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特開2023-27168エラストマー部品、不織材料および熱可塑性フィルムを結合するためのホットメルト接着剤
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  • 特開-エラストマー部品、不織材料および熱可塑性フィルムを結合するためのホットメルト接着剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027168
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】エラストマー部品、不織材料および熱可塑性フィルムを結合するためのホットメルト接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 123/12 20060101AFI20230221BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20230221BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20230221BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20230221BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20230221BHJP
   C09J 123/02 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
C09J123/12
C09J11/06
C09J11/08
C09J11/04
B32B27/32 Z
C09J123/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194149
(22)【出願日】2022-12-05
(62)【分割の表示】P 2019526596の分割
【原出願日】2017-11-27
(31)【優先権主張番号】62/426,774
(32)【優先日】2016-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/527,444
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】313011456
【氏名又は名称】ボスティック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 元太
(72)【発明者】
【氏名】シークリスト,キンバリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,スティーブン,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ジル エム.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不織層、弾性アタッチメントおよび熱可塑性フィルムなどの使い捨て衛生製品において使用される基材を一緒に結合させることを含む種々の工業用途において、構成接着剤および弾性部品接着剤の両方として良好に機能する(すなわち「二重機能」の)単一の接着剤を提供する。
【解決手段】ホットメルト接着剤組成物は、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物から選択される第1のポリマー成分と、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、約30重量%~約75重量%の粘着付与樹脂とをベースとするポリマーブレンドを含む。組成物は、任意選択的に、可塑剤、酸化防止剤、ワックス、充填剤、着色剤、UV吸収剤、別のポリマーまたはそれらの組合せをさらに含有する。ホットメルト組成物は、180℃において約80,000cP以下の粘度を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)2重量%~50重量%の、第1のポリマー成分であって、ポリプロピレンホモポリマーを含み、130℃未満の融点と、22.6J/g以下の溶融熱と、ASTM D638に従って少なくとも100%の破断点伸びの値を有することによって定義される弾性率とを有する、前記第1のポリマー成分と、
(b)2重量%~50重量%の、第2のポリマー成分であって、非晶質ポリアルファオレフィンを含み、30%未満の結晶化度を有する第2のポリマー成分と、
(c)30重量%~75重量%の、少なくとも80℃および最大で140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂と
を含むホットメルト接着剤組成物であって、前記組成物の粘度は、180℃において80,000cP以下であり、前記組成物中の唯一のポリオレフィンは、22.6J/g以下の溶融熱を有するか、または30%未満の結晶化度を有する、ホットメルト接着剤組成物。
【請求項2】
前記粘着付与樹脂は、32重量%~73重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
0.1重量%~20重量%の量で可塑剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
最大で20重量%の量でワックスをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
安定剤または酸化防止剤の少なくとも一方をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
最大で60重量%の量で充填剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
第3のポリマー成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記第3のポリマー成分は、EVA、PE、LDPE、LLDPE、PBおよびスチレン系ブロックコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1のポリマー成分は、ポリプロピレンホモポリマーであり、かつ100℃未満のDSC融点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
積層品を製造する方法であって、
溶融状態の請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物を第1の基材に適用するステップと、
第2の基材を前記接着剤組成物と接触させることにより、前記第2の基材を前記第1の基材に結合するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の基材は、弾性ストランドである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
使い捨て物品において弾性レッグカフ、自立レッグカフまたは弾性サイドパネルとして使用される、請求項10に記載の方法によって製造される積層品。
【請求項13】
前記第1のポリマー成分は、前記組成物の5重量%~35重量%の量で存在し、かつ前記第2のポリマー成分は、前記組成物の10重量%~45重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記第1のポリマー成分は、前記組成物の15重量%~38重量%の量で存在し、かつ前記第2のポリマー成分は、前記組成物の10重量%~40重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
全ポリマー対粘着付与樹脂の重量比は、3:7~7:3で変動する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記第1のポリマー成分は、5重量%~30重量%の量で存在し、前記第2のポリマー成分は、15重量%~40重量%の量で存在し、前記粘着付与樹脂は、30重量%~70重量%の量で存在し、かつ可塑剤は、5重量%~20重量%の量で前記接着剤組成物中に存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項17】
前記第1のポリマー成分対前記第2のポリマー成分の重量比は、1:5~1:1で変動し、かつ全ポリマー:粘着付与樹脂の重量比は、1:3~3:2で変動する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
ポリプロピレンホモポリマーを含む第1のポリマー成分であって、130℃未満の融点と、22.6J/g以下の溶融熱と、ASTM D638に従って少なくとも100%の破断点伸びの値を有することによって定義される弾性率とを有する、前記第1のポリマー成分と、
非晶質ポリアルファオレフィンを含み、30%未満の結晶化度を有する第2のポリマー成分と、
少なくとも80℃および最大で140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂と
を含むホットメルト接着剤組成物であって、前記組成物の粘度は、180℃において80,000cP以下であり、前記組成物中の唯一のポリオレフィンは、22.6J/g以下の溶融熱を有するか、または30%未満の結晶化度を有し、かつ前記第1のポリマー成分、前記第2のポリマー成分および前記粘着付与樹脂は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを有するホットメルト接着剤組成物を提供するために有効な量で存在する、ホットメルト接着剤組成物。
【請求項19】
核剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
紫外線光(UV)吸収剤、界面活性剤、不活性着色剤、二酸化チタン、蛍光剤、および充填剤の少なくとも1つからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年11月28日出願の米国特許出願第62/426,774号明細書および2017年6月30日出願の米国特許出願第62/527,444号明細書の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ホットメルト接着剤、特に低融点のポリプロピレンベースのポリマーまたはコポリマーと非晶質ポリ-アルファオレフィン(APAO)とのブレンドから製造されるホットメルト接着剤に関する。これらの接着剤は、エラストマー部品を種々の基材に結合させる際に有用であり、かつおむつ、女性用生理ナプキン、成人用失禁製品、医療用ガウンなどの使い捨て消費者物品の製造のための構成接着剤として有用である。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト接着剤は、広範囲の商業的最終使用のための種々の基材間での結合を形成するために使用される。例えば、ホットメルト接着剤は、多数の製造物品において不織材料、ポリマーフィルムおよびエラストマー部品を結合させるために利用される。そのような用途において、ホットメルト接着剤は、エラストマー部品、例えばストランド、フィルム、アタッチメントタブまたはパネルおよび他の連続または分離形態を布、合成布、不織材料および種々のポリマーフィルム間で結合させるために使用される。例えば、接着結合した弾性ストランドを使用して、物品のレッグおよびウエスト区域の周囲での使い捨て衛生用製品の適合度を改善する。これらの用途では、流体を保持するように信頼性の高い密封を維持しながら、着用者の動きに快適に適応するように、衣服に必要とされるストランドの弾性を損なうことなく、基材への強い結合を形成するための接着剤が必要とされる。少なくとも1つの他の基材に弾性部品を付着させるために使用されるホットメルト接着剤は、本明細書では「弾性部品接着剤」として記載される。
【0004】
使い捨て消費者物品のためのホットメルト「構成接着剤」は、種々の不織材料をポリ乳酸、ポリエチレンまたは未処理のポリプロピレンなどの低表面エネルギー熱可塑性フィルムと接着させる。使い捨て物品の製造においてより薄いポリオレフィンバックシートを使用する場合、接着剤が適用されるときの溶落ちおよび変形を防ぐためにより低粘度のホットメルトの使用が必要とされる。構成接着剤は、良好なせん断強度を有するべきであるが、さらに(特に低い付加レベルにおいて1平方メートルあたり1または2グラムなどの)強い剥離強度を有さなければならない。他方では、弾性部品接着剤は、良好な耐クリープ性を示さなければならない。
【0005】
ホットメルト接着剤は、広範囲の適用方法およびプロセス条件を使用して適用され得る。ホットメルト接着剤は、種々のパターンの薄いフィラメントまたは層として基材または弾性部品にスプレーまたはコーティングされ得、次いで、この基材または弾性部品が種々の材料に付着される。冷却させると、接着剤は、機械的応力中および/または後の剥離力または結合維持によって測定されるような適切な結合強度を示すなど、複数の必要条件を満たす必要がある。特定の用途において、長期または熱的に促進された老化を受けた物品に機械的応力が適用される間およびその後、結合性能が維持されなければならない。
【0006】
ホットメルト接着剤は、ポリマー、例えばポリオレフィン(エチレンまたはプロピレンベースのポリマーなど)、あるいは官能化ポリオレフィン(酸素および他のヘテロ原子含有モノマーから製造されたエチレンまたはプロピレンコポリマーなど)、または少なくとも1つのゴム相を含有するスチレン系ブロックコポリマー、例えばポリ(スチレン-b-イソプレン-b-スチレン)(SIS)もしくはポリ(スチレン-b-ブタジエン-b-スチレン)(SBS)などをベースとし得る。SIS、SBSおよび類似のブロックコポリマーが利用される場合、スチレン相は、一般に、凝集強度を提供すると考えられるが、ポリ(ジエン)相は、弾性部品接着剤などの最終使用において機械力に耐えなければならない製造された部品の性能に重要であるエラストマー挙動を付与すると考えられる。
【0007】
これまで、多くの種々のオレフィン系ポリマーがホットメルト接着剤の配合物中で使用されてきた。これらの最初のものは、ポリマー鎖の炭素主鎖に沿ってペンダントメチル基のランダムな立体的配向を有することによって特徴付けられる非晶質ポリプロピレン(APP)であった。立体規則性の欠如によってAPP系の結晶化度の生成が損なわれ、それにより、それらは、接着剤の全体的な性能を調整するために使用される種々の粘着付与剤、可塑剤、ワックスおよび充填剤と適合可能になる。
【0008】
その後、最初の非晶質ポリプロピレンポリマーを上回って改善された特性を提供する他のオレフィンポリマーが利用可能となった。これらは、非晶質ポリ-アルファオレフィン(APAO)と呼ばれる。APAOは、限定されないが、プロピレン、エチレンおよびブテンを含む種々のモノマーを使用して製造される。それらは、典型的に、非常に広範囲の分子量分布(多分散性指数>3.0)を有するランダムポリマーであり、かつ種々のチーグラー-ナッタ(Ziegler-Natta)触媒系を利用して製造され得る。
【0009】
典型的に、低結晶化度APPまたはAPAO材料のみをベースとするホットメルト接着剤は、それらが一般に低い機械力において撓み、低い弾性を有し、かつ長期または熱的に促進された老化を受けた物品において強い結合を維持することができないため、弾性用途に関する結合維持性能基準を満たすことができない。さらに、非常に低い結晶化度のポリオレフィンのみを含有する配合物は、ゆっくりと特性を生じさせる傾向がある。後者の問題は、衛生用途において一般に使用される不織物などの多孔性基材上で利用される場合に問題となる可能性がある。そこでは、遅いセットアップが接着剤の過度の浸透を導く可能性があり、最終積層品の性能を損ない、極端な場合、プロセス機器上の接着剤の堆積および潜在的ブロッキングを引き起こす可能性がある。
【0010】
最近、より正確に調整された特性を有するポリオレフィンを製造するために、メタロセンおよび他のシングルサイト触媒(SSC)が開発された。これにより、これらの制限のいくつかが克服される。例えば、分子量分布は、これらの種類の触媒を使用することによって制御されて、従来のチーグラー-ナッタ触媒を利用して製造されたものと比較して有意により狭い多分散性値を有するポリマーを提供し得る。これらの材料の狭い多分散性により、物理的特性を損なわせる可能性のある極めて短いポリマー鎖を含有しない低粘度接着剤を製造することが可能となる。シングルサイト触媒も、チーグラー-ナッタ触媒と比較して非常に高いレベルのコモノマーを組み込むことが可能である。これにより、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンなどの高いレベルのコモノマーをエチレンベースポリマー中に組み込むことが可能となり、優れた機械的特性を有する高透明度フィルムへと製造され得る中程度~低密度のポリエチレンコポリマーが提供される。この分類のエチレンベースコポリマーの例としては、Dow Chemical CompanyからのAffinity(登録商標)およびEngage(登録商標)ポリマーが含まれる。同様に、高いレベルのエチレンおよび/または他のアルファオレフィンを含有するプロピレンベースコポリマーの製造を可能にするシングルサイト触媒も開発された。プロピレンベースコポリマー系の例としては、ExxonMobilからのVistamaxx(登録商標)ポリマーおよびDow Chemical Companyから入手可能なVersify(登録商標)グレードが含まれる。
【0011】
シングルサイト触媒は、ポリオレフィンおよびそれらのコポリマーの連鎖構造を制御するためにさらに利用され得る。これらの触媒は、ポリマー鎖に沿った立体および領域欠陥度を支配し、したがって全体的な結晶化度および最終特性を支配する。隣接する主鎖炭素のペンダント置換基(「ジアド(diad)」)が、高度アイソタクチックポリマーを提供するように同一の(「メソ」)様式で一次配列されるように、これらの触媒を使用してポリマー立体規則性の制御が行われ得る。逆に、側面分枝アルキル基が、シンジオタクチックポリマーが得られるように対立する(「ラセミ」)様式で配向されるように、シングルサイト触媒が設計され得る。アイソタクチックおよびシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーなどの非常に低いレベルの立体誤差(0.50モル%未満)を含有する高度に制御された立体規則性を有する材料は、一般に硬質であり、高融点材料である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
最近、ポリマー特性の微調整を可能にするように固定レベルの立体欠陥を標的とする触媒が開発された。制御されたレベルの立体誤差を選択的に導入するように設計された触媒を使用することにより、構成において他のポリプロピレンホモポリマーと同一であるが、強化された可撓性を示し、かつより低融点である材料を提供することができる。この分類のポリマーの例としては、Idemitsu Chemicalsから入手可能であるL-MODU S400、S600およびS901プロピレンベースホモポリマーが含まれる。これらのポリマーを使用して、より良好な接着特徴を有するホットメルト接着剤が製造されてきたが、それらは、種々の熱的条件下での長期老化に対して正確に維持されなければならない弾性材料を含む種々の基材への強い初期結合の形成を必要とする用途において広範囲に使用されていない。さらに、構成接着剤および弾性部品接着剤の両方として良好に機能する(すなわち「二重機能」の)単一の接着剤を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのような目的を考慮して、本発明の実施形態は、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂とを含むホットメルト接着剤組成物であって、組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下であり、かつ第1のポリマー成分、第2のポリマー成分および粘着付与樹脂は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを有するホットメルト接着剤組成物を提供するために有効な量で存在する、ホットメルト接着剤組成物を提供する。本発明の実施形態は、弾性部品接着剤および構成接着剤としてのものを含む広範囲の接着剤用途において機能し、かつ二重機能である特定の接着剤配合物を含む。
【0014】
本発明の別の実施形態によると、ホットメルト接着剤組成物は、(a)約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、(b)約2重量%~約50重量%の、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、(c)約30重量%~約75重量%の、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂とを含み、(ASTM D3236-88によって測定された)組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下である。
【0015】
本発明の一実施形態によると、積層品を製造するための方法は、(a)溶融状態のホットメルト接着剤組成物を第1の基材に適用するステップであって、ホットメルト接着剤組成物は、(i)約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、(ii)約2重量%~約50重量%の、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、(iii)約30重量%~約75重量%の、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂とを含み、(ASTM D3236-88によって測定された)組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下である、ステップと、(b)第2の基材を接着剤組成物と接触させることにより、第2の基材を第1の基材に結合するステップと、(c)接着剤を冷却するステップとを含む。
【0016】
本発明の追加の実施形態は、溶融状態の本発明によるホットメルト接着剤組成物を第1の基材に適用し、かつ第2の基材を接着剤と接触させることにより、第2の基材を第1の基材に結合し、次いで接着剤を冷却する方法によって製造される積層品を含む。このような積層品は、使い捨て物品において弾性レッグカフ、自立レッグカフまたは弾性サイドパネルとして使用され得る。この積層品は、接着剤が構成接着剤として使用される実施形態における使い捨て物品のコアの一部としても使用され得、そのような場合、積層品は、典型的に、不織基材、構成接着剤およびポリエチレンフィルムなどのバッキング層またはフィルムを含む。本発明の実施形態は、本発明の接着剤および少なくとも1つの基材を含むおむつなどの使い捨て物品も含む。
【0017】
本発明のさらなる実施形態は、二重機能接着剤を使用する方法であって、(1)接着剤の単一のバッチを溶融して、溶融接着剤を形成するステップと、(2)溶融接着剤を第1の部分および第2の部分に分割するステップと、(3)第1の部分をプラントの第1の領域に向け、かつ第1の領域における接着剤を第1の基材または弾性部品の少なくとも一方に適用して、第1の接着剤を有する表面を提供するステップと、(4)第1の基材または弾性部品の他方を、第1の接着剤を有する表面に付着させるステップと、(5)第2の部分をプラントの第2の領域に向け、かつ第2の領域における接着剤を第2の基材または不織層の少なくとも一方に適用して、第2の接着剤を有する表面を提供するステップと、(6)第2の基材または不織層の他方を、第2の接着剤を有する表面に付着させるステップとを含み、接着剤は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを提供するために有効である、方法に関する。本実施形態は、2つの最終使用を果たすことが可能であり、任意選択的に、そのような使用の1つにおける適用前に可塑剤が添加される、接着剤のための単一の溶融タンクの使用を可能にする。
【0018】
上記の概要および以下の詳細な説明の両方は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の3つの例示的な配合物の初期および種々の老化環境後の両方の剥離性能を示す。グラフのそれぞれの部分は、左から右にそれぞれ初期、1週間、2週間および4週間老化値の剥離強度値を示す。
図2】別の配合物と比較される、本発明の例示的な配合物の初期および種々の老化環境後の両方の剥離性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態によると、ホットメルト接着剤組成物は、(a)約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、(b)約2重量%~約50重量%の、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、(c)約30重量%~約75重量%の、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂とを含み、(ASTM D3236-88によって測定された)組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下である。
【0021】
本発明の実施形態は、少なくとも約30重量%の量の粘着付与樹脂と共に、低融点ポリプロピレンポリマーおよび非晶質アルファポリオレフィンの混合物をベースとする接着剤である。(他に特記されない限り、本明細書中の全てのパーセンテージは、接着剤の全重量に基づく重量による。)本発明の実施形態による接着剤は、種々の基材、特に性質がエラストマーであるものとの優れた初期結合を示し、かつ長期熱的老化時に維持される結合を提供する。このため、衛生、構成および輸送用途に関して有用となる。本発明の他の実施形態による接着剤は、良好なせん断強度を提供するが、特に低い付加レベルにおいて1平方メートルあたり1または2グラムなどの追加的に強い剥離強度を提供する。良好な耐クリープ性および剥離強度を示す本発明の特定の接着剤は、二重機能であることが見出された。
【0022】
一般に、本発明のホットメルト接着剤組成物は、約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分を含む。本明細書で使用される場合、第1のポリマー成分の「低い融点」は、1分あたり10℃の代わりに1分あたり20℃の走査温度が使用された点で試験に1つの変更があったことを除き、ASTM E-794-01に従って示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定した場合に130℃未満の融点を有することを意味する(「DSC融点」)。好ましくは、第1のポリマーのDSC融点は、95℃未満、より好ましくは92℃未満、および最も好ましくは90℃未満である。より好ましくは、第1のポリマーのDSC融点は、少なくとも60℃、およびより好ましくは少なくとも65℃である。(本発明の接着剤または接着剤の成分のいずれかの特性または特徴を説明するために、本明細書で範囲の上限および下限が別々に提供される場合、本発明の態様は、いずれかの列挙された下限からいずれかの列挙された上限まで延在する範囲を含む。)
【0023】
本発明の実施形態によれば、第1のポリマー成分は、低い弾性率を有し、これは、それが破壊される前に比較的高い範囲まで伸張し得ることを意味する。「低い弾性率」を有するポリマー成分を識別する1つの方法は、その破断点伸びを評価することである。本発明の実施形態において、第1のポリマー成分は、ASTM D638に従って少なくとも20%の破断点伸びを有する(本明細書では「低い弾性率値」と定義される)。好ましくは、第1のポリマー成分は、少なくとも100%、より好ましくは少なくとも150%、最も好ましくは少なくとも200%の低い弾性率値を有する。ポリマー成分の弾性率を測定する別の方法は、JIS-K 7113-2に従ってその破断点伸びを決定することである。本発明の実施形態において、第1のポリマー成分は、少なくとも400%、より好ましくは少なくとも500%、最も好ましくは少なくとも550%のJIS-K 7113-2による破断点伸び値を有する。
【0024】
本発明の配合物中における低融点のポリプロピレンベースのポリマーの種類およびレベルは、種々の基材に弾性部品を結合するために必要とされる結合強度および延性で、種々の適用方法のために必要な流動の適切な平衡を提供するように選択される。この適用に適切である低融点プロピレンベースのポリマーとしては、一般に、90モル%未満のメソジアド(meso diad)濃度および130℃未満、好ましくは100℃未満のDSC融点を有するプロピレンホモポリマーが含まれる。
【0025】
Idemitsu Petrochemical,Ltd.により、新規の種類のポリオレフィンが開発された。それらは、そのL-MODUグレードとして記載される。L-MODUグレードは、低分子量および低弾性率ポリオレフィンの略語である。それらは、完全にポリプロピレンベースであるが、それらは、通常、ポリプロピレンと関連しない特性を有する。従来のポリプロピレンホモポリマーは、結晶化度および融点が非常に高くなる傾向がある。これは、それらがジーグラー-ナッタまたはメタロセン触媒技術を使用して調製されたかどうかにかかわらず当てはまる。新規L-MODUグレードは、ポリマーの立体規則性を制御するユニークなメタロセン触媒を使用して製造される。これにより、以前には達成不可能であった特性を付与する新規の種類のポリマーが得られる。例えば、これらの新規ポリマーの融点は、他のいずれのメタロセン触媒によるポリプロピレンホモポリマーよりもはるかに低い。典型的なポリプロピレンホモポリマーは、約130℃~170℃のDSC融点を有する。L-MODUポリマーは、ASTM E-28-99に従って測定した場合、130℃未満の環球式軟化点を有する。本発明の実施形態において、第1のポリマー成分は、ポリプロピレンホモポリマーであり、かつ100℃未満のDSC融点を有する。
【0026】
これらのポリマーの製造プロセスは、米国特許第6,797,774号明細書(日本国東京のIdemitsu Petrochemical Co.,Ltd.に譲渡)に詳細に記載されている。それらは、そのような低融点および長期再結晶化時間を有するため、水中ペレット製造装置を使用してそれらを加工するには特別な考慮が必要である。これは、日本国東京のIdemitsu Kosan Co,.Ltd.に譲渡された米国特許第7,776,242号明細書に記載されている。米国特許第6,797,774号明細書および米国特許第7,776,242号明細書に見出される開示は、両方ともそれに対する参照により本特許出願に特に組み込まれる。Idemitsu L-MODUポリプロピレンホモポリマーの特定の特徴を以下の表1に列挙する。
【0027】
【表1】
【0028】
L-MODUポリマーは、ポリプロピレンホモポリマーであるが、それらは、上記の通り従来のポリプロピレンポリマーと非常に異なる。DSCによって測定した場合にはるかに低い融点を有することに加えて、それらの溶融エンタルピー値も従来のポリプロピレングレードよりはるかに低い。1分あたり10℃の代わりに1分あたり20℃の走査温度が使用されたという1つの変更があったことを除き、ASTM E-793-01「Standard Test Method for Enthalpies of Fusion and Crystallization by Differential Scanning Calorimetry」に従って分析した場合、表2に示す以下の結果が得られた。
【0029】
【表2】
【0030】
融点および溶融エンタルピー値の両方とも、ほとんどの従来のポリプロピレンベースのホモポリマーと比較して非常に低い。典型的なポリプロピレンホモポリマーは、約130℃~171℃の融点および約80J/g以上の溶融エンタルピー値を有する。L-MODUポリマーは、融点および溶融エンタルピーのユニークな組合せを有する。しかしながら、本発明者らは、これらの材料をベースポリマーとして使用して適切なホットメルト接着剤を製造するには、第2のポリマー成分として追加のポリマー成分の使用が必要とされることを見出した。
【0031】
他のポリマーが低融点の第1のポリマー成分として使用され得、それらとしては、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテンおよびそれらの組合せと共にプロピレンから誘導されるランダムなポリ-アルファオレフィンコポリマーおよびターポリマーが含まれる。いくつかの特に好ましいポリオレフィンポリマーは、エチレン-プロピレンコポリマーおよびエチレン-オクテンコポリマーなどの少なくとも1つの他のオレフィンモノマーとのプロピレンのコポリマーである。好ましいランダムコポリマーとしては、商品名Vistamaxx(登録商標)でExxonMobil Chemicalから得ることができるプロピレン/エチレンエラストマーが含まれる。適切な商用グレードは、約5重量%~約20重量%のエチレン、約1~約50g/分のメルトフロー速度および約0.84~0.88グラム/mLの密度の範囲である。1つの特に好ましいグレードは、約85%のプロピレンおよび15%のエチレンを有し、かつ20g/10分のメルトマスフロー速度(230℃/2.16kg)および0.863g/ccの密度を有するポリ(プロピレン-コ-エチレン)エラストマーであるVistamaxx(登録商標)6202である。第2の好ましいグレードは、約87%のプロピレンおよび13%のエチレンを有し、かつ45g/10分のメルトマスフロー速度(230℃/2.16kg)および0.865g/ccの密度を有するポリ(プロピレン-コ-エチレン)エラストマーであるVistamaxx(登録商標)6502である。
【0032】
第1のポリマー成分は、一般に、いずれの使用のためにも、接着剤組成物中に約2重量%~約50重量%、好ましくは約5重量%~約45重量%、および最も好ましくは約7.5重量%~約40重量%の量で存在する。これらのレベルにおけるポリプロピレンの混合物も適切である。必要に応じて、約5重量%~約30重量%の1つ以上の追加のポリマーが第1のポリマーと一緒にブレンドされ得る。本発明の実施形態による第1のポリマー成分の重量平均分子量は、約2,000グラム/モル~約150,000g/モル、好ましくは約20,000g/モル~約150,000g/モルの範囲であり得る。上記の値は、一般に接着剤の使用のための範囲である。接着剤が弾性部品接着剤として使用される好ましい実施形態では、第1のポリマー成分は、約5重量%~約35重量%、より好ましくは約10重量%~約30重量%、および最も好ましくは約15重量%~約25重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。接着剤が構成接着剤として使用される好ましい実施形態では、第1のポリマー成分は、約15重量%~約38重量%、より好ましくは約18重量%~約33重量%、および最も好ましくは約20重量%~約32重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。接着剤が二重機能的である(すなわち構成接着剤または弾性部品接着剤としてのいずれかで使用され得る)好ましい実施形態では、第1のポリマー成分は、約5重量%~約30重量%、より好ましくは約8重量%~約25重量%、および最も好ましくは約10重量%~約17重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。
【0033】
本発明のホットメルト接着剤組成物は、いずれの使用のためにも、約2重量%~約50%重量で存在する非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分も含む。非晶質ポリ-アルファオレフィン(APAO)などのこのような第2のポリマー成分の存在は、凝集強度をもたらし、かつ接着剤の最終的な物理的特性を変更すると考えられる。特に、考慮して選択された量の粘着付与剤と組み合わせた、APAOポリマーと、上記されるような低弾性で低融点の第1のポリマー成分との組合せにより、経時的に接着剤の完全な特性が生じるため、応力が印加された弾性部品への強い結合を維持するために必要とされる凝集強度を有する接着剤が得られることが示された。類似のセットアップ利益を提供すると想定され得るより高結晶化度ポリオレフィンまたはポリオレフィンワックスなどの他の材料と異なり、APAO材料は、本発明の配合物の他の重要成分との強化された適合性を提供し、接着剤の長期相安定性を強化すると考えられる。
【0034】
本発明において有用なブレンドの第2のポリマー成分は、低分子量、低溶融粘度および非晶質プロピレン含有ポリマーのいくつかの異なる分類を含む。「非結晶」という用語は、本明細書では、高結晶質ポリプロピレン基準に対して示差走査熱量測定(DSC)によって決定される30%未満の結晶化度を有するものとして定義される。これらのポリマーは、プロピレンのホモポリマー、またはプロピレンと、1つ以上のアルファオレフィン(1-アルケン)コモノマー、例えばエチレン、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンとのコポリマーであり得る。「ブテンリッチ」APAOポリマーと呼ばれるポリ(1-ブテン-コ-プロピレン)ポリマーも本発明に適切である。ポリマーは、有利には、ASTM E28に従って約80℃~170℃の環球式軟化点およびASTM D3417に従って約-5℃~-40℃のガラス転移温度を示す。
【0035】
一実施形態において、非晶質ポリマーは、(ASTM D3236に基づいて決定される)190℃において約500cP~約120,000cP、より好ましくは500cP~8,000cPを上回る溶融粘度範囲を有するポリ-アルファオレフィンポリマーである。
【0036】
好ましくは、第2のポリマー成分は、ポリ-α-オレフィン、好ましくは非晶質ポリ-α-オレフィンを含む。好ましい第2のポリマー成分は、「プロピレンリッチ」ポリ(1-プロピレン-コ-1-ブテン)コポリマーならびに/またはエチレンおよび/もしくは1-ブテンの非晶質ポリプロピレン-コ-およびターポリマーを含む。例示的な非晶質ポリ-アルファオレフィンコポリマーとしては、REXtac LLCからのREXtac(登録商標)2830およびEvonik IndustriesからのシリーズからのVestoplast(登録商標)EP NC702が含まれる。
【0037】
第2のポリマー成分は、一般に、いずれの使用のためにも、接着剤組成物中に約2重量%~約50重量%、好ましくは約5重量%~約40重量%、および最も好ましくは約5重量%~約30重量%の量で存在する。上記の値は、一般に接着剤の使用のための範囲である。接着剤が弾性部品接着剤として使用される好ましい実施形態では、第2のポリマー成分は、約10重量%~約45重量%、より好ましくは約20重量%~約40重量%、および最も好ましくは約25重量%~約35重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。接着剤が構成接着剤として使用される好ましい実施形態では、第2のポリマー成分は、約10重量%~約40重量%、より好ましくは約15重量%~約35重量%、および最も好ましくは約20重量%~約28重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。接着剤が二重機能的である(すなわち構成接着剤または弾性部品接着剤としてのいずれかで使用され得る)好ましい実施形態では、第2のポリマー成分は、約15重量%~約40重量%、より好ましくは約18重量%~約32重量%、および最も好ましくは約20重量%~約26重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。
【0038】
粘着付与樹脂は、本記載において定義される通り、天然供給源もしくは化学プロセスまたはそれらの組合せからの分子または巨大分子、一般に化合物、あるいは一般的なポリマーと比較して非常に低分子量のポリマーであり得、一般に、最終ホットメルト接着剤組成物の接着を強化するものである。代表的な樹脂としては、C5/C9炭化水素樹脂、合成ポリテルペン、ロジン、ロジンエステル、天然テルペンなどが含まれる。より特に、有用な粘着付与樹脂としては、いずれかの適合性のある樹脂またはそれらの混合物が含まれ、例えば(1)ガムロジン、ウッドロジン、タル油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量体化ロジンおよび重合ロジンを含む天然および変性ロジン;(2)ペール、ウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステルおよびロジンのフェノール変性ペンタエリトリトールエステルを含む天然および変性ロジンのグリセロールおよびペンタエリトリトールエステル;(3)スチレン/テルペンおよびアルファメチルスチレン/テルペンなどの天然テルペンのコポリマーおよびターポリマー;(4)一般に、適度に低い温度において、フリーデル-クラフツ触媒の存在下でピネンとして既知の二環式モノテルペンなどのテルペン炭化水素の重合の結果として得られるポリテルペン樹脂;水素化ポリテルペン樹脂も含まれる;(5)フェノール変性テルペン樹脂およびその水素化誘導体、例えば酸性媒体中、二環式テルペンおよびフェノールの縮合の結果として得られる樹脂生成物;(6)主にオレフィンおよびジオレフィンからなるモノマーの重合の結果として得られる脂肪族石油炭化水素樹脂;水素化脂肪族石油炭化水素樹脂も含まれる;ならびに(7)環式石油炭化水素樹脂およびその水素化誘導体である。上記の粘着付与樹脂の2つ以上の混合物がいくつかの配合物に必要とされ得る。環式または非環式C5樹脂および芳香族変性非環式または環式樹脂も含まれる。
【0039】
本発明の実施形態において、粘着付与剤は、脂肪族および脂環式炭化水素樹脂ならびにそれらの水素化誘導体、水素化芳香族炭化水素樹脂、芳香族変性脂肪族または脂環式樹脂およびそれらの水素化誘導体、ポリテルペンおよびスチレン化ポリテルペン樹脂ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、粘着付与剤は、C-5脂肪族炭化水素樹脂、水素化C-5樹脂、水素化C-9樹脂、水素化DCPD樹脂および芳香族変性DCPD樹脂からなる群から選択される。
【0040】
本発明の実施形態において、粘着付与樹脂は、少なくとも約40℃、最も好ましくは約80℃~140℃の(ASTM E28によって測定された)環球式軟化点を有する。好ましい粘着付与剤は、約85℃~135℃の環球式軟化点(RBSP)を有し、かつExxonMobil ChemicalからEscorez 5400、5600および5615の商品名で入手可能である。1つの好ましい粘着付与剤は、Kolonから入手可能である、107~114℃のRBSPを有する水素化C5/環式炭化水素樹脂であるSukorez SU-210である。他の好ましい粘着付与樹脂は、Eastman Chemical Companyから入手可能であり、かつ限定されないが、Eastotac(登録商標)H100LおよびEastotac(登録商標)H100Rなどの部分的に水素化された脂肪族炭化水素樹脂ならびにそれぞれPiccotac(登録商標)1095およびPiccotac(登録商標)9095などの非水素化脂肪族C5樹脂、および低芳香族性を有する芳香族変性C5樹脂が含まれる。
【0041】
本発明の実施形態は、約30重量%~約75重量%の量で粘着付与樹脂を含む、いずれかの使用のためのホットメルト接着剤組成物を提供する。一般的にかつ弾性部品接着剤としての使用のための好ましい性能のために、粘着付与剤は、組成物の約30重量%~約75重量%、好ましくは約32重量%~約73重量%、より好ましくは約35重量%~約70重量%、および最も好ましくは約45重量%~約65重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。構成接着剤としての接着剤の使用のための好ましい実施形態では、粘着付与剤は、組成物の約30重量%~約60重量%、好ましくは約32重量%~約55重量%、より好ましくは約34重量%~約50重量%、および最も好ましくは約35重量%~約45重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。接着剤が二重機能的である(すなわち構成接着剤または弾性部品接着剤としてのいずれかで使用され得る)好ましい実施形態では、粘着付与剤は、約30重量%~約70重量%、より好ましくは32重量%、34重量%、36重量%、38重量%または40重量%~約60重量%、および最も好ましくは約45重量%~約55重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。2つ以上の粘着付与樹脂のブレンドも使用され得る。例えば、第1の粘着付与樹脂と、第1の粘着付与樹脂と異なる第2の粘着付与樹脂のブレンドとも利用され得る。必要に応じて、約5重量%~約70重量%の1つ以上の追加の粘着付与樹脂が第1の粘着付与樹脂と一緒にブレンドされ得る。
【0042】
本発明において、適用および最終使用中の接着剤の挙動を制御するために可塑剤も使用され得る。本発明において有用な可塑剤成分は、鉱物ベースのオイル、石油ベースのオイル、液体樹脂、液体エラストマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、フタレートおよびベンゾエート可塑剤およびエポキシド化大豆油から選択され得る。好ましくは、可塑剤は、鉱油および液体ポリブテン、より好ましくは30%未満の芳香族炭素原子を有する鉱油からなる群から選択される。可塑剤は、仕上げ接着剤における押出性、可撓性、加工性および伸縮性を改善するために熱可塑性ゴムおよび他の樹脂に添加され得る、典型的に有機組成物として総括的に定義される。周囲または適用温度において流動し、かつ本発明の組成物で適合可能であるいずれの材料も有用であり得る。好ましくは、可塑剤は、約40℃より高い温度において低揮発性を有する。最も一般に使用される可塑剤は、主に芳香族含有量が低い炭化水素油であり、かつ特徴がパラフィン系またはナフテン系であるオイルである。このオイルは、好ましくは、揮発性が低く、透明であり、かつ着色が少なく、かつ無視できる臭気を有する。本発明は、オレフィンオリゴマー、低分子量ポリマー、合成炭化水素油、植物油およびそれらの誘導体ならびに類似の可塑化オイルも含み得る。固体可塑剤も本発明に有用であり得る。そのような可塑剤の例としては、1,4-シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、グリセリルトリベンゾエート、ペンタエリトリトールテトラベンゾエートおよびジシクロヘキシルフタレートが含まれる。本明細書で上記された種類の本発明において有用な適切なナフテン系鉱油との石油ベースのオイルが好ましく、これは、Nynasから商品名Nyplast(登録商標)で商業的に入手可能である。適切な液体可塑剤としては、Ineosによって供給されるIndopolシリーズ材料などのポリブテンが含まれる。必要に応じて、最終使用性能および最終特性を調整するために可塑剤のブレンドも利用され得る。
【0043】
接着剤が弾性部品接着剤としての使用のために適切である実施形態において使用される場合、可塑剤は、接着剤の約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%の量で使用され得る。いくつかの実施形態において、可塑剤は使用されない。接着剤が構成接着剤としての使用のために適切である実施形態に関して、可塑剤は、接着剤の約1重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、および最も好ましくは約8重量%~約17重量%の量で使用され得る。接着剤が二重機能的である(すなわち構成接着剤または弾性部品接着剤としてのいずれかで使用され得る)好ましい実施形態では、可塑剤は、約5重量%~約20重量%、より好ましくは約8重量%~約20重量%、および最も好ましくは約12重量%~16重量%、16.5重量%、17重量%、17.5重量%または18重量%の量で接着剤組成物中に存在し得る。2つ以上の可塑剤のブレンドも使用され得る。例えば、第1の可塑剤と、第1の可塑剤と異なる第2の可塑剤のブレンドとも利用され得る。必要に応じて、上記で列挙された総量を達成するために、約1重量%~約19重量%の1つ以上の追加の可塑剤が第1の可塑剤と一緒にブレンドされ得る。
【0044】
本発明は、約0重量%~約5重量%の量で安定剤または酸化防止剤を含み得る。好ましくは、約0.1%~2%の安定剤または酸化防止剤が組成物に組み込まれる。本発明のホットメルト接着剤組成物中で有効な安定剤は、組み込まれて、インジケータ―の製造および適用中ならびに周囲環境への最終生成物の通常の暴露において通常生じる熱および酸化分解の影響から、上記で指摘されたポリマー、したがって全接着剤系を保護するのに有用である。適用可能な安定剤の中でも、ヒンダードフェノールならびに硫黄およびリン含有フェノールなどの多官能性フェノールが挙げられる。ヒンダードアミンフェノールなどの酸化防止剤は、そのフェノール系ヒドロキシル基の付近に嵩高い基も含有するフェノール系化合物として特徴付けられ得、かつ好ましい。特に、第三級ブチル基は、一般に、フェノール系ヒドロキシル基に対してオルト位の少なくとも1つにおいてベンゼン環上に置換される。ヒドロキシル基の近辺のこれらの立体的に嵩高い置換基の存在は、その伸縮振動数、したがってその反応性を遅らせるように機能し、したがって、このような立体障害は、フェノール系化合物に安定化特性を提供する。代表的なヒンダードフェノールとしては、以下が含まれる。
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3-5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
ペンタエリトリトールテトラキス-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
n-オクタデシル-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
4,4’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、
6-(4-ヒドロキシフェノキシ)-2,4-ビス(n-オクチルチオ-1,3,5-トリアジン、
2,3,6-トリス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチル-フェノキシ,3,5-トリアジン、
ジ-n-オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、
2-(n-オクチルチオ)エチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、および
ソルビトールヘキサ-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート。
【0045】
ポリオレフィン核剤も本発明において存在し得る。本発明に適切な核剤は、一般に、ポリオレフィン添加剤パッケージにおいて迅速な結晶化を促進するために一般に利用される清澄剤として既知の核剤の下位分類である。適切な材料としては、Millikenによって供給されるMillad 3988およびMillad NX8000ならびにBASFによって製造されるIrgaclear Dなどのジベンジリデンソルビトール誘導体が含まれる。他の適切な試剤としては、New Japan Chemical Companyによって提供されるNJ Star NU-100などの芳香族アミド系が含まれる。
【0046】
含まれる場合、核剤は、一般に、組成物の約0.05重量%~5重量%の量で接着剤組成物中に存在する。好ましくは、約0.1重量%~2.5重量%、および最も好ましくは約0.2重量%~1.0重量%が利用される。2つ以上の核剤のブレンドも使用され得る。例えば、第1の核剤と、第1の核剤と異なる第2の核剤のブレンドとも利用され得る。必要に応じて、約0.05重量%~約5重量%の1つ以上の追加の核剤が第1の核剤と一緒にブレンドされ得る。核剤は、直接、粉末として、適切な可塑剤の一部におけるスラリーとして、またはMilliken NX-10などの適切なポリマーマスターバッチのマスターバッチ中の成分として使用され得る。米国特許出願公開第2015/0299526号明細書に記載されるものなどの核剤パッケージも、ホットメルト接着剤のセットアップレートおよび結合特性を調整するために含まれ得る。
【0047】
本接着剤組成物中のポリマー成分に加えて、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリブチレン(PB)およびスチレンブロックコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される約1重量%~約15重量%の追加の補助ポリマーも使用され得る。補助ポリマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン(SI)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-ブタジエン(SEB)、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン(SEP)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEEPS)およびそれらのそれぞれのブレンドからなる群から選択されるスチレンブロックコポリマーであり得る。補助ポリマーは、第1のポリマー成分、第2のポリマー成分および粘着付与樹脂と異なり、かつ接着剤組成物の最終使用に応じて所望の物理的特性を提供するように機能するポリマーである。
【0048】
他の任意選択的な添加剤は、特に物理的特性を変更するために本発明の接着剤組成物中に組み込まれ得ることが理解されるべきである。これらとしては、例えば、紫外線光(UV)吸収剤、ワックス、界面活性剤、不活性着色剤、二酸化チタン、蛍光剤および充填剤などの材料が含まれ得る。典型的な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、粘土シリカ、マイカ、ウォラストナイト、長石、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、水和アルミナ、ガラスミクロスフェア、セラミックミクロスフェア、熱可塑性ミクロスフェア、バライトおよび木材粉が含まれ、かつ最大で60重量%、好ましくは1~50重量%の量で含まれ得る。
【0049】
これらの任意選択的な添加剤の中でも、ワックスは、最大で20重量%、好ましくは0.1~20重量%の量で含まれ得る。本発明の実施形態において、ワックスは、石油ワックス、低分子量ポリエチレンおよびポリプロピレン、合成ワックスおよびポリオレフィンワックスならびにそれらの混合物からなる群から選択される。好ましい実施形態において、ワックスは、約400~約6,000g/モルの数平均分子量を有する低分子量ポリエチレンである。
【0050】
本発明による接着材料の粘度は、一般に、加工およびそれが適用される基材への適用のために適切な適用温度における粘度であるべきである。標準的なホットメルト接着剤装置を通して加工されるために、および適用温度において所望のパターン、したがって適切な結合性能を達成するために、比較的低い粘度を有する接着剤が必要とされる。一般に、粘度は、(読み取りが15秒後以内の代わりに5分において実行されたことを除き)ASTM D 4287-00に従って180℃(356°F)において測定される場合に80,000センチポアズ(cP)以下であり、および最も好ましくは40,000cPより低い。本明細書に示された全ての粘度は、このように変更されたASTM規格に従って測定される。好ましくは、組成物の粘度は、180℃(356°F)において約80,000cP以下であり、および最も好ましくは180℃において40,000cP以下である。好ましくは、組成物の粘度は、全て180℃において少なくとも1,000cP、より好ましくは2,500cP、なおより好ましくは少なくとも5,000cP、および最も好ましくは少なくとも15,000cPである。上記の値は、一般にかつ弾性部品接着剤として使用される場合、接着剤に適切である。接着剤が構成接着剤としての使用のために適切である実施形態において、組成物の粘度は、(読み取りが15後秒以内の代わりに5分において実行されたことを除き)ASTM D 4287-00に従って全て148.9℃において少なくとも500cP、より好ましくは1,000cP~8,000cP、なおより好ましくは約2,000cP~6,000cP、および最も好ましくは約3,000cP~4,000cPである。
【0051】
本発明の実施形態において、ホットメルト接着剤組成物は、第1のポリマー成分、第2のポリマー成分、粘着付与樹脂および任意選択的に可塑剤から本質的になるか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、ホットメルト接着剤組成物は、ワックスを含まない。
【0052】
本発明のホットメルト接着剤組成物は、当該技術分野で既知の技術のいずれかを使用して配合され得る。混合手順の代表的な例は、回転子を備えたジャケット付き混合容器中に全成分を配置することと、その後、混合物の温度を120~230℃の範囲まで上昇させて内容物を溶融させることとを含む。このステップで使用される正確な温度は、特定の成分の融点に依存するであろうことが理解されるべきである。成分は、個々にまたは特定の組合せで撹拌下の容器中に導入され、安定した均一な混合物が形成されるまで混合を継続する。
【0053】
本発明の実施形態において、接着剤は、176.7℃において従来のオーバーヘッド混合機を使用して製造される。最初に、可塑剤、粘着付与剤およびいずれの酸化防止剤も所望の温度まで加熱し、均質性が得られるように撹拌を開始する。いくつかの実施形態では、第1のポリマー成分が最初に添加されるが、ポリマー添加の順番は、最終的な結果に影響を与えないと考えられる。全てのポリマーが溶融しかつ混合物が均質に見えたら、粘度を試験することが可能である。容器の内容物は、全混合プロセス中、窒素などの不活性ガスで保護され得る。本発明のホットメルト接着剤を製造するために他の従来法も使用され得る。例えば、静的混合、単軸押出成形、二軸押出成形および混練を利用する方法が使用され得る。次いで、ホットメルト接着剤を室温まで冷却し、およびその上に保護外皮が形成されているチャブ(chub)へと形成するか、または輸送および使用のためにペレットへと形成する。
【0054】
次いで、結果として得られるホットメルト接着剤は、種々のコーティング技術を使用して基材に適用され得る。例としては、ホットメルトスロットダイコーティング、ホットメルトホイールコーティング、ホットメルトローラーコーティング、メルトブローンコーティングならびにスロット、スパイラルスプレーおよびラッピングスプレー法、例えば弾性ストランドを添付するために使用されるものが含まれる。スプレー技術は、数多くあり、接着剤スプレーパターンを形成するであろう圧縮空気の補助の有無にかかわらず実行され得る。ホットメルト接着剤材料は、一般に、基材上の最終コーティングスポットまでホースを通してポンプ溶融される。接着剤配合物の軟化点より高い任意の適用温度が適切である。
【0055】
本発明の接着剤組成物は、例えば、使い捨て不織衛生物品、紙加工、フレキシブルパッケージ、木材加工、カートンおよびケース密封、ラベリングおよび他のアセンブリ用途などの多数の用途において使用され得る。特に好ましい用途としては、おむつおよび成人用失禁ブリーフ弾性アタッチメント、使い捨ておむつおよび女性用生理ナプキン構成、おむつおよびナプキンコア安定化、おむつバックシート積層、産業用フィルター材料加工、外科用ガウンおよび外科用ドレープアセンブリが含まれる。
【0056】
本発明の接着剤は、種々の基材材料が含まれるいずれの用途にも使用され得る。例としては、ストランド、フィルム、弾性カフ、ウェブ、スクリム、不織または他のいずれかの連続もしくは不連続形態の形態でおむつなどの品目に配置された不織材料、ポリマーフィルムおよび一般に弾性部品が含まれる。いずれの基材材料およびいずれの基材形態も、その上に折り畳まれた単一の基材、または2つ以上の基材を一緒に結合するように機能する接着剤との可能ないずれかの組合せで使用され得る。基材は、複数の形態、例えば繊維、フィルム、スレッド、ストリップ、リボン、テープ、コーティング、ホイル、シートおよびバンドであり得る。基材は、いずれかの既知の組成物、例えばポリオレフィン、ポリアクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、木材、ボール紙または紙などのセルロース系材料であり得る。バルク基材の機械的挙動は、剛質、可塑性またはエラストマー性であり得る。例えば、接着剤は、弾性繊維を不織物またはプラスチックフィルムなどの軟質材料に適用するために使用され得る。エラストマー材料の中でも、天然もしくは合成ゴム、ポリウレタンベースのコポリマー、ポリエーテルもしくはポリエステルウレタン、スチレンもしくはアミドのブロックコポリマーまたはオレフィン系コポリマーなどの様々な例が挙げられる。上記の列挙は、限定的または包括的ではなく、単に一般的な例として提供される。
【0057】
本発明の接着剤は、特にせん断条件下において低温、周囲温度および/または高温で機械的応力に耐えるように、接着剤結合から適切な凝集を得ながら、基材を一緒に結合することによって複合材料および使い捨て製品が製造されるいずれの用途でも使用され得る。おむつ、成人用失禁製品、生理用ナプキンおよび他の吸収性の使い捨て製品ならびにベッドパッド、吸収性パッド、外科用ドレープおよび他の関連医療用または外科用デバイスは、本発明の接着剤組成物の潜在的な用途である。本明細書に記載される接着剤は、紙おむつおよび他の衛生製品における弾性アタッチメント用途において特に有用である。
【0058】
本発明の実施形態において、積層品を製造するための方法は、(1)溶融状態の本発明のホットメルト接着剤組成物を第1の基材に適用するステップと、(2)第2の基材を接着剤組成物と接触させることにより、第2の基材を第1の基材に結合し、かつ次いで接着剤を冷却させるステップとを含む。接着剤が弾性部品接着剤としての使用のために適切である実施形態において、第1の基材は、おむつのレッグカフの一部として使用される弾性ストランドなどのおむつの弾性部分であり得る。接着剤が適用されるとき、それは、好ましくは、伸張状態である。そのような弾性ストランド(またはバンド)およびおむつのレッグカフの一部としてのそれらの適用は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,190,606号明細書に示されている。第2の基材は、SMS不織布ポリエチレンフィルムなどの不織材料またはフィルムを含み得、かつこの方法は、弾性ストランドの周囲に第2の基材を折り畳むことを含み得る。このようにして、第2の基材のみがレッグカフのストランドを包囲する基材として機能し得る。別の実施形態において、第3の基材が使用され、かつ第2および第3の基材は、弾性ストランドの反対側面上で弾性ストランドに結合され得る。そのような実施形態において、第2の基材がポリエチレンフィルムであり得、かつ第3の基材が不織材料のフィルムであり得るか、または逆であり得る。さらに、上記された第2および第3の基材として、不織布に接合された熱可塑性フィルムを含む複合おむつバックシートを使用することも可能である。
【0059】
接着剤が構成接着剤としての使用のために適切である実施形態において、第1の基材は、ポリオレフィンフィルムであり得、かつ第2の基材は、不織材料またはフィルムであり得る。
【0060】
本発明の別の実施形態において、接着剤は、スロットまたはVスロットアプリケーターヘッドなどのホットメルト適用の直接接触法を使用して第1の基材に適用される。代わりに、接着剤は、スプレーアプリケーターなどのホットメルトの非接触法を使用して第1の基材に適用され得る。溶融状態の接着剤が適用される第1の基材は、弾性ストランドまたは不織布であり得る。第1の基材が弾性ストランドである実施形態において、第2の基材は、弾性ストランドの周囲に巻き付けられた不織布であり得るか、または第2の基材は、不織物の2つの層間で弾性であり得る。そのような実施形態において、この方法によって製造された積層品は、おむつなどの使い捨て物品において弾性レッグカフ、自立レッグカフまたは弾性サイドパネルとして使用され得る。
【0061】
本発明の実施形態によると、弾性部品接着剤および構成接着剤の両方としての使用のために適切であるホットメルト接着剤組成物は、(a)約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、(b)約2重量%~約50重量%の、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、(c)約30重量%~約75重量%の、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂とを含み、(ASTM D3236-88によって測定された)組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下であり、かつ第1のポリマー成分対第2のポリマー成分の重量比は、約1:3~約5:4、好ましくは約1:2~約1:1、より好ましくは約2:3~約99:100、および最も好ましくは約3:4~約24:25で変動する。接着剤が二重機能的である実施形態において、第1のポリマー成分対第2のポリマー成分の重量比は、約1:5~約1:1、好ましくは約3:10~約9:10、より好ましくは約2:5~約4:5、および最も好ましくは約1:2~約7:10で変動する。より好ましくは、全ポリマー対粘着付与樹脂の重量比は、約3:7~約7:3、好ましくは約2:3~約7:4、より好ましくは約5:6~約7:5、および最も好ましくは約1:1~約5:4で変動する。接着剤が二重機能的である実施形態において、全ポリマー対粘着付与樹脂の重量比は、約1:3~約3:2、より好ましくは約2:5~約9:8、および最も好ましくは約3:5~約5:6で変動する。いくつかの実施形態において、第1のポリマー成分は、プロピレン-コ-エチレンポリマーであり、かつ第2のポリマー成分は、APAO、好ましくはブテンリッチAPAOである。接着剤が二重機能的である実施形態において、第1のポリマー成分は、約5重量%~約30重量%の量で存在し、第2のポリマー成分は、約15重量%~約40重量%の量で存在し、粘着付与樹脂は、約30重量%~約70重量%の量で存在し、かつ可塑剤は、約5重量%~約20重量%の量で接着剤組成物中に存在する。
【0062】
本発明の実施形態によると、弾性部品接着剤および構成接着剤の両方としての使用のために適切であるホットメルト接着剤組成物は、(a)低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、(b)非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、(c)少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂とを含み、(ASTM D3236-88によって測定された)組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下であり、かつ第1のポリマー成分、第2のポリマー成分および粘着付与樹脂は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを有するホットメルト接着剤組成物を提供するために有効な量で存在する。本実施形態において、剥離強度およびクリープ維持は、本明細書の実施例において明らかにされるように決定される。特に、以下の実施例1において明らかにされるように(35mg接着剤/mストランドの付加レベル標的)、初期および老化クリープ維持が決定される。剥離強度は、1平方メートルあたり1グラムの付加を有することを除いて、以下の実施例8~12の記載において明らかにされるように決定される。
【0063】
本発明のさらに別の実施形態において、二重機能接着剤を使用する方法は、(1)接着剤の単一のバッチを溶融して、溶融接着剤を形成するステップと、(2)溶融接着剤を第1の部分および第2の部分に分割するステップと、(3)第1の部分をプラントの第1の領域に向け、かつ第1の領域における接着剤を第1の基材または弾性部品の少なくとも一方に適用して、第1の接着剤を有する表面を提供するステップと、(4)第1の基材または弾性部品の他方を、第1の接着剤を有する表面に付着させるステップと、(5)第2の部分をプラントの第2の領域に向け、かつ第2の領域における接着剤を第2の基材または不織層の少なくとも一方に適用して、第2の接着剤を有する表面を提供するステップと、(6)第2の基材または不織層の他方を、第2の接着剤を有する表面に付着させるとステップを含み、接着剤は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを提供するために有効である。本実施形態において、剥離強度およびクリープ維持は、本明細書の実施例において明らかにされるように決定される。特に、以下の実施例1において明らかにされるように(35mg接着剤/mストランドの付加レベル標的)、初期および老化クリープ維持が決定される。剥離強度は、1平方メートルあたり1グラムの付加を有することを除いて、以下の実施例8~12の記載において明らかにされるように決定される。
【0064】
本実施形態において、プラントの異なる「領域」は、おむつ製造ラインの種々の部分などの種々の接着剤の適用ステップが実行される種々の区域を含む。例えば、プラントの第1の領域は、弾性部品または弾性部品が付着される基材(または両方)に接着剤が適用され、接着剤が弾性部品接着剤として使用されるラインの部分であり得る。さらに、プラントの第2の領域は、不織層または不織層が付着される基材(または両方)に接着剤が適用され、接着剤が構成接着剤として使用されるラインの部分であり得る。本発明の実施形態において、同一のベース接着剤がそれぞれの最終使用のために使用され得るが、第2の領域における第2の基材または不織層に接着剤を適用する前に可塑剤をベース接着剤に添加し得る。したがって、本発明の実施形態は、第2の領域における第2の基材または不織層に接着剤を適用する前に可塑剤を接着剤の第2の部分に添加することを含む。
【0065】
本発明の態様
以下の段落において、本発明の種々の態様を列挙する。
【0066】
態様1.低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、
非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、
少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂と
を含むホットメルト接着剤組成物であって、組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下であり、かつ第1のポリマー成分、第2のポリマー成分および粘着付与樹脂は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを有するホットメルト接着剤組成物を提供するために有効な量で存在する、ホットメルト接着剤組成物。
【0067】
態様2.約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、
約2重量%~約50重量%の、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、
約30重量%~約75重量%の、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂と
を含むホットメルト接着剤組成物であって、組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下である、ホットメルト接着剤組成物。
【0068】
態様3.粘着付与樹脂は、約32重量%~約73重量%、好ましくは約32重量%~約55重量%の量で存在する、態様1または2のホットメルト接着剤組成物。
【0069】
態様4.第1のポリマー成分対第2のポリマー成分の重量比は、約1:3~約5:4で変動する、態様1~3のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0070】
態様5.粘着付与樹脂は、少なくとも約85℃および最大で約135℃のRBSPを有する、態様1~4のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0071】
態様6.粘着付与剤は、脂肪族および脂環式炭化水素樹脂ならびにそれらの水素化誘導体、水素化芳香族炭化水素樹脂、芳香族変性脂肪族または脂環式樹脂およびそれらの水素化誘導体、ポリテルペンおよびスチレン化ポリテルペン樹脂ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、態様1~5のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0072】
態様7.粘着付与剤は、C-5脂肪族炭化水素樹脂、水素化C-5樹脂、水素化C-9樹脂、水素化DCPD樹脂および芳香族変性DCPD樹脂からなる群から選択される、態様1~5のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0073】
態様8.約0.1重量%~約20%重量%の量で可塑剤をさらに含む、態様1~7のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0074】
態様9.可塑剤は、鉱油および液体ポリブテンからなる群から選択される、態様8のホットメルト接着剤組成物。
【0075】
態様10.可塑剤は、鉱油であり、かつ鉱油は、30%未満の芳香族炭素原子を有する、態様9のホットメルト接着剤組成物。
【0076】
態様11.最大で20重量%の量でワックスをさらに含む、態様1~10のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0077】
態様12.前記ワックスは、石油ワックス、低分子量ポリエチレンおよびポリプロピレン、合成ワックスおよびポリオレフィンワックスならびにそれらの混合物からなる群から選択される、態様11のホットメルト接着剤組成物。
【0078】
態様13.前記ワックスは、約400~約6,000g/モルの数平均分子量を有する低分子量ポリエチレンである、態様11のホットメルト接着剤組成物。
【0079】
態様14.安定剤または酸化防止剤の少なくとも一方をさらに含む、態様1~13のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0080】
態様15.前記安定剤または酸化防止剤の少なくとも一方は、酸化防止剤であり、かつ前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール化合物である、態様14のホットメルト接着剤組成物。
【0081】
態様16.最大で60重量%の量で充填剤をさらに含む、態様1~13のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0082】
態様17.前記充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、粘土、シリカ、マイカ、ウォラストナイト、長石、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、水和アルミナ、ガラスミクロスフェア、セラミックミクロスフェア、熱可塑性ミクロスフェア、バライトおよび木材粉ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、態様16のホットメルト接着剤組成物。
【0083】
態様18.第3のポリマー成分をさらに含む、態様1~17のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0084】
態様19.前記第3のポリマー成分は、EVA、PE、LDPE、LLDPE、PBおよびスチレン系ブロックコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される、態様18のホットメルト接着剤組成物。
【0085】
態様20.前記第3のポリマー成分は、前記スチレン系ブロックコポリマーであり、かつ前記スチレン系ブロックコポリマーは、SIS、SI、SBS、SB、SIBS、SEB、SEBS、SEP、SEPS、SBBS、SEEPSおよびそれらの混合物からなる群から選択される、態様19のホットメルト接着剤組成物。
【0086】
態様21.前記第1のポリマー成分は、100℃未満のDSC融点を有する、態様1~20のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0087】
態様22.前記第1のポリマーは、ASTM D638に従って少なくとも20%の破断点伸びの値を有することによって定義される弾性率を有する、態様1~21のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0088】
態様23.第1のポリマー成分は、ポリプロピレンホモポリマーであり、かつ100℃未満のDSC融点を有する、態様1~22のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0089】
態様24.前記第2のポリマー成分は、ポリアルファオレフィンを含む、態様1~23のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0090】
態様25.前記ポリアルファオレフィンは、ポリ(1-ブテン-コ-プロピレン)ポリマーを含む、態様24のホットメルト接着剤組成物。
【0091】
態様26.積層品を製造する方法であって、
溶融状態の態様1~25のいずれかのホットメルト接着剤組成物を第1の基材に適用するステップと、
第2の基材を接着剤組成物と接触させることにより、第2の基材を第1の基材に結合するステップと
を含む方法。
【0092】
態様27.接着剤は、ホットメルト適用の直接接触法を使用して第1の基材に適用される、態様26の方法。
【0093】
態様28.接着剤は、ホットメルト適用の非接触法を使用して第1の基材に適用される、態様26の方法。
【0094】
態様29.第1の基材は、弾性ストランドである、態様26~28のいずれかの方法。
【0095】
態様30.第1の基材は、不織布である、態様26~28のいずれかの方法。
【0096】
態様31.第2の基材は、弾性ストランドの周囲に巻き付けられた不織布である、態様29の方法。
【0097】
態様32.第2の基材は、ポリエチレンフィルムであり、かつ第3の基材は、不織布である、態様29の方法。
【0098】
態様33.使い捨て物品において弾性レッグカフ、自立レッグカフまたは弾性サイドパネルとして使用される、態様26~29、31または32のいずれかの方法によって製造される積層品。
【0099】
態様34.態様1~25のいずれかの組成物および少なくとも1つの基材を含む使い捨て物品。
【0100】
態様35.第1の基材は、ポリオレフィンフィルムであり、かつ第2の基材は、不織材料である、態様26~28のいずれかの方法。
【0101】
態様36.第1のポリマー成分は、組成物の約5重量%~約35重量%、より好ましくは約10重量%~約30重量%、および最も好ましくは約15重量%~約25重量%の量で存在する、態様1~25のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0102】
態様37.第1のポリマー成分は、組成物の約15重量%~約38重量%、より好ましくは約18重量%~約33重量%、および最も好ましくは約20重量%~約32重量%の量で存在する、態様1~25のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0103】
態様38.第2のポリマー成分は、組成物の約10重量%~約45重量%、より好ましくは約20重量%~約40重量%、および最も好ましくは約25重量%~約35重量%の量で存在する、態様1~25または36のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0104】
態様39.第2のポリマー成分は、組成物の約10重量%~約40重量%、より好ましくは約15重量%~約35重量%、および最も好ましくは約20重量%~約28重量%の量で存在する、態様1~25または37のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0105】
態様40.全ポリマー対粘着付与樹脂の重量比は、約3:7~約7:3、好ましくは約2:3~約7:4、より好ましくは約5:6~約7:5、および最も好ましくは約1:1~約5:4で変動する、態様1~25または36~39のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0106】
態様41.第1のポリマー成分は、プロピレン-コ-エチレンポリマーであり、かつ第2のポリマー成分は、APAO、好ましくはブテンリッチAPAOである、態様1~25または36~40のいずれかのホットメルト接着剤組成物。
【0107】
態様42.第1のポリマー成分は、約5重量%~約30重量%の量で存在し、第2のポリマー成分は、約15重量%~約40重量%の量で存在し、粘着付与樹脂は、約30重量%~約70重量%の量で存在し、かつ可塑剤は、約5重量%~約20重量%の量で接着剤組成物中に存在する、態様8のホットメルト接着剤組成物。
【0108】
態様43.第1のポリマー成分対第2のポリマー成分の重量比は、約1:5~約1:1で変動し、かつ全ポリマー:粘着付与樹脂の重量比は、約1:3~約3:2で変動する、態様42のホットメルト接着剤組成物。
【0109】
態様44.二重機能接着剤を使用する方法であって、
接着剤の単一のバッチを溶融して、溶融接着剤を形成するステップと、
溶融接着剤を第1の部分および第2の部分に分割するステップと、
第1の部分をプラントの第1の領域に向け、かつ第1の領域における接着剤を第1の基材または弾性部品の少なくとも一方に適用して、第1の接着剤を有する表面を提供するステップと、
第1の基材または弾性部品の他方を、第1の接着剤を有する表面に付着させるステップと、
第2の部分をプラントの第2の領域に向け、かつ第2の領域における接着剤を第2の基材または不織層の少なくとも一方に適用して、第2の接着剤を有する表面を提供するステップと、
第2の基材または不織層の他方を、第2の接着剤を有する表面に付着させるステップと
を含み、接着剤は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを提供するために有効である、方法。
【0110】
態様45.第2の部分における第2の基材に接着剤を適用する前に接着剤の第2の部分に可塑剤を添加することをさらに含む、態様45の方法。
【0111】
態様46.使用される接着剤は、態様1~25または40~43のいずれかによる、態様44または45の方法。
【実施例0112】
以下の実施例は、本発明を限定することなく例示する。
【0113】
粘度は、(読み取りが15秒後以内の代わりに5分において実行されたことを除き)ASTM D 4287-00)に従って測定された。測定は、他に記載がない限り、162.8℃において実行された。約0.13gの試料をプレートの中心に配置し、試料が完全に溶解するまで、コーン(Spindle 09)をゆっくりと低下させた。温度が目標値で安定したら(およそ5分)、試験を開始した。スピンドル速度を調整し、パーセントトルクは45%~90%であった。開始試験を5分間実行した後、粘度の読み取り値を記録した。
【0114】
環球式軟化点は、ASTM E-28に明らかにされる方法に従って自動化Herzogユニットで決定した。
【0115】
原材料:
Escorez 5400は、103℃の軟化点を有する水素化脂環式炭化水素樹脂である。これは、ExxonMobil Chemicalから入手可能である。
【0116】
Escorez 5615は、118℃の軟化点を有する脂環式炭化水素樹脂である。これは、ExxonMobil Chemicalから入手可能である。
【0117】
Nyflex 222Bは、55%のパラフィン系および44%のナフテン系を含む可塑剤として使用されるオイルである。これは、Nynas ABから商業的に入手可能である。
【0118】
Sukorez SU-210は、Kolon Chemicalsによって製造される水素化炭化水素粘着付与樹脂である。
【0119】
Sukorez SU-100は、粘着付与樹脂として使用される水素化ジシクロペンタジエン(DCDP)炭化水素樹脂であり、かつKolon Chemicalsによって製造される。
【0120】
L-MODU S400、L-MODU S600およびL-MODU S901は、Idemitsuから入手可能な低弾性率の立体規則性が制御されたポリプロピレンである。
【0121】
Rextac 2330は、190℃(374°F)において3,000cPのブルックフィールド粘度および141℃(286°F)の環球式軟化点を有するプロピレン/エチレンコポリマーである。これは、Odessa,TXのREXtac,LLCから入手可能である。
【0122】
Rextac 2830は、APAOのブテン-1リッチグレードである。これは、190℃(374°F)において3,000cPの粘度および90℃(200°F)の環球式軟化点を有する。これは、Odessa,TXのREXtac,LLCから入手可能である。
【0123】
Vestoplast 508は、190℃において8,000cPの粘度および84℃(183°F)の環球式軟化点を有するAPAOのブテン-1リッチグレードである。これは、Evonik Industries AGから入手可能である。
【0124】
Vestoplast EP NC 702は、190℃において2,800cPの粘度および105℃(221°F)の環球式軟化点を有するプロペンリッチAPAOポリマーである。これは、Evonik Industries AGから入手可能である。
【0125】
Vistamaxx 6202は、Exxon Mobil Corporationから入手可能なプロピレン-コ-エチレンポリマーである。
【0126】
Irganox 1010酸化防止剤は、BASFから入手可能なペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)である。
【0127】
Irgafos 168酸化防止剤は、BASFから入手可能な立体安定性ホスフィットである。
【0128】
Evernox 1010は、耐熱性付与のためのフェノールの酸化防止剤である。
【0129】
BAS 450 SDは、Borealisから入手可能な異相衝撃ポリプロピレンタイプ材料である。
【0130】
実施例1~7 - 弾性アタッチメント用途における試験
それらの引張のない長さの300%まで伸張されたInvista 680 dtex弾性ストランドに325°Fにおいて連続的な様式で接着剤をコーティングした。他に記載がある場合を除き、コーティングは、製造業者によって記載された規格の範囲内で操作されるNordson Allegroスロットタイプアプリケーターおよび35mg接着剤/mストランドの付加レベル標的を使用して実行された。全試験に関して、5mm離れた3つの弾性ストランドを不織基材(FQN、幅3.5インチ、基本重量15g/m)および通気性PEフィルム(Clopay BR 134、幅2.75インチ)間に積層した。ライン速度は、900フィート/分であり、かつ40psiのニップ圧力を使用して、弾性、不織およびPEフィルムを圧縮した。最終積層品構造は、それぞれの試験中、伸張された様式で巻き取りロール上にスプールされた。5分未満の比較的短い製造時間の直後に最終積層品の一部を収集し、試験前の緩んだ(スプールされていない)状態に置いた。
【0131】
弾性ストランドを結合させる本発明の配合物の能力を判断するために耐クリープ性を測定した。この試験において、不織およびPEフィルム基材が材料の応力降伏を越えて完全に伸張されているが、変形していない状態になるまで、製造された積層品物品の500mの長さを、Plexiglasボードを越えて伸張させた。積層品物品の終端がボードに固定されて維持された。次に、ペンを使用して、弾性材料にわたって100mmおよび400mmにおいてマークを付け、伸張された積層品の長さ300mmの部分を試験領域として定めた。それぞれの弾性ストランドを100mmおよび400mmのマークの線において切断し、次いで引張られて積層された物品を有するボードを37.8℃のオーブン中に配置した。4時間後、構造をオーブンから取り出し、切断された弾性ストランドの終端にペンでマークを付けた。パーセンテージとして表されるクリープ維持は、最初の切断部分の長さ(300mm)で割った、4時間37.8℃への曝露後の切断ストランドの測定された長さである。老化耐クリープ性は、指定された期間(1、2または4週)、積層された構造の一部を高温(54.4℃)に条件付けすることによって算出され、次いで初期耐クリープ性試験に従って試験された。
【0132】
オフライン性能を判断するために、製造直後に採取された試料においてグリーン耐クリープ性も記録した。これらの試験において、積層構造は、上記のように完全に伸張され、単一のラインを試験片の中央でマーク付けした。弾性ストランドを切断し、30分後、中央のマークから移動した弾性ストランドの切断終端の長さ(mm)としてグリーンクリープを決定した。5mm以下のグリーンクリープは、容認できると考えられる。
【0133】
合成手順:全ての配合物は、以下の方法を使用して約2.5kg規模で製造した。3.875Lのステンレス鋼容器に粘着付与剤、APAOおよび酸化防止剤を装填した。内部熱電対を備えたディジタル制御加熱マントルを使用して、標的温度(170℃~190℃)まで配合物を徐々に加熱した。混合物が溶融しているように見えたら、傾斜翼インペラーを使用して溶液を100rpm~200rpmで機械的に撹拌した。次に、撹拌された混合物に低融点ポリオレフィンを徐々に添加した。得られた透明からわずかに曇った溶融混合物は、それが完全に均質化したように見えるまで、さらに60分から240分にわたって標的温度で保持された。この後、容器を加熱マントルから取り外し、試験用に試料を収集した。
【0134】
表3および4は、本発明の配合物(実施例1、2、3、4、5、6および7)ならびに従来技術に基づく比較例に対する物理的特性データと、グリーンおよび老化耐クリープ性性能とを提供する。
【0135】
【表3】
【0136】
弾性アタッチメント用途の要求に対して、80%より高い4週間老化クリープ維持値が典型的に必要とされる。データによって示されるように、35重量%より高い粘着付与剤レベルを使用して調製された実施例1~3は、ホットメルト接着剤に優れた長期クリープ維持をもたらす(比較的低い標準偏差値で85%より高い完全老化後の平均値)。逆に、比較例、30重量%未満の装填率で粘着付与剤を使用して製造されたCE1およびCE2は、70%より低い老化クリープ値を提供する。CE1およびCE2の老化性能を示す接着剤は、利用された付加レベルにおいて多くの用途に不適切である。
【0137】
以下の表4は、高粘着付与剤配合物を利用する本発明の戦略のさらなる例を提供する。示されるように、L-MODU S600をポリ(プロピレン-コ-エチレン)材料(実施例4のVistamaxx 6202)、またはより高分子量、低立体規則性のプロピレンホモポリマー(実施例5のL-MODU S901)と置き換えることにより、容認できる老化クリープ性能が接着剤にもたらされる。この性能は、実施例6および7で示されるように、別のAPAO系または低RBSP粘着付与剤に変更しても維持される。
【0138】
【表4】
【0139】
弾性部品接着剤に関して、プロセス条件および適用方法の範囲下で実行することは、さらに有利となる可能性がある。ニップローラー圧縮を利用しないが、実施例5の配合および実行条件を繰り返す実施例5Aは、クリープ保持性能が非限定的な「Sラップ」ライン構造を使用しても維持されることを明示する。実施例5Bは、Nordson Surewrap(登録商標)間接型スプレーアプリケーターを使用して適用された実施例5配合物の性能データを示す。ここで、実施例5の優れた耐クリープ性が維持されており、クリープ性能に悪影響を与えることなく、スプレー用途でも本発明の配合物が実行され得ることを明示する。
【0140】
【表5】
【0141】
実施例8~12 構成接着剤用途における試験
以下の表6に示されるこれらの実施例の接着剤は、176.7℃において従来のオーバーヘッド混合機を使用して製造された。最初に、オイル(Nyflex 222B)、粘着付与剤(EscorezまたはSukorez)および酸化防止剤(IrgafosおよびIrganox)を所望の温度まで加熱し、均質性を得るために混合物を撹拌した。L-MODU S400を最初に添加し、次いでVestoplast 508を添加した。全てのポリマーが溶解し、混合物が均質に見えるようになったら、粘度を試験した。指定されない場合、成分の量は、重量パーセントである。
【0142】
【表6】
【0143】
2インチのUniversal(商標)Signature(商標)スプレーアプリケーター(Nordson Corporation)を使用して、接着剤を連続様式で非通気性フィルム(ClopayによるDH284)にコーティングした。適用温度は、148.9℃であり、900フィート/分のライン速度、0.25秒の解放時間および40psiの圧縮を用いた。コーティングされた第1の基材を、(First Qualityから入手可能な)1平方メートル15グラムの不織物である第2の基材に接合した。接着剤剥離性能を決定するために、23.9℃および50%の相対湿度において一定に維持されるように空調された室内において、1分あたり12インチの速度でInstron引張試験機によって引き離される前に積層品を24時間老化させた。剥離力は、重量グラムで測定され、および剥離力は、試験の開始および停止から可変性を減少するために、試料長さの最初および最後の5パーセントを排除した後、平均剥離強度を決定することによって算出された。この試験は、1平方メートルあたり2グラムの付加レベルを使用して実行された。
【0144】
図1は、1平方メートルあたり1グラムにおける剥離性能を示す。図1の結果は、1平方メートルあたり1グラムのみにおいて全ての配合物が容認できる剥離性能を有することを示す。100グラム以上で剥離強度を有することが好ましく、実施例10の接着剤が特に好ましい。
【0145】
比較目的のため、比較例(CE11)に対して実施例10の接着剤を試験した。表7において、Affinity GA 1900、プロピレンエチレンコポリマーを使用するCE11の配合物を示す。
【0146】
【表7】
【0147】
図2は、本発明以外の配合物(CE11)と比較して、本発明のポリオレフィン(実施例10)のSignatureアプリケーターノズルによる、1平方メートルあたり2グラム付加における改善された剥離強度を示す。本発明の接着剤は、本発明以外の配合物の剥離強度の一般に3倍以上である剥離強度値を示す。
【0148】
接着剤の最小せん断強度も試験した。20分の最小時間は、1秒の開放時間で重質基材に1平方メートルあたり15グラムで1インチのパターンをスロットコーティングすることによって決定された。第1および第2の基材の両方として使用される基材は、ブルーSMS医療用ドレープであった。積層品の1インチのストリップを切断し、第1の基材を38.9℃のオーブン中につるし、および第2の基材は、それからつるされた250gのおもりを有した。積層品が密着してばらばらに離れると、おもりがタイマーを停止する。好ましくは、本発明の配合物は、1分未満の値を有する他のポリオレフィンベースの配合物と比較して少なくとも100分のせん断強度を有する。
【0149】
以下の表8に実施例12として示される配合物は、L-MODU 400の代わりにVistamaxx 6202を使用したことを除き、実施例10と同様に調製された。
【0150】
【表8】
【0151】
1平方メートルあたり1.0、2.0および4.2グラムの付加重量まで、上記のものと同一の剥離性能試験を実行した。3つの付加重量における実施例10および12の両方に対する初期値および1週間老化値を以下の表9に示す。
【0152】
【表9】
【0153】
表9から示されるように、実施例10および12の両方は、初期および1週間老化剥離性能試験の両方において良好に機能する。一般に、初期剥離性能試験において試験された3つの全ての付加重量を通して、実施例10は、実施例12よりも良好に機能するが、1週間老化値における改善度は顕著でなかった。実際には、実施例12は、1平方メートルあたり1グラムの付加重量に関する1週間老化値において(標準偏差の範囲内であるが)良好に機能した。
【0154】
以下の表10は、主に可塑剤、Karamay Petrochem Co.から入手可能なナフテン系オイルであるKN4010の量が異なる、本発明の2つの追加の実施例、実施例13および14を示す。これらの実施例において、付加重量は、35mg/mストランドであり、かつ900フィート/分のライン速度が使用された。弾性部品接着剤としての適合性を評価するためのクリープ試験に使用される基材は、(上記で定義される)通気性BR-134および15gsm FQN NWであった。剥離条件は、(上記で定義される)900フィート/分のライン速度において、非通気性DH-284基材上1gsmから15gsm FQN NWであった。
【0155】
【表10】
【0156】
示された通り、実施例13は、初期および老化後の両方で少なくとも100gf剥離強度の最も厳密な初期剥離性能基準を満たさない。この接着剤は、弾性用途におけるような特定の用途に関して適切であり得る。実施例14は、試験された初期および全ての老化時間の両方で80%より高いクリープ維持ならびに初期および1週間にわたる老化後の両方で100gfより高い1gsm剥離の両方を示す。
【0157】
値の範囲が提供される場合、その範囲およびその明記された範囲内のいずれかの他の明記されたまたはその間に入る値の上限と下限との間のそれぞれの間に入る値、およびその間に入る値のいずれの組合せまたは部分的組合せも、列挙された値の範囲内に含まれることが理解される。加えて、本発明は、その構成要素の第1の範囲の下限および第2の範囲の上限である構成要素の範囲を含む。
【0158】
特定の範囲は、本明細書では、数値に「約」という用語が先行する状態で提供される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数値およびその用語が先行する数値付近またはおよその数値である数値に文字的支持を提供するために使用される。数値が特に列挙された数値の付近であるか、またはおよその数値であるかどうかを決定することにおいて、列挙されていない数値付近またはおよその数値は、それが提示される場合、特に列挙された数値の実質的な均等物を提供する数値であり得、したがって、典型的に、特に列挙された数値より10%低いかまたは高い数値を指す。
【0159】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に特に引用される全ての刊行物および特許は、本発明に関連して使用され得る刊行物に報告される化学物質、機器、統計的分析および方法論の記載および開示を含む全ての目的に関して、それら全体が参照により組み込まれる。本明細書では、特定の実施形態を参照して例証および記載されるが、それにもかかわらず、本発明は、示された詳細に限定されるように意図されない。むしろ、請求項の均等物の領域および範囲内においてかつ本発明の趣旨から逸脱することなく、詳細における種々の変更形態がなされ得る。
【0160】
本出願は、以下の発明を含み得る。
(1)
(a)約2重量%~約50重量%の、低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、
(b)約2重量%~約50重量%の、非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、
(c)約30重量%~約75重量%の、少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂と
を含むホットメルト接着剤組成物であって、前記組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下である、ホットメルト接着剤組成物。
(2)
前記粘着付与樹脂は、約32重量%~約73重量%の量で存在する、(1)に記載の組成物。
(3)
約0.1重量%~約20重量%の量で可塑剤をさらに含む、(1)に記載の組成物。
(4)
最大で20重量%の量でワックスをさらに含む、(1)に記載の組成物。
(5)
安定剤または酸化防止剤の少なくとも一方をさらに含む、(1)に記載の組成物。
(6)
最大で60重量%の量で充填剤をさらに含む、(1)に記載の組成物。
(7)
第3のポリマー成分をさらに含む、(1)に記載の組成物。
(8)
前記第3のポリマー成分は、EVA、PE、LDPE、LLDPE、PBおよびスチレン系ブロックコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される、(7)に記載の組成物。
(9)
前記第1のポリマーは、ASTM D638に従って少なくとも20%の破断点伸びの値を有することによって定義される弾性率を有する、(1)に記載の組成物。
(10)
前記第1のポリマー成分は、ポリプロピレンホモポリマーであり、かつ100℃未満のDSC融点を有する、(1)に記載の組成物。
(11)
前記第2のポリマー成分は、ポリアルファオレフィンを含む、(1)に記載の組成物。
(12)
積層品を製造する方法であって、
溶融状態の(1)に記載のホットメルト接着剤組成物を第1の基材に適用するステップと、
第2の基材を前記接着剤組成物と接触させることにより、前記第2の基材を前記第1の基材に結合するステップと
を含む方法。
(13)
前記第1の基材は、弾性ストランドである、(12)に記載の方法。
(14)
使い捨て物品において弾性レッグカフ、自立レッグカフまたは弾性サイドパネルとして使用される、(12)に記載の方法によって製造される積層品。
(15)
前記第1のポリマー成分は、前記組成物の約5重量%~約35重量%の量で存在し、かつ前記第2のポリマー成分は、前記組成物の約10重量%~約45重量%の量で存在する、(1)に記載の組成物。
(16)
前記第1のポリマー成分は、前記組成物の約15重量%~約38重量%の量で存在し、かつ前記第2のポリマー成分は、前記組成物の約10重量%~約40重量%の量で存在する、(1)に記載の組成物。
(17)
全ポリマー対粘着付与樹脂の重量比は、約3:7~約7:3で変動する、(1)に記載の組成物。
(18)
前記第1のポリマー成分は、約5重量%~約30重量%の量で存在し、前記第2のポリマー成分は、約15重量%~約40重量%の量で存在し、前記粘着付与樹脂は、約30重量%~約70重量%の量で存在し、かつ可塑剤は、約5重量%~約20重量%の量で前記接着剤組成物中に存在する、(8)に記載の組成物。
(19)
前記第1のポリマー成分対前記第2のポリマー成分の重量比は、約1:5~約1:1で変動し、かつ全ポリマー:粘着付与樹脂の重量比は、約1:3~約3:2で変動する、(18)に記載の組成物。
(20)
低い融点を有し、かつポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのコポリマーならびにそれらの混合物からなる群から選択される第1のポリマー成分と、
非晶質ポリオレフィンを含む第2のポリマー成分と、
少なくとも約80℃および最大で約140℃の環球式軟化点を有する粘着付与樹脂と
を含むホットメルト接着剤組成物であって、前記組成物の粘度は、180℃において約80,000cP以下であり、かつ前記第1のポリマー成分、前記第2のポリマー成分および前記粘着付与樹脂は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを有するホットメルト接着剤組成物を提供するために有効な量で存在する、ホットメルト接着剤組成物。
(21)
二重機能接着剤を使用する方法であって、
接着剤の単一のバッチを溶融して、溶融接着剤を形成するステップと、
前記溶融接着剤を第1の部分および第2の部分に分割するステップと、
前記第1の部分をプラントの第1の領域に向け、かつ前記第1の領域における前記接着剤を第1の基材または弾性部品の少なくとも一方に適用して、第1の接着剤を有する表面を提供するステップと、
前記第1の基材または前記弾性部品の他方を、前記第1の接着剤を有する表面に付着させるステップと、
前記第2の部分を前記プラントの第2の領域に向け、かつ前記第2の領域における前記接着剤を第2の基材または不織層の少なくとも一方に適用して、第2の接着剤を有する表面を提供するステップと、
前記第2の基材または前記不織層の他方を、前記第2の接着剤を有する表面に付着させるステップと
を含み、前記接着剤は、(1)初期および1週間にわたる老化後の両方において、1平方メートルあたり1グラムで100重量グラム以上の剥離力と、(2)初期ならびに1、2および4週間にわたる老化後の両方において、少なくとも80%のクリープ維持とを提供するために有効である、方法。
(22)
前記第2の部分における前記接着剤を前記第2の基材に適用する前に前記接着剤の前記第2の部分に可塑剤を添加することをさらに含む、(21)に記載の方法。

図1
図2