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特開2023-27445気体流量算出装置、気体流量算出システム、気体流量算出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027445
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】気体流量算出装置、気体流量算出システム、気体流量算出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/34 20060101AFI20230222BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20230222BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G01F1/34 A
G01F1/00 A
G01F1/00 Q
A61M1/00 109
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132536
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】金子 暁子
(72)【発明者】
【氏名】阿部 豊
(72)【発明者】
【氏名】樋口 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 広太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 光昭
【テーマコード(参考)】
2F030
4C077
【Fターム(参考)】
2F030CA04
2F030CC11
2F030CE02
2F030CE04
2F030CE11
2F030CE22
2F030CF07
4C077AA18
4C077AA24
4C077DD11
4C077DD12
4C077EE04
4C077HH07
4C077HH13
4C077HH15
4C077HH21
4C077KK27
(57)【要約】
【課題】水封部を通過する気体の流量を精度よく捉える気体流量算出装置、気体流量算出システム、気体流量算出方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】気体流量算出装置は、水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得する測定結果取得部と、水封部の上流側にある気体出口から水封部に気体が流れることによって気体出口の水封部側に発生する気泡が気体出口から水封部内に離脱するときの気体の圧力変化と離脱した気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された圧力測定結果とに基づいて、気泡の体積を算出する体積算出部と、算出された体積と、気泡の発生頻度とに基づいて、水封部を通過した気体の流量を算出する流量算出部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記水封部の上流側にある気体出口から前記水封部に前記気体が流れることによって前記気体出口の前記水封部側に発生する気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化と離脱した前記気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された前記圧力測定結果とに基づいて、前記気泡の体積を算出する体積算出部と、
算出された前記体積と、前記気泡の発生頻度とに基づいて、前記水封部を通過した前記気体の流量を算出する流量算出部と、
を備える気体流量算出装置。
【請求項2】
前記圧力体積相関情報は、
前記気体出口に前記気泡が生成されることにより上昇した前記圧力の下降率が相対的に大きい時間帯の圧力変化を、前記気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化として定められている
請求項1に記載の気体流量算出装置。
【請求項3】
前記水封部は、胸腔ドレナージユニットの排液部よりも下流に備えられ、
前記気体出口は、前記排液部と前記水封部とが接続される位置に備えられ、
前記圧力センサは、胸腔ドレナージユニットの前記排液部の気体の圧力を測定する
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の気体流量算出装置。
【請求項4】
人体から出る気体が導入され、前記気体に含まれる液体成分又は固体成分を貯留する排液部と、
前記排液部よりも下流に備えられ、前記排液部からの気体を外気に放出するとともに前記排液部への外気の流入を抑止する水封部と、
前記水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサと、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の気体流量算出装置と、
を備える気体流量算出システム。
【請求項5】
水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得することと、
前記水封部の上流側にある気体出口から前記水封部に前記気体が流れることによって前記気体出口の前記水封部側に発生する気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化と離脱した前記気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された前記圧力測定結果とに基づいて、前記気泡の体積を算出することと、
算出された前記体積と、前記気泡の発生頻度とに基づいて、前記水封部を通過した前記気体の流量を算出することと、
を有する気体流量算出方法。
【請求項6】
コンピュータに、
水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得することと、
前記水封部の上流側にある気体出口から前記水封部に前記気体が流れることによって前記気体出口の前記水封部側に発生する気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化と離脱した前記気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された前記圧力測定結果とに基づいて、前記気泡の体積を算出することと、
算出された前記体積と、前記気泡の発生頻度とに基づいて、前記水封部を通過した前記気体の流量を算出することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体流量算出装置、気体流量算出システム、気体流量算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
胸腔ドレナージユニット(drainage unit)は、胸腔内に空気が漏れ出している気胸の患者に対して使用されるもので、胸腔内に溜まった体液(血液、膿、滲・漏出液など)および空気を体外に排出するための装置である。この胸腔ドレナージユニット内には水封部があり、患者の胸腔から排出される空気は気泡となってこの水封部を通過して外部に排出されるようになっている。また、水封部から外部への排出には、吸引圧調整用の水溜まりを経由して吸引ポンプが接続される場合もある。
【0003】
ここで、胸腔内に漏れ出した空気の量と肺に開いた穴の大きさや患者の容態などとの間には相関関係があると一般に考えられている。このため、胸腔内に漏れ出した空気の流量を定量的に観測することができれば、臨床的に有用な指標であり、胸腔から胸腔ドレナージユニットへ放出される空気の量は、手術の要否及び退院の可否を決定する際の参考となる。
しかしながら、現状では、医師または看護師が目視で水封部を気泡が通過する様子を観測することにより、胸腔内に漏れ出した空気の流量を定性的にしかも主観的に観測しているに過ぎず、しかも観測している時間もごく短い。
そこで、胸腔から胸腔ドレナージユニットへ放出される空気の量を測定する技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の胸腔ドレナージユニットは、水封部の圧力を測定して、測定した圧力から気体の流量を推定することにより、水封部を通過する空気の量を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-52933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水封部の圧力を測定する方法では、例えば低流量の場合において、圧力変動と水封部を通過する気体の体積との相関が低下することから、圧力変動に基づいて胸腔内に漏れ出した空気の流量を精度よく捉えることが困難であった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、水封部を通過する気体の流量を精度よく捉えることができる気体流量算出装置、気体流量算出システム、気体流量算出方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得する測定結果取得部と、前記水封部の上流側にある気体出口から前記水封部に前記気体が流れることによって前記気体出口の前記水封部側に発生する気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化と離脱した前記気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された前記圧力測定結果とに基づいて、前記気泡の体積を算出する体積算出部と、算出された前記体積と、前記気泡の発生頻度とに基づいて、前記水封部を通過した前記気体の流量を算出する流量算出部と、を備える気体流量算出装置である。
【0009】
本発明の一態様は、上記の気体流量算出装置において、前記圧力体積相関情報は、前記気体出口に前記気泡が生成されることにより上昇した前記圧力の下降率が相対的に大きい時間帯の圧力変化を、前記気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化として定められている。
【0010】
本発明の一態様は、上記の気体流量算出装置において、前記水封部は、胸腔ドレナージユニットの排液部よりも下流に備えられ、前記気体出口は、前記排液部と前記水封部とが接続される位置に備えられ、前記圧力センサは、胸腔ドレナージユニットの前記排液部の気体の圧力を測定する。
【0011】
本発明の一態様は、人体から出る気体が導入され、前記気体に含まれる液体成分又は固体成分を貯留する排液部と、前記排液部よりも下流に備えられ、前記排液部からの気体を外気に放出するとともに前記排液部への外気の流入を抑止する水封部と、前記水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサと、上記いずれかの気体流量算出装置と、を備える気体流量算出システムである。
【0012】
本発明の一態様は、水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得することと、前記水封部の上流側にある気体出口から前記水封部に前記気体が流れることによって前記気体出口の前記水封部側に発生する気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化と離脱した前記気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された前記圧力測定結果とに基づいて、前記気泡の体積を算出することと、算出された前記体積と、前記気泡の発生頻度とに基づいて、前記水封部を通過した前記気体の流量を算出することと、を有する気体流量算出方法である。
【0013】
本発明の一態様は、コンピュータに、水封部よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサによる圧力測定結果を取得することと、前記水封部の上流側にある気体出口から前記水封部に前記気体が流れることによって前記気体出口の前記水封部側に発生する気泡が前記気体出口から前記水封部内に離脱するときの前記気体の圧力変化と離脱した前記気泡の体積との相関関係を示す圧力体積相関情報と、取得された前記圧力測定結果とに基づいて、前記気泡の体積を算出することと、算出された前記体積と、前記気泡の発生頻度とに基づいて、前記水封部を通過した前記気体の流量を算出することと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、胸腔ドレナージユニットの排液量や流量が過渡的に変化する条件においても水封部を通過する気体の流量を精度よく捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る胸腔ドレナージユニットの機能構成を示す概略ブロック図である。
図2】胸腔ドレナージユニット本体の構成例を示す概略構成図である。
図3】本実施形態の気体出口における気泡の発生過程の一例を示す図である。
図4】気体流量算出装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
図5】本実施形態の圧力センサによる圧力測定値の一例を示す図である。
図6】本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体における気体の流量と気泡の発生頻度との関係の一例を示す図である。
図7】本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体における気体の流量と気泡の体積との関係の一例を示す図である。
図8】本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体における排液量と気泡の体積との関係を示す図である。
図9】本実施形態の圧力測定波形の変化の一例を示す図である。
図10】本実施形態の圧力測定波形の一例を拡大した図である。
図11】本実施形態の圧力差と気体の流量との関係、及び気泡の体積と気体の流量との関係の一例を示す図である。
図12】本実施形態の圧力差ΔPと気泡の体積の相関関係の一例を示す図である。
図13】気体の流量の実測結果と、本実施形態の気体流量算出装置による気体の流量の算出結果との対比の一例を示す図である。
図14】本実施形態の気体流量算出装置の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、以下では、胸腔ドレナージ(ThoracicDrainageまたはChestDrainage)ユニットにおける空気流量の測定(すなわち、患者の体外に排出される空気流量の測定)に本発明を適用する場合を例に説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、水封部が設けられたガスクロマトグラフィーなど、水封部を通過する気体の流量を測定するいろいろな用途に本発明を適用することができる。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る胸腔ドレナージユニットの機能構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、胸腔ドレナージユニット1は、胸腔ドレナージユニット本体100と、気体流量算出装置200とを備える。
胸腔ドレナージユニット1は、肺から胸腔内に空気が漏れる気胸の患者に用いられ、この患者の肺から胸腔に漏れた空気を体外へ排出する。また、胸腔ドレナージユニット1は、患者の体外へ排出された空気の流量を測定する。胸腔ドレナージユニット1は、気体流量測定システムの例に該当する。
【0018】
胸腔ドレナージユニット1が、患者の体外へ排出された空気の流量を測定することで、この患者の担当医は、測定された空気流量を医療の参考にすることができる。例えば、患者の体外へ排出される空気の流量が30ミリリットル毎分(ml/分)以下になれば、退院してよいと判断することができる。
胸腔ドレナージユニット本体100は、気胸の患者の胸腔に挿入されたチューブにて、患者の肺から胸腔へ漏れた空気を胸腔ドレナージユニット本体100へ流入させる。
【0019】
図2は、胸腔ドレナージユニット本体100の構成例を示す概略構成図である。図2に示すように、胸腔ドレナージユニット本体100は、チューブ110と、排液部120と、水封部130と、吸引圧調整部140と、第2水だまり141と、吸引ポンプ151と、圧力センサ152と、チェックバルブ153と、第1隔壁161と、第2隔壁162と、第3隔壁163と、第4隔壁164と、第5隔壁165とを備える。水封部130は、第1水だまり131を備える。
【0020】
図2に関する説明を続ける。図2には、患者900の肺910と、胸腔920と、横隔膜930とが示されている。図2は、患者900が腹式呼吸を行う場合の例を示しており、横隔膜930の上下動によって肺910が収縮および膨張することで呼吸が行われる。
ここで、患者900は、左肺から空気が漏れて気胸になっている。左肺から漏れた空気が胸腔920に溜まると、横隔膜が上下しても左肺が収縮したままになり、十分に呼吸を行えない。
そこで、胸腔ドレナージユニット本体100を用いて胸腔920から患者900の体外へ空気を放出する。
【0021】
チューブ110は、患者900の胸腔から胸腔ドレナージユニット本体100へ空気を排出する。チューブ110の一方の端部は、患者900の胸腔920に挿入され、もう一方の端部は、胸腔ドレナージユニット本体100の排液部120に接続されている。この状態で、胸腔920に溜まった空気の圧力で、または、吸引ポンプ151によって胸腔ドレナージユニット本体100内が減圧されることで、胸腔920内の空気が胸腔ドレナージユニット本体100へ排出される。
【0022】
排液部120は、患者900の胸腔920から排出された空気の流入を受ける。上記のように、患者900の胸腔920と排液部120とはチューブ110によって接続されており、胸腔920から排出された空気はチューブ110を経由して排液部120内へ流入する。
【0023】
患者900の胸腔920から空気が排出される際、空気と共に血液などの液体が排出される場合がある。この場合、液体もチューブ110を経由して排液部120内へ流入する。
患者900の胸腔920から排液部120内へ流入した空気は、排液部120内の空気圧が水封部130内の空気圧よりも高いことで、さらに排液部120から水封部130へ流入する。一方、患者900の胸腔920から排液部120へ液体が流入した場合、液体は排液部120内に溜まる。
すなわち、排液部120は、人体から出る気体が導入され、気体に含まれる液体成分又は固体成分を貯留する。
【0024】
水封部130は、排液部120との境界に気体出口132を備えている。水封部130は、排液部120から気体出口132を経由して空気の流入を受け、流入した空気を胸腔ドレナージユニット本体100の外部へ放出する。
水封部130には、滅菌蒸留水が入れられており、第1水だまり131を構成する。気体出口132から水封部130に流入した空気は、第1水だまり131で気泡となって、第1水だまり131を通過する。
第1水だまり131は、排液部120内の空気圧と水封部130内の空気圧とが同じ状態において、水面が第2隔壁162の下側の隙間(気体出口132)よりも高くなる量の滅菌蒸留水が水封部130内に入れられて構成されている。第2隔壁162の下側の隙間に到達した空気は、気泡となって第1水だまり131を通過する。
【0025】
図3は、本実施形態の気体出口132における気泡の発生過程の一例を示す図である。同図に示すように、排液部120と水封部130とは、第1隔壁161及び第2隔壁162で仕切られており、第2隔壁162の下部に隙間(気体出口132)が設けられている。胸腔920からの空気の圧力で、または、吸引ポンプ151が水封部130内部から空気を吸引することで、排液部120内の空気圧が水封部130の空気圧よりも高くなっている。
【0026】
排液部120からの空気は、第1隔壁161と第2隔壁162との間を通って第2隔壁162の下側の気体出口132に到達する(図3(A)に示す空気133A)。
さらに排液部120からの空気が供給されると、空気は気体出口132から水封部130側に進出する(図3(B)に示す空気133B)。
さらに排液部120からの空気が供給されると、空気は気体出口132から水封部130側にさらに進出する(図3(C)に示す空気133C)。
さらに排液部120からの空気が供給されると、空気は気体出口132から水封部130内に離脱して気泡が発生する(図3(D))。
なお、本実施形態において、水封部130の上流側にある気体出口132から水封部130に気体が流れることによって気体出口の水封部130側に発生する気泡(つまり、図3(D)に示す気泡)のことを、気泡133Dと称する。
ここで、排液部120内の気体の圧力は、図3(A)~(C)の間で増加し、図3(C)~(D)の間で減少する。
【0027】
図2に戻り説明を続ける。排液部120と水封部130との境界について、第1水だまり131よりも上流(空気の流れで患者900に近い側)を排液部120側とし、第1水だまり131を含んで下流(空気の流れで患者900から遠い側)を水封部130側とする。
気体出口132は、排液部120と水封部130とが接続される位置に備えられる。
【0028】
ここでいう上流は、胸腔ドレナージユニット本体100の構造によって構成される経路にて、患者900に近い側である。下流は、胸腔ドレナージユニット本体100の構造によって構成される経路にて、患者900から遠い側である。
排液部120と水封部130とでは、排液部120の方が上流であり、水封部130の方が下流である。水封部130と吸引圧調整部140とでは、水封部130の方が上流であり、吸引圧調整部140の方が下流である。また、水封部130と吸引ポンプ151とでは、水封部130の方が上流であり、吸引ポンプ151の方が下流である。
水封部130は、胸腔ドレナージユニットの排液部120よりも下流に備えられる。水封部130は、排液部120よりも下流に備えられ、排液部120からの気体を外気に放出するとともに排液部120への外気の流入を抑止する。
【0029】
チェックバルブ153は、水封部130に設けられた安全弁である。チェックバルブ153を開くことで水封部130内の空気圧が大気圧と同じになり、あるいは大気圧に近付き、吸引ポンプ151による排液部120から水封部130への空気の吸引が中止または低減される。
【0030】
圧力センサ152は、胸腔ドレナージユニットの排液部120の気体の圧力を測定する。具体的には、圧力センサ152は、排液部120の上部(すなわち、排液部120に貯留される液面の高さよりも鉛直上方)に設けられており、水封部130よりも上流側の気体の圧力を測定する。
なお、圧力センサ152は、排液部120のうち、気相の領域の圧力(すなわち、気体の圧力)を測定できればよく、排液部120の側面に設置されていてもよい。
【0031】
吸引圧調整部140は、患者900から胸腔ドレナージユニット本体100への空気の排出量を安定させるために設けられている。
水封部130と吸引圧調整部140との間には第3隔壁163が設けられている。第3隔壁163の上部には隙間が設けられており、水封部130と吸引圧調整部140との間を空気が移動可能である。また、吸引圧調整部140と外部との間には、第4隔壁164及び第5隔壁165が設けられている。第4隔壁164の下部に隙間が設けられており、また、第4隔壁164と第5隔壁165との間の空間は大気に開放されている。また、吸引圧調整部140には滅菌蒸留水が入れられて第2水だまり141を構成している。
【0032】
水封部130内の空気圧の大気圧からの低下量がある程度以上大きくなると、大気に開放されている第4隔壁164と第5隔壁165との間の空間から、第2水だまり141を経由して水封部130側へ空気が流入する。これによって、水封部130内の空気圧の低下が緩和され、患者900から胸腔ドレナージユニット本体100への空気の吸引の安定化が図られる。
【0033】
また、吸引ポンプの吸引力が一時的に増加した場合、第2水だまり141が吸引圧調整部140側へ吸引されることで、水封部130および吸引圧調整部140内の空間が減少し、水封部130内の圧力低下が緩和される。吸引ポンプの吸引力が一時的に減少した場合、第2水だまり141が大気側へ押されることで、水封部130および吸引圧調整部140内の空間が増加し、水封部130内の圧力増加が緩和される。
このように、水封部130の空気圧が安定することで、胸腔ドレナージユニット本体100が患者の胸腔から空気を吸引する陰圧を安定させることができる。
【0034】
気体流量算出装置200は、圧力センサ152が測定する排液部120内の空気圧に基づいて、第1水だまり131を通過する空気の流量を算出する。第1水だまり131を通過する空気の流量は、患者の胸腔から排出される空気の流量と同視することができる。
気体流量算出装置200は、胸腔ドレナージユニット本体100に組み込まれたマイクロコンピュータで構成される。なお、気体流量算出装置200は例えばパーソナルコンピュータや、ワークステーション等の、胸腔ドレナージユニット本体100とは別体のコンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0035】
[気体流量算出装置の機能構成]
図4は、気体流量算出装置200の機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、気体流量算出装置200は、通信部210と、表示部220と、操作入力部230と、記憶部280と、制御部290とを備える。
【0036】
通信部210は、他の装置と通信を行う。特に通信部210は、圧力センサ152とのインタフェースとして機能する。通信部210は、圧力センサ152からの信号を受信することで、圧力センサ152による圧力測定値を取得する。
表示部220は、例えば液晶パネル又は発光ダイオードパネル等の表示画面を備え、各種画像を表示する。特に、表示部220は、気体流量算出装置200が算出した空気流量を表示する。
【0037】
操作入力部230は、例えばキーボード及びマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。例えば、胸腔ドレナージユニット本体100の機種によって、あるいは、同一機種の個体差によって、第1水だまり131を通過する気泡の大きさに差がある場合、操作入力部230が、気体流量計算の微調整用パラメータの値の入力を受けるようにしてもよい。
【0038】
記憶部280は、各種データを記憶する。記憶部280は、気体流量算出装置200が備える記憶デバイスを用いて構成される。
制御部290は、気体流量算出装置200の各部を制御して各種処理を実行する。制御部290は、気体流量算出装置200が備えるCPU(中央演算装置)が、記憶部280からプログラムを読み出して実行することで構成される。
【0039】
制御部290は、測定結果取得部291と、フーリエ変換部292と、気泡発生頻度算出部293と、体積算出部294と、流量算出部295とを、その機能部として備える。
なお、これらの機能部は、その一部または全部がソフトウェアによって実現されていてもよいし、その一部または全部がハードウェアによって実現されていてもよい。
【0040】
測定結果取得部291は、水封部130よりも上流側の気体の圧力を測定する圧力センサ152による圧力測定結果を取得する。
フーリエ変換部292は、圧力センサ152による圧力測定値をフーリエ変換する。このフーリエ変換部292によるフーリエ変換結果には、圧力測定値の時間変動を示す情報が含まれる。圧力測定値の時間変動は、気体出口132から水封部130内に離脱した気泡133Dの発生頻度を示している。すなわち、フーリエ変換部292によるフーリエ変換結果は、気泡133Dの発生頻度を示している。
気泡発生頻度算出部293は、フーリエ変換部292によるフーリエ変換の結果に基づいて、気泡133Dの発生頻度を算出する。
【0041】
体積算出部294は、圧力体積相関情報と、取得された圧力測定結果とに基づいて、気泡の体積を算出する。ここで、圧力体積相関情報とは、気泡133Dが気体出口から水封部130内に離脱するときの気体の圧力変化と、離脱した気泡の体積との相関関係を示す情報である。
流量算出部295は、気泡発生頻度算出部293が算出した気泡の発生頻度と、体積算出部294が算出した気泡の体積とに基づいて、水封部130を通過した気体の流量を算出する。
気体の流量の算出過程についてより具体的に説明する。
【0042】
図5は、本実施形態の圧力センサ152による圧力測定値の一例を示す図である。同図に示す時刻t1~時刻t4は、上述した図3(A)~(D)の状態にそれぞれ対応する。例えば、同図の時刻t1は、図3(A)に示す、気体出口132に空気が溜まり始めた状態に対応する。同図の時刻t2は、図3(B)に示す、気体出口132に溜まった空気が増えた状態に対応する。同図の時刻t3は、図3(C)に示す、気体出口132に溜まった空気が気体出口132から水封部130側に離脱する直前の状態に対応する。同図の時刻t4は、図3(D)に示す、気体出口132に溜まった空気が水封部130側に離脱して、水泡が発生した状態に対応する。
すなわち、図5に示す時刻t1~時刻t4における、圧力P1~圧力P2~圧力P1の一連の圧力変化は、水封部130に気泡が1つ発生したことを示している。
気泡発生頻度算出部293は、同図に示した時刻t1~時刻t4における、圧力P1~圧力P2~圧力P1の一連の圧力変化に基づいて、気泡の発生頻度を算出する。
【0043】
図6は、本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体100における気体の流量と気泡の発生頻度との関係の一例を示す図である。本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体100において、気泡の発生頻度は、気体の流量の増加に対して線形に増加する関係がある。
【0044】
図7は、本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体100における気体の流量と気泡の体積との関係の一例を示す図である。この一例では、気泡の体積は、気体の流量の変化によらずほぼ一定であり、平均気泡体積VB.Constは、1.43(ml/個)である。この一例の場合、記憶部280には、気泡の体積を示す情報として、VB.Const=1.43(ml/個)が記憶されている。
【0045】
図4に戻り、流量算出部295は、算出した気泡の発生頻度(例えば、単位:Hz)と、記憶部280に記憶されている情報が示す気泡の体積(例えば、単位:ml/個)と基づいて、水封部130を通過した気体の流量(例えば、単位:ml/分)を算出する。
【0046】
制御部290は、流量算出部295が算出した気体の流量を、表示部220に表示させる、又は通信部210を介して他の機器に送信する。
【0047】
[気泡の体積変化への対応]
図8は、本実施形態の胸腔ドレナージユニット本体100における排液量と気泡の体積との関係を示す図である。同図に示すように、胸腔ドレナージユニット本体100の排液部120に貯留される排液量の変化により、気泡の体積が変化する。これは、排液量の変化により排液部120内の気体の体積が変化し、気体出口132から水封部130側に発生する気泡の物理的特性(例えば、形状)が変化するためであると考えられる。
このように、気体出口132から水封部130側に発生する気泡の物理的特性が変化する要因には、排液量の変化の他、気体の流量の変化など種々のものがある。
気泡の体積の変化は、気体の流量の推定結果に影響する。このため、気泡の体積の変化を推定できることができれば、水封部を通過する気体の流量を精度よく捉えることができる。また、気泡の体積の変化を圧力測定波形から推定することができれば、センサを追加することなく、水封部を通過する気体の流量を精度よく捉えることができる。
【0048】
本実施形態において種々の条件を変化させた実験により、圧力センサ152による圧力測定波形の一部と、に変化が生じることがわかった。
【0049】
図9は、本実施形態の圧力測定波形の変化の一例を示す図である。この一例では、胸腔ドレナージユニット本体100の排液部120に貯留される排液量の変化により、圧力測定波形に変化が生じる。例えば、同図(A)に示す排液量が0(ml)の場合と比較して、同図(B)に示す排液量が600(ml)の場合には、圧力測定波形にオフセットが発生する。また、同図(C)に示す排液量が1600(ml)の場合、及び同図(D)に示す排液量が2200(ml)の場合には、圧力測定波形に歪みが発生する。
この圧力測定波形の歪みと、気泡の体積との関係について検討したところ、次のような知見が得られた。
【0050】
図10は、本実施形態の圧力測定波形の一例を拡大した図である。同図(A)は、低流量(例えば、30ml/min)かつ排液量が少ない(例えば、0ml)場合の圧力測定波形の拡大図である。同図(B)は、低流量(例えば、30ml/min)かつ排液量が多い(例えば、2200ml)場合の圧力測定波形の拡大図である。
同図(A)に示す波形は、図5に示した波形に相当するため、その説明を省略する。
排液量が多い場合には同図(B)に示すように時刻t231(つまり、圧力がピークに達したタイミング)から、圧力の変化が少ない時間帯(時刻t231~時刻t232)が存在し、時刻t232から圧力が急減して時刻t24に至る。
ここで、圧力の下降率が相対的に大きい時間帯の圧力差ΔPに着目する。すなわち、同図(A)においては、時刻t13~時刻t14の間の圧力差ΔP1であり、同図(B)においては、時刻t232~時刻t24の間の圧力差ΔP2である。
【0051】
図11は、本実施形態の圧力差ΔPと気体の流量との関係、及び気泡の体積と気体の流量との関係の一例を示す図である。同図に示すように、圧力の下降率が相対的に大きい時間帯の圧力差ΔPに着目すると、圧力差ΔPと気泡の体積との間に相関関係が見いだされた。
この圧力差ΔPと気泡の体積との間の相関関係を示す情報を、圧力体積相関情報ともいう。圧力体積相関情報は、気体出口132に気泡が生成されることにより上昇した圧力の下降率が相対的に大きい時間帯の圧力変化を、気泡が気体出口から水封部130内に離脱するときの気体の圧力変化として定められている。
圧力差ΔPと気泡の体積の相関関係を示す情報を図12に示す。
【0052】
図12は、本実施形態の圧力差ΔPと気泡の体積の相関関係の一例を示す図である。同図(A)は、排液量が変化した場合の、圧力差ΔPと気泡の体積の相関関係の一例を示す図である。同図(B)は、気体の流量が変化した場合の、圧力差ΔPと気泡の体積の相関関係の一例を示す図である。
同図は、排液量(同図(A))や、気体の流量(同図(B))によらず、圧力差ΔPが上昇すると、気泡の体積が増加する傾向があることを示している。すなわち、圧力差ΔPと気泡の体積との間には、相関関係(例えば、正の一次相関関係)があるといえる。
同図に示すように、排液量や気相流量など様々なパラメータが変化する条件においても、圧力差ΔPで整理することで、気泡の体積の変化を一元的に取り扱うことができる。
【0053】
この圧力差ΔPと気泡の体積との間の相関関係(すなわち、圧力体積相関情報)を記憶部280に記憶させておき、制御部290がこの圧力体積相関情報を参照することにより、気泡の体積の推定結果の誤差を減少させることができる。
【0054】
具体的には、気泡発生頻度算出部293は、上述したように、圧力センサ152による圧力測定値に基づいて、気泡の発生頻度(例えば、単位:Hz)を算出する。
また、体積算出部294は、圧力センサ152による圧力測定値に基づいて、圧力差ΔPを算出する。体積算出部294は、算出した圧力差ΔPと、圧力差ΔPと気泡の体積との間の相関関係(例えば、図12に示した相関関係)とに基づいて、気泡の体積(例えば、単位:ml/個)を算出する。
流量算出部295は、算出した気泡の発生頻度と、算出した気泡の体積と基づいて、水封部130を通過した気体の流量(例えば、単位:ml/分)を算出する。
【0055】
図13は、気体の流量の実測結果と、本実施形態の気体流量算出装置200による気体の流量の算出結果との対比の一例を示す図である。同図には胸腔ドレナージユニット本体100の排液部120に貯留される排液量が変化しても、気体の流量を精度よく算出できていることが示されている。
【0056】
[気体流量算出装置200の動作]
図14は、本実施形態の気体流量算出装置200の動作の一例を示す図である。
(ステップS10)圧力センサ152は、圧力を測定し、測定した結果を気体流量算出装置200に出力する。測定結果取得部291は、圧力センサ152が測定した結果を取得する。制御部290は、圧力センサ152の測定結果に基づき、圧力差ΔPを求める。ここでいう圧力差ΔPとは、圧力の下降率が相対的に大きい時間帯の圧力差(例えば、図10に示した時刻t13~時刻t14の間の圧力差ΔP1、または時刻t232~時刻t24の間の圧力差ΔP2)である。
【0057】
(ステップS20)体積算出部294は、算出した圧力差ΔPと、圧力体積相関情報とに基づいて、気泡の体積を算出する。ここで、圧力体積相関情報は、胸腔ドレナージユニット本体100の種類ごとにあらかじめ求められている。
(ステップS30)気泡発生頻度算出部293は、圧力センサ152による圧力測定値に基づいて、気泡の発生頻度を算出する。
(ステップS40)流量算出部295は、算出した気泡の発生頻度と、算出した気泡の体積と基づいて、水封部130を通過した気体の流量を算出する。
【0058】
制御部290は、上述したステップS10~ステップS70を繰り返し実行することにより、気体の流量を算出する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の気体流量算出装置200によれば、気体の流量の算出根拠となる気泡の体積の推定結果を、測定条件が変化した場合であっても精度よく求めることができる。したがって、本実施形態の気体流量算出装置200によれば、水封部を通過する気体の流量を精度よく捉えることができる。
【0060】
なお、上述した各実施形態における胸腔ドレナージユニット1の一部、例えば、制御部290などをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、気体流量算出装置200やその他の装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0061】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0062】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0063】
100…胸腔ドレナージユニット本体、120…排液部、130…水封部、132…気体出口、152…圧力センサ、200…気体流量算出装置、210…通信部、220…表示部、230…操作入力部、280…記憶部、290…制御部、291…測定結果取得部、292…フーリエ変換部、293…気泡発生頻度算出部、294…体積算出部、295…流量算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14