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特開2023-27218金属に直接塗布されるコーティング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027218
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】金属に直接塗布されるコーティング組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/02 20060101AFI20230221BHJP
   C09D 133/00 20060101ALI20230221BHJP
   C09D 5/08 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
C09D201/02
C09D133/00
C09D5/08
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196296
(22)【出願日】2022-12-08
(62)【分割の表示】P 2019554341の分割
【原出願日】2018-04-04
(31)【優先権主張番号】62/481,157
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518155030
【氏名又は名称】エスダブリューアイエムシー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】アブダイアッパン,サンダルサン
(72)【発明者】
【氏名】ノベリ,ウェンディ・エム
(72)【発明者】
【氏名】デサイ,ガネシュ・エス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】速乾性に優れ、重金属を含まず、優れたUV耐性を有し、かつ速乾性と長いポットライフと相俟って優れた耐食性を示す、高性能なコーティング組成物を提供する。
【解決手段】金属に直接塗布されるコーティング組成物であって、(a)10~50重量%のマロネート官能性ドナー樹脂を含むバインダー樹脂系と、(b)5~40重量%の1種以上のアクリロイルアクセプタ樹脂を含む架橋剤樹脂と、(c)充填剤顔料および体質顔料からなる群より選択され、中央粒径が0.3~6μmである様々な形態の粒子を有する複数の顔料と、(d)腐食防止顔料と、を含み、マイケル付加反応によってコーティングが形成される、上記コーティング組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属に直接塗布されるコーティング組成物であって、
(a)10~50重量%のマロネート官能性ドナー樹脂を含むバインダー樹脂系と、
(b)5~40重量%の1種以上のアクリロイルアクセプタ樹脂を含む架橋剤樹脂と、
(c)充填剤顔料および体質顔料からなる群より選択され、中央粒径が0.3~6μmである様々な形態の粒子を有する複数の顔料と、
(d)腐食防止顔料と、
を含み、マイケル付加反応によってコーティングが形成される、上記コーティング組成物。
【請求項2】
着色顔料を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の顔料容積濃度が10~80%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の顔料容積濃度が20~60%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の顔料容積濃度が25~45%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記腐食防止顔料が、少なくとも1種の、非毒性で、環境に優しい、微粉化されたカチオン含有顔料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記腐食防止顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、1~30重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記腐食防止顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、2~20重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記腐食防止顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、3~15重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記腐食防止顔料が、少なくとも1種の、微粉化された陽極不動態化顔料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記微紛化された陽極不動態化顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、1~30重量%である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記微粉化された陽極不動態化顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて2~20重量%である、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記微粉化された陽極不動態化顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて3~15重量%である、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記着色顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、0.5~30重量%の少なくとも1種の有機又は無機着色顔料を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
前記(c)の顔料が、
(1)少なくとも1種の球状顔料と、
(2)少なくとも1種の針状顔料と、
(3)少なくとも1種の板状顔料と、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記(c)の顔料が、
(1)5~50重量%の球状顔料と、
(2)2~30重量%の針状顔料と、
(3)1~30重量%の板状顔料と、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
記コーティング組成物の重量に基づいて、(a)1~10重量%の少なくとも1種の液状エポキシ樹脂、及び(2)0.5~10重量%の少なくとも1種のアミノシラン、からなる群から選択される接着付与成分を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記コーティング組成物が、従来の噴霧技術、空気補助エアレス噴霧技術、又は静電噴霧技術を使用して基材に塗布される、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記コーティングが、優れた耐食性及び耐候性を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月4日に出願された、米国特許仮出願第62/481,157号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本発明は、一般に、コーティング組成物の分野に属するものである。様々な非排他的な実施形態では、本発明は、直接金属コーティング組成物及びそれに関連する性能特性を対象とする。
【背景技術】
【0003】
[0003] 様々な基材をコーティングするために、様々な塗料組成物が考案されてきた。これらの塗料組成物は、一般に、1つ以上のキャリア液体、樹脂、分散顔料又は他の着色剤、及び様々な添加剤を含むコーティングである。塗料配合者は、特定の基材への接着性を有し、光沢性及び耐候性などの他の所望のパラメータを満たす塗料組成物を得るために、キャリア液体、樹脂、顔料、及び添加剤の特定の組み合わせを選択する。場合によっては、塗料組成物が意図される基材への直接塗布を目的とした場合に、満足な結果を得ることは困難であり得る。特に、金属基材は、多くの場合、顔料で着色した塗料の単一層を用いて性能を得ることが困難である。その結果、顔料で着色した塗料組成物を塗布する前に、プライマー組成物を金属基材に塗布することが多い。プライマーコーティングは、通常、接着性及び耐腐食性を提供する一方で、トップコートは耐候性及び耐久性を提供する。場合によっては、高光沢コーティングも第3の層として適用される。組成物の2つ以上の層の適用を必要とすることにより、これらの基材をコーティングする時間及びコストの両方が増加する。別個のプライマー層の必要性を回避し、それによって、塗料組成物の塗布及び乾燥に必要な時間を短縮するためには、直接金属(「DTM」)塗料組成物を得ることが望ましい。コーティングされる金属表面の場合、そのようなコーティングの望ましい特徴としては、乾燥時に光沢があること、防食性があること、耐候性があること、かつ下地プライマー層なしで、金属表面に対して直接の、良好な接着性が挙げられる。
【0004】
[0004] 最近、マロネート官能性ポリエステル及びアクリロイル樹脂が、例えば米国特許出願公開第2014/0220252号に記載されているように、Nuplex
Resins B.V.(Bergen Op Zoom,オランダ)により導入された。この技術は、一般に、マイケル付加反応を受けることによって硬化する、マロネート官能性ポリエステル及びアクリロイルオリゴマーに基づく2K系を含む。その反応は、一般に、塩基触媒を必要とする。Nuplex社により販売されている市販品、特にACUREラインのものは、一般に、樹脂としてのジアルキルカーボネート、マロネート官能性ポリエステル及びアクリロイルでブロックされた強塩基触媒を含む。ジアルキルカーボネートの機能は、塩基が、マロネートとアクリロイルとの間の反応を触媒することを妨げることであり、それによって、触媒が樹脂系の他の構成成分と混合された後の、長いポットライフを可能にすることである。ブロックされた塩基は、ジアルキルカーボネート、二酸化炭素、及び水と平衡を形成する、アルキルカーボネートアニオンを形成する。コーティングが表面に塗布されると、組成物は、大きな表面積を有することになり、これにより、二酸化炭素が漏れ出ることが可能になり、それによって塩基を効果的に脱ブロックする。これにより、塩基は、マロネートとアクリロイルとの間の反応を触媒することができるようになる。
【0005】
[0005] これまでのところは、マロネートポリエステル及びアクリロイル樹脂を使用するマイケル付加系技術は、DTM用途において完全には有効でないと考えられてい
る。下にあるプライマー層を必要とせずに、長いポットライフ、金属基材への良好な接着性、良好な耐腐食性及び耐候性を有する様々な樹脂を有するDTMコーティング組成物を提供することが望ましい。同様に、他の樹脂を使用するDTM技術を提供することが望ましい。本発明のコーティング組成物は、速乾性に優れ、重金属を含まず、優れたUV耐性を有し、かつ速乾性と長いポットライフと相俟って優れた耐食性を示す、高性能なコーティング組成物である。本発明のコーティング組成物は、単一の配合物において、耐食特性及び耐候特性を提供し、金属基材に直接、単一層として塗布することができる。本明細書に記載のコーティングは、プライマー層なしで、既知の組成物を使用してコーティングすることが特に困難な金属基材、例えば、冷間圧延鋼、ブラスト鋼、処理鋼、アルミニウム、処理アルミニウムなどの金属基材に対する強力な接着性を示す。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明は、様々な非排他的実施形態において、キャリア液体と、バインダー樹脂と、顔料組成物とを含むコーティング組成物を提供し、そのコーティング組成物において、バインダー樹脂は、任意の好適なバインダー系を含んでもよく、かつ一部の実施形態では、(1)マロネート-アクリロイル樹脂、(2)(i)1種以上のイソシアネート-ポリアスパラギン酸エステル、又は(ii)1種以上のイソシアネート-ポリエステルポリオール若しくはアクリルポリオール、に基づくポリウレタンコーティング、(3)アルキド樹脂、又は(4)エポキシ樹脂のうちの1種以上のものを含んでいてよい。顔料組成物は、針状(針の形状)、板状、及び概ね球状の形態のうちの2種以上の形態のような、複数の形態を有する複数種の特殊顔料粒子を含む。複数の形態を有するこれらの顔料の使用は、高濃度の顔料充填量を提供する。また、本明細書に記載される適切な顔料粒子の選択により、中程度の光沢又は高光沢コーティングを形成するために硬化するコーティング組成物が提供されてもよい。顔料充填量は、コーティング組成物の総重量に基づいて、少なくとも10重量%であってよく、かつ最大で約80重量%であってよく、好ましくは20~60重量%の範囲であってもよい。一実施形態では、顔料のうちの1つは、活性腐食防止顔料である。活性腐食防止顔料の有効範囲は、コーティング組成物の総重量に基づいて、約1~30重量%である。別の実施形態では、腐食防止顔料は、少なくとも1種の、非毒性で、環境に優しく、微粉化された、カチオン含有顔料を含む。一般に、このようなコーティング組成物は、25~45重量%の範囲の顔料容積濃度(PVC)を有し得る。本明細書で使用するとき、「重量%」は、重量百分率(%)を指すものとする。
【0007】
[0007] 金属基材をコーティングするための開示された方法は、一般に、金属基材及びコーティング組成物を提供することと、金属基材をコーティング組成物でコーティングすることと、コーティング組成物を硬化させてコーティングを形成することとを含む。コーティング組成物は、単一配合物中に、プライマーコーティングの耐食特性と、トップコートの耐候性との両方を有し、プライマーコーティングの存在しない中で、直接、金属に塗布する方法で、塗布される。第1のコーティングが金属表面上に形成されると、コーティング組成物を、追加のコーティング層を形成するために再塗布し得るということも考えられる。このようにコーティングされた金属基材もまた、本発明の一部の実施形態の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008] コーティング組成物中の複数の球状顔料粒子を示す代表的な図である。
図2】[0009] 異なる形態を有する複数の顔料粒子を示す代表的な図であって、このようにして得られた空間充填特性を実証する図である。
図3】異なる形態を有する複数の顔料粒子を示す代表的な図であって、このようにして得られた空間充填特性を実証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0010] 一実施形態では、本発明のコーティング組成物は、1種以上のバインダー樹脂を含み、そのバインダー樹脂のコーティング組成物の総樹脂含有量が、コーティング組成物の総重量に基づいて、約15~約70重量%、好ましくは約20~約60重量%、より好ましくは約30~約50重量%である。コーティング組成物の樹脂は、1種類の樹脂でも、又は様々な異なる種類の樹脂の混合物であってもよい。特定の実施形態では、コーティング組成物用の樹脂は、マイケル添加反応によりコーティングを形成するアクリロイル及びマロネート型樹脂である。マイケル付加反応は、一般に、(i)電子不足C=C二重結合を有するアクセプター、例えば、アクリロイル化合物、(ii)酸性C-H結合を有するドナー、例えばアセトアセテート又はマロネート部分、及び(iii)上記の二重結合に付加可能な求核性カルボアニオンを生成する塩基触媒と、を含む化合物を含む。マイケル付加反応は、速乾性を延長ポットライフと組み合わせて有利に提供するように制御されてもよい。一部の実施形態では、このような樹脂は、例えばACURE 510-100、ACURE 510-170のようなACURE樹脂、及び架橋剤ACURE
550-100、ACURE 550-105(いずれもNuplex Industries Ltd.(Louisville,KY)社製)などのように市場で入手できるものであり、またこれらを組み合わせて用いてもよい。ACURE 510-100及び510-170は、酢酸ブチル担体中のマロネート官能性ポリエステル樹脂である。ACURE 550-100及び550-105架橋剤は、脂肪族アクリロイル樹脂を含有し、特許で保護された式を有している。一部の実施形態では、例えば、液状コーティング組成物は、約20~約35重量%のマロネート官能性ポリエステル樹脂と、約8~15重量%のアクリロイル樹脂とを含み、追加の樹脂を含んでもよい。
【0010】
[0011] 更に別の実施形態では、組成物はまた、(i)1種以上のイソシアネート-ポリエステルポリオール若しくはアクリルポリオール化合物、又は(ii)1種以上のイソシアネート-アスパラギン酸エステル化合物、に基づくポリウレタン樹脂を含んでもよい。
【0011】
[0012] 他の実施形態では、バインダー樹脂は、アルキド樹脂又はエポキシバインダー樹脂のうちの1種以上を含んでもよい。アルキド樹脂又はポリエステルは、本明細書の他の箇所に記載されるように、自然乾燥油脂肪酸を含むか又は含まない多価アルコールとポリカルボン酸との縮合によって既知の方法で調製することができる。ポリエステル又はアルキドは、所望であれば、好適な架橋剤と反応するために利用可能な、ある割合の遊離ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を含有してもよい。エポキシ樹脂は、一般に、1種以上の脂肪族又は芳香族アミン硬化剤、ポリアミド硬化剤と共にエポキシを含む。例示的なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、脂環式エポキシ又はノボラック型エポキシから形成されるものが挙げられ、また、好適なアミン硬化剤としては、脂肪族アミン、フェナルカミン、脂環式アミン、アミドアミン、及びポリアミドが挙げられる。
【0012】
[0013] マイケル添加反応における接着促進のために、樹脂は、(a)0.5~15重量%、好ましくは1~10重量%、最も好ましくは2~6重量%の少なくとも1種の液状エポキシ樹脂と、(2)0.2~15重量%、好ましくは0.5~10重量%、最も好ましくは1~5重量%の少なくとも1種のアミノシランと、からなる群から選択される接着付与成分を更に含むことができる。
【0013】
[0014] 例えば、バインダー系は、(a)10~50重量%、好ましくは15~35重量%、最も好ましくは20~35重量%のマロネート官能性ドナー樹脂、(b)10~50重量%、好ましくは15~40重量%、最も好ましくは18~30重量%の1種以上のアクリル又はポリエステルポリオール樹脂、(c)10~50重量%、好ましくは
15~35重量%、最も好ましくは20~25重量%の1種以上のアスパラギン酸エステル樹脂、及び(e)10~50重量%、好ましくは20~45重量%、最も好ましくは30~35重量%の1種以上のアルキド又は変性アルキド樹脂、からなる群から選択される1種類以上の樹脂を含むことができる。マロネート官能性ドナー樹脂用の架橋剤樹脂系は、5~40重量%、好ましくは6~25重量%、最も好ましくは8~15重量%の1種以上のアクリロイルアクセプタ樹脂と、また、上記(b)及び(c)に対して、5~40重量%、好ましくは8~25重量%、最も好ましくは10~18重量%の1種以上の脂肪族イソシアネート樹脂と、を含み得る。
【0014】
[0015] 別の実施形態では、バインダー系は、10~50重量%、好ましくは15~35重量%、最も好ましくは18~22重量%の1種以上の脂環式エポキシ樹脂を含むことができ、架橋剤樹脂は、5~50重量%、好ましくは10~35重量%、最も好ましくは20~28重量%の1種以上のアミンを含む。
【0015】
[0016] 本発明によれば、本明細書に記載のコーティング組成物に使用される複数種の特殊顔料を添加することによって耐食性が向上する。一部の実施形態では、異なる顔料形態を有する2種以上の特殊顔料が使用される。特殊顔料は、充填剤顔料、体質顔料、又はこれらの組み合わせであってもよく、また顔料粒子は、高い充填性を可能にし、物理的適合性を示し、より密な空間充填効果を呈し、それによって、複合顔料体積は、図1図2、及び図3を比較することによって示されるように、各顔料の個々の体積の合計よりも小さい。図示のように、第1のタイプの顔料粒子は、第2のタイプの粒子のみで可能であるよりも効率的に、第2の顔料タイプの粒子間の空隙を充填する。球状、針状、及び板状顔料などの異なる形態を有する異なる体質顔料の組み合わせにより、顔料のレベルの増加及び顔料の充填の改善、コーティングの多孔性の低下、ひいては耐水性などのバリア性の改善が可能になる。耐食性は、顔料容積濃度(PVC)が増加するにつれて一般に改善され、組成物の顔料濃度が15~60%、より好ましくは25~50%、最も好ましくは35~45%である組成物を提供することが、本開示と関連して一般的に望ましい。一実施形態では、それぞれが、概ね球状、針状、又は板状であり得る異なる種類の形態を有する、少なくとも2つの異なる種類の顔料粒子が選択される。ウォラストナイトのような針状顔料は、球状顔料(硫酸バリウム及びTiOなど)によって形成された空隙に充填することができる。タルク及び雲母のような板状顔料は、高いアスペクト比を有し、そのため、そのような顔料は、コーティング層内のイオン移動性を低下させ、その結果、腐食が進んだり、コーティングにふくれができたりするのを減少又は遅延させると考えられる。板状顔料粒子は、濡れた状態での接着性を改善すると考えられる。吸油性の低い顔料が望ましく、好ましい顔料は、100gあたり約25g未満の吸油率を有するものである。
【0016】
[0017] 理論に束縛されるものではないが、ウォラストナイトなどの針状顔料粒子、又はタルク及び雲母などの板状顔料粒子は、硫酸バリウム、二酸化チタン、又は霞石閃長岩などの球状粒子によって形成された空隙を充填し、コーティング層内のイオン移動性を減少させ、その結果、腐食が進んだり、コーティングにふくれができたりするのを減少又は遅延させると考えられる。一実施形態では、特殊顔料は、(a)少なくとも1種の実質的に球状顔料と、(b)少なくとも1種の針状顔料と、(c)少なくとも1種の板状顔料と、を含む。コーティング組成物は、約5~約50重量%の少なくとも1種の球状顔料粒子(酸化チタン又は硫酸バリウムなど)と、2~約30重量%の針状充填剤顔料粒子(ウォラストナイトなど)と、1~約30重量%の板状充填剤顔料粒子(雲母又はタルクなど)とを含む。好ましくは、組成物は、約10~30重量%の、0.1~20μmの中央粒径を有する、少なくとも1種の実質的に球状の充填材顔料粒子と、約3~20重量%の、0.1~20μmの中央粒径を有する針状充填剤顔料粒子と、約3~20重量%の、0.1~20μmの中央粒径を有する板状充填剤顔料粒子を含む。より好ましくは、組成物は、約15~25重量%の球状充填剤粒子、約4~12重量%の針状充填剤粒子、及び
約4~12重量%の板状充填剤粒子を含む。好ましい中央粒径は0.1~10μmであり、最も好ましい中央粒径は0.3~6μmである。上記の重量%は全て、コーティング組成物の総重量に基づく。中央粒径の情報は、D50セディグラフ法に基づく。
【0017】
[0018] 一部の実施形態では、少なくとも1種の顔料は腐食防止顔料である。腐食防止顔料は、腐食を抑制又は低減するように作用する化学的性質を有する顔料であり、例としては、非毒性で、環境に優しく、微粉化された、カチオン含有顔料が挙げられ、その例としては、カルシウムイオン交換非晶質シリカ顔料(例えば、SNCZ社(France)から入手できるNOVINOX XCA 02などの市販の顔料)、HEUBACH GmbHから入手できる、HEUCOSIL CTF、並びにW.R.Grace社から入手できる、SHIELDEX AC-3及びSHIELDEX AC-5)が挙げられる。別の実施形態では、腐食防止顔料は、少なくとも1種の微粉化された陽極不動態化顔料であってもよい。微紛化された陽極不動態化顔料の例としては、例えば、リン酸亜鉛腐食防止剤(例えば、ICL Performance Products LPから市販されている、HALOX SZP-391 JM、並びに、HEUBACH GmbHから市販されている、HEUCOPHOS ZPA及びHEUCOPHOS ZAPP)が挙げられる。これらの化合物は、イオン交換現象又は他の化学経路による腐食を低減する。一部の実施形態では、腐食防止顔料は、異なる種類の腐食防止剤をブレンドしたものを含み得ることが想到される。コーティング組成物は、約1~約30重量%の、好ましくは約2~約20重量%の、より好ましくは約3~約15重量%の腐食防止顔料、例えば、カルシウムイオン交換シリカ又は燐珪酸亜鉛ストロンチウムを含む。
【0018】
[0019] 例示的な顔料としては、以下の表に示されるものが挙げられる。
【0019】
【表1】
【0020】
また他の顔料が、コーティングに色、耐候性、又は他の特性を提供してもよい。コーティングの透過性を低減させること、及び/又はコーティングの強度を強化することによって、これらの顔料はまた、下にある基材の腐食を間接的に低減することもできる。一般に、着色顔料は、有機又は無機顔料であってよく、コーティング組成物の総重量に基づいて、0.5~30重量%、好ましくは1~20重量%、より好ましくは2~15重量%の範囲で存在し得る。
【0021】
[0020] 上記の3種類の顔料は、単一のコーティング組成物中で組み合わされてよく、それによって良好な接着性、耐食性、耐久性、色、及び光沢を、直接金属に塗布されるコーティングに提供することができる。多くの市販のコーティング系は、3種類の別々の組成物を層化することを必要とする。すなわち、耐食性を提供するためのプライマー層、色を提供するトップコート、及び耐候性を提供するクリアコートを層化することを必要とする。本明細書に記載されるコーティング組成物は、これらの特徴の全てを、単一のコーティング組成物中に提供する。
【0022】
[0021] PVCの増加は、一般に、光沢の低減をもたらす。しかしながら、少なくともいくつかの超微細顔料(0.1~5μm)を使用することにより、PVC及び顔料充填の両方を、光沢を維持しながら増加させることができる。高光沢塗料の場合、コーティングは、好ましくは少なくとも70の60度光沢値を有する。中間光沢用途では、コーティングは、好ましくは、10より大きく70未満の60度光沢値を有する。顔料の種類及び比率は、所望のレベルの光沢を提供するように選択されてもよい。コーティング組成物は、一般に、約10~約80の、好ましくは約20~約60の、より好ましくは約25~約45のPVCを有するべきである。
【0023】
[0022] 腐食防止剤(カルシウムイオン交換シリカ化合物又はリン酸塩及びリンケイ酸塩阻害剤など)と組み合わせた板状顔料は、コーティングの濡れた状態での接着性を改善し、大気からの水及び酸素がコーティングを貫通する際に金属イオンを遊離させて、金属酸化物及び水酸化物を形成する。そしてこの金属酸化物及び水酸化物が、コーティング中の開放気孔を塞ぎ、コーティングの透過性を低下させ、更なる腐食を低減させる。
【0024】
[0023] 顔料組成物は、任意の他の好適な顔料粒子を含み得るが、それらの例としては、アゾ顔料、アナズライト、ケイ酸アルミニウム、カリウム計算アルミニウム、アルミニウムペースト、アントラキノン顔料、酸化アンチモン、メタホウ酸バリウム、硫酸バリウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、炭酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、カーボンブラック、酸化クロム、粘土、酸化銅、塩基性塩化銅、ジオキサジン顔料、長石、ハンザイエロー、例えば黄色酸化鉄及び赤色酸化鉄のような酸化鉄、イソインドリン顔料、カオリナイト、リトポン、ケイ酸マグネシウム、金属フレーク、雲母、例えばナフトールレッドのようなナフトール顔料、ニトロソ顔料、霞石閃長岩、ペリノン顔料、ペリレン顔料、多環式顔料、ピロピロール顔料、例えば銅フタロシアニンブルー及び銅フタロシアニングリーンのようなフタロシアニン類、例えばキナクリドンバイオレットのようなキナクリドン類、キノフタロン顔料、ケイ酸塩、硫化物、タルク、二酸化チタン、ウルトラマリン、クロム酸亜鉛、酸化亜鉛、及びリン酸亜鉛といった、有機及び/又は無機着色顔料が挙げられる。また、顔料ビヒクルには、真珠光沢付与剤、蛍光増白剤、紫外線安定剤等を添加してもよい。着色顔料は、一般に、コーティング組成物の総重量に基づいて、0.5~約30重量%、好ましくは1~20重量%、より好ましくは2~15重量%存在する。
【0025】
[0024] 顔料は、湿潤樹脂を含む顔料ビヒクルの形態で提供されてもよく、また分散剤、界面活性剤、湿潤剤、解膠剤、及び安定剤のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。アニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両性分散剤、又は非イオン性分散剤のうちの任意の1つ以上などの、任意の好適な分散剤を顔料ビヒクルと共に使用することができる。同様に、アニオン性湿潤剤、カチオン性湿潤剤、両性湿潤剤、又は非イオン性湿潤剤のうちの任意の1つ以上などの、任意の好適な湿潤剤を顔料ビヒクルと共に使用することができる。
【0026】
[0025] キャリア液体は、コーティング組成物の流体成分であり、組成物の他の成分の全てを担持する働きをし、組成物が乾燥するにつれて蒸発する。任意の好適なキャリア液体を、コーティング組成物の製造方法において使用することができる。キャリア液体は、顔料分散樹脂と共に、本明細書に記載される溶媒などの極性溶媒及び非極性溶媒のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。また、キャリア液体は、顔料分散樹脂において、顔料分散樹脂の製造方法において、又は顔料ビヒクルにおいて使用される溶媒と同じ組成を有しても又は異なる組成を有してもよい。例示的なキャリア液体としては、イソプロパノール、2-ブトキシエタノール、n-ブチルアルコール、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、及びメチルイソブチルケトンなどのケトン、例えばト
ルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、及び例えばミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素が挙げられる。
【0027】
[0026] コーティング組成物の製造方法中の任意の好適な時点で、添加剤を添加してもよい。コーティング組成物に含まれ得る添加剤としては、消泡剤、分散剤、界面活性剤、ポットライフ延長剤、UV安定剤、接着付与剤、湿潤剤、レオロジー変性剤、レベリング剤、アンチブロッキング剤、増粘剤、揺変性付与剤、乾燥剤、沈降防止剤、及び平坦化剤のうちの任意の1つ以上が挙げられる。そのような添加剤が使用される場合、その添加剤は、意図される目的に好適な任意の量で存在してよい。一部の添加剤は、コーティング組成物において複数の役割を果たすということが想到される。
【0028】
[0027] 本発明のコーティング組成物は、例えばブラストされた冷間圧延鋼、アルミニウム、又は処理金属(例えばHenkel社から市販されているボンデライト(登録商標)コーティングで前処理されたものなど)などの金属製基材の表面上に、直接塗布することができる。例えば従来式の噴霧、空気補助エアレス(AAA)噴霧又は静電噴霧などの様々な塗布技術をコーティング用途に使用することができる。このコーティング組成物は、プライマーコーティングの耐食特性と、トップコートの耐候性との両方を、全て単一の配合物中に有しているので、このコーティング組成物は、プライマーコーティングの存在しない中でも、直接、金属に塗布するという方法で塗布することが可能である。引き続いて、コーティング組成物を硬化させて、コーティングが形成される。ひとたび第1のコーティングが金属表面上に形成された後、コーティング組成物を再度塗布して、追加のコーティング層を形成してもよいということが考えられる。このようにコーティングされた金属基材もまた、本発明の一部の実施形態の範囲内である。
【実施例0029】
[0028] 本発明を、以下の実施例において、より具体的に説明する。これらの実施例は、例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。というのは、当業者には、多くの修正や変更がそれらの実施例に加えられ得ることが自明であるからである。これらの重量百分率(重量%)は、コーティング組成物の総重量に基づく。
【0030】
対照例
[0029] 以下の成分を示される量で混合することにより、マイケル添加樹脂のブレンド物を含有するコーティング組成物を調製した。
【0031】
【化1】
【0032】
[0030] 対照例の顔料容積濃度は、顔料の総重量37重量%に対して17%であった。
実施例1
[0031] 以下の成分を示される量で混合することにより、マイケル添加反応に基づく、イソシアネートを含まないコーティング組成物を調製した。
【0033】
【化2】
【0034】
[0032] コーティング組成物のPVCは38%であり、顔料の総含有量は48重量%であった。ポリマーシーラー付きリン酸鉄冷間圧延鋼のパネル及びブラストされた熱間圧延鋼のパネルに塗布された単一層のコーティングを、塩水噴霧試験にかけた際に示す性能を表2に示す。
【0035】
実施例2
[0033] 以下の成分を指示された量で混合することにより、ポリウレタンコーティング組成物を調製した。
【0036】
【化3】
【0037】
[0034] コーティング組成物のPVCは30%であり、顔料の総含有量は40重量%であった。ポリマーシーラー付きリン酸鉄冷間圧延鋼のパネル及びブラストされた熱間圧延鋼のパネルに塗布された単一層のコーティングを、塩水噴霧試験にかけた際に示す性能を表2に示す。
【0038】
実施例3
[0035] 以下の成分を指示された量で混合することによって、ポリアスパラギン酸コーティング組成物を調製した。
【0039】
【化4】
【0040】
[0036] コーティング組成物のPVCは28%であり、顔料の総含有量は40重量%であった。ポリマーシーラー付きリン酸鉄冷間圧延鋼のパネル及びブラストされた熱間圧延鋼のパネルに塗布された単一層のコーティングを、塩水噴霧試験にかけた際に示す性能を表2に示す。
【0041】
[0037] 実施例の全ては、対照例と比較して、金属への直接接着性及び塩水噴霧抵抗性が、実質的に改善されていることを示した。
結果
[0038] 対照例及び実施例1~3のコーティング組成物を、ポリマーシーラー付きリン酸鉄冷間圧延鋼及びブラストされた冷間圧延鋼に塗布し、光沢、塩水噴霧耐食性、及びキセノン耐候性について試験した。
【0042】
[0039] 以下の表に示すように、各配合物は、比較的高いPVCで許容可能な光沢及び光沢保持性を示し、かつ高い耐食性を示した。ブラストされた鋼上では、クリーページは2mmであり、リン酸鉄で処理した鋼上では、クリーページは3mmであった。
【0043】
【表2】
【0044】
[0040] 実施例1~3は、ASTM D1640に従って決定されるような、3
0分間の半硬化乾燥時間、及び90分の硬化乾燥時間を要した。光沢度は、ASTM D523に従って判定した。60度光沢保持及び色変化(ΔE)は、キセノン加速風化試験(ASTM G155-05a Cycle 7A)にかけて判定した。500時間の塩水噴霧試験後、ASTM B117及びASTM D1654の手順A、方法2(クリープ評価)に従って、ブラストされた冷間圧延鋼及びボンデライト1000 P99X基材に対して、クリープ(単位mm)を試験した。
【0045】
[0041] これまで述べたように、本開示は、様々な実施形態において、直接金属コーティング組成物、コーティング組成物の製造方法、基材をコーティングする方法、及びコーティングされた基材を提供するものである。
【0046】
[0042] 本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供されるあらゆる全ての実施例、又は一例を記述する言語(例えば、「例えば~などの」)の使用は、本発明を明らかにすることを意図し、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書において、本発明又は好ましい実施形態の性質又は利益に関するいかなる記述も、限定することを意図するものではない。本発明は、適用可能な法によって許容される、本明細書に記載の主題の、全ての修正及び均等物を含む。更に、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、上述の要素の任意の組み合わせが、その全ての考えられる変種を含めて、本発明に包含される。本明細書における任意の参考文献又は特許の説明は、「先行技術」と識別された場合であっても、そのような参照又は特許が本発明に対する先行技術として利用可能であるという譲歩を構成することを意図していない。請求項に含まれていないいかなる言葉も、本発明を範囲内に限定すると見なされるべきではない。本明細書における、特定の特徴が特許請求される発明の構成要素を構成するといういかなる記述又は示唆も、それらが添付の特許請求の範囲に反映されていない限り、発明を限定することを意図するものではない。いかなる製品の特許番号のマーキングも、あらゆるサービスに関連する特許番号の識別番号も、本明細書に記載されている全ての実施形態がそのような製品又はサービスに組み込まれているという表現と見なされるべきではない。
[1]
(a)バインダー樹脂系と、
(b)架橋剤樹脂と、
(c)様々な形態の顔料粒子を有する複数の特殊顔料と、
(d)腐食防止顔料と、を含むコーティング組成物。
[2]
着色顔料を更に含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記特殊顔料が、充填剤顔料及び体質顔料からなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[4]
前記組成物の顔料容積濃度が10~80%である、[1]に記載の組成物。
[5]
前記組成物の顔料容積濃度が20~60%である、[1]に記載の組成物。
[6]
前記組成物の顔料容積濃度が25~45%である、[1]に記載の組成物。
[7]
前記腐食防止顔料が、少なくとも1種の、非毒性で、環境に優しい、微粉化されたカチオン含有顔料を含む、[1]に記載の組成物。
[8]
前記腐食防止顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、1~30重量%である、[1]に記載の組成物。
[9]
前記腐食防止顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、2~20重量%である、[1]に記載の組成物。
[10]
前記腐食防止顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、3~15重量%である、[1]に記載の組成物。
[11]
前記腐食防止顔料が、少なくとも1種の、微粉化された陽極不動態化顔料を含む、[1]に記載の組成物。
[12]
前記微紛化された陽極不動態化顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、1~30重量%、好ましくは2~20重量%、最も好ましくは3~15重量%である、[11]に記載の組成物。
[13]
前記微粉化された陽極不動態化顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて2~20重量%である、[11]に記載の組成物。
[14]
前記微粉化された陽極不動態化顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて3~15重量%である、[11]に記載の組成物。
[15]
前記着色顔料が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、0.5~30重量%の少なくとも1種の有機又は無機着色顔料を含む、[2]に記載の組成物。
[16]
前記特殊顔料が、異なる粒径及び形状を有する少なくとも3種以上の特殊体質顔料を含む、[1]に記載の組成物。
[17]
前記特殊顔料が、
(a)少なくとも1種の球状顔料と、
(b)少なくとも1種の針状顔料と、
(c)少なくとも1種の板状顔料とを含む、[1]に記載の組成物。
[18]
前記特殊顔料が、
(a)5~50重量%の球状顔料と、
(b)2~30重量%の針状顔料と、
(c)1~30重量%の板状顔料と、
を含む、[1]に記載の組成物。
[19]
前記特殊顔料が、
(a)10~30重量%の球状顔料と、
(b)3~20重量%の針状顔料と、
(c)3~20重量%の板状顔料と、
を含む、[1]に記載の組成物。
[20]
前記特殊顔料が、
(a)15~25重量%の球状顔料と、
(b)4~12重量%の針状顔料と、
(c)4~12重量%の板状顔料と、
を含む、[1]に記載の組成物。
[21]
前記特殊顔料が、
(a)少なくとも1種の球状顔料と、
(b)少なくとも1種の針状顔料と、
(c)少なくとも1種の板状顔料と、
を含み、前記特殊顔料が、0.1~20μmの中央粒径を有する、[1]に記載の組成物。
[22]
前記特殊顔料が、0.1~10μmの中央粒径を有する、[1]に記載の組成物。
[23]
前記特殊顔料が、0.3~6μmの中央粒径を有する、[1]に記載の組成物。
[24]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、
(a)10~50重量%のマロネート官能性ドナー樹脂と、
(b)10~50重量%の1種以上のアクリル又はポリエステルポリオール樹脂と、
(c)10~50重量%の1種以上のアスパラギン酸エステル樹脂と、
(d)10~50重量%の1種以上のアルキド又は変性アルキド樹脂と、
からなる群から選択される1種類以上の樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[25]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、
(a)15~35重量%のマロネート官能性ドナー樹脂と、
(b)15~40重量%の1種以上のアクリル又はポリエステルポリオール樹脂と、
(c)15~35重量%の1種以上のアスパラギン酸エステル樹脂と、
(d)20~45重量%の1種以上のアルキド又は変性アルキド樹脂と、
からなる群から選択される1種類以上の樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[26]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、
(a)20~35重量%のマロネート官能性ドナー樹脂と、
(b)18~30重量%の1種以上のアクリル又はポリエステルポリオール樹脂と、
(c)20~25重量%の1種以上のアスパラギン酸エステル樹脂と、
(d)30~35重量%の1種以上のアルキド又は変性アルキド樹脂と、
からなる群から選択される1種類以上の樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[27]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、10~50重量%の1種以上のマロネート官能性樹脂を含み、前記架橋剤樹脂が、5~40重量%の1種以上のアクリロイルアクセプタ樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[28]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、15~35重量%の1種以上のマロネート官能性樹脂を含み、前記架橋剤樹脂が、6~25重量%の1種以上のアクリロイルアクセプタ樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[29]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、20~35重量%の1種以上のマロネート官能性樹脂を含み、前記架橋剤樹脂が、8~15重量%の1種以上のアクリロイルアクセプタ樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[30]
前記バインダー系が、1種以上のアクリル樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、及びアスパラギン酸エステル樹脂からなる群から選択され、前記架橋剤樹脂が、5~40重量%の1種以上の脂肪族イソシアネート樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[31]
前記バインダー系が、1種以上のアクリル樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、及びアスパラギン酸エステル樹脂からなる群から選択され、前記架橋剤樹脂が、8~25重量%の1種以上の脂肪族イソシアネート樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[32]
前記バインダー系が、1種以上のアクリル樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、及びアスパラギン酸エステル樹脂からなる群から選択され、前記架橋剤樹脂が、10~18重量%の1種以上の脂肪族イソシアネート樹脂を含む、[1]に記載の組成物。
[33]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、10~50重量%の1種以上の脂環式エポキシ樹脂を含み、前記架橋剤系が、5~50重量%の1種以上のアミンを含む、[1]に記載の組成物。
[34]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、15~35重量%の1種以上の脂環式エポキシ樹脂を含み、前記架橋剤系が、10~35重量%の1種以上のアミンを含む、[1]に記載の組成物。
[35]
前記バインダー系が、前記コーティング組成物の総重量に基づいて、18~22重量%の1種以上の脂環式エポキシ樹脂を含み、前記架橋剤系が、20~28重量%の1種以上のアミンを含む、[1]に記載の組成物。
[36]
前記総コーティング組成物の重量に基づいて、(a)0.5~15重量%の少なくとも1種の液状エポキシ樹脂、及び、(2)0.2~15重量%の少なくとも1種のアミノシラン、からなる群から選択される接着付与成分を更に含む、[1]に記載の組成物。
[37]
前記総コーティング組成物の重量に基づいて、(a)1~10重量%の少なくとも1種の液状エポキシ樹脂、及び(2)0.5~10重量%の少なくとも1種のアミノシランからなる群から選択される接着付与成分を更に含む、[1]に記載の組成物。
[38]
前記総コーティング組成物の重量に基づいて、(a)2~6重量%の少なくとも1種の液状エポキシ樹脂、及び(2)1~5重量%の少なくとも1種のアミノシランからなる群から選択される接着付与成分を更に含む、[1]に記載の組成物。
[39]
(a)金属基材と、
(b)前記金属基材の表面上のコーティング組成物と、
を含んでなる、コーティングされた金属基材であって、
コーティング組成物が、
(a)バインダー樹脂系、
(b)架橋剤樹脂、
(c)様々な形態の顔料粒子を有する複数の特殊顔料、及び
(d)腐食防止顔料を含むコーティング組成物、
を含む、上記コーティングされた金属基材。
[40]
前記コーティング組成物が、従来の噴霧技術、空気補助エアレス噴霧技術、又は静電噴霧技術を使用して基材に塗布される、[1]に記載の組成物。
[41]
前記コーティングが、優れた耐食性及び耐候性を有する、[1]に記載のコーティング組成物。
図1
図2
図3