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特開2023-27066オレキシン受容体拮抗薬の結晶形及びその製造方法並びに用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027066
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】オレキシン受容体拮抗薬の結晶形及びその製造方法並びに用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20230221BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230221BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20230221BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
A61K31/506
A61P25/20
A61P43/00 111
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022182194
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2020504160の分割
【原出願日】2018-07-31
(31)【優先権主張番号】201710648135.2
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521299329
【氏名又は名称】ベルゲン ファーマシューティカル、 エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Bergen Pharmaceutical, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ミンホア
(72)【発明者】
【氏名】チャン、イェンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、チュンシアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シアオユイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オレキシン受容体拮抗薬の結晶形、その製造方法、及び用途を提供する。
【解決手段】7.8°±0.2°、15.6°±0.2°、11.4°±0.2°の2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする、E-2006の結晶形CS2を提供する。当該結晶形を含む医薬組成物、及びオレキシン受容体拮抗薬、不眠症及び不規則睡眠・覚醒リズム障害治療用の医薬製剤を製造するための当該結晶形の使用も提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
7.8°±0.2°、15.6°±0.2°、11.4°±0.2°の2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする、E-2006の結晶形CS2。
【請求項2】
12.5°±0.2°、21.3°±0.2°、27.3°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする、請求項1に記載の結晶形CS2。
【請求項3】
24.0°±0.2°、19.4°±0.2°、22.3°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする、請求項1に記載の結晶形CS2。
【請求項4】
請求項1に記載のE-2006の結晶形CS2の製造方法であって、
(1)化合物(I)である原料を良溶媒に溶解し、化合物(I)を含む溶液とした後、貧溶媒を当該溶液に緩やかに滴下し、撹拌して晶析させること、又は
(2)化合物(I)である原料をケトン系溶媒に溶解し、緩やかに揮発させること、又は
(3)化合物(I)である原料をニトリル系溶媒に溶解し、イオン液体を加えて誘導した後、緩やかに揮発させること、
を含むことを特徴とする、製造方法。
【請求項5】
前記(1)において、前記良溶媒はアルコール系溶媒で、前記貧溶媒は水であり、
前記(2)において、前記ケトン系溶媒はアセトンであり、
前記(3)において、前記ニトリル系溶媒はアセトニトリルであり、前記イオン液体は1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、又は1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、又は1,3-ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェートである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記(1)において、前記アルコール系溶媒はメタノールである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
治療上有効な量の請求項1に記載の結晶形CS2と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項8】
オレキシン受容体拮抗薬の医薬製剤を製造するための請求項1に記載の結晶形CS2の使用。
【請求項9】
不眠症及び/又は不規則睡眠・覚醒リズム障害の治療薬を製造するための請求項1に記載の結晶形CS2の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬化学の分野に関する。具体的には、オレキシン受容体拮抗薬の結晶形及びその製造方法並びに用途に関する。
【背景技術】
【0002】
E-2006(Lemborexant)はエーザイ社により開発された、臨床的に不眠症の治療に使用されるものである。研究により、オレキシン系は睡眠覚醒サイクルの重要な調節因子であり、オレキシン受容体拮抗薬は不適切なタイミングでの夜間の覚醒をブロックし、通常の睡眠覚醒サイクルを促進する可能性があることが示されている。E-2006はオレキシン受容体拮抗薬であり、臨床試験では、E-2006は、不眠症患者の睡眠効率を大幅に改善することができ、より早く眠りにつくことや、夜に起きる時間が短くなることなどの効果が挙げられる。さらに、E-2006は、アルツハイマー病患者の不規則睡眠・覚醒リズム障害の治療に大きな可能性を示している。一般的な不眠症とは異なる不規則睡眠・覚醒リズム障害においては、まだ満足されていない医療上の要望がある。
【0003】
E-2006の化学名は(1R,2S)-2-{[(2,4-ジメチルピリミジン-5-イル)オキシ]メチル}-2-(3-フルオロフェニル)-N-(5-フルオロピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(以下、「化合物(I)」という。)であり、その構造式は次のとおりである。
【0004】
【化1】
【0005】
これまで化合物(I)の結晶形の情報に関する報告はない。特許CN103153963Bには化合物(I)の構造及びその製造方法が開示され、発明者は該文献に開示された製造方法により化合物(I)のアモルファス固体を得た。本発明の結晶形に比較して、このアモルファス固体は、安定性が悪く、密度が低く、流動性が悪いため、製剤調製の観点から好適ではない。さらに、アモルファスは最も熱力学的に不安定な固体形態であり、変換や分解が発生しやすく、化合物の化学純度が低下する。また、アモルファスの製造は通常、高速の動的固体沈殿の過程であり、標準を超える残留溶媒が生じやすく、その粒子特性をプロセスにより制御することは困難である。
【0006】
本発明者らは、優れた特性を有する化合物(I)の結晶形CS2を見出した。前記結晶形CS2は安定性、融点、溶解性、インビトロ及びインビボでの溶出、吸湿性、生物学的利用能、付着性、圧縮性、流動性及び加工性、精製効果、製剤性などのうちの少なくとも1つに利点があり、特に安定性が良好で、吸湿性が低く、製剤の加工性がよく、インビトロでの溶出度及び溶出速度が高いので、化合物(I)を含む医薬の開発に新しいより良い選択肢を提供し、非常に重要な価値を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、化合物(I)の結晶形及びその製造方法並びに用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的に基づき、本発明は化合物(I)の結晶形CS2(以下、「結晶形CS2」という。)を提供する。
【0009】
一形態において、前記結晶形CS2は、7.8°±0.2°、15.6°±0.2°、11.4°±0.2°の回折角2θ値に、Cu-Kα線による粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
【0010】
さらに、前記結晶形CS2は、12.5°±0.2°、21.3°±0.2°、27.3°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記結晶形CS2は、12.5°±0.2°、21.3°±0.2°、27.3°±0.2°の回折角2θ値のうちの3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
【0011】
さらに、前記結晶形CS2は、24.0°±0.2°、19.4°±0.2°、22.3°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記結晶形CS2は、24.0°±0.2°、19.4°±0.2°、22.3°±0.2°の回折角2θ値のうちの3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
【0012】
別の形態において、前記結晶形CS2は、7.8°±0.2°、15.6°±0.2°、11.4°±0.2°、12.5°±0.2°、21.3°±0.2°、27.3°±0.2°、24.0°±0.2°、19.1°±0.2°、19.4°±0.2°、22.3°±0.2°、25.9°±0.2°の回折角2θ値のうちのいずれか3箇所、又は4箇所、又は5箇所、又は6箇所、又は7箇所、又は8箇所、又は9箇所、又は10箇所、又は11箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
【0013】
特に限定するものではないが、結晶形CS2の粉末X線回折パターンは図1又は図5のとおりである。
【0014】
本発明の目的に基づき、本発明はさらに、
(1)化合物(I)である原料を良溶媒に溶解し、化合物(I)を含む溶液とした後、貧溶媒を良溶媒の溶液に緩やかに滴下し、撹拌して晶析させること、又は
(2)化合物(I)である原料をケトン系溶媒に溶解し、緩やかに揮発させること、又は
(3)化合物(I)である原料をニトリル系溶媒に溶解し、イオン液体を加えて誘導した後、緩やかに揮発させること
を含む前記結晶形CS2の製造方法を提供する。
さらに、方法(1)において、前記良溶媒は好ましくはアルコール系溶媒であり、前記貧溶媒は好ましくは水である。
【0015】
さらに、方法(1)において、前記アルコール系溶媒は好ましくはメタノールである。
【0016】
さらに、方法(2)において、前記ケトン系溶媒は好ましくはアセトンである。
【0017】
さらに、方法(3)において、前記ニトリル系溶媒は好ましくはアセトニトリルであり、前記イオン液体は好ましくは1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、又は1,3-ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェートである。
【0018】
本発明の目的に基づき、本発明はさらに、治療上有効な量の結晶形CS2と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0019】
さらに、本発明は、オレキシン受容体拮抗薬の医薬製剤を製造するための結晶形CS2の使用を提供する。
【0020】
さらに、本発明は、不眠症及び/又は不規則睡眠・覚醒リズム障害を治療するための医薬製剤の製造のための結晶形CS2の使用を提供する。
【0021】
本発明による結晶形CS2は以下の有利な効果を有する。
【0022】
(1)本発明の結晶形CS2は、より低い吸湿性を有する。実験によれば、結晶形CS2は80%相対湿度での重量増加が0.21%であり、低吸湿性に該当する。また、DVS前とDVS後とで本発明の結晶形は変化なく、0%~95%の相対湿度の範囲に良好な物理的安定性を有する。
【0023】
吸湿性は薬物の安定性、加工時の流動性及び均一性等に影響を及ぼし、結果的に医薬製剤の品質に影響を与える。吸湿性は薬物の製造、貯蔵及び後処理プロセスに影響を与える。低吸湿性の結晶形は厳しい貯蔵条件を求めず、材料貯蔵及び品質管理のコストを削減でき、強い経済の価値を有する。
【0024】
(2)本発明による結晶形は良好な安定性を有する。
本発明による結晶形の原薬は、様々な貯蔵条件下で良好な物理・化学的安定性を有する。本発明による結晶形CS2は、25℃/60%の相対湿度及び40℃/75%の相対湿度で開放状態で少なくとも10ヶ月保存しても結晶形の変化はなく、好ましくは、少なくとも1年間保存しても結晶形の変化はない。60℃/75%の相対湿度で少なくとも2週間保存しても結晶形の変化はない。本発明の結晶形の化学純度は99%以上であり、より好ましくは99.5%以上であり、かつ保存中に化学純度の変化はほとんどない。
【0025】
本発明による結晶形の原薬は磨砕条件下で良好な物理的安定性を有する。製剤の製造において原薬の磨砕・粉砕が常に必要であるが、磨砕条件下で良好な物理的安定性を有すれば、製剤加工時に原薬の結晶形の結晶化度の変化及び結晶転移が発生するリスクは低くなる。
【0026】
本発明による結晶形は、製剤における良好な物理・化学的安定性を有する。本発明の結晶形CS2と添加剤とを混合した医薬製剤は、25℃/60%の相対湿度及び40℃/75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月保存しても、製剤における本発明の結晶形は変化はなく、製剤における結晶形の化学純度はほとんど変化はない。
【0027】
結晶形の原薬及び製剤は良好な物理・化学的安定性を有する。貯蔵及び製剤化プロセスにおいて、結晶形CS2は他の結晶形態に転移することはなく、また、貯蔵中において、結晶形CS2の化学純度はほとんど変化がないため、原薬及び製剤の品質の均一性・不変性を確保できる。
【0028】
(3)本発明の結晶形CS2は良好なインビトロ溶出度及びインビトロ溶出速度を有する。本発明の結晶形CSは0.1mol/Lの塩酸水溶液媒体において、60minで完全に溶出された。良好なインビトロ溶出性は、インビボでの良好な吸収及び理想的な生物学的利用能の達成に寄与する。
【0029】
溶出は吸収の前提条件である。良好なインビトロ溶出度により、薬物の吸収度が高くなり、インビボでの暴露特性がより良くなるため、生物学的利用能及び薬物の効能が高くなる。高いインビトロ溶出速度により、薬物の投与後に速やかに最高血漿中濃度に到達することができ、薬物が早く効くことを確保できる。
【0030】
さらに、本発明による結晶形CS2は以下の有利な効果も有する。
【0031】
(1)本発明による結晶形CS2は良好な圧縮性を有する。結晶形CS2の良好な圧縮性により、原薬加工時の硬度・摩損度不良等の問題を効果的に改善し、上流製品のプロセス要件を緩和させ、製剤化プロセスの安定性を高め、製品の外観を改善し、製品の品質を向上させることができる。
【0032】
(2)従来の技術と比較して、本発明による結晶形CS2はより大きい密度を有する。実験結果によれば、本発明の結晶形CS2のかさ密度及びタップ密度がいずれも従来の固体より優れる。結晶形CS2は密度が大きく、大規模生産に役立つ。大きい密度により、粉塵を減らすとともに、職業上の危険及び潜在的な安全上の危険を低減させ、生産の安全性を確保することができる。
【0033】
(3)従来の技術と比較して、本発明の結晶形CS2はより良い流動性を有する。流動性の評価結果によれば、結晶形CS2は流動性が良好であるのに対して、従来の固体は流動性が悪い。結晶形CS2のより良い流動性により、打錠及び充填の生産速度を高め、生産効率を改善することができる。結晶形CS2のより良い流動性により、製剤の混合の均一性及び含有量の均一性を確保し、剤形の重量のバラツキを減らし、製品の品質を向上させることができる。
【0034】
(4)本発明の結晶形CS2は、優れた付着性を有する。付着性の評価結果によれば、結晶形CS2は付着量が低く、低い付着性を有する。低い付着性は、乾式造粒や錠剤の打錠などにおけるホイール付着、パンチ付着などを効果的に改善・防止でき、製品の外観や重量のバラツキの改善に役立つ。さらに、低い付着性により、原料の凝集を効果的に低減し、機器への材料の付着を抑制し、原料の分散及び他の添加剤との混合を促進し、材料が混合されるときの混合の均一性と最終製品の含有量の均一性を高めることができる。
【0035】
(5)本発明の結晶形CS2は溶媒の残留がほとんどなく、医薬用に適するのに対して、従来の固体は溶媒の残留量が標準を超えるものであり、医薬用原薬として直接使用することができない。環境や人体に有害な有機溶媒は多く存在するため、医薬品の使用の安全性を確保し、製品の品質を管理するには、医薬品の原薬における有機溶媒の残留量を厳しく管理する必要がある。
【0036】
本発明における「揮発」は、当業界の一般的な方法で実施する。例えば、緩速揮発とは、容器の開口部を密封フィルムで覆い、針で孔を開け、静置して揮発させることを意味する。例えば、急速揮発とは、容器を開放状態にして揮発させることを意味する。
【0037】
本発明において、「結晶」又は「結晶多形」とは、示されるX線回折パターンの特徴によって確認されるものを指す。当業者なら、本発明において言及する物理化学的性質は特定可能なものであり、その実験誤差は機器の条件、試料の準備および試料の純度に依存することを理解できる。特に、X線回折パターンが一般に装置の条件によって変化することは、当業者には周知である。特に、X線回折パターンの相対強度も実験条件によって変化し得るため、ピーク強度の順番は唯一のまたは決定的な要素として考えるべきではない。実際には、XRPDパターン中の回折ピークの相対強度は結晶の優先配向に関係するものであり、本明細書に示すピーク強度は絶対的なものではなく、例示的なものである。また、ピーク角度の実験誤差は通常5%以下であり、これらの角度の誤差も考慮に入れなければならず、通常±0.2°の誤差が許容される。さらに、試料の厚さなどの実験的要素により、ピーク角度の全体的なオフセットが生じる可能性があり、通常はある程度のオフセットを許容する。したがって、本発明における結晶形のX線回折パターンが、本明細書の実施例におけるX線回折パターンと必ずしも一致しないことは、当業者には理解できる。本明細書でいう「XRPDパターンが同一である」とは、絶対的同一を意味せず、同じピークの位置が±0.2°異なってもよく、ピーク強度についてある程度の可変性を許容する意味である。これらのスペクトルにおける特徴ピークと同一または類似のパターンを有する結晶形であれば、本発明の範囲に属する。当業者は、本発明のスペクトルと未知の結晶形のスペクトルを比較することにより、これらのスペクトルにより表されるものが同じ結晶形か、異なる結晶形かを確認することができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明の結晶形CS2は、純粋で単一なものであり、他の結晶形を実質的に含まないものである。本発明において、新規な結晶形に関して「実質的に含まない」とは、この結晶形に含まれる他の結晶形が20%(重量)未満であること、特に10%(重量)未満であること、さらに5%(重量)未満であること、さらに1%(重量)未満であることを意味する。
【0039】
なお、本発明に記載の数値及び数値範囲は、数値又は数値範囲そのものとして狭義に解釈されるべきではなく、具体的な技術の環境に応じて、本発明の趣旨及び原則から逸脱しない限り、かかる数値付近で若干変動してもよいことは、当業者には理解されるところである。本発明では、当業者が予見できるこのような変動の範囲は、「約」という用語によって表現されることが多い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は実施例1で得られた結晶形CS2のXRPDパターンである。
図2図2は実施例1で得られた結晶形CS2のDSCパターンである。
図3図3は実施例1で得られた結晶形CS2のTGAパターンである。
図4図4は実施例1で得られた結晶形CS2のHNMRパターンである。
図5図5は実施例2で得られた結晶形CS2のXRPDパターンである。
図6図6は実施例2で得られた結晶形CS2のDSCパターンである。
図7図7は実施例2で得られた結晶形CS2のTGAパターンである。
図8図8は実施例2で得られた結晶形CS2のHNMRパターンである。
図9図9は本発明の結晶形CS2の25℃/60%の相対湿度での保存前と保存後のXRPDパターン(上図は保存前、下図は保存後)である。
図10図10は本発明の結晶形CS2の40℃/75%相対湿度での保存前と保存後のXRPDパターン(上図は保存前、下図は保存後)である。
図11図11は本発明の結晶形CS2の60℃/75%の相対湿度での保存前と保存後のXRPDパターン(上図は保存前、下図は保存後)である。
図12図12は本発明の結晶形CS2の磨砕前と磨砕後のXRPDパターン(上図は磨砕前、下図は磨砕後)である。
図13図13は本発明の結晶形CS2のDVSパターンである。
図14図14は本発明の結晶形CS2のDVS前とDVS後のXRPDパターン(上図はDVS前、下図はDVS後)である。
図15図15は本発明の結晶形CS2のインビトロ溶出曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明をさらに以下の実施例により説明する。下記の実施例は本発明の結晶形の製造及び使用方法を詳細に説明するものである。本発明の範囲から逸脱しない限り、材料及び方法の両方を適宜変更して実施し得ることは当業者には明白である。
【0042】
本発明における略語の意味は以下のとおりである。
XRPD:粉末X線回折
DSC:示差走査熱量測定
TGA:熱重量分析
DVS:動的水分吸着
HNMR:水素核磁気共鳴スペクトル
【0043】
データの収集に使用する装置及び方法は下記のとおりである。
【0044】
本発明における粉末X線回折パターンは、粉末X線回折装置Bruker D2 PHASERにより測定したものである。本発明における粉末X線回折の測定条件は下記のとおりである。
(X線反射条件)
X線の光源:Cu、Kα
Kα1(A):1.54060、Kα2(A):1.54439
Kα2/Kα1強度比:0.50
電圧:30千ボルト(kV)
電流:10ミリアンペア(mA)
走査範囲:3.0~40.0度
【0045】
本発明における示差走査熱量測定(DSC)パターンはTA Q2000により測定したものである。本発明におけるDSCの測定条件は下記のとおりである。
走査速度:10℃/min
パージガス:窒素ガス
【0046】
本発明における熱重量分析(TGA)パターンはTA Q500により測定したものである。本発明におけるTGAの測定条件は下記のとおりである。
走査速度:10℃/min
パージガス:窒素ガス
【0047】
本発明における動的水分吸着(DVS)パターンは、SMS社(Surface Measurement Systems Ltd.)製Intrinsic動的水分吸着装置により測定したものである。上記動的水分吸着装置の測定条件は下記のとおりである。
温度:25℃
キャリアガス、流量:N、200ml/分
単位時間あたりの質量変化:0.002%/分
相対湿度の範囲:0%RH~95%RH
【0048】
本発明における高速液体クロマトグラフィー(HPLC)データは、アジレント1260により測定したものである。検出器はダイオードアレイ検出器(DAD)を使用した。条件は下記のとおりである。
カラム:ZORBAX Eclipse C18、100×4.6mm、3.5μm
移動相:
A:アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸=50:950:1(体積比)
B:0.1%のトリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液
グラジエント勾配は下記のとおりである。
【0049】
【表1】
流速:1.0ml/min
注入量:2μl
測定波長:220nm
カラム温度:40℃
希釈剤:アセトニトリル
【0050】
水素核磁気共鳴スペクトルデータ(HNMR)は、Bruker Avance II DMX 400M HZ核磁気共鳴分光計により測定したものである。1~5mgの試料を量って、0.5mLの重水素化ジメチルスルホキシドで溶解させ、2~10mg/mLの溶液とする。
【0051】
以下の実施例は、特に記載のない限り、室温下で操作したものである。前記「室温」は正確な温度値ではなく、10~30℃の温度範囲を意味する。
【0052】
本発明において、原料である前記化合物(I)とは、その固体(結晶又はアモルファス)、半固体、ワックス又はオイル形態を指す。好ましくは、原料である化合物(I)が固体粉末形態である。
【0053】
以下の実施例に使用するE-2006は、従来の技術により調製したものであり、例えばCN103153963Bに開示された製造方法により得られたものである。
【実施例0054】
〔実施例1〕揮発法による結晶形CS2の作製
原料である化合物(I)を約199.6mg量り取り、3.0mLのアセトンに溶解させ、ろ過した後、室温下で緩やかに揮発させることで固体を得た。分析した結果、得られた固体は結晶形CS2であり、その粉末X線回折データを図1、表1に示す。
【0055】
本実施例で得られた結晶形CS2のDSCは図2のとおりであり、177℃付近まで加熱すると、吸熱ピークが1つ現れ、この吸熱ピークはCS2の溶融吸熱ピークである。
【0056】
本実施例で得られた結晶形CS2のTGAは図3のとおりであり、170℃付近に加熱した際に、約0.6%の質量損失があった。
【0057】
本実施例で得られた結晶形CS2の水素核磁気共鳴スペクトルは図4のとおりであり、データはH NMR(400MHz、DMSO)δ11.22(s、1H)、8.33(d、J=3.0Hz、1H)、8.13(s、1H)、7.89(dd、J=9.1、4.1Hz、1H)、7.64(td、J=8.7、3.1Hz、1H)、7.48-7.35(m、3H)、7.11(ddd、J=11.5、6.0、3.0Hz、1H)、4.68(d、J=10.2Hz、1H)、4.29(d、J=10.3Hz、1H)、2.64(dd、J=15.7、8.8Hz、1H)、2.36(d、J=21.5Hz、3H)、2.03(s、3H)、1.74-1.67(m、1H)、1.50(dd、J=8.0、4.8Hz、1H)である。
【0058】
【表2】
【0059】
〔実施例2〕貧溶媒添加法による結晶形CS2の製造
原料である化合物(I)を約1026.0mg量り取り、10.0mLのメタノールに溶解させた。ろ過した後、撹拌しながら、貧溶媒である水を約10.0mL添加し、さらに約4時間撹拌し続けた結果、沈澱物が多量に析出した。吸引してろ過し、40℃で約18時間真空乾燥させることで、固体を得た。分析した結果、得られた固体は結晶形CS2であり、その粉末X線回折データを図5、表2に示す。
【0060】
本実施例で得られた結晶形CS2のDSCは図6のとおりであり、176℃まで加熱すると、吸熱ピークが1つ現れ、この吸熱ピークは結晶形CS2の融化吸熱ピークである。
【0061】
本実施例で得られた結晶形CS2のTGAは図7のとおりであり、170℃付近に加熱した際に、約0.5%の重量損失があった。
【0062】
本実施例で得られた結晶形CS2のH NMRパターンは図8のとおりであり、データはH NMR(400MHz、DMSO)δ11.21(s、1H)、8.33(d、J=3.0Hz、1H)、8.13(s、1H)、7.89(dd、J=9.2、4.2Hz、1H)、7.64(td、J=8.8、3.1Hz、1H)、7.49-7.34(m、3H)、7.16-7.05(m、1H)、4.68(d、J=10.2Hz、1H)、4.29(d、J=10.3Hz、1H)、2.67-2.57(m、1H)、2.38(s、3H)、2.03(s、3H)、1.74-1.66(m、1H)、1.50(dd、J=8.0、4.8Hz、1H)である。
【0063】
【表3】
【0064】
〔実施例3~5〕イオン液体誘導揮発法による結晶形CS2の製造
原料である化合物(I)を約31.5mg量り取り、1.0mLのアセトニトリル溶媒を加えて溶解させ、ろ過して、表3に示すイオン液体を少量加え、室温下で緩やかに揮発させることで固体を得た。実施例3~5で得られた固体をそれぞれ試料3~5と記して分析した結果、試料3~5はいずれも結晶形CS2であった。
【0065】
【表4】
【0066】
〔実施例6〕結晶形CS2の安定性
本発明の結晶形CS2を量り取ってそれぞれ25℃/60%の相対湿度、40℃/75%の相対湿度、60℃/75%相対湿度の条件下で開放状態で保存し、HPLC及びXRPDにより結晶形及び化学純度の変化を分析し、結果を表4に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
結果によれば、結晶形CS2は25℃/60%の相対湿度及び40℃/75%の相対湿度で少なくとも10ヶ月安定して保存でき、60℃/75%の相対湿度で少なくとも2週間安定して保存できる。また、保存前と保存後とで結晶形CS2の化学純度はほとんど変化はない。このように、結晶形CS2は良好な物理・化学的安定性を有することは分かった。
【0069】
〔実施例7〕結晶形CS2の磨砕安定性
結晶形CS2を乳鉢に入れて手動で5分間磨砕し、磨砕前と磨砕後のXRPDパターンを図12(上図は磨砕前、下図は磨砕後)に示す。その結果によれば、磨砕前と磨砕後とで結晶形CS2は変化はなく、良好な磨砕安定性を有することが分かった。
【0070】
〔実施例8〕結晶形CS2の吸湿性
本発明の結晶形CS2を約10mg量り取って、動的水分吸着(DVS)装置により吸湿性を分析し、0-95%-0の相対湿度で1回サイクルして各湿度での質量変化を記録した。DVSパターンを図13に示し、実験結果を表5に示す。DVS前とDVS後の結晶形のXRPDパターンを測定し、結果を図14(上図はDVS前、下図はDVS後)に示す。その結果によれば、結晶形CS2は吸湿性が低く、80%相対湿度での重量増加が0.21%であり、低吸湿性に該当することが分かった。また、DVS前とDVS後とで結晶形は変化はなく、0%~95%の相対湿度の範囲に良好な物理的安定性を有することが分かった。
【0071】
【表6】
【0072】
[吸湿性特徴の記述と吸湿性重量増加の定義]
(中国薬典2015年版通則9103 「薬物吸湿性試験指導原則」、実験条件:25℃±1℃、80%の相対湿度)
潮解性:十分な水分を吸収すると、液体となる。
高吸湿性:吸湿による重量増加が15%以上である。
吸湿性有り:吸湿による重量増加が15%未満で2%以上である。
低吸湿性:吸湿による重量増加が2%未満で0.2%以上である。
吸湿性無し又は実質的に吸湿性無し:吸湿による重量増加が0.2%未満である。
【0073】
〔実施例9〕結晶形CS2と従来の固体との流動性の比較
製剤化プロセスにおいては、通常、圧縮性、つまり圧縮度(c)により粉体又は中間体粒子の流動性を評価することができる。圧縮度とは、一定量の粉体をメスシリンダーに疎充填して最初のかさ体積を測定し、最密状態になるまで粉体をタップした後、最終体積を測定し、かさ密度ρとタップ密度ρを求め、式c=(ρ-ρ)/ρにより算出された圧縮度を指す。圧縮度は、圧縮性指数(Compressibility index)又はカーの指数(Carr Index)とも呼ばれ、流動性を評価するための重要な指数である。
【0074】
圧縮性指数の測定方法は、結晶形CS2及びアモルファス固体の試料のかさ密度ρ及びタップ密度ρを測定した上で、式c=(ρ-ρ)/ρ*100%により試料の圧縮性指数を算出することである。圧縮性指数による粉体の流動性の評価基準を表6に示す。
【0075】
【表7】
【0076】
公知の特許CN103153963Bに記載の製造方法を再現してアモルファス固体を得、結晶形CS2と当該アモルファス固体の流動性評価結果を表7に示す。その結果によれば、結晶形CS2の流動性は従来のアモルファス固体の流動性より優れていることが分かった。
【0077】
【表8】
【0078】
〔実施例10〕結晶形CS2の付着性
30mgの結晶形CS2を直径8mmの円形フラットパンチに置き、10kNの圧力で打錠処理し、打錠後に約30秒保持し、パンチに付着した粉末の量を量った。この方法を用いて2回連続してプレスした後、パンチにおける累積の最終付着量、プレス中の最高付着量及び平均付着量を記録し、その実験結果を表8に示す。
【0079】
【表9】
【0080】
〔実施例11〕結晶形CS2の圧縮性
結晶形CS2である試料80mgを直径6mmの円形フラットパンチに置き、10kNの圧力で円形錠剤とした後、乾燥機内で24時間保存し、完全に弾性回復した後、錠剤用硬度計を用いて半径方向の破壊力(硬度、H)を測定した。ノギスを用いて錠剤の直径(D)及び厚さ(L)を測定し、式T=2H/πDLにより各硬度での粉体の引張強度を求めた。一定の圧力下では、引張強度が大きいほど、圧縮性が優れる。その測定結果を表9に示す。
【0081】
【表10】
【0082】
〔実施例12〕結晶形CS2及び従来の固体の溶媒残留
公知の特許CN103153963Bに記載の製造方法を再現してアモルファス固体を得、本発明の結晶形CS2及びアモルファス固体の溶媒残留量をそれぞれ測定した。測定結果によれば、本発明の結晶形CS2は溶媒の残留がなかったのに対して、アモルファス固体はn-ヘプタンの残留量が46596.16ppmであり、酢酸エチルの残留量が1260.01ppmであった。医薬品規制調和国際会議(ICH)の残留溶媒ガイドラインによれば、n-ヘプタンと酢酸エチルとはいずれもクラス3の溶媒に該当し、溶媒の残留量が5000ppm以下であることが求められている。このように、アモルファス固体のn-ヘプタン残留量がICHに規定する上限値を超えているため、医薬用原薬としては適格ではない。
【0083】
〔実施例13〕結晶形CS2の製剤
1.化合物(I)錠剤の調製
結晶形CS2と表10に示す内部添加剤とを均一に混合し、直径20mmのシングルパンチ手動打錠機により5±0.5KNの圧力で打錠し、重量500mgの錠剤とした。前記錠剤を粉砕し、20メッシュの篩にかけ、表10に示す外部添加剤と均一に混合し、直径7mmのシングルパンチ手動打錠機により5±0.5KNの圧力で打錠し、重量120.0mgの錠剤とした。
【0084】
【表11】
【0085】
2.結晶形CS2の製剤での安定性
上記調製した錠剤を35ccのHDPE瓶で包装し(瓶1本につき1錠)、各瓶にそれぞれ1gの乾燥剤を入れ、シール機でシールした。25℃/60%の相対湿度及び40℃/75%の相対湿度で1ヶ月保存した。分析した結果、結晶形CS2を含む錠剤では、結晶形の変化はなく、保存中に結晶形CS2の単一及び合計の不純物はほとんど変化はなかった。その結果を表11及び表12に示す。このように、結晶形CS2は製剤において良好な物理・化学的安定性を有することが分かった。
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
〔実施例14〕結晶形CS2のインビトロ溶出度及びインビトロ溶出速度
実施例12で得られたCS2を含む錠剤のインビトロ溶出状況を試験し、中国薬典2015年版0931頁の「溶出度と放出度の測定方法」に基づき、以下の条件で溶出度の測定を行った。
溶出媒体:0.1mol/Lの塩酸水溶液
溶出方法:パドル方式
媒体の体積:900mL
回転速度:50rpm
媒体温度:37℃
結晶形CS2のインビトロ溶出状況を表13、図15に示す。
【0089】
【表14】
【0090】
結果によれば、結晶形CS2を用いて製造された製剤試料は、0.1mol/Lの塩酸水溶液媒体では完全にインビトロ溶出され、溶出速度が高かったことから、インビボでの良好な生物学的利用能が期待できる。
【0091】
以上の実施例は、当業者が本発明を理解して実施することができるように、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、本発明の権利範囲を限定するものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で行われる同等の変形や改善はすべて、本発明の権利範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
7.8°±0.2°、15.6°±0.2°、11.4°±0.2°の2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする、E-2006の結晶形CS2。
【外国語明細書】