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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026965
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】たばこ商品提供システム
(51)【国際特許分類】
   A47F 1/10 20060101AFI20230221BHJP
   A47F 7/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A47F1/10
A47F7/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132439
(22)【出願日】2021-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(72)【発明者】
【氏名】奥村 茂之
(57)【要約】
【課題】吸引用デバイスと当該吸引用デバイスとともに用いられるたばこ商品120との両方の提供を容易に行うことが可能なたばこ商品提供システムを提供する。
【解決手段】たばこ商品提供システムは、吸引用デバイスを収容する第1収容部10と、たばこ商品を収容する第2収容部40と、提供可能吸引用デバイス判定部と、たばこ商品在庫判定部と、ユーザに対してガイダンスを行うガイダンス実行部と、を備え、ガイダンス実行部は、第1収容部10の吸引用デバイスを提供可能であるとともに第2収容部40にたばこ商品の残りがある場合には、吸引用デバイス及びたばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスをユーザに対して行い、第1収容部10の吸引用デバイスを提供不可であるとともに第2収容部40にたばこ商品の残りがある場合には、たばこ商品のみの提供が可能である旨のガイダンスをユーザに対して行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引用デバイスをユーザに提供可能に収容する第1収容部と、
前記吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品を前記ユーザに提供可能に収容する第2収容部と、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを前記ユーザに提供可能であるか否かを判定する提供可能吸引用デバイス判定部と、
前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがあるか否かを判定するたばこ商品在庫判定部と、
前記ユーザに対してガイダンスを行うガイダンス実行部と、
を備え、
前記ガイダンス実行部は、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供可能であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがある場合には、前記吸引用デバイス及び前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行い、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供不可であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがある場合には、前記たばこ商品のみの提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行うたばこ商品提供システム。
【請求項2】
前記ガイダンス実行部は、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供可能であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りが無い場合には、前記吸引用デバイスのみの提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行う請求項1に記載のたばこ商品提供システム。
【請求項3】
前記第1収容部の前記吸引用デバイスの充電状態を判定する充電状態判定部を更に備え、
前記提供可能吸引用デバイス判定部は、前記第1収容部に充電済みの前記吸引用デバイスが無い場合には、前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供不可と判定する請求項1又は2に記載のたばこ商品提供システム。
【請求項4】
前記第1収容部は、それぞれ前記吸引用デバイスを収容する複数の収容スロットを有し、
前記収容スロット毎に、前記吸引用デバイスの充電状態を表示報知する充電状態報知部が設けられている請求項3に記載のたばこ商品提供システム。
【請求項5】
前記ユーザの識別情報を読み取る読取部を備え、
前記ガイダンス実行部は、前記読取部により読み取られた前記識別情報に基づいて前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品を提供可能と判断された前記ユーザに対してのみ、前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを行う請求項1から4のいずれか一項に記載のたばこ商品提供システム。
【請求項6】
前記読取部により読み取った前記識別情報を外部のサーバ装置に送信する通信部を備え、
前記サーバ装置より前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品を提供可能である旨を受信した場合に、前記ガイダンス実行部は、前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを行う請求項5に記載のたばこ商品提供システム。
【請求項7】
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを前記ユーザに提供する第1提供機構と、
前記第2収容部の前記たばこ商品を前記ユーザに提供する第2提供機構と、
を備える請求項1から6のいずれか一項に記載のたばこ商品提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ商品提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所望のたばこ商品を自動的に払い出すたばこ商品提供システム(同文献には、銘柄指定システムと記載)について記載されている。このたばこ商品提供システムにおいて提供されるたばこ商品は、典型的には専用の吸引用デバイスとともに用いられる消耗品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/131554号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願発明者の検討によれば、たばこ商品が専用の吸引用デバイスとセットで用いられるものである場合、当該たばこ商品を提供する際に、この専用の吸引用デバイスを所有していないユーザに向けて当該吸引用デバイスもともに提供可能であることが好ましい。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、吸引用デバイスと当該吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品との両方の提供を容易に行うことが可能なたばこ商品提供システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、吸引用デバイスをユーザに提供可能に収容する第1収容部と、
前記吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品を前記ユーザに提供可能に収容する第2収容部と、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを前記ユーザに提供可能であるか否かを判定する提供可能吸引用デバイス判定部と、
前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがあるか否かを判定するたばこ商品在庫判定部と、
前記ユーザに対してガイダンスを行うガイダンス実行部と、
を備え、
前記ガイダンス実行部は、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供可能であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがある場合には、前記吸引用デバイス及び前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行い、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供不可であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがある場合には、前記たばこ商品のみの提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行うたばこ商品提供システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸引用デバイスと当該吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品との両方の提供を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るたばこ商品提供システムが備える什器の模式的な正面図であり、開閉扉が閉じた状態を示す。
図2図2(a)及び図2(b)は実施形態に係るたばこ商品提供システムが備える什器の模式図であり、このうち図2(a)はたばこ商品提供システムが備える什器を左側から視た図であり、図2(b)はたばこ商品提供システムが備える什器を右側から視た図である。
図3】実施形態に係るたばこ商品提供システムが備える什器の模式的な正面図であり、開閉扉が開いた状態を示す。
図4】実施形態に係るたばこ商品提供システムの第2収容部及びその周辺構造を示す模式的な斜視図である。
図5図5(a)、図5(b)及び図5(c)は実施形態における吸引用デバイスの模式図であり、このうち図5(a)は吸引用デバイスの正面図、図5(b)は吸引用デバイスの底面図、図5(c)は吸引用デバイスの端子の斜視図である。
図6図6(a)及び図6(b)は実施形態におけるたばこ商品の模式図であり、このうち図6(a)はたばこ商品の斜視図であり、図6(b)はたばこスティックの斜視図である。
図7図7(a)及び図7(b)は実施形態における第1収容部の模式図であり、このうち図7(a)は第1収容部の正面図であり、図7(b)は図7(a)に示すA-A線に沿った断面図である。
図8】実施形態における第2収容部の模式的な正面図である。
図9】実施形態におけるプッシャ機構の支持アーム及びその周辺構造を示す側面図である。
図10】実施形態におけるプッシャ機構の売り切れ検知レバー及びその周辺構造を示す側面図である。
図11図11(a)及び図11(b)は実施形態における第1提供機構の動作の一例を説明するための図であり、このうち図11(a)は第1提供機構の初期状態を示しており、図11(b)は図11(a)に示す状態から押出部材が前方に移動した状態を示す。
図12】実施形態における第1提供機構の動作の一例を説明するための模式図であり、図11(a)に示す状態の側断面図である。
図13図13(a)及び図13(b)は実施形態における第1提供機構の動作の一例を説明するための模式図であり、このうち図13(a)は、図11(b)に示す状態の側断面図であり、図13(b)は図13(a)に示すA部の部分拡大図である。
図14図14(a)から図14(h)は実施形態における第2提供機構の一連の動作を説明するための模式図である。
図15図15(a)から図15(f)は実施形態における第2提供機構によってたばこ商品が排出される一連の動作を説明するための模式図である。
図16】実施形態に係るたばこ商品提供システムのブロック図である。
図17図17(a)、図17(b)、図17(c)及び図17(d)は実施形態における表示部に表示される画面の例を示す図である。
図18図18(a)及び図18(b)は実施形態における表示部に表示される画面の例を示す図であり、このうち図18(a)はたばこ商品を提供する際の注意事項が表示されている状態を示し、図18(b)はユーザが読取部に識別情報を読み取らせる際の説明事項が表示されている状態を示す。
図19図19(a)、図19(b)及び図19(c)は実施形態におけるたばこ商品の銘柄をユーザが指定する際に表示部に表示される画面の例を示す図である。
図20図20(a)、図20(b)、図20(c)及び図20(d)は実施形態におけるたばこ商品の提供が不可である場合に表示部に表示される画面の例である。
図21図21(a)、図21(b)及び図21(c)は実施形態における吸引用デバイスの提供が不可である場合に表示部により表示される画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
また、以下において、「上下方向」は、図1に示す向きで什器70を配置した状態における上下方向をいう。より詳細には、たばこ商品提供システムは、図1に示す姿勢で水平な載置面に設置されることにより自立可能となっている。また、「左右方向」は、図1に示す向きで什器70を配置した状態における左右方向をいう。また、什器70の左右方向を横幅方向という場合がある。また、上下方向と左右方向との双方に対して直交する方向を前後方向とする。また、図1における手前側を前方又は前面側、その反対側を後方又は背面側と称することがある。
【0010】
図1図3等に示すように、本実施形態に係るたばこ商品提供システムは、吸引用デバイスをユーザに提供可能に収容する第1収容部10と、吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品をユーザに提供可能に収容する第2収容部40と、第1収容部10の吸引用デバイスをユーザに提供可能であるか否かを判定する提供可能吸引用デバイス判定部と、第2収容部40にたばこ商品の残りがあるか否かを判定するたばこ商品在庫判定部と、ユーザに対してガイダンスを行うガイダンス実行部と、を備えている。
ガイダンス実行部は、第1収容部10の吸引用デバイスを提供可能であるとともに第2収容部40にたばこ商品の残りがある場合には、吸引用デバイス及びたばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスをユーザに対して行う。
一方、ガイダンス実行部は、第1収容部10の吸引用デバイスを提供不可であるとともに第2収容部40にたばこ商品の残りがある場合には、たばこ商品のみの提供が可能である旨のガイダンスをユーザに対して行う。
ここで、「ガイダンスを行う」とは、本実施形態の場合、後述するように、ユーザによるタッチ操作を受け付ける表示部97において、提供可能なもののみを提示し、提供不可のものを最初から提示しないことを意味する。
このような構成によれば、ユーザ以外の人手を介することなく、吸引用デバイスやたばこ商品120の利用状況に応じて、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供を適宜行うことができる。よって、吸引用デバイスと当該吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品との両方の提供を容易に行うことが可能となる。
なお、ここで「提供」とは、吸引用デバイスやたばこ商品120をユーザが受け取り可能な状態とすることを意味している。
【0011】
より詳細には、本実施形態の場合、図16等に示すように、たばこ商品提供システムは、第1収容部10の吸引用デバイスをユーザに提供する第1提供機構50と、第2収容部40のたばこ商品をユーザに提供する第2提供機構60と、を備える。
これにより、吸引用デバイスと当該吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品との両方の提供をより容易に行うことが可能となる。
【0012】
本実施形態の場合一例として、たばこ商品提供システムは、販売促進活動を目的とした、吸引用デバイスの貸し出し及びたばこ商品120の無償提供に用いられる。
一般的には、ユーザへのたばこ商品120のこのような提供は、専用のスタッフなどによる人手によって行われているが、本実施形態によれば、ユーザ自身によって、吸引用デバイスの払い出し操作と、たばこ商品120の払い出し操作と、の両方を行うことができる。よって、吸引用デバイスとたばこ商品120との両方の提供にあたっての省人化が可能である。
なお、本実施形態の場合、吸引用デバイスの払い出し操作と、たばこ商品120の払い出し操作と、後述する表示部97に対するタッチ操作によって行われる。
たばこ商品提供システムは、例えば、施設(店舗)に設置され、当該施設に来訪したユーザによって使用されることが想定されている。また、例えば、この施設には回収用ボックスが同時に設置され、使用済みの吸引用デバイスは、当該回収用ボックス内に返却される。返却された吸引用デバイスは、施設の店員等によって手動で第1収容部10に再び収容される。ただし、使用済みの吸引用デバイスは、例えば、ユーザ自身によって第1収容部10内に直接返却されてもよい。
なお、本発明において、たばこ商品120は、市販品でもよいし専用の試供品でもよい。
また、本発明において、たばこ商品提供システムは、例えば、吸引用デバイス又はたばこ商品120の対価の決済を行うための決済処理部を備えており、吸引用デバイス及びたばこ商品120の販売のために用いられてもよい。
【0013】
本発明において、吸引用デバイスの形態は特に限定されないが、本実施形態の場合、以下に説明するエアロゾル吸引器110(図5(a)及び図5(b))が吸引用デバイスに該当する。そして、エアロゾル吸引器110は、たばこ商品120(より詳細には、以下に説明するたばこスティック125)を当該エアロゾル吸引器110に装着することによって、エアロゾル吸引器110を用いたエアロゾルの吸引が可能となる。
【0014】
エアロゾル吸引器110は、例えば、加熱式たばこの吸引器であり、吸引器本体部111と、たばこスティック125が着脱可能に差し込み固定される差込孔(不図示)と、当該エアロゾル吸引器110の電源である二次電池(不図示)と、を備えている。
また、エアロゾル吸引器110は、例えば、当該エアロゾル吸引器110の二次電池を充電するための端子115(図5(c))を更に備えている。
【0015】
吸引器本体部111は、例えば、正面及び背面と、一対の側面と、天面及び底面を有する角丸の略直方体形状に形成されている。なお、吸引器本体部111の正面とは、図5(a)における前方を向いている面であり、吸引器本体部111の背面とは、図5(a)における後方を向いている面である。また、吸引器本体部111の天面及び底面は、図5(a)における上下方向を向いている面であり、当該吸引器本体部111の一対の側面は、図5(a)における左右方向を向いている面である。
ここで、吸引器本体部111において正面から背面に向かう方向を奥行き方向(厚み方向)とし、天面から底面に向かう方向を天地方向とし、一方の側面から他方の側面に向かう方向を横幅方向とする。
吸引器本体部111の天地方向における寸法は、例えば、一方の側面側から他方の側面側に向けて徐々に縮小している。同様に、吸引器本体部111の厚み寸法も、例えば、一方の側面側から他方の側面側に向けて徐々に縮小している。
吸引器本体部111の最大厚み寸法は、例えば、当該吸引器本体部111の天地方向における寸法及び横幅寸法の各々よりも小さい寸法に設定されている。
図5(c)に示すように、端子115の一端部は、吸引器本体部111に装着されるUSB端子115aとなっており、当該端子115の他端部は、第1収容部10の充電部15と接続される充電用端子115bとなっている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、吸引器本体部111の底面には、例えば、端子115のUSB端子115aが差し込まれる端子差込部112が形成されている。
端子差込部112にUSB端子115aが差し込まれている状態で、端子115の充電用端子115bを吸引用デバイスの充電部15と接続することによって、エアロゾル吸引器110の二次電池の充電が可能となる。
【0016】
たばこ商品120は、例えば、ニコチンを含むたばこの成分の充填物が充填された複数のたばこスティック125が同一の直方体状のパッケージ(図6(a)参照)に収容され、流通及び提供されるようになっている。
たばこスティック125(図6(b))は、例えば、エアロゾル吸引器110の差込孔と略同径又は当該差込孔よりも細径の丸棒状に形成されている。
エアロゾル吸引器110においては、例えば、たばこスティック125は消耗品となっている。
【0017】
なお、本発明において、エアロゾル吸引器は、加熱式たばこの吸引器に限らず、その他のたばこ商品とともに用いられるエアロゾル吸引器や、ニコチン成分を含まないエアロゾルの吸引用の吸引器であってもよい。その他のエアロゾル吸引器としては、非燃焼型香味吸引器、燃焼側香味吸引器、非加熱霧化吸引器及び加熱霧化吸引器等を挙げることができる。
また、本発明において、たばこ商品120には、エアロゾル吸引器110の消耗品に限らず、複数本の紙巻きたばこを収容しているたばこ商品や、他のニコチン成分を含む消耗品を収容するたばこ商品が含まれていることも好ましい。他のたばこ製品としては、嗅ぎたばこ、パイプたばこのほか、それら他のたばこ製品に用いられる吸引具等の関連たばこ商品を挙げることができる。
また、本発明において、たばこ商品提供システムにより提供される物品は、エアロゾル吸引器110及びたばこ商品120に限定されず、例えば、電動カミソリ本体と当該電動カミソリ本体に用いられる替刃等であってもよい。
【0018】
本実施形態の場合、第1収容部10は、吸引用デバイスを充電する充電部15を有する。
このため、第1収容部10に吸引用デバイスを収容している状態において、当該吸引用デバイスを充電することができる。よって、十分に充電された吸引用デバイスをユーザに対して効率よく提供することができる。
【0019】
また、図3及び図7(a)に示すように、第1収容部10は、例えば、それぞれ吸引用デバイス(本実施形態の場合、エアロゾル吸引器110)を収容する複数の収容スロット20を有する。
第1収容部10が有する収容スロット20の数は限定されないが、本実施形態の場合、一例として、6つである。そして、各収容スロット20に対して、1つずつのエアロゾル吸引器110が収容される。したがって、本実施形態の場合、第1収容部10に収容可能なエアロゾル吸引器110の数は、一例として、6つである。
収容スロット20の具体的な構造は特に限定されないが、本実施形態の場合、各収容スロット20は、収容スロットは水平方向に開放している。より詳細には、本実施形態の場合、各収容スロット20は、前方に向けて開口しており、当該開口が、収容スロット20内からエアロゾル吸引器110が取り出される取出口20bを構成している。
各収容スロット20は、例えば、前後方向及び上下方向において長尺に形成されている。
各収容スロット20は、例えば、エアロゾル吸引器110を支持する第1底部26と、左右一対の第1側壁部23と、左右一対の第1前壁部22と、第1後壁部24と、を備えて構成されている。
第1底部26、一対の第1側壁部23、第1後壁部24及び一対の第1前壁部22は、例えば、それぞれ板状に形成されている。
本実施形態の場合、収容スロット20の内腔領域20aとは、左右一対の第1側壁部23と、第1底部26と、第1後壁部24と、によって囲まれた領域、すなわち第1底部26の上方の領域であって左右の第1側壁部23どうしの対向間隔に位置する領域である。
収容スロット20の取出口20bは、例えば、左右一対の第1側壁部23の各々の前縁と、第1後壁部24の前縁と、第1底部26の前縁と、によって画定されている。
また、収容スロット20の底面26aは、第1底部26の上面によって構成されている。
【0020】
本実施形態の場合、図11(a)及び図12に示すように、収容スロット20には、吸引器本体部111の奥行き方向が左右方向となり、吸引器本体部111の天地方向が上下方向となるようにしてエアロゾル吸引器110が縦置きされた状態で収容される。
より詳細には、エアロゾル吸引器110が収容スロット20に収容された状態において、吸引器本体部111の天面は、収容スロット20の第1天面部25と対向しており、吸引器本体部111の底面は、収容スロット20の第1底部26(の底面26a)と対向しており、吸引器本体部111の正面及び背面は、それぞれ収容スロット20の対応する第1側壁部23と対向している。また、吸引器本体部111の一対の側面のうち一方の側面は、収容スロット20の取出口20b側に配置されており、他方の側面は、収容スロット20の第1後壁部24と対向している。
【0021】
ここで、図5(b)に示すように、吸引用デバイス(本実施形態の場合、エアロゾル吸引器110)の厚み寸法は、当該収容スロット20の開放方向に向けて増大している。同様に、図7(b)に示すように、収容スロット20の内腔領域20aは、吸引用デバイス(同上)の外形形状と対応して、当該収容スロット20の開放方向に向けて増大している。
これにより、吸引用デバイスが第1収容部10に収容されている状態において、当該吸引用デバイスが収容スロット20に対して適度にフィットするようにできるので、専用のロック機構を設けずに、ユーザによる吸引用デバイスの不正取り出しを抑制できる。
より詳細には、上述のように、一例として、収容スロット20の開放方向は前方である。したがって、エアロゾル吸引器110の厚み寸法(左右幅寸法)は、例えば、前方に向けて増大している。同様に、収容スロット20の内腔領域20aの左右幅寸法は、例えば、前方に向けて増大している。
また、本実施形態の場合、内腔領域20aの前後方向における一部分の左右幅寸法は、例えば、エアロゾル吸引器110の最大左右幅寸法よりも小さい寸法に設定されている。このため、図11(a)に示すように、エアロゾル吸引器110が収容スロット20に収容されている状態において、エアロゾル吸引器110の左右一対の側面の一部分は、それぞれ対応する収容スロット20の第1側壁部23に対して当接するようになっている。これにより、エアロゾル吸引器110を収容スロット20に対してより適度にフィットさせることができる。
更には、内腔領域20aの後端部(取出口20b側とは反対側の端部)の左右幅寸法は、エアロゾル吸引器110の前端部(取出口20b側の端部)の左右寸法よりも小さい寸法に設定されている一方で、内腔領域20aの前端部(取出口20b側の端部)の左右幅寸法は、エアロゾル吸引器110の後端部(取出口20b側とは反対側の端部)の左右寸法よりも大きい寸法に設定されている。
このため、第1収容部10内にエアロゾル吸引器110を収容する際に、エアロゾル吸引器110の向きを前後逆にして収容してしまうことを抑制できる。
【0022】
第1収容部10の充電部15は、例えば、吸引用デバイス(本実施形態の場合、エアロゾル吸引器110)の端子115に対して磁力で吸着する充電端子16(図7(a)及び図7(b)参照)を有する。
このような構成によれば、ユーザは、充電端子16を端子115に対して磁力で吸着させることによって、ワンタッチで端子115を充電端子16に対して電気的に接続することができる。
本実施形態の場合、充電端子16は、例えば、収容スロット20の底面26aに配置されている。そして、上述のように、一例として、端子115が取り付けられている吸引器本体部111の底面が収容スロット20の底面26aと対向するように、エアロゾル吸引器110は収容スロット20内に収容される。よって、エアロゾル吸引器110が収容スロット20に収容された状態において、エアロゾル吸引器110の充電用端子115bに対して充電端子16を吸着させることによって、端子115と充電端子16とが相互に電気的に接続され、エアロゾル吸引器110の二次電池の充電が行われるようにできる。また、このような構成によれば、内腔領域20a内において充電部15が占有するスペースを良好に省略することができる。
なお、本発明において、充電端子16と端子115との両方が磁石となっていてもよいし、充電端子16と端子115とのいずれか一方が磁石であり、他方が磁性体となっていてもよい。
また、本発明において、エアロゾル吸引器110の充電は、例えば、非接触給電(ワイヤレス給電)によって行われてもよい。
【0023】
より詳細には、充電端子16において、端子115に吸着する側の端部は、例えば、略円柱状又は略円盤状に形成されており、当該端部の先端面は、端子115の充電用端子115bに対して吸着する吸着面16aとなっている。一方、充電端子16において、端子115に吸着する側とは反対側の端部は、例えば、コードと接続されており、当該コードは、不図示の電力供給源と接続されている。
また、図7(a)及び図7(b)に示すように、各収容スロット20の第1底部26には、例えば、当該第1底部26を上下に貫通する第1挿入穴26bが形成されている。第1挿入穴26bの外径寸法は、例えば、充電端子16における端子115に吸着する側の端部の外径寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。そして、充電端子16の吸着面16aが上方を向いた状態で、当該充電端子16は第1挿入穴26bに挿入されている。吸着面16aは、例えば、底面26aと面一に配置されていてもよいし、当該底面26aよりも僅かに下方に配置されていてもよい。
更に、収容スロット20は、例えば、充電端子16を保持する保持部28(図7(a))を有する。保持部28は、例えば、第1底部26の下面に設けられている。保持部28には、第2挿通穴28aが形成されており、当該第2挿通穴28aに対して、充電端子16における端子115に吸着する側とは反対側の端部が係合することにより、充電端子16は保持部28によって保持されている。
【0024】
更に、たばこ商品提供システムは、例えば、収容スロット20における吸引用デバイス(エアロゾル吸引器110)の有無を検出する吸引用デバイス検出センサ29(図7(a))を、収容スロット20毎に個別に有する。
これにより、各収容スロット20内の吸引用デバイス(エアロゾル吸引器110)の在庫管理を容易に行うことができる。
吸引用デバイス検出センサ29としては、例えば、赤外線センサを用いることができる。吸引用デバイス検出センサ29の一部分は、例えば、収容スロット20の内腔領域20aにおける後方に配置されており、第1後壁部24において、吸引用デバイス検出センサ29と対応する箇所には、当該第1後壁部24を上下に貫通する第2スリット部24b(図7(a))が形成されている。吸引用デバイス検出センサ29は、第2スリット部24bを介して、収容スロット20内のエアロゾル吸引器110の検出を行うことができる。
吸引用デバイス検出センサ29による検出信号は、後述する提供可能吸引用デバイス判定部に入力される。提供可能吸引用デバイス判定部は、吸引用デバイス検出センサ29による検出結果に基づいて、収容スロット20内にエアロゾル吸引器110があるか否かを判定する。
【0025】
第1提供機構50は、例えば、収容スロット20から吸引用デバイス(本実施形態の場合、エアロゾル吸引器110)の少なくとも一部分を外部に押し出す押出部材51(図7(a)及び図11(a))と、押出部材51を水平方向に移動させる押出機構56と、を有する。なお、図1及び図3においては、押出部材51及び押出機構56の図示を省略している。
図11(a)及び図11(b)に示すように、押出部材51を吸引用デバイス側に向けて移動させることにより、当該押出部材51と対応する収容スロット20から吸引用デバイス(同上)の少なくとも一部分が押し出される。
【0026】
押出部材51は、例えば、収容スロット20が開放している方向に向けて吸引用デバイス(同上)を押し出すようになっている。
これにより、押出部材51によって、吸引用デバイス(同上)の少なくとも一部分が収容スロット20の取出口20bから外部に押し出されるので、ユーザは吸引用デバイスを容易に収容スロット20から取り出すことができる。
【0027】
より詳細には、本実施形態の場合、図7(a)及び図11(a)に示すように、押出部材51は、例えば、前後方向に長尺な棒状に形成されている。
押出機構56は、例えば、押出機構駆動モータ58を有し、押出機構駆動モータ58の駆動によって、押出部材51を前後に移動させることができる。
図7(a)に示すように、押出機構56は、例えば、押出部材51の後端側に設けられており、押出部材51は、押出機構56に対して相対的に前後に移動可能となっている。より詳細には、押出部材51は、押出機構56の前面部から前方に向けて突出しており、押出部材51の移動に伴って押出機構56からの当該押出部材51の突出量が増減する。
押出部材51は、押出機構駆動モータ58の駆動によって移動する。より詳細には、図11(a)及び図12に示す状態から、押出機構駆動モータ58が一方向に回転すると、押出部材51は前方に向けて移動し、押出部材51の前端部が吸引用デバイスに対して当接する。続いて、押出部材51が前方に向けて更に移動すると、吸引用デバイスは押出部材51によって前方(収容スロット20の開放方向)に押圧され、収容スロット20から吸引用デバイスの一部分が押し出される(図11(b)及び図13(a)参照)。そして、この状態から、押出機構駆動モータ58が他方向に回転すると、押出部材51は後方に向けて移動し、図11(a)及び図12に示す状態に再び戻る。
なお、本実施形態の場合、一例として、押出機構56の駆動源は、リニアアクチュエータの押出機構駆動モータ58であるが、押出機構56の駆動源は特に限定されず、この他のアクチュエータを駆動源としてもよい。
なお、図11(a)~図13(b)においては、便宜的に第1提供機構50、エアロゾル吸引器110及び充電部15をそれぞれ側面図で示している。
【0028】
なお、本発明において、押出部材51の構造は上記の例に限定されず、例えば、押出部材51が収容スロット20の開放方向に揺動することにより、当該収容スロット20から吸引用デバイスの一部分が押し出されるように構成されていてもよい。
【0029】
本実施形態の場合、図3に示すように、第1収容部10は、側面視において、L字を上下反転した形状であり、天面部と前面部とを備えた板状の支持枠17を備えている。支持枠の前面部は、上下に長尺な板状に形成されており、当該支持枠17の前面部側に対して、複数の収容スロット20は、例えば、上下3段に取り付けられており、各段には2つずつの収容スロット20が左右に並んで取り付けられている。
また、第1提供機構50は、例えば、複数の押出部材51と、複数の押出機構56と、を備えている。そして、各収容スロット20に対して、1つずつの押出部材51及び押出機構56がそれぞれ配置されている。
図7(a)に示すように、各押出部材51及び押出機構56は、支持枠17の前面部且つ、例えば、対応する収容スロット20の後方に取り付けられている。より詳細には、支持枠17の前面部と収容スロット20の第1後壁部24との間には間隙が形成されており、当該間隙に押出部材51及び押出機構56がそれぞれ配置されている。
また、収容スロット20の第1後壁部24において、第1提供機構50の押出部材51と対応する箇所には、当該第1後壁部24を前後に貫通する第1スリット部24aが形成されている。第1スリット部24aは、例えば、第1後壁部24の左側縁から右側縁に亘って左右に延在している。また、本実施形態の場合、第1スリット部24aの一部分は、左右一対の第1側壁部23のうち、隣接する別の収容スロット20側に配置されている一対の第1側壁部23の一部分にも形成されている。
図11(a)に示すように、たばこ商品提供システムに対する吸引用デバイスの払い出し操作が行われる前の待機状態において、押出部材51の前端部は、収容スロット20の第1後壁部24よりも後方に位置している。
そして、図11(b)に示すように、押出部材51が前方に移動することによって、押出部材51の前端部は、収容スロット20の第1スリット部24aを介して、当該収容スロット20の内腔領域20aに挿入される。これにより、押出部材51の前端部が、エアロゾル吸引器110の後側の側面に対して当接し、当該前端部によってエアロゾル吸引器110が押し出される。
収容スロット20からエアロゾル吸引器110が取り出された後には、押出部材51は、エアロゾル吸引器110を押し出す際に移動した方向とは反対方向(後方)に移動し、図11(a)に示す待機状態に戻る。
【0030】
ここで、図12及び図13(a)に示すように、押出部材51により吸引用デバイス(本実施形態の場合、エアロゾル吸引器110)が押し出されると、例えば、充電端子16を支点として吸引用デバイス(同上)が前傾する。
これにより、ユーザは吸引用デバイスを対応する収容スロット20から容易に取り出すことができる。
更には、充電端子16は端子115に対して磁力で吸着されるので、当該磁力によって吸引用デバイスが前傾した姿勢を良好に維持することができる。なお、この状態において、充電端子16と端子115とは互いに接触していてもよいし、離間していてもよい。
より詳細には、図13(a)に示すように、本実施形態の場合、エアロゾル吸引器110が前傾する際に、当該エアロゾル吸引器110の下端部の前側角部が、収容スロット20の底面26aに対して当接することによって、当該エアロゾル吸引器110の更なる前傾が規制されている。そして、この状態において、端子115の充電用端子115bの下面の前端が、充電端子16の吸着面16aの前端に対して当接した状態が維持される。また、エアロゾル吸引器110の上端部の前側角部が、収容スロット20の取出口20bから外部に突出している。このため、ユーザは、突出したエアロゾル吸引器110の上端部の前側角部を摘まむことによって、容易にエアロゾル吸引器110の取り出しを行うことができる。
ここで、本実施形態の場合、図7(b)に示すように、充電端子16は、収容スロット20の底面26aにおいて、当該底面26aの前後方向における中央部よりも前側に配置されている。同様に、図5(b)に示すように、エアロゾル吸引器110の端子115は、例えば、吸引器本体部111の底面において、当該底面26aの横幅方向(前後方向)における中央部よりも前側に配置されている。
このため、図13(a)に示すように、エアロゾル吸引器110が前傾する際の支点(充電端子16)の位置と、エアロゾル吸引器110の下端部の前側角部と、の前後方向おける離間距離をより小さくすることができるので、エアロゾル吸引器110の傾斜角度を十分に確保することができる。よって、ユーザはより容易にエアロゾル吸引器110を収容スロット20内から取り出すことができる。
なお、本発明において、充電端子16は、収容スロット20の底面26aにおいて、当該底面26aの前後方向における中央部よりも後側に配置されており、エアロゾル吸引器110の端子115は、例えば、吸引器本体部111の底面において、当該底面26aの横幅方向(前後方向)における中央部よりも後側に配置されていてもよい。
この場合、エアロゾル吸引器110が前傾する際の支点(充電端子16)の位置と、エアロゾル吸引器110の下端部の前側角部と、の前後方向おける離間距離をより大きくすることができるので、エアロゾル吸引器110の傾斜角度を小さくすることができる。よって、意図せずエアロゾル吸引器110が収容スロット20内から落下してしまうことを抑制できる。
【0031】
図3図4図8及び図15(a)等に示すように、第2収容部40は、例えば、たばこ商品120を縦積みした状態で収容する収容カラム41を有する。なお、図3及び図4においては、収容カラム41の形状を模式的に図示している。
より詳細には、図6(a)に示すように、たばこ商品120は、典型的には、正面及び背面と、一対の側面と、天面及び底面を有する扁平な直方体形状に形成されている。なお、たばこ商品120の正面とは、図6(a)における下方を向いている面であり、たばこ商品120の背面とは、図6(a)における上方を向いている面である。また、たばこ商品120の天面及び底面は、図6(a)における前後方向を向いている面であり、当該たばこ商品120の一対の側面は、図6(a)における左右方向を向いている面である。
たばこ商品120において正面から背面に向かう方向を奥行き方向とし、天面から底面に向かう方向を天地方向とすると、収容カラム41には、各たばこ商品120の奥行き方向が上下方向となり、各たばこ商品120の天地方向が前後方向となるようにして複数のたばこ商品120が上下に積層された状態で収容される(図15(a)~図15(f)等参照)。そして、本実施形態の場合、このように縦積みされたたばこ商品120の列が1つ形成された状態で、複数のたばこ商品120は収容カラム41内に収容される。
【0032】
第2収容部40が有する収容カラム41の数は限定されないが、本実施形態の場合、一例として、6つである。そして、一の収容カラム41内には、同じ種類(銘柄)のたばこ商品120が収容され、収容カラム41毎に互いに異なる銘柄のたばこ商品120が収容される。したがって、本実施形態の場合、第2収容部40には、一例として、6種類の銘柄のたばこ商品120が収容される。ただし、同じ銘柄のたばこ商品120を収容する複数の収容カラム41が存在してもよい。
収容カラム41の具体的な構造は特に限定されないが、本実施形態の場合、各収容カラム41は、直方体状の箱型の容器である。
収容カラム41の左右幅寸法は、例えば、たばこ商品120において一方の側面から他方の側面に向かう方向(横幅方向)における寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。収容カラム41の前後寸法は、例えば、たばこ商品120の天地方向における寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。
【0033】
各収容カラム41は、例えば、第2天面部45と、左右一対の第2側壁部43と、第2前壁部42と、第2後壁部44と、を備えて構成されている。更に、本実施形態の場合、たばこ商品提供システムは、収容カラム41の下方に配置されている筐体210(詳細後述)を有する。一例として、たばこ商品120の収容領域とは、左右一対の第2側壁部43と、第2前壁部42と、第2後壁部44と、筐体210の上面210aによって囲まれた領域、すなわち上面210aの上方の領域であって左右の第1側壁部23どうしの対向間隔に位置する領域である。そして、たばこ商品120は、筐体210の上面210a上に載置される。
第2天面部45、一対の第2側壁部43、第2前壁部42及び第2後壁部44は、例えば、それぞれ板状に形成されている。
前後方向において、第2前壁部42と第2後壁部44とは互いに対向して配置されており、左右方向において、一対の第2側壁部43は互いに対向して配置されており、上下方向において、第2天面部45と筐体210の上面210aとは互いに対向して配置されている。
第2前壁部42は、例えば、上下に2分割されており、上側に配置されている上側部分42aと、下側に配置されている下側部分42bと、を含む。本実施形態の場合、第2前壁部42の上側部分42aは、例えば、不図示の蝶番を介して第2天面部45に対して開閉可能に連結されている。また、第2前壁部42の上側部分42aの前面には、例えば、上側部分42aを開閉する際に使用者が把持するための把持部48が取り付けられている。収容カラム41内にたばこ商品120を収容する際には、上側部分42aを開くことにより、収容カラム41へのたばこ商品120の充填作業を容易に行うことができるようになっている。
【0034】
図15(a)等に示すように、第2後壁部44の下端部には、例えば、収容カラム41の最下段のたばこ商品120を払い出し可能な排出口47が形成されている。
排出口47は、第2後壁部44を前後に貫通している。排出口47は、例えば、第2後壁部44の下端部の右側縁から左側縁に亘って左右に延在している。
また、排出口47の下縁の高さ位置は、筐体210の上面210aの高さ位置と同等となっている(排出口47の下縁は筐体210の上面210aまで達している)。
排出口47の上縁と筐体210の上面210aとの高低差は、例えば、たばこ商品120の奥行き寸法(上下寸法)よりも大きい寸法に設定されているとともに、当該奥行き寸法の2倍の寸法よりも小さい寸法に設定されている。これにより、後述するプッシャ機構61のプッシャ212によってたばこ商品120が押し出される際に、最下段のたばこ商品120のみが選択的に排出口47から排出されるようにできる。
【0035】
また、本実施形態の場合、第2収容部40は、各収容カラム41から排出されたたばこ商品120を捕捉して流下案内させる払出部30(図4)を更に備えている。
払出部30は、例えば、側面視略L字状の矩形筒状に形成されている。より詳細には、払出部30は、例えば、上下に延在している鉛直部30aと、鉛直部30aの下端部から前方に向けて突出している水平部30bと、を有する。鉛直部30aと水平部30bとは互いに連通している。本実施形態の場合、水平部30bの前端側の開口が、払出部30内に払い出されたたばこ商品120を外部に取り出すための取出口33を構成している。
図4に示すように、鉛直部30aの前面部には、当該前面部を前後に貫通している複数の開口部31が形成されている。本実施形態の場合、鉛直部30aには、3つの開口部31が形成されており、各開口部31は、上下方向において所定間隔(例えば一定間隔)で配置されている。各開口部31は、例えば、鉛直部30aの前面部において、右側縁から左側縁に亘って左右に延在している。
各収容カラム41は、例えば、鉛直部30aの前面部における各開口部31と対応する箇所に固定されている。より詳細には、一例として、各開口部31と対応する箇所に、それぞれ2つの収容カラム41が固定されており、当該2つの収容カラム41は、左右方向において互いに隣接して配置されている。換言すると、1つの開口部31は、互いに左右に隣り合って配置される2つの収容カラム41に共用される。各収容カラム41の内部領域と鉛直部30aの内部とは、排出口47及び開口部31を介して互いに連通している。
排出口47から排出されたたばこ商品120は、開口部31を介して払出部30内に案内され、取出口33から第2収容部40の外部に払い出される。
なお、本発明において、例えば、取出口33には、開閉扉(不図示)が設けられていてもよい。
【0036】
第2提供機構60は、例えば、収容カラム41の最下段のたばこ商品120を当該収容カラム41から水平方向に押し出して取出口33に排出させるプッシャ機構61(図9及び図10参照)を備える。
このような構造によれば、プッシャ機構61によって、たばこ商品120を収容カラム41から自動的に払い出すことができるので、たばこ商品提供システムによるたばこ商品120の提供がより容易となる。
なお、図8においては、プッシャ機構61を二点鎖線で模式的に示している。
本実施形態の場合、第2提供機構60は、複数のプッシャ機構61を備えており、収容カラム41毎にプッシャ機構61が設けられている。
なお、本発明において、たばこ商品120を当該収容カラム41から排出させる機構は、プッシャ機構61に限定されない。
【0037】
図9及び図10に示すように、プッシャ機構61は、例えば、収容カラム41の下方に配置されている筐体210と、筐体210の上面210aからその内部に掛けて張架された無端状のタイミングベルト211と、タイミングベルト211が張架されたプーリ215と、タイミングベルト211の外周面に取り付けられたプッシャ212と、プーリ215を回転させるプッシャ機構駆動モータ62と、を備えている。
タイミングベルト211の回転方向は、例えば、プッシャ212が当該タイミングベルト211の上面に位置するときに当該プッシャ212が前後方向に移動することとなる方向に設定されている。そして、タイミングベルト211の回転に伴いプッシャ212がたばこ商品120を押圧することにより、たばこ商品120を収容カラム41から押し出すように構成されている。
なお、図9及び図10においては、プッシャ機構61の内部構造を模式的に示している。また、図9及び図10においては、筐体210、タイミングベルト211及びプッシャ212をそれぞれ二点鎖線で示している。また、図9においては、プーリ215及びプッシャ機構駆動モータ62をそれぞれ二点鎖線で示している。
【0038】
筐体210の上面210aは、例えば、上下方向において、収容カラム41の第2天面部45と対向して配置されており、当該上面210a上にたばこ商品120が載置される。
筐体210の上面210aの前後寸法は、例えば、たばこ商品120の前後寸法(天地方向における寸法)よりも小さい寸法に設定されており、一例として、たばこ商品120の前後寸法の2/3程度の寸法に設定されている。
プッシャ212は、例えば、側面視略T字形状に形成されている。プッシャ212の突出寸法は、例えば、たばこ商品120の上下寸法(奥行き寸法)よりも小さい寸法に設定されている。また、プッシャ212の左右幅寸法は、例えば、たばこ商品120の左右幅寸法(横幅寸法)よりも小さい寸法に設定されている
プッシャ機構駆動モータ62によりプーリ215が回転駆動されると、タイミングベルト211が回転する。より詳細には、一例として、プーリ215は、当該プーリ215の中心を回転軸として、軸周りにおける一方向(本実施形態の場合、図9における時計回り)に回転する。プーリ215の回転に伴って、タイミングベルト211も、軸周りにおける一方向(同上)に回転する。そして、当該プッシャ212が当該タイミングベルト211の上面に位置するときには、プッシャ212は、タイミングベルト211の回転に伴って前方から後方に移動することとなる。これにより、たばこ商品120は、プッシャ212に押圧されて、筐体210の上面210aに沿って前方から後方に移動し、排出口47から払出部30内に押し出される。
また、プッシャ212が当該タイミングベルト211の下面に位置するときには(プーリ215の下方に位置するときには)、プッシャ212は、タイミングベルト211の回転に伴って後方から前方に移動することとなる。
そして、プーリ215を回転駆動させるプッシャ機構駆動モータ62は、たばこ商品120の払い出し完了信号を受けて作動停止する。これにより、プッシャ212の移動も停止する。
【0039】
更に、筐体210の後端部には、例えば、当該筐体210の上面210aに連なって突出する二股状の支持アーム214が後傾可能に設けられている。なお、この支持アーム214の先端部(筐体210側とは反対側の端部)は、若干上方に向けて折り曲げられており、当該支持アーム214が水平状態に保たれている状態において、排出口47からのたばこ商品120の意図しない脱落を抑制することができる。支持アーム214は、タイミングベルト211が張架されたプーリ215に連結された回転カム機構219に係合しており、プッシャ212の移動と連動して後傾可能となっている。
より詳細には、支持アーム214は、図9及び図10に示すように、回転カム機構219の第1のカムホロア219aと第2のカムホロア219bとに選択的に係合してその後傾動作が制御される。そして、支持アーム214は、プッシャ212により収容カラム41内から半分程度押し出される最下段のたばこ商品120をその下方から支えるとともに、プッシャ212による当該たばこ商品120の押出動作に伴って後傾することによって、たばこ商品120を、徐々に後傾させながら払出部30内に落とし込むことができる。
支持アーム214は、例えば、係合ピン214aを第1のカムホロア219aの内側面に係合させることで水平姿勢を維持する。そして、係合ピン214aが第1のカムホロア219aから外れることにより水平姿勢の規制が解除されて、その上面に支持したたばこ商品120の重みを受けて後傾する。その後、支持アーム214は、その基部に設けられた作動端214bを第2のカムホロア219bに係合させることで、後傾した位置に保持されるようになっている。
【0040】
また、筐体210の上面210aには、当該上面210aの左右両側に位置しており、前後方向に延在している一対の溝部(不図示)にそれぞれ嵌め込まれいる棒状のリフタ216(図9参照)が設けられている。リフタ216の前端部は、一対の溝部に沿って前後方向に移動可能に設けられており、当該前端部の前後移動と連動して当該リフタ216の後端部を上下に変位させることが可能に構成されている。
リフタ216は、図9に示すように支持アーム214に設けられた駆動ピン214cに係合した長溝216aを備え、支持アーム214が所定の角度まで後傾した際に、駆動ピン214cにより押圧されてその後端部を上昇させる。すなわち、リフタ216は、支持アーム214の後傾動作に応じて、ひいてはプッシャ212の移動に連動して上下に昇降駆動されるようになっている。
なお、図9においては、支持アーム214、回転カム機構219及びリフタ216以外の構成要素を二点鎖線で図示又は図示を適宜省略している。
【0041】
リフタ216は、プッシャ212がたばこ商品120の押出しを完了して筐体210の内部に引き込まれる時点から駆動されてその後端部を上昇させ、プッシャ212により押し出された最下段のたばこ商品120の上に縦積みされていたたばこ商品120(下から2段目以上のたばこ商品120)を下方から支えることが可能に構成されている。リフタ216によって、たばこ商品120を縦積みした状態を良好に維持することができる。
【0042】
更に、たばこ商品提供システムは、例えば、収容カラム41におけるたばこ商品120の在庫の有無を検出する在庫検出センサ218を有する。
これにより、収容カラム41内のたばこ商品120の在庫管理を容易に行うことができる。
在庫検出センサ218による検出信号は、後述するたばこ商品在庫判定部(図16)に入力される。たばこ商品在庫判定部は、在庫検出センサ218による検出結果に基づいて、第2収容部40にたばこ商品120の残りがあるか否かを判定する。
本実施形態の場合、一例として、在庫検出センサ218は、リードスイッチである。
【0043】
より詳細には、筐体210の上面210aには、図10に示すように、例えば、弓形の売り切れ検知レバー217が設けられている。売り切れ検知レバー217は上方に向けて偏倚されて筐体210の上面210aから上方に突出可能に設けられている。売り切れ検知レバー217は、筐体210に載置されるたばこ商品120の荷重を受けて筐体210の内部に押し込められるようになっている。そして、売り切れ検知レバー217が筐体210の内部に押し込められている状態において、当該売り切れ検知レバー217に設けられた磁性体は在庫検出センサ218の近傍に配置される。そして、在庫検出センサ218が当該磁性体を検知することによって、筐体210上のたばこ商品120の存在が検出されるようになっている。
ここで、売り切れ検知レバー217は、例えば、回転カム機構219の外周縁に係合させて設けられており、回転カム機構219の回転位置(回転角度)に応じてその上下動が規制されるようになっている。そして、回転カム機構219は、リフタ216を上昇させている期間に亘って、売り切れ検知レバー217の上方への突出を規制している。これにより、在庫検出センサ218の誤検知を抑制することができる。
なお、図10においては、売り切れ検知レバー217、回転カム機構219及び在庫検出センサ218以外の構成要素を二点鎖線で図示又は図示を適宜省略している。
【0044】
なお、たばこ商品提供システムは、例えば、収容カラム41の排出口47からたばこ商品120が排出されたか否かを検出するたばこ商品排出検出センサ(不図示)を有していてもよい。
たばこ商品排出検出センサによる検出信号は、後述する制御部81(図16)に入力される。制御部81は、たばこ商品排出検出センサによる検出結果に基づいて、収容カラム41の排出口47からたばこ商品120が排出されたか否かを判定する。
【0045】
以下、図14(a)から図14(h)を用いて、プッシャ機構61の一連の動作の例を説明する。なお、図14(a)から図14(h)においては、プッシャ機構61の内部構造を模式的に示している。
図14(a)に示すように、たばこ商品120の払い出し操作が行われる前の待機状態において、プッシャ212は筐体210の前端部に位置しており、支持アーム214の係合ピン214aは、第1のカムホロア219aに係合されており、当該支持アーム214は水平状態に保たれている。なお、図14(a)においては、売り切れ検知レバー217が筐体210の上面210aよりも上方に突出した状態を示しているが、筐体210上にたばこ商品120が載置されている状態においては、たばこ商品120の重みにより下方に押圧されて、売り切れ検知レバー217は筐体210の内部に押し込められている。
そして、たばこ商品120の払い出し操作が行われると、図14(b)に示すようにプッシャ212が筐体210の上面210aに突出し、図14(c)に示すように前方から後方に向けて移動する。この際に、支持アーム214の係合ピン214aが第1のカムホロア219aに係合した状態が保たれるので、支持アーム214の水平姿勢がそのまま維持される。また、回転カム機構219によって売り切れ検知レバー217が下方に押されるので、売り切れ検知レバー217は強制的に筐体210の内部に押し下げられる。
続いて、図14(d)に示すようにプッシャ212が押出し完了位置に到達すると、支持アーム214の係合ピン214aが第1のカムホロア219aから外れるので、支持アーム214はその自重によって、又はたばこ商品120が存在する場合には、たばこ商品120の重みを受けることで図14(e)に示すように後傾する。
次に、プッシャ212の更なる移動に伴って、第2のカムホロア219bにより支持アーム214の作動端214bが押されるので、当該支持アーム214は図14(f)に示すように更に後傾する。そして、支持アーム214の更なる後傾によって、リフタ216が持ち上げられる。そして、図14(g)に示すように、作動端214bが第2のカムホロア219bから外れる直前に、売り切れ検知レバー217の変位規制が解除される。また、図14(h)に示すように支持アーム214の係合ピン214aが再び回転カム機構219の第1のカムホロア219aに係合する。これにより、支持アーム214及びリフタ216の各々は、再び図14(a)に示す水平状態となる。
【0046】
次に、図15(a)から図15(f)を用いて、収容カラム41からたばこ商品120が排出される際の第2提供機構60の動作の例を説明する。なお、図15(a)から図15(f)においては、収容カラム41及びその内部構造と、プッシャ機構61の内部構造と、をそれぞれ模式的に示している。
先ず、図15(a)に示す状態からたばこ商品120の払い出し操作が行われると、プッシャ212が前方から後方に移動することにより、当該プッシャ212に押圧されて最下段のたばこ商品120の一部分が排出口47から押し出され支持アーム214上に配置される(図15(b)及び図15(c)参照)。
ここで、本実施形態の場合、上述のように第2後壁部44には排出口47が形成されており、当該排出口47は、最下段のたばこ商品120と対応する位置に形成されている。そして、上述のように、筐体210の上面210aから排出口47の上縁まで高低差は、例えば、たばこ商品120の奥行き寸法(上下寸法)よりも大きい寸法に設定されているとともに、当該奥行き寸法の2倍の寸法よりも小さい寸法に設定されている。このため、タイミングベルト211の回転に伴いプッシャ212がたばこ商品120を押圧する際に、排出口47を介して、最下段のたばこ商品120を選択的に外部に排出することができる。より詳細には、プッシャ212が、最下段のたばこ商品120を後方に向けて移動させる際において、当該最下段のたばこ商品120よりも上に縦積みされているたばこ商品120(下から2段目以上のたばこ商品120)は、第2後壁部44によって後方への移動が規制される。
続いて、図15(d)に示すように、最下段のたばこ商品120が更に後方に押し出されると、支持アーム214が後傾し当該たばこ商品120も後傾する。そして、図15(e)に示すように、押し出されたたばこ商品120の上に積まれていたたばこ商品120(下から2段目以上のたばこ商品120)が、重力にしたがって下方に移動し、このうち一番下の段のたばこ商品120が新たに最下段のたばこ商品120となる。この状態において、収容カラム41内のたばこ商品120は、支持アーム214の後傾に伴って上昇したリフタ216によって、前傾した姿勢で支持される。また、押し出されたたばこ商品120は、当該たばこ商品120の上に積まれていたたばこ商品120の荷重から解放されるので、その自重により支持アーム214上を滑り落ちて払出部30内に払い出される。
支持アーム214上のたばこ商品120が無くなると(たばこ商品120の全体が払出部30内に払い出されると)(図15(f)参照)、回転カム機構219の回転に伴ってリフタ216が下降し、支持アーム214は再び水平状態となる。これにより、収容カラム41内に残されたたばこ商品120は、図15(a)に示すように筐体210の上面210a上に再び載置される。
このような動作が複数回繰り返されることによって、収容カラム41内のすべてのたばこ商品120を効率よく自動的に払い出すことができる。
なお、タイミングベルト211が停止するタイミングはこの例に限定されず、たばこ商品120の外径寸法や収容カラム41内のたばこ商品120の列の数に応じて適宜設定することができる。
【0047】
図16に示すように、たばこ商品提供システムは、例えば、当該たばこ商品提供システムの各部の動作を統括的に制御する制御部81と、ユーザがタッチ操作可能なタッチパネル式の液晶表示装置などの表示部97と、を備えている。ただし、たばこ商品提供システムは、更に、ユーザが操作するための操作部(不図示)を備えていてもよい。
制御部81は、制御用プログラムを記憶保持しているROM83と、この制御用プログラムに従って制御動作を実行するCPU82と、CPU82の作業領域などとして機能するRAM84と、を備えて構成されている。
制御部81は、押出機構駆動モータ58及びプッシャ機構駆動モータ62等の動作制御等を行う。制御部81には、表示部97に対する操作の検出信号が入力されるようになっている。また、制御部81は、例えば、上述のガイダンス実行部、提供可能吸引用デバイス判定部、充電状態判定部及びたばこ商品在庫判定部として機能する。
【0048】
本実施形態の場合、たばこ商品提供システムは、共通のトリガに応じて、第1提供機構50による吸引用デバイスの提供動作と、第2提供機構60によるたばこ商品120の提供動作と、を実行可能である。
このため、例えば、ユーザによって共通のトリガが実行されることにより、当該ユーザ以外の人手を介することなく、吸引用デバイスと当該吸引用デバイスとともに用いられるたばこ商品120との両方の提供を容易に行うことが可能となる。
より詳細には、本実施形態の場合、共通のトリガが表示部97に対するタッチ操作であり、当該タッチ操作によって、たばこ商品提供システムは、第1提供機構50による吸引用デバイスの提供動作と、第2提供機構60によるたばこ商品120の提供動作と、の両方又はいずれか一方を選択的に実行可能である。
このため、ユーザは、表示部97に対するタッチ操作によって、吸引用デバイス及びたばこ商品120の両方の提供を受けるか、もしくは吸引用デバイス又はたばこ商品120のいずれか一方の提供を受けるかを選択することができる。
また、本実施形態の場合、ユーザは、表示部97に対するタッチ操作によって、提供されるたばこ商品120の銘柄の指定を行うことができる。より詳細には、制御部81は、表示部97を介して指定された銘柄のたばこ商品120(と認識したたばこ商品120)と対応する収容カラム41の下に配置されたプッシャ機構駆動モータ62を動作させることで、指定された銘柄のたばこ商品120を払い出す処理を行う。
なお、本発明おいて、例えば、表示部97に対するタッチ操作によって、提供される吸引用デバイスやたばこ商品120の数を指定できるように構成されていてもよい。
【0049】
更に、たばこ商品提供システムは、上述のように、第1収容部10の吸引用デバイスをユーザに提供可能であるか否かを判定する提供可能吸引用デバイス判定部と、第2収容部40にたばこ商品120の残りがあるか否かを判定するたばこ商品在庫判定部と、ユーザに対してガイダンスを行うガイダンス実行部と、を備えている。
更に、本実施形態の場合、ガイダンス実行部は、上述のガイダンスに加えて、第1収容部10の吸引用デバイスを提供可能であるとともに第2収容部40にたばこ商品の残りが無い場合には、吸引用デバイスのみの提供が可能である旨のガイダンスをユーザに対して行う。
このような構成によれば、ユーザ以外の人手を介することなく、吸引用デバイスやたばこ商品120の利用状況に応じて、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供をより効率的に適宜行うことができる。
【0050】
提供可能吸引用デバイス判定部は、例えば、第1収容部10にエアロゾル吸引器110の残りがあるか否かの判定を行う。
上述のように、たばこ商品提供システムは、収容スロット20毎に吸引用デバイス検出センサ29を備えており、提供可能吸引用デバイス判定部86は、当該吸引用デバイス検出センサ29の検出結果に基づいて、各収容スロット20内にエアロゾル吸引器110の残りがあるか否かを個別に判定する。
【0051】
また、たばこ商品提供システムは、第1収容部10の吸引用デバイスの充電状態を判定する充電状態判定部を更に備えている。
提供可能デバイス判定部は、第1収容部10に充電済みの吸引用デバイスが無い場合には、第1収容部10の吸引用デバイスを提供不可と判定する。
これにより、吸引用デバイスの払い出し処理の際に、充電済みの吸引用デバイスがユーザに提供されるようにできる。
より詳細には、一例として、制御部81は、収容スロット20毎の不図示のタイマーとしても機能する。提供可能吸引用デバイス判定部は、当該タイマーによりカウントした経過時間に基づいて、各収容スロット20内のエアロゾル吸引器110の二次電池が充電済みであるか否かを個別に判定する。
このような構造によれば、より低いコストで吸引用デバイスの充電状態を管理することができる。
なお、ここでいう「充電済み」とは、必ずしもエアロゾル吸引器110が満充電された状態に限定されず、たばこ商品120に含まれる最小単位(例えば、1本のたばこスティック125)または所定数量を用いるのに必要な充電量を超えている(とみなされる)場合にも、「充電済み」であると判定されるようになっていてもよい。
なお、本発明において、提供可能吸引用デバイス判定部は、例えば、吸引用デバイスの二次電池の電池残量を判定する電池残量判定回路(電池残量判定部)を備えていてもよい。
【0052】
また、本実施形態の場合、収容スロット20毎に、吸引用デバイスの充電状態を表示報知する充電状態報知部73が設けられている。
これにより、ユーザは、各吸引用デバイスの充電状況を容易に把握することができる。
本実施形態の場合、一例として、充電状態報知部73はLEDランプであり、収容スロット20毎に、2つずつの充電状態報知部73が設けられている。
エアロゾル吸引器110の充電が完了していると充電状態判定部が判定した場合、制御部81は、例えば、対応する収容スロット20に設けられている2つの充電状態報知部73のうちいずれか一方の充電状態報知部73を点灯させ、当該エアロゾル吸引器110の充電が完了していないと充電状態判定部が判定した場合、制御部81は、例えば、他方の充電状態報知部73を点灯させる。
2つの充電状態報知部73は、例えば、互いに異なる色に点灯するように構成されていることが好ましい。
なお、本発明において、例えば、各収容スロット20に対して、それぞれ1つずつの充電状態報知部73が配置されていてもよい。この場合、充電状態報知部73は、対応する収容スロット20に収容されているエアロゾル吸引器110の充電が完了している場合に点灯し、当該エアロゾル吸引器110の充電が完了していない場合には点灯しないように構成されていてもよいし、もしくはこの逆に構成されていてもよい。更には、充電状態報知部73は、例えば、エアロゾル吸引器110の充電が完了している場合と、当該エアロゾル吸引器110の充電が完了していない場合とにおいて、それぞれ異なる色に選択的に点灯するように構成されていてもよい。
【0053】
提供可能吸引用デバイス判定部による判定の結果、少なくとも1つ以上の収容スロット20内にエアロゾル吸引器110があり、当該エアロゾル吸引器110が充電済みである場合には、表示部97に対するタッチ操作に応じて、制御部81は、当該エアロゾル吸引器110が収容されている収容スロット20と対応する押出機構56を動作させ、充電されたエアロゾル吸引器110を払い出す処理を行う。
本実施形態の場合、各収容スロット20にはそれぞれ整理番号が割り当てられており、制御部81は、充電済みのエアロゾル吸引器110が収容されている各収容スロット20のうち、最も若い整理番号が割り当てられている収容スロット20から優先的にエアロゾル吸引器110の払い出し処理を行う。
一方、提供可能吸引用デバイス判定部による判定の結果、すべての収容スロット20内にエアロゾル吸引器110の残りがない場合には、ガイダンス実行部は、例えば、エアロゾル吸引器110を提供不可とするガイダンスをユーザに対して行う。
【0054】
なお、本発明において、制御部81は、例えば、充電済みの各エアロゾル吸引器110のうち、最も充電状況がよいエアロゾル吸引器110から優先的に払い出し処理を行うように設定されていてもよい。また、本発明において、制御部81は、例えば、充電済みのエアロゾル吸引器110のうち、収容スロット20に最も長い期間収容されているエアロゾル吸引器110から優先的に払い出し処理を行うように設定されていてもよい。
【0055】
たばこ商品在庫判定部は、例えば、上述の在庫検出センサ218の検出結果に基づいて、第2収容部40にたばこ商品120の残りがあるか否かを判定する。
ここで、本実施形態の場合、上述のように、収容カラム41毎に互いに異なる銘柄のたばこ商品120が収容されるとともに、収容カラム41毎に在庫検出センサ218が配置されている。したがって、たばこ商品在庫判定部は、各銘柄のたばこ商品120の在庫の有無を判定することができる。
このため、制御部81は、例えば、たばこ商品在庫判定部の判定結果に基づいて、複数の銘柄のたばこ商品120のうち、在庫が無い銘柄のたばこ商品120のみを提供不可とするガイダンスをガイダンス実行部に対して行わせることができる。
【0056】
ここで、たばこ商品提供システムは、例えば、ユーザの識別情報を読み取る読取部96を備えている。たばこ商品提供システムは、読取部96により読み取られた識別情報に基づいて吸引用デバイス又はたばこ商品120を提供可能と判断されたユーザに対してのみ、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供を行う。
このような構成によれば、特定の条件を満たしたユーザに対して選択的に吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供が行われるようにできるので、所望のユーザ層に対して吸引用デバイス又はたばこ商品120を効果的に提供することができる。
【0057】
より詳細には、たばこ商品提供システムは、例えば、読取部96により読み取った識別情報を外部のサーバ装置130(図16参照)に送信する通信部98を備えている。
そして、たばこ商品提供システムは、サーバ装置130より吸引用デバイス又はたばこ商品120を提供可能である旨を受信した場合に、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供を行う。
これにより、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供の対象となるユーザ層をより効果的に絞ることができる。
サーバ装置130は、例えば、通信部98と有線通信を行うものであってもよいし、無線通信を行うものであってもよい。
【0058】
本実施形態の場合、一例として、読取部96は、QRコード(登録商標)リーダである。ユーザは、携帯情報端末(スマートフォン)(又はPC(パーソナルコンピュータ))により、当該ユーザの識別情報が格納されたQRコード(同上)を予め取得する。そして、ユーザが携帯情報端末を読取部96にかざして、当該携帯情報端末の画面に表示されるQRコード(同上)を読み取らせることにより、当該ユーザの識別情報(例えば、識別番号等)が通信部98を介してサーバ装置130に送信されて、当該サーバ装置130に記憶されている識別情報(例えば、識別番号等)と対応付けて判定されるようになっている。
ここで、サーバ装置130は、例えば、たばこ商品提供システムを用いたたばこ商品120の提供に関する履歴情報である提供履歴情報等を記憶する記憶部(不図示)を備えている。この提供履歴情報は、例えば、ユーザの識別情報と対応付けられた、ユーザ毎の履歴情報であり、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供を受けた日時と、提供を受けたたばこ商品120(たばこ商品120)銘柄と、が含まれている。
そして、サーバ装置130は、このような提供履歴情報に基づいて、吸引用デバイス又はたばこ商品120を提供可能であるか否かを判定する判定部(不図示)を備えている。そして、サーバ装置130は、判定部による判定結果を通信部98に送信し、制御部81は、受信した判定結果に基づいて、後述するガイダンス実行部の制御を行う。
より詳細には、サーバ装置130の判定部は、例えば、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供を受けるユーザについて、提供可能なすべての銘柄のたばこ商品120を既に提供済みであるか否かの判定と、提供制限期間内(例えば2週間以内)においてたばこ商品120を既に提供済みであるか否かの判定と、をそれぞれ行う。
なお、提供制限期間を過ぎている場合、且つ提供可能なすべての銘柄のたばこ商品120を既に提供済みでない場合は、当該判定部は、未提供の銘柄のたばこ商品120に限り提供可能と判定する。
これにより、各ユーザの提供履歴情報に基づいて、吸引用デバイス又はたばこ商品120の提供を制限することができるので、より多くのユーザに対して吸引用デバイス又はたばこ商品120を提供することができる。
また、サーバ装置130に収集及び記憶された提供履歴情報は外部に出力可能となっており、当該提供履歴情報を用いることによって、ユーザの利用状況に関する分析を行うことができる。
また、例えば、吸引用デバイスには識別番号が登録されており、サーバ装置130に収集及び記憶された提供履歴情報には、例えば、提供した吸引用デバイスの識別番号が含まれていてもよい。これにより、どのユーザに対して、どの吸引用デバイスの提供したのかを追跡することができる。
なお、本発明において、例えば、制御部81が、提供履歴情報に基づいて、吸引用デバイス又はたばこ商品120を提供可能であるか否かを判定する判定部として機能してもよい。
また、本発明において、読取部96は、例えば、身分証などからユーザの識別情報を読み取るように構成されていてもよい。
【0059】
また、たばこ商品提供システムは、例えば、什器70(図1及び図2参照)を備えており、什器70には、第1収容部10、第2収容部40、第1提供機構50、第2提供機構60、制御部81、読取部96、表示部97、通信部98、充電状態報知部73等がそれぞれ設けられている。
什器70の形状は、特に限定されないが、例えば、上下方向に長尺な直方体形状である。
什器70は、例えば、箱体本体部71と、箱体本体部71に対して開閉可能に連結されている開閉扉72と、を備えている。
より詳細には、箱体本体部71は、一対の側面、背面、天面及び底面を有し、前面側が開放した箱型形状となっている。
開閉扉72は、不図示の蝶番を介して箱体本体部71に対して連結されており、箱体本体部71の前面側を塞いだ状態(図1及び図2)と、当該前面側を開放した状態(図3)と、に開閉可能となっている。
また、什器70には、例えば、箱体本体部71の前面側を塞いだ状態を維持する不図示のロック機構を備えている。
【0060】
箱体本体部71には、例えば、第1収容部10、第2収容部40、第1提供機構50、第2提供機構60、制御部81、通信部98が収容されている。
より詳細には、図3に示すように、箱体本体部71の内部領域において、第1収容部10及び第1提供機構50の各々は、例えば、当該領域の左側に配置されており、第2収容部40及び第2提供機構60の各々は、例えば、当該領域の右側に配置されている。
また、制御部81及び通信部98の各々は、例えば、箱体本体部71の内部領域の左下側に配置されている。より詳細には、通信部98は、例えば、支持枠17の後方、且つ第2収容部40の払出部30の左隣に配置されている。そして、本実施形態の場合、払出部30の水平部30bの左側壁部には、当該左側壁部を左右に貫通する開口34(図4)が形成されている。これにより、通信部98の良好な電波状況を確保することができる。
【0061】
図1及び図3に示すように、開閉扉72には、例えば、読取部96、表示部97、充電状態報知部73が設けられている。
図1に示すように、開閉扉72が箱体本体部71の前面側を塞いだ状態において、ユーザは、表示部97に対するタッチ操作や読取部96との通信を行うことができる。
また、開閉扉72において、各収容スロット20の取出口20bと対向する箇所には、1つずつの什器側第1取出口74が形成されている。ユーザは、取出口20bと什器側第1取出口74とを介して、収容スロット20内からエアロゾル吸引器110を取り出すことができる。
同様に、開閉扉72において、第2収容部40の取出口33と対向する箇所には、什器側第2取出口75が形成されている。ユーザは、取出口33と什器側第2取出口75とを介して、払出部30内に排出されたたばこ商品120を取り出すことができる。
また、図1に示すように、開閉扉72の前面には、例えば、複数の充電状態報知部73が設けられている。より詳細には、本実施形態の場合、一例として、各収容スロット20の下方に、それぞれ2つの充電状態報知部73が左右に隣り合って配置されている。
【0062】
次に、図17(a)から図21(c)を用いて、たばこ商品提供システムにより吸引用デバイス又はたばこ商品120の払い出し処理をする際の動作の例を説明する。
ユーザによるタッチ操作が行われる前の初期状態において、提供可能吸引用デバイス判定部及びたばこ商品在庫判定部の各々によって、吸引用デバイスとたばこ商品120との両方が提供可能と判定されている場合、例えば図17(a)に示すような画面G1が表示部97に表示される。同様に、初期状態において、提供可能吸引用デバイス判定部及びたばこ商品在庫判定部の各々によって、たばこ商品120のみが提供可能と判定されている場合、例えば図17(b)に示すような画面G2が表示部97に表示され、吸引用デバイスのみが提供可能と判定されている場合、例えば図17(c)に示すような画面G3が表示部97に表示され、吸引用デバイスとたばこ商品120との両方が提供不可と判定されている場合、制御部81は、例えば図17(d)に示すような画面G4が表示部97に表示される。
図17(a)に示すように、画面G1では、例えば、「吸引用デバイスレンタルもたばこスティックもお試しいただけます」とのメッセージが表示される。図17(b)及び図17(c)に示すように、画面G2では、「現在、貸し出しできる吸引用デバイスがございません」といったメッセージが表示され、画面G3では、例えば、「現在、たばこスティックのお試しができません」といったメッセージが表示される。また、図17(d)に示すように、画面G4では、例えば、「準備中」といったメッセージが表示される。
これにより、ユーザは表示部97に対するタッチ操作を行う前に、吸引用デバイス又はたばこ商品120の利用状況を把握することができる。
【0063】
画面G1~画面G3のいずれかが表示されている状態において、表示部97に対してユーザによりタッチ操作が行われると、制御部81は、例えば図18(a)に示すような画面G5を表示部97に表示させる。
図18(a)に示すように、画面G5では、例えば、注意事項が表示されるとともに、当該注意事項の内容に同意するための「OK」の表示が行われる。画面G5に対し、ユーザが「はい」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、例えば、図18(b)に示すような画面G6が表示部97に表示される。
画面G6では、例えば、既に識別情報が格納されたQRコード(同上)を所持しているユーザ向けに、ユーザの携帯情報端末(スマートフォン)に当該QRコード(同上)を表示させ、当該QRコード(同上)を読取部96にかざす旨のガイダンスと、専用のQRコード(同上)を所持していないユーザ向けに、当該QRコード(同上)の取得が必要な旨のガイダンスと、が表示される。このガイダンスに従って、ユーザが読取部96にQRコード(同上)をかざす操作を行うと、読取部96はQRコード(同上)から識別情報を読み取り、当該識別情報に基づいて吸引用デバイス又はたばこ商品120をユーザに提供可能か否かが判定される。
【0064】
吸引用デバイス又はたばこ商品120の両方を提供可能である場合、例えば、図19(a)に示すような画面G7が表示部97に表示される。
画面G7では、「吸引用デバイスレンタルとたばこスティックの両方をお試し」、「吸引用デバイスレンタルのみ」、「たばこスティックお試しのみ」、「やめる(画面G1に戻る)」といった複数の選択肢が表示される。
画面G7に対し、ユーザが「吸引用デバイスレンタルとたばこスティックの両方をお試し」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、例えば、図19(b)に示すような画面G8(銘柄指定画面)が表示部97に表示され、提供を受けるたばこ商品120の銘柄を指定することができる。
画面G8に対し、ユーザが所望の銘柄の表示箇所にタッチ操作を行うと、図19(c)に示す画面G9が表示される。画面G9では、例えば、銘柄情報と対応するたばこ商品120(たばこ商品120)の画像が大きく表示されるとともに、「この商品でよろしいですか?」といった確認メッセージが表示される。画面G9に対し、ユーザが「はい」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、ユーザが提供を受けるたばこ商品120の銘柄が確定される。そして、指定された銘柄のたばこ商品120とエアロゾル吸引器110との両方の払い出し処理が行われる。
同様に、画面G7に対し、ユーザが「たばこスティックお試しのみ」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、例えば、画面G8(銘柄指定画面)が表示部97に表示され、たばこ商品120の銘柄の指定と、指定した銘柄のたばこ商品120の提供を受けることができる。ただし、この場合、エアロゾル吸引器110の払い出し処理は行われない。
一方、画面G7に対し、ユーザが「吸引用デバイスレンタルのみ」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、エアロゾル吸引器110の払い出し処理のみが行われ、たばこ商品120の払い出し処理は行われない。
【0065】
吸引用デバイスのみを提供可能である場合、例えば、図20(a)に示すような画面G10が表示部97に表示される。
画面G10では、「吸引用デバイスレンタルのみ」、「やめる(画面G1に戻る)」といった選択可能な選択肢と、「たばこスティックお試しのみ」、「吸引用デバイスレンタルとたばこスティックの両方をお試し」といった選択不可の選択肢とが識別可能に表示されている。
画面G10に対し、ユーザが「吸引用デバイスレンタルのみ」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、エアロゾル吸引器110の払い出し処理が行われるが、たばこ商品120の払い出し処理は行われない。
また、画面G10に対し、ユーザが「吸引用デバイスレンタルとたばこスティックの両方をお試し」又は「たばこスティックお試しのみ」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、図20(b)に示す画面G11から図20(d)に示す画面G13のいずれかが表示部97に表示される。
より詳細には、たばこ商品120の在庫不足によりエアロゾル吸引器110のみを提供可能であると判定された場合、例えば、画面G11が表示部97に表示されるようになっており、一定期間内にたばこ商品120の提供を受けたことによりエアロゾル吸引器110のみを提供可能であると判定された場合、例えば、画面G12が表示部97に表示されるようになっている。また、すべての銘柄のたばこ商品120の提供を既に受けていることより吸引用デバイスのみを提供可能であると判定された場合、例えば、図20(d)に示すような画面G13が表示部97に表示されるようになっている。
画面G11では、例えば、「たばこスティックの在庫がないためお試しいただけません」といったメッセージが表示され、画面G12では、例えば、「前回のお試しから2週間経っていないためご提供できません」といったメッセージが表示される。また、画面G13では、例えば、「過去に、たばこスティックの全種をお試し済みのためご提供ができません」といったメッセージが表示される。
【0066】
たばこ商品120のみを提供可能である場合、例えば、図21(a)に示すような画面G14が表示部97に表示される。
画面G14では、「たばこスティックお試しのみ」、「やめる(画面G1に戻る)」といった選択可能な選択肢と、「吸引用デバイスレンタルのみ」、「吸引用デバイスレンタルとたばこスティックの両方をお試し」といった選択不可の選択肢とが識別可能に表示されている。
画面G14に対し、ユーザが「たばこスティックのお試しのみ」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、画面G8(銘柄指定画面)が表示部97に表示され、たばこ商品120の銘柄の指定と、指定した銘柄のたばこ商品120の提供を受けることができる。ただし、この場合、吸引用デバイスの払い出し処理は行われない。
また、画面G14に対し、ユーザが「吸引用デバイスレンタルとたばこスティックの両方をお試し」又は「吸引用デバイスレンタルのみ」の表示箇所に対してタッチ操作を行うと、図21(b)に示す画面G15又は図21(c)に示す画面G16のいずれかが表示部97に表示される。
より詳細には、吸引用デバイスの在庫不足によりたばこ商品120のみを提供可能であると判定された場合、例えば、画面G15が表示部97に表示されるようになっており、充電済みの吸引用デバイスの不足によりたばこ商品120のみを提供可能であると判定された場合、例えば、画面G16が表示部97に表示されるようになっている。
画面G15では、例えば、「吸引用デバイスの在庫がないためお試しいただけません」といったメッセージが表示され、画面G16では、例えば、「吸引用デバイスが充電中のため貸し出しできません」といったメッセージが表示される。
【0067】
なお、本発明において、例えば、吸引用デバイスの提供が可能である場合であっても、たばこ商品120の提供が不可である場合には、ガイダンス実行部は、吸引用デバイスとたばこ商品120の両方の提供が不可である旨のガイダンスをユーザに対して行うように設定されていてもよい。
同様に、本発明において、例えば、たばこ商品120の提供が可能である場合であっても、吸引用デバイスの提供が不可である場合には、ガイダンス実行部は、吸引用デバイスとたばこ商品120の両方の提供が不可である旨のガイダンスをユーザに対して行うように設定されていてもよい。
【0068】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0069】
例えば、上記においては、充電部15は、吸引用デバイスの端子115に対して磁力で吸着する充電端子16を有する例を説明したが、本発明において、充電端子16は、吸引器本体部111の端子差込部112に差し込まれるUSB端子であってもよい。
【0070】
また、上記においては、第1収容部10にロック機構が設けられていない例を説明した。ただし、本発明において、第1収容部10にロック機構が設けられていてもよい。このようにすることにより、例えば、吸引用デバイスの厚み寸法は当該吸引用デバイスの横幅方向における位置にかかわらず略一定となっており、収容スロット20の内腔領域20aも、吸引用デバイスの外形形状と対応して、前後方向における位置にかかわらず略一定となっている場合であっても、ユーザによる不正取り出しを抑制することができる。
なお、この場合、「提供」とは、少なくともロック機構が解除され、ユーザが吸引用デバイスを受け取り可能な状態となっていることを意味しており、当該吸引用デバイスは必ずしも収容スロット20から排出されていなくてもよい。
ロック機構としては、特に限定されないが、例えば、押圧部材による上下方向又は水平方向における固定や、電磁石ロック、ロック付き開閉扉、ロック付きシャッター等が挙げられる。
このロック機構は、例えば、ユーザが正規の手順を踏んだ場合にのみロックが解除されるように構成されていることが好ましい。また、解除されたロック機構は、例えば、たばこ商品120の払い出し操作後に所定期間が経過したら、再びロックされるように構成されていてもよいし、たばこ商品120の取り出しをセンサにより検出後、再びロックされるように構成されていてもよい。
また、第2収容部40についても同様に、上記のような構造のロック機構が設けられていてもよい。
【0071】
また、上記においては、第1収容部10及び第1提供機構50と、第2収容部40及び第2提供機構60とが、互いに共通の什器70に収容されている例を説明したが、本発明において、第1収容部10及び第1提供機構50と、第2収容部40及び第2提供機構60とが、互いに異なる什器70に収容されていてもよい。この場合も、たばこ商品提供システムは、共通のトリガに応じて、第1提供機構50による吸引用デバイスの提供動作と、第2提供機構60によるたばこ商品120の提供動作と、を実行可能に構成されていることが好ましい。
【0072】
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、一つの構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0073】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)吸引用デバイスをユーザに提供可能に収容する第1収容部と、
前記吸引用デバイスとともに用いられる消耗品であるたばこ商品を前記ユーザに提供可能に収容する第2収容部と、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを前記ユーザに提供可能であるか否かを判定する提供可能吸引用デバイス判定部と、
前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがあるか否かを判定するたばこ商品在庫判定部と、
前記ユーザに対してガイダンスを行うガイダンス実行部と、
を備え、
前記ガイダンス実行部は、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供可能であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがある場合には、前記吸引用デバイス及び前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行い、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供不可であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りがある場合には、前記たばこ商品のみの提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行うたばこ商品提供システム。
(2)前記ガイダンス実行部は、
前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供可能であるとともに前記第2収容部に前記たばこ商品の残りが無い場合には、前記吸引用デバイスのみの提供が可能である旨のガイダンスを前記ユーザに対して行う(1)に記載のたばこ商品提供システム。
(3)前記第1収容部の前記吸引用デバイスの充電状態を判定する充電状態判定部を更に備え、
前記提供可能吸引用デバイス判定部は、前記第1収容部に充電済みの前記吸引用デバイスが無い場合には、前記第1収容部の前記吸引用デバイスを提供不可と判定する(1)又は(2)に記載のたばこ商品提供システム。
(4)前記第1収容部は、それぞれ前記吸引用デバイスを収容する複数の収容スロットを有し、
前記収容スロット毎に、前記吸引用デバイスの充電状態を表示報知する充電状態報知部が設けられている(3)に記載のたばこ商品提供システム。
(5)前記ユーザの識別情報を読み取る読取部を備え、
前記ガイダンス実行部は、前記読取部により読み取られた前記識別情報に基づいて前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品を提供可能と判断された前記ユーザに対してのみ、前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを行う(1)から(4)のいずれか一項に記載のたばこ商品提供システム。
(6)前記読取部により読み取った前記識別情報を外部のサーバ装置に送信する通信部を備え、
前記サーバ装置より前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品を提供可能である旨を受信した場合に、前記ガイダンス実行部は、前記吸引用デバイス又は前記たばこ商品の提供が可能である旨のガイダンスを行う(5)に記載のたばこ商品提供システム。
(7)前記第1収容部の前記吸引用デバイスを前記ユーザに提供する第1提供機構と、
前記第2収容部の前記たばこ商品を前記ユーザに提供する第2提供機構と、
を備える(1)から(6)のいずれか一項に記載のたばこ商品提供システム。
【符号の説明】
【0074】
10 第1収容部
15 充電部
16 充電端子
17 支持枠
20 収容スロット
20a 内腔領域
20b 取出口
22 一対の第1前壁部
23 一対の第1側壁部
24 第1後壁部
24a 第1スリット部
24b 第2スリット部
25 第1天面部
26 第1底面部
26a 底面
26b 第1挿入穴
28 保持部
28a 第2挿入穴
29 吸引用デバイス検出センサ
30 払出部
30a 鉛直部
30b 水平部
31 開口部
33 取出口
40 第2収容部
40a 板状部材
41 収容カラム
42 第2前壁部
42a 上側部分
42b 下側部分
43 一対の第2側壁部
44 第2後壁部
45 第2天面部
47 排出口
48 把手部
50 第1提供機構
51 押出部材
56 押出機構
58 押出機構駆動モータ
60 第2提供機構
61 プッシャ機構
62 プッシャ機構駆動モータ
70 什器
71 本体部
72 扉部
73 発光部
74 什器側第1取出口
75 什器側第2取出口
81 制御部
82 CPU
83 ROM
84 RAM
96 読取部
97 表示部
98 通信部
110 エアロゾル吸引器(吸引用デバイス)
111 吸引器本体部
112 端子差込部
115 端子
115a USB端子
115b 充電用端子
120 たばこ商品
125 たばこスティック
130 サーバ装置
210 筐体
211 タイミングベルト
212 プッシャ
214 支持アーム
214a 係合ピン
214b 作動端
214c 駆動ピン
215 プーリ
216 リフタ
217 売り切れ検知レバー
218 在庫検出センサ
219 回転カム機構
219a 第1のカムホロア
219b 第2のカムホロア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18
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