(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027295
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】ヘテロ二量体、ホモ二量体及び医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07K 19/00 20060101AFI20230221BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230221BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230221BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230221BHJP
C07K 14/74 20060101ALI20230221BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20230221BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230221BHJP
A61K 39/395 20060101ALN20230221BHJP
【FI】
C07K19/00
C12N15/62 Z
C12N15/12
C12N15/13
C07K14/74
C07K14/47
A61P35/00
A61K39/395 Y
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200549
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2019534200の分割
【原出願日】2017-12-20
(31)【優先権主張番号】62/438,272
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/470,774
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/555,435
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/582,132
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】518310628
【氏名又は名称】キュー バイオファーマ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ザイデル,サード,ロナルド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チャパーロ,ロドルフォ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】変異免疫調節ポリペプチド、及び変異免疫調節ペプチドを含む融合ポリペプチドを提供する。
【解決手段】T細胞調節多量体ポリペプチド、及びT細胞調節多量体ポリペプチドを含む組成物を提供し、T細胞調節多量体ポリペプチドは、本開示の変異免疫調節ポリペプチドを含む。本開示は、T細胞調節多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、及び核酸を含む宿主細胞を提供する。本開示は、T細胞の活性の調節方法を提供し、本方法は、T細胞と、本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドとの接触を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘテロ二量体であって、
i)ヒトパピローマウイルスエピトープ以外のがん関連エピトープと、
ii)第1の主要組織適合抗原複合体(MHC)クラスIポリペプチドであって、前記第1のMHCクラスIポリペプチドは、配列番号95のアミノ酸21~119に対して少なくとも95%のパーセントアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むβ2-マイクログロブリン(β2M)ポリペプチドであり、パーセント配列同一性は、BLASTを用いてなされる配列のアライメントにより決定可能である、第1のMHCクラスIポリペプチドと
を含む第1のポリペプチド、及び、
i)それぞれのコピーが配列番号84のアミノ酸配列を含んでおり、ペプチドリンカーによって連結されている、IL-2ポリペプチドの2つのコピーと、
ii)MHCクラスI HLA-A重鎖ポリペプチドである、第2のMHCポリペプチドと、
iii)免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチドと
を含む第2のポリペプチド
を含んでおり、
前記β2Mポリペプチド内のCys残基を前記MHCクラスI重鎖ポリペプチド内のCys残基と共有結合で連結するジスルフィド結合を含んでいる、
ヘテロ二量体。
【請求項2】
前記Ig Fcポリペプチドは、配列番号57に対して少なくとも約95%のパーセントアミノ酸配列同一性を有するIgG1 Fcポリペプチドであって、パーセント配列同一性は、BLASTを用いてなされる配列のアライメントにより決定可能であり、前記Ig Fcポリペプチドは、配列番号57に示されるアミノ酸の番号付けに基づいたL14A置換及びLISA置換を含んでおり、
前記第2のポリペプチドは、
a)前記IL-2ポリペプチドの第1のコピー、及び前記IL-2ポリペプチドの第2のコピー、
b)前記IL-2ポリペプチドの2つのコピーの内の1つ、及び前記MHCクラスI重鎖ポリペプチド、並びに、
c)前記MHCクラスI重鎖ポリペプチド、及び前記IgG1 Fcポリペプチド,
の1つまたは複数の間にペプチドリンカーを含んでいる、
請求項1に記載のヘテロ二量体。
【請求項3】
前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとは、(i)前記β2Mポリペプチドのアミノ酸12におけるCys残基と(ii)配列番号19に示されるアミノ酸の番号付けに基づいた前記MHCクラスI HLA-A重鎖ポリペプチドの残基236におけるCysとの間のジスルフィド結合を介して、互いに共有結合で連結されている、請求項1に記載のヘテロ二量体。
【請求項4】
請求項1に記載の2つのヘテロ二量体を含む、ホモ二量体であって、
前記2つのヘテロ二量体が、一方のヘテロ二量体のIgFcポリペプチドを他方のヘテロ二量体のIgFcポリペプチドに連結する1または複数のジスルフィド結合により、互いに連結されている、ホモ二量体。
【請求項5】
請求項2に記載の2つのヘテロ二量体を含む、ホモ二量体であって、
前記2つのヘテロ二量体が、一方のヘテロ二量体のIgFcポリペプチドを他方のヘテロ二量体のIgFcポリペプチドに連結する1または複数のジスルフィド結合により、互いに連結されている、ホモ二量体。
【請求項6】
請求項3に記載の2つのヘテロ二量体を含む、ホモ二量体であって、
前記2つのヘテロ二量体が、一方のヘテロ二量体のIgFcポリペプチドを他方のヘテロ二量体のIgFcポリペプチドに連結する1または複数のジスルフィド結合により、互いに連結されている、ホモ二量体。
【請求項7】
請求項1~3の何れか1項に記載のヘテロ二量体を含む、医薬組成物。
【請求項8】
請求項4~6の何れか1項に記載のホモ二量体を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
適応免疫応答は、T細胞の表面に存在するT細胞受容体(TCR)と、主要組織適合抗原複合体(MHC;ヒトにおいてはヒト白血球抗原(HLA)複合体とも称される)によって抗原提示細胞(APC)の表面に非共有結合で存在する小さなペプチド抗原との結合を伴う。この結合は、免疫系の標的化機構に相当するものであり、T細胞の調節(活性化または抑制)及びエフェクター機能に必要な分子相互作用である。エピトープ特異的な細胞標的化に続き、APCに見られる共刺激タンパク質と、T細胞の対応する共刺激タンパク質との結合を介して標的化T細胞が活性化される。
【0002】
T細胞の特異性及び活性化または抑制を誘導するためには、エピトープ/TCR結合と、APCの共刺激タンパク質及びT細胞の共刺激タンパク質の結合との両方のシグナルが必要である。TCRは所与のエピトープに特異的であるが、共刺激タンパク質はエピトープ特異的ではなく、代わりに、すべてのT細胞または大きなT細胞サブセットに一般に発現する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、変異免疫調節ポリペプチド、及び変異免疫調節ペプチドを含む融合ポリペプチドを提供する。本開示は、T細胞調節多量体ポリペプチド、及びT細胞調節多量体ポリペプチドを含む組成物を提供し、T細胞調節多量体ポリペプチドは、本開示の変異免疫調節ポリペプチドを含む。
【0004】
本開示は、T細胞調節多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、及び核酸を含む宿主細胞を提供する。本開示は、T細胞の活性の調節方法を提供し、この方法は、T細胞と、本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドとの接触を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】A~Dは、本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドのさまざまな実施形態を模式的に示す。これらの実施形態では、別々のポリペプチドに存在するMHC(例えば、HLA)ポリペプチドの間にジスルフィド結合が形成される。
【
図2-1】A~Dは、野生型ヒトIL-2のアミノ酸配列(A)、及び変異IL-2ポリペプチドのアミノ酸配列(B~D)を示す。
【
図2-2】E~Hは、変異IL-2ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図2-3】I~Lは、変異IL-2ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図2-4】M~Pは、変異IL-2ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図2-5】Qは、変異IL-2ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図3-1】A及びBは、IL-2受容体のアルファ鎖、及びIL-2受容体のベータ鎖のアミノ酸配列を示す。
【
図3-2】Cは、IL-2受容体のガンマ鎖のアミノ酸配列を示す。
【
図4A】免疫グロブリンFcポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図4B】免疫グロブリンFcポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図4C】免疫グロブリンFcポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【
図5-1】A及びBは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスI重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。シグナル配列には下線が引かれている。
【
図5-2】Cは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスI重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。シグナル配列には下線が引かれている。
【
図6】Homo sapiens(NP_004039.1;配列番号95)、Pan troglodytes(NP_001009066.1;配列番号96)、Macaca mulatta(NP_001040602.1;配列番号97)、Bos Taurus(NP_776318.1;配列番号98)、及びMus musculus(NP_033865.2;配列番号99)に由来するベータ-2ミクログロブリン(β2M)前駆体(すなわち、リーダー配列を含む)の複数のアミノ酸配列のアライメントを示す。アミノ酸1~20は、シグナルペプチドである。
【
図7A】一過性の遺伝子導入の後の本開示のIL-2/synTac(「Cue-IL-2-a」及び「Cue-IL-2-b」)の産生(未精製収量)を示す。
【
図7B】一過性の遺伝子導入の後の本開示のIL-2/synTac(「Cue-IL-2-a」及び「Cue-IL-2-b」)の産生(精製産物)を示す。
【
図8A】本開示のIL-2/synTacの産生を示し、これらのIL-2/synTacでは、IL-2ポリペプチドは、軽鎖(MHCクラスI分子の軽鎖(例えば、β2M)を含むポリペプチド鎖)または重鎖(MHCクラスI分子の重鎖を含むポリペプチド鎖)に存在する。
【
図8B】本開示のIL-2/synTacの産生を示し、これらのIL-2/synTacでは、IL-2ポリペプチドは、軽鎖(MHCクラスI分子の軽鎖(例えば、β2M)を含むポリペプチド鎖)または重鎖(MHCクラスI分子の重鎖を含むポリペプチド鎖)に存在する。
【
図9】IL-2/syn-Tacの発現レベルを示し、これらのIL-2/syn-Tacでは、IL-2は、野生型(wt)であるか、またはF42A、D20K、Q126A、E15A、Y45A、及びH16Aのさまざまな組み合わせを含む。
【
図10】本開示のIL-2/synTacの発現を示し、これらのIL-2/synTacでは、IL-2の1つのコピー(1X)、2つのコピー(2X)、または3つのコピー(3X)がsynTacに存在する。
【
図11】本開示のIL-2/synTacによる抗原特異的CD8
+ T細胞及び非特異的CD8
+ T細胞のインビトロの刺激を示し、ここでは、F42A置換及びH16A置換を含むIL-2変異体の2つのコピーがsynTacに存在する。
【
図12】特異的(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV))CD8
+ T細胞または非特異的(OT1(オボアルブミン認識))CD8
+ T細胞に対するIL-2/synTacの結合を示す。
【
図13】抗原特異的(LCMV)CD8
+ T細胞または非特異的(BL6)CD8
+T細胞におけるIL-2/synTac介在性のシグナル伝達を示す。
【
図14A】本開示のIL-2/synTacをさまざまなIL-2/synTac濃度で用いてCD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞を刺激した後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)陽性細胞のパーセントを示す。
【
図14B】本開示のIL-2/synTacをさまざまなIL-2/synTac濃度で用いてCD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞を刺激した後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)陽性細胞のパーセントを示す。
【
図14C】本開示のIL-2/synTacをさまざまなIL-2/synTac濃度で用いてCD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞を刺激した後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)陽性細胞のパーセントを示す。
【
図14D】本開示のIL-2/synTacをさまざまなIL-2/synTac濃度で用いてCD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞を刺激した後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)陽性細胞のパーセントを示す。
【
図14E】本開示のIL-2/synTacをさまざまなIL-2/synTac濃度で用いてCD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞を刺激した後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)陽性細胞のパーセントを示す。
【
図14F】本開示のIL-2/synTacをさまざまなIL-2/synTac濃度で用いてCD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞を刺激した後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)陽性細胞のパーセントを示す。
【
図15】本開示のIL-2/synTacのインビボの活性を示す。左パネルは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、組換えIL-2(rIL-2)、または本開示のIL-2/synTacを投与した後の抗原特異的CD8
+ T細胞の数の倍率変化を示す。右パネルは、PBS、rIL-2、または本開示のIL-2/synTacを投与した後の抗原特異的な応答及び抗原非特異的な応答を示す。
【
図17A】腫瘍に対するインビボの効力に与えるIL-2のコピー数の影響を示す。
【
図17B】腫瘍に対するインビボの効力に与えるIL-2のコピー数の影響を示す。
【
図18】本開示のIL-2/synTacを10mg/kgのIL-2/synTac量で腹腔内投与した後の、その血清半減期を示す。
【
図19】本開示のIL-2/synTacを10mg/kgのIL-2/synTac量で腹腔内投与してから2時間後の、その安定性を示す。
【
図20】本開示のIL-2/synTacを4℃または37℃で5日間保持した後のIL-2/synTacに関するサイズ排除クロマトグラフィーのデータを示す。
【
図21】リーダーペプチドを含む本開示のIL-2/synTacの重鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac重鎖は、N297A置換を有するIgG1 Fcを含む。
【
図22】リーダーペプチドを含まない本開示のIL-2/synTacの重鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac重鎖は、N297A置換を有するIgG1 Fcを含む。
【
図23A】
図21に示されるIL-2/synTac重鎖をコードするヌクレオチド配列を示す。
【
図24】リーダーペプチドを含む本開示のIL-2/synTacの重鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac重鎖は、L234A置換及びL235A置換を有するIgG1 Fcを含む。
【
図25】リーダーペプチドを含まない本開示のIL-2/synTacの重鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac重鎖は、L234A置換及びL235A置換を有するIgG1 Fcを含む。
【
図26A】
図24に示されるIL-2/synTac重鎖をコードするヌクレオチド配列を示す。
【
図27】リーダーペプチドを含む本開示のIL-2/synTacの重鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac重鎖は、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を有するIgG1 Fcを含む。
【
図28】リーダーペプチドを含まない本開示のIL-2/synTacの重鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac重鎖は、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を有するIgG1 Fcを含む。
【
図29A】
図27に示されるIL-2/synTac重鎖をコードするヌクレオチド配列を示す。
【
図30】リーダーペプチドを含む本開示のIL-2/synTacの軽鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac軽鎖は、ヒトパピローマウイルス(HPV)E7エピトープを含む。
【
図31】リーダーペプチドを含まない本開示のIL-2/synTacの軽鎖のアミノ酸配列を示し、IL-2/synTac軽鎖は、HPV E7エピトープを含む。
【
図32】
図30に示されるIL-2/synTac軽鎖をコードするヌクレオチド配列を示す。
【
図33】A~Dは、野生型ヒトIgG1 Fcのアミノ酸配列(A)、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を有するIgG1 Fcのアミノ酸配列(B)、N297A置換を有するIgG1 Fcのアミノ酸配列(C)、ならびにL234A置換及びL235A置換を有するIgG1 Fcのアミノ酸配列(D)を示す。
【
図34】A~Cは、β2-ミクログロブリン(R12C)ポリペプチドのアミノ酸配列(A)、変異IL-2(H16A、F42A)ポリペプチドのアミノ酸配列(B)、及びクラスI MHC-H鎖A0201(Y84A、A236C)のアミノ酸配列(C)を示す。
【
図35】ヒトCMV特異的CD8
+ T細胞のIL-2/synTac介在性の増殖を示す。
【
図36】変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacの発現データ及び受容体結合データを示す。
【
図37】HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対するIL-2/synTacの結合をフローサイトメトリーによって検出したものを示す。
【
図38】HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がSLP76のリン酸化に与える影響を示す。
【
図39】HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトT細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がCD25、グランザイムB、及びCD107αの産生に与える影響を示す。
【
図40】HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がIFN-γの産生に与える影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、本明細書で互換的に使用され、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかであり、長さが任意の重合形態のヌクレオチドを指す。したがって、この用語は、限定はされないが、一本鎖、二本鎖、または多鎖のDNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNAとRNAとのハイブリッド、あるいはプリン塩基及びピリミジン塩基を含むポリマー、あるいは他の天然のヌクレオチド塩基、化学的もしくは生化学的に改変されたヌクレオチド塩基、非天然のヌクレオチド塩基、または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含む。
【0007】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、本明細書で互換的に使用され、化学的または生化学的に改変または誘導体化されたアミノ酸であるコードアミノ酸及び非コードアミノ酸を含み得、長さが任意の重合形態のアミノ酸と、改変されたペプチド骨格を有するポリペプチドとを指す。
【0008】
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、別のポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対してある一定パーセントの「配列同一性」を有し、このことは、アライメントがとられ、2つの配列が比較されると、その割合の塩基またはアミノ酸が同一であり、同一の相対位置に存在することを意味する。配列同一性は、多くの異なる方法において決定することができる。配列同一性を決定するために、さまざまな簡便な方法及びコンピュータープログラム(例えば、BLAST、T-COFFEE、MUSCLE、MAFFTなど)を使用して配列のアライメントをとることができ、こうした方法及びコンピュータープログラムは、ncbi.nlm.nili.gov/BLAST、ebi.ac.uk/Tools/msa/tcoffee/、ebi.ac.uk/Tools/msa/muscle/、mafft.cbrc.jp/alignment/software/を含む、いくつかのサイトでワールドワイドウェブを通じて利用可能である。例えば、Altschul et al.(1990),J.Mol.Bioi.215:403-10を参照のこと。
【0009】
「保存的アミノ酸置換」という用語は、同様の側鎖を有するアミノ酸残基の、タンパク質における互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の一群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンからなり、脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の一群は、セリン及びスレオニンからなり、アミド含有側鎖を有するアミノ酸の一群は、アスパラギン及びグルタミンからなり、芳香族側鎖を有するアミノ酸の一群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンからなり、塩基性側鎖を有するアミノ酸の一群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンからなり、酸性側鎖を有するアミノ酸の一群は、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなり、含硫側鎖を有するアミノ酸の一群は、システイン及びメチオニンからなる。保存的なアミノ酸置換群の例は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン-グリシン、及びアスパラギン-グルタミンである。
【0010】
(例えば、T細胞に存在するポリペプチド(例えば、T細胞受容体)に対する本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドの結合に関して)本明細書で使用される「結合」は、介在する非共有結合的な相互作用を指す。結合相互作用は、解離定数(KD )が10-6M未満、10-7M未満、10-8M未満、10-9M未満、10-10 M未満、10-11 M未満、10-12 M未満、10-13 M未満、10-14 M未満、または10-15 M未満であることによって一般に特徴付けられる。「親和性」は、結合強度を指し、結合親和性の上昇は、KD の低下と相関する。
【0011】
本明細書で使用される「免疫学的シナプス」または「免疫シナプス」という用語は、一般に、適応免疫応答において相互作用する2つの免疫細胞の間の天然の界面を指し、こうした界面には、例えば、抗原提示細胞(APC)または標的細胞と、エフェクター細胞(例えば、リンパ球、エフェクターT細胞、ナチュラルキラー細胞、及び同様のものなど)との間の界面が含まれる。APCとT細胞との間の免疫学的シナプスは、一般に、T細胞抗原受容体と主要組織適合抗原複合体分子との相互作用によって開始される。このことについては、例えば、Bromley et al.,Annu Rev Immunol.2001;19:375-96に記載されており、当該文献の開示内容は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0012】
「T細胞」は、ヘルパーT細胞(CD4+ 細胞)、細胞傷害性T細胞(CD8+ 細胞)、制御性T細胞(Treg)、及びNK-T細胞を含む、CD3を発現するすべての型の免疫細胞を含む。
【0013】
本明細書で使用される「共刺激ポリペプチド」という用語は、T細胞に存在する関連共刺激ポリペプチドに特異的に結合することによって、一次シグナル(例えば、TCR/CD3複合体と、ペプチドが負荷された主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチドとの結合によって生じる)に加えて、T細胞応答(限定はされないが、増殖、活性化、分化、及び同様のものを含む)を媒介するシグナルを生じさせる、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞、B細胞、及び同様のもの)に存在するポリペプチドを含む。共刺激リガンドには、限定はされないが、CD7、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、PD-L1、PD-L2、4-1BBL、OX40L、Fasリガンド(FasL)、誘導性共刺激リガンド(ICOS-L)、細胞間接着分子(ICAM)、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、MICB、HVEM、リンフォトキシンベータ受容体、3/TR6、ILT3、ILT4、HVEM、トールリガンド受容体(Toll ligand receptor)に結合するアゴニストまたは抗体、及びB7-H3と特異的に結合するリガンドが含まれ得る。共刺激リガンドは、数ある中でも特に、T細胞に存在する共刺激分子と特異的に結合する抗体も包含し、T細胞に存在するこうした共刺激分子は、限定はされないが、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、LIGHT、NKG2C、B7-H3、及びCD83に特異的に結合するリガンドなどである。
【0014】
本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドの「調節ドメイン」(「MOD」)は、共刺激ポリペプチド(例えば、IL-2ポリペプチド(本開示の変異IL-2ポリペプチドなど))を含む。
【0015】
本明細書で使用される「異種」は、それぞれ天然の核酸またはタンパク質に見られないヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する。
【0016】
本明細書で使用される「組換え」は、特定の核酸(DNAまたはRNA)が、天然系に見られる内在性核酸とは区別可能な構造的なコード配列または非コード配列を有するコンストラクトが生じるクローニング段階、制限段階、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)段階及び/またはライゲーション段階のさまざまな組み合わせの産物であることを意味する。ポリペプチドをコードするDNA配列は、cDNA断片から構築するか、または細胞もしくは細胞を含まない転写及び翻訳系に含められる組換え転写単位からの発現が可能な合成核酸を生成するための一連の合成オリゴヌクレオチドから構築することができる。
【0017】
「組換え発現ベクター」または「DNAコンストラクト」という用語は、ベクター及び1つの挿入断片を含むDNA分子を指すために本明細書で互換的に使用される。組換え発現ベクターは、通常、挿入断片(複数可)の発現及び/または増幅、あるいは他の組換えヌクレオチド配列の構築を目的として生成される。挿入断片(複数可)は、プロモーター配列に機能可能なように連結されてもされなくてもよく、DNA制御配列に機能可能なように連結されてもされなくてもよい。
【0018】
例えば、組換え発現ベクターなどの外来性DNAが細胞の内部に導入されているとき、そのようなDNAによって細胞は「遺伝子改変」または「形質転換」または「遺伝子導入」されている。外来性DNAが存在すると、持続性または一過性の遺伝子変化が生じる。形質転換DNAは、細胞のゲノムへの組み込み(共有結合での連結)が生じることも生じないこともあり得る。原核生物、酵母、及び哺乳類細胞では、例えば、形質転換DNAは、プラスミドなどのエピソーム要素で維持され得る。真核細胞に関しては、安定的に形質転換された細胞は、形質転換DNAが染色体に組み込まれており、その結果、染色体の複製を介して形質転換DNAが娘細胞によって受け継がれる細胞である。
【0019】
本明細書で使用される「宿主細胞」は、インビボもしくはインビトロの真核細胞、または単細胞実体として培養される多細胞生物由来の細胞(例えば、細胞株)を指し、当該真核細胞は、核酸(例えば、本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクター)のレシピエントとして使用することができるか、または使用されたことがあるものであり、その核酸によって遺伝子改変された元の細胞の子孫を含む。単細胞の子孫は、天然、偶発的、または計画的な変異が生じるため、形態またはゲノムDNA相補鎖もしくは全DNA相補鎖が、元の親と必ずしも完全に同一ではあり得ないと理解される。「組換え宿主細胞」(「遺伝子改変宿主細胞」とも称される)は、例えば、発現ベクターなどの異種核酸が導入された宿主細胞である。例えば、遺伝子改変された真核生物宿主細胞が遺伝子改変されている所以は、例えば、真核生物宿主細胞にとって異質な外来性核酸、または真核生物宿主細胞に通常は見られない組換え核酸などの異種核酸が適切な真核生物宿主細胞に導入されているということにある。
【0020】
「treatment(治療)」、「treating(治療)」という用語、及び同様のものは、一般に、所望の薬理的及び/または生理的作用の発現を意味するために本明細書で使用される。作用は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防するという点で予防的であり得、及び/または疾患及び/または疾患に起因し得る有害作用を部分的もしくは完全に治すという点で治療的であり得る。本明細書で使用される「Treatment(治療)」は、動物における疾患または症状の任意の治療を包含すると共に、(a)疾患もしくは症状に罹りやすくあり得るが、それを有するとはまだ診断されていない対象における疾患もしくは症状の発症予防、(b)疾患もしくは症状の抑制、すなわち、その発症の抑止、または(c)疾患の軽減、すなわち、疾患の退縮誘起を含む。治療薬剤は、疾患または損傷の発生の前、間、または後に投与してよい。進行中の疾患の治療は、特に対象となるものであり、こうした治療では、治療は、患者の望ましくない臨床症状を安定化または低減するものである。そのような治療は、患部組織における機能が完全に失われる前に実施されることが望ましい。対象の治療は、望ましくは、疾患の兆候段階の間、及び場合によっては、疾患の兆候段階の後に投与されることになる。
【0021】
「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」という用語は、本明細書で互換的に使用され、診断、治療、または療法が望まれる任意の哺乳類対象を指す。哺乳類には、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類(例えば、ラット、マウス)、ウサギ類(例えば、ウサギ)、有蹄動物(例えば、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギ、及び同様のもの)などが含まれる。
【0022】
本発明の追加説明の前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、実施形態は当然異なり得ると理解されることになる。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態の説明のみを目的としており、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される専門用語による限定は意図されないとも理解されることになる。
【0023】
値の範囲が与えられる場合、文脈上明確に示されない限り、その範囲の上限値と下限値との間に存在する、下限値の10分の1の単位までの各介在値と、その記載範囲の任意の他の記載値または介在値とが本発明に包含されると理解される。こうしたより小さな範囲の上限値及び下限値は、そのより小さな範囲に独立して含まれ得るものであり、こうした上限値及び下限値もまた、本発明に包含され、記載範囲において具体的に除外される任意の限界値の対象になる。記載範囲が限界値の一方または両方を含む場合、そうした含まれる限界値のどちらか一方または両方を除外した範囲もまた、本発明に含まれる。
【0024】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同一の意味を有する。本発明の実施または試験においては、本明細書に記載のものと同様または同等の任意の方法及び材料を使用することもできるが、ここでは、好ましい方法及び材料が記載される。本明細書で言及される刊行物はすべて、刊行物が関連付けて引用される方法及び/または材料を開示及び説明するために、参照によって本明細書に援用される。
【0025】
文脈上明確に示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の参照対象を含むことに留意されなくてはならない。したがって、例えば、「変異IL-2ポリペプチド」に対する参照は、複数のそのようなポリペプチドを含み、「クラスI HLA重鎖ポリペプチド」に対する参照は、1つまたは複数のクラスI HLA重鎖ポリペプチド、及び当業者に知られるその同等形態に対する参照を含むなどである。特許請求の範囲は、任意選択の要素はいずれも除外して起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記載は、請求要素の記載と関連する「単に」、「のみ」、及び同様のものなどの排他的用語の使用、または「負の」限定の使用のための先行的根拠として働くことが意図される。
【0026】
本発明のある特定の特徴は、明確化するために別々の実施形態と関連して記載されるが、単一の実施形態において組み合わせて提供してもよいと理解される。逆に、本発明のさまざまな特徴は、簡略化するために単一の実施形態と関連して記載されるが、別々に提供するか、または任意の適切な部分的組み合わせにおいて提供してもよい。本発明に関する実施形態の組み合わせはすべて、本発明によって明確に包含され、それぞれ及びあらゆる組み合わせが個別かつ明示的に開示される場合と同様に本明細書に開示される。さらに、さまざまな実施形態及びそれらの要素の部分的組み合わせもすべて、本発明によって明確に包含され、それぞれ及びあらゆるそのような部分的な組み合わせが個別かつ明示的に本明細書に開示される場合と同様に本明細書に開示される。
【0027】
本明細書で議論される刊行物は、単に、本出願の出願日より前にその開示内容が提供されているにすぎない。先行発明であるという理由によって本発明がそのような刊行物に先行する権利を有さないことを承認するものとして本明細書の記載が解釈されることには全くならない。さらに、提供される刊行物の日付は実際の刊行日とは異なり得るものであり、実際の刊行日は個別に確認する必要があり得る。
【0028】
本開示は、変異免疫調節ポリペプチド、及び変異免疫調節ペプチドを含む融合ポリペプチドを提供する。本開示は、T細胞調節多量体ポリペプチド、及びT細胞調節多量体ポリペプチドを含む組成物を提供し、T細胞調節多量体ポリペプチドは、本開示の変異免疫調節ポリペプチドを含む。本開示は、T細胞調節多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、及び核酸を含む宿主細胞を提供する。本開示は、T細胞の活性の調節方法を提供し、この方法は、T細胞と、本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドとの接触を含む。
【0029】
本明細書に記載の実施形態では、多量体ポリペプチドは、代替APCとして機能し、適応免疫応答を模倣する。そのようなことが多量体ポリペプチドによって実現することは、T細胞の表面に存在するTCRと、多量体ポリペプチドに存在する、MHCと複合体を形成したエピトープ提示ペプチドとが結合することによるものである。この結合によって、エピトープ特異的細胞の標的化を達成する能力が多量体ポリペプチドに付与される。本明細書に記載の実施形態では、多量体ポリペプチドは、T細胞上の対応共刺激タンパク質(本明細書では「免疫調節ポリペプチド」、「関連免疫調節ポリペプチド」、または「関連共刺激タンパク質」などとも称される)と結合する少なくとも1つの免疫調節タンパク質(本明細書では「調節ドメイン」または「MOD」とも称される)も有する。TCRに対するエピトープ/MHCの結合、及び関連共刺激ポリペプチドに対する免疫調節ポリペプチドの結合の両方のシグナルが生じることで、所望のT細胞特異性と抑制または活性化/増殖との両方が誘導される。本明細書にさらに記載されるように、少なくとも1つの免疫調節タンパク質は、天然起源の免疫調節タンパク質(例えば、天然起源のIL-2)の変異体であり得、当該変異体は、T細胞上のその対応共刺激タンパク質(例えば、IL-2R)に対する天然起源の免疫調節タンパク質の親和性と比較して、対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示す。
【0030】
本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドは、「synTacポリペプチド」とも称される。本開示のsynTacポリペプチドは、変異調節ドメインを含み、変異調節ドメインは、免疫調節ポリペプチド(関連共刺激ポリペプチド(例えば、T細胞の表面上の関連共刺激ポリペプチド))に対する野生型調節ドメインの親和性と比較して、免疫調節ポリペプチドに対する結合親和性の低下を示す。本開示のsynTacポリペプチドは、標的T細胞の活性を調節することができる。本開示のsynTacポリペプチドは、標的細胞の特異性を増進させる。
【0031】
変異免疫調節ポリペプチド
本開示は、変異IL-2調節ポリペプチドを提供する。ヒトIL-2の野生型アミノ酸配列は、
図2Aに示される。ヒトIL-2ポリペプチドの野生型アミノ酸配列は、下記のものであり得る(配列番号1)。
【0032】
【0033】
野生型IL-2は、細胞の表面上のIL-2受容体(IL-2R)に結合する。IL-2受容体は、場合によっては、アルファ鎖(IL-2Rα(CD25とも称される))と、ベータ鎖(IL-2Rβ(CD122とも称される)と、ガンマ鎖(IL-2Rγ(CD132とも称される))とを含むヘテロ三量体ポリペプチドである。ヒトのIL-2Rα、IL-2Rβ、及びIL-2Rγのアミノ酸配列は、
図3A~3Cに示される。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、IL-2Rに対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、IL-2Rに対する結合親和性の低下を示す。例えば、場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL-2Rポリペプチドに対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して低い結合親和性でIL-2Rに結合する。例えば、場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、IL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL-2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL-2Rに結合する。そのような場合、結合親和性は、後述の手順を使用して決定される。
【0034】
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、100nM~100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。別の例として、場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。そのような場合、結合親和性は、後述の手順を使用して決定される。
【0035】
本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して単一のアミノ酸置換を有し得る。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して2~10のアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して2つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して3つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して4つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して5つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して6つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して7つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して8つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して9つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチド)と比較して10個のアミノ酸置換を有する。
【0036】
本開示の変異IL-2ポリペプチドは、120~140のアミノ酸長を有し得、例えば、120~125のアミノ酸長、125~130のアミノ酸長、130~135のアミノ酸長、または135~140のアミノ酸長を有する。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0037】
E15の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Dに示されるアミノ酸配列(アミノ酸15は、グルタミン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸15は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはAspである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸15がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Dに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸15がAlaである
図2Dに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸15がGlyである
図2Dに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸15がValである
図2Dに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸15がLeuである
図2Dに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸15がIleである
図2Dに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のE15置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL-2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL-2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0038】
H16の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Eに示されるアミノ酸配列(アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAlaである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がGlyである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がValである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がLeuである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がIleである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAsnである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAspである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がCysである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がGlnである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がGluである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がMetである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がPheである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がSerである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がThrである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がTrpである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がTyrである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のH16置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL-2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL-2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0039】
D20の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Cに示されるアミノ酸配列(アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がAlaである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がGlyである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がValである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がLeuである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がIleである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がLysである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がAsnである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がGlnである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸20がHisである
図2Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のD20置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL-2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL-2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0040】
F42の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Bに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がGlyである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0041】
Y45の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Fに示されるアミノ酸配列(アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がAlaである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がGlyである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がValである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がLeuである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がIleである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のY45置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0042】
Q126の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Gに示されるアミノ酸配列(アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がAlaである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がGlyである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がValである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がLeuである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がIleである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のQ126置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0043】
F42及びH16の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Hに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/H16置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0044】
F42及びD20の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Iに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0045】
F42、D20、及びE15の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Jに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸15は、グルタミン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸15は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはAspである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸15がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸15がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸15がGlyである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がGlyである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がGlyである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/E15置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0046】
F42、D20、及びH16の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Kに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸16がGlyである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/H16置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0047】
F42、D20、及びQ126の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Lに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸126がGlyである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がGlyである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がGlyである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/Q126置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0048】
F42、D20、及びY45の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Mに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/Y45置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0049】
F42、D20、Y45、及びH16の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Nに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸16がValである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/Y45/H16置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0050】
F42、D20、Y45、及びQ126の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Oに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がValである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がGlyである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/Y45/Q126置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0051】
F42、D20、Y45、H16、及びQ126の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Pに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がValであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がGlyであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、上記のF42/D20/Y45/H16/Q126置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0052】
F42、Q126、及びH16の置換
場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、
図2Qに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がGlyであり、アミノ酸16がGlyである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がAsnであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がLysであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がArgであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がHisであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、F42/Q126/H16置換変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、IL2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファ鎖、ベータ鎖、及びガンマ鎖を含むIL2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも5%、10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL2Rに結合する。場合によっては、そのような変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0053】
融合ポリペプチド
本開示は、IL-2融合ポリペプチドを提供する。本開示の融合ポリペプチドは、a)本開示の変異IL-2ポリペプチド、及びb)異種融合パートナーを含む。場合によっては、異種融合パートナーは、変異IL-2ポリペプチドのN末端に融合している。場合によっては、異種融合パートナーは、変異IL-2ポリペプチドのC末端に融合している。場合によっては、本開示のIL-2融合ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドのN末端に融合している第1の異種融合パートナー及び変異IL-2ポリペプチドのC末端に融合している第2の異種融合パートナーを含む。
【0054】
本開示のIL-2融合ポリペプチドの全長は、135アミノ酸~2000アミノ酸の範囲にわたり得る。例えば、本開示のIL-2融合ポリペプチドは、135アミノ酸~150アミノ酸、150アミノ酸~175アミノ酸、175アミノ酸~200アミノ酸、200アミノ酸~225アミノ酸、225アミノ酸~250アミノ酸、250アミノ酸~275アミノ酸、275アミノ酸~300アミノ酸、300アミノ酸~350アミノ酸、350アミノ酸~400アミノ酸、400アミノ酸、400アミノ酸~450アミノ酸、450アミノ酸~500アミノ酸、500アミノ酸~600アミノ酸、600アミノ酸~700アミノ酸、700アミノ酸~800アミノ酸、800アミノ酸~900アミノ酸、900アミノ酸~1000アミノ酸、1000アミノ酸~1250アミノ酸、1250アミノ酸~1500アミノ酸、1500アミノ酸~1750アミノ酸、または1750アミノ酸~2000アミノ酸の範囲にわたり得る。
【0055】
適切な融合パートナーとしては、限定されないが、膜貫通型ドメイン、抗体Fc領域、抗体の抗原結合領域、サイトカイン(IL-2以外)、免疫調節ドメイン、細胞内シグナル伝達ドメインなどが挙げられる。
【0056】
T細胞調節多量体ポリペプチド
本開示は、多量体(例えば、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体)ポリペプチドを提供する。多量体ポリペプチドはT細胞調節ポリペプチドであり、本明細書では、「T細胞調節多量体ポリペプチド」または「synTac」(「T細胞活性化のための免疫学的シナプス」)とも称される。
図1A~1Dは、本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドの概略図を示す。本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドは、「IL-2/synTac」、「synTacポリペプチド」または「多量体ポリペプチド」とも称される。
【0057】
場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチドを含む。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチドの単一のコピーを含む。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含む。場合によっては、野生型IL-2ポリペプチドは、
図2Aに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0058】
場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、本開示の変異IL-2ポリペプチドを含む。上記のように、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、IL-2Rに対する野生型IL-2の結合親和性と比較して、IL-2Rに対する結合親和性の低下を示す。本開示の変異IL-2ポリペプチドを含む本開示の多量体ポリペプチドもまた、IL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する野生型IL-2を含む対照多量体ポリペプチドのものと比較して、IL-2Rに対する結合親和性の低下を示す。
【0059】
場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、IL-2Rに対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの結合親和性と比較して、IL-2Rに対する結合親和性の低下を示す。例えば、場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2Rに対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドを含む対照synTacポリペプチドの結合親和性と比較して低い結合親和性でIL-2Rに結合する。例えば、場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、IL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する
図2Aに示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドを含む対照synTacポリペプチドの結合親和性と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低い、少なくとも55%低い、少なくとも60%低い、少なくとも65%低い、少なくとも70%低い、少なくとも75%低い、少なくとも80%低い、少なくとも85%低い、少なくとも90%低い、少なくとも95%低い、または95%超低い結合親和性でIL-2Rに結合する。
【0060】
場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、100nm~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約100nM~500nMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。例えば、場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約100nM~約150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約450nM、または約450nM~約500nMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約500nM~1μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。例えば、場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、または約900nM~約1μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約1μM~10μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。例えば、場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約1μM~2μM、約2μM~約3μM、約3μM~約4μM、約4μM~約5μM、約5μM~約6μM、約6μM~約7μM、約7μM~約8μM、約8μM~約9μM、または約9μM~約10μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約10μM~100μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。例えば、場合によっては、本開示のsynTacポリペプチドは、約10μM~約20μM、約20μM~約30μM、約30μM~約40μM、約40μM~約50μM、約50μM~約60μM、約60μM~約70μM、約70μM~約80μM、約80μM~約90μM、または約90μM~約100μMのIL-2R(例えば、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列(成熟形態)を含むアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2R)に対する結合親和性を有する。
【0061】
結合親和性の決定
免疫調節ポリペプチドとその関連免疫共調節ポリペプチドとの間の結合親和性は、精製免疫調節ポリペプチド及び精製関連免疫共調節ポリペプチドを使用してバイオレイヤー干渉法(BLI)によって決定することができる。本開示のsynTacとその関連免疫共調節ポリペプチドとの間の結合親和性もまた、精製synTac及び関連免疫共調節ポリペプチドを使用してBLIによって決定することができる。BLI法は、当業者によく知られている。例えば、Lad et al.(2015)J.Biomol.Screen.20(4):498-507、及びShah and Duncan(2014)J.Vis.Exp.18:e51383を参照のこと。免疫調節ポリペプチドとその関連免疫共調節ポリペプチドとの間、またはsynTacとその関連免疫共調節ポリペプチドとの間の、本開示に記載の特異的及び相対的な結合親和性は、下記の手順を使用して決定することができる。
【0062】
本開示のsynTacとその関連免疫共調節ポリペプチドとの間の結合親和性を決定するために、Octet RED 96(Pal ForteBio)機器または同様の機器を使用して下記のようにBLIアッセイを実施することができる。T細胞調節多量体ポリペプチド(例えば、本開示のsynTac、または対照T細胞調節多量体ポリペプチド(対照T細胞調節多量体ポリペプチドは、野生型免疫調節ポリペプチドを含む))の結合親和性を決定するために、不溶性の支持体(「バイオセンサー」)上にT細胞調節多量体ポリペプチドが固定化される。固定化されたT細胞調節多量体ポリペプチドは、「標的」である。固定化は、不溶性の支持体上に捕獲抗体を固定化することによって達成でき、この場合、捕獲抗体によってT細胞調節多量体ポリペプチドが固定化される。例えば、固定化は、不溶性の支持体上に抗Fc(例えば、抗ヒトIgG Fc)抗体を固定化することによって達成でき、この場合、固定化された抗Fc抗体がT細胞調節多量体ポリペプチド(T細胞調節多量体ポリペプチドは、Ig Fcポリペプチドを含む)に結合し、当該抗Fc抗体によって当該T細胞調節多量体ポリペプチドが固定化される。免疫共調節ポリペプチドがいくつかの異なる濃度で固定化T細胞調節多量体ポリペプチドに供され、機器の応答が記録される。25mMのHEPES(pH6.8)、5%のポリ(エチレングリコール)6000、50mMのKCl、0.1%のウシ血清アルブミン、及び0.02%のTween20非イオン性界面活性剤を含む液体媒体においてアッセイが実施される。固定化されたT細胞調節多量体ポリペプチドに対する免疫共調節ポリペプチドの結合は、30℃で実施される。結合親和性の正の対照として、抗MHCクラスIモノクローナル抗体を使用することができる。例えば、抗HLAクラスIモノクローナル抗体W6/32(アメリカンタイプカルチャーコレクション番号HB-95;Parham et al.(1979)J.Immunol.123:342)(7nMのKDを有する)を使用することができる。検量線を、抗MHCクラスIモノクローナル抗体の段階希釈系列を使用して作成することができる。免疫共調節ポリペプチドまたは抗MHCクラスImAbは、「アナライト」である。BLIでは、i)固定化ポリペプチド(「標的」)及びii)内部参照層という2つの表面から反射した白色光の干渉パターンが分析される。バイオセンサーチップに結合する分子(「アナライト」(例えば、免疫共調節ポリペプチド、抗HLA抗体))の数が変化すると、干渉パターンがシフトする。この干渉パターンシフトは、リアルタイムで測定することができる。標的/アナライト相互作用の親和性を説明する動力学的用語は、結合定数(ka )及び解離定数(kd )という2つの用語である。これら2つの用語の比(kd /ka )から親和性定数KD が導かれる。
【0063】
上記のように、免疫調節ポリペプチド(例えば、IL-2またはIL-2変異体)とその関連免疫共調節ポリペプチド(例えば、IL-2R)との間の結合親和性の決定もまた、BLIによって実施することができる。アッセイは、synTac多量体ポリペプチドについて上に記載したものと同様である。Octet RED 96(Pal ForteBio)機器または同様の機器を使用して下記のようにBLIアッセイを実施することができる。本開示のsynTacの構成要素である免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、及び対照免疫調節ポリペプチド(対照免疫調節ポリペプチドは、野生型免疫調節ポリペプチド(例えば、野生型IL-2)を含む)が不溶性の支持体(「バイオセンサー」)上に固定化される。免疫調節ポリペプチドは、「標的」である。固定化は、不溶性の支持体上に捕獲抗体を固定化することによって達成でき、この場合、捕獲抗体によって免疫調節ポリペプチドが固定化される。例えば、標的が免疫親和性タグ(例えば、FLAG、ヒトIgG Fc)に融合しているのであれば、その免疫親和性タグに対する適切な抗体(例えば、抗ヒトIgGFc)を不溶性の支持体上に固定化することによって固定化を達成でき、この場合、固定化された抗体が免疫調節ポリペプチド(免疫調節ポリペプチドは、Ig Fcポリペプチドを含む)に結合し、当該抗体によって当該免疫調節ポリペプチドが固定化される。免疫共調節ポリペプチド(1つまたは複数)がいくつかの異なる濃度で固定化免疫調節ポリペプチドに供され、機器の応答が記録される。あるいは、免疫共調節ポリペプチド(1つまたは複数)がバイオセンサーに固定化され(例えば、IL-2受容体ヘテロ三量体については、単量体サブユニット、ヘテロ二量体部分複合体、または完全なヘテロ三量体として固定化される)、免疫調節ポリペプチドがいくつかの異なる濃度で固定化免疫共調節ポリペプチド(複数可)に供され、機器の応答が記録される。25mMのHEPES(pH6.8)、5%のポリ(エチレングリコール)6000、50mMのKCl、0.1%のウシ血清アルブミン、及び0.02%のTween20非イオン性界面活性剤を含む液体媒体においてアッセイが実施される。固定化された免疫調節ポリペプチドに対する免疫共調節ポリペプチドの結合は、30℃で実施される。結合親和性の正の対照として、抗MHCクラスIモノクローナル抗体を使用することができる。例えば、抗HLAクラスIモノクローナル抗体W6/32(アメリカンタイプカルチャーコレクション番号HB-95;Parham et al.(1979)J.Immunol.123:342)(7nMのKDを有する)を使用することができる。検量線を、抗MHCクラスIモノクローナル抗体の段階希釈系列を使用して作成することができる。免疫共調節ポリペプチドまたは抗MHCクラスImAbは、「アナライト」である。BLIでは、i)固定化ポリペプチド(「標的」)及びii)内部参照層という2つの表面から反射した白色光の干渉パターンが分析される。バイオセンサーチップに結合する分子(「アナライト」(例えば、免疫共調節ポリペプチド、抗HLA抗体))の数が変化すると、干渉パターンがシフトする。この干渉パターンシフトは、リアルタイムで測定することができる。標的/アナライト相互作用の親和性を説明する動力学的用語は、結合定数(ka )及び解離定数(kd )という2つの用語である。これら2つの用語の比比(kd /ka )から親和性定数KD が導かれる。野生型免疫調節ポリペプチド(例えば、IL-2)の、その受容体(例えば、IL-2R)に対する結合親和性と、変異免疫調節ポリペプチド(例えば、本明細書に開示のIL-2変異体)の、その関連免疫共調節ポリペプチド(例えば、その受容体)(例えば、IL-2R)に対する結合親和性とを両方決定することによって、野生型免疫共調節ポリペプチドと比較した関連免疫共調節ポリペプチドに対する変異免疫共調節ポリペプチドの相対的な結合親和性を決定することが可能になる。すなわち、変異免疫調節ポリペプチドの、その受容体(その関連免疫共調節ポリペプチド)に対する結合親和性が、同一の関連免疫共調節ポリペプチドに対する野生型免疫調節ポリペプチドの結合親和性と比較して低下しているか否かを決定することができ、低下しているのであれば、野生型免疫共調節ポリペプチドの結合親和性からの低下パーセント値がいくつであるかを決定することができる。
【0064】
BLIアッセイは、マルチウェルプレートにおいて実施される。アッセイを実施するために、Octetデータ取得ソフトウェアにおいてプレートレイアウトが定義され、アッセイ段階が定義され、バイオセンサーが割り当てられる。バイオセンサー構築物が水和される。水和したバイオセンサー構築物及びアッセイプレートがOctet機器で10分間平衡化される。データが得られると、取得データがOctetデータ解析ソフトウェアに取り込まれる。参照差し引き、y軸アライメント、段階間補正、及びSavitzky-Golayフィルタリングのための方法を指定することによってプロセシングウィンドウにおいてデータが処理される。解析の段階(結合及び解離)を指定すること、曲線適合モデル(1:1)、適合方法(グローバル)、及び目的ウィンドウ(秒で表示)を選択することによって解析ウィンドウにおいてデータが解析される。適合の質が評価される。それぞれのデータトレースについてのKD 値(アナライト濃度)は、3倍の範囲内であれば平均することができる。KD 誤差値は、親和性定数値の10倍以内であるべきであり、R2 値は、0.95を超えるべきである。例えば、Abdiche et al.(2008)J.Anal.Biochem.377:209を参照のこと。
【0065】
場合によっては、i)関連免疫共調節ポリペプチド(例えば、IL-2R)に対する対照T細胞調節多量体ポリペプチド(対照は、野生型免疫調節ポリペプチド(例えば、野生型IL-2)を含む)の結合親和性と、ii)関連免疫共調節ポリペプチド(例えば、IL-2R)に対する、野生型免疫調節ポリペプチドの変異体(例えば、変異IL-2)を含む本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドの結合親和性との比は、(上記のように)BLIによって測定すると、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、少なくとも500:1、少なくとも102 :1、少なくとも5×102 :1、少なくとも103 :1、少なくとも5×103 :1、少なくとも104 :1、少なくとも105 :1、または少なくとも106 :1である。場合によっては、i)関連免疫共調節ポリペプチドに対する対照T細胞調節多量体ポリペプチド(対照は、野生型免疫調節ポリペプチドを含む)の結合親和性と、ii)関連免疫共調節ポリペプチドに対する、野生型免疫調節ポリペプチドの変異体を含む本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドの結合親和性との比は、BLIによって測定すると、1.5:1~106 :1の範囲内であり、例えば、1.5:1~10:1、10:1~50:1、50:1~102 :1、102 :1:1~103 :1、103 :1~104 :1、104 :1~105 :1、または105 :1~106 :1の範囲内である。
【0066】
場合によっては、i)関連免疫共調節ポリペプチド(例えば、IL-2R)に対する対照免疫調節ポリペプチド(対照は、野生型免疫調節ポリペプチド(例えば、野生型IL-2)を含む)の結合親和性と、ii)関連免疫共調節ポリペプチド(例えば、IL-2R)に対する、野生型免疫調節ポリペプチドの変異体(例えば、変異IL-2)を含む本開示の免疫調節ポリペプチドの結合親和性との比は、(上記のように)BLIによって測定すると、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、少なくとも500:1、少なくとも102 :1、少なくとも5×102 :1、少なくとも103 :1、少なくとも5×103 :1、少なくとも104 :1、少なくとも105 :1、または少なくとも106 :1である。場合によっては、i)関連免疫共調節ポリペプチドに対する対照免疫調節ポリペプチド(対照は、野生型免疫調節ポリペプチドを含む)の結合親和性と、ii)関連免疫共調節ポリペプチドに対する、野生型免疫調節ポリペプチドの変異体を含む本開示の免疫調節ポリペプチドの結合親和性との比は、BLIによって測定すると、1.5:1~106 :1の範囲内であり、例えば、1.5:1~10:1、10:1~50:1、50:1~102 :1、102 :1:1~103 :1、103 :1~104 :1、104 :1~105 :1、または105 :1~106 :1の範囲内である。
【0067】
本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、単一のアミノ酸置換を有することができる。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、2~10個のアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、2つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、3つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、4つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、5つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、6つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、7つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、8つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、9つのアミノ酸置換を有する。場合によっては、本開示のSynTacポリペプチド中に存在する変異IL-2ポリペプチドは、野生型IL-2ポリペプチド(例えば、
図2Aまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む、IL-2ポリペプチド)に対して、10個のアミノ酸置換を有する。
【0068】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドを含み、ここでは、第1のポリペプチドは、アミノ末端(N末端)からカルボキシル末端(C末端)の順に、a)エピトープ(例えば、T細胞エピトープ)、b)第1の主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチド、及びc)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)を含み、第2のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)第2のMHCポリペプチド、及びb)免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチドを含む。他の場合では、本開示の多量体ポリペプチドは、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドを含み、ここでは、第1のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)エピトープ(例えば、T細胞エピトープ)、及びb)第1のMHCポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、b)第2のMHCポリペプチド、及びc)Ig Fcポリペプチドを含む。ある場合には、第1及び第2のMHCポリペプチドはクラスI MHCポリペプチドであり、例えば、場合によっては、第1のMHCポリペプチドはMHCクラスIβ2-ミクログロブリン(B2Mまたはβ2M)ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスI重鎖(H鎖)であり、または第1のMHCポリペプチドはMHCクラスI H鎖であり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスIβ2Mポリペプチドである。他の場合では、第1及び第2のMHCポリペプチドは、クラスII MHCポリペプチドであり、例えば、場合によっては、第1のMHCポリペプチドはMHCクラスIIα-鎖ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスIIβ-鎖ポリペプチドである。他の場合では、第1のポリペプチドはMHCクラスIIβ-鎖ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスIIα-鎖ポリペプチドである。場合によっては、多量体ポリペプチドは、2つ以上の免疫調節ポリペプチドを含み、ここでは、免疫調節ポリペプチドの少なくとも1つは本開示の変異IL-2免疫調節ポリペプチドである。本開示の多量体ポリペプチドが2つ以上の免疫調節ポリペプチドを含む場合は、場合によっては、2つ以上の免疫調節ポリペプチドは同じポリペプチド鎖に存在し、直列状態でもよい。本開示の多量体ポリペプチドが2つ以上の免疫調節ポリペプチドを含む場合は、場合によっては、2つ以上の免疫調節ポリペプチドは別々のポリペプチドに存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドはヘテロ二量体である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは三量体ポリペプチドである。
【0069】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ及びii)第1のMHCポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)第2のMHCポリペプチド、及びii)Ig Fcポリペプチド、及びiii)免疫調節ドメイン(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)を含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ及びii)第1のMHCポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)第2のMHCポリペプチド、及びii)免疫調節ドメイン(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)を含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ及びii)第1のMHCポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)免疫調節ドメイン(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、及びii)第2のMHCポリペプチドを含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ、ii)第1のMHCポリペプチド、及びiii)免疫調節ドメイン(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)を含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)第2のMHCポリペプチドを含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドが非Ig骨格を含む場合は、非Ig骨格は、XTENペプチド、トランスフェリンポリペプチド、Fc受容体ポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド、シルク様ポリペプチドまたはシルク-エラスチン様ポリペプチドである。
【0070】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは一価である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは多価である。場合によっては、本開示の多価の多量体ポリペプチドは、第1または第2のポリペプチドのうちの1つに免疫グロブリンFcポリペプチドを含む。例えば、本開示の多量体ポリペプチド中に存在するFcポリペプチドに応じて、多量体ポリペプチドはホモ二量体でもよく、ここでは、多量体ポリペプチドの2つの分子はホモ二量体中に存在し、例えば、2つの分子中に存在するFcポリペプチドを介して、多量体ポリペプチドの2つの分子は互いにジスルフィド結合していてもよい。別の例として、本開示の多量体ポリペプチドは、多量体ポリペプチドの3つ、4つまたは5つの分子を含むことができ、ここでは、多量体ポリペプチドの分子は、例えば、分子中に存在するFcポリペプチドを介して、互いにジスルフィド結合していてもよい。
【0071】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ、ii)β2Mポリペプチド、及びiii)本開示の変異IL-2ポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)クラスI MHC重鎖、及びii)Fcポリペプチドを含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ、及びii)β2Mポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)本開示の変異IL-2ポリペプチド、ii)クラスI MHC重鎖、及びiii)Fcポリペプチドを含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ、ii)β2Mポリペプチド、iii)本開示の第1の変異IL-2ポリペプチド、iv)本開示の第2の変異IL-2ポリペプチド、及びv)本開示の第3の変異IL-2ポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)クラスI MHC重鎖、及びii)Fcポリペプチドを含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、第1、第2及び第3の変異IL-2ポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有する。場合によっては、第1、第2及び第3の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸配列が互いに異なる。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)N末端からC末端の順に、i)エピトープ、及びii)β2Mポリペプチドを含む第1のポリペプチド、ならびにb)N末端からC末端の順に、i)本開示の第1の変異IL-2ポリペプチド、ii)本開示の第2の変異IL-2ポリペプチド、及びiii)本開示の第3の変異IL-2ポリペプチド、iv)クラスI MHC重鎖;及びv)Fcポリペプチドを含む第2のポリペプチドを含む。場合によっては、第1、第2及び第3の変異IL-2ポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有する。場合によっては、第1、第2及び第3の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸配列が互いに異なる。
【0072】
リンカー
本開示の多量体ポリペプチドは、例えば、エピトープとMHCポリペプチドとの間、MHCポリペプチドと免疫調節ポリペプチドとの間、MHCポリペプチドとIg Fcポリペプチドとの間、第1の変異IL-2ポリペプチドと第2の変異IL-2ポリペプチドとの間、または第2の変異IL-2ポリペプチドと第3の変異IL-2ポリペプチドとの間に挿入されたリンカーペプチドを含むことができる。
【0073】
適切なリンカー(「スペーサー」とも称される)は、容易に選択することができ、いくつかの適切な長さ、例えば、4アミノ酸~10アミノ酸、5アミノ酸~9アミノ酸、6アミノ酸~8アミノ酸、または7アミノ酸~8アミノ酸を含めた、1アミノ酸~25アミノ酸、3アミノ酸~20アミノ酸、2アミノ酸~15アミノ酸、3アミノ酸~12アミノ酸のうちのいずれかでもよい。適切なリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸の長さでもよい。
【0074】
例示的リンカーとしては、グリシンポリマー(G)n 、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n 、(GSGGS)n (配列番号89)及び(GGGS)n (配列番号86)を含め、nは少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー及び当技術分野で既知の他の可動性リンカーが挙げられる。グリシンポリマー及びグリシン-セリンポリマーを使用することができ、GlyとSerは両方とも比較的構造不定であるので、成分間の中立のテザーとして働くことができる。グリシンポリマーを使用することができ、グリシンは、アラニンと比べてでさえ、それよりも有意に多くのファイ-プサイ空間にアクセスし、より長い側鎖を有する残基よりもはるかに制限されない(Scheraga,Rev.Computational Chem.11173-142(1992)を参照されたい)。例示的リンカーは、限定されないが、GGSG(配列番号2)、GGSGG(配列番号3)、GSGSG(配列番号4)、GSGGG(配列番号5)、GGGSG(配列番号6)、GSSSG(配列番号7)などを含めたアミノ酸配列を含むことできる。例示的リンカーは、例えば、nが1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である、Gly(Ser4)n を含むことができる。場合によっては、リンカーは、nが4である、アミノ酸配列(GSSSS)n (配列番号93)を含む。場合によっては、リンカーは、nが5である、アミノ酸配列(GSSSS)n (配列番号94)を含む。場合によっては、リンカーは、nが1である、アミノ酸配列(GGGGS)n (配列番号9)を含む。場合によっては、リンカーは、nが2である、アミノ酸配列(GGGGS)n (配列番号92)を含む。場合によっては、リンカーは、nが3である、アミノ酸配列(GGGGS)n (配列番号89)を含む。場合によっては、リンカーは、nが4である、アミノ酸配列(GGGGS)n (配列番号90)を含む。場合によっては、リンカーは、nが5である、アミノ酸配列(GGGGS)n (配列番号91)を含む。
【0075】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド中に存在するリンカーポリペプチドは、本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチド中に存在するシステイン残基とジスルフィド結合を形成することができるシステイン残基を含む。場合によっては、例えば、適切なリンカーは、下記のアミノ酸配列(配列番号10)を含む。
【0076】
【0077】
エピトープ
本開示の多量体ポリペプチド中に存在するエピトープは、約4アミノ酸~約25アミノ酸の長さを有することができ、例えば、エピトープは、4アミノ酸(aa)~10aa、10aa~15aa、15aa~20aa、または20aa~25aaの長さを有することができる。例えば、本開示の多量体ポリペプチド中に存在するエピトープは、4アミノ酸(aa)、5aa、6aa、7aa、8aa、9aa、10aa、11aa、12aa、13aa、14aa、15aa、16aa、17aa、18aa、19aa、20aa、21aa、22aa、23aa、24aa、または25aaの長さを有することができる。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチド中に存在するエピトープは、5アミノ酸~10アミノ酸、例えば、5aa、6aa、7aa、8aa、9aa、または10aaの長さを有する。
【0078】
本開示の多量体ポリペプチド中に存在するエピトープは、T細胞に特異的に結合し、すなわち、エピトープはエピトープ特異的T細胞に特異的結合する。エピトープ特異的T細胞は、参照アミノ酸配列を有するエピトープに結合するが、参照アミノ酸配列と異なるエピトープに実質的に結合しない。例えば、エピトープ特異的T細胞は、参照アミノ酸配列を有するエピトープに結合し、もし結合したとしても、10-6M未満、10-5M未満または10-4M未満の親和性で、参照アミノ酸配列と異なるエピトープに結合する。エピトープ特異的T細胞は、少なくとも10-7M、少なくとも10-8M、少なくとも10-9Mまたは少なくとも10-10 Mの親和性で、特異的なエピトープに結合することができる。
【0079】
適切なエピトープとしては、限定されないが、がん関連抗原中に存在するエピトープが挙げられる。がん関連抗原としては、限定されないが、α-葉酸受容体、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD44v7/8、がん胎児抗原(CEA)、上皮糖タンパク質-2(EGP-2)、上皮糖タンパク質-40(EGP-40)、葉酸結合タンパク質(FBP)、胎児アセチルコリン受容体、ガングリオシド抗原GD2、Her2/neu、IL-13R-a2、カッパ軽鎖、LeY、L1細胞接着分子、黒色腫関連抗原(MAGE)、MAGE-A1、メソテリン、MUC1、NKG2Dリガンド、がん胎児性抗原(h5T4)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、腫瘍関連糖タンパク質-72(TAG-72)、及び血管内皮増殖因子受容体-2(VEGF-R2)が挙げられる。例えば、Vigneron et al.(2013)Cancer Immunity 13:15、及びVigneron(2015)BioMed Res.Int’l Article ID948501を参照されたい。場合によっては、エピトープは、ヒトパピローマウイルスE7抗原エピトープである。例えば、Ramos et al.(2013)J.Immunother.36:66を参照されたい。
【0080】
場合によっては、エピトープは、HPV16E7/82~90(LLMGTLGIV(配列番号11))である。場合によっては、エピトープは、HPV16E7/86~93(TLGIVCPI(配列番号12))である。場合によっては、エピトープは、HPV16E7/11~20(YMLDLQPETT(配列番号13))である。場合によっては、エピトープは、HPV16E7/11~19(YMLDLQPET(配列番号87))である。追加の適切なHPVエピトープについては、例えば、Ressing et al.((1995)J.Immunol.154:5934)を参照されたい。
【0081】
MHCポリペプチド
上記のように、本開示の多量体ポリペプチドはMHCポリペプチドを含む。本開示において、用語「主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチド」は、ヒトMHC(ヒト白血球抗原(HLA)とも称される)ポリペプチド、げっ歯類(例えば、マウス、ラットなど)のMHCポリペプチド及び他の哺乳類種(例えば、ウサギ類、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギなど)のMHCポリペプチドなどを含めた、様々な種のMHCポリペプチドを含むことを意図する。用語「MHCポリペプチド」は、クラスI MHCポリペプチド(例えば、β-2ミクログロブリン及びMHCクラスI重鎖)ならびにMHCクラスIIポリペプチド(例えば、MHCクラスIIαポリペプチド及びMHCクラスIIβポリペプチド)を含むことを意図する。
【0082】
上記のように、本開示の多量体ポリペプチドのいくつかの実施形態では、第1及び第2のMHCポリペプチドはクラスI MHCポリペプチドであり、例えば、場合によっては、第1のMHCポリペプチドはMHCクラスIβ2-ミクログロブリン(β2M)ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスI重鎖(H鎖)である。他の場合では、第1及び第2のMHCポリペプチドは、クラスII MHCポリペプチドであり、例えば、場合によっては、第1のMHCポリペプチドはMHCクラスIIα-鎖ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスIIβ-鎖ポリペプチドである。他の場合では、第1のポリペプチドはMHCクラスIIβ-鎖ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスIIα-鎖ポリペプチドである。
【0083】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドのMHCポリペプチドは、ヒトMHCポリペプチドであり、ヒトMHCポリペプチドは、「ヒト白血球抗原」(「HLA」)ポリペプチドとも称される。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドのMHCポリペプチドはクラスI HLAポリペプチド、例えば、β2-ミクログロブリンポリペプチドまたはクラスI HLA重鎖ポリペプチドである。クラスI HLA重鎖ポリペプチドとしては、HLA-A重鎖ポリペプチド、HLA-B重鎖ポリペプチド、HLA-C重鎖ポリペプチド、HLA-E重鎖ポリペプチド、HLA-F重鎖ポリペプチド及びHLA-G重鎖ポリペプチドが挙げられる。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドのMHCポリペプチドは、クラスII HLAポリペプチド、例えば、クラスII HLAα鎖またはクラスII HLAβ鎖である。MHCクラスIIポリペプチドとしては、MCHクラスII DPα及びβポリペプチド、DMα及びβポリペプチド、DOAα及びβポリペプチド、DOBα及びβポリペプチド、DQα及びβポリペプチドならびにDRα及びβポリペプチドが挙げられる。
【0084】
一例を挙げると、本開示の多量体ポリペプチドのMHCクラスI重鎖ポリペプチドは、
図5Aに示されるヒトHLA-A重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸25~365に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
【0085】
一例を挙げると、本開示の多量体ポリペプチドのMHCクラスI重鎖ポリペプチドは、下記のヒトHLA-A重鎖アミノ酸配列のアミノ酸配列のアミノ酸25~365に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
【0086】
GSHSMRYFFTSVSRPGRGEPRFIAVGYVDDTQFVRFDSDAASQRMEPRAPWIEQEGPEYWDGETRKVKAHSQTHRVDLGTLRGYYNQSEAGSHTVQRMYGCDVGSDWRFLRGYHQYAYDGKDYIALKEDLRSWTAADMAAQTTKHKWEAAHVAEQLRAYLEGTCVEWLRRYLENGKETLQRTDAPKTHMTHHAVSDHEATLRCWALSFYPAEITLTWQRDGEDQTQDTELVETRPAGDGTFQKWAAVVVPSGQEQRYTCHVQHEGLPKPLTLRWEP(配列番号14)。
【0087】
別の例として、本開示の多量体ポリペプチドのMHCクラスI重鎖ポリペプチドは、
図5Bに示されるヒトHLA-B重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸25~362に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
【0088】
別の例として、本開示の多量体ポリペプチドのMHCクラスI重鎖ポリペプチドは、
図5Cに示されるヒトHLA-C重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸25~362に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
【0089】
別の例として、本開示の多量体ポリペプチドのMHCクラスI重鎖ポリペプチドは、下記のアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
【0090】
GPHSLRYFVTAVSRPGLGEPRFIAVGYVDDTQFVRFDSDADNPRFEPRAPWMEQEGPEYWEEQTQRAKSDEQWFRVSLRTAQRYYNQSKGGSHTFQRMFGCDVGSDWRLLRGYQQFAYDGRDYIALNEDLKTWTAADTAALITRRKWEQAGDAEYYRAYLEGECVEWLRRYLELGNETLLRTDSPKAHVTYHPRSQVDVTLRCWALGFYPADITLTWQLNGEDLTQDMELVETRPAGDGTFQKWAAVVVPLGKEQNYTCHVHHKGLPEPLTLRW(配列番号15)。
【0091】
本開示の多量体ポリペプチドのβ2-ミクログロブリン(β2M)ポリペプチドは、ヒトβ2Mポリペプチド、非ヒト霊長類β2Mポリペプチド、マウスβ2Mポリペプチドなどでもよい。ある場合には、β2Mポリペプチドは、
図6に示されるβ2Mアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。ある場合には、β2Mポリペプチドは、
図6に示されるβ2Mアミノ酸配列のアミノ酸21~119に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0092】
場合によっては、MHCポリペプチドは、参照MHCポリペプチド(参照MHCポリペプチドは野生型MHCポリペプチドでもよい)に対して、単一のアミノ酸置換を含み、ここでは、単一のアミノ酸置換は、あるアミノ酸をシステイン(Cys)残基と置換する。そのようなシステイン残基は、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドのMHCポリペプチド中に存在する場合に、本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチド鎖中に存在するシステイン残基とジスルフィド結合を形成することができる。
【0093】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド中の第1のMHCポリペプチド及び/または本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチド中の第2のMHCポリペプチドは、あるアミノ酸をシステインと置換するためのアミノ酸置換を含み、ここでは、第1のMHCポリペプチド中の置換システインは第2のMHCポリペプチド中のシステインとジスルフィド結合を形成し、第1のMHCポリペプチド中のシステインは、第2のMHCポリペプチド中の置換システインとジスルフィド結合を形成し、または第1のMHCポリペプチド中の置換システインは、第2のMHCポリペプチド中の置換システインとジスルフィド結合を形成する。
【0094】
例えば、場合によっては、HLAβ2-ミクログロブリン及びHLAクラスI重鎖中の残基の以下の対のうちの1つがシステインで置換される(ここでは、残基番号は成熟ポリペプチドのものである)。1)β2M残基12、HLAクラスI重鎖残基236、2)β2M残基12、HLAクラスI重鎖残基237、3)β2M残基8、HLAクラスI重鎖残基234、4)β2M残基10、HLAクラスI重鎖残基235、5)β2M残基24、HLAクラスI重鎖残基236、6)β2M残基28、HLAクラスI重鎖残基232、7)β2M残基98、HLAクラスI重鎖残基192、8)β2M残基99、HLAクラスI重鎖残基234、9)β2M残基3、HLAクラスI重鎖残基120、10)β2M残基31、HLAクラスI重鎖残基96、11)β2M残基53、HLAクラスI重鎖残基35、12)β2M残基60、HLAクラスI重鎖残基96、13)β2M残基60、HLAクラスI重鎖残基122、14)β2M残基63、HLAクラスI重鎖残基27、15)β2M残基Arg3、HLAクラスI重鎖残基Gly120、16)β2M残基His31、HLAクラスI重鎖残基Gln96、17)β2M残基Asp53、HLAクラスI重鎖残基Arg35、18)β2M残基Trp60、HLAクラスI重鎖残基Gln96、19)β2M残基Trp60、HLAクラスI重鎖残基Asp122、20)β2M残基Tyr63、HLAクラスI重鎖残基Tyr27、21)β2M残基Lys6、HLAクラスI重鎖残基Glu232、22)β2M残基Gln8、HLAクラスI重鎖残基Arg234、23)β2M残基Tyr10、HLAクラスI重鎖残基Pro235、24)β2M残基Ser11、HLAクラスI重鎖残基Gln242、25)β2M残基Asn24、HLAクラスI重鎖残基Ala236、26)β2M残基Ser28、HLAクラスI重鎖残基Glu232、27)β2M残基Asp98、HLAクラスI重鎖残基His192、及び28)β2M残基Met99、HLAクラスI重鎖残基Arg234。MHC/HLAクラスI重鎖のアミノ酸の番号付けは、シグナルペプチドを有さない成熟MHC/HLAクラスI重鎖に関してである。例えば、シグナルペプチドを含む、
図5Aに示されるアミノ酸配列では、Gly120はGly144である、Gln96はGln120である、などである。場合によっては、β2MポリペプチドはR12C置換を含み、HLAクラスI重鎖はA236C置換を含み、そのような場合では、β2MポリペプチドのCys-12とHLAクラスI重鎖のCys-236との間にジスルフィド結合が生じる。例えば、場合によっては、成熟HLA-Aアミノ酸配列の残基236(すなわち、
図5Aに示されるアミノ酸配列の残基260)がCysで置換される。場合によっては、成熟HLA-Bアミノ酸配列の残基236(すなわち、
図5Bに示されるアミノ酸配列の残基260)がCysで置換される。場合によっては、成熟HLA-Cアミノ酸配列の残基236(すなわち、
図5Cに示されるアミノ酸配列の残基260)がCysで置換される。場合によっては、
図6に示されるアミノ酸配列の残基32(成熟β2MのArg-12に対応する)がCysで置換される。
【0095】
場合によっては、β2Mポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号16)を含む。
【0096】
【0097】
場合によっては、β2Mポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号17)を含む。
【0098】
【0099】
場合によっては、HLAクラスI重鎖ポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号14)を含む。
【0100】
【0101】
場合によっては、HLAクラスI重鎖ポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号18)を含む。
【0102】
【0103】
場合によっては、HLAクラスI重鎖ポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号19)を含む。
【0104】
【0105】
場合によっては、β2Mポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号17)を含む。
【0106】
【0107】
本開示の多量体ポリペプチドのHLAクラスI重鎖ポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号18)を含む。
【0108】
【0109】
これらの配列中、下線が引かれ、太字のCys残基は、多量体ポリペプチド中で互いにジスルフィド結合を形成する。
【0110】
場合によっては、β2Mポリペプチドは、下記のアミノ酸配列(配列番号17)を含む。
【0111】
【0112】
免疫調節ポリペプチド
本開示の多量体ポリペプチドは、天然起源の共刺激タンパク質の変異体である上記の本開示の変異IL-2ポリペプチドを含み、当該変異体は、T細胞に存在するその対応(関連)共刺激タンパク質(例えば、IL-2R)に対する天然起源のIL-2ポリペプチドの親和性と比較して、対応共刺激タンパク質(IL-2R)に対する親和性の低下を示す。したがって、本開示の多量体ポリペプチドは、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドを含む。
【0113】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Eに示されるアミノ酸配列(アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAlaである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がGlyである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がValである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がLeuである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がIleである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAsnである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がAspである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がCysである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がGlnである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がGluである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がMetである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がPheである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がSerである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がThrである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がTrpである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸16がTyrである
図2Eに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0114】
F42の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Bに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がGlyである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleである
図2Bに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0115】
Y45の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Fに示されるアミノ酸配列(アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がAlaである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がGlyである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がValである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がLeuである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸45がIleである
図2Fに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0116】
Q126の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Gに示されるアミノ酸配列(アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がAlaである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がGlyである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がValである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がLeuである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸126がIleである
図2Gに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0117】
F42及びH16の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Hに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸16がAlaである
図2Hに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、F42A置換及びH16A置換を含むIL-2変異体の2つのコピーを含み、多量体ポリペプチドは、HLAクラスI重鎖ポリペプチド及びβ2Mポリペプチドを含み、IL-2(F42A、H16A)の2つのコピーは、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドは、
図34Bに示されるアミノ酸配列(H16A置換及びF42A置換を含む)を含む。
【0118】
F42及びD20の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Iに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisである
図2Iに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0119】
F42、D20、及びE15の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Jに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸15は、グルタミン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸15は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはAspである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸15がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸15がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸15がGlyである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がGlyである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がGlyである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸15がAlaである
図2Jに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0120】
F42、D20、及びH16の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Kに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸16がGlyである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸16がAlaである
図2Kに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖上に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0121】
F42、D20、及びQ126の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Lに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸126がGlyである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がGlyである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がGlyである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸126がAlaである
図2Lに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0122】
F42、D20、及びY45の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Mに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaである
図2Mに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0123】
F42、D20、Y45、及びH16の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Nに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸16がValである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Nに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0124】
F42、D20、Y45、及びQ126の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Oに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がValである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がGlyである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaである
図2Oに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0125】
F42、D20、Y45、H16、及びQ126の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Pに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸20は、アスパラギン酸以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸20は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、またはGluであり、アミノ酸45は、チロシン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸45は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸20がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸45がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlyであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がGlyであり、アミノ酸126がValであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸20がAlaであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がGlyであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がAsnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がGlnであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がLysであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がArgであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸20がHisであり、アミノ酸45がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Pに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0126】
F42、Q126、及びH16の置換
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、
図2Qに示されるアミノ酸配列(アミノ酸42は、フェニルアラニン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸42は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸126は、グルタミン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸126は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Lys、Arg、His、Asp、またはGluであり、アミノ酸16は、ヒスチジン以外のアミノ酸であり、例えば、アミノ酸16は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Tyr、Trp、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Lys、Arg、Asp、またはGluである)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAla、Gly、Val、Leu、またはIleであり、アミノ酸126がAsn、Gln、Lys、Arg、またはHisであり、アミノ酸16がAla、Gly、Val、Leu、またはIleである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がGlyであり、アミノ酸16がGlyである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がValであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がLeuであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がGlyである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がIleであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がAsnであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がAlaであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がLysであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がArgであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在する変異IL-2ポリペプチドは、アミノ酸42がAlaであり、アミノ酸126がHisであり、アミノ酸16がAlaである
図2Qに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドには、変異IL-2ポリペプチドの単一のコピーが存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含み、例えば、2つのコピーは、2つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの3つのコピーを含み、例えば、3つのコピーは、3つのコピーの間にリンカーを挟まずに直列に存在するか、またはリンカーペプチドを挟んで直列に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、HLAクラスI重鎖を含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、本開示のIL-2/synTacがHLAクラスI重鎖及びβ2Mを含む場合、IL-2ポリペプチド(複数可)は、β2Mポリペプチドを含むポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドまたは変異IL-2ポリペプチドを含むsynTacは、約100nM~150nM、約150nM~約200nM、約200nM~約250nM、約250nM~約300nM、約300nM~約350nM、約350nM~約400nM、約400nM~約500nM、約500nM~約600nM、約600nM~約700nM、約700nM~約800nM、約800nM~約900nM、約900nM~約1μM、約1μM~約5μM、約5μM~約10μM、約10μM~約15μM、約15μM~約20μM、約20μM~約25μM、約25μM~約50μM、約50μM~約75μM、または約75μM~約100μMのIL-2Rに対する結合親和性を有する。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドは、133のアミノ酸長を有する。
【0127】
複数の免疫調節ドメイン
上記のように、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、2つ以上の免疫調節ポリペプチドを含み、ここでは、2つ以上の免疫調節ポリペプチドの少なくとも1つは本開示の変異IL-2ポリペプチドである。
【0128】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、2コピー以上の本開示の変異IL-2ポリペプチドを含む。場合によっては、2つ以上の変異IL-2ポリペプチドが、本開示の多量体ポリペプチドの同じポリペプチド鎖に存在する。場合によっては、2つ以上の変異IL-2ポリペプチドが、本開示の多量体ポリペプチドの別々のポリペプチド鎖に存在する。
【0129】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、第1の免疫調節ポリペプチド及び少なくとも第2の免疫調節ポリペプチドを含み、ここでは、第1の免疫調節ポリペプチドは本開示の変異IL-2ポリペプチドであり、第2の免疫調節ポリペプチドはIL-2ポリペプチドではない。例えば、場合によっては、第2の免疫調節ポリペプチドは腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーのメンバー、例えば、FasLポリペプチド、4-1BBLポリペプチド、CD40ポリペプチド、OX40Lポリペプチド、CD30Lポリペプチド、CD70ポリペプチドなどである。場合によっては、本開示の多量体の第2のポリペプチド免疫調節ポリペプチドはT細胞共刺激ポリペプチドであり、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのメンバー、例えば、CD7ポリペプチド、CD86ポリペプチド、ICAMポリペプチドなどである。場合によっては、第2の免疫調節ポリペプチドは、4-1BBL、OX40L、ICOS-L、ICAM、PD-L1、CD86、FasL及びPD-L2である。本開示の多量体ポリペプチドの適切な免疫調節ポリペプチドとしては、例えば、CD7、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、MICB、HVEM、リンフォトキシンベータ受容体、3/TR6、ILT3、ILT4またはHVEMが挙げられる。場合によっては、第2の免疫調節ポリペプチドは、天然起源の共刺激タンパク質(免疫調節ポリペプチド)の、その対応(関連)共刺激タンパク質に対する親和性と比較して、T細胞に見られるその対応共刺激タンパク質に対する親和性(上記のように決定される)の低下を示す変異体(例えば、天然起源の4-1BBLの変異体)である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、第1の免疫調節ポリペプチド及び少なくとも第2の免疫調節ポリペプチドを含み、いずれも変異IL-2ポリペプチドではない。本開示は、一般に、天然起源の免疫調節ポリペプチドの変異体である免疫調節ポリペプチドの使用に関し、こうした変異体は、対応(関連)共刺激タンパク質に対する天然起源の共刺激タンパク質(免疫調節ポリペプチド)の親和性と比較して、対応共刺激タンパク質に対する親和性(上記のように決定される)の低下を示すことを理解されたい。
【0130】
本開示の多量体ポリペプチド中に含まれ得るさらなるT細胞調節ドメイン(MOD)としては、天然に存在するまたは合成のヒト遺伝子産物(タンパク質)、限定されないが、古典的及び非古典的(例えば、FGF2、IL1、S100A4)分泌機構から生じるすべての分泌タンパク質を含めたヒト遺伝子産物を標的とする親和性試薬(例えば、抗体、抗体断片、単鎖Fv、アプタマー、ナノボディ)、ならびに天然に存在する遺伝的にコードされたタンパク質セグメント(単一もしくは複数の膜スパン)またはGPI結合などの翻訳後修飾によって固定されているすべての細胞表面タンパク質の外部ドメインが挙げられる。細胞表面グリカンまたは他の翻訳後修飾(例えば、硫酸化)を標的とする任意の天然に存在するまたは合成の親和性試薬(例えば、抗体、抗体断片、単鎖Fv、アプタマー、ナノボディ、レクチンなど)が挙げられる。例としては、限定されないが、TNF/TNFRファミリーのメンバー(OX40L、ICOSL、FASL、LTA、LTB TRAIL、CD153、TNFSF9、RANKL、TWEAK、TNFSF13、TNFSF13b、TNFSF14、TNFSF15、TNFSF18、CD40LG、CD70)またはTNF/TNFRファミリーのメンバーに対する親和性試薬、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバー(VISTA、PD1、PD-L1、PD-L2、B71、B72、CTLA4、CD28、TIM3、CD4、CD8、CD19、T細胞受容体鎖、ICOS、ICOSリガンド、HHLA2、ブチロフィリン、BTLA、B7-H3、B7-H4、CD3、CD79a、CD79b、IgSF CAMS(CD2、CD58、CD48、CD150、CD229、CD244、ICAM-1を含める)、白血球免疫グロブリン様受容体(LILR)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR))、レクチンスーパーファミリーのメンバー、セレクチン、サイトカイン/ケモカイン及びサイトカイン/ケモカイン受容体、増殖因子及び増殖因子受容体)、接着分子(インテグリン、フィブロネクチン、カドヘリン)もしくは多スパン内在性膜タンパク質の外部ドメインまたは免疫グロブリンスーパーファミリー及び列挙される遺伝子産物に対する親和性試薬が挙げられる。さらに、限定されないが、ウイルス配列(例えば、CMV、EBV)、細菌配列、真菌配列、真核病原体(例えば、Schistosoma、Plasmodium、Babesia、Eimeria、Theileria、Toxoplasma、Entamoeba、Leishmania及びTrypanosoma)ならびに哺乳類由来コード領域を含めた、これらの遺伝子産物の活性なホモログ/オルソログが挙げられる。さらに、MODは、ヒト遺伝子産物を標的とする小分子薬物を含むことができる。
【0131】
骨格ポリペプチド
本開示のT細胞調節多量体ポリペプチドは、Fcポリペプチドまたは別の適切な骨格ポリペプチドを含む。
【0132】
適切な骨格ポリペプチドとしては、抗体ベースの骨格ポリペプチド及び非抗体ベースの骨格が挙げられる。非抗体ベースの骨格としては、例えば、アルブミン、XTEN(伸長組換え)ポリペプチド、トランスフェリン、Fc受容体ポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(例えば、Hassouneh et al.(2012)Methods Enzymol.502:215を参照されたい。例えば、Xがプロリン以外の任意のアミノ酸である(Val-Pro-Gly-X-Gly(配列番号100))のペンタペプチド繰り返し単位を含むポリペプチド)、アルブミン結合ポリペプチド、シルク様ポリペプチド(例えば、Valluzzi et al.(2002)Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci.357:165)を参照されたい)、シルク-エラスチン様ポリペプチド(SELP;例えば、Megeed et al.(2002)Adv Drug Deliv Rev.54:1075を参照されたい)などが挙げられる。適切なXTENポリペプチドとしては、例えば、WO2009/023270、WO2010/091122、WO2007/103515、US2010/0189682及びUS2009/0092582に開示されているものが挙げられ、Schellenberger et al.(2009)Nat Biotechnol.27:1186)も参照されたい。適切なアルブミンポリペプチドとしては、例えば、ヒト血清アルブミンが挙げられる。
【0133】
適切な骨格ポリペプチドは、場合によっては、半減期延長ポリペプチドである。したがって、場合によっては、適切な骨格ポリペプチドは、骨格ポリペプチドを欠く対照多量体ポリペプチドと比較して、多量体ポリペプチドのインビボ半減期(例えば、血清半減期)を延ばす。例えば、場合によっては、骨格ポリペプチドは、骨格ポリペプチドを欠く対照多量体ポリペプチドと比較して、多量体ポリペプチドのインビボ半減期(例えば、血清半減期)を少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍または100倍超延ばす。一例を挙げると、場合によっては、Fcポリペプチドは、Fcポリペプチドを欠く対照多量体ポリペプチドと比較して、多量体ポリペプチドのインビボ半減期(例えば、血清半減期)を少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍または100倍超延ばす。
【0134】
Fcポリペプチド
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの第1及び/または第2のポリペプチド鎖は、Fcポリペプチドを含む。本開示の多量体ポリペプチドのFcポリペプチドは、ヒトIgG1 Fc、ヒトIgG2 Fc、ヒトIgG3 Fc、ヒトIgG4 Fcなどでもよい。場合によっては、Fcポリペプチドは、
図4A~Cに示されるFc領域のアミノ酸配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、Fc領域は、
図4Aに示されるヒトIgG1 Fcポリペプチドに対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、Fc領域は、
図4Aに示されるヒトIgG1 Fcポリペプチドに対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つN77の置換を含み、例えば、Fcポリペプチドは、N77A置換を含む。場合によっては、Fcポリペプチドは、
図4Aに示されるヒトIgG2 Fcポリペプチドに対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、例えば、Fcポリペプチドは、
図4Aに示されるヒトIgG2 Fcポリペプチドのアミノ酸99~325に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、Fcポリペプチドは、
図4Aに示されるヒトIgG3 Fcポリペプチドに対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、例えば、Fcポリペプチドは、
図4Aに示されるヒトIgG3 Fcポリペプチドのアミノ酸19~246に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、Fcポリペプチドは、
図4Bに示されるヒトIgM Fcポリペプチドに対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、例えば、Fcポリペプチドは、
図4Bに示されるヒトIgM Fcポリペプチドに対するアミノ酸1~276に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、Fcポリペプチドは、
図4Cに示されるヒトIgA Fcポリペプチドに対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、例えば、Fcポリペプチドは、
図4Cに示されるヒトIgA Fcポリペプチドに対するアミノ酸1~234に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0135】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含むが、但し、アスパラギン以外のアミノ酸でN297が置換されている。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Cに示されるアミノ酸配列(N297A置換を含むヒトIgG1 Fc)を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含むが、但し、ロイシン以外のアミノ酸でL234が置換されている。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含むが、但し、ロイシン以外のアミノ酸でL235が置換されている。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Dに示されるアミノ酸配列(L234A置換及びL235A置換を含むヒトIgG1 Fc)を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含むが、但し、プロリン以外のアミノ酸でP331が置換されており、場合によっては、置換は、P331S置換である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含むが、但し、ロイシン以外のアミノ酸でL234及びL235が置換されている。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Aに示されるアミノ酸配列(ヒトIgG1 Fc)を含むが、但し、ロイシン以外のアミノ酸でL234及びL235が置換されており、プロリン以外のアミノ酸でP331が置換されている。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドに存在するFcポリペプチドは、
図33Bに示されるアミノ酸配列(L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を含むヒトIgG1 Fc)を含む。
【0136】
さらなるポリペプチド
本開示の多量体ポリペプチドのポリペプチド鎖は、上記のものに加えて、1つまたは複数のポリペプチドを含むことができる。適切なさらなるポリペプチドとしては、エピトープタグ及び親和性ドメインが挙げられる。1つまたは複数のさらなるポリペプチドは、本開示の多量体ポリペプチドのポリペプチド鎖のN末端、本開示の多量体ポリペプチドのポリペプチド鎖のC末端または本開示の多量体ポリペプチドのポリペプチド鎖の内部に含まれ得る。
【0137】
エピトープタグ
適切なエピトープタグとしては、限定されないが、ヘマグルチニン(HA;例えば、YPYDVPDYA(配列番号20);FLAG(例えば、DYKDDDDK(配列番号21);c-myc(例えば、EQKLISEEDL;配列番号22)などが挙げられる。
【0138】
親和性ドメイン
親和性ドメインは、特定または精製に有用な結合パートナー、例えば固体支持体に固定化されたものなどと相互作用することができるペプチド配列を含む。複数の連続した単一アミノ酸、例えばヒスチジンをコードするDNA配列は、発現タンパク質に融合している場合に、ニッケルセファロースなどの樹脂カラムへの高親和性結合による組換えタンパク質のワンステップ精製に使用することができる。例示的親和性ドメインとしては、His5(HHHHH)(配列番号23)、HisX6(HHHHHH)(配列番号24)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号22)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号21)、StrepTag(WSHPQFEK)(配列番号25)、ヘマグルチニン、例えば、HAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号20)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、RYIRS(配列番号26)、Phe-His-His-Thr(配列番号88)、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、C末端RNAタグ、WEAAAREACCRECCARA(配列番号27)、金属結合ドメイン、例えば、亜鉛結合ドメインまたはカルシウム結合ドメイン、例えば、カルシウム結合タンパク質、例えば、カルモジュリン、トロポニンC、カルシニューリンB、ミオシン軽鎖、リカバリン、S-モジュリン、ビジニン、VILIP、ニューロカルシン、ヒポカルシン、フリクエニン、カルトラクチン、カルパイン大サブユニット、S100タンパク質、パルブアルブミン、カルビンディンD9K、カルビンディンD28K及びカルレチニン由来のもの、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、MyoD、Id、ロイシンジッパー配列ならびにマルトース結合タンパク質が挙げられる。
【0139】
本開示の多量体ポリペプチドの例
下記のものは、本開示のIL-2/synTac多量体ポリペプチドの非限定的な実施形態である。
【0140】
場合によっては、本開示のIL-2/synTac多量体ポリペプチドは、a)i)エピトープ、ii)
図34Aに示されるアミノ酸配列を含むβ2-ミクログロブリン(β2M)ポリペプチドをN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、b)i)本開示の変異IL-2ポリペプチド、ii)
図34Cに示されるアミノ酸配列を含む主要組織適合抗原複合体(MHC)重鎖ポリペプチド、ならびにiii)N297A、L234A、L235A、L234F、L235E、及びP331Sから選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むIgG1 FcポリペプチドをN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、を含む。場合によっては、変異IL-2ポリペプチドは、H16A置換及びF42A置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、N297A置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、L234A置換及びL235A置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、L234F置換及びL235E置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を含む。場合によっては、第2のポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む。場合によっては、第1のポリペプチドは、エピトープとβ2Mポリペプチドとの間にペプチドリンカーを含む。場合によっては、第2のポリペプチドは、a)変異IL-2ポリペプチドの第1のコピーと変異IL-2ポリペプチドの第2のコピーとの間、b)変異IL-2ポリペプチドとMHC重鎖ポリペプチドとの間、ならびにc)MHC重鎖ポリペプチドとIgG1 Fcポリペプチドとの間のうちの1つまたは複数にペプチドリンカーを含む。場合によっては、ペプチドリンカーは、(GGGGS)
3 (配列番号89)、(GGGGS)
4 (配列番号90)、及びAAAGG(配列番号28)から選択される。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Bに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Cに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Dに示されるアミノ酸配列を含む。
【0141】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)i)エピトープ、ii)
図34Aに示されるアミノ酸配列を含むβ2-ミクログロブリンポリペプチドをN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、b)i)
図34Bに示されるアミノ酸配列を含む変異IL-2ポリペプチド、ii)
図34Cに示されるアミノ酸配列を含む主要組織適合抗原複合体(MHC)重鎖ポリペプチド、ならびにiii)N297A、L234A、L235A、L234F、L235E、及びP331Sから選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むIgG1 FcポリペプチドをN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、N297A置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、L234A置換及びL235A置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、L234F置換及びL235E置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Bに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Cに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Dに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、第2のポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む。場合によっては、第1のポリペプチドは、エピトープとβ2Mポリペプチドとの間にペプチドリンカーを含む。場合によっては、第2のポリペプチドは、a)変異IL-2ポリペプチドの第1のコピーと変異IL-2ポリペプチドの第2のコピーとの間、b)変異IL-2ポリペプチドとMHC重鎖ポリペプチドとの間、ならびにc)MHC重鎖ポリペプチドとIgG1 Fcポリペプチドとの間のうちの1つまたは複数にペプチドリンカーを含む。場合によっては、ペプチドリンカーは、(GGGGS)
3 (配列番号89)、(GGGGS)
4 (配列番号90)、及びAAAGG(配列番号28)から選択される。
【0142】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)i)YMLDLQPETTというアミノ酸配列(配列番号13)を含むエピトープ、ii)
図34Aに示されるアミノ酸配列を含むβ2-ミクログロブリンポリペプチドをN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、b)i)
図34Bに示されるアミノ酸配列を含む変異IL-2ポリペプチド、ii)
図34Cに示されるアミノ酸配列を含む主要組織適合抗原複合体(MHC)重鎖ポリペプチド、及びiii)
図33A、
図33B、
図33C、または
図33Dに示されるアミノ酸配列を含むIgG1 FcポリペプチドをN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Bに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Cに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Dに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、第2のポリペプチドは、変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む。場合によっては、第1のポリペプチドは、エピトープとβ2Mポリペプチドとの間にペプチドリンカーを含む。場合によっては、第2のポリペプチドは、a)変異IL-2ポリペプチドの第1のコピーと変異IL-2ポリペプチドの第2のコピーとの間、b)変異IL-2ポリペプチドとMHC重鎖ポリペプチドとの間、ならびにc)MHC重鎖ポリペプチドとIgG1 Fcポリペプチドとの間のうちの1つまたは複数にペプチドリンカーを含む。場合によっては、ペプチドリンカーは、(GGGGS)
3 (配列番号89)、(GGGGS)
4 (配列番号90)、及びAAAGG(配列番号28)から選択される。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Bに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Cに示されるアミノ酸配列を含む。場合によっては、IgG1 Fcポリペプチドは、
図33Dに示されるアミノ酸配列を含む。
【0143】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)
図31に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドと、b)
図22に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドとを含む。
【0144】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)
図31に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドと、b)
図25に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドとを含む。
【0145】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドは、a)
図31に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドと、b)
図28に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドとを含む。
【0146】
核酸
本開示は、本開示の変異IL-2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本開示は、本開示のIL-2融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。
【0147】
本開示は、本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの個々のポリペプチド鎖は、別々の核酸にコードされる。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドのすべてのポリペプチド鎖は、単一の核酸にコードされる。場合によっては、第1の核酸は、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、第2の核酸は、本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。場合によっては、単一の核酸は、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド及び本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0148】
【0149】
多量体ポリペプチドの個々のポリペプチド鎖をコードする別々の核酸
本開示は、本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。上記のように、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの個々のポリペプチド鎖は、別々の核酸にコードされる。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの別々のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列は、転写制御要素、例えば、真核細胞で機能的なプロモーターなどのプロモーターに作動可能に連結され、ここでは、プロモーターは構成的プロモーターでもよいし、誘導性プロモーターでもよい。
【0150】
本開示は、第1の核酸及び第2の核酸を提供し、ここでは、第1の核酸は、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、第1のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)エピトープ(例えば、T細胞エピトープ)、b)第1のMHCポリペプチド、及びc)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)を含み、第2の核酸は本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、第2のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)第2のMHCポリペプチド、及びb)Ig Fcポリペプチドを含む。適切なT細胞エピトープ、MHCポリペプチド、免疫調節ポリペプチド及びIg Fcポリペプチドはこれまでに記載されている。場合によっては、第1及び第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、転写制御要素に作動可能に連結される。場合によっては、転写制御要素は真核細胞で機能的なプロモーターである。場合によっては、核酸は別々の発現ベクター中に存在する。
【0151】
本開示は、第1の核酸及び第2の核酸を提供し、ここでは、第1の核酸は、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、第1のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)エピトープ(例えば、T細胞エピトープ)、及びb)第1のMHCポリペプチドを含み、第2の核酸は、本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、第2のポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、b)第2のMHCポリペプチド、及びc)Ig Fcポリペプチドを含む。適切なT細胞エピトープ、MHCポリペプチド、免疫調節ポリペプチド及びIg Fcポリペプチドはこれまでに記載されている。場合によっては、第1及び第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、転写制御要素に作動可能に連結される。場合によっては、転写制御要素は真核細胞で機能的なプロモーターである。場合によっては、核酸は別々の発現ベクター中に存在する。
【0152】
多量体ポリペプチド中に存在する2つ以上のポリペプチドをコードする核酸
本開示は、少なくとも本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドが、第1、第2及び第3のポリペプチドを含む場合は、核酸は、第1、第2及び第3のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に挿入された、タンパク分解により切断可能なリンカーを含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に挿入された配列内リボソーム進入部位(IRES)を含む。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に挿入されたリボソームスキッピングシグナル(またはシス作用性ヒドロラーゼ要素、CHYSEL)を含む。核酸の例は以下に記載され、ここでは、タンパク分解により切断可能なリンカーは、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとをコードするヌクレオチド配列の間に提供され、これらの実施形態のうちのいずれかでは、タンパク分解により切断可能なリンカーをコードするヌクレオチド配列の代わりに、IRESまたはリボソームスキッピングシグナルを使用することができる。
【0153】
場合によっては、第1の核酸(例えば、組換え発現ベクター、mRNA、ウイルスRNAなど)は、本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を含み、第2の核酸(例えば、組換え発現ベクター、mRNA、ウイルスRNAなど)は、本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を含む。場合によっては、第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列及び第2のポリペプチドをコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれ、転写制御要素、例えば、真核細胞で機能的なプロモーターなどのプロモーターに作動可能に連結され、ここでは、プロモーターは構成的プロモーターでもよいし、誘導性プロモーターでもよい。
【0154】
本開示は、組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供し、ここでは、組換えポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)エピトープ(例えば、T細胞エピトープ)、b)第1のMHCポリペプチド、c)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、d)タンパク分解により切断可能なリンカー、e)第2のMHCポリペプチド、及びf)免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチドを含む。本開示は、組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供し、ここでは、組換えポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)第1のリーダーペプチド、b)エピトープ、c)第1のMHCポリペプチド、d)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、e)タンパク分解により切断可能なリンカー、f)第2のリーダーペプチド、g)第2のMHCポリペプチド、及びh)Ig Fcポリペプチドを含む。本開示は、組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供し、ここでは、組換えポリペプチドは、N末端からC末端の順に、a)エピトープ、b)第1のMHCポリペプチド、c)タンパク分解により切断可能なリンカー、d)免疫調節ポリペプチド(例えば、本開示の変異IL-2ポリペプチド)、e)第2のMHCポリペプチド、及びf)Ig Fcポリペプチドを含む。場合によっては、第1のリーダーペプチド及び第2のリーダーペプチドはβ2-Mリーダーペプチドである。場合によっては、ヌクレオチド配列は転写制御要素に作動可能に連結される。場合によっては、転写制御要素は真核細胞で機能的なプロモーターである。
【0155】
適切なMHCポリペプチドはこれまでに記載されている。場合によっては、第1のMHCポリペプチドはβ2-ミクログロブリンポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスI重鎖ポリペプチドである。場合によっては、β2-ミクログロブリンポリペプチドは、
図6に示されるアミノ酸配列のうちの1つに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、MHCクラスI重鎖ポリペプチドは、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-E、HLA-F、HLA-G、HLA-KまたはHLA-L重鎖である。場合によっては、MHCクラスI重鎖ポリペプチドは、
図5A~5Cのうちの1つに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、第1のMHCポリペプチドはMHCクラスIIアルファ鎖ポリペプチドであり、第2のMHCポリペプチドはMHCクラスIIベータ鎖ポリペプチドである。
【0156】
適切なFcポリペプチドはこれまでに記載されている。場合によっては、Ig Fcポリペプチドは、IgG1 Fcポリペプチド、IgG2 Fcポリペプチド、IgG3 Fcポリペプチド、IgG4 Fcポリペプチド、IgA FcポリペプチドまたはIgM Fcポリペプチドである。場合によっては、Ig Fcポリペプチドは、
図4A~4Cに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0157】
適切な免疫調節ポリペプチドはこれまでに記載されている。
【0158】
タンパク分解により切断可能な適切なリンカーはこれまでに記載されている。場合によっては、タンパク分解により切断可能なリンカーは、a)LEVLFQGP(配列番号29)、b)ENLYTQS(配列番号30)、c)DDDDK(配列番号31)、d)LVPR(配列番号32)、及びe)GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号33)から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0159】
場合によっては、エピトープと第1のMHCポリペプチドとの間のリンカーは第1のCys残基を含み、第2のMHCポリペプチドは、第2のCys残基をもたらすようにアミノ酸置換を含み、その結果、第1及び第2のCys残基がリンカーと第2のMHCポリペプチドとの間にジスルフィド結合をもたらす。場合によっては、第1のMHCポリペプチドは第1のCys残基をもたらすようにアミノ酸置換を含み、第2のMHCポリペプチドは第2のCys残基をもたらすようにアミノ酸置換を含み、その結果、第1のCys残基及び第2のCys残基が、第1のMHCポリペプチドと第2のMHCポリペプチドとの間にジスルフィド結合をもたらす。
【0160】
組換え発現ベクター
本開示は、本開示の核酸を含む組換え発現ベクターを提供する。場合によっては、組換え発現ベクターは非ウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え発現ベクターはウイルスコンストラクト、例えば、組換えアデノ随伴ウイルスコンストラクト(例えば、米国特許第7,078,387号を参照されたい)、組換えアデノウイルスコンストラクト、組換えレンチウイルスコンストラクト、組換えレトロウイルスコンストラクト、非組込みウイルスベクターなどである。
【0161】
適切な発現ベクターとしては、限定されないが、ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス(例えば、Li et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 35:2543 2549,1994、Borras et al.,Gene Ther 6:515 524,1999、Li and Davidson,PNAS 92:7700 7704,1995、Sakamoto et al.,H Gene Ther 5:1088 1097,1999、WO94/12649、WO93/03769、WO93/19191、WO94/28938、WO95/11984及びWO95/00655を参照されたい)、アデノ随伴ウイルス(例えば、Ali et al.,Hum Gene Ther 9:81 86,1998、Flannery et al.,PNAS 94:6916 6921,1997、Bennett et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 38:2857 2863,1997、Jomary et al.,Gene Ther 4:683 690,1997、Rolling et al.,Hum Gene Ther 10:641 648,1999、Ali et al.,Hum Mol Genet 5:591 594,1996、Srivastava in WO93/09239、Samulski et al.,J.Vir.(1989)63:3822-3828、Mendelson et al.,Virol.(1988)166:154-165、及びFlotte et al.,PNAS(1993)90:10613-10617を参照されたい)、SV40、単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(例えば、Miyoshi et al.,PNAS 94:10319 23,1997、Takahashi et al.,J Virol 73:7812 7816,1999を参照されたい)に基づくウイルスベクター)、レトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ならびにラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、レンチウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス及び乳房腫瘍ウイルスなどのレトロウイルスに由来するベクター)などが挙げられる。
【0162】
多数の適切な発現ベクターが当業者に既知であり、多くが市販されている。例として、真核宿主細胞用:pXT1、pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG及びpSVLSV40(Pharmacia)のベクターが提供される。。しかし、宿主細胞に適合さえすれば、任意の他のベクターを使用することができる。
【0163】
利用する宿主/ベクター系に応じて、構成的及び誘導性プロモーター、転写エンハンサー要素、転写ターミネータなどを含めたいくつかの適切な転写及び翻訳制御要素を発現ベクターで使用することができる(例えば、Bitter et al.(1987)Methods in Enzymology,153:516-544を参照されたい)。
【0164】
いくつかの実施形態では、DNA標的化RNA及び/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、制御要素、例えば、プロモーターなどの転写制御要素に作動可能に連結される。転写制御要素は、真核細胞、例えば哺乳類細胞、または原核細胞(例えば、細菌細胞または古細菌細胞)のいずれかで機能的であり得る。いくつかの実施形態では、DNA標的化RNA及び/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、DNA標的化RNA及び/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を原核細胞及び真核細胞の両方で可能にする複数の制御要素に作動可能に連結される。
【0165】
適切な真核性プロモーター(真核細胞で機能的なプロモーター)の非限定例としては、サイトメガロウイルス(CMV)最初期、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、初期及び後期SV40、レトロウイルスのロングターミナルリピート(LTR)ならびにマウスメタロチオネイン-I由来のものが挙げられる。適切なベクター及びプロモーターの選択は、十分に当技術分野の通常の技能のレベル内である。発現ベクターは、翻訳開始のためのリボソーム結合部位及び転写ターミネータも含むことができる。発現ベクターは、発現を増幅するための適切な配列を含むこともできる。
【0166】
遺伝子改変宿主細胞
本開示は、宿主細胞が本開示の核酸で遺伝子改変されている、遺伝子改変宿主細胞を提供する。
【0167】
適切な宿主細胞としては、酵母細胞、昆虫細胞及び哺乳類細胞などの真核細胞が挙げられる。場合によっては、宿主細胞は哺乳類細胞株の細胞である。適切な哺乳類細胞株としては、ヒト細胞株、非ヒト霊長類細胞株、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)細胞株などが挙げられる。適切な哺乳類細胞株としては、限定されないが、HeLa細胞(例えば、アメリカ培養細胞株保存機関(ATCC)番号CCL-2)、CHO細胞(例えば、ATCC番号CRL9618、CCL61、CRL9096)、293細胞(例えば、ATCC番号CRL-1573)、ベロ細胞、NIH3T3細胞(例えば、ATCC番号CRL-1658)、Huh-7細胞、BHK細胞(例えば、ATCC番号CCL10)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS-7細胞(ATCC番号CRL1651)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞(ATCC番号CRL1573)、HLHepG2細胞などが挙げられる。
【0168】
場合によっては、宿主細胞は、内生のMHCβ2-Mを合成しないように遺伝子改変された哺乳類細胞である。
【0169】
多量体ポリペプチドの生成方法
本開示は、本開示の多量体ポリペプチドの生成方法を提供する。この方法は、一般に、多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターで遺伝子改変されている宿主細胞を培養培地で培養すること、ならびに遺伝子改変宿主細胞及び/または培養培地から多量体ポリペプチドを単離することを含む。多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターで遺伝子改変されている宿主細胞は、「発現宿主」とも称される。上記のように、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの個々のポリペプチド鎖は、別々の組換え発現ベクターにコードされる。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドのすべてのポリペプチド鎖は、単一の組換え発現ベクターにコードされる。
【0170】
発現宿主細胞(例えば、発現宿主細胞のライセート)及び/または宿主細胞が培養される培養培地からの多量体ポリペプチドの単離は、タンパク質精製の標準的な方法を使用して行うことができる。
【0171】
例えば、ライセートを発現宿主から調製することができ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーまたは他の精製技法を使用してライセートを精製することができる。あるいは、多量体ポリペプチドが発現宿主細胞から培養培地中に分泌される場合は、HPLC、排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーまたは他の精製技法を使用して、多量体ポリペプチドを培養培地から精製することができる。場合によっては、使用される組成物は、生成物の調製及びその精製の方法と関係がある混入物と比べて、少なくとも80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約95重量%または少なくとも約99.5重量%の所望の生成物を含む。ここで、パーセンテージは総タンパク質に基づき得る。
【0172】
場合によっては、例えば、多量体ポリペプチドが親和性タグを含む場合は、親和性タグの固定化された結合パートナーを使用して、多量体ポリペプチドを精製することができる。
【0173】
組成物
本開示は、医薬組成物を含めて、本開示の変異IL-2ポリペプチドを含む組成物を提供する。本開示は、医薬組成物を含めて、本開示の多量体ポリペプチドを含む組成物を提供する。本開示は、医薬組成物を含めて、本開示の核酸または組換え発現ベクターを含む組成物を提供する。
【0174】
多量体ポリペプチドを含む組成物
本開示の組成物は、本開示の多量体ポリペプチドに加えて、以下の1つまたは複数を含むことができる。塩、例えば、NaCl、MgCl2 、KCl、MgSO4 など;緩衝剤、例えば、トリス緩衝液、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N-トリス[ヒドロキシメチル]メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)など;可溶化剤;デタージェント、例えば、非イオン性デタージェント、例えばTween-20など;プロテアーゼ阻害剤;グリセロールなどである。
【0175】
組成物は、医薬的に許容可能な賦形剤を含むことができ、様々な医薬的に許容可能な賦形剤が当技術分野で既知であり、本明細書で詳細に論じる必要はない。医薬的に許容可能な賦形剤は、例えば、“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,19th Ed.(1995)または最新版、Mack Publishing Co、A.Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,20th edition,Lippincott,Williams,& Wilkins、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(1999)H.C.Ansel et al.,eds 7th ed.,Lippincott,Williams,& Wilkins、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients(2000)A.H.Kibbe et al.,eds.,3rd ed.Amer.Pharmaceutical Assocを含めた、様々な刊行物で十分に記載されている。
【0176】
医薬組成物は、本開示の多量体ポリペプチド及び医薬的に許容可能な賦形剤を含むことができる。場合によっては、対象の医薬組成物は対象への投与に適しており、例えば、無菌である。例えば、いくつかの実施形態では、対象の医薬組成物はヒト対象への投与に適しており、例えば、ここでは、組成物は無菌であり、検出可能な発熱物質及び/または他の毒素を含んでいない。
【0177】
タンパク質組成物は、他の成分、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカン、セルロース、グルコース、ショ糖、マグネシウム、カーボネートなどを含むことができる。組成物は、生理的条件に近づけるために必要とされる医薬的に許容可能な補助物質、例えば、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、塩酸塩、硫酸塩、溶媒和化合物(例えば、混合イオン性塩、水、有機物)、水和物(例えば、水)などを含むことができる。
【0178】
例えば、組成物は、水溶液、粉体、顆粒、錠剤、丸剤、坐剤、カプセル、懸濁液、スプレーなどを含むことができる。組成物は、以下に記載の様々な投与経路に応じて製剤化することができる。
【0179】
本開示の多量体ポリペプチドが(例えば、皮下に、腹腔内に、筋肉内に、及び/または静脈内に)直接的に組織に注射剤として投与される場合、製剤は、すぐに使える剤形として、または非水性形態(例えば、再構成可能な貯蔵安定性粉末剤)または水性形態、例えば、医薬的に許容可能な担体及び賦形剤から構成される液剤として、提供することができる。タンパク質含有製剤は、投与後に対象タンパク質の血清半減期を延ばすように提供することもできる。例えば、タンパク質は、コロイドとして調製されたリポソーム製剤、または血清半減期を延ばすための他の従来の技法で提供することができる。例えば、Szoka et al.1980 Ann.Rev.Biophys.Bioeng.9:467、米国特許第4,235,871号、第4,501,728号及び第4,837,028号に記載されているように、リポソームを調製するために様々な方法が利用可能である。制御放出形態または徐放性形態で調製物を提供することもできる。
【0180】
非経口投与に適した製剤の他の例としては、等張無菌注射液、抗酸化剤、静菌薬及び製剤を目的のレシピエントの血液と等張にする溶質、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤及び防腐剤が挙げられる。例えば、対象の医薬組成物は、容器、例えば無菌容器、例えば注射器中に存在していてもよい。製剤は、単位用量または多用量の密閉容器、例えば、アンプル及びバイアル中に提供することができ、注射のために無菌液体賦形剤、例えば水を使用直前に添加することしか必要としないフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時の注射液及び懸濁液は、無菌の粉末剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0181】
製剤中の本開示の多量体ポリペプチドの濃度は、広範に変動する(例えば、重量基準で、約0.1%未満(通常、約2%または少なくとも2%)~20%から50%程度またはそれ以上)可能性があり、選択される特定の投与様式及び患者の要求に従って、主として流体量、粘性及び患者に基づく因子を基に通常選択される。
【0182】
本開示は、本開示の組成物、例えば液体組成物を含む容器を提供する。容器は、例えば、注射器、アンプルなどでもよい。場合によっては、容器は無菌である。場合によっては、容器及び組成物の両方が無菌である。
【0183】
本開示は、医薬組成物を含めて、本開示の変異IL-2ポリペプチドを含む組成物を提供する。組成物は、a)本開示の変異IL-2ポリペプチド、及びb)多量体ポリペプチドについて上述した賦形剤を含むことができる。場合によっては、賦形剤は医薬的に許容可能な賦形剤である。
【0184】
核酸または組換え発現ベクターを含む組成物
本開示は、本開示の核酸または組換え発現ベクターを含む組成物、例えば医薬組成物を提供する。多種多様の医薬的に許容可能な賦形剤が当技術分野で既知であり、本明細書で詳細に論じる必要はない。医薬的に許容可能な賦形剤は、例えば、A.Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,20th edition,Lippincott,Williams,& Wilkins、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(1999)H.C.Ansel et al.,eds 7th ed.,Lippincott,Williams,& Wilkins、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients(2000)A.H.Kibbe et al.,eds.,3rd ed.Amer.Pharmaceutical Assocを含めた、様々な刊行物に十分に記載されている。
【0185】
本開示の組成物は、a)対象の核酸または組換え発現ベクター、及びb)緩衝液、界面活性剤、抗酸化剤、親水性ポリマー、デキストリン、キレート剤、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、静菌剤、湿潤剤及び防腐剤の1つまたは複数を含むことができる。適切な緩衝液としては、限定されないが、例えば、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタン(ビス-トリス)、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’3-プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、グリシルグリシン、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタン-スルホン酸)(PIPES)、炭酸水素ナトリウム、3-(N-トリス(ヒドロキシメチル)-メチル-アミノ)-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸)TAPSO、(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-グリシン(トリシン)、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン(トリス)などが挙げられる。適切な塩としては、例えば、NaCl、MgCl2
、KCl、MgSO4 などが挙げられる。
【0186】
本開示の医薬製剤は、本開示の核酸または組換え発現ベクターを約0.001%~約90%(w/w)の量で含むことができる。以下の製剤の説明では、「対象の核酸または組換え発現ベクター」は、本開示の核酸または組換え発現ベクターを含むと理解される。例えば、いくつかの実施形態では、対象の製剤は、本開示の核酸または組換え発現ベクターを含む。
【0187】
対象の核酸または組換え発現ベクターを、他の化合物または化合物の混合物と混合する、カプセル化する、コンジュゲートするまたは結合させることができ、そのような化合物としては、例えば、リポソームまたは受容体標的分子を挙げることができる。対象の核酸または組換え発現ベクターを、取込み、分配及び/また吸収を助ける1種または複数の成分と製剤中で組み合わせることができる。
【0188】
対象の核酸または組換え発現ベクターの組成物は、限定されないが、錠剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、液体シロップ剤、軟質ゲル剤、坐剤及び浣腸剤などの多くの考えられる剤形のうちのいずれかに製剤化することができる。対象の核酸または組換え発現ベクターの組成物は、水性、非水性または混合媒体の懸濁剤として製剤化することもできる。水性懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/またはデキストランを含めた、懸濁剤の粘性を高める物質をさらに含むことができる。懸濁剤は、安定化剤を含むこともできる。
【0189】
対象の核酸または組換え発現ベクターを含む製剤は、リポソーム製剤でもよい。本明細書で使用する場合、用語「リポソーム」は、球状の二重層(複数可)に配置された両親媒性脂質から構成される小胞を意味する。リポソームは、親油性材料から形成される膜及び送達される組成物を含む水性の内部を有する、単層または多層状の小胞である。陽イオン性リポソームは、負に荷電したDNA分子と相互作用して安定な複合体を形成することができる、正に荷電したリポソームである。pH感受性であるまたは負に荷電したリポソームは、DNAとの複合体化ではなく、DNAを封入すると考えられている。陽イオン性リポソーム及び非陽イオン性リポソームの両方を、対象の核酸または組換え発現ベクターを送達するために使用することができる。
【0190】
リポソームは「立体的に安定化した」リポソームも含み、本明細書で使用する場合、この用語は、リポソームに組み込まれた場合に、特殊化した脂質を欠くリポソームと比較して循環寿命を高める1種または複数の特殊化した脂質を含むリポソームを指す。立体的に安定化したリポソームの例は、リポソームの小胞形成脂質部分の一部が1種または複数の糖脂質を含むか、ポリエチレングリコール(PEG)部分などの1種または複数の親水性ポリマーで誘導体化されているものである。リポソーム及びその使用は、米国特許第6,287,860号にさらに記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0191】
本開示の製剤及び組成物は界面活性剤を含むこともできる。薬物製品、製剤及び乳剤における界面活性剤の使用は当技術分野で周知である。界面活性剤及びその使用は、米国特許第6,287,860号にさらに記載されている。
【0192】
一実施形態では、核酸の効率的な送達をもたらすために、様々な浸透促進剤が含まれる。細胞膜を超えて非親油性薬物が拡散するのを助けることに加えて、浸透促進剤は、親油性薬物の透過性も高める。浸透促進剤は、5つの広いカテゴリー、すなわち、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤及び非キレート化非界面活性剤のうちの1つに属するように分類され得る。浸透促進剤及びその使用は米国特許第6,287,860号にさらに記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0193】
経口投与用の組成物及び製剤としては、粉末剤もしくは顆粒剤、マイクロ粒子剤、ナノ粒子剤、水もしくは非水性媒体中の懸濁剤もしくは溶液剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、サッシェ剤、錠剤またはミニ錠剤が挙げられる。増粘剤、着香剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤または結合剤が望ましい場合もある。適切な経口製剤としては、対象のアンチセンス核酸が、1種または複数の浸透促進剤、界面活性剤及びキレート剤とともに投与されるものが挙げられる。適切な界面活性剤としては、限定されないが、脂肪酸及び/またはそのエステルもしくは塩、胆汁酸及び/またはその塩が挙げられる。適切な胆汁酸/塩及び脂肪酸ならびにその使用は、米国特許第6,287,860号にさらに記載されている。浸透促進剤の組み合わせ、例えば、胆汁酸/塩と組み合わせた脂肪酸/塩も適切である。例示的な適切な組み合わせは、ラウリン酸、カプリン酸及びUDCAのナトリウム塩である。さらなる浸透促進剤としては、限定されないが、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル及びポリオキシエチレン-20-セチルエーテルが挙げられる。適切な浸透促進剤としては、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、2-ピロリドン及びそれらの誘導体、テトラヒドロフルフリルアルコールならびにAZONE(商標)も挙げられる。
【0194】
T細胞活性の調節方法
本開示は、エピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節する方法を提供し、この方法は、T細胞を本開示の多量体ポリペプチドと接触させることを含み、ここでは、T細胞を本開示の多量体ポリペプチドと接触させることが、エピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節する。場合によっては、接触はインビトロで起こる。場合によっては、接触はインビボで起こる。場合によっては、接触はエキソビボで起こる。
【0195】
場合によっては、例えば、標的T細胞がCD8+ T細胞である場合は、多量体ポリペプチドは、クラスI MHCポリペプチド(例えば、β2-ミクログロブリン及びクラスI MHC重鎖)を含む。場合によっては、例えば、標的T細胞がCD4+ T細胞である場合は、多量体ポリペプチドは、クラスII MHCポリペプチド(例えば、クラスII MHCα鎖;クラスII MHCβ鎖)を含む。
【0196】
本開示の多量体ポリペプチドが、活性化ポリペプチドである免疫調節ポリペプチドを含む場合は、T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、エピトープ特異的T細胞を活性化する。ある場合には、エピトープ特異的T細胞はがん細胞に存在するエピトープに対して特異的なT細胞であり、エピトープ特異的T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、がん細胞に対するT細胞の細胞障害活性を増大させる。ある場合には、エピトープ特異的T細胞はがん細胞に存在するエピトープに対して特異的なT細胞であり、エピトープ特異的T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、エピトープ特異的T細胞の数を増加させる。
【0197】
ある場合には、エピトープ特異的T細胞は、ウイルス感染細胞に存在するエピトープに対して特異的なT細胞であり、エピトープ特異的T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、ウイルス感染細胞に対するT細胞の細胞障害活性を増大させる。ある場合には、エピトープ特異的T細胞は、ウイルス感染細胞に存在するエピトープに対して特異的なT細胞であり、エピトープ特異的T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、エピトープ特異的T細胞の数を増加させる。
【0198】
本開示の多量体ポリペプチドが抑制ポリペプチドである免疫調節ポリペプチドを含む場合は、T細胞をこの多量体に接触させることは、エピトープ特異的T細胞を阻害する。ある場合には、エピトープ特異的T細胞は自己抗原に存在するエピトープに対して特異的な自己反応性T細胞であり、接触が自己反応性T細胞の数を減らす。
【0199】
共刺激ポリペプチド(例えば、IL-2)を選択的に送達する方法
本開示は、例えば所与のエピトープに特異的なTCRが標的となるような様式で、選択T細胞または選択T細胞集団に対して共刺激ポリペプチド(IL-2など)または天然起源の共刺激ポリペプチドの親和性低下変異体(本明細書に開示のIL-2変異体など)を送達する方法を提供する。本開示は、本開示の多量体ポリペプチドに存在するエピトープに特異的なTCRを有する標的T細胞に対して共刺激ポリペプチド(IL-2など)または天然起源の共刺激ポリペプチドの親和性低下変異体(本明細書に開示のIL-2変異体など)を選択的に送達する方法を提供する。方法は、T細胞集団と、本開示の多量体ポリペプチドとの接触を含む。T細胞集団は、i)標的T細胞と、ii)エピトープに特異的ではない非標的T細胞(例えば、エピトープ特異的T細胞が結合するエピトープ以外のエピトープ(複数可)に特異的なT細胞)とを含む混在集団であり得る。エピトープ特異的T細胞は、多量体ポリペプチドに存在するエピトープ提示ペプチドに特異的であり、多量体ポリペプチドによって提供されるペプチドHLA複合体またはペプチドMHC複合体に結合する。T細胞集団と多量体ポリペプチドとが接触すると、多量体ポリペプチドに存在するエピトープに特異的なT細胞(複数可)に対して、多量体ポリペプチドに存在する共刺激ポリペプチド(例えば、IL-2またはIL-2の親和性低下変異体)が選択的に送達される。
【0200】
したがって、本開示は、共刺激ポリペプチド(IL-2など)もしくは天然起源の共刺激ポリペプチドの親和性低下変異体(本明細書に開示のIL-2変異体など)、または両方の組み合わせを標的T細胞に選択的に送達する方法を提供し、この方法は、混在T細胞集団と、本開示の多量体ポリペプチドとの接触を含む。混在T細胞集団は、標的T細胞及び非標的T細胞を含む。標的T細胞は、多量体ポリペプチド中に存在するエピトープに特異的である。混在T細胞集団と本開示の多量体ポリペプチドとが接触すると、多量体ポリペプチド中に存在する共刺激ポリペプチド(複数可)が標的T細胞に送達される。
【0201】
例えば、i)多量体ポリペプチドに存在するエピトープに特異的な標的T細胞(複数可)、及びii)非標的T細胞(複数可)(例えば、多量体ポリペプチドに存在するエピトープではない第2のエピトープ(複数可)に特異的なT細胞(複数可)を含むT細胞集団と、本開示の多量体ポリペプチドとの接触が実施される。集団との接触の結果、多量体ポリペプチドに存在する共刺激ポリペプチド(複数可)(例えば、天然起源の共刺激ポリペプチド(例えば、天然起源のIL-2)または天然起源の共刺激ポリペプチドの親和性低下変異体(例えば、本明細書に開示のIL-2変異体))が標的T細胞に選択的に送達される。したがって、例えば、多量体ポリペプチドに結合する非標的T細胞の割合は、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、または4%未満、3%未満、2%未満、もしくは1%未満であり、結果として、非標的T細胞には共刺激ポリペプチド(例えば、IL-2またはIL-2変異体)が送達されない。
【0202】
場合によっては、T細胞集団はインビトロのものであり、本開示の多量体ポリペプチドに対する標的T細胞集団の生物学的応答(例えば、T細胞の活性化及び/または増殖及び/または表現型分化)は、インビトロの培養の状況下で誘発される。例えば、個体から混在T細胞集団を得ることができ、多量体ポリペプチドとインビトロで接触させることができる。そのような接触は、定義された用量(複数可)及び/または曝露スケジュール(複数可)での曝露にT細胞集団を1回または複数回供することを含み得る。場合によっては、当該接触の結果、T細胞集団に含まれる標的T細胞が選択的に結合/活性化及び/または増殖し、活性化及び/または増殖した標的T細胞集団が生じる。一例として、混在T細胞集団は、末梢血単核球(PBMC)であり得る。例えば、標準的な採血及びPBMC濃縮手法によって患者からPBMCを得た後、標準的なリンパ球培養条件下で0.1~1000nMの本開示の多量体ポリペプチドに曝露することができる。定義された用量及びスケジュールでの混在T細胞集団の曝露の前、間、及び後の時点で、インビトロの培養における標的T細胞の存在量を、特定のペプチド-MHC多量体及び/または表現型マーカー及び/または機能活性(例えば、サイトカインELISpotアッセイ)によって監視することができる。場合によっては、抗原特異的な細胞の存在量及び/または表現型がインビトロで最適化された時点で、活性化及び/または増殖した標的T細胞集団のすべてまたは一部が個体(混在T細胞集団の取得元である個体)に投与される。
【0203】
場合によっては、T細胞集団は、インビトロのものである。例えば、個体から混在T細胞集団が得られ、本開示の多量体ポリペプチドとのインビトロの接触に供される。そのような接触(インビトロの細胞培養の状況下で、定義された用量(複数可)及び/または曝露スケジュール(複数可)での曝露にT細胞を1回または複数回供することを含み得る)は、多量体ポリペプチドによって提示されたエピトープに特異的なT細胞を混在T細胞集団が含むか否かを決定するために使用することができる。多量体ポリペプチドのエピトープに特異的なT細胞の存在は、混在T細胞集団を含む試料をアッセイすることによって決定でき、当該T細胞集団は、エピトープに特異的ではないT細胞(非標的T細胞)を含むと共に、エピトープに特異的なT細胞(標的T細胞)を含み得る。標的T細胞の活性化及び/または増殖を検出するために既知のアッセイを使用することができ、それにより個体に存在するT細胞に結合するエピトープを特定の多量体ポリペプチド(synTac)が有するか否か、ひいては、その個体に対する治療組成物としての潜在的用途を多量体ポリペプチドが有するか否かを決定できるエクスビボアッセイがもたらされ得る。標的T細胞の活性化及び/または増殖を検出するための適切な既知のアッセイには、例えば、T細胞の表現型及び/または抗原特異性及び/または増殖をフローサイトメトリーによって特徴付けることが含まれる。エピトープ特異的T細胞の存在を検出するためのそのようなアッセイ(例えば、コンパニオン診断)は、多量体ポリペプチドが選択的に標的T細胞に結合/を活性化及び/または増殖させているか否かを決定するための追加のアッセイ(例えば、エフェクターサイトカインELISpotアッセイ)及び/または適切な対照(例えば、抗原特異的及び抗原非特異的な多量体ペプチド-HLA染色試薬)をさらに含み得る。したがって、例えば、本開示は、個体から得られた混在T細胞集団において目的エピトープに結合する標的T細胞の存在を検出する方法を提供し、この方法は、a)混在T細胞集団と本開示の多量体ポリペプチドとのインビトロの接触であって、多量体ポリペプチドが目的エピトープを含む接触と、b)当該接触に応答したT細胞の活性化及び/または増殖の検出であって、T細胞の活性化及び/または増殖が標的T細胞の存在を示す検出と、を含む。あるいは、及び/またはさらに、多量体ポリペプチドを使用することで所望のT細胞集団が活性化及び/または増殖(expansion)(増殖(proliferation))するのであれば、活性化/増殖したT細胞を含むT細胞集団のすべてまたは一部を、治療剤として個体に投与し戻すことができる。
【0204】
場合によっては、T細胞集団は、個体におけるインビボのものである。そのような場合、共刺激ポリペプチド(例えば、IL-2または親和性低下IL-2)をエピトープ特異的T細胞に選択的に送達するための本開示の方法は、多量体ポリペプチドを個体に投与することを含む。
【0205】
共刺激ポリペプチド(例えば、IL-2または親和性低下IL-2)が選択的に送達されるエピトープ特異的T細胞は、本明細書では「標的T細胞」とも称される。場合によっては、標的T細胞は、制御性T細胞(Treg)である。場合によっては、Tregは、自己反応性T細胞の活性を抑制または抑止する。
【0206】
場合によっては、標的T細胞は、細胞傷害性T細胞である。例えば、標的T細胞は、がんエピトープ(例えば、がん細胞によって提示されるエピトープ)に特異的な細胞傷害性T細胞であり得る。
【0207】
治療方法
本開示は、個体においてエピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節する方法を提供し、この方法は、個体においてエピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節するために有効な量の本開示の多量体ポリペプチドまたは多量体ポリペプチドをコードする1種または複数の核酸を個体に投与することを含む。場合によっては、本開示の治療方法は、本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種または複数の組換え発現ベクターをそれらを必要とする個体に投与することを含む。場合によっては、本開示の治療方法は、本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種または複数のmRNA分子をそれらを必要とする個体に投与することを含む。場合によっては、本開示の治療方法は、本開示の多量体ポリペプチドをそれらを必要とする個体に投与することを含む。
【0208】
本開示は、個体においてエピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節する方法を提供し、この方法は、有効量の、本開示の多量体ポリペプチドまたは多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種もしくは複数の核酸(例えば、発現ベクター、mRNAなど)を個体に投与することを含み、ここでは、多量体ポリペプチドは、個体においてエピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節する。エピトープ特異的T細胞の活性を選択的に調節することは、個体において疾患または障害を治療することができる。したがって、本開示は、有効量の本開示の多量体ポリペプチドをそれらを必要とする個体に投与することを含む治療方法を提供する。
【0209】
場合によっては、免疫調節ポリペプチドは活性化ポリペプチドであり、多量体ポリペプチドはエピトープ特異的T細胞を活性化する。場合によっては、エピトープはがん関連エピトープであり、多量体ポリペプチドはがん関連エピトープに対して特異的なT細胞の活性を高める。
【0210】
本開示は、個体においてがんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の、本開示の多量体ポリペプチドまたは多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種もしくは複数の核酸(例えば、発現ベクター、mRNAなど)を個体に投与することを含み、ここでは、多量体ポリペプチドはがんエピトープであるT細胞エピトープを含み、多量体ポリペプチドは、本明細書に記載の刺激性免疫調節ポリペプチドを1つまたは複数含む。場合によっては、多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体においてがん細胞の数を減らす量である。例えば、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、多量体ポリペプチドの投与前の、または多量体ポリペプチドを用いる投与がない状態の個体におけるがん細胞の数と比較して、個体において、がん細胞の数を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%減らす量である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体において、がん細胞の数を検出不能レベルまで減らす量である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体において、腫瘍量を低減する量である。例えば、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、多量体ポリペプチドの投与前の、または多量体ポリペプチドを用いる投与がない状態の個体における腫瘍量と比較して、個体において、腫瘍量を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%低減する量である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体の生存期間を延ばす量である。例えば、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、多量体ポリペプチドを用いる投与がない状態の個体の期待される生存期間と比較して、個体の生存期間を少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、3か月~6か月、6か月~1年、1年~2年、2年~5年、5年~10年または10年超延ばす量である。
【0211】
ある場合には、エピトープ特異的T細胞はウイルス感染細胞に存在するエピトープに対して特異的なT細胞であり、エピトープ特異的T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、ウイルス感染細胞に対するT細胞の細胞障害活性を増大させる。ある場合には、エピトープ特異的T細胞はウイルス感染細胞に存在するエピトープに対して特異的なT細胞であり、エピトープ特異的T細胞を多量体ポリペプチドと接触させることは、エピトープ特異的T細胞の数を増加させる。
【0212】
したがって、本開示は、個体においてウイルス感染を治療する方法を提供し、この方法は、有効量の、本開示の多量体ポリペプチドまたは多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種もしくは複数の核酸を個体に投与することを含み、ここでは、多量体ポリペプチドはウイルスエピトープであるT細胞エピトープを含み、多量体ポリペプチドは、本明細書に記載の刺激性免疫調節ポリペプチドを1つまたは複数含む。場合によっては、多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体においてウイルス感染細胞の数を減らす量である。例えば、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、多量体ポリペプチドの投与前の、または多量体ポリペプチドを用いる投与がない状態の個体におけるウイルス感染細胞の数と比較して、個体においてウイルス感染細胞の数を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%減らす量である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体においてウイルス感染細胞の数を検出不能レベルまで減らす量である。
【0213】
したがって、本開示は、個体において感染を治療する方法を提供し、この方法は、有効量の、本開示の多量体ポリペプチドまたは多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種もしくは複数の核酸を個体に投与することを含み、ここでは、多量体ポリペプチドは、病原体関連エピトープであるT細胞エピトープを含み、多量体ポリペプチドは、本明細書に記載の刺激性免疫調節ポリペプチドを1つまたは複数含む。場合によっては、多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体において病原体の数を減らす量である。例えば、場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、多量体ポリペプチドの投与前の、または多量体ポリペプチドを用いる投与がない状態の個体における病原体の数と比較して、個体において、病原体の数を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%減らす量である。場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体において病原体の数を検出不能レベルまで減らす量である。病原体としては、ウイルス、細菌、原生動物などが挙げられる。
【0214】
場合によっては、免疫調節ポリペプチドは抑制ポリペプチドであり、多量体ポリペプチドはエピトープ特異的T細胞の活性を阻害する。場合によっては、エピトープは自己エピトープであり、多量体ポリペプチドは自己エピトープに対して特異的なT細胞の活性を選択的に阻害する。
【0215】
本開示は、個体において自己免疫障害を治療する方法を提供し、この方法は、有効量の、本開示の多量体ポリペプチドまたは多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1種もしくは複数の核酸を個体に投与することを含み、ここでは、多量体ポリペプチドは自己エピトープであるT細胞エピトープを含み、多量体ポリペプチドは、抑制免疫調節ポリペプチドを含む。場合によっては、多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、多量体ポリペプチドの投与前の、または多量体ポリペプチドを用いる投与がない状態の個体における自己反応性T細胞の数と比較して、自己反応性T細胞の数を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%減らす量である。場合によっては、多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体においてTh2サイトカインの生成を低減させる量である。場合によっては、多量体ポリペプチドの「有効量」は、それらを必要とする個体に1または複数用量で投与される場合に、個体において自己免疫疾患に付随する1つまたは複数の症状を回復させる量である。
【0216】
上述したように、場合によっては、対象の治療方法の実施において、本開示の多量体ポリペプチドは、それ自体がポリペプチドとしてそれらを必要とする個体に投与される。他の場合では、対象の治療方法の実施において、本開示の多量体ポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列を含む核酸がそれらを必要とする個体に投与される。したがって、他の場合では、本開示の1種または複数の核酸、例えば、本開示の1種または複数の組換え発現ベクターがそれらを必要とする個体に投与される。
【0217】
製剤
適切な製剤はこれまでに記載され、適切な製剤は医薬的に許容可能な賦形剤を含む。場合によっては、適切な製剤は、a)本開示の多量体ポリペプチド、及びb)医薬的に許容可能な賦形剤を含む。場合によっては、適切な製剤は、a)本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、及びb)医薬的に許容可能な賦形剤を含み、ある場合には、核酸はmRNAである。場合によっては、適切な製剤は、a)本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第1の核酸、b)本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第2の核酸、及びc)医薬的に許容可能な賦形剤を含む。場合によっては、適切な製剤は、a)本開示の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクター、及びb)医薬的に許容可能な賦形剤を含む。場合によっては、適切な製剤は、a)本開示の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第1の組換え発現ベクター、b)本開示の多量体ポリペプチドの第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第2の組換え発現ベクター、及びc)医薬的に許容可能な賦形剤を含む。
【0218】
適切な医薬的に許容可能な賦形剤はこれまでに記載されている。
【0219】
投薬量
適切な投薬量は、様々な臨床因子に基づいて、主治医または資格を有する他の医療関係者が決定することができる。医学分野で周知であるように、任意のある患者に対する投薬量は、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与される特定のポリペプチドまたは核酸、患者の性別、投与の時間及び経路、全体的な健康状態ならびに同時に投与される他の薬物を含めた、多くの因子に依存する。本開示の多量体ポリペプチドは、投与あたり1ng/kg体重~20mg/kg体重、例えば、0.1mg/kg体重~10mg/kg体重、例えば、0.5mg/kg体重~5mg/kg体重の間の量で投与することができるが、特に前述の因子を考慮すれば、この例示的範囲より低いまたは高い用量が想定される。レジメンが持続注入である場合は、これはまた、1μg~10mg/キログラム体重/分の範囲でもよい。本開示の多量体ポリペプチドは、約1mg/kg体重~50mg/kg体重の量で投与することができ、例えば、約1mg/kg体重~約5mg/kg体重、約5mg/kg体重~約10mg/kg体重、約10mg/kg体重~約15mg/kg体重、約15mg/kg体重~約20mg/kg体重、約20mg/kg体重~約25mg/kg体重、約25mg/kg体重~約30mg/kg体重、約30mg/kg体重~約35mg/kg体重、約35mg/kg体重~約40mg/kg体重、または約40mg/kg体重~約50mg/kg体重の量で投与することができる。
【0220】
場合によっては、本開示の多量体ポリペプチドの適切な用量は、0.01μg~100g/kg体重、0.1μg~10g/kg体重、1μg~1g/kg体重、10μg~100mg/kg体重、100μg~10mg/kg体重または100μg~1mg/kg体重である。体液または組織における投与される薬剤の測定した滞留時間及び濃度に基づいて、当業者は投薬の反復速度を容易に推定することができる。成功した治療に続いて、病態の再発を予防するために、維持療法を患者に受けさせることが望ましい場合もあり、ここでは、本開示の多量体ポリペプチドは、0.01μg~100g/kg体重、0.1μg~10g/kg体重、1μg~1g/kg体重、10μg~100mg/kg体重、100μg~10mg/kg体重または100μg~1mg/kg体重の範囲の維持量で投与される。
【0221】
当業者は、特定の多量体ポリペプチド、症状の重症度及び副作用に対する対象の感受性に応じて、用量レベルが変動し得ることを容易に認識する。所与の化合物に対する好ましい投薬量は、様々な手段で当業者によって容易に決定される。
【0222】
いくつかの実施形態では、複数回用量の本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターが投与される。本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターの投与頻度は、様々な因子のうちのいずれか、例えば、症状の重症度などに応じて変動し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは、月1回、月2回、月3回、隔週(qow)、週1回(qw)、週2回(biw)、週3回(tiw)、週4回、週5回、週6回、隔日(qod)、1日1回(qd)、1日2回(qid)または1日3回(tid)投与される。
【0223】
本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターの投与の持続期間、例えば、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターが投与される期間は、様々な因子のうちのいずれか、例えば、患者の応答などに応じて変動し得る。例えば、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは、約1日~約1週、約2週~約4週、約1か月~約2か月、約2か月~約4か月、約4か月~約6か月、約6か月~約8か月、約8か月~約1年、約1年~約2年、または約2年~約4年、またはそれ以上に及ぶ期間にわたって投与することができる。
【0224】
投与経路
活性薬剤(本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクター)は、インビボ及びエキソビボの方法を含めた、薬物送達に適した任意の利用可能な方法及び経路、ならびに全身的及び局部的投与経路を使用して、個体に投与される。
【0225】
従来の医薬的に許容可能な投与経路としては、腫瘍内、腫瘍周囲、筋肉内、気管内、頭蓋内、皮下、皮内、局所適用、静脈内、動脈内、直腸、経鼻、経口ならびに他の経腸及び非経口投与経路が挙げられる。投与経路は、必要であれば、多量体ポリペプチド及び/または所望の効果に応じて、組み合わせることができ、または調整することができる。本開示の多量体ポリペプチドまたは本開示の核酸もしくは組換え発現ベクターは、単回用量または複数回用量で投与することができる。
【0226】
いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは筋肉内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは局部的に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは腫瘍内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは腫瘍周囲に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは頭蓋内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは皮下に投与される。
【0227】
いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチドは静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチドは筋肉内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチドは局部的に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチドは腫瘍内に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチドは腫瘍周囲に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の多量体ポリペプチドは頭蓋内に投与される。いくつかの実施形態では、多量体ポリペプチドは皮下に投与される。
【0228】
本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターは、全身的または局部的経路を含めた、従来の薬物の送達に適した任意の利用可能な従来の方法及び経路を使用して、宿主に投与することができる。一般に、本開示の方法における使用が企図される投与経路としては、必ずしも限定されるわけではないが、経腸、非経口、及び吸入による経路が挙げられる。
【0229】
吸入投与以外の非経口投与経路としては、必ずしも限定されるわけではないが、局所、経皮、皮下、筋肉内、眼窩内、嚢内、髄腔内、胸骨内、腫瘍内、腫瘍周囲及び静脈内経路、すなわち、消化管経由以外の任意の投与経路が挙げられる。非経口投与は、本開示の多量体ポリペプチド、本開示の核酸または本開示の組換え発現ベクターの全身的または局部的送達をもたらすために行うことができる。全身的送達が所望される場合に、投与は、典型的には、侵襲的または全身的に吸収される、医薬調製物の局所または粘膜投与を含む。
【0230】
治療に適する対象
本開示の方法による治療に適する対象としては、がんを有すると診断された個体、がんを治療したが、治療に応答することができなかった個体、及びがんを治療し、初期に応答したが、その後に治療に対して抵抗性になった個体を含めた、がんを有する個体が挙げられる。本開示の方法による治療に適する対象としては、感染を有すると診断された個体、及び感染を治療したが、治療に応答することができなかった個体を含めた、感染(例えば、病原体、例えば、細菌、ウイルス、原生動物などによる感染)を有する個体が挙げられる。本開示の方法による治療に適する対象としては、細菌感染を有すると診断された個体、及び細菌感染を治療したが、治療に応答することができなかった個体を含めた、細菌感染を有する個体が挙げられる。本開示の方法による治療に適する対象としては、ウイルス感染を有すると診断された個体、及びウイルス感染を治療したが、治療に応答することができなかった個体を含めた、ウイルス感染を有する個体が挙げられる。本開示の方法による治療に適する対象としては、自己免疫疾患を有すると診断された個体、及び自己免疫疾患を治療したが、治療に応答することができなかった個体を含めた、自己免疫疾患を有する個体が挙げられる。
【0231】
場合によっては、例えば、エピトープがHPVエピトープである場合、本開示の方法での治療に適した対象は、HPVと関連するがんまたはHPV起因性のがんを有すると診断されたことがある個体である。HPVと関連するがんまたはHPV起因性のがんとしては、例えば、頭頸部癌、子宮頸癌、及び生殖肛門癌(genitoanal cancer)が挙げられる。
【0232】
本開示の非限定的な態様の例
上記の本発明の対象の態様は、実施形態を含めて、単独で有利であるか、または1つもしくは複数の他の態様もしくは実施形態と組み合わせて有利であり得る。前述の説明を限定するものではないが、本開示のある特定の非限定的な態様が1~132の番号を付けて以下に提供される。本開示を読めば当業者には明らかであろうが、個別に番号付けされた態様のそれぞれを使用するか、または個別に番号付けされた態様のそれぞれを、個別に番号付けされた先行態様もしくは後述態様のいずれかと組み合わせることができる。これは、態様のすべてのそのような組み合わせを支援することが意図されたものであり、以下に明示的に提供される態様の組み合わせに限定されるものではない。
【0233】
態様1.
配列番号1に示されるものに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異IL-2ポリペプチドであって、前記変異IL-2ポリペプチドが、配列番号1に示されるものと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を有し、前記変異IL-2ポリペプチドが、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列を有するアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2受容体(IL-2R)に対する配列番号1に示されるIL-2アミノ酸配列の結合親和性と比較して、前記IL-2Rに対する結合親和性の低下を示す、変異IL-2ポリペプチド。
【0234】
態様2.
前記変異体が、E15、H16、D20、F42、Y45、及びQ126のうちの1つまたは複数の置換を含む、態様1に記載の変異IL-2ポリペプチド。
態様3.
前記変異免疫調節ポリペプチドが示す結合親和性は、配列番号1に示されるIL-2アミノ酸配列が前記IL-2Rに対して示す結合親和性の10%未満~50%未満である、態様1または態様2に記載の変異IL-2ポリペプチド。
態様4.
前記変異体が、Ala、Gly、Val、Ile、またはLeuでのF42の置換を含む、態様1~3のいずれか1つに記載の変異IL-2ポリペプチド。
【0235】
態様5.
前記変異体が、F42及びD20の置換またはF42及びH16の置換を含む、態様1~3のいずれか1つに記載の変異I
及びY45の置換を含むか、または前記変異体が、F42、H16、及びQ126の置換L-2ポリペプチド。
態様6.
前記変異体が、F42、D20、を含む、態様1~3のいずれか1つに記載の変異IL-2ポリペプチド。
【0236】
態様7.
a)
i)エピトープ、及び
ii)第1の主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、
b)
i)第2のMHCポリペプチド、及び
ii)任意選択の免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチドまたは非Ig骨格
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、
を含む多量体ポリペプチドであって、
前記多量体ポリペプチドが、1つまたは複数の免疫調節ドメインを含み、前記1つまたは複数の免疫調節ドメインが、
A)前記第1のポリペプチドのC末端、
B)前記第2のポリペプチドのN末端、
C)前記第2のポリペプチドのC末端、または
D)前記第1のポリペプチドのC末端及び前記第2のポリペプチドのN末端
に位置し、
前記免疫調節ドメインの少なくとも1つが、天然起源の共刺激タンパク質の変異体であり、前記変異体が、その対応共刺激タンパク質に対する前記天然起源の共刺激タンパク質の親和性と比較して、前記対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示す、多量体ポリペプチド。
【0237】
態様8.
a)
i)エピトープ、及び
ii)第1の主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、
b)
i)第2のMHCポリペプチド、及び
ii)任意選択の免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチドまたは非Ig骨格
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、
を含む多量体ポリペプチドであって、
前記多量体ポリペプチドが、1つまたは複数の免疫調節ドメインを含み、前記1つまたは複数の免疫調節ドメインが、
A)前記第1のポリペプチドのC末端、
B)前記第2のポリペプチドのN末端、
C)前記第2のポリペプチドのC末端、または
D)前記第1のポリペプチドのC末端及び前記第2のポリペプチドのN末端
に位置し、
前記1つまたは複数の免疫調節ドメインの少なくとも1つが、態様1~6のいずれか1つに記載の変異IL-2ポリペプチドであり、
前記多量体ポリペプチドが、
図3A~3Cに示されるアミノ酸配列を有するアルファポリペプチド、ベータポリペプチド、及びガンマポリペプチドを含むIL-2受容体(IL-2R)に対する配列番号1に示されるIL-2アミノ酸配列を含む対照多量体ポリペプチドの結合親和性と比較して、前記IL-2Rポリペプチドに対する結合親和性の低下を示す、多量体ポリペプチド。
【0238】
態様9.
a)前記第1のポリペプチドが、
i)前記エピトープ、
ii)前記第1のMHCポリペプチド、及び
iii)前記変異IL-2ポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
b)前記第2のポリペプチドが、
i)前記第2のMHCポリペプチド、及び
ii)前記Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む、
態様8に記載の多量体ポリペプチド。
【0239】
態様10.
a)前記第1のポリペプチドが、
i)前記エピトープ、及び
ii)前記第1のMHCポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
b)前記第2のポリペプチドが、
i)前記変異IL-2ポリペプチド、
ii)前記第2のMHCポリペプチド、及び
iii)前記Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む、
態様8に記載の多量体ポリペプチド。
【0240】
態様11.
a)前記第1のポリペプチドが、
i)前記エピトープ、及び
ii)前記第1のMHCポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
b)前記第2のポリペプチドが、
i)前記第2のMHCポリペプチド、及び
ii)前記変異IL-2ポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む、
態様8に記載の多量体ポリペプチド。
【0241】
態様12.
a)前記第1のポリペプチドが、
i)前記エピトープ、及び
ii)前記第1のMHCポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
b)第2のポリペプチドが、
i)前記変異IL-2ポリペプチド、及び
ii)前記第2のMHCポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む、
態様8に記載の多量体ポリペプチド。
【0242】
態様13.
a)前記第1のポリペプチドが、
i)前記エピトープ、
ii)前記第1のMHCポリペプチド、及び
iii)前記変異IL-2ポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
b)前記第2のポリペプチドが、前記第2のMHCポリペプチドを含む、
態様8に記載の多量体ポリペプチド。
【0243】
態様14.
前記非Ig骨格が、XTENポリペプチド、トランスフェリンポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド、シルク様ポリペプチド、またはシルク-エラスチン様ポリペプチドである、態様7または態様8に記載の多量体ポリペプチド。
態様15.
前記第1のMHCポリペプチドが、β2-ミクログロブリンポリペプチドであり、前記第2のMHCポリペプチドが、MHCクラスI重鎖ポリペプチドである、態様7~14のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様16.
前記β2-ミクログロブリンポリペプチドが、
図6に示されるアミノ酸配列のうちの1つに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様15に記載の多量体ポリペプチド。
【0244】
態様17.
前記MHCクラスI重鎖ポリペプチドが、HLA-A、HLA-B、またはHLA-Cの重鎖である、態様15に記載の多量体ポリペプチド。
態様18.
前記MHCクラスI重鎖ポリペプチドが、
図5A~5Cのうちの1つに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様15に記載の多量体ポリペプチド。
態様19.
前記第1のMHCポリペプチドが、MHCクラスIIアルファ鎖ポリペプチドであり、前記第2のMHCポリペプチドが、MHCクラスIIベータ鎖ポリペプチドである、態様7~14のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
【0245】
態様20.
前記エピトープが、T細胞エピトープである、態様7~19のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様21.
多量体ポリペプチドが、Fcポリペプチドを含み、前記Ig Fcポリペプチドが、IgG1 Fcポリペプチド、IgG2 Fcポリペプチド、IgG3 Fcポリペプチド、IgG4 Fcポリペプチド、IgA Fcポリペプチド、またはIgM Fcポリペプチドである、態様7~13及び態様15~20のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様22.
前記Ig Fcポリペプチドが、
図4A~4Cに示されるアミノ酸配列のうちの1つに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様21に記載の多量体ポリペプチド。
【0246】
態様23.
前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとが、非共有結合で結合される、態様7~22のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様24.
前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとが、互いに共有結合で連結される、態様7~22のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様25.
前記共有結合が、ジスルフィド結合を介するものである、態様24に記載の多量体ポリペプチド。
【0247】
態様26.
前記第1のMHCポリペプチド、または前記エピトープと前記第1のMHCポリペプチドとの間のリンカーが、アミノ酸置換を含むことで第1のCys残基を与え、前記第2のMHCポリペプチドが、アミノ酸置換を含むことで第2のCys残基を与え、前記ジスルフィド結合が、前記第1のCys残基と前記第2のCys残基との間に形成される、態様25に記載の多量体ポリペプチド。
態様27.
前記エピトープと前記第1のMHCポリペプチドとの間に挿入されたリンカーを含む、態様7~26のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様28.
前記MHCポリペプチドと前記免疫調節ポリペプチドとの間に挿入されたリンカーを含む、態様7~26のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
【0248】
態様29.
2つの変異IL-2ポリペプチドを含む、態様7~28のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様30.
3つの変異IL-2ポリペプチドを含む、態様8~28のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様31.
前記2つまたは3つの変異IL-2ポリペプチドが直列に存在し、前記多量体ポリペプチドが、前記変異IL-2ポリペプチドの間にリンカーを含む、態様29または態様30に記載の多量体ポリペプチド。
【0249】
態様32.
前記変異IL-2が、E15、H16、D20、F42、Y45、及びQ126のうちの1つまたは複数の置換を含む、態様8~31のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様33.
前記変異IL-2が、Ala、Gly、Val、Ile、またはLeuによるF42の置換を含む、態様8~32のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
【0250】
態様34.
前記変異IL-2が、F42及びD20の置換またはF42及びH16の置換を含む、態様33に記載の多量体ポリペプチド。
態様35.
前記変異IL-2が、F42、D20、及びY45の置換を含むか、または前記変異IL-2が、F42、H16、及びQ126の置換を含む、態様33に記載の多量体ポリペプチド。
【0251】
態様36.
組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、
i)前記組換えポリペプチドが、
a)エピトープ、
b)第1の主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチド、
c)免疫調節ポリペプチド、
d)タンパク分解により切断可能なリンカーもしくはリボソームスキッピングシグナル、
e)第2のMHCポリペプチド、及び
f)免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
前記免疫調節ポリペプチドが、天然起源の共刺激タンパク質の変異体であり、前記変異体が、その対応共刺激タンパク質に対する前記天然起源の共刺激タンパク質の親和性と比較して、前記対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示すか、または
ii)前記組換えポリペプチドが、
a)エピトープ、
b)第1のMHCポリペプチド、
c)タンパク分解により切断可能なリンカーもしくはリボソームスキッピングシグナル、
d)免疫調節ポリペプチド、
e)第2のMHCポリペプチド、及び
f)Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
前記免疫調節ポリペプチドが、天然起源の共刺激タンパク質の変異体であり、前記変異体が、その対応共刺激タンパク質に対する前記天然起源の共刺激タンパク質の親和性と比較して、前記対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示す、核酸。
【0252】
態様37.
組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、
i)前記組換えポリペプチドが、
a)エピトープ、
b)第1の主要組織適合抗原複合体(MHC)ポリペプチド、
c)免疫調節ポリペプチド、
d)タンパク分解により切断可能なリンカーもしくはリボソームスキッピングシグナル、
e)第2のMHCポリペプチド、及び
f)免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
前記免疫調節ポリペプチドが、態様1~6のいずれか1つに記載の変異免疫調節ポリペプチドであるか、または
ii)前記組換えポリペプチドが、
a)エピトープ、
b)第1のMHCポリペプチド、
c)タンパク分解により切断可能なリンカーもしくはリボソームスキッピングシグナル、
d)免疫調節ポリペプチド、
e)第2のMHCポリペプチド、及び
f)Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含み、
前記免疫調節ポリペプチドが、態様1~6のいずれか1つに記載の変異免疫調節ポリペプチドである、核酸。
【0253】
態様38.
前記第1のMHCポリペプチドが、β2-ミクログロブリンポリペプチドであり、前記第2のMHCポリペプチドが、MHCクラスI重鎖ポリペプチドである、態様36または態様37に記載の核酸。
態様39.
前記β2-ミクログロブリンポリペプチドが、
図6に示されるアミノ酸配列のうちの1つに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様38に記載の核酸。
態様40.
前記MHCクラスI重鎖ポリペプチドが、HLA-A、HLA-B、またはHLA-Cの重鎖である、態様38に記載の核酸。
【0254】
態様41.
前記MHCクラスI重鎖ポリペプチドが、
図5A~5Cのいずれか1つに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様40に記載の核酸。
態様42.
前記第1のMHCポリペプチドが、MHCクラスIIアルファ鎖ポリペプチドであり、前記第2のMHCポリペプチドが、MHCクラスIIベータ鎖ポリペプチドである、態様36または態様37に記載の核酸。
態様43.
前記エピトープが、T細胞エピトープである、態様36~42のいずれか1つに記載の核酸。
【0255】
態様44.
前記Ig Fcポリペプチドが、IgG1 Fcポリペプチド、IgG2 Fcポリペプチド、IgG3 Fcポリペプチド、IgG4 Fcポリペプチド、IgA Fcポリペプチド、またはIgM Fcポリペプチドである、態様36~43のいずれか1つに記載の核酸。
態様45.
前記Ig Fcポリペプチドが、
図4A~4Cに示されるアミノ酸配列のうちの1つに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様44に記載の核酸。
【0256】
態様46.
前記変異IL-2免疫調節ポリペプチドが、E15、H16、D20、F42、Y45、及びQ126のうちの1つまたは複数の置換を含む、態様37~45のいずれか1つに記載の核酸。
態様47.
前記多量体ポリペプチドが、CD7、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、MICB、HVEM、リンフォトキシンベータ受容体、3/TR6、ILT3、ILT4、及びHVEMから選択される第2の免疫調節ポリペプチドを含む、態様36~46のいずれか1つに記載の核酸。
【0257】
態様48.
前記タンパク分解により切断可能なリンカーまたはリボソームスキッピングシグナルが、
a)LEVLFQGP(配列番号29)、
b)ENLYTQS(配列番号30)、
c)フューリン切断部位、
d)LVPR(配列番号32)、
e)GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号33)、
f)GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号34)、
g)GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号35)、及び
h)GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号36)
から選択されるアミノ酸配列を含む、態様36~47のいずれか1つに記載の核酸。
【0258】
態様49.
前記組換えポリペプチドが、
a)第1のリーダーペプチド、
b)前記エピトープ、
c)前記第1のMHCポリペプチド、
d)前記免疫調節ポリペプチド、
e)前記タンパク分解により切断可能なリンカーまたはリボソームスキッピングシグナル、
f)第2のリーダーペプチド、
g)前記第2のMHCポリペプチド、及び
h)前記免疫グロブリン(Ig)Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む、態様36~48に記載の核酸。
【0259】
態様50.
前記第1のリーダーペプチド及び前記第2のリーダーペプチドが、β2-Mリーダーペプチドである、態様49に記載の核酸。
態様51.
前記ヌクレオチド配列が、転写制御要素に機能可能なように連結される、態様36~50のいずれか1つに記載の核酸。
態様52.
前記転写制御要素が、真核細胞において機能するプロモーターである、態様51に記載の核酸。
【0260】
態様53.
前記第1のMHCポリペプチド、または前記エピトープと前記第1のMHCポリペプチドとの間のリンカーが、アミノ酸置換を含むことで第1のCys残基を与え、前記第2のMHCポリペプチドが、アミノ酸置換を含むことで第2のCys残基を与え、前記第1のCys残基及び前記第2のCys残基が、前記第1のMHCポリペプチドと前記第2のMHCポリペプチドとの間にジスルフィド結合を生成する、態様36~52のいずれか1つに記載の核酸。
【0261】
態様54.
態様36~52のいずれか1つに記載の核酸を含む組換え発現ベクターであって、前記ベクターが、任意選択で、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである、組換え発現ベクター。
【0262】
態様55.
態様54に記載の組換え発現ベクターで遺伝子改変された、宿主細胞。
態様56.
前記宿主細胞がインビトロのものであり、前記宿主細胞が、前記細胞が内在性のMHCβ2-ミクログロブリンポリペプチドを産生しないように任意選択で遺伝子改変される、態様55に記載の宿主細胞。
【0263】
態様57.
a)
i)エピトープ、
ii)第1のMHCポリペプチド、及び
iii)免疫調節ドメイン
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第1の核酸であって、
前記免疫調節ポリペプチドが、天然起源の共刺激タンパク質の変異体であり、前記変異体が、その対応共刺激タンパク質に対する前記天然起源の共刺激タンパク質の親和性と比較して、前記対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示す第1の核酸と、
b)
i)第2のMHCポリペプチド、及び
ii)Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第2の核酸と、
を含む、組成物。
【0264】
態様58.
a)
i)エピトープ、及び
ii)第1のMHCポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第1の核酸と、
b)
i)天然起源の共刺激タンパク質の変異体である免疫調節ドメインであって、前記変異体が、その対応共刺激タンパク質に対する前記天然起源の共刺激タンパク質の親和性と比較して、前記対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示す前記免疫調節ドメイン、
ii)第2のMHCポリペプチド、及び
iii)Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第2の核酸と、
を含む、組成物。
【0265】
態様59.
a)
i)エピトープ、
ii)第1のMHCポリペプチド、及び
iii)免疫調節ドメイン
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第1の核酸であって、
前記免疫調節ドメインが、態様1~6のいずれか1つに記載の変異IL-2ポリペプチドである第1の核酸と、
b)
i)第2のMHCポリペプチド、及び
ii)Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第2の核酸と、
を含む、組成物。
【0266】
態様60.
a)
i)エピトープ、及び
ii)第1のMHCポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第1の核酸と、
b)
i)態様1~6のいずれか1つに記載の変異IL-2ポリペプチドである免疫調節ドメイン、
ii)第2のMHCポリペプチド、及び
iii)Ig Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む第2の核酸と、
を含む、組成物。
【0267】
態様61.
前記第1の核酸及び/または前記第2の核酸が、組換え発現ベクターに存在する、態様57~60のいずれか1つに記載の組成物。
態様62.
態様57~61のいずれか1つに記載の組成物で遺伝子改変された、宿主細胞。
【0268】
態様63.
態様7~36のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドの産生方法であって、
a)態様55、態様56、及び態様62のいずれか1つに記載の宿主細胞が前記多量体ポリペプチドを合成する条件下での、培地における前記宿主細胞のインビトロの培養と、
b)前記宿主細胞及び/または前記培地からの前記多量体ポリペプチドの単離と、
を含む、方法。
【0269】
態様64.
前記第2のポリペプチドが、親和性タグを含み、前記単離が、前記細胞によって産生される前記多量体ポリペプチドと、前記親和性タグに対する結合パートナーとの接触を含み、前記結合パートナーが固定化されていることによって前記多量体ポリペプチドが固定化される、態様63に記載の方法。
態様65.
前記固定化された多量体ポリペプチドの溶出を含む、態様64に記載の方法。
態様66.
エピトープ特異的T細胞を選択的に活性化する方法であって、
前記T細胞と、態様7~35のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドと、の接触を含み、前記接触によって前記エピトープ特異的T細胞が選択的に活性化される、方法。
【0270】
態様67.
前記接触が、インビトロのものである、態様66に記載の方法。
態様68.
前記接触が、インビボのものである、態様66に記載の方法。
態様69.
前記エピトープが、がん関連エピトープであり、前記投与によって、前記がん関連エピトープに特異的なT細胞の活性が選択的に増加する、態様66に記載の方法。
【0271】
態様70.
個体におけるがんの治療方法であって、
a)態様7~35のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド、または
b)態様7~35のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1つもしくは複数の組換え発現ベクター、または
c)態様7~35のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1つもしくは複数のmRNA
を有効量で前記個体に投与することを含み、
前記エピトープが、がん関連エピトープであり、前記投与が、個体におけるがんエピトープ特異的T細胞の選択的活性化に有効である、方法。
【0272】
態様71.
前記投与が、皮下投与である、態様70に記載の方法。
態様72.
前記投与が、静脈内投与である、態様70に記載の方法。
態様73.
前記投与が、腫瘍周囲への投与である、態様70に記載の方法。
【0273】
態様74.
前記投与が、全身投与である、態様70に記載の方法。
態様75.
前記投与が、治療部位から遠い位置への投与である、態様70に記載の方法。
【0274】
態様76.
前記投与が、局所投与である、態様70に記載の方法。
態様77.
前記投与が、治療部位または治療部位付近への投与である、態様70に記載の方法。
【0275】
態様78.
a)態様7~35のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド、及び
b)医薬的に許容可能な賦形剤
を含む、組成物。
【0276】
態様79.
a)態様36~53のいずれか1つに記載の核酸、または態様54に記載の組換え発現ベクター、及び
b)医薬的に許容可能な賦形剤
を含む、組成物。
【0277】
態様80.
a)
i)エピトープ、及び
ii)
図34Aに示されるアミノ酸配列を含むβ2-ミクログロブリン(β2M)ポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、
b)
i)天然起源の共刺激タンパク質の変異体であって、前記変異体が、その対応共刺激タンパク質に対する前記天然起源の共刺激タンパク質の親和性と比較して、前記対応共刺激タンパク質に対する親和性の低下を示し、前記変異体が、任意選択で、態様1~6のいずれか1つに記載の変異IL-2ポリペプチドであり得る変異体、
ii)
図34Cに示されるアミノ酸配列を含む主要組織適合抗原複合体(MHC)重鎖ポリペプチド、ならびに
iii)N297A、L234A、L235A、L234F、L235E、及びP331S(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくと、それぞれN77A、L14A、L15A、L14F、L15E、及びP111S)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むIgG1 Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、
を含む、多量体ポリペプチド。
【0278】
態様81.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、N297A置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとN77A)を含む、態様80に記載の多量体ポリペプチド。
態様82.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、L234A置換及びL235A置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとL14A及びL15A)を含む、態様80に記載の多量体ポリペプチド。
態様83.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、L234F置換及びL235E置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとL14F及びL15E)を含む、態様80に記載の多量体ポリペプチド。
【0279】
態様84.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、L234F置換、L235E置換、及びP331S(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとL14F置換、L15E置換、及びP111S置換)を含む、態様80に記載の多量体ポリペプチド。
態様85.
前記第2のポリペプチドが、前記変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む、態様80~84のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様86.
前記第1のポリペプチドが、前記エピトープと前記β2Mポリペプチドとの間にペプチドリンカーを含む、態様80~85のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
【0280】
態様87.
前記第2のポリペプチドが、
a)前記変異IL-2ポリペプチドの第1のコピーと前記変異IL-2ポリペプチドの第2のコピーとの間、
b)前記変異IL-2ポリペプチドと前記MHC重鎖ポリペプチドとの間、ならびに
c)前記MHC重鎖ポリペプチドと前記IgG1 Fcポリペプチドとの間
のうちの1つまたは複数にペプチドリンカーを含む、態様80~86のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様88.
前記ペプチドリンカーが、(GGGGS)3 、(GGGGS)4 、及びAAAGGから選択される、態様86または態様87に記載の多量体ポリペプチド。
【0281】
態様89.
a)
i)エピトープ、及び
ii)
図34Aに示されるアミノ酸配列を含むβ2-ミクログロブリンポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、
b)
i)
図34Bに示されるアミノ酸配列を含む変異IL-2ポリペプチド、
ii)
図34Cに示されるアミノ酸配列を含む主要組織適合抗原複合体(MHC)重鎖ポリペプチド、ならびに
iii)N297A、L234A、L235A、L234F、L235E、及びP331S(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくと、それぞれN77A、L14A、L15A、L14F、L15E、及びP111S)から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むIgG1 Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、
を含む、多量体ポリペプチド。
【0282】
態様90.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、N297A置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとN77A)を含む、態様89に記載の多量体ポリペプチド。
態様91.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、L234A置換及びL235A置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとL14A及びL15A)を含む、態様89に記載の多量体ポリペプチド。
態様92.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、L234F置換及びL235E置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとL14F及びL15E)を含む、態様89に記載の多量体ポリペプチド。
【0283】
態様93.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換(
図33Aに示されるアミノ酸の番号付けに基づくとL14F、L15E、及びP111S)を含む、態様89に記載の多量体ポリペプチド。
態様94.
前記第2のポリペプチドが、前記変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む、態様89~93のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様95.
前記第1のポリペプチドが、前記エピトープと前記β2Mポリペプチドとの間にペプチドリンカーを含む、態様89~94のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
【0284】
態様96.
前記第2のポリペプチドが、
a)前記変異IL-2ポリペプチドの第1のコピーと前記変異IL-2ポリペプチドの第2のコピーとの間、
b)前記変異IL-2ポリペプチドと前記MHC重鎖ポリペプチドとの間、ならびに
c)前記MHC重鎖ポリペプチドと前記IgG1 Fcポリペプチドとの間
のうちの1つまたは複数にペプチドリンカーを含む、態様89~95のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様97.
前記ペプチドリンカーが、(GGGGS)3 、(GGGGS)4 、及びAAAGGから選択される、態様95または態様96に記載の多量体ポリペプチド。
【0285】
態様98.
a)
i)YMLDLQPETTというアミノ酸配列(配列番号13)を含むエピトープ、及び
ii)
図34Aに示されるアミノ酸配列を含むβ2-ミクログロブリンポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第1のポリペプチドと、
b)
i)
図34Bに示されるアミノ酸配列を含む変異IL-2ポリペプチド、
ii)
図34Cに示されるアミノ酸配列を含む主要組織適合抗原複合体(MHC)重鎖ポリペプチド、及び
iii)
図33A、
図33B、
図33C、または
図33Dに示されるアミノ酸配列を含むIgG1 Fcポリペプチド
をN末端からC末端の順序で含む第2のポリペプチドと、
を含む、多量体ポリペプチド。
【0286】
態様99.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、
図33Bに示されるアミノ酸配列を含む、態様98に記載の多量体ポリペプチド。
態様100.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、
図33Cに示されるアミノ酸配列を含む、態様98に記載の多量体ポリペプチド。
態様101.
前記IgG1 Fcポリペプチドが、
図33Dに示されるアミノ酸配列を含む、態様98に記載の多量体ポリペプチド。
【0287】
態様102.
前記第2のポリペプチドが、前記変異IL-2ポリペプチドの2つのコピーを含む、態様98~101のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様103.
前記第1のポリペプチドが、前記エピトープと前記β2Mポリペプチドとの間にペプチドリンカーを含む、態様98~102のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
【0288】
態様104.
前記第2のポリペプチドが、
a)前記変異IL-2ポリペプチドの第1のコピーと前記変異IL-2ポリペプチドの第2のコピーとの間、
b)前記変異IL-2ポリペプチドと前記MHC重鎖ポリペプチドとの間、ならびに
c)前記MHC重鎖ポリペプチドと前記IgG1 Fcポリペプチドとの間
のうちの1つまたは複数にペプチドリンカーを含む、態様98~103のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド。
態様105.
前記ペプチドリンカーが、(GGGGS)3 、(GGGGS)4 、及びAAAGGから選択される、態様103または態様104に記載の多量体ポリペプチド。
【0289】
態様106.
a)
図31に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、及び
b)
図22に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド
を含む、多量体ポリペプチド。
態様107.
a)
図31に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、及び
b)
図25に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド
を含む、多量体ポリペプチド。
【0290】
態様108.
a)
図31に示されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、及び
b)
図28に示されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド
を含む、多量体ポリペプチド。
態様109.
a)態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド、及び
b)医薬的に許容可能な賦形剤
を含む、医薬組成物。
【0291】
態様110.
態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドの第1のポリペプチド及び/または第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたは複数の核酸。
態様111.
前記核酸(複数可)が、組換え発現ベクターに存在する、態様110に記載の1つまたは複数の核酸。
【0292】
態様112.
エピトープ特異的T細胞を選択的に活性化する方法であって、
前記T細胞と、態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドとの接触を含み、前記接触によって前記エピトープ特異的T細胞が選択的に活性化される、方法。
態様113.
前記接触が、インビトロのものである、態様112に記載の方法。
態様114.
前記接触が、インビボのものである、態様112に記載の方法。
【0293】
態様115.
a)態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチド、
b)態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1つもしくは複数の組換え発現ベクター、または
c)態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1つもしくは複数のmRNA
を有効量で個体に投与することを含む方法であって、前記投与によって前記個体においてエピトープに対するT細胞応答が誘導される、方法。
【0294】
態様116.
前記投与が、皮下投与である、態様115に記載の方法。
態様117.
前記投与が、静脈内投与である、態様115に記載の方法。
態様118.
前記投与が、全身投与である、態様115に記載の方法。
【0295】
態様119.
前記投与が、筋肉内投与である、態様115に記載の方法。
態様120.
前記投与が、治療部位から遠い位置への投与である、態様115に記載の方法。
態様121.
前記投与が、局所投与である、態様115に記載の方法。
態様122.
前記投与が、治療部位または治療部位付近への投与である、態様115に記載の方法。
【0296】
態様123.
共刺激ポリペプチドを標的T細胞に選択的に送達する方法であって、
混在T細胞集団と、態様7~35及び態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドとの接触を含み、前記混在T細胞集団が、前記標的T細胞及び非標的T細胞を含み、前記標的T細胞が、前記多量体ポリペプチド中に存在する前記エピトープに特異的であり、前記接触によって、前記多量体ポリペプチド中に存在する前記共刺激ポリペプチドが前記標的T細胞に送達される、方法。
【0297】
態様124.
IL-2またはIL-2変異体を標的T細胞に選択的に送達する方法であって、
混在T細胞集団と、態様8~35及び態様80~108のいずれか1つに記載の多量体ポリペプチドとの接触を含み、前記混在T細胞集団が、前記標的T細胞及び非標的T細胞を含み、前記標的T細胞が、前記多量体ポリペプチド中に存在する前記エピトープに特異的であり、前記接触によって、前記多量体ポリペプチド中に存在する前記IL-2またはIL-2変異体が前記標的T細胞に送達される、方法。
【0298】
態様125.
前記T細胞集団が、インビトロのものである、態様123または態様124に記載の方法。
態様126.
前記T細胞集団が、個体におけるインビボのものである、態様123または態様124に記載の方法。
態様127.
前記多量体ポリペプチドを前記個体に投与することを含む、態様126に記載の方法。
【0299】
態様128.
前記標的T細胞が、制御性T細胞である、態様123~127のいずれか1つに記載の方法。
態様129.
前記標的T細胞が、細胞傷害性T細胞である、態様123~127のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
態様130.
前記混在T細胞集団が、個体から得られたインビトロの混在T細胞集団であり、前記接触の結果、前記標的T細胞が活性化及び/または増殖し、活性化及び/または増殖した標的T細胞集団が生じる、態様123または態様124に記載の方法。
態様131.
前記活性化及び/または増殖した標的T細胞集団を前記個体に投与することをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【0301】
態様132.
個体から得られた混在T細胞集団において目的エピトープに結合する標的T細胞の存在を検出する方法であって、
a)前記混在T細胞集団と、請求項7~35及び請求項80~108のいずれか1項に記載の多量体ポリペプチドとのインビトロの接触であって、前記多量体ポリペプチドが前記目的エピトープを含む接触と、b)前記接触に応答したT細胞の活性化及び/または増殖の検出であって、T細胞の活性化及び/または増殖が前記標的T細胞の存在を示す検出と、を含む、方法。
【実施例0302】
以下の実施例は、本発明の製造方法及び使用方法を当業者に完全に開示及び説明するために提供され、本発明者らが自身の発明であると見なすものの範囲を限定することを意図せず、また、以下の実験がすべての、または唯一の実施した実験であることを示すことも意図しない。使用される数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確実にするために努力したが、いくらかの実験上の誤差及び偏差は考慮されるべきである。別段指示がない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。標準的な省略形を使用することができ、例えば、bpは塩基対(複数可)、kbはキロベース(複数可)、plはピコリットル(複数可)、sまたはsecは秒(複数可)、minは分(複数可)、hまたはhrは時間(複数可)、aaはアミノ酸(複数可)、kbはキロベース(複数可)、bpは塩基対(複数可)、ntはヌクレオチド(複数可)、kDaはキロダルトン(複数可)、i.m.は筋肉内の(筋肉内に)、i.p.は腹腔内の(腹腔内に)、s.c.は皮下の(皮下に)などである。
【0303】
実施例1:IL-2/synTacの産生
一過性に遺伝子導入された哺乳類細胞によるIL-2/synTacの産生を分析した。
図7Aに示されるように、細胞に一過性に遺伝子導入してから6~7日後、2つの異なるIL-2/synTacの産生レベル(mg/L培地)は90mg/Lを超えていた。
【0304】
哺乳類細胞によって産生したIL-2/synTacを精製し、還元処理あり及び還元処理なしでポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。結果は、
図7Bに示される。サイズは、kDaで示される。
【0305】
IL-2/synTacは、IL-2ポリペプチドが「軽鎖」(すなわち、MHCクラスI軽鎖(例えば、β2M)を含むポリペプチド)に存在するもの、またはIL-2ポリペプチドが「重鎖」(すなわち、MHCクラスI重鎖を含むポリペプチド)に存在するものを生じさせた。これらのIL-2/synTacの発現レベル及び安定性を分析した。
【0306】
これらのsynTacは、哺乳類細胞において産生させた。
図8Aに示されるように、IL-2を重鎖に含むIL-2/synTacの産生レベルは、IL-2を軽鎖に含むIL-2/synTacのレベルと比較して約25倍高かった。
【0307】
哺乳類細胞によって産生したこれらのIL-2/synTacを還元処理あり及び還元処理なしでポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、クマシーブルーでゲルを染色した。
図8Bに示されるように、IL-2を重鎖に含むIL-2/synTacの安定性は、IL-2を軽鎖に含むIL-2/synTacと比較して高かった。サイズは、kDaで示される。
【0308】
変異IL-2を含むIL-2/synTacの発現レベルを評価した。
図9は、IL-2/syn-Tacの発現レベルを示し、これらのIL-2/syn-Tacでは、IL-2は、野生型(wt)であるか、またはF42A、D20K、Q126A、E15A、Y45A、及びH16Aのさまざまな組み合わせを含む。発現レベルは、野生型IL-2を含むsynTacの発現レベルに対する変化率(%)として示される。
【0309】
IL-2/synTacにおけるIL-2のコピー数が発現レベルに与える影響を評価した。IL-2/synTacは、1つのコピー(1X)、2つのコピー(2X)、または3つのコピー(3X)を当該synTacに含むようにした。これらのさまざまなIL-2/synTacを哺乳類細胞において産生させ、発現レベルをアッセイした。データは、
図10に示される。IL-2の1つのコピーまたは2つのコピーを含むIL-2/synTacは同様の発現レベルを示した一方で、IL-2の3つのコピーを含むIL-2/synTacは低い発現レベルを示した。発現レベルは、IL-2の単一のコピーを含むIL-2/synTacの発現レベルに対する倍率変化として示される。
【0310】
実施例2:IL-2/synTacのインビトロの活性
T細胞受容体を介する標的化の特異性を最大化するためには、共刺激ポリペプチドのそのリガンドに対する親和性は、TCRに対するMHCの親和性と比較して低くあるべきである。TCRに対するペプチド/MHCの親和性は、約10μMであり得る。
【0311】
F42A置換及びH16A置換を含む変異IL-2の2つのコピーを含むIL-2/synTacを生成した。IL-2/synTacによって誘導される共刺激シグナル伝達を抗原特異的CD8+ T細胞及び非特異的CD8+ T細胞で試験した。抗原特異的CD8+T細胞及び非特異的CD8+ T細胞をさまざまな濃度のIL-2/synTacと接触させた。
【0312】
図11に示されるように、非特異的CD8
+ T細胞と比較して、抗原特異的CD8
+ T細胞においてIL-2/synTacがはるかに低い濃度で共刺激シグナル伝達を誘導した。
【0313】
IL-2/synTacの結合選択性を試験した。LCMVマウスまたはOT1マウスの脾臓からCD8+ T細胞を単離した。このCD8+ T細胞をさまざまな濃度のIL-2/synTacと共にインキュベートし、20分間結合させた。このIL-2/synTacは、IgG2aFcを含むものである。CD8+ T細胞に対するIL-2/synTacの結合は、フィコエリトリン(PE)で標識された抗IgG2a抗体を使用して検出した。フローサイトメトリーを使用してPEの蛍光を検出することでIL-2/synTacに結合した細胞のパーセントを決定した。
【0314】
図12に示されるように、IL-2/synTacは、抗原特異的な様式でLCMV CD8
+ T細胞に結合するが、OT1 CD8
+ T細胞に対しては顕著な結合を示さない。したがって、IL-2/synTacは、そのIL-2/synTacに存在するエピトープに特異的なCD8
+ T細胞に選択的に結合する。
【0315】
IL-2/synTacが標的T細胞を選択的に活性化するか否かを決定した。LCMVマウスまたはOT1マウスの脾臓からCD8+ T細胞を単離した。単一のアミノ酸置換(F42A)を含むIL-2/synTac、またはF42A置換及びH16A置換を含むIL-2/synTacを使用した。さまざまな濃度のIL-2/synTacでCD8+ T細胞を20分間刺激した。その後、PEで標識された抗リン酸化STAT5抗体で細胞を染色した。フローサイトメトリーを使用してPEの蛍光を検出することでリン酸化STAT5陽性細胞のパーセントを決定した。ここでは、リン酸化STAT5は、活性化のマーカーである。
【0316】
図13に示されるように、非特異的(BL6)CD8
+ T細胞と比較して、抗原特異的(LCMV)CD8
+ T細胞においてIL-2/synTacがはるかに低い濃度でCD8
+ 刺激(リン酸化STAT5陽性細胞の%によって示される)を誘導した。
【0317】
さまざまなIL-2/synTacの特異的な活性を分析した。IL-2の単一のコピー、IL-2の2つのコピー、またはIL-2の3つのコピーを含むIL-2/synTac(これらのIL-2には、F42A置換、D20K置換、Q126A置換、E15A置換、H16A置換、及びY45A置換をさまざまな組み合わせで含めた)を、CD8
+ 抗原特異的(LCMV)細胞またはCD8
+ 非特異的(BL6)細胞の刺激についてさまざまな濃度で試験した。リン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5(pSTAT5)の陽性パーセントを決定した。データは、
図14A~14Fに示される。
【0318】
実施例3:IL-2/synTacのインビボの活性
IL-2/synTacのインビボの活性を試験した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、組換えIL-2(rIL-2)、または本開示のIL-2/synTacを投与した後、抗原特異的CD8
+ T細胞のインビボの倍率変化を試験した。データは、
図15の左パネルに示される。このデータは、rIL-2と比較してIL-2/synTacが10倍強力であることを示す。
【0319】
IL-2/synTacのインビボの特異性を試験した。PBS、rIL-2、またはIL-2/synTacを投与した後に、抗原特異的な応答及び抗原非特異的な応答を評価した。データは、PBS、rIL-2、またはIL-2/synTacを投与した後の抗原特異的なリンパ節細胞または抗原非特異的なリンパ節細胞のパーセントとして示される。
図15の右パネルに示されるように、IL-2/synTacによって抗原特異的な応答(カルボキシフルオセインスクシンイミジルエステル(CFSE)の最大希釈に対する%(T細胞増殖の指標)として示される)が誘導された。対照的に、rIL-2によって誘導された応答は抗原特異的ではなかった。
【0320】
用量応答アッセイを実施した。IL-2/synTac(F42A、H16A)を4mg/kg、8mg/kg、及び16mg/kgの濃度で腹腔内投与した。結果は、
図16Aに示される。
図16Aに示されるように、IL-2/synTacを4mg/kgまたは8mg/kgで投与すると、同様の結果が得られ、IL-2/synTacを16mg/kgで投与すると、最も強力な免疫賦活活性が誘導された。
【0321】
IL-2/synTacの投与経路の影響を試験した。皮下(SubQ)または腹腔内(IP)にIL-2/synTac(F42A、H16A)を4mg/kgで投与した。
図16Bに示されるように、IP投与と比較して、皮下投与によってより強力な免疫賦活活性が得られた。
【0322】
IL-2のコピー数が効力に与える影響を決定した。IL-2(F42A、H16A)の単一のコピーまたはIL-2(F42A、H16A)の2つのコピーを含むIL-2/synTacを、HPV E7エピトープを有する腫瘍を有するマウスに注射した。IL-2/synTacに含めるエピトープは、HPV E7エピトープとした。
図17A及び
図17Bに示されるように、IL-2(F42A、H16A)の単一のコピーのみを含むIL-2/synTacと比較して、IL-2(F42A、H16A)の2つのコピーを含むIL-2/synTacは、腫瘍サイズを低減する上で、より有効であった。
【0323】
実施例4:IL-2/synTacのPK/PD及び安定性の試験
IL-2/synTacの薬物動態(PK)分析を実施した。IL-2/synTac(F42A、D20K、H16A)を10mg/kgで腹腔内投与した。投与後のさまざまな時点で血清試料を採取し、血清試料におけるIL-2/synTacのレベルを測定した。
図18に示されるように、IL-2/synTacの血清半減期は、約4時間であった。
【0324】
IL-2/synTacを10mg/kgでC57BL/6マウスに腹腔内注射し、注射の2時間後に血清を採取した。このIL-2/synTacは、His
6タグを含めたものである。100ngのインプットタンパク質または40μlの血清に相当するものをドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)に供し、抗(His)
6 抗体または抗β-2M抗体で探索した。結果は、
図19に示されており、この結果は、IL-2/synTacがインビボで安定かつインタクトなまま少なくとも2時間残存することを示す。
【0325】
4℃または37℃でIL-2/synTacを5日間保持した。それぞれの試料0.5mg(10mg/ml)をサイズ排除クロマトグラフィーによって分析した。
図20に示されるように、IL-2/synTacは、4℃または37℃で少なくとも5日間、安定かつインタクトである。
【0326】
実施例5:ヒトCMV特異的CD8
+ T細胞のIL-2/synTac介在性の増殖
IFN-ガンマ酵素免疫スポット(ELISPOT)アッセイを使用し、サイトメガロウイルス(CMV)-ペプチドプールに対する反応性について、ヒトドナーに由来する末梢血単核球(PBMC)をスクリーニングした。スポット形成数(SFC)によって、CMV-前駆体高頻度群、CMV-前駆体中頻度群、CMV-前駆体低頻度群、またはCMV-前駆体群なし群としてPBMCを分類した。それぞれの群のPBMCを30nM~2nMの用量範囲のIL-2/synTac(「CUE:IL-2」(H16A置換及びF42A置換を含む変異IL-2 MODの2つのコピーを含むsynTac))で刺激した。5日目に、条件培地の50パーセントを新鮮な培地と交換した。7日目に、抗体の一団で試料を染色し、フローサイトメトリーによって分析した。CMVペプチドであるNLVPMVATV(配列番号37)を標的とする五量体染色を使用することで抗原特異的CD8
+ T細胞の頻度を決定した。データは、
図35に示される。IL-2/synTacのEC
50は、約1nM~約5nMの範囲内であることが決定された。
図35は、非処理対照と比較したときの抗原特異的CD8
+ T細胞の増殖倍率を示す。X軸上の数値は、それぞれのドナーPBMCのSFC数を示す。誤差バーは、技術的に反復測定されたそれぞれのデータ点に由来する平均値+/-SD値を示す。
【0327】
図35に示されるデータは、エピトープ特異的CD8
+ T細胞の測定可能な前駆体集団(例えば、五量体染色またはSFCによって測定可能なもの)が存在する場合、そのようなエピトープ特異的CD8
+ T細胞の数を増殖させる上でIL-2/synTacが有効であることを示す。
【0328】
実施例6:H16にアミノ酸置換を有するIL-2/synTac
H16に置換を有するIL-2/synTac変異体を生成し、発現レベル及びIL-2Rに対する親和性を決定した。IL-2Rに対する親和性は、BLIを使用して決定した。データは、
図36に示される。
【0329】
実施例7:抗原特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対するIL-2/synTacの作用
変異IL-2/synTacを、ヒト対象に由来する初代CD8
+ T細胞と接触させた。この変異IL-2/synTacは、i)エピトープ提示ペプチドとしてのHPV16 E7(11~20)(YMLDLQPETT(配列番号13))と、ii)H16A置換及びF42A置換を含む変異IL-2 MODの2つのコピーと、を含むものである。HPV16 E7(11~20)に特異的なCD8
+ T細胞またはバルクのCD8
+ T細胞に対する上記の変異IL-2/synTacの結合を評価した。データは、
図37に示される。
【0330】
図37は、HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する本開示の変異IL-2/synTacの結合をフローサイトメトリーによって検出したものを示す。HPV16 E7(11~20)特異的CD8
+ T細胞に対する結合のEC
50は2.6nMであった。したがって、変異IL-2/synTacは、腫瘍抗原特異的初代ヒトT細胞との高親和性相互作用を示した。結合は、非標的(バルク)CD8
+ T細胞に対する結合と比較して、抗原特異的T細胞に高度に選択的であった。
【0331】
HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がT細胞受容体(TCR)近位マーカーであるSLP76のリン酸化に与える影響を評価した。データは、
図38に示される。
【0332】
図38は、HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がSLP76のリン酸化に与える影響を示す。HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に変異IL-2/synTacが結合すると、SLP76のリン酸化が急速に増加した。この作用は強力であった(EC
50=65nM)。HPV16 E7(11~20)の代わりにCMVペプチドを含む対照IL-2/synTacで生じたSLP76のリン酸化が低レベルなものにすぎなかったことから、上記の作用は選択的でもあった。
【0333】
T細胞の活性化及び細胞溶解活性の主要マーカーを評価した。0nMまたは100nMの変異IL-2/synTacと共にHPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトT細胞を2日間インキュベートした。この変異IL-2/synTacは、i)エピトープ提示ペプチドとしてのHPV16 E7(11~20)と、ii)H16A置換及びF42A置換を含む変異IL-2 MODの2つのコピーとを含むものである。i)CD25(CD8
+ T細胞活性化のマーカー)と、ii)グランザイムB(顆粒介在性経路を介する標的細胞死の重要メディエーター)と、iii)CD107α(CD8
+T細胞に存在する脱顆粒マーカー)との産生を評価した。データは、
図39に示される。
【0334】
図39は、HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトT細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がCD25、グランザイムB、及びCD107αの産生に与える影響を示す。データは、HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトT細胞に変異IL-2/synTacが結合することで、細胞溶解性エフェクター細胞へのT細胞の分化が誘導されることを示しており、このことは、CD25、グランザイムB、及びCD107αの発現増加によって証拠付けられる。
【0335】
HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がIFN-γの産生に与える影響を評価した。ELISpotアッセイを使用することでIFN-γの産生を検出した。データは、
図40に示される。
【0336】
図40は、HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に対する変異IL-2/synTacの結合がIFN-γの産生に与える影響を示す。データは、HPV16 E7(11~20)特異的初代ヒトCD8
+ T細胞に変異IL-2/synTacが結合すると、IFN-γが用量依存的に分泌されることを示す。HPV16 E7(11~20)の代わりにCMVペプチドを含む対照IL-2/synTacではIFN-γの産生は全く観測されなかった。
【0337】
本発明をその特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、均等物で置換することができることを当業者は理解されたい。さらに、特定の状況、材料、物質の組成物、方法、方法のステップ(複数可)を本発明の目的、趣旨及び範囲に適合させるために、多くの修正を行うことができる。すべてのそのような修正は、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【0338】
相互参照
本出願は、2016年12月22日出願の米国仮特許出願第62/438,272号、2017年3月13日出願の米国仮特許出願第62/470,774号、2017年9月7日出願の米国仮特許出願第62/555,435号、及び2017年11月6日出願の米国仮特許出願第62/582,132号の利益を主張し、これらの出願はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0339】
テキストファイルとして提供される配列表の参照による援用
2017年11月14日に作成された、サイズが153KBのテキストファイルである「CUEB-107WO_SEQ_LISTING_171133_ST25.txt」として、本明細書と共に配列表が提供される。このテキストファイルの内容は、その全体が参照によって本明細書に援用される。