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特開2023-27011複数の表示ドライバによって駆動される表示パネルにおける電圧降下の補償のための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027011
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】複数の表示ドライバによって駆動される表示パネルにおける電圧降下の補償のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20230221BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 642A
G09G3/20 623A
G09G3/20 623V
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022123769
(22)【出願日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】17/402,950
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】織尾 正雄
(72)【発明者】
【氏名】降旗 弘史
(72)【発明者】
【氏名】能勢 崇
【テーマコード(参考)】
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080BB05
5C080DD05
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ06
5C080JJ07
5C380AA01
5C380AB06
5C380AC13
5C380BA19
5C380BA22
5C380BA31
5C380BB03
5C380CA01
5C380CA12
5C380CA44
5C380CA49
5C380CB25
5C380CB26
5C380CC02
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC62
5C380CD012
5C380CE19
5C380CF01
5C380CF13
5C380DA02
5C380EA02
5C380FA03
5C380HA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示パネルの電源線における電圧降下により、表示画像における表示ムラを発現することがある。
【解決手段】表示システムが、表示パネルと第1及び第2表示ドライバとを備える。第1表示ドライバが、表示パネルの第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成するように構成されている。第2表示ドライバが、表示パネルの第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成するように構成されている。第1表示ドライバは、更に、第2表示ドライバから第2領域総電流データを受け取り、第1領域に対応する第1画像データを受け取り、第1画像データに基づいて第1電圧データを生成し、第1電圧データに基づいて表示パネルの第1領域を更新するように構成されている。第1電圧データを生成することは、第1及び第2領域総電流データに基づくIRドロップ補償を含んでいる。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と第2領域とを備える表示パネルと、
前記第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成するように構成された第1表示ドライバと、
前記第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成するように構成された第2表示ドライバと、
を備え、
前記第1表示ドライバが、更に、
前記第2表示ドライバから前記第2領域総電流データを受け取り、
前記第1領域に対応する第1画像データを受け取り、
前記第1画像データに基づいて第1電圧データを生成し、
前記第1電圧データに基づいて前記表示パネルの前記第1領域を更新するように構成されており、
前記第1電圧データを生成することは、前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含む
表示システム。
【請求項2】
前記第1表示ドライバが、更に、前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づいて前記表示パネルの推定総電流を決定するように構成され、
前記IRドロップ補償が前記表示パネルの前記推定総電流に基づいている
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記第1領域の画素に対する前記IRドロップ補償が、前記画素の位置に基づいている
請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第2表示ドライバが、更に、
前記第1表示ドライバから前記第1領域総電流データを受け取り、
前記第2領域に対応する第2画像データを受け取り、
前記第2画像データに基づいて第2電圧データを生成し、
前記第2電圧データに基づいて前記表示パネルの前記第2領域を更新するように構成されており、
前記第2電圧データを生成することは、前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含む
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第1領域が複数の第1セグメントを含み、
前記第1領域総電流データを生成することが、
前記複数の第1セグメントについて、それぞれに推定画素電流の小計を決定することと、
前記複数の第1セグメントについて決定された前記小計の和に基づいて前記第1領域総電流データを生成することと、
を含む
請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1表示ドライバが、
前記複数の第1セグメントに対応する画像データを順次に受け取り、
前記画像データに基づいて前記複数の第1セグメントを順次に更新するように構成された
請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記第1表示ドライバが、前記複数の第1セグメントのそれぞれの更新に応じて、前記複数の第1セグメントについて決定された小計の和に基づいて前記第1領域総電流データを生成するように構成された
請求項5に記載の表示システム。
【請求項8】
前記第1表示ドライバが、更に、前記複数の第1セグメントのそれぞれの更新に応じて前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づいて前記表示パネルの推定総電流を決定するように構成され、
前記IRドロップ補償が前記表示パネルの前記推定総電流に基づいている
請求項5に記載の表示システム。
【請求項9】
前記第2領域が複数の第2セグメントを含み、
前記第2領域総電流データを生成することが、
前記複数の第2セグメントについて、それぞれに推定画素電流の小計を決定することと、
前記複数の第2セグメントについて決定された前記小計の和に基づいて前記第2領域総電流データを生成することと、
を含む
請求項5に記載の表示システム。
【請求項10】
前記複数の第1セグメントは、それぞれ、水平方向に並んだ一以上の画素の行を含み、
前記複数の第2セグメントは、それぞれ、水平方向に並んだ一以上の画素の行を含み、
前記複数の第1セグメントは、垂直に並んで前記表示パネルの前記第1領域を形成し、
前記複数の第2セグメントは、垂直に並んで前記表示パネルの前記第2領域を形成し、
前記第2領域は、前記第1領域に水平に隣接している。
請求項9に記載の表示システム。
【請求項11】
前記第2表示ドライバが、前記複数の第2セグメントのそれぞれの更新に応じて前記第1表示ドライバに前記第2領域総電流データを送信するように構成された
請求項9に記載の表示システム。
【請求項12】
表示パネルの第1領域に対応する画像データを受け取り、
前記画像データに基づいて前記第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成し、
前記第1領域に対応する前記画像データから電圧データを生成するように構成された画像処理回路部と、
前記電圧データに基づいて前記第1領域を更新するように構成されたドライバ回路部と、
第2表示ドライバから第2領域総電流データを受け取るように構成された通信回路部と、
を備え、
前記第2領域総電流データが、前記表示パネルの第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応しており、
前記電圧データを生成することは、前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含む
表示ドライバ。
【請求項13】
前記通信回路部が、更に、前記第1領域総電流データを前記第2表示ドライバに送信するように構成された
請求項12に記載の表示ドライバ。
【請求項14】
前記第1領域が複数の第1セグメントを備えており、
前記第1領域総電流データを生成することが、
前記複数の第1セグメントについて、それぞれに推定画素電流の小計を決定することと、
前記複数の第1セグメントについて決定された前記小計の和に基づいて前記第1領域総電流データを生成することと、
を含む
請求項12に記載の表示ドライバ。
【請求項15】
前記第1領域総電流データを生成することは、前記複数の第1セグメントのそれぞれの更新に応じて、前記複数の第1セグメントについて決定された前記小計の前記和に基づいて前記第1領域総電流データを生成することを含む
請求項14に記載の表示ドライバ。
【請求項16】
前記画像処理回路部が、更に、前記複数の第1セグメントのそれぞれの更新に応じて前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づいて前記表示パネルの推定総電流を決定するように構成され、
前記IRドロップ補償が前記表示パネルの前記推定総電流に基づいている
請求項14に記載の表示ドライバ。
【請求項17】
第1表示ドライバにより、表示パネルの第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成することと、
第2表示ドライバにより、前記表示パネルの第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成することと、
前記第2領域総電流データを前記第2表示ドライバから前記第1表示ドライバに送信することと、
前記第1表示ドライバによって前記第1領域に対応する第1画像データに基づいて第1電圧データを生成することと、
前記第1電圧データに基づいて前記第1領域を更新することと、
を含み、
前記第1電圧データを生成することが、前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含む
方法。
【請求項18】
更に、
前記第1領域総電流データを前記第1表示ドライバから前記第2表示ドライバに送信することと、
前記第2表示ドライバによって前記第2領域に対応する第2画像データに基づいて第2電圧データを生成することと、
前記第2電圧データに基づいて前記表示パネルの前記第2領域を更新することと、
を含み、
前記第2電圧データを生成することが、前記第1領域総電流データと前記第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含む
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1領域が複数の第1セグメントを含み、
前記第1領域総電流データを生成することが、
前記複数の第1セグメントについて、それぞれに推定画素電流の小計を決定することと、
前記複数の第1セグメントについて決定された前記小計の和に基づいて前記第1領域総電流データを生成することと、
を含む
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第2領域が複数の第2セグメントを含み、
前記第2領域総電流データを生成することが、
前記複数の第2セグメントについて、それぞれに推定画素電流の小計を決定することと、
前記複数の第2セグメントについて決定された前記小計の和に基づいて前記第2領域総電流データを生成することと、
を含む
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、概して、表示パネルを駆動するための表示ドライバ、表示モジュール及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば有機発光ダイオード(OLED)表示パネルのような、ある種の表示パネルは、電源線を介して各画素に電源電圧を供給するように構成される。このように構成された表示パネルは、表示パネルの電源線における電圧降下により、表示画像における表示ムラを発現することがある。
【発明の概要】
【0003】
本要約は、発明を実施するための形態において下記で更に説明する概念の選択を簡潔な形態で紹介するために提供されている。本要約は、請求された主題の主要な特徴又は必要不可欠な特徴を特定する意図はなく、請求された主題の範囲を限定する意図もない。
【0004】
一以上の実施形態では、表示システムが提供される。該表示システムは、表示パネルと、第1表示ドライバと、第2表示ドライバとを備えている。表示パネルは、第1領域と第2領域とを有している。第1表示ドライバは、第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成するように構成されている。第2表示ドライバは、第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成するように構成されている。第1表示ドライバは、更に、第2表示ドライバから第2領域総電流データを受け取り、第1領域に対応する第1画像データを受け取り、第1画像データに基づいて第1電圧データを生成し、該第1電圧データに基づいて表示パネルの第1領域を更新するように構成されている。第1電圧データを生成することは、第1領域総電流データと第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含んでいる。
【0005】
一以上の実施形態では、表示ドライバが提供される。表示ドライバは、画像処理回路部とドライバ回路部と通信回路部とを備えている。画像処理回路部は、表示パネルの第1領域に対応する画像データを受け取り、第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成するように構成されている。画像処理回路部は、更に、第1領域に対応する画像データから電圧データを生成するように構成されている。ドライバ回路部は、電圧データに基づいて第1領域を更新するように構成されている。通信回路部は、第2表示ドライバから第2領域総電流データを受け取るように構成されている。第2領域総電流データは、表示パネルの第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応している。電圧データを生成することは、第1領域総電流データと第2領域総電流データに基づくIRドロップ補償を含んでいる。
【0006】
一以上の実施形態において、表示パネルを駆動する方法が提供される。該方法は、第1表示ドライバにより、表示パネルの第1領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成することを含んでいる。該方法は、更に、第2表示ドライバにより、表示パネルの第2領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成することを含んでいる。該方法は、更に、第2表示ドライバから第1表示ドライバに第2領域総電流データを送信することと、第1表示ドライバにより、第1領域に対応する第1画像データに基づいて第1電圧データを生成することを含んでいる。第1電圧データを生成することは、第1領域総電流データと第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含んでいる。該方法は、更に、第1電圧データに基づいて第1領域を更新することを含んでいる。
【0007】
実施形態の他の観点は、以下の記載と添付の特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上記された特徴が詳細に理解可能なように、上記に簡潔に要約されている本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照してなされることがある。実施形態のうちのいくつかは添付図面に図示されている。しかしながら、添付図面は、本開示の例示的な実施形態を図示しているにすぎず、本開示は他の同様に有効な実施形態を認めているのであるから、発明の範囲を限定していると考えるべきでないことに留意すべきである。
【0009】
図1図1は、一以上の実施形態による、表示パネルの例示的な構成を図示している。
【0010】
図2図2は、一以上の実施形態による、例示的な表示パネルの総電流を図示している。
【0011】
図3図3は、一以上の実施形態による、例示的な画素の輝度低下を図示している。
【0012】
図4図4は、一以上の実施形態による、表示システムの例示的な構成を図示している。
【0013】
図5図5は、一以上の実施形態による、表示システムの例示的な実装を図示している。
【0014】
図6図6は、一以上の実施形態による、第1表示ドライバと第2表示ドライバの例示的な構成を図示している。
【0015】
図7A図7Aは、一以上の実施形態による、第1表示ドライバの画像処理回路部の例示的な構成を図示している。
【0016】
図7B図7Bは、一以上の実施形態による、第2表示ドライバの画像処理回路部の例示的な構成を図示している。
【0017】
図8図8は、一以上の実施形態による、表示パネルの第1及び第2領域の例示的な構成を図示している。
【0018】
図9A図9Aは、一以上の実施形態による、表示パネルの第1及び第2領域の各セグメントの例示的な更新を図示している。
図9B図9Bは、一以上の実施形態による、表示パネルの第1及び第2領域の各セグメントの例示的な更新を図示している。
【0019】
図10A図10Aは、一以上の実施形態による、第1表示ドライバの補償回路部の例示的な構成を図示している。
【0020】
図10B図10Bは、一以上の実施形態による、第2表示ドライバの補償回路部の例示的な構成を図示している。
【0021】
図11図11は、一以上の実施形態による、第1表示ドライバと第2表示ドライバの間の例示的なトランザクションを図示している。
【0022】
図12図12は、一以上の実施形態による、表示パネルを駆動する例示的な方法を図示している。
【0023】
理解を容易にするために、可能であれば、図面に共通の同一の要素を指し示すために同一の参照符号が用いられている。一の実施形態に開示された要素は、特に記載しなくとも他の実施形態に有益に使用され得ることが予期されている。同一の要素を互いに区別するために、参照符号に添字が付されることがある。本明細書で参照する図面は、特に言及がない限り、寸法通りに描かれていると理解されるべきではない。また、提示及び説明の明確性のために、図面は、しばしば、詳細又は構成部品が省略されて簡単化される。図面及び議論は、以下に議論する原理を説明するために役立つものであり、類似の符号は類似の要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
下記の詳細な説明は、本質的に、単に例示的なものであり、本開示及び本開示の応用及び使用について限定する意図はない。更に、前述した背景、要約又は下記の詳細な説明において提示されている明示的な又は暗示的な理論によって拘束される意図もない。
【0025】
例えば有機発光ダイオード(OLED)パネルのような、ある種の表示パネルは、電源線を介して各画素に電源電圧を供給するように構成される。例えば、画素が電流駆動発光素子(例えば、OLED素子)を含む実施形態では、表示パネルは、電流駆動発光素子を駆動するために電源電圧を各画素に供給するように構成されることがある。
【0026】
図1は、一以上の実施形態による、表示パネルの例示的な構成を図示している。図1の表示パネルは、各画素が電流駆動素子の一種であるOLEDを備える有機発光ダイオード(OLED)表示パネルとして構成されている。OLEDを駆動するために、該表示パネルは、電源電圧ELVDDを電源線を介して各画素に供給又は分配するように構成されている。図1の「ELVSS」は、接地電圧のことである。
【0027】
このように構成された表示パネルは、表示パネルの電源線における電圧降下により、表示画像に表示ムラが生じることがある。この電圧降下は抵抗として機能する電源線を流れる電流に起因するので、IRドロップとも呼ばれることがある。電源線におけるIRドロップは、画素の輝度を表示パネルにおける位置に依存して減少させることがあり、これにより、表示ムラを生じさせ得る。
【0028】
IRドロップによる画素の輝度の減少は、少なくとも2つの要因:表示パネルの総電流及び表示パネルにおける画素の位置に依存する。図2を参照して、本明細書にいう総電流は、全画素(図2では3個が図示されている)を流れる電流の和であってもよい。表示パネルの総電流が増加すると、画素に電源電圧を分配する経路に沿った電圧降下が増大し、画素の輝度を低下させる。更に、図3に図示されているように、IRドロップにより生じた輝度の低下は、表示パネルにおける画素の位置に依存する。電源電圧ELVDDが画素に供給される経路の長さは、画素の位置に依存する。電源から離れて位置する画素は、電源線でのIRドロップが大きいことがある。IRドロップが大きくなると、画素を流れる電流が減少し、輝度の減少が大きくなり得る。
【0029】
表示パネルにおけるIRドロップによる表示ムラを緩和する一つの手法は、画像データに画像処理を行ってIRドロップを補償するように構成された表示ドライバ(例えば、表示ドライバ集積回路(DDIC))を使用することである。IRドロップを補償するための画像処理を、以下では、IRドロップ補償ということがある。IRドロップ補償は、IRドロップによって生じる各画素の予測される輝度低下に依存して画像データを修正することがある。表示ムラを効果的に抑制するために、IRドロップ補償は、表示パネルの総電流及び/又は対象の画素の位置に基づく場合がある。
【0030】
一方で、表示装置は、単一の表示パネルを複数の表示ドライバで駆動するように構成されることがある。複数の表示ドライバの使用は、大型の表示パネル(例えば、自動車用途のセンターインフォメーションディスプレイ(CID)及び折り畳み式表示パネル)を駆動するための一般的な技術である。例えば、表示パネルが大型であり多数のソース線(又はデータ線)を備える実施形態では、各表示ドライバの最大の出力数の制約により、2以上の表示ドライバが表示パネルのソース線を駆動するために使用される。本開示は、単一の表示パネルを複数の表示ドライバで駆動するように構成された表示装置に対し、IRドロップ補償を効率的に実行するための様々な技術を提供する。
【0031】
図4は、一以上の実施形態による、表示システム1000の例示的な構成を図示している。表示システム1000は、コントローラ300の制御の下、表示パネル100に画像を表示するように構成されている。図示された実施形態では、表示システム1000は、第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2とを備えている。表示パネル100は、境界104において互いに隣接する第1領域102-1及び第2領域102-2を備えている。第1表示ドライバ200-1は、コントローラ300から第1領域102-1に対応する第1画像データを受け取り、該第1画像データに基づいて第1領域102-1の画素を更新するように構成されている。第2表示ドライバ200-2は、コントローラ300から第2領域102-2に対応する第2画像データを受け取り、該第2画像データに基づいて第2領域102-2の画素を更新するように構成されている。図4において左側に位置している第1表示ドライバ200-1は、「左ドライバ」ということがあり、図4において右側に位置している第2表示ドライバ200-2は、「右ドライバ」ということがある。
【0032】
第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2とは通信バス202を介して互いに通信可能に結合されている。一以上の実施形態において、第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2とは、通信バス202を介して情報及び/又はデータを交換するように構成されている。後に詳細に説明するように、第1表示ドライバ200-1は、第1領域102-1の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成し、第1領域総電流データを通信バス202を介して第2表示ドライバ200-2に送信するように構成されることがある。更に、第2表示ドライバ200-2が、第2領域102-2の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成し、第2領域総電流データを通信バス202を介して第1表示ドライバ200-1に送信するように構成されることがある。第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2とは、それぞれが第1領域総電流データ及び第2領域総電流データに基づいてIRドロップ補償を行うように構成されることがある。
【0033】
図5は、一以上の実施形態による表示システム1000の例示的な実装を図示している。図示された実装では、表示パネル100が、第1領域102-1及び第2領域102-2の間の境界104において折り畳み可能である。2つの表示ドライバ(例えば、第1表示ドライバ200-1及び第2表示ドライバ200-2)の使用は、折り畳み可能という特徴を有する表示システム1000の設計を容易にする。
【0034】
図6は、一以上の実施形態による、第1表示ドライバ200-1及び第2表示ドライバ200-2の例示的な構成を図示している。図示された実施形態では、第1表示システム200-1と第2表示ドライバ200-2とは、互いに同一に構成されている。他の実施形態では、第2表示ドライバと異なる構成の第1表示ドライバを備えていてもよい。第1表示ドライバ200-1は、命令制御回路部212-1、画像処理回路部214-1、ソースドライバ回路部216-1、ゲートドライバ回路部218-1、タイミングコントローラ220-1及び通信回路部222-1を備えており、第2表示ドライバ200-2は、命令制御回路部212-2、画像処理回路部214-2、ソースドライバ回路部216-2、ゲートドライバ回路部218-2、タイミングコントローラ220-2及び通信回路部222-2を備えている。
【0035】
第1表示ドライバ200-1の命令制御回路部212-1は、コントローラ300から表示パネル100の第1領域102-1に対応する第1画像データを受け取り、該第1画像データを画像処理回路部214-1に転送するように構成されている。第1画像データは、表示パネル100の第1領域102-1の画素の階調を含むことがある。命令制御回路部212-1は、更に、コントローラ300から制御データを受け取り、第1表示ドライバ200-1の動作を制御するように構成されている。
【0036】
同様に、第2表示ドライバ200-2の命令制御回路部212-2は、コントローラ300から表示パネル100の第2領域102-2に対応する第2画像データを受け取り、該第2画像データを画像処理回路部214-2に転送するように構成されている。第2画像データは、表示パネル100の第2領域102-2の画素の階調を含むことがある。命令制御回路部212-2は、更に、コントローラ300から制御データを受け取り、第2表示ドライバ200-2の動作を制御するように構成されている。
【0037】
第1表示ドライバ200-1の画像処理回路部214-1は、第1画像データを処理し、第1画像データに基づいて表示パネル100の第1領域102-1に対応する第1電圧データを生成するように構成されている。第1領域102-1に対応する第1電圧データは、表示パネル100の第1領域102-1の画素が更新されるべき電圧レベルを含んでいてもよい。後に詳細に説明するように、画像処理回路214-1によって行われる画像処理は、第1領域102-1の画素についてのIRドロップ補償を含んでいる。
【0038】
同様に、第2表示ドライバ200-2の画像処理回路部214-2は、第2画像データを処理し、第2画像データに基づいて表示パネル100の第2領域102-2に対応する第2電圧データを生成するように構成されている。第2領域102-2に対応する第2電圧データは、表示パネル100の第2領域102-2の画素が更新されるべき電圧レベルを含んでいてもよい。画像処理回路214-2によって行われる画像処理は、第2領域102-2の画素についてのIRドロップ補償を含んでいる。
【0039】
第1表示ドライバ200-1のソースドライバ回路部216-1は、画像処理回路部214-1から受け取った第1電圧データに基づいて第1領域102-1の画素を更新するように構成されている。ソースドライバ回路部216-1は、第1電圧データによって指定された電圧レベルを有する駆動電圧を生成し、このように生成された駆動電圧で第1領域102-1の対応する画素を更新又はプログラムするように構成されてもよい。
【0040】
同様に、第2表示ドライバ200-2のソースドライバ回路部216-2は、画像処理回路部214-2から受け取った第2電圧データに基づいて第2領域102-2の画素を更新するように構成されている。ソースドライバ回路部216-2は、第2電圧データによって指定された電圧レベルを有する駆動電圧を生成し、このように生成された駆動電圧で第2領域102-2の対応する画素を更新又はプログラムするように構成されてもよい。
【0041】
第1表示ドライバ200-1のゲートドライバ回路部218-1と第2表示ドライバ200-2のゲートドライバ回路部218-2とは、共同で、表示パネル100のゲート線(スキャン線と呼ばれることもある)を駆動又は走査するように構成されている。いくつかの実装では、ゲートドライバ回路部218-1が一つ置きのゲート線を駆動するように構成されてもよく、ゲートドライバ回路部218-2が残りの一つ置きのゲート線を駆動するように構成されてもよい。他の実装では、ゲートドライバ回路部218-1が全てのゲート線を左から駆動するように構成されてもよく、ゲートドライバ回路部218-2が全てのゲート線を右から駆動するように構成されてもよい。
【0042】
第1表示ドライバ200-1のタイミングコントローラ220-1は、命令制御回路部212-1から受け取った制御データに基づいて第1表示ドライバ200-1の動作タイミングを制御するように構成されている。同様に、第2表示ドライバ200-2のタイミングコントローラ220-2は、命令制御回路部212-2から受け取った制御データに基づいて第2表示ドライバ200-2の動作タイミングを制御するように構成されている。
【0043】
第1表示ドライバ200-1の通信回路部222-1と第2表示ドライバ200-2の通信回路部222-2は、通信バス202を介して第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2との間のデータ通信を提供するように構成される。一の実装では、第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2との間の通信にシリアルデータ通信が使用され得る。一以上の実施形態において、後に詳細に説明するように、通信回路部222-1及び222-2を用いることで、IRドロップ補償のために使用されるデータが第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2の間で交換される。
【0044】
図7Aは、一以上の実施形態による、第1表示ドライバ200-1の画像処理回路部214-1の例示的な構成を図示している。図示された実施形態では、画像処理回路部214-1は、デジタルガンマ回路部224-1と補償回路部226-1と補正回路部228-1とを備えている。
【0045】
一以上の実施形態において、デジタルガンマ回路部224-1は、第1画像データに対してガンマ変換を行って第1ガンマ電圧データを生成するように構成されている。第1ガンマ電圧データは、指定されたガンマ特性で第1領域102-1に第1画像データに対応する画像を表示するように、表示パネル100の第1領域102-1の各画素の駆動電圧の電圧レベルを指定する場合がある。
【0046】
補償回路部226-1と補正回路部228-1とは、共同で、デジタルガンマ回路部224-1によって生成された第1ガンマ電圧データに対してIRドロップ補償を行うことで(図6に図示されている)ソースドライバ回路部216-1に供給される第1電圧データを生成するように構成されている。上で議論したように、IRドロップ補償は、表示パネル100における電源線でのIRドロップを補償するように構成されている。より具体的には、補償回路部226-1は、IRドロップ補償に用いられる補償データを生成するように構成されており、補正回路部228-1は、該補償データに基づいて第1ガンマ電圧データを補正して第1電圧データを生成するように構成されている。一以上の実施形態において、補償回路部226-1によって生成される補償データは補償ゲインを含んでいてもよく、補正回路部228-1は、第1ガンマ電圧データを補償ゲインで乗算することにより第1電圧データを生成するように構成されていてもよい。第1ガンマ電圧データが第1領域102-1の各画素が更新されるべき駆動電圧の電圧レベルを含んでいる実施形態では、補正回路部228-1は、第1ガンマ電圧データの駆動電圧の電圧レベルを補償ゲインで乗算することで得られる積を含むよう第1電圧データを生成するように構成されてもよい。
【0047】
一以上の実施形態において、図7Bに図示されているように、第2表示ドライバ200-2の画像処理回路部214-2が、図7Aに図示されている第1表示ドライバ200-1の画像処理回路部214-1と同様に構成されている。図示された実施形態では、第2表示ドライバ200-2の画像処理回路部214-2は、デジタルガンマ回路部224-2と、補償回路部226-2と、補正回路部228-2とを備えている。デジタルガンマ回路部224-2、補償回路部226-2及び補正回路部228-2は、図7Aのデジタルガンマ回路部224-1、補償回路部226-1及び補正回路部228-1に対応している。一以上の実施形態において、デジタルガンマ回路部224-2は、第2画像データに対してガンマ変換を行って第2ガンマ電圧データを生成するように構成されている。補償回路部226-2と補正回路部228-2とは、共同で、デジタルガンマ回路部224-2によって生成された第2ガンマ電圧データに対してIRドロップ補償を行うことで(図6に図示されている)ソースドライバ回路部216-2に供給される第2電圧データを生成するように構成されている。より具体的には、補償回路部226-2は、IRドロップ補償に用いられる補償データを生成するように構成されており、補正回路部228-2は、該補償データに基づいて第2ガンマ電圧データを補正して第2電圧データを生成するように構成されている。
【0048】
一以上の実施形態において、対象の画素の画像データに対するIRドロップ補償に用いられる補償データは、該対象の画素の位置に基づいて生成されることがある。図3に関連して上述したように、電源線におけるIRドロップによる対象の画素の輝度低下は、該対象の画素の位置に依存することがある。したがって、対象の画素の位置に基づいて補償データを生成することは、IRドロップ補償の精度を有効に向上する。
【0049】
一以上の実施形態において、IRドロップ補償のための補償データは、表示パネル100の推定総電流に基づいて生成されてもよい。上述のように、電源線におけるIRドロップによって生じる輝度低下は、表示パネル100の総電流に依存することがあり、よって、表示パネル100の推定総電流に基づいて補償データを生成することは、IRドロップ補償の精度を有効に向上する。
【0050】
一つの問題は、第1表示ドライバ200-1の画像処理回路部214-1が第1領域102-1に対応する第1画像データしか受け取らないように構成されている一方で、第2表示ドライバ200-2の画像処理回路部214-2が第2領域102-2に対応する第2画像データしか受け取らないように構成されていることである。第1画像データは、単独では、表示パネル100の推定総電流を決定するために十分な情報を提供しない。同じことが、第2領域102-2に対応する第2画像データしか受け取らないように構成されている、第2表示ドライバ200-2の画像処理回路部214-2にも当てはまる。
【0051】
この問題に対処するために、一以上の実施形態において、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1は、第1領域102-1に対応する第1画像データに基づいて、第1領域総電流データを生成して通信回路部222-1を介して第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2に送信するように構成されることがある。第1領域総電流データは、第1領域102-1の各画素の推定画素電流の合計に対応していることがある。一の実装では、補償回路部226-1は、第1領域102-1に対応する第1画像データに基づいて第1領域102-1の各画素の推定画素電流を決定し、第1領域102-1の各画素の推定画素電流を合計することで第1領域102-1についての合計を決定するように構成されることがある。一の実装では、第1画像データが第1領域102-1の画素の階調を含んでいてもよく、補償回路部226-1が該画素の階調に基づいて推定画素電流を特定するように構成されてもよい。ある画素の推定画素電流は、該画素の階調が増加するほど推定画素電流が大きくなるように特定されてもよい。各画素の推定画素電流は、更に、表示パネル100の指定の輝度レベルを示すディスプレイ輝度値(DBV)に基づいていてもよい。本明細書でいう表示パネル100の輝度レベルとは、表示パネル100に表示される画像全体の輝度レベルであってもよい。一の実装では、コントローラ300が、表示画像の全体の輝度レベルを制御するためにDBVを第1表示ドライバ100-1に供給するように構成される。各画素の推定画素電流は、DBVが増大すると共に増大する場合がある。
【0052】
更に、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、第2領域102-2に対応する第2画像データに基づいて、第2領域総電流データを生成して通信回路部222-2を介して第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1に送信するように構成されることがある。第2領域総電流データの生成は、第2領域総電流データが第2領域102-2の第2画像データから生成されることを除いて、第1領域総電流データの生成と同様にして行われてもよい。第2領域総電流データは、第2領域102-2の各画素の推定画素電流の合計に対応していることがある。一の実装では、補償回路部226-2は、第2領域102-2に対応する第2画像データに基づいて第2領域102-2の各画素の推定画素電流を決定し、第2領域102-2の各画素の推定画素電流を合計することで第2領域102-2についての合計を決定するように構成されることがある。各画素の推定画素電流は、更に、DBVに基づいていてもよい。
【0053】
図7Aに図示されているように、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1は、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2から第2領域総電流データを受け取り、第1領域総電流データと第2領域総電流データとをメモリ230-1に格納するように構成されてもよい。同様に、図7Bに図示されているように、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1から第1領域総電流データを受け取り、第1領域総電流データと第2領域総電流データとをメモリ230-2に格納するように構成されてもよい。
【0054】
図7Aを参照して、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1は、更に、それ自身によって生成された第1領域総電流データと第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2から受け取った第2領域総電流データとに基づいて表示パネル100の推定総電流を特定するように構成されてもよい。補償回路部226-1は、更に、表示パネル100の推定総電流に基づいて、IRドロップ補償のための補償データを生成するように構成されてもよい。
【0055】
同様に、図7Bに図示されているように、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、更に、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1から受け取った第1領域総電流データとそれ自身によって生成された第2領域総電流データとに基づいて表示パネル100の推定総電流を特定するように構成されてもよい。補償回路部226-2は、更に、表示パネル100の推定総電流に基づいて、IRドロップ補償のための補償データを生成するように構成されてもよい。
【0056】
一以上の実施形態において、図8に図示されているように、第1領域102-1と第2領域102-2とが、それぞれ、M個のセグメント#0~#M-1に区分されてもよい。ここで、Mは、2以上の整数である。図8において、X軸は、表示パネル100のゲート線が延伸する方向に規定されており、X軸の方向は、「水平方向」ということがある。Y軸は、表示パネル100のソース線が延伸する方向に規定されており、Y軸の方向は、「垂直方向」ということがある。セグメント#0~#M-1のそれぞれは、水平方向に並んだ一以上の画素の行を備えている。一以上の実施形態では、第1領域102-1のセグメント#0~#M-1は、垂直に並んで第1領域102-1を形成しており、第2領域102-2のセグメント#0~#M-1は、垂直に並んで第2領域102-2を形成している。第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#iは、互いに水平方向に隣接するように配置されている。ここで、iは、0からM-1の任意の整数である。
【0057】
図8に図示されているように第1領域102-1がM個のセグメント#0~#M-1に区分されている実施形態では、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1は、第1領域102-1の各セグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計を決定(例えば、算出)し、各セグメント#0~#M-1について決定された小計を合計することで第1領域102-1の推定画素電流の小計を決定するように構成されてもよい。同様に、図8に図示されているように第2領域102-2がM個のセグメント#0~#M-1に区分されている実施形態では、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、第2領域102-2の各セグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計を決定(例えば、算出)し、各セグメント#0~#M-1について決定された小計を合計することで第2領域102-2の推定画素電流の合計を決定するように構成されてもよい。
【0058】
図9A及び図9Bは、一以上の実施形態による各セグメント#0~#M-1の例示的な更新を図示している。図示された実施形態では、第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2とは、それぞれ、各フレームにおいて順次にセグメント#0~#M-1を更新するように構成されている。更に、第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2とは、第1領域102-1と第2領域102-2の対応するセグメント#iを同時に更新するように構成されている。ここで、iは、0からM-1の整数である。例えば、第1領域102-1と第2領域102-2のセグメント#0が同時に更新され、第1領域102-1と第2領域102-2のセグメント#1が同時に更新される。他のセグメントについても同様である。第1領域102-1と第2領域102-2のセグメント#iが更新される期間を、以下では、セグメント更新期間#iということがある。例えば、第1表示ドライバ200-1と第2表示ドライバ200-2は、セグメント更新期間#0に第1領域102-1と第2領域102-2のセグメント#0を更新し、セグメント更新期間#1に第1領域102-1と第2領域102-2のセグメント#1を更新するように構成されることがある。
【0059】
第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1と第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、各セグメントの更新直後に各セグメントの推定画素電流の小計を決定するように構成されてもよい。図9Aにおいて、“LSSi j”は、フレーム#jにおける第1領域102-1のセグメント#iの更新直後の第1領域102-1のセグメント#iの推定画素電流の小計を示しており、“RSSi j”は、フレーム#jにおける第2領域102-2のセグメント#iの更新直後の第2領域102-2のセグメント#iの小計を示している。例えば、第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1は、第1領域102-1のセグメント#0の更新直後に第1領域102-1のセグメント#0の推定画素電流の小計LSS0 Nを算出するように構成されてもよく、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、第2領域102-2のセグメント#0の更新直後に第2領域102-2のセグメント#0の推定画素電流の小計RSS0 Nを算出するように構成されてもよい。
【0060】
図10Aは、一以上の実施形態による、第1領域102-1のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計を決定し、第1領域102-1のセグメント#0~#M-1の該小計を合計することで第1領域102-1の推定画素電流の小計を決定するように構成された第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1の例示的な構成を図示している。図示された実施形態では、補償回路部226-1が、電流累積回路部232-1と、電流セグメンテーションメモリ234-1と、電流加算回路部236-1と、パネル総電流算出回路部238-1と、補償データ生成回路部240-1とを備えている。
【0061】
電流累積回路部232-1は、第1領域102-1に対応する第1画像データとDBVとに基づいて第1領域102-1の各セグメントの各画素の推定画素電流を決定し、第1領域102-1の各セグメントの推定画素電流の小計LSSを決定するように構成されている。一実施形態では、電流累積回路部232-1は、ある画素の推定画素電流を、該画素の階調に基づいて該画素の輝度を算出し、該画素の輝度をDBVに依存する係数で乗じた積として該画素の推定画素電流を算出することによって決定するように構成されてもよい。電流累積回路部232-1は、更に、各セグメントの推定画素電流を合計することにより、第1領域102-1の各セグメントの推定画素電流の小計を決定するように構成されてもよい。電流累積回路部232-1は、更に、各セグメントの推定画素電流の小計LSSを電流セグメンテーションメモリ234-1に送るように構成されてもよい。電流セグメンテーションメモリ234-1は、第1領域102-1のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計LSSを格納するように構成される。
【0062】
電流加算回路部236-1は、電流セグメンテーションメモリ234-1に格納された第1領域102-1のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計LSSに基づいて、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSを決定するように構成されている。一の実装では、電流加算回路部236-1は、第1領域102-1のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計LSSを合計することで小計LTSSを算出するように構成される。このように決定された第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSが、第1領域総電流データとして使用される。
【0063】
パネル総電流算出回路部238-1は、電流加算回路部236-1から受け取った第1領域総電流データと、通信回路部222-1を介して第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2から受け取った第2領域総電流データとに基づいて、表示パネル100の推定総電流TPSを決定するように構成される。一の実装では、第1領域総電流データは、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSに対応しており、第2領域総電流データは、第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSに対応している。第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSは、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2によって決定されることに留意されたい。パネル総電流算出回路部238-1は、表示パネル100の推定総電流TPSを、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSと第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSとの和として決定するように構成されてもよい。パネル総電流算出回路部238-1は、表示パネル100の推定総電流TPSを格納するように構成された総電流メモリ242-1を備えていてもよい。
【0064】
補償データ生成回路部240-1は、表示パネル100の推定総電流TPSと各画素の位置(X,Y)とに基づいて第1領域102-1の各画素について補償データを生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、補償データ生成回路部240-1は、補償データのデータ値の、表示パネル100の推定総電流TPS及び各画素の位置(X,Y)との対応関係を記述したLUT244-1を備えていてもよい。このような実施形態では、補償データ生成回路部240-1は、LUT244-1へのテーブルルックアップによって補償データを生成するように構成されてもよい。補償データが補償ゲインを含む実施形態では、LUT244-1は、補償ゲインの、表示パネル100の推定総電流TPSと各画素の位置(X,Y)との対応関係を記述していてもよい。
【0065】
補償データ生成回路部240-1によって生成された補償データは、第1領域102-1の画素のIRドロップ補償を行うために、(図7Aに図示されている)補正回路部228-1に転送される。
【0066】
一以上の実施形態において、図10Bに図示されているように、第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、図10Aに図示されている第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1と同様に構成される。図示された実施形態では、補償回路部226-2が、電流累積回路部232-2と、電流セグメンテーションメモリ234-2と、電流加算回路部236-2と、パネル総電流算出回路部238-2と、補償データ生成回路部240-2とを備えている。電流累積回路部232-2、電流セグメンテーションメモリ234-2、電流加算回路部236-2、パネル総電流算出回路部238-2及び補償データ生成回路部240-2は、電流累積回路部232-1、電流セグメンテーションメモリ234-1、電流加算回路部236-1、パネル総電流算出回路部238-1及び補償データ生成回路部240-1に対応している。
【0067】
電流累積回路部232-2は、第2領域102-2に対応する第2画像データとDBVとに基づいて第2領域102-2の各セグメントの各画素の推定画素電流を決定し、第2領域102-2の各セグメントの推定画素電流の小計RSSを決定するように構成されている。電流セグメンテーションメモリ234-2は、第2領域102-2のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計RSSを格納するように構成される。
【0068】
電流加算回路部236-2は、電流セグメンテーションメモリ234-2に格納された第2領域102-2のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計RSSに基づいて、第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSを決定するように構成されている。一の実装では、電流加算回路部236-2は、第2領域102-2のセグメント#0~#M-1の推定画素電流の小計RSSを合計することで小計RTSSを算出するように構成される。このように決定された第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSが、第2領域総電流データとして使用される。
【0069】
パネル総電流算出回路部238-2は、通信回路部222-2を介して第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1から受け取った第1領域総電流データと、電流加算回路部236-2から受け取った第2領域総電流データとに基づいて、表示パネル100の推定総電流TPSを決定するように構成される。第1領域総電流データは、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSに対応しており、第2領域総電流データは、第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSに対応していることに留意されたい。パネル総電流算出回路部238-2は、表示パネル100の推定総電流TPSを、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSと第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSとの和として決定するように構成されてもよい。パネル総電流算出回路部238-2は、表示パネル100の推定総電流TPSを格納するように構成された総電流メモリ242-2を備えていてもよい。
【0070】
補償データ生成回路部240-2は、表示パネル100の推定総電流TPSと各画素の位置(X,Y)とに基づいて第2領域102-2の各画素について補償データを生成するように構成されている。補償データ生成回路部240-2は、(図10Aに図示されている)補償データ生成回路部240-1と同様に構成され、動作されてもよい。いくつかの実施形態では、補償データ生成回路部240-2は、補償データのデータ値の、表示パネル100の推定総電流TPS及び各画素の位置(X,Y)との対応関係を記述したLUT244-2を備えていてもよい。このような実施形態では、補償データ生成回路部240-2は、LUT244-2へのテーブルルックアップによって補償データを生成するように構成されてもよい。
【0071】
補償データ生成回路部240-2によって生成された補償データは、第2領域102-2の画素のIRドロップ補償を行うために、(図7Bに図示されている)補正回路部228-2に転送される。
【0072】
図11は、一以上の実施形態による、第1表示ドライバ200-1(図11において「左ドライバ」として参照される)と、第2表示ドライバ200-2(図11において「右ドライバ」として参照される)との間の例示的なトランザクションを図示している。図11において、“LSSi j”は、フレーム#jにおける第1領域102-1のセグメント#iの更新直後における第1領域102-1のセグメント#iの推定画素電流の小計を示しており、“RSSi j”は、フレーム#jにおける第2領域102-2のセグメント#iの更新直後における第2領域102-2のセグメント#iの小計を示している。“LTSSi j”は、フレーム#jにおける第1領域102-1のセグメント#iの更新直後における第1領域102-1の推定画素電流の小計を示しており、“RTSSi j”は、フレーム#jにおける第2領域102-2のセグメント#iの更新直後における第2領域102-2の推定画素電流の小計を示している。更に、“TPSi j”は、フレーム#jにおける第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#iの更新直後における表示パネル100全体の推定総電流を示している。
【0073】
第1表示ドライバ200-1(即ち、左ドライバ)の補償回路部226-1は、第1領域102-1の各セグメントの更新直後に第1領域102-1の各セグメントの推定画素電流の小計LSSを決定するように構成され、第2表示ドライバ200-2(即ち、右ドライバ)の補償回路部226-2は、第2領域102-2の各セグメントの更新直後に第2領域102-2の各セグメントの推定画素電流の小計RSSを決定するように構成されている。
【0074】
更に、第1表示ドライバ200-1(即ち、左ドライバ)の補償回路部226-1は、第1領域102-1の各セグメントの更新に応じて第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSを決定及び更新し、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSを示す第1領域総電流データを生成するように構成されている。補償回路部226-1は、更に、該第1領域総電流データを第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2に送信するように構成されている。同様に、第2表示ドライバ200-2(即ち、右ドライバ)の補償回路部226-2は、第2領域102-2の各セグメントの更新直後に第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSを決定、更新し、第2領域102-2の推定画素電流の更新された小計RTSSを示す第2領域総電流データを生成するように構成されている。補償回路部226-2は、更に、該第2領域総電流データを第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1に送信するように構成されている。
【0075】
同様に、第2表示ドライバ200-2(即ち、右ドライバ)の補償回路部226-2は、第2領域102-2の各セグメントの更新に応じて第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSを更新し、第2領域102-2の推定画素電流の更新された小計RTSSを示す第2領域総電流データを生成するように構成されている。
【0076】
第1表示ドライバ200-1の補償回路部226-1と第2表示ドライバ200-2の補償回路部226-2は、更に、第1領域102-1及び第2領域102-2の各セグメントの更新に応じて、第1領域総電流データと第2領域総電流データとに基づいて表示パネル100の推定総電流TPSを更新するように構成されている。上述されているように、表示パネル100の推定総電流TPSは、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSと第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSとの和として決定されてもよい。
【0077】
図示された実施形態では、各セグメント更新期間で決定された各セグメントの推定画素電流の小計は、2セグメント更新期間の遅延をもって推定総電流TPSの決定に反映される。当該2セグメント更新期間の一つは、第1領域総電流データと第2領域総電流データの決定と交換に使用され、もう一つは、第1領域総電流データと第2領域総電流データとに基づく推定総電流TPSの決定に使用される。以下では、第1領域102-1の推定画素電流の小計LTSSと、第2領域102-2の推定画素電流の小計RTSSと、表示パネル100の推定総電流TPSとの例示的な決定について説明する。
【0078】
(1)フレーム#Nのセグメント更新期間#0
一の実装では、推定総電流TPSM-2 N-1が、セグメント更新期間#0における第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#0の画素のIRドロップ補償に使用される。ここで、TPSM-2 N-1は、フレーム#N-1における第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#M-2の更新直後における表示パネル100の推定総電流である。推定総電流TPSM-2 N-1は、フレーム#N-1の最後のセグメント更新期間#M-1において第1表示ドライバ200-1及び第2表示ドライバ200-2の間で交換されたLTSSM-2 N-1及びRTSSM-2 N-1の和として算出される。なお、LTSSM-2 N-1は、フレーム#N-1における第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#M-2の更新直後の第1領域102-1の推定画素電流の小計であり、RTSSM-2 N-1は、フレーム#N-1における第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#M-2の更新直後の第2領域102-2の推定画素電流の小計である。一の実装では、LTSSM-2 N-1は、下記式(1a)に従って決定されてもよく、RTSSM-2 N-1は、下記式(1b)に従って決定されてもよい。
【数1】
ここで、LSSM-1 N-2は、フレーム#N-2における第1領域102-1のセグメント#M-1の更新直後の第1領域102-1のセグメント#M-1の推定画素電流の小計であり、RSSM-1 N-2は、フレーム#N-2における第2領域102-2のセグメント#M-1の更新直後の第2領域102-2のセグメント#M-1の小計である。
【0079】
(2)フレーム#Nのセグメント更新期間#1
一の実装では、推定総電流TPSM-1 N-1が、セグメント更新期間#1における第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#1の画素のIRドロップ補償に使用される。ここで、TPSM-1 N-1は、フレーム#N-1における第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#M-1の更新直後における表示パネル100の推定総電流である。推定総電流TPSM-1 N-1は、フレーム#Nのセグメント更新期間#0において第1表示ドライバ200-1及び第2表示ドライバ200-2の間で交換されたLTSSM-1 N-1及びRTSSM-1 N-1の和として算出される。一の実装では、LTSSM-1 N-1は、下記式(2a)に従って決定されてもよく、RTSSM-1 N-1は、下記式(2b)に従って決定されてもよい。
【数2】
【0080】
(3)フレーム#Nのセグメント更新期間#2~#M-1
一の実装では、推定総電流TPSk-2 Nが、セグメント更新期間#kにおける第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#kの画素のIRドロップ補償に使用される。kは、2からM-1の整数である。ここで、TPSk-2 Nは、フレーム#Nにおける第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#k-2の更新直後における表示パネル100の推定総電流である。なお、パラメータ“k-2”は、2セグメント更新期間の遅延に起因している。推定総電流TPSk-2 Nは、フレーム#Nのセグメント更新期間#k-1において第1表示ドライバ200-1及び第2表示ドライバ200-2の間で交換されたLTSSk-2 N及びRTSSk-2 Nの和として算出される。一の実装では、LTSSk-2 Nは、下記式(3a)に従って決定されてもよく、RTSSk-2 Nは、下記式(3b)に従って決定されてもよい。
【数3】
【0081】
例えば、フレーム#Nのセグメント更新期間#2については、第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#2の画素のIRドロップ補償に使用される推定総電流TPS0 Nが、LTSS0 NとRTSS0 Nの和として決定される。ここで、LTSS0 Nは、フレーム#Nにおける第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#0の更新直後の第1領域102-1の推定画素電流の小計であり、RTSS0 Nは、フレーム#Nにおける第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#0の更新直後の第2領域102-2の推定画素電流の小計である。一の実装では、LTSS0 Nは、下記式(4a)に従って決定されてもよく、RTSS0 Nは、下記式(4b)に従って決定されてもよい。
【数4】
【0082】
上述されたスキームは、第1領域102-1及び第2領域102-2のそれぞれについてM個のセグメントのうちの少なくともM-2個について実際に表示された画像に対応する推定画素電流の小計に基づく表示パネル100の推定総電流の決定を実現し、精度が向上されたIRドロップ補償を提供する。例えば、フレーム#Nにおける第1領域102-1及び第2領域102-2のセグメント#2の更新直後では、セグメント#0~#2に表示される画像はフレーム#Nに対応する画像データに基づいており、セグメント#3~#M-1に表示される画像はフレーム#N-1に対応する画像データに基づいている。上記の式(4a)、(4b)は、LTSS0 N及びRTSS0 Nが、第1領域102-1及び第2領域102-2のそれぞれについて、セグメント#1及び#2以外のM個のセグメントに実際に表示される画像(即ち、セグメント#0及びセグメント#3~#M-1に表示される画像)を反映するように生成されていることを意味している。同じことが、第1領域102-1及び第2領域102-2の他のセグメントについても当てはまる。
【0083】
添付図面に関連する上記の説明は、表示パネルが2つの表示ドライバによって駆動される表示装置に基づいているが、当業者は、本開示の技術的な概念が、3以上の表示ドライバを備える表示装置にも適用されると理解するであろう。例えば、q個(qは3以上の自然数)の表示ドライバによって表示パネルが駆動される実施形態では、表示パネルがq個の領域に区分されてもよく、該q個の表示ドライバが、それぞれ、q個の領域のうちの対応する領域を更新するように構成される。該q個の表示ドライバは、それぞれ、対応する領域の各画素の推定画素電流の小計に対応する領域総電流データを生成するように構成されてもよい。該q個の表示ドライバは、更に、通信バスを介してq個の領域の領域総電流データを共有するように構成されてもよく、該q個の表示ドライバのそれぞれが、他の表示ドライバから領域総電流データを受け取るように構成されてもよい。該q個の表示ドライバのそれぞれは、更に、対応する領域の画像データを受け取り、該画像データに基づいて電圧データを生成し、該電圧データに基づいて対応する領域を更新するように構成されてもよい。該q個の表示ドライバのそれぞれは、更に、電圧データの生成において、各表示ドライバによって生成された領域総電流データに基づいてIRドロップ補償を行うように構成されてもよい。一の実装では、該q個の表示ドライバのそれぞれは、更に、各表示ドライバによって生成された領域総電流データに基づいて表示パネルの推定総電流を決定するように構成されてもよく、IRドロップ補償が、表示パネルの推定総電流に基づいていてもよい。
【0084】
図12の方法1200は、表示パネル(例えば、図4~6に図示されている表示パネル100)を駆動するためのステップを図示している。なお、図12に図示されている一以上のステップが、省略され、繰り返され、及び/又は図12に図示されている順序と異なる順序で実行されてもよい。また、2以上のステップが同時に実施されてもよい。
【0085】
方法1200は、ステップ1202において、第1表示ドライバ(例えば、図4~6に図示されている第1表示ドライバ200-1)によって、表示パネルの第1領域(例えば、第1領域102-1)の各画素の推定画素電流の小計に対応する第1領域総電流データを生成することを含んでいる。方法1200は、更に、ステップ1204において、第2表示ドライバ(例えば、第2表示ドライバ200-2)によって、表示パネルの第2領域(例えば、第2領域102-2)の各画素の推定画素電流の小計に対応する第2領域総電流データを生成することを含んでいる。方法1200は、更に、ステップ1206において、第1領域総電流データを第1表示ドライバから第2表示ドライバに送信することと、ステップ1208において、第2領域総電流データを第2表示ドライバから第1表示ドライバに送信することとを含んでいる。方法1200は、更に、ステップ1210において、第1表示ドライバにより、第1領域に対応する第1画像データに基づいて第1電圧データを生成することを含んでいる。第1電圧データを生成することは、第1領域総電流データと第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含んでいる。方法1200は、更に、ステップ1212において、第2表示ドライバにより、第2領域に対応する第2画像データに基づいて第2電圧データを生成することを含んでいる。第2電圧データを生成することは、第1領域総電流データと第2領域総電流データとに基づくIRドロップ補償を含んでいる。方法1200は、更に、ステップ1214において第1表示ドライバによって第1電圧データに基づいて第1領域を更新することと、ステップ1216において第2表示ドライバによって第2電圧データに基づいて第2領域を更新することとを含んでいる
【0086】
多くの実施形態が説明されているが、本開示の利益を得る当業者は、技術的範囲から離れない他の実施形態が考案可能であることを理解するであろう。従って、発明の技術的範囲は、添付のクレームのみによって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
【外国語明細書】