(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027368
(43)【公開日】2023-03-01
(54)【発明の名称】ハンドヘルドモバイル光源
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20230221BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20230221BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230221BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20230221BHJP
G02B 23/26 20060101ALN20230221BHJP
【FI】
A61B1/06 511
A61B1/12 542
A61B1/00 718
A61B1/07 731
G02B23/26 B
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022206494
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2018542993の分割
【原出願日】2016-10-28
(31)【優先権主張番号】62/247,456
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/247,454
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/247,451
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518150541
【氏名又は名称】アセラ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルート,トーマス・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】デービス,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,マイケル・エス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,カールトン
(72)【発明者】
【氏名】レオ,デービッド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療用および工業用装置に光を提供するために使用する強化された照明システムを提供する。
【解決手段】ハンドヘルド照明システム2000は近位末端PEから遠位末端DEへ延びるハンドヘルドハウジング2001、および少なくとも一部がハウジング内に配置された光モジュールを含む。ハンドヘルド照明システムはさらに、ハウジングに結合され(すなわち少なくとも一部がハウジング内に配置され)、そして光モジュールに電力を供給するために該光モジュールに電気的に結合している(例えば一対の導線を通して)取り出し可能かつ交換可能な電力モジュールを含む。光モジュールからの光強度は、電力モジュール上のノブから制御することができる。種々のアダプターが、照明システムを多くの医療用、工業用、歯学用または獣医学用内視鏡または他の用具に結合することを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド照明システムであって:
近位末端から遠位末端へ延びるハンドヘルドハウジングと、
該ハウジング内に取り出し可能かつ交換可能に配置され、そして光を生じるための少なくとも光源を有する光モジュールと、
前記ハウジング内に配置され、そして前記光モジュールに電力を供給するためにそれに電気的に結合している電力モジュールとを含み、
前記光モジュールは、光ガイドが光モジュールにより生じる光を受けるように、光モジュールを光ガイドに結合するためにハウジングの該遠位末端に配置されたアダプターを有する、
システム。
【請求項2】
前記アダプターは取り出し可能で、しかも交換可能である、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項3】
前記ハンドヘルドハウジングは、光モジュールおよび電力モジュールの少なくとも一つにより生じる熱を、外部環境へ移すことを促進する波形外面を含む、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項4】
前記電力モジュールは、前記光モジュールにより生じる光の強度の調整を可能にする請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項5】
前記光ガイドが光ファイバーを含む、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項6】
前記光モジュールは、光モジュールを前記電力モジュールに電気的に接続するために、前記ハウジングの内壁に突出している一対の電気コネクターを含む、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記光モジュールを受けるために前記内壁から前記遠位末端に延びる第1エンクロージャーを含む、請求項6に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項8】
前記ハウジングはさらに、前記電力モジュールを受けるために前記内壁から前記近位末端に延びる第2エンクロージャーを含む、請求項7に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項9】
前記電力モジュールが回転可能な外殻を含み、殻の回転が前記光モジュールにより生じる光の強度を調整する、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記電力モジュールを該ハウジングに錠締めするために、前記外殻の端に係合するための保持溝を含む、請求項9に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項11】
前記殻の回転が前記電位差計の抵抗に変化を生じ、これにより光モジュールにより生じた光の強度を調整するように、前記電力モジュールは、前記光源に電気的に結合し、そして前記回転可能な殻に機械的に結合した調整可能な電位差計を含む、請求項9に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項12】
前記ハウジングは熱伝導性材料を含む、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項13】
前記ハウジングはアルミニウムを含む、請求項11に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項14】
前記光モジュールは:
近位末端から遠位末端に延びる中空チャンバーと、
該中空チャンバー内に位置するレンズと、
少なくとも一つのスリーブと、
レンズを出る光が光モジュールを出る前にウインドを通過するように、前記中空チャンバー内に配置され、そしてレンズの該出力面に光学的に結合した光学ウインドとを含み、そして
光を前記レンズの該入力面に提供するために、光源が前記中空チャンバーに前記遠位末端で結合され、
前記レンズは光源から光を受ける入力面、および光がレンズを通って出る出力面を備えたレンズ本体を有し、該レンズはさらに該レンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラーを含み、
前記レンズに機械的支持を提供するために、前記カラ―に接して前記中空チャンバー内に配置される、
請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項15】
前記光源は発光ダイオード(LED)を含む、請求項14に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項16】
前記ウインドはサファイアウインド、石英ウインドおよびガラスウインドのいずれかを含む、請求項14に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項17】
前記中空チャンバーの遠位末端に配置された複数の外部ネジ山をさらに含む、請求項16に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項18】
前記中空チャンバーの遠位末端に脱着可能に結合するために適合した保持ウインドをさらに含む、請求項17に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項19】
前記保持ウインドは、中空チャンバーの遠位末端で前記外部ネジ山との係合に適合する複数の内部ネジ山を含む、請求項18に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項20】
前記保持ウインドは、光モジュールを光ガイドに結合するためのアダプターに結合するための開口部を含む、請求項19に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項21】
前記光学ウインドと前記保持ウインドとの間に配置されたワッシャーをさらに含む、請求項20に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項22】
上にLEDが配置されるプリント回路基板をさらに含む、請求項21に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項23】
前記基板は、電力を前記電力モジュールから前記LEDに適用するために複数の導線を含む、請求項22に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項24】
前記中空チャンバーの遠位末端に結合されたプレートをさらに含み、該プレートは前記電力モジュールに結合するために前記導線が通って延びる複数の開口部を有する、請求項23に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項25】
前記少なくとも一つのスリーブが、前記カラ―の反対側に配置された一対のスリーブを含む、請求項24に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項26】
前記レンズは:
前記入力面を有する近位セクションおよび前記出力面を有する遠位セクションを含むレンズ本体を含み、
前記近位セクションがさらに:
遠位セクションに向けられた少なくとも一部の光が、前記出力面を通ってレンズ本体を出るように、前記入力面を介してレンズ本体に入る少なくとも一部の光を受け、そして該受けた光の少なくとも幾らかを全内反射を介して前記遠位セクションに向ける実質的に楕円形の外周面を含む、請求項14に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項27】
前記外周楕円面は、近位焦点および遠位焦点により特徴付けられ、そして該遠位焦点がレンズ本体の前記遠位セクション内に位置するように形成される、請求項26に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項28】
楕円面での反射を介して前記遠位焦点で受けた光が、前記出力面により囲まれる立体角内の該出力面に向けて放射状に広がるように、前記遠位焦点が前記出力面下で少し離れて位置する、請求項27に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項29】
前記楕円面が前記光源により発光される少なくとも一部の光を、前記近位焦点から前記遠位焦点へ移すように、前記楕円面の前記近位焦点が前記光源に実質的に位置する、請求項28に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項30】
前記入力面は中央凸部および該中央凸部を囲む外周部を含む、請求項29に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項31】
前記入力面が少なくとも部分的に光源を受けるように構成された孔の面を形成する、請求項30に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項32】
前記楕円面の近位焦点は前記孔内に配置される、請求項31に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項33】
前記外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部が、反射されることになる前記外周楕円面に広がるように前記入力面の外周部が形成される、請求項32に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項34】
前記外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも約80%が、レンズ本体の前記外周面に広がるように前記入力面の外周部が形成される、請求項33に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項35】
前記凸部は約50~約300Dの範囲の正の屈折力を特徴とする、請求項34に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項36】
前記凸部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部が前記出力面に広がる、請求項35に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項37】
前記凸部を介して前記レンズ本体に入る光が、前記外周面を打たずに前記出力面に広がるように該凸部が構成されている、請求項36に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項38】
前記入力面の外周部が、近位凹区分および遠位凸区分を含む、請求項37に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項39】
前記入力面は、前記光源により発光される光の少なくとも約80%を捕捉するように構成される、請求項38に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項40】
前記入力面は、前記光源により発光される光の少なくとも約90%を捕捉するように構成される、請求項39に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項41】
前記近位セクションおよび前記遠位セクションは、前記レンズ本体の光軸に配置される、請求項40に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項42】
前記出力面は実質的に平らである、請求項41に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項43】
前記出力面は前記光軸に対して実質的に直交する、請求項41に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項44】
前記カラ―は前記近位セクションと前記遠位セクションとの間の境界に配置される、請求項43に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項45】
前記レンズ本体がポリマー材料を含む、請求項26に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項46】
前記ポリマー材料は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)および高密度ポリエチレンのいずれかである、請求項45に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項47】
前記電力モジュールは電池式である、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項48】
前記電力モジュールはAC線間電力により動く、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項49】
内視鏡システムであって:
少なくとも部分的に被験者に挿入される形状の光ガイドと、
光を該光ガイドに提供するために光ガイドに結合したハンドヘルド照明システムと、
を含み、該ハンドヘルド照明システムが、
近位末端から遠位末端へ延びるハンドヘルドハウジングと、
該ハウジング内に配置され、そして光を生じるための少なくとも一つの光源を有する光モジュールと、
前記ハウジング内に配置され、そして該光モジュールに電力を供給するために電気的にそれに結合している電力モジュールと
を含み、
前記光モジュールは、光ガイドが光モジュールにより生じた光を受けるように光モジュールを該光ガイドに結合するために、ハウジングの該遠位末端に配置されたアダプターを有する
内視鏡システム。
【請求項50】
前記アダプターは取り出し可能で、しかも交換可能である、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項51】
前記ハンドヘルドハウジングは、光モジュールおよび電力モジュールの少なくとも一つにより生じる熱を、外部環境へ移すことを促進する波形外面を含む、請求項49に記載の
ハンドヘルド照明システム。
【請求項52】
前記電力モジュールは、前記光モジュールにより生じる光の強度の調整を可能にする、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項53】
前記光ガイドは光ファイバーを含む、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項54】
前記光モジュールは、光モジュールを前記電力モジュールに電気的に接続するために、前記ハウジングの内壁に突出している一対の電気コネクターを含む、請求項49にハンドヘルド照明システム。
【請求項55】
前記ハウジングは、前記光モジュールを受けるために前記内壁から前記遠位末端に延びる第1エンクロージャーを含む、請求項54に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項56】
前記ハウジングはさらに、前記電力モジュールを受けるために前記内壁から前記近位末端に延びる第2エンクロージャーを含む請求項55に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項57】
前記電力モジュールは回転可能な外殻を含み、殻の回転が前記光モジュールにより生じる光の強度を調整する、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項58】
前記ハウジングは、前記電力モジュールを前記ハウジングに錠締めするために、前記外殻の端に係合するための保持溝を含む、請求項57に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項59】
殻の回転が前記電位差計の抵抗に変化を生じ、これにより光モジュールにより生じた光の強度を調整するように、前記電力モジュールが前記光源に電気的に結合し、そして前記回転可能な殻に機械的に結合した調整可能な電位差計を含む、請求項57に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項60】
前記ハウジングは熱伝導性材料を含む、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項61】
前記ハウジングはアルミニウムを含む、請求項60に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項62】
前記光モジュールは:
近位末端から遠位末端に延びる中空チャンバーと、
該中空チャンバー内に位置するレンズと、
少なくとも一つのスリーブと、
ウインドと
を含み、そして
光を前記レンズの入力面に提供するために、光源が前記中空チャンバーに前記遠位末端で結合され、
該レンズは光源から光を受ける入力面、および光がレンズを通って出る出力面を備えたレンズ本体を有し、該レンズはさらに該レンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラーを含み、
前記レンズに機械的支持を提供するために、前記カラ―に接して前記中空チャンバー内に配置され、
レンズを出る光が光モジュールを出る前にウインドを通過するように、前記中空チャンバー内に配置され、そしてレンズの前記出力面に光学的に結合する、
請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項63】
前記光源は発光ダイオード(LED)を含む、請求項62に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項64】
前記ウインドはサファイアウインド(ウインド用の他の材料の選択肢)のいずれかを含む、請求項63に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項65】
前記中空チャンバーの遠位末端に配置された複数の外部ネジ山をさらに含む、請求項64に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項66】
前記中空チャンバーの遠位末端に脱着可能に結合するために適合したリングをさらに含む、請求項65に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項67】
前記リングは、中空チャンバーの遠位末端で前記外部ネジ山との係合に適合する複数の内部ネジ山を含む、請求項66に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項68】
前記リングは、光ガイドに結合するために構成されたアダプターに結合するための開口部を含む、請求項67に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項69】
前記光学ウインドと前記リングとの間に配置されたワッシャーをさらに含む、請求項68に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項70】
LEDが配置されるプリント回路基板をさらに含む、請求項69に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項71】
前記基板は、電力を前記LEDに適用するために複数の導線を含む、請求項70に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項72】
前記中空チャンバーの遠位末端に結合されたプレートをさらに含み、該プレートは前記電力モジュールに結合するために前記導線が通って延びる複数の開口部を有する、請求項71に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項73】
前記少なくとも一つのスリーブは、前記カラ―の反対側に配置された一対のスリーブを含む、請求項72記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項74】
前記レンズは:
前記入力面を有する近位セクションおよび前記出力面を有する遠位セクションを含むレンズ本体を含み、該近位セクションがさらに:
遠位セクションに向けられた少なくとも一部の光が、前記出力面を通ってレンズ本体を出るように、前記内面を介してレンズ本体に入る少なくとも一部の光を受け、そして該受けた光の少なくとも幾らかを全内反射を介して前記遠位セクションに向ける実質的に楕円形の外周面を含む、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項75】
前記外周楕円面は、近位焦点および遠位焦点により特徴付けられ、そして該遠位焦点がレンズ本体の前記遠位セクション内に位置するように形成される、請求項74に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項76】
楕円面での反射を介して前記遠位焦点で受けた光が、前記出力面により囲まれる立体角内の該出力面に向けて放射状に広がるように、前記遠位焦点が前記出力面下で少し離れて位置する、請求項75に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項77】
前記楕円面は前記光源により発光される少なくとも一部の光を、前記近位焦点から前記遠位焦点へ移すように、該楕円面の該近位焦点が該光源に実質的に位置する、請求項76に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項78】
前記入力面が中央凸部および該中央凸部を囲む外周部を含む、請求項77に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項79】
前記入力面は少なくとも部分的に光源を受けるように構成された孔の面を形成する、請求項78に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項80】
前記楕円面の近位焦点が前記孔内に配置される、請求項79に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項81】
前記外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部が、反射されることになる前記外周楕円面に広がるように前記入力面の外周部が形成される、請求項80に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項82】
前記外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも約8%が、レンズ本体の前記外周面に広がるように前記入力面の外周部が形成される、請求項81に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項83】
前記凸部は約50D~約300Dの範囲の正の屈折力を特徴とする、請求項82に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項84】
前記凸部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部が前記出力面に広がる、請求項83に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項85】
前記凸部を介して前記レンズ本体に入る光が、前記外周面を打たずに前記出力面に広がるように該凸部が構成される、請求項84に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項86】
前記入力面の外周部が、近位凹区分および遠位凸区分を含む、請求項85に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項87】
前記入力面は、前記光源により発光される光の少なくとも約80%を捕捉するように構成される、請求項88に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項88】
前記入力面は、前記光源により発光される光の少なくとも約90%を捕捉するように構成される、請求項87に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項89】
前記近位セクションおよび前記遠位セクションは、前記レンズ本体の光軸に配置される、請求項88に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項90】
前記出力面が実質的に平らである、請求項89に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項91】
前記出力面は前記光軸に対して実質的に直交する、請求項90に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項92】
前記カラ―は前記近位セクションと前記遠位セクションとの間の境界に配置される、請求項91に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項93】
前記レンズ本体はポリマー材料を含む、請求項74に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項94】
前記ポリマー材料は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネートおよび高密度ポリエチレンのいずれかである、請求項93に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項95】
前記電力モジュールは電池式である、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項96】
前記電力モジュールはAC線間電力により動く、請求項49に記載のハンドヘルド照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年10月28日に出願された出願番号第62/247,456号を有する「ハンドヘルドモバイル光源(Handheld mobile light source)」という表題の仮特許出願、および2015年10月28日に出願された出願番号第62/247,454号を有する「高出力LED用の埋め込み可能モジュール(Embeddable module for high output LED)」という表題の仮特許出願、および2015年10月28日に出願された出願番号第62/247,451号を有する「高出力LED用の楕円形光学レンズ(Elliptical optical lens for high output LED)」という表題の仮特許出願の優先権を主張し、これらはそれぞれ引用により全部、本明細書に編入する。
【0002】
本出願はまた、本出願と同時に出願され、引用によりそれらの全部を編入する「高出力LED用の埋め込み可能なモジュール」および「高出力LED用の楕円形光学レンズ)」という表題の実用出願に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本発明は一般に、医療用および工業用内視鏡のような種々の装置に機械的に結合して高強度、低発熱光を提供することができるハンドヘルド照明システム(handheld lighting system)に関する。
【0004】
小さな閉鎖領域で作動する多くの装置が、操作するための光源を必要とする。例えば腹腔鏡および内視鏡的手法は、皮膚の小さい切開または自然な身体開口部を通して行われる。内部領域を操作または見るために、医療専門家は、これらの小さい開口部内にぴったり合うが、体内の内部領域に届くために十分な長さの小さく細長い遠位部分を有する内視鏡を使用する。これら用具には、近づくことが困難な身体内の領域に届くために、正確かつ精密な動きを提供することが必要となる。内視鏡の遠位作業末端は通常、医療専門家が施術している間、身体内の内部領域を見ることができるようにする小さいカメラを含む。内視鏡のカメラおよび作業末端には、医療専門家が内部領域を見ることができるように十分に遠隔制御された照明がなければならい。幾つかの内視鏡では、患者の身体の外側に位置するカメラが光ガイド(light guide)を介して照らされた内部領域から反射された放射線を受け、そして医療専門家が観察する領域の画像を形成することができる。
【0005】
多くの通常の光源は電力を光に変換することが非効率的であるので、外部電源に接続しなければならず、それらの移動範囲を限定する。発光ダイオード(LED)は大量の熱を生じることなく光を生じることができるが、一般にそれらは内視鏡システムのような様々な応用に有用となるために十分な照明を生じることができない。たとえ多数のLEDを使用しても、多くの従来のシステムではLEDにより生じた光を装置の光ガイドへ非効率的に結合し、不十分な照明強度をもたらすことになる。
【0006】
したがって強化された照明システムに関する必要性、そして特に様々な医療用および工業用装置に光を提供するために使用することができるようなシステムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
一つの態様では、ハンドヘルド照明システムが開示され、これは近位末端から遠位末端
へ延びるハンドヘルドハウジング、および少なくとも一部がハウジング内に配置された取り出し可能かつ交換可能な光モジュールを含む。ハンドヘルド照明システムはさらに、ハウジングに結合され(すなわち少なくとも一部がハウジング内に配置されている)、そしてそれに電力を供給するために、例えば一対の導線を通して光モジュールに電気的に結合する電力モジュールを含む。
【0008】
光モジュールはさらに、光モジュールからの光をそれらの光ガイド(1もしくは複数)に提供するために、1もしくは複数の光ガイド、例えば1もしくは複数の光ファイバーを有する装置に照明システムを結合するために、ハウジングの遠位末端に配置されたアダプターを含み、光ガイドは次いで光をその照明するための視野へと移すことができる。幾つかの態様では、アダプターは取り出し可能かつ交換可能である。
【0009】
幾つかの態様では、ハンドヘルドハウジングは熱伝導性材料、例えばアルミニウムのような金属で形成された少なくとも一部を含む。幾つかのそのような態様では、熱伝導性部分が光モジュールおよび/または電力モジュールにより生じる熱を、外部環境へ移すことを促進する波形外面を含む。そのような幾つかの態様では、波形外面がその表面積を上げる複数のハネ(fin)を含み、これによりその面を通る熱の消散を強化する。そのような幾つかの態様では、ハネが長軸方向に延び、そして約1/8インチ~約1/6インチの範囲の高さを有する。
【0010】
幾つかの態様では、電力モジュールが、光モジュールにより生じる光の強度の調整を可能にする。幾つかの態様では、光モジュールは光モジュールを電力モジュールに電気的に接続するために、ハウジングの内壁に突出している一対の電気コネクター(リード:lead)を含む。
【0011】
幾つかの態様では、ハウジングが、光モジュールを受けるためにハウジングの遠位末端からその内壁に延びる第1エンクロージャー(enclosure)、および電力モジュールを受けるためにハウジングの内壁から近位末端に延びる第2ハウジングを含む。
【0012】
幾つかの態様では、回転可能な殻の回転が電力モジュールにより供給される電力で光モジュールを調整し、これにより光モジュールにより生じる光の強度を変化させるように、ハウジングは電力モジュールに結合された回転可能な殻を含む。そのような幾つかの態様では、ハウジングは回転可能な殻が結合するヒートシンク部分を含む。例として回転可能な殻はヒートシンク部分の内壁に備えられた保持溝(retaining groove)内で係合できるばね懸架式ボールを含む場合がある。例として、殻の回転が電位差計の抵抗に変化を生じ、これにより光モジュールにより生じる光の強度を調整するように、電力モジュールは、光モジュールの光源に電気的に結合し、そして該回転可能な殻に機械的に結合した調整可能な電位差計を含むことができる。
【0013】
幾つかの態様では、光モジュールが、近位末端から遠位末端に延びている中空チャンバー、中空チャンバー内に取り出し可能かつ交換可能に位置するレンズを含み、レンズは光源(例えばLED)からの光を受ける入力面(input surface)、および光がレンズを通って出る出力面(output surface)を含むレンズ本体を有し、該レンズはさらに該レンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラー(collar)を含む。
【0014】
光モジュールはさらに、レンズに機械的支持を提供するために、レンズカラ―に接して中空チャンバー内に配置された少なくとも一つのスリーブ、およびレンズを出る光が光モジュールを出る前に光学ウインドを通過するように、中空チャンバー内に配置され、そしてレンズの前記出力面に光学的に結合した光学ウインドを含むことができる。光源は、光
をレンズの前記入力面に提供するために、中空チャンバーの近位末端でそれに結合することができる。光学ウインドはサファイアウインド、石英ウインド、ガラス等のような任意の適切な材料から形成することができる。
【0015】
上記光モジュールの幾つかの態様では、保持ウインドは例えば中空チャンバーの遠位末端でそれぞれのネジ山と係合している複数のネジ山を介して、中空チャンバーの遠位末端に脱着可能に結合することができる。保持ウインドはアダプターに結合するための開口部を有することができ、これは次に光モジュールからの光を光ガイドに送達するように、光ガイドに結合することができる。
【0016】
幾つかの態様では、ガスケットが光学ウインドと保持ウインドとの間に配置されることができる。
【0017】
光モジュールはさらに、光源が取り付けられるプリント回路(PC)基板を含むことができる。PC基板は、電力を光源に適用するために、そして任意にその操作を制御するために複数の導線を含むことができる。
【0018】
プレートは光モジュールのハウジングの遠位末端に結合されることができ、ここでプレートは照明システムの電力モジュールに結合するために、照明モジュールの導線が通って延びることができる複数の開口部を有することができる。
【0019】
幾つかの態様では、光モジュールはそのハウジング内にレンズを保持するためのショルダーを含むことができる。例えば光モジュールは、レンズをPC基板上に支持する少なくとも一つのスリーブを含むことができる。幾つかの態様では、一対のスリーブがレンズカラ―の反対側に配置され、ここで一つのスリーブがレンズをPC基板上に支持し、そしてもう一つのスリーブが光学的ウインドをレンズ上に支持する。
【0020】
複数の異なるレンズを光モジュールに使用することができる。例としてレンズは、前記入力面を有する近位セクション(proximal section)および前記出力面を有する遠位セクション(distal section)を備えているレンズ本体を含むことができる。近位セクションは、遠位セクションに向けられた光の少なくとも一部が前記出力面を通ってレンズ本体から出るように、前記入力面を通ってレンズ本体に入る少なくとも一部の光を受け、そして該受けた光の少なくとも幾らかを全内反射を介して前記遠位セクションに向ける実質的に楕円形の外周面(elliptical peripheral surface)を含むことができる。外周楕円面は、近位焦点および遠位焦点により特徴付けられる。幾つかの態様では、遠位焦点がレンズ本体に対して外側、例えばレンズの出力面上で少し離れて位置するように外周面が形成される。他の態様では、遠位焦点はレンズ本体内、例えば出力面下または出力面に位置することができる。さらに幾つかの態様では、楕円面が光源により発光された光の少なくとも一部を近位焦点から遠位焦点に移すように、近位焦点は実質的に光源に、または光源の近傍に配置される。多くの態様で、焦点はレンズの光軸上、例えばレンズ本体が回転的に対称となる軸に配置される。
【0021】
幾つかの態様では、入力面が中央凸部(central convex portion)および該中央凸部を囲む外周部を含む。そのような態様では、入力面が少なくとも部分的に光源を受けるように構成された孔の面を形成することができる。幾つかのそのような態様では、近位焦点が入力孔に位置することができる。
【0022】
幾つかの態様では、入力面の外周部が近位凹区分(proximal concave
segment)および遠位凸区分(distal convex segment)
を含む場合がある。
【0023】
幾つかの態様では、前記外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部が、それにより反射される前記外周楕円面に広がるように、入力面の外周部が形成される。入力面の外周部は、該外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%(そして好ましくは100%)が、それにより反射されるレンズ本体の外周面に広がるように形成される。
【0024】
幾つかの態様では、入力面の凸部が約50D~約300Dの範囲の正の屈折力(positive optical power)を現すことができる。幾つかのそのような態様では、前記凸部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部が、外周面を打つことなく出力面に広がる。
【0025】
幾つかの態様では、レンズの入力面が光源により発光される光エネルギーの少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%(そして好ましくは100%)を捕捉するように構成される。幾つかの態様では、レンズが光源により発光される光エネルギーを光源からその出力面に、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%の効率で移す。
【0026】
幾つかの態様では、照明システムの光モジュールは、光源により発光される光を照明システムが結合する装置の光ガイドに、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%の効率で結合する。
【0027】
幾つかの態様では、レンズの出力面が実質的に平らであり、そしてレンズの光軸に直交している。
【0028】
レンズは種々の異なる材料、例えばポリマー材料、またはガラスで形成することができる。適切な材料の幾つかの例には限定するわけではないが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、およびシリコーンがある。
【0029】
幾つかの態様では、照明システムの電力モジュールは電池式であることができ、そして他の態様では、電力モジュールはAC線間電圧を受けることができ、そしてその電圧を光源に適用するために適するDC電圧に変換することができる。
【0030】
幾つかの態様では、ハンドヘルド照明システムは光モジュールを含むことができ、これは近位末端から遠位末端に延びている中空チャンバー、該中空チャンバー内に位置するレンズを含み、該レンズは光源から光を受ける入力面、および光がレンズを通って出る出力面を備えたレンズ本体を有し、前記レンズはさらに前記レンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラーをさらに含む。光モジュールは、さらに前記カラ―が設置される少なくとも一つのショルダー、光をレンズの前記入力面に提供するために前記遠位末端で前記中空チャンバーに結合する光源を含むことができる。幾つかの態様では、レンズに座を提供しているショルダーは、中空チャンバー内に配置されたスリーブの状態であることができる。他の態様では、ショルダーはチャンバーの内壁から延びる突起の形態であることができる。
【0031】
上記の光モジュールでは、レンズはさらに入力面を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部を受け、そして受けた光を全内反射を介してレンズの出力面に向けるための外周面を含む場合がある。そのような幾つかの態様では、外周面は入力焦点および出力焦点により特徴付けられる先端を切った楕円形を有する場合がある。
【0032】
幾つかの態様では、照明システムのハウジングは光モジュールおよび電力モジュールの少なくとも一つにより生じる熱を、外部環境へ移すことを促進する波形外面を含む場合がある。例として波形面はその表面積を強化するためにハウジングの外面に配置された複数のハネを含む場合があり、これにより熱の周辺環境への消散を促進する。
【0033】
関連する態様では内視鏡システムが開示され、これは少なくとも部分的に被験者に挿入されることになると構成される光ガイド、光をそこに提供するために該光ガイドに光学的結合したハンドヘルド照明システムを含む。ハンドヘルド照明システムは、
近位末端から遠位末端へ延びるハンドヘルドハウジング、該ハウジング内に配置され、そして光を生じるための少なくとも一つの光源を有する光モジュール、および前記ハウジング内に配置され、そして該光モジュールに電気的に結合してそれに電力を供給するための電力モジュールを含む場合がある。
【0034】
幾つかの態様では、光モジュールは照明システムのハウジング内に取り出し可能かつ交換可能に配置される場合がある。
【0035】
光モジュールを含む上記内視鏡の照明システムは、上に考察した方法で実施する場合がある。
【0036】
関連する態様では装置が開示され、これは少なくとも一つの光ガイドを収容している本体、および光を光ガイドに提供するために光ガイドに光学的に結合するように本体に機械的に結合するハンドヘルド照明システムを含む。ハンドヘルド照明システムは、装置の光ガイドに送達されることになる光を生じるために、取り出し可能かつ交換可能な光モジュールを含む場合がある。光モジュールを含むハンドヘルド照明システムは、上で考察した方法で実施する場合がある。幾つかの態様では、装置は内視鏡、照明される外科用具、例えば外科用へッドライト、ビデオカメラ、開創器または検鏡のいずれかである場合がある。
【0037】
本発明の様々な態様のさらなる理解は、以下に簡単に説明する図面と一緒に、以下の詳細な説明を参照することにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本教示の態様によるハンドヘルド照明システムの概略斜視図である。
【
図2A】
図1に表したハンドヘルド照明システムの断面図である。
【
図2B】光モジュールを取り出し可能かつ交換可能に受けるために、照明システムの遠位末端に提供された孔、および光を装置に供給するために照明システムを装置に結合するためのアダプターの部分断面図である。
【
図3】
図1に表したハンドヘルド照明システムの概略分解斜視図である。
【
図4】別のハンドヘルド照明システムの分解図である。
【
図5A】本教示によるハンドヘルド照明システムを使用するために適する光モジュールの斜視分解図である。
【
図6】本教示の態様によるハンドヘルド照明システムの電力モジュールの分解図であり、様々な構成要素を表している。
【
図7】照明システムで使用されるLEDの強度を調整するために、電力モジュールの例示的回路図である。
【
図8A】本教示による照明システムが視野を照らす光を提供する態様による内視鏡の断面図である。
【
図9】本教示による照明システムを有する態様による内視鏡の斜視図であり、ここで照明システムはAC線間電圧を受ける。
【
図10A】本教示の照明システムに使用できる別の光モジュールの断面図である。
【
図11】別の態様による光モジュールの上部斜視図である。
【
図12】
図11に表した光モジュールの別の上部斜視図である。
【
図18】レンズを保持するように構成された光モジュールのハウジング部分の上部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
発明の詳細な説明
本発明は一般に、光源(典型的にはLED)により発光される光を光ガイド(例えば光ファイバー)に効率的に移すことができるハンドヘルドイルミネーション(illumination)システム(本明細書ではハンドヘルド照明システムとも呼ぶ)に関する。幾つかの態様では、イルミネーションシステムは、LEDにより発光される光を光ガイドに、約30%より高い、または約40%より高い、または約50%より高い、または約60%より高い、または約70%より高い、または約80%より高い、または約90%より高い、または約95%より高い効率で移すことができる。イルミネーションシステムは光を生じるための取り出し可能かつ交換可能な光モジュール、および電力を光モジュールならびにその操作の制御に供給するための電力モジュールを含む。上で検討したように、本教示によるハンドヘルドイルミネーションシステムは、様々な異なる医療用および工業用装置に結合してそれに光を提供することができる。多くの態様では、システムのハウジングの少なくとも一部が、ヒートシンクとして機能して、光または電力モジュールのいずれかにより生じる熱を効率的に消散する。以下でさらに詳細に検討するように、ハンドヘルドイルミネーシシステムは、広い角拡散(例えば約180度の拡角)にわたって光源(例えばLED)により発光される光を集め、そしてそれをレンズに実質的により小さい角拡散に収束して、その光を装置(例えば内視鏡)の光ガイドに効率的に結合することができる。さらに幾つかの態様では、本教示によるハンドヘルドイルミネーシシステムにより生じる出力光は、角度をわたって高い色の均一性(high color-over-angle uniformity)を現すことができる。本教示による様々な態様のハンドヘルド照明システムを以下に検討する。
【0040】
様々な用語は、本明細書では当該技術でそれらの通例の意味と一致して使用する。さらに説明の例として幾つかの用語を以下に定義する:
用語「屈折力(optical power)」は本明細書では当該技術でその通例の意味と一致して使用し、光学素子または面が入射光を収束または広げる程度を称し、そして面の素子の焦点距離の逆数に等しい。
【0041】
本明細書で使用する用語「楕円面」または類似の用語は、楕円のセクションとして形成される面を指す。換言すると、楕円面は先端が切り取られた楕円の形態である。
【0042】
用語「開口数(numerical aperture)」は本明細書では当該技術でその通例の意味と一致して使用し、光学素子またはシステムが光を発するか、または受けることができる角度の範囲を特徴付ける無次元数を指す。
【0043】
本明細書で使用する用語「約」はおよそ数値の最大10%の変動を示すことを意図している。
【0044】
本明細書で使用する用語「実質的に」とは、完全な状態または条件に対して5%未満の偏差を示すことを意図している。
【0045】
図1、2A、2B、3、4、5Aおよび5Bに関して、本発明の態様によるハンドヘルド照明システム2000は、近位末端(PE)から遠位末端(DE)へ延び、そして近位セクション2001a(本明細書では回転可能な殻とも呼ぶ)および遠位セクション2001b(本明細書ではヒートシンク部分とも呼ぶ)から構成されるハンドヘルドハウジング2001を含み、これは互いに脱着可能に結合している。またハンドヘルド照明システム2000は、エンドキャップ2001cを含む。この態様では、ヒートシンク部分2001bはアルミニウムのような熱伝導性材料により形成され、ハウジング内で生じた熱を外部環境へ移すためのヒートシンクとして機能する。この態様では、回転可能な殻2001aおよびエンドキャップ2001cは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)のようなプラスチックで形成する場合がある。他の態様では、ヒートシンク、回転可能な殻およびエンドキャップは、同じ材料、例えばアルミニウムから形成する場合がある。
【0046】
ヒートシンク部分2001bはエンクロージャー2002を含み、これは異なる直径の二つの実質的に円筒の中空部分2002aおよび2002bから構成される。孤立型(stand-alone)光モジュール2004は中空部分2002aに取り出し可能かつ交換可能に配置される。光モジュール2004はハウジング2005を含み、その中に光モジュールの種々の構成要素が配置される。特に光モジュール2004は、プリント回路(PC)基板2012上に取り付けられた発光ダイオード2010からの光を受ける孔を形成する入力面2008を持つ近位セクション2006aを有するレンズ2006を含む。この態様では、入力面は外周部分2008bにより囲まれた中央凸部2008aを含み、ここで外周部分2008bは近位凹区分(A)および遠位凸区分(B)を含む。幾つかの態様では、中央凸部2008aは約50Dから約300Dの範囲の屈折力を現す場合がある。
【0047】
この態様では、入力面の中央凸部が正の屈折力を提供し、これはレンズ本体に入る光線を、その表面を通って、一般にレンズ本体内に位置する例えばレンズの出力面から少し下の距離に位置する焦点(本明細書では収束点とも呼ぶ)への収束をもたらす。幾つかの他の態様では、凸部はその焦点(すなわちその部分により屈折した光線が収束する点)がレンズに対して外部になるように構成される。例として凸部の焦点は、レンズに結合した光ガイドの近位末端内でよく、あるいは光パイプの入力面を照らすために、焦点から広がる光線が、光ガイドの入力面により囲まれる(subtended)立体角に対応する最大の角拡散を現すように、レンズおよび光パイプの両方に対して外側でよい。例としてそのような幾つかの態様では、凸部の焦点は楕円形の外周面の遠位焦点と実質的に一致する場合がある。
【0048】
近位部分2006aはさらに楕円形の外周面2016を含み、これはその上の入射光を全内反射を介してレンズ2014の出力面に向ける。レンズ2006はさらに光が通ってレンズおよび外周面2013を出る出力面2014を有する遠位セクション2006bを含み、外周面2013はこの態様では先端が切断された円錐形であるが、他の形状も利用する場合がある。
【0049】
外周楕円面2016は入力焦点f1および出力焦点f2を特徴とし、これらはこの態様ではレンズの光軸(OA)上に位置する。外周楕円面は光源2010により発光される光
の少なくとも一部を入力焦点から出力焦点へと移す。この態様では、入力焦点は入力孔内に位置し、そして出力焦点はレンズに対してレンズの出力面に対して少し離れて外側に位置している。幾つかの態様では、出力焦点の位置は、出力焦点から広がる光線が、光の光ガイドへの結合を最大にするレンズに結合する光ガイドの入力面をわたる角拡散を現すように選択される。例えば広がるビームは、光ガイドの入力開口数に見合う角拡散を有する場合がある。例えば出力焦点1240とレンズの出力面との間の距離は、約4mm~約6mmの範囲でよいが、他の値も例えばレンズのサイズおよび/またはレンズが使用される特定の応用に依存して使用する場合がある。
【0050】
複数のリード2017a/2017bは、光モジュールの電力モジュール2028への結合を可能にし、これを以下にさらに詳細に記載する。一対のスリーブ2013a/2013bがリード2017a/2017bを保護する。
【0051】
レンズ2006はさらに、レンズ本体を囲むカラー2018(本明細書ではフランジとも称する)を含む。この態様では、カラー2018がレンズ本体を部分的に囲んでいるが、他の態様ではカラーはレンズ本体を完全に囲む。レンズ2006は、レンズカラ―2018のそれぞれ下および上で、しかもそれらと接して配置される一対のスリーブ2020および2022(本明細書ではスペーサーとも称する)を介してPC基板2012上に機械的に固定される。光学ウインド2024はレンズの出力面2014上に配置され、そしてスリーブ2022により支持される。
【0052】
光学ウインド2024は、好ましくはレンズの出力面2014と接触してウインドとレンズとの間の良好な光学的結合を確実にする。幾つかの態様では、ゲルのような屈折率が合う材料をレンズの出力面と光学ウインドとの間に配置して、レンズを出る光が貫通するウインドに結合する時の光学的損失を最少にすることができる。光学ウインド2024はレンズの出力面を保護することができる。加えて幾つかの態様では、光学ウインド2024はレンズを出る光の1もしくは複数の特性を調整することができる。例として光学ウインド2024はフィルター、例えばバンドパスフィルターとして機能するように選択でき、レンズを出る特定の波長の光の通過を可能にすると同時に、他の波長は遮断する。例えばそのようなレンズを出る光のフィルタリングは、光の色の温度を調整するために使用することができる。光学ウインド2024は、サファイア、石英、ガラス等のような種々の異なる材料で形成することができる。幾つかの態様では、光学ウインド2024を形成する材料は、実質的に可視放射線に対して透明である。他の態様では、光学ウインド2024は電磁気スペクトルの別の領域の放射線に対して透明である。例として光モジュールが赤外線領域の電磁気スペクトルの放射線を発光する幾つかの態様では、光学ウインド2024は高密度ポリエチレンで形成する場合がある。
【0053】
光モジュール2004はさらに、光モジュールのハウジング2005の上端に取り出し可能かつ交換可能に付けられた保持ウインド2025(本明細書ではリングウインドとも称する)を含む。特にこの態様では、ウインドリング2025が、モジュールのハウジングの上端に提供された複数の内部ネジ山2005aと係合できる複数の外部ネジ山2025aを含む。ガスケット2026が保持ウインドと光学ウインドとの間に配置される。保持ウインド、光学ウインドおよびガスケットは、外部環境から光モジュールを共同的に封止する。
【0054】
ハンドヘルド照明システム2000はさらに、アダプター2027(本明細書では「光ガイドアダプター」とも称する)を含み、これはハウジング2001の遠位末端近くに提供されるエンクロージャー2002の上部中空円筒部分2002bに取り出し可能かつ交換可能に受け入れられることができ、例えば視野を照らす光ガイドを使用する複数の異なる装置に照明システムを結合できるようにする。この態様では光ガイドアダプターは、上
部中空円筒部分2002bの内壁に提供された複数のネジ山2019と係合することができる複数のネジ山2027aを含むことができる。他の態様では、光ガイドアダプター2027はエンクロージャー2002bにパチッとはめ込むことができる。ガスケット2011はアダプター2027と光モジュール2004との間に配置されてその間に封止を提供する。
【0055】
有利にはハンドヘルドシステム2000は、例えば単に光ガイドアダプター2027を変えることにより様々な異なる装置に結合して、視野を照らすためにそのような装置に使用されている光ガイドに光を提供することができる。そのような装置の幾つかの例には、限定するわけではないが、内視鏡システム、照射される外科用具、例えば外科医術用ヘッドライト、ビデオカメラ、開創器、検鏡、および高い強度、高品質が要求される他の装置である。
【0056】
図2A,3および6に関して、ハンドヘルド照明システム2000はさらにハウジング2001内に配置された電力モジュール2028を含み、光モジュール2004およびその操作の制御に電力を提供する。この態様においてより具体的には、電力モジュールの一部が回転可能な殻2001a内に収容され、そしてその別の部分がハウジング2001のヒートシンク部分2001b内に提供された中空エンクロージャー2000d内に収容される。この態様では、電力モジュール2028がハウジングの内壁2030に突出しているネジ2029を介してハウジングに固定される。
【0057】
電力モジュール2028は、電力をLED2010に提供するために少なくとも一つの電池2034を収容するケーシング2032(本明細書ではスレッド(sled)とも称する)を含む。電力モジュール2028はさらにプリント回路基板2036を含み、その上に以下でより詳細に検討するように光モジュールの操作を制御するための電子素子が取り付けられる。特に電位差計/スイッチ2038がスイッチプリント回路基板2040に取り付けられ、これは次にPC基板2036に取り付けられる。スイッチ2038が照明システムのスイッチを入れるために使用される時、バネ2042は電池2034との電気的接触を形成し易くする。電位差計2038は、そのオーム抵抗を調整できるようにするシャフト2038aを含み、次いでこれは以下でより詳細に検討するように、LED2010により発光される光の強度の調整を可能にする。
【0058】
電力モジュール2038はさらに、電位差計のシャフトが通って延びることができる開口部2044aを有するプリント回路基板マウント2044を含む。加えて電位差計のシャフトは、電位差計のシャフトを回転可能な殻2001aに回転できるように結合させるために、ハウジングのエンドキャップ2001c内に提供された開口部2046内に延びる。スペーサー2046および静止シール2048は、ハウジングのエンドキャップ2001cとPC基板マウント2044との間に配置され、ここで静止シールは電力モジュールを外部環境に対して封止するために役立つ。
【0059】
この態様では、回転可能な殻2001aがハウジングのヒートシンク部分2001bに回転可能に結合される。さらに具体的には、ヒートシンク部分の外壁がその近位末端に円周溝2050を含み、ここで溝はハウジングの周りに300度延びる。回転可能な殻2001aは、溝2050に係合することができるバネ懸架式ボール2052を含む。溝2050は、ボールを捕獲するために溝の各先端に戻り止め機構を含み、これにより回転可能なシャフトの回転を限定する。
【0060】
使用者は回転トルクを回転可能な殻2001aにかけてバネ懸架式ボールを戻り止め機構から外し、そして殻を回転し、これは次いでエンドキャップ2046を介して電位差計のシャフトの回転を生じる。電位差計のシャフトの回転は、その抵抗の変化をもたらし、
これは次いでLED2010により発光される光の強度の調整を生じる。この態様では、電位差計のシャフト2038aの溝に配置された一本のワイヤー4がシャフトのエンドキャップ2046への結合を援助する。
【0061】
動的シール2054が回転可能な殻2001aとヒートシンク部分2001bとの間に提供され、ハウジング内の様々な構成要素を封止することを促進すると同時に、LED2010により発光される光の強度を調整するために、殻2001aの回転を可能にする。
【0062】
引き続いて
図5に関して、電力モジュール2028はさらに一対のワイヤー1および2、および電池2034と回路基板2036との間の電気的接続を形成できるようにする関連構成要素3を含む。
【0063】
図6は電力モジュール2028内の電気的構成要素の回路図を概略的に表し、そのうちの少なくとも幾つかはPC基板2026に取り付けられ、電力をLED2010に供給し、そして放射された発光の強度を調整する。上記のように電池2034はLED2010に電力を提供する。この態様では、電池は3.7ボルトの電圧および750ミリアンペアの電流を提供する。トランジスタQ1は電池の逆方向の配置に対する保護を提供する。スイッチ(R13-NC/R13C)は電力をLED2010に切り替えることができるようにする。電位差計(R13-1,2,3)は、フィードバックネットワーク(R1,R2,R3,C4およびC6)からの電流の入れ替えにより、LED2010に流れる電流を調整する。スイッチレギュレータU1(LTC3112EDHD)の出力電流(Iout)は、LED電流を正確に映し出し、ここでU1はFBピンの電圧がフィードバック電圧に到達するまでLED電流を上げることができる。低ドロップアウト電圧レギュレータU2,R20およびR21は安定な電圧を設定するので、U1はLED電流をゼロまでずっと調整することができる(例えば電池の電圧が下がった時、電流が正しく調整されることを保つために)。抵抗器R4はLED電流に上限を設定する(約1.03A)。この抵抗器の値を上げて、LED電流を1A未満に制限することができる。この態様では、キャパシタC5および抵抗器R6およびR7が最大出力電圧を6Vに設定し、これはLEDがハンドヘルドシステムに取り付けられていない場合、電圧を制限する。さらにU1およびインダクタL1は降圧/昇圧の切り替えを行い、電池電圧の降下に直面したときLED電流を維持する。
【0064】
上記のように、ヒートシンク部分2001bは光モジュールおよび電力モジュールの一部のためのハウジングを提供するだけでなく、ハウジング内の1もしくは複数の構成要素により生じる熱を外部環境へ移すことも促進し、これによりハウジングの外面の温度が所望する閾値未満に確実に留まるようにする。
図1および3に関して、ハウジング2001のヒートシンク部分2001bの外面は複数のハネ2064を含み、これはハウジング内の1もしくは複数の構成要素(例えばLED2010)により生じる熱を外部環境へ移すことを促進する。より具体には、ハネ2064はヒートシンク部分の外部表面積を上げ、これにより熱の外部環境への消散を強化する。この態様では、ハネ2064はヒートシンク部分の外面に沿って長手方向に配置される(すなわちイルミネーシシステムの光軸(OA)に平行)。長手方向のハネの使用は、突出技法を使用してハウジングの作成を可能にするので、製造上の利点も提供することができる。
【0065】
この態様では12個のハネが使用されているが、他の態様ではハネの数は異なる場合がある。幾つかの実施では、隣接するハネの間の谷の深さ(または換言すればハネの高さ)は、例えば約1/8インチ~約1/6インチの範囲の場合がある。幾つかの態様では、ヒートシンク部分の外面の全有効表面積、すなわち熱の消散に有効な面積は、少なくとも約10平方インチとなり得る。幾つかの態様では、照明システムを使用している時、ヒートシンクによる熱消散の効率は、ハウジングの外面の温度が約115°F未満に維持される
ことを確実にする。幾つかの場合ではハウジングの温度を最高温度に、またはそれ未満に維持することは、たとえLED2010が1アンペアの電流で操作されていても達成することができる。
【0066】
幾つかの態様では、ヒートシンク部分2001bだけでなく回転可能な殻2001aも熱伝導性材料、例えばアルミニウムのような金属で形成して、ハウジング内の1もしくは複数の構成要素により生じる熱を外部環境へ移すことを促進する場合がある。さらにそのような態様では、回転可能な殻は熱消散を強化するために複数のハネを含む場合がある。
【0067】
上記のように、幾つかの態様ではハンドヘルドイルミネーションシステムが医療用または工業用装置に結合されて、光を、例えば視野を照射するために装置の1もしくは複数の光ガイドに提供する場合がある。例として
図8Aおよび8Bは、近位末端(PE)から遠位末端(DE)へ延びる可撓性の細長い要素2060を含む内視鏡本体2058を有する内視鏡2056を概略的に表し、ここで複数の光ファイバー2061が配置されている。また内視鏡2056は、1もしくは複数のレンズ、カメラおよび画像処理回路(この図には示さない)のような他の光学的構成要素も当該技術に既知の様式で含むことができる。細長い要素は患者に挿入するために構成されている。例示的内視鏡2056は装置を操作するためにハンドル2062も含む。
【0068】
本教示によるハンドヘルドイルミネーションシステム2000は、可撓性要素2060に配置された光ファイバーに光を提供するように、内視鏡本体に結合される。より具体的には、ハンドヘルドイルミネーションシステム2000は光ガイドアダプター2027を介して内視鏡本体に結合される。光ガイドコネクター2063は、光モジュール2004を光ファイバーに光学的に結合して光を光ファイバーに提供し易くでき、これは次いで光を可撓性の細長い要素2060の遠位末端(DE)に視野を照らすために伝えることができる。
【0069】
使用では、可撓性要素2060は少なくとも部分的に患者に挿入され、そして外部イルミネーションシステム2000を使用して光を細長い要素2060に配置された光ガイド(1もしくは複数)に提供することができ、これは次いで光を細長い要素の遠位へと導き、これを通って光は内視鏡を出て視野を照らす。
【0070】
幾つかの態様では、本教示によるハンドヘルド照明システムは電池で作動できるが、他の態様ではハンドヘルド照明システムにはAC線間電力が供給され得る。例として、
図9は本教示の態様による内視鏡3000を概略的に表し、これはAC(交流電流)線間電圧を動力源とするハンドヘルド照明システム3002を含む。ハンドヘルド照明システム3002は上で検討したハンドヘルド照明システム2000に類似するが、その電力モジュールが、ハウジング内に配置された光モジュールのLEDへ適用するために、AC線間電圧を適切なDC電圧に変換する交流/直流コンバータを含む点が異なる。
【0071】
本教示によるハンドヘルド照明システムの一つの利点は、それが様々な異なる光モジュールと共に使用できる点である。例えば
図10Aおよび10Bに関し、別の態様による光モジュール300がハウジング301を含み、ここでレンズ302は取り出し可能かつ交換可能に配置されている。レンズ302はLED306に光学的に結合する入力面304を含み、これはプリント回路基板308上に取り付けられてそれらから光を受ける。レンズ302はさらに光が通ってレンズを出る出力面310(これはこの態様では実質的に平らである)を含む。またレンズ302は、入力面を通ってレンズに入る少なくとも一部の光を受け、そしてその上の入射光を全内反射を介して出力面に向ける外周面312を含む。前記態様と同様に、外周面312は先端が切断された楕円形の形態であり、これはLED306上またはその近傍に入力焦点f1を、そしてレンズに対して少し離れて、例えば
レンズの出力面310の上で約4mm~約6mmの範囲で外側の出力焦点f2を含む。カラ―(本明細書ではフランジとも称する)314がレンズ本体を一部囲み、そして以下でさらに詳細に検討するようにハウジング301内でレンズを配置し容易くする。
【0072】
さらに具体的には、カラ―314の下面に接するスリーブ316がプリント回路基板308上のレンズ312を支持する。別のスリーブ318はレンズカラ―314の上面に設置され、そしてレンズの出力面310から距離D上で光学ウインド320を支持する。光学ウインド320は例えば前記態様に関連して上で検討した様式で実施することができる。
【0073】
保持ウインド322は複数のネジ山322aを介してハウジングに脱着可能に結合され、このネジ山はハウジング301の内面に提供されるそれぞれのネジ山と係合する。保持ウインド322と光学ウインド320との間に位置するガスケット322は、封止を提供することができる。前記態様と同様に、保持ウインド322は光モジュール300を光ガイドに光学的に結合するために、光ガイド(示さず)のアダプター326に接続することができる。光ガイドモジュール300は、光モジュールを電源、例えば1もしくは複数の電池に接続するために一対の導線300aおよび300bを含む。
【0074】
幾つかの態様では、本教示によるハンドヘルド照明システムは、レンズを設置するために例えばモジュールのハウジングの内壁から延びる突起形態のショルダーを提供するハウジングを有する光モジュールを含む場合がある。例として
図11~19に関して、ハウジングに取り出し可能かつ交換可能に挿入できる別の態様による光モジュール1は、互いに脱着可能に結合されたレンズホルダー17およびウインドリング8を有する外部ハウジング5を含む。この態様では、レンズホルダー17が、上部開口部20および下部開口部21を持つ円筒状の内部通路19を含む。レンズホルダー17は光学レンズ3を内部通路19内に保持するために、内部ショルダー22を含む。レンズホルダー17はさらに、サファイアウインド14を光学レンズ3の出力面4にわたって実質的に平らに整列して保持するため、第2の内部ショルダー23を含む。レンズホルダー17の下部開口部21は、任意のワイヤーまたは電源がLED2に操作可能に接続されるようにする。
【0075】
この態様では、光学レンズ3はLED2による発光が通過できるように1つの透明材料で形成される。例えばレンズ3はガラス、プラスチックまたはサファイアで形成することができる。レンズ3はLED2からの光を受けるために入力面10を有する近位(または光を受ける)セクション9、および実質的に平らな出力面4を有する遠位(光を出す)セクション6を含む。また光学レンズ3は、レンズホルダー17内に保持されるために、内部ショルダー22に設置されることができるカラ―8を含む。入力面10は、集合して孔11を形成する外周曲面12および中央凸部面13を含む。光学レンズ3は、全内反射を介して入射光を反射する外周楕円面を含む。
【0076】
ウインドリング18は、上部開口部25および下部開口部26を持つ円筒状の内部通路24を含む。ウインドリング18はサファイアウインド14の上面15と接して、サファイアウインドを内部ショルダー23に対して固定する。この態様では、ウインドリング18の下部面およびレンズホルダー17の上面は、互いに脱着できるように連結するためのネジ状である。
【0077】
外部ハウジング5はLED2、楕円形の光学レンズ3およびサファイアウインド14を外部環境から保護する。弾力のある外部ハウジング5は、内部LED2、楕円形の光学レンズ3およびサファイアウインド14を誤整列または損傷する恐れなしにモジュール1が照明装置に付けられようにする。幾つかの態様では、レンズホルダー17およびウインドリング18は金属、合金またはプラスチックで形成する場合がある。
【0078】
幾つかの態様では、モジュール1は電力をLED2および任意の回路に供給するために電源につながれて、正しい電圧をLED2に提供することができ、その両方とも当該技術では周知である。例として電源は1もしくは複数の電池またはAC線間電力の場合がある。
【0079】
当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更を上記態様に行うことができると考えるだろう。さらに一態様に関連して開示された要素は、別の態様に使用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド照明システムであって:
近位末端から遠位末端へ延びるハウジングと、
前記ハウジング内に取り出し可能かつ交換可能に配設され、少なくとも1つの光源を有して光を発生させる光モジュールと、
前記ハウジング内に配置され、前記光モジュールに電気的に結合して、電力を前記光モジュール供給する電力モジュールと、
前記ハウジングの前記遠位末端に取り出し可能かつ交換可能に配設され、前記光モジュールを光ガイドに結合して、前記光ガイドに前記光モジュールが発生させる前記光を受光させるアダプターと、を備え、
前記光モジュールが、
近位末端から遠位末端に延びる中空チャンバー、および
前記中空チャンバー内に配置され、レンズ本体を有するレンズであって、前記レンズ本体が、前記光源から光を受ける入力面と、光が前記レンズを出る際に通る出力面とを有するレンズを備える、ハンドヘルド照明システム。
【請求項2】
前記アダプターが、前記レンズ、前記光源、および前記光ガイドとは独立して、前記ハウジングから取り出し可能であるように、前記ハウジングおよび前記アダプターが構成されている、請求項1に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項3】
前記レンズおよび前記光源が前記ハウジング内に配置されたままである間に、前記アダプターが前記ハウジングから取り出し可能であるように、前記ハウジングおよび前記アダプターが構成されている、請求項1または2に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項4】
前記電力モジュールは、前記光モジュールが発生させる前記光の強度を調整することを可能にする、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項5】
前記光ガイドが、光ファイバーを含む、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項6】
前記光モジュールは、前記光モジュールと前記電力モジュールとを隔てる前記ハウジングの内壁を貫いて突出する一対の電気コネクターであって、前記光モジュールを前記電力モジュールに電気的に接続するための一対の電気コネクターを含む、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記光モジュールを受けるために前記内壁から前記遠位末端に延びる第1エンクロージャーを含む、請求項6に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記電力モジュールを受けるために前記内壁から前記近位末端に延びる第2エンクロージャーをさらに含む、請求項7に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項9】
前記電力モジュールが回転可能な外殻を含み、前記外殻の回転により、前記光モジュールが発生させる前記光の強度が調整される、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記外殻の端に係合して前記電力モジュールを前記ハウジングに錠締めさせるための保持溝を含む、請求項9に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項11】
前記電力モジュールは、調整可能な電位差計を含み、前記電位差計は、前記光源に電気的に結合し、かつ前記回転可能な殻に機械的に結合し、前記殻の回転の結果、前記電位差計の抵抗に変化が生じることにより、前記光モジュールが発生させた前記光の前記強度が調整される、請求項9または10に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項12】
前記ハウジングは熱伝導性材料を含む、請求項1ないし11のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項13】
前記ウインドは、サファイアウィンド、石英ウインド、およびガラスウインドのいずれかを含む、請求項1ないし12のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項14】
前記中空チャンバーの前記遠位末端に配設された、複数の外部ネジ山をさらに含む、請求項1ないし13のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項15】
前記中空チャンバーの前記遠位末端に脱着可能に結合するように適合された保持ウインドをさらに含む、請求項14に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項16】
前記保持ウインドは、前記中空チャンバーの前記遠位末端の前記外部ネジ山と係合するように適合された複数の内部ネジ山を含む、請求項15に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項17】
前記保持ウインドは、前記アダプターに結合して前記光モジュールを前記光ガイドに結合させるための開口部を含む、請求項16に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項18】
前記光学ウインドと前記保持ウインドとの間に配設されたガスケットをさらに含む、請求項16に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項19】
LEDが上に配設されるプリント回路基板をさらに備え、前記基板が、前記電力モジュールから前記LEDに電力を適用するための複数の導線を備える、請求項1ないし18のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項20】
前記中空チャンバーの前記遠位末端に結合されたプレートをさらに備え、前記プレートは、前記電力モジュールに結合するためにその中を通って前記導線が延びる複数の開口部を有する、請求項19に記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項21】
内視鏡システムで使用するように構成される、請求項1ないし20のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項22】
前記アダプターが、
前記光ガイドに結合するように構成されている上側部位と、
前記ハウジングの前記遠位末端に、取り出し可能かつ交換可能に係合するように構成されている下側部位と、
を備える、請求項1ないし21のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【請求項23】
前記アダプターが、複数のアダプターのうちの第1のアダプターであり、前記複数のアダプターの各々が、複数の装置のうちの1つのそれぞれ対応する光ガイドに結合するように構成されている上側部位と、前記光モジュールを前記それぞれ対応する光ガイドに結合して、前記光ガイドが前記光モジュールによって発生される前記光を受けるための、前記ハウジングの前記遠位末端に取り出し可能かつ交換可能に係合するように構成されている下側部位とを有する、請求項1ないし22のいずれか1つに記載のハンドヘルド照明システム。
【外国語明細書】