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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027490
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】電気調理器制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/00 20060101AFI20230222BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20230222BHJP
【FI】
A61M21/00 A
F24C7/04 301A
F24C7/04 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132605
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 和教
【テーマコード(参考)】
3L087
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AA03
3L087AA04
3L087AB11
3L087BA04
3L087BB05
3L087BC09
3L087DA24
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、できるだけ聴覚を刺激することなく人の目を覚まさせるシステムを提供することである。
【解決手段】 本発明に係る電気調理器制御システム100は、電気調理器110と、起床予定時刻情報を記憶する第1記憶部122と、前記起床予定時刻情報に基づいて前記電気調理器を作動させる時刻の情報(以下「作動時刻情報」という。)を導出する作動時刻情報導出部113bと、刻々と時刻情報を出力する時刻情報出力部113cと、前記時刻情報出力部が出力する前記時刻情報が前記作動時刻情報と一致すると、前記電気調理器を作動させる作動部112と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気調理器と、
起床予定時刻情報を記憶する第1記憶部と、
前記起床予定時刻情報に基づいて前記電気調理器を作動させる時刻の情報(以下「作動時刻情報」という。)を導出する作動時刻情報導出部と、
刻々と時刻情報を出力する時刻情報出力部と、
前記時刻情報出力部が出力する前記時刻情報が前記作動時刻情報と一致すると、前記電気調理器を作動させる作動部と、を備える、電気調理器制御システム。
【請求項2】
アラーム時刻情報を記憶する第2記憶部を有し、前記電気調理器と通信接続可能である第1情報機器と、
前記アラーム時刻情報に基づいて前記起床予定時刻情報を導出する第1起床予定時刻情報導出部と、をさらに備える、請求項1に記載の電気調理器制御システム。
【請求項3】
動物の活動量を測定可能である活動量測定部を有し、前記電気調理器と通信接続可能である第2情報機器と、
前記活動量の情報に基づいて前記起床予定時刻情報を導出する第2起床予定時刻情報導出部と、をさらに備える、請求項1に記載の電気調理器制御システム。
【請求項4】
前記作動部は、前記活動量の情報に基づいて調理方法を変化させる
請求項3に記載の電気調理器制御システム。
【請求項5】
前記作動部は、前記起床予定時刻情報に基づいて調理方法を変化させる
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気調理器制御システム。
【請求項6】
空気温度情報を取得する空気温度情報取得部をさらに備え、
前記作動部は、前記空気温度情報に基づいて調理温度を調節する
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気調理器制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気調理器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に様々な目覚まし時計が提案されている(例えば、特開2016-217718号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-217718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、目覚まし時計は、音を鳴らして対象者の聴覚を極度に刺激して対象者の目を覚まさせるものであって一般的に広く使用されている。しかし、睡眠時に極度に聴覚を刺激されて強制的に目を覚まされるのを極端に嫌う人らも少なからず存在する。
【0005】
本発明の課題は、できるだけ聴覚を刺激することなく人の目を覚まさせるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気調理器制御システムは、
電気調理器と、
起床予定時刻情報を記憶する第1記憶部と、
前記起床予定時刻情報に基づいて前記電気調理器を作動させる時刻の情報(以下「作動時刻情報」という。)を導出する作動時刻情報導出部と、
刻々と時刻情報を出力する時刻情報出力部と、
前記時刻情報出力部が出力する前記時刻情報が前記作動時刻情報と一致すると、前記電気調理器を作動させる作動部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、人等の動物の起床予定時刻に電気調理器から調理物の匂いが立つようにすることができる。このため、この構成では、人の嗅覚を刺激することによって人の目を覚まさせることができる。したがって、この構成では、できるだけ聴覚を刺激することなく人の目を覚まさせることができる。なお、トースターや電子レンジ等は、「チン」との単発的な音を発するものが多いが、このような単発的な音は、極度に人の聴覚を刺激するものではないため、本発明の電気調理器にはトースターや電子レンジ等も含まれ得る。
【0008】
本発明に係る電気調理器制御システムは、
アラーム時刻情報を記憶する第2記憶部を有し、前記電気調理器と通信接続可能である第1情報機器と、
前記アラーム時刻情報に基づいて前記起床予定時刻情報を導出する第1起床予定時刻情報導出部と、をさらに備えると好適である。
【0009】
上記構成によれば、第1情報機器(例えば、スマートフォン等の情報端末)にアラーム時刻を設定しておくことによって自動的に起床予定時刻が決定される。このため、この構成では、使用者の利便性を高めることができる。
【0010】
本発明に係る電気調理器制御システムは、
動物の活動量を測定可能である活動量測定部を有し、前記電気調理器と通信接続可能である第2情報機器と、
前記活動量の情報に基づいて前記起床予定時刻情報を導出する第2起床予定時刻情報導出部と、をさらに備えると好適である。
【0011】
上記構成によれば、第2情報機器(例えば、デジタル活動量計等)の活動量測定部において測定された動物(ヒトやペット等)の活動量を考慮した起床予定時刻を決定することができる。すなわち、例えば、前日の就寝前の動物の活動量が多い場合、その動物の疲労度が高いと予測して起床予定時刻を遅らせたり、前日の就寝前の動物の活動量が少ない場合、その動物の疲労度が低いと予測して起床予定時刻を早めたりすることができる。このため、この構成では、その動物の疲労度を軽減する等のことができる。
【0012】
本発明に係る電気調理器制御システムでは、
前記作動部は、前記活動量の情報に基づいて調理方法を変化させると好適である。
【0013】
上記構成によれば、動物の活動量を考慮した調理方法を実行するように電気調理器を作動させることができる。すなわち、例えば、前日の就寝前の動物の活動量が多い場合、その動物の疲労度が高いと予測して調理物の匂いが弱くなるように電気調理器に調理させ、前日の就寝前の動物の活動量が少ない場合、その動物の疲労度が低いと予測して調理物の匂いが強くなるように電気調理器に調理させることができる。このため、この構成では、その動物に対する匂いの刺激度合いを調整する等して快適な目覚めを提供することができる。
【0014】
本発明に係る電気調理器制御システムでは、
前記作動部は、前記起床予定時刻情報に基づいて調理方法を変化させると好適である。
【0015】
上記構成によれば、起床予定時刻を考慮した調理方法を実行するように電気調理器を作動させることができる。すなわち、例えば、起床予定時刻が比較的早い場合、味覚への刺激が比較的低い調理物を提供するように電気調理器を作動させ、起床予定時刻が比較的遅い場合、味覚への刺激が比較的高い調理物を提供するように電気調理器を作動させることができる。このため、この構成では、使用者の目覚めに適した味等を示す調理物を提供することができる。
【0016】
本発明に係る電気調理器制御システムは、
空気温度情報を取得する空気温度情報取得部をさらに備え、
前記作動部は、前記空気温度情報に基づいて調理温度を調節すると好適である。
【0017】
上記構成によれば、室温等の空気温度を考慮して調理物の温度を調整することができる。すなわち、例えば、冬等において室温が低くなる場合、温かい調理物を提供するように電気調理器を作動させ、夏等において室温が高くなる場合、冷たい調理物を提供するように電気調理器を作動させることができる。このため、この構成では、使用者の環境に応じた温度の調理物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステムを示す概要構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステムを示す詳細構成図である。
図3】本発明の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステムを構成するカフェマシンの情報記憶部に記憶されているプログラムおよび情報等のイメージ図である。
図4】本発明の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステムを構成する携帯端末の情報記憶部に記憶されているプログラムおよび情報等のイメージ図である。
図5】変形例(K)に係る嗅覚刺激目覚ましシステムにおける起床時間導出までの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100は、図1に示されるように、主に、カフェマシン110、携帯端末120および活動量計130から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0020】
(1)カフェマシン
カフェマシン110は、コーヒーメーカー等とも称され、コーヒー豆および水等からコーヒー(珈琲)をつくる装置である。本実施の形態に係るカフェマシン110は、図2に示されるように、主に、コーヒー製造部111、制御部112、情報記憶部113および通信部114から構成されている。
【0021】
コーヒー製造部111は、図2に示されるように、水タンク111a、水ポンプ111b、ヒーター111c、ミル111dおよびバスケット111e等から構成されている。
【0022】
制御部112は、図2に示されるように、コーヒー製造部111の水ポンプ111bや、ヒーター111c、ミル111dのモータに接続されており、それらの出力等を制御する。
【0023】
情報記憶部113は、コーヒー製造部111の制御に必要なプログラム、具体的には、制御信号生成プログラム113a、作動時刻情報導出プログラム113b、時計プログラム113c等(図3参照)や情報等を記憶したり、携帯端末120に提供すべき情報を記憶したりするものであって、図2に示されるように、制御部112に通信接続されており、制御部112からの指令を受けて制御部112に対して情報を送信したり、制御部112からの指令を受けて情報を記憶したりする。
【0024】
制御信号生成プログラム113aは、コーヒー製造部111の水ポンプ111bや、ヒーター111c、ミル111dのモータに対する制御信号を生成するプログラムである。作動時刻情報導出プログラム113bは、携帯端末120から提供される起床予定時刻情報からカフェマシン110を作動させる時刻(以下「作動時刻」ということがある。)の情報を導出する。なお、ここで、作動時刻は、起床予定時刻から調理物完成に要する時間を差し引くことによって算出される。調理物完成に要する時間は、各種制御パターンに組み込まれた工程時間の和として算出される。時計プログラム113cは、刻々と時を刻んで日の情報および時刻の情報を出力するプログラムである。そして、ここで、制御信号生成プログラム113aは、時計プログラム113cで出力された時刻の情報が、作動時刻情報導出プログラム113bで出力された日時の情報に一致すると、携帯端末120から提供される各種制御情報(制御信号を生成する元となる情報。例えば、コーヒーの温度情報や、濃さ情報、味情報(苦味や酸味等の味の情報)等に基づく抽出時間情報や、抽出温度情報、浸漬時間情報等)から制御信号を生成してその制御信号をコーヒー製造部111の水ポンプ111bや、ヒーター111c、ミル111dのモータに送信する。そして、コーヒー製造部111の水ポンプ111bや、ヒーター111c、ミル111dのモータは、その制御信号に従って出力を行う。なお、コーヒーの温度は基本的には85~95℃であるが、オプションとしてコーヒーから湯気を立たせる場合、コーヒーの温度は110℃程度とするのが好ましい。
【0025】
通信部114は、携帯端末120との無線通信を実現するものであって、図2に示されるように制御部112と通信接続されており、制御部112から送信されてくる情報を携帯端末120に送信したり、携帯端末120から送信されてくる情報を受信して制御部112に送信したりする。
【0026】
(2)携帯端末
携帯端末120は、例えば、スマートフォン等であって、図2に示されるように、主に、制御部121、情報記憶部122、通信部123および情報表示部124から構成されている。
【0027】
制御部121は、例えば、中央処理演算装置であって、図2に示されるように、情報記憶部122、通信部123および情報表示部124にバス線を介して通信接続されており、各部122~124を制御したり、各部122~124から送信されてくる情報を受信し、プログラムに応じてその情報を演算処理したりする。
【0028】
情報記憶部122には、図4に示されるように、嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aおよび気象情報収集アプリケーション122B等の種々のアプリケーション(すなわちプログラム)や、各種情報が記憶されている。以下、これらのアプリケーションについて詳述する。
【0029】
嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aには、入力画面表示モジュール122u、第1起床予定時刻導出モジュール122v、第2起床予定時刻導出モジュール122w、健康管理モジュール122x、制御情報導出モジュール122yが組み込まれている。
【0030】
入力画面表示モジュール122uは、制御部121からの指令信号に従って情報表示部124に入力画面を表示させる。入力画面では、a)アラーム時刻の情報を入力したり、b)起床予定時刻自動導出モードの有効/無効を切り替えたり、c)コーヒーの希望濃さや、希望味、希望温度等の情報を入力したり、d)制御情報自動導出モードの有効/無効を切り換えたりすることができる。なお、起床予定時刻自動導出モードが無効とされている場合、第1起床予定時刻導出モジュール122vが、入力済みのアラーム時刻の情報をそのまま起床予定時刻の情報とし、その起床予定時刻の情報をカフェマシン110に送信する。一方、起床予定時刻自動導出モードが有効とされている場合、第2起床予定時刻導出モジュール122wが、活動量計130から取得された心拍数の情報、および、健康管理モジュール122xで導出される疲労度の情報等から起床予定時刻の情報を自動的に導出し、その起床予定時刻の情報をカフェマシン110に送信する。なお、第2起床予定時刻導出モジュール122wによる起床予定時刻の情報の自動導出については後述する。健康管理モジュール122xは、制御部121からの指令信号に従って、活動量計130から取得した各種情報から疲労度を算出して情報記憶部122に記憶したり、情報表示部124に健康管理画面を表示させたりする。なお、疲労度は、活動量計130から送信されてくる体温情報や、心拍数情報、血圧情報等から算出される。この疲労度は、例えば、(疲労度)=a×(体温)+b×(血圧)+c×(心拍数)の算出式から算出することができる(なお、a,b,cは任意の係数である。)。すなわち、体温が高くなる程、血圧が高くなる程、心拍数が高くなる程、疲労度が高くなる。また、健康管理画面には、活動量計130から取得された体温の情報や、心拍数の情報、血圧の情報等が表示される。制御情報導出モジュール122yは、制御部121からの指令信号に従って制御情報を生成した後にその制御情報を、通信部123を介してカフェマシン110に送信する。なお、制御情報自動導出モードが無効とされている場合、制御情報導出モジュール122yは、入力済みのコーヒーの希望濃さや、希望味、希望温度等の情報を、通信部123を介してカフェマシン110に送信する。一方、制御情報自動導出モードが有効とされている場合、制御情報導出モジュール122yは、起床予定時刻の情報、活動量計130の体温情報、疲労度の情報、気象情報収集アプリケーション122Bから取得した予想気温の情報等からコーヒーの濃さや、味、温度等の情報を自動的に導出し、その導出した各種情報を、通信部123を介してカフェマシン110に送信する。なお、制御情報導出モジュール122yによるコーヒーの濃さや、味、温度等の情報の自動導出については後述する。
【0031】
気象情報収集アプリケーション122Bは、各種天気予想サイトから定期的に気象情報をダウンロードして情報表示部に表示する。また、この気象情報収集アプリケーション122Bは、嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aからの要求に応じて予想気温の情報を嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aに提供する。
【0032】
通信部123は、カフェマシン110および活動量計130との通信を実現するものであって、図2に示されるように制御部121と通信接続されており、制御部121から送信されてくる情報をカフェマシン110に送信したり、カフェマシン110および活動量計130から送信されてくる情報を受信して制御部121に送信したりする。
【0033】
情報表示部124は、例えば、タッチパネル等であって、図2に示されるように制御部121と通信接続されており、制御部121から送信されてくる各種情報を使用者に対して表示したり、使用者から入力された情報を制御部121に送信したりする。
【0034】
(3)活動量計
活動量計130は、人の整理情報を得る目的で人の手首等に身に着けられるものであって、図2に示されるように、主に、センサ部131、制御部132、情報記憶部133、通信部134および情報表示部135から構成されている。なお、本実施の形態において、この活動量計130は、携帯端末120と無線通信接続されており、体温情報、心拍数情報および血圧情報等の各種情報等を携帯端末120に定期的に送信している。
【0035】
本実施の形態において、センサ部131には、体温センサ、心拍センサ、血圧センサ等が配設されている。
【0036】
制御部132は、例えば、中央処理演算装置であって、図2に示されるように、センサ部131、情報記憶部133、通信部134および情報表示部135にバス線を介して通信接続されており、各部131,133~135を制御したり、各部131,133~135から送信されてくる情報を受信し、プログラムに応じてその情報を演算処理したりする。
【0037】
情報記憶部133には、健康管理情報提供アプリケーション(すなわちプログラム)や、センサ部131から得られる体温情報、心拍数情報および血圧情報等の各種情報等が記憶されている。
【0038】
通信部134は、携帯端末120との通信を実現するものであって、図2に示されるように制御部132と通信接続されており、制御部132からの指令信号に従って、各種情報(例えば、体温情報や、心拍数情報、血圧情報等)を携帯端末120に送信する。
【0039】
情報表示部135は、例えば、タッチパネル等であって、図2に示されるように制御部132と通信接続されており、制御部132から送信されてくる各種情報を使用者に対して表示したり、使用者から入力された情報を制御部132に送信したりする。
【0040】
<第2起床予定時刻導出モジュールによる起床予定時刻の情報の自動導出>
上述の通り、起床予定時刻自動導出モードが有効とされている場合、第2起床予定時刻導出モジュール122wは、活動量計130から取得された心拍数の情報、および、健康管理モジュール122xで導出される疲労度の情報から起床予定時刻の情報を自動的に導出する。以下、具体的な導出例を説明する。
【0041】
先ず、心拍数の蓄積情報から予測入眠時刻を特定する。例えば、毎日、心拍数が急激に下がる時刻を入眠時刻と特定してそれを予測入眠時刻とする。次に、以下の算出式から起床予定時刻を算出する。
(起床予定時刻)=(予測入眠時刻)+(適正睡眠時間)+d×(疲労度)
なお、式中の(適正睡眠時間)は、年齢に応じて変化する。年齢は、活動量計に登録されている年齢の情報から取得される。また、式中、dは任意の係数である。
上式から、疲労度が高くなる程、起床予定時刻が遅くなることがわかる。
【0042】
<制御情報導出モジュールによるコーヒーの濃さや、味、温度等の情報の自動導出>
上述の通り、制御情報自動導出モードが有効とされている場合、制御情報導出モジュール122yは、起床予定時刻の情報、疲労度の情報、気象情報収集アプリケーション122Bから取得した予想気温の情報等からコーヒーの濃さや、味、温度等の情報を自動的に導出する。以下、具体的な導出例を説明する。
【0043】
コーヒーの温度は、以下の算出式に従って算出される。
(コーヒーの温度)=(標準温度)-e×(予想気温)-f×(体温)
なお、上式において、eおよびfは任意の係数である。
【0044】
コーヒーの濃さは、以下の算出式に従って算出される。
(コーヒーの濃さ)=(標準の濃さ)-g×(疲労度)-h
なお、上式において、gは任意の係数であり、hは、起床予定時刻に応じた調整パラメータである。hは起床予定時刻が早くなる程大きくなり、起床予定時刻が遅くなる程小さくなる。
【0045】
ところで、コーヒーの濃さは、カフェマシン110における抽出温度や抽出時間によって調整される。
【0046】
コーヒーの味は、以下の算出式に従って算出される。
(コーヒーの味)=(標準の苦味)-i×(疲労度)-j
なお、上式において、iは任意の係数であり、jは、起床予定時刻に応じた調整パラメータである。jは起床予定時刻が早くなる程大きくなり、起床予定時刻が遅くなる程小さくなる。また、通常、苦味が弱くなる程、酸味が強くなる。
【0047】
ところで、コーヒーの味は、カフェマシン110における浸漬時間によって調整される。
【0048】
<起床予定時刻自動導出モードおよび制御情報自動導出モードが有効とされている場合の制御の流れ>
上述の記載をまとめて、携帯端末120において起床予定時刻自動導出モードおよび制御情報自動導出モードが有効とされている場合の情報加工の流れおよび制御の流れを以下に説明する。
【0049】
先ず、携帯端末120は、活動量計130から定期的に活動量計130の装着者の体温情報、心拍数情報および血圧情報等の各種情報等を受信し、情報記憶部122に記憶していく。
【0050】
次に、携帯端末120は、活動量計130から取得された心拍数の情報、および、健康管理モジュール122xで導出される疲労度の情報等から起床予定時刻の情報を自動的に導出し、その起床予定時刻の情報をカフェマシン110に送信する。また、携帯端末120は、起床予定時刻の情報、活動量計130の体温情報、疲労度の情報、気象情報収集アプリケーション122Bから取得した予想気温の情報等からコーヒーの濃さや温度等の情報を自動的に
導出し、その導出した各種情報を、通信部123を介してカフェマシン110に送信する。
【0051】
次いで、上記情報を受信したカフェマシン110は、起床予定時刻情報からカフェマシン110を作動させる時刻(以下「作動時刻」ということがある。)の情報を導出する。そして、カフェマシン110は、時計プログラム113cで出力された時刻の情報が、作動時刻情報導出プログラム113bで出力された日時の情報に一致すると、コーヒーの温度情報や、コーヒーの濃さ情報に基づく抽出温度や抽出時間の情報等から制御信号を生成してその制御信号をコーヒー製造部111の水ポンプ111bや、ヒーター111c、ミル111dのモータに送信して、水ポンプ111bや、ヒーター111c、ミル111dのモータを駆動させてコーヒーを製造する。
【0052】
<本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステムの特徴>
(1)
本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、毎朝コーヒーを摂取する習慣がある人の起床予定時刻にカフェマシン110からコーヒーの香りが立つようにすることができる。このため、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、コーヒーの香りによって人の目を覚まさせることができる。したがって、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、人の聴覚を刺激することなく人の目を覚まさせることができる。
【0053】
(2)
本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、携帯端末120の嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aにおいて、起床予定時刻自動導出モードを無効とし、且つ、アラーム時刻を設定(入力)しておくことによって自動的に起床予定時刻が決定される。このため、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、使用者の利便性を高めることができる。
【0054】
(3)
本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、携帯端末120の嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aにおいて、起床予定時刻自動導出モードを有効とした場合、活動量計130から取得された心拍数の情報、および、健康管理モジュール122xで導出される疲労度の情報から起床予定時刻の情報を自動的に導出する。具体的には、人の疲労度が高い場合に起床予定時刻を遅らせ、人の疲労度が低い場合、起床予定時刻を早めている。このため、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、その人の疲労度をできるだけ軽減することができる。
【0055】
(4)
本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、携帯端末120の嗅覚刺激目覚しアプリケーション122Aにおいて、制御情報自動導出モードを有効とした場合、制御情報導出モジュール122yは、起床予定時刻の情報、疲労度の情報、気象情報収集アプリケーション122Bから取得した予想気温の情報等からコーヒーの濃さや温度等の情報を自動的に導出し、その導出した各種情報を、通信部123を介してカフェマシン110に送信する。そして、カフェマシン110の制御部112は、疲労度を考慮したコーヒーの濃さ情報から抽出温度制御信号および抽出時間制御信号を生成し、それらの制御信号を水ポンプ111bやヒーター111cに送信して水ポンプ111bやヒーター111cを制御しつつ作動させる。
【0056】
具体的には、本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、疲労度が高くなる程、コーヒーは薄くなり、疲労度が低くなる程、コーヒーは標準の濃さに近くなる。このため、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、疲労度が高い場合、コーヒーの香りが弱くなり、疲労度が高い場合、コーヒーの香りが強くなる。したがって、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、その人の疲労度に応じたコーヒーの香りによりその人に快適な目覚めを提供することができる。
【0057】
また、本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、起床予定時刻が早くなる程、コーヒーは薄くなり、起床予定時刻が遅くなる程、コーヒーは標準の濃さに近くなる。このため、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、その人の目覚めに適した濃さのコーヒーを提供することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では、予想気温および体温が低くなる程、コーヒーは標準の温度に近くなり、予想気温および体温が高くなる程、コーヒーの温度が低くなる。すなわち、冬場等、室温が低くなる場合、温かいコーヒーを提供することができ、夏場等、室温が高くなる場合、冷たいコーヒーを提供することができる。このため、この嗅覚刺激目覚ましシステム100では、その人の温熱環境に応じた温度のコーヒーを提供することができる。
【0059】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100ではカフェマシン110が携帯端末120に無線通信接続可能となっており、活動量計130が携帯端末120に無線通信接続可能となっていたが、各機器の接続方法は特に限定されることなく、例えば、a)カフェマシン110および携帯端末120がインターネット回線を介してサーバ(図示せず)に通信接続されており、サーバ経由で通信を行うようにしてもよいし、b)携帯端末120および活動量計130がインターネット回線を介してサーバ(図示せず)に通信接続されており、サーバ経由で通信を行うようにしてもよいし、c)カフェマシン110、携帯端末120および活動量計130が全てインターネット回線を介してサーバ(図示せず)に通信接続されており、サーバ経由で通信を行うようにしてもよい。
【0060】
(B)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では携帯端末120と活動量計130の両方が利用されていたが、携帯端末120および活動量計130の両方の存在が必須であることはなく、活動量計130が携帯端末120に組み込まれてもよいし、携帯端末120の一部機能が活動量計130に組み込まれてもよい。なお、前者の場合、携帯端末120にセンサ部131が接続とされる必要がある。
【0061】
(C)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100ではカフェマシン110と携帯端末120の両方が利用されていたが、カフェマシン110および携帯端末120の両方の存在が必須であることはなく、携帯端末120がカフェマシン110に組み込まれてもよい。
【0062】
(D)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100ではカフェマシン110が携帯端末120に無線通信接続可能となっており、活動量計130が携帯端末120に無線通信接続可能となっていたが、各機器の接続方法は特に限定されることなく、いずれか一方が有線通信接続とされてもよいし、両方が有線通信接続とされてもよい。
【0063】
(E)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では電気調理器としてカフェマシン110が採用されたが、電気調理器として電気ジャー炊飯器やトースター等が採用されてもよい。電気調理器が電気ジャー炊飯器である場合、起床予定時刻の情報や、疲労度の情報により炊き上げ工程の条件(ヒータ温度や加熱時間等)を変化させて米の味や風味を変化させることが考えられる。また、電気調理器がトースターである場合、起床予定時刻の情報や、疲労度の情報により焼成条件(ヒータ温度や加熱時間等)を変化させてトーストの焼き加減を変化させることが考えられる。また、そのトースターがシーケンス搭載品である場合、そのシーケンスを変化させてトーストの焼き加減を変化させることが考えられる。なお、トースターは、「チン」との単発的な音を発するものが多いが、このような単発的な音は、極度に人の聴覚を刺激するものではないため、本発明の目的の達成を妨げることはない。
【0064】
(F)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では電気調理器としてカフェマシン110が採用されたが、ペット用の自動餌供給装置等が採用されてもよい。かかる場合、活動量計130はペットに取り付けられる。
【0065】
(G)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では携帯端末120において疲労度が算出されたが、疲労度は活動量計130で算出され、携帯端末120に提供されてもよい。
【0066】
(H)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100ではコーヒーの温度を(コーヒーの温度)=(標準温度)-e×(予想気温)-f×(体温)の算出式に従って算出したが、コーヒーの温度の算出の仕方はこれに限れず、例えば、予想気温情報のみを考慮してもよいし、体温のみを考慮してもよいし、室温のみを考慮してもよいし、上記算出式に室温のパラメータを加えてもよい。なお、室温を利用する場合、携帯端末120と室温計とを通信接続させるか、携帯端末120に室温計を搭載する必要がある。
【0067】
(I)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100ではコーヒーの濃さを(コーヒーの濃さ)=(標準の濃さ)-g×(疲労度)-hの算出式に従って算出したが、コーヒーの濃さの算出の仕方はこれに限れず、例えば、疲労度のみを考慮してもよいし、起床予定時刻のみを考慮してもよい。
【0068】
(J)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では特に言及されなかったが、カフェマシンにコーヒーの撹拌機構が搭載されている場合、希望の泡量を調節する目的でその撹拌機構の動作時間を制御してもよい。
【0069】
(K)
先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100では第2起床予定時刻導出モジュール122wによって(起床予定時刻)=(予測入眠時刻)+(適正睡眠時間)+d×(疲労度)の算出式に従って起床予定時刻が算出されたが、起床予定時刻の算出の仕方はこれに限れず、例えば、以下の通りにして導出されてもよい。
【0070】
先ず、活動量計130から取得した心拍数の情報から睡眠周期を算出する。次に、心拍数の情報から覚醒状態とレム睡眠状態との境界に対応する時刻の情報を導出する。次いで、覚醒状態とレム睡眠状態との境界に対応する時刻から起床予定時刻を決定する。
【0071】
より具体的には、例えば、以下の通りにして起床予定時刻が決定される。
先ず、前日までの心拍数の蓄積情報から睡眠毎における睡眠周期およびレム睡眠時間が求められる。なお、睡眠周期の初期値は例えば90分とされる。
【0072】
次に、図5に示されるフローチャートに従って起床予定時刻が求められる。
図5に示されるフローチャートにおいてステップS1では、入力画面で入力されたアラーム時刻(起床予定時刻)から予測入眠時刻が差し引かれて求められた時間が、睡眠周期で除されて睡眠サイクル数が求められる。
【0073】
ステップS2では、ステップS1で求められた睡眠サイクル数が小数点以下の値を有するか否かが判定される。ステップS2の判定の結果、睡眠サイクル数が小数点以下の値を有する場合(すなわち、睡眠サイクル数が適正ではない場合)、処理はステップS3に移る。一方、ステップS2の判定の結果、睡眠サイクル数が小数点以下の値を有しない場合(すなわち、睡眠サイクル数が適正である場合)、処理はステップS6に移る。
【0074】
ステップS3では、レム睡眠時間が適正睡眠時間以下であるか否かが判定される。ステップS3の判定の結果、レム睡眠時間が適正睡眠時間以下である場合、処理はステップS4に移る。一方、ステップS3の判定の結果、レム睡眠時間が適正睡眠時間超である場合、処理はステップS5に移る。
【0075】
ステップS4では、睡眠サイクル数の小数点第1桁が切り上げられて適正睡眠サイクル数が決定される。
【0076】
ステップS5では、睡眠サイクル数の小数点第1桁が切り捨てられて適正睡眠サイクル数が決定される。
【0077】
ステップS6では、予測入眠時刻に対して、睡眠周期に適正睡眠サイクル数を乗じた値(時間)が加算されて第1起床予定時刻が導出される。
【0078】
ステップS7では、以下の算出式に基づいて疲労度を考慮した調整パラメータが算出される。
(調整パラメータ)=(疲労度/疲労度判定基準)×(2/レム睡眠長さ)
【0079】
ステップS8では、第1起床予定時刻に調整パラメータが加算されて最終的な起床予定時刻である第2起床予定時刻が算出される。
【0080】
(L)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、先の実施の形態に係る嗅覚刺激目覚ましシステム100に対して、以下に説明する「音声認識を用いたレシピの提案機能」を付加してもよい。なお、同機能は携帯端末120に付加することが好ましい。同機能が携帯端末120に付加された場合、携帯端末120が活動量計130から人の熟睡度の情報や、心拍数の情報を取得する。そして、その人が例えば「朝のコーヒー。」とカフェマシン110あるいは携帯端末120に話しかけた際、その人の熟睡度が低い場合、カフェマシン110が少し濃いめのコーヒーを製造する等、その人の睡眠状況や疲労度に応じて適切と思われるコーヒーを製造するというものである。
【符号の説明】
【0081】
100 嗅覚刺激目覚ましシステム(電気調理器制御システム)
110 カフェマシン(電気調理器)
112 制御部(作動部)
113b 作動時刻情報導出プログラム(作動時刻情報導出部)
113c 時計プログラム(時刻情報出力部)
120 携帯端末(第1情報機器)
122 情報記憶部(第1記憶部,第2記憶部)
122B 気象情報収集アプリケーション(空気温度情報取得部)
122v 第1起床予定時刻導出モジュール(第1起床予定時刻情報導出部)
122w 第2起床予定時刻導出モジュール(第2起床予定時刻情報導出部)
130 活動量計(第2情報機器)
131 センサ部(活動量測定部)
図1
図2
図3
図4
図5