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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026906
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】カーボンクレジット取引システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20230221BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132346
(22)【出願日】2021-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】521175632
【氏名又は名称】株式会社ecologica
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】伊集院 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC60
(57)【要約】
【課題】カーボンクレジットの取引を活性化する。
【解決手段】サービスプロバイダによって提供されるカーボンクレジットを、仲介者を介して購入者が取引を行うためのカーボンクレジット取引システムは、カーボンクレジットの発行者の端末からカーボンクレジットを取得する取得ステップと、購入者の端末から仲介者情報を受け付ける受付ステップと、取引が仲介者を介して行われる場合、サービスプロバイダから購入者に対して、仲介者情報に基づいて1以上のカーボンクレジットを提供する提供ステップと、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスプロバイダによって提供されるカーボンクレジットを、仲介者を介して購入者が取引を行うためのカーボンクレジット取引システムであって、
前記カーボンクレジットの発行者の端末から前記カーボンクレジットを取得する取得ステップと、
前記購入者の端末から仲介者情報を受け付ける受付ステップと、
前記取引が前記仲介者を介して行われる場合、前記サービスプロバイダから前記購入者に対して、前記仲介者情報に基づいて1以上のカーボンクレジットを提供する提供ステップと、
を有するカーボンクレジット取引システム。
【請求項2】
前記取引が前記仲介者を介して行われる場合、前記サービスプロバイダから前記仲介者に対して、所定の金額を支払う支払ステップをさらに有する、
請求項1に記載のカーボンクレジット取引システム。
【請求項3】
前記提供ステップでは、前記取引が前記仲介者を介して行われる場合、前記サービスプロバイダから前記購入者に対して、所定の金額を減じた金額でカーボンクレジットを提供する、
請求項1または2に記載のカーボンクレジット取引システム。
【請求項4】
前記カーボンクレジットを複数の小口用カーボンクレジットに分割する分割ステップをさらに有し、
提供ステップでは、前記サービスプロバイダから前記購入者に対して、1以上の前記小口用カーボンクレジットを提供する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のカーボンクレジット取引システム。
【請求項5】
前記カーボンクレジットは、日本国外におけるプロジェクトにより発行されたカーボンクレジットである、
請求項1から4のいずれか一項に記載のカーボンクレジット取引システム。
【請求項6】
前記仲介者は、前記サービスプロバイダによって認証を受けた仲介者である、
請求項1から5のいずれか一項に記載のカーボンクレジット取引システム。
【請求項7】
前記仲介者は、前記サービスプロバイダによって与えられる仲介に関する資格を有する仲介者である、
請求項1から6のいずれか一項に記載のカーボンクレジット取引システム。
【請求項8】
前記購入者に対して、所定の施設において、所定の期間、特典を得るためのポイントを生成する生成ステップをさらに有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のカーボンクレジット取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンクレジット取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策への取り組みとして温室効果ガス(GHG:greenhouse gas)の削減が行われており、当該温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにするいわゆるネットゼロが望まれている。そして、脱炭素社会を実現するため、国、自治体、企業、個人等において様々な取り組みが行われている。
【0003】
ここで、短期~中期的な視点に立った場合、温室効果ガスの削減だけではネットゼロを達成することは困難である。そのため、削減しきれない排出量を排出権として取引することにより実質的に相殺(カーボンオフセット)することが必要不可欠となっている。特許文献1には、二酸化炭素における排出権の購入又は販売を希望するもの同士がデータ通信網上で取引することができる取引システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-306839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地球温暖化対策への取り組みをより広げるためには取引システムの構築のみでは不十分であり、温室効果ガスの削減を義務付けられている国や大企業を除く、中小企業や個人では、カーボンオフセットによる温室効果ガスの実質的な相殺に対する意識は低いままである。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、カーボンクレジットの取引を活性化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
サービスプロバイダによって提供されるカーボンクレジットを、仲介者を介して購入者が取引を行うためのカーボンクレジット取引システムであって、
前記カーボンクレジットの発行者の端末から前記カーボンクレジットを取得する取得ステップと、
前記購入者の端末から仲介者情報を受け付ける受付ステップと、
前記取引が前記仲介者を介して行われる場合、前記サービスプロバイダから前記購入者に対して、前記仲介者情報に基づいて1以上のカーボンクレジットを提供する提供ステップと、
を有するカーボンクレジット取引システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カーボンクレジットの取引を活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】カーボンクレジット取引システムの概要を示す図である。
図2】カーボンクレジット取引システムの構成の概略を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】カーボンクレジット取引処理の一例を示すフローチャートである。
図6】計測処理の一例を示すフローチャートである。
図7】計測に係る質問の表示例を示す図である。
図8】計測結果の表示例を示す図である。
図9】オフセット金額の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
<概要>
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るカーボンクレジット取引システムの概要を示す図である。
【0011】
図1の符号CAに示すように、本実施形態におけるカーボンクレジット取引システムは、「Measure・Reduce・Offsetをパッケージ化し、ネットゼロを実現させるソリューション」(符号CA)として機能する。
「Measure(計測)」(符号CB1)は、排出されている温室効果ガス(例えば、CO2;二酸化炭素)の排出量の計測を示す。
「Reduce(削減)」(符号CB2)は、削減努力により温室効果ガスの排出量を削減することを示す。
「Offset(相殺)」(符号CB3)は、上述の削減によってもどうしても削減できない温室効果ガスの排出量について埋め合わせ(カーボンオフセット)を行うことを示す。
【0012】
カーボンオフセットでは、他の場所で削減または吸収された温室効果ガスを「カーボンクレジット」として取引することにより、当該カーボンクレジットの購入者は自ら排出した温室効果ガスを無効化することができる。
ここで、カーボンクレジットの発行者CC1としては、森林の育成等で二酸化炭素の吸収を促す活動を行う事業者や、再生可能エネルギーの利用等により二酸化炭素の削減を促す活動を行う事業者等が該当する。本実施形態では、カーボンクレジットは、日本国外におけるプロジェクトにより発行されたカーボンクレジットである例について説明するが、カーボンクレジットの発行元や種類は特に限定されない。
また、カーボンクレジットの購入者としては、自身の温室効果ガスの排出量をオフセットしたい法人・その他(Organization)(以下、法人CC4と称する)や個人・家族等(Non-organization)(以下、個人CC5と称する)が該当する。
【0013】
そして、カーボンクレジットの取引は、オフセット・プロバイダーCC2(サービスプロバイダ)と呼ばれる、カーボンクレジットの提供や取り組みを支援する事業者を介して行われる。具体的には例えば、オフセット・プロバイダーCC2は、おもにカーボンクレジットの取引において、プラットフォームの運営や、各種クレジットの調達、取引、無効化を行う。これらのことから、オフセット・プロバイダーCC2は、ソリューション・プロバイダーとしても機能する。
また、取引を行う際、オフセット・プロバイダーCC2は、各種クレジットの小口化や大口化も行う。例えば、オフセット・プロバイダーCC2は、VCU(VCS:Verified Carbon Standardによるクレジット)やその他のクレジットを小口化や大口化(Aggregation)して、購入者と取引を行う。
【0014】
オフセット・プロバイダーCC2と法人CC4との間では、法人CC4は、カーボンオフセットを行うために誓約、排出量の計測入力、支払いを行い、オフセット・プロバイダーCC2は、法人CC4に対して、公式のCNN(Climate Neutral Now)機関検証、計測ツールの提供、レポート送付等を行う。なお、法人CC4は、後述する紹介制度を利用することもできる。
【0015】
オフセット・プロバイダーCC2と個人CC5との間では、個人CC5は、カーボンオフセットを行うために誓約、排出量の計測入力、支払いを行い、オフセット・プロバイダーCC2は、個人CC5に対して、独自のカーボンオフセット(カーボンニュートラル)に関する検証(非公式、ボタンタリー)、独自ロゴの使用許諾、計測ツールの提供等を行う。なお、個人CC5は、後述する紹介制度を利用することもできる。
【0016】
ここで、本実施形態では、オフセット・プロバイダーCC2と購入者の間で行われるカーボンクレジットの取引は、直接行われる場合もあるが、仲介者CC3を介して行われる場合もある。
仲介者CC3は、オフセット・プロバイダーCC2と購入者との間の仲介を行う企業、自治体、個人等である。本実施形態では、仲介者CC3は、オフセット・プロバイダーCC2によって認証を受けた仲介者である。認証の方法は特に限定されないが、例えば、仲介者CC3は、以下のうち少なくともいずれか1つに該当する者が挙げられる。
・オフセット・プロバイダーCC2に対して、購入者(法人CC4または個人CC5)を紹介する紹介制度に関する契約を行っている仲介者
・オフセット・プロバイダーCC2のサーバに登録されている仲介者
・オフセット・プロバイダーCC2から認証状が付与されている仲介者
・オフセット・プロバイダーCC2によって与えられる仲介に関する資格を有する仲介者
なお、仲介者CC3は、オフセット・プロバイダーCC2によって認証を受けていない仲介者であってもよい。また、仲介者CC3は、複数であってもよい。
また、本実施形態では、仲介者CC3は、カーボンオフセットをすでに行っている者である例について説明する。
【0017】
オフセット・プロバイダーCC2と仲介者CC3との間では、オフセット・プロバイダーCC2は仲介者CC3に対して、資格認定や仲介者登録、仲介料支払、啓蒙・情報共有、計測ツール提供等のうち少なくともいずれか1つが行われる。
【0018】
仲介者CC3と購入者との間では、仲介者CC3は、購入者に対して、紹介や、計測ツールの提供、計測・削減・オフセット等のうち少なくともいずれか1つに関するコンサルティング、年更新のリマインダー等を行う。
【0019】
以下、オフセット・プロバイダーCC2によって提供されるカーボンクレジットを、仲介者を介して購入者が取引を行うためのカーボンクレジット取引システムについて説明していく。
【0020】
<システム構成>
図2は、本実施形態に係るカーボンクレジット取引システムの概要を示す図である。本実施形態に係るカーボンクレジット取引システムは、処理を行うサーバ1と、購入者端末2と、仲介者端末3と、発行者端末4とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
購入者端末2は、カーボンクレジットの購入者によって操作される端末である。
仲介者端末3は、仲介者によって操作される端末である。なお、仲介者は、仲介者端末3を用いて、仲介実績等の内容を閲覧してもよい。
発行者端末4は、カーボンクレジットの発行者によって操作される端末である。
【0021】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0022】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0023】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0024】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0025】
なお、図示はしないが、購入者端末2、仲介者端末3、発行者端末4は、図3に示すハードウェア構成を有する。
【0026】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係るサーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0027】
サーバ1のCPU11においては、動作する際に、受付部31、質問出力部32、CO2排出量算出部33、オフセット金額設定部34、表示制御部35、支払部36、カーボンオフセット証書発行部37、カーボンクレジット取得部38、カーボンクレジット分割部39、アラート部40、ポイント生成部41等が機能する。
【0028】
受付部31は、購入者端末2、仲介者端末3、発行者端末4等から各種データを受け付ける。例えば、受付部31は、購入者端末2からカーボンオフセットを行う旨の依頼を受け付ける。また、例えば、受付部31は、購入者端末2から仲介者に関する情報(仲介者情報)を受け付ける。また、例えば、受付部31は、仲介者端末3から仲介者登録に関する依頼を受け付ける。
【0029】
質問出力部32は、購入者端末2に対して、購入者のCO2排出量(温室効果ガス排出量)を計測するための質問を出力する。
ここで、CO2排出量は、個人の場合、年間平均約7.5tCO2eとされている。tCO2e(equivalent)とは、二酸化炭素相当量であって、温室効果ガス(水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン等)を二酸化炭素に換算した場合の排出量を示す尺度である。
CO2排出量を削減する取り組みを行っている場合は、上述の平均より下回ることがあるが、GHGプロトコル(Green House Gas protocol)で定められるCO2排出量の算出方法は、質問項目が多く、すべての質問に正確に回答することは困難である。そこで、質問出力部32によって出力されるいくつかの質問に回答することで、購入者は、簡易的にCO2排出量を計測することができる。
質問の内容は、購入者(ユーザ)が法人の場合、例えば、購入者の状況に関する質問である。状況としては、使用者や従業員等の通勤方法や、水道光熱費、廃棄物の量等が挙げられる。
また、質問の内容は、購入者が個人の場合、例えば、購入者のライフスタイルにおける、食、住居、移動、消費財、レジャー、サービスのうち少なくとも1つ以上の項目に関する質問である。例えば、質問の内容は、購入者の通勤通学時間、通勤通学方法、水道光熱消費量を含む質問であるとよいが、これらに限定されない。
例えば、食に関する質問として、穀類、野菜、豆類、乳製品、卵、魚介類、肉類、果物、飲料等の消費(使用)量に関する質問でもよい。
また、例えば、住居に関する質問として、建設・維持管理、電気(再生可能、水力、石油火力、LNG火力、石炭火力、原子力等)、エネルギー(灯油、プロパンガス、都市ガス等)、上水・下水等の消費(使用)量に関する質問でもよい。
また、例えば、移動に関する質問として、飛行機、自動車、バイク、鉄道、バス、フェリー、自転車、徒歩等の消費(使用)量に関する質問でもよい。
また、例えば、消費財に関する質問として、白物家電、情報・音声映像機器、家具・木製品、衣類、スポーツ・趣味用品、宝飾品、タバコ等の消費(使用)量に関する質問でもよい。
また、種々のレジャーやサービスの利用(例えば、利用頻度)に関する質問でもよい。
【0030】
図4の説明に戻る。
CO2排出量算出部33は、上述の質問に対する回答に基づいて、購入者のCO2排出量を算出する。CO2排出量算出部33は、例えば、平均的な個人の場合、上述のとおりCO2排出量を7.5tCO2eと算出する。
なお、CO2排出量算出部33は、上述の質問のすべてに回答しない場合や、上述の質問のすべてに「average(平均)」と回答した場合に、CO2排出量を7.5tCO2eと算出してもよい。
【0031】
オフセット金額設定部34は、カーボンオフセットを行う場合の支払い額に相当するオフセット金額を設定する。例えば、上述の平均的な個人(CO2排出量:7.5tCO2e)の場合、取引されるカーボンクレジットの単価が1000円であるとすると、オフセット金額設定部34は、1年分のオフセット金額が、7500円であると算出する。
なお、オフセット金額設定部34は、カーボンオフセットの取引が仲介者を介して行われる場合、オフセット金額を値引きしてもよい。すなわち、所定の金額を減じた金額でカーボンクレジットが提供されてもよい。例えば、オフセット金額設定部34は、購入者が、仲介者を介してカーボンクレジットの取引を行う場合、元の金額から20%を割り引いた金額(上述の場合、6000円(=7500×0.8))を、オフセット金額として設定してもよい。
なお、オフセット金額設定部34は、上述の質問のすべてに回答しない場合や、上述の質問のすべてに「average(平均)」と回答した場合に、オフセット金額を7500円と設定してもよい。また、オフセット金額設定部34は、算出されたCO2排出量が所定の排出量(例えば、日本人1人当たりにおける年間CO2排出量の平均値)より少ない場合は、オフセット金額を所定の金額(平均値に基づく金額(7500円))より下げてもよい。
【0032】
表示制御部35は、購入者端末2に対して、規約の内容、同意確認、申し込み確認等の内容を表示するように制御する。
【0033】
支払部36は、購入者端末2からカーボンクレジットの購入に係る決済処理を受け付ける。そして、支払部36は、入金確認後、領収書発行を行う。
また、カーボンクレジットの取引が仲介者を介して行われる場合、支払部36は、仲介者端末3に対して所定の金額を支払う。所定の金額は特に限定されないが、例えば、購入者が元々支払うべきオフセット金額の20%に相当する金額(上述の場合、1500円(=7500×0.2))とするとよい。
なお、所定の金額は取引ごとに固定額であってもよく、所定の契約に基づいて決められた額(例えば、月額または年額xxx円等)であってもよく、これらの組み合わせでもよい。
なお、支払部36は、仲介者が複数存在する場合は、上述の支払い金額を複数の仲介者に対して按分して支払ってもよい。この際、支払部36は、上述の按分比率を購入者端末2または仲介者端末3等から受け付けてもよい。
なお、支払部36は、仲介者が認定を受けた者、または資格を有する者である場合、当該認定の内容や、資格に応じて、仲介者に対する報酬を変更してもよい。例えば、上位の資格を有する仲介者には報酬を高くして、下位の資格を有する仲介者には報酬を低くしてもよい。
【0034】
カーボンオフセット証書発行部37は、各種証明書を発行する。例えば、購入者が法人の場合、カーボンオフセット証書発行部37は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に対して、Pledge、カーボンニュートラルレポート、各種証明書等を発行して提出する。また、例えば、購入者が個人の場合、カーボンオフセット証書発行部37は、独自の証書を発行する。
【0035】
カーボンクレジット取得部38は、カーボンクレジットの発行者端末4からカーボンクレジットを取得する。例えば、カーボンクレジット取得部38は、上述のCO2排出量算出部33によって算出されたCO2排出量に応じたカーボンクレジットを発行者端末4から取得する。なお、カーボンクレジット取得部38は、CO2排出量の計測結果に関わらず、予め所定のカーボンクレジットを発行者端末4から取得してもよい。
【0036】
カーボンクレジット分割部39は、発行者端末4から取得したカーボンクレジットを分割して小口化する。これは、通常の取引において、オフセット・プロバイダーと発行者とで取引されるカーボンクレジットは、個人や中小企業にとっては、大きな単位であるため、そのまま取引を行うのには適していない。そこで、カーボンクレジットを小口化することにより、個人や中小企業の購入者に対しても適切なカーボンクレジットの取引を行えるようにしている。
なお、カーボンクレジット分割部39は、オフセット・プロバイダーから購入者端末2に対して、1以上の小口用カーボンクレジットを提供する提供部と捉えることもできる。
なお、カーボンクレジット分割部39は、取引が仲介者を介して行われる場合、オフセット・プロバイダーから購入者端末2に対して、仲介者に関する情報に基づいて1以上のカーボンクレジットを提供(販売)する提供部であると捉えることもできる。
【0037】
アラート部40は、購入者端末2に対して、アラートを通知する。例えば、カーボンオフセットを行った購入者に対して、証明書の発行日を起算日として2年目の開始の2か月前に、購入者に対して温室効果ガスの削減やカーボンオフセットの取り組みに関するアラートを通知する。
【0038】
ポイント生成部41は、購入者に対して、カーボンオフセットを行った報酬として、所定の施設において、所定の期間、特典を得るためのポイント(例えば、ポイントカード)を生成する。所定の施設とは、例えば、スーパーマーケットやドラッグストア等が挙げられる。特典とは、例えば、所定の施設における数%の割引等が挙げられる。これにより、例えば、購入者は、所定のポイント数に応じて1年間、所定の施設で数%の割引が受けられる。
【0039】
図4に示す記憶部18の一領域には、カーボンクレジットDB51と、会員情報DB52、CO2排出係数DB53とが設けられている。
カーボンクレジットDB51には、オフセット・プロバイダーが保有しているカーボンクレジットに関する情報が格納されている。
会員情報DB52には、購入者の個人情報や計測情報、支払い情報、CNN情報等が格納されている。
CO2排出係数DB53には、上述の各質問項目における単位当たりのCO2排出量が格納されている。
【0040】
<処理内容>
図5は、カーボンクレジット取引処理の一例を示すフローチャートである。なお、図示はしないが、後述の各処理を行う前にログイン処理を介してもよく、購入者に関する情報(会員情報)を取得してもよい。
【0041】
ステップS11において、CO2排出量の計測処理が行われる。CO2排出量の計測処理の詳細については、図6を用いて後述する。
【0042】
ステップS12において、表示制御部35は、CO2排出量の計測結果を購入者端末2に表示させる。計測結果の表示例については、図8A図8Bを用いて後述する。なお、表示制御部35は、オフセット金額、CNN参加費(法人の場合)をさらに表示してもよい。
【0043】
ステップS13において、CPU11は、購入者の選択に基づいて、カーボンオフセットを行うか否かを判断する。カーボンオフセットを行う場合はステップS14に進み、行わない場合は処理を終了する。
【0044】
ステップS14において、表示制御部35は、購入者に対して、検証プランへの参加確認を行う。検証プランとしては、例えば、購入者が個人の場合は独自検証プラン、購入者が法人の場合は国連CNNプランが挙げられる。
なお、購入者が検証プランに参加する場合、検証プランに関する説明を表示(またはオフセット・プロバイダーの担当者から説明)してもよい。また、購入者が検証プランに参加しない場合、購入者は、所定のアンケートに回答した上で退会してもよい。
【0045】
ステップS15において、オフセット金額設定部34は、仲介者が存在するか否かを判断する。仲介者が存在する場合はステップS17に進み、存在しない場合はステップS16に進む。
【0046】
ステップS16において、オフセット金額設定部34は、カーボンオフセットを行う場合の支払い額に相当するオフセット金額の合計額を表示する。なお、オフセット金額設定部34は、CO2排出量や、カーボンクレジットの単価等をさらに表示してもよい。
【0047】
ステップS17(受付ステップ)において、オフセット金額設定部34は、仲介者を特定するための仲介者情報の入力を受け付ける。例えば、オフセット金額設定部34は、上述の計測結果を表示する画面において仲介者情報が入力された場合に、仲介者が存在すると判断することができる。なお、仲介者が複数存在する場合は、オフセット金額設定部34は、上述の計測結果を表示する画面において、仲介者情報に加えて複数の仲介者に対する按分比率の入力を受け付けてもよい。
仲介者情報としては、例えば、仲介者のメールアドレスや、クーポンコード、氏名、ID、認定No、資格取得No等が挙げられる。
【0048】
ステップS18において、オフセット金額設定部34は、カーボンオフセットを行う場合の支払い額に相当するオフセット金額の値引き後の金額や値引き額等を表示する(提供ステップ)。なお、オフセット金額設定部34は、上述と同様に、CO2排出量や、カーボンクレジットの単価等をさらに表示してもよい。
【0049】
ステップS19において、表示制御部35は、購入者端末2に対して、規約の内容、同意確認、申し込み確認等の内容の表示や、申込書の提示を行う。
【0050】
ステップS20(支払ステップ)において、支払部36は、購入者端末2からカーボンクレジットの購入費や、CNNの申請費等に係る決済処理を受け付ける。そして、支払部36は、入金確認後、領収書発行を行う。また、カーボンクレジットの取引が仲介者を介して行われる場合、支払部36は、仲介者端末3に対して所定の金額を支払う。
【0051】
ステップS21(取得ステップ)において、カーボンクレジット取得部38は、カーボンクレジットの発行者端末4からカーボンクレジットを取得する。上述のとおり、カーボンクレジット取得部38は、CO2排出量算出部33によって算出されたCO2排出量に応じたカーボンクレジットを発行者端末4から取得するものとするが、事前に所定の数量のカーボンクレジットを取得してもよい。
なお、本実施形態では、カーボンクレジット分割部39は、発行者端末4から取得したカーボンクレジットを分割して小口化するものとする(分割ステップ)。
【0052】
ステップS22において、カーボンオフセット証書発行部37は、各種証明書を発行する。
また、ステップS22において、カーボンクレジット分割部39は、カーボンクレジットを提供(販売)する(提供ステップ)。
また、ステップS22において、ポイント生成部41は、購入者に対して、カーボンオフセットを行った報酬として、所定の施設において、所定の期間、特典を得るためのポイント(例えば、ポイントカード)を生成する(生成ステップ)。
【0053】
ステップS23において、CPU11は、購入者に対するCO2排出量の削減アドバイス(コンサルティング)が必要か否かを判断する。例えば、CPU11は、購入者による、削減アドバイスを受けるか受けないかの選択を受け付けることにより、上述の判断を行う。削減アドバイスが必要である場合はステップS24に進み、必要ではない場合は処理を終了する。
【0054】
ステップS24において、受付部31は、削減アドバイスの申込を受け付ける。例えば、オフセット・プロバイダーの担当者は、削減アドバイスの申込を受け付けると、購入者の情報およびお問合せ内容等を受け付け、アドバイスの概要説明、見積書、請求書の提示を行い、入金確認後、事業活動内容のヒアリング(法人の場合)、削減対策の提案を行う。
なお、削減アドバイスを受けない場合、アラート部40は、購入者端末2に対して、上述のアラートを通知してもよい。
【0055】
≪CO2排出量の計測処理(S11)≫
図6は、本実施形態に係るCO2排出量の計測処理(S11)の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、購入者が法人であるか個人であるかに応じて、計測処理が異なる。
【0056】
ステップS111では、CPU11は、購入者が法人であるか個人であるかを判断する。例えば、CPU11は、購入者の会員情報等に基づいて、購入者が法人であるか個人であるかを判断することができる。購入者が法人である場合はステップS112に進み、個人である場合はS121に進む。
【0057】
ステップS112では、CPU11は、CO2排出量の計測が通常計測であるか詳細計測であるかを判断する。例えば、CPU11は、購入者の選択を受け付けることにより。通常計測を行うか詳細計測を行うかを判断する。通常計測である場合はステップS114に進み、詳細計測である場合はステップS113に進む。
通常計測は、本実施形態では、購入者に対して複数の質問を出力して、得られた回答に基づいて行われる簡易計測である。購入者は、自身の状況やライフスタイルに関する簡単な質問に回答すればCO2排出量の概算を得ることができるため、CO2排出量の計測に必要な多数の項目に一つ一つ回答する手間を省くことができる。
詳細計測は、本実施形態では、購入者が法人の場合に、通常計測より詳細(正確)に行う計測である。なお、購入者が個人の場合に詳細計測を行ってもよい。
【0058】
ステップS113では、受付部31は、詳細計測の申込を受け付ける。また、CO2排出量算出部33は、購入者からCO2排出量の計測に必要な内容を受け付け、当該内容に基づいてCO2排出量を計測する。詳細は割愛するが、CO2排出量の詳細計測は、例えば、オフセット・プロバイダーの担当者の支援を得て行われるとよい。
【0059】
ステップS114~S119は、購入者が法人である場合の通常計測に係る処理である。
【0060】
ステップS114では、質問出力部32は、購入者(法人)の状況に関する質問を出力する。購入者の状況としては、本実施形態では、水道光熱費や各使用量、(従業員等を含む者の)出張における距離および宿泊数、通勤の距離、車の給油量、廃棄物の重量等である例について説明するが、これらに限定されない。また、質問出力部32は、個々の質問の回答を得た後に、次の質問を出力してもよく、一度にすべての質問を出力してもよい。
【0061】
ステップS115では、CO2排出量算出部33は、水道光熱費、各使用量の入力を受け付ける。なお、各質問に対する入力(回答)を受け付ける方法については特に限定されず、各質問に対する数値の入力を受け付けてもよく、各質問に対応する情報を含む電子データの入力(アップロード)を受け付けてもよい(以下の質問についても同様)。
【0062】
図7Aは、光熱費の一例として、電力料金および電力使用量に関する質問および当該質問に対する入力を行う画面(購入者端末2に表示される画面)の表示例である。
図7Aの例では、質問出力部32によって、質問として「電力料金請求書を記帳しましょう」等の文言、および「時期」、「電力使用量(kWh)」、「資料アップロード」に対応する入力欄が出力されている。
また、図7Aの例では、購入者(法人)によって、「時期」に対して「2021年8月」、「電力使用量(kWh)」に対して「21876」、「資料アップロード」に対して「ABCD202108.pdf」が入力されている。
そして、購入者の入力が完了し、購入者によって「ENTER」ボタンが押下されると、質問出力部32は、当該入力を受け付ける。また、購入者によって「前のページ」ボタンまたは「次のページ」ボタンが押下されると、質問出力部32は、前の質問または次の質問を出力する。
【0063】
ステップS116では、CO2排出量算出部33は、(従業員等を含む者の)出張における距離および宿泊数の入力を受け付ける。
【0064】
図7Bは、出張における距離の一例として、出張記録に関する質問および当該質問に対する入力を行う画面(購入者端末2に表示される画面)の表示例である。
図7Bの例では、質問出力部32によって、質問として「出張記録を入力しましょう」等の文言、および「どこ空港から」、「どこ空港まで」、「搭乗クラス」に対応する入力欄が出力されている。
また、図7Bの例では、購入者(法人)によって、「どこ空港から」に対して「羽田」、「どこ空港まで」に対して「フランクフルト」、「搭乗クラス」に対して「ビジネスクラス」が入力されている。
そして、上述と同様に、購入者の入力が完了し、購入者によって「ENTER」ボタンが押下されると、質問出力部32は、当該入力を受け付ける。また、購入者によって「前のページ」ボタンまたは「次のページ」ボタンが押下されると、質問出力部32は、前の質問または次の質問を出力する。
【0065】
ステップS117では、CO2排出量算出部33は、(従業員等を含む者の)通勤の距離の入力を受け付ける。なお、質問出力部32は、通勤方法(例えば、車、電車等)の入力を受け付けてもよい。
【0066】
ステップS118では、CO2排出量算出部33は、(従業員等を含む者の)車の給油量の入力を受け付ける。なお、質問出力部32は、車の燃料タイプ(ガソリン、ディーゼル、電気等)、走行距離、メーカー、モデル、タイプ、総走行距離(フットプリント期間)、自己のオフグリッド(例えば、自家発電した電気)での充電率を受け付けてもよい。
【0067】
ステップS119では、CO2排出量算出部33は、廃棄物の重量の入力を受け付ける。廃棄物は、産業廃棄物や一般廃棄物を含むものであるとよい。
【0068】
ステップS120では、CO2排出量算出部33は、質問に対する回答(受け付けた入力)に基づいて、CO2排出量の合計値を算出する。
【0069】
ステップS121~S126は、購入者が個人である場合の通常計測に係る処理である。また、ステップS121~S126は、上述のステップS114~S119に対応する処理である。
【0070】
ステップS121では、質問出力部32は、購入者(個人)のライフスタイルに関する質問を出力する。購入者のライフスタイルとしては、上述のとおり、食、住居、移動、消費財、レジャー、サービスのうち少なくとも1つ以上の項目が挙げられる。購入者のライフスタイルとしては、本実施形態では、水道光熱費や各使用量、旅行における距離および宿泊数、通勤通学の距離、車の給油量、廃棄物の重量等である例について説明するが、これらに限定されない。また、質問出力部32は、上述と同様に、個々の質問の回答を得た後に、次の質問を出力してもよく、一度にすべての質問を出力してもよい。
【0071】
ステップS122では、CO2排出量算出部33は、水道光熱費、各使用量の入力を受け付ける。
【0072】
ステップS123では、CO2排出量算出部33は、旅行における距離および宿泊数の入力を受け付ける。
【0073】
ステップS124では、CO2排出量算出部33は、通勤通学の距離の入力を受け付ける。なお、質問出力部32は、通勤通学方法(例えば、車、電車等)の入力を受け付けてもよい。
【0074】
ステップS125では、上述のステップS118と同様に、CO2排出量算出部33は、車の給油量の入力を受け付ける。
【0075】
ステップS126では、上述のステップS119と同様に、CO2排出量算出部33は、廃棄物の重量の入力を受け付ける。
【0076】
<表示例>
図8Aは、CO2排出量算出部33によって算出された計測結果の表示例を示す図である。図8Aでは、CO2排出量算出部33は、計測結果として、カテゴリー、計測項目、入力数値、単位、排出量(tCO2e)、および合計排出量(tCO2e)を表示する。また、図8Aでは、計測結果の下側には、計測項目の追加がある場合に用いる選択欄が設けられている。
【0077】
図8Bは、CO2排出量算出部33によって算出された計測結果の表示例を示す図である。例えば、購入者が、図8Aに示す計測結果を確認した後に、「次のページ」ボタンを押下すると表示される。図8Bでは、購入者が排出した温室効果ガスのバランスが円グラフで表示されている。排出量のバランス表示としては、例えば、上述のカテゴリーごとにどれくらいの割合を占めているかを表示することが挙げられる。また、購入者が「削減アドバイス」ボタンを押下すると、受付部31は、削減アドバイスの申込を受け付けることができる(上述のステップS24の処理)。また、購入者が「カーボンオフセット」ボタンを押下すると、表示制御部35は、購入者に対して、検証プランへの参加確認を行う(上述のステップS14の処理)。
【0078】
図9は、オフセット金額設定部34によって算出されたオフセット金額の表示例を示す図である。図9では、オフセット金額設定部34は、カーボンオフセットに係る情報として、CO2排出量(CO2相当量)、カーボンクレジット単価、合計金額、紹介者(仲介者)情報、値引き後の金額(仲介者がいる場合)を表示している。また、オフセット金額設定部34は、それぞれの項目について以下のように示している。
CO2排出量:2,654[tCO2e]
カーボンクレジット単価:1,000[円](1tCO2eあたり)
合計金額:2,654,000[円]
紹介者:xxxxx@xxxxxxx.co.jp
合計金額(値引き後):2,123,200[円]
図9に示すように、合計金額(値引き前)を表示している画面において、購入者から紹介者情報(例えば、メールアドレス)の入力および「ENTER」ボタン押下を受け付けた後に、合計金額(値引き後)を表示してもよい。なお、合計金額(値引き後)とともに、値引き額が表示されてもよい。
【0079】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、仲介者を介して購入者がカーボンクレジットの取引を行うことにより、例えば、仲介者によってカーボンオフセットに関する啓蒙活動により購入者が増加し、カーボンクレジットの取引を活性化させることができる。
また、カーボンクレジットの取引が活性化することにより、クレジット購入に投資された資金が、例えば、開発途上国での植林・森林保全・再エネ導入等の各削減活動プロジェクトの活動費に充てられることで、気候変動対策へ貢献することができる。
また、購入者が増えることで、温室効果ガスの削減に関する意識を高めることができる。
【0080】
また、上述の実施形態によれば、取引が仲介者を介して行われる場合、オフセット・プロバイダーから仲介者に対して、所定の金額(報酬)を支払うことで、仲介者がカーボンニュートラルに関する活動を広めようとする意識を高めることができる。
【0081】
また、上述の実施形態によれば、取引が仲介者を介して行われる場合、オフセット・プロバイダーから購入者に対して、所定の金額を減じた金額でカーボンクレジットを提供することで、購入者がカーボンオフセットを行いやすくすることができ、仲介者と購入者の相乗効果を得ることができる。
【0082】
また、上述の実施形態によれば、カーボンクレジットを複数の小口用カーボンクレジットに分割して提供することで、中小企業や個人等の小口の購入者において、カーボンオフセットを行うことができる。
【0083】
また、上述の実施形態によれば、仲介者は、オフセット・プロバイダーによって認証を受けた仲介者であることにより、オフセット・プロバイダーは仲介者を管理し、また、仲介者は認証を維持しようとするため、仲介者の信用力を高めることができる。また、オフセット・プロバイダーは、仲介者に対して、啓蒙、情報共有を行うことができるので、仲介者が正しい知識を得ることができ、購入者に対しても当該正しい知識をもってコンサルティング等を行うことができる。
【0084】
また、上述の実施形態によれば、仲介者は、オフセット・プロバイダーによって与えられる仲介に関する資格を有する仲介者であることにより、一定の基準を満たした仲介者であることを証明することで、仲介者の信用力をさらに高めることができ、また、より多くの収入(レベニュー)を得ることが期待できる。
【0085】
また、上述の実施形態によれば、所定の施設において、所定の期間、特典を得るためのポイントを生成することで、購入者が上述のポイントにより割引を受けることができるため、購入者に対してカーボンオフセットをする意識を高めることができる。
【0086】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0087】
(変形例)
上述の実施形態において、カーボンクレジット取引システムは、以下のCO2排出量計測システムであると捉えることもできる。
(1)カーボンクレジットのサービスプロバイダによって提供される、ユーザ(購入者)ごとのCO2排出量を計測するCO2排出量計測システムであって、
ユーザに対して所定の質問を出力する出力ステップ(質問出力部)と、
所定の質問に対するユーザの回答に基づいて、ユーザのCO2排出量を算出する算出ステップ(CO2排出量算出部)と、
算出されたCO2排出量を表示手段に表示する表示制御ステップ(オフセット金額設定部;表示制御部)と、
を有するCO2排出量計測システム。
これにより、ユーザは、簡易的にCO2排出量を計測することができる。
【0088】
また、上述のCO2排出量計測システムにおいて、
(2)所定の質問とは、ユーザのライフスタイルにおける、食、住居、移動、消費財、レジャー、サービスのうち少なくとも1つ以上の項目に関する質問であるとよい。
これにより、ユーザのライフスタイルに沿った内容に基づいて計測することができるため、より正確にCO2排出量を計測することができる。
【0089】
また、上述のCO2排出量計測システムにおいて、
(3)所定の質問とは、ユーザの通勤通学時間、通勤通学方法、水道光熱消費量を含む質問であるとよい。
これにより、ユーザのライフスタイルのうち、CO2排出量の計測に寄与する項目を含むことで、より正確にCO2排出量を計測することができる。
【0090】
また、上述のCO2排出量計測システムにおいて、
(4)算出ステップにおいて算出されたCO2排出量が所定の排出量より少ない場合は、オフセット金額を所定の金額より下げる設定ステップ(オフセット金額設定部)をさらに有するとよい。
(5)所定の排出量とは、日本人1人当たりにおける年間CO2排出量の平均値であるとよい。
これにより、ユーザに対してCO2排出量を削減することを促すことができる。
【0091】
また、上述のCO2排出量計測システムにおいて、
(6)算出ステップでは、ユーザが保持する端末によって取得される情報に基づいてユーザごとのCO2排出量を算出するとよい。
ユーザが保持する端末としては、例えば、ウェアラブル端末が挙げられる。
ユーザが保持する端末によって取得される情報としては、例えば、位置情報、心拍数、体温等が挙げられる。
これにより、移動の有無や、移動手段を推測して、CO2排出量を算出することができる。
【0092】
また、上述のCO2排出量計測システムにおいて、
(7)算出ステップでは、ユーザの購入履歴に基づいてユーザごとのCO2排出量を算出するとよい。
ユーザの購入履歴としては、例えば、レシート等が挙げられる。
これにより、ユーザが購入したものに基づいて、例えば、食に関するCO2排出量を算出することができる。
【0093】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0094】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0095】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0096】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【符号の説明】
【0097】
1:サーバ 2:購入者端末 3:仲介者端末
4:発行者端末 11:CPU 18:記憶部
19:通信部 31:受付部 32:質問出力部
33:CO2排出量算出部 34:オフセット金額設定部 35:表示制御部
36:支払部 37:カーボンオフセット証書発行部
38:カーボンクレジット取得部 39:カーボンクレジット分割部
40:アラート部 41:ポイント生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9