搬送制御部と、を備え、
前記搬送制御部は、
前記販売制御部により前記購入選択部で選択された選択商品の購入が確定されると、
前記選択商品が収納されたすべての収納部の配置情報に基づいて、前記エレベータを前記選択商品が収納された収納段まで昇降させて、当該収納段に設けられた前記コンベアにより前記選択商品を前記エレベータに搬送して載置していき、
すべての選択商品が前記エレベータに載置されると、前記エレベータを前記商品取出口に搬送する
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
1つの収納レーンに対する前記収納段には、複数種類の商品を収納することが可能であり、
前記販売制御部は、
前記購入選択部により第1の収納レーンに収納された商品が選択されると、前記購入選択部に対して前記第1の収納レーンに収納されたその他の商品を選択不能とさせ、
前記第1の収納レーンとは異なる第2の収納レーンに収納された商品を選択可能とさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記購入選択部は、
複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューを選択可能とし、
前記セットメニューを構成するそれぞれの商品は、同じ収納段における異なる収納レーンに収納されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記搬送制御部は、
前記選択商品が収納されたすべての収納部における収納段の中から、前記選択商品を搬送する前のエレベータの待機位置から最も遠い遠方収納段を算出し、
前記エレベータを前記待機位置から前記遠方収納段まで昇降させるまでは、昇降する途中の前記収納段に前記選択商品が収納されていたとしても、前記コンベアにより前記選択商品を前記エレベータに搬送して載置することはせずに、
前記エレベータを前記遠方収納段から前記商品取出口に昇降する途中では、前記コンベアにより前記収納段にある選択商品を前記エレベータに搬送して載置させていく
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品を販売する自動販売機において、パック入り鶏卵など、衝撃に弱い商品を販売するために、上下方向に昇降可能なエレベータ(搬送ユニット)を備え、エレベータにより商品を商品取出口に搬送する自動販売機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動販売機においては、複数種類の商品を購入しようとするときには、1つの商品に対して1回の購入操作を行い、商品取出口から1つの商品を取り出した後に、再び次の商品の購入操作と行わなければならなかった。これは、商品取出口から1つの商品を取り出さなければ、既に商品取出口にある商品が、次に購入しようとする商品に積み重なってしまい、商品詰まり等を引き起こし、商品の搬送等がうまくできないためである。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、複数種類の商品を同時に購入しようとするときであっても、一連の購入操作により複数種類の商品を一括して購入できる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、商品を販売する自動販売機において、商品を取り出す商品取出口と、商品を収納し、左右方向の複数の収納レーンと上下方向の複数の収納段とで区画される複数の収納部と、前記収納部の前方に配置されるとともに、自動販売機の上下方向に沿って昇降可能に構成され、前記収納部に収納された商品を前記商品取出口に搬送するためのエレベータと、前記複数の収納部のそれぞれの収納部に設けられ、前記収納部に収納された商品を前記エレベータに搬送して載置していくためのコンベアと、前記収納部に収納された商品から1または複数の選択商品を選択する購入選択部と、商品を販売するための制御を行う販売制御部と、商品を搬送するための制御を行う搬送制御部と、を備え、
前記搬送制御部は、前記販売制御部により前記購入選択部で選択された選択商品の購入が確定されると、前記選択商品が収納されたすべての収納部の配置情報に基づいて、前記エレベータを前記選択商品が収納された収納段まで昇降させて、当該収納段に設けられた前記コンベアにより前記選択商品を前記エレベータに搬送して載置していき、すべての選択商品が前記エレベータに載置されると、前記エレベータを前記商品取出口に搬送することを特徴とする。
【0007】
好適には、本発明に係る自動販売機においては、1つの収納レーンに対する前記収納段には、複数種類の商品を収納することが可能であり、前記販売制御部は、前記購入選択部により第1の収納レーンに収納された商品が選択されると、前記購入選択部に対して前記第1の収納レーンに収納されたその他の商品を選択不能とさせ、前記第1の収納レーンとは異なる第2の収納レーンに収納された商品を選択可能とさせることが望ましい。
【0008】
好適には、本発明に係る自動販売機においては、前記購入選択部は、複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューを選択可能とし、前記セットメニューを構成するそれぞれの商品は、同じ収納段における異なる収納レーンに収納されていることが望ましい。
【0009】
好適には、本発明に係る自動販売機においては、前記搬送制御部は、前記選択商品が収納されたすべての収納部における収納段の中から、前記選択商品を搬送する前のエレベータの待機位置から最も遠い遠方収納段を算出し、前記エレベータを前記待機位置から前記遠方収納段まで昇降させるまでは、昇降する途中の前記収納段に前記選択商品が収納されていたとしても、前記コンベアにより前記選択商品を前記エレベータに搬送して載置することはせずに、前記エレベータを前記遠方収納段から前記商品取出口に昇降する途中では、前記コンベアにより前記収納段にある選択商品を前記エレベータに搬送して載置させていくことが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数種類の商品を同時に購入しようとするときであっても、一連の購入操作により複数種類の商品を一括して購入できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動販売機の扉を閉鎖している状態のときの斜視図の一例である。
【
図2】実施形態に係る自動販売機の扉を開放している状態においてエレベータが下方位置にあるときの斜視図の一例である。
【
図3】実施形態に係る自動販売機の扉を開放している状態においてエレベータが待機位置にあるときの斜視図の一例である。
【
図4】実施形態に係る自動販売機の側面図の構成を模式的に示す模式図の一例である。
【
図5】実施形態に係る自動販売機の扉を開放している状態における正面図の一例である。
【
図6】実施形態に係る自動販売機の機能的構成を示すブロック図の一例である。
【
図7】実施形態に係る自動販売機の制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図8】実施形態に係る自動販売機の購入制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図9】実施形態に係る自動販売機の搬送制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図10】実施形態に係る自動販売機の搬送段決定処理を示すフローチャートの一例である。
【
図11】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される購入開始画面及びセットメニューの商品選択画面の一例である。
【
図12】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される購入開始画面、通常メニューの商品選択画面(その1)の一例である。
【
図13】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される通常メニューの商品選択画面(その2)の一例である。
【
図14】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される通常メニューの商品選択画面(その3)の一例である。
【
図15】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される通常メニューの商品選択画面(その4)の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。
【0013】
本実施形態では、商品を購入する購入者が自動販売機を操作する際に購入者と対向する方向を「前方」と称し、前方とは反対方向を「後方」と称する。また、本実施形態では、自動販売機の高さ方向を「上方」と称し、上方と反対方向を「下方」と称し、自動販売機の前後方向及び上下方向と垂直方向を「左右方向」と称する。
【0014】
[自動販売機の外部構成]
まず、実施形態に係る自動販売機1の外部構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動販売機1の扉3を閉鎖している状態のときの斜視図の一例である。
【0015】
自動販売機1は、雑貨、玩具、書籍、市販薬(OTC医薬品)、飲料並びに食品等の種々の商品を販売可能な自動販売機である。本実施形態に係る自動販売機1は、商品の一例として食品(料理)を販売可能な自動販売機1について説明する。
【0016】
図1に示すように、自動販売機1の筐体2の前面には、扉3が設けられている。自動販売機1では、扉3が開かれることによって、商品の補充作業及び商品の代金の回収作業等が行われる。
【0017】
自動販売機1の筐体2の上部には、後述するエレベータ40を上下方向に昇降させるモータからなる昇降駆動部4が設けられている。
【0018】
自動販売機1の筐体2の上部であって昇降駆動部4の後方側には、自動販売機1に収納されている商品を冷却、冷凍、加熱または保温するための温度調整ユニット90が取り外し可能に設けられている。なお、本実施形態における自動販売機1においては、温度調整ユニット90が設けられているが、温度調整ユニット90が設けられていなくてもよい。
【0019】
扉3の前面側には、商品の説明、価格等の情報を表示する表示部10と、購入者の選択操作を受け付ける操作入力部11とで構成されたタッチスクリーンが設けられている。
【0020】
また、扉3の前面には、開口部が形成され、購入者が購入した商品を取り出すための商品取出口12が設けられている。この商品取出口12の前方かつ上端側には、埃、砂塵、害虫の侵入を防止するための開閉扉が軸支されている。
【0021】
本実施形態においては、商品取出口12は、自動販売機1の上下方向に対して略中央部に設けられている。このため、購入した商品を購入者が背を屈めたり、膝を曲げたりすることなく、安定した姿勢で取り出せることができる。なお、商品取出口12は、扉3の下方部に設けられてもよいし、扉3の上方部に設けられてもよい。
【0022】
また、扉3の前面には、商品の代金を支払う際に用いられるユニットとして、硬貨を受け付ける硬貨投入ユニット13と、紙幣を受け付けるビルバリユニット14と、カードの金銭情報を受け付けるカード決済ユニット15とが設けられている。さらに、購入者のパスポート情報を読み込むためのパスポートリーダ16と、レシートを出力するレシートプリンタ17と、釣銭を取り出すための釣銭取出口18とが設けられている。
【0023】
また、扉3の前面側の上方部には、音声等を出力するためのスピーカ19と、購入者を撮影するためのカメラ20とが設けられている。
【0024】
[自動販売機の内部構成]
次に、実施形態に係る自動販売機1の内部構造について説明する。
図2は、実施形態に係る自動販売機1の扉3を開放している状態においてエレベータ40が下方位置にあるときの斜視図の一例であり、
図3は、実施形態に係る自動販売機1の扉3を開放している状態においてエレベータが待機位置にあるときの斜視図の一例である。また、
図4は、実施形態に係る自動販売機1の側面図の構成を模式的に示す模式図の一例である。
【0025】
図2及び
図3の斜視図においては温度調整ユニット90を取り外して図示しており、自動販売機1の筐体2の上部には、温度調整ユニット90から冷気または熱気等を取り入れるための温度調整開口部5と、自動販売機1の内部の空気を吸気するための吸気開口部6とが形成されている。なお、温度調整ユニット90を設けない自動販売機1にも対応すべく、温度調整開口部5と吸気開口部6との開口部は開閉可能に構成されている。
【0026】
図2及び
図3に示すように、自動販売機1の内部には、商品Pの種類ごとに分かれて商品を収納し、自動販売機1の左右方向の複数の収納レーンR1~R4と上下方向の複数の収納段D1~D10とで区画される複数の収納部30が設けられている。本実施形態においては、4つの収納レーンR1~R4と10段の収納段D1~D10とから区画される40個の収納部30を設けることが可能であるが、収納レーンと収納段との数は適宜設計変更が自由である。
【0027】
複数の収納部30は、それぞれが互い略同一の構造に形成され、それぞれが自動販売機1から取り外しが可能となっており、商品のサイズに応じた様々なサイズの商品を収納可能となっている。
【0028】
例えば、
図2に示すように、第3収納レーンR3と第6収納段D6とから区画される収納部30を取り外すことにより、第3収納レーンR3と第7収納段D7とから区画される収納部30において、上下方向の高さの高い商品Phを収納することができる。また、第1収納レーンR1及び第2収納レーンR2、並びに第5収納段D5(または第1収納レーンR1及び第2収納レーンR2、並びに第6収納段D6)とから区画される2つの収納部30のように、横幅の広い商品Pwを2つの収納部30に跨って収納することもできる。このように、本実施形態に係る自動販売機1では、商品のサイズに応じた様々なサイズの商品を販売することができる。
【0029】
また、自動販売機1の内部には、扉3と複数の収納部30との間(扉3の後方かつ収納部30の前方)に配置されるとともに、自動販売機1の上下方向に沿って昇降可能に構成され、収納部30に収納された商品を商品取出口12に搬送するエレベータ40が設けられている。
【0030】
エレベータ40は、自動販売機1の前後方向の両端側に開口縁を有する角筒状に形成されている。より具体的には、エレベータ40は、収納部30から搬出された商品を載置可能なトレイ41と、トレイ41の上方に対向して配置された平板状の天井板42と、トレイ41と天井板42との左右方向の両端側に設けられ、トレイ41と天井板42とを連結する側面板43とを備えて角筒状に形成されている。
【0031】
また、トレイ41は、左右方向のすべての収納レーンR1~R4にわたる幅以上の長さから構成されており、各収納レーンR1~R4に収納された複数の商品を同時に載置することができる。
【0032】
なお、本実施形態においては、トレイ41は、左右方向のすべての収納レーンR1~R4にわたる幅以上の長さから構成したが、各収納レーンR1~R4に収納された商品を同時に載置できれば、左右方向のすべての収納レーンR1~R4にわたる幅よりも若干狭くしてもよい。すなわち、トレイ41は、収納レーンR1~R4のレーン数の商品(4つの商品)を同時に載置できる長さから構成すればよい。
【0033】
さらに、自動販売機1の内部には、商品取出口12に対向し、エレベータ40の後方に配置されるとともに、収納部30の上下方向に配置され、自動販売機1の側面視において略L字型状に形成された障壁棚50が設けられている。
【0034】
図3及び
図4に示すように、エレベータ40は、商品を販売する前は昇降駆動部4によって商品取出口12と障壁棚50との間の待機位置で待機されている。
【0035】
図4に示すように、障壁棚50は、自動販売機1の上下方向に対して平行な平板状の障壁部51と、自動販売機1の上下方向に対して垂直な平板状の棚部52とを有し、棚部52には、自動販売機1の制御に用いられる制御基板53が載置されている。
【0036】
図3及び
図4に示すように、エレベータ40が待機位置に待機しているときには、エレベータ40の後方側の開口縁と障壁部51との空隙から少なくとも商品が通過できないように、障壁部51は、エレベータ40の後方側の開口縁を塞ぐように構成されている。これにより、エレベータ40が待機位置に待機しているときには、自動販売機1の商品取出口12から手を入れて商品を不正に抜き取ろうとしても、エレベータ40が角筒状に形成されており、上下方向に関してはトレイ41及び天井板42が壁となり、左右方向に関しては側面板43が壁となり、後方向に関しては障壁部51が壁となり、商品が不正に抜き取られることを防止できる。
【0037】
さらに、本実施形態においては、エレベータ40の待機位置を自動販売機1の上下方向に対して略中央部としたことから、待機位置から販売する商品が収納された収納部30の収納段Dまでの昇降距離を短縮させることができ、販売する商品の提供速度を向上させることもできる。
【0038】
また、障壁棚50の棚部52に制御基板53を載置したことから、自動販売機1の内部の限られた配置スペースを有効活用できる。さらに、障壁棚50が自動販売機1の上下方向に対して略中央部にあることから、自動販売機1が浸水したときにおいても制御基板53の保護を図ることができることに加え、自動販売機1の上方からの温度調整ユニット90による通気を阻害することも防止できる。
【0039】
図4に示すように、それぞれの収納部30には、収納部30に収納された商品Pを前方のトレイ41に搬送するコンベア31が備えられている。また、コンベア31には、コンベア31のベルトに載置された商品Pを前方に押すプッシャ32が取り付けられている。
【0040】
また、収納部30は、上下方向のそれぞれの収納部30どうしの間隔(複数の収納段D1~D10の間隔)が長さH1(例えば100mm)となるように配置されている。
【0041】
エレベータ40に備えられたトレイ41は、前側に向けて緩やかに下り傾斜しており、トレイ41の前端部から天井板42までの上下方向の長さH2(例えば200mm)は、トレイ41の後端部から天井板42までの上下方向の長さH3(例えば180mm)よりも長く構成されている(H2>H3)。さらに、
図2に示したような上下方向の高さの高い商品Phを提供できるように、エレベータ40の長さH3は、1つの収納部30の長さH1よりも長く構成されている(H3>H1)。
【0042】
また、
図2~
図4に示すように、扉3の背面には、硬貨投入ユニット13と、ビルバリユニット14と、カード決済ユニット15と、パスポートリーダ16と、レシートプリンタ17と、釣銭取出口18とに接続され、金銭情報・カード情報・パスポート情報・釣銭情報の入出力を行う金銭情報入出力部60が設けられている。
【0043】
[自動販売機の商品のレイアウト構成]
次に、食品を販売可能な自動販売機1に収納された商品のレイアウト構成について説明する。
図5は、実施形態に係る自動販売機1の扉3を開放している状態における正面図の一例である。
【0044】
図5に示すように、商品Pの一例として食品(料理)を販売可能な自動販売機1においては、第1収納レーンR1には、主菜レーンとして、肉や魚などの主菜からなる食品が収納されており、第2収納レーンR2には、主食レーンとして、ごはんやパンなどの主食からなる食品が収納されている。また、第3収納レーンR3には、汁物レーンとして、みそ汁、スープなどの汁物からなる食品が収納されており、第4収納レーンR4は、副菜レーンとして、野菜、きのこ、海藻類などの副菜からなる食品が収納されている。
【0045】
このように、本実施形態においては、収納レーン毎に所定のカテゴリに商品がグルーピングされている。
【0046】
第1収納段D1には、野菜炒め定食(野菜炒め・ライス・みそ汁・冷奴の組み合わせから構成されるセットメニュー)として、野菜炒め定食を構成する野菜炒め・ライス・みそ汁・冷奴の各食品が、同じ第1収納段D1における異なる収納レーンR1~R4に収納されている。また、第2収納段D2には、焼肉定食(焼肉・ライス・みそ汁・サラダの組み合わせから構成されるセットメニュー)として、焼肉定食を構成する焼肉・ライス・みそ汁・サラダの各食品が、同じ第2収納段D2における異なる収納レーンR1~R4に収納されている。また、第3収納段D3には、焼魚定食(焼魚・ライス・みそ汁・おしんこの組み合わせから構成されるセットメニュー)として、焼魚定食を構成する焼魚・ライス・みそ汁・おしんこの各食品が、同じ第3収納段D3における異なる収納レーンR1~R4に収納されている。また、第4収納段D4には、肉じゃが定食(肉じゃが・ライス・みそ汁・サラダの組み合わせから構成されるセットメニュー)として、肉じゃが定食を構成する肉じゃが・ライス・みそ汁・サラダの各食品が、同じ第4収納段D4における異なる収納レーンR1~R4に収納されている。
【0047】
このように、本実施形態においては、収納段D1~D4には、セットメニューを構成するそれぞれの商品が同じ収納段における異なる収納レーンR1~R4に収納されている。なお、本実施形態においては、セットメニューが収納された収納段D1~D4を適宜「優先段」ともいうが、セットメニューの優先段の数は、セットメニューの種類の数によって適宜変更される。
【0048】
これにより、複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューを販売するときには、エレベータ40が1つの優先段に到達したときには、その優先段にあるそれぞれコンベア31によりセットメニューを構成する商品をトレイ41にまとめて搬送して載置することができ、エレベータ40を複数の収納段にわたって昇降させながら、それぞれの収納段でコンベア31により商品をエレベータ40に搬送させるような頻度が少なくなり、販売する商品の提供速度を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態においては、セットメニューを構成する商品が4種類であり、それぞれの商品が異なる収納レーンR1~R4に収納されているが、セットメニューを構成する商品は、それぞれの商品が異なる収納レーンR1~R4に収納されていれば、2種類でも3種類でもよい。
【0050】
収納段D5~D10には、それぞれの収納レーン毎の所定のカテゴリの商品が収納されている。なお、本実施形態においては、セットメニューの優先段ではない収納段D5~D10を適宜「通常段」ともいうが、通常段の数は適宜変更が自由である。
【0051】
また、エレベータ40の待機位置に近い第5収納段D5、第6収納段D6、第7収納段D7、第8収納段D8、第9収納段D9、第10収納段D10の順番に、それぞれの収納レーンR1~R4毎の販売されやすい商品(人気商品)を収納している。
【0052】
これにより、人気商品を販売するときには、エレベータ40の待機位置から販売する商品が収納された収納部30の収納段D5~D10までの昇降距離を短縮させることができ、販売する商品の提供速度を向上させることができる。
【0053】
また、第1収納レーンR1及び第2収納レーンR2、並びに第5収納段D5とから区画される2つの収納部30、第1収納レーンR1及び第2収納レーンR2、並びに第6収納段D6とから区画される2つの収納部30には、人気商品であって、横幅の広いカレーからなる商品Pwが左右の2つの収納部30に跨って収納されている。
【0054】
また、第3収納レーンR3と第6収納段D6とから区画される収納部30が取り外されており、第3収納レーンR3と第7収納段D7とから区画される収納部30には、上下方向の高さの高いウーロン茶のペットボトルからなる商品Phが収納されている。
【0055】
このように、本実施形態に係る自動販売機1では、食品のサイズに応じて様々なサイズの食品を販売することができる。
【0056】
なお、本実施形態に係る自動販売機1では、商品Pの一例として食品のレイアウト構成について説明したが、雑貨、玩具、筆記用具、書籍、市販薬並び飲料等の種々の商品を販売可能であり、雑貨のセット(鉛筆・ボールペン・蛍光ペン・消しゴム等)、玩具のセット(フィギュア・着せ替え服・小物・ハウス)、書籍のセット(1~4巻等)、市販薬のセット並び飲料等の種々の商品が販売可能となるようにレイアウトを構成してもよい。
【0057】
また、本実施形態に係る自動販売機1では、収納レーンR1~R4毎に所定のカテゴリに商品がグルーピングされ、エレベータ40の待機位置に近い収納段D5に人気商品を収納するようにレイアウトを構成したが、複数種類の商品をバラバラに収納してもよい。
【0058】
[自動販売機のブロック図]
次に、実施形態に係る自動販売機1の機能的構成について説明する。
図6は、実施形態に係る自動販売機1の機能的構成を示すブロック図の一例である。
【0059】
図6に示すように、自動販売機1は、表示部10と、操作入力部11と、カメラ20と、コンベア31と、それぞれの収納部30が取り付けられていることを確認するための複数の収納部取付確認センサ38と、エレベータ40と、金銭情報入出力部60と、自動販売機1の動作を制御する制御部70と、自動販売機1を管理する管理サーバとの間で通信を行う通信部80とを備えている。
【0060】
コンベア31は、商品が載置されるベルトを駆動させるモータからなるベルト駆動部34と、ベルト駆動部34のモータの回転変位量を検知する第1ロータリエンコーダ35と、プッシャ32の位置に基づいてベルトの位置を検知するベルト位置検知センサ36と、ベルトに商品が載置されているか否かを検知するベルト商品検知センサ37とを備えている。
【0061】
エレベータ40は、エレベータ40を上下方向に昇降させるモータからなる昇降駆動部4と、昇降駆動部4のモータの回転変位量を検知する第2ロータリエンコーダ45と、トレイ41の上下方向の位置を検知するトレイ位置検知センサ46と、トレイ41に商品が載置されているか否かを検知するトレイ商品検知センサ47とを備えている。
【0062】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのプロセッサからなり、制御基板53(
図4参照)に搭載されている。
【0063】
制御部70は、制御基板53の入力ポート(図示せず)を介して、操作入力部11とカメラ20と第1ロータリエンコーダ35とベルト位置検知センサ36とベルト商品検知センサ37と収納部取付確認センサ38と第2ロータリエンコーダ45とトレイ位置検知センサ46とトレイ商品検知センサ47とに接続されており、これらのデバイスから制御部70に各種の情報を入力できるように構成されている。また、制御部70は、制御基板53の出力ポート(図示せず)を介して、表示部10とベルト駆動部34と昇降駆動部4とに接続されており、制御部70からこれらのデバイスに各種の情報を出力ができるように構成されている。さらに、制御部70は、制御基板53の入出力ポート(図示せず)を介して、金銭情報入出力部60と通信部80とに接続されており、制御部70とこれらのデバイスとで各種の情報を入出力ができるように構成されている。
【0064】
また、制御部70は、商品を販売するための制御を行う販売制御部71と、コンベア31及びエレベータ40の駆動を制御して、商品を提供する制御を行う搬送制御部72とを備えている。
【0065】
販売制御部71は、購入者により操作入力部11に入力された選択情報を入力したり、金銭情報入出力部60から金銭情報・カード情報・パスポート情報を入力したりすることによって、商品を販売するための各種の制御を行う。また、販売制御部71は、最終的に販売する商品を決定すると、販売することを決定した商品を搬送するための指示を搬送制御部72に対して行う。
【0066】
搬送制御部72は、販売制御部71からの指示により、コンベア31及びエレベータ40の駆動を制御して、商品を提供する制御を行う。具体的には、搬送制御部72は、販売制御部71からの指示により、トレイ位置検知センサ46及びトレイ商品検知センサ47からの位置情報等を入力しながら、ベルト駆動部34及び昇降駆動部4の駆動を制御して、販売する商品が収納された収納部30の収納段Dまでエレベータ40を昇降させ、販売する商品が収納された収納部30の収納レーンRに対応するコンベア31により商品をトレイ41に搬送して載置する。そして、搬送制御部72は、すべての販売する商品がトレイ41に載置されると、エレベータ40を商品取出口12に搬送するように制御する。
【0067】
[自動販売機の制御処理]
次に、自動販売機1の制御部70により行われる制御処理について説明する。
図7は、実施形態に係る自動販売機1の制御処理を示すフローチャートの一例である。なお、以下に説明する各処理については、例示的な順序でステップSの要素を図示しており、図示した特定の順序に限定されない。したがって、
図7に示すフローチャートにおいて、処理結果に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えることが可能である。このことは、後述する
図8~
図10においても同様である。
【0068】
ステップS101において、制御部70は、収納部取付確認センサ38によりそれぞれの収納部30が取り付けられているか否かを確認し、収納部30のレイアウト情報を確認する収納部レイアウト確認処理を行う。また、この収納部レイアウト確認処理においては、初期設定処理として、エレベータ40を待機位置に戻す処理も行われる。この処理を終了すると、制御部70はステップS102に処理を移す。
【0069】
ステップS102において、制御部70は、自動販売機1の販売管理者等からの操作により、それぞれの収納部30に収納された商品の内容、商品の在庫数を入力する商品情報入力処理を行う。この処理を終了すると、制御部70はステップS103に処理を移す。
【0070】
ステップS103において、制御部70は、表示部10に「購入開始画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、制御部70はステップS104に処理を移す。
【0071】
ステップS104において、制御部70は、「購入開始画面」から購入者による購入操作を受け付けたか否かを判定する。制御部70は、「購入開始画面」から購入者による購入操作を受け付けたと判定した場合、ステップS200に処理を移す。一方、制御部70は、「購入開始画面」から購入者による購入操作を受け付けていないと判定した場合、購入操作を受け付けるまで待機する。
【0072】
ステップS200において、制御部70は、購入者が収納部30に収納された商品から1または複数の選択商品を選択して、選択商品を確定していく(商品を購入していく)ための購入制御処理を行う。この購入制御処理については、詳しくは
図8を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS105に処理を移す。
【0073】
ステップS105において、制御部70は、確定した選択商品があるか否かを判定する。制御部70は、確定した選択商品があると判定した場合、ステップS106に処理を移す。一方、制御部70は、確定した選択商品がないと判定した場合、ステップS103に処理を戻す。
【0074】
ステップS106において、制御部70は、確定した選択商品の購入代金を算出する算出処理を行う。この処理を終了すると、制御部70はステップS107に処理を移す。
【0075】
ステップS107において、制御部70は、購入者により支払われた支払代金≧算出した商品の購入代金であるか否かを判定する。制御部70は、支払代金≧購入代金であると判定した場合、ステップS108に処理を移す。一方、制御部70は、支払代金≧購入代金でないと判定した場合、追加の支払代金があるまで待機する。
【0076】
ステップS108において、制御部70は、支払代金から購入代金を減算し、釣銭を算出する釣銭算出処理を行う。また、この釣銭算出処理では、算出した釣銭の情報を金銭情報入出力部60に出力する。この処理を終了すると、制御部70はステップS300に処理を移す。
【0077】
ステップS300において、制御部70は、ベルト位置検知センサ36、ベルト商品検知センサ37、トレイ位置検知センサ46及びトレイ商品検知センサ47からの位置情報等を入力しながら、ベルト駆動部34及び昇降駆動部44の駆動を制御して、販売する商品を商品取出口12まで搬送する搬送制御処理を行う。この搬送制御処理については、詳しくは
図9を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS109に処理を移す。
【0078】
ステップS109において、制御部70は、上記搬送制御処理によって提供されたそれぞれの選択商品について、商品の在庫数から販売個数を減算する在庫確認処理を行う。この処理を終了すると、制御部70はステップS103に処理を戻す。
【0079】
(購入制御処理)
次に、上述した自動販売機1の購入制御処理の詳細について説明する。
図8は、自動販売機1の制御処理のサブルーチンとして、実施形態に係る自動販売機1の購入制御処理を示すフローチャートの一例である。
【0080】
ステップS201において、制御部70は、「購入開始画面」から「通常メニュー」が選択されたか否かを判定する。制御部70は、「購入開始画面」から「通常メニュー」が選択されたと判定した場合、ステップS202に処理を移す。一方、制御部70は、「購入開始画面」から「通常メニュー」が選択されていないと判定した場合、すなわち、「購入開始画面」から「セットメニュー」が選択されたと判定した場合、ステップS211に処理を移す。
【0081】
ステップS202において、制御部70は、第1収納レーンR1に収納された商品を選択可能に表示させるR1レーン商品表示処理を行う。例えば、第1収納レーンR1(主菜レーン)に収納された野菜炒め、焼肉、焼魚、肉じゃが、カレー等の商品が表示部10に選択可能に表示される。このR1レーン商品表示処理により表示部10に表示される「商品選択画面」については、詳しくは
図12(b)等を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS203に処理を移す。
【0082】
ステップS203において、制御部70は、購入者により商品が選択されたか否かを判定する。制御部70は、購入者により商品が選択されたと判定した場合、ステップS204に処理を移す。一方、制御部70は、購入者により商品が選択されていないと判定した場合、ステップS207に処理を移す。
【0083】
ステップS204において、制御部70は、選択された商品を選択商品として決定するとともに、選択商品が収納された収納レーンを「規制レーン」として決定する。この処理を終了すると、制御部70はステップS205に処理を移す。
【0084】
また、本実施形態においては、複数の収納レーンに跨って横幅の広い商品Pw(例えば、
図5に示すカレー)を収納することが可能であるが、横幅の広い商品Pwが選択された場合には、横幅の広い商品Pwを収納している複数の収納レーンのそれぞれを規制レーンとして決定する。
【0085】
ステップS205において、制御部70は、規制レーンに収納された選択商品以外の商品の選択を規制する。この処理を終了すると、制御部70はステップS206に処理を移す。
【0086】
ステップS206において、制御部70は、規制レーンに収納された選択商品以外の商品の選択が不可能となっていることを表示させる商品選択規制表示処理を行う。この商品選択規制表示処理により表示部10に表示される表示画面については、詳しくは
図12(c)等を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS207に処理を移す。
【0087】
ステップS207において、制御部70は、すべての収納レーンR1~R4が規制レーンとして決定されていないか否かを判定する。制御部70は、すべての収納レーンR1~R4が規制レーンとして決定されていないと判定した場合、ステップS208に処理を移す。一方、制御部70はすべての収納レーンR1~R4が規制レーンとして決定されていると判定した場合、ステップS216に処理を移す。
【0088】
ステップS208において、制御部70は、購入者から選択商品を追加するための追加選択操作(例えば、
図12に示す商品追加選択ボタン505のタッチ)を受け付けたか否かを判定する。制御部70は、追加選択操作を受け付けたと判定した場合、ステップS209に処理を移す。一方、制御部70は、追加選択操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS216に処理を移す。
【0089】
ステップS209において、制御部70は、規制レーンとして決定されておらず、未だ表示させていない商品が収納された1つの収納レーンを選択する収納レーン選択処理を行う。例えば、第1収納レーンR1の商品が表示された後であれば、第2収納レーンR2を選択し、第2収納レーンR2の商品が表示された後であれば、第3収納レーンR3を選択し、第3収納レーンR3の商品が表示された後であれば、第4収納レーンR4を選択する。この処理を終了すると、制御部70はステップS210に処理を移す。
【0090】
ステップS210において、制御部70は、選択した収納レーンに収納された商品を選択可能に表示させる選択レーン商品表示処理を行う。例えば、選択した収納レーンが第2収納レーンR2であるときには第2収納レーンR2に収納された商品を選択可能に表示させ、選択した収納レーンが第3収納レーンR3であるときには、第3収納レーンR3に収納された商品を選択可能に表示させ、選択した収納レーンが第4収納レーンR4であるときには、第4収納レーンR4に収納された商品を選択可能に表示させる。この選択レーン商品表示処理により表示部10に表示される「商品選択画面」については、詳しくは
図13~
図15を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS203に処理を戻す。
【0091】
このように、購入開始画面から通常メニューが選択された場合には、ステップS202~210の処理を行った後、ステップS203~210の処理を繰り返すことにより、収納レーンR1~R4のそれぞれの収納レーン毎に収納された商品が順番に表示されていくことになる。
【0092】
ステップS211において、制御部70は、複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューの種類を選択可能に表示させるセットメニュー表示処理を行う。例えば、野菜炒め定食、焼肉定食、焼魚定食、肉じゃが定食等のセットメニューの種類が表示部10に選択可能に表示される。このセットメニュー表示処理により表示部10に表示される「商品選択画面」については、詳しくは
図11を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS212に処理を移す。
【0093】
ステップS212において、制御部70は、購入者によりセットメニューの種類が選択されたか否かを判定する。制御部70は、購入者によりセットメニューの種類が選択されたと判定した場合、ステップS213に処理を移す。一方、制御部70は、購入者によりセットメニューの種類が選択されていないと判定した場合、購入者によりセットメニューの種類が選択されるまで待機する。
【0094】
ステップS213において、制御部70は、購入者によりセットメニューの種類が選択されると、選択されたセットメニューの種類を構成するそれぞれの商品を選択商品として決定するとともに、それぞれの選択商品が収納されたすべての収納レーンを規制レーンとして決定する。この処理を終了すると、制御部70はステップS214に処理を移す。
【0095】
ステップS214において、制御部70は、選択されたセットメニューの種類以外のセットメニューの選択を規制する。この処理を終了すると、制御部70はステップS215に処理を移す。
【0096】
ステップS215において、制御部70は、選択されたセットメニューの種類以外のセットメニューの選択が不可能となっていることを表示させる商品選択規制表示処理を行う。この商品選択規制表示処理により表示部10に表示される表示画面については、詳しくは
図11(c)を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS216に処理を移す。
【0097】
本実施形態においては、セットメニューを構成する商品を4種類で構成しており、それぞれの商品がすべての収納レーンR1~R4に収納されていることから、すべての収納レーンR1~R4が規制レーンとして決定される。なお、セットメニューを構成する商品を2種類または3種類で構成する場合には、一部の収納レーンは規制レーンとして決定されないことから、制御部70はステップS215の処理を行った後に、ステップS207に処理を移すことになる。
【0098】
ステップS216において、制御部70は、購入者から選択商品を確定するための確定操作(例えば、
図11、
図12等に示すセットメニュー購入確定ボタン513または商品購入確定ボタン507のタッチ)を受け付けたか否かを判定する。制御部70は、確定操作を受け付けたと判定した場合、ステップS217に処理を移す。一方、制御部70は、確定操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS218に処理を移す。
【0099】
ステップS217において、制御部70は、選択商品を確定する。この処理を終了すると、制御部70は購入制御処理を終了し、ステップS105(
図7参照)に処理を移す。
【0100】
ステップS218において、制御部70は、購入者から選択商品を取り消すための取消操作(例えば、
図11、
図12等に示すセットメニュー購入取消ボタン512または商品購入取消ボタン506のタッチ)を受け付けたか否かを判定する。制御部70は、取消操作を受け付けたと判定した場合、ステップS219に処理を移す。一方、制御部70は、取消操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS216に処理を戻し、確定操作または取消操作を受け付けるまで待機する。
【0101】
ステップS219において、制御部70は、選択商品を取り消す。この処理を終了すると、制御部70は購入制御処理を終了し、ステップS105(
図7参照)に処理を移す。
【0102】
(搬送制御処理)
次に、上述した自動販売機1の搬送制御処理の詳細について説明する。
図9は、自動販売機1の制御処理のサブルーチンとして、実施形態に係る自動販売機1の搬送制御処理を示すフローチャートの一例である。
【0103】
ステップS310において、制御部70は、確定した選択商品が収納されている収納段D1~D10の中から、エレベータ40を向かわせる搬送段を決定する搬送段決定処理を行う。ここで、本実施形態においては
図5に示すように、確定した選択商品(例えばライス)が同一の収納レーンR1~R4の複数の収納段D1~D10に収納されているケースがあることから、確定した選択商品が収納されている収納段D1~D10の中から搬送段を決定することにより、どの収納段D1~D10に対してエレベータ40を向かわせるかを決定することになる。この搬送段決定処理については、詳しくは
図10を用いて後述する。この処理を終了すると、制御部70はステップS340に処理を移す。
【0104】
ステップS340において、制御部70は、決定した搬送段の中から、エレベータ40の待機位置から最も遠い遠方搬送段を算出する。ここで、本実施形態においてはエレベータ40の待機位置は自動販売機1の上下方向に対して略中央部としたことから、例えば、エレベータ40の待機位置から上方に3段目(第2収納段D2)と、エレベータ40の待機位置から下方に3段目(第7収納段D7)との2つの遠方搬送段が算出されることもある。この処理を終了すると、制御部70はステップS341に処理を移す。
【0105】
ステップS341において、制御部70は、遠方搬送段が上方と下方の2つあるか否かを判定する。制御部70は、遠方搬送段が上方と下方の2つあると判定した場合、ステップS342に処理を移す。一方、制御部70は、遠方搬送段が上方と下方の2つない、すなわち、遠方搬送段が1つだけであると判定した場合、ステップS343に処理を移す。
【0106】
ステップS342において、制御部70は、遠方搬送段が上方と下方の2つある場合には、下方の遠方搬送段を搬送段として置き換え、上方の遠方搬送段のみを遠方搬送段とする。なお、遠方搬送段が上方と下方の2つある場合には、上方の遠方搬送段を搬送段として置き換え、下方の遠方搬送段のみを遠方搬送段としてもよい。この処理を終了すると、制御部70はステップS343に処理を移す。
【0107】
ステップS343において、制御部70は、トレイ位置検知センサ46からトレイ41(エレベータ40)の上下方向の位置情報等を入力しながら、昇降駆動部4の駆動を制御して、エレベータ40を遠方搬送段まで昇降させる。この処理を終了すると、制御部70はステップS344に処理を移す。
【0108】
ステップS344において、制御部70は、エレベータ40が遠方搬送段に到達すると、遠方搬送段に設けられており、かつ、確定した選択商品が収納されている収納レーンで区画された収納部30に設けられたコンベア31に対し、ベルト駆動部34の駆動を制御して、コンベア31により確定した選択商品をトレイ41に搬送して載置させる。このとき、1つの遠方搬送段に対し、複数の収納レーンR1~R4に確定した選択商品が収納されている場合には、その確定した選択商品が収納されている収納部30に設けられたそれぞれのコンベア31を同時に駆動させることになる。また、確定した選択商品が複数の収納レーンに跨って収納された横幅の広い商品Pwである場合には、横幅の広い商品Pwを収納している複数の収納レーンのそれぞれの収納部30に設けられたそれぞれのコンベア31を同時に駆動させることになる。このことは、後述するステップS346におけるコンベア31に関する処理においても同様である。この処理を終了すると、制御部70はステップS345に処理を移す。
【0109】
ステップS345において、制御部70は、現在のエレベータ40の上下位置から近傍の搬送段を算出し、昇降駆動部4の駆動を制御して、エレベータ40を算出した近傍の搬送段まで昇降させる。この処理を終了すると、制御部70はステップS346に処理を移す。
【0110】
ステップS346において、制御部70は、エレベータ40が搬送段に到達すると、その搬送段に設けられており、かつ、確定した選択商品が収納されている収納レーンで区画された収納部30に設けられたコンベア31に対し、ベルト駆動部34の駆動を制御して、コンベア31により確定した選択商品をトレイ41に搬送して載置させる。この処理を終了すると、制御部70はステップS347に処理を移す。
【0111】
ステップS347において、制御部70は、すべての搬送段にエレベータ40を昇降させたか否かを判定する。制御部70は、すべての搬送段にエレベータ40を昇降させたと判定した場合、ステップS348に処理を移す。一方、制御部70は、すべての搬送段にエレベータ40を昇降させていないと判定した場合、ステップS345に処理を戻し、次の搬送段にエレベータ40を昇降させる。
【0112】
ステップS348において、制御部70は、昇降駆動部4の駆動を制御して、エレベータ40を商品取出口12まで昇降させる。この処理を終了すると、制御部70はステップS346に処理を移す。この処理を終了すると、制御部70は搬送制御処理を終了し、ステップS109(
図7参照)に処理を移す。
【0113】
このように、制御部70(搬送制御部72)は、確定した選択商品が収納されたすべての収納部30における収納段D1~D10の中から、エレベータ40の待機位置から最も遠い遠方搬送段を算出し、エレベータ40を待機位置から遠方搬送段まで昇降させるまでは、昇降する途中の収納段D1~D10に確定した選択商品が収納されていたとしても、コンベア31により確定した選択商品をトレイ41に搬送して載置することはせずに、エレベータ40を遠方搬送段から商品取出口12に昇降する途中では、コンベア31により搬送段にある確定した選択商品をトレイ41に搬送して載置させていくことになる。このため、トレイ41に商品を載置した状態でのエレベータ40の昇降距離を減らすことができ、トレイ41に載置した商品の荷重による昇降駆動部4の駆動負荷の軽減を図ることができる。
【0114】
また、上記ステップS342で上述したように、遠方搬送段が上方と下方の2つある場合には、上方の遠方搬送段のみを遠方搬送段とし、エレベータ40が遠方搬送段に到達した後には、エレベータ40を下降させながら、コンベア31により確定した選択商品をトレイ41に搬送して載置させていくことになる。このため、トレイ41に選択商品を載置させながら、エレベータ40を下降させていくので、昇降駆動部4の駆動負荷の軽減を図ることができる。
【0115】
(搬送段決定処理)
次に、上述した自動販売機1の搬送段決定処理の詳細について説明する。
図10は、自動販売機1の搬送制御処理のサブルーチンとして、実施形態に係る自動販売機1の搬送段決定処理を示すフローチャートの一例である。
【0116】
ステップS311において、制御部70は、通常メニューが選択されたか否かを判定する。制御部70は、通常メニューが選択されたと判定した場合、ステップS315に処理を移す。一方、制御部70は、通常メニューが選択されていないと判定した場合、すなわち、セットメニューが選択されたと判定した場合、ステップS312に処理を移す。
【0117】
ステップS312において、制御部70は、セットメニューが選択された場合には、選択されたセットメニューの優先段に、セットメニューを構成するすべての商品が収納されているか否かを判定する。例えば、
図5に示す「野菜炒め定食」であれば、「野菜炒め定食」に対応する1つの優先段D1に、「野菜炒め定食」を構成するすべての商品が収納されているか否かを判定する。制御部70は、選択されたセットメニューの優先段にセットメニューを構成するすべての商品が収納されていると判定した場合、ステップS313に処理を移す。一方、制御部70は、選択されたセットメニューの優先段にセットメニューを構成するすべての商品が収納されていないと判定した場合、ステップS314に処理を移す。
【0118】
ステップS313において、制御部70は、選択されたセットメニューの1つの優先段を、全収納レーンR1~R4の搬送段として決定する。この処理を終了すると、制御部70は搬送段決定処理を終了し、ステップS340(
図9参照)に処理を移す。
【0119】
このため、選択されたセットメニューの優先段に、セットメニューを構成するすべての商品が収納されている場合には、エレベータ40を1つの搬送段(優先段)まで昇降させた後、その搬送段(優先段)にあるそれぞれコンベア31によりセットメニューを構成する商品をトレイ41にまとめて搬送して載置させ、その後エレベータ40を商品取出口12まで昇降させることができるので、販売する商品の提供速度を向上させることができる。
【0120】
ステップS314において、制御部70は、選択されたセットメニューの優先段に、セットメニューを構成する商品が収納されている収納レーンR1~R4については、選択されたセットメニューの優先段を各収納レーンR1~R4の搬送段として決定する。そして、選択されたセットメニューの優先段に、セットメニューを構成する商品が収納されていない収納レーンR1~R4については、セットメニューを構成する商品が収納されている収納段D1~D10であって、選択されたセットメニューの優先段から最も近い収納段を搬送段として決定する。この処理を終了すると、制御部70は搬送段決定処理を終了し、ステップS340(
図9参照)に処理を移す。
【0121】
ステップS315において、制御部70は、通常メニューが選択された場合には、収納レーンR1~R4ごとに確定した選択商品が収納されているか否かを判定するために、収納レーンR1~R4の検索順序を定めたレーン番号Rに1をセットする(R=1)。このレーン番号Rとして、レーン番号R=1は第1収納レーンR1に対応しており、レーン番号R=2は第2収納レーンR2に対応しており、レーン番号R=3は第3収納レーンR3に対応しており、レーン番号R=4は第4収納レーンR4に対応しているものである。この処理を終了すると、制御部70はステップS316に処理を移す。
【0122】
ステップS316において、制御部70は、収納レーンRに確定した選択商品が収納されているか否かを判定する。制御部70は、収納レーンRに確定した選択商品が収納されていると判定した場合、ステップS317に処理を移す。一方、制御部70は、収納レーンRに確定した選択商品が収納されていないと判定した場合、ステップS320に処理を移す。
【0123】
ステップS317において、制御部70は、確定した選択商品が通常段D5~D10に収納されているか否かを判定する。制御部70は、確定した選択商品が通常段D5~D10に収納されていると判定した場合、ステップS318に処理を移す。一方、制御部70は、確定した選択商品が通常段D5~D10に収納されていないと判定した場合、ステップS319に処理を移す。
【0124】
ステップS318において、制御部70は、収納レーンRにおいて確定した選択商品が収納されている通常段D5~D10であって、エレベータ40の待機位置から最も近い収納段D5~D10を収納レーンRの搬送段として決定する。この処理を終了すると、制御部70はステップS320に処理を移す。
【0125】
ステップS319において、制御部70は、収納レーンRにおいて確定した選択商品が収納されている優先段D1~D4であって、エレベータ40の待機位置から最も近い収納段を収納レーンRの搬送段として決定する。この処理を終了すると、制御部70はステップS320に処理を移す。
【0126】
ステップS320において、制御部70は、レーン番号Rが4ではないか(R≠4)を判定する。制御部70は、レーン番号Rが4ではない、すなわち全ての収納レーンR1~R4の検索が終了していないと判定した場合、ステップS321に処理を移す。一方、制御部70は、レーン番号Rが4である、すなわち全ての収納レーンR1~R4の検索が終了したと判定した場合、搬送段決定処理を終了し、ステップS340(
図9参照)に処理を移す。
【0127】
ステップS321において、制御部70は、レーン番号Rに1を加算し(R=1)、ステップS316に処理を戻す。これにより、第1収納レーンR1、第2収納レーンR2、第3収納レーンR3、第4収納レーンR4の順に、確定した選択商品の有無、搬送段が決定されていくことになる。
【0128】
このように、本実施形態の搬送段決定処理においては、セットメニューが選択された場合には、優先段D1~D4を優先して搬送段として決定し、通常メニューが選択された場合には、通常段D5~D10を優先して搬送段として決定するとともに、エレベータ40の待機位置から最も近い収納段D1~D10を搬送段として決定している。
【0129】
なお、搬送段決定処理においては、優先段D1~D4と通常段D5~D10との区別をせずに、エレベータ40の待機位置から最も近い収納段D1~D10を搬送段として決定してもよい。
【0130】
さらには、搬送段決定処理においては、1つの収納段D1~D10に対し、複数の収納レーンR1~R4に確定した選択商品が収納されている場合には、エレベータ40の待機位置からの距離に関係なく、その収納段D1~D10を搬送段として決定し、その他の収納段D1~D10については、エレベータ40の待機位置から最も近い収納段D1~D10を搬送段として決定してもよい。このように決定しても、販売する商品の提供速度を向上させることができる。
【0131】
[自動販売機の表示画面]
次に、自動販売機1の表示部10に表示される表示画面について説明する。
【0132】
(セットメニューの商品選択画面)
まず、
図11を参照して、自動販売機1の表示部10に表示されるセットメニューの商品選択画面510について説明する。
図11は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示される購入開始画面500及びセットメニューの商品選択画面510の一例である。
【0133】
図11(a)に示すように、購入開始画面500においては、購入者がセットメニューから商品を購入するためのセットメニュー購入開始ボタン501と、購入者が通常メニューから商品を購入していくための通常メニュー購入開始ボタン502とが少なくとも表示されている。
【0134】
また、購入者がセットメニュー購入開始ボタン501を選択(タッチ)すると、セットメニュー購入開始ボタン501の色・枠等の表示態様が変化して表示される。
図11(a)においては、セットメニュー購入開始ボタン501が選択されたことを図示している。
【0135】
このように、購入開始画面500においては、購入者が、このセットメニュー購入開始ボタン501または通常メニュー購入開始ボタン502を選択することにより、商品の購入ルートを選択していくことができる。
【0136】
図11(b)に示すように、セットメニューの商品選択画面510においては、複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューの種類の一例として、「焼肉定食」、「野菜炒め定食」、「焼魚定食」、「日替わり定食(肉じゃが定食)」からなるセットメニューの種類を選択するセットメニュー選択ボタン511が表示される。さらに、選択したセットメニューの購入を取り消すセットメニュー購入取消ボタン512と、選択したセットメニューの購入を確定するセットメニュー購入確定ボタン513とが少なくとも表示されている。
【0137】
なお、
図11(b)の通常メニューの第1商品選択画面530においては、購入者がいずれのセットメニュー選択ボタン511も選択してないときには、商品購入取消ボタン506及び商品購入確定ボタン507は選択不能となるように表示態様が変化して表示されている。
【0138】
図11(c)に示すように、セットメニューの商品選択画面510において購入者がいずれか1つのセットメニュー選択ボタン511を選択(タッチ)すると、選択されたセットメニュー選択ボタン511の色・枠等の表示態様が変化するとともに、その他のセットメニュー選択ボタン511は選択不能となるように表示態様が変化して表示される。さらに、商品購入取消ボタン506及び商品購入確定ボタン507は選択可能となるように表示態様が変化して表示される。
【0139】
このように、セットメニューの商品選択画面510においては、購入者が、複数種類のセットメニューの中からいずれか1つのセットメニューのみを選択し、選択したセットメニューの購入または取り消しを行うことができる。
【0140】
(通常メニューの商品選択画面)
次に、
図12~
図15を参照して、自動販売機1の表示部10に表示される通常メニューの商品選択画面530について説明する。
図12~
図15は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示される通常メニューの商品選択画面の一例である。
【0141】
図12(a)は、
図11(a)と同様の購入開始画面500であるが、購入者が通常メニュー購入開始ボタン502を選択(タッチ)し、通常メニュー購入開始ボタン502の色・枠等の表示態様が変化して表示されたことを図示している。
【0142】
図12(b)は、購入開始画面500から通常メニュー購入開始ボタン502が選択されたときの通常メニューの第1商品選択画面530の一例である。
【0143】
図12(b)に示すように、通常メニューの第1商品選択画面530においては、第1収納レーンR1(主菜レーン)に収納された商品の種類(例えば、「野菜炒め」、「焼肉」、「焼魚」、「肉じゃが」、「カレー」)を選択する第1商品選択ボタン531が表示される。さらに、現在の収納レーンとは異なる収納レーンに収納された商品を追加・選択するための商品追加選択ボタン505と、選択した選択商品の購入を取り消す商品購入取消ボタン506と、選択した選択商品の購入を確定する商品購入確定ボタン507とが少なくとも表示されている。
【0144】
なお、
図12(b)の通常メニューの第1商品選択画面530においては、購入者がいずれの第1商品選択ボタン531も選択していないときには、商品購入取消ボタン506及び商品購入確定ボタン507は選択不能となるように表示態様が変化して表示されている。
【0145】
図12(c)は、通常メニューの第1商品選択画面530において、いずれか1つの第1商品選択ボタン531(例えば「焼肉」)が選択されたときの第1商品選択画面530の一例である。
【0146】
図12(c)に示すように、通常メニューの第1商品選択画面530において、購入者がいずれか1つの第1商品選択ボタン531を選択(タッチ)すると、選択された第1商品選択ボタン531の色・枠等の表示態様が変化するとともに、その他の第1商品選択ボタン531は選択不能となるように表示態様が変化して表示される。
【0147】
なお、
図12(c)の通常メニューの第1商品選択画面530において、購入者がいずれか1つの第1商品選択ボタン531を選択したときには、第1商品選択画面530の左下に選択した「選択商品」と、選択商品の合計購入金額である「合計料金」とが表示される。
【0148】
図13(a)は、
図12(c)の通常メニューの第1商品選択画面530から商品追加選択ボタン505が選択されたときの第2商品選択画面540である。
【0149】
図13(a)に示すように、通常メニューの第2商品選択画面540においては、第2収納レーンR2(主食レーン)に収納された商品の種類(例えば、「ライス」、「小ライス」、「大ライス」、「パン」)を選択する第2商品選択ボタン541が表示される。さらに、商品追加選択ボタン505と、商品購入取消ボタン506と、商品購入確定ボタン507とが少なくとも表示されている。
【0150】
図13(b)は、通常メニューの第2商品選択画面540において、いずれか1つの第2商品選択ボタン541(例えば「ライス」)が選択されたときの第2商品選択画面540の一例である。
【0151】
図13(b)に示すように、通常メニューの第2商品選択画面540において、購入者がいずれか1つの第2商品選択ボタン541を選択(タッチ)すると、選択された第2商品選択ボタン541の色・枠等の表示態様が変化するとともに、その他の第2商品選択ボタン541は選択不能となるように表示態様が変化して表示される。
【0152】
なお、
図13(b)の通常メニューの第2商品選択画面540において、購入者がいずれか1つの第2商品選択ボタン541を選択したときには、第2商品選択画面540の左下にこれまでに選択した「選択商品」と、これまでに選択商品の合計購入金額である「合計料金」とが表示される。
【0153】
図13(c)は、
図13(b)の通常メニューの第2商品選択画面540から商品追加選択ボタン505が選択されたときの第3商品選択画面550である。
【0154】
図13(c)に示すように、通常メニューの第3商品選択画面550においては、第3収納レーンR3(汁物レーン)に収納された商品の種類(例えば、「みそ汁」、「とん汁」、「スープ」、「ウーロン茶」)を選択する第3商品選択ボタン551が表示される。さらに、商品追加選択ボタン505と、商品購入取消ボタン506と、商品購入確定ボタン507とが少なくとも表示されている。
【0155】
図14(a)は、通常メニューの第3商品選択画面550において、いずれか1つの第3商品選択ボタン551(例えば「みそ汁」)が選択されたときの第3商品選択画面550の一例である。
【0156】
図14(a)に示すように、通常メニューの第3商品選択画面550において、購入者がいずれか1つの第3商品選択ボタン551を選択(タッチ)すると、選択された第3商品選択ボタン551の色・枠等の表示態様が変化するとともに、その他の第3商品選択ボタン551は選択不能となるように表示態様が変化して表示される。
【0157】
なお、
図14(a)の通常メニューの第3商品選択画面550において、購入者がいずれか1つの第2商品選択ボタン541を選択したときには、第3商品選択画面550の左下にこれまでに選択した「選択商品」と、これまでに選択商品の合計購入金額である「合計料金」とが表示される。
【0158】
図14(b)は、
図14(a)の通常メニューの第3商品選択画面550から商品追加選択ボタン505が選択されたときの第4商品選択画面560である。
【0159】
図14(b)に示すように、通常メニューの第4商品選択画面560においては、第4収納レーンR4(副菜レーン)に収納された商品の種類(例えば、「サラダ」、「おしんこ」、「納豆」、「生卵」、「冷奴」)を選択する第4商品選択ボタン561が表示される。さらに、商品購入取消ボタン506と、商品購入確定ボタン507とが少なくとも表示されている。
【0160】
図14(c)は、通常メニューの第4商品選択画面560において、いずれか1つの第4商品選択ボタン561(例えば「サラダ」)が選択されたときの第4商品選択画面560の一例である。
【0161】
図14(c)に示すように、通常メニューの第4商品選択画面560において、購入者がいずれか1つの第4商品選択ボタン561を選択(タッチ)すると、選択された第4商品選択ボタン561の色・枠等の表示態様が変化するとともに、その他の第4商品選択ボタン561は選択不能となるように表示態様が変化して表示される。
【0162】
なお、
図14(c)の通常メニューの第4商品選択画面560において、購入者がいずれか1つの第4商品選択ボタン561を選択したときには、第4商品選択画面560の左下にこれまでに選択した「選択商品」と、これまでに選択商品の合計購入金額である「合計料金」とが表示される。
【0163】
このように、通常メニューの商品選択画面530においては、購入者が収納レーンR1~R4ごとに収納された商品の種類の中からいずれか1つの商品のみを選択していき、複数の収納レーンR1~R4におけるそれぞれの商品をまとめて購入することができる。そして、収納レーンR1~R4ごとに収納された商品の種類の中からいずれか1つの商品のみしか選択できないことから、同じ収納レーンR1~R4に対して複数の商品がトレイ41に搬送されることがなく、上下方向における商品の積み重ねを防止することができる。
【0164】
次に、複数の収納レーンR1~R4に跨って収納された横幅の広い商品Pw(
図5参照)を購入するときの通常メニューの商品選択画面について説明する。
図15は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示される通常メニューの商品選択画面の一例である。
【0165】
図15(a)は、
図12(b)と同様の通常メニューの第1商品選択画面530の一例であり、第1商品選択ボタン531として、横幅の広いカレーからなる商品Pwを選択する特殊第1商品選択ボタン531wが表示されている。
【0166】
図15(b)は、通常メニューの第1商品選択画面530において、特殊第1商品選択ボタン531wが選択されたときの第1商品選択画面530の一例である。
【0167】
図15(b)に示すように、通常メニューの第1商品選択画面530において、購入者が特殊第1商品選択ボタン531wを選択(タッチ)すると、選択された特殊第1商品選択ボタン531wの色・枠等の表示態様が変化するとともに、その他の第1商品選択ボタン531は選択不能となるように表示態様が変化して表示される。
【0168】
図15(c)は、
図15(b)の通常メニューの第1商品選択画面530から商品追加選択ボタン505が選択されたときの第3商品選択画面550である。
【0169】
ここで、
図12及び
図13で上述したように、第1収納レーンR1のみに収納された商品が選択された後、商品追加選択ボタン505が選択されたときには、第1商品選択画面530から、第2収納レーンR2(主食レーン)に収納された商品の種類を表示する第2商品選択画面540が表示されることになる。
【0170】
しかしながら、
図15(c)に示すように、第1収納レーンR1と第2収納レーンR2とに跨って収納された横幅の広い商品Pwが選択された後、商品追加選択ボタン505が選択されたときには、第2収納レーンR2が規制レーンとされており、規制レーンである第2収納レーンR2(主食レーン)に収納された商品の種類を表示する第2商品選択画面540を表示することなく、次の第3収納レーンR3(汁物レーン)に収納された商品の種類を表示する第3商品選択画面550が表示されることになる。
【0171】
これにより、複数の収納レーンR1~R4に跨って収納された横幅の広い商品Pwを購入する場合であっても、同じ収納レーンR1~R4に対して複数の商品がトレイ41に搬送されることがなく、上下方向における商品の積み重ねを防止することができる。
【0172】
(1)以上のように、本実施形態の自動販売機1は、エレベータ40は、左右方向のすべての収納レーンR1~R4にわたる幅以上の長さからなり、収納部30に収納された商品が載置されるトレイ41を有し、搬送制御部72は、販売制御部71により表示部10及び操作入力部11からなるタッチスクリーンで選択された選択商品の購入が確定されると、選択商品が収納されたすべての収納部30の配置情報に基づいて、エレベータ40を選択商品が収納された収納段D1~D10まで昇降させて、その収納段D1~D10に設けられたコンベアにより選択商品をトレイ41に搬送して載置していき、すべての選択商品がトレイ41に載置されると、エレベータ40を商品取出口12に搬送して、すべての選択商品が商品取出口12に一括して提供している。
これにより、トレイ41には、各収納レーンR1~R4に収納された複数の商品を同時に載置することができ、購入者は一連の購入操作により複数種類の商品を一括して購入することができる。
【0173】
(2)さらに、本実施形態の自動販売機1においては、1つの収納レーンに対する収納段D1~D10には、複数種類の商品を収納することが可能であり、販売制御部71は、操作入力部11により第1の収納レーンに収納された商品が選択されると、表示部10及び操作入力部11からなるタッチスクリーンに対して第1の収納レーンに収納されたその他の商品を選択不能とさせ、第1の収納レーンとは異なる第2の収納レーンに収納された商品を選択可能とさせている。
このため、購入者が収納レーンR1~R4ごとに収納された商品の種類の中からいずれか1つの商品のみを選択していき、複数の収納レーンR1~R4におけるそれぞれの商品をまとめて購入することができる。そして、収納レーンR1~R4ごとに収納された商品の種類の中からいずれか1つの商品のみしか選択できないことから、同じ収納レーンR1~R4に対して複数の商品がトレイ41に搬送されることがなく、上下方向における商品の積み重ねを防止することができる。
【0174】
(3)さらに、本実施形態の自動販売機1においては、表示部10及び操作入力部11からなるタッチスクリーンでは、複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューを選択可能とし、セットメニューを構成するそれぞれの商品は、同じ収納段D1~D4における異なる収納レーンR1~R4に収納されている。
これにより、複数の商品の組み合わせから構成されるセットメニューを販売するときには、セットメニューを構成するそれぞれの商品が収納された1つの収納段D1~D4にエレベータ40が到達したときには、その収納段にあるそれぞれコンベア31によりセットメニューを構成する商品をトレイ41にまとめて搬送して載置することができ、販売する商品の提供速度を向上させることができる。
【0175】
(4)さらに、本実施形態の自動販売機1においては、搬送制御部72は、選択商品が収納されたすべての収納部30における収納段D1~D10の中から、エレベータ40の待機位置から最も遠い遠方搬送段D1~D10を算出し、エレベータ40を待機位置から遠方搬送段D1~D10まで昇降させるまでは、昇降する途中の収納段D1~D10に選択商品が収納されていたとしても、コンベア31により選択商品をトレイ41に搬送して載置することはせずに、エレベータ40を遠方搬送段D1~D10から商品取出口12に昇降する途中では、コンベア31により搬送段D1~D10にある選択商品をトレイ41に搬送して載置させている。
これにより、トレイ41に商品を載置した状態でのエレベータ40の昇降距離を減らすことができ、トレイ41に載置した商品の荷重による昇降駆動部4の駆動負荷の軽減を図ることができる。
【0176】
[その他の変形例]
本実施形態においては、自動販売機1は、筐体2の上部に昇降駆動部4が設けられているが、筐体2の内部に昇降駆動部4を設けてもよい。また、障壁棚50の棚部52に昇降駆動部4を載置するように構成してもよい。
【0177】
また、本実施形態においては、自動販売機1は、筐体2の上部に温度調整ユニット90が設けられているが、筐体2の内部に温度調整ユニット90を設けてもよい。また、障壁棚50の棚部52に温度調整ユニット90を載置するように構成してもよい。なお、上述したように、自動販売機1は、温度調整ユニット90が設けられていなくてもよい。そして、温度調整ユニット90が設けられていない自動販売機1においては、温度調整開口部5と吸気開口部6とが形成されていなくてもよい。
【0178】
また、本実施形態においては、自動販売機1は、障壁棚50の棚部52に制御基板53を載置したが、障壁棚50の棚部52には制御基板53を載置しなくてもよい。また、障壁棚50の棚部52には、商品の在庫、説明資料、工具等を載置してもよい。
【0179】
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0180】
上述の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本発明の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0181】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0182】
1 自動販売機
2 筐体
3 扉
4 昇降駆動部
10 表示部
11 操作入力部
12 商品取出口
30 収納部
31 コンベア
40 エレベータ
41 トレイ
70 制御部
71 販売制御部
72 搬送制御部
R1~R4 収納レーン
D1~D10 収納段