(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002714
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】粒子検出のための調整可能なセンサシステムのための物理的構造
(51)【国際特許分類】
G01T 3/08 20060101AFI20221227BHJP
G01T 3/00 20060101ALI20221227BHJP
G01T 7/00 20060101ALI20221227BHJP
G01T 1/24 20060101ALI20221227BHJP
G21F 1/08 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
G01T3/08
G01T3/00 H
G01T7/00 A
G01T1/24
G21F1/08
【審査請求】有
【請求項の数】45
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169012
(22)【出願日】2022-10-21
(62)【分割の表示】P 2020543058の分割
【原出願日】2019-01-30
(31)【優先権主張番号】16/059,959
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/626,513
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/100,043
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/100,024
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520295694
【氏名又は名称】ロンバス ホールディングス リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンシュマン ロイ
(57)【要約】
【課題】粒子を検出するためのセンサを提示する。
【解決手段】センサは、シリコンウエハ基板と、シリコンウエハ基板上に取り付けられた電荷検出レイヤとを備え、電荷検出レイヤは、複数の個別ピクセルセンサを備える。センサは、コンバータ材料をさらに備え、コンバータ材料は、第1の種類の粒子と相互作用して、反応を発生させるように動作可能であり、反応は、荷電粒子を生成し、電荷検出レイヤは、反応によって生成された荷電粒子を検出するように構成される。さらに、センサは、第2の種類の粒子をふるい分けるように動作可能な基板レイヤを備え、コンバータ材料は、コンバータ材料が、電荷検出レイヤに対面し、エアギャップが、コンバータ材料と電荷検出レイヤとの間に形成されるように、基板レイヤの下面上に被覆される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を検出するためのセンサであって、
シリコンウエハ基板と、
前記シリコンウエハ基板上に配置された電荷検出レイヤであって、複数の個別ピクセルセンサを備える、該電荷検出レイヤと、
1つまたは複数の種類の粒子と相互作用して、反応を発生させるように動作可能なコンバータ材料であって、前記反応は、荷電粒子を生成し、前記電荷検出レイヤは前記反応によって生成された荷電粒子を検出するように構成され、前記電荷検出レイヤは、検出された前記荷電粒子に関する情報を用いて、読み取り可能な電気信号を生成するように構成される、該コンバータ材料と、
前記コンバータ材料と相互作用する前記1つまたは複数の種類の粒子とは異なる種類の粒子をふるい分けるように動作可能な基板レイヤであって、前記基板レイヤは、前記コンバータ材料に隣接し、前記電荷検出レイヤとは反対側にある、該基板レイヤと
を備えたことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記コンバータ材料は、前記電荷検出レイヤ上に直接的に被覆されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記コンバータ材料は、前記基板レイヤの下面上に被覆され、前記電荷検出レイヤに隣接して配置され、前記コンバータ材料と前記電荷検出レイヤとの間に、エアギャップが存在しないことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記コンバータ材料は複数のレイヤを含み、前記コンバータ材料の各レイヤは、異なる種類の粒子と相互作用し、異なる種類の粒子との反応を発生させるように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
粒子検出システムのための、情報をキャプチャおよび分析する方法であって、
コンバータ材料を使用して、複数の粒子に対する反応を発生させるステップであって、前記コンバータ材料は前記複数の粒子と相互作用するように動作可能である、該ステップと、
複数のセンサを使用して、前記反応に対する応答を電気信号に変換するステップであって、前記コンバータ材料は前記複数のセンサ上に被覆されるように操作可能であり、前記複数のセンサの各々は、アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイを備える、該ステップと、
個別ピクセルの前記アレイ上における各ピクセルに関するデータを生成するために、前記電気信号を処理するステップと、
前記複数のセンサから収集された前記データを直列化し、前記データを細いケーブル上において処理ユニットに送信するステップであって、前記処理ユニットは前記複数のセンサから離れた遠隔のロケーションに配置される、ステップと、
前記複数のセンサ上に衝突した前記複数の粒子の視覚的表現を含む画像の系列に、前記データを変換するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
画像の前記系列をディスプレイ上に表示するステップと、
前記複数のセンサ上に衝突した前記複数の粒子を弁別するために、画像の前記系列を使用して、様々な種類の粒子によって生成された知られた特異的な放射線依存シグネチャパターンを使用する弁別手順を実行するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記細いケーブルは3mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記送信は60メートルよりも長い距離にわたって行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の粒子は中性子を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
直列化はメガヘルツ周波数において実行されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記直列化はギガヘルツ周波数において実行されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記送信は、低電圧差動シグナリング(LVDS)を使用して、実行されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記細いケーブルは、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、および光ファイバケーブルから成る群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記データを直列化する前記ステップは、
前記送信の前に、タイムスタンプおよびセンサ識別情報を前記データに添付するステップであって、前記タイムスタンプおよびセンサ識別情報は、前記複数のセンサからのデータを区別するために、前記処理ユニットによって使用されるように操作可能である、該ステップ
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記細いケーブルは保護シールドを用いて被覆され、前記保護シールドのための材料は、鉛、タングステン、ホウ素、ガドリニウムから成る群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項16】
粒子検出システムのための、情報をキャプチャおよび分析するための装置であって、
基板上に被覆され、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能なコンバータレイヤであって、前記複数の粒子は、中性子を含む、該コンバータレイヤと、
前記コンバータレイヤに近接し、それに対面する複数のセンサであって、前記複数のセンサは、前記反応に対する応答を電気信号に変換するように動作可能であり、前記センサは、個別ピクセルセンサのアレイを備える、該複数のセンサと、
前記電気信号を処理して、個別ピクセルセンサの前記アレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、
生成された前記情報を直列化するためのデータシリアライザと、
前記情報を第2の処理デバイスに送信するための送信ラインケーブルであって、前記第2の処理デバイスは、前記複数のセンサから離れた遠隔のロケーションに配置される、該送信ラインケーブルと、
前記第1の処理デバイスに通信可能に結合された前記第2の処理デバイスであって、
前記第1の処理デバイスを制御し、
前記第1の処理デバイスから前記情報を受信し、
前記複数のセンサ上に衝突した前記複数の粒子の視覚的表現を含む画像の系列に、前記情報を変換する
ように構成される、前記第2の処理デバイスと
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項17】
前記送信ラインケーブルは、前記複数のセンサのケーブルの各々に関する情報を、異なる周波数で送信するように動作可能であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2の処理デバイスは、異なる周波数で送信される、前記複数のセンサの各々についての情報を読み出し、画像の前記系列を作成するために、前記複数のセンサの各々に関する情報を合併するように動作可能であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の処理デバイスの前記離れたロケーションは、前記複数のセンサのロケーションと比較して、あまり極端ではない環境条件によって特徴付けられることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
中性子を検出するためのシステムであって、
複数のセンサアレイであって、各センサアレイは複数のセンサを備え、各センサは、
前記センサ上に配置されたコンバータレイヤであって、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能であり、前記複数の粒子は、中性子を含む、該コンバータレイヤと、
アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイであって、前記個別ピクセルセンサは、前記反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するように動作可能である、該個別ピクセルセンサのアレイと、
前記読み取り可能な電気信号を処理して、個別ピクセルセンサの前記アレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、
前記情報を直列化するためのデータシリアライザと
を備える、該複数のセンサアレイと、
前記複数のセンサに通信可能に結合された複数の第2の処理デバイスであって、各第2の処理デバイスは前記複数のセンサのうちの個別の1つと関連付けられ、各第2の処理デバイスは、細いケーブルを使用して、関連付けられたセンサから、前記直列化された情報を受信するように動作可能であり、前記複数の第2の処理デバイスは前記複数のセンサアレイから離れた遠隔のロケーションに配置される、該複数の第2の処理デバイスと
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項21】
前記複数の第2の処理デバイスの各々は、
それぞれの第1の処理デバイスを制御し、
前記それぞれの第1の処理デバイスから、それぞれのデータシリアライザを通して、前記情報を受信し、
関連付けられたセンサ上に衝突した前記複数の粒子の視覚的表現を含む画像の系列に、前記情報を変換する、
ように構成されたことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のセンサアレイは、前記システムの感度を高めるために、互いに隣接して積み重ねられることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のセンサアレイは立方体構成で配置され、前記立方体構成の各面は互いに隣接する複数の積み重ねられたセンサアレイを含むことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のセンサアレイは、立方体、直方体、球体、および二十面体から成る群から選択される構成で配置されたことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
中性子を検出するためのシステムであって、
複数のセンサアレイであって、各センサアレイは複数のセンサを備え、各センサは、
前記センサ上に配置されたコンバータレイヤであって、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能であり、前記複数の粒子は中性子を含む、該コンバータレイヤと、
アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイであって、前記個別ピクセルセンサは、前記反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するように動作可能である、該個別ピクセルセンサのアレイと、
前記読み取り可能な電気信号を処理して、個別ピクセルセンサの前記アレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、
前記情報を直列化するためのデータシリアライザであって、前記第1の処理デバイスおよび前記データシリアライザは、それぞれのセンサに近接して配置される、該データシリアライザと
を備える、該複数のセンサアレイと、
前記複数のセンサに通信可能に結合された複数の第2の処理デバイスであって、各第2の処理デバイスは、前記複数のセンサのうちの個別の1つと関連付けられ、各第2の処理デバイスは、細いケーブルを使用して、関連付けられたセンサから、前記直列化された情報を受信するように動作可能であり、前記複数の第2の処理デバイスは、前記複数のセンサアレイから離れた遠隔のロケーションに配置され、前記複数の第2の処理デバイスは、前記複数のセンサアレイから受信された前記直列化された情報に基づいて、粒子種類を検出するように動作可能である、該複数の第2の処理デバイスと
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項26】
調整可能なセンサシステムからの画像内において中性子を検出するコンピュータ実施される方法であって、
テスト画像内において、中性子によって生成された知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップと、
入力画像を複数のフレームに分割するステップと、
前記複数のフレームにおいて中性子を認識するために、前記複数のフレームに前記ディープラーニングプロセスを通過させるステップと、
前記複数のフレームを、前記入力画像に戻すために、再度組み合わせるステップと、
前記入力画像内における各ピクセルについて、中性子に特有のシグネチャパターンが、前記入力画像内に存在するかどうかを決定するために、それぞれのピクセルに連結されたピクセルを検査するステップと、
前記検査からの結果を使用して、前記入力画像内の中性子の数をカウントするステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記入力画像のためのバイナリマスクを決定するステップであって、前記バイナリマスクは、中性子に特有の前記シグネチャパターンと関連付けられた前記画像内の各ピクセルに、「1」の値を割り当て、前記画像内の残りのピクセルに、「0」の値を割り当てる、ステップと、
前記入力画像内における中性子についての中性子強度値を決定するために、前記バイナリマスクと前記入力画像との畳み込みを行うステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記畳み込みの前に、前記入力画像内における複数のピクセル強度の合算を使用することによって、前記入力画像内においてガンマ束を測定するステップであって、前記ガンマ束は、中性子に特有の前記シグネチャパターンよりも低い累積強度値を有する、該ステップをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
中性子の前記数、前記中性子強度値、および前記ガンマ束に関する情報を含む、前記入力画像についての統計を生成するステップと、
さらなる分析のために、前記統計をセーブするステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ディープラーニングプロセスをトレーニングする前記ステップは、
中性子によって生成された前記知られた放射線依存シグネチャパターンに基づいて、第1の複数の画像において中性子にラベル付けするステップと、
前記第1の複数の画像における前記ラベル付けされた中性子を使用して、中性子によって生成された前記知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、前記ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップと、
第2の複数の画像を使用して、中性子の存在を認識するために、前記ディープラーニングプロセスをテストするステップであって、前記第2の複数の画像は、知られた結果を有するテスト画像である、該ステップと、
前記第2の複数の画像の認識の精度がしきい値を上回るとの決定に応答して、テストされる新しい画像を前記ディープラーニングプロセスに入力するステップと、
認識の前記精度が前記しきい値を下回るとの決定に応答して、さらなる画像を用いて前記ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップと
を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記ディープラーニングプロセスは、深層完全畳み込みニューラルネットワーク(CNN)プロセスを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項32】
それぞれのピクセルに連結された前記ピクセルは、前記それぞれのピクセルと共通の境界または頂点を共有するピクセルを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項33】
それぞれのピクセルに連結されたピクセルを検査する前記ステップは、
前記それぞれのピクセルと、前記それぞれのピクセルに連結された前記ピクセルとによって形成されたパターンにおいて、飽和したピクセルの数を決定するステップと、
前記パターンが対称的かどうかを決定するステップと、
前記パターンにおける前記ピクセルが、前記パターンの中央から徐々に減少するピクセル強度を呈するかどうかを決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項34】
コンピュータシステムによって実行された場合に、調整可能なセンサシステムからの画像内において関心粒子を検出するための方法を、前記コンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令をその上に記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
テスト画像内において、関心粒子によって生成された知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップと、
入力画像を複数のフレームに再度組み合わせるステップと、
前記複数のフレームにおいて前記関心粒子を認識するために、前記複数のフレームに前記ディープラーニングプロセスを通過させるステップと、
前記複数のフレームを、前記入力画像に戻すために、継ぎ合わせるステップと、
前記入力画像内における各ピクセルについて、前記関心粒子に特有のシグネチャパターンが前記入力画像内に存在するかどうかを決定するために、それぞれのピクセルに連結されたピクセルを検査するステップと、
前記連結されたピクセルを使用して、前記入力画像内の前記関心粒子のカウントを決定するステップと
を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
前記方法は、
前記入力画像のためのバイナリマスクを決定するステップであって、前記バイナリマスクは、前記関心粒子に特有の前記シグネチャパターンと関連付けられた前記画像内の各ピクセルに、「1」の値を割り当て、前記画像内の残りのピクセルに、「0」の値を割り当てる、該ステップと、
前記入力画像内における前記関心粒子についての強度値を決定するために、前記バイナリマスクと前記入力画像との畳み込みを行うステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項36】
前記方法は、
前記関心粒子の前記カウント、および前記シグネチャパターンと関連付けられたピクセルの前記強度値に関する情報を含む、前記入力画像についての統計を生成するステップと、
さらなる分析のために、前記統計をセーブするステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項37】
前記ディープラーニングプロセスをトレーニングする前記ステップは、
前記関心粒子によって生成された前記知られた放射線依存シグネチャパターンに基づいて、第1の複数の画像において前記関心粒子にラベル付けするステップと、
前記第1の複数の画像における前記ラベル付けされた関心粒子を使用して、前記関心粒子によって生成された前記知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、前記ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップと、
第2の複数の画像を使用して、前記関心粒子の存在を認識するために、前記ディープラーニングプロセスをテストするステップであって、前記第2の複数の画像は、知られた結果を有するテスト画像である、該ステップと、
前記第2の複数の画像の認識の精度がしきい値を上回るとの決定に応答して、テストされる新しい画像を前記ディープラーニングプロセスに供給するステップと、
認識の前記精度が前記しきい値を下回るとの決定に応答して、さらなる画像を用いて前記ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項38】
前記ディープラーニングプロセスは、深層完全畳み込みニューラルネットワーク(CNN)プロセスを含むことを特徴とする請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項39】
前記関心粒子は中性子であることを特徴とする請求項34に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
調整可能なセンサシステムからの画像内において中性子を検出するためのシステムであって、
複数のテスト画像、入力画像、ならびにディープラーニングプロセスおよび画像内において関心粒子を検出するためのプロセスと関連付けられた命令を記憶するためのメモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサであって、
テスト画像内において、関心粒子によって生成された知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、ディープラーニングプロセスをトレーニングすることと、
入力画像を複数のフレームに分割することと、
前記複数のフレームにおいて前記関心粒子を認識するために、前記複数のフレームに前記ディープラーニングプロセスを通過させることと、
前記複数のフレームを、前記入力画像に戻すために、組み合わせることと、
前記入力画像内における各ピクセルについて、前記関心粒子に特有のシグネチャパターンが前記入力画像内に存在するかどうかを決定するために、それぞれのピクセルに連結されたピクセルを検査することと、
前記連結されたピクセルを使用して、前記入力画像内の前記関心粒子のカウントを決定することと
を行うために、前記命令に従って動作するように構成される、該プロセッサと
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項41】
前記プロセッサは、
前記入力画像のためのバイナリマスクを決定することであって、前記バイナリマスクは、前記関心粒子に特有の前記シグネチャパターンと関連付けられた前記画像内の各ピクセルに、「1」の値を割り当て、前記画像内の残りのピクセルに、「0」の値を割り当てる、決定することと、
前記入力画像内における前記関心粒子についての強度値を決定するために、前記バイナリマスクと前記入力画像との畳み込みを行うことと
を行うようにさらに構成されたことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記プロセッサは、
前記関心粒子の前記カウント、および前記シグネチャパターンと関連付けられたピクセルの前記強度値に関する情報を含む、前記入力画像についての統計を生成することと、
さらなる分析のために、前記統計をセーブすることと
を行うようにさらに構成されたことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記ディープラーニングプロセスをトレーニングするために、前記プロセッサは、
前記関心粒子によって生成された前記知られた放射線依存シグネチャパターンに基づいて、第1の複数の画像において前記関心粒子にラベル付けすることと、
前記第1の複数の画像における前記ラベル付けされた関心粒子を使用して、前記関心粒子によって生成された前記知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、前記ディープラーニングプロセスをトレーニングすることと、
第2の複数の画像を使用して、前記関心粒子の存在を認識するために、前記ディープラーニングプロセスをテストすることであって、前記第2の複数の画像は、知られた結果を有するテスト画像である、該テストすることと、
前記第2の複数の画像の認識の精度がしきい値を上回るとの決定に応答して、テストされる新しい画像を前記ディープラーニングプロセスに供給することと、
認識の前記精度が前記しきい値を下回るとの決定に応答して、さらなる画像を用いて前記ディープラーニングプロセスをトレーニングすることと
を行うように構成されたことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
前記ディープラーニングプロセスは、深層完全畳み込みニューラルネットワーク(CNN)プロセスを含むことを特徴とする請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記関心粒子は中性子であることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に従った実施形態は、一般に、亜原子粒子を検出することに関し、より詳細には、亜原子粒子を検出するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、「Subatomic Particle Detection System For Decommissioning Activities」と題し、2018年2月5日の出願日を有する、仮特許出願第62/626513号の変更であり、その優先権および利益を主張する。
【0003】
本出願は、2013年5月14日に出願され、今は米国特許第9435755号として発行され、「SCALABLE AND TUNABLE NEUTRON DETECTION INSTRUMENT」と題し、発明者としてAnshuman Royの名前が挙げられ、整理番号RHBS-0005.USを有する、米国特許出願第13/894305号に関する。その出願は、その全体が、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0004】
本出願は、2013年5月14日に出願され、今は米国特許第9435897号として発行され、「TUNABLE DETECTION INSTRUMENT FOR SUBATOMIC PARTICLES」と題し、発明者としてAnshuman Royの名前が挙げられ、整理番号RHBS-0004.USを有する、米国特許出願第13/894272号に関する。その出願は、その全体が、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
本出願は、2018年8月9日に出願され、「PHYSICAL STRUCTURE FOR A TUNABLE SENSOR SYSTEM FOR PARTICLE DETECTION」と題し、発明者としてAnshuman Royの名前が挙げられ、整理番号RHBS-0007.US1を有する、米国特許出願第16/599959号に関する。その出願は、その全体が、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0006】
本出願は、2018年8月9日に出願され、「COMPONENT CONFIGURATION FOR A ROBUST TUNABLE SENSOR SYSTEM FOR A HIGH RADIATION ENVIRONMENT」と題し、発明者としてAnshuman Royの名前が挙げられ、整理番号RHBS-0007.US2を有する、米国特許出願第16/100024号に関する。その出願は、その全体が、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0007】
本出願は、2018年8月9日に出願され、「METHOD AND APPARATUS FOR PERFORMING PATTERN RECOGNITION FOR A TUNABLE SENSOR SYSTEM TO DETECT NEUTRON AND GAMMA PARTICLES」と題し、発明者としてAnshuman Royの名前が挙げられ、整理番号RHBS-0007.US3を有する、米国特許出願第16/100043号に関する。その出願は、その全体が、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0008】
中性子は、正味の電荷を有さない亜原子粒子である。中性子と、別の亜原子粒子である陽子は、一緒になって、水素を除く、周期表内のすべての元素の原子核を形成する。自由中性子は、核分裂、元素の放射性崩壊、または核融合のいずれかの結果として生成される。汚染爆弾を作成するために使用されるプルトニウムなどの特殊核物質(「SNM」)は、放射線を出しながら崩壊して、中性子を生成する。そのような中性子の検出は、SNMの源を追跡する有効な方法である。しかしながら、中性子は、いかなる電荷も運ばないので、それらの検出は、他の帯電した亜原子粒子と比較して、問題がある。うまく利用されてきた中性子検出の1つの方法は、入射中性子を捕捉し、それらを、アルファ粒子、トリトン、ガンマ線など、他の容易に検出可能な亜原子粒子に変換することができる、材料を使用することである。
【0009】
歴史的に、高圧ヘリウム3(He3)管が、中性子検出の頼みの綱であった。これらの管に衝突した中性子は、He3原子核と相互作用して、トリトンおよびプロチウムを生成するが、それらの両方は、管内の強い電場の存在下で電極に向かって移動する、高エネルギーに帯電した亜原子粒子である。残念なことに、地球上におけるHe3供給は、不足しており、近年におけるHe3の価格は、最近十年だけでも、20倍に高騰している。したがって、当技術分野においては、He3技術を、代替技術を用いて、たいていは、シンチレーションベースの検出システムおよびホウ素被覆比例管を用いて置き換えることについての強い意見の一致が存在する。
【0010】
シンチレーション検出器も、いくつかの制限を有する。第1に、シンチレーション結晶は、高価であり、限定された市場のせいで、少量しか作成されない。第2に、シンチレーション結晶とやはり激しく相互作用するガンマ線から中性子を弁別するために、複雑なパルス形状弁別アルゴリズムが、これらのシステムにおいて利用される必要がある。湿度および塩分濃度などの環境要因に対して敏感であることができるシンチレーティング結晶の使用のせいで、シンチレーション検出器も、当技術分野における信頼性問題に悩まされる。ホウ素被覆管のガンマ弁別能力は、シンチレータ検出器よりも良好である。しかしながら、比例計数管技術であるので、ホウ素被覆管は、それらの適用例の範囲におけるそれらのフォームファクタによって制限される。さらに、時間が経つにつれて、それらのコストを押し下げるための、グローバルサプライチェーンが、不在である。シンチレーションおよび比例計数管の両方がベースのシステムは、宇宙背景放射に近い低い入射中性子束レベルの測定に干渉する、著しいシステムレベルノイズと闘わなければならない。それらは、モジュール性、中性子以外の亜原子粒子を検出する柔軟性、および迅速な拡張性についての可能性も欠いている。
【0011】
さらに、粒子検出の従来の方法は、一般に、極端な環境条件に対して敏感すぎる。例えば、従来の粒子検出システムが、事故後の原子力発電所または原子炉における中性子を検出するために、使用されている場合、それが、放射線検出のための知られたシステムのいずれかを破壊している可能性が高いことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、必要とされているものは、中性子を検出するために簡単に調整可能であり、モジュール式であるように設計された、簡単に利用可能で容易に交換可能なコンポーネントを利用する、中性子検出のための技術である。さらに、技術は、中性子以外の他の亜原子粒子または他の粒子が検出されることもできるように、柔軟であることを必要とする。さらに、技術は、激しい放射線環境において放射粒子を検出するために、十分に堅牢であることを必要とする。
【0013】
本明細書において開示されるのは、非常に敏感で高性能の計器を形成するために変更され、一緒に組み立てられる、単純で獲得しやすい既製のコンポーネントを備える、モジュール式の調整可能な技術プラットフォームである。デバイスを組み立てるために使用される既製のコンポーネントは、中性子を含む異なる粒子に対して敏感であるように調整されてよい。本発明の簡単に利用可能で容易に交換可能なコンポーネントは、異なるエネルギーの中性子に対して敏感であるように調整されてよい。本明細書において開示される本発明の実施形態のアーキテクチャは、中性子、特に熱中性子ばかりでなく、SNMまたは他の放射能源から発せられた中性子に同伴してよい多種多様な他の亜原子粒子の、迅速で敏感な柔軟性のある検出および画像化も可能にする。システムアーキテクチャは、入射中性子の源としての役割を果たす元素(放射性核種)の識別も可能にする。アーキテクチャは、中性子の源の方向を追跡すること、および中性子がそれから発せられた放射性核種または非放射性核種源の識別も可能にする。最後に、本明細書において開示される本発明の実施形態のアーキテクチャは、フォールスポジティブおよび計器の応答時間をそれによって低減させる、リアルタイムガンマ弁別を可能にする。
【0014】
一実施形態においては、粒子を検出するための方法が、開示される。方法は、コンバータ材料を使用して、複数の粒子に対する反応を発生させるステップを含み、コンバータ材料は、複数の粒子と相互作用するように動作可能であり、複数の粒子のサブセットは、中性子を含む。さらに、方法は、センサを使用して、反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するステップを含み、センサは、ピクセルのアレイを備える。また、方法は、ピクセルのアレイ上の各ピクセルについての情報を生成するために、センサからの読み取り可能な電気信号を処理するステップと、情報を処理ユニットに送信するステップとを含む。最後に、方法は、ピクセルのアレイ上における中性子の衝突の事例と非中性子粒子の衝突の事例とを区別するための情報を使用した弁別手順を実行するステップを含む。
【0015】
一実施形態においては、中性子を検出するための装置が、開示される。装置は、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能なコンバータレイヤを備え、複数の粒子のサブセットは、中性子を含む。それは、コンバータレイヤに結合されたセンサも備え、センサは、反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するように動作可能であり、センサは、アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイを備える。装置は、読み取り可能な電気信号を処理して、アレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、第1の処理デバイスに通信可能に結合された第2の処理デバイスとをさらに備える。第2の処理デバイスは、(a)第1の処理デバイスを制御し、(b)第1の処理デバイスから情報を受信し、(c)ピクセルのアレイ上における中性子の衝突の事例と非中性子粒子の衝突の事例とを区別するための情報を使用した弁別手順を実行するように構成される。
【0016】
一実施形態においては、中性子を検出するためのシステムが、開示される。システムは、複数のセンサモジュールを備え、各センサモジュールは、複数のセンサ要素と、第1の処理デバイスとを備える。センサ要素の各々は、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能な少なくとも1つのコンバータレイヤを備え、複数の粒子のサブセットは、中性子を含む。各センサ要素は、少なくとも1つのコンバータレイヤに結合されたセンサも備え、センサは、反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するように動作可能である。さらに、センサは、アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイを備える。システムは、複数のセンサモジュールに通信可能に結合された第2の処理デバイスも備えることができ、第2の処理デバイスは、それぞれの読み取り可能な電気信号に関する情報を、複数のセンサモジュールの各々の上のそれぞれの第1の処理デバイスから読み取るように動作可能である。さらに、第2の処理デバイスは、複数のセンサモジュールと関連付けられた、ピクセルセンサのそれぞれのアレイ上における中性子の衝突の事例と非中性子粒子の衝突の事例とを区別するための情報を使用した弁別手順を実行するように動作可能である。さらに、システムは、複数のセンサモジュールを封入するための筐体を備え、複数のセンサモジュールのうちの少なくとも1つは、中性子を検出するように調整され、複数のセンサモジュールのうちの少なくとも1つは、非中性子粒子を検出するように調整される。
【0017】
一実施形態においては、粒子を検出するためのセンサが、開示される。センサは、シリコンウエハ基板と、シリコンウエハ基板上に配置された電荷検出レイヤとを備え、電荷検出レイヤは、複数の個別ピクセルセンサを備える。センサは、第1の種類の粒子と相互作用して、反応を発生させるように動作可能なコンバータ材料も備え、反応は、荷電粒子を生成し、電荷検出レイヤは、反応によって生成された荷電粒子を検出するように構成され、電荷検出レイヤは、検出された荷電粒子に関する情報を用いて、読み取り可能な電気信号を生成するように構成される。さらに、センサは、第2の種類の粒子をふるい分けるように動作可能な基板レイヤを備え、コンバータ材料は、基板レイヤの下面上に被覆され、コンバータ材料は、電荷検出レイヤに対面し、エアギャップが、コンバータ材料と電荷検出レイヤとの間に形成される。
【0018】
異なる実施形態においては、粒子を検出するためのセンサが、開示される。センサは、シリコンウエハ基板と、シリコンウエハ基板上に配置された電荷検出レイヤとを備え、電荷検出レイヤは、複数の個別ピクセルセンサを備える。センサは、第1の種類の粒子と相互作用して、反応を発生させるように動作可能なコンバータ材料をさらに備え、反応は、荷電粒子を生成し、電荷検出レイヤは、反応によって生成された荷電粒子を検出するように構成され、電荷検出レイヤは、検出された荷電粒子に関する情報を用いて、読み取り可能な電気信号を生成するように構成される。また、センサは、第2の種類の粒子を調整するように動作可能な基板レイヤを備え、基板レイヤとの相互作用は、第2の種類の粒子の特性を変化させ、コンバータ材料は、基板レイヤの下面上に被覆され、コンバータ材料は、電荷検出レイヤに対面し、エアギャップが、コンバータ材料と電荷検出レイヤとの間に形成される。
【0019】
一実施形態においては、粒子を検出するためのセンサが、開示され、センサは、シリコンウエハ基板と、シリコンウエハ基板上に配置された電荷検出レイヤとを備え、電荷検出レイヤは、複数の個別ピクセルセンサを備える。センサは、1つまたは複数の種類の粒子と相互作用して、反応を発生させるように動作可能なコンバータ材料をさらに備え、反応は、荷電粒子を生成し、電荷検出レイヤは、反応によって生成された荷電粒子を検出するように構成され、電荷検出レイヤは、検出された荷電粒子に関する情報を用いて、読み取り可能な電気信号を生成するように構成される。また、センサは、コンバータ材料と相互作用する1つまたは複数の種類の粒子とは異なる種類の粒子をふるい分けるように動作可能な基板レイヤを備え、基板レイヤは、コンバータ材料に隣接し、電荷検出レイヤとは反対側にある。
【0020】
一実施形態においては、粒子検出システムのための、情報を捕捉および分析する方法が、開示される。方法は、コンバータ材料を使用して、複数の粒子に対する反応を発生させるステップを含み、コンバータ材料は、複数の粒子と相互作用するように動作可能である。方法は、複数のセンサを使用して、反応に対する応答を電気信号に変換するステップをさらに含み、コンバータ材料は、複数のセンサ上に被覆されるように操作可能であり、複数のセンサの各々は、アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイを備える。さらに、方法は、個別ピクセルセンサのアレイ上の各ピクセルに関するデータを生成するために、電気信号を処理するステップと、複数のセンサから収集されたデータを直列化し、データを細いケーブル上において処理ユニットに送信するステップとを含み、処理ユニットは、複数のセンサから離れた遠隔のロケーションに配置される。最後に、方法は、複数のセンサ上に衝突した複数の粒子の視覚的表現を含む画像の系列に、データを変換するステップを含む。
【0021】
一実施形態においては、粒子検出システムのための、情報を捕捉および分析するための装置が、開示される。装置は、基板上に被覆され、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能なコンバータレイヤを備え、複数の粒子は、中性子を含む。装置は、コンバータレイヤに近接し、それに対面する複数のセンサも備え、複数のセンサは、反応に対する応答を電気信号に変換するように動作可能であり、センサは、個別ピクセルセンサのアレイを備える。さらに、装置は、電気信号を処理して、個別ピクセルセンサのアレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、生成された情報を直列化するためのデータシリアライザと、情報を第2の処理ユニットに送信するための送信ラインケーブルとを備え、第2の処理ユニットは、複数のセンサから離れた遠隔のロケーションに配置される。第2の処理デバイスは、第1の処理デバイスに通信可能に結合され、第2の処理デバイスは、a)第1の処理デバイスを制御し、b)第1の処理デバイスから情報を受信し、c)複数のセンサ上に衝突した複数の粒子の視覚的表現を含む画像の系列に、情報を変換するように構成される。
【0022】
実施形態においては、中性子を検出するためのシステムが、開示される。システムは、複数のセンサアレイを備え、各センサアレイは、複数のセンサを備え、各センサは、a)センサ上に配置されたコンバータレイヤであって、コンバータレイヤは、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能であり、複数の粒子は、中性子を含む、コンバータレイヤと、b)アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイであって、個別ピクセルセンサは、反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するように動作可能である、個別ピクセルセンサのアレイと、c)読み取り可能な電気信号を処理して、個別ピクセルセンサのアレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、d)情報を直列化するためのデータシリアライザとを備える。システムは、複数のセンサに通信可能に結合された複数の第2の処理デバイスも備え、各第2の処理デバイスは、複数のセンサのうちの個別の1つと関連付けられ、各第2の処理デバイスは、細いケーブルを使用して、関連付けられたセンサから、直列化された情報を受信するように動作可能であり、複数の第2の処理デバイスは、複数のセンサアレイから離れた遠隔のロケーションに配置される。
【0023】
一実施形態においては、中性子を検出するためのシステムが、開示される。システムは、複数のセンサアレイを備え、各センサアレイは、複数のセンサを備え、各センサは、a)センサ上に配置されたコンバータレイヤであって、コンバータレイヤは、複数の粒子と相互作用し、複数の粒子に対する反応を発生させるように動作可能であり、複数の粒子は、中性子を含む、コンバータレイヤと、b)アレイ内において各々がそれぞれの(x,y)座標を有する個別ピクセルセンサのアレイであって、個別ピクセルセンサは、反応に対する応答を読み取り可能な電気信号に変換するように動作可能である、個別ピクセルセンサのアレイと、c)読み取り可能な電気信号を処理して、個別ピクセルセンサのアレイ上の各ピクセルについての情報を生成するように動作可能な第1の処理デバイスと、d)情報を直列化するためのデータシリアライザとを備え、第1の処理デバイスおよびデータシリアライザは、それぞれのセンサに近接して配置される。システムは、複数のセンサに通信可能に結合された複数の第2の処理デバイスも備え、各第2の処理デバイスは、複数のセンサのうちの個別の1つと関連付けられ、各第2の処理デバイスは、細いケーブルを使用して、関連付けられたセンサから、直列化された情報を受信するように動作可能であり、複数の第2の処理デバイスは、複数のセンサアレイから離れた遠隔のロケーションに配置され、複数の第2の処理デバイスは、複数のセンサアレイから受信された直列化された情報に基づいて、粒子種類を検出するように動作可能である。
【0024】
異なる実施形態においては、調整可能なセンサシステムからの画像内において中性子を検出するコンピュータ実施される方法が、開示される。方法は、テスト画像内において、中性子によって生成された知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、ディープラーニングプロセスをトレーニングするステップを含む。方法は、入力画像を複数のフレームに分割するステップと、複数のフレームにおいて中性子を認識するために、複数のフレームにディープラーニングプロセスを通過させるステップとをさらに含む。その後、方法は、複数のフレームを、入力画像に戻すために、再度組み合わせるステップを含む。入力画像内における各ピクセルについて、方法は、中性子に特有のシグネチャパターンが、入力画像内に存在するかどうかを決定するために、それぞれのピクセルに連結されたピクセルを検査するステップと、検査からの結果を使用して、入力画像内の中性子の数をカウントするステップとを含む。
【0025】
別の実施形態においては、調整可能なセンサシステムからの画像内において中性子を検出するためのシステムが、開示される。システムは、複数のテスト画像、入力画像、ならびにディープラーニングプロセスおよび画像内において関心粒子を検出するためのプロセスと関連付けられた命令を記憶するためのメモリを備える。システムは、メモリに結合されたプロセッサも備え、プロセッサは、a)テスト画像内において、関心粒子によって生成された知られた放射線依存シグネチャパターンを認識するように、ディープラーニングプロセスをトレーニングすることと、b)入力画像を複数のフレームに分割することと、c)複数のフレームにおいて関心粒子を認識するために、複数のフレームにディープラーニングプロセスを通過させることと、d)複数のフレームを、入力画像に戻すために、組み合わせることと、e)入力画像内における各ピクセルについて、関心粒子に特有のシグネチャパターンが、入力画像内に存在するかどうかを決定するために、それぞれのピクセルに連結されたピクセルを検査することと、f)連結されたピクセルを使用して、入力画像内の関心粒子のカウントを決定することとを行うために、命令に従って動作するように構成される。
【0026】
以下の詳細な説明は、添付の図面と一緒になって、本発明の本質および利点についてのより良い理解を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施形態は、添付の図面の図においては、限定としてではなく、例として例示され、その中において、同様の参照番号は、類似の要素を指す。
【
図1】本開示の実施形態を実施することが可能なコンピューティングシステムの例のブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に従った、クライアントシステムおよびサーバがネットワークに結合されてよい、ネットワークアーキテクチャの例のブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に従った、亜原子粒子検出システムの例示的なブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に従った、ホストマシンをセンサモジュールと接続するための典型的なハードウェア構成を例示する概略ブロック図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に従った、ピクセルからなるセンサアレイの例示的なブロック図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に従った、各ピクセルについての断面図を例示する例示的なブロック図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に従った、センサからなるピクセルアレイによって検出されるような、2つの異なる種類の亜原子粒子によって生成される、2つの例示的なパターンを示す図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に従った、センサからなるピクセルアレイによって検出されるような、2つの異なる種類の亜原子粒子によって生成される、2つの例示的なパターンを示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に従った、MPUによって各ピクセルのために生成される例示的な情報ベクトルを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に従った、亜原子粒子を検出する例示的なコンピュータ実施のプロセスのフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に従った、2つの粒子を区別するために使用される、中性子およびガンマ粒子についての例示的なシグネチャを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に従った、センサの物理的アーキテクチャを示す図である。
【
図11】原子力事故から生じた核堆積物を含むことがある、原子炉の核一次格納容器(PCV)の断面の例示的な図である。
【
図12】本発明の実施形態に従った、感知要素がスタック編成で構成されることができる方式を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に従った、感知要素が立方体編成で構成されることができる方式を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に従った、センサ立方体が円筒センサヘッド内に収まるようにさせられることができる方式を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に従った、複数のセンサ立方体が円筒センサヘッド内に収まるように構成されることができる方式を示す図である。
【
図16A】本発明の実施形態に従った、感度を最大化するために、センサが配置されることができる様々な構成を示す図である。
【
図16B】本発明の実施形態に従った、方向精度を改善するために使用されることができるコリメートされる構成を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に従った、デブリマップを生成するために使用される、立方体の形状に構成された検出器を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に従った、より効率的なデブリマッピングを可能にするために、複数の立方体化されたセンサが使用されることができる方式を示す図である。
【
図19A】本発明の実施形態に従った、感度を高めるために複数のセンサが積み重ねられることを可能にする、円筒構成を示す図である。
【
図19B】本発明の実施形態に従った、感度を高めるために複数のセンサが積み重ねられることを可能にする、別の種類の円筒構成を示す図である。
【
図19C】本発明の実施形態に従った、方向感度を高めるために中性子ブロックを使用する、ある種類の円筒構成を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に従った、CMOSデバイスセンサおよびPINダイオードセンサが同じ検出器システム内において組み合わされることができる方式を示す図である。
【
図21A】本発明の実施形態に従った、データがセンサから指令および制御機器に送信される方式を例示する論理図である。
【
図21B】本発明の実施形態に従った、原子炉の核一次格納容器(PCV)内のロボットから、指令および制御機器を有する安全な部屋に、データが送信される方式を例示する論理図である。
【
図22】本発明の実施形態に従った、検出器のためのセンサが追加の電子機器から分離される方式を示す図である。
【
図23A】本発明の実施形態に従った、センサレベルの測定フロー図、ならびに中性子カウントおよびガンマカウントが個々のセンサから出力され、処理される方式を示す図である。
【
図23B】本発明の実施形態に従った、センサ情報が2つの異なる種類のニューラルネットワークによって処理および出力される方式を例示するフロー図である。
【
図24A】本発明の実施形態に従った、アナログパルスニューラルネットワークを使用して、中性子がそれから識別されることができる、PINダイオードの例示的な出力を示す図である。
【
図24B】本発明の実施形態に従った、CMOSセンサからのセンサ情報を分析するデジタルパターンニューラルネットワークを使用して、中性子がそれから識別されることができる、CMOSセンサの例示的な出力を示す図である。
【
図25A】本発明の実施形態に従った、様々なレベルのガンマ放射線に応答した、CMOS放射線センサからの代表的なフレームを示す図である。
【
図25B】本発明の実施形態に従った、様々なレベルのガンマ放射線に応答した、CMOS放射線センサからのピクセルレベルでの代表的なフレームを示す図である。
【
図26A】本発明の実施形態に従った、0Gy/時の背景ガンマ放射線を伴った、8つの明るい中性子カウントの集まりを示す図である。
【
図26B】少なくとも4つの飽和したピクセルを含むカウントの拡大図である。
【
図27A】本発明の実施形態に従った、同じ画像内に中性子シグネチャおよびガンマシグネチャを有する、第1のピクセルレベル画像を示す図である。
【
図27B】本発明の実施形態に従った、同じ画像内に中性子シグネチャおよびガンマシグネチャを有する、第2のピクセルレベル画像を示す図である。
【
図28】本発明の実施形態に従った、高ガンマ条件下における中性子カウントを有する、ピクセルレベル画像を示す図である。
【
図29】本発明の実施形態に従った、センサ情報から生成された画像内において中性子の存在を検出するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【
図30】本発明の実施形態に従った、ディープラーニングプロセスを使用して、中性子を検出するために、画像を分析するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【
図31】本発明の実施形態に従った、中性子粒子の源ロケーションを三角測量するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【
図32】本発明の実施形態に従った、信頼性を保証するために、センサを独立して制御するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【
図33】本発明の実施形態に従った、粒子検出のために使用される調整可能なセンサから情報を集めるための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【
図34】本発明の実施形態に従った、検出器の信頼性を保証し、検出器の動作耐用期間を延ばすために、機能していないセンサを無効化するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【
図35】本発明の実施形態に従った、調整可能な検出器システムにおいて電力を節約し、熱を管理するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
それらの例が添付の図面に例示された本発明の様々な実施形態に対する言及が、今から詳細に行われる。これらの実施形態との関連において説明されるが、それらが本開示をこれらの実施形態に限定することは意図されていないことが理解されよう。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって確定されるような本開示の主旨および範囲内に含まれてよい、代替、変更、および均等物を包含することが意図されている。さらに、本開示の以下の詳細な説明において、本開示の完全な理解を提供するために、数々の特定の詳細が説明される。しかしながら、本開示は、これらの特定の詳細なしに実施されてよいことが理解されよう。他の事例においては、よく知られた方法、手順、構成要素、および回路は、本開示の態様を不必要にあいまいにしないように、詳細には説明されなかった。
【0029】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、手順、論理ブロック、処理、およびコンピュータメモリ内のデータビットに対する操作についての他のシンボリックな表現の観点から提示される。これらの説明および表現は、自分の仕事の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。本出願においては、手順、論理ブロック、またはプロセスなどは、所望の結果をもたらすステップまたは命令の自己矛盾のない系列であると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を利用するものである。必ずではないが、通常、これらの量は、コンピュータシステムにおいて、記憶され、転送され、組み合わされ、比較され、他の方法で操作されることが可能な電気または磁気信号の形態を取る。主として共通使用の理由で、これらの信号をトランザクション、ビット、値、要素、シンボル、文字、サンプル、またはピクセルなどと呼ぶことが、ときに便利であることが分かっている。
【0030】
しかしながら、これらおよび類似の用語のすべては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これらの量に適用される便利なラベルであるにすぎないことが念頭に置かれるべきである。具体的に別段の指摘がない限り、以下の説明から明らかなように、本開示全体にわたって、「生成する」、「変換する」、「処理する」、「分析する」、「送信する」、「アロケートする」、「検出する」、「関連付ける」、「アクセスする」、「消去する」、「解放する」、「制御する」、「決定する」、または「識別する」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムまたは類似の電子的コンピューティングデバイスもしくはプロセッサ(例えば、
図1のシステム110)のアクションおよびプロセス(例えば、
図8のフローチャート800)に言及していることが理解される。コンピュータシステムまたは類似の電子的コンピューティングデバイスは、コンピュータシステムメモリ、レジスタ、または他のそのような情報ストレージ、送信、もしくは表示デバイス内の物理的(電子的)量として表現されるデータを操作および変換する。
【0031】
本明細書において説明される実施形態は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの、何らかの形態のコンピュータ可読記憶媒体上に存在するコンピュータ実行可能命令という一般的な状況において説明されてよい。限定ではなく、例として、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と、通信媒体とを含んでよく、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、一時的な伝搬信号を除く、すべてのコンピュータ可読媒体を含む。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において望まれるように組み合わせされて、または分散させられてよい。
【0032】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実施される、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶、もしくは他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用されることができ、その情報を取り出すためにアクセスされることができる他の任意の媒体を含むが、それらに限定されない。
【0033】
通信媒体は、コンピュータ実行可能命令、データ構造、およびプログラムモジュールを具体化することができ、任意の情報配信媒体を含む。限定ではなく、例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、無線周波(RF)、赤外線、および他の無線媒体などの無線媒体とを含む。上記のいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれることもできる。
【0034】
図1は、本開示の実施形態を実施することが可能な、中性子および他の亜原子粒子検出システムのためのコンピューティングシステム110の例のブロック図である。コンピューティングシステム110は、コンピュータ可読命令を実施することが可能な、任意のシングルまたはマルチプロセッサコンピューティングデバイスまたはシステムを広範に表す。コンピューティングシステム110の例は、限定なしに、ワークステーション、ラップトップ、クライアントサイド端末、サーバ、分散コンピューティングシステム、ハンドヘルドデバイス、または他の任意のコンピューティングシステムもしくはデバイスを含む。それの最も基本的な構成において、コンピューティングシステム110は、少なくとも1つのプロセッサ114と、システムメモリ116とを含んでよい。
【0035】
プロセッサ114は、一般に、データを処理すること、または命令を解釈および実行することが可能な、任意の種類または形態の処理ユニットを表す。ある実施形態においては、プロセッサ114は、ソフトウェアアプリケーションまたはモジュールから命令を受け取ってよい。これらの命令は、本明細書において説明および/または例示される例示的な実施形態のうちの1つまたは複数の機能を、プロセッサ114に実行させてよい。
【0036】
システムメモリ116は、一般に、データおよび/または他のコンピュータ可読命令を記憶することが可能な、任意の種類または形態の揮発性または不揮発性記憶デバイスまたは媒体を表す。システムメモリ116の例は、限定なしに、RAM、ROM、フラッシュメモリ、または他の任意の適切なメモリデバイスを含む。必須ではないが、ある実施形態においては、コンピューティングシステム110は、(例えば、システムメモリ116などの)揮発性メモリユニットと、(例えば、1次ストレージデバイス132などの)不揮発性ストレージデバイスとの両方を含んでよい。
【0037】
コンピューティングシステム110は、プロセッサ114およびシステムメモリ116に加えて、1つまたは複数のコンポーネントまたは要素を含んでもよい。例えば、
図1の実施形態においては、コンピューティングシステム110は、メモリコントローラ118と、入力/出力(I/O)コントローラ120と、通信インターフェース122とを含み、それらの各々は、通信インフラストラクチャ112を介して相互接続されてよい。通信インフラストラクチャ112は、一般に、コンピューティングデバイスの1つまたは複数のコンポーネントの間の通信を容易化することが可能な、任意の種類または形態のインフラストラクチャを表す。通信インフラストラクチャ112の例は、限定なしに、(業界標準アーキテクチャ(ISA)、周辺コンポーネント相互接続(PCI)、PCIエクスプレス(PCIe)などの)通信バス、または類似のバスおよびネットワークを含む。
【0038】
メモリコントローラ118は、一般に、メモリもしくはデータを操作すること、またはコンピューティングシステム110の1つまたは複数のコンポーネントの間の通信を制御することが可能な、任意の種類または形態のデバイスを表す。例えば、メモリコントローラ118は、通信インフラストラクチャ112を介した、プロセッサ114、システムメモリ116、およびI/Oコントローラ120の間の通信を制御してよい。
【0039】
I/Oコントローラ120は、一般に、コンピューティングデバイスの入力および出力機能を調整および/または制御することが可能な、任意の種類または形態のモジュールを表す。例えば、I/Oコントローラ120は、プロセッサ114、システムメモリ116、通信インターフェース122、ディスプレイアダプタ126、入力インターフェース130、およびストレージインターフェース134など、コンピューティングシステム110の1つまたは複数の要素の間のデータの転送を制御または容易化してよい。
【0040】
通信インターフェース122は、例示的なコンピューティングシステム110と1つまたは複数の追加のデバイスとの間の通信を容易化することが可能な、任意の種類または形態の通信デバイスまたはアダプタを広範に表す。例えば、通信インターフェース122は、コンピューティングシステム110と、追加のコンピューティングシステムを含むプライベートまたはパブリックネットワークとの間の通信を容易化してよい。通信インターフェース122の例は、限定なしに、(ネットワークインターフェースカードなどの)有線ネットワークインターフェース、(無線ネットワークインターフェースカードなどの)無線ネットワークインターフェース、モデム、および他の任意の適切なインターフェースを含む。一実施形態においては、通信インターフェース122は、インターネットなどのネットワークへの直接リンクを介した、リモートサーバへの直接接続を提供する。通信インターフェース122は、他の任意の適切な接続を通して、そのような接続を間接的に提供してもよい。
【0041】
通信インターフェース122は、外部バスまたは通信チャネルを介した、コンピューティングシステム110と、1つまたは複数の追加のネットワークまたはストレージデバイスとの間の通信を容易化するように構成された、ホストアダプタを表してもよい。ホストアダプタの例は、限定なしに、小型コンピュータシステムインターフェース(SCSI)ホストアダプタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ホストアダプタ、IEEE(電気電子技術者協会)1394ホストアダプタ、シリアルアドバンストテクノロジアタッチメント(SATA)および拡張SATA(eSATA)ホストアダプタ、アドバンストテクノロジアタッチメント(ATA)および並列ATA(PATA)ホストアダプタ、ファイバチャネルインターフェースアダプタ、またはイーサネットアダプタなどを含む。通信インターフェース122は、コンピューティングシステム110が、分散またはリモートコンピューティングにかかわることを可能にしてもよい。例えば、通信インターフェース122は、リモートデバイスから命令を受信して、または実行のためにリモートデバイスに命令を送信してよい。
【0042】
図1に例示されるように、コンピューティングシステム110は、ディスプレイアダプタ126を介して通信インフラストラクチャ112に結合される、少なくとも1つのディスプレイデバイス124を含んでもよい。ディスプレイデバイス124は、一般に、ディスプレイアダプタ126によって転送された情報を視覚的に表示することが可能な、任意の種類または形態のデバイスを表す。同様に、ディスプレイアダプタ126は、一般に、ディスプレイデバイス124上に表示するためのグラフィックス、テキスト、および他のデータを転送するように構成された、任意の種類または形態のデバイスを表す。
【0043】
図1に例示されるように、コンピューティングシステム110は、入力インターフェース130を介して通信インフラストラクチャ112に結合される、少なくとも1つの入力デバイス128を含んでもよい。入力デバイス128は、一般に、コンピュータまたは人によって生成された入力をコンピューティングシステム110に提供することが可能な、任意の種類または形態の入力デバイスを表す。入力デバイス128の例は、限定なしに、キーボード、ポインティングデバイス、音声認識デバイス、または他の任意の入力デバイスを含む。
【0044】
図1に例示されるように、コンピューティングシステム110は、ストレージインターフェース134を介して通信インフラストラクチャ112に結合される、1次ストレージデバイス132およびバックアップストレージデバイス133を含んでもよい。ストレージデバイス132、133は、一般に、データおよび/または他のコンピュータ可読命令を記憶することが可能な、任意の種類または形態のストレージデバイスまたは媒体を表す。例えば、ストレージデバイス132、133は、磁気ディスクドライブ(例えば、いわゆるハードドライブ)、フロッピディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、またはフラッシュドライブなどであってよい。ストレージインターフェース134は、一般に、ストレージデバイス132、133と、コンピューティングシステム110の他のコンポーネントとの間でデータを転送するための、任意の種類または形態のインターフェースまたはデバイスを表す。
【0045】
一例においては、データベース140は、1次ストレージデバイス132内に記憶されてよい。データベース140は、単一のデータベースもしくはコンピューティングデバイスの部分を表してよく、またはそれは、複数のデータベースもしくはコンピューティングデバイスを表してよい。例えば、データベース140は、コンピューティングシステム110の一部、および/または(以下の)
図2における例示的なネットワークアーキテクチャ200の部分を表して(それらの上に記憶されて)よい。あるいは、データベース140は、コンピューティングシステム110、および/またはネットワークアーキテクチャ200の部分などの、コンピューティングデバイスによってアクセスされることが可能な、1つまたは複数の物理的に別個のデバイスを表して(それらの上に記憶されて)よい。
【0046】
図1の参照を継続すると、ストレージデバイス132、133は、コンピュータソフトウェア、データ、または他のコンピュータ可読情報を記憶するように構成されたリムーバブルストレージユニットから読み取り、および/またはそれに書き込むように構成されてよい。適切なリムーバブルストレージユニットの例は、限定なしに、フロッピディスク、磁気テープ、光ディスク、またはフラッシュメモリデバイスなどを含む。ストレージデバイス132、133は、コンピュータソフトウェア、データ、または他のコンピュータ可読命令が、コンピューティングシステム110にロードされることを可能にするための、他の類似の構造またはデバイスを含んでもよい。例えば、ストレージデバイス132、133は、ソフトウェア、データ、または他のコンピュータ可読情報を読み取るように、またそれらを書き込むように構成されてよい。ストレージデバイス132、133は、コンピューティングシステム110の一部であってもよく、他のインターフェースシステムを通してアクセスされる別個のデバイスであってよい。
【0047】
多くの他のデバイスまたはサブシステムが、コンピューティングシステム110に接続されてよい。反対に、本明細書において説明される実施形態を実施するために、
図1に例示されたコンポーネントおよびデバイスのすべてが、存在する必要があるわけではない。上で言及されたデバイスおよびサブシステムは、
図1に示されたのとは異なる方法で相互接続されてもよい。コンピューティングシステム110は、任意の数のソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェア構成を利用してもよい。例えば、本明細書において開示される例示的な実施形態は、(コンピュータソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、コンピュータ可読命令、またはコンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)コンピュータプログラムとして、コンピュータ可読媒体上にエンコードされてよい。
【0048】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読媒体は、コンピューティングシステム110に装着されてよい。コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータプログラムのすべてまたは一部は、その後、システムメモリ116、および/またはストレージデバイス132、133の様々な部分に記憶されてよい。プロセッサ114によって実行されるとき、コンピューティングシステム110にロードされたコンピュータプログラムは、本明細書において説明および/または例示される例示的な実施形態の機能をプロセッサ114に実行させて、および/または機能を実行する手段にプロセッサ114がなるようにしてよい。加えて、またはあるいは、本明細書において説明および/または例示される例示的な実施形態は、ファームウェアおよび/またはハードウェアで実施されてよい。
【0049】
粒子検出システムを制御するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上に記憶され、その後、システムメモリ116、および/またはストレージデバイス132、133の様々な部分に記憶されてよい。プロセッサ114によって実行されるとき、コンピュータプログラムは、粒子検出を実施するために必要とされる機能をプロセッサ114に実行させて、および/または機能を実行する手段にプロセッサ114がなるようにしてよい。
【0050】
図2は、クライアントシステム210、220、230およびサーバ240、245がネットワーク250に結合されてよい、ネットワークアーキテクチャ200の例のブロック図である。クライアントシステム210、220、230は、一般に、
図1のコンピューティングシステム110など、任意の種類または形態のコンピューティングデバイスまたはシステムを表す。
【0051】
同様に、サーバ240、245は、一般に、様々なデータベースサービスを提供し、および/またはあるソフトウェアアプリケーションを実行するように構成された、アプリケーションサーバまたはデータベースサーバなどの、コンピューティングデバイスまたはシステムを表す。ネットワーク250は、一般に、例えば、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、またはインターネットを含む、任意の遠隔通信またはコンピュータネットワークを表す。
【0052】
図1のコンピューティングシステム110を参照すると、各クライアントシステム210、220、230とネットワーク150との間の接続性を提供するために、通信インターフェース122などの通信インターフェースが、使用されてよい。クライアントシステム210、220、230は、例えば、ウェブブラウザまたは他のクライアントソフトウェアを使用して、サーバ240または245上の情報にアクセスすることができてよい。そのようなソフトウェアは、サーバ240、サーバ245、ストレージデバイス260(1)ないし(L)、ストレージデバイス270(1)ないし(N)、ストレージデバイス290(1)ないし(M)、またはインテリジェントストレージアレイ295によってホストされるデータに、クライアントシステム210、220、230がアクセスすることを可能にしてよい。
図2は、データを交換するための(インターネットなどの)ネットワークの使用を示しているが、本明細書において説明される実施形態は、インターネットまたは任意の特定のネットワークベースの環境に限定されない。
【0053】
一実施形態においては、本明細書において開示される例示的な実施形態のうちの1つまたは複数のすべてまたは一部は、コンピュータプログラムとしてエンコードされ、サーバ240、サーバ245、ストレージデバイス260(1)ないし(L)、ストレージデバイス270(1)ないし(N)、ストレージデバイス290(1)ないし(M)、インテリジェントストレージアレイ295、またはそれらの任意の組み合わせの上にロードされ、それらによって実行される。本明細書において開示される例示的な実施形態のうちの1つまたは複数のすべてまたは一部は、コンピュータプログラムとしてエンコードされ、サーバ240に記憶され、サーバ245によって実行され、ネットワーク250上において、クライアントシステム210、220、230に分配されてもよい。
【0054】
拡張可能で調整可能な中性子検出計器
本発明の実施形態は、中性子および他の亜原子粒子を検出するための方法およびシステムを提供する。以下の説明は、中性子を含む亜原子粒子に主に重点を置いているが、本発明の実施形態および原理は、同様に原子種、例えば、イオン、気体など、または分子種を検出するために、使用されることもできる。
【0055】
本明細書において開示されるのは、非常に敏感で堅牢な高性能の計器を形成するために一緒に組み立てられる、簡単に利用可能で獲得しやすい既製のコンポーネントを備える、モジュール式の調整可能な技術プラットフォームである。デバイスを組み立てるために使用される既製のコンポーネントは、異なる粒子に対して敏感であるように調整されてよい。本明細書において開示される本発明のアーキテクチャは、中性子、ガンマ線、ベータ粒子、アルファ粒子、ニュートリノ、ミューオンなど、多種多様な亜原子粒子の、同じ計器を使用した、迅速で敏感な柔軟性のある検出および識別を可能にする。また、本発明の実施形態の粒子検出デバイスは、ノイズおよび振動を低減させる助けとなる固体電子工学を使用して、設計されることができる。
【0056】
図3は、本発明の一実施形態に従った、亜原子粒子検出システムの例示的なブロック図である。システムは、適用例に固有の構成で配置された要素およびモジュールを備える、階層的アーキテクチャを有することができる。
図3は、要素E1 320ないし要素En 325までの「N」個の要素を備えるシステムを例示している。これらの要素は、システムの基本構築ブロックを構成する。システム内の各モジュール330は、数百の要素を、または数千の要素さえ備えてよい。したがって、要素の数「N」は、実際の検討事項によってのみ制限されてよい。
【0057】
図3に示されるように、一実施形態においては、各要素は、入射亜原子粒子と相互作用するコンバータレイヤC1 390を有してよい。一実施形態においては、コンバータレイヤC1 390は、センサに直接的に適用されることができる薄膜材料であることができる。要素を異なる亜原子粒子に対して敏感にするように、(本明細書において「コンバータ材料」または「反応材料」と交換可能に呼ばれる)異なる材料が、C1 390を作成するために使用されることができるので、システムの設計は、調整可能である。
【0058】
例えば、一実施形態においては、システムは、(157ガドリニウムを含むいくつかの同位体の混合である、「天然ガドリニウム」としても知られる)157ガドリニウム、(天然ホウ素としても知られる)10ホウ素、(天然リチウムとしても知られる)6リチウムなど、反応中性子捕捉材料のレイヤでC1を作成することによって、中性子検出のために調整されてよい。これらのコンバータレイヤは、純元素形態もしくは化合物形態、または元素と元素の中性子吸収同位体の化合物との任意の組み合わせの混合であってよい。異なる実施形態においては、システムは、ヨウ化セシウム、ヨウ化ナトリウムなど、ガンマ線と相互作用する反応材料を用いてC1を作成することによって、ガンマ検出のために調整されてよい。別の実施形態においては、システムは、ポリエチレン、パラフィンワックス、エポキシもしくはシリコーン族に属する任意の化合物、または他のそのような含水素材料のレイヤを用いてC1を設計することによって、高速中性子検出のために調整されてよい。一実施形態においては、C1は、同様に含水素材料と併せて配置されるように設計されることができる。
【0059】
別の実施形態においては、要素の1つまたは複数のグループは、デバイスを同時に複数の種類の粒子に対して敏感にするために、異なるコンバータレイヤを用いて被覆されてよい。例えば、公共事業に関連する一適用例においては、公共事業会社は、中性子、ガンマ、アルファおよびベータ粒子を同時に検出することができる、単一のセンサを必要とすることがある。過去に行われていたように、これらの粒子を別々に検出するために、4つの異なる種類の検出器を使用する代わりに、本発明の実施形態は、各センサが4つのうちの1つの種類の粒子を検出する、4つのセンサを有する単一の検出器を有することができる。あるいは、本発明の実施形態は、単一のセンサが、複数の方法で区分化され、各区分が異なるコンバータレイヤを用いて被覆されてよいために、各区分が異なる種類の粒子を検出することができることを可能にする。
【0060】
一実施形態においては、C1は、以下から、すなわち、天然形態または同位体強化形態のキセノン、カドミウム、ハフニウム、ガドリニウム、コバルト、サマリウム、リチウム、チタン、ユーロピウム、モリブデン、イッテルビウム、ジスプロシウム、エルビウム、およびホウ素、ならびに酸化物、炭化物、ハロゲン化物(例えば、数例を挙げると、ヨウ化物、塩化物)などの、しかし、それらに限定されない、天然または同位体強化形態の上記のリストからの化合物、ならびに混合物/合金形態の元素の組み合わせ、またはチタン酸ガドリニウム、炭化ホウ素、五ホウ化二モリブデン(Mo2B5)などの、そのような組み合わせの化合物から選択されることができる。
【0061】
コンバータレイヤは、蒸気状態、液体状態、またはプラズマ状態被着技法によって、被着させられてよい。一表明においては、コンバータレイヤは、クロロベンゼンとジクロロベンゼンなどの溶剤の組み合わせを使用して、溶液状態から被着される、リチウムのフラーレン化合物C60AxLixであることができる。別の実施形態においては、変性ホウ素フラーレンが、溶液状態から被着されることができる。一実施形態においては、コンバータレイヤは、中性子吸収元素または化合物に化学的に結合または接合される、(C60、C70、C84など、炭素系フラーレン族に属する分子を含む任意の材料から作成される)ナノチューブまたはグラフェン化合物であることもできる。このケースにおける炭素系フラーレン分子は、フラーレンケージの内部(内包フラーレン)または外部において、中性子吸収分子に化学的に接合されることができる。フラーレン分子は、ホウ素フラーレンなど、ホウ素を用いて作成されてもよく、そのケースにおいては、炭素系フラーレン分子は、必要ない。
【0062】
一実施形態においては、各要素は、ピクセルからなるセンサアレイP1 315を備えてもよく、それらは、入射亜原子粒子とC1 315との間の相互作用の生成物などの入射粒子を、ピクセルレベルにおいて、すなわち別々に、トランジスタとアナログ-デジタルコンバータの組み合わせを通して、アナログからデジタル信号に変換されてよい電気的出力に変換する。一実施形態においては、センサアレイは、被覆において生成され、その後、センサピクセルによって検出される、光または電荷エネルギーに応答する。これらのトランジスタおよびアナログ-デジタルコンバータは、制御エレクトロニクスモジュール310内に存在してよく、各要素は、独自の制御エレクトロニクスモジュール310を備える。一実施形態においては、センサアレイP1 315は、既製のセンサであってよい。例えば、とりわけ、センサは、メモリスタ、またはイメージセンサ、または光子検出器、または光電池であることができる。センサは、従来の家電機器のデジタルカメラにおいて一般に使用される種類のセンサであることもできる。
【0063】
一実施形態においては、P1 315は、荷電粒子を検出することができる任意の材料から作成され、それのいくつかの例は、半導体ポリマ、例えば、ポリ(3-ヘキシルチフェン)、PCDTBTとしても知られるポリ[[9-(1-オクチルノニル)-9H-カルバゾール-2,7-ジイル]-2,5-チオフェンジイル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール-4,7-ジイル-2,5-チオフェンジイル]など、小さい有機半導体分子、またはシリコン、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム亜鉛などの無機半導体、または窒化ガリウム、ヒ化ガリウムインジウムなどの化合物半導体、または液体半導体材料、またはC1と中性子を含む入射亜原子粒子との間の相互作用の生成物を(例えば、光もしくは電荷を検出することによって)感知することができる他の任意の材料(固体、液体、もしくは気体)を含む。
【0064】
一実施形態においては、C1 390は、異なるエネルギーの中性子もしくはガンマ線などの他の亜原子粒子を含む、異なる亜原子粒子と相互作用する材料の複数のレイヤを備えてもよく、またはそれは、それらの各々が異なる亜原子粒子と相互作用する、様々な材料の合成物であってよく、またはそれは、2つの手法の組み合わせであってよい。
【0065】
さらに、C1 390の存在は、中性子を含む入射亜原子粒子が、センサを構成する材料と直接的に相互作用する可能性を排除しない。例えば、一実施形態においては、シリコンが、ガンマ線、ミューオンなどに対して敏感であり、またはシリコンのp型ドーピングのために使用されるホウ素が、中性子に対して敏感であるなど、センサピクセルアレイを形成する材料それ自体が、入射亜原子粒子に対して敏感である事例が、存在してよい。さらに、例として、シリコンなどの半導体は、157Gdなど、中性子捕捉断面積が高い材料を用いて、ドーピングされてよい。また、PCBM(フラーレン誘導体[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチルエステル)などの半導体は、分子を中性子に対して敏感にするために、中性子捕捉材料を用いて、化学的に変性させてよい。
【0066】
一実施形態においては、粒子検出システムは、コンバータレイヤC1 390を全く含まなくてよい。代わりに、さもなければC1レイヤ390を作成するために使用されたであろうコンバータ材料は、ピクセルアレイP1 315を生成するために使用されるセンサ材料と均一に混合される。例として、中性子捕捉材料の化合物は、半導体ポリマ、例えば、P3HT、PCDTBTなど、小さい有機半導体分子、またはシリコン、CdTeなどの無機半導体、または窒化ガリウム、ヒ化ガリウムインジウムなどの化合物半導体、または液体半導体材料など、センサ材料と混合されてよい。さらに、P1 315は、半導体材料、または入射亜原子粒子と反応材料との間の相互作用の生成物に対して敏感な材料から作成された、ピクセル化されたまたは一様なセンサリアレイ(またはモノリシックセンサアレイ)を備えてよい。また、それは、亜原子粒子に対して敏感で、読み取り可能な信号を生成することが可能な合成材料から成ってよい。
【0067】
しかしながら、センサ材料内にコンバータ材料を分散させることは、印刷技術を必要とすることがある。また、コンバータ材料をセンサと混合するために、特別なプロセスが、必要とされる。上で説明されたように、制御エレクトロニクスモジュール310は、要素の動作を制御し、要素によって生成された任意のアナログまたはデジタル信号をシステムの残りに送信するために、使用されることができる。
【0068】
一実施形態においては、要素E1 320ないしEn 325の各々は、計器の感度を改善する目的で、粒子をセンサに向けて集束させるためのレンズ効果装置L1 305を備えてよい。例えば、粒子検出システムが、中性子を検出するためにセットアップされる場合、中性子は、鉛シリカガラスから作成され、超冷から高速までの中性子を集束させるために使用される、ガラスポリキャピラリファイバなどの適切な材料を使用して、集束させられることができる。あるいは、粒子検出システムが、X線を検出するためにセットアップされる場合、X線は、微細構造キャピラリアレイなどの適切な材料を使用して、集束させられることができる。
【0069】
要素のアレイE1 320ないしEn 325は、一実施形態においては、(本明細書においては「SPU」と呼ばれる)スレーブ処理ユニット335に直列または並列構成で接続される。一実施形態においては、スレーブ処理ユニット335は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(「CPLD」)、マイクロコントローラなどを備えることができる。スレーブ処理ユニットは、E1ないしEnとラベル付けされた要素内に配置(内部化)されてもよく、それによって、335などの外部処理ユニットの必要性を最小限に抑え、または完全に取り除く。要素は、SPUと併せて、「センサモジュール」330を形成する。
【0070】
1つまたは複数のセンサモジュールは、システム性能を最大化するように最適化された構成で配置されてよい。例えば、複数のセンサモジュールは、デバイスの感度を高めるために、並列して動作するように構成されることができる。要素の各々は、入射粒子の検出において中程度に敏感であるにすぎないことがあるので、検出される粒子に対する全体的な感度は、2つ以上のセンサモジュール330を並列に積み重ねることによって、高められることができる。
【0071】
各要素は、入射粒子の検出において中程度に敏感であるにすぎないことがあるが、これらの要素のいくつかが、適切なアーキテクチャで集約されたとき、これらのコンポーネントは、協調的な方式で動作して、非常に敏感で機敏な信頼性の高い粒子検出計器という結果となる。並列して動作するセンサの集約は、個々の要素または個々のモジュールと比較して、粒子に対するより高い感度および結果の画像化という結果となる。一実施形態においては、複数のセンサモジュールは、共通のプリント回路基板上に載せられ、その上で並列して動作することができる。さらなる実施形態においては、各々が少なくとも1つのセンサモジュールを有する複数のプリント回路基板は、プラットフォームの感度および忠実度をさらに高めるために、並列して動作し、粒子を検出するように構成されることができる。一実施形態においては、複数のセンサモジュールは、すべて、中性子を検出するように構成されて、デバイスを中性子に対して高感度化し、したがって、非常に信頼性の高い中性子検出計器にすることができる。
【0072】
モジュールの各々は、複数の要素から構成されることができる。一実施形態においては、要素E1 320ないしEn 325は、例えば、単一光子放射断層撮影(「SPECT」)、陽電子放出断層撮影(「PET」)などの医学的用途のために、人体内部などの閉じられた幾何学的領域にそれらを埋め込むために、必要に応じて大きくまたは小さく作成されることができる。
【0073】
一実施形態においては、要素E1 320ないしEn 325のサブセットは、他の要素とは異なるC1コンバータレイヤを用いてそれらを被覆することによって、残りの要素とは異なる粒子を検出するように構成されることができる。したがって、単一のモジュール330が、2つ以上の種類の亜原子粒子を検出するために、使用されることができる。
【0074】
各センサモジュール330は、無線でまたは有線を通して、(本明細書においては「MPU」と呼ばれる)システムレベルのマスタ処理ユニット345に接続され、それは、モジュール上におけるSPUの動作を制御し、それがSPUから受信したデータを処理する。一実施形態においては、モジュールのうちの1つにおけるSPUが、MPUとして機能することができてもよい。MPUは、一実施形態においては、いくつかのセンサモジュールに接続されてよく、各センサモジュールは、異なる亜原子粒子に対して敏感であり、それを検出するように構成される。あるいは、MPUは、同じ粒子、例えば、中性子を検出するために協調して動作する、いくつかの積み重ねられたセンサモジュールに接続されてよい。
【0075】
一実施形態においては、MPU345は、上で詳細に説明された
図1に属するコンピューティングシステム110に類似した、コンピューティングシステムの一部であってよい。さらに、MPU345は、
図1におけるコンピューティングシステム110と同様に、様々なセンサモジュールから受信されたデータを記憶するための、システムメモリ116と、ストレージメモリ132、133とを備えてもよい。MPU345は、システム全体をプログラムするために使用されることができるユーザインターフェース(UI)を有するディスプレイ350に、処理されたデータを送信してよい。ディスプレイは、
図1に関連して上で説明されたディスプレイデバイス124に類似した機能を実行してよい。
【0076】
さらに、MPUからのデータは、無線モジュール380を通して無線でホストサーバ370に中継されてもよく、ホストサーバは、
図2に関して説明されたサーバ240、245に類似した機能を実行してよい。
図2におけるクライアントデバイス210、220、230の各々は、実際には、SPUの独自のセットに接続されたMPUを備え、粒子検出動作の結果をネットワーク250を通してホストサーバ240または245に報告する、個別コンピューティングシステムであってよい。例えば、クライアントデバイス210、220、230は、爆発デバイスを探して乗客の荷物をスクリーニングするために、空港に設置される、セキュリティデバイスであってよい。クライアントデバイスの各々は、その後、今度は、中央に配置されたサーバ240または245に、スクリーニングの結果を報告することができる。すべての様々なスクリーニング動作からの結果は、ストレージデバイス260(1)ないし(L)、ストレージデバイス270(1)ないし(N)、ストレージデバイス290(1)ないし(M)、またはインテリジェントストレージアレイ295に記憶されることもできる。別の実施形態においては、MPU345は、無線モジュール380を通す代わりに、有線接続(図示されず)を通して、ホストサーバ370にデータを中継してよい。
【0077】
一実施形態においては、様々なSPUからのデータは、単にMPUを通過して流れ、ホストマシン360に送信されることができる。ホストマシンは、一実施形態においては、パーソナルコンピュータもしくはタブレットPCであることができ、または上で詳細に説明された
図1に属するコンピューティングシステム110に類似した、コンピューティングシステムであってよい、スマートフォンでさえあることができる。そのような実施形態におけるホストマシンは、上で詳細に説明されたインターフェース122に類似した通信インターフェースを通して、MPU345に接続される。
【0078】
この実施形態においては、ホストマシン360は、MPUの代わりに、様々なSPUから受信されたデータを処理することを担当する。しかしながら、MPUは、それに接続された様々なSPUの動作を制御することを担当する。したがって、ホストマシンは、コンピューティングシステム110に類似した機能を実行する。その場合、ディスプレイ350は、ホストマシン360に接続されてよく、システムのユーザは、ホストマシンに接続されたディスプレイを使用して、システムをプログラムすることができる。あるいは、一実施形態においては、MPU345は、粒子検出システムの筐体340内の代わりに、ホストマシン360上に存在し、ホストマシン360内から様々なSPUを制御してよい。
【0079】
一実施形態においては、
図3の粒子検出システムは、温度、湿度、塵などの要素から保護するために、プラスチック、金属などの材料から作成された筐体340内にそれを配置することによってカプセル化される。筐体340は、一実施形態においては、可視範囲、紫外線範囲の光子、またはX線もしくはガンマ線などのより高エネルギーの光子など、ある亜原子粒子の侵入を制限するように設計されてよい。中性子検出など、ある適用例のためには、例えば、筐体340は、入射中性子速度を抑制する、高密度ポリエチレン(「HDPE」)などの材料を含んでよい。筐体340の設計、およびそれを構築するために使用される材料は、粒子検出システムについての適用例に応じて様々である。例えば、検出器が、外洋水内における石油およびガス探査に使用されている場合、筐体340は、極めて高い地下温度および圧力に耐えることができる材料を用いて構築される必要がある。
【0080】
図4は、ホストマシンをセンサモジュールと接続するための典型的なハードウェア構成を例示する概略ブロック図である。
図4に例示される実施形態は、上で説明されたように、ディスプレイ340およびUIが、ホストマシン360に接続される、またはホストマシン360内において実施される1つである。ホストマシン360は、それがコミュニケータバス491上においてMPU345から受信したデータを処理することを担当する。MPU345は、センサモジュール430Aないし430N上の様々なSPUの動作を制御することを担当する。センサモジュール430Aないし430Nは、
図3に属するセンサモジュール330と本質的に同じ機能を実行する。
図4に示されるセンサモジュール430Aないし430Nの各々は、異なる亜原子粒子を検出するように構成されてよい。あるいは、上で説明されたように、センサモジュール430Aないし430Nは、同じ粒子、例えば、中性子を高い信頼性で検出するために、積み重ねられ、並列で動作してよい。協調して動作する複数のセンサモジュールを使用することによって、システムの感度および信頼性は、大幅に改善されることができる。
【0081】
センサモジュール430Aないし430Nは、モジュールアレイの構成要素となり、粒子検出シャーシ450内の回路基板ソケットに直接的に差し込むことができる。MPU345は、センサモジュール430Aないし430Nを差し込むためのソケットを備える、同じ回路基板上に装着されてよく、または430Aないし430NにおけるSPUの1つは、MPU345の機能を提供するようにプログラムされてよく、それによって、別個のMPU345の必要性を排除する。それらは、回路基板ソケットに差し込まれるので、センサモジュールは、容易に装置450に挿入され、また装置450から取り外されることができる。さらに、センサモジュール430Aないし430Nの配置は、各センサモジュールが検出するように構成された粒子の種類、および粒子に対してどれほど敏感なシステムをユーザが必要とするかに基づいて、決定されることができる。
【0082】
ホストマシン360は、
図1に例示されるような、通信インターフェース122を使用して、筐体340内にカプセル化された粒子検出装置450とコミュニケータバス491上において通信する。コミュニケータバス491は、ホストマシン360と粒子検出装置450との間の高速電子通信チャネルを提供する。コミュニケータバスは、バックプレーン、モジュール接続イネーブラ、またはシステムバスと呼ばれることもできる。物理的には、コミュニケータバス491は、電気的、光学的などであることができる、高速で高帯域幅のデュプレックス接続バスである。
【0083】
粒子検出装置450は、一実施形態においては、ハンドヘルド計器、バックパック計器などの、スタンドアロンモードで使用されることもできる。この実施形態においては、物理的にホストマシンに接続する必要なしに、ユーザが粒子検出器を自由に使用することができるように、装置450の筐体は、MPU345、ディスプレイ350、無線モジュール380、および1つまたは複数のセンサモジュール330を含む。粒子検出装置450は、別の実施形態においては、(イーサネットまたはUSBなどの)有線、または無線(Bluetooth、Wi‐Fi)を通して、タブレットPCまたはスマートフォンなどのコンピューティングデバイスに接続されることもできる。この実施形態においては、検出装置上において、ディスプレイ350は必要とされない。上で説明されたように、MPU345は、関連付けられたメモリおよびディスプレイを有する、
図1に例示されたコンピューティングシステム110に類似した、コンピューティングシステムの一部であることができる。そのようなシステムは、それのモジュールとともに、地上、地下、水上、水中、または宇宙を含む他の任意のロケーションにおける、広い地理的領域にわたって、亜原子粒子を検出するエージェントとして機能するために、互いに遠く離れた所望のロケーションに恣意的に配置される、システムの集合体におけるコンポーネントとして機能することができる。様々なエージェントから集められたデータは、中央ホストマシン370に中継され、任意の地理的領域にわたる入射粒子のマップを準備するために、分析されてよい。
【0084】
一実施形態においては、モジュール330は、それに入射する亜原子粒子のレートを決定するようにプログラムされることができる。あるいは、MPUは、それに接続されたSPUから情報を収集し、装置450の全体に入射する様々な亜原子粒子のレートを決定するようにプログラムされることができる。別の実施形態においては、粒子検出装置450は、モジュール430Aないし430Nを、適切な幾何学的構成で、例えば、球体の周囲に、または積み重ねられた平行構成で、その中に配置することによって、入射粒子の方向を確立するように構成されることができる。例えば、中性子の方向は、検出器装置の前方において、中性子吸収コリメータまたは中性子吸収開口グリッドを使用して、それらに入射するすべての中性子をブロックし、グリッドまたはコリメータ内の窓を通る(窓と方向が揃い、窓を通過する)入射中性子の通行だけを可能にすることによって決定されることができる。
【0085】
また別の実施形態においては、無機または有機半導体から作成された、完全空乏型ディープCMOSまたはCCDセンサなどの、センサピクセルP1 315を作成するために使用される、材料の適切な設計は、システムが、中性子を含む入射亜原子粒子のエネルギーを決定し、それによって、分光を可能にすることを可能にする。
【0086】
さらに、一実施形態においては、システム全体、もしくはシステム内の各モジュールは、またはシステム内の各要素さえも、異なる亜原子粒子に対して敏感になるように調整されることができる。例えば、モジュール430Aは、ガンマ線に対してより敏感になるように構成されることができ、一方、モジュール430Bは、中性子に対してより敏感になるように構成されることができる。反対に、モジュールは、一実施形態においては、ある亜原子粒子に対して敏感でないように構成されることもできる。モジュールをある亜原子粒子に対して敏感でないようにするための1つの方法は、ある粒子に対する感度を低減させる適切なブロッキングレイヤを用いて、コンバータレイヤC1を被覆することである。この化学的防御可能性は、関心のある亜原子粒子の選択サブセットに対しては敏感である一方で、ユーザが追跡することに関心がないことがある他の粒子に対しては敏感でないようにシステムを構成するための特異的な柔軟性を、それがユーザに与えるので、本発明の有利な特徴である。
【0087】
一実施形態においては、高度にピクセル化された要素E1 320ないしEn 325を選択することは、粒子検出デバイスの粒度を著しく高めることができる。例えば、要素が、より多くのピクセルを備えることができるほど、特定の粒子が来たロケーションおよび方向をシステムが検出することが、より容易になる。また、粒子のエネルギーを検出することも、より容易にする。
図5Aは、本発明の一実施形態に従った、ピクセルからなるセンサアレイの例示的なブロック図である。
図5Aに見られるように、ピクセルアレイP1 315上のピクセルの数が、多いほど、それは、粒度がより細かくなり、粒子550の位置を正確に検出することが、より容易になる。
【0088】
図5Bは、本発明の一実施形態に従った、ピクセルからなるセンサアレイ上の各ピクセルについての断面図を例示する例示的なブロック図である。上で説明されたように、センサは、従来のデジタルカメラにおいて一般に見出される既製のコンポーネントであってもよい。ピクセルのための電子機器は、p型シリコン550とn型シリコン560とから構成されるシリコン基板上に取り付けられてよい。入射粒子、例えば、光子に関する情報を収集するピクセルのエリアは、フォトダイオード570である。ピクセルは、フォトダイオードによってキャプチャされた情報を収集するために使用される、3つのトランジスタ580 T1、T2、T3を備えてもよい。例えば、亜原子粒子、または入射亜原子粒子とコンバータレイヤ(
図3における390)との間の反応の生成物が、フォトダイオード570上に衝突した場合、フォトダイオード内の電子場の歪みおよびイオン化の組み合わせ、ならびに光電効果を通して、電圧(または電流)595が、誘起される。フォトダイオード570上に衝突する、個々の入射亜原子粒子、または単一の入射亜原子粒子とコンバータレイヤ(
図3における390)との間の反応の生成物のエネルギーは、ピクセル内にどれだけの電荷が蓄積するかを決定づける。センサが露光状態にある時間の間に、いくつかの粒子が入射した場合、比例してより多数のピクセルのアイランドが、電荷を蓄積する。捕捉サイクルの間に蓄積された電荷に関する情報を収集し、この情報を制御エレクトロニクスモジュール310内のA/Dコンバータに伝えるために、トランジスタが、使用される。各ピクセルは、ピクセル上への衝突の強度に基づいて、0ないし1024の間のA/D変換値を報告してよい。
【0089】
ある実施形態においては、C1 390は、2つ以上の種類の亜原子粒子に対して反応してよい。例えば、中性子と反応する材料は、高エネルギーのガンマ線と反応してもよい。別の例においては、コンバータ材料は、中性子だけと相互作用してよいが、センサ材料は、ガンマ光子、アルファ粒子、高速電子などを含む他の多数の亜原子粒子と相互作用してよい。これらの実施形態においては、いずれのフォールスポジティブも最小化しながら、異なる種類の粒子を弁別するために使用される弁別プロセスが、MPU345上において実行されてよい。各亜原子粒子は、それらが生成する強度値、またはそれらがピクセルアレイP1 315のピクセル上に衝突するパターンに関して、特異的であってよい。弁別手順は、すべての粒子の一意的な「シグネチャ」に関する情報を含み、フォールスポジティブが生成されないことを保証するために、これらを使用して粒子を差別する。
【0090】
例えば、入射中性子粒子は、C1における材料またはセンサピクセルの材料と相互作用し、1つの種類の電気信号を生成し、ガンマ線は、別の種類の信号、または熱的に生成される電荷を超えて電荷が生成される、ピクセルのアイランドのパターンを生成する。したがって、中性子と非中性子の間の弁別は、粒子弁別のためのパルス形状弁別アルゴリズムを実施するために、大量の統計情報を収集しなければならない、比例管またはシンチレータ検出システムにおけるよりも、はるかに高速で簡単になる。提案されるシステムは、単一の中性子を検出し、それらをガンマ光子などの単一の非中性子粒子から区別することができることが可能である。
【0091】
単一の中性子粒子と非中性子粒子とを弁別するこの能力は、各種類の粒子のための一意的なデジタルシグネチャによって可能にされる。ここにおけるデジタルシグネチャという用語は、入射粒子または入射粒子とコンバータレイヤC1との間の相互作用の生成物によって電荷が蓄積される、ピクセルのアイランドのパターンを指す。したがって、中性子が、他の非中性子粒子から区別されることができるばかりでなく、非中性子粒子は、ガンマ光子、x線光子、アルファ粒子、高速電子などとして、さらに区別されることができる。さらに、あらゆる放射性材料(または放射性核種)は、亜原子粒子の特有の族を放出する。例えば、高濃縮ウランは、中性子およびガンマ線を放出する。これらの亜原子粒子の少なくともいくつかまたはすべてが、提案されるシステムにおいて、それの弁別手順の助けを借りて、検出および弁別されるので、これらの粒子の源(放射性核種/同位体など)は、システムのメモリまたはシステムの外部のメモリ内の、デジタルシグネチャまたはパターンのライブラリを参照することによって、識別されることができる。
【0092】
本発明の新規な弁別手順の1つの適用例は、石油およびガス探査産業におけるものである。例えば、石油探査のために使用されるドリルは、中性子の源と、本発明の粒子検出システムとの両方を備えることができる。さらに、ドリルは、同様にガンマ放射線の源を備えることができる。新規な弁別手順の助けを借りて収集されるガンマおよび中性子両方のデータは、岩層の多孔性および岩質に関する不可欠な情報を提供する。
【0093】
新規な弁別手順の別の適用例は、国土安全保障産業におけるものである。例えば、空港セキュリティスキャナは、SNMを検出するために、本発明の粒子検出システムを利用してよい。しかしながら、ある個人は、彼らの体内に放射能を帯びているため、彼らは、本発明の粒子弁別手順がなければ、誤警報がスキャナによって発生させられる結果となる、高エネルギーガンマ線を放射することがある。上で説明されたように、C1のために選択されたある材料は、中性子および高エネルギーガンマ線の両方と反応してよい。中性子、ガンマ線、および他の粒子のための一意的な「デジタル」シグネチャを使用して、本発明の弁別手順は、フォールスポジティブの発生を防止する。一意的なデジタルシグネチャは、ガンマ光子の識別およびカウント、ならびに中性子および他の粒子がそこから生じる源の識別を可能にしてもよい。この能力の1つの例は、弁別手順が、兵器級のプルトニウム源と、CsまたはCoまたはBaなどの非中性子(および主にガンマ放出)源とを区別することができることである。
【0094】
図6Aおよび
図6Bは、本発明の一実施形態に従った、センサからなるピクセルアレイによって検出されるような、2つの異なる種類の亜原子粒子によって生成される、2つの例示的なパターンを例示している。
図6Aは、仮想粒子Aによって作成されたパターンを例示し、一方、
図6Bは、仮想粒子Bによって作成されたパターンを例示している。コンバータレイヤC1 390が、両方の種類の粒子と反応するために、またはコンバータレイヤC1 390が、粒子Aと相互作用し、センサ材料が、粒子Bと相互作用するために、粒子Aおよび粒子Bの両方が、同じセンサP1 315によって検出される場合、弁別手順は、フォールスポジティブを生成しないように、粒子を区別することができることが必要とされる。弁別手順は、粒子Aが、粒子Bと統計的に異なる強度のピクセルのアイランドのパターンを作成すること、さらに、パターンが、粒子Bによって生成される対角線または他の種類のパターンとは対照的に、凝集させられたピクセルから成ることを認識するようにプログラムされる。したがって、弁別手順は、互いを区別するために、粒子Aおよび粒子Bのそれぞれのシグネチャを使用することができる。
【0095】
弁別手順は、一実施形態においては、粒子を識別するために、粒子によって作成されたパターンを、ホストマシン360のメモリ116内に記憶されたライブラリパターンと比較して、粒子がメモリ内のパターンのうちのどれと最もよく似ているかを識別することができる。
【0096】
本発明の一実施形態においては、様々な異なる粒子のシグネチャパターンが、同時に識別されることができることに留意することが重要である。例えば、弁別手順は、
図6Aおよび
図6Bに例示される例においては、粒子Aおよび粒子Bの両方を同時に識別するように構成される。さらに、他の粒子が、システムにおいて検出された場合、それらの粒子は、同様に、デジタルシグネチャを使用して、同時に識別されることができる。
【0097】
図9は、本発明の一実施形態に従った、2つの粒子を区別するために使用される、中性子およびガンマ粒子についての例示的なシグネチャを例示している。上で説明された弁別手順は、中性子生成のアルファ粒子と関連付けられたパターン910を検出し、パターン910をガンマ光子と関連付けられたパターン920から区別するように構成されることができる。したがって、弁別手順は、中性子およびガンマ光子の両方を識別し、それらを互いに区別することができる。
【0098】
一実施形態においては、デジタルシグネチャは、いくつかの積み重ねられたセンサモジュール、例えば、
図4における430Aないし430Nを使用して、生成されることができる。この実施形態においては、生成されたデジタルシグネチャは、三次元空間におけるベクトルであることができる。弁別手順は、情報、例えば、センサの座標、ピクセルからのA/D読み出しに基づいた衝突の強度、衝突の時間などを使用して、3次元空間における衝突のパターンを決定し、パターンをメモリ内に記憶されたデジタルシグネチャと比較し、粒子の同一性を決定するために、統計的マッチングを実行する。3次元空間においてデジタルシグネチャ比較を実行することは、システムにおいて、高められた信頼性を可能にする。例えば、より高いエネルギーを有するある粒子は、スタック内のより深いモジュールではなく、表面モジュール上に、より高い強度のパターンを残すことがある。または、例えば、より高い運動量を有する中性子およびガンマ光子などの粒子は、スタック内のより深いモジュール上に、より高い強度のパターンを残すことがあるが、表面モジュール上には、より低い強度の痕跡しか残さないことがある。したがって、モジュールスタックの異なるレイヤにあるセンサを用いて、粒子の反応の強度を分析することは、高められた忠実度および精度を可能にする。
【0099】
さらに、本発明の一実施形態においては、熱または他の任意の原因のせいで、特に露光の時間間隔の間に、ピクセル内において発生させられ、蓄積されたノイズは、除去されることができる。そのようなノイズを低減させ、または完全に除去するための方法は、(a)個々のピクセルもしくはピクセルの集合体、または複数のピクセルのうちピクセルからなる行および列全体のタイムリなリセットと、(b)、露光、読み出し、およびピクセルが必要とされる頻度でリセットされるようなリセット時間サイクルの最適化と、(c)それらを冷却するなど、センサの動作の温度の変更とを含んでよい。
【0100】
一実施形態においては、弁別手順は、下にあるセンサのピクセル内における電荷ビルドアップによって生成されるパターンを使用してよい。例えば、中性子は、コンバータレイヤと相互作用し、核反応を経験することがある。例えば、コンバータ材料が、157ガドリニウムを含む場合、反応は、157Gd+n=158Gd*=>158Gd+ガンマ+x線+IC e-+ACK e-である。一実施形態においては、この反応の生成物は、センサに入り、それらが最初に相互作用するピクセルにおいて、電荷のビルドアップを生成する。これらの反応生成物の高エネルギーは、ピクセル内において強化された電荷ビルドアップをもたらす、ピクセル内における二次イオン化を引き起こす。さらに、これらの反応生成物の高い運動エネルギーは、それらが隣接するピクセル上に拡散することも引き起こし、ビルドアップ電荷の飛跡が、センサ内に残される。計器内における弁別手順は、これらの飛跡を検査し、粒子の形態を決定する。したがって、計器(またはモジュール)の処理ユニット内における弁別手順が、ガンマ線および/またはX線および/またはIC電子および/またはACK電子が、センサ内において見出されたと決定した場合、中性子がコンバータレイヤと相互作用したと結論づけられ、MPUによって追跡される中性子カウントは、1だけインクリメントされる。
【0101】
同様に、別の例として、コンバータレイヤが、10ホウ素を含み、入射中性子が、10ホウ素と相互作用する場合、以下の反応、すなわち、10B+n->7Li+アルファが続く。これらの反応生成物は、ほぼ相互に反対方向に進み、それらの一方は、センサと相互作用し、それによって、電荷の特有のビルドアップを残す。例えば、アルファ粒子は、一般に、半導体および固体内において、エネルギーの非常に高い損失率を有する。その結果、ピクセル内における電荷のビルドアップは、数個のピクセルだけに特異的に集中されて見出される。処理ユニット内における弁別手順は、アルファ粒子(または7Li)の「シグネチャ」を一意的に解釈し、このシグネチャを、ガンマ線など、計器に入射することがある他のいずれの放射線からも弁別することができる。その結果、この計器は、中性子を他のいずれの亜原子粒子からも弁別することができる。
【0102】
本発明は、それが、適切なコンバータレイヤ、またはセンサ材料と混合されたコンバータ材料を使用して、化学的に調整されてよい、比較的費用効果の高い既製のコンポーネントを使用するばかりでなく、ユーザは、必要なだけ多くのセンサモジュールを装置内に組み込む能力も有するので、高度に拡張可能である。さらに、本発明の部品は、簡単に入手可能で低コストであるので、それらは、交換が比較的容易である。したがって、センサモジュールが、損傷した場合、それを修理するよりも、それを交換するほうが、一般に、面倒が少ない。
【0103】
さらに、本発明の別の利点は、粒子検出システムの筐体340が、柔軟であり、いくつかの異なる適用例のために特にカスタマイズされた方法で構成されることができることである。例えば、筐体は、ピクセルアレイが、貨物コンテナの壁に沿って積み重ねられ、またはタイル状に並べられ、出荷されるコンテナ内の放射線を検出するために使用されるような方法で、選択されてよい。特に、例えば、中性子検出のケースにおいては、非常に限られた例外を除いて、中性子は、それらが相互作用する材料とそれらが接触するまで、ほとんどの物質を透過することができるので、ピクセルアレイがどのように配置されるかについて、大きな柔軟性が存在する。また、上で説明されたように、粒子検出装置450は、球体の周囲など、適切な幾何学的構成で、モジュール430Aないし430Nをその中に配置することによって、入射粒子の方向を確立するように構成されることができる。このケースにおいては、筐体340は、球形である。あるいは、他の実施形態においては、システムは、ハンドヘルドデバイスまたはバックパックデバイスに収まるように設計されることができる。
【0104】
また他の実施形態においては、筐体340内のモジュール330および他の任意のプリント回路基板(「PCB」)は、衣服および硬い材料を使用することが実用的ではない他のエリアに、システムが埋め込まれることができるように、柔軟な材料を使用して、構築されてよい。さらに、柔軟な材料を使用することは、検出器の表面積が増加することを可能にし、それによって、システムの感度を高める。これは、有利には、本発明が、同じシステム設計を使用して、様々な異なる適用例のために利用されることを可能にする。
【0105】
一実施形態においては、MPU345は、それが接続された様々なSPUからのデータを処理し、特定の粒子が検出されたかどうかを決定するのに必要なすべての計算を実行する。MPU345は、粒子についてポジティブとテストされたピクセルの座標を正確に決定するために、要素E1 320ないしEn 325のピクセルアレイからの情報を使用することができる。MPU345は、ピクセルの座標を含む各ピクセルについての情報と、それがその中に配置された要素およびセンサモジュールについての情報とからなるベクトルを生成してよい。
【0106】
図7は、本発明の一実施形態に従った、MPUによって各ピクセルのために生成される例示的な情報ベクトルを例示している。情報ベクトル700は、個別フィールド内に、ピクセル番号または(x、y)座標710に関する情報と、要素またはセンサ番号720に関する情報と、ピクセル710および要素720がその上に存在するモジュール番号730に関する情報を含んでよい。また、ベクトルは、ピクセルから読み出された強度値740およびタイムスタンプ750に関する情報を含んでよい。この情報のベクトルは、さらなる分析のためにメモリ内に記憶され、またはユーザがデータを視覚的に分析するためにディスプレイ350に渡され、または有線もしくは無線接続を通して、検出器ボックスに結合された(タブレットPCもしくはスマートフォンなどの)コンピューティングデバイスに渡されてよい。あるいは、情報は、無線モジュール380を通して、遠隔のロケーションに中継されてよい。MPU345は、粒子の同一性を決定または確認するために、ピクセルアレイから受け取られたベクトルを、メモリ内に記憶された異なる亜原子粒子の様々なシグネチャと比較してもよい。
【0107】
さらに、MPU345は、ある時間の期間にわたって、およびあるエリアにわたって、臨界しきい値数よりも多くの粒子が検出された場合、システムのユーザに対して警報を与えるようにプログラムされることができる。例えば、一実施形態においては、検出計器が、国土安全保障用途のハンドヘルド計器として与えられるとき、計器の単位体積当たり、背景よりも多くの中性子が検出された場合、MPU345は、ディスプレイ350上において警報を与えるようにプログラムされてよい。
【0108】
図8は、本発明の実施形態に従った、亜原子粒子を検出する例示的なコンピュータ制御のプロセスのフローチャート800を示している。しかしながら、本発明は、フローチャート800によって提供される説明に限定されない。むしろ、他の機能フローが本発明の範囲および主旨内にあることが、本明細書に提供される教示から当業者には明らかであろう。フローチャート800は、上で説明された例示的な実施形態を引き続き参照して説明されるが、方法は、それらの実施形態に限定されない。
【0109】
ステップ802において、中性子または他の亜原子粒子は、レンズ効果装置L1 305を使用することによって、センサE1 320に向けて集束させられてよい。中性子をセンサに向けて集束させることは、上で説明されたように、計器の感度を改善する。
【0110】
ステップ804において、中性子または他の亜原子粒子が、コンバータレイヤC1 390と接触したとき、反応が、発生させられる。コンバータレイヤは、入射中性子と相互作用して、反応を発生させることができ、それの結果は、その後、ステップ806において、制御エレクトロニクスモジュール310を使用して、ピクセルからなるセンサアレイP1 315によって、読み取り可能な電気信号に変換される。上で説明されたように、一実施形態においては、コンバータレイヤC1は、中性子を含む異なる亜原子粒子と相互作用する材料の複数のレイヤを含んでよく、またはそれは、それの各々が異なる亜原子粒子と相互作用する材料の合成物であってよい。さらに、一実施形態においては、個別レイヤである代わりに、C1レイヤは、センサリアレイP1 315自体と混合されてよい。
【0111】
ステップ808において、SPU335は、各センサについてのピクセルデータを生成するために、様々な要素E1 320ないしEn 325からの信号を処理する。各要素E1 320ないしEn 325は、個別には、入射亜原子粒子を検出するための中程度の感度を有してよいが、全体としての要素は、高感度レベルの検出という結果となる。
【0112】
ステップ810において、ピクセルデータは、MPU345に送信される。MPU345は、それに接続された様々なSPUを制御し、SPUからデータを収集し、ステップ812において、センサのピクセル上へのいずれの中性子の衝突も決定するために、データを分析する。ステップ814において、MPU345は、いかなるフォールスポジティブも発生させることなく、異なる種類の粒子を弁別するために使用される弁別手順を実行する。例えば、MPU345は、高エネルギーガンマ線が、中性子と同時に存在してよいように、中性子を他の粒子から弁別するようにプログラムされてよい。
【0113】
調整可能センサのための物理的構造
図10は、本発明の実施形態に従った、センサの物理的アーキテクチャを例示している。
図10は、(
図3との関連で説明された)典型的なセンサモジュール330の断面図を例示している。
図10に例示されたセンサは、CMOSセンサ、または任意の電荷検出デバイス、例えば、pinダイオードであることができる。
【0114】
先に説明されたように、中性子は、検出可能な量の電荷を有さない粒子である。それらを検出するために、センサは、検出可能な信号を生成する方式で、それらと相互作用しなければならない。ほとんどの中性子検出器について、この信号は、電荷である傾向がある。したがって、中性子検出器は、ほとんど常に、中性子誘起の荷電粒子検出器である。
【0115】
さらに、上で言及されたように、歴史的に、中性子のための検出器は、それの内壁上に中性子感受性被覆を有する気体充填管、または中性子がそれと相互作用するときに光子を生成するある種類のシンチレータ材料を備える、アナログセンサであった。これらの光子は、その場合、一般に光増倍後に、下にあるセンサによって検出される。
【0116】
本発明の実施形態は、シンチレーション原理に依存せず、したがって、異なる動作をする、固体中性子検出器と見なされる。本発明の実施形態は、代わりに、コンバータオン半導体技術に依存する。コンバータオン半導体技術は、(1)中性子を吸収し、(2)核反応を引き起こして、イオン化反応生成物を生成する、中性子反応レイヤを利用し、(3)イオン化反応生成物は、半導体を貫通する、イオン化された電子および正孔の経路を生成し、(4)それらは、アノードとカソードの間に印加される電圧によって、抽出および測定される。本発明の実施形態は、半導体が、非常に導電性がよく、したがって、センサが、より低い印加電圧、例えば、5Vないし25Vで動作することができるので、中性子を検出する先行技術の方法よりも優れている。さらに、中性子反応材料は、より密度が高く、イオン化放射線のより効率的な捕捉を可能にする。したがって、検出器は、検出効率を犠牲にすることなく、はるかに薄く作成されることができる。
【0117】
本発明の実施形態においては、例えば、中性子のためのトラップとしての役割を果たす中性子感受性レイヤ1004は、電荷感受性デバイス1006に近接して配置される。本明細書における説明は、上で説明されたように、中性子に重点が置かれているが、本発明の実施形態は、例えば、コンバータ材料を変更することによって、他の種類の粒子を検出するために使用されることができることが、留意されるべきである。このレイヤ1004と相互作用する中性子は、アルファ粒子およびトリトン粒子などの荷電粒子を生成し、それらは、それらのエネルギーに応じて、それらがそれらのすべてのエネルギーを失う前に、それらが進むことができる、ある空間的範囲を有する。-dE/dxとも呼ばれる、それらが媒体内においてエネルギーを失うレートは、これらの粒子が、それらが減速し、あまり高エネルギーでなくなるにつれて、距離に関して、より高いレートでエネルギーを失うという点において、非常に非線形である。
【0118】
図10に示されるように、粒子、例えば、中性子、ガンマ、アルファ、ベータなどを検出するための典型的なセンサは、中性子コンバータレイヤ1004の薄膜と、下にある電荷感受性半導体デバイス1014とを備える。上述されたように、一般に、(シリコンCMOSセンサ、バルクヘテロ接合ポリマダイオード、もしくは有機半導体ベースのCMOSセンサなどの)半導体ベースのCMOSデバイス、PINダイオード、または光起電デバイスを備える電荷感受性デバイス1014。電荷感受性デバイス1014上において電荷を検出するピクセル1006は、一般に、シリコンウエハ基板1007上に取り付けられる。言い換えると、電荷検出レイヤ1006は、基板1007上に取り付けられた複数の感知要素またはピクセルを備える。一実施形態においては、電荷検出レイヤは、幅が5から300ミクロンの間である。
図3との関連で説明されたように、各感知要素E1 320ないしEn 325は、ピクセルを備える。一実施形態においては、
図10に見られるように、コンバータ材料1004と電荷検出レイヤ1006との間に、例えば、10ないし200μmの、エアギャップ1005が、存在する。一実施形態においては、ギャップ1005は、真空であっても(および必ずではないが空気で満たされても)よい。
【0119】
一実施形態においては、中性子コンバータレイヤ1004は、ガラスまたはプラスチックまたはシリコンまたは中性子と強く相互作用しない他の任意の材料などの基板1003上に被覆されてよい薄膜である。基板1003は、炭素繊維、ポリエチレン、カドミウム、高密度ポリエチレン、スチール、アルミニウム、カドミウムなどのある種類の金属であってもよい。基板の目的は、下にあるセンサを保護し、ある種類の粒子をふるい落とすことであることができる。各種類の基板は、独自の特性を有する。例えば、カドミウム基板は、高速中性子を遮断する。鉛基板は、かなりの量のガンマ粒子を遮断する。プラスチック基板は、中性子粒子を減速させてよく、中性子を減速するために使用されることができる。基板は、粒子のふるい分けおよび調整のために使用されてもよい。
図13における実施形態は、熱中性子を検出するために最適化されているが、本発明の実施形態は、任意の種類の粒子を検出するために最適化されてよいことが、留意されるべきである。
【0120】
一実施形態においては、選択された基板1003の表面が、十分に滑らかである場合、一次基板とは異なる種類の粒子をふるい分け、または調整するために、別の基板薄膜が、基板の上に重ねられることができる(
図13には示されず)。
【0121】
一実施形態においては、コンバータレイヤ被覆は、先に説明されたように、電荷検出デバイスの表面上に直接的に作成されてもよい。言い換えると、被覆は、エアギャップ1005なしに、電荷検出レイヤ1006に直接的に適用されてよい。
【0122】
一実施形態においては、熱中性子感度は、コンバータレイヤの厚さに依存する。厚いコンバータレイヤは、より薄いレイヤよりも多くの中性子を捕捉する。しかしながら、より厚いレイヤは、それらが厚すぎる場合、反応生成物ロスを被ることができる。理想的な厚さは、10Bの直交前面照射については3ないし7ミクロン、6Liの直交前面照射については25ないし35ミクロンの範囲であることができる。しかしながら、10B薄膜は、1から10ミクロンの間のどこかであることができ、一方、6Li薄膜は、10から200ミクロンの間のどこかであることができる。
【0123】
コンバータ材料被覆1004は、一般に、薄膜の形態である。被覆された基板は、被覆が電荷検出デバイス(例えば、CMOSセンサ、PINダイオードなど)と対面して、電荷検出デバイスの上に配置される。一般に、薄膜被覆1004の上表面と、電荷感受性デバイス1006の露出表面との間に、エアギャップが、存在する。このエアギャップは、中性子検出センサの感度を変更するために、調整されることができる。異なる実施形態においては、先に示されたように、デバイスは、下にある半導体デバイスの電荷感受性表面の上に直接的に被着された、中性子感受性薄膜1004を有することもできる。
【0124】
中性子コンバータ材料1004は、電荷感受性半導体デバイス1006と一緒に、(これ以降、「中性子感知要素」と呼ばれる)本発明の中性子センサシステムの中性子感受性コンポーネントを構成することが、留意されるべきである。中性子感知要素は、様々な種類であることができる。上で説明されたように、電荷感受性デバイス1014は、例えば、既製のデジタルカメラにおいて使用される種類のシリコンCMOSセンサであることができる。これらのCMOSセンサは、感知要素内において電荷の個別検出器としての役割を果たす、いくつかの小さいピクセルを用いるように設計される。
図10における電荷検出レイヤ1006は、ピクセルを備える。
【0125】
コンバータレイヤ1004に入射する中性子は、それらがコンバータレイヤの材料と相互作用するとき、荷電粒子および他の反応生成物を生成する。これらの荷電粒子は、コンバータレイヤ1004の大半、存在する場合は、いくらかのエアギャップ1005を通して、最後に、CMOSデバイスの上の他の不動態化被覆のいくらかのレイヤを通して、電荷感受性CMOSデバイス1014に侵入する。サイズ的には、これらの粒子は、ピクセルよりもはるかに小さい。それらの電荷は、ピクセル内の電子雲と相互作用し、シリコン格子内における電子の追い出しおよび正孔の生成という結果となる。これらの電子および正孔は、ピクセル内において信号として検出される、電荷キャリアである。中性子コンバータレイヤからの反応生成物は、それらが生成されたときに、あるエネルギーを有するので、それらは、電荷感受性デバイス内において徐々に運動エネルギーを失い、追い出された電荷キャリアがそれにわたって局在させられる有限な長さスケールという結果となる。
【0126】
先に言及されたように、反応中性子捕捉材料のレイヤである、C1、コンバータ材料1004は、(157ガドリニウムを含むいくつかの同位体の混合である、「天然ガドリニウム」としても知られる)157ガドリニウム、(天然ホウ素としても知られる)10Boron、(天然リチウムとしても知られる)6リチウムなどを含むことができる。これらのコンバータレイヤは、純元素形態もしくは化合物形態、または元素と元素の中性子吸収同位体の化合物との任意の組み合わせの混合であってよい。例えば、コンバータレイヤは、6リチウムの化合物、例えば、6Li‐Xであることができ、Xは、任意のハロゲン化物またはヨウ化物、例えば、フッ化物、塩化物、炭酸塩などを表す。または、材料は、10Bの化合物、例えば10B-Xであることができ、Xは、炭化物またはホウ酸を表す。157ガドリニウムは、それの天然状態にあって、または酸化されていてよい。
【0127】
材料は、アモルファス、半結晶、または結晶形態をとることができる。それらは、化学蒸着(CVD)、および液体状態または溶液状態またはゾル-ゲル処理を含む様々な方法を使用して、薄膜の形態で被着させられることができる。異なる種類の入射粒子に対して敏感な異なる材料を用いる被覆の複数のレイヤは、方法の組み合わせを使用して、被着させられることができる。
【0128】
中性子、例えば、C1レイヤ1004と相互作用する中性子1018は、それらのエネルギーに応じて、それらがそれらのすべてのエネルギーを失う前に、それらが進むことができる、ある空間的範囲を有する、アルファ粒子(α粒子)例えば、粒子1019、およびトリトン(3H)粒子、例えば、粒子1020などの、荷電粒子を生成する。
【0129】
エアギャップ1005は、荷電粒子のための減衰器として役割を果たす。言い換えると、荷電粒子が、このエアギャップの中を移動するにつれて、それは、エネルギーを徐々に失う。電荷検出デバイスの電荷感受性部分(例えば、電荷検出レイヤ1006)は、コンバータレイヤ1004に対して、荷電粒子が、電荷感受性レイヤ1006の内部において、それのエネルギーのほとんどを失うような位置に、配置される必要がある。したがって、距離d1 1015は、電荷検出デバイス内において最大信号を獲得するように設定される。一実施形態においては、d1についての範囲は、10から200ミクロンの間であることができる。さらに、電荷検出レイヤの典型的な範囲は、5から10ミクロンの間であり、シリコンウエハ基板の深さは、近似的に300ミクロンである。
【0130】
例示的な実施形態においては、中性子1018が、センサに入ったとき、それは、最初に基板1003を通過する。一般に、基板は、それが、関心粒子、例えば、本ケースにおける中性子を遮断しないように選択される。基板は、それが、他の種類の粒子、例えば、ガンマ線を遮断するように選択されてよいが、それは、一般に、関心粒子に対しては透過的である。例えば、板金または鉛で作成された基板は、ガンマ粒子を遮断するのに適当である。
【0131】
中性子粒子1018は、コンバータ材料1004と相互作用して、生成物を生成する。例えば、コンバータ材料が、6リチウムである場合、以下の例示的な反応が、起こってよい。
1
0n+6Li→4
2α+3H
言い換えると、中性子1018は、C1レイヤ1004と相互作用して、アルファ粒子1019およびトリトン(またはトリチウム)粒子(3H)1020などの、荷電粒子を生成する。生成された粒子の電荷は、粒子が検出レイヤ1006によって検出されることを可能にすることが、留意されるべきである。荷電粒子は、一般に、中性子とコンバータレイヤとの間の反応に応答して、反対方向に散る。言い換えると、反応が起こった後、アルファ粒子は、トリトン粒子と反対方向に進んでよい。それにもかかわらず、電荷検出レイヤ1006は、荷電粒子のうちの少なくとも1つからの電荷を検出し、それが、今度は、センサが、中性子1018の存在を知らせることを可能にする。検出が行われるために、コンバータレイヤ1004は、一般に、反応の副産物がレイヤ1006において容易に検出されることができるように、電荷検出レイヤ1006に対面することも、留意されるべきである。
【0132】
コンバータ材料1004との反応に続いて、荷電粒子、例えば、アルファ、トリトンなどが、生成されるとき、それらは、一般に、最初は極めて高速に進む。しかし、それらは、指数関数的レートで、エネルギーを失い始める。一般に、進んでいるとき、荷電粒子は、それらがシリコン基板1007内に侵入することができる、ある距離を有する。例えば、コンバータ材料が、ピクセルに直接的に被着された場合、荷電粒子は、それのエネルギーのすべてを失う前に、シリコン基板1007内に50ミクロンの深さまで侵入することがある。したがって、荷電粒子が、それのエネルギーの大部分を、センサの最も敏感な部分である電荷検出領域1006に蓄積することを保証するために、エアギャップが、センサの設計に追加される。エアギャップは、荷電粒子が、電荷検出レイヤ1006と接触する前に、それのエネルギーの全部ではないが一部を失うことを保証する。コンバータ材料1004が、電荷検出デバイス1014上に直接的に被着させられる場合、荷電粒子のほとんどが、基板内に深く侵入しすぎて検出されない可能性が高い。一実施形態においては、ギャップ距離d1 1015は、荷電粒子が、電荷検出領域1006内に最大量のエネルギーを蓄積するように最適化される。
【0133】
高空間分解能デブリマッピング適用例
本発明の実施形態は、損傷した原子炉内または周囲の核燃料デブリの識別および高空間分解能マッピングを実行するために、使用されることができる。例えば、損傷した原子炉の過熱した炉心は、溶融することがあり、炉心デブリが、燃料棒を含む原子炉の圧力容器(RPV)から漏出することがある。その後、炉心デブリは、冷却水の流れによって安定化された格納容器内に再配置されることがある。そのような状況においては、破壊されることなく、格納容器内の燃料デブリを識別し、それのマップを生成するために使用されることができる、極端な条件に耐えることが可能な、柔軟な検出器を使用することが重要である。
【0134】
図11は、原子力事故から生じた核堆積物を含むことがある、原子炉の核一次格納容器(PCV)の断面の例示的な図である。一次格納容器1112は、PCVの底部に厚い鉄筋コンクリート床1140を備える。それは、核デブリのいくらかを含むことがある、冷却水プール1110をさらに備える。
【0135】
損傷した原子炉ユニット内部においては、ほぼあらゆるものが、いくらかの量のガンマを放出するので、単にPCV内においてガンマ線を検出することは、いずれの確実性でも、燃料デブリまたはデブリのロケーションを識別する助けにならない。燃料デブリの識別をさらに複雑にする要因は、溶融燃料の混合、デブリ場の未知の幾何学的制約、および非核分裂性物質の背景放射化である。損傷した原子炉ユニット内のガンマ検出器が、あるロケーションにおいて高レベルを記録した場合、このガンマがデブリから発しているという確実性は、存在ない。
【0136】
しかしながら、炉心デブリから放出された自発核分裂中性子は、正確に検出される場合、デブリ分布を特徴付けることができる。課題は、堆積させられた核分裂生成物(例えば、放射性セシウム137など)からの高ガンマ背景と比較して、中性子束が低いことである。これは、潜在的に高いガンマ背景環境において、低い割合の中性子を検出することを必要とする。高エネルギー環境は、ほとんどのセンサ機器にとっても致命的である。
【0137】
本発明の実施形態は、有利には、高ガンマ背景下において低中性子束を弁別する能力と、極端なエネルギー環境内において存続および機能するのに十分な堅牢さとを組み合わせた、センサシステムを提供する。本発明の実施形態は、半導体内における直接検出を介して、イオン化放射線に対して、また中性子コンバータレイヤ、例えば、
図10におけるレイヤ1004を介して、中性子に対して敏感である。ガンマカウントと中性子カウントと間の弁別は、ピクセル強度および2D形状を介して、2Dの60フレーム毎秒(fps)のビデオにおいて生じ、独自の機械学習ソフトウェアによって状況的に実行される。
【0138】
本発明の実施形態は、燃料デブリ検出および空間マッピングという状況において、いくつかの潜在的な用途のために使用されることができる。例えば、本発明のセンサシステムは、原子炉のPCV、RPV、および抑制室内の炉心デブリをマッピングするために使用されることができる。デブリの除去中、検出器は、非核分裂性物質から核分裂性物質を選別するために使用されることができる。さらに、検出器は、再臨界監視のために使用されることができる。
【0139】
本発明の一実施形態においては、(複数のセンサを備える)検出器を装備した自走式ロボットは、PCVに入り、PCV1112の金属格子1140上および金属格子1140下方の様々なポイントにおける、ガンマ線量および中性子束の測定を行うようにプログラムされることができる。本発明の中性子センサは、少なくとも1000Gy/時の環境において、最大で1000Gyの累積放射線量までの被曝を受けながら、使用可能であり続けることができる。比較すると、地球上の通常の条件下におけるガンマの背景放射は、10-4Gyである。本発明の実施形態を使用して、ロボットは、PCVの高空間分解能デブリマップを生成し、(以下でさらに説明される三角測量技術を使用して)潜在的に有害な放射線源のロケーションを識別することができる。
【0140】
一実施形態においては、検出器は、円筒ケースを使用して、自走式調査ロボット内に設置される。さらに、検出器構成およびケーブル配線は、有利には、臨界監視など他の適用例のサイズ要件に従って、検出器性能が最適化されることができるように、カスタマイズ可能である。さらに、中性子センサは、環境的に適応可能であり、それは、原子炉など、極限環境に対して有利である。センサは、高湿度環境および水中において、正確な読み取りを実行することができる。一実施形態においては、中性子センサは、極限環境に置かれたときでさえも、センサが制御されることができるように、遠隔操作可能でもある。一実施形態においては、複数のセンサを有する検出器は、耐用期間を犠牲にすることなく高分解能で照明するためのLEDシステムを使用して、可視範囲において撮像するためのカメラを含むことができる。
【0141】
中性子粒子のための源ロケーションの三角測量
一般に、多くの適用例においては、空間内の特定のロケーションが、核分裂または他の何らかの核過程を経験する物質を有することがある物体の存在のせいで、(中性子およびガンマ粒子などの)放射線を放出しているかどうかを知る必要がある。例えば、上で説明されたデブリマッピング適用例においては、損傷した原子炉のケースにおいて、エリアからの避難またはエリアの除染が必要かどうかを決定するために、放射線のすべての可能な源を識別することが決定的に必要とされる。感知要素、例えば、本発明のSPUは、放射線の源を特定するために、エリアをスキャンするように、様々な異なる方法で幾何学的に構成されることができる。
【0142】
例えば、感知要素またはSPUは、立方体、直方体、球体、二十面体などの周囲に配置されることができる。これらの構成の各々は、中性子および他の亜原子粒子を探して、いくつかまたはすべての方向をスキャンしている、複「眼」を連想させる。
【0143】
図12は、本発明の実施形態に従った、感知要素がスタック編成で構成されることができる方式を例示している。一実施形態においては、アレイ内に配置された感知要素1205は、検出効率を改善するために、スタック編成1210で積み重ねられることもできる。1つまたは複数のセンサモジュールは、システム性能を最大化するように最適化された構成で配置されてよい。例えば、複数のセンサモジュール1205は、デバイスの感度を高めるために、並列に動作するように構成されることができる。要素の各々は、入射粒子の検出において、中程度に敏感でありさえすればよいので、粒子に対する全体的な感度は、2つ以上のセンサモジュール1205を並列に積み重ねることによって、高められることができる。
図12は、センサアレイの側面
図1220と、積み重ねられたアレイを見下ろす積み重ねられたセンサモジュールの上面
図1230も例示している。
【0144】
例示的な一実施形態においては、センサアレイ1260の各々は、小さいフォームファクタを有することができ、多数のセンサを詰め込むように設計されることができる。例えば、
図12に示されるアレイにおいては、各センサは、サイズが1cm×1cmであることができる。各センサアレイは、高さが4cm、幅が6cmであることができる。さらに、10cm×10cmのスキャンエリアのために設計されたアレイのスタックを形成するために、アレイは、6cmの深さに積み重ねられることができる。しかしながら、センサ、アレイ、またはスタックは、特定のサイズに限定されず、任意のサイズまたは形状であることができることが、留意されるべきである。積み重ねられたセンサアレイの実施形態は、センサアレイに対面する源から発せられた粒子に対して最も敏感である。
【0145】
図13は、本発明の実施形態に従った、感知要素が立方体編成で構成されることができる方式を例示している。上で言及されたように、チップは、回路基板上において、アレイになるように配置されることができる。これらの回路基板は、任意のサイズであることができる。回路基板内の各チップは、独立して機能する。
図13に示されるように、センサアレイは、立方体の各面に沿ったセンサ回路基板上にCMOSチップを有する、立方体形態で配置されることができる。これは、多方向感度を可能にする。さらに、立方体の各側面上のセンサアレイは、感度を高めるために、立方体の向きにおいて互いに平行な複数のアレイを含むように、積み重ねられることができる。各面に入射する中性子は、その面上だけにおいて検出される。センサチップは、例えば、上で説明された損傷した原子炉に関する適用例において使用されることができる、デブリの高分解能3Dマップを生成するための、構築ブロックを形成する。
【0146】
一実施形態においては、
図13に示される1つなどの構成は、構成内のセンサ間の「クロストーク」を低減させる、中性子遮断材料も含む。例えば、元素形態の天然もしくは
10B強化ホウ素、または炭化物、窒化物、もしくは(HDPEなど)プラスチックへの埋め込みなど、化合物形態の天然または
10B強化ホウ素などの、中性子遮断材料1310は、中性子を遮断する。中性子以外の異なる関心粒子を有する異なる実施形態においては、遮断材料は、そのような粒子を遮断するために、適宜選択されてよい。
【0147】
図13に示されように、センサ回路基板1320は、中性子遮断材料1310の立方体の周囲に容易に配置される。中性子遮断材料1310は、中性子に対して不透明である。この構成を用いると、立方体の1つの面に入射する中性子は、その面上だけで検出される。これは、平面的な感知要素においては、放射線源に対する角度とともに、検出感度が著しく変化するためである。それは、感知要素が放射線源と直面するとき、最大になる。感知要素が、源に対して90度であるとき、感度は、著しく低くなる。例えば、
図13に示されるように、中性子源1350に対面する立方体の側面1370は、中性子に対して最も敏感であり、最も多くの中性子を検出する可能性が高い。
【0148】
1つの面上において検出されない中性子は、中性子遮断材料1310に侵入し、それらは、そこで吸収される。言い換えると、これらの「検出されない」中性子は、立方体の他の面のいずれかの上に配置された回路基板に決して到達しない。これは、異なるセンサアレイ間のクロストークを低減させ、放射線源の方向に関して明確な決定が行われることができることを保証する。さらに、それは、ユーザへの表示のために生成されることができる、粒子のよりきれいなマッピングを可能にする。
【0149】
上で言及されたように、立方体の1つの面に入射する中性子は、大部分が、その面上の感知要素によって検出される。感知要素はピクセル化されることができ、各ピクセルが、検出要素としての役割を果たすので、感知要素と源との間の角度も、ピクセル内における検出の勾配を生成する。同じ感知要素(例えば、同じSPU)内において、源に最も近いピクセルは、より遠く離れたピクセルよりも多くの中性子を検出する可能性が高い。立方体の各側面上において検出された中性子のカウントおよびプロファイルを使用することによって、立方体の異なる側面上のすべての要素からの結果を三角測量することによって、源のロケーションを決定することが可能になる。
図13に示されるように、複数のセンサからの情報が、処理されるとき、中性子の3D空間マップは、一般に、マップに基づいて、ほとんどの中性子が、立方体センサの側面1370上において検出されたことを示す。したがって、中性子源1350は、立方体の側面1370の真向かいにあることが推測されることができる。さらに、分析は、センサレベルまで下げて、行うことができる。例えば、側面1370上のあるセンサは、側面1370上の他のセンサよりも多くの中性子を検出することがある。立方体の各側面上のセンサの各々からの読み取りを独立に使用することは、センサからのデータを分析するエンジニアが、放射線の源をさらに三角測量することを可能にする。
【0150】
この立方体のコアにある中性子ブロッカ1310は、立方体の1つの側面に入射する中性子が、立方体の他の側面に到達することを阻止するのに役立つ。これは、より良い角度および空間分解能を可能にする。
【0151】
いくつかの実施形態においては、中性子方向情報は、例えば、中性子が、高速中性子1345などの高速中性子である場合、中性子自体から獲得されてもよい。言い換えると、検出されたその種類の中性子は、いくつかの方向性情報を提供してもよい。
【0152】
ある放射性源、例えば、プルトニウム239は、中性子の全スペクトルを放出する。例えば、プルトニウム239は、低速中性子、熱中性子、減速中性子、および高速中性子を放出することができる。
【0153】
熱中性子1340または高温中性子は、一般に、低速で動いており、例えば、2.5km/秒未満で進む。熱中性子は、他の熱中性子とともに雲状の編成で低速で進み、いかなる方向情報も含まず、一般に、コンバータ材料によって検出される。熱中性子を検出するために、(各センサ上におけるコンバータ材料との反応に基づいて)立方体の各側面上において検出された熱中性子のカウントが、使用され、中性子源のロケーションは、上で説明されたように、立方体の異なる側面上のすべての感知要素からの結果を三角測量することによって決定される。
【0154】
しかしながら、10000km/秒を超えるスピードで進む高速中性子を検出することは、より複雑である。高速中性子は、それらのスピードのために、それらが方向情報も運んでいるという点で、熱中性子にまさる追加の利点を提供する。この方向情報は、例えば、中性子の源を決定するために使用されることができる。しかしながら、高速中性子は、一般に、コンバータ材料によって検出されることができず、それが、それらの検出をより困難にする。
【0155】
一実施形態においては、高速中性子、例えば、高速中性子1345は、被覆1004ではなく、CMOSセンサ自体と直接的に相互作用することができる。言い換えると、高速中性子は、電荷検出レイヤ1006と直接的に相互作用する。電荷検出レイヤを作り上げるシリコンと直接的に相互作用するすると、高速中性子は、弁別手順が高速中性子の方向を決定することを可能にする、シグネチャをシリコン上に残す。高速中性子は、一般に、それが接触する1つまたは複数のシリコン原子を破壊することによって、シリコンと相互作用する。さらに、高速中性子は、シリコンと接触したとき、それから方向情報が推測されることができる電荷の痕跡をシリコン上に残す、高電荷粒子を放出する。方向情報は、その後、中性子の源を確かめるために使用されることができる。
【0156】
一実施形態においては、熱中性子と同じ方法で高速中性子を検出するために、基板1003は、プラスチックまたは類似の材料を用いるように設計されることができる。プラスチックは、水素を含み、それが、高速中性子を減速させ、それを熱中性子に変える。その後、コンバータ材料1004は、プラスチック基板を通過した後に、それのすべてのエネルギーを失った高速中性子を、熱中性子と同じ方法で、検出することができる。
【0157】
一実施形態においては、環境内において、高い割合の高速中性子が存在する場合、検出器内の1つまたは複数のセンサのためのコンバータ材料1004は、カドミウムを用いるように設計されることができる。カドミウムは、高速中性子と相互作用することができるという珍しい特性を有する。
【0158】
図14は、本発明の実施形態に従った、センサ立方体が円筒センサヘッド内に収まるようにさせられることができる方式を例示している。上で述べられたように、損傷した原子炉を調査するために使用される自走式調査ロボット内に検出器を設置するために、円筒ケースが、使用されることができる。センサヘッドは、同様に、円筒以外の異なる形状であってよいことが、留意されるべきである。この実施形態においては、円筒ケース1410は、少なくとも1つの立方体センサ1430を収容することができる。
図14に示されるように、センサは、立方体の中央に中性子ブロッカ1440を伴って、立方体に配置され、それは、立方体の各面が、指向的に敏感であることを可能にする。
【0159】
図15は、本発明の実施形態に従った、複数のセンサ立方体が円筒センサヘッド内に収まるように構成されることができる方式を例示している。CMOSチップ立方体1520は、デブリの3Dマッピングのための基礎を形成する。さらに、積み重ね型の立方体1530も、追加される感度のために使用されることができる。一実施形態においては、立方体の各面上の各回路基板の各チップ上において、中性子カウントの測定が、行われることができる。円筒センサヘッド1510は、ロールおよびピッチ両方の動きを可能にするので、円筒センサヘッドは、360度に相当する回転を行うことができるため、検出器は、複数回、ある体積の空間を効果的に検出することができる。センサヘッドが動かされるたびに、内部の立方体1520は、僅かに異なる方向に向けられ、新しい情報を点群データの形式で提供する。その後、測定された中性子は、デブリの正確で高分解能の3Dマップを生成するために、断層撮影法に類似した技法を使用して再構築される。
【0160】
典型的な実施形態においては、立方体センサ構成は、10cm×10cmのエリアのデブリスキャンが、空間的不確実性が低いマップを効果的に生成することを可能にする。検出器がデブリに近づくことができる状況においては、10cmよりも良好な空間分解能が、達成されることができる。一実施形態においては、立方体1520を10cmよりも小さくすることによって、10cm未満の空間分解能の3Dマップが、生成されることもできる。
【0161】
本発明の実施形態で使用されるCMOSチップは、設計、および構成についての選択肢の範囲において、大きい柔軟性を提供する。例えば、回路基板は、立方体の各面に沿った感度を改善するために、容易に積み重ねられることができる。例えば、積み重ねられたセンサ1530は、感度を改善するために、複数の回路基板が立方体の各面に沿って積み重ねられた、立方体センサを例示している。
【0162】
一実施形態においては、方向精度をさらに改善するために、積み重ねられた回路基板のセットまたは立方体構成とともに、コリメーションが、含まれることができる。チップは、「複眼」を生成するために、球体の周囲に配置されることさえできる。
【0163】
図16Aは、本発明の実施形態に従った、感度を最大化するために、センサが配置されることができる様々な構成を例示している。例えば、コリメートされる構成1610が、使用されることができる。あるいは、センサアレイは、立方体形状の構成1650で構成されることができる。一実施形態においては、上で説明されたように、感度を高めるために、センサアレイは、立方体の各面上において積み重ねられて、積み重ねられた立方体構成1670を生成することができる。
【0164】
図16Bは、本発明の実施形態に従った、方向精度を改善するために使用されることができるコリメートされる構成を例示している。
図16Bに示されるように、コリメータ1690は、方向精度を改善するために、積み重ねられたセンサリアレイ1680のセットの周囲において使用されることができる。
【0165】
図17は、本発明の実施形態に従った、立方体の形状に構成された検出器、およびデブリマップを生成するためにそれがどのように使用されるかを例示している。立方体化されたセンサ1710は、空間的不確実性が低いデブリマップを生成するために使用されることができる、拡張可能な設計を含む。一実施形態においては、設計は、10cm×10cmのエリアのデブリスキャンを効果的に実行するために、使用されることができるが、検出器がデブリに近づくことができる場合、10cmよりも良好な空間分解能が、達成されることができる。
【0166】
図18は、本発明の実施形態に従った、より効率的なデブリマッピングを可能にするために、複数の立方体化されたセンサが使用されることができる方式を例示している。一実施形態においては、調査中のエリアの迅速なスキャンを実行するために、いくつかの立方体化されたセンサ1810が、使用されることができる。迅速なスキャンを実行するために、複数の検出器モジュールを使用する能力は、有利には、操作の柔軟性およびより高速な結果を可能にする。
【0167】
図19Aは、本発明の実施形態に従った、感度を高めるために複数のセンサが積み重ねられることを可能にする、円筒構成を例示している。上で説明されたように、原子炉においては、例えば、ロボットユニットは、迅速なスキャンを可能にし、関心粒子に対する強化された感度も提供する、複数のセンサモジュール1940を保持する能力を有する、円筒のケースを装備してよい。さらに、円筒構成は、ケーブル配線および接続のためのスペース1980を円筒内に残す。
【0168】
図19Bは、本発明の実施形態に従った、感度を高めるために複数のセンサが積み重ねられることを可能にする、別の種類の円筒構成を例示している。
図19Bの構成においては、センサは、円筒の周囲に配置される(言い換えると、センサは、立方体または積み重ねられた構成であることだけに限定されない)。
図19Bに示されるセンサは、センサが異なるモード、例えば、横向き、後向きなどで使用されることを可能にする、エンドキャップ1956を備える。
【0169】
図19Cは、本発明の実施形態に従った、方向感度を高めるために中性子ブロックを使用する、ある種類の円筒構成を例示している。中性子ブロッカ1955は、ツールが指向的に敏感であることを可能にし、検出器を中性子のための「複眼」に変える。一実施形態においては、センサのより多くのレイヤを有するように、センサは、円筒の周囲に積み重ねられることができる。例えば、
図19Cに示されるセンサは、一実施形態においては、プリント回路基板の両側上にセンサを有し、一方の側は、外側を向き、一方、他方の側は、中性子遮断コア1955に対面する。
【0170】
図20は、本発明の実施形態に従った、CMOSデバイスセンサおよびPINダイオードセンサが同じ検出器システム内において組み合わされることができる方式を例示している。
【0171】
上で述べられたように、電荷感受性デバイス1014は、一般に、(シリコンCMOSセンサ、もしくは有機半導体ベースのCMOSセンサなど)半導体ベースのCMOSデバイス、PINダイオード、または光起電デバイスを備える。
【0172】
感度を高めるために複数のセンサが使用される一実施形態においては、シリコンCMOSセンサ2030およびシリコンPINダイオードセンサ2040の両方が、並列して使用されてよい。センサは、一緒にパッケージ化され、(カスタマイズ可能な長さの)ケーブルによって、電源およびデータ処理システムに接続される。中性子検出の強化された感度および精度が、異なる種類のセンサ間の相互検証によって達成される。
【0173】
本発明の実施形態は、センサ冗長性が、存続可能性および信頼性を高め、センサ相互検証が、測定精度を高めるので、複数のセンサ、複数のPINダイオード2040、および複数のCMOSセンサ2030を使用する。本発明の実施形態は、シリコンベースのCMOSおよびPINダイオード技術を組み合わせる。CMOSセンサは、非常に正確なデジタル中性子およびガンマ検出器である。モジュール式のCMOSコンポーネントは、要件に基づいて、小型から大型までの検出器に容易に統合されることができる。CMOSセンサは、より小さいフィーチャサイズのせいで、PINよりも放射線耐性が低く、パッケージ対体積比のせいで、より小さいアクティブエリアを有する。
【0174】
他方、シリコンPINダイオードは、より大きく製造されるフィーチャサイズのせいで、CMOSよりも放射線耐性が高い。PINダイオードは、高いタイミング分解能、およびより高いアクティブエリアパッケージ対体積比を有する。さらに、PINダイオードは、特に限られたスペース利用可能性の下において、PINチップの大きい感受性エリアのために、高められた中性子カウント効率をもたらす。それのモジュール式のコンポーネントは、適用例の要件に基づいて、小型から大型までの検出器に容易に統合されることができる。しかしながら、PINダイオードは、それらが、パルス弁別だけを利用し、(以下で説明されるような)2D空間認識と組み合わされたパルス弁別を利用しないので、低中性子/高ガンマ線量率(およびエネルギー)背景における中性子/ガンマ弁別において、CMOSほど正確でない傾向がある。
【0175】
CMOSセンサおよびPINダイオードセンサの両方が、一緒に使用されるとき、組み合わせたセンサ属性は、各個々の種類のセンサの不都合を克服し、様々な中性子検出環境において、高速で正確な検出を達成する。複数のCMOSおよびPINダイオードセンサを使用して、システムに冗長性をさらに組み込むことは、環境的な悪条件が、ある程度のセンサ故障を引き起こすことは、ほぼ確実であるので、デブリマッピングなどの適用例にとって非常に重要である。したがって、いくつかのデブリマッピング適用例は、256個もの冗長なセンサを必要とすることがある。さらに、信号が実際に微弱な条件においては、感度を高めるために、すべてのセンサが、オンにされることができる。
【0176】
センサから指令および制御機器への情報の送信
特に、極端な温度、湿気、および放射線が、個別に、または何らかの組み合わせで存在する悪環境においては、損傷することがある、センサユニットのコンポーネントを最小限に抑えること、または完全に排除することが、しばしば望ましい。コンポーネントが損傷する可能性の程度は、一般に、デバイス内におけるトランジスタの密度に比例する。例えば、FPGA、CPU、およびGPUは、CMOSイメージセンサ、または一般に利用可能なCMOSベースのデータシリアライザよりも、そのような環境において損傷する可能性がより高い。言い換えると、使用されているセンサが、一般的な既製のカメラからのものである場合、カメラ内の追加の電子機器は、センサ自体よりも損傷する可能性がはるかに高い。したがって、本発明の実施形態が、悪環境において使用されている場合、センサの耐用期間を延ばすために、堅牢なケーブル配線または他の方法を使用して、センサを追加の電子機器から分離することが有益である。
【0177】
一実施形態においては、電子コンポーネントがセンサよりも敏感である問題に対処するために、ケーブル配線を使用して、敏感なコンポーネントと相対的により頑丈なコンポーネントとの間に、長い距離が置かれてよい。長い距離は、潜在的に、例えば、高放射線環境の外に出る助けとなってよい。このようにして、敏感なコンポーネントは、環境があまり不利ではないロケーションに置かれることができ、より高いシステム信頼性およびより長い耐用期間という結果となる。しかしながら、そのようなコンポーネントの空間的分離は、センサからのデータが、今度は、分離の距離にわたって送信されることも必要とする。また、空間的な考慮は、比較的細く、管理しやすいケーブル上において、データが移動させられることをしばしば要求する。例えば、
図19においては、複数のセンサモジュール1940が、一緒に積み重ねられ、各センサは、潜在的に独自のケーブルを必要としてよいので、ケーブルは、スペース1980に収まるように、十分に細くて柔軟である必要がある。
【0178】
一実施形態においては、アレイ上のセンサ(例えば、SPU)の各々は、それらの結果をMPU(例えば、
図3におけるMPU345)に送信してよく、それは、様々なセンサからの結果を調整し、単一のケーブル上において、それらを送信する。MPUは、一実施形態においては、センサと同一場所に配置されることができる。上で説明されたように、MPUは、単に、他の様々なセンサを制御し、センサから来るデータを収集するようにプログラムされた、別のセンサまたはSPUであることができる。また、極短な環境に耐えることができるデータシリアライザが、センサと同一場所に配置される。データシリアライザは、センサ(またはMPU)からの情報を直列化し、それらを、
図21Aに関連して以下で説明されるような指令および制御モジュールに、長い距離にわたって、送信することができる。
【0179】
図21Aは、本発明の実施形態に従った、データがセンサから指令および制御機器に送信される方式を例示する論理図である。
【0180】
指令および制御モジュールが、安全で潜在的にセンサから遠い距離に配置される必要がある、一実施形態においては、センサ2110Aないし2110Dにおいて生成されたデータは、MHzからGHzの周波数で動作するデータシリアライザを使用して、直列化されることができる。データを直列化することは、ケーブルの太さが、最小化されることを可能にする。検出エリア内に配置されたセンサが、潜在的に数百個存在することがあり、データをトランスポートするために必要とされるケーブルは、通常、窮屈な限定した幾何学的領域に収まることができるように設計される必要があるので、データケーブルは、細い必要がある。データは、例えば、低電圧差動シグナリング(LVDS)を使用して、ケーブル上において伝達されることができる。細いケーブル2198上におけるデータ送信のための選択肢は、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなどを含む。一実施形態においては、幾何学的領域が、極めて細いデータケーブルが必要とされるようなものであり、データが、100メートルを超える長い距離にわたって移動させられなければならない場合、データは、インターネットプロトコルにフォーマットされ、移動させられることができる。このようにして、データは、世界中で伝達され、処理のためにクラウドに対して直接的に移動させられることができる。別の実施形態においては、データ通信は、WiFiまたはソナーチャネル上において行うことができ、ケーブルは、完全に排除されることができる。
【0181】
上で述べられたように、(
図21には示されていないが、センサモジュール2110Aないし2110Dと同一場所に配置される)SPU335またはMPU345は、FPGAまたは他の論理デバイスを備えることができる。MPU内のFPGAは、一実施形態においては、様々なSPUからの信号を多重化し、タイムスタンプおよびID番号をセンサ情報に添付することができる。(単一の指令および制御モジュールが、多数のセンサを制御するケースにおいては)指令および制御モジュールは、その後、センサのうちのどれが通信しているかを決定するために、タイムスタンプおよびID情報を使用することができる。異なる実施形態においては、SPUの各々が、タイムスタンプおよびID番号を様々な感知要素からの情報に添付し、情報をそれぞれの指令および制御モジュールに送信することもできる。
【0182】
一実施形態においては、指令および制御モジュールが、(例えば、あまり極端でない環境において)センサと同一場所に配置されることができ、データが、直列化される必要がない事例において、センサの各々からの情報は、SPUまたはMPUによってパケット化されることができ、指令および制御モジュールに送信する前に、センサ情報、日付、時刻などを含むヘッダ情報が、パケットの各々に添付されることができる。
【0183】
異なる実施形態においては、各センサが、異なる周波数で通信してよい場合、センサ情報は、送信線上において直接的に伝達されることができる。情報は、その後、指令および制御モジュールによって、合成および集約される。また別の実施形態においては、センサの各々は、独自の関連付けられたケーブルを使用して、それぞれ独自の指令および制御モジュールに接続され、それは、情報を集約または多重化する必要性をなくす。
【0184】
一実施形態においては、特に、悪環境を通して長い距離がカバーされる必要があるケースにおいては、特別な保護シールド材料が、ケーブルのために必要とされる。悪環境の影響は、ケーブル材料の劣化、ならびに温度および放射線などの環境要因によって引き起こされるノイズを含む。例えば、鉛またはタングステンのシールドは、強いガンマ線環境からケーブルを保護し、ケーブルの導体部分に入射するそのようなガンマ線によって生成された高速電子からの低減されたノイズという結果にもなる。高中性子環境においては、ケーブルは、ホウ素、ガドリニウム、リチウムなどの材料を使用することによって、中性子から保護されなければならない。
【0185】
一実施形態においては、スペースの制約のために、ケーブルの各々の太さは、直径3mmよりも大きいことはできない。一実施形態においては、システム要件を効果的に満たすために、光ファイバおよび銅線ケーブルの両方が、使用されることができる。
【0186】
信号を送信するために使用される媒体、および通信に使用されるプロトコルの両方が、送信スピードを最大化する必要がある。これは、センサによって送信される情報が、リアルタイムに収集および分析される必要があるからである。
【0187】
図21Aは、4つのセンサモジュールと、関連付けられた指令および制御モジュール2120Aないし2120Dとを有するように例示されているが、並列して動作することができるセンサまたは指令モジュールの数に制限はないことが、留意されるべきである。
【0188】
各センサモジュール2110Aないし2110Dは、一実施形態においては、それぞれの指令および制御モジュール2120Aないし2120Dに結合される。指令および制御モジュールは、センサを制御する。一実施形態においては、すべてのセンサを制御する単一の指令および制御モジュールが、存在することができる。異なる実施形態においては、各指令および制御モジュールは、センサのサブセットを制御することができる。
図13に示される実施形態においては、各指令および制御モジュールは、それぞれのセンサと関連付けられる。個別の指令および制御モジュールを有することは、指令および制御モジュールのうちの1つまたは複数が故障した場合に、検出器が完全にオフラインにならないように、システムに冗長性を組み込む。各指令および制御モジュールは、センサを制御するように、例えば、センサに指令を出して、それらのデータを送信させ、またはデータを送信することを停止させるなどするために、センサをいつオンまたはオフにするかを制御するようにプログラムされることができる、ファームウェアを備える。さらに、指令および制御モジュールは、センサから入ってくるデータを記憶するためのレジスタを備えることができる。
【0189】
一実施形態においては、環境の逆境が要因ではない場合、指令および制御モジュールは、センサと合体させられることができる。言い換えると、センサが、センサを制御する感受性電子機器から分離される必要がない状況においては、指令および制御モジュールは、センサと同一場所に配置されることができる。
【0190】
図3との関連で上で述べられたように、一実施形態においては、様々なセンサ(またはSPU)からのデータは、単に、MPUを通って流れることができる。MPUは、SPUまたはセンサのグループを制御するようにプログラムされることができる。一実施形態においては、センサ(2110Aないし2110D)を制御するMPU(
図21には図示されず)は、センサから情報を収集し、それを関連付けられた指令および制御モジュールに送信することができる。指令および制御モジュールは、MPUとは完全に別個であって、例えば、MPUに接続されたコンピュータまたはサーバスタックであってよい。あるいは、それは、MPU内のいくつかのコンポーネント(例えば、FPGA、マイクロプロセッサなど)と、MPU外のいくつかのコンポーネント(例えば、コンピュータまたはサーバスタック)とを有することができる。異なる実施形態においては、SPUまたはセンサは、MPUを使用せずに、それぞれの指令および制御モジュールと直接的に通信するようにプログラムされることができる。
【0191】
上で説明された原子炉の例においては、センサ2110Aないし2110Dは、PCVに送り込まれるロボット内に収められた円筒ケーシング内に存在することができ、一方、指令および制御モジュールは、原子炉から安全な距離に位置付けられることができる。したがって、ケーブルが通信しなければならない距離は、一般に、60メートル前後またはそれを上回る。センサは、細いケーブル、例えば、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなどを使用して、指令および制御モジュールに接続される。いくつかのセンサが、使用される場合、いくつかのケーブルが、閉じられた狭い幾何学的領域を通過する必要があるので、細いケーブルが、重要である。
【0192】
一実施形態においては、指令および制御モジュールの各々は、センサが検出するように最適化された粒子の種類を含むセンサ情報を用いるようにプログラムされる。例えば、センサ2110Aは、中性子を検出するように最適化されてよく、一方、センサ2110Bは、アルファ粒子の検出のために最適化されてよい。
【0193】
上で述べられたように、ある公共事業関連の適用例は、同時に、アルファ、中性子、ガンマ、およびベータ粒子の感知を必要とする。センサ2110Aないし2110Dは、すべて、検出器内の各センサが異なる種類の粒子を検出するように最適化された、単一の検出器内に配置されてよい。関連付けられた指令および制御モジュールは、それぞれのセンサモジュールが検出するように設計された種類の粒子に関する情報を用いるようにプログラムされる。
【0194】
センサのうちの1つが、センサ全体にわたって、異なる種類の被覆で区画化される場合、対応する指令および制御モジュールも、同様に、その情報を用いるようにプログラムされなければならない。
【0195】
一実施形態においては、各指令および制御モジュールは、それぞれのコンピュータ(例えば、コンピュータ2130Aないし2130D)に接続される。あるいは、指令、制御、および計算は、すべて、同じコンピューティングモジュールの一部であることができる。言い換えると、各コンピュータ(例えば、コンピュータ2130Aないし2130D)は、それぞれの指令および制御モジュールと統合されることができる。さらに、各センサに専用される単一のコンピュータラックが、存在することができ、それぞれの指令、制御、および計算モジュールが、ラック上に取り付けられる。一実施形態においては、すべての計算モジュール2130Aないし2130Dは、すべての接続された指令および制御モジュールを制御する、単一のマスタコンピュータの一部であることができる。
【0196】
一実施形態においては、指令および制御モジュールは、検出器システム内のCMOSセンサから、ツイストペアまたは同軸ケーブル上において、直列化されたデータを受信し、直列化されたデータを、60フレーム/秒のレートで、ビットマップイメージの系列に変換するようにプログラムされる。言い換えると、指令および制御モジュールは、CMOSセンサから受信された情報に対してデータフォーマットを実行し、それらをビットマップイメージに変換する。本明細書における説明は、ビットマップイメージに重点を置いているが、指令および制御モジュールは、センサデータを、任意のフォーマット、例えば、jpeg、raw、pngなどのイメージに変換してよいことが、留意されるべきである。
【0197】
これらのビットマップイメージは、その後、様々な種類の粒子、例えば、ガンマ、中性子などの存在を検出するために、計算モジュール2130Aないし2130D上において動作する弁別手順によって分析されることができる。一実施形態においては、コンピュータモジュール2130Aないし2130Dは、粒子の存在を検出するために、ビットマップイメージを分析することができる、粒子弁別手順を実行する。
【0198】
指令および制御モジュールからの信号は、計算モジュール2130Aないし2130Dによってリアルタイムに分析され、(
図3との関連で説明されたディスプレイ350に類似した)ディスプレイ2150に送出される。CMOSセンサから収集された情報は、2D 60fpsビデオで表示され、計算モジュール2130Aないし2130D上において動作する独自の機械学習ソフトウェアが、ガンマカウントと中性子カウントと弁別区別するために使用される。
【0199】
例えば、人工知能アルゴリズムが、ガンマ粒子背景において、中性子粒子カウントを弁別する。データ処理は、リアルタイムに行われ、高放射線環境における正確な弁別は、(以下でさらに説明されるように)中性子とガンマ粒子の正確な弁別のための人工知能(AI)アルゴリズムを通して、ソフトウェアレベルで達成される。
【0200】
一実施形態においては、指令、制御、および計算モジュールは、すべて、GPU上のファームウェアにプログラムされる。各センサは、一般に、毎秒1MBの情報、近似的に8時間で2TBのデータを送信している。したがって、送信される大量のデータを管理するために、高速GPUが、必要とされる。上で述べられたように、指令、制御、および計算モジュールと関連付けられたデータ分析およびデータストレージ電子機器は、回路の信頼性を保証し、不利な条件からそれらを保護するために、センサからより遠く離して配置される。
【0201】
図21Bは、本発明の実施形態に従った、原子炉の核一次格納容器(PCV)内のロボットから、指令および制御機器を有する安全な部屋に、データが送信される方式を例示する論理図である。
【0202】
上で述べられたように、本発明の実施形態は、有利には、高ガンマ背景下において低中性子束を弁別する能力を組み合わせたセンサシステムを提供する。本発明の実施形態は、燃料デブリ検出という状況におけるいくつかの潜在的な適用例のために使用されることができる。例えば、本発明のセンサシステムは、原子炉のPCV(例えば、
図21Bに示される格納容器2184)、RPV、および抑制室内における炉心デブリをマッピングするために使用されることができる。デブリの除去中、核分裂性物質を非核分裂性物質から選別するために、検出器が、使用されることができる。さらに、検出器は、再臨界監視のために使用されることができる。
【0203】
図21Bに示されるように、本発明の一実施形態においては、(複数のセンサを備える)検出器を装備した自走式ロボット2181は、PCV2184に入り、PCVの(
図11に示された金属格子1140に類似した)金属格子2182上および金属格子2182下方の様々なポイントにおける、ガンマ線量および中性子束の測定を行うようにプログラムされることができる。本発明の中性子センサは、少なくとも1000Gy/時間の環境において、最大で1000Gyの累積放射線量までの被曝を受けながら、使用可能であり続けることができる。本発明の実施形態を使用して、ロボットは、PCV2184の高空間分解能デブリマップを生成し、潜在的に有害な放射線源、例えば、核デブリ2183のロケーションを識別することができる。
【0204】
一実施形態においては、検出器は、円筒ケースを使用して、自走式調査ロボット2184内に設置される。一実施形態においては、センサが、極端な環境、例えば、格納容器2184内に配置されたときでさえも、制御されることができるように、中性子センサも、ロボット2181のケースにおけるように、遠隔操作可能である。
【0205】
図21Bは、指令および制御モジュールが、センサから遠くに配置される必要がある、シナリオの例を提供している。センサまたは(ロボット2181内に装備された)センサにおいて生成されたデータは、MHzからGHzの周波数で動作するデータシリアライザを使用して、直列化されることができる。データを直列化することは、ケーブルの太さが、最小化されること、また(ロボット2181がいくつかのセンサを装備する場合に)いくつかのケーブルが、閉じられた幾何学的領域内に収まることを可能にする。上で述べられたように、データ送信のための選択肢は、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなどを含む。一実施形態においては、幾何学的領域が、極めて細いデータケーブルが必要とされるようなものであり、データが、100メートルを超える長い距離にわたって移動させられなければならない場合、データは、インターネットプロトコルにフォーマットされ、移動させられることができる。
【0206】
図21Bに例示されるシナリオにおいては、センサおよびデータ抽出ロジックは、(
図21Aとの関連においても説明されたように)感受性電子機器から分離される。したがって、指令および制御モジュール2192、計算モジュール2193、およびディスプレイ2194は、すべて、格納容器からかなりの距離にある安全な部屋2185に配置される。安全な部屋は、格納容器から数百メートル離れており、人間の入室について安全であってよい。
図21Bは、単一のセンサモジュール、単一の指令および制御モジュール2193、および単一の計算モジュール2193を有するように例示されているが、並列して動作することができるセンサ、または指令、制御、および計算モジュールの数に制限はないことが、留意されるべきである。
【0207】
図22は、本発明の実施形態に従った、検出器のためのセンサが追加の電子機器から分離される方式を例示している。
図22に示されるように、CMOSセンサ2210、PINセンサ2220、カメラ2230、およびLED照明2240モジュールは、一般に、より耐久性があり、極端な環境に耐えることが可能である。したがって、それらは、プロセッサ2260、コンピュータ2270、および電源2280から分離されることができる。一実施形態においては、データ集約モジュール、例えば、MPU2250は、CMOSおよびPINセンサと同一場所に配置されることができる。例えば、SPUのうちの1つが、MPUまたはデータアグリゲータモジュールであるようにプログラムされる事例においては、それは、他のセンサモジュールと同一場所に配置されることができる。一実施形態においては、データ集約モジュール2250は、指令および制御モジュールに送信されるデータを直列化するデータシリアライザであってもよい。上で述べられたように、本発明の実施形態が、悪環境において使用されている場合、堅牢なケーブル配線または他の方法を使用して、センサおよびカメラを追加の電子機器から分離することが有益である。
【0208】
信頼性を保証するための複数のセンサの使用
一実施形態においては、センサの各々は、指令および制御モジュール(および関連付けられたMPU)を使用して、独立して制御されることができる。センサの各々に対する個別制御は、検出システムにおいて、著しい柔軟性を可能にする。信号が、微弱なとき、すべてのセンサが、オンにされることができる。あるいは、例えば、検出器が、燃料デブリに近接しており、信号レベルが、高い場合、1つを除くすべてのセンサが、オフにされることができる。一実施形態においては、指令および制御モジュールは、検出プロセスのインテグリティを犠牲にすることなく、高信号環境においてオフにされることができるセンサの数を決定するためのロジックを用いるようにプログラムされてよい。言い換えると、指令および制御モジュールは、それが追加のセンサをオフにする前に、それが検出することができる必要がある、粒子のしきい値数または信号のしきい値レベルを有してよい。同様に、信号レベルがあるしきい値を下回った場合、指令および制御モジュールは、強度/感度を高めるために、追加のセンサをオンにするようにプログラムされてよい。
【0209】
一実施形態においては、感知要素は、それらが必要とされるように動作していないために、またはさもなければ劣化したために、オフにされ、または無効化されてよい。これを行う1つの方法は、パターンジェネレータを使用した信号チェックを含む、感知要素チェックを実行することである。それにパターンを返送するように求める信号が、関連付けられた指令および制御モジュールからセンサに送信される。予想されるものからのこのパターンの偏差に基づいて、指令、制御、および計算モジュールは、損傷の程度、および全体的な感知要素の性能を決定することができる。損傷が、あるしきい値を超えた場合、センサは、オフにされる。システムは、複数の冗長センサを有するので、これは、一般に、検出器の全体的な性能に影響しない。
【0210】
一実施形態においては、それの健全性を決定するためにセンサの各々に送信されるパターンは、チェス盤状のパターンである。言い換えると、あらゆる1つおきのピクセルが、刺激される。パターンは、その後、指令および制御モジュールを使用して、読み出される。チェス盤状のパターンからの著しい逸脱が、受信された場合、指令および制御モジュールは、センサが最適に機能していないと決定することができる。
【0211】
指令および制御モジュールは、センサの故障に自動的に対処するためのロジックを用いるようにプログラムされる。例えば、指令および制御モジュールは、シームレスに、故障したセンサをオフラインにし、依然として動作するセンサを待ち行列からアップするようにプログラムされる。
【0212】
1つの適用例においては、例えば、極端な動作環境においては、1000個のセンサのうち、50%よりも多くが、故障していることが保証されることがある。そのような状況においては、指令および制御モジュールは、一度にある量のセンサだけをオンにするようにプログラムされてよい。動作していないセンサは、動作しているセンサよりも長い耐用期間を有することが決定されている。例えば、指令および制御モジュールは、開始するために、100個のセンサをオンにしてよい。不利な条件においては、オンになっているセンサは、故障する可能性がより高い。したがって、それらのセンサが、故障したとき、指令および制御モジュールは、多重化ロジックに、次の100個のセンサをオンにさせ、故障したセンサを非アクティブ化させてよく、センサの任務期間中は、このような方式で続行してよい。
【0213】
上で述べられたように、ピクセルは、極端な環境において劣化する。寄与因子は、温度、放射線、湿度などを含む。一実施形態においては、指令および制御モジュール、または計算モジュールは、ピクセルの劣化について自動的に補正するように構成される。言い換えると、劣化したピクセルは、極端な環境に応答して、それらの電気的特性がどのように変化するかを決定するように特徴付けられてよい。この特徴付けは、その後、指令および制御モジュール(または計算モジュール)が、劣化したピクセルについてリアルタイムに補正することを可能にし、それは、センサが、極端な環境にさらされているにもかかわらず、継続的に動作することを可能にする。
【0214】
以下でさらに説明される
図32および
図34は、信頼性を保証するために、センサが独立に制御されることができる方式に関するさらなる説明を提供する。
【0215】
電力節約および熱管理
一般に、センサは、極端な環境において動作している。これは、CMOSセンサが容易に熱くなるという事実によって、悪化させられる。さらに、CMOSセンサは、温度が上昇するにつれて、ノイズがより大きくなる。センサの個別制御、および冗長性は、ユーザが、選択的なセンサを選択的にオフにすることを可能にし、劇的な放熱を可能にする。一実施形態においては、センサは、熱が増大するのを防ぐために、オンおよびオフのサイクルを繰り返させられることができる。例えば、センサ2110A、2110Bは、オンにされることができ、一方、センサ2110C、2110Dは、オフにされ、その逆にもなる。さらに、一実施形態においては、各センサと関連付けられた指令および制御モジュールは、センサおよびそれの動作温度を追跡し続けてよい。指令および制御モジュールが、許容可能なしきい値を超える温度を感知した場合、それは、自動的にセンサをオフにしてよい。
【0216】
さらに、センサに対する個別制御も、電力節約を強化する。先に述べられたように、低粒子環境において、信号が微弱である場合、すべてのセンサが、オンにされることができる。あるいは、高粒子環境において、信号レベルが高い場合、1つを除くすべて、または数個のセンサが、オフにされることができる。これは、システムが、センサの耐用期間を延ばしながら、熱およびエネルギーを効率的に節約することを可能にする。
【0217】
一実施形態においては、センサは、部分的なシャットダウンを可能にするように構成される。言い換えると、センサは、それらが、部分的にシャットダウンさせられながら、依然として低電力モードで動作することを可能にする、モードを装備する。例えば、低電力モードにおいては、CMOSセンサは、CMOSの最大動作電力の1/1000を消費する。センサは、一般に、オフ状態から起動するために、かなりの時間および電力を利用するので、部分的なシャットダウンモードを有効化することは、必要とされないセンサが、完全にオフにされる代わりに、部分的にシャットダウンされることを可能にする。これらのセンサは、その後、それらがセンサの初期化プロセスを経験することを必要とせずに、容易にオンラインに戻されることができる。
【0218】
以下でさらに説明される
図35は、調整可能な検出器システムにおいて、電力を節約し、熱を管理するための、例示的なプロセスに関するさらなる説明を含む。
【0219】
パターン認識およびソフトウェア抽出
先に言及されたように、いくつかの実施形態においては、いずれのフォールスポジティブも最小化しながら、異なる種類の粒子を弁別するための弁別プロセスが、(例えば、計算モジュール2130Aないし2130D上において)実行されることができる。各亜原子粒子は、それらが生成する強度値、またはそれらがピクセルアレイP1 315のピクセル上に衝突するパターンに関して、特異的であってよい。弁別手順は、すべての粒子の一意的な「シグネチャ」に関する情報を含んでよく、フォールスポジティブが生成されないことを保証するために、これらを使用して粒子を差別する。イオン化放射線依存シグネチャは、コンピュータモジュール2130Aないし2130D上において実行される粒子弁別アルゴリズムの基礎である。
【0220】
例えば、中性子は、ガンマ背景(灰色、黒色)よりも多くのエネルギーを蓄積することが観察され、より高い振幅(白色)パルスという結果となる。本発明の実施形態は、人工知能デジタルパターン認識ソフトウェアを使用して、中性子を弁別および識別し、ならびにカウントするために、振幅、および形状弁別ライブラリを使用する、画像処理手順を(例えば、計算モジュール2130Aないし2130D内に)含む。
【0221】
先に言及されたように、本発明の実施形態は、PINダイオードの耐久性および短い検出時間を、CMOSイメージセンサの優れた粒子弁別と組み合わせることができる。
【0222】
図23Aは、本発明の実施形態に従った、センサレベルの測定フロー図、ならびに中性子カウントおよびガンマカウントが個々のセンサから出力され、処理される方式を例示している。
【0223】
一実施形態においては、PINダイオードセンサからのセンサ情報は、アナログパルスニューラルネットワーク2230を使用して分析され、一方、CMOSセンサ2320からのセンサ情報は、デジタルパターンニューラルネットワーク2340を使用して分析される。中性子カウントおよびガンマカウントは、リアルタイムに決定され、両方の種類のニューラルネットワークから出力され、合計の中性子およびガンマカウントを決定するために、(計算モジュール2130Aないし2130D上にプログラムされてよい)推論モジュール2350を通過させられる。推論モデル2350は、中性子カウントおよびガンマカウントの測定値の統計的確実性もリアルタイムに出力する。
【0224】
図23Bは、本発明の実施形態に従った、センサ情報が2つの異なる種類のニューラルネットワークによって処理および出力される方式を例示するフロー図を例示している。本発明の実施形態は、CMOS画像2321およびPINダイオード電圧信号2322において、ガンマ信号および中性子信号を区別するために使用されるニューラルネットを含む。一実施形態においては、深層完全畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アーキテクチャなどの人工知能(AI)アルゴリズムが、CMOSおよびPINダイオードセンサのデータ処理のために使用されることができる。ニューラルネットは、センサテストおよび特徴付けの間に生成された知られたデータおよび実験データを用いて、事前トレーニングされる。このトレーニングプロセスは、パターン認識を介した高速リアルタイム中性子およびガンマ分類のためのトレーニングされたモデルを提供する。PINダイオード入力信号2322およびCMOS画像2321は、高強度中性子信号を低強度ガンマ背景から分離するために、脱畳み込みが行われる。PINダイオード入力信号2322は、アナログパルスニューラルネットワーク2330から出力2324を生成するために、脱畳み込みが行われ、一方、CMOS入力画像2321は、デジタルパターンニューラルネットワーク2340から出力2323を生成するために、脱畳み込みが行われる。
【0225】
CMOS画像については、デジタルパターンニューラルネットワーク2340は、人工知能手順、例えば、深層CNNなどを、(指令および制御モジュールから60fpsで入力された)CMOS画像2321に適用し、CMOS画像内において中性子パターンを認識するようにトレーニングされたAI手順を使用して、中性子を識別するようにプログラムされる。AI手順は、例えば、中性子を識別するCMOS画像をディスプレイ上に出力するようにプログラムされることができる。同様に、アナログパルスニューラルネットワーク2330は、中性子カウントおよびガンマカウントを決定するために、人工知能手順、例えば、深層CNNなどを、PINダイオードによって生成されたパルスに適用するようにプログラムされる。
【0226】
図24Aは、本発明の実施形態に従った、アナログパルスニューラルネットワークを使用して、中性子がそれから識別されることができる、PINダイオードの例示的な出力を例示している。PINダイオードのコンバータレイヤに吸収された中性子は、イオン化放射線を生成する。センサに入射するイオン化放射線(核反応によるエネルギー放出、アルファおよびベータ粒子、ならびにガンマ光子)の一部は、半導体のアクティブレイヤに吸収される。PINダイオードにおける検出は、PINダイオードのアクティブなピクセルエリアにおいて行われる。PINダイオードは、単一のフォトダイオードである。
【0227】
増幅器は、ダイオードからの信号を数桁高める。振幅および時間に依存する、ダイオードからの信号は、最初に、アナログ弁別器を用いて選別され、次に、アナログ-デジタル(ADC)コンバータに供給される。PINダイオードの読み出しは、一連の時間および振幅依存のパルスという結果となる。
図24Aにおける画像の両方に示されるように、一般に、ガンマ光子は、中性子粒子によって生成されるパルス2420よりも広くて低いパルス2440を生成する。パルスの高さは、各粒子によって蓄積されたエネルギーの量によって決定され、一般に、中性子は、ガンマ粒子よりも多くのエネルギーを蓄積する。増幅されたパルスが、ひとたびアナログ弁別器およびADCを通過すると、指令、制御、および計算モジュール上において動作するソフトウェアは、生のパルスデータをセーブし、その後、それを処理して、最終的に、中性子吸収の結果であるパルスを、ガンマ吸収の結果であるパルスから弁別する。結果のパルス高情報は、中性子カウントおよびガンマカウントを決定するために使用されることもできる。さらに、ガンマカウントおよび中性子カウントが、アナログパルスニューラルネットワーク2330を使用して、ひとたび選別されると、生データは、セーブされ、リアルタイムの正確な粒子カウントのために、推論モデル2350に入力される。
【0228】
一実施形態においては、PINダイオードセンサからの生パルスを識別するために、アナログパルスニューラルネットワークを使用する代わりに、デジタルパターンニューラルネットワークが、
図24Aにおける(オシロスコープから、または他の方法で獲得された)パルスの画像を、ビットマップイメージに変換し、ビットマップイメージから直接的に、中性子関連パルス2420をガンマ関連パルス2440から識別および差別するために、人工知能アルゴリズム、例えば、深層CNNをトレーニングするようにプログラムされてよい。例えば、PINダイオードと関連付けられた指令、制御、および計算モジュールは、PINダイオードセンサによって生成された中性子パルスおよびガンマパルスのビットマップ(または、jpeg、png、rawなどの)イメージを分析し、ビットマップイメージから直接的に中性子を識別するようにプログラムされることができる。
【0229】
図24Bは、本発明の実施形態に従った、CMOSセンサからのセンサ情報を分析するデジタルパターンニューラルネットワークを使用して、中性子がそれから識別されることができる、CMOSセンサの例示的な出力を例示している。上で言及されたように、中性子は、ガンマ背景よりも多くのエネルギーを蓄積することが観察され、より高い振幅(白色)パルスという結果となる。計算モジュール2130Aないし2130D上において動作する画像処理ソフトウェアは、人工知能デジタルパターン認識ソフトウェアを使用して、CMOSセンサによって60fpsで生成されたビットマップイメージから、中性子2444を弁別し、識別し、およびカウントするために、振幅、および形状弁別ライブラリを使用する。
【0230】
一実施形態においては、CMOSピクセルレベルのデータは、読み出され、デジタルパターンニューラルネットワーク2340を使用して、
図24Bに示される1つに類似した、ビットマップイメージにレンダリングされる。高ガンマ背景条件においては、パイルアップを低減させるために、読み出しレートが、高められてよい。中性子カウントおよびガンマカウントは、リアルタイムの正確な粒子カウントのために、推論モデル2350に入力される。
【0231】
先に述べられたように、CMOSベースの放射線センサからの生データは、毎秒約60フレームで、一連の画像の形式で来る。画像は、サイズが6.0μm×6.0μmの36万960個のピクセルを含む。一実施形態においては、各ピクセルは、0ないし255の範囲のデータを記録する。
【0232】
図25Aは、本発明の実施形態に従った、様々なレベルのガンマ放射線に応答した、CMOS放射線センサからの代表的なフレームを例示している。放射線源が存在しない環境(0Gy/時)においては、CMOSベースの放射線センサは、7ないし8の背景ピクセル応答を記録する。したがって、フレーム2510Aは、黒く見える。ガンマ線量率が、(画像2520Aにおいて、0Gy/時から1200Gy/時に)増加するにつれて、全体的な応答が、上昇する。フレームは、より明るく見える。
【0233】
図25Bは、本発明の実施形態に従った、様々なレベルのガンマ放射線に応答した、CMOS放射線センサからのピクセルレベルでの代表的なフレームを例示している。
図25Bは、
図25Aと同じフレームを、ピクセルレベルで例示している。
図25Aと同様に、0Gy/時におけるフレーム2510Bは、黒く見え、一方、1200Gy/時におけるフレーム2510Bは、背景干渉の程度がより高くなって、明るく見える。
【0234】
図25Cは、本発明の実施形態に従った、
図25Aおよび
図25Bからの代表的な画像のヒストグラムを例示している。
図25Aおよび
図25Bの画像に対応するヒストグラムに見られるように、線量率が、0Gy/時における7.95から、1200Gy/時における90.7に増加するにつれて、平均応答は、増加する。また、標準偏差は、低線量率において著しく変化するように見えることが、ヒストグラムから観察される。例えば、0Gy/時における画像の標準偏差は、1未満であり、62Gy/時においては、1桁増加する(6.711)。
【0235】
様々なレベルのガンマ放射線を有する画像から中性子カウントを認識するように、人工知能アルゴリズム、例えば、深層CNNをトレーニングするために、最初に、中性子パターンが、中性子パターンの対称性についての既存の知識、および中性子挙動の基礎となる物理学に基づいて、確立される必要がある。さらに、中性子は、これらのパターンに基づいて、トレーニング画像において、ラベル付けされる必要がある。
【0236】
図26Aは、本発明の実施形態に従った、0Gy/時の背景ガンマ放射線を伴った、8つの明るい中性子カウントの集まりを例示している。
図26の画像は、人工知能ソフトウェアに入力されて、様々なレベルのガンマ放射線を伴った画像から中性子を認識するように、それをトレーニングする、一連のトレーニング画像であってよい。中性子カウント間のパターンにおける質的類似性が、
図26における8つの画像から観察可能である。例えば、すべてのカウントは、ある程度の放射対称性、飽和した中央ピクセル、および中心から徐々に減少するピクセル強度によって特徴付けられる、明るさおよび対称パターンを含む。各カウントは、少なくとも4つの飽和したピクセル2690を含むように見え、飽和したピクセルの強度は、255に等しい。例えば、フレーム2620におけるカウントは、少なくとも6つの飽和したピクセルを含む。
【0237】
図26Bは、少なくとも4つの飽和したピクセルを含むカウントの拡大図を例示している。
図26Bは、ピクセル強度値が重ね書きされた、フレーム2620におけるカウントを例示している。
図26Bに見られるように、フレーム2620におけるカウントは、少なくとも6つの飽和したピクセル2690を含む。
【0238】
飽和したピクセルを含むカウントは、目によって識別するのが容易であり、カウントは、大量のエネルギーを、識別可能なパターンで、CMOSピクセル内に蓄積するので、それらも、著しい量のガンマ放射線の存在下でさえも、ソフトウェアによって識別可能である。
【0239】
中性子が、トレーニング画像において、パターンに基づいて、ひとたびラベル付けされると、ディープラーニング人工ニューラルネットワーク、例えば、深層CNNは、これらのパターンを認識するように、トレーニングされることができる。画像内の中性子を認識するようにトレーニングされることができる他の種類の人工知能アルゴリズムは、例えば、ReLu CNN、カスケードCNN、サポートベクタマシン、ランダムフォレスト、XGブースト、様々な種類のLSTM、回帰型ニューラルネットワーク、畳み込み深層ニューラルネットワーク、およびベイジアン深層ニューラルネットワークを含む。ディープラーニングソフトウェアがトレーニングされた後、ソフトウェアは、以前に中性子が識別された画像の新しいセット上において、テストされることができる。言い換えると、ディープラーニングソフトウェアは、中性子の数およびロケーションが知られた画像上において、テストされることができる。精度が許容可能である場合、新しい画像は、人工ニューラルネットワークに供給されてよい。さもなければ、より多くの画像を用いてトレーニングが行われる。一実施形態においては、ディープラーニングソフトウェアが、フラグを立てたが、フォールスポジティブであった場合、それは、フォールスポジティブという結果となったパターンを認識し、将来それらに対してフラグを立てることを控えるように、再トレーニングされることができる。
【0240】
図27Aは、本発明の実施形態に従った、同じ画像内に中性子シグネチャおよびガンマシグネチャを有する、第1のピクセルレベル画像を例示している。一実施形態においては、本発明の検出器は、単一のフレーム内において、ガンマ放射線および中性子を検出する。中性子シグネチャおよびガンマシグネチャは、物理的な相互作用における大きな相違のせいで、容易に弁別される。中性子シグネチャは、かなりの量のエネルギーをCMOSピクセルに蓄積し、ガンマ相互作用が周囲の画像の明るさを増加させたとしても、それらの異なるサイズおよび形状パターンを保持する。
【0241】
図27Aにおける画像は、近似的に62Gy/時の、相対的に低いレベルの背景ガンマ放射線を含む。したがって、中性子パターン2702は、容易に区別可能である。
図27における画像は、中性子束およびガンマ放射線が存在する環境における、中性子検出の例である。画像は、1つの明るい中性子カウントと、ガンマ光子の明確なシグネチャ2704とを含む。
【0242】
先に言及されたように、中性子は、CMOSピクセルに隣接するコンバータレイヤと相互作用する。中性子とコンバータレイヤとの間の反応は、アルファ粒子およびトリトン、シリコンとの有限な相互作用確率を有するイオン化粒子を生成する。ガンマ光子は、コンプトン散乱を介して、シリコンと直接的に相互作用し、それらのエネルギーの一部を結晶格子内に蓄積する。CMOSアクティブピクセル内における電荷の存在の結果としての電圧の変化が、測定される。
【0243】
本発明の実施形態は、例えば、CMOSセンサを使用して、ガンマ光子を検出するために使用されることもできることが、留意されるべきである。述べられたように、ガンマ光子は、シリコンと相互作用し、明確なガンマシグネチャ2704を有する
図27Aに示されるように、ピクセルを明るくする。
【0244】
図27Aの画像における中性子カウントは、それらが、ある程度の放射対称性、飽和した中央ピクセル、および中心から徐々に減少するピクセル強度を有する、特徴的な明るさおよび対称パターンを含むので、簡単に識別可能である。さらに、隣接するガンマ光子2704のピクセル強度と比較すると、中性子カウントの最大ピクセル強度は、はるかに高い。例えば、
図27Aにおいては、ガンマ光子散乱相互作用によって蓄積される最大ピクセル強度は、87であり、ガンマ飛跡内における6つの最も明るいピクセルについての合計ピクセル強度は、200ないし300である。比較すると、中性子カウントについての最大ピクセル強度は、255(飽和)であり、明るいピクセルを合計すると、3000よりも大きくなる。
【0245】
一実施形態においては、指令および制御モジュールは、センサ内の損傷したピクセルを認識するようにプログラムされることができる。損傷したセンサは、それらが、一般に、長期間にわたって高い強度値にとどまるので、検出されることができる。例えば、損傷したピクセルは、いくつかの連続するフレームにわたって、255の一貫した読み取りを提供することがある。指令および制御モジュールは、センサ内において、あるピクセルを選択的にオフにするようにプログラムされることができる。言い換えると、ソフトウェアレベルにおいては、指令および制御モジュールは、あるピクセルが損傷していることを認識し、それらのピクセルからの出力を無視するようにプログラムされることができる。
【0246】
図27Bは、本発明の実施形態に従った、同じ画像内に中性子シグネチャおよびガンマシグネチャを有する、第2のピクセルレベル画像を例示している。
図27Bに見られるように、中性子カウント2780は、それが、ある程度の放射対称性、飽和した中央ピクセル、および中心から徐々に減少するピクセル強度を有する、特徴的な明るさおよび対称パターンを含むので、簡単に識別可能である。一方、ガンマパターン2750、2730は、ガンマパターンが、より暗く、はるかに低い累積ピクセル強度を有し、いずれの飽和したピクセルも含まず、パターンが、対称的になる傾向がないので、中性子パターンから容易に区別されることができる。非対称パターンは、一般に、中性子に関連しない傾向がある。ピクセルレベルにおけるガンマパターンと中性子パターンとの間の特徴の全くの相違のため、ディープラーニングソフトウェアは、2つの種類のパターンを区別するように容易にトレーニングされることができる。
【0247】
図28は、本発明の実施形態に従った、高ガンマ条件下における中性子カウントを有する、ピクセルレベル画像を例示している。
図28に示されるピクセルレベル画像は、各々、1000Gy/時のガンマ条件下における、明るい中性子カウント2890を含む。
図28に示されるように、1,000Gy/時において、各フレーム内における明るいカウント2890は、62Gy/時ほどには可視でないが、形状(サイズおよび対称性)ならびに強度によって、依然として確実に区別可能である。したがって、ディープラーニングアルゴリズムは、高程度のガンマ放射線、例えば、1200Gy/時を有する画像においてであっても、明るい中性子カウントを認識するように、容易にトレーニングされることができる。
【0248】
図29は、本発明の実施形態に従った、センサ情報から生成された画像内において中性子の存在を検出するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート2900を示している。
【0249】
ステップ2902において、最初に、中性子パターンが、中性子挙動の物理学についての事前知識、および他の情報、例えば、中性子カウントの知られた対称挙動に基づいて、確立される必要がある。
【0250】
ステップ2904において、それらの中に知られた中性子パターンを含むトレーニング画像の集まりが、ラベル付けされる。言い換えると、トレーニング画像内の中性子パターンが、確認され、中性子パターンの一部であるピクセルが、明瞭にラベル付けされる。
【0251】
ステップ2906において、ディープラーニングソフトウェア、例えば、深層CNNが、ラベル付けされたトレーニング画像を使用して、知られたパターンを認識するようにトレーニングされる。
【0252】
ステップ2908において、人工知能ソフトウェアが、中性子の存在または非存在が知られた画像の新しいセット上においてテストされる。例えば、中性子を含むこと、または中性子がないことが知られた、多数の画像が、人工知能ソフトウェアに供給される。
【0253】
ステップ2910において、精度が、あるしきい値を超える場合、ステップ2910において、新しい画像が、ディープラーニングソフトウェアを使用して、テストされる準備ができている。精度が、満足のいくものでない場合、ステップ2912において、ソフトウェアは、さらなる画像を用いて、再トレーニングされる必要がある。
【0254】
先に説明されたように、一実施形態においては、ディープラーニングソフトウェアは、
図21に示されるコンピュータモジュール2130Aないし2130D上において実行されるようにプログラムされることができる。一実施形態においては、人工知能ソフトウェアが、ひとたび中性子を検出すると、センサ番号、フレーム番号、タイムスタンプ、および中性子が検出されたピクセルのx-y座標を正確に識別するために、指令および制御モジュールから受信された情報が、使用されることができる。一実施形態においては、情報は、中性子パターンを含む画像と共に、ユーザが見るためにディスプレイ2150上に表示される。
【0255】
一実施形態においては、計算モジュール上において動作するソフトウェアは、上で説明された三角測量法を使用して、中性子の源を決定するために、様々なセンサ、例えば、
図13に示されるような立方体構成で配置されたすべてのセンサからの中性子検出情報を組み合わせるようにプログラムされることもできる。さらに、上で説明された損傷した原子炉などの適用例においては、(例えば、
図14からの例示的な検出器ユニットを装備した)スキャンを行うために格納ユニット内に送り込まれるロボットは、自律運転モードで動作し、三角測量からの情報を使用して、中性子の源を独立して見つけるようにプログラムされることができる。一実施形態においては、格納ユニット内の中性子の源を独立して見つけるようにロボットを教えるために、機械学習が、使用されることもできる。ロボットは、検出された中性子に基づいて、3Dデブリマップを生成するために、様々なセンサから収集された情報を使用することもできる。
【0256】
図30は、本発明の実施形態に従った、ディープラーニングプロセスを使用して、中性子を検出するために、画像を分析するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート3000を示している。
【0257】
ステップ3002において、入力画像が、複数のフレームまたはパッチに分割される。例えば、センサからキャプチャされた(752×480ピクセルなど)ある寸法の入力画像が与えられると、計算モジュール2130Aないし2130D上において動作するソフトウェアは、最初に、画像を、フレームまたはパッチ(例えば、48×48または96×96ピクセル)に分割する。
【0258】
ステップ3004において、これらのパッチは、順方向パスを用いて、トレーニングされたディープラーニングモデル(例えば、深層CNN)を通過させられる。
【0259】
ステップ3006において、確率値が、ディープラーニングプロセスから受信される。言い換えると、深層CNNからの出力は、各画像ピクセルが中性子である確率である。一実施形態においては、それを超えるとピクセルが中性子ピクセルであると見なされる、事前決定されたしきい値が、使用されることができる。例えば、確率75%の事前決定されたしきい値を超えると、ピクセルは、中性子ピクセルであると見なされることができる。その後、深層CNNが、ピクセルが75%のしきい値確率値を超えることを示した場合、ピクセルは中性子関連のピクセルであると見なされる。
【0260】
ステップ3008において、元の画像寸法に戻すために、画像が継ぎ合わされる。
【0261】
ステップ3010において、継ぎ合わされた画像内に存在する中性子の総数が、各ピクセルに連結された成分を使用して、カウントされる。例えば、
図26A、
図26B、および
図27Aに見られるように、中性子は、飽和したピクセルまたは高強度ピクセルを検討することによってばかりでなく、高強度ピクセルの周囲のピクセルからなるグループを検査することによっても識別される。したがって、中性子を識別するために、確率のしきい値レベルを超えているとして識別されたピクセルに隣接するすべてのピクセルが、検査される。検査される連結成分は、一般に、識別された関心ピクセルに隣接し、それと頂点を共有し、またはそれと共通の境界を共有する。さらに、相対的により高い強度を有し、連結成分として識別された任意のピクセルが、検査されてよい。連結ピクセルとともに、関心ピクセルの特徴を検査することによって、ディープラーニングプロセスは、関心ピクセルおよび連結ピクセルによって形成された累積パターンが、中性子と関連付けられるか、それともガンマと関連付けられるかを決定することができる。
【0262】
ステップ3012において、中性子ロケーションが、バイナリマスクを使用して決定される。バイナリマスクは、ディープラーニングプロセスを通過させられた画像と同じピクセルの数を有する、制御画像である。しかしながら、バイナリマスクにおいては、中性子生成されたパターンのいずれの部分も有さないすべてのピクセルに、ゼロが割り当てられてよく、中性子生成されたパターンのいずれかの部分を有するすべてのピクセルに、1が割り当てられてよい。バイナリマスクは、ひとたび生成されると、それと元の画像との畳み込み(ピクセル毎の乗算)を行うことによって、画像からすべての中性子を抽出するために、使用されることができる。
【0263】
ステップ3014において、画像内におけるガンマ束が、ピクセルの合算を使用して、測定される。
図27Aとの関連で説明されたように、ガンマ放射線が中性子から区別されることができる1つの方法は、ピクセル強度を合算することによってである。ガンマ放射線は、一般に、中性子パターンにおけるよりも低い累積ピクセル強度をパターンにおいて呈する。
図27Aとの関連で説明されたように、ピクセル強度を合算することは、パターンの一部である各ピクセルの強度値を合算することを含む。CMOSセンサ内の各ピクセルは、(8ビットCMOSセンサについては)0から255の範囲、または(10ビットCMOSセンサについては)0から1024の範囲などにわたる強度値を有する。ガンマ放射線が、ピクセルに入射したとき、コンプトン散乱(高エネルギーガンマ光子とシリコンとの相互作用)の結果として、電荷が、生成される。ガンマ線量率は、ピクセル上に蓄積されたエネルギーの程度を測定することによって、確実に測定されることができ、これは、一般に、独立して較正および測定されたガンマ場に応答して、センサが生成するピクセル強度の畳み込みまたは合算に変換されることに留意されたい。
【0264】
緑色光子などの光子を有する可視光は、一般に、シリコン電子を励起させ、伝導帯に対して移動させる。ガンマ光子は、緑色光子よりもはるかに大きいエネルギー、例えば、100万倍超を含む。ガンマ光子が、シリコンCMOSセンサピクセルに入ったとき、それらは、相互作用せずに、通過することがある。しかしながら、それらが、相互作用する場合、それらは、原子自体から電子を追い出す。ガンマ光子は、電子が条件帯を超えて移動し、原子自体から追い出される程度まで、シリコン電子を励起した。これらの高エネルギーの高速電子が、CMOSセンサ上においてガンマ関連のパターンで観察される電荷の原因である。
【0265】
CMOSセンサは、優れた電荷検出デバイスであるので、それは、各ピクセルにおいて生成された電荷を、いくつの電子がピクセルにおいて収集されたかの尺度である「強度」値として登録する。電子が、ピクセルを満たした場合、それらは、拡散によって、隣接するピクセルに溢れ出すことが可能である。シリコンに入射するガンマ光子が多いほど、より多くの電荷が、生成され、そのような相互作用を見るピクセル内において、より大きい強度が、観察される。したがって、ガンマ入射線量のための線形較正レジームを導出することができ、線量は、シリコン内に蓄積されたエネルギーの量である。ガンマパターン内におけるピクセルについてのより高い強度値は、単に、ガンマ放射線のより高い線量を意味する。ガンマパターン内におけるピクセルの強度値から、ガンマ束が、決定されることができる。上で述べられたように、本発明の実施形態は、ガンマ束が1200Gy/時ほどの高さの環境において、中性子を検出することができる。
【0266】
ステップ3016において、バイナリマスクは、中性子強度を決定するために、入力画像と乗算されることもできる。乗算は、単に、2つの画像のピクセル毎の乗算である。言い換えると、それは、2つの行列の要素毎の乗算であり、それの一方は、その中に強度値を有し(元の画像)、他方は、1および0を有する(バイナリマスク)。
【0267】
最後に、ステップ3018において、各入力フレームについての統計が、生成され、後の分析のために使用されるように、ファイル内に書き込まれまる。
【0268】
図31は、本発明の実施形態に従った、中性子粒子の源ロケーションを三角測量するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート3100を示している。
図31は、中性子との関連において説明されるが、検出器のユーザに関心のある任意の粒子の源を三角測量するために、類似の技法が適用されてよいことが、留意されるべきである。
【0269】
ステップ3101において、検出器内の感知要素は、放射線の源を見つけるために、エリアをスキャンするように、様々な異なる方法で幾何学的に構成される。例えば、感知要素またはセンサは、立方体、直方体、球体、二十面体などの周囲に配置されることができる。これらの構成の各々、中性子および他の亜原子粒子を探して、いくつかまたはすべての方向をスキャンしている、複「眼」を連想させる。
【0270】
ステップ3102において、検出器を使用して、調査中のエリアについて、検査が行われる。言い換えると、放射線の源が含まれると疑われるエリア内において、関心粒子を見つけるために、検出器が使用される。
【0271】
ステップ3103において、情報が、検出器内のセンサから抽出され、
図21に示される指令、制御、および計算モジュール内のソフトウェアツールを使用して、分析される。例えば、検出器上への中性子の衝突のパターンが、ソフトウェアによって分析されてよい。例えば、
図12および
図13と関連して上で説明されたように、検出器が、立方体化された検出器である場合、立方体の各面上の各センサ上への中性子衝突のパターンが、分析されてよい。
【0272】
先に言及されたように、立方体の1つの面に入射する中性子は、大部分が、その面上の感知要素によって検出される。感知要素は、ピクセル化されることができ、各ピクセルは、検出要素としての役割を果たすので、感知要素と源との間の角度も、ピクセル内に検出の勾配を生成する。同じ感知要素(例えば、同じSPU)内において、源に最も近いピクセルは、より遠く離れたピクセルよりも多くの中性子を検出する可能性が高い。立方体の各側面上において検出された中性子のカウントおよびプロファイルを使用することによって、立方体の異なる側面上のすべての要素からの結果を三角測量することによって、源のロケーションを決定することが可能になる。
【0273】
したがって、ステップ3104において、検出器の複数の表面上のすべてのセンサからの結果を三角測量することによって、放射線源が、決定されることができる。
【0274】
図32は、本発明の実施形態に従った、信頼性を保証するために、センサを独立して制御するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート3200を示している。
【0275】
ステップ3201において、データが、1つまたは複数の指令および制御モジュール2120Aないし2120Dにおいて、検出器内の複数のセンサから受信される。
【0276】
ステップ3202において、受信されたデータに基づいて、指令および制御モジュールは、検出された環境内における関心粒子の数を決定することができる。例えば、多数の中性子が、原子炉において検出された場合、指令および制御モジュールは、信号レベルが高いと決定することができる。あるいは、指令および制御モジュールは、信号レベルが低いかどうかを決定するために、粒子カウントを使用することもできる。
【0277】
ステップ3203において、信号レベルが高いという決定に応答して、検出器内の1つまたは複数のセンサが、オフにされる。信頼性を保証するために、複数の冗長センサが、検出器において使用されるので、これは、検出器の全体的な性能に影響しない。同様に、ステップ3204において、信号レベルが低いという決定に応答して、以前にオフにされた冗長センサのいくつかが、再びオンに戻されることができる。
【0278】
図33は、本発明の実施形態に従った、粒子検出のために使用される調整可能なセンサから情報を集めるための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート3300を示している。
【0279】
ステップ3301において、情報が、粒子検出に使用される1つまたは複数の調整可能なセンサから抽出される。一実施形態においては、センサは、悪環境にあることができる。ステップ3302において、センサからのデータは、それが、細いケーブル、例えば、直径3mm以下のケーブルを使用して、長い距離にわたって送信されることができるように、直列化される。一実施形態においては、センサからのデータは、送信する前に、センサのID番号およびタイムスタンプを用いて、タグ付けされることもできる。
【0280】
ステップ3303において、データは、MHzないしGHzの周波数で、ケーブル上において送信される。一実施形態においては、細いケーブルは、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、または光ファイバケーブルであることができる。別の実施形態においては、細いケーブルは、それらが悪環境条件に耐えることができることを確実にするために、保護シールドを備える。
【0281】
ステップ3304において、直列化されたデータは、指令および制御モジュール2120Aないし2120Dにおいて受信されることができ、直列化されたデータは、毎秒60フレームのレートで、画像の系列に変換されることができる。
【0282】
最後に、ステップ3305において、計算モジュール2130Aないし2130Dが、関心粒子、例えば、ガンマ光子、中性子などの存在を検出するように、例えば、ディープラーニングプロセスを使用して、画像の系列に対して、粒子弁別手順を実行するために、使用されることができる。
【0283】
図34は、本発明の実施形態に従った、検出器の信頼性を保証し、検出器の動作耐用期間を延ばすために、機能していないセンサを無効化するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート3400を示している。
【0284】
ステップ3401において、パターンが、指令および制御モジュール2120Aないし2120Dから、複数のセンサに送信される。例えば、一実施形態においては、チェス盤パターンが、複数のセンサに送信されることができる。
【0285】
ステップ3402において、複数のセンサの各々から返されたパターンが、指令および制御モジュールにおいて受信される。
【0286】
ステップ3403において、センサモジュールの各々について、受信されたパターンが、検査され、2つの間の偏差を決定するために、送信されたパターンと比較される。
【0287】
ステップ3404において、特定のセンサについて、偏差が事前決定されたしきい値を上回るという決定に応答して、正常に動作していないセンサが、オフラインにされる。言い換えると、指令および制御モジュールは、センサに対する個別制御を有し、正常に動作していないセンサを非アクティブ化することができる。
【0288】
さらに、ステップ3405において、(電力関連または他の理由で)オフにされたが、依然として動作する、以前に非アクティブ化されたセンサが、オフラインにされたセンサに取って代わるために、オンに戻されることができる。
【0289】
図35は、本発明の実施形態に従った、調整可能な検出器システムにおいて電力を節約し、熱を管理するための、例示的なコンピュータ実施されるプロセスのフローチャート3500を示している。
【0290】
ステップ3501において、温度の読み取りが、指令および制御モジュール2120Aないし2120Dにおいて、検出器内部の複数のセンサから受信される。
【0291】
ステップ3502において、指令および制御モジュールは、センサのうちのいずれかの温度が事前決定されたしきい値を超えたかどうかを決定する。
【0292】
ステップ3503において、温度がしきい値を超えたセンサが、部分的なシャットダウンモードに置かれる。部分的なシャットダウンモードが、利用可能でない場合、センサは、完全にシャットオフされる。
【0293】
ステップ3504において、シャットダウンされたセンサは、事前決定された時間の量が経過した後、循環的に再びオンにされる。このようにして、センサからの温度の読み取りに基づいて、必要に応じてセンサを循環的にオンおよびオフにすることによって、電力が節約され、熱が管理される。
【0294】
上述の開示は、具体的なブロック図、フローチャート、および例を使用して、様々な実施形態を説明するが、本明細書において説明および/または例示される、各ブロック図のコンポーネント、フローチャートのステップ、動作、および/またはコンポーネントは、広範なハードウェア、ソフトウェア、もしくはファームウェア(またはそれらの任意の組み合わせ)構成を使用して、個別に、および/または一括して、実施されてよい。加えて、他の多くのアーキテクチャが、同じ機能性を達成するために、実施されることができるので、他のコンポーネント内に含まれるコンポーネントのいかなる開示も、例と見なされるべきである。
【0295】
本明細書において説明および/または例示されるプロセスパラメータおよびステップの順序は、もっぱら例として与えられる。例えば、本明細書において例示および/または説明されるステップは、特定の順序で示され、または説明されてよいが、これらのステップは、必ずしも例示または説明された順序で実行される必要はない。本明細書において説明および/または例示される様々な例示的な方法は、本明細書において説明または例示されるステップのうちの1つもしくは複数を省いてもよく、または、開示されたそれらに加えて、追加のステップを含んでもよい。
【0296】
本明細書においては、完全に機能するコンピューティングシステムという状況において、様々な実施形態が、説明および/または例示されたが、これらの例示的な実施形態のうちの1つまたは複数は、実際に配布を実施するために使用される、特定の種類のコンピュータ可読媒体にかかわりなく、様々な形態のプログラム製品として配布されてよい。本明細書において開示される実施形態は、あるタスクを実行するソフトウェアモジュールを使用して、実施されてもよい。これらのソフトウェアモジュールは、コンピュータ可読記憶媒体上に、またはコンピューティングシステム内に記憶されてよい、スクリプト、バッチ、または他の実行可能ファイルを含んでよい。これらのソフトウェアモジュールは、本明細書において開示される例示的な実施形態のうちの1つまたは複数を実行するように、コンピューティングシステムを構成してよい。本明細書で開示されるソフトウェアモジュールのうちの1つまたは複数は、クラウドコンピューティング環境において実施されてよい。クラウドコンピューティング環境は、インターネットを介して、様々なサービスおよびアプリケーションを提供してよい。これらのクラウドベースのサービス(例えば、サービスとしてのソフトウェア、サービスとしてのプラットフォーム、サービスとしてのインフラストラクチャなど)は、Webブラウザまたは他のリモートインターフェースを通してアクセス可能であってよい。本明細書において説明される様々な機能は、リモートデスクトップ環境または他の任意のクラウドベースのコンピューティング環境を通して提供されてよい。
【0297】
上述の説明は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して説明された。しかしながら、上述の例示的な説明は、網羅的であること、または本発明を開示された通りの形態に限定することを意図されていない。上述の教示を考慮して、多くの変更および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびそれの実際の適用例を最もよく説明し、それによって、企図される特定の使用に適してよいように様々な変更を施された、本発明および様々な実施形態を、当業者が最もよく利用することを可能にするように、選択および説明された。
【0298】
本発明に従った実施形態は、このように、説明される。本開示は、特定の実施形態において説明されたが、本発明は、そのような実施形態によって限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲に従って解釈されるべきであることが、理解されるべきである。