(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027119
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサ、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/00 20060101AFI20230221BHJP
G01N 27/22 20060101ALI20230221BHJP
A61F 13/42 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G01N27/00 H
G01N27/22 B
A61F13/42 F
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187876
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2021530308の分割
【原出願日】2019-11-28
(31)【優先権主張番号】748811
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(71)【出願人】
【識別番号】521229843
【氏名又は名称】ティルコブレデ ベルギウム ビーブイビーエー
【氏名又は名称原語表記】TILKOBLEDE BELGIUM BVBA
【住所又は居所原語表記】Kloosterstraat 180, 1702 Dilbeek(BE).
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ サンデ べノワ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ サンデ ブラム
(57)【要約】
【課題】物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサを提供する。
【解決手段】物品(28)の水分または湿潤度を検出または感知するためにその物品に取り付けられるセンサ(10)が、導電性である第1のプレート(11)および第2のプレート(12)を備え、第1のプレートは、誘電体中間層(20)によって前記第2のプレートから分離およびオフセットされており、第2のプレートを含む平面上の垂直な投影において見られた場合に、平面上の第1のプレートの投影が第2のプレートと重ならないこと、または平面上の第1のプレートの投影が第2のプレートの表面積の5%未満にわたって第2のプレートと重なること、のうちの1つが満たされ、当該センサは、第1のプレートの近傍の水分によって影響を受ける電荷を表す値を測定するように構成されている測定手段をさらに備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサであって、前記センサが、
第1のプレート(11)および第2のプレート(12)であって、導電性である、前記第1のプレート(11)および前記第2のプレート(12)を備え、
前記第1のプレートが、誘電体層(20)によって前記第2のプレートから分離およびオフセットされており、
前記第2のプレートを含む平面上の直角な投影において見られた場合、以下の条件:
前記平面上の前記第1のプレートの前記投影が、前記第2のプレートと重ならないこと、または
前記平面上の前記第1のプレートの前記投影が、前記第2のプレートの表面積の5%未満にわたって前記第2のプレートと重なること、のうちの1つが満たされ、
前記センサが、前記第1のプレートの近傍の水分によって影響を受ける電荷を表す値を測定するように構成されている測定手段をさらに備える、センサ。
【請求項2】
前記第2のプレートを含む平面上の投影において見られたとき、前記平面上の前記第1のプレートの前記投影の形状が、前記第2のプレートの形状と実質的に相補的である、請求項1に記載のセンサ(10)。
【請求項3】
前記第2のプレートを含む平面上の投影において見られた場合、前記平面上の前記第1のプレートの前記投影が、前記第2のプレートの距離(d)にある、請求項1または2に記載のセンサ(10)。
【請求項4】
前記第2のプレート(12)の一部分が、前記第1のプレート(11)の各側面上に位置している、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項5】
前記第2のプレート(12)が、前記第1のプレート(11)の1つ以上のエッジにまたはその近くに位置している1つ以上のさらなる部分を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項6】
前記第1のプレート(11)が、細長いストリップを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記第2のプレート(12)が、一対の細長いストリップを備え、前記一対の細長いストリップのうちの各細長いストリップが、前記第2のプレート(12)の前記第1の部分(14)または前記第2の部分(15)のうちの1つである、請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項8】
前記誘電体層(20)が、前記第1のプレート(11)と前記第2のプレート(12)との間に提供される、請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項9】
前記誘電体層(20)が、前記第1のプレート(11)および前記第2のプレート(12)が取り付けられている基板である、請求項8に記載のセンサ(10)。
【請求項10】
前記誘電体層(20)が、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが取り付けられている基板であり、前記誘電体層が、前記第1のプレートおよび/または前記第2のプレートのエッジを越えて延在して、装着面を提供し、前記測定手段が、前記装着面上に提供される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記測定手段が、前記第1のプレートおよび前記第2のプレート、ならびに前記誘電体層によって形成されるキャパシタを充電するように、前記キャパシタを能動的に放電するように、かつ前記能動的に放電した後の前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間の電圧または他の電気信号を測定するように構成されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記誘電体層(20)が、25mm未満の厚さ、または約0.05~25mmの厚さ、または約0.02mm~2.5mmの厚さである、請求項8~11のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項13】
前記センサ(10)が、保護層(23)を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項14】
取り付け部分(24)が、前記物品(28)への前記センサ(10)の接続および接続解除を可能にする、請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項15】
前記センサ(10)が、前記物品(28)と一体的に形成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項16】
前記センサ(10)が、少なくとも1つの隔離層(25)を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【請求項17】
前記隔離層(25)が、使用中の前記物品(28)から離れて位置するように構成されている前記センサ(10)の側面上に位置している、請求項16に記載のセンサ(10)。
【請求項18】
前記物品(28)が、
おしめ、
創傷被覆材または他の被覆材、
寝具、
衣類、
カバーまたはコンテナ、
水分を取るかまたは吸収するように構成されている物体または材料、
コンクリート、木材、または経時的に乾燥するように構成されている他の物体または材料、
のうちの1つ以上である、請求項1~17のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、センサが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサ、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な家庭では、多くの様々な種類の物品が使用されている。これらの物品の使用中に、それらは、水およびまたは水溶液もしくは混合物などの液体と接触する可能性がある。液体の存在はすぐには観察できない可能性があるため、それに応じたタイムリーで適切な行動を判定することはできない。
【0003】
次に、物品を常にチェックして、水の存在を判定する必要がある。
【0004】
そのような物品の例は、吸収性物品、特に、おしめ、おむつ、ベビーパンツ、成人失禁用衣服などの使い捨てパーソナルケア物品である。おしめが装着されると、おしめに(尿などの)液体が存在するかどうかを判断する方法はない。
【0005】
さらなる例は、一枚の衣類、例えば、多層状の服の層であり得る。服は、着用者を確実に暖かく保つために複数の下層を備えた外部防水層を有する場合がある。防水層が破れると、下層の外層が要素にさらされ、外層が濡れる場合がある。着用者と外層との間の他の中間層のために、防水層の破れは着用者にすぐには明らかではなく、さらなる水の浸入につながる可能性がある。
【0006】
水分にさらされると化学反応を起こす様々な化合物を含む化学的に活性化されたインジケータが利用可能である。これらのインジケータは、概して単回使用であり、存在する水分の量を示さない場合がある。
【0007】
容量性、抵抗性、誘導性、光学的、およびソナーセンサを利用したセンサを含むインジケータも利用可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本発明は、センサが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサに広く存し得、センサは、
第1のプレートおよび第2のプレートであって、導電性である、第1のプレートおよび第2のプレートを備え、
第1のプレートおよび第2のプレートは、センサ平面に沿っておよび/または平行に配向され、センサ平面は、使用中、センサが取り付けられている物品に実質的に平行に配向されるように構成されており、
第1のプレートは、第2のプレートの第1の部分と、第2のプレートの第2の部分との間に位置している。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、センサが取り付けられている物品、好ましくは吸収性物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサに広く存し得、このセンサは、
第1のプレート(11)および第2のプレート(12)であって、導電性である、第1のプレート(11)および第2のプレート(12)を備え、
第1のプレートは、誘電体中間層(20)によって第2のプレートから分離されており、
第2のプレートを含む平面上の投影において見られた場合、以下の条件のうちの1つ:
平面上の第1のプレートの投影が、第2のプレートと重ならないこと、または
平面上の第1のプレートの投影が、第2のプレートの表面積の5%未満にわたって第2のプレートと重なること、が満たされ、
当該センサは、第1のプレートの近傍の水分によって影響を受ける電荷を表す値を測定するように構成されている測定手段をさらに備える。
【0010】
さらなる態様によれば、第2のプレートを含む平面上の投影において見られたとき、平面上の第1のプレートの投影の形状は、第2のプレートの形状と実質的に相補的である。
【0011】
さらなる態様によれば、第2のプレートを含む平面上の投影において見られたとき、平面上の第1のプレートの投影は、第2のプレートの距離(d)にある。
【0012】
さらなる態様によれば、第2のプレートの第1の部分は、第1のプレートの第1のエッジにまたは隣接して位置し、第2のプレートの第2の部分は、第1のプレートの第2のエッジにまたは隣接して位置する。
【0013】
さらなる態様によれば、第1のエッジは、第2のエッジに隣接して位置し、および/または、第1のエッジは、第2のエッジの反対側に位置する。
【0014】
さらなる態様によれば、第2のプレートの一部分は、第1のプレートの各側面上に位置する。
【0015】
さらなる態様によれば、第2のプレートは、第1のプレートの1つ以上のエッジにまたはその近くに位置している1つ以上のさらなる部分を備える。
【0016】
さらなる態様によれば、第1のプレートは、細長いストリップを備える。
【0017】
さらなる態様によれば、第2のプレートは、一対の細長いストリップを備え、一対の細長いストリップのうちの各細長いストリップは、第2のプレートの第1の部分または第2の部分のうちの1つである。
【0018】
さらなる態様によれば、第1のプレートは、第2のプレートから垂直方向にオフセットされ、第1のプレートは、使用中、第2のプレートよりも、センサが取り付けられている物品の近くに位置するように構成されているか、または第2のプレートは、使用中、第1のプレートよりも、センサが取り付けられている物品の近くに位置するように構成されている。
【0019】
さらなる態様によれば、中間層が、第1のプレートと第2のプレートとの間に提供される。
【0020】
さらなる態様によれば、中間層は、絶縁層および/または誘電体層である。
【0021】
さらなる態様によれば、中間層は、第1のプレートおよび第2のプレートが取り付けられている基板、好ましくはPCB、より好ましくは可撓性PCBである。
【0022】
さらなる態様によれば、中間層は、第1のプレートまたは第2のプレートのエッジを越えて延在して、電気部品を取り付けることができる表面を提供する。
【0023】
さらなる態様によれば、任意選択的に先行条項のいずれか一項との組み合わせにおいて、中間誘電体層(20)は、第1のプレートおよび第2のプレートが取り付けられている基板、好ましくはPCB、より好ましくは可撓性PCBであり、中間誘電体層は、第1のプレートおよび/または第2のプレートのエッジを越えて延在して、装着面を提供し、測定手段は、装着面上に提供される。
【0024】
さらなる態様によれば、任意選択的に先行条項のいずれか一項との組み合わせにおいて、測定手段は、第1のプレートおよび第2のプレート、ならびに中間誘電体層によって形成されるキャパシタを充電するように、当該キャパシタを能動的に放電するように、かつ当該能動的に放電した後の第1のプレートと第2のプレートとの間の電気信号、好ましくは電圧を測定するように構成されている。
【0025】
さらなる態様によれば、電気部品は、
マイクロコントローラ、
バッテリまたは他のエネルギー源、
コンパレータ、
アナログデジタル変換器、
統合された部品、
抵抗器、
トランジスタ、
キャパシタ、
インダクタ、
スイッチ、
ダイオードおよび/またはLED、
共鳴結晶、
アンテナ、
トランジスタ、
通信モジュール、
ディスプレイモジュール、のうちの1つ以上である。
【0026】
さらなる態様によれば、中間層は、25mm未満の厚さ、または約0.05~25mmの厚さ、または約0.02mm~2.5mmの厚さである。
【0027】
さらなる態様によれば、第1のプレートは、センサの第1の側面上に提供され、第1の側面は、使用中の物品に向かって位置するように構成されている。
【0028】
さらなる態様によれば、第2のプレートは、センサの第2の側面上に提供され、第2の側面は、使用中の物品から離れて位置するように構成されている。
【0029】
さらなる態様によれば、センサは、保護層を有する。
【0030】
さらなる態様によれば、保護層は、センサの保護を提供するように構成されている外層として提供される。
【0031】
さらなる態様によれば、保護層は、センサをカプセル化するように構成されている。
【0032】
さらなる態様によれば、保護層は、ポリマー層、または塗料、もしくはラテックス塗料、またはゴムまたはガラスのうちの1つ以上であるか、またはそれらを備える。
【0033】
さらなる態様によれば、保護層は、電気絶縁材料であるように構成されている。
【0034】
さらなる態様によれば、保護層は、厚さが約25mm未満、または厚さが約5~約20mmになるように構成されている。
【0035】
さらなる態様によれば、センサは、取り付け部分を備える。
【0036】
さらなる態様によれば、取り付け部分は、センサの側面(任意選択的に第1の側面)上に提供される。
【0037】
さらなる態様によれば、取り付け部分は、センサを物品に取り付けることを可能にするように構成されている。
【0038】
さらなる態様によれば、取り付け部分は、物品に対するセンサの接続および接続解除を可能にする。
【0039】
さらなる態様によれば、取り付け部分は、
フックおよび/またはループ材料、
接着剤、
ピンまたはボタン、
静電取り付けメカニズム、のうちの1つ以上を備える。
【0040】
さらなる態様によれば、センサは、物品と一体的に形成される。
【0041】
さらなる態様によれば、センサは、少なくとも1つの隔離層を備える。
【0042】
さらなる態様によれば、隔離層は、使用中の物品から離れて位置するように構成されているセンサの側面(任意選択的に第2の側面)上に位置している。
【0043】
さらなる態様によれば、隔離層は、絶縁層を備える。
【0044】
さらなる態様によれば、隔離層の絶縁層は、ポリマー層である。
【0045】
さらなる態様によれば、隔離層は、導電性シートを備える。
【0046】
さらなる態様によれば、隔離層は、センサを外部環境から隔離するように構成されている。
【0047】
さらなる態様によれば、物品は、
吸収性物品、特に、おしめ、おむつ、ベビーパンツ、成人失禁用衣服などの使い捨てパーソナルケア物品、
被覆材(例えば、創傷被覆材)、
寝具、
衣類、
カバーまたはコンテナ、
水分を取るかまたは吸収するように構成されている物体または材料、
経時的に乾燥するように構成されている物体または材料(例えば、コンクリートまたは木材)、のうちの1つ以上である。
【0048】
さらなる態様では、本発明は、システムが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのシステムに広く存し得、このシステムは、
コントローラまたはプロセッサと、
センサであって、センサが、電荷を蓄積するように構成されており、センサの電荷蓄積容量が、物品の水分または湿潤度に基づく、センサと、を備え、
コントローラは、
第1の期間の間にセンサを充電し、第1の期間の後、第2の期間の間にセンサを部分的に放電し、続いて、任意選択的に所定の時間に、センサの出力を測定するように構成されており、
コントローラは、センサの測定された出力に基づいて、物品の水分または湿潤度を示すセンサの出力を判定するように構成されている。
【0049】
さらなる態様によれば、コントローラは、第1の期間の後に、第2の期間の間、センサを能動的に少なくとも部分的に放電するように構成されている。
【0050】
さらなる態様によれば、センサは、誘電体層(20)によって分離された第1のプレートおよび第2のプレートを備え、コントローラは、第1の期間の後に、第1のプレートおよび第2のプレートを実質的に同じ電位に接続することによってセンサを能動的に少なくとも部分的に放電するように構成されている。
【0051】
さらなる態様によれば、センサは、1つ以上のプレートを備える(任意選択的に、プレートは導電性である)。
【0052】
さらなる態様によれば、センサは、先行条項のいずれか一項のセンサである。
【0053】
さらなる態様によれば、センサは、センサにわたって電圧または電位差を提供または印加することによって充電される。
【0054】
さらなる態様によれば、センサは、第1のプレートと第2のプレートとにわたって電圧または電位差を提供または印加することによって充電される。
【0055】
さらなる態様によれば、センサは、定電圧で充電される。
【0056】
さらなる態様によれば、第1の期間は、約30μsである。
【0057】
さらなる態様によれば、第1の期間は、約20μs、または約10μs、または約5μs、または約2μsである。
【0058】
さらなる態様によれば、第2の期間は、約7μsである。
【0059】
さらなる態様によれば、センサは、既知の抵抗を介して放電される。
【0060】
さらなる態様によれば、センサの出力は、アナログデジタル変換器によって(任意選択的に分圧器回路を介して)測定される。
【0061】
さらなる態様によれば、システムは、少なくとも1つのメモリ要素を備える。
【0062】
さらなる態様によれば、システムは、センサを充電および/または放電するように当該プロセッサによって制御されるように構成されている1つ以上のスイッチを備える(任意選択的に、スイッチが1つ以上のトランジスタである)。
【0063】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度を示す出力は、初期ベースライン測定値にさらに基づく。
【0064】
さらなる態様によれば、センサの出力は、物品の湿潤度または水分に比例する。
【0065】
さらなる態様によれば、センサの出力は、物品が乾燥しているときよりも、物品が濡れているときまたは湿っているときの方が高い。
【0066】
さらなる態様によれば、センサの出力は、物品が濡れているときまたは湿っているときよりも、物品が乾燥しているときの方が低い。
【0067】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度を示す出力は、センサの出力の1次導関数、および/または任意選択的にセンサの出力の2次導関数の間の比較に基づく。
【0068】
さらなる態様では、本発明は、物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのプロセッサ実装方法に広く存し得、この方法は、
第1の期間の間にセンサを充電することと、第1の期間の後、
第2の期間の間にセンサを部分的に放電し、続いて、任意選択的に所定の時間に、センサの出力を測定することと、
センサの測定された出力に基づいて、物品の水分または湿潤度を示す出力を判定することと、を含む。
【0069】
さらなる態様によれば、センサは、1つ以上のプレートを備える(任意選択的に、プレートは導電性である)。
【0070】
さらなる態様によれば、センサは、先行条項のいずれか一項のセンサである。
【0071】
さらなる態様によれば、センサは、センサにわたって電圧または電位差を提供または印加することによって充電される。
【0072】
さらなる態様によれば、センサは、第1のプレートと第2のプレートとにわたって電圧または電位差を提供することによって充電される。
【0073】
さらなる態様によれば、センサは、定電圧で充電される。
【0074】
さらなる態様によれば、第1の期間は、約30μsである。
【0075】
さらなる態様によれば、第1の期間は、約20μs、または約10μs、または約5μs、または約2μsである。
【0076】
さらなる態様によれば、第2の期間は、約7μsである。
【0077】
さらなる態様によれば、センサは、既知の抵抗を介して放電される。
【0078】
さらなる態様によれば、センサの出力は、アナログデジタル変換器を介して(任意選択的に分圧器回路を介して)測定される。
【0079】
さらなる態様によれば、プロセッサは、少なくとも1つのメモリ要素にインターフェースおよび/または接続されている。
【0080】
さらなる態様によれば、1つ以上のスイッチは、センサを充電および/または放電するように当該プロセッサによって制御されるように構成されている(任意選択的に、スイッチは1つ以上のトランジスタである)。
【0081】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度を示す出力は、初期ベースライン測定値にさらに基づく。
【0082】
さらなる態様によれば、センサの出力は、物品の湿潤度または水分に比例する。
【0083】
さらなる態様によれば、センサの出力は、物品が乾燥しているときよりも、物品が濡れているときまたは湿っているときの方が高い。
【0084】
さらなる態様によれば、センサの出力は、物品が濡れているときまたは湿っているときよりも、物品が乾燥しているときの方が低い。
【0085】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度を示す出力は、センサの出力の1次導関数、および/または任意選択的にセンサの出力の2次導関数の間の比較に基づく。
【0086】
さらなる態様によれば、1次導関数および/または2次導関数が所定の閾値を満たすことに応答してイベント信号が生成される。
【0087】
さらなる態様では、本発明は、物品の水分または湿潤度を判定するためのプロセッサ実装方法に広く存し得、この方法は、
物品の水分または湿潤度を示す一連の測定読み取り値をセンサから受信することと、
連続する測定読み取り値間の差の1次導関数を計算することと、
任意選択的に、連続する1次導関数計算間の差の2次導関数を計算することと、
1次導関数計算と2次導関数計算とを比較することと、を含む。
【0088】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度を示す一連の測定読み取り値のセンサからの受信は、上記方法条項のいずれか一項の方法を含む。
【0089】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度を示すセンサからの一連の測定読み取り値は、上記センサ条項のいずれか一項のセンサの測定された出力に基づく物品の水分または湿潤度を示す出力である。
【0090】
さらなる態様によれば、センサは、上記センサ条項のいずれか一項のセンサである。
【0091】
さらなる態様によれば、方法は、上記システム条項のいずれか一項のシステムによって実行される。
【0092】
さらなる態様によれば、1次導関数計算は、少なくとも先行1次導関数計算とさらに比較される。
【0093】
さらなる態様によれば、2次導関数計算は、少なくとも先行2次導関数計算とさらに比較される。
【0094】
さらなる態様によれば、1次導関数ピークなしおよび2次導関数ピークなしは、センサによって測定された物品の水分または湿潤度が一定または不変であることを示す。
【0095】
さらなる態様によれば、小さい1次導関数ピーク、および2次導関数ピークなしまたはほとんどなしは、センサが物品に取り付けられていることを示す。
【0096】
さらなる態様によれば、大きい負の1次導関数ピーク、および正の値から負の値に向かう2次導関数ピークは、高レベルの水分または湿潤度を有する物品からセンサが取り外されたことを示す。
【0097】
さらなる態様によれば、正の1次導関数ピーク、および負の値から正の値に向かう2次導関数ピークは、センサによって測定された物品の水分または湿潤度が増加していることを示す。
【0098】
さらなる態様によれば、わずかに正の1次導関数ピーク、および負の値から正の値に向かう2次導関数ピークは、物品が飽和点に近づいていることを示す。
【0099】
さらなる態様によれば、物品の水分または湿潤度の増加の表示に続く減少している1次導関数ピークおよび減少している2次導関数ピークは、物品が飽和点に到達したことを示す。
【0100】
さらなる態様によれば、測定は、例えば所定の期間に従って、自動的に実行され、および/または測定が、トリガの受信時に、例えばユーザの要求時に、もしくは感知信号時に実行される。
【0101】
本発明の技術的利点は、記載されたように(第1のプレートおよび第2のプレートを有する)センサ構成を使用することによってセンサの周りの環境のイオン化を正確に測定することによって達成される。
【0102】
本構成は、容量性測定技術で必要とされるように、測定間の電気機械セルの完全な放電を必要としないので、さらなる技術的利点が達成され得る。
【0103】
代替の実施形態は、本明細書において図示、説明、または参照される2つ以上の部品、要素または特徴、または適用例の任意またはすべての組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【
図7】センサを含むシステムの上面図および底面図を示す。
【
図10】システムの測定サイクルのフロー図を示す。
【
図12】様々な水分または湿潤度レベルでセンサから取られた測定読み取り値、および他の関連データポイントのグラフを示す。
【
図13】1次および2次導関数を使用する方法のフロー図を示す。
【
図14】例示的なセンサからの一連の出力グラフ(200、300、400)を示し、シリーズ200は、生のセンサ出力であり、シリーズ300は、フィルタ処理された出力であり、シリーズ400は、1次導関数出力である。
【
図15A】サブセンサ10のアレイを有する、センサの(第2の側面22を見ている)概略正面図を示す。
【
図15B】サブセンサ10のアレイを有する、センサの(第1の側面21を見ている)概略背面図を示す。
【
図16A】さらなる代替センサ10構成の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0105】
センサが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知するためのセンサ、センサを含むシステム、および方法が開示される。
【0106】
センサは、任意の液体または流体の存在を測定するように構成され得る。例えば、物品が子供用のおしめである場合、センサは、尿の存在を測定するように構成され得る。
【0107】
センサ10は、物品28の水分または湿潤度を示す出力を有するセンサ10であり得る。
【0108】
特に、センサは、好ましくは、物品の水分または湿潤度に直接接触することなく、水分または湿潤度を感知することができることが理解されよう。すなわち、センサは、(例えば)おしめの外側(乾いた側)に取り付けられたとき、おしめの内部の水分または湿潤度を感知することができる。
【0109】
この特徴は、次の利点のうちのいずれか1つ以上を可能にするため、非常に望ましいものである。
・物品からのセンサの追加/除去のしやすさ、
・センサへのアクセスのしやすさ(センサモジュールが視覚的および/または聴覚的出力を提供する場合、あるいは充電、再充電、データのダウンロードなどの他の相互作用および/またはサービスを必要とする場合に特に役立つ)、
・センサを衛生的に清潔に保ち、装置をよりユーザフレンドリーにしおよび/またはより簡単に再利用できるようにする。
【0110】
センサ10は、物品28の水分または湿潤度の含有量に応じてキャパシタンスが変化する容量型センサであり得る。例えば、より比較的高い水分含有量を有する物品は、より比較的低い水分含有量を有する物品と比較して、センサ10のより比較的高いキャパシタンスをもたらすであろう。
【0111】
いくつかの実施形態では、センサは、物品28の水分または湿潤度の含有量に応じてセンサの電荷蓄積容量が変化するセンサであり得る。例えば、より比較的高い水分含有量を有する物品は、より比較的低い水分含有量を有する物品と比較して、センサ10のより比較的高い電荷蓄積容量をもたらすであろう。
【0112】
いくつかの実施形態では、センサは誘導型センサであり得、インダクタンスは物品の水分含有量に基づいて変化し得る。
【0113】
図1~
図5は、センサ10を示す。センサは、第1のプレート11および第2のプレート12を備え得る。第1のプレート11および第2のプレート12は、導電性であり得る。
【0114】
第1のプレート11および第2のプレート12は、銅、またはアルミニウム、またはスズ、または鉛、あるいは任意の導電性金属、または合金などの金属材料から作製され得る。
【0115】
第1のプレート11および第2のプレート12は、公称センサ平面13に沿っておよび/または実質的に平行に配向され得る。センサ平面13は、使用中、センサ10が取り付けられている物品28に実質的に平行に配向され得る。
【0116】
第1のプレート11は、(平面図において見られたとき)第2のプレート12の第1の部分14と、第2のプレート12の第2の部分15との間に位置し得る。
【0117】
第2のプレート12の第1の部分14は、第1のプレート11の第1のエッジ18にまたは隣接して位置するか、あるいは、平面図において見られたとき、重なりが生じないように、または(第2のプレートの領域の)約5%未満の重なりが生じるように、第1のプレート11の第1のエッジ18の近くに位置し得る。あるいは、それでも、(
図15および
図16の「d」に相当する)小さいギャップが存在し得る。
【0118】
第2のプレート12の第2の部分15は、第1のプレート11の第2のエッジ19にまたは隣接して位置するか、あるいは、平面図において見られたとき、重なりが生じないように、または(第2のプレートの領域の)約5%未満の重なりが生じるように、第1のプレート11の第2のエッジ19の近くに位置し得る。あるいは、それでも、(
図15および
図16の「d」に相当する)小さいギャップが存在し得る。
【0119】
第2のプレート12の第1の部分14は、センサの第1のエッジにまたは隣接して位置するか、あるいは、平面図において見られたとき、重なりが生じないように、または(第2のプレートの領域の)約5%未満の重なりが生じるように、センサの第1のエッジの近くに位置し得る。あるいは、それでも、(
図15および
図16の「d」に相当する)小さいギャップが存在し得る。
【0120】
第2のプレート12の第2の部分15は、センサ10の第2のエッジにまたは隣接して位置するか、あるいは、平面図において見られたとき、重なりが生じないように、または(第2のプレートの領域の)約5%未満の重なりが生じるように、センサの第2のエッジの近くに位置し得る。あるいは、それでも、(
図15および
図16の「d」に相当する)小さいギャップが存在し得る。
【0121】
センサ10の第1のエッジは、第2のエッジに隣接して位置し得、および/またはセンサ10の第1のエッジは、第2のエッジの反対側に位置し得る。
【0122】
第1のプレート11の第1のエッジ18は、第2のエッジ19に隣接して位置し得、および/または第1のプレート11の第1のエッジ18は、第2のエッジ19の反対側に位置し得る。
【0123】
第2のプレート12の各部分(例えば、第1の部分14および第2の部分15)は、第1のプレート11の各側面上に位置し得る。
【0124】
第2のプレート12は、1つ以上のさらなる部分を備え得る。1つ以上のさらなる部分は、第1のプレート11の1つ以上のエッジにまたは隣接して位置し得る。
【0125】
第1のプレート11は、細長いストリップであり得るか、またはそれを備え得る。
【0126】
第2のプレート12は、一対の細長いストリップを備え得る。一対の細長いストリップのうちの各細長いストリップは、第2のプレート12の第1の部分14または第2の部分15のうちの1つであり得る。
【0127】
好ましい実施形態では、第2のプレートを含む平面上の投影において見られたとき、平面上の第1のプレートの投影の形状は、第2のプレートの形状と実質的に相補的である。
【0128】
第1のプレート11は、例えば、第2のプレート12の各部分が第1のプレート11の隣接するアームまたは突起間に位置する×または+形状であり得る。
【0129】
例えば、センサは、別々のゾーンから出力を提供するために、(センサ10と同等の)サブセンサのアレイとして構成され得る。このような構成は、バッテリ30およびコントローラ/IC/測定手段31を含めて、
図15に概略的に示されている。
【0130】
図15Aは、センサの第2の側面を示し、第2のプレート12を含む平面上の投影において見られたとき、第1のプレートの投影が第2のプレートと重ならないような、第1のプレート11と第2のプレート12との間のギャップ「d」を示す。
【0131】
図15Bは、
図15Aのセンサ10の第1の側面を示す。
図15Cは、第1のプレート(複数可)11と第2のプレート(複数可)12との間のセンサ10の厚さにわたる好ましいオフセットを示す断面図を示す。
【0132】
存在する場合、そのようなゾーン出力データは、ゾーン間の/ゾーンを横切る水分または湿潤度の方向性および/または移動などのさらに有用な情報を導き出すために使用され得る。あるいは、これは、複数のセンサを使用して実現できる。
【0133】
図16は、センサ10のさらに別の代替構成を概略的に示す。この代替構成では、第2のプレート12は、センサ10の一方の端に向かって先細になっている。
図15を参照しながら上記で説明したのと同様の方法で、この実施形態は、平面図において見られたとき、第1のプレート11と第2のプレート12との間に重なりがないようなギャップ「d」を示す。あるいは、平面図において見られたとき、ギャップ「d」はゼロに近づく可能性があり、あるいは、それでも、小さい重なりは、第2のプレート12の領域の最大約5%を表す可能性がある。
【0134】
図16Bは、線AAに沿った断面を概略的に示し、
図16Cは、線BBに沿った断面を概略的に示す。
【0135】
第1のプレート11および/または第2のプレート12は、少なくとも1つの角度付きセクションを備え得る。
【0136】
第2のプレート12は、長さが約50mmであり得、第2のプレートの各部分、または第2のプレートは、幅が約15mmまたは約30mmであり得る。
【0137】
第1のプレート11は、長さが約50mm、幅が約5mmであり得る。
【0138】
センサ10の外形は、いくつかの形態をとることができると予想される。例えば、センサは、ほぼ円形、細長い長方形、細長い楕円形、液滴形状、および/または任意の他の実用的な変形であり得る。最も好ましい実施形態では、センサが物品への取り付けに適切な可撓性ストリップを概して形成するために、センサの厚さは薄い。
【0139】
センサモジュールの様々な領域は、特に電源、PCB、ICコントローラ、通信モジュールなどの追加の電子機器が存在し得るセクションでは、寸法が異なる可能性があることが理解されよう。
【0140】
第1のプレート11は、第2のプレート12と同じプレートにあってもよい。
【0141】
第1のプレート11は、第2のプレート12から垂直方向にオフセットされ得る。第1のプレート11は、使用中、第2のプレート12よりも、センサ10が取り付けられている物品28の近くに位置するように構成され得る。
【0142】
第2のプレート12は、使用中、第1のプレート11よりも、センサ10が取り付けられている物品28の近くに位置するように構成され得る。
【0143】
センサ10は、第1のプレート11と第2のプレート12との間に提供される中間層20を備えてもよい。
【0144】
中間層20は、絶縁層および/または誘電体層であり得る。
【0145】
中間層20は、ポリマーまたはガラス繊維層、またはガス、もしくは空気もしくは油で満たされたポリマーポケット、あるいは任意の非導電性および/または誘電性材料であり得るか、またはそれらを備え得る。いくつかの実施形態では、中間層20は、プリント回路板(PCB)であり得る。
【0146】
中間層20は、第1のプレートおよび第2のプレートが堆積され、エッチングされ、および/または取り付けられている基板であり得る。
【0147】
中間層20は、第1のプレート11または第2のプレート12のエッジを越えて延在して、電気部品を取り付けることができる表面または領域を提供することができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、センサまたはシステムは、電気部品を取り付けることができる表面または領域を提供するために、1つ以上の翼を備えることができる。
【0149】
電気部品は、1つ以上のハウジング内に収容することができる。ハウジングは、電気部品を周囲の環境から保護し得る。
【0150】
電気部品は、
マイクロコントローラおよび/またはプロセッサ、
バッテリまたは他のエネルギー源、
コンパレータ、
アナログデジタル変換器、
統合された部品、
抵抗器、
キャパシタ、
インダクタ、
スイッチ、
ダイオードおよび/またはLED、
共鳴結晶、
アンテナ、
トランジスタ、
通信モジュール、
ディスプレイモジュール、のうちの1つ以上であり得る。
【0151】
中間層20は、25mm未満の厚さ、または約0.05~25mmの厚さ、または約0.05mm~2.5mmの厚さであり得る。
【0152】
第1のプレート11は、センサの第1の側面21上に提供され得る。第1の側面21は、使用中の物品28に向かって位置するように構成されている。
【0153】
第2のプレート12は、センサの第2の側面22上に提供され得る。第2の側面22は、使用中の物品28から離れて位置するように構成され得る。
【0154】
システムおよび/またはセンサ10は、例えば、
図7および
図8に示されるように、保護層23を有し得る。
【0155】
保護層23は、システムおよび/またはセンサの保護を提供するように構成されている外層として提供され得る。
【0156】
保護層23は、システムおよび/またはセンサをカプセル化するように構成され得る。
【0157】
保護層23は、ポリマー層であり得る。
【0158】
保護層23は、塗料、もしくはラテックス塗料、またはゴムまたはガラスのうちの1つ以上を備え得る。
【0159】
保護層23は、電気絶縁材料となるように構成され得る。
【0160】
保護層23は、センサ10への水の浸入を阻止するための防水カバーを提供するように構成され得る。
【0161】
保護層23は、厚さが約25mm未満、厚さが約5~約20mmになるように構成され得る。
【0162】
例えば
図7に示されるように、センサ10は、取り付け部分24を備え得る。
【0163】
取り付け部分24は、センサ10の側面および/または第1の側面上に提供され得る。
【0164】
取り付け部分24は、センサ10を物品11に取り付けることを可能にするように構成され得る。
図8は、取り付け部分24を使用することによっておしめに固定された、または取り付けられたセンサ10を示す。
【0165】
取り付け部分24は、センサ10を物品28に接続すること、および物品28からセンサ10を接続解除することを可能にし得る。例えば、センサ10は、必要に応じて取り外して再配置するか、または取り外して別の物品に移すことができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、センサ10は、様々な物品28上で複数回再利用されてもよい。
【0167】
取り付け部分24は、
フックおよび/またはループ材料、
接着剤、
ピンまたはボタン、
静電取り付けメカニズム、のうちの1つ以上を備え得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、物品28は、センサ10を保持するように構成されているポケットまたは特徴を備え得る。
【0169】
センサ10および/またはシステムは、物品28と一体的に形成され得る。
【0170】
センサ10は、少なくとも1つの隔離層25を備え得る。
【0171】
隔離層25は、使用中の物品28から離れて位置するように構成されているセンサ10の側面および/または第2の側面22上に位置し得る。
【0172】
隔離層25は、絶縁層26を備え得る。
【0173】
隔離層25の絶縁層26は、ポリマー層であり得る。いくつかの実施形態では、隔離層25は、ガラス繊維、もしくはガラス、またはプリント回路板(PCB)、空気、もしくはガスで満たされたポケットを備え得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、第1のプレート11および/または第2のプレート12のうちの1つ以上は、隔離層25に対して堆積され、エッチングされ、および/または取り付けられ得る。
【0175】
隔離層25は、導電性シート27を備え得る。
【0176】
導電性シート27は、導電性平面を提供し得る。
【0177】
隔離層25は、センサを外部環境から隔離するように構成され得る。
【0178】
物品は、おしめ、被覆材(例えば、創傷被覆材)、寝具、衣類または衣類の一部、または任意の種類のカバーまたはコンテナ、水分を取るかまたは吸収するように構成されている物体または材料、あるいは経時的に乾燥するように構成されている物体または材料(例えば、コンクリートまたは木材)、のうちの1つ以上であり得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、物品は、創傷被覆材であり得る。創傷被覆材が創傷を覆うように取り付けられているとき、血液もしくは膿もしくは他の種類の体の分泌物、または外部からの水など、何らかの液体が被覆材の下にあるかどうか、あるいはそのような液体がどのくらいあるかを判断するのは難しい場合がある。
【0180】
また、センサ10を備えるシステム9も開示される。
【0181】
また、システムが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知するための方法も開示される。
【0182】
システム9は、システムが取り付けられている物品の水分または湿潤度を検出または感知することができる。
【0183】
システム9は、コントローラまたはプロセッサを備え得る。
【0184】
システム9は、センサ10を含み得る。センサ10は、上記のようなセンサであり得る。
【0185】
センサ10は、電荷を蓄積するように構成することができ、センサの電荷蓄積容量は、物品の水分または湿潤度に基づく。
【0186】
コントローラは、第1の期間50の間にセンサを充電し、第1の期間50の後、第2の期間51の間にセンサを放電し、続いて、センサの出力を測定するように構成され得る。好ましくは、センサの出力は、所定の測定時間に(例えば、放電時間後に)測定される。所定の測定時間は、センサの予想される使用、および/または予想される充電もしくは放電速度に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、所定の時間は、放電後約10~1000マイクロ秒であり得る。
【0187】
第1の期間50および/または第2の期間51は、事前に設定され得る。
【0188】
図6は、以下でより詳しく説明するセンサの充電および放電の一例を示し、
図9は、システムの回路例の一部を示し、
図10は、センサの測定サイクルの一例を示す。
【0189】
測定サイクル64は、充電段階60、部分放電段階61、および測定段階62を含む。
【0190】
測定サイクル64は、充電段階60が最初に行われ、続いて部分放電段階61が行われ、次に測定段階62が行われるという、連続的な方法で行うことができる。
【0191】
当該または各測定サイクル64に続いて、センサ10は、平衡状態まで放電することができる。
【0192】
測定サイクルは、1秒間に複数回実行することができる。
【0193】
この時点で、この場合におけるセンサの出力は、センサ10の両端間の電圧であり、V1aまたはV2aである。部分放電段階61において、センサ10が放電される。いくつかの実施形態では、スイッチS2は、より速い放電速度を提供するための追加の放電経路を導入するために閉じられている。スイッチS2は、放電段階61の終わりに開かれてもよい。
【0194】
測定サイクルは、S1をアクティブにすることから始まる。これにより、(電気化学セルのような)センサと、回路の寄生容量とが充電される。測定サイクル64の充電段階60において、センサ10は、時間T1までの第1の期間50の間、充電される。この時点で、この場合におけるセンサの出力は、センサ10の両端間の電圧であり、V1またはV2である。センサ10は、例えば
図9に示したようなスイッチS1を閉じることによって、センサ10の両端間に電圧を印加することによって充電される。
【0195】
測定サイクル64の放電または部分放電段階61において、センサ10は、時間T1から時間T2までの第2の期間51の間、放電される。例えば、ソースが接続解除され、S2がアクティブ化されて約7μs(T2~T1)の間、グランドに接続される。これにより、回路の寄生容量が排出され、電気化学セルが反転し、起電力が逆流し始める。放電し始めるこの短い時間の後、S1とS2の両方が開かれて、R1が高インピーダンスに接続される。S2が高Zになった瞬間、イオン化された環境は放電し続ける。この放電電流またはEMFにより、R3の両端間に電圧が発生し、この電圧は、センサによって、好ましくは所定の時間(T3)に測定される。
【0196】
充電能力のより高い環境(例えば、濡れたおしめ)の場合、より多くの電荷が蓄積され、電流がR2およびR3に流れ、したがって、その結果、環境の湿潤度と相関するADCによって測定される電圧がより高くなる。
【0197】
観察された挙動は、小さい電気化学セルの挙動である。エネルギーが「注入」されると、電解質(空気/おむつ/濡れたおむつ)がイオン化される。濡れたおむつは、乾いたおむつよりもイオン化する能力が高い。充電サイクルの後、セルは、回路を非常に短い時間短絡することによって電解セルからガルバニ電池に変わる。セルの速度が遅いため、回路のこの短絡後にEMFが流れ始め、これを測定して、センサを取り巻く環境内の水分を示すことができる。
【0198】
測定サイクル64の測定段階62において、センサの出力が測定される。出力は、電荷の量および/または放電された電荷の量に基づくことができる。いくつかの実施形態では、センサの出力は、センサの電気的特性に基づくことができる。いくつかの実施形態では、センサの出力は、センサの両端間の電圧、または回路内の別の電圧、またはセンサから(例えば、既知の抵抗器を介して)引き出される電流に基づくことができる。例えば、
図9の回路では、出力は、ポイントAにおいて測定される電圧である。
図9では、出力は、分圧器回路およびアナログデジタル変換器を使用して測定される。次に、センサの出力は、プロセッサまたはコントローラ33に提供される。
【0199】
プロセッサまたはコントローラ33は、センサの出力に基づいて、センサ10の測定された出力に基づく物品の水分または湿潤度を示す出力を判定することができる。
【0200】
図6に示すように、ライン52(破線)は、水分または湿潤度が存在するセンサの測定サイクル64の例を示し、ライン53は、水分または湿潤度が存在しないセンサの測定サイクル64の例を示す。
【0201】
時間T1に水分または湿潤度が存在するライン52の場合、電圧V1は、センサ10に水分が存在しないライン53の電圧V2と同じである。センサは、水分が存在しない場合よりも、水分が存在する場合の方が、電荷を運ぶ容量が大きくなる。したがって、同じ充電時間(第1の期間50)、および水分含有量に関係なくセンサ10が完全に充電されることを保証する充電時間が与えられると、水分が存在するセンサ10は、水分が存在しないセンサ10よりも多くの電荷を保持するが、センサの両端間の電圧は同じになる(すなわち、V1=V2)。
【0202】
続いて、部分放電段階61の終わりに、水分または湿潤度が存在するライン52のセンサ10電圧V1aの出力は、水分が存在しないライン53の電圧V2aよりも大きくなる。
【0203】
プロセッサまたはコントローラ33は、通信モジュール30を介して、外部デバイス31に基づいて、物品の水分または湿潤度を示す出力を通信することができる。
【0204】
通信モジュール30は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、または他の好適なRF通信モジュールなどの無線通信モジュールであり得る。通信周波数および/またはプロトコルの選択は、特定の使用シナリオに適用可能な利点を有する可能性があることは明らかであろう。例えば、比較的低い周波数(800~900MHz)は、病院、老人ホーム、デイケアセンターなど、より長い波長が障害物をよりよく透過できる大規模な環境において有利な場合がある。
【0205】
Bluetooth(BLEv5+、Z-waveなど)などのプロトコルは、より広いエリアにわたって通信するためのメッシュ技術を提供する場合がある。
【0206】
あるいは、通信モジュール30は、USB、イーサネット、または他のプロトコルなどの有線ソリューションであってもよい。有線プロトコルを使用して、センサ10に電力を供給し、および/またはセンサを充電/再充電することもできることが理解されよう。
【0207】
様々な誘導電力伝達技術が、車載(on-board)バッテリの充電/再充電に有用であり得ることも理解されよう。
【0208】
センサ10は、1つ以上のプレートを備え得る。プレートは、導電性であり得る。プレートは、上記のようなプレートの特性のいずれかの特徴を有し得る。
【0209】
センサ10は、センサにわたって電圧または電位差を提供または印加することによって充電することができる。
【0210】
センサ10は、第1のプレートと第2のプレートとにわたって電圧または電位差を提供することによって充電することができる。
【0211】
センサは、定電圧で充電することができる。
【0212】
第1の期間は、約30μsであり得る。
【0213】
第1の期間は、約20μs、または約10μs、または約5μs、または約2μsであり得る。
【0214】
第2の期間は、約7μsであり得る。
【0215】
センサは、既知の抵抗を介して放電される。
【0216】
センサの出力は、アナログデジタル変換器によって、および/または分圧器回路もしくは任意の他の好適な測定方法を介して測定される。
【0217】
システムは、少なくとも1つのメモリ要素34を備え得る。
【0218】
システムは、センサを充電および/または放電するように当該プロセッサによって制御されるように構成されている1つ以上のスイッチ(例えば、S1およびS2)を備え得る。
【0219】
スイッチは、当技術分野で知られている任意のスイッチ、例えば、1つ以上のトランジスタであり得る。
【0220】
センサの出力は、物品の湿潤度または水分に比例する場合がある。
【0221】
センサの出力は、物品が乾燥しているときよりも、物品が濡れているときまたは湿っているときの方が高い場合がある。
【0222】
センサの出力は、物品が濡れているときまたは湿っているときよりも、物品が乾燥しているときの方が低い場合がある。
【0223】
図11は、システムの図式概要を示す。システムは、1つ以上の通信モジュール30を備え得る。通信モジュール30は、プロセッサまたは他の電気部品の一部として提供され得る。
【0224】
通信モジュール30は、システムと外部デバイス31との間の通信を提供することができる。通信モジュール30は、有線および/または無線接続を介した通信を提供することができる。
【0225】
通信モジュール30は、センサおよび/またはシステムの任意の出力を提供するように構成され得る。
【0226】
ディスプレイモジュールも提供され得る。ディスプレイモジュールは、センサおよび/またはシステムの任意の出力を表示することができる。
【0227】
いくつかの実施形態では、物品の水分または湿潤度および飽和点を示す出力は、
図13に示されるように、センサからの連続する測定読み取り値間の差の1次導関数および2次導関数を使用して判定される。
【0228】
物品の水分または湿潤度および飽和点を示す出力は、センサの出力からの連続する測定読み取り値間の差の1次導関数と2次導関数との間の比較にさらに基づく。
【0229】
いくつかの実施形態では、センサ10から出力された生データは、センサ上で処理され得る。
【0230】
あるいは、センサ10からの生データは、通信モジュール30によって外部デバイスに通信され得、外部デバイスは、例えば、
・データをフィルタ処理すること、
・1次導関数を計算すること、
・2次導関数を計算すること、
・平均化すること、
・上記のいずれかを所定の設定ポイントと比較すること、
・本明細書に記載されている任意の他の計算、を計算することによって、データをさらに処理し得る。
【0231】
外部デバイスは、例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、クラウドサーバ、データベースサーバ、または専用コントローラであり得る。デバイスが使用されることが意図されている環境は、少なくともある程度、好ましい構成を規定することが理解されよう。例えば、センサ10から(有線または無線)出力されたデータストリームのオフボード計算および分析は、中央モジュール10の電力要件を低減し、それにより、所与のバッテリ/充電からの期待される寿命を延ばすことができる。
【0232】
あるいは、スタンドアロンシステムが好ましい構成では、センサモジュール10は、アラートおよび/またはユーザ相互作用が物品の湿潤度または水分などに関連するイベントを通信することを可能するために、データ出力の追加の処理ステップを組み込むことができ、および/またはユーザインターフェースを含むことができる。
【0233】
図12は、経時的なセンサからの一連の測定読み取り値と、これらの読み取り値の対応する1次および2次導関数とを詳述するグラフを示す。
【0234】
1次導関数と2次導関数との比較に基づく、物品の水分または湿潤度および飽和点を示す出力の判定についてさらに説明する。
【0235】
各期間において、センサは、
図6に関連して説明した測定サイクルを実行する。この測定サイクルは、繰り返し発生し、先行サイクルとは無関係である。各測定サイクルは、読み取り値を生成する。
【0236】
好ましくは、測定は、自律的に行われ、例えば、所定の間隔で定期的に行われ得るか、あるいは、それでも、ユーザまたは外部ソースからの入力などのトリガに応答して行われ得る。
【0237】
各測定読み取り値は、
図6に示され、
図6に関連して説明されているように、センサを充電および放電することによって取得される。T2において得られた値が測定読み取り値として使用される。
【0238】
T2において得られた各値は、分析のための入力として、測定読み取り値として取得および保存される。一実施形態では、各測定サイクルの間に、T2においていくつかの値が得られる。いくつかの読み取り値を平均化して、測定サイクルの間の測定読み取り値を判定することができる。これは、ノイズを除去するのに役立つ。
【0239】
図12のライン120は、後で説明するように、物品の様々な水分または湿潤度レベルのいくつかの段階(121、123、125、127、129、131、133)を通過するときの、センサについて上記で説明した経時的な一連の測定読み取り値の例を示す。
【0240】
物品の水分または湿潤度を示す出力は、ライン122に示されているように、初期ベースライン測定値または以前の測定値に基づく。この実施形態における初期ベースライン測定値は、
図12のグラフの領域121によって示されるように、センサが物品上に配置される前に取得されたセンサ測定読み取り値である。
【0241】
ベースライン測定値または以前の測定値は、センサを構築するために使用される材料に依存する。
【0242】
いくつかの実施形態では、測定読み取り値がセンサによって取得された後、次いで、
図12のライン124の読み取り値によって示されるように、この読み取り値からベースライン測定値または以前の測定値が削除される。
【0243】
この実施形態では、コントローラまたはプロセッサは、理解されるように、各期間における連続する測定読み取り値の間の差の1次導関数を判定する。
【0244】
この実施形態では、次に、コントローラまたはプロセッサは、理解されるように、各期間における連続する1次導関数計算の間の差の2次導関数を判定する。
【0245】
ライン128は、経過的にライン124によって示される測定読み取り値の一連の1次導関数計算を示す。ライン126は、経過的な2次導関数計算を示す。
【0246】
この実施形態では、各1次導関数および2次導関数は、センサが測定読み取り値を取得するとリアルタイムで計算される。
【0247】
計算されると、1次導関数と2次導関数がコントローラまたはプロセッサによって比較される。1次導関数計算と2次導関数計算との間のこの比較を使用して、物品の水分もしくは湿潤度がいつ変化するか、および/または物品の飽和点にいつ到達したかを判定することができる。
【0248】
この実施形態では、コントローラまたはプロセッサは、現在または最新の1次および2次導関数データポイントを比較する。いくつかの実施形態では、コントローラまたはプロセッサはまた、現在または最新の1次導関数データポイントを先行1次導関数データポイントと比較し、現在または最新の2次導関数データポイントを先行2次導関数データポイントと比較する。
【0249】
これらのデータポイントを比較することにより、飽和点を含む、様々な水分または湿潤度の様々な状態を判定することができる。例として、および以下の
図12を参照しながら説明されるように、グラフ121、123、125、127、129、131、133の異なる領域は各々、センサまたは物品の異なるまたは変化する水分または湿潤度レベルの例を示す。
【0250】
まず、1次導関数ピークなし、および2次導関数ピークなしは、センサが、水分または湿潤度が一定または不変である状態にあることを示す。これは、センサがまだ物品上に配置されていない領域121、およびセンサが一定レベルの水分または湿潤度を読み取っている領域127に示されている。
【0251】
小さい1次導関数ピーク、および2次導関数ピークなしまたはほとんどなしは、センサが物品に取り付けられていることを示す。これは、例として
図12の領域123に示されている。
【0252】
大きい負の1次導関数ピーク、および正から負に向かう2次導関数ピークは、水分または湿潤度レベルが高い物品からセンサが取り外されたことを示す。これの例は、領域133に示されている。
【0253】
正の1次導関数ピーク、および負から正に向かう2次導関数ピークは、水分または湿潤度レベルが増加していることを示す。これは、水分または湿潤度が大幅に増加する領域125に示されている。
【0254】
わずかに正の1次導関数ピーク、および負から正に向かう2次導関数ピークは、物品が飽和点に近づいていることを示す。これは、
図12の領域129に示されている。
【0255】
図12の領域123、125、または129に関連して説明したような水分または湿潤度レベルの変化を示す状態に続いて減少している1次導関数ピークおよび減少している2次導関数ピークは、物品がその飽和点に到達したことを示す。
【0256】
異なる物品は異なる飽和点を有し、各物品の飽和点は物品の材料によって判定されることが理解されよう。
【0257】
いくつかの実施形態では、物品の飽和点に到達し、これがコントローラまたはプロセッサによって判定されると、これは信号をトリガする。この信号は、物品の飽和をユーザに警告する場合がある。
【0258】
図14を参照しながら、本発明によるセンサ10の試験結果を説明する。この試験では、センサ10をおしめの外側(乾いた側)に取り付け、おしめの内側に定期的に水を注入した。これらの試験では、おしめは、試験の期間中ずっと静止したままであった。
【0259】
採用された(かつ
図14に示されている)試験プロトコルは、以下を含んだ:
ステップ1-14秒の期間にわたって45mLの水を注入する、
ステップ2-6分待つ、
ステップ3-7秒の期間にわたって25mLの水を注入する、
ステップ4-1分待つ、
ステップ5-漏れが発生するまで、7秒の期間にわたって25mLの注入を繰り返す。
【0260】
図14に示されている一連200を参照すると、生のセンサ出力データが示されている。破線201は、おしめに何らかの水が加えられる前の、(センサ10がおしめに取り付けられている)ベースラインを表す。プロット202の最後の部分は、センサがおしめから取り外されたため、元のベースラインを下回っていることがわかる。
【0261】
図14に示されている一連300を参照すると、生データのフィルタ処理されたプロットが示されている。
【0262】
プロットの最初の部分は、14秒の期間にわたって45mLの水が注入されたことを示す。次に、プロットは、6分間の待機に対応する6分間の期間にわたって安定し、そこでは、さらなる水分が追加されなかった。
【0263】
6分間の待機期間に続いて、25mLの水が注入された一連の1分間ステップが示されている。
【0264】
プロットの最後の部分では、おしめが飽和状態になり、漏れが発生すると、センサ出力においてさらなる水の注入がマスクされる。
【0265】
一連200および一連300のプロットを分析することから、注入された水の量と、センサ10によって感知されたセンサ出力との間に強い相関関係があることがわかる。この強い相関関係は、センサ10が非接触タイプのセンサであり、おしめの外側(乾燥側)に取り付けられたことを考えると、特に有用である。
【0266】
さらに、
図14に示されている一連400を参照すると、フィルタ処理されたデータの1次導関数のプロットが示されている。このプロットから、おしめへの液体の注入に対応するピークをはっきりと見ることができる。したがって、1次導関数データを使用して、注入イベントの発生と非常に強く相関させ、この注入イベントの発生を識別することができる。
【0267】
文脈上明白に別様に要求される場合を除いて、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」などの単語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包含的な意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0268】
前述の説明において、完全体またはその既知の均等物を有する部品を参照している場合、それらの完全体は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0269】
本発明はまた、本出願の明細書で言及または示される部品、要素および特徴からなり、個々にまたは集合的に、該部品、要素または特徴のいずれか、または2つ以上のすべての組み合わせであると広義に言うことができる。
【0270】
本明細書における任意の先行技術への言及は、その先行技術が世界のあらゆる国における努力傾注分野における共通の一般知識の一部を形成することの承認または任意の形態の暗示ではなく、かつそのように解釈されるべきではない。
【0271】
本開示のいくつかの構成の特定の特徴、態様、および利点が、呼吸療法システムを伴うガス加湿システムの使用に関連して説明された。しかしながら、記載されたガス加湿システムの使用の特定の特徴、態様、および利点は、ガスの加湿を必要とする他の療法または非療法システムと共に有利に使用され得る。本開示の方法および装置の特定の特徴、態様、および利点は、他のシステムでの使用に等しく適用することができる。
【0272】
本開示は、特定の実施形態に関して説明されてきたが、当業者に明らかな他の実施形態もまた、本開示の範囲内にある。したがって、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行い得る。例えば、様々な部品を必要に応じて再配置してもよい。さらに、本開示を実施するために、特徴、態様、および利点のすべてが必ずしも必要とされるわけではない。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義されることを意図している。
【0273】
[好ましい特徴]
中間層(20)が、絶縁層(26)および/または誘電体層である、センサ。
【0274】
中間層(20)が、第1のプレート(11)および/または第2のプレート(12)のエッジを越えて延在して、電気部品を取り付けることができる表面を提供する、センサ。
【0275】
電気部品が、
マイクロコントローラ、
バッテリまたは他のエネルギー源、
コンパレータ、
アナログデジタル変換器、
統合された部品、
抵抗器、
トランジスタ、
キャパシタ、
インダクタ、
スイッチ、
ダイオードおよび/またはLED、
共鳴結晶、
アンテナ、
トランジスタ、
通信モジュール、
ディスプレイモジュール、のうちの1つ以上である、センサ。
【0276】
第1のプレート(11)が、センサ(10)の第1の側面(21)上に提供され、第1の側面(21)が、使用中の物品(28)に向かって位置するように構成されている、センサ。
【0277】
第2のプレート(12)が、センサ(10)の第2の側面(22)上に提供され、第2の側面(22)が、使用中の物品(28)から離れて位置するように構成されている、センサ。
【0278】
保護層(23)が、センサ(10)の保護を提供するように構成されている外層として提供される、センサ。
【0279】
保護層(23)が、センサ(10)をカプセル化するように構成されている、センサ。
【0280】
保護層(23)が、ポリマー層、または塗料、もしくはラテックス塗料、またはゴムまたはガラスのうちの1つ以上であるか、またはそれらを備える、センサ。
【0281】
保護層(23)が、電気絶縁材料であるように構成されている、センサ。
【0282】
保護層(23)が、約25mm未満の厚さ、または約5~約20mmの厚さであるように構成されている、センサ。
【0283】
センサ(10)が、取り付け部分(24)を備える、センサ。
【0284】
取り付け部分(24)が、センサ(10)の側面、任意選択的に第1の側面上に提供される、センサ。
【0285】
取り付け部分(24)が、センサ(10)を物品(28)に取り付けることを可能にするように構成されている、センサ。
【0286】
取り付け部分(24)が、
フックおよび/またはループ材料、
接着剤、
ピンまたはボタン、
静電取り付けメカニズム、のうちの1つ以上を備える、請求項26~29のいずれか一項に記載のセンサ(10)。
【0287】
隔離層(25)が、絶縁層(26)を備える、センサ。
【0288】
隔離層(25)の絶縁層(26)が、ポリマー層である、センサ。
【0289】
隔離層(25)が、導電性シートを含む、センサ。
【0290】
隔離層(25)が、センサ10を外部環境から隔離するように構成されている、センサ。
【0291】
センサ(10)にわたって電圧または電位差を提供または印加することによってセンサ(10)が充電される、システム。
【0292】
センサ(10)の出力が、物品(28)の湿潤度または水分に比例する、システム。
【0293】
センサ(10)の出力が、物品(28)が乾燥しているときよりも、物品(28)が濡れているときまたは湿っているときの方が高い、システム。
【0294】
センサ(10)の出力が、物品(28)が濡れているときまたは湿っているときよりも、物品(28)が乾燥しているときの方が低い、システム。
【0295】
センサ(10)の出力が、物品(28)の湿潤度または水分に比例する、方法。
【0296】
センサ(10)の出力が、物品(28)が乾燥しているときよりも、物品(28)が濡れているときまたは湿っているときの方が高い、方法。
【0297】
センサ(10)の出力が、物品(28)が濡れているときまたは湿っているときよりも、物品(28)が乾燥しているときの方が低い、方法。