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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027142
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20230221BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20230221BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20230221BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20230221BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230221BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20230221BHJP
   F24D 15/00 20220101ALI20230221BHJP
   F24H 15/156 20220101ALI20230221BHJP
   F24H 15/281 20220101ALI20230221BHJP
   F24H 15/355 20220101ALI20230221BHJP
   F24H 15/269 20220101ALI20230221BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20230221BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230221BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20230221BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F11/56
F24F11/61
F24F11/63
F24F7/007 B
F24F7/06 B
F24D15/00 B
F24H15/156
F24H15/281
F24H15/355
F24H15/269
F24H15/45 101
H04Q9/00 301A
F24F140:00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190580
(22)【出願日】2022-11-29
(62)【分割の表示】P 2018128627の分割
【原出願日】2018-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 要
(72)【発明者】
【氏名】七搦 寛
(72)【発明者】
【氏名】松本 健志
(72)【発明者】
【氏名】草場 勇介
(57)【要約】
【課題】機能ユニットの無駄な電力消費を抑制でき、かつ、使用者にとって使い勝手のよい浴室システムを提供することを目的とする。
【解決手段】浴室及び洗面所の少なくともいずれかに設けられる複数の機能ユニットと、複数の機能ユニットを動作させるリモコンと、を備え、複数の機能ユニットは、リモコンと有線接続され、リモコンに電源を供給するメイン機能ユニットと、メイン機能ユニットと異なる箇所から電源が供給されるサブ機能ユニットと、を有し、サブ機能ユニットは、リモコンの運転開始信号に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転のみを実行することを特徴とする浴室システムが提供される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室及び洗面所の少なくともいずれかに設けられる複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットを動作させるリモコンと、を備え、
前記複数の機能ユニットは、前記リモコンと有線接続され、前記リモコンに電源を供給するメイン機能ユニットと、
前記メイン機能ユニットと異なる箇所から電源が供給されるサブ機能ユニットと、を有し、
前記サブ機能ユニットは、前記リモコンの運転開始信号に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転のみを実行することを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記サブ機能ユニットは、前記自動停止運転を実行中に、前記リモコンからの制御信号を受信すると、前記所定時間のカウントをリセットすることを特徴とする請求項1記載の浴室システム。
【請求項3】
前記サブ機能ユニットは、暖房機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の浴室システム。
【請求項4】
前記サブ機能ユニットは、掃除機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴室システム。
【請求項5】
前記サブ機能ユニットは、換気機能を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室や洗面所等で使用される複数の機能ユニットを1つの共通のリモコンで操作可能なように構成された浴室システムが知られている。(特許文献1)
これにより、複数の機能ユニットに対して、それぞれリモコンを設けることが不要となり、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-374222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような浴室システムでは、リモコンは、所定の機能ユニットと有線接続され、その有線接続された所定の機能ユニットから電源が供給されるようになっている。
しかしながら、例えば、リモコンへ電源供給する所定の機能ユニットのブレーカが落ち、リモコンへの電源供給が断たれると、リモコンが操作不能となる。その場合、使用者は、リモコンを使い、所定の機能ユニット以外の動作中の機能ユニットを停止させることができず、無駄な電力が消費される恐れがある。
この問題を解決するため、使用者が停止させたい機能ユニットを直接操作し、機能ユニットの動作を停止させることも考えられる。しかし、機能ユニットは、浴室や洗面所等の天井及び天井付近の壁面に設置される。そのため、使用者が機能ユニットを直接操作することは、使用者にとって大きな負荷になる恐れがある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、機能ユニットの無駄な電力消費を抑制でき、かつ、使用者にとって使い勝手のよい浴室システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、浴室及び洗面所の少なくともいずれかに設けられる複数の機能ユニットと、前記複数の機能ユニットを動作させるリモコンと、を備え、前記複数の機能ユニットは、前記リモコンと有線接続され、前記リモコンに電源を供給するメイン機能ユニットと、前記メイン機能ユニットと異なる箇所から電源が供給されるサブ機能ユニットと、を有し、前記サブ機能ユニットは、前記リモコンの運転開始信号に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転のみを実行することを特徴とする浴室システムである。
【0007】
この浴室システムによれば、例えば、メイン機能ユニットのブレーカが落ち、リモコンが操作不能になった場合であっても、サブ機能ユニットは動作開始から所定時間後に必ず停止するため、無駄な電力消費を抑制することができる。
また、リモコンが操作不能になった場合に、サブ機能ユニットを停止させるために、使用者が、浴室または洗面所に設けられたサブ機能ユニットを直接操作する必要もないため、使用者にとって使い勝手がよい。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記サブ機能ユニットは、前記自動停止運転を実行中に、前記リモコンからの制御信号を受信すると、前記所定時間のカウントをリセットすることを特徴とする浴室システムである。
【0009】
この浴室システムによれば、例えば、使用者がサブ機能ユニットの運転開始後に、設定変更等を行った場合、所定時間のカウントがリセットされ、カウントが再開される。そのため、使用者による設定変更の後、使用者の意図に反して、直ぐにサブ機能ユニットの動作が停止してしまうことを抑制することができ、使用者にとって使い勝手がよい。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記サブ機能ユニットは、暖房機能を有することを特徴とする浴室システムである。
【0011】
この浴室システムによれば、暖房機能は消費電力が大きい。そのため、動作開始から所定時間後に必ず停止することで、大幅な消費電力の抑制を実現できる。
【0012】
第4の発明は、第1乃至第3いずれかの発明において、前記サブ機能ユニットは、掃除機能を有することを特徴とする浴室システムである。
【0013】
この浴室システムによれば、掃除機能が動作開始から所定時間後に必ず停止するため、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0014】
第5の発明は、第1乃至第4いずれかの発明において、前記サブ機能ユニットは、換気機能を有することを特徴とする浴室システムである。
【0015】
この浴室システムによれば、換気機能は、長時間動作させることが多く、使用者は停止操作を忘れやすい。使用者が停止操作を忘れた場合であっても、サブ機能ユニットは、所定時間後に停止するため、必要以上に換気動作が継続せず、使用者にとって使い勝手がよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の態様によれば、機能ユニットの無駄な電力消費を抑制でき、かつ、使用者にとって使い勝手のよい浴室システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る浴室システムを例示する斜視図である。
図2】実施形態に係る通信ハブを例示する斜視図である。
図3】実施形態に係る浴室システムを例示するブロック図である。
図4】実施形態に係る浴室システムを例示するブロック図である。
図5】実施形態に係るサブ機能ユニットの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴室システムを例示する斜視図である。
図1に示すように、実施形態に係る浴室システム10は、第1~第4機能ユニット21~24と、リモコン30と、通信ハブ40と、第1配線51~54と、第2配線60と、を有する。
【0019】
浴室システム10は、例えば、浴室100及び洗面所110に設けられる。浴室100は、建築の浴室部105に設けられる。浴室100は、例えば、浴槽、洗い場床、壁パネル、及び天井パネルなどをユニット化した、いわゆるユニットバスやシステムバスである。浴室100の天井には、天井裏102に通じる点検口104が設けられている。洗面所110は、浴室部105に隣接する建築の洗面室部115に設けられる。洗面所110は、例えば、脱衣所であってもよい。
なお、第1機能ユニット21には、ブレーカ(不図示)から電源が供給されており、第2~第4機能ユニット22~24には、第1機能ユニット21とは異なるブレーカ(不図示)から電源が供給されている。
【0020】
第1~第4機能ユニット21~24は、それぞれ、浴室100及び洗面所110の少なくともいずれかに設けられる。第1~第4機能ユニット21~24は、例えば、浴室用の空調機器、浴槽掃除機器、浴室用の床掃除機器、洗面所用の空調機器、給湯器、浴槽の排水栓、浴室の照明、マッサージ機器、及び吐水装置などを含む。この例では、第1機能ユニット21は、浴室用の空調機器である。第2機能ユニット22は、浴槽掃除機器である。第3機能ユニット23は、浴室用の床掃除機器である。第4機能ユニット24は、洗面所用の空調機器である。
【0021】
浴室用の空調機器は、例えば、浴室100の天井に設けられる。浴室用の空調機器は、例えば、温風を吹き出して浴室100内を暖める暖房機能、風(例えば温風)を吹き出して浴室100内に吊るされた衣類等を乾燥させる乾燥機能、及び浴室100内を換気する換気機能の少なくともいずれかを有する。浴室用の空調機器は、例えば浴室換気暖房乾燥機である。浴室用の空調機器は、換気扇でもよい。
【0022】
浴槽掃除機器は、例えば、浴室100の内部に設けられた浴槽(不図示)内に設けられる。浴槽掃除機器は、例えば、浴槽の内壁に洗剤や水(湯)を散布する機器である。浴室用の床掃除機器は、例えば、浴室100の床(洗い場)に水や除菌水等を散布する機器である。
【0023】
洗面所用の空調機器は、例えば、洗面所110の壁面の上部に設けられる。洗面所用の空調機器は、例えば、温風を吹き出して洗面所110内を暖める暖房機能を有する。洗面所用の空調機器は、換気扇でもよい。
【0024】
給湯器は、例えば浴室100の外部に設けられ、浴槽や浴室100内の水栓装置に湯を供給する。排水栓は、浴槽に設けられる。排水栓が開くことで、浴槽内の水や湯が排出される。照明は、浴室100の例えば天井等に設けられる照明である。マッサージ機器は、例えば浴槽に設けられ、浴槽内の水(湯)に泡を発生させる気泡発生装置である。または、マッサージ機器は、浴槽内に水流を発生させる水流発生装置である。吐水装置は、例えば、浴槽内の使用者の肩に向けて湯を吐出する肩湯である。
【0025】
第1~第4機能ユニット21~24は、それぞれ、第1~第4機能ユニット21~24の動作を制御するための第1~第4制御部21a~24aを有する。この例では、第1~第3制御部21a~23aは、それぞれ、浴室100の天井裏102に設けられている。
第4制御部24aは、洗面所110の壁面の上部に設けられた第4機能ユニット24(洗面所用の空調機器)の筐体の内部に設けられている。なお、図1では、第1~第3機能ユニット21~23の位置を、第1~第3制御部21a~23aで示しているが、第1~第3機能ユニット21~23の動作する本体は、浴室100内に設けられてもよい。
【0026】
リモコン30は、第1~第4機能ユニット21~24を動作させるリモコンである。リモコン30は、例えば、洗面所110(脱衣所)の壁面に設けられる。リモコン30は、通信ハブ40を介して、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aと接続されている。使用者は、リモコン30を操作することにより、第1~第4機能ユニット21~24の動作を操作することができる。
【0027】
リモコン30は、例えば、操作部32と、制御部34と、表示部36と、を有する。制御部34は、操作部32及び表示部36と接続されている。操作部32は、例えば、使用者が操作可能なボタンなどである。制御部34は、操作部32における使用者の操作に応じて、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aに制御信号を送信する。表示部36は、例えば、制御部34からの信号に応じて、第1~第4機能ユニット21~24の動作状態などを表示する。なお、表示部36は、LEDの点灯及び消灯などで第1~第4機能ユニット21~24の動作状態などを表示してもよいし、液晶画面などに第1~第4機能ユニット21~24の動作状態などを表示してもよい。
【0028】
通信ハブ40は、第1~第4機能ユニット21~24とリモコン30との間に設けられる。この例では、通信ハブ40は、浴室100の天井裏102に設けられている。通信ハブ40は、第1制御部21a、第2制御部21b、及び第3制御部21cよりも天井裏102の中央側に設けられている。
【0029】
第1配線51~54は、それぞれ、第1~第4機能ユニット21~24と通信ハブ40とを接続する。より具体的には、第1配線51~54は、それぞれ、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aと通信ハブ40とを接続する。つまり、第1配線51~54の一端は、それぞれ、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aに接続される。第1配線51~54の他端は、それぞれ、通信ハブ40に接続される。第1配線51~54は、浴室100の天井裏102において、互いに重ならないように配置される。また、第1配線51~54は、第2配線60と重ならないように配置される。
【0030】
第2配線60は、通信ハブ40とリモコン30とを接続する。より具体的には、第2配線60は、通信ハブ40とリモコン30の制御部34とを接続する。つまり、第2配線60の一端は、通信ハブ40に接続される。第2配線60の他端は、リモコン30の制御部34に接続される。第2配線60は、浴室100の天井裏102から、浴室100と浴室部105との間を通って、リモコン30の背面側(洗面所110の壁の裏側)からリモコン30に接続される。第2配線60は、浴室100の天井裏102において、第1配線51~54と重ならないように配置される。
【0031】
図2は、実施形態に係る通信ハブを例示する斜視図である。
図2に示すように、通信ハブ40は、ケース46と、第1接続コネクタ部41~44と、第2接続コネクタ部45と、を有する。
【0032】
ケース46は、通信ハブ40の筐体である。ケース46は、例えば、略直方体状である。通信ハブ40は、例えば、ケース46の下面を浴室100の天井裏102に向けて配置される。ケース46の下面は、例えば、天井裏102に固定される。
【0033】
第1接続コネクタ部41~44は、第1配線51~54を接続するための接続部である。換言すれば、第1接続コネクタ部41~44は、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aと通信ハブ40とを接続するための接続部である。第1接続コネクタ部41~44は、例えば、ケース46の上面及び4つの側面のうちいずれかの面に設けられる。この例では、第1接続コネクタ部41~44は、ケース46の側面の1つに設けられている。
【0034】
第1接続コネクタ部41~44のそれぞれは、図1に示すように、例えば、浴室100の天井に設けられた点検口104に向けて設けられる。換言すれば、通信ハブ40は、第1接続コネクタ部41~44が点検口104に向くように浴室100の天井裏102に配置される。
【0035】
また、通信ハブ40は、第1接続コネクタ部41と他の第1接続コネクタ部42~44とを区別可能にしている。通信ハブ40は、例えば、第1接続コネクタ部41と他の第1接続コネクタ部42~44とを区別可能にする標識部47を有する。標識部47は、例えば、ケース46に表示される文字やイラストなどである。標識部47は、第1接続コネクタ部41の色が他の第1接続コネクタ部42~44の色と異なっていることを含む。なお、通信ハブ40には、第1接続コネクタ部41~44のそれぞれを区別可能な標識部47が設けられていてもよい。
【0036】
第2接続コネクタ部45は、第2配線60を接続するための接続部である。換言すれば、第2接続コネクタ部45は、リモコン30と通信ハブ40とを接続するための接続部である。第2接続コネクタ部45は、例えば、ケース46の上面及び4つの側面のうちいずれかの面に設けられる。この例では、第2接続コネクタ部45は、ケース46の側面の1つに設けられている。また、この例では、第2接続コネクタ部45は、第1接続コネクタ部41~44が設けられた面と同じ面に設けられている。つまり、第2接続コネクタ部45は、第1接続コネクタ部41~44と同じ方向に向けて設けられている。
【0037】
また、この例では、第2接続コネクタ部45は、横方向に一列に並ぶように配置された第1接続コネクタ部41~44に並ぶように配置されている。第2接続コネクタ部45の配置は、これに限定されず、任意の配置とすることができる。なお、通信ハブ40には、第2接続コネクタ部45と第1接続コネクタ部41~44とを区別可能な標識部が設けられていてもよい。また、第2接続コネクタ部45の形状を第1接続コネクタ部41~44の形状と異なるものにすることで、第2接続コネクタ部45と第1接続コネクタ部41~44とを区別することもできる。
【0038】
なお、第1接続コネクタ部及び第2接続コネクタ部の数は、それぞれ、任意の数とすることができる。第1接続コネクタ部の数は、接続する機能ユニットの数に応じて適宜選択すればよい。第2接続コネクタ部の数は、例えば、1つである。
【0039】
図3は、実施形態に係る浴室システムを例示するブロック図である。
図3に示すように、第1~第4機能ユニット21~24は、通信ハブ40を介して、リモコン30と接続されている。より具体的には、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aは、それぞれ、第1配線51~54を介して、通信ハブ40の第1接続コネクタ部41~44に接続されている。そして、リモコン30の制御部34は、第2配線60を介して、通信ハブ40の第2接続コネクタ部45に接続されている。
【0040】
リモコン30の制御部34は、リモコン30の操作部32及び表示部36と接続されている。使用者がリモコン30の操作部32を操作すると、リモコン30の制御部34から、第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aに対して、信号S1が送信される。信号S1は、第1~第4制御部21a~24aの少なくともいずれかに対する制御信号を含む。信号S1は、共通制御信号である。
【0041】
信号S1は、通信ハブ40を通じて、第1~第4制御部21a~24aのそれぞれに送信される。換言すれば、例えば、第1制御部21aに対する制御信号(第1機能ユニット21を動作させるための制御信号)が、第1制御部21aだけでなく、第2~第4制御部22a~24aにも送信される。第1~第4制御部21a~24aのそれぞれは、信号S1に応じて、第1~第4機能ユニット21~24の動作を制御する。
【0042】
このとき、例えば、第1~第4制御部21a~24aのそれぞれは、信号S1に自身が制御する機能ユニットを動作させるための制御信号が含まれるか否かを判断する。例えば、信号S1が第1制御部21aに対する制御信号である場合、第1制御部21aは、信号S1に第1機能ユニット21を動作させるための制御信号が含まれると判断し、第1機能ユニット21を動作させる。一方、第2~第4制御部22a~24aは、信号S1に第2~第4機能ユニット22~24を動作させるための制御信号が含まれないと判断し、第2~第4機能ユニット22~24を動作させない。
【0043】
また、第1~第4制御部21a~24aのそれぞれは、例えば、信号S1を受け取った後、リモコン30の制御部34に対して、信号S2を送信する。信号S2は、例えば、第1~第4機能ユニット21~24の少なくともいずれかの動作状態についての信号を含む。
【0044】
信号S2は、通信ハブ40を通じて、リモコン30の制御部34に送信される。このとき、例えば、第1制御部21aからの信号S2(第1機能ユニット21の動作状態についての信号)が、リモコン30の制御部34だけでなく、第2~第4制御部22a~24aにも送信される。リモコン30の制御部34は、例えば、信号S2に応じて、リモコン30の表示部36に第1機能ユニット21の動作状態を表示する。
【0045】
このように、通信ハブ40は、リモコン30の制御部34と第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aとを接続し、リモコン30の制御部34と第1~第4機能ユニット21~24の第1~第4制御部21a~24aとの間の信号S1及びS2による通信を仲介する。一方で、通信ハブ40は、例えば、リモコン30の制御部34及び第1~第4制御部21a~24aの制御には関与しない。
【0046】
なお、第1配線51~54の少なくとも1つの長さD1は、例えば、第2配線60の長さD2よりも短い。
【0047】
図4は、実施形態に係る浴室システムを例示するブロック図である。
図4に示すように、第1~第4制御部21a~24aと通信ハブ40とを接続する第1配線51~54、及び通信ハブ40とリモコン30の制御部34とを接続する第2配線60は、3芯のケーブルである。3芯のケーブルは、例えば、2本の電源線70a及び70bと、1本の信号線72と、を有する。例えば、電源線70aは、高電位側であり、電源線70bは、低電位側(例えば、グランド)である。
【0048】
第1~第4機能ユニット21~24の1つは、通信ハブ40を通じて、リモコン30に電源を供給可能である。この例では、第1機能ユニット21が、通信ハブ40を通じて、リモコン30に電源を供給している。第1機能ユニット21とリモコン30とは、導通されている。これにより、第1機能ユニット21からリモコン30に、例えば、DC12Vの電源が供給される。
【0049】
一方、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30とは、電気的に絶縁されている。より具体的には、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30との間には、絶縁部48a~48cが設けられている。絶縁部48a~48cは、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30とを電気的に絶縁した状態で、信号S1及び信号S2の送受信が可能に構成される。
【0050】
絶縁部48a~48cは、例えば、フォトカプラを有する。この例では、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30との間で双方向に通信するために、絶縁部48a~48cは、それぞれ2組のフォトカプラを有する。2組のフォトカプラのうちリモコン30側の発光素子及び受光素子には、第1配線51を介して、第1機能ユニット21から電源が供給される。2組のフォトカプラのうち第2~第4機能ユニット22~24側の発光素子及び受光素子には、第1配線52~54を介して、第2~第4機能ユニット22~24から電源が供給される。これらにより、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30とを電気的に絶縁した状態で、信号S1及び信号S2の送受信をすることができる。
【0051】
なお、本実施形態において、通信ハブ40を介して、第1~第4機能ユニット21~24と、リモコン30とが、第1配線51~54及び第2配線60で接続されているが、通信ハブ40を介さず、第1~第4機能ユニット21~24とリモコン30とを配線で接続するようにしてもよい。
この場合も、第1機能ユニット21とリモコン30とを導通した状態で、信号S1及び信号S2の送受信が可能に構成される。一方、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30とを電気的に絶縁した状態で、信号S1及び信号S2の送受信が可能に構成される。
【0052】
ここで、本実施形態において、第1機能ユニット21がメイン機能ユニットであり、第2~第4機能ユニット22~24がサブ機能ユニットである。
第2~第4機能ユニット22~24の第2~第4制御部22a~24aは、リモコン30より機能ユニットを動作開始させるための制御信号(運転開始信号)を受信した際、リモコン30の機能ユニットを動作開始させるための制御信号(運転開始信号)に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転のみを実行する。つまり、第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)は、運転中に、リモコン30より機能ユニットを動作停止させるための制御信号(運転停止信号)の受信の有無にかかわらず、動作開始から所定時間経過後に必ず停止する。制御の詳細については、後述する。
【0053】
次に、図5を用いて、サブ機能ユニットの動作を示す。
図5は、サブ機能ユニットの動作を示すフローチャートである。
なお、図5において、リモコン30に電源を供給していない第4機能ユニット24の動作を示すが、リモコン30に電源を供給していない第2機能ユニット22及び第3機能ユニット23も同様の動作を実行する。
【0054】
まず、処理D1において、リモコン30から運転開始信号を受信すると、第4制御部24aは、第4機能ユニット24の動作を開始させる。そして、処理D2において、第4制御部24aは、第4機能ユニット24の動作開始からの時間tの計測を開始し、処理D3に進む。
【0055】
次に、処理D3では、第4制御部24aは、動作開始後のリモコン30から第4機能ユニット24を動作させるための制御信号の受信の有無を判断する。
【0056】
処理D3において、リモコン30から第4機能ユニット24を動作させるための制御信号を受信した場合(処理D3、Yes)、第4制御部24aは、処理D4にて、時間tをリセットし、時間tを改めて計測開始する。そして、第4制御部24aは、処理D4の実行後、処理D3に戻る。
【0057】
一方、処理D3において、リモコン30から第4機能ユニット24を動作させるための制御信号を受信していない場合(処理D3、Nо)、第4制御部24aは、処理D5にて、第4機能ユニット24が動作開始から所定時間経過したかを確認するため、時間tと規定時間Tを比較する。
なお、規定時間Tは2から3時間で設定され、第4制御部24aに記憶されている。
【0058】
処理D5において、時間t≧規定時間Tの場合(処理D5、Yes)、第4制御部24aは、処理D6の処理を実行する。
一方、処理D5において、時間t<規定時間Tの場合(処理D5、Nо)、第4制御部24aは、処理D3に戻り、処理を実行する。
【0059】
処理D6では、第4制御部24aは、第4機能ユニット24で動作を停止させる。そして、処理D7に進み、第4制御部24aでの自動停止運転の動作処理が終了する。
【0060】
このように、第4機能ユニット24は、リモコン30の運転開始信号に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転のみを実行する。
なお、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転は、運転開始から所定の一連の動作が終了すると自動で運転が停止するようなものであってもよい。
【0061】
以上、説明したように、実施形態においては、第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)は、リモコン30の運転開始信号に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に停止する自動停止運転のみを実行する。これにより、例えば、第1機能ユニット21(メイン機能ユニット)のブレーカが落ち、リモコンが操作不能になった場合であっても、第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)は動作開始から所定時間後に必ず停止するため、無駄な電力消費を抑制することができる。
また、リモコン30が操作不能になった場合に、第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)を停止させるために、使用者が、浴室または洗面所に設けられた第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)を直接操作する必要もないため、使用者にとって使い勝手がよい。
【0062】
また、実施形態においては、第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)は、自動停止運転を実行中に、リモコン30からの制御信号を受信すると、所定時間のカウントをリセットする。これにより、例えば、運転開始後に、使用者が第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)の設定変更等を行った場合、所定時間のカウントがリセットされ、カウントが再開される。そのため、使用者による設定変更の後、使用者の意図に反して、直ぐに第2~第4機能ユニット22~24(サブ機能ユニット)の動作が停止してしまうことを抑制することができ、使用者にとって使い勝手がよい。
【0063】
また、実施形態においては、第4機能ユニット24(サブ機能ユニット)は、暖房機能を有する。これによれば、暖房機能は消費電力が大きい。そのため、動作開始から所定時間後に必ず停止することで、大幅な消費電力の抑制を実現できる。
【0064】
また、実施形態においては、第2機能ユニット22(サブ機能ユニット)は、掃除機能を有する。これにより、掃除機能が動作開始から所定時間後に必ず停止するため、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0065】
なお、本実施形態において、第2~第4機能ユニット22~24のいずれかからリモコン30に、例えば、DC12Vの電源が供給され、第1機能ユニット21及び残りの、第2~第4機能ユニット22~24とリモコン30とは、電気的に絶縁されるようにしてもよい。
その場合、リモコン30にDC12Vの電源を供給する第2~第4機能ユニット22~24のいずれかがメイン機能ユニットであり、第1機能ユニット21及び残りの、第2~第4機能ユニット22~24がサブ機能ユニットとなる。
ここで、換気機能は、長時間動作させることが多く、使用者は停止操作を忘れやすい。
第1機能ユニット21(サブ機能ユニット)が浴室用の空調機器であり、浴室100内を換気する換気機能を有する場合、使用者が停止操作を忘れた場合であっても、第1機能ユニット21(サブ機能ユニット)は、所定時間後に停止するため、必要以上に換気機能が継続せず、使用者にとって使い勝手がよい。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴室システムなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0067】
10、11 浴室システム、 21~24 第1~第4機能ユニット、 21a~24a第1~第4制御部、 30 リモコン、 32 操作部、 34 制御部、 36 表示部、 40 通信ハブ、 41~44 第1接続コネクタ部、 45 第2接続コネクタ部、 46 ケース、 47 標識部、 48a~48c 絶縁部、 51~54 第1配線、 60 第2配線、 70a、70b 電源線、 72 信号線、 100 浴室、 102天井裏、 104 点検口、 105 浴室部、 110 洗面所、 115 洗面室部、 D1、D2 長さ、 S1、S2 信号
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室及び洗面所の少なくともいずれかに設けられる複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットを動作させるリモコンと、を備え、
前記複数の機能ユニットは、前記リモコンと有線接続され、前記リモコンに電源を供給するメイン機能ユニットと、
前記メイン機能ユニットと異なる箇所から電源が供給されるサブ機能ユニットと、を有し、
前記サブ機能ユニットは、前記リモコンと異なる箇所から電源が供給されるとともに、前記リモコンの運転開始信号に基づいて動作を開始し、動作開始から所定時間経過後に、前記リモコンからの運転停止信号の有無にかかわらず、停止する自動停止運転のみを実行することを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記サブ機能ユニットは、前記自動停止運転を実行中に、前記リモコンからの制御信号を受信すると、前記所定時間のカウントをリセットすることを特徴とする請求項1記載の浴室システム。
【請求項3】
前記サブ機能ユニットは、暖房機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の浴室システム。
【請求項4】
前記サブ機能ユニットは、掃除機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴室システム。
【請求項5】
前記サブ機能ユニットは、換気機能を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴室システム。