(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027015
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】駐車場管理サーバおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20230221BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230221BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G06Q30/02 378
G06Q50/10
G07F9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125732
(22)【出願日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2021132270
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】光安 壯介
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 祐治
(72)【発明者】
【氏名】安藤 愛理
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA11
3E044CA04
3E044DE01
3E044DE03
3E044EA01
5L049BB07
5L049CC13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】割引券、クーポン券といったサービス提供を電子化し、使い勝手を向上させることに寄与する駐車場管理サーバを提供する。
【解決手段】駐車場管理サーバは、管理運営の対象となる駐車車室に関する管理データを蓄積する車室管理DBと、駐車車室の予約利用が可能な会員ユーザに関する属性データ、利用料金の精算を実行するための精算データ及び駐車車室の利用履歴を含む会員データを蓄積する会員DBと、駐車場や近隣設備の利用促進のためのクーポンデータを蓄積するクーポンDBと、車室管理DBに対して登録された駐車場に関わる駐車場データ、その駐車場データにおける住所データ及び利用履歴とに基づいて、当該駐車場データを告知するべき会員を抽出し、当該駐車場データに関わるクーポンデータを作成するクーポン作成手段と、クーポン作成手段が作成したクーポンデータを、抽出した会員に係る通信端末へ送信するクーポン送信手段と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場における複数の車室を貸し出して利用料金を徴収するための駐車場管理サーバであって、
管理運営の対象となる駐車車室に関する管理データを蓄積する車室管理データベースと、
駐車車室の予約利用が可能な会員ユーザに関する属性データ。利用料金の精算を実行するための精算データ、および駐車車室の利用履歴を含む会員データを蓄積する会員データベースと、
駐車場の利用促進や駐車場の近隣設備の利用促進のためのクーポンに関するクーポンデータを蓄積するクーポンデータベースと、
前記の車室管理データベースに対して登録された駐車場に関わる駐車場データと、その駐車場データにおける住所データおよび前記の利用履歴とに基づいて、当該駐車場データを告知するべき会員を抽出し、当該駐車場データに関わるクーポンデータとともに、送信すべきクーポンデータを作成するクーポン作成手段と、
そのクーポン作成手段が作成したクーポンデータを、抽出した会員に係る通信端末へ送信するクーポン送信手段と、
を備えた駐車場管理サーバ。
【請求項2】
前記の会員データベースは、会員毎の会員個別データベースを備え、
その会員個別データベースには、前記のクーポン作成手段が作成した当該会員ユーザ用のクーポンデータを蓄積するとともに、
蓄積されたクーポンデータは、当該会員ユーザに係る通信端末からアクセスして閲覧可能とした
請求項1に記載の駐車場管理サーバ。
【請求項3】
前記の会員個別データベースに蓄積したクーポンデータは、クーポンの期限日順またはクーポンにおける経済的価値の高い順にソートするソート手段を備えるとともに、
そのソート手段は、前記の会員ユーザが既に使用したクーポンデータについては、使用済みである旨の表示とともにソートの対象とすることとした
請求項2に記載の駐車場管理サーバ。
【請求項4】
駐車場における複数の車室を貸し出して利用料金を徴収するための駐車場管理サーバにおいて実行されるコンピュータプログラムであって、
前記の駐車場管理サーバには、
管理運営の対象となる駐車車室に関する管理データを蓄積する車室管理データベースと、
駐車車室の予約利用が可能な会員ユーザに関する属性データ。利用料金の精算を実行するための精算データ、および駐車車室の利用履歴を含む会員データを蓄積する会員データベースと、
駐車場の利用促進や駐車場の近隣設備の利用促進のためのクーポンに関するクーポンデータを蓄積するクーポンデータベースと、を備え、
前記のコンピュータプログラムは、
前記の車室管理データベースに対して登録された駐車場に関わる駐車場データと、その駐車場データにおける住所データおよび前記の利用履歴とに基づいて、当該駐車場データを告知するべき会員を抽出する告知会員抽出手順と、
当該駐車場データに関わるクーポンデータとともに、送信すべきクーポンデータを作成するクーポン作成手順と、
そのクーポン作成手順にて作成したクーポンデータを、前記の告知会員抽出手順にて抽出した会員に係る通信端末へ送信するクーポン送信手順と、
を前記の駐車場管理サーバに実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記の会員データベースには、会員毎の会員個別データベースを備えるとともに、 その会員個別データベースには、前記のクーポン作成手段が作成した当該会員ユーザ用のクーポンデータを蓄積することとし、
蓄積されたクーポンデータが当該会員ユーザに係る通信端末からアクセスして閲覧可能とするクーポンデータ閲覧可能化手順をも前記の駐車場管理サーバに実行させることとした
請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記の会員個別データベースに蓄積したクーポンデータは、クーポンの期限日順またはクーポンにおける経済的価値の高い順にソートするソート手順をも前記の駐車場管理サーバに実行させることとし、
前記のソート手順においては、前記の会員ユーザが既に使用したクーポンデータについては、使用済みである旨の表示およびソートの対象とした
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
駐車場における複数の車室を貸し出して利用料金を徴収するための駐車場管理サーバと通信をする通信端末にて実行されるコンピュータプログラムであって、
予め会員登録をした会員ユーザに付与されたIDおよび会員が設定したパスワードを含むログインデータを前記の駐車場管理サーバへ送信するログインデータ送信手順と、
前記のログインデータを受信した駐車場管理サーバがログインを許諾する場合に前記の通信端末へ送信するログイン許諾データを受信するログイン許諾受信手順と、
前記の駐車場管理サーバにおいて蓄積されている会員ユーザの属性データおよび前記の駐車場管理サーバが管理する駐車車室の利用履歴を含む会員個別データベースへアクセス可能なマイページ閲覧手順と、
を前記の通信端末に実行させることとし、
前記のマイページ閲覧手順には、当該会員ユーザが利用可能なクーポンに関するクーポンデータを前記の通信端末において出力可能なクーポン出力手順を含むこととしたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を利用する人に提供されるチケットやサービス券を電子化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場をビジネスとして展開する場合、土地オーナーが自ら駐車場を管理して経営することもあるが、駐車場管理会社が土地オーナーからの委託を受けて管理運営する場合も多い。
以下、
図1から
図3を用いて、現状の駐車場ビジネスの概要や課題について説明する。
【0003】
(
図1)
図1には、駐車場を新設し、それを告知宣伝する場合について、土地オーナー、その土地オーナーから駐車場の管理運営を委託された管理会社、その管理会社が提供する駐車場を利用するために会員登録をした登録済み会員との関係を示している。
【0004】
土地オーナーが管理会社へ、ある土地(図中では「品川区五反田西31-2」としている)を委託する契約を締結したとする。そして、管理会社は、その委託を受けた土地を用いて月極契約を3車室、時間貸しを4車室の駐車場を整備したとする。管理会社は、自らが管理運営する駐車場管理サーバにおいて、土地オーナーデータベースに、土地オーナーの属性情報や、土地オーナーから委託を受けた土地の住所などのデータを蓄積する。
【0005】
管理対象となった駐車場は、車室ごとの貸し出しについての管理をするため、車室管理データベースに登録し、貸し出し状況や予約状況などのデータを常に更新する。
貸し出しの対象となる車室については、予め会員登録を済ませた登録済み会員(会員ユーザ)が、未登録の利用者よりも有利に借りられるような運営とすることが合理的である。たとえば、登録済み会員のみが予約をして駐車車室を借りられる、未登録会員よりも安い価格で借りられる、などの会員特典を用意している。
なお、登録済み会員に関する属性データや利用履歴データなどは、会員データベースに蓄積している。
【0006】
さて、新規オープンとなった品川区五反田西31-2という駐車場は、近隣にフライヤー(チラシ)を配布するといった古典的な告知手段は欠かせない。加えて、会員登録を済ませた会員の属性データの中に、通信端末のアドレスがあれば、それを用いた電子メールを一斉配信することで会員全員に告知することができる。このメール一斉配信は、フライヤーを用いる告知方法に比べ、紙媒体が不要、フライヤーの配布人員が不要、といったメリットがある。
【0007】
(
図2)
図2は、駐車場の精算機が発券する割引券や、駐車場の近隣店舗などにおいて発光される割引チケットなどについて示している。
【0008】
図2(a)では、駐車料金を精算した駐車場ユーザに対して、次回の駐車において使える割引券を精算機が発券する様子を示している。割引券には、有効期限や割引金額などのデータを格納した磁気テープが付属している。
図2(b)では、駐車場ユーザが駐車場の近隣にあるショッピングセンター(S.C.)にて買い物をした場合、買い物の金額に応じた所定時間の駐車料金が無料となる、という割引チケットが手渡される様子を示している。
【0009】
(
図3)
図3は、特許文献1に開示されているETC搭載車両に対するクーポン券の発行技術の概要を示している。
この技術では、ETC(Electronic Toll Collection System)車載機を搭載した車両か否かを判別し、搭載車両に対して、クーポン券を発券することで、ETCを最大限に活用することに寄与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図1に示す技術では、登録済み会員に対して無差別な告知をしているに過ぎない。すなわち、新規にオープンした駐車場を告知されたとしても、居住地および仕事関係の地域からあまりに離れている会員にとっては意味のない情報である。紙資源や人的な労力があまり掛かっていないとしても、自分に無関係な情報が押しつけられることを快く思わない会員は、少なくない。
【0012】
支払い方法の多様化に合わせ、精算機は、現金払いの他、クレジットカードによる決済、電子マネーによる決済などに対応できるように進化している。
その一方で、
図2に示す技術は、紙媒体に印字された割引券は、物理的な存在であるがゆえの分かりやすさ、確かさなどのメリットがある反面、紛失のおそれ、保管の面倒さなどのデメリットもある。特に、割引券を複数受け取ったユーザは、その保管が面倒であるだけでなく、多くの割引券に設けられている有効期限が複数存在することとなり、その管理を面倒に感じている(結果として、有効活用されない割引券は少なくない)。駐車場管理者としては、紙媒体や印刷インクなどの補充、紙詰まりなどのトラブル対応も必要である。
【0013】
図3に示した技術は、ペーパークーポン(紙媒体)と電子クーポンの発行を使い分けることができる。しかし、ETC車載機を搭載していてスマートフォンを携帯しない会員ユーザは、現在では僅少であり、ペーパークーポン発行も可能である、という技術的な意義は小さくなっている。
【0014】
本発明が解決すべき課題は、割引券、クーポン券といったサービス提供を電子化し、使い勝手を向上させることに寄与する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記した課題を解決するため、駐車場管理サーバに係る第一の発明、駐車場管理サーバを制御するコンピュータプログラムに係る第二の発明、駐車場管理サーバとの通信をする会員ユーザの通信端末において実行されるコンピュータプログラムに係る第三の発明を提供する。
【0016】
(第一の発明)
第一の発明は、駐車場における複数の車室を貸し出して利用料金を徴収するための駐車場管理サーバに係る(
図4参照)。
その駐車場管理サーバは、
管理運営の対象となる駐車車室に関する管理データを蓄積する車室管理データベースと、
駐車車室の予約利用が可能な会員ユーザに関する属性データ。利用料金の精算を実行するための精算データ、および駐車車室の利用履歴を含む会員データを蓄積する会員データベースと、
駐車場の利用促進や駐車場の近隣設備の利用促進のためのクーポンに関するクーポンデータを蓄積するクーポンデータベースと、
前記の車室管理データベースに対して登録された駐車場に関わる駐車場データと、その駐車場データにおける住所データおよび前記の利用履歴とに基づいて、当該駐車場データを告知するべき会員を抽出し、当該駐車場データに関わるクーポンデータとともに、送信すべきクーポンデータを作成するクーポン作成手段と、
そのクーポン作成手段が作成したクーポンデータを、抽出した会員に係る通信端末へ送信するクーポン送信手段と、
を備える。
【0017】
(用語説明)
「利用履歴」とは、どの駐車場を、いつ、どのくらい利用したか、といったデータである。たとえば、駐車場の住所から新規に登録された駐車場の住所までの距離が所定範囲内であれば、その新規に登録された駐車場を利用して貰える可能性のある会員である旨が推測でき、「クーポン作成手段」が駐車場データを告知すべき会員として抽出することとなる(
図4参照)。
【0018】
また、予約していた駐車場が使えないというトラブルに対応する場合には、予約に係る駐車場の近隣にある代替駐車場において利用できるクーポン(電子チケット)を、予約をしていた会員ユーザに対して発行、送信することとなる(
図12参照)。
【0019】
(作用)
管理運営の対象となる駐車車室に関する管理データを車室管理データベースへ蓄積する。 駐車車室の予約利用が可能な会員ユーザに関する会員の属性データ。利用料金の精算を実行するための精算データ、および駐車車室の利用履歴を含む会員データを、会員データベースへ蓄積する。 駐車場の利用促進や駐車場の近隣設備の利用促進のためのクーポンに関するクーポンデータを、クーポンデータベースへ蓄積する。
車室管理データベースに対して登録された駐車場に関わる駐車場データと、その駐車場データにおける住所データおよび前記の利用履歴とに基づいて、当該駐車場データを告知するべき会員を抽出し、当該駐車場データに関わるクーポンデータとともに、送信すべきクーポンデータをクーポン作成手段が作成する。 そのクーポン作成手段が作成したクーポンデータは、クーポン送信手段が抽出した会員に係る通信端末へ送信する。
【0020】
会員ユーザとしては、利用する可能性のある駐車場のデータが送信されてくることとなる。換言すれば、利用する可能性の低い駐車場データの送信は抑制されている。したがって、無駄なデータを受信することが抑制されることとなる。 本願の駐車場管理サーバの運営者としては、無駄なデータ送信を抑制できることとなり、サーバや通信設備への負荷を減らすことができる。
【0021】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の会員データベースは、会員毎の会員個別データベースを備え、 その会員個別データベースには、前記のクーポン作成手段が作成した当該会員ユーザ用のクーポンデータを蓄積するとともに、
蓄積されたクーポンデータは、当該会員ユーザに係る通信端末からアクセスして閲覧可能とするのである(
図5参照)。
【0022】
(作用)
会員個別データベースは、クーポン作成手段が作成した当該会員ユーザ用のクーポンデータを蓄積しており、会員ユーザは、自らに係る通信端末にて、自らに係るクーポンデータを閲覧することができる。
取得したクーポンが散逸することなく、有効活用に寄与することとなる。
【0023】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明における前記のバリエーション1は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の会員個別データベースに蓄積したクーポンデータは、クーポンの期限日順またはクーポンにおける経済的価値の高い順にソートするソート手段を備えるとともに、
そのソート手段は、前記の会員ユーザが既に使用したクーポンデータについては、使用済みである旨の表示とともにソートの対象とするのである(
図6参照)。
【0024】
「ソート手段」は、たとえば、標準として期限日が近い順にクーポンデータをソートしておき、会員ユーザの操作によって、たとえば経済的価値の高い順にクーポンデータをソートすることとする。
【0025】
(作用)
会員個別データベースに蓄積したクーポンデータに対しては、ソート手段がクーポンの期限日順またはクーポンにおける経済的価値の高い順にソートする。
また、会員ユーザが既に使用したクーポンデータについては、使用済みである旨の表示とともにソートの対象とする。使用済みの表示は、それを閲覧した会員ユーザに、一種の達成感を与えるので、未使用のクーポンデータの使用を促す効果が期待できる。
【0026】
(第二の発明)
第二の発明は、第一の発明に係る駐車場管理サーバ、すなわち、駐車場における複数の車室を貸し出して利用料金を徴収するための駐車場管理サーバにおいて実行されるコンピュータプログラムに係る。
前記の駐車場管理サーバには、
管理運営の対象となる駐車車室に関する管理データを蓄積する車室管理データベースと、
駐車車室の予約利用が可能な会員ユーザに関する属性データ。利用料金の精算を実行するための精算データ、および駐車車室の利用履歴を含む会員データを蓄積する会員データベースと、
駐車場の利用促進や駐車場の近隣設備の利用促進のためのクーポンに関するクーポンデータを蓄積するクーポンデータベースと、を備えている。
前記のコンピュータプログラムは、
前記の車室管理データベースに対して登録された駐車場に関わる駐車場データと、その駐車場データにおける住所データおよび前記の利用履歴とに基づいて、当該駐車場データを告知するべき会員を抽出する告知会員抽出手順と、
当該駐車場データに関わるクーポンデータとともに、送信すべきクーポンデータを作成するクーポン作成手順と、
そのクーポン作成手順にて作成したクーポンデータを、前記の告知会員抽出手順にて抽出した会員に係る通信端末へ送信するクーポン送信手順と、
を前記の駐車場管理サーバに実行させる。
【0027】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の会員データベースには、会員毎の会員個別データベースを備えるとともに、
その会員個別データベースには、前記のクーポン作成手段が作成した当該会員ユーザ用のクーポンデータを蓄積することとし、
蓄積されたクーポンデータが当該会員ユーザに係る通信端末からアクセスして閲覧可能とするクーポンデータ閲覧可能化手順をも前記の駐車場管理サーバに実行させることとするのである。
【0028】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明における前記のバリエーション1は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の会員個別データベースに蓄積したクーポンデータは、クーポンの期限日順またはクーポンにおける経済的価値の高い順にソートするソート手順をも前記の駐車場管理サーバに実行させることとするのである。
そして、前記のソート手順は、前記の会員ユーザが既に使用したクーポンデータについては、使用済みである旨の表示およびソートの対象とするのである。
【0029】
(第三の発明)
第三の発明は、駐車場における複数の車室を貸し出して利用料金を徴収するための駐車場管理サーバと通信をする通信端末にて実行されるコンピュータプログラムに係る(
図9参照)。
そのコンピュータプログラムは、
予め会員登録をした会員ユーザに付与されたIDおよび会員が設定したパスワードを含むログインデータを前記の駐車場管理サーバへ送信するログインデータ送信手順と、
前記のログインデータを受信した駐車場管理サーバがログインを許諾する場合に前記の通信端末へ送信するログイン許諾データを受信するログイン許諾受信手順と、
前記の駐車場管理サーバにおいて蓄積されている会員ユーザの属性データおよび前記の駐車場管理サーバが管理する駐車車室の利用履歴を含む会員個別データベースへアクセス可能なマイページ閲覧手順と、
を前記の通信端末に実行させることとし、
前記のマイページ閲覧手順には、当該会員ユーザが利用可能なクーポンに関するクーポンデータを前記の通信端末において出力可能なクーポン出力手順を含むこととする(
図8参照)。
【0030】
第三の発明は、後述するようにダウンロードしてインストールすることで使うアプリケーションプログラムとする場合の他、駐車場管理サーバが開設したウェブページ上で、通信端末のブラウザにて実行される場合もある。
【0031】
第二の発明および第三の発明に係るコンピュータプログラムは、記録媒体に保存して配布したり、インターネットなど通信回線を介してダウンロードさせたりすることも可能である。なお、記録媒体としては、ハードディスク、CD-R、MO(光磁気ディスク)、DVD-Rなどがある。
【発明の効果】
【0032】
第一の発明によれば、割引券、クーポン券といったサービス提供を電子化し、使い勝手を向上させることに寄与する駐車場管理サーバを提供することができた。
また、第二の発明によれば、割引券、クーポン券といったサービス提供を電子化し、使い勝手を向上させることに寄与する駐車場管理サーバを制御するためのコンピュータプログラムを提供することができた。
また、第三の発明によれば、割引券、クーポン券といったサービス提供を電子化し、使い勝手を向上させることに寄与する会員ユーザ向けのアプリケーションプログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】駐車場を新設した場合に告知宣伝の手法を示す概念図である。
【
図2】割引チケットの発行シーンを示す概念図であり、(a)が精算機からの発行、(b)が駐車場近傍の商業施設における発行をそれぞれ示す。
【
図3】特許文献1に開示された技術の主要部を示す概念図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る電子クーポンの発行手順を示す概念図である。
【
図5】発行された電子クーポンを会員ユーザA氏が、「マイページ」にて確認する場面を概念的に示した図である。
【
図6】会員ユーザが自分の使える電子クーポンの一覧を自らの通信端末に表示させた例を示した図である。
【
図7】会員ユーザが、電子クーポンを使うために精算機の二次元バーコードリーダに読み取らせるための二次元バーコードを画面出力させた通信端末の画面を示した図である。
【
図8】精算機の出力画面に表示される表示例を示す概念図である。
【
図9】会員ユーザの専用アプリの機能を示すためのブロック図である。
【
図10】初めてのログインなどにおいて電子チケット(割引券、クーポンなど)を付与するサービスについて説明した概念図である。
【
図11】予約した駐車場に対して不正な駐車があった場合の、従来の対処法について説明した概念図である。
【
図12】予約した駐車場に対して不正な駐車があった場合の、対処法として電子チケットを用いる場合について説明した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を実施の形態及び図面に基づいて、更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、
図4から
図12である。
図1については、
図4の前提となるので、随時参照する。
【0035】
(
図4)
図4は、本発明の実施形態に係る電子クーポンの発行手順を示している。
図1に示したように、土地オーナーが管理会社へ、ある土地(図中では「品川区五反田西31-2」としている)を委託する契約を締結したとする。そして、管理会社は、その委託を受けた土地を用いて月極契約を3車室、時間貸しを4車室の駐車場を整備したとする。管理会社は、自らが管理運営する駐車場管理サーバにおいて、土地オーナーデータベース(図示を省略)に、土地オーナーの属性情報や、土地オーナーから委託を受けた土地の住所などのデータを蓄積する。
【0036】
新たに管理対象となった新設の駐車場(「品川区五反田西31-2」、月極契約3車室、時間貸し4車室)は、車室ごとの貸し出しについての管理をするため、車室管理データベースに登録し、貸し出し状況や予約状況などのデータを常に更新する。
【0037】
駐車場管理サーバには、管理対象となる駐車場の利用促進に関わるクーポンの必要なクーポンデータ(クーポン対象者となるための条件、クーポンの特典内容、クーポンの有効期限など)を蓄積するクーポンデータベースを備えている。このクーポンデータベースに蓄積されるクーポンデータは、駐車場の近隣にある商業施設などが提供するクーポンのほか、駐車場管理サーバの運営者が自ら駐車場の利用促進のために作成するクーポンも含む。この
図4では、新設された品川区五反田西31-2という住所の駐車場の近隣施設から提供されたクーポンデータをクーポンデータベースに蓄積している様子を図示している。
【0038】
時間貸しの車室について、予約をしたり利用料金の決済をまとめてしたりできるといったメリットのある会員登録を済ませている駐車場ユーザを、会員ユーザとする。その会員ユーザに関する属性データや利用履歴データなどは、会員データベースに蓄積している。
【0039】
会員データベースにおける駐車車室の利用履歴に、A氏が品川区五反田の近傍において、所定の頻度よりも高く利用していたという事実があったとする。そうした利用履歴と、新規の駐車場の告知と、その新規の駐車場利用が標準価格よりも安く利用できるクーポンとを組み合わせることで、クーポン作成手段が会員A氏に向けたクーポンを作成する。そして、作成したA氏用クーポンを、クーポン送信手段が、A氏に係る情報端末へ送信する。
【0040】
A氏に届いた告知データおよびクーポンの内容は、図中の右中央に「吹き出し」として図示している。
新規にオープンする駐車場のオープン日、住所、車室の構成という告知データに加え、2種類のクーポンが用意されている。一つは、駐車場利用の割引料金が適用される「期間限定クーポン」であり、もう一つは、その駐車場の近隣にあるデパートのクーポンである。
クーポンの詳細は、ハイパーリンクによって閲覧することができるようにしてある(図中では、「クーポンゲットはココ」という表示)。
【0041】
クーポン作成手段は、会員データベースによる利用履歴のほか、会員ユーザの住所地、勤務地などを探索し、新設された駐車場を利用する可能性がありそうな属性データがある場合には、新設駐車場の告知を送信する送信先として抽出することとしている。
【0042】
換言すれば、利用履歴、住所地、勤務地のいずれも新設駐車場とは全く無関係であれば、新設駐車場の告知が送信されてくることはない。すなわち、会員ユーザとしては、無関係な情報の受信によって煩わしさを覚える場面を減らすことができる。
駐車場管理サーバの運営者としても、送信先を絞ることで、通信に必要なコストや設備規模などを抑制することができる、というメリットがある。
【0043】
(
図5)
図5は、
図4にも示したクーポン作成手段が作成した電子クーポンを、会員ユーザに向けて送信するのではなく、会員ユーザ毎に構築した会員個別データベース(図中では「A氏の会員データベース」と表示)に格納する場合を示している。
【0044】
なお、精算機からも「精算終了に伴う新たなクーポン」が会員個別データベースから送信されているように図示しているが、これについては、
図8とともに後述する。
【0045】
ある会員ユーザ(この図では、会員A氏)のために電子クーポンを発行した場合、会員データベースの中に構築した会員個別データベース(A氏の会員データベース)に当該電子クーポンを格納する。会員であるA氏は、その会員権限を用いて自らのデータベースにアクセスすることができる。そのアクセスできるインターネット上のページが「マイページ」であり、手続、(取得した)ポイント、各種サービス、その他などのメニューに分類されている。
【0046】
図中の右側には、会員A氏が「マイページ」の初期画面にアクセスし、「各種サービス」というメニューを選択した場合を示している。
「各種サービス」というメニューは、更に、「お得なチケット」、「お気に入り駐車場」、「新規オープン駐車場」といったサブメニュー(通信端末の操作者が画面をタップすれば次の操作が可能となるアクティブボタン)が構築されている。A氏は、「お得なチケット」というボタンをタップすることで、
図6のような画面を得ることができる。
【0047】
(
図6)
図6は、
図5における「お得なチケット」というボタンをタップした会員ユーザが、自分の使える電子クーポンの一覧を自らの通信端末に表示させた例示画面である。
【0048】
画面の上部分には、「期限順」、「金額順」、「距離順」といったソートボタンが用意されており、図中で示しているのは、標準設定されている「期限順」による電子クーポンである。ソートボタンは、最後に使ったボタンが次の表示の際に標準設定されるようにプログラミングされているが、本願発明はそれに限られるものではない。
【0049】
期限内の電子クーポンが画面上では3枚表示されているが、最下段の電子クーポンは既に使用済みである旨を示す「使用済み」の文字が浮かび、電子クーポンの概要は、文字が薄く表示されている。
【0050】
既に使った電子クーポンを、敢えて「使用済み」という表示とともにソートされた画面へ表示させることとしているのは、閲覧した会員ユーザに、一種の達成感を与えるので、未使用のクーポンデータの使用を促す効果が期待できるからである。
【0051】
なお、図示を省略しているが、使用済みの電子クーポンは、誰がどこでいつ使用したか、といった使用履歴データを、クーポンデータベースに蓄積することとしている。このデータ蓄積によって、より使ってもらいやすい、あるいは事業者にとってメリットが大きい電子クーポンの企画内容(割引額、設定すべき期限、特典内容など)を案出するためのデータとして有効活用することができる。
【0052】
(
図7)
図7は、
図6における「最上位に位置していた電子クーポン」を会員ユーザがタップした場合に、自らの通信端末に表示させる例示画面である。
通信端末の中央に表示される二次元バーコードは、精算機における二次元バーコードリーダを使うと、精算機が読み取ることができる。
【0053】
(
図8)
図8は、駐車場を利用した者がその駐車場に設置されている精算機によって駐車場利用料金を精算する場面を示す。そして、
図7にて会員ユーザに係る通信端末へ出力された電子クーポン内容を示す二次元バーコードを、精算機が読み取る場面を概念的に示している。
【0054】
利用料金の生産方法が多様化しているため、図示例では、電子マネー、クレジットカード、現金、ビジネスカード、クーポン券・サービス券、ポイント使う・貯める、という6種類を出力パネルに表示している。そして、駐車場ユーザが「クーポン券・サービス券」をタッチした場合には、図中の下に示すような表示が、精算機の出力パネルに表示される。
【0055】
表示されるのは、「お手元のスマートフォンに、電子クーポンがある場合には、その電子クーポンを示す二次元バーコードを表示させ、下の二次元バーコードリーダにかざして下さい。」という文字と、電子クーポンを示す二次元バーコードを表示させたスマートフォンの図柄と、精算機における二次元バーコードリーダのある場所への矢印である。
【0056】
なお、図示は省略しているが、この駐車料金精算が終了したことによって、新たなクーポンが発行される場合がある。その新たに発行されたクーポンは、精算機の出力パネルに二次元バーコードとして表示され、ユーザが起動させたスマートフォンのカメラ機能(バーコードリーダ機能)にて読み取って保存することとしても良い。そして、この時に発行した電子クーポンを受け取るべき対象者が会員登録を済ませたユーザである場合には、駐車場管理サーバへも、電子クーポンを送信する(
図5参照)。精算機が駐車場管理サーバとは別に(独立して)電子クーポンを発行したい場合に、有効な機能である。
【0057】
(
図9)
図9は、会員ユーザの専用アプリの機能を示すため、会員ユーザ(A氏)に係る通信端末において実行される機能と、その機能との関係で情報の授受を実行する駐車場管理サーバと、を示す。
【0058】
通信端末において、会員専用アプリケーションプログラムを起動させると、ログインデータの入力を促す画面が出力される(ログインデータ入力手段)。画面に従って、会員IDとパスワードを入力したら、ログインボタンを押す(ログインデータ送信手段)。すると、会員IDとパスワードによるログインデータが駐車場管理サーバへ送信され、ログインデータ受信手段が受信する。ログインデータが適正か否かを、会員データベースを用いてログイン可否判断手段が判断し、判断結果を返信する。ログインデータが適正であれば、ログインが許諾される(ログイン許諾受信手段)。
【0059】
会員は、駐車場の予約をすることができる。その機能を使用すると、車室管理データベースにおいて会員向けに公開されている駐車場の空き情報が閲覧できる。閲覧の際に予約したい日時や場所を入力し、検索する(予約データ検索入力手段)。
【0060】
希望する駐車場を抽出できたら、駐車場管理サーバへ予約データを送信する(予約データ送信手段)。予約データは駐車場管理サーバの予約データ受信手段が受信し、予約可否判断手段が車室管理データベースを用いて予約の可否を判断する。予約可能であれば、予約確定データを返信するとともに、車室管理データベースおよび会員データベースへ格納する。
【0061】
予約確定データは、会員A氏に係る通信端末における予約可否受信手段が受信し、マイデータベースに格納される。格納された日時の直前には、アラーム手段が起動し、予約の遂行を促すこととしている。アラーム手段が起動する時刻は、会員ユーザであるA氏が設定可能である。たとえば、予約時刻の15分前、といった設定を予めしておけばよい。
【0062】
マイページ閲覧手段は、駐車場管理サーバ内に設定されたA氏用の会員データベースにおける所定の公開情報を閲覧できる機能である。
たとえば、自分が取得している電子クーポンの一覧を表示させ(
図6参照)、必要な電子クーポンを通信端末の画面に出力させることができる(
図7参照)。
【0063】
前述してきた実施形態によれば、会員登録を済ませたユーザとしては、クーポンや駐車券を電子化して自らの通信端末に保存しておいたり、駐車場管理サーバが提供するマイページにおいて必要に応じて入手したりすることができる。そのため、紙媒体のクーポンやチケットと異なり、散逸、紛失しにくく、使い忘れも起こしにくい。印刷や紙媒体の出力時間がないため、チケット発行までの時間が短く、ユーザの待ち時間も減らすことができる。
【0064】
クーポン内容を多様化することも容易である。たとえば、一つの電子チケットであっても、複数の駐車場で使えるようにするのは、容易である(紙媒体の場合、使用済みスタンプを押印する欄を設けるなど、運用面が複雑になる)
【0065】
駐車場管理サーバの運営者としては、紙媒体の削減によって、クーポンの発行に伴う経費(紙媒体の補充費用や印刷機能の故障メンテナンス費用などを含む)を削減できる。また、使われたクーポンと使われなかったクーポンとについて、データを残すことができる。
【0066】
(
図10)
図10では、電子チケットを付与する場合について、前述してきた実施形態とは別の場面を示している。
図中、「会員DB権パーキングeチケット付与システム」としているのは、
図4等にて図示してきた駐車場管理サーバ(の一部)である。
【0067】
図10(a)は、会員専用のアプリケーションプログラム(以下、「会員専用アプリ」と略記する)をダウンロードしたユーザが、会員登録を済ませた後に初めてログインした場合に、電子チケットを付与する旨を示している。会員登録を初めてする者に対する動機付けとなり、間接的ではあるが、会員登録数の増加に寄与することが期待できる。
【0068】
ログイン時には、会員登録の際に定められた会員IDとパスワードを使って自らの情報端末にてログインするのであるが、その会員IDは、駐車場管理サーバにおける会員データベースに蓄積されている。その会員データベースにアクセスし、初めてのログインであるか否かを判断し、初めてのログインであれば、駐車場の利用時に使える割引クーポンを電子チケットとして送信するのである。
【0069】
図10(b)は、会員が駐車場を利用した際にキャッシュレスで決済するため、会員専用アプリにおいて必要なクレジットカード情報を登録した場合に、電子チケットを付与する旨を示している。クレジットカード登録を初めてする者に対する動機付けとなり、間接的ではあるが、キャッシュレス決済数の増加に寄与することが期待できる。
【0070】
駐車場の利用時の利用金額の決済を簡易化したい、キャッシュレスで精算したい、という場合、会員登録データに、駐車場の利用料金を精算するためのクレジットカード情報を、会員は自らの情報端末を使って追加登録する。その追加登録が初めてであるか否か、は、駐車場管理サーバにおいて会員データベース内にクレジットカード情報の登録がない旨が確認できれば、初めてのクレジットカード登録であることが判断できる。初めてのクレジットカード登録であるならば、駐車場の利用時に使える割引クーポンを電子チケットとして送信するのである。
【0071】
図10(c)は、会員が会員専用アプリにて駐車場料金を精算した場合に、電子チケットを付与する旨を示している。
【0072】
会員専用アプリにて駐車場料金を精算する旨の意思表示を会員が通信端末を介して行った場合、駐車場管理サーバでは、その意思表示を受信する。そして、クレジットカード決済サーバ(図示を省略)にアクセスして決済可能か否かなどを確認したら、電子チケットを付与する。
クレジットカード決済の度に電子チケットを発行付与するのではなく、所定回数毎に発行するなど、クーポン発行の費用対効果を勘案しつつ発行することとする。
【0073】
図10に示した電子チケットの付与例は、会員データベースにおける会員の利用履歴データとの関連が薄い電子チケットの付与例となる。利用履歴がない、という事実確認を用いているのであり、会員データベースへのアクセスが不要となるわけではない。
【0074】
(
図11)
図11では、予約していた駐車場に不正な駐車がされてしまった場合の、従来のフォローアップ手順を示している。
【0075】
会員が日時および駐車場を指定して駐車場予約を完了したものの(
図11(a))、その予約に係る駐車場へ予約していない車両が駐車してしまうという事態が発生することがある(
図11(b))。この場合、会員はコールセンターへ駐車できない旨を連絡する(
図11(c))。コールセンターでは、オペレータが端末を操作して駐車場管理サーバにアクセスし、予約の取消、予約に係る料金の返金手続を行う。加えて、近隣の駐車場の空き状況を検索し、空いている駐車場を案内する(
図11(d))。
【0076】
しかしながら、案内される駐車場は当日料金となり、事前予約をした料金よりも割高となってしまうことがある。それでは、会員ユーザとしては納得しがたい。予約が遂行されなかった上に割高な料金で駐車することとなってしまうからである。
【0077】
(
図12)
図12では、
図11に示した問題点を解決するため、(c)および(d)の手順を変更し、会員ユーザのフォローをより良くすることを意図した手順(c’)、(d’)を示している。
【0078】
コールセンターのオペレータは、会員ユーザから会員IDを聞き出す(1)。そして、その会員IDを用いて予約駐車場を確認し、その予約を取り消す。また、予約を取り消した駐車場の近隣において、代替となる駐車場を検索する(2)。代替となる駐車場が見つかった場合、その駐車場を会員ユーザに対して紹介し、その代替駐車場で良いか否か、の承諾を得る(3)。
【0079】
承諾を得た場合、その駐車場を利用する場合の料金支払い用チケットを、駐車場管理サーバが発行し、コールセンター端末を介して会員ユーザ端末へ送信する。料金支払い用チケットを自らの通信端末にて受信した会員ユーザは、代替駐車場の利用料金を、その料金支払い用チケットにて済ませることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、駐車場を伴うサービス業全般において利用可能性がある。また、駐車場の管理業、駐車場の付帯設備の製造業、駐車場の付帯設備に関するコンピュータソフトウェアを作成するソフトウェア産業、携帯情報端末向けのアプリケーションプログラムを作成するソフトウェア産業においても、利用可能性がある。