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特開2023-27006分岐スイッチを含む電力コンバーター制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027006
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】分岐スイッチを含む電力コンバーター制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20230221BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118498
(22)【出願日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】17/401,198
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【弁理士】
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】アントニウス ヤコブス ヨハネス ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】アーサー ビー オデル
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ミン ファム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力コンバーターのための制御装置を提供する。
【解決手段】電力コンバーター100において、第1の制御装置132は、電力コンバーターのための第1の制御装置であって、ドライバ、電源端子、分岐スイッチ152および分岐制御部を備える。ドライバは、電力スイッチ114をオン及びオフに切り替えるための駆動信号を提供する。電力スイッチは、カスコード構成で結合された第1のスイッチ116と、第2のスイッチ118と、を含む。電源端子は、第1の制御装置に動作電力を提供するバイパスコンデンサ144に結合される。バイパスコンデンサは、バイパス電圧VBP142をもつ。分岐スイッチは、第1のスイッチと第2のスイッチとの間の中間ノードA117に結合されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力コンバーターのための第1の制御装置であって、
前記第1の制御装置が、
前記電力コンバーターの入力と出力との間のエネルギー送達を制御するために、電力スイッチをオンに切り替えるための、およびオフに切り替えるための駆動信号を提供するように構成されたドライバであって、前記電力スイッチが、カスコード構成で結合された第1のスイッチと第2のスイッチとを含み、前記第1のスイッチが、ノーマリーオンデバイスであり、前記第2のスイッチが、ノーマリーオフデバイスである、ドライバと、
前記第1の制御装置に動作電力を提供するバイパスコンデンサに結合された電源端子であって、前記バイパスコンデンサが、バイパス電圧をもつ、電源端子と、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間のノードに結合された分岐スイッチと、
バイパス基準に対する前記バイパス電圧の比較結果を表す調節信号を受信するように構成された分岐制御部であって、前記分岐制御部が、前記ノードから前記バイパスコンデンサに前記電力スイッチのドレイン電流の少なくとも一部を方向転換させるために、前記バイパス電圧が前記バイパス基準未満である場合に前記分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、分岐制御部と、
を備える、第1の制御装置。
【請求項2】
前記ドライバが、前記電力スイッチをオンに切り替えること、およびオフに切り替えることを制御するために、前記第2のスイッチをオンに切り替えるように、およびオフに切り替えるように構成された、
請求項1に記載の第1の制御装置。
【請求項3】
前記分岐制御部が、前記電力スイッチのスイッチングサイクルと同時に前記分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、
請求項2に記載の第1の制御装置。
【請求項4】
前記分岐制御部が、固定の期間にわたって前記分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、
請求項3に記載の第1の制御装置。
【請求項5】
前記分岐制御部が、前記バイパス電圧が前記バイパス基準に到達した場合、または前記電力スイッチの前記ドレイン電流が電流制限値に到達した場合に前記分岐スイッチをオフに切り替えるように構成された、
請求項3に記載の第1の制御装置。
【請求項6】
前記ドライバが、前記分岐スイッチがオフである場合であって、前記ドレイン電流が前記電流制限値未満である場合に前記第2のスイッチをオンに切り替えるように構成された、
請求項5に記載の第1の制御装置。
【請求項7】
前記ドライバが、前記分岐スイッチがオンに切り替えられたときであって、前記分岐スイッチが前記ノードから前記バイパスコンデンサに前記電力スイッチの前記ドレイン電流を伝導するとき、前記第2のスイッチをオフに切り替えるように構成された、
請求項3に記載の第1の制御装置。
【請求項8】
前記分岐スイッチにより伝導される分岐電流を検出するように、および分岐電流閾値未満に調節するように構成された分流レギュレータを更に備え、
前記分流レギュレータおよび前記ドライバが、前記第2のスイッチにより伝導される第2の電流を制御することにより前記分岐電流を調節し、
前記分岐電流が、実質的に前記ノードから前記バイパスコンデンサに方向転換された前記ドレイン電流の部分であり、前記第2の電流が、前記ドレイン電流の残りの部分である、
請求項3に記載の第1の制御装置。
【請求項9】
前記分流レギュレータが、前記ドライバに分流出力電圧を提供するように構成され、
前記ドライバが、前記分流出力電圧に応答して前記第2のスイッチのゲート電圧を決定し、
前記第2のスイッチにより伝導される前記第2の電流が、前記第2のスイッチの前記ゲート電圧に応答したものである、
請求項8に記載の第1の制御装置。
【請求項10】
前記電力コンバーターが連続伝導モードにおいて動作する場合、前記分岐制御部が前記分岐スイッチをオンに切り替える前に、前記ドライバが前記第2のスイッチをオンに切り替える、
請求項8に記載の第1の制御装置。
【請求項11】
前記分岐スイッチが、固定個数の連続したスイッチングサイクルにわたってオンに切り替えられる、
請求項8に記載の第1の制御装置。
【請求項12】
電力コンバーターのための第1の制御装置であって、
前記第1の制御装置が、
電力スイッチであって、前記電力スイッチが、カスコード構成で結合された第1のスイッチと第2のスイッチとを備え、前記第1のスイッチが、ノーマリーオンデバイスであり、前記第2のスイッチが、ノーマリーオフデバイスである、電力スイッチと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間のノードに結合された分岐スイッチであって、前記分岐スイッチが、バイパスコンデンサに更に結合された、分岐スイッチと、
前記電力コンバーターの入力側と出力側との間におけるエネルギー送達を制御するために、前記電力スイッチをオンに切り替えること、およびオフに切り替えることを制御するために、駆動信号を提供するように構成されたドライバであって、前記ドライバが、前記電力スイッチのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するために、前記第2のスイッチをオンに切り替えるように、およびオフに切り替えるように構成された、ドライバと、
前記電力スイッチをオンに切り替えることを表す要求信号を受信するように構成された主制御部であって、前記主制御部が、前記電力スイッチがオンでなければならないか、またはオフでなければならないかを判定する、主制御部と、
バイパス基準と前記バイパスコンデンサのバイパス電圧とを受信するように結合された比較器と、
前記比較器と前記主制御部とに結合された分岐制御部であって、前記分岐制御部が、前記バイパス電圧が前記バイパス基準未満の場合であって、前記主制御部が前記電力スイッチをオンに切り替えると判定した場合に、前記分岐スイッチをオンに切り替えるように構成され、前記分岐スイッチにより伝導される分岐電流が、前記第1のスイッチにより伝導されるドレイン電流の少なくとも一部である、分岐制御部と、
を備える、第1の制御装置。
【請求項13】
前記分岐制御部が、固定の期間にわたって前記分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、
請求項12に記載の第1の制御装置。
【請求項14】
前記分岐制御部が、前記バイパス電圧が前記バイパス基準に到達した場合、または前記主制御部が前記電力スイッチをオフに切り替えると判定した場合に、前記分岐スイッチをオフに切り替えるように構成された、
請求項12に記載の第1の制御装置。
【請求項15】
前記ドライバが、前記分岐スイッチがオフである場合であって、前記主制御部が前記電力スイッチをオンに切り替えると判定した場合に、前記第2のスイッチをオンに切り替えるように構成された、
請求項12に記載の第1の制御装置。
【請求項16】
前記ドライバが、前記分岐スイッチがオンに切り替えられたとき、前記第2のスイッチをオフに切り替えるように構成され、前記分岐電流が、実質的に前記第1のスイッチにより伝導される前記ドレイン電流である、
請求項12に記載の第1の制御装置。
【請求項17】
前記分岐制御部と前記ドライバとに結合された分流レギュレータを更に備え、
前記分流レギュレータが、前記分岐電流を検出するように、および分岐電流閾値未満に調節するように構成され、
前記ドライバが、前記分流レギュレータに応答して前記第2のスイッチにより伝導される第2の電流を制御する、
請求項12に記載の第1の制御装置。
【請求項18】
前記分流レギュレータが、前記ドライバに分流出力電圧を提供するように構成され、
前記ドライバが、前記分流出力電圧に応答して前記第2のスイッチのゲート電圧を決定し、
前記第2の電流が、前記第2のスイッチの前記ゲート電圧に応答したものである、
請求項17に記載の第1の制御装置。
【請求項19】
前記電力コンバーターが連続伝導モードにおいて動作する場合、前記分岐制御部が前記分岐スイッチをオンに切り替える前に、前記ドライバが前記第2のスイッチをオンに切り替える、
請求項17に記載の第1の制御装置。
【請求項20】
前記第1の制御装置が、前記電力コンバーターの入力に結合され、
前記要求信号が、前記電力コンバーターの出力に結合された第2の制御装置から受信され、
前記要求信号が、前記第1の制御装置と前記第2の制御装置との間における磁気通信リンクを通して受信される、
請求項12に記載の第1の制御装置。
【請求項21】
前記バイパスコンデンサが、前記第1の制御装置に動作電力を提供するように結合された、
請求項21に記載の第1の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して電力コンバーターに関し、特に、電力コンバーターのための制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは動作に電力を使用する。スイッチング式電力コンバーターの高効率さ、小さいサイズ、および軽量さを理由として、現在の多くの電子機器に給電するためにスイッチング式電力コンバーターが一般的に使用される。従来の壁のソケットは高電圧の交流電流を提供する。スイッチング電力コンバーターでは、高電圧の交流電流(AC:alternating current)入力が、エネルギー伝達要素を通して高電圧の交流電流が変換されて適切に調節された直流電流(DC:direct current)出力を提供する。スイッチング式電力コンバーターの制御装置は通常、1つまたは複数の出力量を表す1つまたは複数の信号を検出することと、閉ループにおいて出力を制御することとにより、出力調節を提供する。動作時、デューティサイクル(典型的には、総スイッチング周期に対するスイッチのオン期間の比)を変化させること、スイッチング周波数を変えること、または、スイッチング式電力コンバーターにおけるスイッチの単位時間当たりのパルス数を変化させることにより、所望の出力を提供するためにスイッチが使用される。
【0003】
電力コンバーターは概して、電力コンバーターの出力を検出する、および調節する1つまたは複数の制御装置を含む。これらの制御装置は概して、制御装置の回路コンポーネントに給電するために調節された、または未調節の電圧源を必要とする。制御装置に結合されたバイパスコンデンサは、制御装置の回路に動作電力を提供し得る。
【発明の概要】
【0004】
以下の図を参照しながら、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明される。異なる図の中の同様の参照符号は、別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本開示の実施形態による、分岐スイッチと分岐制御部とを含む制御装置を含む例示的な絶縁電力コンバーターの概略図である。
図2図2は、本開示の実施形態による、図1の分岐スイッチと分岐制御部とを含む電力コンバーターおよび制御装置の例示的な波形を示すタイミング図である。
図3図3は、本開示の実施形態による、分岐スイッチと分岐制御部と分流レギュレータとを含む別の例示的な制御装置の機能ブロック図である。
図4A図4Aは、本開示の実施形態による、電力コンバーターが不連続伝導モード(DCM:discontinuous conduction mode)において動作するときの、図3の分岐スイッチと分岐制御部と分流レギュレータとを含む制御装置の例示的な波形を示すタイミング図である。
図4B図4Bは、本開示の実施形態による、電力コンバーターが連続伝導モード(CCM:continuous conduction mode)において動作するときの、図3の分岐スイッチと分岐制御部と分流レギュレータとを含む制御装置の例示的な波形を示すタイミング図である。
図5A図5Aは、本開示の実施形態による、分岐スイッチと分岐制御部と分流レギュレータとを含む更なる例示的な制御装置の概略図である。
図5B図5Bは、本開示の実施形態による、図5Aの分岐スイッチと分岐制御部と分流レギュレータとを含む制御装置の例示的な波形を示すタイミング図である。
図6図6は、本開示の実施形態による、バイパスコンデンサのバイパス電圧および分岐制御部信号の一例を示すタイミング図である。
図7図7は、本開示の実施形態による、分岐スイッチと分岐制御部とを含む制御装置を含む別の例示的な絶縁電力コンバーターの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれるとは限らないことを理解する。例えば、図中の幾つかの要素の寸法は、本発明の様々な実施形態をより理解しやすくするために、他の要素より誇張される場合がある。更に、市販に適した実施形態において有用なまたは必要な、一般的だが良く理解される要素は、多くの場合、本発明に係るこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように、描かれない。
【0007】
以下の説明では、本発明を十分に理解してもらうために、多くの特定の詳細事項が記載される。しかし、本発明を実施するために特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが当業者に明らかである。他の例を挙げると、よく知られた材料または方法については、本発明が理解しにくくなるのを防ぐために、詳細には説明されていない。
【0008】
本明細書中での、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例との関連で説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」といった表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてもよい。特定の特徴、構造、または特性は、説明される機能を提供する集積回路、電子回路、結合論理回路、または他の適切なコンポーネントに含まれてもよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれるとは限らないことが理解される。
【0009】
電力コンバーターは概して、電力コンバーターの出力を検出する、および調節する1つまたは複数の制御装置を含む。これらの制御装置は概して、制御装置の回路コンポーネントに給電するために、調節された、または未調節の電圧源を必要とする。バイパスコンデンサは、制御装置の回路に動作電力を提供し得る制御装置に結合され得る電圧源の一例である。バイパスコンデンサは概して、制御装置のための十分な動作電力を提供するように調節される。
【0010】
絶縁電力コンバーターは、エネルギー伝達要素(例えば結合インダクタ、変圧器など)により互いにガルバニック絶縁された、第1の制御装置または入力制御装置とも呼ばれる一次制御装置と第2の制御装置または出力制御装置とも呼ばれる二次制御装置とを含み得る。言い換えると、電力コンバーターの入力側と出力側との間に印加されるDC電圧は実質的にゼロの電流を生成する。
【0011】
一次制御装置は、エネルギー伝達要素の一次巻線からエネルギー伝達要素の二次巻線へのエネルギーの伝達を制御するために、絶縁電力コンバーターの一次側において電力スイッチを制御するように構成される。二次制御装置は、絶縁電力コンバーターの二次側における回路コンポーネントに結合される。一次側は入力側とも呼ばれてもよいのに対し、二次側は出力側と呼ばれてもよいことが理解されなければならない。二次制御装置は、例えば電力コンバーターのための同期整流器として使用されるトランジスタといった、エネルギー伝達要素の二次巻線に結合された二次スイッチを制御するように更に構成され得る。しかし、一次制御装置と二次制御装置とは互いにガルバニック絶縁されており、二次制御装置は、二次側にエネルギーを伝達するために一次制御装置がどのように電力スイッチをスイッチングするかを制御する一次制御装置に対する信号を送信し得る。
【0012】
概して、電力コンバーターの一次側と二次側との両方の各々が、一次制御装置または二次制御装置の回路にそれぞれ動作電力を提供するバイパスコンデンサを含む。一次制御装置のためのバイパスコンデンサは概して、変圧器または結合インダクタなどのエネルギー伝達要素の補助(またはバイアス)巻線に結合され、バイパスコンデンサは補助巻線から充電される。バイパスコンデンサにかかるバイパス電圧は概して、一次制御装置の回路を動作させるために十分なレベルに調節される。例えば、バイパス電圧は、実質的に5ボルト(V)に調節され得る。
【0013】
上述のように、一次制御装置は、電力コンバーターの入力と出力との間のエネルギーの伝達を制御するために、絶縁電力コンバーターの一次側において電力スイッチを制御するように構成される。一例において、電力スイッチは、カスコードスイッチ(またはハイブリッドスイッチ)であり得る。カスコードスイッチ(またはハイブリッドスイッチ)は、第1のスイッチと第2のスイッチとを含み得る。第1のスイッチは概して、ノーマリーオンデバイスであるのに対し、第2のカスコードスイッチは概してノーマリーオフデバイスである。カスコードスイッチは3つの端子、すなわち、ソースとゲートとドレインとを含む。一例において、ノーマリーオンデバイス(例えば第1のスイッチ)は高電圧GaNトランジスタであり得るのに対し、ノーマリーオフデバイス(例えば第2のスイッチ)は低電圧MOSFETであり得る。ノーマリーオフデバイス(例えばMOSFET)のソースとゲートとは、カスコードスイッチのソースおよびゲートとして使用されるのに対し、ノーマリーオンデバイスのドレイン(例えばGaNトランジスタ)は、カスコードスイッチのドレインとして使用される。ノーマリーオンデバイス(例えばGaNトランジスタ)のソースは、ノーマリーオフデバイス(例えばMOSFET)のドレインに結合される。ノーマリーオフデバイス(例えばMOSFET)は概して、ノーマリーオンデバイス(例えばGaNトランジスタ)をオンとオフとに切り替えるために使用される。オフである(または開いている)スイッチは電流を伝導することができないのに対し、オンである(または閉じている)スイッチは電流を伝導し得る。ノーマリーオフデバイスとノーマリーオンデバイスとの間のノードは、中間ノードと呼ばれ得る。
【0014】
本発明の実施形態は、カスコード構成をとる電力スイッチと、カスコード電力スイッチの第1のスイッチと第2のスイッチとの間における中間ノードに結合されたバイパスコンデンサとを含む。第1のスイッチにより伝導される電流の少なくとも一部がバイパスコンデンサに方向転換されて、バイパスコンデンサを充電するために使用されるように、電力スイッチが制御される。言い換えると、第1のスイッチにより伝導される電流の少なくとも一部がバイパスコンデンサにかかるバイパス電圧を調節するために使用されるように、電力スイッチが制御される。更なる一実施形態において、第2のスイッチが更に、バイパスコンデンサを充電するために方向転換される電流量を制御することに使用され得る。言い換えると、第2のスイッチが更に、第1のスイッチからバイパスコンデンサに方向転換される電流部分の量を制御することに使用され得る。上述のように、バイパスコンデンサは動作電力を提供する。
【0015】
本発明の実施形態において、制御装置は、分岐スイッチと分岐制御部とを含む。一例において、分岐スイッチは、カスコード電力スイッチの中間ノードと制御装置のためのバイパスコンデンサとの間に結合されている。分岐制御部は、分岐スイッチのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するように構成される。実施形態において、バイパスコンデンサ電圧がバイパス基準未満に低下したとき、分岐制御部が分岐スイッチをオンに切り替える。第1のスイッチにより伝導される電流は分岐スイッチに方向転換され、および、バイパスコンデンサを充電するために分岐スイッチにより伝導される。言い換えると、第1のスイッチにより伝導される電流がバイパスコンデンサのバイパス電圧を調節するために使用されるように、分岐スイッチが制御される。
【0016】
別の実施形態において、制御装置は、分岐スイッチにより伝導される電流量を制御する分流レギュレータを更に含む。したがって、第1のスイッチにより伝導される電流の一部が方向転換され、および、バイパスコンデンサを充電するために分岐スイッチにより伝導される。電力カスコードスイッチの第2のスイッチは、第1のスイッチにより伝導される残りの電流を分流するように制御され、したがって、分岐スイッチにより伝導される電流量を制御する。バイパスコンデンサは、制御装置のための動作電力を提供する。
【0017】
図1は、本開示の実施形態による、分岐スイッチ152と分岐制御部150とを含む第1の制御装置132(例えば一次制御装置)を含む電力コンバーター100を示す。示される電力コンバーター100は、クランプ回路104、エネルギー伝達要素T1 106、エネルギー伝達要素T1 106の入力巻線108、エネルギー伝達要素T1 106の出力巻線110、エネルギー伝達要素T1 106の補助巻線112、電力スイッチS1 114、入力帰路111、出力整流器S2 122、出力コンデンサCO124、出力帰路127、出力検出回路129、第2の制御装置134(例えば二次制御装置)、第1の制御装置132(例えば一次制御装置)、バイパスコンデンサ144(例えば第1の制御装置132のための電源コンデンサ)、および、ダイオードD1 146を更に含む。第2の制御装置134と第1の制御装置123との間の通信リンク136が更に示される。電力スイッチS1 114は、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118とを含むカスコードスイッチ(またはハイブリッドスイッチ)として示され、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118との間の中間ノードA117を含む。第1の制御装置132は、主制御部148、分岐制御部150、分岐スイッチ152、ダイオードD2 154、比較器156、およびドライバ158を含むものとして示されている。
【0018】
図1に、入力電圧VIN102、ドレイン電流I119、第2のスイッチ電流I 120、出力電圧V128、出力電流I125、出力量U126、フィードバック信号FB130、要求信号REQ133、第2の駆動信号SR135、一次駆動信号DR138、電流検出信号ISNS140、バイパス電圧VBP142、オン信号ON160、オフ信号OFF162、バイパス調節信号BP_REG163、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、基準REF167(例えばバイパス基準)、および分岐電流IBR168が更に示されている。
【0019】
示される例において、電力コンバーター100は、フライバックトポロジーを含むものとして示されるが、電力コンバーターの他の知られたトポロジーおよび構成が本開示の教示の恩恵を更に受け得ることが理解されなければならない。更に、入力帰路111が出力帰路127からガルバニック絶縁されるように、電力コンバーター100の入力側が電力コンバーターの出力側100からガルバニック絶縁されている。電力コンバーター100の入力側と出力側とがガルバニック絶縁されているので、エネルギー伝達要素T1 106の絶縁バリアにまたがる直流電流(DC)路、入力巻線108と出力巻線110との間の直流電流(DC)路、補助巻線112と出力巻線110との間の直流電流(DC)路、および入力帰路111と出力帰路127との間の直流電流(DC)路が存在しない。
【0020】
電力コンバーター100は、未調節の入力電圧VIN102から負荷128に出力電力を提供する。1つの実施形態において、入力電圧VIN102は、整流された、およびフィルタリングされたACライン電圧である。別の実施形態において、入力電圧VIN102は、DC入力電圧である。入力電圧VIN102は、エネルギー伝達要素106に結合される。幾つかの例において、エネルギー伝達要素106は、結合インダクタ、変圧器、またはインダクタであり得る。エネルギー伝達要素106は、3つの巻線、すなわち、入力巻線108(一次巻線とも呼ばれる)、出力巻線110(二次巻線とも呼ばれる)、および補助巻線112(バイアス巻線または三次巻線とも呼ばれる)を含むものとして示されている。しかし、エネルギー伝達要素106は3つより多い巻線を含んでもよい。エネルギー伝達要素の入力巻線108は、入力帰路111に更に結合された電力スイッチS1 114に更に結合されている。クランプ回路104が入力巻線108にまたがって結合されている。クランプ回路104は電力スイッチS1 114における最大電圧を制限する。
【0021】
図1に示されているように、電力スイッチS1 114は、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118とを含むカスコードスイッチである。第1のスイッチ116は概してノーマリーオンデバイスであるのに対し、第2のスイッチ118は概してノーマリーオフデバイスである。カスコード電力スイッチS1 114は3つの端子、すなわちソースとゲートとドレインとを含む。一例において、ノーマリーオンデバイス(例えば第1のスイッチ116)は高電圧トランジスタであり得るのに対し、ノーマリーオフデバイス(例えば第2のスイッチ118)は、低電圧トランジスタであり得る。一例において、第1のスイッチ116のために使用される高電圧トランジスタは、定格を約750ボルト(V)とされ得るのに対し、第2のスイッチ118のために使用される低電圧トランジスタは、定格を25V~30Vの間とされ得る。第2のスイッチ118(例えばノーマリーオフデバイス)のソースおよびゲートは、カスコード電力スイッチ114のソースおよびゲートとして使用されるのに対し、第1のスイッチ116(例えばノーマリーオンデバイス)のドレインは、カスコード電力スイッチ114のドレインとして使用される。一例において、第1のトランジスタ116(例えばノーマリーオンデバイス)のソースは、第2のトランジスタ118(例えばノーマリーオフデバイス)のドレインに結合される。第1のトランジスタ116のゲートは、入力帰路111に結合された第2のトランジスタ118のソースに結合されたものとして示されている。第1のトランジスタ116のゲートは、入力帰路111に直接結合されてもよいことが理解されなければならない。中間ノードA117は、第1のトランジスタ116のソースと第2のトランジスタ118のドレインとの間の結合部として示される。第2のトランジスタ118は概して、第1のトランジスタ116(ノーマリーオンデバイス)をオンとオフとに切り替えるために使用される。一例において、第1のスイッチ116は、例えば窒化ガリウム(GaN)ベースのトランジスタまたは炭化ケイ素(SiC)ベースのトランジスタといったトランジスタであり得る。第2のスイッチ118は、例えば金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT:bipolar junction transistor)、または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:insulated-gate bipolar transistor)といったトランジスタであり得る。一例において、第1のスイッチにより伝導される電流116はドレイン電流I119により表されるのに対し、第2のスイッチにより伝導される電流118は第2のスイッチ電流I 120と表記される。
【0022】
出力巻線110は、同期整流器として使用されるトランジスタとして例示される出力整流器S2 122に結合される。しかし、出力整流器は、ダイオードとして例示されてもよい。出力コンデンサCO124は、出力整流器S2 122と出力帰路127とに結合されたものとして示される。電力コンバーター100は、出力量U126を調節する回路を更に含み、出力量U126は、一例において、出力電圧V128、出力電流I125、または2つの組み合わせであり得る。出力検出回路129は、第2の制御装置134に電力コンバーター100の出力を表すフィードバック信号FB130を提供するために、出力量U126を検出するように構成される。
【0023】
第2の制御装置134は、フィードバック信号FB130に応答して要求信号REQ133を出力するように構成される。別の例において、第2の制御装置134は、第1の制御装置132にフィードバック信号FB130を伝達するように構成される。要求信号REQ133の例として、要求信号REQ133は、電力スイッチS1 114をオンに切り替える要求を表す。要求信号REQ133は、フィードバック信号FB130に応答して生成される要求イベントを含み得る。1つの例示的な動作において、第2の制御装置134は、フィードバック信号FB130を調節基準と比較するように構成される。比較に応答して、第2の制御装置134は、電力スイッチS1 114をオンに切り替えることを第1の制御装置132に要求するために、要求信号REQ133において要求イベントを出力し得る。要求信号REQ133は、論理ハイ値にパルス動作して論理ロー値に急速に戻る方形パルス波形であり得る。論理ハイパルスは、要求イベントと呼ばれ得る。他の実施形態において、依然として本開示の教示により利益を受けながら、要求信号REQ133がパルス状波形ではなくアナログの連続的に変動する信号であってもよいことが理解される。
【0024】
第2の制御装置134および第1の制御装置123は、通信リンク136を介して通信し得る。示される例において、第2の制御装置134は電力コンバーター100の二次側に結合されており、出力帰路127を基準とするのに対し、第1の制御装置123は電力コンバーター100の一次側に結合されており、入力帰路111を基準とする。実施形態において、第1の制御装置132と第2の制御装置134とは互いにガルバニック絶縁されており、通信リンク136は、(変圧器または結合インダクタ、オプトカプラなどの)誘導結合、容量結合、または絶縁を維持する他のデバイスを利用したガルバニック絶縁を提供する。しかし、幾つかの実施形態において、第2の制御装置134は第1の制御装置123からガルバニック絶縁されていないことが理解されなければならない。一例において、通信リンク136は、第1の制御装置123および/または第2の制御装置134をサポートするリードフレームから形成された誘導結合であり得る。
【0025】
一例において、第1の制御装置132および第2の制御装置134は、ハイブリッド集積回路とモノリシック集積回路とのいずれかとして製造される集積回路の一部として形成され得る。一例において、電力スイッチS1 114は、第1の制御装置132と第2の制御装置134とを含む単一の集積回路パッケージに統合されてもよい。加えて、一例において、第1の制御装置132および第2の制御装置134は、別の集積回路として形成されてもよい。電力スイッチS1 114は、第1の制御装置132と同じ集積回路に統合されてもよく、または、それ独自の集積回路に形成されてもよい。特に、電力スイッチS1 114の第1のスイッチ116がそれ独自の集積回路に統合されるとともに、電力スイッチS1 114の第2のスイッチ118が、第1の制御装置132と同じ集積回路に統合されてもよい。更に、第1の制御装置132と第2の制御装置134との両方および電力スイッチS1 114が単一パッケージに含まれる必要はなく、別々の制御装置パッケージまたは組み合わされた/別のパッケージの組み合わせにおいて実装されてもよいことが理解されなければならない。
【0026】
第1の制御装置132は電力スイッチS1 114のドレイン電流I 119を表す電流検出信号ISNS140を受信するように、および、通信リンク136を通して要求信号REQ133またはフィードバック信号FB130を受信するように結合されており、および一次駆動信号DR138を出力する。第1の制御装置132は、エネルギー伝達要素106を通した電力コンバーター100の入力から出力へのエネルギーの伝達を制御するために、電力スイッチS1 114の様々なスイッチングパラメータを制御するために、電力スイッチS1 114に一次駆動信号DR138を提供する。このようなパラメータの例は、スイッチング周波数fSW(またはスイッチング周期TSW)、デューティサイクル、オン期間およびオフ期間、または電力スイッチS1 114の単位時間当たりのパルス数を変えることを包含する。加えて、電力スイッチS1 114が固定のスイッチング周波数または可変スイッチング周波数を伴うように、電力スイッチS1 114が制御され得る。
【0027】
1つの実施形態において、第1の制御装置132は、電力スイッチS1 114の伝導を制御するために、一次駆動信号DR138を出力する。特に、第1の制御装置132は、第2のスイッチ118の伝導を制御するために、一次駆動信号DR138を出力する。一例において、第1の制御装置132は、要求信号REQ133における要求イベントに応答して、またはフィードバック信号FB130により提供される情報に応答して、電力スイッチS1 114をオンに切り替えるために、一次駆動信号DR138を出力する。別の例において、第1の制御装置132は、電流検出信号ISNS140により提供されるドレイン電流I119が電流制限値に到達したとき電力スイッチS1 114をオフに切り替えるために、一次駆動信号DR138を出力する。他の制御方法が使用され得ることが理解されなければならない。
【0028】
エネルギー伝達要素T1 106は、入力帰路111を基準とする補助巻線112を含む。補助巻線112は、ダイオードD1 146とバイパスコンデンサ144とに結合されたものとして示されている。図1に示されている電力コンバーター100に対して、バイパスコンデンサ144のバイパス電圧VBP131は、補助巻線112にかかる電圧から導出され得る。バイパスコンデンサ144は、第1の制御装置132の回路のための動作電力を提供するために、第1の制御装置132に結合されている。
【0029】
バイパス電圧VBP131は、電力スイッチS1 114の第1のスイッチ116からバイパスコンデンサ144に方向転換されるドレイン電流I119から導出されてもよい。実施形態において、ドレイン電流I119の全体またはドレイン電流I119の一部が、バイパスコンデンサ144に方向転換される。この図に関連して説明されるように、分岐スイッチ152は、バイパスコンデンサ144を充電するためにドレイン電流I119(例えば第1のスイッチ116により伝導される電流)を方向転換させるように制御される。図3に関連して説明される別の実施形態において、分岐スイッチは、バイパスコンデンサ144を充電するために、ドレイン電流I119の一部を方向転換させ、第2のスイッチ118は、バイパスコンデンサ144を充電するために方向転換されるドレイン電流I119の一部を制御するために使用される。
【0030】
比較器156がバイパスコンデンサ144に結合されており、その反転入力においてバイパス電圧VBP142を受信する。比較器156は、その非反転入力において、バイパス基準とも呼ばれる基準REF167を更に受信する。比較器156の出力は、バイパス調節信号BP_REG163と表記される。一例において、基準REF167は、バイパス電圧VBP142に対する所望の調節された値を表す。比較器156は、バイパス電圧VBP142を基準REF167と比較する。示されるように、バイパス調節信号BP_REG163は、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、論理ハイ値であり、バイパス電圧VBP142が基準REF167より大きい場合、論理ロー値である。言い換えると、アサートされたバイパス調節信号BP_REG163は、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下したことを示す(例えば論理ハイ値)。比較器156は、ヒステリシスを更に使用し得ることが理解されなければならない。
【0031】
示される実施形態では、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満であるとき、ドレイン電流I119をバイパスコンデンサ144に方向転換させるように分岐スイッチ152が制御される。別の実施形態において、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満であるとき、ドレイン電流I119の一部を方向転換させるように分岐スイッチ152が制御される。言い換えると、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満であるとき、分岐スイッチ152がオンに切り替えられる。更に、ドレイン電流I119の少なくとも一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用されるように、第1の制御装置132が電力スイッチS1 114を制御するように構成される。
【0032】
第1の制御装置132は、主制御部148、分岐制御部150、分岐スイッチ152、ダイオードD2 154、比較器156、およびドライバ158を含むものとして示されている。主制御部148は、要求信号REQ133またはフィードバック信号FB130および電流検出信号ISNS140を受信するように構成され、オン信号ON160とオフ信号OFF162とを出力する。一例において、オン信号ON160とオフ信号OFF162との両方が、論理ハイセクションと論理ローセクションとの可変持続期間をもつ方形パルス波形である。オン信号ON160は電力スイッチS1 114をオンに制御することを表すのに対し、オフ信号OFF162は電力スイッチS1 114をオフに制御することを表す。(例えばアサートされた)オン信号ON160に対する論理ハイ値は、電力スイッチS1 114をオンに切り替えることに対応し、特に、第2のスイッチ118をオンに切り替えることを表す。同様に、(例えばアサートされた)オフ信号OFF162に対する論理ハイ値は、電力スイッチS1 114をオフに切り替えることに対応し、特に、第2のスイッチ118をオフに切り替えることを表す。オフ信号OFF162がオン信号ON160の反転されたバージョンであることが理解されなければならない。
【0033】
主制御部148は、要求信号REQ133またはフィードバック信号FB130に応答して、電力スイッチS1 114をオンに切り替えると判定する。動作時、主制御部148は、要求信号REQ133における要求イベントに応答して、電力スイッチS1 114、特に第2のスイッチ118をオンに切り替えると判定する。別の例において、主制御部148は、電力コンバーター100の出力が適切に調節されていない状態に低下したことを示すフィードバック信号FB130に応答して、電力スイッチS1 114、特に第2のスイッチ118をオンに切り替えると判定する。動作時、オン信号ON160がアサートされ、オフ信号OFF162がアサート解除される。
【0034】
主制御部148は更に、ドレイン電流I119が電流制限値ILIMに到達したことを示す電流検出信号ISNS140に応答して、電力スイッチS1 114をオフに切り替えると判定する。他の制御スキームが、電力コンバーター100の入力側から出力側へのエネルギーの伝達を制御するために主制御部148により実現され得ることが理解されなければならない。電力スイッチS1 114をオフに切り替えるために、オフ信号OFF162がアサートされるのに対し、オン信号ON160がアサート解除される。
【0035】
分岐制御部150は、オン信号ON160とバイパス調節信号BP_REG163とを受信するように構成されており、分岐駆動信号BR165と主オン信号MAIN_ON164とを出力する。分岐駆動信号BR165は、分岐スイッチ152をオンとオフとに切り替えるための制御信号であり、一例において、論理ハイセクションと論理ローセクションとの可変持続期間をもつ方形パルス波形である。論理ハイセクションは、分岐スイッチ152をオンに切り替えるためのアサートされた信号を表すのに対し、論理ローセクションは、分岐スイッチ152をオフに切り替えるためのアサート解除された信号を表す。主オン信号MAIN_ON164は、電力スイッチS1 114、特に第2のスイッチ118をオンおよびオフに切り替えるための制御信号であり、更に論理ハイセクションと論理ローセクションとの可変持続期間をもつ方形パルス波形である。論理ハイセクションは、第2のスイッチ118をオンに切り替えるためのアサートされた信号を表すのに対し、論理ローセクションは、第2のスイッチ118をオフに切り替えるためのアサート解除された信号を表す。分岐制御部が分岐スイッチ152をオンになるように制御していない(例えば、分岐駆動信号BR165がアサートされていない)場合、主オン信号MAIN_ON164はオン信号ON160に実質的に追従する。
【0036】
分岐スイッチ152とダイオードD2 154とがバイパスコンデンサ144と電力スイッチS1 114の中間ノードA117との間に結合されているものとして示されている。分岐電流IBR168は、分岐スイッチ152により伝導される電流である。示される例において、分岐スイッチ152の一端部が電力スイッチS1 114の中間ノードA117に結合されているのに対し、他端部はダイオードD2 154のアノードに結合されている。ダイオードD2 154のカソードはバイパスコンデンサ144に結合されている。ダイオードD2はバイパスコンデンサ144から電力スイッチS1 114に電流が流れることを防ぐために使用される。しかし、分岐スイッチ152およびダイオードD2 154の他の構成が使用されてもよいことが理解されなければならない。示されるように、分岐電流IBR168と第2のスイッチ電流I 120との和が実質的にドレイン電流I119であり、または数学的には、
=IBR+I
である。
【0037】
動作時、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下したことをバイパス調節信号BP_REG163が示しているとき、分岐制御部150は分岐スイッチ152をオンに切り替えるための分岐駆動信号BR165を出力する。バイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下していないことをバイパス調節信号BP_REG163が示している場合、分岐スイッチ152はオンに切り替えられず、主オン信号MAIN_ON164は実質的にオン信号ON160である。
【0038】
バイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下したことをバイパス調節信号BP_REG163が示している場合、分岐制御部150は、分岐スイッチ152をオンに切り替えることをオン信号と同期する。図2に関連して更に示されるように、バイパス電圧VBP142が電力スイッチS1 114のスイッチングサイクル中に基準REF167未満に低下した場合、次の(または後続の)スイッチングサイクルの開始時に分岐スイッチ152がオンに切り替えられる。1つの実施形態において、オン信号ON160がアサートされている限り、または、バイパス電圧VBP142が基準REF167に到達するまで分岐スイッチ152がオンに切り替えられる。ドレイン電流I119が電流制限値に到達したとき、オン信号ON160がアサート解除され得、したがって、ドレイン電流I119が電流制限値に到達するまで、またはバイパス電圧VBP142が基準REF167に到達するまで、分岐スイッチ152がオンである。別の実施形態において、分岐スイッチ152は、固定時間長にわたってオンに切り替わり得る。更に、オン信号ON160がアサート解除される前に分岐スイッチ152がオフに切り替わった場合、主オン信号MAIN_ON164がアサートされ、次に、電力スイッチS1 114をオンに切り替えるためにオン信号ON160に追従する。オン信号ON160がアサート解除されたとき、主オン信号MAIN_ON164がアサート解除される。図1に示される例において、分岐スイッチ152が伝導しているとき、分岐電流IBR168はドレイン電流I119に実質的に等しい。
【0039】
ドライバ158は、分岐駆動信号BR165、主オン信号MAIN_ON158、およびオフ信号OFF162を受信するように構成されており、電力スイッチS1 114の伝導を制御するための一次駆動信号DR138を出力する。特に、一次駆動信号DR138はカスコード電力スイッチS1 114の第2のスイッチ118の伝導を制御する。例えば、ドライバ158は、第2のスイッチ118により伝導される電流の伝導および量を制御し得る。動作時、アサートされた分岐駆動信号BR165に応答して、第2のスイッチ118がオフであるように、すなわち伝導しないように、ドライバ158が一次駆動信号DR138を出力する。主オン信号MAIN_ON164がアサートされた場合、第2のスイッチ118がオンであるように、すなわち伝導するように、ドライバ158が一次駆動信号DR138を出力する。オフ信号OFF162がアサートされた場合、第2のスイッチ118がオフであるように、すなわち、伝導しないように、ドライバ158が一次駆動信号DR138を出力する。示される例において、第2のスイッチ118が伝導しているとき、第2のスイッチ電流I 120は、実質的にドレイン電流I119である。
【0040】
したがって、第1の制御装置132は第1のスイッチ116により伝導される電流の少なくとも一部(例えばドレイン電流I119の少なくとも一部)を使用して、第1の制御装置132に動作電力を提供するバイパスコンデンサ144を充電する。図1に示される例では、分岐スイッチ152がオンに切り替えられて、バイパスコンデンサ144を充電するために、ドレイン電流I119の全体を向かわせる。言い換えると、分岐スイッチ152がオンに切り替えられたとき、分岐電流IBR168は、ドレイン電流I119に実質的に等しい。更に、電力スイッチS1 114がノーマリーオントランジスタ(第1のスイッチ116)とノーマリーオフトランジスタ(第2のスイッチ118)とを含むカスコードデバイスであるので、エネルギーの節約ができる。従来の解決策は、電力スイッチとして、例えばバイポーラ接合トランジスタ(BJT)といったノーマリーオフトランジスタを使用していた。ノーマリーオフトランジスタ(例えばBJT)は、ノーマリーオフトランジスタを伝導状態に維持するために、より高い電圧の電源を必要とするであろうし、または代替的に、全てのエネルギーが分岐スイッチを通ってバイパスコンデンサに流れることを可能にするために、ベース・エミッタ容量(またはゲート・ソース容量)が事前充電されるであろう。更に、BJTの場合、オン切り替えトランジスタおよびオフ切り替えトランジスタが更に使用されるであろう。しかし、電力スイッチS1 114はノーマリーオンおよびノーマリーオフデバイスを含むカスコードデバイスであるので、より高い電圧出力の電圧源も、ゲート・ソース容量またはベース・エミッタ容量の充電も必要とされない。
【0041】
図2は、図1の電力コンバーター100に対する、バイパス電圧VBP142、ドレイン電流I119、要求信号REQ133、オン信号ON160、オフ信号OFF162、主オン信号MAIN_ON163、分岐駆動信号BR165、および一次駆動信号DR138の例示的な波形を含む図200を示す。同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のように結合すること、および機能することが理解されなければならない。図2の波形に対して、第1の制御装置132は、要求信号REQ133における要求イベントが受信されたとき、電力スイッチS1 114または分岐スイッチ152をオンに切り替え、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達したとき、電力スイッチS1 114をオフに切り替える。第1の制御装置132は、検出されたバイパス電圧VBP142に応答して、分岐スイッチ152をオンに切り替える。
【0042】
時点tにおいて、要求イベント(例えばパルス)が要求信号REQ133において受信され、電力スイッチS1 114をオンに切り替えるために、オン信号ON160がアサートされる。時点tにおいて、バイパス電圧VBP142は基準REF167に実質的に等しいので、主オン信号MAIN_ON164はオン信号ON160に実質的に追従し、一次駆動信号DR138が電力スイッチS1 114をオンに切り替えるために提供される。示されるように、一次駆動信号DR138は、第2のスイッチ118のために使用されるデバイスをオンに切り替えるための電圧であるオン電圧VON268に遷移し、したがって、第2のスイッチ118により伝導される第2のスイッチ電流I 120は第2のスイッチ118に結合されたコンポーネントにより決定される。更に、分岐駆動信号BR165はアサートされず、分岐スイッチ152は伝導していない。
【0043】
時点tと時点tとの間において、ドレイン電流I119が入力電圧VIN102を入力巻線108のインダクタンスで割ったものに比例した速度で増加する。更に、電力コンバーター100は、ドレイン電流I119により示されるように、不連続伝導モード(DCM)において動作している。分岐スイッチ152は伝導していないので、第2のスイッチ電流I 120はドレイン電流I119に実質的に等しく、分岐電流IBR168は実質的にゼロである。時点tにおいて、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に達し、第1の制御装置132が電力スイッチS1 114をオフに切り替える。したがって、オン信号ON160および主オン信号MAIN_ON164がアサート解除されて(論理ロー値に遷移して)、オフ信号OFF162がアサートされる(論理ハイ値に遷移する)。一次駆動信号DR138がオフ電圧VOFF269に遷移し、オフ電圧VOFF269は、第2のスイッチ118および電力スイッチS1 114が電流を伝導することができない(例えばオフに切り替えられる)ように第2のスイッチ118のために使用されるデバイスに対する電圧である。第2のスイッチ118がオフになった後、ドレイン電流I119がゼロまで減少する。
【0044】
しかし、時点tにおいて、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下する。時点tにおいて、電力スイッチS1 114の次のスイッチングサイクル中に、バイパスコンデンサ144を充電するために、分岐スイッチ152がオンに切り替えられ、バイパス電圧VBP142が上昇する。時点tの後、時点tにおいて分岐スイッチ152がオンに切り替えられるまで、バイパス電圧VBP142が低下し続ける。
【0045】
時点tにおいて、別の要求イベントが要求信号REQ133において受信され、バイパス電圧VBP142は基準REF167未満である。主制御部148がオン信号ON160をアサートし、オフ信号OFF162をアサート解除するとともに、分岐制御部150が分岐駆動信号BR165をアサートする。分岐駆動信号BR165がアサートされるので、主オン信号MAIN_ON164はオン信号ON160に追従せず、主オン信号MAIN_ON164はアサート解除された状態に留まり、一次駆動信号DR138はオフ電圧VOFF269に留まる。分岐スイッチ152がオンに切り替えられ(例えば電流を伝導し)、第2のスイッチ118が電流を伝導することを阻止される(例えばオフに切り替えられる)。ドレイン電流I119が増加し、分岐スイッチ152が、バイパスコンデンサ144を充電するためにドレイン電流I119の全体を伝導し、バイパス電圧VBP142が上昇する。または言い換えると、分岐電流IBR168がドレイン電流I119に実質的に等しいのに対し、第2のスイッチ電流I 120は実質的にゼロである。
【0046】
時点tにおいて、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に達し、主制御部148がオン信号ON160をアサート解除し、オフ信号OFF162をアサートする。分岐制御部150は分岐スイッチ152をオフに切り替えるために分岐駆動信号BR165をアサート解除する。更に、オフ信号OFF162がドライバ158により受信され、一次駆動信号DR138は、第2のスイッチ118が伝導することを阻止するために、オフ電圧VOFF269に留まり、ドレイン電流I119はゼロまで減少する。しかし、示されるように、バイパス電圧VBP142は依然として基準REF167未満であり、時点tと時点tとの間において、バイパス電圧VBP142が低下している。
【0047】
時点tにおいて、別の要求イベントが要求信号REQ133において受信され、主制御部148がオン信号ON160をアサートし、オフ信号OFF162をアサート解除する。バイパス電圧VBP142は依然として基準REF167未満であり、したがって、分岐制御部150は分岐スイッチ152をオンに切り替えるために分岐駆動信号BR165をアサートし、主オン信号MAIN_ONは、第2のスイッチ118がオンに切り替わることを阻止するために、アサート解除された状態に留まる。分岐スイッチ152がバイパスコンデンサ144を充電するためにドレイン電流I119を伝導し、バイパス電圧VBP142が上昇する。時点tと時点tとの間において、分岐電流IBR168はドレイン電流I119に実質的に等しいのに対し、第2のスイッチ電流I 120は実質的にゼロである。
【0048】
図2に示されているように、時点tにおいてドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達する前に、時点tにおいてバイパス電圧VBP142が基準REF167に到達する。時点tにおいて、分岐制御部150は、分岐スイッチ152が伝導することを阻止するために、分岐駆動信号BR165をアサート解除し、第2のスイッチ118をオンに切り替えるために、主オン信号MAIN_ON164をアサートする。言い換えると、分岐制御部150は、主オン信号MAIN_ON164がオン信号ON160に追従することを可能にする。ドライバ158がアサートされた主オン信号MAIN_ON164を受信し、第2のスイッチ118をオンに切り替えるために、一次駆動信号DR138をオン電圧VON268に遷移させ、したがって、第2のスイッチ118がドレイン電流I119を伝導する。時点tと時点tとの間において、第2のスイッチ電流I 120はドレイン電流I119に実質的に等しく、分岐電流IBR168は実質的にゼロである。
【0049】
時点tにおいて、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に達し、主制御部148がオン信号ON160をアサート解除し、オフ信号OFF162をアサートする。更に、オフ信号OFF162がドライバ158により受信され、一次駆動信号DR138が、第2のスイッチ118が伝導することを阻止するために、オフ電圧VOFF269に遷移し、ドレイン電流I119はゼロまで減少する。
【0050】
時点tにおいて、要求イベントが要求信号REQ133において受信され、主制御部148がオン信号ON160をアサートし、オフ信号OFF162をアサート解除する。時点tにおいて、バイパス電圧VBP142は基準REF167に実質的に等しいので、主オン信号MAIN_ON164がオン信号ON160に実質的に追従し、分岐駆動信号BR165がアサート解除された状態に留まる。ドライバ158が一次駆動信号DR138をオン電圧VON268に遷移させ、したがって、第2のスイッチ118がドレイン電流I119を伝導し得る。時点t10において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に達し、主制御部148がオン信号ON160をアサート解除し、第2のスイッチ118をオフに切り替えるためにオフ信号OFF162をアサートする。一次駆動信号DR138は、第2のスイッチ118が伝導することを阻止するためにオフ電圧VOFF269に遷移し、ドレイン電流I119はゼロまで減少する。
【0051】
図3は、主制御部148、分岐制御部150、分岐スイッチ152、ダイオードD2 154、比較器156、ドライバ358、および分流レギュレータ349を含む第1の制御装置332の別の実施形態を示す。図3に、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118とを含む電力スイッチS1 114、バイパスコンデンサ144、ダイオードD1 146、および補助巻線112が更に示されている。電力スイッチS1 114、バイパスコンデンサ144、ダイオードD1 146、および補助巻線112は、図1に関連した第1の制御装置332のためのコンテキストを提供するために含まれる。ドレイン電流I119、第2のスイッチ電流I 120、フィードバック/要求信号FB/REQ130/133、一次駆動信号DR138、電流検出信号ISNS140、バイパス電圧VBP142、オン信号ON160、オフ信号OFF152、バイパス調節信号BP_REG163、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、基準REF167、分岐電流IBR168、および分流レギュレータ出力372が更に図3に示されている。第1の制御装置332が、図1に示されている電力コンバーター100とともに使用され得ることが理解されなければならない。
【0052】
図3図1に関連して説明されている第1の制御装置132と多くの類似性を共有しており、同様に命名された、および番号付けされた要素が図1および図2を参照して既に説明されているように結合すること、および機能することが理解されなければならない。しかし、少なくとも1つの差は、分流レギュレータ出力372を伴う分流レギュレータ349の追加、および、ドライバ358が分流レギュレータ出力372にどのように応答するかである。更に、分岐制御部150は、主制御部148からオフ信号OFF162を受信するように更に構成されており、分岐スイッチ152がオンに切り替えられなければならないか否かを判定するために、電力スイッチS1 114のオフ期間中にバイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下したか否かを判定する。しかし、分岐制御部150は、オフ信号OFF162ではなくオン信号ON160を反転したものを使用してもよいことが理解されなければならない。
【0053】
示される実施形態では、第1の制御装置332は、分岐スイッチ152により伝導される分岐電流IBR168の量を制御する。更に、第1の制御装置332は、第2のスイッチ118により伝導される第2のスイッチ電流I 120の大きさを制御することにより、分岐スイッチ152により伝導される分岐電流IBR168の量を制御する。言い換えると、第1の制御装置332は、分岐電流IBR168を調節するために第2のスイッチ118を使用する。したがって、第1の制御装置332は、バイパスコンデンサ144を充電するためにドレイン電流I119のうちのどの程度が分岐スイッチ152により方向転換されるかを決定する。バイパスコンデンサ144を充電するために使用されない残りのドレイン電流I119は、第2のスイッチ118により伝導される。
【0054】
分岐スイッチの物理的サイズは、分岐スイッチ152が伝導する分岐電流IBR168の最大量、および、分岐スイッチ152が最大電流を伝導する持続期間により部分的に決定される。例えば、分岐スイッチ152がドレイン電流I119の全体を伝導することができるために、分岐スイッチ152の物理的サイズは、第2のスイッチ118の物理的サイズと同様である。第1の制御装置332および第2のスイッチ118を収容するために使用されるパッケージに応じて、分岐スイッチ152のサイズが第2のスイッチ118のサイズと同様である場合、第2のスイッチ118と分岐スイッチ152との両方を収容するための十分な空間が存在しない場合がある。したがって、分岐スイッチ152の物理的サイズは、分岐電流IBR168を分岐電流閾値未満にするように調節することにより制御され得る。分岐電流IBR168を分岐電流閾値未満に調節するようにドレイン電流I119の一部を分流するように第2のスイッチ118が制御される場合、より小さい分岐スイッチ152が使用され得る。
【0055】
図3に示される実施形態に対して、スイッチングサイクルの開始前にバイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、分岐制御部150がスイッチングサイクル中に分岐スイッチ152をオンに切り替えるために分岐駆動信号BR165を出力する。1つの実施形態において、バイパス電圧VBP142が基準REF167より高くに上昇するまで、またはオフ信号OFF162がアサートされるまで、分岐スイッチ152はオンに留まる。図5Aおよび図5Bを参照して説明されている別の実施形態では、固定時間長にわたって、またはオフ信号OFF162がアサートされるまで、分岐スイッチ152がオンに切り替わる。分岐制御部150が、オフ信号OFF162を受信し、および、オフ信号OFF162がアサートされたとき、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、次回のスイッチングサイクルにわたって、分岐スイッチ152をオンに切り替えることを決定し得る。代替的に、分岐制御部150はオン信号ON160を使用してもよく、および、オン信号ON160がアサートされていないとき、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、次回のスイッチングサイクルにわたって、分岐スイッチ152をオンに切り替えることを決定し得る。一例において、ドレイン電流I119が電流制限値に達したとき、オフ信号OFF162がアサートされ(またはオン信号ON160がアサート解除され)、次の要求イベントが要求信号REQ133において受信されるまで、アサートされた状態に留まる。オフ信号OFF162がアサートされたとき、電力スイッチS1 114および分岐スイッチ152がオフに切り替えられて、伝導することを阻止される。
【0056】
分流レギュレータ349は、分岐制御部150から分岐駆動信号BR165を受信するように、および分岐電流IBR168を検出するように構成されている。分流レギュレータ349は、分流レギュレータ出力372をドライバ358に出力する。動作時、分岐スイッチ152がオンである(例えば、または伝導している)ことを分岐駆動信号BR165が示しているとき、分流レギュレータ349が分岐電流IBR168を検出する。更に、分流レギュレータ349は分岐電流IBR168が分岐電流閾値に到達したときを検出し、分流レギュレータ出力372を出力する。ドライバ358とともに、分岐電流IBR168が分岐電流閾値を上回ることを阻止される。一例において、分流レギュレータ出力372は、一次駆動信号DR138のレベルを特定するために分流レギュレータ349により調節された電圧であり得る。一例において、分流レギュレータ349は、線形増幅器と同様に機能する。
【0057】
ドライバ358は、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、および分流レギュレータ出力372を受信するように構成されている。主オン信号MAIN_ON164は、完全にオンになるように第2のスイッチ118をオンに切り替えることを表す。アサートされた主オン信号MAIN_ON164に応答して、ドライバ358は、第2のスイッチ118が完全にオン(例えばオン電圧VON)になるようなレベルまで駆動信号DR138を出力する。または言い換えると、第2のスイッチ118により伝導される電流は、第2のスイッチ118に結合された外部コンポーネントにより決定される。
【0058】
分岐駆動信号BR165は、分岐スイッチ152の伝導を表す。アサートされた分岐駆動信号BR165に応答して、ドライバ358は、第2のスイッチ118により伝導される第2のスイッチ電流I 120の値を制御するために、分岐電流IBR168を表す分流レギュレータ出力372に応答して、一次駆動信号DR138のレベルを決定する。
【0059】
ドライバ358は、分岐スイッチ152がオンである(例えば伝導している)間に、分流レギュレータ出力372に応答して、第2のスイッチ118の伝導を制御するために、一次駆動信号DR138のレベルを変える。分岐電流IBR168と第2のスイッチ電流I 120との和は、実質的にドレイン電流I119であり、すなわち数学的には、I=IBR+Iである。示される例において、第2のスイッチ118はMOSFETとして示される電圧制御されるデバイスであり、一次駆動信号DR138は、電圧信号である。ドライバ358は、第2のスイッチ118により伝導される第2のスイッチ電流I 120の値を制御するために、一次駆動信号DR138の電圧レベルを変える。第2のスイッチ電流I 120の値が第2のスイッチ118のゲート・ソース電圧により決定されるように、一次駆動信号DR138の電圧レベルが選択され得る。一例において、第2のスイッチ118が線形モードにおいて動作するように、一次駆動信号DR138の電圧レベルが選択され得る。
【0060】
別の実施形態において、ドライバ358は、主オン信号MAIN_ON164と分流レギュレータ出力372とを受信するように、および分岐駆動信号BR165を受信しないように構成される。主オン信号MAIN_ON164は、第2のスイッチ118を完全にオンに切り替えるために、または、分流レギュレータ出力372に応答して第2のスイッチ118をオンに切り替えるために、第2のスイッチ118をオンに切り替えることを表す。したがって、主オン信号MAIN_ON164は、分岐スイッチ152がオンに切り替えられないとき、第2のスイッチ118を完全にオンに切り替えるためにアサートされ得る。更に、第2のスイッチ電流I 120の値を制御するために、および分岐スイッチ152がオンであるときに分岐電流IBR168を分岐電流閾値未満に調節するために、ドライバ358が分流レギュレータ出力372に応答して一次駆動信号DR138のレベルを決定するように、主オン信号MAIN_ON164がアサートされ得る。
【0061】
したがって、分流レギュレータ349およびドライバ358は、第2のスイッチ118(例えば第2のスイッチ電流I 120)により伝導されるドレイン電流I119の量を制御することにより、分岐電流IBR168の値を分岐電流閾値未満に調節する。または言い換えると、分流レギュレータ349およびドライバ358は、バイパスコンデンサ144を充電するために使用されるドレイン電流I119の量(例えば分岐電流IBR168)を調節する。ドレイン電流I119の残部は、第2の電流I 120として第2のスイッチ118により伝導される。
【0062】
更に、電力コンバーター100が不連続伝導モード(DCM)または連続伝導モード(CCM)において動作しているとき、第1の制御装置332は、分岐スイッチ152と第2のスイッチ118との動作を変え得る。DCM中、電力スイッチS1 114または分岐スイッチ152がオンに切り替えられているとき、スイッチ電流I119はゼロである。CCMにおいて、電力スイッチS1 114または分岐スイッチ152がオンに切り替えられているとき、スイッチ電流I119は実質的にゼロではない。
【0063】
DCM動作中、スイッチングサイクルが要求された(例えばオン信号ON160がアサートされた)とき、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、分岐駆動信号BR165が分岐スイッチ152をオン(例えば伝導状態)に制御する。分流レギュレータ349およびドライバ358は、第2のスイッチ118が第2のスイッチ電流I 120をどの程度伝導するかを制御することにより、分岐電流IBR168を調節する。
【0064】
しかし、CCMにおいて、電力スイッチS1 114がオンに切り替わるとき、ドレイン電流I119はゼロではない。したがって、電力スイッチS1 114または分岐スイッチ152がオンに切り替わるとき、大きい電流スパイクが発生し得る。この大きい電流スパイクは、分岐スイッチ152を損傷させ得る。分岐スイッチ152がドレイン電流I119の全体を伝導することができるように、分岐スイッチ152の物理的サイズは、第2のスイッチ118の物理的サイズと同様であり得る。しかし、上述のように、物理的により小さい分岐スイッチ152は、分岐電流IBR168を調節することにより使用され得る。CCM動作において、第2のスイッチ118が、分岐スイッチ152をオンに切り替える前に大きい電流スパイクを伝導するように、スイッチングサイクルの開始時にオンに切り替えられる。所与の時間長後に、分岐電流IBR168がバイパスコンデンサ144を充電するように、分岐スイッチ152が次にオンに切り替えられる。分流レギュレータ349およびドライバ358は、第2のスイッチ118が第2のスイッチ電流I 120をどの程度伝導するかを制御することにより、分岐電流IBR168を調節する。したがって、第2のスイッチ118は分岐スイッチ152を保護するために使用される。
【0065】
図4Aは、電力コンバーター100が不連続伝導モード(DCM)において動作するときの、図3の第1の制御装置332の例示的な波形を示すタイミング図400である。バイパス電圧VBP142、要求信号REQ133、ドレイン電流I119、分岐電流IBR168、第2の電流I 120、オン信号ON160、オフ信号OFF162、ノードA117における電圧、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、および一次駆動信号DR138が示されている。図2と同様に、一次駆動信号DR138は電圧信号として示されており、および一次駆動信号DR138の電圧レベルが第2のスイッチ電流I 120の値を制御する。同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のように結合すること、および機能することが理解されなければならない。
【0066】
示される例において、比較器156はヒステリシスを使用し、図4Aおよび図4Bに示される上基準REF+167aと下基準REF-167bとが、基準REF167に対するヒステリシス閾値を表す。バイパス調節信号BP_REG163は、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167b未満に低下したとき論理ハイ値に遷移し、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aを上回ったとき論理ロー値に遷移する。言い換えると、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167b未満に低下したとき、第1の制御装置332は、バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152をオンに切り替えることを決定し得る。バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aを上回ったとき、制御装置332は、分岐スイッチ152をオフに切り替えることを更に決定し得る。
【0067】
時点t11から時点t13の間および時点t20の先が、電力スイッチS1 114の通常スイッチングサイクルを表し、通常スイッチングサイクルでは、第2のスイッチ118が完全にオンに切り替えられ、およびエネルギーが電力コンバーター100の入力から出力に送達される。しかし、時点t13から時点t16の間の、および時点t16から時点t20の間のスイッチングサイクルは、充電サイクルを表し、充電サイクルでは、バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152がオンに切り替えられる。これらのサイクル中に、分岐電流IBR168を分岐電流閾値IBRTH490未満に調節するために第2のスイッチ118が使用される。しかし、時点t16から時点t20の間のスイッチングサイクルが、充電サイクルから通常スイッチングサイクルに遷移することが理解されなければならない。
【0068】
時点t11において、要求イベント(例えばパルス)が要求信号REQ133において受信され、主制御部148により、オン信号ON160がアサートされるとともに、オフ信号OFF162がアサート解除される。要求イベントが受信されたとき、バイパス電圧VBP142は下基準REF-167bより高く、したがって、分岐スイッチ152はバイパスコンデンサ144を充電するためにオンに切り替えられない。主オン信号MAIN_ON164がオン信号ON160に実質的に追従するように、分岐制御部150が主オン信号MAIN_ON164をアサートする。分岐駆動信号BR165も分岐制御部150によりアサートされず、時点t11と時点t12との間の実質的にゼロの分岐電流IBR168により示されているように、分岐スイッチ152は伝導しない。
【0069】
主オン信号MAIN_ON164がアサートされるのに伴って、ドライバ358により提供される一次駆動信号DR138が実質的にオン電圧VON268になり、オン電圧VON268は、ドレイン電流I119および第2の電流I 120が電力スイッチS1 104に結合されたコンポーネントにより決定されるように、第2のスイッチ118をオンに切り替えるための電圧である。したがって、時点t11と時点t12との間に、第2のスイッチ118が完全にオンになり、ノードA117における電圧が小さいゼロに近い値になる。一例において、第2のスイッチ118が完全にオンであるときのノードA117における電圧は、実質的に100mVであり得る。第2のスイッチ118は伝導状態にあり、第2の電流I 120はドレイン電流I119に実質的に等しい。
【0070】
時点t12において、ドレイン電流I119は電流制限値ILIM221に達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オン信号ON160と主オン信号MAIN_ON164との両方がアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162がアサートされる。ドライバ358が駆動信号DR138をオフ電圧VOFF269に遷移させ、オフ電圧VOFF269は、第2のスイッチ118が電流を伝導することができないような、およびドレイン電流I119と第2の電流I 120とがゼロまで減少するような電圧値である。電力スイッチS1 114がオフである時点t12と時点t13との間に、第1のスイッチ116がカットオフ状態にあり電流を伝導しないように、ノードA117における電圧は第1のスイッチ116の閾値VTH116 491を上回る高い値である。
【0071】
時点t13において、要求イベントが要求信号REQ133において受信され、オン信号ON160がアサートされるとともに、オフ信号OFF162がアサート解除される。加えて、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167b未満であり、したがって、ドレイン電流I119の少なくとも一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用される。バイパス電圧VBP142が下基準REF-167b未満に低下したので、分岐制御部150が主オン信号MAIN_ON164をアサートせず、代わりに、分岐スイッチ152をオンに切り替えて分岐電流IBR168を伝導するために、分岐駆動信号BR165をアサートする。一次駆動信号DR138は、第2のスイッチS1 118が伝導することを阻止するために、オフ電圧VOFF269に留まる。時点t13において、ノード117における電圧が、(図4Aおよび図4Bにおいて0Vと示される)入力帰路111より高い値であって、第1のスイッチ116の閾値VTH116 491未満まで低下する。
【0072】
時点t13と時点t14との間は、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490未満である。したがって、一次駆動信号DR138がオフ電圧VOFF269に留まり、第2のスイッチ118が伝導しない。分岐電流IBR168は実質的にドレイン電流I119であり、第2の電流I 120は実質的にゼロである。
【0073】
しかし、時点t14において、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490に到達し、ドライバ358が第2のスイッチ118をオンに制御するように、および、第2のスイッチ118が伝導する電流量(例えば第2の電流I 120)を制御するように、分流レギュレータ349が分流レギュレータ出力372を提供する。示されるように、時点t14において、第2のスイッチ118により伝導される電流(例えば第2の電流I 120)が第2のスイッチ118のゲート電圧の値(例えば一次駆動信号DR138)に依存するように、一次駆動信号DR138が第2のスイッチ118の閾値VTH118 492より高い値に遷移する。したがって、分流レギュレータ349は、分岐電流閾値IBRTH490に、または分岐電流閾値IBRTH490未満に分岐電流IBR168を調節することができる。
【0074】
時点t14と時点t15との間に、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490に留まるように、分流レギュレータ349およびドライバ358が第2のスイッチ118の伝導を制御する。分岐スイッチ152によりバイパスコンデンサ144に方向転換されない残りのドレイン電流I119は、第2の電流I 120として第2のスイッチ118により伝導される。第2の電流I 120と分岐電流IBR168との和が実質的にドレイン電流I119であることが理解されなければならない。時点t14と時点t15との間に、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bを上回るように上昇したが、上基準REF+167aに到達していない。したがって、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達するまで、比較器156の出力(例えばバイパス調節信号BP_REG163)は状態を変えず、バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152はオンに留まる。
【0075】
時点t15において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オン信号ON160がアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162がアサートされる。ドライバが駆動信号DR138をオフ電圧VOFF269に遷移させ、ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116を上回る高い値になる。したがって、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118との両方が伝導しておらず、ドレイン電流I119、第2の電流I 120、および分岐電流IBR168がゼロまで減少する。バイパス電圧VBP142は、時点t15より前において上基準REF+167aに到達していない。
【0076】
時点t16において、要求イベントが受信され、バイパス電圧VBP142は上閾値REF+167a未満である。したがって、ドレイン電流I119の一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用される。オン信号ON160がアサートされるとともに、オフ信号OFF信号162がアサート解除される。分岐制御部150は主オン信号MAIN_ON164をアサートせず、分岐電流IBR168を伝導するために分岐スイッチ152をオンに切り替えるために、分岐駆動信号BR165をアサートする。一次駆動信号DR138は、第2のスイッチS1 118が伝導することを阻止するために、オフ電圧VOFF269に留まる。ノード117における電圧が(図4Aおよび図4Bにおいて0Vと示される)入力帰路111より高い値であって、第1のスイッチ116の閾値VTH116 491未満の値まで低下する。
【0077】
時点t13と時点t14との間の持続期間と同様に、時点t16と時点t17との間に、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490未満である。したがって、第2のスイッチ118は電流を伝導するためにオンに切り替えられず、分岐電流IBR168が実質的にドレイン電流I119であり、第2の電流I 120は実質的にゼロである。
【0078】
時点t17において、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490に到達し、分流レギュレータ349およびドライバ358が第2のスイッチ118をオンに制御する。更に、第2のスイッチ118が伝導する電流量(例えば第2の電流I 120)は、検出された分岐電流IBR168に依存する。示されるように、時点t17において第2のスイッチ118により伝導される電流(例えば第2の電流I 120)が第2のスイッチ118のゲート電圧の値(例えば一次駆動信号DR138)に依存するように、一次駆動信号DR138が第2のスイッチ118の閾値VTH118 492より高い値に遷移する。
【0079】
時点t17と時点t18との間に、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490に留まるように、分流レギュレータ349およびドライバ358が第2のスイッチ118の伝導を制御する。バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152により使用されない残りのドレイン電流I119は、第2の電流I 120として第2のスイッチ118により伝導される。第2の電流I 120と分岐電流IBR168との和は実質的にドレイン電流I119であることが理解されなければならない。
【0080】
時点t18において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達する前に、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達する。オン信号ON160が依然としてアサートされており、分岐制御部150は分岐スイッチ152をオフに切り替えるために分岐駆動信号BR165をアサート解除し、第2のスイッチ118を完全にオンに切り替えるために主オン信号MAIN_ON164をアサートする。サイクルが通常スイッチングサイクルに復帰し第2のスイッチ118がドレイン電流I119の全体を伝導する。または言い換えると、第2の電流I 120が実質的にドレイン電流I119である。ノードA117における電圧は第1のスイッチ116の閾値VTH116 491より十分に低い値まで低下し、一次駆動信号DR138はオン電圧VON268まで上昇する。
【0081】
時点t19において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。主制御部148がオン信号ON160をアサート解除し、オフ信号162をアサートする。主オン信号MAIN_ON164が更にアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162が~。ドライバ358が駆動信号DR138をオフ電圧VOFF269に遷移させ、ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116 491を上回る高い値になる。したがって、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118との両方が伝導しておらず、ドレイン電流I119、第2の電流I 120、および分岐電流IBR168がゼロまで減少する。時点t20において別の要求イベントが要求信号REQ133において受信されるまで、電力スイッチS1 114がオフに留まる。
【0082】
図4Bは、電力コンバーター100が連続伝導モード(CCM)において動作しているときの、図3の第1の制御装置332の例示的な波形を示すタイミング図401である。バイパス電圧VBP142、要求信号REQ133、ドレイン電流I119、分岐電流IBR168、第2の電流I 120、オン信号ON160、オフ信号OFF162、ノードA117における電圧、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、および一次駆動信号DR138が示されている。更に、図4Aおよび図4Bに示されている上基準REF+167aおよび下基準REF-167bは、比較器156により使用される基準REF167に対するヒステリシス閾値を表す。同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のように結合すること、および機能することが理解されなければならない。
【0083】
時点t22から時点t23の間、および時点t31の先は、電力スイッチS1 114の通常スイッチングサイクルを表し、通常スイッチングサイクルでは、第2のスイッチ118が完全にオンに切り替えられ、およびエネルギーが電力コンバーター100の入力から出力に送達される。しかし、時点t24から時点t27の間、および時点t27から時点t31の間のスイッチングサイクルは充電サイクルを表し、充電サイクルでは、バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152がオンに切り替えられる。これらのサイクル中に、第2のスイッチ118が、分岐電流IBR168を分岐電流閾値IBRTH490未満に調節するために更に使用される。充電サイクルは、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167b未満に低下したときに始まり、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達したときに終了する。
【0084】
図4Aに関連した時点t11から時点t13の間の、および時点t22における上述の通常スイッチングサイクルと同様に、時点t22および時点t31において、要求イベント(例えばパルス)が要求信号REQ133において受信されたとき、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bより高く、または、上基準REF+167aに到達した状態にあり、分岐スイッチ152はバイパスコンデンサ144を充電するためにオンに切り替えられない。主制御部148により、オン信号ON160がアサートされるとともに、オフ信号OFF162がアサート解除される。分岐制御部150が主オン信号MAIN_ON164をアサートし、主オン信号MAIN_ON164がオン信号ON160に実質的に追従する。分岐駆動信号BR165も分岐制御部150によりアサートされず、時点t22と時点t23との間、およびt31の先において実質的にゼロの分岐電流IBR168により示されているように、分岐スイッチ152は伝導しない。
【0085】
一次駆動信号DR138はオン電圧VON268に実質的に等しく、オン電圧VON268は、ドレイン電流I119および第2の電流I 120が電力スイッチS1 104に結合されたコンポーネントにより決定されるように第2のスイッチ118をオンに切り替えるための電圧である。したがって、時点t22から時点t23の間、および時点t31の先において、第2のスイッチ118が完全にオンになり、ノードA117における電圧は小さいゼロに近い値である。例えば、第2のスイッチ118が完全にオンであるときのノードA117における電圧は、実質的に100mVであり得る。第2のスイッチ118が完全にオンであり伝導しているとき、第2の電流I 120はドレイン電流I119に実質的に等しい。示されるように、ドレイン電流I119は、スイッチングサイクルの開始時に実質的にゼロではなく、CCM動作を示している。時点t22および時点t31において電力スイッチS1 114がオンに切り替えられたとき、電流スパイクが見られる。
【0086】
時点t23および時点t32において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オン信号ON160と主オン信号MAIN_ON164との両方がアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162がアサートされる。ドライバが駆動信号DR138をオフ電圧VOFF269に遷移させ、オフ電圧VOFF269は、第2のスイッチ118が電流を伝導することができないような、およびドレイン電流I119および第2の電流I 120がゼロまで減少するような電圧値である。時点t23と時点t24との間において、電力スイッチS1 114がオフであるとき、第1のスイッチ116がカットオフ状態にあり電流を伝導しないように、ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116 491を上回る高い値になる。
【0087】
時点t24において、要求イベントが要求信号REQ133において受信され、主制御部148がオン信号ON160をアサートし、オフ信号162をアサート解除する。しかし、時点t24において、バイパス電圧VBP142は下基準REF-167b未満であり、分岐スイッチ152をオンに切り替えることにより、ドレイン電流I119の一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用される。しかし、CCM動作では、第2のスイッチ118が、スイッチングサイクルの開始時に観測されるCCM電流スパイクを伝導するために、時点t24と時点t25との間において一時的に完全にオンに切り替えられる。分岐制御部150は主オン信号MAIN_ON164をアサートするが、時点t25まで分岐駆動信号BR165をアサートしない。一次駆動信号DR138がオン電圧VON268に遷移し、ノードA117における電圧が小さいゼロに近い値になり、第2のスイッチ118が完全にオンになり、ドレイン電流I119を伝導する(例えば第2の電流I 120は実質的にドレイン電流I119である)。
【0088】
時点t25において、分岐制御部150が分岐スイッチ152をオンに切り替えるために分岐駆動信号BR165をアサートし、主オン信号MAIN_ON164をアサート解除する。第2のスイッチ118により伝導される電流(例えば第2の電流I 120)が第2のスイッチ118のゲート電圧の値(例えば一次駆動信号DR138)に依存するように、ドライバ358が、第2のスイッチ118の閾値VTH118 492より高い値まで一次駆動信号DR138を遷移させる。示されるように、ノードA117における電圧は、第1のスイッチ116の閾値VTH116 491未満の値に遷移する。時点t24と時点t25との間の持続期間は、固定され得る、または可変であり得ることが理解されなければならない。
【0089】
時点t25と時点t26との間において、分岐電流IBR168は分岐電流閾値IBRTH490未満であるか、または分岐電流閾値IBRTH490に到達した状態にある。分流レギュレータ349は、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490に、または分岐電流閾値IBRTH490未満に留まるように、第2のスイッチ118が伝導する電流量(例えば第2の電流I 120)を制御するために、ドライバ358に分流レギュレータ出力372を提供する。バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152により伝導されない残りのドレイン電流I119は、第2の電流I 120として第2のスイッチ118により伝導される。第2の電流I 120と分岐電流IBR168との和が実質的にドレイン電流I119であることが理解されなければならない。このスイッチングサイクル中、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bを上回るように上昇しているが、上基準REF+167aに到達しておらず、比較器156の出力(例えばバイパス調節信号BP_REG163)は状態を変えない。
【0090】
時点t26において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オン信号ON160と主オン信号MAIN_ON164との両方がアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162がアサートされる。ドライバは、駆動信号DR138をオフ電圧VOFF269に遷移させ、ノードA117における電圧が、第1のスイッチ116の閾値VTH116 491を上回る高い値になる。したがって、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118との両方が伝導しておらず、ドレイン電流I119、第2の電流I 120、および分岐電流IBR168がゼロまで減少する。分岐スイッチ152がオフであることに伴って、バイパス電圧VBP142が低下する。
【0091】
時点t27において、要求イベントが要求信号REQ133において受信され、主制御部148がオン信号ON160をアサートし、オフ信号162をアサート解除する。バイパス電圧VBP142は時点t27において上閾値REF+167a未満であり、およびドレイン電流I119の一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用される。上述のように、スイッチングサイクルの開始時に観測されるCCM電流スパイクを伝導するために、第2のスイッチ118が時点t27と時点t28との間において一時的に完全にオンに切り替えられる。分岐制御部150が主オン信号MAIN_ON164をアサートし、時点t28まで分岐駆動信号BR165をアサートしない。一次駆動信号DR138がオン電圧VON268に遷移し、ノードA117における電圧は小さいゼロに近い値となり、第2のスイッチ118が完全にオンになりドレイン電流I119を伝導し、したがって、第2の電流I 120は実質的にドレイン電流I119である。
【0092】
時点t28において、分岐制御部150が、分岐電流IBR168を伝導するために分岐スイッチ152をオンに切り替えるために分岐駆動信号BR165をアサートし、主オン信号MAIN_ON164をアサート解除する。第2のスイッチ118により伝導される電流(例えば第2の電流I 120)が第2のスイッチ118のゲート電圧の値(例えば一次駆動信号DR138)に依存するように、ドライバ358が、第2のスイッチ118の閾値VTH118 492より高い値まで一次駆動信号DR138を遷移させる。示されるように、ノードA117における電圧は第1のスイッチ116の閾値VTH116 491のわずかに下の値に遷移する。時点t27と時点t28との間の持続期間が固定され得ること、または可変であり得ることが理解されなければならない。
【0093】
時点t28と時点t29との間に、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490未満に制御される。この期間中に、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH490に、または分岐電流閾値IBRTH490未満に留まるように、第2のスイッチ118が伝導する電流量(例えば第2の電流I 120)を制御するために、分流レギュレータ349がドライバ358に分流レギュレータ出力372を提供する。バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152により伝導されない残りのドレイン電流I119は、第2の電流I 120として第2のスイッチ118により伝導される。
【0094】
時点t29において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達する前に、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達し、分岐制御部150が分岐スイッチ152をオフに切り替えるために分岐駆動信号BR165をアサート解除する。オン信号ON160が依然としてアサートされており、次に、分岐制御部150が第2のスイッチ118を完全にオンに切り替えるために主オン信号MAIN_ON164をアサートする。ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116 491より十分に低い値まで低下し、一次駆動信号DR138がオン電圧VON268まで上昇する。サイクルが通常スイッチングサイクルに復帰し、第2のスイッチ118がドレイン電流I119の全体を伝導し、第2の電流I 120が実質的にドレイン電流I119となる。
【0095】
時点t30において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オン信号ON160と主オン信号MAIN_ON164との両方がアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162がアサートされる。一次駆動信号DR138がオフ電圧VOFF269に遷移し、ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116 491を上回る高い値になる。したがって、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118との両方が伝導しておらず、ドレイン電流I119、第2の電流I 120、および分岐電流IBR168がゼロまで減少する。時点t31において別の要求イベントが要求信号REQ133において受信されるまで、電力スイッチS1 114がオフに留まる。
【0096】
図5Aは、分岐制御部550、分岐スイッチ152、ダイオードD2 154、比較器156、ドライバ558、および分流レギュレータ349を含む、第1の制御装置532の別の実施形態を示す。第1のスイッチ116と第2のスイッチ118とを含む電力スイッチS1 114、およびバイパスコンデンサ144は、図1に関連した第1の制御装置532のためのコンテキストを提供するために示される。ドレイン電流I119、第2のスイッチ電流I 120、一次駆動信号DR138、バイパス電圧VBP142、オン信号ON160、オフ信号OFF152、バイパス調節信号BP_REG163、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、基準REF167、分岐電流IBR168、および分流レギュレータ出力372が更に図5Aに示されている。第1の制御装置532が図1に示されている電力コンバーター100とともに使用され得ることが理解されなければならない。主制御部は図5Aに示されていないが、第1の制御装置532はオン信号ON160とオフ信号OFF162とを提供するために主制御部を更に含むことが理解されなければならない。
【0097】
図5Aは、分岐制御部550およびドライバ558の例示的な実施態様を示す。分岐制御部550はANDゲート574、ラッチ575、ANDゲート576、コンデンサC1 581、抵抗器R1 582、インバーター577、インバーター578、ANDゲート579、およびANDゲート580を含むものとして示される。ドライバ558は、スイッチ585、586、および587、および抵抗器R3 588を含むものとして図示されている。示される例において、ダイオード589は、分流レギュレータ出力372の方向を示すために、分流レギュレータ349とドライバ558との間に結合されたものとして示されている。ダイオード589が任意選択的であり得ることが理解されなければならない。
【0098】
図5Aは、図1に関連して説明されている第1の制御装置132と多くの類似性を共有しており、同様に命名された、および番号付けされた要素が図1および図2を参照して既に説明されているように結合すること、および機能することが理解されなければならない。しかし、少なくとも1つの違いは、分流レギュレータ出力372を伴う分流レギュレータ349の追加、および、ドライバ558が分流レギュレータ出力372にどのように応答するかである。図3に関連して説明されている第1の制御装置332と同様に、第1の制御装置532は、分岐電流閾値IBRTHに、または分岐電流閾値IBRTH未満に分岐電流IBR168を調節する。
【0099】
図5Aは、図3に関連した第1の制御装置332と多くの類似性を共有しており、同様に命名された、および番号付けされた要素が図3図4A、および図4Bに関連して既に説明されているように結合すること、および機能することが理解されなければならない。しかし、少なくとも1つの違いは、バイパスコンデンサ144を充電するために電力スイッチS1 114のオン期間の一部にわたって分岐スイッチ152がオンに切り替えられることである。後述のように、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、分岐制御部550は、電力スイッチS1 114のオン期間の始めに期間Tにわたって分岐スイッチ152をオンに切り替えることを決定する。期間T中、分流レギュレータ349およびドライバ558が、第2のスイッチ118により伝導される第2の電流I 120を制御することにより、分岐電流IBR168を分岐電流閾値IBRTH未満に調節する。期間Tが経過した後、スイッチングサイクルが通常スイッチングサイクルに復帰し、分岐制御部550が分岐スイッチ152をオフに制御し、ドライバ558がドレイン電流I119の全体を伝導するために第2のスイッチ118を完全にオンに制御する。
【0100】
分岐制御部550は、オフ信号OFF162(または代替的に反転されたオン信号ON160)およびバイパス調節信号BP_REG163により示されるように、電力スイッチS1 114のオフ期間中にバイパス電圧VBP142が基準REF167未満に低下したか否かを判定する。分岐制御部550は次に、ドレイン電流I119の一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用されるように、分岐スイッチ152がオンに切り替えられなければならないか否かを判定する。ANDゲート574は比較器156に結合されたものとして示されており、バイパス調節信号BP_REG163とオフ信号OFF162とを受信する。代替的に、ANDゲート574は、オフ信号OFF162ではなく反転されたオン信号ON160を受信してもよい。
【0101】
ラッチ575がANDゲート574に結合されている。示されるように、ANDゲート574の出力はラッチ575のS入力において受信される。ラッチ575のリセット入力はコンデンサC2 583と抵抗器R2 584とに結合されている。ANDゲート576はラッチ575のQ出力とオン信号ON160とを受信するように結合されている。ANDゲート576の出力は静電容量C1 581に結合されており、静電容量C1 581が次に、抵抗器R1 582とインバーター577とに結合されている。静電容量C1 581と抵抗器R1 582とが、持続期間Tのパルスを提供するために単安定マルチバイブレーターとして一緒に結合している。
【0102】
インバーター577は、インバーター578とANDゲート580とに結合されている。ANDゲート579と580との両方が、オン信号ON160を受信するように結合されている。更にANDゲート579がインバーター578の出力を受信するように結合されており、ANDゲート580がインバーター577の出力を受信するように結合されている。ANDゲート579の出力は分岐駆動信号BR165であり、ANDゲート580の出力は主オン信号MAIN_ON164である。
【0103】
動作時、バイパス電圧VBP142が基準REF167未満である場合、バイパス調節信号BP_REG163は論理ハイ値である。電力スイッチS1 114のオフ期間中、オフ信号OFF162は論理ハイである(例えばアサートされる)。電力スイッチS1 114のオフ期間中にバイパス電圧VBP142が基準REF167未満であることをバイパス調節信号BP_REG163が示している場合、ANDゲート574の出力が論理ハイとなり、ラッチ575がセットされ、Q出力が論理ハイ値となる。オン信号ON160は、電力スイッチS1 114の次のスイッチングサイクルの開始時に論理ハイになる(例えばアサートされる)。バイパス電圧VBP142が以前のスイッチングサイクルにおいて基準REF167未満であることに起因して、Q出力がハイであるので、ANDゲート576の出力は論理ハイである。言い換えると、オン信号ON160の立ち上がりエッジに伴って、ANDゲート576の出力は論理ハイ値に遷移する。コンデンサC1 581と抵抗器R1 582とが単安定マルチバイブレーターとして一緒に結合している。ANDゲート576の出力が論理ハイ値に遷移したとき(例えば立ち上がりエッジ)、コンデンサC1 581と抵抗器R1 582とが、期間Tに実質的に等しい持続期間をもつパルスを提供する。
【0104】
インバーター577は、ANDゲート580に期間Tの反転されたパルスを提供するとともに、インバーター578は、ANDゲート579に期間Tのパルスを提供する。オン信号ON160が最初にアサートされたとき、ANDゲート579が分岐駆動信号BR165のために論理ハイ(例えばアサートされた)値を提供し、分岐スイッチ152が期間Tにわたってオンに切り替えられる。言い換えると、分岐駆動信号BR165は期間Tに実質的に等しい期間にわたって論理ハイである。
【0105】
インバーター577がANDゲート580に期間Tの反転されたパルスを提供するので、オン信号ON160が最初にアサートされたとき、主オン信号MAIN_ON164は期間Tにわたって論理ローになる(例えばアサート解除される)。期間Tの終了時に、コンデンサC1 581と抵抗R1 582とにより提供されるパルスが論理ロー値に遷移し、分岐駆動信号BR165がアサート解除され(例えば論理ロー)、および分岐スイッチ152がオフに切り替えられる。期間T後にインバーター577の出力が論理ハイになり、したがって、期間Tが経過した後に主オン信号MAIN_ON164が論理ハイ値に遷移し(例えばアサートされ)、オン信号ON160がアサート解除されるまで、第2のスイッチS1 118をオンに切り替えるためにアサートされた状態に留まる。コンデンサC2 583および抵抗器R2 584が、ラッチ575をリセットするためにエッジトリガーを提供する。
【0106】
バイパス調節信号BP_REG163が論理ローに留まって、バイパス電圧VBP142が基準REF167より大きいことを示している場合、ラッチ575がセットされず、ラッチ575のQ出力が論理ローであり、ANDゲート576が論理ローであるとともに、インバーター577が論理ハイであり、インバーター578が論理ローである。したがって、オン信号ON160が論理ハイである(例えばアサートされた)とき、分岐駆動信号BR165が論理ローに留まり(例えばアサート解除され)、主オン信号MAIN_ON164が論理ハイになる(例えばアサートされる)。
【0107】
ドライバ558は、スイッチ585、586、および587、および抵抗器R3 588を含むものとして図示されている。ダイオード589は、分流レギュレータ出力372の方向を示すために分流レギュレータ349とドライバ558との間に結合されたものとして示されている。しかし、ダイオード589は任意選択的であることが理解されなければならない。示されるように、スイッチ585は、第2のスイッチ118のゲートとオン電圧VON268との間に結合されており、主オン信号MAIN_ON164により制御される。動作時、スイッチ585は、第2のスイッチ118を完全にオンに駆動するためにプルアップスイッチとして第2のスイッチ118のゲートに結合されている。主オン信号MAIN_ON164がアサートされた場合、スイッチ585が閉じられ、一次駆動信号DR138(例えば第2のスイッチ118のゲート電圧)が実質的にオン電圧VON268になる。上述のように、第2のスイッチ118が完全にオンになるように、およびドレイン電流I119を伝導するように、オン電圧VON268の値が選択され得る。
【0108】
スイッチ586は、第2のスイッチ118のゲートとオフ電圧VOFF269との間に結合されている。スイッチ586は、オフ信号OFF162により制御される。動作時、スイッチ586は第2のスイッチ118を完全にオフに駆動するためにプルダウンスイッチとして第2のスイッチ118のゲートに結合されている。オフ信号OFF162がアサートされた場合、スイッチ585が閉じられ、一次駆動信号DR138(例えば第2のスイッチ118のゲート電圧)が実質的にオフ電圧VOFF269になる。オフ電圧VOFF269の値は、第2のスイッチ118が完全にオフになるように、電流を伝導することができないように選択され得る。
【0109】
抵抗器588およびスイッチ587は、第2のスイッチ118のゲートと入力帰路111との間に結合されているものとして示されている。示されるように、スイッチ587は分岐駆動信号BR165により制御される。分流レギュレータ出力372は、ダイオード589を通して、抵抗器R3 588および第2のスイッチ118のゲートに結合されている。動作時、分岐駆動信号BR165がアサートされた場合、分岐スイッチ152とスイッチ587との両方がオンになる。一次駆動信号DR138のレベル(例えば第2のスイッチ118のゲート電圧)は、分流レギュレータ349により決定される。分流レギュレータ349が分岐電流IBR168を検出し、分岐スイッチ152がオンであること(例えば、または伝導していること)を分岐駆動信号BR165が示しているとき、分流レギュレータ出力372を提供する。更に、分流レギュレータ349が、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTHに到達したときを検出し、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTHを上回ることを防ぐために、分流レギュレータ出力372を変える。示されるように、分流レギュレータ出力372は、分流レギュレータ349により決定された電圧値であり得る。分流レギュレータ出力372は、一次駆動信号DR138(例えば第2のスイッチ118のゲート電圧)の値として使用され、第2のスイッチ118により第2の電流I 120の伝導を制御することにより、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH未満に調節される。
【0110】
図5Bは、図5Aの第1の制御装置532の例示的な波形を示すタイミング図500である。例示的な波形は、不連続伝導モード(DCM)において動作する電力コンバーター100の例示的なものである。バイパス電圧VBP142、要求信号REQ133、ドレイン電流I119、分岐電流IBR168、第2の電流I 120、オン信号ON160、オフ信号OFF162、ノードA117における電圧、主オン信号MAIN_ON164、分岐駆動信号BR165、および一次駆動信号DR138が示されている。示される例において、比較器156はヒステリシスを伴い、図5Bに示される上基準REF+167aおよび下基準REF-167bは基準REF167に対するヒステリシス閾値を表す。バイパス調節信号BP_REG163は、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167b未満に低下したとき論理ハイであり、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達したとき論理ローである。他の図と同様に、一次駆動信号DR138は電圧信号であり、一次駆動信号DR138の電圧値が第2のスイッチ118により伝導される第2のスイッチ電流I 120の値を制御する。同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のように結合すること、および機能することが理解されなければならない。
【0111】
時点t32から時点t34の間のスイッチングサイクルは、電力スイッチS1 114の通常スイッチングサイクルを表し、通常スイッチングサイクルでは、第2のスイッチ118が完全にオンに切り替えられ、エネルギーが電力コンバーター100の入力から出力に送達される。しかし、時点t34から時点t38の間、時点t38から時点t42の間、および、t42から先のスイッチングサイクルは、充電サイクルを表し、充電サイクルでは、バイパスコンデンサ144を充電するために分岐スイッチ152がオンに切り替えられる。これらのサイクル中に、第2のスイッチ118が、分岐電流IBR168を分岐電流閾値IBRTH590未満に調節するために使用される。他のタイミング図と比べたとき、タイミング図500に示される少なくとも1つの違いは、充電サイクル中に、バイパスコンデンサ144を充電するために、分岐スイッチ152が各充電サイクルの期間T 570にわたってオンに切り替えられる。充電サイクルの残りの部分は、期間T 570の後に通常スイッチングサイクルに復帰する。
【0112】
時点t32において、要求イベント(パルス)が要求信号REQ133において受信され、主制御部148により、オン信号ON160がアサートされるとともに、オフ信号OFF162がアサート解除される。更に、バイパス電圧VBP142は下基準REF-167bより高く、分岐スイッチ152はバイパスコンデンサ144を充電するためにドレイン電流I119の一部を方向転換させるためにオンに切り替えられない。主オン信号MAIN_ON164がオン信号ON160に実質的に追従するように、分岐制御部150が主オン信号MAIN_ON164をアサートする。分岐駆動信号BR165も分岐制御部150によりアサートされず、時点t32と時点t33との間の実質的にゼロの分岐電流IBR168により示されているように、分岐スイッチ152は伝導しない。
【0113】
時点t32と時点t33との間において、一次駆動信号DR138は実質的にオン電圧VON268であり、オン電圧VON268は、ドレイン電流I119と第2の電流I 120とが電力スイッチS1 104に結合されたコンポーネントにより決定されるように第2のスイッチ118をオンに切り替えるための電圧である。したがって、第2のスイッチ118が完全にオンになり、ノードA117における電圧は小さいゼロに近い値である。例えば、第2のスイッチ118が完全にオンであるときのノードA117における電圧は実質的に100mVであり得る。第2のスイッチ118が伝導しているとき、第2の電流I 120はドレイン電流I119に実質的に等しい。
【0114】
時点t33において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オフ信号OFF162がアサートされるとともに、オン信号ON160と主オン信号MAIN_ON164との両方がアサート解除される。駆動信号DR138がオフ電圧VOFF269に遷移し、オフ電圧VOFF269は、第2のスイッチ118が電流を伝導することができないような、および、ドレイン電流I119および第2の電流I 120がゼロまで減少するような電圧値である。電力スイッチS1 114がオフである時点t33と時点t34との間において、第1のスイッチ116がカットオフ状態にあり電流を伝導しないように、ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116 591を上回る高い値になる。
【0115】
時点t34において、要求イベントが要求信号REQ133において受信され、オン信号ON160がアサートされるとともに、オフ信号162がアサート解除される。バイパス電圧VBP142は下基準REF-167b未満であり、ドレイン電流I119の一部がバイパスコンデンサ144を充電するために使用される。時点t34と時点t6との間の持続期間として示される期間T 570にわたって分岐スイッチ152をオンに切り替えるために、分岐制御部550が分岐駆動信号BR165をアサートする。示されるように、バイパス電圧VBP142が増加し始める。第2のスイッチS1 118が伝導することを阻止するために、一次駆動信号DR138がオフ電圧VOFF269に留まるが、ノード117における電圧は、(図5Aにおいて0Vと示される)入力帰路111より高い値であるが、第1のスイッチ116の閾値VTH116 591未満である値まで低下する。
【0116】
時点t34と時点t35との間において、分岐電流IBR168は分岐電流閾値IBRTH590未満である。したがって、分流レギュレータ349は一次駆動信号DR138を変えず、第2のスイッチ118が伝導しない。分岐電流IBR168は実質的にドレイン電流I119であり、第2の電流I 120は実質的にゼロである。
【0117】
時点t35において、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH590に到達し、ドライバ558が第2のスイッチ118をオンに制御するように、および第2のスイッチ118が伝導する電流量(例えば第2の電流I 120)を制御するように、分流レギュレータ349が分流レギュレータ出力372を提供する。示されるように、第2のスイッチ118により伝導される電流(例えば第2の電流I 120)が第2のスイッチ118のゲート電圧(例えば一次駆動信号DR138)に依存するように、一次駆動信号DR138が第2のスイッチ118の閾値VTH118 592より高い値に遷移する。したがって、分流レギュレータ349が分岐電流IBR168を調節する。
【0118】
時点t35と時点t36との間において、分岐電流IBR168が分岐電流閾値IBRTH590に留まるように、分流レギュレータ349およびドライバ358が第2のスイッチ118の伝導を制御する。分岐電流IBR168として分岐スイッチ152により伝導されない残りのドレイン電流I119は、第2の電流I 120として第2のスイッチ118により伝導される。時点t35と時点t36との間において、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bを上回るように上昇しているが、上基準REF+167aに到達していない。
【0119】
時点t36において、期間T 570が終了する。期間T 570の持続期間が図5Aに示されているコンデンサC1 581と抵抗器R1 582とにより決定され得ることが理解されなければならない。分岐制御部550が分岐駆動信号BR165をアサート解除し、オン信号ON160に実質的に追従するために主オン信号MAIN_ON164をアサートする。ノードA117における電圧がゼロに近い値まで低下するとともに、一次駆動信号DR138がオン電圧VON268に遷移する。第2のスイッチ118が完全にオンになるとともに、分岐スイッチ152がオフに切り替えられる。時点t36から時点t37の間、分岐電流IBR168が実質的にゼロであるとともに、第2の電流I 120は実質的にドレイン電流I119である。分岐スイッチ152がオフに切り替えられた後、バイパス電圧VBP142が低下し始める。
【0120】
時点t37において、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達し、電力スイッチS1 114がオフに切り替えられる。オン信号ON160がアサート解除されるとともに、オフ信号OFF162がアサートされる。駆動信号DR138がオフ電圧VOFF269に遷移し、ノードA117における電圧が第1のスイッチ116の閾値VTH116 591を上回る高い値になる。したがって、第1のスイッチ116と第2のスイッチ118との両方が伝導しておらず、ドレイン電流I119および第2の電流I 120がゼロまで減少する。時点t38において、別の要求イベントが要求信号REQ133において受信され、バイパス電圧VBP142が上閾値REF+167aおよび下基準REF-167b未満である。時点t38から時点t42の間に示されているサイクルは、時点t34から時点t38の間における既に述べたサイクルと同様であることが理解されなければならない。バイパスコンデンサ144を充電するために期間T 570にわたって分岐スイッチ152をオンに切り替えるために、分岐駆動信号BR165がアサートされる。期間T 570中、分岐電流IBR168は、第2の電流I 120を制御することにより分岐電流閾値IBRTH590未満に調節される。期間T 570後、分岐スイッチ152がオフに切り替えられ、第2のスイッチ118が完全にオンに切り替えられ、ドレイン電流I119が電流制限値ILIM221に到達して電力スイッチS1 114がオフに切り替えられるまで、第2のスイッチ118がドレイン電流I119を伝導する。このスイッチングサイクル中、バイパス電圧VBP142は上閾値REF+167aに到達しない。
【0121】
時点t42において、別の要求イベントが要求信号REQ133において受信され、バイパス電圧VBP142が上閾値REF+167a未満である。時点t42から始まるスイッチング周期に対して、時点t44においてバイパス電圧VBP142が閾値REF+167に到達する。したがって、時点t44において、サイクルが通常スイッチングサイクルに復帰し、主オン信号MAIN_ON164がアサートされ、ドレイン電流I119を伝導するために第2のスイッチ118が完全にオンに切り替えられる。
【0122】
図6は、例示的なバイパス電圧VBP142および分岐駆動信号BR165のタイミング図600を示す。同様に命名された、および番号付けされた要素は上述のように結合し、および機能することが理解されなければならない。1つの実施形態において、分岐スイッチ152は、固定個数の連続したスイッチングサイクルにわたってオンに切り替えられ得る。更なる一実施形態において、分岐スイッチ152は、固定個数より多くの連続したスイッチングサイクルにわたってオンに切り替えられなくてもよい。図6に示される例において、分岐スイッチ152が3つの連続したスイッチングサイクルにわたってオンに切り替えられる。示されるように、バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bに到達したとき、充電サイクルが始まり得、分岐駆動信号BR165が分岐スイッチ152をオンに切り替える。バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達したとき、充電サイクルが停止させられる。バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bに到達したとき、分岐駆動信号BR165が分岐スイッチ152をオンに切り替えるために論理ハイ値にパルス動作する。
【0123】
一例において、分岐スイッチ152は図5Aおよび図5Bを参照して説明されているように、期間Tにわたってオンに切り替えられるが、分岐スイッチ152は、図1図2図3図4A、および図4Bとともに説明されているように、オンに切り替えられてもよい。分岐スイッチ152がオンであるとき、バイパス電圧VBP142が上昇している。分岐スイッチ152がオフであるとき、バイパス電圧VBP142が低下している。タイミング図600に示されているように、分岐駆動信号BR165は3つの連続したスイッチングサイクルにわたって分岐スイッチ152をオンに切り替え、バイパス電圧VBP142が上基準REF+167aに到達した。バイパス電圧VBP142が下基準REF-167bから上基準REF+167aまで到達するために、3つの連続したスイッチングサイクルかかるように、期間Tが選択され得る。しかし、別の数の連続したスイッチングサイクルが使用されてもよいことが理解されなければならない。
【0124】
図7は、分岐スイッチ152と分岐制御部150とを含む第1の制御装置132を含む例示的な絶縁電力コンバーター700を示す。電力コンバーター700が図1の電力コンバーター100と多くの類似性を共有していること、および、同様に命名された、および番号付けされた要素は上述のように結合し、および機能することが理解されなければならない。しかし、少なくとも1つの違いは、電力コンバーター700が補助巻線112とダイオードD1 146とを含まないことである。したがって、バイパスコンデンサ144のバイパス電圧VBP142は、第1の制御装置132により生成される。しかし、図1の第1の制御装置132が示されているが、図3図4A図4B図5A、および図5Bに関連して説明されている第1の制御装置の実施形態が電力コンバーター700とともに使用されてもよいことが理解されなければならない。
【0125】
本発明に関して示される例についての上述の説明は、要約で説明される事項を含め、網羅的であることを意図したものではなく、開示される形態そのものへの限定であることを意図したものでもない。本発明の特定の実施形態および例が本明細書において例示を目的として説明されるが、本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な同等な変更が可能である。実際、具体的で例示的な電圧、電流、周波数、出力範囲値、時間などが説明のために提示されること、および、本発明の教示による他の実施形態および例において他の値が使用されてもよいことが理解される。
【0126】
本発明は請求項において規定されるが、本発明が代替的に以下の例により規定され得ることが理解されなければならない。
【0127】
例1.電力コンバーターのための第1の制御装置であって、第1の制御装置が、電力コンバーターの入力と出力との間のエネルギー送達を制御するために、電力スイッチをオンに切り替えるための、およびオフに切り替えるための駆動信号を提供するように構成されたドライバであって、電力スイッチが、カスコード構成で結合された第1のスイッチと第2のスイッチとを含み、第1のスイッチが、ノーマリーオンデバイスであり、第2のスイッチが、ノーマリーオフデバイスである、ドライバと、第1の制御装置に動作電力を提供するバイパスコンデンサに結合された電源端子であって、バイパスコンデンサが、バイパス電圧をもつ、電源端子と、第1のスイッチと第2のスイッチとの間のノードに結合された分岐スイッチと、バイパス基準に対するバイパス電圧の比較結果を表す調節信号を受信するように構成された分岐制御部であって、分岐制御部が、ノードからバイパスコンデンサに電力スイッチのドレイン電流の少なくとも一部を方向転換させるために、バイパス電圧がバイパス基準未満である場合に分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、分岐制御部と、を備える、第1の制御装置。
【0128】
例2.ドライバが、電力スイッチをオンに切り替えること、およびオフに切り替えることを制御するために、第2のスイッチをオンに切り替えるように、およびオフに切り替えるように構成された、例1に記載の第1の制御装置。
【0129】
例3.分岐制御部が、電力スイッチのスイッチングサイクルと同時に分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、例1または例2に記載の第1の制御装置。
【0130】
例4.分岐制御部が、固定の期間にわたって分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、例1から例3のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0131】
例5.分岐制御部が、バイパス電圧がバイパス基準に到達した場合、または電力スイッチのドレイン電流が電流制限値に到達した場合に分岐スイッチをオフに切り替えるように構成された、例1から例4のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0132】
例6.分岐スイッチがオフである場合であって、ドレイン電流が電流制限値未満である場合、ドライバが第2のスイッチをオンに切り替えるように構成された、例1から例5のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0133】
例7.ドライバが、分岐スイッチがオンに切り替えられたときであって、分岐スイッチがノードからバイパスコンデンサに電力スイッチのドレイン電流を伝導するとき、第2のスイッチをオフに切り替えるように構成された、例1から例6のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0134】
例8.分岐スイッチにより伝導される分岐電流を検出するように、および分岐電流閾値未満に調節するように構成された分流レギュレータを更に備え、分流レギュレータとドライバとが、第2のスイッチにより伝導される第2の電流を制御することにより分岐電流を調節し、分岐電流が実質的にノードからバイパスコンデンサに方向転換されたドレイン電流の部分であり、第2の電流がドレイン電流の残りの部分である、例1から例7のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0135】
例9.分流レギュレータが、ドライバに分流出力電圧を提供するように構成され、ドライバが、分流出力電圧に応答して第2のスイッチのゲート電圧を決定し、第2のスイッチにより伝導される第2の電流が、第2のスイッチのゲート電圧に応答したものである、例1から例8のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0136】
例10.電力コンバーターが連続伝導モードにおいて動作する場合、分岐制御部が分岐スイッチをオンに切り替える前に、ドライバが第2のスイッチをオンに切り替える。例1から例9のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0137】
例11.分岐スイッチが、固定個数の連続したスイッチングサイクルにわたってオンに切り替えられる、例1から例10のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0138】
例12.電力コンバーターのための第1の制御装置であって、第1の制御装置が、電力スイッチであって、電力スイッチがカスコード構成で結合された第1のスイッチと第2のスイッチとを備え、第1のスイッチがノーマリーオンデバイスであり、第2のスイッチがノーマリーオフデバイスである、電力スイッチと、第1のスイッチと第2のスイッチとの間のノードに結合された分岐スイッチであって、分岐スイッチがバイパスコンデンサに更に結合された、分岐スイッチと、電力コンバーターの入力側と出力側との間におけるエネルギー送達を制御するために、電力スイッチをオンに切り替えること、およびオフに切り替えることを制御するために、駆動信号を提供するように構成されたドライバであって、ドライバが、電力スイッチのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するために、第2のスイッチをオンに切り替えるように、およびオフに切り替えるように構成された、ドライバと、電力スイッチをオンに切り替えることを表す要求信号を受信するように構成された主制御部であって、主制御部が、電力スイッチがオンでなければならないか、またはオフでなければならないかを判定する、主制御部と、バイパス基準とバイパスコンデンサのバイパス電圧とを受信するように結合された比較器と、比較器と主制御部とに結合された分岐制御部であって、バイパス電圧がバイパス基準未満の場合であって、主制御部が電力スイッチをオンに切り替えると判定した場合に、分岐制御部が分岐スイッチをオンに切り替えるように構成され、分岐スイッチにより伝導される分岐電流が、第1のスイッチにより伝導されるドレイン電流の少なくとも一部である、分岐制御部と、を備える、第1の制御装置。
【0139】
例13.分岐制御部が、固定の期間にわたって分岐スイッチをオンに切り替えるように構成された、例12に記載の第1の制御装置。
【0140】
例14.バイパス電圧がバイパス基準に到達した場合、または主制御部が電力スイッチをオフに切り替えると判定した場合、分岐制御部が、分岐スイッチをオフに切り替えるように構成された、例12または例13に記載の第1の制御装置。
【0141】
例15.分岐スイッチがオフである場合であって、主制御部が電力スイッチをオンに切り替えると判定した場合、ドライバが第2のスイッチをオンに切り替えるように構成された、例12から例14のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0142】
16.ドライバが、分岐スイッチがオンに切り替えられたとき、第2のスイッチをオフに切り替えるように構成され、分岐電流が、実質的に第1のスイッチにより伝導されるドレイン電流である、例12から例15のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0143】
17.分岐制御部とドライバとに結合された分流レギュレータを更に備え、分流レギュレータが、分岐電流を検出するように、および分岐電流閾値未満に調節するように構成され、ドライバが、分流レギュレータに応答して第2のスイッチにより伝導される第2の電流を制御する、例12から例16のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0144】
例18.分流レギュレータが、ドライバに分流出力電圧を提供するように構成され、ドライバが、分流出力電圧に応答して第2のスイッチのゲート電圧を決定し、第2の電流が、第2のスイッチのゲート電圧に応答したものである、例12から例17のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0145】
例19.電力コンバーターが連続伝導モードにおいて動作する場合、分岐制御部が分岐スイッチをオンに切り替える前に、ドライバが第2のスイッチをオンに切り替える、例12から例18のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0146】
例20.第1の制御装置が電力コンバーターの入力に結合されており、要求信号が電力コンバーターの出力に結合された第2の制御装置から受信され、要求信号が第1の制御装置と第2の制御装置との間における磁気通信リンクを通して受信される、例12から例19のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
【0147】
例21.バイパスコンデンサが、第1の制御装置に動作電力を提供するように結合された例12から例20のいずれか1つに記載の第1の制御装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
【外国語明細書】