(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027126
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】データ処理プログラム、データ処理方法、および、データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20230221BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230221BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20230221BHJP
【FI】
G06T19/00 300B
G06F3/01 510
G06F3/04815
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188990
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2021077850の分割
【原出願日】2018-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 雅人
(72)【発明者】
【氏名】安部 美春
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 淳子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プレイヤが装着している表示装置に必要な情報を表示するデータ処理プログラム、データ処理方法及びデータ処理装置を提供する。
【解決手段】データ処理プログラムは、プレイヤが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)10に少なくとも一つのオブジェクトを含む仮想空間画像を表示させる制御部21を、外部情報を取得する取得部と、オブジェクトに関連付けられたオブジェクト情報に基づいて、外部情報を表示可能である特定オブジェクトを特定する特定部と、HMD10に特定オブジェクトを表示させているときに、特定オブジェクトに設定された情報表示領域に対して外部情報を重畳させて表示させる表示処理部と、して機能させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが頭部に装着する表示装置に少なくとも一つのオブジェクトを含む仮想空間画像を表示させる制御装置を、
外部情報を取得する取得部と、
前記オブジェクトに関連付けられたオブジェクト情報に基づいて、前記外部情報を表示可能である特定オブジェクトを特定する特定部と、
前記表示装置に前記特定オブジェクトを表示させているときに、前記特定オブジェクトに設定された情報表示領域に対して前記外部情報を重畳させて表示させる表示処理部として機能させる、データ処理プログラム。
【請求項2】
前記制御装置を、
表示中の前記仮想空間画像の場面に関連付けられた識別情報に基づいて、当該場面が前記外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定部と、
取得した前記外部情報の重要度を判別する判別部としてさらに機能させ、
前記外部情報を表示可能な場面に関連付けられた前記識別情報は、表示可能である前記外部情報の重要度を含み、
前記判定部は、前記識別情報に基づき、取得した前記外部情報の重要度が、表示中の前記仮想空間画像の場面に関連付けられた重要度に該当する場合に、当該場面において前記外部情報を表示可能であると判定する、請求項1に記載のデータ処理プログラム。
【請求項3】
前記外部情報の一つは、前記プレイヤを送信先とする電子メールを受信したことに関する情報である、
請求項1又は2に記載のデータ処理プログラム。
【請求項4】
前記外部情報の一つは、現実世界の天気に関する情報である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
【請求項5】
前記外部情報の一つは、チャットの内容、又はチャットの着信を知らせる情報である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
【請求項6】
前記外部情報の一つは、仮想空間内でプレイ中のゲームの攻略情報である、請求項1~5のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
【請求項7】
前記制御装置を、
複数種類の前記外部情報が入力されたとき、特定の前記外部情報を優先して表示する優先度判別部として機能させる
請求項1~6のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
【請求項8】
前記制御装置を、ゲームの進行を管理するとともに前記ゲームの前記仮想空間画像を前記表示装置に表示させる進行管理部としてさらに機能させ、
前記判定部は、前記進行管理部による前記ゲームの進行に基づいて表示される前記場面に関連付けられた前記識別情報に応じて前記外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する、請求項2に記載のデータ処理プログラム。
【請求項9】
前記特定オブジェクトは、仮想の情報処理装置である、請求項1~8のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
【請求項10】
前記外部情報は文字データを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
【請求項11】
プレイヤが頭部に装着する表示装置に少なくとも一つのオブジェクトを含む仮想空間画像を表示させる制御装置が、
外部情報を取得する取得処理と、
前記オブジェクトに関連付けられたオブジェクト情報に基づいて、前記外部情報を表示可能である特定オブジェクトを特定する特定処理と、
前記表示装置に前記特定オブジェクトを表示させているときに、前記特定オブジェクトに設定された情報表示領域に対して前記外部情報を重畳させて表示させる表示制御処理と、を実行する、データ処理方法。
【請求項12】
プレイヤが頭部に装着する表示装置に少なくとも一つのオブジェクトを含む仮想空間画像を表示させる表示制御部と、
外部情報を取得する取得部と、
前記オブジェクトに関連付けられたオブジェクト情報に基づいて、前記外部情報を表示可能である特定オブジェクトを特定する特定部と、を備え、
前記表示制御部は、前記表示装置に前記特定オブジェクトを表示させているときに、前記特定オブジェクトに設定された情報表示領域に対して前記外部情報を重畳させて表示させる、データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に外部情報を表示可能としたデータ処理プログラム、データ処理方法、および、データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
頭部に表示装置としてのヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDという。)を装着しているときは、HMDに表示されている画像に没入しており、プレイヤの周辺環境を認識しづらくなる。そこで、特許文献1などのように、HMDの表示において、周辺環境の状況をメッセージで表示したり、カメラで撮像した周辺環境の現実空間画像を表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、HMDを装着してゲームなどをしているときには、プレイヤの周辺環境の現実空間画像を表示するだけでは情報が不十分なこともある。
本発明は、プレイヤが装着している表示装置に、多様な情報を表示可能としたデータ処理プログラム、データ処理方法、および、データ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するデータ処理プログラムは、プレイヤが頭部に装着する表示装置に仮想空間画像を表示させる制御装置を、前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、前記仮想空間画像に含まれる第1特定オブジェクトに対して、外部から入力された第1外部情報を表示させる第1表示処理部、および、前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、外部から入力された第2外部情報であって、現実空間画像を含む前記第2外部情報を、前記仮想空間画像とともに表示させる第2表示処理部のうちの少なくとも一方を表示処理部として機能させるとともに、前記仮想空間画像を表示する場面に応じて、当該場面が前記第1外部情報又は前記第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定部として機能させ、前記第1表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第1外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第1外部情報を表示し、前記第2表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第2外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第2外部情報を表示する。
【0006】
上記構成によれば、プレイヤが装着している表示装置に多様な情報を表示可能とすることができる。
【0007】
また、上記構成によれば、第1外部情報と第2外部情報の少なくとも1つの外部情報が表示処理部により表示される。したがって、プレイヤは、表示装置を装着してゲームに没入しているときであっても、第1外部情報と第2外部情報の少なくとも1つの外部情報を視認することができる。
【0008】
上記データ処理プログラムにおいて、前記第1外部情報は、前記プレイヤを送信先とする電子メールを受信したことに関する情報、及び天気情報に変化が生じたことに関する情報の少なくとも一方であってもよい。
【0009】
上記データ処理プログラムにおいて、前記第1表示処理部は、環境情報に変化が生じたことを契機として前記第1外部情報を取得した場合、前記仮想空間画像に含まれる複数のオブジェクトから第1特定オブジェクトを特定し、特定した前記第1特定オブジェクトに対して、前記第1外部情報を表示させてもよい。
【0010】
上記データ処理プログラムにおいて、前記現実空間画像は、前記プレイヤの周辺環境を撮像した画像であって、前記第2表示処理部は、前記第2外部情報に変化が検出された場合、前記仮想空間画像とともに前記第2外部情報として前記現実空間画像を表示させてもよい。
【0011】
上記データ処理プログラムにおいて、前記第2表示処理部は、前記仮想空間画像に対して重ねて前記第2外部情報としての前記現実空間画像を表示させてもよい。
【0012】
上記データ処理プログラムにおいて、前記制御装置を、前記仮想空間画像の中から第2特定オブジェクトを特定するオブジェクト特定部として機能させ、前記第2表示処理部は、前記第2特定オブジェクトに対して前記第2外部情報としての前記現実空間画像を重ねて表示させてもよい。
【0013】
上記データ処理プログラムにおいて、前記第2表示処理部は、前記現実空間画像に対して前記仮想空間画像を重ねて表示させてもよい。
【0014】
上記データ処理プログラムにおいて、前記制御装置を、前記現実空間画像の中から第3特定オブジェクトを特定するオブジェクト特定部であって、前記第3特定オブジェクトに対して前記仮想空間画像を表示させるオブジェクト特定部として機能させてもよい。
【0015】
上記データ処理プログラムにおいて、前記第2表示処理部は、表示領域を分割して、一方の表示領域に前記仮想空間画像を表示させ、他方の表示領域に前記第2外部情報としての前記現実空間画像を表示させてもよい。
【0016】
上記データ処理プログラムにおいて、前記第1外部情報は、複数種類あり、種類に応じた取得先があり、前記制御装置を、事前に登録された前記第1外部情報の取得先の各々から前記第1外部情報を取得する取得部として機能させてもよい。
【0017】
上記データ処理プログラムにおいて、前記制御装置を、複数種類の前記第1外部情報が入力されたとき、特定の前記第1外部情報を優先して表示する判別部として機能させてもよい。
【0018】
上記データ処理プログラムにおいて、前記制御装置を、外部からの入力が前記第1外部情報であるか前記第2外部情報であるかを判別する判別部として機能させてもよい。
【0019】
上記データ処理プログラムにおいて、前記制御装置を、複数種類の前記第2外部情報が入力されたとき、特定の前記第2外部情報を優先して表示する判別部として機能させてもよい。
【0020】
上記課題を解決するデータ処理方法は、プレイヤが頭部に装着する表示装置に仮想空間画像を表示させるデータ処理方法において、前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、前記仮想空間画像に含まれる第1特定オブジェクトに対して、外部から入力された第1外部情報を表示させる表示処理ステップ、および、前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、外部から入力された第2外部情報であって、現実空間
画像を含む前記第2外部情報を、前記仮想空間画像とともに表示させる第2表示処理ステップのうちの少なくとも一方の表示処理ステップを実行するとともに、前記仮想空間画像を表示する場面に応じて、当該場面が前記第1外部情報又は前記第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定ステップ、を実行し、前記第1表示処理ステップでは、前記判定部により前記場面が前記第1外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第1外部情報を表示し、前記第2表示処理ステップでは、前記判定部により前記場面が前記第2外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第2外部情報を表示する。
【0021】
上記課題を解決するデータ処理装置は、プレイヤが頭部に装着する表示装置に仮想空間画像を表示させるデータ処理装置において、前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、前記仮想空間画像に含まれる第1特定オブジェクトに対して、外部から入力された第1外部情報を表示させる第1表示処理部、および、前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、外部から入力された第2外部情報であって、現実空間画像を含む前記第2外部情報を、前記仮想空間画像とともに表示させる第2表示処理部のうちの少なくとも一方の表示処理部を備えるとともに、前記仮想空間画像を表示する場面に応じて、当該場面が前記第1外部情報又は前記第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定部を備え、前記第1表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第1外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第1外部情報を表示し、前記第2表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第2外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第2外部情報を表示する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プレイヤが装着している表示装置に多様な情報を表示可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】データ処理システムの実施態様を模式的に示す斜視図。
【
図3】プレイヤの頭部の位置と向きの特定に用いられる座標系を示す図。
【
図5】仮想空間画像にあるスマートフォンの第1特定オブジェクトに第1外部情報として電子メールを重畳して表示した画面を示す図。
【
図6】キャラクタオブジェクトからの質問に対して回答をする画面であって、掲示板の第1特定オブジェクトに第1外部情報としての攻略情報を重畳して表示した画面を示す図。
【
図7】仮想空間画像に屋外の様子(雨)のオブジェクトを重畳して表示するとともに、掲示板の第1特定オブジェクトに第1外部情報としての天気情報を重畳して表示した画面を示す図。
【
図8】キャラクタオブジェクトに対する質問に対して回答をする画面であって、第2外部情報としてプレイヤ周辺の現実空間画像を重畳して表示した画面を示す図。
【
図9】仮想空間画像にあるスマートフォンの第2特定オブジェクトに第2外部情報として屋外の現実空間画像を重畳して表示した画面を示す図。
【
図10】キャラクタオブジェクトからの質問に対して回答をする画面であって、掲示板の第1特定オブジェクトに第1外部情報として攻略情報を重畳して表示するとともに、第2外部情報としてプレイヤ周辺の現実空間画像を重畳して表示した画面を示す図。
【
図11】第2外部情報としての現実空間画像の中から検出された第3特定オブジェクトの情報表示領域に仮想空間画像を重畳して表示した画面を示す図。
【
図12】表示画面が第1領域と第2領域とに分割され、第1領域に、ゲームの仮想空間画像を表示し、第2領域に、第2外部情報としての現実空間画像を表示した画面を示す図。
【
図13】ゲーム処理装置のハードウェア構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1~
図13を参照して、本発明を適用したゲーム処理システムについて図面を参照して説明する。
[概要]
図1に示すように、本発明が適用されたゲーム処理システムは、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)10と、ゲーム処理装置20と、操作装置30と、撮像装置40とを備えている。HMD10とゲーム処理装置20とは、有線または無線による通信を行う。また、操作装置30とHMD10およびゲーム処理装置20との間も有線または無線による通信を行う。さらに、撮像装置40とゲーム処理装置20およびHMD10との間も有線または無線による通信を行う。ゲーム処理システムでは、バーチャルリアリティゲームを行うことができる。
【0025】
HMD10は、プレイヤPの頭部に装着され、操作装置30は、プレイヤPに操作される。ゲーム処理装置20は、HMD10の少なくとも向きに応じた視点でゲームの仮想空間画像をHMD10に表示させ、HMD10および操作装置30にて検出された情報に基づき、仮想空間で行われるゲームの進行を管理する。1つのHMD10は、1つの操作装置30と対応付けられている。したがって、互いに対応付けられたHMD10と操作装置30とは、同一のプレイヤに利用される。なお、ゲーム処理システムは、HMD10と操作装置30との組が複数であってもよく、複数の場合は、複数人で同時にゲームを行うことができる。ゲーム処理システムは、プレイヤPの周辺の現実空間画像を撮像する撮像装置40を備えている。ゲーム処理システムは、プレイヤPがゲーム没入しているときであっても、自分宛ての電子メールなどのメッセージの着信やプレイ中のゲームの攻略情報などを第1外部情報として告知できるようにしている。また、撮像装置40は、プレイヤPがゲームに没入しているときであっても、周辺環境に変化が生じたときに、HMD10を装着しているプレイヤPに対して周辺環境を告知できるようにしている。
【0026】
[HMD]
図2に示すように、HMD10は、HMD制御部11、センサ12、ディスプレイ13、および、スピーカ14を備える。HMD10は、ゲーム処理装置20に各種の情報を出力するとともに、ゲーム処理装置20から各種の情報が入力される。
【0027】
センサ12は、現実空間におけるHMD10の少なくとも向きを検出する。センサ12は、HMD10の位置を検出するようにしてもよい。センサ12は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサなどの少なくとも一つを備える。例えば、センサ12は、視線センサをさらに備えて、プレイヤの視線が向けられる方向(視線方向)を、直接的に検出してもよい。
【0028】
HMD制御部11は、センサ12の検出した結果を用いて、プレイヤPの頭部の向きを算出する。HMD制御部11は、プレイヤPの頭部の向きに加え、頭部の位置を算出してもよい。HMD制御部11は、頭部の向きを算出するとき、各軸周りの角度として算出する。HMD制御部11は、頭部の位置を算出するとき、3軸方向の位置を算出する。例えば、
図3に示すように、3軸は、水平方向に沿ったX軸、鉛直方向に沿ったY軸、および、奥行方向に沿ったZ軸である。軸周りの角度は、X軸を中心とした回転方向を示すピッチθp、Y軸を中心とした回転方向を示すヨーθy、および、Z軸を中心とした回転方向を示すロールθrである。
【0029】
HMD制御部11は、入出力インタフェースを含み、プレイヤPの頭部の向きをゲーム
処理装置20に送信する。HMD制御部11のプレイヤPの頭部の位置を算出した場合には、頭部の位置をゲーム処理装置20に送信する。ゲーム処理装置20は、プレイヤPの頭部の向きなどから、仮想空間におけるプレイヤPの向き(仮想カメラの視線方向)とを算出する。
【0030】
ディスプレイ13は、表示装置の一例である。ディスプレイ13は、視差画像を出力して、奥行き感のある立体的な画像をプレイヤPに視認させる。ゲーム処理装置20は、仮想空間におけるプレイヤPの向きに基づいて、視差画像を出力するための画像データを生成する。ゲーム処理装置20は、生成した画像データをHMD10に送信する。HMD制御部11は、ゲーム処理装置20から受信した信号を用いて、仮想空間の画像をディスプレイ13に表示させる。
【0031】
スピーカ14は、視差画像の背景で流す効果音、音声、および、楽曲などのゲーム音を出力する。ゲーム処理装置20は、ゲームの進捗状況を把握し、ゲームの進捗状況に適した音を出力するための音データを生成する。ゲーム処理装置20は、生成した音データをHMD10に送信する。HMD制御部11は、ゲーム処理装置20から受信した音声信号をスピーカ14に出力する。
【0032】
[操作装置]
操作装置30は、当該操作装置30と対応付けられたHMD10と有線または無線により通信可能に構成され、プレイヤPが操作装置30を手に持つこと、あるいは、プレイヤPが操作装置30を手や腕に装着することによってプレイヤPに携帯される。操作装置30は、情報処理部31と、トラッキング情報検出部32と、操作部33とを備えている。
【0033】
情報処理部31は、プロセッサ、メモリ、通信用インタフェース等を含む。情報処理部31は、センサ12の検出結果に応じた信号、および、操作部33に対する操作に応じた信号をHMD10に出力する。HMD10は、操作装置30から入力された信号に応じた信号を、ゲーム処理装置20に出力する。
【0034】
トラッキング情報検出部32は、操作装置30の位置および向きの算出のための情報を検出する機器を含む。操作装置30の位置は、プレイヤPの手の位置に相当する。トラッキング情報検出部32には、少なくとも方向の変化を検出するセンサが含まれる。例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、および、地磁気センサのうち少なくとも1つのセンサが含まれる。トラッキング情報検出部32の検出結果から算出される操作装置30の位置は、操作装置30の初期位置に対する相対的な位置であってもよいし、操作装置30と対応付けられたHMD10の位置に対する相対的な位置であってもよいし、現実空間における絶対的な位置であってもよい。
【0035】
操作部33は、例えば、プレイヤPが押して操作するボタン型や上下左右に動かすジョイスティックのようなレバー型であり、プレイヤPが目視せずとも操作可能に構成されている。また、タッチパネルであってもよい。なお、操作装置30は、HMD10を介さず直接にゲーム処理装置20と通信を行い、トラッキング情報検出部32の検出結果に応じた信号、および、操作部33に対する操作に応じた信号をゲーム処理装置20に出力してもよい。この場合、HMD10と操作装置30との対応付けは、ゲーム処理装置20において、HMD10と操作装置30との各々の識別情報の対応付けが記憶されること等によって管理されればよい。
【0036】
なお、例えば、トラッキング情報検出部32は、主としてHMD10の位置の算出に用いられる情報を検出するための位置検出用機器を含んでもよい。具体的には、位置検出用機器は、プレイヤPが位置する現実空間にHMD10とは別に設けられたトラッキング補
助装置36との協働により、HMD10の位置の算出のための情報を検出可能とする。位置検出用機器とトラッキング補助装置36とは、HMD10の位置に加えて向きの算出にも利用されてもよい。例えば、位置検出用機器とトラッキング補助装置36との一方は、赤外光もしくは可視光を射出するレーザー装置やLED等の発光装置であり、位置検出用機器とトラッキング補助装置36との他方は、上記発光装置に対応した光を受光するカメラ等の受光装置である。そして、所定の配置を有する複数の発光装置のうち、何れの発光装置からの光を受光装置が受光したか、所定の配置を有する複数の受光装置のうち、何れの受光装置が発光装置からの光を受光したか、発光装置からの光の射出方向、発光装置から射出された光が受光装置への到達までに要した時間等の情報が検出され、これらの情報に基づき、HMD10の位置や向きが算出される。トラッキング補助装置36が受光装置である場合や、トラッキング補助装置36が発光装置であって、その発光をゲーム処理装置20が制御する場合には、トラッキング補助装置36はゲーム処理装置20と直接に、もしくは、HMD10を介して、通信可能に構成されていればよい。
【0037】
なお、HMD10の外部に設置されたトラッキング補助装置36を用いずに、HMD10が備えるトラッキング情報検出部32の検出結果のみを利用して、HMD10の位置および向きが算出可能なように、トラッキング情報検出部32が構成されていてもよい。トラッキング情報検出部32の検出結果から算出されるHMD10の位置は、HMD10の初期位置に対する相対的な位置であってもよいし、現実空間、すなわち、プレイヤPがゲームをプレイする際に位置する所定の大きさの三次元空間における絶対的な位置であってもよい。
【0038】
[撮像装置]
撮像装置40は、ゲーム処理装置20やHMD10と有線または無線により通信可能に構成されている。撮像装置40は、プレイヤPの周辺環境を撮像するものである。撮像装置40は、プレイヤPの近くのテーブル等に三脚などによって設置されていてもよい。この場合の撮像装置40の撮像方向は、プレイヤPの視線方向であってもよいし、プレイヤPの背面方向であってもよい。プレイヤPの視線方向を撮像方向としたときには、プレイヤPの前方に近づいた人物などを検出することができる。また、プレイヤPの背面方向を撮像方向としたときには、プレイヤPの背後に近づいた人物などを検出することができる。また、撮像装置40は、屋外を撮像するものであってもよい。屋外を撮像可能な撮像装置40は、例えばプレイヤPが居る建物の屋上などの屋外に設置されている。撮像装置40は、複数の撮像部を備えることによって、プレイヤPの周辺環境や屋外の様子などの複数箇所の現実空間画像を取得することができる。勿論、撮像部の数や設置する箇所は、これらの箇所に限定されるものではない。
【0039】
撮像装置40は、撮像部41と、検出部42とを備えている。撮像部41は、例えば、立体画像を表示できるように、右目用の撮像素子と、左目用の撮像素子とを備えていてもよい。撮像素子は、例えば、CCD素子やCMOS素子である。撮像部41は、例えば、広角レンズを備えたカメラである。また、撮像範囲は、60°程度であってもよいし、180°程度であってもよいし、360°であってもよい。例えば、撮像装置40は、三脚に設置されることで、自動的に、パン方向およびチルト方向に回転するようにしてもよい。撮像部41は、少なくとも、プレイヤPの周辺環境(ゲーム処理装置20の近く)や屋外に設置される。複数の撮像部41を備えるときには、全ての撮像部が2つの撮像素子を備えていなくてもよい。
【0040】
検出部42は、例えば人感センサである。検出部42は、赤外線により周囲の温度変化を検出する熱センサ、光の反射を検出する光センサ、音波の変化を検出する音波センサ、音を検出する音感センサ、人物の静電気を検出するタッチセンサなどであり、プレイヤPの周囲に人が近づいたことを検出する。そして、人物等の生体を検出したとき、撮像部4
1で周辺環境を撮像する。検出部42は、センサを用いて構成するのではなく、データ処理によって画像の変化を検出する検出部であってもよい。例えば、撮像している領域は、動体が存在しない静止空間であって、そこに人が現れたときには、それまでの現実空間画像に変化が生じる。検出部42は、この画像の変化を検出し、HMD10やゲーム処理装置20に対して出力するようにしてもよい。さらに、屋外の撮像部41の近くには、例えば、降雨センサや湿度センサや温度センサなどを配置しておいてもよく、これにより、種々の屋外環境を検出できるようになる。このような検出部42は、複数箇所に撮像部41が設置される場合において、各撮像部41に検出部42を設けてもよいし、室内の撮像部41だけに設けてもよいし、屋外の撮像部41だけに設けるようにしてもよい。また、撮像部41を設置する場所に応じて、異なる種類の検出部42を設けるようにしてもよい。
【0041】
[ゲーム処理装置]
ゲーム処理装置20は、中央演算処理装置、メモリ、および、特定用途向けの集積回路などの各種のハードウェア要素から構成される。ゲーム処理装置20は、制御装置の一例である制御部21と記憶部22とを備える。なお、ゲーム処理装置20とHMD10とは、1台のゲーム処理装置20に1台のHMD10が接続される関係であってもよいし、1台のゲーム処理装置20に複数台のHMD10が接続される関係であってもよい。
【0042】
制御部21は、ハードウェア要素にゲーム処理プログラムを実行させて、オブジェクト特定部21A、および、進行管理部21B、第1表示処理部21C、第2表示処理部21D、取得部21E、テーブル21F、および、判別部21Gとして機能する。記憶部22は、ゲームの進行に用いられる各種の情報を格納する。記憶部22に格納される情報は、画像情報22A、オブジェクト情報22Bおよび、ゲーム音情報22Cを含む。また、ゲーム処理プログラムがネットワークや光ディスクやハードディスクやUSBメモリなどの外部記録媒体からインストールされる。
【0043】
画像情報22Aは、仮想空間情報の一例であり、仮想空間の画像を表示するための情報である。仮想空間の画像は、仮想空間の背景となる画像、および、仮想空間に存在するオブジェクトの画像を含む。仮想空間に存在するオブジェクトは、仮想空間のみに存在するオブジェクトを含む。
【0044】
オブジェクトは、ディスプレイ13に表示させる画像の単位要素である。オブジェクトは、例えば、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、味方キャラクタ、および、中立キャラクタなどのゲームキャラクタを含む。オブジェクトは、例えば、武器、防具、魔法、乗り物、および、建物、携帯電話、スマートフォン、掲示板などのゲームアイテムといったゲーム媒体を含む。例えば、ゲーム媒体は、ゲーム内で利用されるものであってもよいし、ゲーム以外で利用されるものであってもよい。ゲーム媒体は、ゲームに応じて変更可能なデータである。すなわち、ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、または贈与等され得るデータである。例えば、ゲーム媒体は、カード、仮想通貨、チケット、キャラクタ、アバタなどを表す画像データや動画データを含んでいる。また、ゲーム媒体は、カード、仮想通貨、チケット、キャラクタ、アバタなどに化体するレベル情報、ステータス情報、および、パラメータ情報(体力値や攻撃力など)、能力情報(スキル、アビリティ、呪文、ジョブなど)などの任意の媒体データを含んでいる。また、オブジェクトは、例えば、テキスト、アイコン、および、マップなどのインデックスを含む。
【0045】
オブジェクトは、ゲームにおける仮想空間において存在するテレビジョン受像機、パーソナルコンピュータに接続されたモニタ、スマートフォンなどの情報処理装置、掲示板、看板等の情報表示が可能な特定オブジェクトを含む。また、オブジェクトは、仮想空間において、プレイヤPの操作によって選択可能なオブジェクト、および、選択不可能なオブ
ジェクトを含む。特定オブジェクトの中でも第1特定オブジェクトは、例えば、第1外部情報が配置されるオブジェクトである。また、特定オブジェクトの中でも第2特定オブジェクトは、第2外部情報が配置されるオブジェクトである。
【0046】
第1外部情報は、第1特定オブジェクトと関連付けて表示する情報である。第1外部情報は、例えば文字データであって、電子メール又はチャットの内容や着信を知らせる表示や現在プレイしているゲームの攻略情報、検索サイトを使用した攻略情報の検索結果や屋外の天気情報などの情報である。第2外部情報は、オブジェクトと関連付けずに表示される情報である。第2外部情報は、例えば、撮像装置40で撮像された現実空間画像を含む情報である。第2外部情報には、現実空間画像の他に、撮像装置40と共に設置した各種センサによって検出した湿度情報や温度情報などを表示するためのテキストデータなどを含んでいてもよい。なお、各種情報を、第1外部情報および第2外部情報のいずれとして扱うかは予め設定されていてもよいし、プレイヤPが予め設定していてもよい。
【0047】
オブジェクト情報22Bは、オブジェクトの識別子、オブジェクトの種類、および、仮想空間におけるオブジェクトの位置を含む。オブジェクトの種類は、第1外部情報や第2外部情報が配置される第1特定オブジェクトや第2特定オブジェクトとして特定可能であるか否かを示す。オブジェクトの位置は、仮想空間におけるオブジェクトの位置である。オブジェクトの位置などは、ゲームの進行に伴い、制御部21によって更新される。
【0048】
ゲーム音情報22Cは、仮想空間情報の一例であり、HMD10にゲーム音を出力させるための情報である。進行管理部21Bは、プレイヤPに認識させるゲーム音を出力させるための情報を、ゲーム音情報22Cの中から抽出し、抽出された情報を、HMD10に送信する。
【0049】
オブジェクト特定部21Aは、第1外部情報が入力されたとき、第1外部情報が配置される特定オブジェクトをオブジェクト情報22Bを参照して特定する。また、オブジェクト特定部21Aは、第2外部情報が入力されたとき、第2外部情報が配置される特定オブジェクトをオブジェクト情報22Bを参照して特定する。さらに、オブジェクト特定部21Aは、第2外部情報として撮像装置40から入力された現実空間画像が入力されたとき、現実空間画像の中から現実空間において存在するテレビジョン受像機、パーソナルコンピュータに接続されたモニタ、スマートフォンなどの情報処理装置、掲示板、看板等の情報表示が可能な物体を、仮想現実画像を表示する第3特定オブジェクトとして特定する。そして、オブジェクト特定部21Aは、現実空間画像の中から特定された第3特定オブジェクトの情報表示領域、すなわち情報表示画面を特定する。情報表示画面は、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータに接続されたモニタ、スマートフォンなどの情報処理装置等における情報表示領域である。また、掲示板や看板などのオブジェクトの場合は、メモなどを書いたりメモ用紙を貼ったりする領域である。また、予め定義されたテレビジョン受像機、モニタ、スマートフォン、掲示板、看板などやこれらの情報表示領域の形状や色などの特徴を現実空間画像の中から検出して特定することができる。
【0050】
進行管理部21Bは、ゲームの進行を管理する。また、第1表示処理部21Cは、仮想空間画像の中の第1特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報を表示する。また、第2表示処理部21Dは、仮想空間画像や第2オブジェクトに対して撮像装置40で撮像された現実空間画像を含む第2外部情報を表示する。第1表示処理部21Cは、仮想空間画像の視差情報に対して第1外部情報や第1特定オブジェクトの視差情報を変えることによって、仮想空間画像に対して第1外部情報や第1特定オブジェクトが飛び出したり窪んだりするように表示することができる。これは、右目用仮想空間画像と左目用仮想空間画像のずれ量に対して右目用の第1外部情報や第1特定オブジェクトと左目用の第1外部情報や第1特定オブジェクトのずれ量を変えることによって実現することができる。第2表
示処理部21Dも、仮想空間画像の視差情報に対して第2外部情報や第2特定オブジェクトの視差情報を変えることによって、仮想空間画像に対して第2外部情報や第2特定オブジェクトが飛び出したり窪んだりするように表示することができる。これにより、仮想空間画像に対して、表示の大きさにさほど影響されることなく、第1外部情報、第2外部情報、第1特定オブジェクト、第2特定オブジェクトなどを仮想空間画像に対して目立たせることができる。
【0051】
取得部21Eは、ネットワークを介して第1外部情報や第2外部情報を取得する。
第1外部情報は、例えば電子メールの内容や着信を知らせる表示や現在プレイしているゲームの攻略情報や屋外の天気情報などの環境情報である。第1外部情報が電子メールである場合、取得部21Eは、プレイヤ宛の電子メールが届いているかメールサーバに定期的にアクセスする。又は、取得部21Eは、ゲーム処理装置20がメールアプリケーションを有しているか若しくはメールアプリケーションにアクセスしている場合、このメールアプリケーションに定期的にアクセスする。又は、メールサーバ又はメールアプリケーションに定期的にアクセスせずに、メールサーバ又はメールアプリケーションから送信された通知を取得するようにしてもよい。プレイヤP宛の電子メールがメールサーバ26やメールアプリケーションに届いているとき、当該電子メールをダウンロードし、電子メールの受信の旨や送信元やタイトルや本文の一部などを第1特定オブジェクトの情報表示領域に表示する。メールサーバ26のアドレスデータもテーブル21Fに登録されている。
【0052】
また、第1外部情報が現在プレイしているゲームの攻略情報である場合、取得部21Eは、現在プレイ中の攻略情報が説明された攻略サイト27から攻略情報を取得する。例えば、取得部21Eは、攻略サイト27のURL(Uniform Resource Locator)などのアドレスデータがゲームを識別するゲーム識別データと関連付けられて登録されたテーブル21Fを備えている。取得部21Eは、現在プレイしているゲームに付与されているゲーム識別データと一致するテーブル21F内のゲーム識別データに関連付いたアドレスデータに所在する攻略サイトにアクセスし、攻略情報を取得する。例えば、現在プレイしているゲームにおける現在の場面に識別データが付与されているときは、攻略サイト27内の当該識別データが付与されている部分の攻略情報を取得する。なお、このURLは、プレイヤが指定することもできる。
【0053】
第1外部情報が屋外の天気情報などの環境情報である場合、取得部21Eは、テーブル21Fに登録してある天気情報が掲載された天気サイト28のURLなどのアドレスデータにアクセスし、外部環境情報を取得する。例えば、取得部21Eは、天気情報として警報や注意報に関する情報が発令されたとき、警報情報や注意報情報を取得したり、天気に変化があったとき(晴れから曇り、雨から晴れなど)、天気情報を取得する。取得部21Eは、GPS(Global Positioning System)などを利用して、ゲーム処理装置20など
が設置されている現在位置情報を取得している。また、プレイヤPによって現在位置情報が装置のメモリに保存されている。取得部21Eは、天気サイト28に対して現在位置情報の天気情報を取得する。
【0054】
なお、第1外部情報の取得先は、メールサーバ、攻略サイト、天気サイトに限定される
ものではない。例えば、取得先は、プレイヤPやその他のユーザが自分の好みに応じてテーブル21Fに自由に登録することができる。
【0055】
第2外部情報は、例えば、撮像装置40で撮像された現実空間画像である。撮像装置40がプレイヤPの周辺環境を撮像している場合、検出部42が人物を検出したとき、取得部21Eは、周辺環境の現実空間画像を取得する。また、撮像装置40が屋外カメラである場合、検出部42が人物を検出したとき、取得部21Eは、屋外の現実空間画像を取得したり、降雨を検出したり、湿度や温度が閾値を超えたときまたは下がったときに屋外の
現実空間画像を取得する。なお、取得部21Eは、プレイヤPの周辺環境を撮像している場合であれ屋外を撮像している場合であれ、常時現実空間画像を常に取得していてもよい。また、第2外部情報には、検出部42としての降雨センサや湿度センサや温度センサが検出した降雨情報、温度情報、湿度情報などを文字や図形で表現する現実空間画像に関連する関連情報が含まれていてもよい。
【0056】
判別部21Gは、進行中のゲームの場面に応じて、その場面が第1外部情報や第2外部情報を表示可能なタイミングかどうかを判断する。例えば、ロールプレイングゲームやシミュレーションゲームである場合には、1つのステージから次のステージに移行する際など、ストーリーが進んで行く中で重要な場面を再生している場面において、第1外部情報や第2外部情報を表示しないようにする。これにより、プレイヤPが重要な場面を見逃さないようにすることができる。
【0057】
また、戦闘ゲームや対戦ゲームの場合は、戦闘時など相手を倒すための攻略情報が必要となる場合がある。また、このような場面は、プレイヤPが没入し易い場面であり、ゲームに集中するあまり周辺環境の変化に気づきにくくなる画面でもある。そこで、このような場面では、例えば、第1特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報を表示するとともに、第2外部情報も仮想空間画像に表示するようにする。これにより、プレイヤPが第1外部情報も第2外部情報も取得できるようになる。
【0058】
また、判別部21Gは、取得部21Eが取得した外部情報が第1外部情報か第2外部情報であるかを判別する。例えば、判別部21Gは、第1外部情報が入力されたとき、第1特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報を表示できるようにする。また、判別部21Gは、撮像装置40がプレイヤPの周辺環境の変化を検出して第2外部情報が入力されたとき、仮想空間画像や第2特定オブジェクトの情報表示領域に第2外部情報を表示できるようにする。判別部21Gは、第1特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報を表示しているときに撮像装置40が例えば周辺環境の変化を検出したとき、仮想空間画像や第2特定オブジェクトの情報表示領域に、周辺環境の現実空間画像を追加的に表示できるようにする。ここで、第1特定オブジェクトと第2特定オブジェクトとは同じオブジェクトであってもよいし、異なるオブジェクトであってもよい。
【0059】
また、判別部21Gは、第1外部情報と第2外部情報を選択的に表示するとき、第1外部情報または第2外部情報を優先して表示できるようにする。また、第1外部情報と第2外部情報とが表示される場合においても、第1外部情報および第2外部情報の一方の外部情報を他方の外部情報よりも目立つように(例えば大きく)表示できるようにする。例えば、ゲーム中に第1特定オブジェクトの情報表示領域に攻略情報を表示しているときであっても、撮像装置40からプレイヤPの周辺環境を撮像した現実空間画像が入力されたとき、第2外部情報として当該現実空間画像を画面の全体に表示し、現実空間画像の中にある第3特定オブジェクトの情報表示領域に仮想空間画像を表示できるようにする。この場合、第3特定オブジェクトの情報表示領域に表示される仮想空間画像には、さらに第1特定オブジェクトが表示され、第1特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報が表示されるようにしてもよい。
【0060】
判別部21Gは、第1外部情報の中でも第1外部情報が複数種類あるときはその種類を判別する。例えば、ゲームの場面に応じて、第1外部情報の中でも種類に応じて特定の第1外部情報を優先的に表示できるようにする。例えば、ゲームをしている最中において、第1外部情報である現在プレイしているゲームの攻略情報は、他の第1外部情報(電子メールの受信の表示や天気情報)より優先して表示される。又は、ゲームをプレイしている最中であっても第1である電子メールの表示は、他の第1外部情報(ゲームの攻略情報や天気情報)より優先して表示される。又は、ゲームをプレイしている最中であっても第1
外部情報である天気情報(特に注意報や警報の情報)は、他の第1外部情報(ゲームの攻略情報や電子メールの表示)より優先して表示される。
【0061】
第2外部情報であっても、判別部21Gは、第2外部情報が複数種類あるときはその種類を判別する。撮像装置40がプレイヤPの周辺環境と屋外を撮像する場合、判別部21Gは、周辺環境の現実空間画像または屋外の現実空間画像の一方の現実周辺画像を優先的に表示する。例えば、仮想空間画像や第2特定オブジェクトの情報表示領域に屋外の現実空間画像を表示しているときであっても、プレイヤPの周辺環境に変化があった(例えば人物を検出した)ときは、プレイヤPの周辺環境の現実空間画像を優先して表示する。
【0062】
以上のような、第1外部情報の中の重要度、第2外部情報の中の重要度、第1外部情報と第2外部情報の間の重要度は、予めゲーム処理装置20において定義されていてもよいし、プレイヤPやその他のユーザが設定するものであってもよい。
【0063】
[外部情報の表示処理]
図4に示すように、ステップS1において、取得部21Eは、ネットワークを介して第1外部情報や第2外部情報を取得する。ステップS2において、判別部21Gは、進行中のゲームの場面に応じて、その場面が第1外部情報や第2外部情報を表示可能なタイミングかどうかを判断する。判断する時点の場面が第1外部情報や第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かは、進行管理部21Bが管理しているゲーム進行を参照して判別部21Gが判別する。例えば、判別部21Gは、進行管理部21Bで管理しているゲームの進行に関連付いた第1外部情報および第2外部情報を表示可能であるか否かを示す識別情報を参照し、第1外部情報および第2外部情報を表示するか否かを判断する。
【0064】
例えば、第1外部情報および第2外部情報を表示可能であるか否かを示す識別情報は、場面に応じて、第1外部情報および第2外部情報の両方を表示可能、第1外部情報のみを表示可能、第2外部情報のみを表示可能の何れか1つである。ゲームの場面と関連付けて説明すると、例えば、仮想空間内のゲーム体験を妨げないことが望ましい場面では、識別情報を、重要度の高い第1外部情報のみを表示可能な内容とし、重要度の低い第2外部情報は表示しないようにすることができる。さらに言えば、識別情報を、第1外部情報のうち攻略情報のみを表示可能とする内容にすることもできる。
【0065】
また、上記実施形態では、ステップS2において、ゲームの場面に応じて、その場面が第1外部情報や第2外部情報を表示可能なタイミングがどうかを判断するようにした。これに代えて、プレイヤPが動作しているか否かで第1外部情報や第2外部情報を表示可能なタイミングがどうかを判断するようにしてもよい。プレイヤPが動作しているか否かは、HMD10のセンサ12の検出結果や、操作装置30のトラッキング情報検出部32の検出結果に基づいて判断することが可能である。プレイヤPが動作していると、第1特定オブジェクトや第2特定オブジェクトに注目できない。また、プレイヤPの頭部の向きに合わせて動く画像に合わせて、現実空間画像102Rを画面の一部に静的に表示すると違和感が生じてしまう。このようにプレイヤPが動いているときは、第1外部情報や第2外部情報が見にくくなる(注目しにくくなる)ため、第1外部情報や第2外部情報を表示しない制御を行うようにしてもよい。
【0066】
判別部21Gは、第1外部情報や第2外部情報を表示可能なとき、ステップS3に進み、表示可能な場面でないとき、ステップS2を繰り返す。ステップS3において、判別部21Gは、外部情報の種類を判別する。具体的に、判別部21Gは、取得部21Eが取得した外部情報が第1外部情報か第2外部情報であるかを判別する。また、判別部21Gは、第1外部情報の種類を判別する。さらに、判別部21Gは、第2外部情報の種類を判別する。
【0067】
ステップS4において、第1表示処理部21Cは、仮想空間画像の中の特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報を表示する。このとき、第1表示処理部21Cは、ディスプレイ13に表示されている仮想空間の中に第1特定オジェクトが含まれるか否かを判断する。第1特定オブジェクトが表示されている場合には、第1外部情報を、第1特定オブジェクトの所定範囲に重畳して表示する。また、複数の第1外部情報の入力があったとき、第1表示処理部21Cは、優先的に特定の第1外部情報を第1特定オブジェクトに表示する。
【0068】
ステップS5において、第2表示処理部21Dは、仮想空間画像の中に第2外部情報を表示する。このとき、第2表示処理部21Dは、ディスプレイ13に表示されている仮想空間の中に第2特定オジェクトが含まれるか否かを判断する。第2特定オブジェクトが表示されている場合には、第2外部情報を、第2特定オブジェクトの所定範囲に重畳して表示する。また、複数の第2外部情報の入力があったとき、第2表示処理部21Dは、優先的に特定の第2外部情報を第2特定オブジェクトに表示する。
【0069】
ステップS6において、判別部21Gは、第1外部情報や第2外部情報を表示する画面が終了したかを判断し、終了していないときは、ステップS2からの処理を繰り返すことになる。第1外部情報や第2外部情報を表示する画面が終了するときは、例えばゲームが終了するときである。また、ストーリーの中で重要な場面に移行したときなど第1外部情報や第2外部情報を表示するのに好ましくない画面に移行したときである。
【0070】
[出力例]
以下の出力例の説明では、プレイヤキャラクタが仮想キャラクタとコミュニケーションを取りながら進行させるゲームを例に説明する。
【0071】
図5は、HMD10のディスプレイ13に表示された仮想空間画像101Vを示している。仮想空間画像101V中の仮想キャラクタがキャラクタオブジェクト101Cであって、スマートフォンが第1特定オブジェクト101Sである。第1特定オブジェクト101Sは、オブジェクト情報22Bを参照してオブジェクト特定部21Aによって特定されており、その情報表示領域に、第1外部情報としてプレイヤPを宛先として送信された電子メール101Eが表示される。
図5の画面は、外部情報として電子メール101Eを取得部21Eが取得し(ステップS1)、取得時が第1外部情報を表示可能な場面であり(ステップS2)、第1外部情報として判断された結果(ステップS3,4)、仮想空間画像101Vの第1特定オブジェクト101Sに電子メール101Eが重畳して表示されている。プレイヤPは、第1特定オブジェクト101Sに注目して、電子メール101Eを読むことができる。なお、電子メールでなくても、ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける自分宛のメッセージであってもよい。このように第1特定オブジェクト101Sに第1外部情報が表示される場合には、ゲームへの没入感が妨げられることを防ぐことができる。
【0072】
なお、第1特定オブジェクト101Sからは、電子メール101Eを、第1表示処理部21Cが所定期間経過したら消去するようにしてもよいし、次の第1外部情報が取得されるまで表示し続けてもよい。消去された後、情報表示領域には、ゲームの中でのデフォルトの画像が表示される。また、電子メール101Eより優先度の高い第1外部情報が取得されるまで表示し続けてもよい。例えば、天気情報(特に注意報や警報の情報)に変化があったとき、第1表示処理部21Cは、電子メール101Eに優先して天気情報を第1特定オブジェクト101Sに表示する。
【0073】
図6は、プレイヤPが選択をする画面であって、キャラクタオブジェクト101Cが音
声などでプレイヤPに対して(A)デザートを注文するか、(B)踊って欲しいかを質問している画面である。そして、プレイヤPは、キャラクタオブジェクト101Cからの音声の質問に対して、例えば首を縦に振ったり(選択を示す操作信号を発生)横に振ったりする(非選択の操作信号を発生)ことで、選択信号を入力することができる。
図5の画面では、第1外部情報として、掲示板のオブジェクトである第1特定オブジェクト101Sに攻略情報101Iが表示されている。攻略情報101Iは、取得部21Eが取得し、判別部21Gが第1外部情報と判別した情報である。
【0074】
なお、攻略情報101Iに代えて、検索サイトを用いたゲームの攻略情報の検索結果を表示してもよい。検索キーワードは、例えばゲームプログラムにおいて、ゲームの進行に合わせて記述されている。又は、検索キーワードは、プレイヤPがマイクを通じて音声で入力したり、キーボードなどで入力する。又は、ゲーム処理装置20は、プレイヤPが実行しているゲームのタイトル等を検索サイトに出力し、検索を行う。検索結果は、第1特定オブジェクト101Sに表示される。その検索結果のうち一つをプレイヤPが選択すると、選択されたウェブサイトのページが第1特定オブジェクト101Sに表示される。この際、第1特定オブジェクト101Sは、選択されたウェブサイトのウェブページが表示可能なように拡大されてもよい。
【0075】
掲示板の第1特定オブジェクト101Sは、
図6の画面に遷移したとき、攻略情報101Iが掲示板の第1特定オブジェクト101Sに配置された状態で、仮想空間画像101Vに対してポップアップで重畳表示される。または、攻略情報101Iは、掲示板の第1特定オブジェクト101Sが消えて、代わりに、スマートフォンの第1特定オブジェクト101Sに表示される。攻略情報101Iは、攻略サイト27における
図5の画面の識別データが付与された部分から抽出される。これにより、プレイヤPは、攻略情報101Iを参考に(A)と(B)とを選択する際の参考にすることができる。
【0076】
なお、第1表示処理部21Cは、攻略情報101Iを表示している第1特定オブジェクト101Sを、(A)と(B)の選択が終了したとき消去する。また、第1表示処理部21Cは、それまで、第1特定オブジェクト101Sに天気情報が表示されていたとしても、天気情報に代えて攻略情報101Iを表示する。第1特定オブジェクト101Sに天気情報が表示されているところに割り込んで攻略情報を表示した場合は、攻略情報の表示が終了したとき、元の天気情報を表示する。
【0077】
攻略情報101Iは、掲示板の第1特定オブジェクト101Sに代えて、第1特定オブジェクト101Sであるスマートフォンの画面に表示されてもよい。
図6において、第1特定オブジェクト101Sであるスマートフォンは表示されていないが、この場合、例えば、カウンターの上にスマートフォンが画面を上にして配置されたり、キャラクタオブジェクト101Cが手に持っていたりする。そして、そのスマートフォンの画面に攻略情報101Iが表示されることになる。さらに、そのスマートフォンの画面に表示された検索結果の中の1つを選択できるようにしてもよい。例えば、プレイヤPが「攻略情報提供サイトA」のURL、「攻略情報提供サイトB」のURLをゲーム処理装置20に予め登録しておき、仮想空間内の第1特定オブジェクト101Sであるスマートフォンの画面には、「攻略情報提供サイトA」および「攻略情報提供サイトB」の何れかを選択可能に表示する。プレイヤPによる操作装置30の入力操作によって、何れかのウェブサイトが選択されると、ゲーム処理装置20は、そのウェブサイトのURLにアクセスし、選択されたウェブサイトの攻略情報101Iを第1特定オブジェクト101Sであるスマートフォンの画面に表示する。
【0078】
また、第1特定オブジェクト101Sは、仮想空間画像101Vに複数表示されていてもよく、例えば、掲示板とスマートフォンが同時に表示されていてもよいし、スマートフ
ォンが複数台表示されていたり、掲示板が複数台表示されていてもよい。このような例では、1つの第1特定オブジェクト101Sには第1外部情報となる検索結果を表示し、他の第1特定オブジェクト101Sには第1外部情報となる攻略情報提供サイトの攻略情報101Iを表示することができる。例えば、スマートフォンと掲示板が第1特定オブジェクト101Sとして表示されている場合、例えば、スマートフォンの画面には、「攻略情報提供サイトA」および「攻略情報提供サイトB」の何れかを選択可能に表示される。プレイヤPによる操作装置30の入力操作によって、「攻略情報提供サイトA」が選択されると、ゲーム処理装置20は、そのウェブサイトのURLにアクセスし、選択された「攻略情報提供サイトA」の攻略情報101Iを第1特定オブジェクト101Sである掲示板に表示する。プレイヤPは、「攻略情報提供サイトA」の攻略情報101Iを第1特定オブジェクト101Sである掲示板に表示しているときに、第1特定オブジェクト101Sであるスマートフォンの画面の「攻略情報提供サイトB」を選択することで、第1特定オブジェクト101Sである掲示板を「攻略情報提供サイトA」の攻略情報101Iから「攻略情報提供サイトB」の攻略情報101Iに切り替えることができる。このような例では、複数の攻略情報提供サイトを簡単な操作で容易に切り替えることができる。
【0079】
なお、3つ目の第1特定オブジェクト101S(例えば掲示板)があるときには、2つ目の第1特定オブジェクト101S(例えば掲示板)に「攻略情報提供サイトA」の攻略情報101Iを表示する。そして、第1特定オブジェクト101Sのスマートフォンの画面で「攻略情報提供サイトB」が選択されたとき、3つ目の第1特定オブジェクト101S(例えば掲示板)に「攻略情報提供サイトB」の攻略情報101Iを表示することができる。すなわち、「攻略情報提供サイトA」の攻略情報101Iと「攻略情報提供サイトB」の攻略情報101Iとを同時に表示することができる。
【0080】
図7は、キャラクタオブジェクト101Cが屋外に居る状態の画面である。
図7の画面では、第1外部情報として天気情報101Wが掲示板の第1特定オブジェクト101Sの情報表示領域に表示されている。天気情報101Wは、天気サイト28から取得部21Eが取得し(ステップS1)、取得時が第1外部情報を表示可能な場面であり(ステップS2)、第1外部情報として判断された結果(ステップS3,4)、第1特定オブジェクト101Sに表示されている。天気情報101Wは、現在の天気が雨を示しており、第1外部情報としての天気情報101Wとして「外は雨。」とテキストデータで表示されている。また、第1表示処理部21Cは、雨を示す天気マークオブジェクト101M(例えば雨滴)を仮想空間画像101Vに対して重畳して表示する。このように天気マークオブジェクト101Mを表示することによって、実際の屋外の状況に同期して、仮想空間内に雨が降っているように見える。そして、第1外部情報と仮想空間画像とを関連付けることができる。なお、晴れであれば太陽や日陰と日当たりを示す天気マークオブジェクトを表示したりすればよいし、曇りであれば曇りの天気マークオブジェクトを表示したりすればよい。
【0081】
なお、第1特定オブジェクト101Sに天気情報101Wが表示されるように設定されている場合、晴れから曇り、雨から晴れといったように天気情報に変更があったとき、天気情報101Wの表示内容を変更する。例えば、取得部21Eは、常時または定期的に天気サイト28にアクセスし天気情報に変更があったかを検出し、変更のあったとき、変更後の天気情報を取得する。また、第1特定オブジェクト101Sには、天気予報(例えば現時点から1時間おきの天気予報)を表示するようにしてもよい。また、画面が
図7の画面から
図6の画面に遷移した場合、第1特定オブジェクト101Sには、天気情報101Wから攻略情報101Iに変更されることになる。天気情報101Wは、所定時間表示してから消去してもよいし、次の第1外部情報が取得されるまで表示し続けてもよい。
【0082】
図8は、
図6の画面に第1外部情報に代わって第2外部情報を仮想空間画像101Vに
重畳して表示している。すなわち、
図8では、第1外部情報を表示していない。
図8では、第2外部情報として、プレイヤPの周辺環境を撮像する撮像装置40で撮像した周辺環境の現実空間画像102Rを仮想空間画像101Vに対して重畳して表示している。ここでは、第2外部情報を第2特定オブジェクトに表示していない。
図6および
図8の画面は、ゲーム進行上、プレイヤPに対して選択を迫る画面であり、プレイヤPがゲームに集中し没入していることが多い。例えば、撮像装置40は、検出部42の出力に拘わらず、現実空間画像102Rを取得部21Eに出力している。そして、第2表示処理部21Dは、
図6および
図8の画面に遷移したとき、仮想空間画像101Vに対して現実空間画像102Rを重畳して表示し、周辺環境をプレイヤPが視認できるようにする。また、第2表示処理部21Dは、
図8の画面に関係なくゲーム中のどの画面であっても、検出部42が周辺環境に人物を検出したとき、取得部21Eが第2外部情報として取得した現実空間画像102Rを仮想空間画像101Vに対して重畳して表示する。このため、プレイヤPは、ゲームに没入していても、重要な情報である第2外部情報を確認することができる。
【0083】
図9は、
図5に示す画面に1外部情報に代わって第2外部情報を仮想空間画像101Vに重畳して表示している。すなわち、
図9では、第1外部情報を表示していない。
図9では、スマートフォンが第2特定オブジェクト102Sとなって、第2特定オブジェクト102Sに撮像装置40の屋外カメラで撮像された屋外の現実空間画像102Rを表示している。スマートフォンなどは、仮想空間画像101Vにおいて、第1特定オブジェクトにも第2特定オブジェクトにもなり得る特定オブジェクトである。撮像装置40は、検出部42の出力に拘わらず、現実空間画像102Rを取得部21Eに出力している。第2表示処理部21Dは、仮想空間画像101Vの第2特定オブジェクト102Sに対して現実空間画像102Rを重畳して表示し、屋外の様子(
図9では雨の様子)をプレイヤPが視認できるようにする。
【0084】
図10は、
図6の画面に表示されている第1外部情報と
図8の画面に表示されている第2外部情報とが仮想空間画像101Vに重畳して表示されている。
図6、
図8、および、
図10の画面は、ゲーム進行上、プレイヤPに対して選択を迫る画面であり、プレイヤPがゲームに集中し没入していることが多い。そこで、第1表示処理部21Cは、第1外部情報として攻略情報101Iを表示するとともに、第2表示処理部21Dは、第2外部情報として周辺環境の現実空間画像102Rを仮想空間画像101Vに重畳して表示する。これにより、プレイヤPは、攻略情報101Iを参考にしながら周辺環境を視認することができるようになる。なお、
図10の例では、掲示板などの第2特定オブジェクトの情報表示領域に第2外部情報を表示するようにはしていない。
【0085】
図11は、第2外部情報を仮想空間画像101Vよりも大きく表示した例である。例えば、表示画面全体に
図5に示すような仮想空間画像101V(第1外部情報が表示されていても表示されていなくてもよい。)が表示されているときにおいて、プレイヤPの周辺環境に変化があったとき、判別部21Gは、
図11に示すような画面に切り替える。第2表示処理部21Dは、第2外部情報としてのプレイヤPの現実空間画像102Rの入力があったとき、当該現実空間画像102Rを表示領域全体に表示する。これと共に、オブジェクト特定部21Aは、現実空間画像102Rの中からテレビジョン受像機、モニタ、スマートフォン、掲示板、看板などやこれらの情報表示領域の形状や色などの特徴を検出し、第3特定オブジェクト103Sを特定する。そして、第3特定オブジェクト103Sの情報表示領域に現在プレイしているゲームの仮想空間画像101Vを表示する。第3特定オブジェクト103Sの情報表示領域に表示された仮想空間画像101Vには、さらに第1特定オブジェクト101Sが表示され、第1特定オブジェクト101Sの情報表示領域に第1外部情報が表示されていてもよいし、第1外部情報が表示されず第1特定オブジェクト101Sだけが表示されていてもよい。ここでは、スマートフォンの第1特定オブジェクト101Sに第1外部情報としての電子メール101Eが表示される。
【0086】
なお、仮想空間画像101Vは、現実空間画像102Rの第3特定オブジェクト103Sに表示されるのではなく、現実空間画像102Rのコーナ部などの特定領域に重ねて表示することもできる。
【0087】
また、仮想空間画像の視差情報を現実空間画像の視差情報と異ならせることで、現実空間画像に対して仮想空間画像を飛び出させたり窪ませて表示することができる。これは、右目用現実空間画像と左目用現実空間画像のずれ量に対して右目用の仮想空間画像と左目用の仮想空間画像のずれ量を変えることによって実現することができる。これにより、現実空間画像に対して仮想空間画像を表示の大きさにさほど影響されることなく、現実空間画像の中で仮想空間画像を目立たせることができる。
【0088】
図12は、表示画面が第1領域104Aと第2領域104Bとに分割され、第1領域104Aには、ゲームの仮想空間画像101Vが表示され、第2領域104Bには、第2外部情報としての現実空間画像102Rが表示されている。すなわち、
図5から
図11までは、仮想空間画像101Vに対して第1特定オブジェクト101Sや第1外部情報としての電子メール101E、攻略情報101I、天気情報101Wを重畳して表示している。
図11では、第2外部情報としての現実空間画像102Rに対して第3特定オブジェクト103Sを重畳して表示し、さらに、第3特定オブジェクト103Sに対して仮想空間画像101Vを重畳して表示するようにしている。これに対して、
図12では、表示領域を2つに分割し、重畳させることなく、第1領域104Aに仮想空間画像101Vを表示し、第2領域104Bに現実空間画像102Rを表示させる。第1領域104Aに表示された仮想空間画像101Vには、第1特定オブジェクト101Sや第1外部情報を表示させる。
【0089】
なお、第1領域104Aの大きさと第2領域104Bの大きさは、同じであってもよいし、何れか一方の領域が他方の領域よりも大きくてもよい。また、第1領域104Aや第2領域104Bは、ウィンドウ104Cに構成されていてもよいし、ウィンドウ104Cを備えていなくてもよい。また、表示画面を上下に分割し、上側表示領域を第1領域104Aとし、下側表示領域を第2領域104Bとしてもよい。また、1つの表示画面を2つの領域に分割するので、各表示領域は狭くなり、第1領域104Aでは、仮想空間画像101Vの全ての領域を表示しきれなくなるおそれがあり、第2領域104Bでも、現実空間画像102Rの全ての領域を表示しきれなくなるおそれがある。このような場合、仮想空間画像101Vの左右両端や上下の領域を切り捨ててもよい。又は、仮想空間画像101Vの全ての領域を表示しきれない場合、これを検出し、第1領域104Aや第2領域104Bに、上下や左右にスクロールするスクロールバーを表示するようにしてもよい。この場合、スクロールバーを操作することで、第1領域104Aや第2領域104Bの画像をスクロールさせることができるようになり、スクロールによって画像全体を確認できるようになる。
【0090】
[ハードウェア構成]
図13を参照して、本実施形態のゲーム処理装置20のハードウェア構成について説明する。
【0091】
図13は、ゲーム処理装置20の例を示す図である。ゲーム処理装置20はデスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯情報端末(PDA)、サーバ、家庭用または業務用のゲーム専用機、他の種類のコンピュータ等である。なお、
図13に示す構成と各構成の接続関係は一例である。
【0092】
ゲーム処理装置20は、プロセッサ201およびメモリ202を有する。また、ゲーム
処理装置20は、ノースブリッジ203、サウスブリッジ204および記憶装置205を有する。プロセッサ201、メモリ202、各ブリッジ203,204は各種バス206を用いて相互に接続されている。プロセッサ201は、ゲームの進行を司るとともに、ノースブリッジ203に接続されるHMD10等に画像を出力する。なお、ゲーム処理装置20は、複数のプロセッサを有していてもよく、複数のメモリを有していてもよい。
【0093】
メモリ202は、ノースブリッジ203に接続され、ゲーム処理に関する情報をプロセッサ201に出力する。例えば、メモリ202は、揮発性記憶装置、または、不揮発性記憶装置である。また、メモリ202は、磁気または光ディスク等の記憶媒体である。
【0094】
記憶装置205は、サウスブリッジ204に接続され、ゲーム処理に関する情報をプロセッサ201に出力する。例えば、記憶装置205は、ハードディスク装置、光ディスク装置、フラッシュメモリ、または、その他の記憶装置である。
【0095】
ノースブリッジ203は、HMD10に接続される。サウスブリッジ204は、拡張ポート207に接続されている。拡張ポート207は、各種の通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット)を含んでいてもよく、キーボード、マウス、ネットワーク装置等の入出力装置に接続されてもよい。
【0096】
上記構成において、プロセッサ201、メモリ202、および、ノースブリッジ203が制御部21に対応し、メモリ202および記憶装置205が、記憶部22に対応することになる。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ゲーム処理システムによれば、第1外部情報と第2外部情報の少なくとも1つの外部情報が表示処理部により表示される。したがって、プレイヤPは、HMD10を装着してゲームに没入しているときであっても、第1外部情報と第2外部情報の少なくとも1つの外部情報を視認することができる。第2外部情報は、現実空間画像を含んでいるので、プレイヤPは、ゲームに没入していても、周辺環境の現実空間画像から人が近づいてきたかなどを容易に視認することができ、また、屋外の現実空間画像などから屋外の様子を視認することができる。また、第1外部情報は、電子メールであったり、攻略情報であったり、天気情報であったりするので、プレイヤPは、自身に密接に関連する情報を容易に取得することができる。
【0098】
(2)第2外部情報の現実空間画像は、その変化が検出されたとき、仮想空間画像とともに表示される。したがって、第2外部情報は、常時表示されるのではなく、適当なときに表示されるようになる。したがって、ゲームをするプレイヤPの邪魔になりにくくすることができる。
【0099】
(3)現実空間画像を含む第2外部情報は、ゲームの仮想空間画像に重畳して表示されるので、仮想空間画像の表示領域が狭められることを防ぐことができる。また、現実空間画像を仮想空間画像のコーナ領域などに比較的小さく表示することで、ゲームプレイの妨げになることを防ぐことができる。
【0100】
(4)ゲームの1つのシーンを構成する仮想空間画像に含まれる第2特定オブジェクトの情報表示領域に第2外部情報の現実空間画像を表示することで、現実空間画像を、仮想空間画像の中に違和感なく表示することができる。
【0101】
(5)
図11の画面では、現実空間画像102Rの中に仮想空間画像101Vを表示す
るようにしている。したがって、現実空間画像102RをプレイヤPに対して目立たせることができるとともに、現実空間画像102Rが大きく表示されてしまうことで、仮想空間画像101Vが視認できなくなって、ゲームが中断されることも防ぐことができる。
【0102】
(6)
図11の画面では、現実空間画像102Rの中から第3特定オブジェクト103Sが特定され、第3特定オブジェクト103Sの情報表示領域に仮想空間画像101Vが表示される。したがって、仮想空間画像101Vを現実空間画像102Rの中に違和感なく表示させることができる。
【0103】
(7)表示領域は、第1領域104Aに仮想空間画像101Vを表示し、第2領域104Bに現実空間画像102Rを表示することで、プレイヤPが各画像を見易くすることもできる。
【0104】
(8)テーブル21Fに第1外部情報の複数の取得先を登録することで、容易に第1外部情報を取得し、第1特定オブジェクト101Sに表示することができる。また、第1外部情報として複数種類の情報を表示することができる。
【0105】
(9)複数種類の第1外部情報が入力されたときに、何れかの第1外部情報を優先的に表示することができる。例えば、現在プレイしているゲームの攻略情報は、他の第1外部情報(電子メールの受信の表示や天気情報)より優先して表示することができる。
【0106】
(10)第1外部情報と第2外部情報の中で何れかの外部情報を優先的に表示することができる。例えば、プレイヤPに対してゲーム中にゲーム以外の情報が過度に表示されないようにするため、第1外部情報と第2外部情報とを選択的に表示する制御を行うことができる。このような場合も、何れかの外部情報を優先的に表示させることができる。例えば、第1特定オブジェクトの情報表示領域に第1外部情報を表示しているときに撮像装置40が例えば周辺環境の変化を検出したとき、仮想空間画像や第2特定オブジェクトの情報表示領域に、周辺環境の現実空間画像を追加的に表示できるようにする。これにより、プレイヤPには、周辺に人が来たことを最優先で知らせることができる。
【0107】
(11)複数種類の第2外部情報が入力されたときに、何れかの第2外部情報を優先的に表示することができる。例えば、周辺環境の現実空間画像または屋外の現実空間画像の一方の現実周辺画像を優先的に表示することができる。更に具体的には、仮想空間画像や第2特定オブジェクトの情報表示領域に屋外の現実空間画像を表示しているときであっても、プレイヤPの周辺環境に変化があった(例えば人物を検出した)ときは、プレイヤPの周辺環境の現実空間画像を優先して表示することができる。
【0108】
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第2外部情報を取得する撮像装置40は、室内のプレイヤPの周辺に設置する室内カメラと屋外カメラの何れか一方だけでもよい。また、降雨センサや湿度センサや温度センサなどを屋外カメラが備えていたり、その近くに設置されている場合、その温度情報や湿度情報などを第2外部情報として現実空間画像とともに文字や図形で出力するようにしてもよい。
【0109】
・第2外部情報の種類としては1種類であってもよい。例えば、室内のプレイヤPの周辺を撮像するだけであってもよいし、屋外だけを撮像するだけであってもよい。また、第2外部情報としては、現実空間画像を含んでいればよく、その現実空間画像の場所は、プレイヤPの周辺でなくても、プレイヤPの居る建物の屋外でなくてもよい。
【0110】
・第1外部情報としては、電子メールの情報、ゲームの攻略情報、天気情報に限定され
るものではない。その他、第1外部情報としては、テレビ放送の映像や録画したテレビ番組のビデオ映像であってもよい。また、記録媒体に格納されたアーティストなどのビデオ映像であってもよい。これらの情報は、電子メールの情報、ゲームの攻略情報、天気情報の中の少なくとも1つの代わりとして入力されることになる。また、天気情報などのように図形で表示可能な第1外部情報は、晴れマーク、雨マークなどの図形オブジェクトで表現するようにしてもよい。
【0111】
・第1外部情報の種類の判別は、テーブル21Fに登録されたアドレスデータに付与された識別データで判別することができるし、アドレスデータそのもので識別することも可能である。また、各第1外部情報には、重要度を示すランク付けデータを付与し、重要度の高い第1外部情報を優先的に第1特定オブジェクトに表示するようにしてもよい。重要度は、予め各取得先やゲーム処理装置20において定義されていてもよいし、プレイヤPやその他のユーザが設定するものであってもよい。
【0112】
・第2外部情報の種類の判別は、設置された撮像部の識別データで判別することが可能である。また、各第2外部情報には、重要度を示すランク付けデータを付与し、重要度の高い第2外部情報を優先的に表示するようにしてもよい。重要度は、予めゲーム処理装置20において定義されていてもよいし、プレイヤPやその他のユーザが設定するものであってもよい。
【0113】
・第1外部情報と第2外部情報の識別は、例えばゲーム処理装置20における第1外部情報の入力ポートと第2外部情報の入力ポートの番地(識別データ)で識別することができる。また、第1外部情報および第2外部情報には、重要度を示すランク付けデータを付
与し、重要度の高い外部情報を優先的に表示するようにしてもよい。重要度は、予めゲーム処理装置20において定義されていてもよいし、プレイヤPやその他のユーザが設定するものであってもよい。
【0114】
・
図5~
図12に至る第1外部情報と第2外部情報の表示態様は、ユーザによる設定画面で設定可能とすればよい。設定画面では、第1外部情報を表示するか否か、第2外部情報を表示するか否か、第1外部情報を表示するのであればどのような表示態様で表示するのか、第2外部情報を表示するのであればどのような表示態様で表示するのかなどを設定することになる。このよう作業は、ゲーム処理装置20の操作部を操作して行うことになり、このときの設定画面は、HMDでもよいし、ゲーム処理装置20に接続されたモニタであってもよい。
【0115】
・以上の例ではプレイヤキャラクタが仮想キャラクタとコミュニケーションを取りながら進行させるゲームを例に説明したが、ゲームの種類としてはこれに限定されるものではない。
【0116】
例えば、シューティングゲームや対戦型ゲームなどの場合、敵キャラクタを撃ち落とすための攻略情報を第1外部情報として表示することができる。例えば、攻略情報として、最適な武器や攻撃のタイミングや弱点である。
【0117】
釣りゲームの場合、特定の魚を釣り上げるための攻略情報を第1外部情報として表示することができる。例えば、特定の魚を釣り上げるための位置や時間や釣竿や仕掛けや餌に関する情報を第1外部情報としてプレイヤPが選択操作をする画面で表示することができる。
【0118】
ゲームが恋愛シミュレーションゲームの場合、相手のキャラクタが関心や好意を抱くようにする情報を第1外部情報として表示することができる。例えば、この種の情報として
、相手のキャラクタが好きなプレゼントや性格に関する情報を第1外部情報としてプレイヤPが選択操作をする画面で表示することができる。
【0119】
育成型ゲームの場合、育成対象となるキャラクタを効率良く育成させる情報を第1外部情報として表示することができる。例えば、育成対象のキャラクタが好物の餌や給餌の時間や量などの情報を第1外部情報としてプレイヤPが選択操作をする画面で表示することができる。
【0120】
着せ替えゲームの場合、着せ替え対象となるキャラクタに対して他者から人気の出る衣服やアクセサリなどのファッション情報を第1外部情報として表示することができる。例えば、第1外部情報としての着せ替え対象のキャラクタのファッション情報を、衣服やアクセサリなどを着替えさせる画面であってプレイヤPが選択操作をする画面で表示することができる。
【0121】
・HMDとしては、例えば帽子型で非透過のヘッドマウントディスプレイがある。また、眼鏡の上部または前部に投影装置が装着されており、投影装置部分に投影される眼鏡型がある。さらに、眼鏡型のアダプタにスマートフォンなどのスマートデバイスを装着するものがある。ディスプレイも、外の様子が見えない非透過であってもよいし、ディスプレイ装置はハーフミラーでできており、外の様子が見える光学透過であってもよい。さらに、投影方式もハーフミラーなどを利用することにより虚像を形成する虚像投影方式であってもよいし、目の水晶体を利用して網膜に直接結像させる網膜投影方式であってもよい。
【0122】
・HMDで視認される立体映像は、左右異なる角度から撮影した映像をそれぞれ赤と青の光で重ねて再生し、左右に赤と青のカラーフィルタの付いた眼鏡で見るアナグリフ方式であってもよい。また、左右の映像に直交する直線偏光をかけて重ねて投影し、これを偏光フィルタの付いた眼鏡により分離する偏光眼鏡方式であってもよい。さらに、左右異なる角度から撮影した映像を交互に再生し、左右の視界が交互に遮蔽される液晶シャッタを備えた眼鏡で見る液晶シャッタ眼鏡方式であってもよい。
【0123】
・本発明はゲーム処理システム以外のシステムにも適用可能である。例えば、外科医の手術練習システムに適用可能である。HMDに手術対象の患者を仮想空間画像として表示し、次の作業などを第1外部情報として表示する。また、練習している医師は、練習に没入していることが多く、第2外部情報で周辺環境を知らせることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
[1]プレイヤが頭部に装着する表示装置に仮想空間画像を表示させる制御装置を、
前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、前記仮想空間画像に含まれる第1特定オブジェクトに対して、外部から入力された第1外部情報を表示させる第1表示処理部、
および、
前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、外部から入力された第2外部情報であって、現実空間画像を含む前記第2外部情報を、前記仮想空間画像とともに表示させる第2表示処理部のうちの少なくとも一方を表示処理部として機能させるとともに、
前記仮想空間画像を表示する場面に応じて、当該場面が前記第1外部情報又は前記第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定部として機能させ、
前記第1表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第1外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第1外部情報を表示し、
前記第2表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第2外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第2外部情報を表示するデータ処理プログラム。
[2]前記第1外部情報は、前記プレイヤを送信先とする電子メールを受信したことに関する情報、及び天気情報に変化が生じたことに関する情報の少なくとも一方である[1]に記載のデータ処理プログラム。
[3]前記第1表示処理部は、環境情報に変化が生じたことを契機として前記第1外部情報を取得した場合、前記仮想空間画像に含まれる複数のオブジェクトから第1特定オブジェクトを特定し、特定した前記第1特定オブジェクトに対して、前記第1外部情報を表示させる、[1]又は[2]に記載のデータ処理プログラム。
[4]前記現実空間画像は、前記プレイヤの周辺環境を撮像した画像であって、
前記第2表示処理部は、前記第2外部情報に変化が検出された場合、前記仮想空間画像とともに前記第2外部情報として前記現実空間画像を表示させる、[1]~[3]のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
[5]前記第2表示処理部は、前記仮想空間画像に対して重ねて前記第2外部情報としての前記現実空間画像を表示させる、[1]~[4]のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
[6]前記制御装置を、
前記仮想空間画像の中から第2特定オブジェクトを特定するオブジェクト特定部として機能させ、
前記第2表示処理部は、前記第2特定オブジェクトに対して前記第2外部情報としての前記現実空間画像を重ねて表示させる、[5]記載のデータ処理プログラム。
[7]
前記第2表示処理部は、前記現実空間画像に対して前記仮想空間画像を重ねて表示させる、[1]~[6]のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
[8]前記制御装置を、
前記現実空間画像の中から第3特定オブジェクトを特定するオブジェクト特定部であって、前記第3特定オブジェクトに対して前記仮想空間画像を表示させるオブジェクト特定部として機能させる、[7]記載のデータ処理プログラム。
[9]前記第2表示処理部は、表示領域を分割して、一方の表示領域に前記仮想空間画像を表示させ、他方の表示領域に前記第2外部情報としての前記現実空間画像を表示させる、[1]~[6]のいずれか1項に記載のデータ処理プログラム。
[10]前記第1外部情報は、複数種類あり、種類に応じた取得先があり、
前記制御装置を、
事前に登録された前記第1外部情報の取得先の各々から前記第1外部情報を取得する取得部として機能させる[1]ないし[9]のうち何れか1項に記載のデータ処理プログラム。
[11]前記制御装置を、
複数種類の前記第1外部情報が入力されたとき、特定の前記第1外部情報を優先して表示する判別部として機能させる、[10]に記載のデータ処理プログラム。
[12]前記制御装置を、
外部からの入力が前記第1外部情報であるか前記第2外部情報であるかを判別する判別部として機能させる、[1]ないし[11]のうち何れか1項に記載のデータ処理プログラム。
[13]前記制御装置を、
複数種類の前記第2外部情報が入力されたとき、特定の前記第2外部情報を優先して表示する判別部として機能させる、[1]ないし[12]のうち何れか1項に記載のデータ処理プログラム。
[14]プレイヤが頭部に装着する表示装置に仮想空間画像を表示させるデータ処理方法において、
前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、前記仮想空間画像に含まれる第1特定オブジェクトに対して、外部から入力された第1外部情報を表示させる第1表示処理ステップ、
および、
前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、外部から入力された第2外部情報であって、現実空間画像を含む前記第2外部情報を、前記仮想空間画像とともに表示させる第2表示処理ステップのうちの少なくとも一方の表示処理ステップを実行するとともに、
前記仮想空間画像を表示する場面に応じて、当該場面が前記第1外部情報又は前記第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定ステップ、を実行し、
前記第1表示処理ステップでは、前記場面が前記第1外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第1外部情報を表示し、
前記第2表示処理ステップでは、前記場面が前記第2外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第2外部情報を表示するデータ処理方法。
[15]プレイヤが頭部に装着する表示装置に仮想空間画像を表示させるデータ処理装置において、
前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、前記仮想空間画像に含まれる第1特定オブジェクトに対して、外部から入力された第1外部情報を表示させる第1表示処理部、
および、
前記表示装置に前記仮想空間画像を表示させているときに、外部から入力された第2外部情報であって、現実空間画像を含む前記第2外部情報を、前記仮想空間画像とともに表示させる第2表示処理部のうちの少なくとも一方の表示処理部を備えるとともに、
前記仮想空間画像を表示する場面に応じて、当該場面が前記第1外部情報又は前記第2外部情報を表示可能なタイミングであるか否かを判定する判定部を備え、
前記第1表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第1外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第1外部情報を表示し、
前記第2表示処理部は、前記判定部により前記場面が前記第2外部情報を表示可能なタイミングであると判定された場合に前記第2外部情報を表示するデータ処理装置。
【符号の説明】
【0124】
P…プレイヤ、10…HMD、11…HMD制御部、12…センサ、13…ディスプレイ、14…スピーカ、20…ゲーム処理装置、21…制御部、21A…オブジェクト特定部、21B…進行管理部、21C…第1表示処理部、21D…第2表示処理部、21E…取得部、21F…テーブル、21G…判別部、22…記憶部、22A…画像情報、22B…オブジェクト情報、22C…ゲーム音情報、26…メールサーバ、27…攻略サイト、28…天気サイト、30…操作装置、31…情報処理部、32…トラッキング情報検出部、33…操作部、36…トラッキング補助装置、40…撮像装置、41…撮像部、42…検出部、101C…キャラクタオブジェクト、101E…電子メール、101I…攻略情報、101M…天気マークオブジェクト、101S…第1特定オブジェクト、101V…仮想空間画像、101W…天気情報、102R…現実空間画像、102S…第2特定オブジェクト、103S…第3特定オブジェクト、104A…第1領域、104B…第2領域、104C…ウィンドウ。