(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027180
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】解凍保冷庫
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20230221BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20230221BHJP
F25D 11/02 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
F25D17/08 310
F25D19/00 520Z
F25D11/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194921
(22)【出願日】2022-12-06
(62)【分割の表示】P 2019026436の分割
【原出願日】2019-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 俊介
(57)【要約】
【課題】庫内スペースを効率よく活用できる解凍保冷庫を提供する。
【解決手段】冷却ユニット10と循環ユニット5と解凍保冷室2とを備え、前記冷却ユニット10は冷凍サイクルを構成する圧縮機11と凝縮器12とを備えると共に、蒸発器14を有する蒸発器ボックス13を備え、前記循環ユニット5は前記解凍保冷室2の空気を前記蒸発器ボックス13内に循環するダクト23を備えると共に、前記蒸発器ボックス13を経た空気を前記解凍保冷室2に循環するためのファン35を備えた。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ユニットと循環ユニットと解凍保冷室とを備え、
前記循環ユニットは前記解凍保冷室の空気を前記冷却ユニットに循環するダクトを備えると共に、前記冷却ユニットにて熱交換された空気を前記解凍保冷室に循環するためのファンを前記ダクトの上部に備え、
前記解凍保冷室は、前扉を閉じた状態において直方体に囲まれた内部空間を形成し、
前記ダクトは、前記解凍保冷室の内部空間を挟んで前記解凍保冷室の一側面と対向する内部空間側壁面と、前記解凍保冷室の前扉と対向する前壁面と、をさらに備え、
前記ダクトは少なくとも、前記内部空間側壁面および前記前壁面より前記解凍保冷室の空気を循環可能であることを特徴とする解凍保冷庫。
【請求項2】
前記ファンの空気循環口を備える内部空間側壁面と前記ダクトの内部空間側壁面とが連続して、前記解凍保冷室の内部空間を挟んで前記解凍保冷室の一側面と対向する前記解凍保冷室の他側面を構成することを特徴とする請求項1に記載の解凍保冷庫。
【請求項3】
前記解凍保冷室には棚が配置され、前記棚の棚面は前記解凍保冷室の底面に対して水平であることを特徴とする請求項1又は2に記載の解凍保冷庫。
【請求項4】
前記冷却ユニットと前記循環ユニットと前記解凍保冷室とを本体の内部に横並びに一体に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の解凍保冷庫。
【請求項5】
前記循環ユニット内を第1仕切り板により上下に仕切り、前記ダクトを前記第1仕切り板の下部の空間に配置し、前記ファンを前記第1仕切り板の上部の空間に配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の解凍保冷庫。
【請求項6】
前記循環ユニットは前記解凍保冷室の空気を蒸発器ボックス内に循環するダクトを備えると共に、前記蒸発器ボックスを経た空気を前記解凍保冷室に循環するためのファンを備え、
前記冷却ユニットの上部に前記蒸発器ボックスを配置したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の解凍保冷庫。
【請求項7】
前記蒸発器ボックス内を第2仕切り板により上下に仕切り、蒸発器を前記第2仕切り板により仕切られた下部室に配置したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の解凍保冷庫。
【請求項8】
前記ファンの吸い込み部を前記第2仕切り板により仕切られた上部室に臨ませたことを特徴とする請求項7に記載の解凍保冷庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品などの冷凍品を庫内で解凍する解凍保冷庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンダーテーブル型の解凍保冷庫が提案されている(特許文献1)。
この種の解凍保冷庫では、本体内の解凍庫の左右に、本体の左右の第1・第2側壁のほぼ全面にわたって第1ダクトと第2ダクトとがそれぞれ設けられており、解凍庫の天井側に、第1・第2ダクトの上端どうしを連通接続する天井ダクトが設けられている。第1ダクトは、本体の一方の第1側壁と、多数の吸気孔が全面的に設けられて解凍庫に臨む第1内側壁との間に形成されており、第1ダクトの内部が、中央に開口を有する中仕切りによって、内側の第1吸気路と、天井ダクトに通じる外側の第2吸気路とに仕切られている。
【0003】
第2吸気路には、解凍庫の空気を第1内側壁の吸気孔、第1吸気路ついで中仕切りの中央開口を経て第2吸気路に吸引したのち、天井ダクトに送るファンが、前記中央開口に臨む状態で配されている。第2ダクトは、本体の他方の第2側壁と、多数の送気孔が全面的に設けられて解凍庫に臨む第2内側壁との間に形成されており、第2ダクトの内部が、全面的に多数の通気孔を有する仕切り板によって、天井ダクトに通じる外側の第1送気路と、内側の第2送気路とに仕切られている。
【0004】
第2送気路には、天井ダクト、第1送気路ついで仕切り板の通気孔を介して送られてくる解凍庫空気を暖める加温ユニットが設けられ、加温ユニットで暖められた暖気が、送気孔を介して第2内側壁の全面からほぼ均一状態で解凍庫に吹き出る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の解凍保冷庫は、解凍庫空気を循環させるために本体内の解凍庫の左右に第1ダクトと第2ダクトとをそれぞれ設ける必要があり、庫内スペースが限定されてしまい、未だ改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、従来技術が有する問題を解消し、庫内スペースを効率よく活用できる解凍保冷庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、冷却ユニットと循環ユニットと解凍保冷室とを備え、前記循環ユニットは前記解凍保冷室の空気を前記冷却ユニットに循環するダクトを備えると共に、前記冷却ユニットにて熱交換された空気を前記解凍保冷室に循環するためのファンを前記ダクトの上部に備え、前記解凍保冷室は、前扉を閉じた状態において直方体に囲まれた内部空間を形成し、前記ダクトは、前記解凍保冷室の内部空間を挟んで前記解凍保冷室の一側面と対向する内部空間側壁面と、前記解凍保冷室の前扉と対向する前壁面と、をさらに備え、前記ダクトは少なくとも、前記内部空間側壁面および前記前壁面より前記解凍保冷室の空気を循環可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、冷却ユニットと循環ユニットと解凍庫とを備え、冷却ユニットは冷凍サイクルを構成する圧縮機と凝縮器とを備えると共に、蒸発器を有する蒸発器ボックスを備え、循環ユニットは解凍庫の空気を蒸発器ボックス内に循環するダクトを備えると共に、蒸発器ボックスを経た空気を解凍庫に循環するためのファンを備えたため、十分な風量の確保と庫内スペースの確保を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の解凍保冷庫の一実施形態を示す斜視図
【
図2】前扉を外した状態における解凍保冷庫の斜視図
【
図3】前扉を外した状態における解凍保冷庫の正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明における解凍保冷庫は、冷却ユニットと循環ユニットと解凍庫とを備え、前記冷却ユニットは冷凍サイクルを構成する圧縮機と凝縮器とを備えると共に、蒸発器を有する蒸発器ボックスを備え、前記循環ユニットは前記解凍庫の空気を前記蒸発器ボックス内に循環するダクトを備えると共に、前記蒸発器ボックスを経た空気を前記解凍庫に循環するためのファンを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、十分な風量と庫内スペースの確保を両立できる。
【0011】
第2の発明における解凍保冷庫は、第1の発明において、前記冷却ユニットと前記循環ユニットと前記解凍庫とを本体の内部に横並びに一体に備えた。
この発明によれば、冷却ユニットと循環ユニットと解凍庫とを本体の内部に横並びに備えたため、ダクトの距離が短くなり十分な風量を確保できると共に、庫内スペースを有効に活用できる。
【0012】
第3の発明における解凍保冷庫は、第1又は第2の発明において、前記循環ユニット内を第1仕切り板により上下に仕切り、前記ダクトを前記第1仕切り板の下部の空間に配置し、前記ファンを前記第1仕切り板の上部の空間に配置した。
この発明によれば、解凍庫内の空気が循環ユニットの下部から吸い込まれ、循環ユニットの上部から吐き出されるため、解凍庫内を効率よく温調できる。
【0013】
第4の発明における解凍保冷庫は、第1の発明から第3の発明において、前記冷却ユニットの上部に前記蒸発器ボックスを配置した。
この発明によれば、冷却ユニット内のレイアウトが好適となり、冷却ユニットを縦長のボックスにすることができる。
【0014】
第5の発明における解凍保冷庫は、第1の発明から第4の発明において、前記蒸発器ボックス内を第2仕切り板により上下に仕切り、前記蒸発器を前記第2仕切り板により仕切られた下部の室に配置した。
この発明によれば、循環ユニットの下部から吸い込まれた空気が冷却ユニットの蒸発器ボックス内の蒸発器に至るまでの到達距離を短くすることができ、十分な風量を確保でき、庫内スペースを有効に活用できる。
【0015】
第6の発明における解凍保冷庫は、第5の発明において、前記ファンの吸い込み部を前記第2仕切り板により仕切られた上部の室に臨ませた。
この発明によれば、第2仕切り板より下部の室を通った空気が、上部の室内に至りここで整流されてファンの吸い込み部に吸い込まれるため、十分な風量を確保でき、庫内スペースを有効に活用できる。
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は解凍保冷庫1の斜視図である。
図2は前扉4を外した状態における解凍保冷庫1の斜視図である。
図3は前扉4を外した状態における解凍保冷庫1の正面図である。
【0017】
解凍保冷庫1には、
図2に示すように、解凍保冷室2と、解凍保冷室2に上下多段に配置された多数の棚3と、解凍保冷室2へ空気を循環供給するための循環ユニット5とが備えられている。解凍保冷室2は前面が開口し、この開口には、
図1に示すように、前扉4が開閉自在に取り付けられている。解凍保冷室2の上部には、天板7が備えられている。
【0018】
解凍保冷庫1は循環ユニット5の横隣に冷却ユニット10を備えている。冷却ユニット10と循環ユニット5と解凍保冷室2とは解凍保冷庫1の本体の内部に、この順で左右方向(横並び)に一体に設けられている。
【0019】
冷却ユニット10は、
図4に示すように、下部に、圧縮機11と凝縮器12とを備えている。冷却ユニット10の上部には、断熱材(不図示)を有する蒸発器ボックス13が設けられている。蒸発器ボックス13の室13A内には蒸発器14が配置されている。圧縮機11と凝縮器12と蒸発器14とは冷媒配管により接続され冷凍サイクルを構成する。
【0020】
循環ユニット5は箱型であり、解凍保冷室2の内部に配置されている。循環ユニット5は、解凍保冷室2と冷却ユニット10との間に介在している。循環ユニット5の内部は第1仕切り板21により上下に仕切られている。
第1仕切り板21の下部の空間は空気が流通するダクト23となっている。ダクト23の壁面のうち、解凍保冷室2に対向する壁面23Aと解凍保冷室2の前扉4に対向する壁面23Bには吸い込みグリル24が設けられている。ダクト23は、第1仕切り板21の近傍に設けられた第1循環開口26を介して蒸発器ボックス13の室13A内に連通している。
【0021】
蒸発器ボックス13の上部には、第2仕切り板31が配置されている。蒸発器ボックス13の室13A内は、第2仕切り板31により下部室40と上部室41とに仕切られている。
蒸発器14は、下部室40に配置されている。
第2仕切り板31には第2循環開口32が形成され、第2循環開口32を介して下部室40と上部室41とが連通する。蒸発器14は、解凍前の冷凍品や解凍後の食材を保冷するために、ダクト23を介して送られる解凍保冷室2の空気を解凍に適した温度とすると共に、解凍保冷室2の空気を冷却する機能も有している。
蒸発器14は除霜の必要があり、蒸発器14の下側にはドレンパン33が配置される。ドレンパン33にはドレンホース34が接続され、ドレンホース34は解凍保冷庫1の底板を貫通し外部に導出されている。
【0022】
蒸発器ボックス13の上部室41にはファン35の吸い込み部35Aが臨んでいる。ファン35は、循環ユニット5の第1仕切り板21により仕切られた上部の空間Sに設置される。ファン35は、ラジアルファンとされている。
ファン35の吐き出し部35Bは、循環ユニット5の壁面に形成された吐き出し開口37を通じて解凍保冷室2に連通する。ファン35は、蒸発器ボックス13を経た空気を解凍保冷室2に循環する。
吸い込みグリル24からダクト23に至り、第1循環開口26から蒸発器ボックス13の下部室40に至り、下部室40から第2循環開口32を経て上部室41に至り、ファン35を経て解凍保冷室2に循環する経路が、解凍保冷室2から解凍保冷室2までの循環経路50である。循環経路50は板金製の板材を繋ぎ合わせてダクト形式により形成されている。
【0023】
次に、本実施形態の作用を説明する。
図4において、矢印Yは、空気の循環する様子を示す。空気の循環はファン35の運転により開始される。解凍保冷室2の棚3の上には解凍前の冷凍品や解凍後の食材などが載置される。圧縮機11が運転され、ファン35が運転されると、蒸発器14により温調された空気が、ファン35から解凍保冷室2の上部に向けてほぼ水平に吹き出される。この温調された空気により棚3の上に載置された解凍前の冷凍品が解凍され、あるいは解凍後の食材であれば保冷される。
【0024】
空気は解凍保冷室2内を上から下に向けて流れ、循環ユニット5の吸い込みグリル24を通して、ほぼ水平にダクト23内に流入する。次に、空気はダクト23の第1循環開口26を介して蒸発器ボックス13の室13Aの下部室40に流入し、下部室40に配置された蒸発器14により温調される。温調された空気は第2仕切り板31により整流されて第2循環開口32を通して上部室41に流入する。上部室41にはファン35の吸い込み部35Aが臨んでおり、温調された空気がファン35により解凍保冷室2の上部の空間に吹き出される。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態によれば、解凍保冷庫1は、冷却ユニット10と循環ユニット5と解凍保冷室2とを備え、冷却ユニット10は、冷凍サイクルを構成する圧縮機11と凝縮器12とを備え、かつ蒸発器14を有する蒸発器ボックス13を備え、循環ユニット5は、解凍保冷室2の空気を蒸発器ボックス13内に循環するダクト23を備え、かつ蒸発器ボックス13を経た空気を解凍保冷室2に循環するためのファン35を備えた。
そのため、従来の解凍保冷庫のように、本体内の解凍庫の左右に第1ダクトと第2ダクトとをそれぞれ設ける必要がなく、解凍保冷室2の収納スペースを広くできる。したがって、庫内スペースを効率よく活用できる。ファン35が冷却ユニット10の蒸発器14に近い位置に配置されるため、長いダクトを用いて解凍庫に空気を循環させるものに比べて、十分な風量を確保できる。
【0026】
また、本実施形態によれば、冷却ユニット10と循環ユニット5と解凍保冷室2とが、本体の内部に横並びに一体に設けられたため、循環ユニット5のダクト23の距離が短くなるため、十分な風量を確保できる。
【0027】
また、本実施形態によれば、解凍保冷庫1は、循環ユニット5内を第1仕切り板21により上下に仕切り、ダクト23を第1仕切り板21の下部の空間に配置し、ファン35を第1仕切り板21の上部の空間に配置した。
そのため、解凍保冷室2内の空気の循環が循環ユニット5の下部から吸い込まれ、循環ユニット5の上部から吐き出される循環となるため、解凍保冷室2内を効率よく温調できる。
【0028】
また、本実施形態によれば、解凍保冷庫1は、冷却ユニット10の上部に蒸発器ボックス13を配置した。
そのため、冷却ユニット10内のレイアウトが好適となり、冷却ユニット10を縦長のコンパクトなボックスにすることができる。
【0029】
本実施形態によれば、解凍保冷庫1は、蒸発器ボックス13内を第2仕切り板31により上下に仕切り、蒸発器14を第2仕切り板31により仕切られた下部室40に配置した。
そのため、循環ユニット5の下部から吸い込まれた空気が冷却ユニット10の蒸発器ボックス13内の蒸発器14に至るまでの到達距離を短くすることができ、十分な風量を確保することができ、庫内スペースを有効に活用できる。
【0030】
また、本実施形態によれば、解凍保冷庫1は、ファン35の吸い込み部35Aを第2仕切り板31により仕切られた上部室41に臨ませた。
そのため、第2仕切り板31より下部の下部室40を通った空気が、上部の上部室41内に至りここで整流されてファン35の吸い込み部35Bに吸い込まれるため、十分な風量を確保することができ、庫内スペースを有効に活用できる。
【0031】
本発明の解凍保冷庫1は、換言すると、庫内に収納された物品の解凍および/または保冷を行う解凍保冷庫であって、前記物品を収納するための解凍保冷室と、前記解凍保冷室に空気を送風するファンと、前記解凍保冷室に送風する空気の温度を任意の温度に熱交換する冷却ユニットとを備え、前記解凍保冷室は直方体形状(扉閉時)に形成され、前記ファンが前記解凍保冷室へ空気を送風するための送風口と前記解凍保冷室の空気を吸入するための吸入口とが設けられた壁面と、前記ファンと前記吸入口とを仕切る第1仕切り板とを有し、前記壁面および前記第1仕切り板は、前記解凍保冷室を形成する前記直方体形状の任意の一面である第1の面の側にのみ設けられた解凍保冷庫である。
本発明の解凍保冷庫はこの構成を備えることにより、解凍保冷庫の内部に風を循環させるための風の流れを規定(制限)する、あるいは風路を誘導するために必要な部材であるダクトを壁部の吸入口が形成された一部と第1仕切り板とで形成することができる。解凍保冷庫2には、ダクトをこの1箇所のみ設置するだけで解凍および/または保冷のために必要な空気循環の風路を形成させることができるため、庫内スペースを広く確保することができる。
【0032】
ここで、解凍保冷庫1は、棚3に載置された(収納された)冷凍食品を所定の温度で解凍する機能を備えている。さらに、解凍保冷庫1がその庫内温度を棚3に載置された冷蔵食品や冷凍食品などの物品を保存に適した任意の温度に維持する保冷機能を備えても良い。
【0033】
解凍保冷室2は、前扉4を閉じた状態においては直方体に囲まれた内部空間を形成することとなる。また、ファン35が解凍保冷室2へ冷却ユニット10にて熱交換された空気を送風するための送風口である吐き出し部35Bと解凍保冷室2の空気を吸入するための吸入口である吸込み部35Aとが設けられた壁面23およびファン35と吸入口(吸い込み部35A)とを仕切る第1仕切り板21は、この直方体形状である解凍保冷室2を正面視した際の左側面の側に設けられる。
【0034】
解凍保冷室2内を循環する空気の風路は、任意の一面の側から送出された空気(風)がこの任意の一面に対向する直方体形状の対向面(本実施形態では直方体形状の右側面)へ届き、この対向面に衝突して流れた風が他の面(本実施形態では主に直方体形状の下面)に沿って進み、任意の一面の側に届き、吸入口(吸い込み部35A)を通過して冷却ユニット10へ至るものである。
【0035】
なお、本実施形態においては、ファン35が解凍保冷室2内へ向けて空気を送風する構成としていたが、ファン35が空気を吸入して上述とは逆の流れで風路を形成するようにしても良い。
【0036】
また、本発明の解凍保冷庫において、前記第1の面は前記解凍保冷室を形成する前記直方体の側面である。
【0037】
上述した解凍保冷室2を形成する直方体形状の第1の面(任意の一面)は、本実施形態においては解凍保冷室2内の左側面としているが、この任意の一面は他の側面、すなわち右側面でもよく上面でも下面でもよく、背面でも前面でもよい。
ただし、任意の一面を本実施形態の上面または下面にした場合、任意の一面、対向面、他の面、対向面の順に流れる風路が形成されればよいが、本実施形態で用いた棚3の配置では棚3や棚3に載置される物品が風路を遮断する場合もあるため、この場合は風路を確保できる構成にする必要がある。
【0038】
また、任意の一面を背面または前面とした場合も同様に、任意の一面、対向面、他の面、対向面の順に流れる風路が形成されるが、ファン35を駆動させている最中に前扉4を開いた場合、ファン35から送出された空気がそのまま外部へ放出されるため、解凍保冷室2内の温度変化の影響が大きくなり、安定した運転を妨げる可能性が高い。
したがって、一般的に多く用いられている、棚面が水平のものへの応用としては、第1の面を側面とする構成が適しているといえる。
【0039】
また、本発明の解凍保冷庫は、前記壁面および前記第1仕切り板が前記解凍保冷室と前記冷却ユニットとの間に設けられた構成である。
この構成を有することにより、解凍保冷室内を循環する空気が循環し終えてから冷却ユニットを経て再度循環し始めるまでの風路を短く設定することができるため、解凍保冷庫1を小型化することができる。
【0040】
また、本発明の解凍庫は、庫内に収納された物品の解凍および/または保冷を行う解凍保冷庫であって、前記物品を収納するための解凍保冷室と、前記解凍保冷室の内部に空気を循環させる循環ユニットと、前記解凍保冷室の内部に循環させる空気の温度を任意の温度に熱交換する蒸発器を有した冷却ユニットとを備え、前記解凍保冷室は直方体形状に形成され、前記循環ユニットは、前記解凍保冷室に空気を送風するファンと、前記ファンが前記解凍保冷室へ空気を送風するための送風口および前記解凍保冷室の空気を吸入するための吸入口が設けられた壁面と、前記ファンと前記吸入口をとを仕切る第1仕切り板とを有し、前記冷却ユニットと前記回答保冷室とが前記循環ユニットを挟んで横方向に並んで配置され、前記蒸発器が前記冷却ユニットの上部に配置され、前記ファンが前記循環ユニットの上部に配置され前記壁面が前記解凍保冷室の側に配置され前記送風口と前記吸入口との間に前記第1仕切り板が配置された解凍保冷庫である。
本発明の解凍保冷庫はこの構成を備えることにより、ファンと仕切り板とダクトとを一方向に並べて配置することができ、ファンの幅(厚み)の分をダクトのスペースとして活用できるため、簡単な構成で解凍保冷庫の省スペース化を実現することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 解凍保冷庫
2 解凍保冷室
3 棚
4 前扉
5 循環ユニット
10 冷却ユニット
11 圧縮機
12 凝縮器
13 蒸発器ボックス
14 蒸発器
21 第1仕切り板
23 ダクト
24 吸い込みグリル
31 第2仕切り板
35 ファン
35A 吸い込み部
35B 吐き出し部