(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027417
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】留め具
(51)【国際特許分類】
F16B 13/04 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
F16B13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019223884
(22)【出願日】2019-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】岡田 重夫
(72)【発明者】
【氏名】宮前 仁志
【テーマコード(参考)】
3J025
【Fターム(参考)】
3J025AA07
3J025BA13
3J025CA01
3J025CA06
(57)【要約】
【課題】部品を取付部材に安定して取り付けられる留め具を提供する。
【解決手段】留め具10は、第1取付部材のボス部を挿通可能な挿通孔を有するフランジ部20と、互いに対向し、フランジ部20から延出する一対の壁部24と、第2取付部材に係止する弾性係止部26と、を備える。壁部24は、壁部24の内面に形成されて一対の壁部24が対向する方向に突出する爪部を有する。ボス部と留め具10の軸回りの相対回転によって爪部がボス部に係止し、取付状態において一対の壁部24の外面が第1取付部材または第2取付部材に当接する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1取付部材を第2取付部材に取り付けるために用いられる留め具であって、
第1取付部材のボス部を挿通可能な挿通孔を有するフランジ部と、
互いに対向し、前記フランジ部から延出する一対の壁部と、
第2取付部材に係止する係止部と、を備え、
前記壁部は、前記壁部の内面に形成されて一対の前記壁部が対向する方向に突出する爪部を有し、
前記ボス部と前記留め具の軸回りの相対回転によって前記爪部が前記ボス部に係止し、取付状態において一対の前記壁部の外面が第1取付部材または第2取付部材に当接することを特徴とする留め具。
【請求項2】
前記爪部は、軸方向に沿って複数並んで設けられることを特徴とする請求項1に記載の留め具。
【請求項3】
一対の前記壁部の先端部を連結する連結部と、
前記フランジ部から延出する一対の柱部と、をさらに備え、
前記連結部は、一対の前記柱部の先端部を連結することを特徴とする請求項1または2に記載の留め具。
【請求項4】
前記係止部は、前記連結部から前記フランジ部に向かって延出する複数の弾性係止部を有し、
前記弾性係止部は、第2取付部材に形成された取付孔の縁に係止し、
一対の前記壁部の外面は第2取付部材の取付孔の内面に当接し、
前記弾性係止部の係止面と前記壁部は軸方向位置において重なるように設けられることを特徴とする請求項3に記載の留め具。
【請求項5】
前記弾性係止部は、一対の前記壁部より先端側の位置から延出することを特徴とする請求項4に記載の留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1取付部材を第2取付部材に取り付けるための留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、装着部材をプレートに取り付けるクリップが開示されている。このクリップは、プレートの取付孔に挿入されるアンカーと、装着部材から突出した筒状の台座に結合される筒状の取付座とを備える。取付座は、内周面に複数の刃部を有する。取付座は、装着部材の台座に対して先端側から軸線に沿って差し込み、軸線回りに回転させることにより、刃部が台座の周面に食い込んで結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるクリップでは、刃部を台座の周面に結合させた際、取付座が径方向外向きに膨らむように変形して、食い込み量が少なくなるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、第1取付部材のボス部に対して安定して取り付けられる留め具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、第1取付部材を第2取付部材に取り付けるために用いられる留め具であって、第1取付部材のボス部を挿通可能な挿通孔を有するフランジ部と、互いに対向し、フランジ部から延出する一対の壁部と、第2取付部材に係止する係止部と、を備える。壁部は、壁部の内面に形成されて一対の壁部が対向する方向に突出する爪部を有する。ボス部と留め具の軸回りの相対回転によって爪部がボス部に係止し、取付状態において一対の壁部の外面が第1取付部材または第2取付部材に当接する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1取付部材のボス部に対して安定して取り付けられる留め具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2(a)は、留め具の側面図であり、
図2(b)は、留め具の正面図である。
【
図5】第1取付部材および第2取付部材に取り付けた状態の留め具を示す図である。
【
図6】第1取付部材に対する留め具の回転動作について説明するための図であり、第2取付部材に取り付ける前の状態を示す図である。
【
図7】第1取付部材および第2取付部材に取付完了した状態の留め具の断面図である。
【
図9】
図9(a)は、変形例の留め具の側面図であり、
図9(b)は、変形例の留め具の正面図である。
【
図10】
図9(a)に示す取付状態の留め具の線分B-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施例の留め具10の斜視図である。
図1(a)は上方から見た留め具10の斜視図であり、
図1(b)は下方から見た留め具10の斜視図である。また、
図2(a)は、留め具10の側面図であり、
図2(b)は、留め具10の正面図である。また、
図3は、留め具10の平面図である。
【0010】
留め具10は、第1取付部材を第2取付部材に取り付けるために用いられる。例えば、留め具10は、車体パネルや内装パネルに内装装飾用カバー材、トリム材、ガーニッシュ材などの車載部品を固定するために使用される。つまり、第1取付部材として車載部品があり、第2取付部材として車体パネルや内装パネルがある。また、第1取付部材が内装パネルであって、第2取付部材が車体パネルであってもよい。
【0011】
留め具10は、第1取付部材に対して、軸回りに回転可能であり、軸回りに回転することで第1取付部材に取り付けられる。一方、留め具10は、第2取付部材に対して、軸回りに回転しないように取り付けられる。留め具10は、フランジ部20、一対の柱部22、一対の壁部24、複数の弾性係止部26および連結部28を備える。
【0012】
フランジ部20は、円盤状に形成される。フランジ部20は、第1取付部材のボス部を挿通可能な挿通孔30と、フランジ部20の外周縁から径方向外向きに突出する回転止め部32とを有する。回転止め部32は、第1取付部材に対して留め具10の軸回りの回転を止めるために設けられる。
【0013】
一対の柱部22は、フランジ部20の裏面から延出する。柱部22が延出する方向を軸方向という。連結部28は、一対の柱部22の先端部を連結する。連結部28は、壁部24および弾性係止部26の先端側に位置する。なお、柱部22のフランジ部20側を基端部といい、
図2(a)に示す留め具10の下端側であって、柱部22の連結部28側を先端部という。
【0014】
一対の壁部24は、互いに対向し、フランジ部20から延出する。一対の壁部24の先端部は、連結部28により連結される。一対の壁部24が対向する向きを対向方向といい、対向方向は軸方向に直交する。壁部24は、壁部24の内面に形成される爪部34と、外面に形成されたリブ36とを有する。リブ36は対向方向外向きに細くなるようにテーパ状に形成される。爪部34は、壁部24の内面に、軸方向に沿って複数並んで設けられ、一対の壁部24が対向する方向、すなわち内向きに突出する。
図3に示すように、爪部34は、挿通孔30より内径側に突出している。爪部34は、挿通孔30に挿入された第1取付部材のボス部に食い込むように係止可能である。
【0015】
弾性係止部26は、第2取付部材に係止する係止部として機能する。複数の弾性係止部26は、連結部28からフランジ部20に向かって延出する。
図2(a)および
図2(b)に示すように、弾性係止部26は4つ形成され、2つの弾性係止部26がそれぞれ対向するように設けられ、その対向する間に柱部22がそれぞれ位置する。
【0016】
弾性係止部26は、第2取付部材に形成された取付孔の裏縁に係止する係止面38を有する。係止面38は、
図2(a)に示すように、対向方向において挿通孔30に向かって中心軸に近づくように傾斜する。弾性係止部26は、壁部24より先端側の位置から延出する。これにより、弾性係止部26の軸方向長さを壁部24より長くでき、弾性係止部26を撓みやすくできる。弾性係止部26を撓みやすく構成することで、弾性係止部26を取付孔に挿入する際の挿入力を抑えることができる。一方で、壁部24は短くなるため、撓みにくくなる。壁部24は、柱部22より幅広に形成される。柱部22、壁部24および弾性係止部26の幅は、対向方向および軸方向に直交する方向の長さである。
【0017】
連結部28は、柱部22、壁部24および弾性係止部26の先端部を全て連結する。これにより、留め具10の剛性を確保できる。連結部28が一対の柱部22および一対の壁部24を連結することで、柱部22および壁部24を撓みにくく構成できる。
【0018】
図4は、第1取付部材12の斜視図である。第1取付部材12は、板部40、ボス部42、一対のストッパ44、一対の壁部46および半球状突部48を有する。ボス部42は、板部40の裏面から突出し、柱状に形成される。ボス部42には、留め具10が爪部34によって連結される。
【0019】
ボス部42は、円柱を軸方向に沿う一対の切欠部42aに切り欠かれるように形成される。ボス部42は、一対の湾曲面42bと、切欠部42aにより窪んだ一対の窪み部42cとを有する。湾曲面42bは、断面円弧状の外周面である。ボス部42には、湾曲面42bおよび窪み部42cが周方向に交互に形成される。一対の湾曲面42bは対角に位置し、一対の窪み部42cは対角に位置する。一対の湾曲面42bの外径は、一対の窪み部42cの外径より大きい。つまり、ボス部42は、湾曲面42bによる長径と、窪み部42cによる短径を有する。
【0020】
一対のストッパ44は、板部40の裏面に突出し、回転止め部32に当たって留め具10の回転を止める。一対の壁部46は、板部40の裏面から突出し、対向する。ストッパ44および壁部46は、留め具10の回転止め部32に干渉して、留め具10の組付位置を制限してもよい。半球状突部48は、板部40の裏面に突出して形成され、留め具10の回転止め部32に当たって留め具10の回転を抑える。
【0021】
図5は、第1取付部材12および第2取付部材14に取り付けた状態の留め具10を示す図である。第2取付部材14には、取付孔14aが矩形状に形成される。複数の弾性係止部26は、取付孔14aの裏縁に係止することで、留め具10を第2取付部材14に取り付ける。
【0022】
4つの弾性係止部26が、取付孔14aの4つの角近傍にそれぞれ係止することで、第2取付部材14に対する留め具10の回転規制がなされる。壁部46は、フランジ部20より軸方向に長く、取付状態で第2取付部材14に当たり、第1取付部材12および第2取付部材14の接近を制限する。壁部24のリブ36は、取付孔14a内に入り込んでいる。
【0023】
図6は、第1取付部材12に対する留め具10の回転動作について説明するための図であり、第2取付部材14に取り付ける前の状態を示す。
図6(a)では、第1取付部材12に取付完了する前の状態を示し、
図6(b)では、第1取付部材12に取付完了した状態を示す。
【0024】
図6(a)では、ボス部42が、留め具10の挿通孔30に挿入され、近接した状態で対向する爪部34の間に収まっている。対向する爪部34の間隔は、ボス部42の短径RSと略同一、または短径RSより長くなるように設定されている。そのため、爪部34は、ボス部42に近接または当接するものの、強く圧接しない状態となっている。
【0025】
これにより、ボス部42の窪み部42cの位置が爪部34の対向方向に合わせられると、ボス部42が挿通孔30にスムーズに挿入される。一方、ボス部42の湾曲面42bの位置が爪部34の対向方向に合わせられると、ボス部42が非常に挿入しづらい構成となっている。これは、壁部24の基端部および先端部がフランジ部20および連結部28に繋がっているため、壁部24が撓みづらい構成になっているためである。
【0026】
挿通孔30にボス部42が挿入された後、留め具10は
図6(a)に示す軸回りに回転させられる。留め具10を回転させると、
図3に示す回転止め部32が
図4に示すストッパ44に当たって90°回転した位置で止められる。また、半球状突部48により爪部34の係止が外れる方向の回転が抑えられる。対向する爪部34の間隔は、ボス部42の長径RLより短くなるように設定されている。
【0027】
留め具10が軸回りに回転すると、爪部34が湾曲面42bに当り、食い込むように係止する。爪部34が湾曲面42bに食い込むように係止するとは、湾曲面42bを押圧して凹ませ、凹んだ湾曲面42bに嵌ることをいう。つまり、ボス部42と留め具10の軸回りの相対回転によって、爪部34がボス部42に係止する。これにより、留め具10が第1取付部材12に取り付けられる。
【0028】
留め具10が第1取付部材12のボス部42に係止することで、第1取付部材12に留め具10の取付孔を形成しなくてよく、第1取付部材12の板部40の設計の自由度を高めることができる。また、留め具10の回転により取り付けることで、留め具10が第1取付部材12に対してスライドできるスペースを必要としない。
【0029】
周方向に滑らかな湾曲面42bにより、爪部34が湾曲面42bを押圧しながらも、留め具10が回転しやすくなっている。また、柱部22がフランジ部20および連結部28に繋がっているため、留め具10が回転する際にねじれにくくなっている。一対の柱部22は、ボス部42の幅方向両側に位置するため、留め具10がボス部42に対して幅方向に傾斜することを抑えることができる。
【0030】
図7は、第1取付部材12および第2取付部材14に取付完了した状態の留め具10の断面図である。複数の爪部34がボス部42の湾曲面42bに食い込むように係止している。
【0031】
取付状態において一対の壁部24の外面(リブ36)が取付孔14aの内面に当接して、一対の壁部24の対向方向外向きの変形が制限された状態になる。このように壁部24の変形を制限することで、爪部34の係止を外れにくくできる。また、留め具10が回転されて爪部34がボス部42に係止する際に、壁部24がボス部42から対向方向外向きの力を受けて少し変形し得る。しかし、壁部24の外面は取付孔14aの内面に当接するため、壁部24が取付孔14aの内面から対向方向内向きの力を受け、爪部34がボス部42に十分に食い込むことができる。また、一対の壁部24の先端部が連結部28により連結しているため、壁部24が拡開しづらい。一対の柱部22がフランジ部20および連結部28に渡って形成しているため、一対の壁部24が対向方向外向きに撓んで壁部24の軸方向長さが短くなる変形を抑えることができる。
【0032】
複数の爪部34が軸方向に並列した状態で係止することで、ボス部42に対して留め具10が傾斜しにくくなっている。複数の爪部34がボス部42に係止することで、1つずつの食い込み量を減らしても、抜去力を確保することができる。爪部34の1つずつの食い込み量を減らすことで、留め具10の回転操作力を低減できるとともに、一対の壁部24が対向方向外向きの変化量することを抑えることができる。また、いずれかの爪部34が係止すればよいため、留め具10がボス部42から外れにくくできる。
【0033】
弾性係止部26の係止面38と壁部24は軸方向位置において重なるように設けられる。つまり、係止面38と壁部24の軸方向位置が部分的に重複しており、同じような高さに配置されている。これにより、留め具10の軸方向長さを短く構成でき、第1取付部材12と第2取付部材14の間隔が短くなるように設定できる。すなわち、第1取付部材12を第2取付部材14に近づけて取り付けできるため、安定した取付状態を得ることができる。
【0034】
留め具10の取付方法について説明する。第1取付部材12のボス部42が留め具10の挿通孔30に挿入され、第1取付部材12が軸回りに回転され、爪部34がボス部42の湾曲面42bに食い込むように係止する。次に、留め具10は、第2取付部材14の取付孔14aに連結部28側から挿入されて、弾性係止部26を取付孔14aの縁に係止させて、第2取付部材14に取り付けられる。これにより、第1取付部材12が第2取付部材14に取り付けられる。
【0035】
図8は、変形例の留め具100の斜視図である。また、
図9(a)は、変形例の留め具100の側面図であり、
図9(b)は、変形例の留め具100の正面図である。
図9(a)では、留め具100が第1取付部材12および第2取付部材14に取り付けられた状態を示し、第1取付部材12および第2取付部材14は留め具100とは異なり、断面を示している。また、
図10は、
図9(a)に示す取付状態の留め具100の線分B-B断面図である。
【0036】
変形例の留め具100は、
図1(a)に示す留め具10と比べて、弾性係止部126の配置が異なる。
図1(a)に示す留め具10では、連結部28の上側に弾性係止部26が設けられていたが、
図8に示す留め具100では、連結部128の下側に弾性係止部126が設けられる。
【0037】
留め具100は、フランジ部120、柱部122、壁部124、弾性係止部126、連結部128、傘状部50および軸部52を備える。変形例のフランジ部120、柱部122、壁部124および弾性係止部126は、
図1(a)に示すフランジ部20、柱部22、壁部24および弾性係止部26と同様の機能を有する。
【0038】
フランジ部120には、ボス部42を挿通可能な挿通孔130が形成される。一対の柱部122および一対の壁部124は、フランジ部120および連結部128に基端部および先端部を支持される。壁部124の内面には爪部134が形成され、外面にはリブ136が形成される。爪部134は、軸方向に沿って複数並列して設けられる。
【0039】
連結部128は、フランジ部120に向かい合うように設けられ、一対の柱部122および一対の壁部124の先端部を連結する。連結部128の外周縁から傘状部50が張り出している。傘状部50は、
図9(a)に示すように第2取付部材14の表面に当接する。留め具100は、傘状部50により取付孔14aを閉塞して防水に用いることが可能である。
【0040】
弾性係止部126は、連結部128の裏側に設けられる。連結部128の裏面から軸部52が延出し、軸部52の先端部から連結部128側に向かって弾性係止部126が延出する。
図9(a)には、弾性係止部126が第2取付部材14の取付孔14aの裏縁に係止した様子を示す。
図9(a)に示す取付孔14aは、円形状であってよい。留め具100では、第2取付部材14に係止する構成が連結部128の裏側に設けられるため、設計の自由度が高い。そのため、第2取付部材14に係止する構成は、弾性係止部126の形状に限定されず、別の取付方法であってよい。例えば、第2取付部材14に設けられたスタッドボルトに係止する構成を有してもよい。
【0041】
図10には、回転止め部132が壁部46および半球状突部48に挟まれた位置にあり、取付状態では留め具10の回転を制限された状態にある。もちろん、取り付け時および取り外し時に留め具10が大きな力で回転されれば、回転止め部132が半球状突部48を乗り越えることは可能である。
【0042】
図9(a)および
図10に示すように、爪部134は、ボス部42に食い込むように係止している。取付状態において一対の壁部124の外面(リブ136)が第1取付部材12の壁部46に当接して、一対の壁部124の対向方向外向きの変形が制限された状態になる。これにより、壁部124が撓みづらくなり、爪部134の係止が外れることを抑えられる。また、留め具100が回転されて爪部134がボス部42に係止する際に、壁部124がボス部42から対向方向外向きの力を受けて少し変形し得る。しかし、壁部124の外面は第1取付部材12の壁部46に当接するため、壁部124が第1取付部材12の壁部46から対向方向内向きの力を受け、爪部134がボス部42に十分に食い込むことができる。
【0043】
本発明は上述の各実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施例も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0044】
10 留め具、 12 第1取付部材、 14 第2取付部材、 14a 取付孔、 20 フランジ部、 22 柱部、 24 壁部、 26 弾性係止部、 28 連結部、 30 挿通孔、 32 回転止め部、 34 爪部、 36 リブ、 38 係止面、 40 板部、 42 ボス部、 42a 切欠部、 42b 湾曲面、 42c 窪み部、 44 ストッパ、 46 壁部。