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特開2023-26802緊急通報装置および方法並びにプログラム
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  • 特開-緊急通報装置および方法並びにプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026802
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】緊急通報装置および方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20230221BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G08B25/10 B
G08B25/10 D
H04M11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132169
(22)【出願日】2021-08-16
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520117019
【氏名又は名称】株式会社PLANETWORKS
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】平野 寛之
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087EE06
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG67
5C087GG83
5K201BA03
5K201EB06
5K201EC06
5K201ED05
5K201EF08
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】顧客を刺激しないように、安全に助けを求めることができる緊急通報装置および方法並びにプログラムを提供する。
【解決手段】所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタン13を表示する表示部11と、緊急事態発生ボタン13が選択された場合に、緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタン14a~14gを表示部11に表示させ、複数の状況報知ボタン14a~14gのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置20~60に対して、緊急事態が発生していることを報知する制御部12とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示する表示部と、
前記緊急事態発生ボタンが選択された場合に、前記緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを前記表示部に表示させ、前記複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、前記緊急事態が発生していることを報知する制御部とを備えた緊急通報装置。
【請求項2】
前記制御部が、予め登録された複数の端末装置に対して、前記緊急事態が発生していることを同時に報知する請求項1記載の緊急通報装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記緊急事態が発生していることを報知した際、前記端末装置において、予め設定された音声メッセージを自動的に再生させる請求項1または2記載の緊急通報装置。
【請求項4】
前記制御部が、前記端末装置に対して自動的に電話を掛けることによって前記緊急事態が発生していることを報知する請求項1から3いずれか1項記載の緊急通報装置。
【請求項5】
前記制御部が、前記緊急事態が発生していることを報知した際、前記訪問サービススタッフが選択した前記状況報知ボタンに記載された内容を前記端末装置に送信する請求項1から4いずれか1項記載の緊急通報装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記状況報知ボタンに記載された内容が前記端末装置において確認された際に前記端末装置から送信された確認済みの信号を受信して、確認済みであることを前記表示部に表示させる請求項5記載の緊急通報装置。
【請求項7】
前記状況報知ボタンに記載される前記緊急事態の発生状況に応じた内容として、前記緊急事態の発生を予見してその発生前に報知する内容が含まれる請求項1から6いずれか1項記載の緊急通報装置。
【請求項8】
所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示部に表示し、
前記緊急事態発生ボタンが選択された場合に、前記緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを前記表示部に表示し、
前記複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、前記緊急事態が発生していることを報知する緊急通報方法。
【請求項9】
所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示部に表示させるステップと、
前記緊急事態発生ボタンが選択された場合に、前記緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを前記表示部に表示させるステップと、
前記複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、前記緊急事態が発生していることを報知するステップとを、前記表示部を有する端末装置に実行させる緊急通報プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問サービススタッフの訪問先での緊急実態の発生を通報する緊急通報装置および方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が指定した場所に訪問サービススタッフが訪問し、その訪問した場所でマッサージなどのサービスを提供することが行われている。
【0003】
このような訪問サービスを提供する際、訪問先において、顧客とのトラブルなどの緊急事態が発生する場合がある。
【0004】
このような緊急事態が発生した場合、訪問サービススタッフは、訪問サービスの管理者に電話連絡したり、電子メールなどを送信したりすることによって、緊急事態の発生を知らせることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2019-505117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように電話をかけたり、電子メールを送信するような素振りを顧客に見られた場合、顧客を刺激し、さらに状況が悪くなってしまう場合があり、最悪の場合、訪問サービススタッフの身を危険にさらすおそれがある。
【0007】
なお、特許文献1においては、たとえば警察、消防署または病院などに緊急通報する装置が提案されているが、事件が発生する前の予防的な緊急通報については何も提案されていない。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑み、顧客を刺激しないように、管理者に安全かつ効率的に助けを求めることができる緊急通報装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の緊急通報装置は、所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示する表示部と、緊急事態発生ボタンが選択された場合に、緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを表示部に表示させ、複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、緊急事態が発生していることを報知する制御部とを備える。
【0010】
また、本発明の緊急通報装置において、制御部は、予め登録された複数の端末装置に対して、緊急事態が発生していることを同時に報知することができる。
【0011】
また、本発明の緊急通報装置において、制御部は、緊急事態が発生していることを報知した際、端末装置において、予め設定された音声メッセージを自動的に再生させることができる。
【0012】
また、本発明の緊急通報装置において、制御部は、端末装置に対して自動的に電話を掛けることによって緊急事態が発生していることを報知することができる。
【0013】
また、本発明の緊急通報装置において、制御部は、緊急事態が発生していることを報知した際、訪問サービススタッフが選択した状況報知ボタンに記載された内容を端末装置に送信することができる。
【0014】
また、本発明の緊急通報装置において、制御部は、状況報知ボタンに記載された内容が端末装置において確認された際に端末装置から送信された確認済みの信号を受信して、確認済みであることを表示部に表示させることができる。
本発明の緊急通報装置においては、状況報知ボタンに記載される緊急事態の発生状況に応じた内容として、緊急事態の発生を予見してその発生前に報知する内容が含まれる。
【0015】
本発明の緊急通報方法は、所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示部に表示し、緊急事態発生ボタンが選択された場合に、緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを表示部に表示し、複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、緊急事態が発生していることを報知する。
【0016】
本発明の緊急通報プログラムは、所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示部に表示させるステップと、緊急事態発生ボタンが選択された場合に、緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを表示部に表示させるステップと、複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、緊急事態が発生していることを報知するステップとを、表示部を有する端末装置に実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の緊急通報装置および方法並びにプログラムによれば、所定の場所に訪問した訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける緊急事態発生ボタンを表示部に表示し、その緊急事態発生ボタンが選択された場合に、緊急事態の発生状況に応じた内容が記載された複数の状況報知ボタンを表示部に表示し、複数の状況報知ボタンのうちのいずれかが選択された場合に、予め登録された端末装置に対して、緊急事態が発生していることを報知するようにしたので、簡単な操作により緊急事態を報知することができ、顧客を刺激しないように、安全かつ効率的に助けを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の緊急通報装置の一実施形態を用いた緊急通報システムの概略構成を示すブロック図
図2】緊急事態発生ボタンの一例を示す図
図3】複数の状況報知ボタンの一例を示す図
図4】確認済みの表示の一例を示す図
図5図1に示す緊急通報システムの処理の流れを説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の緊急通報装置の一実施形態を用いた緊急通報システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の緊急通報システム1の概略構成図である。
【0020】
本実施形態の緊急通報システム1は、訪問サービススタッフに訪問先で緊急事態が発生した場合に、訪問サービススタッフが、顧客に気づかれることなく、安全に緊急事態の発生を管理者などに報知することができるシステムである。
【0021】
本実施形態の緊急通報システム1は、具体的には、図1に示すように、緊急通報装置10と、複数の端末装置20~60とを備えている。緊急通報装置10と複数の端末装置20~60との間は、無線によって通信可能に接続されており、種々の信号のやり取りが可能に構成されている。無線回線については、インターネット回線でもよいし、電話回線でもよい。
【0022】
緊急通報装置10は、訪問サービススタッフが使用する装置であり、訪問サービススタッフに緊急事態が発生していることを受け付ける装置である。
【0023】
緊急通報装置10は、たとえばスマートフォンやタブレット端末などの移動体端末から構成されるものであり、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどの記憶媒体並びに通信I/Fなどを備えている。
【0024】
緊急通報装置10は、具体的には、表示部11と、制御部12とを備えている。
【0025】
表示部11は、たとえばタッチパネルから構成され、制御部12によって制御されて、図2に示すような緊急事態発生ボタン13を表示する。緊急事態発生ボタン13は、訪問サービススタッフにその訪問した場所で緊急事態が発生していることを受け付けるボタンである。
【0026】
制御部12は、CPUを備え、緊急通報装置10全体を制御するものであるが、特に、図2に示す緊急事態発生ボタン13が1回タップされて選択された場合に、図3に示す複数の状況報知ボタン14a~14gを表示部11に表示させる。
【0027】
複数の状況報知ボタン14a~14gには、図3に示すように、緊急事態の発生状況に応じた内容が記載されており、各状況報知ボタン14a~14gには、それぞれ異なる内容が記載されている。
【0028】
本実施形態においては、具体的には、状況報知ボタン14aには「すぐに来てください」と記載され、状況報知ボタン14bには「連絡をください」と記載され、状況報知ボタン14cには「盗撮されています」と記載され、状況報知ボタン14dには「お金を盗まれました」と記載され、状況報知ボタン14eには「暴力をふるわれました」と記載され、状況報知ボタン14fには「自宅が汚いです」と記載され、状況報知ボタン14gには「退室したいです」と記載される。
【0029】
状況報知ボタン14aに記載される内容としては、上述したように「自宅が汚いです」および「退室したいです」などといった緊急事態の発生を予見してその発生前に報知する内容と、「盗撮されています」、「お金を盗まれました」および「暴力をふるわれました」などといった既に緊急事態が発生していることを報知する内容とがある。なお、「すぐに来てください」および「連絡をください」などは、緊急事態の発生を予見してその発生前に報知する内容と、既に緊急事態が発生していることを報知する内容との両方に該当する。本発明の緊急事態の発生状況に応じた内容とは、上述した緊急事態の発生を予見してその発生前に報知する内容と、既に緊急事態が発生していることを報知する内容とを含む。緊急事態の発生を予見してその発生前に報知する内容を含めることによって、緊急事態の発生自体を未然に防止することができる。
【0030】
なお、状況報知ボタン14a~14gに記載される内容は、上述した内容に限らず、また、状況報知ボタンの数も7個に限定されるものではない。
【0031】
そして、制御部12は、表示部11に表示された複数の状況報知ボタン14a~14gのうちのいずれかが選択された場合には、予め登録された複数の端末装置20~60に対して、緊急事態が発生していることを報知する。
【0032】
本実施形態の制御部12は、具体的には、複数の端末装置20~60に対して自動的に電話を掛けることによって緊急事態が発生していることを報知する。そして、制御部12は、複数の端末装置20~60が応答して通話状態となった場合には、複数の端末装置20~60において、予め設定された音声メッセージを自動的に再生させる。
【0033】
この際に、複数の端末装置20~60において自動再生される音声メッセージとしては、たとえば「スタッフから緊急連絡です」という音声メッセージでもよいし、訪問サービススタッフによって選択された状況報知ボタン14a~14gに記載された内容を表す音声メッセージでもよい。
【0034】
また、複数の端末装置20~60において、単に「スタッフから緊急連絡です」という音声メッセージを自動再生する場合には、制御部12は、複数の端末装置20~60に対して、複数の状況報知ボタン14a~14gに記載された内容を表すメッセージを送信する。制御部12は、たとえば電子メールアドレスを用いた電子メール、電話番号を用いたSMS(ショートメッセージサービス)またはLINE(登録商標)などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によって上記メッセージを送信する。
【0035】
また、この際、複数の状況報知ボタン14a~14gに記載された内容だけでなく、訪問先の場所、時刻、顧客の情報なども送信するようにしてもよい。なお、訪問先の場所および顧客の情報については、緊急通報装置10に予め設定されているものとする。時刻については、緊急通報装置10の時計機能を用いて特定する。
【0036】
そして、複数の端末装置20~60においては、緊急通報装置10から送信されたメッセージが表示され、複数の端末装置20~60のユーザによって確認される。そして、各端末装置20~60においてメッセージが確認された場合には、各端末装置20~60から緊急通報装置10に対して、確認済みの信号が送信される。
【0037】
制御部12は、上記確認済みの信号を受信した場合には、表示部11に、確認済みであることを示す表示を行う。たとえば図4に示すように「確認済み」の表示を行う。
【0038】
緊急通報装置10の半導体メモリまたはハードディスクには、本発明の緊急通報プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、この緊急通報プログラムが、制御部12が有するCPUによって実行されることによって、上述した制御部12の機能が実現される。
【0039】
なお、本実施形態においては、上述した制御部12の機能を全て緊急通報プログラムによって実行するようにしたが、これに限らず、一部または全部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアから構成するようにしてもよい。
【0040】
次に、複数の端末装置20~60について説明する。
【0041】
複数の端末装置20~60は、訪問サービススタッフの管理者などが用いるものであり、たとえばスマートフォンやタブレット端末などの移動体端末から構成されるものであり、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどの記憶媒体並びに通信I/Fなどを備えている。
【0042】
複数の端末装置20~60は、緊急通報装置10から電話がかかった際にはこれを受信する。各端末装置20~60は、緊急通報装置10との間で通話状態になった場合には、上述したように緊急通報装置10から送信された予め設定された音声メッセージを再生する。
【0043】
また、複数の端末装置20~60は、たとえばタッチパネルなどの表示部を有し、上述したように、緊急通報装置10から送信されたメッセージを表示する。そして、各端末装置20~60においてメッセージが確認された場合には、各端末装置20~60から緊急通報装置10に対して、確認済みの信号が送信される。各端末装置20~60におけるメッセージの確認は、たとえば各端末装置20~60において「確認」ボタンを表示させ、これがタップされるなどして選択された場合に認識するようにしてもよいし、メッセージを表示させるアプリケーションが起動した際に認識するようにしてもよい。
【0044】
また、複数の端末装置20~60は、移動体端末に限らず、たとえば訪問サービスの事業所などに設置する場合には、パーソナルコンピュータから構成するようにしてもよい。この場合、端末装置において、複数の訪問サービススタッフの緊急通報装置10から緊急事態の発生を受け付けるようにしてもよい。そして、いずれかの緊急通報装置10からの緊急事態の発生を受け付けた場合には、アラートを発生するようにしてもよい。
【0045】
次に、本実施形態の緊急通報システム1の処理の流れについて、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0046】
まず、訪問サービススタッフに訪問先で緊急事態が発生した場合には、訪問サービススタッフは、緊急通報装置10にインストールされた緊急通報プログラムを起動することによって、表示部11に図2に示す緊急事態発生ボタン13を表示させ、これを1回タップする(S10)。
【0047】
訪問サービススタッフによって緊急事態発生ボタン13が1回タップされると、緊急通報装置10は、図3に示す複数の状況報知ボタン14a~14gを表示する(S12)。
【0048】
次いで、訪問サービススタッフは、複数の状況報知ボタン14a~14gの中のいずれかを1回タップする(S14)。
【0049】
複数の状況報知ボタン14a~14gのいずれかがタップされた場合には、緊急通報装置10は、複数の端末装置20~60に対して同時に自動的に電話を掛ける(S16)。
【0050】
各端末装置20~60においてユーザが応答して通話状態となった場合には、各端末装置20~60において「スタッフから緊急連絡です」というメッセージが自動的に再生される(S18)。
【0051】
さらに、緊急通報装置10から各端末装置20~60に対して、選択された状況報知ボタン14a~14gに記載された内容を表すメッセージが送信され、各端末装置20~60によって表示される(S20)。
【0052】
各端末装置20~60のユーザ(管理者)は、各端末装置20~60に表示されたメッセージを確認すると、各端末装置20~60に表示された「確認」ボタンをタップする(S22)。
【0053】
各端末装置20~60に表示された「確認」ボタンがタップされた場合には、各端末装置20~60から緊急通報装置10に対して確認済みの信号が送信され、緊急通報装置10は、確認済みの信号を受信し、図4に示すような「確認済み」の表示を行う(S24)。
【0054】
上記実施形態の緊急通報システム1によれば、訪問サービススタッフの訪問先で緊急事態が起こった場合に、顧客を刺激しないように、安全かつ効率的に助けを求めることができる。訪問サービススタッフが、スマートフォンなどを用いて文字を打ったり、電話をかけるような素振りを見せたりすることで顧客を刺激し、状況が悪くなってしまうことを防止することができる。
【0055】
また、訪問サービススタッフは、緊急通報装置10において2回の操作(緊急事態発生ボタン13のタップと状況報知ボタン14a~14gのタップ)だけで緊急通報することができるので、顧客に見つからないように即座に通報することができる。
【0056】
また、緊急通報装置10は、予め登録された複数の端末装置20~60に対して、緊急事態が発生していることを同時に報知するようにしたので、たとえば1台の端末装置だけに報知したのではその端末装置のユーザ(管理者)が気付かない場合があるが、複数の端末装置に同時に報知することによって、より確実に緊急事態を管理者に知らせることができる。
【0057】
また、緊急通報装置10は、端末装置20~60に対して自動的に電話を掛けることによって緊急事態が発生していることを報知するようにしたので、たとえば電子メールなどによって報知したのでは、端末装置のユーザ(管理者)が気付かない場合があるが、端末装置に電話をかけることによって、より確実に緊急事態を管理者に知らせることができる。
【0058】
また、緊急通報装置10は、端末装置20~60に電話をかけた際、端末装置20~60において、予め設定された音声メッセージを自動的に再生させるようにしたので、訪問サービススタッフは、電話で会話する必要がなく、顧客に気づかれる心配もない。
【0059】
また、緊急通報装置10は、緊急事態が発生していることを報知した際、訪問サービススタッフが選択した状況報知ボタン14a~14gに記載された内容を端末装置20~60に送信するようにしたので、端末装置20~60のユーザ(管理者)は、訪問先での状況や訪問サービススタッフの訴えを認識することができる。
【0060】
また、緊急通報装置10は、端末装置20~60においてメッセージが確認された際に、端末装置20~60から送信された確認済みの信号を受信して、確認済みであることを表示するようにしたので、訪問サービススタッフは、その確認済みの表示を見ることによって、管理者により緊急事態の発生が確認されたことを認識することができ、安心することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 緊急通報システム
10 緊急通報装置
11 表示部
12 制御部
13 緊急事態発生ボタン
14a 状況報知ボタン
14a~14g 状況報知ボタン
20~60 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5