(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027189
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】X線源及びX線放射を発生する方法
(51)【国際特許分類】
H01J 35/08 20060101AFI20230221BHJP
H01J 35/30 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
H01J35/08 B
H01J35/08 E
H01J35/30
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022195465
(22)【出願日】2022-12-07
(62)【分割の表示】P 2020529216の分割
【原出願日】2018-11-30
(31)【優先権主張番号】17204949.6
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】317016811
【氏名又は名称】エクシルム・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・ハンソン
(72)【発明者】
【氏名】ペル・タクマン
(72)【発明者】
【氏名】王 育立
(72)【発明者】
【氏名】田中 志穂
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱特性を改善した液体ターゲットを用いたX線源を提供する。
【解決手段】X線源は、流れ軸に沿って移動する液体ターゲット204を提供するように構成されている液体ターゲット源206と、電子ビーム200を提供するように構成されている電子源と、流れ軸に対して非円形断面を含むように液体ターゲットを成形するように構成されている液体ターゲット成形器とを備え、非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、第1の幅は、第2の幅よりも短く、液体ターゲットは、第1の軸と交差する衝突部分を含み、X線源は、電子ビームが衝突部分内の液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、電子ビームを衝突部分216に向けるように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源であって、
流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供するように構成されている液体ターゲット源と、
電子ビームを提供するように構成されている電子源と、
前記流れ軸に対して非円形断面を含むように前記液体ターゲットを成形するように構成されている液体ターゲット成形器であって、前記非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも短く、前記液体ターゲットは、前記第1の軸と交差する衝突部分を含む、液体ターゲット成形器と、を備え、
前記X線源は、前記電子ビームが前記衝突部分内の前記液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、前記電子ビームを前記衝突部分に向けるように構成され、
前記X線源は、前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動するように構成されているアレンジメントをさらに備える、X線源。
【請求項2】
前記アレンジメントは、前記電子ビームを前記液体ターゲットに対して移動するように構成されている電子光学アレンジメントである、請求項1に記載のX線源。
【請求項3】
前記アレンジメントは、前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動するように、前記液体ターゲット成形器と協働するように構成されている、請求項1に記載のX線源。
【請求項4】
前記アレンジメントは、前記ターゲット成形器を前記流れ軸の周りで回転するように構成されている、請求項3に記載のX線源。
【請求項5】
前記アレンジメントは、前記ターゲット成形器を前記流れ軸に直交する方向に移動するように構成されている、請求項3に記載のX線源。
【請求項6】
前記アレンジメントは、前記ターゲット成形器を前記流れ軸に対して傾斜するように構成されている、請求項3に記載のX線源。
【請求項7】
前記液体ターゲット成形器は、前記液体ターゲットを、前記非円形断面を含むように成形するために、非円形開口を有するノズルを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のX線源。
【請求項8】
前記アレンジメントは、前記電子ビームに対する前記衝突部分のロケーション及び/又は方向を調節するために、前記流れ軸に沿って前記ノズルを移動するように構成されている、請求項7に記載のX線源。
【請求項9】
前記非円形開口は、長円形、長方形、正方形、六角形、楕円形、スタジアム形、及び角が丸い長方形を含むグループから選択される形状を有する、請求項7に記載のX線源。
【請求項10】
前記液体ターゲット成形器は、前記非円形断面を含むように前記液体ターゲットを成形するための磁界を発生するように構成された磁界発生器を含む、請求項1に記載のX線源。
【請求項11】
前記磁界発生器は、前記電子ビームに対する前記衝突部分のロケーション及び/又は方向を調節するために、前記磁界を調節するように構成されている、請求項10に記載のX線源。
【請求項12】
前記電子源は、前記衝突部分内で前記液体ターゲットと相互作用する複数の電子ビームを発生するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のX線源。
【請求項13】
前記液体ターゲットは金属である、請求項1から12のいずれか一項に記載のX線源。
【請求項14】
X線放射を発生する方法であって、
電子ビームを提供することと、
流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供することと、前記液体ターゲットは、前記流れ軸に対して非円形断面を備え、前記非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも短く、前記液体ターゲットは、前記第1の軸と交差する衝突部分を含み、
前記電子ビームが前記衝突部分内の前記液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、前記電子ビームを前記衝突部分に向けることと、
前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動することとを含む、方法。
【請求項15】
前記電子ビームと前記衝突部分の表面との間の入射角を調節することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記液体ターゲットと、前記液体ターゲットによって少なくとも部分的に遮蔽されるように配置されたセンサエリアの非遮蔽部分との間で前記電子ビームをスキャンすることと、
前記センサエリアからの信号に基づいて、前記液体ターゲットの幅を決定することと、
前記決定した幅に基づいて、
前記流れ軸の周りで前記衝突部分を回転すること、
前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用する前記ロケーションを移動すること、及び、
前記電子ビームと前記衝突部分の表面との間の入射角を調節すること、のうちの少なくとも1つを実行することとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
X線出力を測定することと、
前記測定したX線出力に基づいて、
前記流れ軸の周りで前記衝突部分を回転すること、
前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用する前記ロケーションを移動すること、及び、
前記電子ビームと前記衝突部分の表面との間の入射角を調節すること、のうちの少なくとも1つを実行することとをさらに含み、
前記X線出力は、X線束及びX線輝度から選択される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで説明する本発明の概念は、一般に、電子衝突X線源、及びこのようなX線源で使用するための液体ターゲットに関する。
【背景】
【0002】
液体ターゲットを照射することによってX線を発生するシステムは、本出願人の国際出願PCT/EP2012/061352及びPCT/EP2009/000481で説明されている。これらのシステムでは、高電圧カソードを含む電子銃を利用して、液体ジェットに衝突する電子ビームを生成する。ターゲットは、真空チャンバ内に設けられた、インジウム、スズ、ガリウム鉛、又は、ビスマスのような低融点の液体金属、あるいはこれらの合金によって形成されることが好ましい。液体ジェットを提供するための手段は、ヒーター及び/又はクーラー、(機械的ポンプ又は化学的不活性推進ガスの供給源のような)加圧手段、ノズル、及びジェットの末端で液体を収集するための容器を含んでいてもよい。電子ビームと液体ジェットとの間の相互作用によって発生するX線放射は、真空チャンバを周囲大気から分離する窓を通して真空チャンバを出ることができる。
【0003】
しかしながら、改善したX線源が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の概念の目的は、改善したX線源を提供することである。
【0005】
本発明の概念の第1の態様にしたがうと、X線源が提供され、X線源は、流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供するように構成されている液体ターゲット源と、電子ビームを提供するように構成されている電子源と、流れ軸に対して非円形断面を含むように液体ターゲットを成形するように構成されている液体ターゲット成形器とを備え、非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、第1の幅は、第2の幅よりも短く、液体ターゲットは、第1の軸と交差する衝突部分を含み、X線源は、電子ビームが衝突部分内の液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、電子ビームを衝突部分に向けるように構成され、X線源は、衝突部分内で、電子ビームが液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動するように構成されているアレンジメントをさらに備える。
【0006】
本発明の概念は、非円形断面を有する液体ターゲットを提供することによって、例えば液体ターゲットの流量を増加する必要なく、電子ビームのためのより広い衝突面を達成できるという認識に基づく。より広い又はあまり湾曲していない衝突面はまた、複数の電子ビームが、好ましくは流れ軸に垂直な方向に沿って、液体ターゲットに同時に衝突することを可能にし、より大きい又はより広い電子ビームスポットが、X線スポットの焦点を実質的に損なうことなく使用されることを可能にしてもよい。このような衝突面は、楕円形又は線形の電子ビームスポットでも使用できることが理解されるだろう。
【0007】
さらに、非円形断面を有する液体ターゲットは、同様の幅及び流量を有する円形断面を有する対応する液体ターゲットと比較して、改善した熱特性を提供することができる。特に、液体ターゲットの断面を規定する軸のうちの1つに沿って幅を減少することによって、液体ターゲットの速度を増加することができ、したがって、液体ターゲットの熱特性を改善することができる。言い換えれば、液体ターゲットを熱的に負荷する能力は、液体ターゲットの速度で変化する。幅を増大しながら速度を維持することは、質量流量を増大することを意味し、これは、ポンプシステムに対してより厳しい要件を課すかもしれない。
【0008】
電子源及び/又はX線窓のポジションに対して衝突部分のポジションを調節できることも望ましく、X線窓を通ってX線放射はX線源を出ることができる。好ましくは、衝突部分及び電子源は、電子ビームが液体ターゲットの最大表面部分、すなわち、最小の湾曲度を有する液体ターゲットの部分に衝突してもよいように位置合わせされてもよい。さらに、電子ビームが衝突するためのより大きな表面を提供するために、衝突部分におけるターゲットの幅を増加することが望ましいかもしれない。
【0009】
さらに、電子ビームが液体ターゲットに衝突する入射角は、例えば発生されるX線放射の空間分布に重要であるかもしれないことが認識されている。特に、電子ビームが液体ターゲットに衝突する入射角、及び/又は、電子ビームが液体ターゲットに衝突するロケーションは、断面の第1の軸を電子ビームの方向に対して回転することによって、又はその逆によって、並びに/或いは、電子ビームが液体ターゲットに衝突するロケーションを調節することによって、選択的に調節することができる。
【0010】
「幅」という用語は、本出願の文脈では、液体ターゲットの左右の直径又は範囲を指すことができる。特に、第1の幅は、第1の軸に沿った非円形断面の最大幅であってもよく、第2の幅は、第2の軸に沿った非円形断面の最大幅であってもよい。第1及び第2の軸は、互いに垂直であってもよく、流れ軸と交差してもよい。第2の幅は、10μmから1000μm、100μmから500μm、150μmから250μmの範囲内のような、約100μmのオーダであってもよい。第2の幅と第1の幅との比は、いくつかの例では、例えば少なくとも1.1、例えば少なくとも1.5、例えば少なくとも2、例えば少なくとも5のような、少なくとも1.05であってもよい。
【0011】
「液体ターゲット」という用語は、本出願の文脈では、例えばノズルを通して押し出され、X線を発生するためのシステムを通って伝わる液体のストリーム又は流れを指すことができる。液体ターゲットは、一般に、液体の本質的に連続的な流れ又はストリームから形成されてもよいが、液体ターゲットは、追加的に又は代替的に、複数の液滴を含んでもよく、又は複数の液滴から形成されてもよいことが理解されるだろう。特に、液滴は、電子ビームとの相互作用の際に発生してもよい。液滴のグループ又はクラスタのこのような例も、「液体ターゲット」という用語に包含されてもよい。
【0012】
液体ターゲットは、非円形の断面を有することができ、これは、楕円形、長円形、又は他の細長い形状に適合することができる。断面をより長くすることによって、衝突部分における表面の湾曲を低減することができる。最終的に、湾曲は、衝突部分における表面が平坦な2次元表面で近似されることを可能にするために十分に低くなってもよい。このようなターゲットは、「フラットジェット(flat jet)」とも呼ばれる。別の表現では、衝突部分のロケーションは、平坦な表面に最も近い類似点を有する液体ターゲットの部分として選択されてもよい。液体カーテンは、このようなジェットの極端な例であり、電子ビームの衝突部分として使用できる実質的に平坦な表面を示す。
【0013】
液体ターゲットは、少なくとも衝突領域のロケーションにおいて、周囲環境に対して自由に伝播する液体ジェットの形をしてもよい。したがって、液体ジェットの材料は、X線源のチャンバ中の環境にさらされてもよい。
【0014】
典型的には、液体ターゲット材料は、好ましくは比較的低い融点を有する金属である。このような金属の例は、インジウム、ガリウム、スズ、鉛、ビスマス、及びこれらの合金を含む。
【0015】
以下の開示においてさらに説明されるように、電子ビームの電子ビームスポットは、丸い形状、又は細長い形状を有してもよい。いくつかの例では、細長い形状は、線形状又は線焦点として実現されてもよい。線焦点については、アスペクト比、すなわち焦点幅と焦点高さとの間の比を規定することができる。円形断面を有する液体ターゲットで達成可能なアスペクト比の典型的な値は4である。非円形断面を有する液体ターゲットは、より大きなアスペクト比、例えば少なくとも6を可能にすることができる。電子ビームスポットの形状は、発生されるX線放射の好ましい束及び/又は輝度に依存して選択されてもよい。
【0016】
以下の開示を十分に理解するために、十分に大きいウェーバー数に対して、非円形開口を有するノズルから発する液体ターゲットに対して、軸切り替えと呼ばれる現象が観察されてもよいことに留意されたい。軸切り替えは、例えば長円形のような非円形の液体ターゲットの断面が、長軸及び短軸が液体ターゲットの流れ方向に沿って周期的に切り替わる方法で展開する現象である。切り替えの波長は、増加する液体ターゲット速度と共に増加する。さらに、軸切り替えは、粘度によって減衰され、粘度が増加するにつれて軸切り替えの振幅が0に近づくことを意味する。
【0017】
したがって、衝突部分は流れ軸に沿って伸長してもよいことが理解される。さらに、衝突部分は、非円形断面のセクタ内の部分として説明されてもよい。この部分は、例えば、180度以下、例えば、120度以下、例えば、90度以下、例えば、60度以下の角度を有するセクタに及んでもよく、好ましくは、第1の軸を中心としてもよい。
【0018】
X線源は、衝突部分内の特定の領域に電子ビームを向けるようにさらに構成されてもよい。このような領域は、相互作用領域とも呼ばれてもよい。したがって、衝突部分は、第1の軸が交差する表面部分又は体積のような部分として理解されてもよい一方で、相互作用領域は、電子ビームが衝突し、X線放射が発生されてもよい衝突部分の特定の部分又は領域として理解されてもよい。相互作用領域は、非円形断面の中心に向かって、すなわち流れ軸に向かって、距離を伸長する体積であってもよい。同様に、衝突部分は、体積であってもよく、非円形断面の中心に向かって、すなわち、流れ軸に向かって、距離を伸長してもよい。
【0019】
本開示から容易に理解されるように、アレンジメントは、電子ビームが液体ターゲットに衝突するポジション、言い換えれば、相互作用領域のロケーションを調節するように構成されてもよい。これは、電子ビームスポットのフルサイズが液体ターゲットと相互作用することを可能にすること、特に、電子ビームスポットが衝突部分内で液体ターゲットと相互作用することを可能にすることを保証するために必要であってもよい。
【0020】
アレンジメントは、例えば、液体ターゲットに対して電子ビームを移動するための電子光学アレンジメントを含むことができる。代替的に又は追加的に、アレンジメントは、電子ビームがターゲットと相互作用するロケーションを移動又は調節するように、液体ターゲット成形器と協働するように構成されてもよい。一例では、アレンジメントは、液体ターゲット成形器に結合され、液体ターゲットのポジション又は方向を調節できる方法でターゲット成形器を移動するように配置された、モータ又はアクチュエータを含むことができる。アレンジメントは、例えば、流れ軸の周りで液体ターゲット成形器を回転するように構成されてもよく、結果として、流れ軸の周りの衝突部分の対応する回転をもたらし、電子源に対する衝突部分の方向及び/又はポジションを変化することができる。さらなる例では、アレンジメントは、流れ軸及び/又は電子ビームの軌道に直交する方向に液体ターゲット成形器を移動し、並びに/或いは、流れ軸に対して液体ターゲット成形器を傾斜するように構成されてもよい。
【0021】
一例では、アレンジメントは、非円形断面を含むように液体ターゲットを成形するために、磁界を発生するように構成された磁界発生器を制御するように構成されてもよい。磁界発生器を以下でより詳細に説明する。
【0022】
上記の開示は、電子ビームと液体ターゲットとの間の相対ポジションを調節するために、アレンジメントをどのように用いることができるかのいくつかの例を提供する。相互作用領域及び/又は衝突部分を移動することは、結果として、電子ビームの入射角を調節することができる。このような補正の目的は、見る方向に沿った又はサンプルポジションにおける総X線束を増加すること、X線源の輝度を増加すること、又はX線源のポジションをX線システムの他の部分(例えば、光学系)と位置合わせすることであってもよい。一例では、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションの調節は、測定されたX線出力に基づく。
【0023】
電子ビームは、0度よりも大きくてもよい入射角で衝突部分と相互作用することができる。入射角は、非円形断面への法線に対する入射角として規定することができる。
【0024】
0度より大きい入射角で衝突部分と相互作用する電子ビームを有することの利点は、より少ないX線が液体ターゲットに吸収されてもよいことである。特に、電子ビームの方向に対して実質的に垂直であるような角度で位置付けられたX線窓を介して、より多くのX線が透過されてもよい。結果として、本アレンジメントは、増加した総X線束、及び/又は増加したX線輝度を提供することができる。
【0025】
以下では、とりわけ、電子ビームが液体ターゲットに衝突する相互作用領域のロケーション及び/又は入射角の調節を提供するために、X線源の可能な修正が続く。以下の段落から理解されるように、液体ターゲット、電子ビーム、又はこれら2つの組み合わせに対して変更を行うことができる。
【0026】
電子源は、電子ビームの入射角及び/又は電子ビームがターゲットに衝突する相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸の周りを回転するように構成されてもよい。
【0027】
液体ターゲット成形器は、非円形断面を含むように液体ターゲットを成形するために、非円形開口を有するノズルを含むことができる。開口は、例えば、長円形、長方形、正方形、六角形、楕円形、スタジアム形、及び角が丸い長方形を含むグループから選択される形状を有してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態にしたがうX線源は、電子ビームが液体ターゲットと相互作用するロケーションを変化するように、液体ターゲットを電子ビームに対して移動するように構成されてもよいことが理解されるだろう。移動は、例えば、液体ジェットの流れ軸に垂直な方向及び/又は電子ビームの伝搬方向に垂直な方向で実現することができ、結果として、相互作用領域のロケーションの横方向のシフトをもたらす。相互作用領域の移動又はポジションのシフトは、例えば、液体ターゲット源によって達成することができる。
【0029】
一例では、液体ターゲット源のノズルは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸に沿って移動するように構成されてもよい。
【0030】
一例では、ノズルは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸の周りを回転するように構成されてもよい。
【0031】
一例では、液体ターゲット源は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸に垂直な方向に移動するように構成されてもよい。
【0032】
液体ターゲット成形器は、非円形断面を含むように液体ターゲットを成形するために、磁界を発生するように構成された磁界発生器を備えていてもよい。磁界は、流れ軸に対して実質的に垂直であってもよい。磁界の大きさは、液体ターゲットが流れ軸に沿って移動すると液体ターゲットが磁界勾配を受けるように、流れ軸の方向に不均一であってもよい。言い換えれば、磁界は、磁界勾配を含んでいてもよい。液体ターゲットを成形するための機構は、液体ターゲット内の誘導された渦電流に基づいてもよく、したがって、液体ターゲットは導電性であってもよい。磁界は交番磁界であってもよい。
【0033】
一例は、流れ軸に沿って方向付けられた磁界の時間変動コンポーネントを含んでいてもよい。この磁界コンポーネントは、液体ターゲットに加速度を与えることができ、したがって、気化又は同様の問題が生じる前に液体ターゲットに印加できる熱負荷を増大する。
【0034】
磁界勾配の印加による液体ターゲット半径の最大相対変化は、以下のように書くことができる。
【数1】
【0035】
上で規定した
【数2】
はスチュアート数と呼ばれ、
【数3】
はウェーバー数であり、
【数4】
はノズル半径であり、
【数5】
は磁界の大きさであり、
【数6】
は磁界勾配の長さスケールであり、
【数7】
は液体ターゲットの導電率である。
【0036】
一例では、液体ターゲットは液体ガリウムからなり、以下の値が上記の式に入力される。
【数8】
これは、数パーセントの液体ターゲット半径の最大変化を与えることができる。
【0037】
長円形ノズルのケースと同様に、液体ターゲットの形状は、流れ軸に沿って振動することができる。上記で使用した値は、約250ノズル半径、すなわち25mmの波長を与える。液体ターゲットの出口速度が1000m/sに増加する(すなわちウェーバー数が100倍に増加する)場合、振幅はほぼ同じであるが、波長は10倍増加する。相対半径変化の大きさを増加する1つの方法は、大きさがスチュアート数に、すなわち磁界の二乗に比例することから、磁界を増加することであってもよい。効果を高める別の方法は、ウェーバー数を増加することである。これは、表面張力を低下することによって、スチュアート数に影響を及ぼすことなく行うことができる。これは、温度が上昇することによって達成することができる。一例として、磁界を4Tに増加することによって、効果の大きさは、半径の相対変化において約10%である。副次的な注意として、大きさはまた、ノズル直径の増加と共に増加するかもしれない。しかしながら、単に直径が増加することは、結果として、質量流量が維持されるという条件でより低いスピードをもたらすかもしれないことから、これは、上述したように逆効果であるかもしれない。より低いスピードは、液体ターゲット上のより低い許容熱負荷を意味するかもしれない。
【0038】
磁界発生器は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、磁界を調節するように構成されてもよい。
【0039】
磁界は不均一であってもよい。
特に、磁界発生器は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、不均一磁界の方向を調節するように構成されてもよい。
【0040】
一例では、磁界発生器は、相互作用領域のポジションが電子ビームに対して移動するように、液体ターゲットを移動する磁界を発生するように構成されてもよい。
【0041】
液体ターゲット源は、第1及び第2の幅を調節するために、液体ターゲットの調節可能な流量を提供するように構成されてもよい。
【0042】
液体ターゲットは金属であってもよい。
【0043】
X線源は、電子ビームの方向に対して衝突領域を回転するように構成されてもよい。言い換えれば、X線源は、非円形断面の第1の軸を電子ビームの方向に回転するように構成されてもよい。
【0044】
上述したようなノズル及び磁界発生器は両方とも、本発明の概念にしたがうX線源中に存在してもよいことが理解されるだろう。
【0045】
本発明の概念の第2の態様にしたがうと、X線放射を発生する方法が提供される。方法は、電子ビームを提供することと、流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供することと、液体ターゲットは、流れ軸に対して非円形断面を備え、非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、第1の幅は、第2の幅よりも短く、液体ターゲットは、第1の軸と交差する衝突部分を含み、電子ビームが衝突部分内の液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、電子ビームを衝突部分に向けることと、を含む。
【0046】
方法は、電子ビームが液体ターゲットと相互作用するロケーション、すなわち相互作用領域を移動するために、電子ビームを流れ軸に沿って及び/又は流れ軸に垂直な方向に移動することをさらに含んでいてもよい。
【0047】
方法は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸の周りで電子源を回転することをさらに含んでいてもよい。
【0048】
方法は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸に沿ってノズルを移動することをさらに含んでいてもよい。
【0049】
方法は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸の周りでノズルを回転することをさらに含んでいてもよい。
【0050】
液体ターゲットを提供するステップは、液体ターゲットの非円形断面を成形するための磁界を提供することを含んでいてもよい。
【0051】
方法は、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために磁界を調節することをさらに含んでいてもよい。
【0052】
方法は、第1及び第2の幅を調節するために、液体ターゲットの流量を調節することをさらに含んでいてもよい。
【0053】
方法は、電子ビームの方向に対して衝突領域を回転することをさらに含んでいてもよい。
【0054】
方法は、例えば、好ましくは衝突部分における電子ビームの幅を決定するために、液体ターゲットとセンサエリアの非遮蔽部分との間で電子ビームをスキャンするステップをさらに含んでいてもよい。第1の態様にしたがうX線源の一部を形成できるセンサエリアは、液体ターゲットがセンサエリアを少なくとも部分的に遮蔽するように、電子源から見て液体ターゲットの背後に配置されてもよい。このアレンジメントは、電子ビームが液体ターゲットに及び/又は液体ターゲットからスキャンされ、センサエリアの非遮蔽部分に衝突することを可能にする。次いで、センサからの出力信号を分析して、好ましくはスキャン方向又は流れ軸に垂直な方向における液体ターゲットの幅を決定してもよい。
【0055】
液体ターゲットの決定された幅は、液体ターゲット源、液体ターゲット成形器及び/又は電子ビームの動作のためのフィードバック又は調節パラメータとして使用してもよい。このようなフィードバック又は調節の目的は、好ましくは衝突部分において、液体ターゲットの幅を制御することであってもよい。したがって、液体ターゲットの流量を調節することによって、流れ軸の周りで衝突部分を回転することによって、電子ビームが液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動することによって、及び/又は、電子ビームと衝突部分の表面との間の入射角を調節することによって、幅は変化してもよい。
【0056】
一例では、第2の態様にしたがう方法は、例えばX線束及び/又はX線輝度のようなX線出力の測定を含んでいてもよい。測定は、生成されたX線放射を特徴付ける又は定量化するためのセンサ手段によって実行されてもよい。上述のフィードバック機構と同様に、測定されたX線出力は、電子ビームと液体ターゲットとの間の相互作用を制御して、例えば束又は輝度に関して所望の出力を達成するために使用されてもよい。相互作用は、例えば、流れ軸の周りで衝突部分を回転することによって、電子ビームが液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動することによって、又は、電子ビームと衝突部分の表面との間の入射角を調節することによって、制御されてもよい。
【0057】
上記の態様のうちの第1の態様に関連して説明した特徴は、上記の態様のうちの他の態様にも組み込まれてもよく、特徴の利点は、それが組み込まれるすべての態様に適用可能である。
【0058】
本発明の概念の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な開示から、添付の特許請求の範囲から、及び図面から明らかになるだろう。
【0059】
一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、ここで別段に明示的に規定されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味にしたがって解釈されるべきである。さらに、ここにおける「第1の」、「第2の」、及び「第3の」並びにこれらに類するもののような用語の使用は、順序、量、又は重要性を示すものではなく、むしろ1つの要素を別の要素と区別するために使用される。「a/an/the[要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップ等]」のすべての参照は、明示的に別段の定めがない限り、前記要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップ等のうちの少なくとも1つ実例を指すものとしてオープンに解釈すべきである。ここに開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本発明の概念の上記の及び追加の目的、特徴、並びに利点は、添付の図面を参照して、本発明の概念の異なる実施形態の以下の例示的及び非限定的な詳細な説明を通してより良く理解されるだろう。
【
図1a】
図1aは、X線源を概略的に図示している。
【
図1b】
図1bは、磁界発生器が設けられたX線源を概略的に図示している。
【
図2】
図2は、液体ターゲットの斜視図を概略的に図示している。
【
図3】
図3は、液体ターゲットの非円形断面を概略的に図示している。
【
図4a】
図4aは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するための電子源の移動を概略的に図示している。
【
図4b】
図4bは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するための電子源の移動を概略的に図示している。
【
図4c】
図4cは、複数の電子ビームが衝突する液体ターゲットの非円形断面を概略的に図示している。
【
図4d】
図4dは、細長い断面を有する電子ビームを概略的に図示している。
【
図5a】
図5aは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するための液体ターゲットの成形を概略的に図示している。
【
図5b】
図5bは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するための液体ターゲットの成形を概略的に図示している。
【
図6a】
図6aは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するための電子ビームの移動を概略的に図示している。
【
図6b】
図6bは、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するための電子ビームの移動を概略的に図示している。
【
図7】
図7は、X線放射を発生する方法のフローチャートである。
【0061】
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、概して、本発明の概念を解明するために必要な部分のみを示しており、他の部分は省略する、又は単に示唆しているかもしれない。
【詳細な説明】
【0062】
図1aを参照して、本発明の概念にしたがうX線源を説明する。電子ビーム100は、例えば、高電圧カソードを備える電子銃のような電子源102から発生され、液体ターゲット104は、液体ターゲット源106から提供される。電子ビーム100が液体ターゲット104と相互作用し、X線放射108が発生されるように、電子ビーム100は液体ターゲット104の衝突部分に方向付けられる。液体ターゲット104を発生するために、少なくとも10バール、好ましくは少なくとも50バールに圧力を上昇するように適合された高圧ポンプのようなポンプ110によって、液体ターゲット104は、好ましくは、収集され、液体ターゲット源106に戻される。
【0063】
液体ターゲット104、すなわちアノードは、例えば液体金属又は液体合金のような流体を噴射して液体ターゲット104を形成することができる、ノズルを備える液体ターゲット源106によって形成することができる。複数の液体ターゲット及び/又は複数の電子ビームを含むX線源が本発明の概念の範囲内で可能であることを理解すべきである。
【0064】
さらに
図1aを参照すると、X線源は、電子ビーム100と液体ターゲット104との相互作用から発生したX線放射を透過するように構成されたX線窓(図示せず)を備えることができる。X線窓は、電子ビームの進行方向に実質的に垂直に位置付けることができる。
【0065】
図1bを参照すると、磁界発生器103が、液体ターゲット源106及び液体ターゲット104に関連して示されている。磁界発生器103及び液体ターゲット104は、
図1aに関連して説明したX線源と同様に構成されてもよいX線源中に含まれてもよい。磁界発生器103は、流れ軸に沿ってさらに伸長してもよく、示される磁界発生器103の配置は、いくつかの異なる構成のうちの例にすぎないことを理解されたい。本例では、磁界発生器103は、液体ターゲット104の断面を修正又は成形するための磁界を発生するための複数の手段を含むことができる。このような手段の例は、例えば、電磁石を含むことができ、電磁石は、例えば、液体ターゲット104の経路の異なる側に配置されて、その形状に影響を及ぼすことができる。
【0066】
図2を参照すると、流れ軸Fに沿って移動する液体ターゲット204の例が図示されている。液体ターゲットは、液体ターゲット源206によって発生される。X線源は、非円形断面214を含むように液体ターゲット206を成形するために、液体ターゲット成形器、例えば非円形開口を有するノズル212を含む。図示した例では、ノズル212は長円形の開口を有する。非円形断面214は、第1の軸A1に沿った、直径とも呼ばれる第1の幅と、第2の軸A2に沿った、第2の幅又は直径とを有し、第1の直径は、第2の直径よりも短い。液体ターゲット204は、第1の軸A1と交差する衝突部分216を含む。ここで、衝突部分216は、第1の軸A1を中心とする均一なエリアとして図示されている。しかしながら、衝突部分216は任意の形状を有してもよいことを理解されるだろう。さらに、衝突部分216は、ここでは非円形断面でのみで図示されているが、衝突部分216が流れ軸Fに沿って伸長することが可能であることに留意されたい。
【0067】
電子ビーム200が液体ターゲット206と相互作用し、X線放射が発生されるように、電子ビーム200が衝突部分216に方向付けられる。特に、電子ビーム200は、衝突領域216内に位置付けられている相互作用領域218に方向付けられる。相互作用領域は、電子ビームが衝突したときにX線が発生する領域として規定することができる。
【0068】
液体ターゲット204の特性に依存して、本開示で先に論じたように、軸切替えが観察されるかもしれない。
図2では、第1及び第2の軸が流れ軸Fに沿って配置を切り替えることが分かる。液体ターゲット204の軸、すなわち第1の軸A1及び第2の軸A2は、流れ軸Fに沿って数回配置を切り替えることができ、波長は、流れ軸Fに沿った液体ターゲットの速度に比例する。特に、軸切り替えの波長は、ウェーバー数の平方根に比例し、これは、線速度依存性に対応する。あるパラメータの組み合わせに対して、1つの軸の切り替え事象のみが発生する状況が観察されるかもしれず、例えば、細長いノズルから噴射された液体ターゲットは、90度回転し、次いで、観察可能な距離を回転することなく継続する。
【0069】
図3を参照すると、非円形断面314が詳細に図示されている。非円形断面314は、
図1及び
図2に関連して上述したものと同様のX線源の液体ターゲットの一部を形成することができる。相互作用領域318は、この図では必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。非円形断面314は、第1の軸A1に沿った第1の直径322と、第2の軸A2に沿った第2の直径320とを含み、第1の直径322は第2の直径320よりも短い。衝突部分316は、見て分かるように、第1の軸A1と交差している。ここで、電子ビーム200は、0度より大きい入射角θで液体ターゲットと相互作用する。
【0070】
ここで
図4aを参照すると、入射角θ1で液体ターゲット404と相互作用する電子ビーム400が示されている。相互作用領域418は、衝突部分416内に位置付けられている。入射角及び/又は相互作用領域418のロケーションを調節するために、電子ビーム400を提供する電子源(図示せず)を流れ軸に対して回転することができる。
図4bに示されるように、このような回転は、結果として、入射角θ2で液体ターゲット404と相互作用する電子ビーム400をもたらすことができ、相互作用領域418のロケーションも衝突部分416内で変化することができる。
【0071】
図4cを参照すると、液体ターゲット404と相互作用する第1及び第2の電子ビーム400、401が示されている。それぞれの第1及び第2の相互作用領域418、419が図示されている。第1の相互作用領域418及び第2の相互作用領域419は、衝突部分416内に配置される。第1の相互作用領域418で発生されたX線放射408は、第1の電子ビーム400の方向に実質的に垂直に位置付けられている第1のX線窓421を透過する。第2の相互作用領域419で発生されたX線放射409は、第2の電子ビーム401の方向に実質的に垂直に位置付けられている第2のX線窓423を透過する。見て分かるように、X線放射は、好ましくは、X線放射が発生される相互作用領域に対して非円形断面の第1の軸から離れる方向に位置付けられているX線窓を介して透過されてもよい。これは、液体ターゲットにおける吸収によって引き起こされるX線放射の減衰を回避するためである。
【0072】
図4dを参照すると、細長い断面を有する電子ビーム400が図示されている。したがって、衝突部分416内に位置付けられている相互作用領域418は、図示される断面に見られるように、細長い形状又は線形状が推測される。細長い断面を有する電子ビーム400を利用するとき、改善した焦点特性を達成するために、本発明の概念にしたがって電子ビーム400を衝突部分に方向付けることが有利であるかもしれない。さらに、相互作用領域418で発生されたX線放射は、第1の軸の片側又は両側に位置付けられているX線窓を介して透過されてもよい。
【0073】
図5aを参照すると、入射角θ1で液体ターゲット504と相互作用する電子ビーム500が示されている。相互作用領域518は、衝突部分516内に位置付けられている。入射角及び/又は相互作用領域518のロケーションを調節するために、液体ターゲット504を流れ軸の周りで回転することができる。これは、例えば、流れ軸の周りでノズルを回転することによって、及び/又は、非円形断面を含むように液体ターゲット504を成形するように配置された磁界を調節することによって、達成されてもよい。
図5bに示すように、流れ軸の周りの液体ターゲット504の回転は、結果として入射角θ2で液体ターゲット504と相互作用する電子ビーム500をもたらすことができ、相互作用領域518のロケーションも衝突部分516内で変化することができる。
【0074】
図6aを参照すると、入射角θ1で液体ターゲット604と相互作用する電子ビーム600が示されている。ここで、θ1は実質的に0である。相互作用領域618は、衝突部分616内に位置付けられている。入射角及び/又は相互作用領域616のロケーションを調節するために、電子ビーム600は、流れ軸に沿って、及び/又は、流れ軸に垂直な方向に移動されてもよい。図示した例は、流れ軸に垂直な方向における電子ビーム600の移動を示す。流れ軸に沿った、及び/又は、流れ軸に垂直な方向における電子ビーム600の移動は、電子ビーム600を移動するように構成された電子光学アレンジメント(図示せず)を有することによって達成されてもよい。「移動」という用語は、電子ビームの集束及び/又は偏向を含むと解釈されるべきである。
図6bに示すように、上述のように電子ビーム600を移動することは、結果として電子ビーム600が入射角θ2で液体ターゲット604と相互作用することをもたらすができ、相互作用領域618のロケーションも衝突部分616内で変化することができる。
【0075】
さらに、図示されていないが、入射角及び/又は相互作用領域のロケーションを調節するために、流れ軸に沿って液体ターゲット成形器のノズルを移動すること、及び/又は、磁界発生器によって発生される磁界を調節することが可能であってもよい。入射角及び/又は相互作用領域のロケーションの結果として生じる調節は、
図4aから6bに関連して上述したものと類似している。
【0076】
さらに、本発明の概念の範囲内で、
図4aから
図6bに関連して上述した調節の任意の組み合わせが可能であることが理解されるだろう。
【0077】
適切なセンサ手段及び制御装置(図示せず)を設けることによって、
図4aから
図6bに関連して上述した調節を行って、所望の性能を達成することができる。一例は、秒当たりのX線光子の数によって測定されるように、サンプルポジションにおいて増加したX線束を提供することである。別の例は、増加したX線輝度、すなわち、時間、エリア、及び立体角当たりの光子の数を提供することである。輝度を測定するために、X線放射強度の空間分布を記録することができる検出器が必要とされてもよい。調節は、適切な制御アルゴリズム、例えばPID制御装置によって制御されてもよい。
【0078】
図4cに関連して前述したように、X線源は、1より多くの電子ビームを含むことができ、したがって、1より多くの相互作用領域を提供する。この一例は、デュアルポート源、すなわち、2つの実質的に平行な電子ビームに対して実質的に垂直な反対方向に2つのX線窓があるときである。このアレンジメントにより、2つのスポットは、所望の性能を達成するために個々に調節されてもよい。別の例は、干渉計用途、例えばタルボロー干渉法のために同じ方向に放射する複数のX線源を提供することである。この文脈で、液体ターゲットと相互作用する流れ軸に実質的に垂直に分布した複数のスポットで、幅にわたって熱負荷を分布することができるので、広いターゲットが好ましいかもしれないことに留意されたい。代わりに、スポットが流れ軸に沿って配置された場合、下流の相互作用領域が上流の相互作用領域の熱負荷にもさらされるので、許容される熱負荷はより小さくなる。
【0079】
図7を参照して、本発明の概念にしたがうX線放射を発生する方法を説明する。明確さ及び簡潔さのために、「ステップ」に関して方法を説明する。ステップは、必ずしも時間的に区切られた、又は、互いに別個のプロセスではなく、1より多くの「ステップ」が同時に並行する方法で実行されてもよいことが強調される。
【0080】
ステップ724では、流れ軸に沿って移動する液体ターゲットが提供される。ステップ726において、電子ビームが提供される。ステップ728において、液体ターゲットは、流れ軸に対して非円形断面を含むように成形され、非円形断面は、第2の直径よりも短い第1の直径を含み、液体ターゲットは、第1の軸と交差する衝突部分を含む。ステップ730では、電子ビームが衝突部分内の液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、電子ビームが衝突部分に方向付けられる。
【0081】
本方法は、電子ビームが相互作用するためのより広い衝突部分を提供するように衝突部分を調節するステップをさらに含むことができる。液体ターゲットの幅は、液体ターゲットにわたって電子ビームをスキャンし(732)、電子ビームの方向において液体ターゲットの下流に位置付けられているeダンプ(図示せず)に吸収される電流を測定することによって、測定することができる。所望の値に向けて幅を制御するステップ734をさらに含むことができる。
【0082】
代替的に又は追加的に、本方法は、例えばX線束又はX線輝度のようなX線出力を測定するステップ736と、測定されたX線出力に基づいてX線放射の発生を制御するステップ738とを含んでいてもよい。
【0083】
当業者は、決して上述の例示的な実施形態に限定されない。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正及びバリエーションが可能である。
特に、1より多くの液体ターゲットを含むX線源及びシステムが、本発明の概念の範囲内で考えられる。さらに、ここで説明されるタイプのX線源は、医療診断、非破壊試験、リソグラフィ、結晶分析、顕微鏡使用、材料科学、顕微鏡表面物理学、X線回折による蛋白質構造決定、X線光分光(XPS)、測長小角X線散乱(CD-SAXS)、及び蛍光X線(XRF)によって例示されるが、これらに限定されない特定の用途に合わせられたX線光学及び/又は検出器と有利に組み合わせることができる。さらに、開示された実施例に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実施する当業者によって理解され、達成されてもよい。相互に異なる従属請求項中に、ある手段が規定されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを示すものではない。
【0084】
参照符号のリスト
100 電子ビーム
102 電子源
103 磁界発生器
104 液体ターゲット
106 液体ターゲット源
108 X線放射
110 ポンプ
200 電子ビーム
204 液体ターゲット
206 液体ターゲット源
212 ノズル
214 非円形断面
216 衝突部分
218 相互作用領域
300 電子ビーム
314 液体ターゲット
316 衝突部分
318 相互作用領域
322 第2の幅
323 第1の幅
401 第1の電子ビーム
403 第2の電子ビーム
404 液体ターゲット
408 X線放射
409 X線放射
416 衝突部分
419 第1の相互作用領域
421 第2の相互作用領域
422 第1のX線窓
425 第2のX線窓
500 電子ビーム
504 液体ターゲット
516 衝突部分
518 相互作用領域
600 電子ビーム
604 液体ターゲット
616 衝突部分
618 相互作用領域
724 液体ターゲットを提供するステップ
726 電子ビームを提供するステップ
728 液体ターゲットを成形するステップ
730 電子ビームを方向付けるステップ
732 電子ビームをスキャンするステップ
734 幅を制御するステップ
736 X線出力を測定するステップ
738 X線出力を制御するステップ
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源であって、
液体ターゲット源のノズルを通して液体を噴射することにより、流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供するように構成されている液体ターゲット源と、
電子ビームを提供するように構成されている電子源と、
前記流れ軸に対して垂直な平面に非円形断面を含むように前記液体ターゲットを成形するように構成されている液体ターゲット成形器であって、前記非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも短く、前記液体ターゲットは、前記第1の軸と交差する衝突部分を含む、液体ターゲット成形器と、を備え、
前記X線源は、前記電子ビームが前記衝突部分内の前記液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、前記電子ビームを前記衝突部分に向けるように構成され、
前記X線源は、前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動するように構成されているアレンジメントと、前記液体ターゲットを発生させるために、前記液体ターゲット源における圧力を少なくとも50バールに上昇させるように適合されたポンプと、をさらに備える、X線源。
【請求項2】
前記第2の幅は、少なくとも150μmである、請求項1に記載のX線源。
【請求項3】
前記第2の幅は、少なくとも500μmである、請求項1に記載のX線源。
【請求項4】
前記第2の幅は、150μmから1000μmの範囲内である、請求項1に記載のX線源。
【請求項5】
前記第2の幅は、250μmから1000μmの範囲内である、請求項1に記載のX線源。
【請求項6】
前記第2の幅は、500μmから1000μmの範囲内である、請求項1に記載のX線源。
【請求項7】
前記第2の幅と前記第1の幅との比は少なくとも5である、請求項1に記載のX線源。
【請求項8】
前記ノズルは、前記液体ターゲットを、前記非円形断面を含むように成形するために、非円形開口を有する、請求項1に記載のX線源。
【請求項9】
前記非円形開口は、長円形、長方形、正方形、六角形、楕円形、スタジアム形、及び角が丸い長方形を含むグループから選択される形状を有する、請求項8に記載のX線源。
【請求項10】
前記液体ターゲット成形器は、前記非円形断面を含むように前記液体ターゲットを成形するための磁界を発生するように構成された磁界発生器を含む、請求項1に記載のX線源。
【請求項11】
前記液体は金属又は合金である、請求項1に記載のX線源。
【請求項12】
X線放射を発生する方法であって、
電子ビームを提供することと、
ノズルを通して液体を噴射することにより、流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供することと、ここで、前記液体ターゲットは、前記流れ軸に対して垂直な平面に非円形断面を備え、前記非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも短く、前記液体ターゲットは、前記第1の軸と交差する衝突部分を含み、
前記電子ビームが前記衝突部分内の前記液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、前記電子ビームを前記衝突部分に向けることと、
前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動することとを備え、
前記液体は少なくとも50バールの圧力で前記ノズルを通して噴射される、方法。
【請求項13】
前記第2の幅は、少なくとも150μmである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の幅は、少なくとも500μmである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の幅は、150μmから1000μmの範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の幅は、250μmから1000μmの範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の幅は、500μmから1000μmの範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の幅と前記第1の幅との比は少なくとも5である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ノズルは、前記液体ターゲットを、前記非円形断面を含むように成形するために、非円形開口を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記液体は金属又は合金である、請求項12に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
参照符号のリスト
100 電子ビーム
102 電子源
103 磁界発生器
104 液体ターゲット
106 液体ターゲット源
108 X線放射
110 ポンプ
200 電子ビーム
204 液体ターゲット
206 液体ターゲット源
212 ノズル
214 非円形断面
216 衝突部分
218 相互作用領域
300 電子ビーム
314 液体ターゲット
316 衝突部分
318 相互作用領域
322 第2の幅
323 第1の幅
401 第1の電子ビーム
403 第2の電子ビーム
404 液体ターゲット
408 X線放射
409 X線放射
416 衝突部分
419 第1の相互作用領域
421 第2の相互作用領域
422 第1のX線窓
425 第2のX線窓
500 電子ビーム
504 液体ターゲット
516 衝突部分
518 相互作用領域
600 電子ビーム
604 液体ターゲット
616 衝突部分
618 相互作用領域
724 液体ターゲットを提供するステップ
726 電子ビームを提供するステップ
728 液体ターゲットを成形するステップ
730 電子ビームを方向付けるステップ
732 電子ビームをスキャンするステップ
734 幅を制御するステップ
736 X線出力を測定するステップ
738 X線出力を制御するステップ
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] X線源であって、
流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供するように構成されている液体ターゲット源と、
電子ビームを提供するように構成されている電子源と、
前記流れ軸に対して非円形断面を含むように前記液体ターゲットを成形するように構成されている液体ターゲット成形器であって、前記非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも短く、前記液体ターゲットは、前記第1の軸と交差する衝突部分を含む、液体ターゲット成形器と、を備え、
前記X線源は、前記電子ビームが前記衝突部分内の前記液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、前記電子ビームを前記衝突部分に向けるように構成され、
前記X線源は、前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動するように構成されているアレンジメントをさらに備える、X線源。
[2] 前記アレンジメントは、前記電子ビームを前記液体ターゲットに対して移動するように構成されている電子光学アレンジメントである、[1]に記載のX線源。
[3] 前記アレンジメントは、前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動するように、前記液体ターゲット成形器と協働するように構成されている、[1]に記載のX線源。
[4] 前記アレンジメントは、前記ターゲット成形器を前記流れ軸の周りで回転するように構成されている、[3]に記載のX線源。
[5] 前記アレンジメントは、前記ターゲット成形器を前記流れ軸に直交する方向に移動するように構成されている、[3]に記載のX線源。
[6] 前記アレンジメントは、前記ターゲット成形器を前記流れ軸に対して傾斜するように構成されている、[3]に記載のX線源。
[7] 前記液体ターゲット成形器は、前記液体ターゲットを、前記非円形断面を含むように成形するために、非円形開口を有するノズルを含む、[1]から[6]のいずれか一項に記載のX線源。
[8] 前記アレンジメントは、前記電子ビームに対する前記衝突部分のロケーション及び/又は方向を調節するために、前記流れ軸に沿って前記ノズルを移動するように構成されている、[7]に記載のX線源。
[9] 前記非円形開口は、長円形、長方形、正方形、六角形、楕円形、スタジアム形、及び角が丸い長方形を含むグループから選択される形状を有する、[7]に記載のX線源。
[10] 前記液体ターゲット成形器は、前記非円形断面を含むように前記液体ターゲットを成形するための磁界を発生するように構成された磁界発生器を含む、[1]に記載のX線源。
[11] 前記磁界発生器は、前記電子ビームに対する前記衝突部分のロケーション及び/又は方向を調節するために、前記磁界を調節するように構成されている、[10]に記載のX線源。
[12] 前記電子源は、前記衝突部分内で前記液体ターゲットと相互作用する複数の電子ビームを発生するように構成されている、[1]から[11]のいずれか一項に記載のX線源。
[13] 前記液体ターゲットは金属である、[1]から[12]のいずれか一項に記載のX線源。
[14] X線放射を発生する方法であって、
電子ビームを提供することと、
流れ軸に沿って移動する液体ターゲットを提供することと、前記液体ターゲットは、前記流れ軸に対して非円形断面を備え、前記非円形断面は、第1の軸に沿った第1の幅と、第2の軸に沿った第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも短く、前記液体ターゲットは、前記第1の軸と交差する衝突部分を含み、
前記電子ビームが前記衝突部分内の前記液体ターゲットと相互作用してX線放射を発生するように、前記電子ビームを前記衝突部分に向けることと、
前記衝突部分内で、前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用するロケーションを移動することとを含む、方法。
[15] 前記電子ビームと前記衝突部分の表面との間の入射角を調節することをさらに含む、[14]に記載の方法。
[16] 前記液体ターゲットと、前記液体ターゲットによって少なくとも部分的に遮蔽されるように配置されたセンサエリアの非遮蔽部分との間で前記電子ビームをスキャンすることと、
前記センサエリアからの信号に基づいて、前記液体ターゲットの幅を決定することと、
前記決定した幅に基づいて、
前記流れ軸の周りで前記衝突部分を回転すること、
前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用する前記ロケーションを移動すること、及び、
前記電子ビームと前記衝突部分の表面との間の入射角を調節すること、のうちの少なくとも1つを実行することとをさらに含む、[14]に記載の方法。
[17] X線出力を測定することと、
前記測定したX線出力に基づいて、
前記流れ軸の周りで前記衝突部分を回転すること、
前記電子ビームが前記液体ターゲットと相互作用する前記ロケーションを移動すること、及び、
前記電子ビームと前記衝突部分の表面との間の入射角を調節すること、のうちの少なくとも1つを実行することとをさらに含み、
前記X線出力は、X線束及びX線輝度から選択される、[13]に記載の方法。
【外国語明細書】