(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027158
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】混練要素用の収容領域を備え、ハウジングの内周面上に前記収容領域を不均一に分散配置している混合・混練機
(51)【国際特許分類】
B01F 31/40 20220101AFI20230221BHJP
B01F 27/1144 20220101ALI20230221BHJP
B01F 27/191 20220101ALI20230221BHJP
B01F 27/724 20220101ALI20230221BHJP
B01F 27/63 20220101ALI20230221BHJP
B01F 35/53 20220101ALI20230221BHJP
B01F 27/192 20220101ALI20230221BHJP
B29B 7/42 20060101ALI20230221BHJP
B01F 101/06 20220101ALN20230221BHJP
【FI】
B01F31/40
B01F27/1144
B01F27/191
B01F27/724
B01F27/63
B01F35/53
B01F27/192
B29B7/42
B01F101:06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193180
(22)【出願日】2022-12-02
(62)【分割の表示】P 2020521603の分割
【原出願日】2018-10-05
(31)【優先権主張番号】17196908.2
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18152448.9
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】507040264
【氏名又は名称】ブス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】シェッツァウ, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター, ヴォルフガング
(57)【要約】 (修正有)
【課題】材料の均質化のために、混練要素の数および配置を考慮して容易に適合させることができる混合・混練機を提供する。
【解決手段】ウォームシャフト12をハウジング10内で回転かつ往復並進運動させ、混練要素24の収容領域を不均一に分散配置している混合・混練機であって、混練要素用レセプタクル28をハウジング10の内周面上に設け、混練要素24をナットでハウジング10の外周面に固定している混合・混練機である。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-自身(10)の内周面によって制限されている中空内部(18)が形成されたハウジング(10)と、
-少なくとも一部のセクションで、前記中空内部(18)を通って軸方向に延在しているウォームシャフト(12)であって、前記ウォームシャフト(12)は、前記内部(18)での動作中に回転し、また同時に軸方向に往復並進運動している、ウォームシャフト(12)と、
-少なくとも一部のセクションで前記ハウジング(10)の内周面から前記ハウジング(10)内へと延在している、前記ハウジング(10)に設けられた少なくとも6つの混練要素(24)用レセプタクル(28)であって、前記レセプタクル(28)を前記ハウジング(10)の内周面上で、前記ハウジング(10)の内周面の少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在している少なくとも2列(29、29’、29’’)にわたって配置し、少なくとも2列、そして好ましくはこれら少なくとも2列(29、29’、29’’)すべてがそれぞれ、少なくとも3つの混練要素(24)用レセプタクル(28)を含む、レセプタクル(28)とを備え、
-前記ウォームシャフト(12)は1つのシャフトバー(20)を、少なくとも2つのブレード要素(22)が前記シャフトバー(20)から前記ハウジング(10)の内周面方向へと半径方向外向きに延在するように配置された円周面上に含む、連続処理式混合・混練機(100)において、
前記少なくとも2列の混練要素(24)用レセプタクル(28)を、前記ハウジング(10)の断面から見て、前記ハウジング(10)の内周面によって画定されている円周上に不均一に分散配置していることを特徴とする、
連続処理式混合・混練機(100)。
【請求項2】
少なくとも2つの、それぞれ少なくとも3つの前記混練要素(24)用レセプタクル(28)を含む前記列(29、29’、29’’)が、前記ハウジング(10)の軸方向に延在している前記ハウジング(10)の内周面のセクションに、前記ウォームシャフト(12)を配置している場合、前記ハウジング(10)の軸方向に延在している前記ウォームシャフト(12)の前記シャフトバー(20)における前記円周面のセクション上において、少なくとも6つのブレード要素(22)を、前記ハウジング(10)の内周面の方向に前記シャフトバー(20)から半径方向外向きに延在するように配置しており、前記シャフトバー(20)のセクションでは、前記シャフトバー(20)の前記円周面のセクション上で軸方向に延在している少なくとも2列にわたって前記ブレード要素(22)を配置しており、少なくとも2列、好ましくは前記少なくとも2列すべてが、軸方向から見て少なくとも3つのブレード要素(22)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の混合・混練機(100)。
【請求項3】
前記列における少なくとも1列のブレード要素(22)の角度範囲の値が相違しており、前記角度範囲の値によって前記ブレード要素(22)が、その他の列の少なくとも1列のブレード要素が有する前記角度範囲の値の分だけ、前記シャフトバー(20)の断面円周上に広がっていることを特徴とする、請求項2に記載の混合・混練機(100)。
【請求項4】
前記レセプタクル(28)の少なくとも1つは凹部、窪み、またはボア(28)であり、前記レセプタクル(28)がそれぞれ、好ましくは凹部、窪み、またはボア(28)であり、とりわけ好ましくは、前記レセプタクル(28)がそれぞれ、前記ハウジングの壁を通って延在しているボア(28)であり、極めてとりわけ好ましくは、ボア(28)であって、前記レセプタクル(28)がそれぞれ、その内部に向かって混練要素(24)と接続可能な固定要素(26)が延在し、前記固定要素(26)をナット(32)によって前記ハウジング(10)の外壁(30)に固定している、ボア(28)であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項5】
前記ハウジング(10)の前記内周面の断面が円形であり、前記ハウジング(10)の断面から見て、前記ハウジング(10)の前記内周面上の隣り合う列(29、29’、29’’)にある2つのレセプタクル(28)間の角度間隔(d1、d2)のうちの少なくとも一方が、値360°/nから少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、とりわけ好ましくは5°、極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違しており、また、極めてとりわけ好ましくは、隣り合う列(29、29’、29’’)にある2つのレセプタクル(28)それぞれの間の角度間隔(d1、d2)がすべて、値360°/nから少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、とりわけ好ましくは少なくとも5°、そして極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違しており、ここで、nが前記レセプタクル(28)の列(29、29’、29’’)の数であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項6】
2~11列の、好ましくは2~10列の、さらに好ましくは3~9列の、とりわけ好ましくは4~8列の、極めてとりわけ好ましくは5~7列の、そして最も好ましくは6列(29、29’、29’’)の混練要素(24)用レセプタクル(28)を、前記ハウジング(10)の内周面における少なくとも1つのセクション上に、軸方向に延在するように、前記ハウジング(10)の内周面上に配置しており、前記列(29、29’、29’’)がそれぞれ、少なくとも5つの混練要素(24)用レセプタクル(28)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項7】
6列(29、29’、29’’)の混練要素(24)用レセプタクル(28)を前記ハウジング(10)の内周面上に設けており、そのうちの2列がそれぞれ、互いに対して双方対向していることで、前記ハウジング(10)の内周面上に3対のレセプタクル列を形成しており、それぞれが2つの隣接対の間に形成されている前記3つの角度間隔のうち、2つの角度間隔が20°~70°であり、また1つの角度間隔が70°~120°であり、2つの角度間隔が30°~60°であり、また1つの角度間隔が70°~110°であることが好ましく、とりわけ好ましくは2つの角度間隔が40°~50°であり、また1つの角度間隔が80°~100°であることを特徴とする、請求項6に記載の混合・混練機(100)。
【請求項8】
前記ウォームシャフト(12)における前記ブレード要素(22)のうちの少なくとも2つの角度範囲の値が互いに相違しており、前記角度範囲の値によって、前記ブレード要素(22)が前記シャフトバー(20)の断面円周へと延在していることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項9】
軸方向に延在している前記混合・混練機(100)の少なくとも1つのセクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)において、前記シャフトバー(20)で軸方向に延在している3列にわたって、前記ブレード要素(22)を配置するようにしており、1つの列にあるブレード要素(22)がすべて、前記シャフトバー(20)の断面円周における同じ角度範囲にわたってそれぞれ延在しているが、前記ブレード要素(22)がその少なくとも2つの異なる列の間に延在している前記角度範囲の値を互いに相違させることができ、好ましくは、1つの列にある個々の前記ブレード要素(22)が延在している前記角度範囲の値において、3列のうちの2列の値をそれぞれ20°~175°とし、好ましくは128°~140°とし、また第3の列の前記角度範囲の値を20°~120°とし、好ましくは110°~116°としていることを特徴とする、請求項8に記載の混合・混練機(100)。
【請求項10】
前記ハウジング(10)の軸方向に延在しているさまざまなセクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)において、前記ハウジング(10)の内周面に設けられている異なる列(29、29’、29’’)の数のレセプタクル(28)に混練要素(24)を装備しており、前記ハウジング(10)が、好ましくは軸方向に延在している2~24個の、より好ましくは2~16個の、とりわけ好ましくは3~12個の、極めてとりわけ好ましくは8個のセクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)を有し、そのうち少なくとも1つのセクション、また好ましくは少なくとも2つのセクションに、残りの前記セクションとは異なる数の混練要素を装備していることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項11】
軸方向に延在している前記ハウジング(10)の第1のセクション(28)にある混練要素(24)用レセプタクル(28)列(29、29’、29’’)の数のうち、第1の列(29、29’、29’’)の数に混練要素(24)を装備し、また軸方向に延在している前記ハウジング(10)の第2のセクションでは、第2の列(29、29’、29’’)の数に混練要素(24)を装備しており、前記第2の数が前記第1の数とは相違していることを特徴とし、また、軸方向に延在している前記ウォームシャフト(12)において対応する第1のセクションを前記ハウジング(10)の前記第1のセクションに割り当てており、前記ブレード要素(22)の数が第3の数であり、また前記ハウジング(10)の前記第2のセクションが軸方向に延在している前記ウォームシャフト(12)の第2のセクションに対応しており、前記ブレード要素(22)の数が第4の数であり、前記第4の数が前記第3の数とは相違していることを特徴とする、請求項10に記載の混合・混練機(100)。
【請求項12】
前記ハウジング(10)の軸方向に延在しているさまざまセクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)において、前記ハウジング(10)の前記内周面に設けられた同数のレセプタクル(10)列(29、29’、29’’)に混練要素(24)を装備しているが、前記セクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)のそれぞれにおいて、または前記セクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)の少なくとも1つにおいて、少なくとも1つの他のセクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)におけるレセプタクル列とは別のレセプタクル(28)列(29、29’、29’’)に混練要素(24)を装備しており、前記ハウジング(10)が、好ましくは軸方向に延在している2~24個の、より好ましくは2~16個の、とりわけ好ましくは3~12個の、極めてとりわけ好ましくは8個のセクション(41、42、44、46、48、50、52、54、56)を有し、そのうち少なくとも1つのセクションにおいて、少なくとも1つの他のセクションにおけるレセプタクル列とは別の少なくとも1つのレセプタクル列(29、29’、29’’)に、混練要素(24)を装備していることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項13】
軸方向に延在している前記ハウジング(10)の第1および第3のセクションにおける混練要素(24)用レセプタクル(28)列(29、29’、29’’)の数のうち、第1および第3の数の列(29、29’、29’’)に混練要素(24)を装備し、また軸方向に延在している前記ハウジング(10)の第2および第4のセクションで、前記ハウジング(10)の前記第1または第3のセクションにおける数と同じ第1または第3の数の列(29、29’、29’’)に混練要素(24)を装備しており、軸方向に延在している前記ウォームシャフト(12)において対応する第1および第3のセクションを、前記ハウジング(10)の前記第1および第3のセクションに割り当てており、また前記ウォームシャフト(12)の第2および第4のセクションを、前記ハウジング(10)の前記第2および第4のセクションに割り当てており、前記ウォームシャフト(12)の前記第1および第3のセクションにおけるブレード要素(22)の数を、前記ウォームシャフト(12)の前記第2および第4のセクションにおけるブレード要素の数と同じにしており、ただし前記第2および第4のセクションにおけるブレード要素(22)を、前記ウォームシャフトの前記第1および第3のセクションにおけるブレード要素(22)に対してあるオフセット角度分だけ変位させ、その結果、前記ブレード要素(22)が面一にならないようにしていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【請求項14】
前記ウォームシャフト(12)の前記第1または第3のセクションと、前記ウォームシャフト(12)の前記第2および第4のセクションとにそれぞれ、6列にわたって前記ブレード要素(22)を配置しており、前記ブレード要素(22)が、前記シャフトバー(20)の断面円周面におけるそれぞれ同じ角度範囲にわたって、15°~75°で延在しており、前記オフセット角度を10°~20°とし、好ましくは15°としていることを特徴とする、請求項13に記載の混合・混練機(100)。
【請求項15】
前記シャフトバー(20)上に軸方向に延在している少なくとも2列にわたって、前記ブレード要素(22)を配置しており、前記ウォームシャフト(12)の第1または第3のセクションにおいて、前記ブレード要素(22)の列の数を、前記ウォームシャフト(12)の別のセクションにおける前記ブレード要素(22)の列の数と等しくしているが、ただし、前記別のセクションにおける前記ブレード要素(22)を、前記ウォームシャフト(12)の前記第1または第3のセクションにおける前記ブレード要素(22)に対してあるオフセット角度でオフセットさせて、その結果、前記ブレード要素(22)が面一にならないようにしており、好ましくは、それらの第1または第3のセクションおよびそれらの別のセクションに、それぞれ6列にわたって前記ブレード要素(22)を配置し、前記ブレード要素(22)が、15°~75°のそれぞれ同じ角度にわたって延在しており、前記オフセット角度を10°~20°とし、好ましくは15°としていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の混合・混練機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、i)自身の内周面によって制限されている中空内部が形成されたハウジングと、ii)少なくとも一部のセクションで、この中空内部を通って軸方向に延在しているウォームシャフトであって、このウォームシャフトは、内部での動作中に回転し、また同時に軸方向に往復並進運動している、ウォームシャフトと、iii)少なくとも一部のセクションでハウジングの内周面からハウジング内へと延在している、ハウジングに設けられた少なくとも6つの混練要素用レセプタクルであって、これらのレセプタクルをハウジングの内周面上で、ハウジングの内周面の少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在している少なくとも2列にわたって配置している、レセプタクルとを備える連続処理式混合・混練機であって、iv)ウォームシャフトは1つのシャフトバーを、少なくとも2つのブレード要素がこのシャフトバーからハウジングの内周面方向へと半径方向外向きに延在するように配置された円周面上に含む、連続処理式混合・混練機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような混合・混練機は、具体的には可鍛性塊および/またはペースト状塊を調製するために使用されている。たとえば粘塑性塊の調製、プラスチックの均質化および可塑化、充填材と補強材との結合、ならびに食品産業用の原材料の製造に、このような混合・混練機が使用されている。ここでウォームシャフトは加工構成要素を形成し、この加工構成要素が加工すべき材料を軸方向前方に運搬または搬送して当該材料の成分を混合する。
【0003】
これらの混合・混練機は、具体的には最初に溶融物を生成してから、そのように生成した溶融物をウォームシャフトによって軸方向に混合・混練機を通して搬送することにより、これが均質化するように動作させることができる。この混合・混練機で設定される温度を、少なくとも一部のセクションでは、混合対象の材料に応じて50℃~400℃とすることができる。これにより、「ドライブレンド」と呼ばれる少なくとも2つの成分で構成された混合物を混合・混練機へと送り込むことができ、前記ドライブレンドから溶融可能成分が混合・混練機で溶融され、次いですべての成分が均質化される。これに対して他のプロセスでは、最初に混合・混練機の上流の軸方向セクションで1つの成分から溶融物を生成し、次いでそこから下流の軸方向セクションで1または複数の別の成分を付加してから、このようにして生成された混合物の成分をさらに下流で均質化させている。
【0004】
そのような汎用の混合・混練機は、たとえば特許文献1および特許文献2から既知である。
【0005】
これらの混合・混練機では、ウォームシャフトは回転運動するだけでなく、同時に軸方向、すなわちウォームシャフトの長手方向に並進的に往復運動している。したがって、この運動シーケンスは、好ましくはウォームシャフトが、軸方向から見て回転に重畳する揺動運動、すなわち回転に重畳する正弦波運動を行うことを特徴とする。この一連の運動により嵌合部材、すなわち混練ボルトや混練歯などの混練要素をハウジング側に導入することができる。混練ボルトは、たとえばハウジングの内周面に配置された対応するレセプタクルにねじ込むことになるボルトであり、中実であるが内部が中空となるように、これらの混練ボルトを設計することができる。後者の場合、内部が中空のボルトを介して混合・混練機の内部に流体を送り込むことで、当該流体をその内部にある混合物の一部とすることができる。混練歯は特殊な形状を有しており、この形状はウォームシャフトのブレード要素、すなわち混練ブレードと相互作用している。これらの混練ボルトまたは混練歯を設けていることにより、シャフトバーと呼ばれるメインシャフト上に配置されているウォームコンベヤによる、このシャフトバーの断面方向から見た動作が連続的に行われることはないが、これは多数の個々のブレード要素へと細分化されている。個々のブレード要素が対応する混練要素に接近することで、混合かつ混練されている材料を凝縮し、またこの材料に対してせん断作用をもたらし、これによってこれらの混練要素がブレード要素と衝突することなく、混合および/または混練プロセスを容易に行うことができるように、ウォームシャフトによるこのような軸方向の回転および並進運動を制御している。このような混合・混練機は、具体的にはスイスのプラッテルンにあるBUSS AG社製のものが知られており、これらはBUSS Co-Kneaderという商標名で販売されている。
【0006】
典型的には、混練機ハウジングは、混合・混練機で軸方向に延在している3列または4列の混練要素を含み、混練要素の個々の列は、混練機ハウジングの内周面の断面円周上に均一に区分化されている。換言すれば、軸方向に延在している個々の列の混練要素間の角度間隔が、この混練要素の通常円筒状となる内周面の断面の円形円周とそれぞれに等しくなるように、混練機ハウジングの円筒状内周面の断面円周上にこれらの混練要素の列を分散配置している。混合・混練機がたとえば6つの混練要素列を有する場合、混練機ハウジングの内周面の断面円周上にある隣り合う2つの混練要素間の角度間隔は、それぞれ60°になる。したがって、通常個々の列の混練要素を、混練機ハウジングの軸方向から見て、当該ハウジングの内周面の隣接列に対してわずかにオフセットさせて配置し、その結果ウォームシャフトが回転し、それと同時に往復並進運動するときに、ウォームシャフトの個々のブレード要素が混練ボルトと衝突しないようにしている。個々の混練要素はハウジング内壁のレセプタクルに固定されており、これによってハウジングの内周面から、このハウジングの内周面によって制限されている円筒状内部へと半径方向に延在している。ハウジングは多くの場合、いくつかの部品で設計されている。このためにハウジングは、少なくとも2つの相互に接続されたハウジング部品を含み、これらのハウジング部品をそれぞれ、外側ハウジングと、その内周面に配置された交換可能なハウジングシェルまたは耐摩耗性シェルとから構成することができる。本特許出願において、1または複数のハウジングシェルをハウジングの構成要素と見なしている。このため、本特許出願では、ハウジングが1または複数のハウジングシェルを有する場合、1または複数のハウジングシェルの内周面をハウジング内周面と見なしている。混練要素の容易な交換を確実に行えるようにするために、たとえば摩耗が発生した後や、手順の調整により、レセプタクルとして機能するボアを介して個々の混練要素をハウジングシェルへと頻繁に挿入し、外側ハウジングの外周面に配置されたねじによって外側からこれらを固定している。これにより、これらの混練要素の交換が容易に行えるようになる。他の混合・混練機は、ハウジングシェルまたはハウジングの内周面のレセプタクルに圧入によって固定されている混練要素を有する。その場合、これらの混練要素を最初に引き出して、新たな混練要素を圧入する必要があるため、個々のハウジング部品(シェル)を分解しなければならず、混練要素の交換に際し、困難がつきまとうことになる。
【0007】
当然のことながら、ブレード要素の数および形状は混練要素列の数に適合される。たとえば、混練要素を有する4つの列がハウジングの内周面に配置されている場合、ウォームシャフトは、たとえば断面から見て、その円周に4つのブレード要素を有しており、これらのブレード要素間には十分に広い間隔がそれぞれ設けられており、その結果、混練要素がこれらの間隙を移動できるようにしている。
【0008】
記載している混合・混練機は、軸方向にさまざまなプロセスセクションへと細分化されていることが多く、これらのプロセスセクションはそれぞれ、動作中にそれらに割り当てられているタスクに応じて、対応する数または形状のブレード要素および混練要素によって占められている。たとえば、混合・混練機は、混合対象の材料に応じて軸方向に、上流端部に位置し、混合または混練対象の成分を本機に導入している導入セクションと、この導入セクションの下流に接続され、当該成分を溶融している溶融セクションと、材料の当該成分における任意の凝集体を粉砕し、互いにできるだけ均一に混合している混合・分散セクションと、混合物の脱気を行う脱気セクションとを備える。混合・混練機の個々のセクションに設ける混練要素の数を、他のセクションと相違させることにより、個々のセクションの条件を異なるプロセスセクションの要件に合わせて調整することが、すでに提案されている。したがって、ハウジングシェルに、軸方向から見ていくつかの相互に離隔したハウジングシェルセクションを設けることができ、これにより、ハウジングの個々の軸方向セクションに異なる数の混練要素を装備することができる。たとえば、混合・混練機のウォームシャフトを、3つのブレードを有するいくつかのセクションと4つのブレードを有するいくつかのセクションとに配置し、それに応じて混合・混練機のハウジング内壁に対応するセクションに、それぞれ3列または4列の混練要素を装備する形態が知られている。これは、ハウジングをいくつかのハウジングシェルへと細分化することで実現でき、そのうちのいくつかは、3列の混練要素用レセプタクルを有し、その他は4列のレセプタクルを有する。その一方で、3列の混練要素用レセプタクルを有する1または複数のシェルの代わりに、4列のレセプタクルを有する1または複数のシェルを設けることや、前記列のうちの3つに混練要素を装備することはできず、これはなぜなら、120°での区分化(3枚ブレード型)は、4つのブレード要素を有する90°での区分化とは適合しないためである。したがって、個々のプロセスセクションに混練要素の列を装備すること、およびウォームシャフトのシャフトバー上に対応するブレード要素を設けることに関して、特殊な原材料を混合するために用意した装置を、混合対象の異なる原材料を使用する別の用途のために最適化することになった場合、1または複数のハウジングシェルを、対応する1または複数の他のハウジングシェルに混練要素を別途装備したものと交換し、それに応じて、対応する個々のブレード要素を有するウォームシャフトの1または複数の対応するセクションへと適合する必要がある。
【0009】
一般に、とりわけ混練要素の列数およびウォームシャフト上において対応するブレード要素の数の点で、個々の混合対象の原材料に応じて混合・混練機を適合させることは、従来技術では困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、混練要素の数および配置を考慮して容易に適合させることができる混合・混練機を提供し、その際、適合後の時間単位あたりの材料処理量に関して最適な効率レベルを達成していることによって、本混合・混練機が依然として特徴付けられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、この目的は連続処理式混合・混練機によって達成され、本混合・混練機は、
-自身の内周面によって制限されている中空内部が形成されたハウジングと、
-少なくとも一部のセクションで、この中空内部を通って軸方向に延在しているウォームシャフトであって、このウォームシャフトは、内部での動作中に回転し、また同時に軸方向に往復並進運動している、ウォームシャフトと、
-少なくとも一部のセクションでハウジングの内周面からハウジング内へと延在している、ハウジングに設けられた少なくとも5つの(好ましくは少なくとも6つの、さらに好ましくは少なくとも10個の、とりわけ好ましくは少なくとも16個の)混練要素用レセプタクルであって、これらのレセプタクルをハウジングの内周面上で、ハウジングの内周面の少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在している少なくとも2列にわたって配置している、レセプタクルとを備え、好ましくは少なくとも1列、より好ましくは少なくとも2列、特に好ましくはこれら少なくとも2列すべてがそれぞれ、少なくとも3つの(好ましくは少なくとも5つの、そしてとりわけ好ましくは少なくとも8つの)混練要素用レセプタクルを含み、
-好ましくは、ウォームシャフトは1つのシャフトバーを、少なくとも2つのブレード要素がこのシャフトバーからハウジングの内周面方向へと半径方向外向きに延在するように配置された円周上に含み、
これらの混練要素用レセプタクルを、ハウジングの断面から見て、ハウジングの軸方向に延在している少なくとも1つのセクションで、ハウジングの内周面によって画定されている円周全体に不均一に分散配置している(好ましくは、少なくとも2列の混練要素用レセプタクルを、ハウジングの断面から見て、ハウジングの内周面によって画定されている円周上に非対称に分散配置している)。
【0012】
本発明による混合・混練機は、ハウジングの内周面における少なくとも1つのセクション上に延在している少なくとも2列それぞれに含まれる混練要素用レセプタクルを、ハウジングの断面から見て、ハウジングの内周面によって画定されている円周上に不均一に分散配置していることを特徴とする。ハウジングの内周面によって画定されている円周上に混練要素用レセプタクルを不均一に分散配置することは、本発明の意味において、ハウジングの断面から見て、ハウジングの内周面上で隣り合う列にある2つの混練要素用レセプタクルそれぞれの間の間隔または角度間隔すべてのうち、少なくとも2つの間隔または少なくとも2つの角度間隔が、互いに相違していることを意味すると理解される。したがって、ハウジングの当該セクションが、少なくとも5つの混練要素用レセプタクルをそれぞれ有する4列を含む場合、ハウジングの内周面上で隣り合う列にあるレセプタクルの角度間隔は、従来技術ではそれぞれ90°とはならず、むしろ少なくとも4つの角度間隔のうちの少なくとも2つは90°とは相違するものとなる。上述のように、各列の混練要素用レセプタクルを、混練機ハウジングの軸方向から見て、隣接列に対してわずかにオフセットさせて配置することが好ましく、その結果ウォームシャフトが回転し、それと同時に往復並進運動するときに、ウォームシャフトの個々のブレード要素が、その内部で係合している混練ボルトと衝突しないようにしている。したがって、ハウジングの内周面上で隣り合う2列にあるレセプタクルの角度間隔は、第1の列のレセプタクルと、隣接列のレセプタクルの中心点を通る直線内の点との間の角度間隔として理解されることになり、この点は、ハウジングの内周面上において、ハウジングの長手方向に対して、第1の列のレセプタクルよりも鉛直上方または下方に位置している。本発明によれば、従来技術から既知である混合・混練機とは異なり、ハウジングの内周面上の間隔すべてが、必ずしも隣り合う列にある2つの混練要素用レセプタクルそれぞれの間で等しいわけではない。
【0013】
たとえば特許文献2による混合・混練機の場合、6列の混練要素用レセプタクルが、円形内周面を有するハウジングの断面から見て、それぞれハウジングの内周面に対して正確に60°の角度間隔となるように設けられており、その結果、これが3枚ブレード型または6枚ブレード型のウォームコンベヤに正確に適合するようにしているが、これに対して本発明は、したがって正確な分割からの偏差を意図的にもたらしている。これにより、混練要素の数および配置を考慮して、簡便な方法でこれらのレセプタクルに装備を行うこと、すなわち、その一方で本混合・混練機の時間単位あたりの材料処理量に関して、最適な効率レベルを維持することに関する、いくつかの代替案の代替実現が容易になる。たとえば、本混合・混練機の軸方向に延在している6列の混練要素用レセプタクルをハウジング内周面上に設け、その際断面から見て、ハウジング内周面上にこれらの列を不均一に分散配置している場合、混練要素を有する列をすべて使用する形態の代替案として、混練要素を有する列を4つまたは3つのみ設けるように、すなわちレセプタクル列のうちの2列または3列を空いたままとすることもでき、その際、使用する列を依然として互いから間隔を置いて配置し、その結果、本混合・混練機の時間単位あたりの材料処理量に関して、最適な効率レベルを達成するようにしている。これに対応して行うブレード要素を有するウォームシャフトの装備を、この代替案に適合させるように構成する必要があり、これはすなわち、ハウジングの内周面にわたってレセプタクルを不均一に分散配置する形態に適合するように、ウォームシャフトの角度範囲領域にわたってブレード要素を不均一に延在させることができる。これとは異なり、従来技術に従って等間隔に配置される6列のレセプタクルを使用する形態において、以下でより詳細に実証しているように、4列または3列のみを使用する場合、本混合・混練機の動作中に効率の損失をもたらす。
【0014】
本発明の意味において、混練要素用レセプタクルをハウジングの内周面上にある空洞と見なしており、混練要素、すなわち混練ボルトまたは混練歯などをその内部に配置し、またこれを介して固定することができるようにし、その際、混練要素がハウジングの内周面から半径方向内側に中空内部へと延在するように、このレセプタクルを設計している。このレセプタクルを、窪み、凹部、またはボアなどとすることができ、レセプタクルはハウジングの内周面からハウジング内へと概ね深くまで延在している。好ましくは、これらのレセプタクルの少なくとも1つは凹部、窪み、またはボアであり、これらのレセプタクルはそれぞれ、有利には溝、窪み、またはボアである。外部ハウジングのハウジングおよびその上に半径方向内向きに配置されたハウジングシェルによる典型的な二部品設計の場合、レセプタクルは、ハウジングシェルの内周面からハウジング内へ、また場合によっては外側ハウジング内へ、そして場合によっては外側ハウジングを貫通して延在している。ハウジングの単一部品設計の場合、この設計によってレセプタクルは、ハウジングの内周面からハウジング内へと、また場合によってはハウジングを貫通して延在している。
【0015】
本混合・混練機の軸方向に、ハウジング内周面の少なくとも1つのセクション上に延在している1列の混練要素用レセプタクルを設けることにより、本発明の意味において、レセプタクルの中心点上に接続線が位置している場合、軸方向に互いから間隔を置いて配置されている前記レセプタクルは、少なくとも実質的に直線であると理解され、直線からの接続線の最大偏差は、ハウジングの内周面の断面円周に対して10°未満であり、また好ましくは5°未満であり、さらに好ましくは2°未満である。したがって、レセプタクル列はそれぞれ、ハウジング内周面の軸方向長さ全体にわたって、またはハウジング内周面の長さにおける特定のセクション上に延在する可能性がある。しかしながら、本発明によれば、ハウジングの少なくとも1つの軸方向セクションにある列はそれぞれ、少なくとも3つの、好ましくは少なくとも5つの、また極めてとりわけ好ましくは少なくとも8つの混練要素用レセプタクルを含む。好ましくは、これらの列はすべて、ハウジング内周面の同じセクションか、またはハウジング内周面の軸方向長さ全体にわたってそれぞれ延在している。
【0016】
本発明によるハウジングは、好ましくは少なくとも2つのハウジング部品を含み、これらの部品を互いに折り畳むか、または互いから分離させてハウジングを開放することができ、閉鎖状態のハウジング部品は、好ましくは断面が円形になっている(中空)内部を形成している。
【0017】
好ましくは、少なくともハウジングの軸方向に延在しているウォームシャフトのシャフトバーにおける円周面のセクション上において、混練要素用レセプタクルを含む少なくとも2列、または少なくとも3列をそれぞれ、ハウジングの軸方向に延在するように配置しているハウジングの内周面の当該セクションに、前記ウォームシャフトを配置している場合、少なくとも6つのブレード要素が、ハウジングの内周面の方向にシャフトバーから半径方向外向きに延在しており、シャフトバーのこのセクションでは、シャフトバーの円周面のこのセクション上で軸方向に延在している少なくとも2列にわたってこれらのブレード要素を配置しており、また少なくとも2列、そして好ましくはこれらの少なくとも2列すべてが、軸方向から見て少なくとも3つの(好ましくは少なくとも5つの、そしてとりわけ好ましくは少なくとも8つの)ブレード要素を含む。シャフトバーが2列を超えるブレード要素(たとえば6列)を含む場合、そのうちの少なくとも2列はそれぞれ、軸方向から見て少なくとも3つのブレード要素を含む一方、残りの列はその3つよりも少ないブレード要素か、または3つを超えるブレード要素を含み得る。このように、当該セクションで軸方向から見て、2枚ブレード型および3枚ブレード型、または2枚ブレード型および4枚ブレード型、または3枚ブレード型および4枚ブレード型のブレード要素が使用可能となるように、個々の列に装備することができる。シャフトバーが円形断面を有することがとりわけ好ましく、またウォームシャフトのシャフトバーにおける円周面のこのセクションには、このセクションに対応しているハウジングの内周面の当該セクションに配置された、混練要素用レセプタクルの列の数と同じ列数のブレード要素を配置している。また、ブレード要素の列が混練要素用レセプタクルの列に対応していることが好ましく、これはすなわち、本混合・混練機の動作中、ブレード要素が当該レセプタクルを通過して往復並進運動するように、好ましくは混練要素用レセプタクルのそれぞれにブレード要素を割り当てていることを意味する。本実施形態では、これらの列における少なくとも1列のブレード要素の角度範囲の値が相違していることがさらに好ましく、この角度範囲の値によってこれらのブレード要素が、その他の列の少なくとも1列のブレード要素が有する角度範囲の値の分だけ、シャフトバーの断面円周上に広がっている。
【0018】
本発明のとりわけ好ましい実施形態によれば、これらのレセプタクルの少なくとも1つがボアであり、また極めてとりわけ好ましくは、これらのレセプタクルのすべてが1または複数のボアである。さらに、これらのボアがそれぞれ、ハウジングの内周面からハウジング壁全体を通って、外向きに延在していることが好ましい。その断面が円形である内部を制限している通常のハウジングの場合、すなわち、円筒状内周面を有するハウジングの場合、本発明の本実施形態では、ボアがハウジングの内周面からハウジング壁全体を通って、半径方向外向きに延在していることが好ましく、あるいはハウジング壁とハウジングシェルとから作製しているハウジングの構造の場合、ボアがこれらハウジングシェルおよびハウジング壁全体を通り、その結果としてハウジングの外周面上に開口していることが好ましい。これにより、ボア内に配置された混練要素またはボア内に配置された固定要素を、ナットを用いてしっかりと、ただし容易に交換可能となるようにハウジングの外側に取り付けることができ、これらの要素を、ハウジングの内周面に指向している前側にある混練要素と接続でき、または接続している。好ましくは、混練要素と接続可能な固定要素は、混練要素を装備した各レセプタクル内へと、ハウジング内壁の内周面から所定の位置まで延在しており、これらの固定要素をナットでハウジングの外周面に固定している。ハウジング内壁の内周面からボア内へと、固定要素の端部まで延在しているレセプタクルの半径方向内側部に混練要素を設けており、この混練要素を、ハウジング内壁の内周面と対向している混練要素の側面上で、固定要素と接続している。たとえば、混練要素を挿入しているボアの半径方向内側部を、これらの混練要素が回転不能に収容されるようにするために、その断面が正方形となるように設計することができ、その一方で、これらの固定要素を挿入しているボアの半径方向外側部を、その断面が円形となるように設計することができる。これにより、たとえばねじ止め、はんだ付け、溶接、または熱間等方圧加圧法によって、これらの混練要素を固定要素に接続することができる。したがって、本実施形態では、混練要素を圧入する技法を回避している。このようにして、混練要素をより迅速に交換したり、ブラインドボルトを使用して交換したりすることができる。
【0019】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、ハウジング内周面の断面は円形であり、ハウジングの断面から見て、ハウジングの内周面上の隣り合う列にある2つのレセプタクル間の角度間隔のうちの少なくとも一方は、値360°/nから少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、とりわけ好ましくは5°、極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違しており、ここで、nはレセプタクル列の数である。さらに、とりわけ好ましくは、隣り合う列にある2つのレセプタクルそれぞれの間の角度間隔がすべて、値360°/nと比較して少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、とりわけ好ましくは少なくとも5°、そして極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違している。
【0020】
好ましくは2~11列の、さらに好ましくは2~10列の、さらに好ましくは3~9列の、とりわけ好ましくは4~8列の、極めてとりわけ好ましくは5~7列の、そして最も好ましくは6列の混練要素用レセプタクルを、ハウジングの内周面上にあるハウジングの内周面における少なくとも1つのセクション上に、軸方向に延在するように配置している。
【0021】
レセプタクル列のそれぞれがハウジングの内周面の全長に及ぶか、またはその一部に及ぶのみかに関わらず、これらの列がそれぞれ、1Dあたり1~4つの、好ましくは1~3つの、そしてとりわけ好ましくは1~2つのレセプタクルを含むことが好ましく、ここで1Dは、ハウジングの内周面によって制限されている中空内部の直径である。上述のように、本発明によれば、ハウジングの少なくとも1つの軸方向セクションの少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、とりわけ好ましくはすべての列はそれぞれ、少なくとも3つの混練要素用レセプタクル、好ましくはそれぞれ、少なくとも5つの混練要素用レセプタクル、そしてとりわけ好ましくはそれぞれ、少なくとも8つの混練要素用レセプタクルを含む。これにより、すべての列のレセプタクル数を同じとするか、またはこれらのレセプタクル数を相違させることができる。しかし、すべての列のレセプタクル数を同じとし、またすべての列のレセプタクルをそれぞれ均一に配置していることが好ましいが、上述したように、各列のレセプタクルを、混練機ハウジングの軸方向から見て、隣接列のレセプタクルに対してわずかにオフセットさせて配置し、その結果ウォームシャフトが回転し、それと同時に往復並進運動するときに、ウォームシャフトの個々のブレード要素が、その内部で係合している混練ボルトと衝突しないようにすることができる。
【0022】
これらのレセプタクルのうちのすべてに、対応する混練要素を装備することができる。あるいは、混練要素の装備の対象をすべてのレセプタクルとはせず、またさらに好ましくは、すべてのレセプタクル列とはしないことも可能であり、また好ましい。これにより、n列のレセプタクル要素のうち、最大でもn-1列に混練要素を装備していることが好ましい。これらのレセプタクルを余裕をもって供給することにより、本混合・混練機は混練要素により柔軟に装備することができる。
【0023】
とりわけ好ましい一実施形態では、軸方向に延在している6列の混練要素用レセプタクルをハウジングの内周面上に設けており、そのうちの2列がそれぞれ、互いに対して双方対向していることで、ハウジングの内周面上に3対のレセプタクル列を形成している。これにより、それぞれが2つの隣接対の間に形成されている3つの角度間隔のうち、ハウジング内壁の断面円周における2つの角度間隔が20°~70°であり、また1つの角度間隔が70°~120°を超えていることが好ましい。当然のことながら、3つの角度間隔の合計は180°とならなければならない。これにより、ハウジング内壁の断面円周における2つの角度間隔が30°~60°であり、また1つの角度間隔が70°~110°であり、とりわけ好ましくは2つの角度間隔が40°~50°であり、また1つの角度間隔が80°~100°であることが好ましい。たとえば、2つの角度間隔が約45°となり、またその他の角度間隔が約90°となる列の配置が極めてとりわけ好ましい。
【0024】
あるいは、ハウジングの内周面上にあるレセプタクル列の間隔について、前述の値と置き換えることができる。たとえば、1つの角度間隔を90°+dとすることができる場合、その他の2つの角度間隔は45°-d/2となる。あるいは、1つの角度間隔を90°-dとすることができる場合、他の2つの距離は45°+d/2となり、ここでdは、好ましくは>0°~10°の値を適用している。
【0025】
一代替実施形態では、軸方向に延在している6列の混練要素用レセプタクルをハウジングの内周面上に設けており、これらの列のうち、隣接列に対する2列の角度間隔はそれぞれ60°であるが、他の列間における2つの角度間隔は60°+dであり、また残りの列間における2つの角度間隔は60°-dであり、ここで、値dはそれぞれ>0°~10°、好ましくは1°~10°、とりわけ好ましくは2°~8°で互いから独立した値であり、ただし、すべての角度の合計が360°に等しいことを条件としている。
【0026】
一代替実施形態では、軸方向に延在している5列の混練要素用レセプタクルをハウジングの内周面上に設けており、隣り合う4列のレセプタクルそれぞれの間の角度間隔は、それぞれ70°~120°を超えており、また残りの隣り合う2列のレセプタクル間の角度間隔は、それぞれ20°~70°である。したがって、ハウジング内壁の断面円周における4つの角度間隔が70°~110°であり、とりわけ好ましくは80°~100°であり、また残りの隣り合う2列のレセプタクル間の角度間隔が、それぞれ30°~60°であり、とりわけ好ましくは40°~50°である場合が好ましく、ただしすべての角度の合計が360°になることを条件としている。
【0027】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、ウォームシャフトは、ブレード要素が配置される円形断面を有するシャフトバー、すなわちメインシャフトを含み、これらのブレード要素のうちの少なくとも2つの角度範囲の値が互いに相違しており、この角度範囲の値によって、これらのブレード要素がシャフトバーの断面円周へと延在しており、これはすなわち、混練要素を不均一に分散配置し、また軸方向に並進運動させている形態にとりわけ適合していることを意味する。ウォームシャフトが回転し、かつ軸方向に並進運動していることにより、混合かつ混練されている材料が、それぞれのブレード要素と混練要素との間にある間隙へと引き込まれ、その後生じるせん断によって、所望の混合・混練効果が得られることになる。
【0028】
これにより、メインシャフトへと軸方向に延在している2列~6列に、好ましくは3列にわたってこれらのブレード要素を配置するようにしていることが好ましく、1つの列にあるブレード要素はすべて、このメインシャフトの断面円周における同じ角度範囲にわたってそれぞれ延在することができるが、ブレード要素がその少なくとも2つの異なる列の間に延在している角度範囲の値を互いに相違させることができるが、ただしこれらが必ずしも相違している必要はない。たとえば、メインシャフトへと軸方向に延在している3列にわたってこれらのブレード要素を配置していることが好ましく、1つの列にある個々のブレード要素がそのシャフトバーの断面円周にわたって延在している角度範囲の値において、3列のうちの2列の値をそれぞれ20°~175°とし、好ましくは128°~140°とし、また第3の列の角度範囲の値を20°~120°とし、好ましい事例では110°~116°としている。
【0029】
また、本発明により、本混合・混練機のハウジングの軸方向に延在しているさまざまなセクションにおいて、ハウジングの内周面に設けられている異なる列数のレセプタクルに混練要素を装備することができ、またこれに加えて同様に、ウォームシャフトにおいて対応するセクションの断面が異なる数のブレード要素を有することができる。本実施形態では、本混合・混練機のハウジングは、好ましくは軸方向に延在している2~24個の、より好ましくは2~16個の、とりわけ好ましくは3~12個の、極めてとりわけ好ましくは8個のセクションを有し、そのうち少なくとも1つのセクション、また好ましくは少なくとも2つのセクションに、残りのセクションとは異なる数の混練要素を装備している。このため、本実施形態では、個々のレセプタクル列はすべてのセクションにわたって延在し、1つの列にあるレセプタクル間の接続線はそれぞれ、少なくとも実質的に直線である。したがって、本実施形態により、本混合・混練機をさまざまなプロセスセクションへと細分化することを容易に実現でき、また、これらのセクションに混練要素を有する当該列のレセプタクルを個別に装備することで、そのプロセスに最適となるようにしており、その際、ハウジングの1または複数のハウジングシェルを交換する必要のないようにしている。
【0030】
たとえば、本混合・混練機が8つのセクションを有するように構成することができ、これらのセクションをそれぞれ、混練要素の装備の点と、ブレード要素の数および形状の点とを考慮して設計しており、その結果、上流端部上に、混合または混練対象の成分を本機に導入している導入セクションと、この導入セクションの下流に接続され、当該成分を溶融している溶融セクションと、次に充填材などの1または複数の別の成分を混合物へと付加している別の導入セクションと、次に材料の当該成分をできるだけ均一に混合している混合・均質化セクションと、次に添加剤などの1または複数の別の成分を混合物へと付加している別の導入セクションと、次に別の混合・均質化セクションと、そして最後に、混合物の脱気を行う脱気セクションとを備えるようにしている。これにより、3つの導入セクションおよび脱気セクションは、好ましくは単一枚ブレード型ウォームシャフトセクションを有し、混合・均質化セクションは、好ましくは3枚ブレード型ウォームシャフトセクションを有する。さらに、溶融セクションを2つのプロセスセクションから構成していることが好ましく、その上流は、好ましくは4枚ブレード型ウォームシャフトセクションを有し、その下流は、好ましくは2枚ブレード型ウォームシャフトセクションを有する。したがって、これらのウォームシャフトセクションに対応するハウジング壁のセクションにおける個々の、好ましくは6列の混練要素用レセプタクルに関して、導入セクションに対応しているハウジング壁のセクションでは、1列のレセプタクルに混練要素を装備し、混合・均質化セクションに対応しているハウジング壁のセクションでは、3列のレセプタクルに混練要素を装備し、溶融セクションにおける2つのプロセスセクションの上流では、4列のレセプタクルに混練要素を装備し、また溶融セクションにおける2つのプロセスセクションの下流では、2列のレセプタクルに混練要素を装備する形態となるように、これらのレセプタクルに混練要素を装備していることが好ましい。
【0031】
これに代えて、またはこれに加えて、本混合・混練機のハウジングの軸方向に延在しているさまざまセクションにおいて、ハウジングの内周面に設けられた同数のレセプタクル列に混練要素を装備することもできるが、これらのセクションのそれぞれにおいて、またはこれらのセクションの少なくとも1つにおいて、少なくとも1つの他のセクションにおけるレセプタクル列とは異なるレセプタクル列に、混練要素を装備することもできる。同様に、ウォームシャフトにおいて対応するセクションも、ブレード要素の配置に対応して適合させる必要がある。本実施形態では、本混合・混練機のハウジングは、好ましくは軸方向に延在している2~24個の、より好ましくは2~16個の、とりわけ好ましくは3~12個の、極めてとりわけ好ましくは8個のセクションを有し、そのうち少なくとも1つのセクション、そして好ましくは少なくとも2つのセクションにそれぞれ、同数の混練要素を装備しているが、これらのセクションにおける残りのセクションのレセプタクル列と同じレセプタクル列には、混練要素を装備していない。たとえば、ハウジングは軸方向に延在している隣り合う4つのセクションを有し、これら4つのセクションすべてがそれぞれ、6つの均等に形成されたレセプタクル列を有し、たとえばそのうち、第1および第3のセクションの列1、3および5と、第2および第4のセクションの列2、4および6に混練要素を装備しており、これらの個々の列の番号を、ハウジングの内周面の断面において、0時から始まる時計回り方向にそれぞれ割り当てている。その結果、本実施形態では、個々のセクションの混練要素、すなわち、混練要素が装備された個々のセクションのレセプタクルは互いに面一ではない。また、このため、本実施形態では、個々のレセプタクル列はすべてのセクションにわたって延在し、1つの列にあるレセプタクル間の接続線は、それぞれ少なくとも実質的に直線である。したがって、さらに本実施形態により、本混合・混練機をさまざまなプロセスセクションへと細分化することを容易に実現でき、また、これらのセクションに混練要素を有する当該列の混練要素用レセプタクルを個別に装備することで、そのプロセスに最適となるようにしており、その際、ハウジングの1または複数のハウジングシェルを交換する必要のないようにしている。
【0032】
前述の2つの実施形態では、混練要素用レセプタクル列を有するセクションのウォームシャフトは対応するセクションを有する必要があり、また個々のセクションのブレード要素を、個々のセクションの混練要素を有するレセプタクル列の装備に適合させる必要がある。これは、対応するセクションにある混練要素が装備されたレセプタクル列の数と同様に、個々のセクションのブレード要素の数が互いに相違していること、および/または個々のセクションのブレード要素がそれぞれ、シャフトバーの断面円周の角度間隔にわたって延在し、その結果、個々のセクションにおける個々のブレード要素列の角度間隔が、対応するセクションにある混練要素が装備されたレセプタクル列の数および間隔に対応するようにしている点で、達成することができる。このため、本実施形態では、個々のセクションのブレード要素は、必ずしも互いに面一ではない。
【0033】
したがって、第1の変形例によれば、軸方向に延在しているハウジングの第1のセクションにある混練要素用レセプタクル列の数のうち、第1の数の列に混練要素を装備し、また軸方向に延在しているハウジングの第2のセクションでは、第2の数の列に混練要素を装備するようにするのが好ましく、第2の数は第1の数とは相違している。軸方向に延在しているウォームシャフトの第1のセクションを、軸方向に延在しているハウジングの第1のセクションに割り当て、ブレード要素の数を第3の数としており、また、軸方向に延在しているウォームシャフトの第2のセクションを、ハウジングの第2のセクションに割り当て、ブレード要素の数を第4の数としている。本変形例では、この第4の数も第3の数とは相違している。これにより、第1の数と第3の数とを等しくすることができ、また第2の数と第4の数とを等しくすることができる。ただし、第1の数と第3の数とを互いに相違させることもでき、また第2の数と第4の数とを互いに相違させることもできる。
【0034】
第2の変形例によれば、軸方向に延在しているハウジングの第1のセクション、および軸方向に延在しているハウジングの第3のセクションにおける混練要素用レセプタクル列の数のうち(後者を第1の変形例と同じ設計にしている)、第1または第3の数の列に混練要素を装備し(とりわけ後者を、第1の変形例と同じ設計にしている)、また軸方向に延在しているハウジングの第2および第4のセクションで、ハウジングの第1または第3のセクションにおける数と同じ第1または第3の数の列に混練要素を装備するようにしており、軸方向に延在しているウォームシャフトにおいて対応する第1および第3のセクションを、ハウジングの第1および第3のセクションに割り当てており、また軸方向に延在しているウォームシャフトの第2および第4のセクションを、ハウジングの第2および第4のセクションに割り当てており、ウォームシャフトの第1および第3のセクションにおけるブレード要素の数を、ウォームシャフトの第2および第4のセクションにおけるブレード要素の数と同じにしており、しかしながら、第2および第4のセクションにおけるブレード要素を、ウォームシャフトの第1および第3のセクションにおけるブレード要素に対してオフセット角度分だけ変位させ、その結果、これらのブレード要素が面一にならないようにしている。この第2の変形例の一実施形態では、たとえば、ウォームシャフトの第1および第3のセクションならびにウォームシャフトの第2および第4のセクションに、それぞれ6列にわたってブレード要素を配置し、これらのブレード要素は、それぞれ同じ角度(ラジアン)にわたって延在しており、これら6つのブレード要素の広がり角度をそれぞれ相違させることもできるし、同じにすることもできる。好ましくは、ウォームシャフトの第1または第3のセクションならびにウォームシャフトの第2および第4のセクションに、それぞれ6列にわたってブレード要素を配置し、これらのブレード要素は、シャフトバーの断面円周におけるそれぞれ同じ角度範囲にわたって、15°~75°で延在しており、ここで、オフセット角度を10°~20°とし、好ましくは15°としている。たとえば15°~40°などのより小さな角度(ラジアン)を選択した場合、これら6列のブレード要素を、円周上で非対称(60°±30°)に配置させることもできる。第1および第2の変形例の両方で、材料のタイプと目的のプロセスに個別に適合させている解決策を、本混合・混練機内に材料を導入するための、本混合・混練機の構造に合ったコンベヤラインを使用していくつかのセクションに見出すことができる。
【0035】
本発明の概念の別の実施形態では、ウォームシャフトの第1または第3のセクションにおいて、ブレード要素の列の数を、ウォームシャフトの別のセクションにおけるブレード要素の列の数と等しくすることを提案しているが、別のセクションにおけるこれらのブレード要素を、ウォームシャフトの第1または第3のセクションにおけるブレード要素に対してオフセット角度でオフセットさせて、その結果、これらのブレード要素が面一にならないようにしている。好ましくは、それらの第1または第3のセクションおよびそれらの別のセクションに、それぞれ6列にわたってブレード要素を配置し、これらのブレード要素は、15°~75°のそれぞれ同じ角度にわたって延在しており、ここで、オフセット角度を10°~20°、好ましくは15°としている。
【0036】
本発明の別の目的は、自身の内周面によって制限されている中空内部が形成された、混合・混練機用のハウジングを提供することであり、本発明によれば、少なくともいくつかのセクションにおいて、当該ハウジングの内周面から当該ハウジング内へと延在している少なくとも6つの混練要素用レセプタクルを、当該ハウジング内に設けており、当該ハウジングの内周面上で、当該ハウジングの内周面における少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在している少なくとも2列にわたってこれらのレセプタクルを配置しており、少なくとも2列、好ましくはこれら少なくとも2列すべてが、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つ、とりわけ好ましくは少なくとも8つの混練要素用レセプタクルをそれぞれ含み、また、当該ハウジングの軸方向に延在している少なくとも1つのセクションにおいて、当該ハウジングの断面から見て、当該ハウジングの内周面によって画定されている円周上に、これらの混練要素用レセプタクルを不均一に分散配置している。
【0037】
好ましくは、当該ハウジングは少なくとも2つのハウジング半体を含み、当該ハウジングの内周面を円筒状に形成している。したがって、本発明による混合・混練機用のハウジングが少なくとも2つのハウジング部品を含み、これらのハウジング部品を互いに折り畳むか、または互いから分離させて当該ハウジングを開放することができ、またこれらのハウジング部品は、断面が円形になっている中空内部を形成していることが好ましく、本発明によれば、少なくともいくつかのセクションにおいて、当該ハウジングの内周面から当該ハウジング内へと延在している少なくとも6つの混練要素用レセプタクルを、当該ハウジング内に設けており、当該ハウジングの内周面上で、当該ハウジングの内周面における少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在している少なくとも2列にわたってこれらのレセプタクルを配置しており、少なくとも2列、好ましくはこれら少なくとも2列すべてが、少なくとも3つの(好ましくは少なくとも5つ、とりわけ好ましくは少なくとも8つの)混練要素用レセプタクルをそれぞれ含み、また、当該ハウジングの軸方向に延在している少なくとも1つのセクションにおいて、当該ハウジングの断面から見て、当該ハウジングの内周面によって画定されている円周上に、これらの混練要素用レセプタクルを不均一に配置している。これにより、これらのレセプタクルを、ハウジングの残りの部分から取り外し可能なハウジングシェル内に設けることができる。好ましくは各レセプタクルを、ハウジングシェルおよびハウジング壁を通って延在しているボアとするようにしており、その中に固定要素を、ハウジングの外壁に接続した状態で配置することができる。中空のボルトをボアに挿入することにより、内部に流体を加えることもできる。ボア内のボルトには、温度センサまたは圧力センサをさらに設けることができる。
【0038】
本発明による混合・混練機について記載している特徴は、適用可能な場合、本発明によるハウジングにとっても好ましいものである。
【0039】
さらに、本発明は、少なくとも6つのブレード要素がシャフトバー自身から半径方向外向きに延在するように配置された円周面上に、好ましくは円形断面を有するシャフトバーを備える、混合・混練機用のウォームシャフトに関し、シャフトバー上のブレード要素を、シャフトバーの円周面における少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在している少なくとも2列にわたって配置しており、少なくとも1列、好ましくは少なくとも2列、とりわけ好ましくはこれら少なくとも2列すべてが、軸方向から見て、それぞれ少なくとも3つの(好ましくは少なくとも5つの、とりわけ好ましくは少なくとも8つの)のブレード要素を含み、これらのブレード要素の少なくとも2つの角度範囲の値が互いに相違しており、この角度範囲の値によって、これらのブレード要素がシャフトバーの断面円周へと延在している。
【0040】
これにより、好ましくはメインシャフトへと軸方向に延在している3列にわたって、これらのブレード要素を配置するようにしているが、これらのブレード要素がメインシャフトの断面円周上に延在する際に依拠する角度範囲の値は、少なくとも異なる2列間では相違し得るが、ただしこれらが必ずしも相違している必要はない。たとえば、1つの列の個々のブレードが延在している角度範囲の値は、好ましくは20°~120°であり、好ましくは110°~116°であり、また第2および第3の列における角度範囲の値は20°~175°であり、好ましい事例では128°~140°である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下、本発明について、図面を参照しながらより詳述する。
【
図1a】本発明による混合・混練機の斜視図を示す。
【
図1b】
図1aに示す本発明による混合・混練機の概略縦断面図を示す。
【
図1c】
図1aに示す混合・混練機の上部ハウジング半体の断面図を示し、ここで、この上部ハウジング半体に混練ボルトを装備している。
【
図2】6つの混練ボルトを装備した、
図1aに示す混合・混練機を通る断面図を示す。
【
図3】4つの混練ボルトを装備した、
図2による断面図を示す。
【
図4】3つの混練ボルトを装備した、
図2による断面図を示す。
【
図5】2つの混練ボルトを装備した、
図2による断面図を示す。
【
図6a】2枚ブレード型ウォームシャフトの角度目盛を示す。
【
図6b】
図2の6列配置における混練ボルトの位置を示す。
【
図7a】3枚ブレード型ウォームシャフトの角度目盛を示す。
【
図7b】
図4の3列配置における混練ボルトの位置を示す。
【
図8a】6枚ブレード型ウォームシャフトの角度目盛を示す。
【
図8b】
図5の2列配置における混練ボルトの位置を示す。
【
図9】1つのウォームシャフトにおけるブレード要素の位置を示し、4枚ブレード型ウォームシャフトは3枚ブレード型断面を有し、それに応じた対応する混練ボルトの位置を示す。
【
図10】1つのウォームシャフトにおけるブレード要素の位置を示し、2枚ブレード型ウォームシャフトは3枚ブレード型断面を有し、それに応じた対応する混練ボルトの位置を示す。
【
図11】1つのウォームシャフトにおけるブレード要素の位置を示し、6枚ブレード型ウォームシャフトは3枚ブレード型断面を有し、それに応じた対応する混練ボルトの位置を示す。
【
図12a】
図6aおよび
図6bによる実施形態の代替案における、2列、3列、4列または6列の混練ボルトを有する2枚ブレード型ウォームシャフトを示す。
【
図12b】
図6aおよび
図6bによる実施形態の代替案における、2列、3列、4列または6列の混練ボルトを有する2枚ブレード型ウォームシャフトを示す。
【
図12c】
図6aおよび
図6bによる実施形態の代替案における、2列、3列、4列または6列の混練ボルトを有する2枚ブレード型ウォームシャフトを示す。
【
図12d】
図6aおよび
図6bによる実施形態の代替案における、2列、3列、4列または6列の混練ボルトを有する2枚ブレード型ウォームシャフトを示す。
【
図13a】
図7aおよび
図7bによる実施形態の代替案における、サイズの異なるブレード要素を有する3枚ブレード型ウォームシャフトを示す。
【
図13b】この3枚ブレード型ウォームシャフトの角度目盛を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1a、
図1bおよび
図1cのさまざまな図に概略的に示し、かつ全体を符号100で示す本混合・混練機は、ハウジング10と、ハウジング10内に配置されたウォームシャフト12とを備える。ハウジング10は、いわゆるハウジングシェル16で内側が覆われた、2つのハウジング半体14、14’を含む。本特許出願では、ハウジングシェル16を、ハウジング10の構成要素と見なしている。ハウジング10の内周面は、2つのハウジング半体14、14’が閉鎖されているとき、円筒状中空内部18、すなわち円形断面を有する内部18を制限している。
【0043】
ハウジングシェル16の材料を、腐食、摩耗、またはその2つの組み合わせ、もしくはトライボ特性などの押出特性に従って選択している。通常ハウジングシェル16を、間隙を有する形態で作製しており、この間隙は、予め作製された中空シリンダが、たとえばワイヤ侵食によって分離が生じることによる結果として発生している。押出物用の間隙を含まないハーフシェルも既知であり、前記ハーフシェルには、食品、または温度感度などの押出物または押出特性の要件があるために、間隙を設けることができない。
【0044】
ウォームシャフト12はシャフトバー20を備え、シャフトバー20の円周面上にはブレード要素22を配置している。2つのハウジング半体14、14’内に、混練要素24、すなわち混練ボルトおよび混練歯などの混練要素用に、レセプタクル28を設けている。したがって、
図1cに示すように、レセプタクル28はそれぞれ、ハウジングシェル16の内周面からハウジング壁を通って延在しているボア28である。各レセプタクル28の下部にある半径方向内側端部を、その断面が正方形となるように設計している。混練ボルト24はそれぞれ、その下端に正方形の、レセプタクル28の半径方向内側端部に完全に嵌合する端部を有し、これにより、使用状態でレセプタクル28に回転不能に固定される。具体的に
図1cに示している実施形態の逸脱として、各レセプタクル28の下部にある半径方向内側端部を、その断面に3つの縁部または6つの縁部を有するように設計することができる。
【0045】
混練ボルト24を、レセプタクル28内に位置するその端部上で、レセプタクル28の上部端部で使用される固定要素26とねじ止めによって接続している。これにより、個々の混練ボルト24は固定要素26によってそれぞれ保持され、この固定要素26は、混練ボルトの反対側の端部上に、ハウジング10の外壁30上に突出している雄ねじ部を有し、ここで、ナット32をねじ込むことで固定要素26をハウジング10へと固定し、これによって混練ボルト24へも固定している。あるいは、混練ボルト24はねじ止め用の雌ねじを有することもでき、したがってこの混練ボルト24を、固定要素26およびナット32を使用する代わりにねじで固定することもできる。
【0046】
図1aから具体的に分かるように、互いに等間隔を置いた混練ボルト24用レセプタクル28は、29、29’、29’’の3列の形態で、軸方向から見て2つのハウジング半体14、14’のそれぞれに向かって延在している。したがって、ハウジングのレセプタクル列29、29‘、29’’の総数は6となる。本発明の意味において、列とは、列29、29’、29’’で軸方向に離隔しているレセプタクル28の上に位置する接続線が、直線であることを意味していると解釈される。したがって、各列29、29’、29’’のレセプタクル28を、ハウジング10の軸方向から見て、それらと隣り合う列29、29’、29’’に対してわずかにオフセットさせて配置し、その結果ウォームシャフト12が回転し、それと同時に往復並進運動するときに、ウォームシャフト12の個々のブレード要素22が、その内部で係合している混練ボルト24と衝突しないようにしている。
【0047】
本発明による混合・混練機100は、
図2~
図13でよりはっきりと確認できるように、ハウジング10の軸方向に延在している少なくとも1つのセクションにおいて、混練要素24用レセプタクル28を、ハウジング10の断面から見て、ハウジング10の内周面によって画定されている円周上に不均一に分散配置していることを特徴とする。ハウジング10の内周面によって画定されている円周上に、これらの混練要素24用レセプタクル28を不均一に分散配置することは、ハウジング10の断面で見た場合、ハウジング10の内周面上にある隣り合う列28にある2つの混練要素24用レセプタクル28それぞれの間の角度間隔d
1、d
2すべてのうち、少なくとも2つの角度間隔d
1、d
2が互いに相違していることを意味していると理解される。
【0048】
ハウジング10は、好ましくは1または複数の熱器具によって温度制御可能であるか、またはハウジングの外側に取り付けられた電気加熱カートリッジもしくは加熱プレートによって加熱可能であり、また、適用可能な場合は別の流体、たとえば油または別の流体あるいは特定のガスによって、水冷または空冷され、また冷却されている。
【0049】
図1bに示すように、本混合・混練機を、軸方向にいくつかのプロセスセクション34、34’、34’’へと細分化しており、これらのプロセスセクション34、34’、34’’をそれぞれ、混練ボルト24の数、ならびにシャフトバー20におけるブレード要素24の数および広がりの点で、個々のプロセスセクション34、34’、34’の機能に適合させている。
図1aに示すように、上部ハウジング半体14の左側セクション34および右側セクション34’’における3列29、29’、および29’’の混練ボルト24用レセプタクル28のうち、2列、すなわち上部列29および下部列29’’には混練ボルト24を装備しているが、中間列29’には混練ボルト24を装備していない。これとは異なり、上部ハウジング半体14の中央セクション34’における3列29、29’、および29’’の混練ボルト24用レセプタクル28のうち、1列、すなわち中間列29’には混練ボルト24を装備しているが、上部列29および下部列29’’には混練ボルト24を装備していない。
【0050】
プロセスセクション34を、たとえば導入セクションとすることができ、プロセスセクション34’を、混合・均質化セクションとすることができ、またプロセスセクション34’’を脱気セクションとすることができる。混合対象の原材料は、供給ホッパ36によって混合・混練機10に加えられ、次いでプロセスセクション34、34’、34’’を通って案内され、最終的に出口開口部38を通って吐出される。
【0051】
図示しているプロセスセクション34、34’、34’’の代わりに、本発明による混合・混練機100は、具体的には4つのプロセスセクションを備えることもできる。
【0052】
図2は、
図1aに示す混合・混練機100を通る断面図を示しているが、ここでは、6列28すべてにそれぞれの混練ボルト24を装備している。
【0053】
図2で混合・混練機100を円が包囲している様子に基づいて、2列のレセプタクルそれぞれにおける互いからの間隔は、d
1=45°となる一方、隣接するハウジングにあるその他のレセプタクル列の互いからの角度間隔は、d
2=90°となることが分かる。
【0054】
その他の場合は、従来どおりに、6列29、29’、および29’’のレセプタクル28の配置で、内円の角度範囲、すなわち60°の一部にわたって均一に分散配置を行うのではなく、むしろ不均一な分散配置を行っている。
不均一な角度分布には、ハウジング10内でレセプタクル28に別のものを装備できるという利点がある。
【0055】
たとえば、
図3は、6列29、29’、29’’のレセプタクル28のうち4列のみに混練ボルト24を装備する様子を示しており、列29、29’、29’’のレセプタクル28のうち2列にブラインドボルト40を挿入している。ハウジング内壁の断面円周面上における隣接レセプタクルまでの間隔が正確に45°(すなわち両側から)となるように、ブラインドボルト40を設けている。これにより、
図3による実施形態における4つの混練ボルト24の角度間隔は、従来の混合・混練機から既知であるように、正確に90°になる。
【0056】
図4による実施形態では、6列29、29’、29’’のレセプタクル28のうち3列に混練ボルト24を装備し、その他の3列にはブラインドボルト40を装備している。この場合、2つの混練ボルト24における互いからの間隔が90°であり、またこれらの混練ボルト24の両方に対する第3の混練ボルト24からの間隔が135°であるため、混練ボルト24を不均一に分散配置していることになる。
【0057】
図5には、2つの混練ボルト24のみと、4つのブラインドボルト40とを設けている様子を示している。これら2つの混練ボルト24は、互いに正確に対向している。この混練ボルトの配置も、従来の混合・混練機の配置に対応している。
【0058】
図2~
図5に基づいて、6列29、29’、29’’のレセプタクル28を不均一に分散配置することにより、6つ、4つ、3つ、および2つの混練ボルト24による配置を実現する方法について説明している。具体的には、2つのハウジング半体14、14’を互いに折り畳むことができる。対応する混練ボルト24を対応する固定要素26と共に内側から挿入することができ、その後、ナット32を外側からねじ込むことができる。再度混練ボルトを同様に素早く取り外して、ブラインドボルト40に交換することができる。混練ボルト24を再挿入するために、再度ブラインドボルト40を同様に素早く取り外すことができる。
【0059】
ウォームシャフト12が混練ボルト24の配置に適合するような適切な形態で、これを設ける必要があることが理解される。ここで、ブレード要素22を柔軟に装備できるウォームシャフト12を設けることができ、その結果、混練ボルトの配置を変更するとブレード配置も変更することになる。ウォームシャフト12全体を交換することもできる。
【0060】
図6aは、シャフトバー20上にブレード要素22を備えた、ウォームシャフト12の断面図を示す。
図6aに示す2枚ブレード型ウォームシャフト(1回転あたり2枚のブレード)は、
図2に示す6列のボルトによる配置で実装することができる。
図6bに混練ボルト24を示しており、
図6bは、ウォームシャフト12の外側ケーシングを展開した様子を示し、またブレード要素22に対する混練ボルト24の位置を示している。2枚ブレード型構成のブレード要素22は、
図6aの例では、ほぼ正確に90°の角度にわたって延在している。このウォームシャフト12を6つのボルト列と組み合わせた場合、既知の3枚ブレード型または4枚ブレード型ウォームシャフトと比較して、2つ~3つの別のせん断間隙が形成されているため、押出物のせん断効率が高まることになる。ハウジング端部の方向に押圧しているブレード表面が、当該押出物の軸方向への前進行程を行う間、ブレードの勾配に基づいたウォームシャフトの回転運動によって、押出物が搬送されているところに追加されるが、これが3枚ブレード型または4枚ブレード型の要素よりも小さく、押出物の滞留時間が長くなることにより、結果的に2枚ブレード型要素となる。それに加えて、2枚ブレード型要素間の間隙は3枚型または4枚型ブレード要素間の間隙よりも大きく、これにより、押出物の流れが搬送方向へとより容易に戻ることになる。これにより、滞留時間と軸方向に向かう混合とがさらに増加し、当該押出物にさらにより多くのせん断を加えることができるようになる。6つの混練ボルト24を使用する場合、3つの混練ボルト24がそれぞれ、2枚ブレード型要素の2つのブレード要素22と組み合わさって軸方向に連続的に配置されることでせん断間隙を形成し、他の2つの混練ボルト24が一種のバリアを形成し、このバリアにより、副流が大量にこのせん断間隙の周りを流れることが防止され、またその際、この副流が少なくともいくらかのせん断を受けることもなく、それに加えて、この「バリア」の周りを副流が流れたとしても、伸張流が発生することになるため、結果的に、押出物の分配混合に有利な効果がもたらされる。
【0061】
図7aは、
図4の3つの混練ボルト列と組み合わせて実装できる、3枚ブレード型構成を示している。
図7bは、これに対応する展開図を示している。
図7aによる3枚ブレード型構成では、ウォームシャフトのブレード22のうちの1枚が112.5°の角度(ラジアン)にわたって延在し、その他の2枚のブレードが135°の角度(ラジアン)にわたって延在するようにしている。この点に関しては、
図4に基づいて上記で説明したように、混練ボルトの間隔のうちの2つが135°であり、第3の間隔が90°であるということを、考慮に入れている。本実施形態を、135°または112.5°の正確な値に設定しているのではなく、むしろ
図2に示すハウジングの実施形態に適合しているような変形例も想定可能である。一方、
図7aおよび7bによるウォームシャフト12を、
図2に示すもの以外の構成にも適用することができる。前述した角度範囲を有する3枚ブレード型要素によるブレード要素22を非対称に配置することと、真下に間隙を有するようにウォームシャフト12上を構成することにより、2つの隣り合うブレード要素へと押出物が確実に均一に流れるようになり、いずれのデッドスペースも発生しないようになる。このようにボルトを非対称に分散配置し、さらにこれに関連したボルトの非対称配置を行うことより、これらに対応する自由表面が発生し、これにより、既知の対称の3枚ブレード型要素では不可能な、ブレード表面の設計が可能になる。
【0062】
図8aおよび
図8bは、
図5による2列の混練ボルト配置に適合する、6枚ブレード型構成を示している。この場合、各列の関連レセプタクルを有する混練要素24を、ハウジングの軸方向から見て、隣接列の混練要素に対してわずかにオフセットさせて配置しており、その結果ウォームシャフト12が回転し、それと同時に往復並進運動するときに、ウォームシャフト12の個々のブレード要素22が、その内部で係合している混練ボルト24と衝突しないようにしている。ここで、6つのブレード要素22はそれぞれ、45°の広がり(ラジアン)を有する。通常、ブレード間の間隔が60°である場合、この広がりは15°~75°である。均一な分散配置による変形例では、少なくとも1つのブレード要素を60°±30°オフセットさせているため、このブレード要素がその他の隣接要素よりもその隣接要素の1つに近接しているようにすることができ(図示せず)、このことが、15°~40°における任意の広がりεであることの必要条件となる。この6枚ブレード型ウォームシャフトには2つのボルト経路しか装備されていないため、せん断がほとんど発生せず、このために温度が上昇するが、ブレード要素の数が多く、また押出物がそれに応じて分割されて送り直しされることが多いため、分配混合の効果が非常に高くなる。
【0063】
ここに示しているように柔軟にボルトを配置することにより、さまざまなウォームコンベヤセクションに(これらは、本混合・混練機の延長方向、すなわちウォームシャフト12の軸方向に互いに追従している)個別に装備を行うことができ、ハウジングはボルトを適切に装備している。このように、
図9は、1つの4枚ブレード型セクション40および関連する4つの混練ボルト列から3枚ブレード型セクション32および関連する3つの混練ボルト列、さらには4つの混練ボルト列を有する別の4枚ブレード型セクション44へと再度遷移している様子を示す。
【0064】
図10は、6つの混練ボルト列を有する2枚ブレード型セクション46が、3つの混練ボルト列を有する3枚ブレード型セクション48へと合流している様子を示し、そこで、6つの混練ボルト列を有する2枚ブレード型セクション50が続いている。
【0065】
図11は、2つの混練ボルト列を有する6枚ブレード型セクション52が、3つの混練ボルト列を有する3枚ブレード型セクション54へと遷移し、次いで2つの混練ボルト列を有する6枚ブレード型セクション56へと再度遷移している様子を示す。
【0066】
図12a~
図12dは、ウォームシャフト12の2枚ブレード型の実施形態において、2つ、3つ、4つおよび6つの混練ボルト列を設ける場合を示す。ブレード要素22の広がり(ラジアン)は、
図12aの場合、20°~210°のl
1に等しい。
図12bの場合、l
2aは20°~175°であり、l
2bは20°~210°である。
図12cの場合、l
3は20°~165°である。
図12dの場合、l
4は20°~120°である。
【0067】
図13aは、異なるブレード要素22を有するウォームシャフト12の一例を示し、これらのブレード要素22の一方の広がり(ラジアン)は20°~120°であり、その他の広がりは20°~175°である。
【0068】
本発明は概して、本件の
図2~
図5を比較すると分かるように、ハウジングに混練ボルトまたは混練歯もしくは他の混練要素を装備するにあたり、高い柔軟性を提供するものであり、よって、ウォームシャフトを、適切なブレード要素に適合するように装備している。
【0069】
たとえば、本発明による混合・混練機は、以下の特徴の組み合わせを有する。
本混合・混練機は、
-少なくとも2つのハウジング部品を含むハウジングであって、これらのハウジング部品を互いに折り畳むか、または互いから分離させて当該ハウジングを開放することができ、またこれらのハウジング部品は、断面が円形になっている内部を形成している、ハウジングと、
-内部での動作中に回転し、また同時に自身の軸方向に往復並進運動している、ウォームシャフトと、
-ハウジングの少なくとも1つの内部から内向きに突出している複数の混練要素であって、これら複数の混練要素を少なくとも2列にわたって配置しており、このウォームシャフトはブレード要素を有し、ウォームシャフトが回転し、かつ軸方向に並進運動していることにより、混合かつ混練されている材料が、それぞれのブレード要素と混練要素との間にある間隙へとこれらのブレード要素によって引き込まれ、その後生じるせん断によって、混合・混練効果が得られることになる、混練要素とを備え、
ハウジング内には、対応する列数の混練要素用レセプタクルを複数設けており、これらのレセプタクルを、円形の内部によって画定されている円弧上に不均一に分散配置している。
【0070】
先に述べた本混合・混練機では、具体的には固定要素用の開口部によって、各レセプタクルをハウジングの外壁へと接続することができる。
【0071】
本混合・混練機では、n列のレセプタクルをハウジング内に設けることができ、ここで、nは2以上の自然数であり、また、隣り合う2つのレセプタクル間の角度間隔d1、d2は値360°/nと少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、とりわけ好ましくは少なくとも5°、極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違している。
【0072】
本混合・混練機では、本混合・混練機の少なくとも1つのセクションに、n列の混練要素用レセプタクルを設けることができ、最大でもn-1列のレセプタクルに混練要素を装備している。
【0073】
本混合・混練機では、本混合・混練機の少なくとも1つのセクションに、6列の混練要素用レセプタクルを設けることができ、これらのレセプタクル列を対で互いに対して対向するように配置していることで、3対のレセプタクル列を形成しており、3対のレセプタクル列間の角度間隔のうち、2つの角度間隔が40°~50°であり、1つの角度間隔が80°~100°である。
【0074】
本混合・混練機では、円形断面を有するシャフトバー上にブレード要素を取り付けることができ、これらのブレード要素の少なくとも2つの角度の値(これらが延在している)を互いに相違させることができる。
【0075】
本混合・混練機では、本混合・混練機の少なくとも1つのセクションに、3列にわたってブレード要素を配置することができ、1つの列にあるブレード要素はすべて、同じ角度にわたって延在しており、3つのブレード要素が延在している角度の値において、3列のうちの2列の値が20°~175°となり、第3の列の値が20°~120°となる。
【0076】
本混合・混練機では、ハウジングの第1のセクションにおける所定列数の混練要素用レセプタクルからの第1の列の数のレセプタクルと、ハウジングの第2のセクションにおける第2の列の数のレセプタクルとに混練要素を装備することができ、第2の数は第1の数とは相違しており、また、ウォームシャフトにおいて対応する第1のセクションをハウジングの第1のセクションに割り当てており、ブレード要素の数は第3の数であり、またハウジングの第2のセクションはウォームシャフトの第2のセクションに対応しており、ブレード要素の数は第4の数であり、第4の数は第3の数とは相違している。
【0077】
本混合・混練機では、ハウジングの第1または第3セクションにおける所定列数の混練要素用レセプタクルからの、第1および第3の列の数のレセプタクルに混練要素を装備することができ、また、ハウジングの第1または第3のセクションと同様に、ハウジングの第2または第4のセクションにおける、同じ第1および第3の列の数のレセプタクルに混練要素を装備することができ、ハウジングの第1または第3のセクションでは、ウォームシャフトにおいて対応する第1および第3のセクションを、ハウジングの1または第3のセクションに割り当てており、また、ウォームシャフトの別のセクションがハウジングの第2または第4のセクションに対応しており、ウォームシャフトの第1または第3のセクションにおけるブレード要素の数は、ウォームシャフトのその他のセクションにおけるブレード要素の数と等しくなっている。
【0078】
本混合・混練機では、ウォームシャフトの第1または第3のセクションと、ウォームシャフトの別のセクションとにそれぞれ、6列にわたってブレード要素を配置することができ、また、これらのブレード要素を15°~75°となる同じ角度にわたって延在させることができ、ここで、オフセット角度を10°~20°とし、好ましくは15°としている。
【0079】
少なくとも2つのハウジング部品を含む混合・混練機用のハウジングであって、これらのハウジング部品を互いに折り畳むか、または互いから分離させて当該ハウジングを開放することができ、またこれらのハウジング部品は、断面が円形になっている内部を形成しており、ハウジング部品上でこの内部に、対応する列数の混練要素に応じた複数のレセプタクルを設けることができ、これらのレセプタクルを、円形の内部によって画定されている円弧上に不均一に分散配置している。
【0080】
断面が円形セグメントの形状になっている、内壁を有する混合・混練機のハウジング用の一方のハウジング半体では、少なくとも2列の混練要素用レセプタクルを内壁上に配置し、隣り合う2列の角度間隔を値360°/nから相違させることができ、ここで、nは2以上の自然数であり、値360°/nから最低1°、好ましくは2.5°、とりわけ好ましくは少なくとも5°、極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違させることができる。
【0081】
混合・混練機のハウジングにおけるハウジング半体用のシェルでは、シェルの断面が円形セグメントの形状になっており、また少なくとも2列の混練要素用レセプタクルを含み、隣り合う2列の角度間隔を値360°/nから相違させることができ、ここで、nは2以上の自然数であり、値360°/nから最低1°、好ましくは2.5°、とりわけ好ましくは少なくとも5°、極めてとりわけ好ましくは少なくとも10°相違させることができる。
【0082】
円形断面を有するシャフトバーを備え、このシャフトバー上に複数のブレード要素を取り付けている混合・混練機用のウォームシャフトでは、これらのブレード要素のうちの少なくとも2つを、これらが延在している角度の値において互いに相違させることができる。
【0083】
前述のウォームシャフトでは、本混合・混練機の少なくとも1つのセクションに、3列にわたってブレード要素を配置することができ、1つの列にあるブレード要素はすべて、同じ角度にわたって延在しており、3つのブレード要素が延在している角度の値において、3列のうちの2列の値が110°~116°となり、第3の列の値が128°~140°となる。
【0084】
前述のウォームシャフトでは、ウォームシャフトの第1のセクションにあるブレード要素の数を、ウォームシャフトの第2のセクションにあるブレード要素の数と相違させることができる。
【0085】
円形断面を有するシャフトバーを備え、このシャフトバー上にいくつかのブレード要素を取り付けている混合・混練機用のウォームシャフトでは、ウォームシャフトの第1または第3のセクションで、ブレード要素の列数をウォームシャフトの別のセクションにあるブレード要素の列数と等しくさせることができるが、別のセクションにおけるこれらのブレード要素を、ウォームシャフトの第1または第3のセクションにおけるブレード要素に対してあるオフセット角度でオフセットさせて、その結果、これらのブレード要素が面一にならないようにしている。
【0086】
前述のウォームシャフトでは、ウォームシャフトの第1または第3のセクションと、ウォームシャフトの別のセクションとにそれぞれ、6列にわたってブレード要素を配置することができ、また、これらのブレード要素を15°~75°となる同じ角度にわたって延在させることができ、ここで、オフセット角度を10°~20°とし、好ましくは15°としている。
【符号の説明】
【0087】
10 ハウジング
12 ウォームシャフト
14,14’ ハウジング半体
16 ハウジングシェル
18 内部
20 シャフトバー
22 ブレード要素
24 混練要素/混練ボルト
26 固定要素
28 混練要素用レセプタクル/ボア
29,29’,29’’(軸方向に延在している)混練要素用レセプタクルの列
30 外壁
32 ナット
34,34’,34’’ プロセスセクション
36 供給ホッパ
38 出口開口部
40 ブラインドボルト
41,42,44,46,48,50,52,54,56 セクション
100 混合・混練機
d1,d2 隣り合う2列の混練要素用レセプタクル間の角度間隔