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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027430
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
B65D88/12 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132495
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前川 亘
(72)【発明者】
【氏名】中島 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】三島 健太
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA21
3E170AB21
3E170DA01
3E170DA07
3E170HA03
3E170HB04
3E170HC01
3E170HD02
3E170PA02
3E170VA20
3E170WE02
(57)【要約】
【課題】被乾燥物を乾燥させるときに、被乾燥物の臭気が外部へ拡散するのを抑制しつつ、コンテナ本体に導入された乾燥気体を外部に排気することができるコンテナを提供する。
【解決手段】コンテナ1は、被乾燥物を投入する投入口2aが上部に形成されるとともに被乾燥物を乾燥させる乾燥気体を底部に導入する給気口18が形成されたコンテナ本体2と、投入口2aを開閉可能に覆う天蓋3A,3Bと、天蓋3A,3Bを投入口2aを覆う閉鎖姿勢と投入口2aを開放する開放姿勢との間で開閉動作させる開閉装置4と、天蓋3A,3Bが閉鎖姿勢の状態でコンテナ本体2の内外を連通するようにコンテナ本体2に設けられ投入口2aよりも開口面積の小さい排気口63が外部に開口して形成された排気路部60と、排気口63を開閉可能な蓋体71と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を投入する投入口が上部に形成されるとともに、被乾燥物を乾燥させる乾燥気体を底部に導入する給気口が形成されたコンテナ本体と、
前記投入口を開閉可能に覆う天蓋と、
前記天蓋を、前記投入口を覆う閉鎖姿勢と、前記投入口を開放する開放姿勢と、の間で開閉動作させる開閉装置と、
前記天蓋が前記閉鎖姿勢の状態で前記コンテナ本体の内外を連通するように当該コンテナ本体に設けられ、前記投入口よりも開口面積の小さい排気口が外部に開口して形成された排気路部と、
前記排気口を開閉可能な蓋体と、を備えるコンテナ。
【請求項2】
前記コンテナ本体は、
当該コンテナ本体の上部において水平方向に延びる横板と、
前記横板から上方向に延びる縦板と、
前記横板と前記縦板とに跨って形成され、前記排気路部が接続される接続口と、を有する、請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記接続口は、前記横板に形成された第1切り欠き部と、前記縦板に形成された第2切り欠き部と、によって構成され、
前記接続口の前記第1切り欠き部だけを閉塞可能な閉塞板をさらに備える請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記コンテナ本体は、
当該コンテナ本体の上部において水平方向に延びる横板と、
前記横板から上方向に延びる縦板と、
前記縦板のみに形成され、前記排気路部が接続される接続口と、を有する、請求項1に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載された乾燥コンテナでは、コンテナ本体の後壁に形成された給気口からコンテナ本体に熱風を導入することによって、コンテナ本体内に収容された被乾燥物を乾燥させるようになっている。コンテナ本体の上部には、その内部に被乾燥物を投入する投入口が形成されており、コンテナ本体に導入された熱風は、投入口から外部に排気されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-069680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンテナ本体内の被乾燥物が臭気を発する場合、その臭気が投入口から外部に拡散するおそれがある。そこで、コンテナ本体に投入口を開閉可能に覆う天蓋を設け、天蓋により投入口を覆うことで、被乾燥物の臭気が外部へ拡散しないようにすることが検討されている。しかし、被乾燥物を乾燥させる際に投入口が天蓋で覆われると、給気口からコンテナ本体に導入された熱風を外部に排気することができなくなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被乾燥物を乾燥させるときに、被乾燥物の臭気が外部へ拡散するのを抑制しつつ、コンテナ本体に導入された乾燥気体を外部に排気することができるコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、被乾燥物を投入する投入口が上部に形成されるとともに、被乾燥物を乾燥させる乾燥気体を底部に導入する給気口が形成されたコンテナ本体と、前記投入口を開閉可能に覆う天蓋と、前記天蓋を、前記投入口を覆う閉鎖姿勢と、前記投入口を開放する開放姿勢と、の間で開閉動作させる開閉装置と、前記天蓋が前記閉鎖姿勢の状態で前記コンテナ本体の内外を連通するように当該コンテナ本体に設けられ、前記投入口よりも開口面積の小さい排気口が外部に開口して形成された排気路部と、前記排気口を開閉可能な蓋体と、を備えるコンテナである。
【0007】
本発明によれば、給気口からコンテナ本体に乾燥気体を導入して被乾燥物を乾燥させるときに、天蓋がコンテナ本体の投入口を覆った閉鎖姿勢の状態で、蓋体により排気路部の排気口を開放することができる。これにより、コンテナ本体に導入された乾燥気体を、排気口から外部に排気することができる。その際、排気口からは被乾燥物の臭気も外部に漏れるが、排気口は投入口よりも開口面積が小さいので、臭気が投入口から漏れる場合と比較して、臭気の漏れを抑えることができる。その結果、被乾燥物の臭気がコンテナ本体の外部へ拡散するのを抑制することができる。
【0008】
(2)前記コンテナ本体は、当該コンテナ本体の上部において水平方向に延びる横板と、前記横板から上方向に延びる縦板と、前記横板と前記縦板とに跨って形成され、前記排気路部が接続される接続口と、を有するのが好ましい。
この場合、接続口を横板だけに形成する場合と比較して、接続口を大きく形成することができる。
【0009】
(3)前記接続口は、前記横板に形成された第1切り欠き部と、前記縦板に形成された第2切り欠き部と、によって構成され、前記コンテナは、前記接続口の前記第1切り欠き部だけを閉塞可能な閉塞板をさらに備えるのが好ましい。
この場合、接続口の一部を構成する横板の第1切り欠き部を閉塞板で閉塞した状態で、蓋体により排気口を開放することで、コンテナ本体内の第1切り欠き部の下方に位置する被乾燥物が、乾燥気体と共に第1切り欠き部を通過して外部に排出されるのを抑制することができる。また、接続口の他部を構成する縦板の第2切り欠き部は閉塞されないので、閉塞板によって乾燥気体の排気が邪魔されることはない。
【0010】
(4)前記コンテナ本体は、当該コンテナ本体の上部において水平方向に延びる横板と、前記横板から上方向に延びる縦板と、前記縦板のみに形成され、前記排気路部が接続される接続口と、を有していてもよい。
この場合、コンテナ本体内の横板の下方に位置する被乾燥物が、乾燥気体と共に接続口を通過して外部に排出されるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被乾燥物を乾燥させるときに、被乾燥物の臭気が外部へ拡散するのを抑制しつつ、コンテナ本体に導入された乾燥気体を外部に排気することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るコンテナの平面図である。
図2】コンテナの側面図である。
図3】コンテナを後側から見た図である。
図4】右側の天蓋の梁部材を示す平面図である。
図5】右側の天蓋を示す図1のA-A矢視断面図である。
図6】左側の天蓋の梁部材を示す平面図である。
図7】左側の天蓋を示す図1のB-B矢視断面図である。
図8】右側の開閉機構の駆動アーム、従動アーム、及び連結軸を示す平面図である。
図9】左側の開閉機構の駆動アーム、従動アーム、及び連結軸を示す平面図である。
図10】コンテナを前側から見た図である。
図11】従動アームの回動途中の状態を示す説明図である。
図12】天蓋が開放姿勢の状態でコンテナを前側から見た図である。
図13図1のC-C矢視断面図である。
図14】左側の側壁の上部を示す側面図である。
図15図14のD-D矢視断面図である。
図16図1のE-E矢視断面図である。
図17】天蓋が閉鎖姿勢の状態における左側の側壁の上部を示す断面図である。
図18】排気路部の周辺を示す拡大平面図である。
図19図18のF-F矢視断面図である。
図20図18のG-G矢視断面図である。
図21】接続口の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るコンテナの平面図である。図2は、そのコンテナの側面図である。以下、本実施形態では、図1の左側を「前側」といい、図1の右側を「後側」という。また、図1の上側を「左側」といい、図1の下側を「右側」という。したがって、本実施形態では、図1の左右方向が「前後方向」となり、図1の上下方向が「左右方向」となる。図1及び図2において、本実施形態のコンテナ1は、車両により運搬可能なコンテナである。コンテナ1は、コンテナ本体2と、一対の天蓋3A,3Bと、を備えている。
【0014】
[コンテナ本体]
コンテナ本体2は、前後方向に長い箱形に形成されており、前壁11と、左右一対の側壁12と、後壁13と、底壁14と、を備えている。コンテナ本体2の上部には、木製チップ等の被乾燥物(積載物)が投入される投入口2aが形成されている。コンテナ本体2は、その上部において投入口2aの前側及び後側に設けられた一対の横板2b,2cを有している。前側の横板2b及び後側の横板2cは、それぞれ左右両側壁12の間で左右方向(水平方向)に延びている。
【0015】
前壁11には、図示しない車両に設けられた積込アームのフックを引っ掛けて車体上に積み込むためのリフトバー15が設けられている(図10も参照)。図2に示すように、コンテナ本体2は、底壁14の前側を支持する左右一対の脚部16と、底壁14の後側を支持する左右一対のローラ17(図3も参照)と、をさらに備えている。
【0016】
図3は、コンテナ1を後側から見た図である。以下、コンテナ1の左右方向中央から左右方向両側へ向かう方向を「左右方向外側」といい、コンテナ1の左右方向両側から左右方向中央へ向かう方向を「左右方向内側」という。図3に示すように、後壁13は、コンテナ本体2の後部を開閉する左右一対の煽戸13aを備えている。各煽戸13aにおける左右方向外側の端縁は、側壁12に対して前後方向に回動可能に支持されている。両煽戸13aによりコンテナ本体2の後部を開放することで、コンテナ本体2内の積載物を外部に排出することができる。
【0017】
両煽戸13aにおける左右方向内側の下部には、両煽戸13aによりコンテナ本体2の後部を閉鎖した状態でコンテナ本体2の内外を連通する給気口18が形成されている。給気口18には、乾燥気体(例えば高温の空気)をコンテナ本体2に導入するための送風管(図示省略)が接続される。このように給気口18に送風管を接続し、コンテナ本体2の底部に乾燥気体が導入されることで、コンテナ本体2に収容されている被乾燥物を乾燥させることができる。なお、給気口18の不使用時(例えば車両によるコンテナ1の運搬時)には、給気口18は蓋19により塞がれる。
【0018】
[天蓋]
図1及び図3に示すように、一対の天蓋3A,3Bは、コンテナ本体2の上方において投入口2aの上方を左右に分割して開閉可能に覆っている。左右の天蓋3A,3Bは、投入口2aの上方を覆った状態で、コンテナ1の山形の屋根を形成するように、左右方向内側よりも左右方向外側がやや下がるように傾斜している。
【0019】
右側の天蓋3Aは、梁部材(第1梁部材)31Aと、梁部材31Aにより下方から支持された蓋部材(第1蓋部材)32Aと、を備えている。同様に、左側の天蓋3Bは、梁部材(第2梁部材)31Bと、梁部材31Bにより下方から支持された蓋部材(第2蓋部材)32Bと、を備えている。
【0020】
図4は、右側の天蓋3Aの梁部材31Aを示す平面図である。図4に示すように、梁部材31Aは、左右方向に延びる複数(図例では5個)の短手梁311Aと、これらの短手梁311Aの左右方向外端部を連結する長手梁312Aと、各短手梁311Aの左右方向内端に固定された複数(図例では5個)の筒部材313Aと、を有している。各短手梁311A、長手梁312A、及び各筒部材313Aは、例えば断面外形が円形となる金属製のパイプからなる。
【0021】
複数の短手梁311Aは、前後方向に所定間隔をあけて配置されている。最前部及び最後部にそれぞれ配置された短手梁311Aは、他の短手梁311Aよりも左右方向に少し長く形成されている。長手梁312Aの前後両端は、最前部及び最後部にそれぞれ配置された短手梁311Aの左右方向外端部に溶接等によって固定されている。長手梁312Aにおける前後方向の途中部には、他の短手梁311Aの左右方向外端が溶接等によって固定されている。
【0022】
各筒部材313Aは、その軸線を前後方向に向けて配置されており、全ての筒部材313Aは、同一の軸線上に配置されている。各筒部材313Aの外周面には、対応する短手梁311Aの左右方向内端が溶接等によって固定されている。
【0023】
図5は、右側の天蓋3Aを示す図1のA-A矢視断面図である。図5において、梁部材31Aは、各短手梁311Aの上側及び長手梁312Aの上側にそれぞれ溶接等により固定された複数のタッププレート314Aと、筒部材313Aの左右方向内側に溶接等により固定されたタッププレート315Aと、を有している。本実施形態のタッププレート314Aは、各短手梁311Aの上側に2個、長手梁312Aの上側に1個固定されている。各タッププレート314A,315Aには、それぞれ雌ねじ孔316A,317Aが形成されている。
【0024】
蓋部材32Aは、例えば可撓性を有する樹脂製のシートからなる。蓋部材32Aは、投入口2a上方の右半分を覆うように、梁部材31Aの上側に配置されている(図1参照)。蓋部材32Aは、複数のタッププレート314Aの上側に配置される本体部321Aと、タッププレート315Aの左右方向内側に配置される取付部322Aと、を有している。取付部322Aは、本体部321Aの左右方向内端から下方に折り曲がるように一体に形成されている。
【0025】
図5に示すように、右側の天蓋3Aは、蓋部材32Aを梁部材31Aに締結する複数(図例では4個)の締結部材(第1締結部材)33Aを備えている。各締結部材33Aは、例えばボルトからなる。本実施形態では、3個の締結部材33Aが、蓋部材32Aの本体部321Aを上方から貫通して各タッププレート314Aの雌ねじ孔316Aに締め付けられている。また、残りの1個の締結部材33Aは、蓋部材32Aの取付部322Aを左右方向内側方から貫通してタッププレート315Aの雌ねじ孔317Aに締め付けられている。これにより、締結部材33Aは、蓋部材32Aの取付部322Aを梁部材31Aに対して水平方向に締結している。ここで、「水平方向」とは、天蓋3A(本体部321A)を水平に配置した状態(図5に示す状態)における水平方向を意味する。
【0026】
図6は、左側の天蓋3Bの梁部材31Bを示す平面図である。図6に示すように、梁部材31Bは、左右方向に延びる複数(図例では5個)の短手梁311Bと、これらの短手梁311Bの左右方向外端部を連結する長手梁312Bと、各短手梁311Bの左右方向内端に固定された複数(図例では5個)の筒部材313Bと、を有している。梁部材31Bの短手梁311B、長手梁312B、及び筒部材313Bは、それぞれ梁部材31Aの短手梁311A、長手梁312A、及び筒部材313Aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0027】
図7は、左側の天蓋3Bを示す図1のB-B矢視断面図である。図7において、梁部材31Bは、各短手梁311Bの上側及び長手梁312Bの上側にそれぞれ溶接等により固定された複数のタッププレート314Bと、筒部材313Bの上側に溶接等により固定されたタッププレート315Bと、を有している。本実施形態のタッププレート314Bは、各短手梁311Bの上側に2個、長手梁312Bの上側に1個固定されている。各タッププレート314B,315Bには、それぞれ雌ねじ孔316B,317Bが形成されている。
【0028】
蓋部材32Bは、例えば可撓性を有する樹脂製のシートからなる。蓋部材32Bは、投入口2a上方の左半分を覆うように、梁部材31Bの上側に配置されている(図1参照)。蓋部材32Bは、複数のタッププレート314Bの上側に配置される本体部321Bと、タッププレート315Bの上側に配置される取付部322Bと、を有している。取付部322Bは、本体部321Bの左右方向内端から斜め上方に少し折り曲げられた後、本体部321Bと平行になるように左右方向内側方に向かって延びている。
【0029】
図7に示すように、左側の天蓋3Bは、蓋部材32Bを梁部材31Bに締結する複数(図例では4個)の締結部材(第2締結部材)33Bを備えている。各締結部材33Bは、例えばボルトからなる。本実施形態では、3個の締結部材33Bが、蓋部材32Bの本体部321Bを上方から貫通して各タッププレート314Bの雌ねじ孔316Bに締め付けられている。また、残りの1個の締結部材33Bは、蓋部材32Bの取付部322Bを上方から貫通してタッププレート315Bの雌ねじ孔317Bに締め付けられている。これにより、締結部材33Bは、蓋部材32Bの取付部322Bを梁部材31Bに対して鉛直方向に締結している。ここで、「鉛直方向」とは、天蓋3B(本体部321B)を水平に配置した状態(図7に示す状態)における鉛直方向を意味する。
【0030】
以上より、右側の天蓋3Aの締結部材33A、及び左側の天蓋3Bの締結部材33Bは、梁部材31A,31Bに対して取付部322A,322Bを水平方向及び鉛直方向にそれぞれ締結するので、互いに締結方向が異なっている。
【0031】
[開閉装置]
図1及び図3において、コンテナ1は、左右の天蓋3A,3Bを開閉動作させる開閉装置4を備えている。開閉装置4は、天蓋3A,3Bがコンテナ本体2の上方に配置されて投入口2aの上方を覆う閉鎖姿勢(図3図10参照)と、天蓋3A,3Bが投入口2aの上方を開放してコンテナ本体2の側壁12の外側方に配置される開放姿勢(図12参照)との間で、天蓋3A,3Bを開閉動作させる。
【0032】
本実施形態の開閉装置4は、左右の天蓋3A,3Bを個別に開閉動作させる左右一対の開閉機構40を備えている。各開閉機構40は、駆動アーム41、駆動軸42、従動アーム43、従動軸44、連結軸45、減速機46、及びモータ47を備えている。
【0033】
図8は、右側の開閉機構40の駆動アーム41、従動アーム43、及び連結軸45を示す平面図である。図9は、左側の開閉機構40の駆動アーム41、従動アーム43、及び連結軸45を示す平面図である。図8及び図9図1も参照)において、駆動アーム41は、天蓋3A,3Bの後側に配置されている。具体的には、駆動アーム41は、天蓋3A,3Bの最後部に配置された短手梁311A,311Bの後側において、当該短手梁311A,311Bと平行に配置されている。
【0034】
駆動アーム41の左右方向外側の基部は、駆動軸42に一体回転可能に連結されている。駆動軸42は、コンテナ本体2における後側の横板2c上において、図示を省略するブラケットに対して、前後方向に延びる軸線回りに回転可能に支持されている。これにより、駆動アーム41の基部は、コンテナ本体2に対して上下回動可能に連結されている。
【0035】
駆動軸42の端部は、減速機46を介してモータ47に接続されている。減速機46及びモータ47は、駆動アーム41の後方においてコンテナ本体2の横板2c上に設置されている。モータ47は、例えば正逆回転可能な電動モータからなる。モータ47を駆動することで、減速機46及び駆動軸42を介して駆動アーム41に駆動回動力が伝達される。したがって、駆動アーム41は、外部であるモータ47から駆動回動力から伝達されることによって上下回動するようになっている。
【0036】
従動アーム43は、天蓋3A,3Bの前側に配置されている。具体的には、従動アーム43は、天蓋3A,3Bの最前部に配置された短手梁311A,311Bの前側において、当該短手梁311A,311Bと平行に配置されている。
【0037】
従動アーム43の左右方向外側の基部は、従動軸44に一体回転可能に連結されている。従動軸44は、コンテナ本体2における前側の横板2b上に設置されたブラケット48に対して、前後方向に延びる軸線回りに回転可能に支持されている。これにより、従動アーム43の基部は、コンテナ本体2に対して上下回動可能に連結されている。
【0038】
連結軸45は、天蓋3A,3Bの左右方向内側に配置されている。連結軸45は、例えば金属製のパイプからなり、前後方向に長く延びている。連結軸45の外径は、第1及び梁部材31A,31Bの各筒部材313A,313Bの内径よりも小さい。連結軸45の前後方向の途中部は、各筒部材313A,313Bに挿入されている(図13も参照)。これにより、連結軸45は、筒部材313A,313Bに対して、軸線回りに回転可能に連結されている。
【0039】
連結軸45の後側の端部は、駆動アーム41の左右方向内側の先部に回転不能に連結されている。同様に、連結軸45の前側の端部は、従動アーム43の左右方向内側の先部に回転不能に連結されている。本実施形態では、連結軸45の前後方向の両端部は、駆動アーム41の先部、及び従動アーム43の先部に、それぞれ溶接により固定されている。これにより、駆動アーム41と従動アーム43は、連結軸45を介して一体化されている。したがって、従動アーム43は、駆動アーム41から連結軸45を介して駆動回動力が伝達されることで、駆動アーム41と一体的に上下回動するようになっている。
【0040】
図8及び図9に示すように、連結軸45の外周には、複数のストッパ5が固定されている。複数のストッパ5は、筒部材313A,313Bの前側に配置される所定数(図例では2個)の前ストッパ5Fと、筒部材313A,313Bの後側に配置される所定数(図例では5個)の後ストッパ5Rとを含む。前ストッパ5F及び後ストッパ5Rは、例えば連結軸45と同心の円環状に形成されている。
【0041】
本実施形態の前ストッパ5Fは、最前部及び最後部に配置された各筒部材313A,313Bの前側において連結軸45の外周に固定されている。最前部及び最後部の筒部材313A,313Bは、前ストッパ5Fに当接することで、当該筒部材313A,313Bの連結軸45に対する前側への移動が規制される。本実施形態の後ストッパ5Rは、全ての筒部材313A,313Bの後側において連結軸45の外周に固定されている。全ての筒部材313A,313Bは、後ストッパ5Rに当接することで、当該筒部材313A,313Bの連結軸45に対する後側への移動が規制される。
【0042】
図10は、コンテナ1を前側から見た図である。図10に示すように、コンテナ1は、各天蓋3A,3Bをスライド可能に支持する支持部6を備えている。支持部6は、各側壁12の上部の前側に固定されたブラケット7Fと、各ブラケット7Fに回転可能に取り付けられたガイドローラ8Fと、を有している。本実施形態のブラケット7Fは、側壁12の壁本体12a上に固定されている。ガイドローラ8Fは、各天蓋3A,3Bの最前部に配置された短手梁311A,311Bに下方から接触しながら回転することで、天蓋3A,3Bの前側を接線方向にスライド案内する。
【0043】
図3に示すように、支持部6は、各側壁12の上部の後側に固定されたブラケット7Rと、各ブラケット7Rに回転可能に取り付けられたガイドローラ8Rと、をさらに有している。本実施形態のブラケット7Rは、側壁12の壁本体12a上に固定されている。ガイドローラ8Rは、各天蓋3A,3Bの最後部に配置された短手梁311A,311Bに下方から接触しながら回転することで、天蓋3A,3Bの後側を接線方向にスライド案内する。以上により、各天蓋3A,3Bは、各側壁12の上部に設けられた支持部6の前後一対のガイドローラ8F,8Rにより、スライド可能に支持されている。
【0044】
図1及び図3に示すように、後側の横板2c上には、各駆動アーム41の基部の左右方向外側方に弾性部材49が固定されている。各駆動アーム41は、左右方向外側に回動したときに、弾性部材49に当接するようになっている。図1及び図10に示すように、前壁11上における各従動アーム43の基部の左右方向外側方にも弾性部材49が固定されている。各従動アーム43は、左右方向外側方に回動したときに、弾性部材49に当接するようになっている(図12参照)。
【0045】
図3に示す天蓋3A,3Bの閉鎖姿勢から、各モータ47を駆動させると、駆動アーム41が起立方向に回動し始める。駆動アーム41が起立方向に回動し始めると、連結軸45を介して従動アーム43も図10に示す状態から起立方向に回動し始める。駆動アーム41と従動アーム43は同期して回動するので、以下では、従動アーム43の回動に伴う天蓋3A,3Bの開閉動作について説明する。
【0046】
図11は、従動アーム43の回動途中の状態を示す説明図である。図11に示すように、天蓋3A,3Bを閉鎖姿勢から開動作させる際に、左右の従動アーム43が起立方向に回動すると(右側の従動アーム43が図11の時計回り方向に回動し、左側の従動アーム43が図11の反時計回り方向に回動すると)、天蓋3A,3Bの左右方向の内端部が持ち上げられるとともに、天蓋3A,3B(短手梁311A,311B)の左右方向の外端部がガイドローラ8F,8R上をスライドする。
【0047】
図11に示す状態から更に従動アーム43が回動すると、図12に示すように従動アーム43は、弾性部材49に当接することで左右方向の外側へ倒伏した状態で回動停止する。その際、天蓋3A,3Bは、コンテナ本体2の側壁12の外側方において、従動アーム43の先部から、側壁12の外面に沿って垂れ下がった状態となる。こうして、天蓋3A,3Bは、投入口2aを開放した開放姿勢となる。この開放姿勢で各モータ47を停止させることで、天蓋3A,3Bの開動作が終了する。天蓋3A,3Bの閉動作は、上記開動作と逆の動作が行われる。
【0048】
[左右の天板間の隙間]
図13は、図1のC-C矢視断面図である。図13に示すように、閉鎖姿勢における天蓋3A,3Bの梁部材31A,31Bは、左右方向(水平方向)に互いに対向する対向面318A,318Bを有している。本実施形態では、梁部材31Aにおけるタッププレート315Aの左右方向内側の面が対向面318Aとされ、梁部材31Bにおける筒部材313Bの外周面の一部(左右方向内側部)が対向面318Bとされている。これらの対向面318A,318B同士の間には、前後方向の全長に亘って隙間S1が形成されている。
【0049】
右側の天蓋3Bにおいて、上述した蓋部材32Aの取付部322Aは、対向面318Aに隣接して配置され、上述した締結部材33Aにより対向面318Aに締結されている。これにより、タッププレート315A、取付部322A、及び締結部材33Aは、閉鎖姿勢において隙間S1に、つまり梁部材31Bの筒部材313Bと干渉しない位置に配置される。
【0050】
[カバー]
図1及び図13において、コンテナ1は、左右の天蓋3A,3B間の隙間S1を埋めるカバー9を備えている。カバー9は、金属製の板部材からなり、隙間S1全体を埋めるように前後方向に長く形成されている。カバー9は、閉鎖姿勢の天蓋3A,3Bの傾斜に合わせて、左右方向(幅方向)の中央部が上方に湾曲するように折り曲げられている。
【0051】
カバー9の左右方向の一端部9aは、左側の天蓋3Bに固定されている。具体的には、カバー9の一端部9aは、蓋部材32Bの取付部322B上に配置された状態で、上述の締結部材33Bによって、取付部322Bと共に梁部材31Bに締結されている。これにより、締結部材33Bは、閉鎖姿勢において、カバー9及び蓋部材32Bを上下方向に重ね合わせた状態で、蓋部材32Bをカバー9と共に梁部材31Bに上下方向に締結している。
【0052】
カバー9の左右方向の中間部9bは、閉鎖姿勢において蓋部材32B(取付部322B)よりも右側に張り出して隙間S1を埋めている。カバー9の左右方向の他端部9cは、閉鎖姿勢において右側の蓋部材32Aの本体部321Aの上方に張り出して、本外部321Aの上面に当接する。これにより、隙間S1はカバー9により密閉されるので、コンテナ本体2a内の被乾燥物が臭気が発する場合に、その臭気が隙間S1から外部へ拡散するのを抑制することができる。
【0053】
[側壁の構成]
図14は、左側の側壁12の上部を示す側面図である。なお、図14では、天蓋3A,3B及び開閉装置4の図示を省略している。図15は、図14のD-D矢視断面図である。図14及び図15において、側壁12は、壁本体12aと、壁本体12aの上部に固定された衝立12bと、を有している。衝立12bは、側面視(図2も参照)において、閉鎖姿勢の天蓋3Bの下方全体に配置されるように前後方向に延びている。
【0054】
なお、コンテナ本体2における投入口2aの前後方向の長さは、開閉装置4や排気路部60(後述)の有無によって異なるので、天蓋3B及び衝立12bそれぞれの前後方向の長さも、投入口2aの前後方向の長さに合わせて調整されることは言うまでもない。
【0055】
衝立12bは、例えば略断面中空矩形状に形成されており、壁本体12aの上面の左右方向内側に偏って配置されている。衝立12bは、その左右方向内側の下端から下方に延びる延長板12cを有している。衝立12bは、壁本体12aの上面に溶接等により固定されている。また、延長板12cは、壁本体12aの内面に当接して溶接等により固定されている。なお、衝立12bは、壁本体12aと一体に形成されていてもよい。
【0056】
[係合装置]
図16は、図1のE-E矢視断面図である。なお、図16では、天蓋3Bの蓋部材32B、後述するレール25及びシール部材26の図示を省略している。図16に示すように、コンテナ1は、閉鎖姿勢の天蓋3Bの左右方向外端部が上下移動するのを抑制する係合装置20を備えている。係合装置20は、左側の側壁12に設けられた突起部(係合部)21と、天蓋3Bに設けられた受口部(被係合部)22と、を有している。
【0057】
図14及び図15において、突起部21は、側壁12の衝立12bの前後方向に所定間隔をあけて複数(図14では3つ)設けられている。本実施形態では、衝立12bの前後方向中央部に位置する突起部21が、衝立12bの前側及び後側に位置する突起部21よりも、前後方向に長く形成されている。突起部21は、平板状に形成され、衝立12bの左右方向外側の上端から左右方向外側方に突出するように衝立12bと一体に形成されている。
【0058】
図6及び図16に示すように、受口部22は、天蓋3Bの梁部材31Bにおける長手梁312Bの前後方向に所定間隔をあけて複数(図6では3つ)設けられている。これら3つの受口部22は、天蓋3Bが閉鎖姿勢の状態で、側壁12の前後3箇所に設けられた突起部21にそれぞれ対応して配置されるように長手梁312Bに設けられている(図2参照)。本実施形態では、長手梁312Bの前後方向中央部に位置する受口部22が、長手梁312Bの前側及び後側に位置する受口部22よりも、前後方向に長く形成されている。
【0059】
図16に示すように、受口部22は、平板部材を折り曲げて形成されている。具体的には、受口部22は、左右方向に延びる第1板部22aと、第1板部22aの左右方向外端から下方に延びる第2板部22bと、第2板部22bの下端から左右方向外側方に延びる第3板部22cと、を有している。第1板部22a及び第2板部22bは、それぞれ長手梁312Bの上側及び左右方向外側に溶接等により固定されている。
【0060】
第2板部22bの長手梁312Bよりも下方には、天蓋3Bが閉鎖姿勢のときに突起部21が挿入される挿入孔22dが、板厚方向(左右方向)に貫通して形成されている。突起部21は、第2板部22bの挿入孔22dに挿入されることで、受口部22に係合された状態となる。これにより、閉鎖姿勢の天蓋3Bの左右方向外端部が上下移動するのを抑制することができる。
【0061】
図14図16において、係合装置20は、側壁12の上端部に設けられた案内部23をさらに有している。案内部23は、天蓋3Bを開放姿勢から閉鎖姿勢まで閉動作させるときに、受口部22を突起部21との係合位置(図16に示す位置)に案内するものである。本実施形態の案内部23は、長手梁312Bの前後方向中央部の受口部22を案内するために、側壁12の上端部の前後方向中央部に設けられている(図2も参照)。
【0062】
案内部23は、前後一対の支持板23aと、これらの支持板23aに固定された案内板23bと、を有している。支持板23aは、その板厚方向を前後方向に向けた状態で、壁本体12aの上面の左右方向外側に配置されている。支持板23aの下面23a1及び左右方向内側の側面23a2は、それぞれ壁本体12aの上面、及び衝立12bの左右方向外側の側面に溶接等により固定されている。支持板23aの側面23a2の上端から下面23a1の左右方向外端までの間には、凸円弧状の支持面23a3が形成されている。
【0063】
案内板23bは、各支持板23aの支持面23a3に沿って凸円弧状に形成されており、これらの支持面23a3に溶接等により固定されている。案内板23bは、天蓋3Bの閉動作時に、受口部22の下端部(図16では第2板部22bと第3板部22cとの接続部分)が、案内板23bの凸円弧状の外周面である案内面23cに当接しながら下方から上方へスライドするように配置されている。また、案内板23bは、その案内面23cに沿って受口部22の一部分が上方までスライドしたときに、挿入孔22dに突起部21が挿入される位置、すなわち受口部22が突起部21と係合した係合位置となるように配置されている。なお、案内部23の案内面23cは、凸円弧状以外(例えば傾斜状)に形成されていてもよい。
【0064】
本実施形態では、上記のように長手梁312Bの前後方向中央部に位置する受口部22が案内部23によって係合位置に案内されることで、長手梁312Bの前側及び後側にそれぞれ位置する受口部22も係合位置に案内されるようになっている。
【0065】
なお、図4に示すように、右側の天蓋3A(長手梁312A)にも受口部22が設けられている。また、図示を省略するが、右側の側壁12にも突起部21が設けられている。これら右側の突起部21及び受口部22は、右側の天蓋3Aが閉鎖姿勢のときに天蓋3Aの左右方向外端部が上下移動するのを抑制する係合装置20として機能する。右側の突起部21及び受口部22は、上述の左側の突起部21及び受口部22と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0066】
[シール部材]
図14及び図15において、左側の側壁12における衝立12bの上面には、レール25を介して弾性のシール部材26が固定されている。レール25は、上方に開口する断面C字形状の金属製又は樹脂製の部材からなる。レール25の前後方向の長さは、衝立12bの前後方向の長さと略同一である。シール部材26は、天蓋3Bが閉鎖姿勢のときに天蓋3Bの裏面と側壁12(衝立12b)の上面との間を密封する部材である(図17参照)。シール部材26の前後方向の長さは、レール25(衝立12b)の前後方向の長さと略同一である。
【0067】
シール部材26は、レール25に差し込まれて固定されるシール基部27と、シール基部27の上側に一体に形成されたシール本体部28と、を有している。シール本体部28は、レール25の上方に露出している。本実施形態のシール本体部28は、内部が中空の略四角筒状に形成されている。シール本体部28は、外側面28a、内側面28b、上面28c、外曲面28d、及び内曲面28eを外周に有している。
【0068】
外側面28aは、レール25の左右方向外側の上方において鉛直方向に延びて形成されており、側壁12の外側方を向いている。内側面28bは、レール25の左右方向内側の上方において鉛直方向に延びて形成されており、側壁12の内側方を向いている。上面28cは、外側面28a及び内側面28bよりも上方において水平方向に延びて形成されており、側壁12の上方を向いている。外曲面28dは、外側面28aと上面28cとを繋ぐ曲面であり、凸円弧状に形成されている。内曲面28eは、内側面28bと上面28cとを繋ぐ曲面であり、凸円弧状に形成されている。
【0069】
図17は、天蓋3Bが閉鎖姿勢の状態における左側の側壁12の上部を示す断面図である。図17に示すように、天蓋3Bの梁部材31Bは、閉鎖姿勢においてシール本体部28に接触する位置に配置される。本実施形態では、梁部材31Bの長手梁312Bが、閉鎖姿勢においてシール本体部28(特に外側面28a)を弾性変形させて外側面28aに面接触する位置に配置される。
【0070】
具体的には、長手梁312Bは、天蓋3Bの閉動作により側壁12の左右方向外側から左右方向内側に向かってスライドするときに、シール本体部28の外側面28aに接触して当該外側面28aを左右方向内側へ押圧して弾性変形させる。これにより、長手梁312Bの外周面の一部である円弧状の外面319が、閉鎖姿勢においてシール本体部28の左右方向内側に弾性変形した外側面28aに面接触する。
【0071】
なお、図示を省略するが、右側の側壁12の上面にもシール部材26が固定されている。そのシール部材26におけるシール本体部28の外側面28aには、右側の天蓋3Aにおける梁部材31Aの長手梁312Aが面接触する。長手梁312Aの外周面の一部は、長手梁312Bと同様に、閉鎖姿勢においてシール本体部28の外側面28aに面接触する円弧状の外面319とされている。
【0072】
[排気路部]
図1に示すように、コンテナ本体2の投入口2aは、上述した天蓋3A,3B、カバー9、及びシール部材26(図17参照)により密閉される。このため、コンテナ1は、天蓋3A,3Bが閉鎖姿勢の状態で、給気口18(図3参照)からコンテナ本体2内に導入された乾燥気体を排気するための排気路部60を備えている。排気路部60は、コンテナ本体2の上部後側の左右方向中央部において、コンテナ本体2の内外を連通するように設けられている。
【0073】
図18は、排気路部60の周辺を示す拡大平面図である。図19は、図18のF-F矢視断面図である。図20は、図18のG-G矢視断面図である。図18図20において、まず排気路部60の周辺におけるコンテナ本体2の構造について説明する。コンテナ本体2は、その上部後側において横板2cの前端から上方に延びる縦板2dを有している。縦板2dの上端面は、図示を省略するシール部材を介して、閉鎖姿勢の天蓋3A,3Bを下方から支持するようになっている。このため、縦板2dの上端面は、閉鎖姿勢の天蓋3A,3Bの傾斜に合わせて、左右方向の両外側が最も低くなるように傾斜している。
【0074】
コンテナ本体2における横板2cの下方及び縦板2dの前方には、被乾燥物の収容空間2eが形成されている。コンテナ本体2には、排気路部60が接続される接続口2fが、横板2cと縦板2dとに跨って形成されている。接続口2fは、横板2cに形成された第1切り欠き部2f1と、縦板2dに形成された第2切り欠き部2f2と、によって構成されている。
【0075】
第1切り欠き部2f1は、横板2cの左右方向中央部において前側に開口するように凹状に形成されている。第2切り欠き部2f2は、縦板2dの左右方向中央部において下側に開口するように凹状に形成されている。第2切り欠き部2f2の下側の開口は、第1切り欠き部2f1の前側の開口と連通している。これにより、コンテナ本体2には、横板2cと縦板2dとに跨って、1つの接続口2fが形成されている。
【0076】
本実施形態の排気路部60は、接続口2fに接続された箱体61と、箱体61に取り付けられた筒体62と、によって構成されている。箱体61は、横板2cの上側かつ縦板2dの後側において、左右のモータ47の間に配置されている。箱体61は、上板61a、左右一対の側板61b、及び後板61cによって構成されている。
【0077】
上板61aは、平面視において矩形状に形成されている。上板61aの上方には、天蓋3A,3Bが閉鎖姿勢のときに左右の両駆動アーム41の先部が配置される。このため、上板61aは、両駆動アーム41の先部と干渉しないように形成されている。具体的には、上板61aは、前端から後方へ水平方向に延びる第1上板部61a1と、第1上板部61a1の後端から後斜め上方に延びる第2上板部61a2と、第2上板部61a2の後端(上端)から上方へ鉛直方向に延びる第3上板部61a3と、第3上板部61a3の上端から後斜め上方に延びる第4上板部61a4と、を有している。両駆動アーム41の先部は、第1上板部61aの上方、かつ第3上板部61a3の前方に配置される。
【0078】
後板61cは、上板61aと同様に、平面視において矩形状に形成されている。後板61cは、第4上板部61a4の後端(上端)から、第4上板部61a4に対して垂直となるように、後斜め下方に延びている。後板61cには、円形の取付孔61dが板厚方向に貫通して形成されている。
【0079】
側板61bの上端及び後端は、それぞれ上板61a及び後板61cの側面視の形状に沿って形成されている。側板61bの前端は、鉛直方向に延びて形成され、側板61bの下端は、水平方向(前後方向)に延びて形成されている。
【0080】
箱体61の下端及び前端は、それぞれ開口しており、コンテナ本体2の接続口2fの周縁に配置した状態で横板2c及び縦板2dに固定されている。具体的には、上板61a(第1上板部61a1)の前端は、第2切り欠き部2f2の上縁に沿って配置された状態で、溶接等により縦板2dに固定されている。左右の側板61bの前端は、第2切り欠き部2f2の左右の側縁に沿ってそれぞれ配置された状態で、溶接等により縦板2dに固定されている。左右の側板61bの下端は、第1切り欠き部2f1の左右の側縁に沿ってそれぞれ配置された状態で、溶接等により横板2cに固定されている。後板61cの下端は、第1切り欠き部2f1の後縁に沿って配置された状態で、溶接等により横板2cに固定されている。
【0081】
筒体62は、円筒状に形成されている。筒体62の一端部は、箱体61の取付孔61dに挿入された状態で、後板61cに溶接等により固定されている。これにより、筒体62の内部は、箱体61の内部を介して、コンテナ本体2の接続口2fと連通している。筒体62の他端には、外部に開口する円形の排気口63が形成されている。排気口63の開口面積は、コンテナ本体2の投入口2aの開口面積よりも小さい。筒体62の他端側の外周には、円環状のフランジ部62aが径方向外側に突出して形成されている。
【0082】
図18及び図19において、コンテナ1は、排気路部60の排気口63を開閉可能な蓋体71を備えている。蓋体71は、有天円筒状に形成されている。蓋体71の開口端側の外周には、円環状のフランジ部71aが径方向外側に突出して形成されている。蓋体71のフランジ部71aは、筒体62のフランジ部62aに重ね合わせた状態(図19に示す状態)で、図示しないロック機構(例えばパッチン錠等)によりロックされる。これにより、排気路部60の排気口63は、蓋体71に覆われて閉鎖される。
【0083】
なお、蓋体71は、図示しないチェーン等により排気路部60に繋がれている。これにより、蓋体71が排気口63を開放した状態でも、排気路部60の周辺に蓋体71を留めておくことができる。
【0084】
蓋体71を排気路部60から取り外して排気口63を外部に開放することで、給気口18からコンテナ本体2内に導入された乾燥気体は、被乾燥物を通過して、接続口2fから排気路部60内を通過して排気口63から排気される。その際、排気口63にホース(図示省略)の一端を接続することで、排気口63からホース内に導入した乾燥気体を、所望の場所においてホースの他端から排気することができる。例えば、コンテナ1が屋内に設置されている場合、コンテナ本体2の乾燥気体を、ホースを介して屋外に排気することができる。
【0085】
図19及び図20において、コンテナ1は、接続口2fの第1切り欠き部2f1及び第2切り欠き部2f2のうち、第1切り欠き部2f1だけを閉塞可能な閉塞板72を備えている。本実施形態の閉塞板72は、矩形状に形成され、第1切り欠き部2f1よりも前後方向及び左右方向に大きく形成されている。閉塞板72は、第1切り欠き部2f1を下側から閉塞する。このように閉塞板72が第1切り欠き部2f1を閉塞した状態で、閉塞板72の左右両端部は、複数のボルト73とナット74により横板2cに着脱可能に取り付けられる。第1切り欠き部2f1が閉塞板72で閉塞された場合、コンテナ本体2内の乾燥気体は、接続口2fの第2切り欠き部2f2を通過して排気口63から外部に排出される。なお、図19ではボルト73とナット74の図示を省略している。
【0086】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態のコンテナ1によれば、給気口18からコンテナ本体2に乾燥気体を導入して被乾燥物を乾燥させるときに、天蓋3A,3Bがコンテナ本体2の投入口2aを覆った閉鎖姿勢の状態で、蓋体71により排気路部60の排気口63を開放することができる。これにより、コンテナ本体2に導入された乾燥気体を、排気口63から外部に排気することができる。その際、排気口63からは被乾燥物の臭気も外部に漏れるが、排気口63は投入口2aよりも開口面積が小さいので、臭気が投入口2aから漏れる場合と比較して、臭気の漏れを抑えることができる。その結果、被乾燥物の臭気がコンテナ本体2の外部へ拡散するのを抑制することができる。
【0087】
また、コンテナ本体2に乾燥気体を導入しないときは、蓋体71により排気口63を閉鎖することで、臭気の漏れを抑えることができ、かつ、雨水が排気口63からコンテナ本体内に浸入するのを抑制することができる。
【0088】
また、コンテナ本体2の後部には、排気路部60が接続される接続口2fが、横板2cと縦板2dとに跨って形成されているので、接続口2fを横板2cだけに形成する場合と比較して、接続口2fを大きく形成することができる。
【0089】
また、接続口2fの一部を構成する第1切り欠き部2f1だけを閉塞板72で閉塞することができる。このため、被乾燥物の重量が比較的軽い場合には、第1切り欠き部2f1を閉塞板72で閉塞した状態で、蓋体71により排気口63を開放することで、コンテナ本体2内の第1切り欠き部2f1の下方に位置する被乾燥物が、乾燥気体と共に第1切り欠き部2f1を通過して外部に排出されるのを抑制することができる。その際、接続口2fの他部を構成する第2切り欠き部2f2は閉塞されないので、閉塞板72によって乾燥気体の排気が邪魔されることはない。また、被乾燥物の重量が比較的重い場合には、コンテナ本体2内の第1切り欠き部2f1の下方に位置する被乾燥物は乾燥気体と共に外部に排出されにくいので、第1切り欠き部2f1を覆う閉塞板72を取り外すことで、乾燥気体の排気効率を高めることができる。
【0090】
[その他]
上記実施形態における一対の天蓋3A,3Bは、投入口2aを左右方向に分割して開閉しているが、前後方向に分割して開閉してもよい。また、天蓋3A,3Bの蓋部材32A,32Bは、可撓性の樹脂製シートに限定されるものではなく、例えば金属板等の剛体により形成されていてもよい。また、天蓋3A,3B間の隙間S1は、カバー9の代わりに、パッキン等のシール材で埋めてもよい。また、一対の天蓋3A,3Bの代わりに、投入口2a全体を覆う単体の天蓋により投入口2aを開閉してもよい。
【0091】
上記実施形態の開閉装置4における駆動アーム41及び従動アーム43の各先部は、連結軸45に回転不能に連結されているが、連結軸45を用いずに天蓋3A,3Bに対して回転可能に連結させてもよい。また、左右一対の駆動アーム41又は左右一対の従動アーム43は、伝達手段(スプロケット及びチェーン等)を介して連動して回動させるようにしてもよい。
【0092】
上記実施形態の開閉装置4は、天蓋3A,3Bの左右方向外端部を自由端としてスライドさせているが、側壁12に対して天蓋3A,3Bの左右方向外端部を前後方向の軸線回りに回転可能に支持し、天蓋3A,3Bの左右方向内端部を自由端として回動させるようにしてもよい。また、開閉装置4は、モータ47の回動駆動力により駆動アーム41を回動させているが、他のアクチュエータの回動駆動力により、又はアクチュエータの代わりに手動式の操作ハンドルの回動駆動力により駆動アーム41を回動させてもよい。
【0093】
上記実施形態では、排気路部60の排気口63から、コンテナ本体2内の乾燥気体を自然に排気させているが、排気口63にブロワ等を接続し、乾燥気体を強制的に排気させてもよい。
【0094】
また、排気路部60の接続口2fは、横板2cと縦板2dとに跨って形成されているが、横板2cのみ、又は縦板2dのみに形成されていてもよい。後者の場合、図21に示す変形例のように、横板2cに切り欠き部を形成せずに、縦板2dのみに切り欠き部2f3を形成し、この切欠部2f3によって接続口2fを構成すればよい。この構成によれば、コンテナ本体2内の横板2cの下方に位置する被乾燥物が、乾燥気体と共に切り欠き部2f3を通過して外部に排出されるのを抑制することができる。なお、縦板2dのみに形成される接続口2fは、図21に示す構成に限定されるものではなく、例えば上記実施形態(図19参照)において、横板2cに閉塞板72を着脱不能に固定し、縦板2dの第2切り欠き部2f2によって構成されていてもよい。
【0095】
また、排気路部60は、箱体61と筒体62とによって構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、排気路部60は、箱体61及び筒体62の一方だけで構成されていてもよいし、横板2c又は縦板2dに形成された貫通孔によって構成されていてもよい。後者の場合、貫通孔における横板2cの上面(又は縦板2dの後面)側の開口が排気口となる。
【0096】
また、排気路部60は、コンテナ本体2の後側に設けられているが、コンテナ本体2の前側に設けられていてもよい。上記実施形態の給気口18は、コンテナ本体2の後壁13に形成されているが、コンテナ本体2の前壁11又は側壁12に形成されていてもよい。
【0097】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
1 コンテナ
2 コンテナ本体
2a 投入口
2c 横板
2d 縦板
2f 接続口
2f1 第1切り欠き部
2f2 第2切り欠き部
3A,3B 天蓋
4 開閉装置
18 給気口
60 排気路部
63 排気口
71 蓋体
72 閉塞板
図1
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