(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027527
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20230222BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20230222BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132673
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】501264703
【氏名又は名称】株式会社日本能率協会総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】501493358
【氏名又は名称】株式会社セック
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 尚人
(72)【発明者】
【氏名】原田 麻央
(72)【発明者】
【氏名】上川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】染谷 昌利
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】スタッフごとの業務予定を管理する業務割表と、利用者ごとのサービスの利用予定を管理する予定表との整合性を容易に確保する。
【解決手段】1または複数のサービスを利用する複数の利用者の予定、および前記1または複数のサービスを提供する複数のスタッフの予定を管理する管理装置は、各利用者の各サービスの利用期間を表す予定表に基づき、各スタッフの各サービスの提供期間を表す業務割表を生成する生成手段と、前記予定表に基づき、前記業務割表を更新する第1の更新手段と、前記業務割表に基づき、前記予定表を更新する第2の更新手段と、を有することを特徴とする管理装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のサービスを利用する複数の利用者の予定、および前記1または複数のサービスを提供する複数のスタッフの予定を管理する管理装置であって、
各利用者の各サービスの利用期間を表す予定表に基づき、各スタッフの各サービスの提供期間を表す業務割表を生成する生成手段と、
前記予定表に基づき、前記業務割表を更新する第1の更新手段と、
前記業務割表に基づき、前記予定表を更新する第2の更新手段と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記第1の更新手段は、複数の方式のうちユーザが選択した方式に応じて、前記業務割表を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記予定表には、利用者ごとに各サービスの利用期間の初期値と修正値が登録可能であり、
前記第1の更新手段は、複数の方式のうちユーザが選択した方式に応じて、各利用者の各サービスについて、前記初期値と前記修正値とのいずれに基づき前記業務割表を更新するかを切り替える、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記複数の方式は、前記予定表における各利用者の各サービスの利用期間の初期値に基づき、前記業務割表を更新する第1の方式を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記複数の方式は、前記予定表に利用期間の修正値が登録されている各利用者の各サービスについて、前記予定表における前記利用期間の修正値に基づき前記業務割表を更新する第2の方式を含む、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記複数の方式は、前記業務割表における提供期間と前記予定表における利用期間の初期値または修正値とが合致していない各利用者の各サービスについて、当該利用期間の初期値または修正値に基づき前記業務割表を更新し、その他については前記業務割表を更新しない第3の方式を含む、
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記第1の更新手段は、第1のサービスについて第1の設定がされていれば、前記予定表において複数の利用者の前記第1のサービスの利用期間が少なくとも同じである場合には、1人のスタッフが当該複数の利用者に前記第1のサービスを当該利用期間に提供するように、前記業務割表を更新する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記第1の更新手段は、第2のサービスについて第2の設定がされていれば、第1の利用者に提供する第3のサービスの提供期間の開始時刻が、前記第1の利用者に提供する前記第2のサービスの提供期間の開始時刻より前の時刻にならないように前記業務割表を更新する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記第1の更新手段は、第4のサービスについて第3の設定がされていれば、第2の利用者が利用する前記第4のサービスの前記予定表における利用期間を前記業務割表におけ
る提供期間として登録可能でない場合には、前記業務割表に登録可能な時刻のうち当該利用期間の開始時刻以降であって当該開始時刻に最も近い時刻を、前記第2の利用者の前記第4のサービスの提供期間の開始時刻とするように前記業務割表を更新する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記予定表には、利用者ごとに各サービスの利用期間の初期値と修正値が登録可能であり、
前記第2の更新手段は、各利用者が利用する各サービスについて、前記予定表における利用期間の初期値と前記業務割表における提供期間とで差異がある場合には、第1のユーザ操作に応じて、当該利用者の当該サービスについて前記業務割表における提供期間を前記予定表における利用期間の修正値として用いるように、前記予定表を更新する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記第2の更新手段は、さらに、第2のユーザ操作に応じて選択された利用者が利用する、当該第2のユーザ操作に応じて選択されたサービスについて、前記予定表における利用期間の初期値と修正値とで差異がある場合には、当該修正値を当該初期値として用いるように当該初期値を更新する、
ことを特徴とする請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
各スタッフが提供する各サービスについての名称、提供場所、提供期間、および利用者の情報を表す情報を前記業務割表として表示する表示手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項13】
1または複数のサービスを利用する複数の利用者の予定、および前記1または複数のサービスを提供する複数のスタッフの予定を管理する管理装置が実行する管理方法であって、
各利用者の各サービスの利用期間を表す予定表に基づき、各スタッフの各サービスの提供期間を表す業務割表を生成する生成ステップと、
前記予定表に基づき、前記業務割表を更新する第1の更新ステップと、
前記業務割表に基づき、前記予定表を更新する第2の更新ステップと、
を有することを特徴とする管理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の管理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設などでは、スタッフが利用者に対して提供するサービスの時間または場所が、例えば、週単位である程度、固定されていることが多い。このため、週単位のスタッフごとの業務(サービス提供)の予定を管理する業務割表を予め作成しておくことにより、利用者にサービスを計画的に提供することが行われている。
【0003】
特許文献1では、ケアマネージャーが作成したサービス提供の通りに介護サービスが適用できないというミスマッチが生じないように、スタッフごとの業務を表すスケジュール表(業務割表)を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、各利用者が利用するサービスを管理するために、利用者ごとにサービスの利用予定を管理する予定表を作成することがある。ここで、業務割表と予定表とでは、利用者に提供するサービスをそれぞれ管理しているが、業務割表と予定表とを別々に管理すると、整合性が合わなくなる可能性がある。一方で、特許文献1には、業務割表と予定表とで整合性を確保するための技術は開示されていない。
【0006】
そこで、本発明は、スタッフごとの業務予定を管理する業務割表と、利用者ごとのサービスの利用予定を管理する予定表との整合性を容易に確保できる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、
1または複数のサービスを利用する複数の利用者の予定、および前記1または複数のサービスを提供する複数のスタッフの予定を管理する管理装置であって、
各利用者の各サービスの利用期間を表す予定表に基づき、各スタッフの各サービスの提供期間を表す業務割表を生成する生成手段と、
前記予定表に基づき、前記業務割表を更新する第1の更新手段と、
前記業務割表に基づき、前記予定表を更新する第2の更新手段と、
を有することを特徴とする管理装置である。
【0008】
本構成によれば、予定表に基づき業務割表を更新でき、さらに、業務割表に基づき予定表を更新できる。このため、スタッフごとの業務予定を管理する業務割表と、利用者ごとのサービスの利用予定を管理する予定表との整合性を容易に確保することができる。
【0009】
上記の管理装置において、前記第1の更新手段は、複数の方式のうちユーザが選択した方式に応じて、前記業務割表を更新してもよい。これによれば、ユーザは複数の方式から好適な方式を選択できるため、よりユーザが所望する形態に業務割表を更新することができる。
【0010】
上記の管理装置において、前記予定表には、利用者ごとに各サービスの利用期間の初期値と修正値が登録可能であり、前記第1の更新手段は、複数の方式のうちユーザが選択した方式に応じて、各利用者の各サービスについて、前記初期値と前記修正値とのいずれに基づき前記業務割表を更新するかを切り替えてもよい。これによれば、ユーザは、各利用者の各サービスについて利用期間の初期値と修正値のうちいずれを業務割表に反映するかを切り替えることができる。このため、ユーザの選択により、サービスの提供期間をより好適に示すような業務割表に更新することができる。
【0011】
上記の管理装置において、前記複数の方式は、前記予定表における各利用者の各サービスの利用期間の初期値に基づき、前記業務割表を更新する第1の方式を含んでいてもよい。これによれば、前記予定表における各利用者の各サービスの利用期間の初期値と整合するような提供期間を有する業務割表に更新することができる。このため、当初の予定表に整合するような業務割表を生成したい場合などに好適である。
【0012】
上記の管理装置において、前記複数の方式は、前記予定表に利用期間の修正値が登録されている各利用者の各サービスについて、前記予定表における前記利用期間の修正値に基づき前記業務割表を更新する第2の方式を含んでいてもよい。これによれば、前記予定表における各利用者の各サービスについて利用期間の修正値が登録されていれば、その利用期間の修正値と整合するような提供期間を有する業務割表に更新することができる。このため、1日のスタッフの数を増やす等、前記業務割表の雛形が変更される場合で、スタッフごとの業務予定は再作成する必要があるものの、修正した予定表に整合するような業務割表を生成したい場合などに好適である。
【0013】
上記の管理装置において、前記複数の方式は、既に作成済みのユーザが指定した業務割表との整合を図りつつ、前記業務割表における提供期間と前記予定表における利用期間の初期値または修正値とが合致していない各利用者の各サービスについて、当該利用期間の初期値または修正値に基づき前記業務割表を更新し、その他については前記業務割表を更新しない第3の方式を含んでいてもよい。これによれば、前記業務割表の雛形が変更されない場合で、利用者の入所・対処等で生じた予定表と業務割表とのうち差分のある部分についてのみ、業務割表を更新することができる。このため、業務割表の全体で、元の業務割表から大きく変更されることを抑制することができる。また、業務割表の更新の処理数が減り、より高速に更新をすることができる。
【0014】
上記の管理装置において、前記第1の更新手段は、第1のサービスについて第1の設定
がされていれば、前記予定表において複数の利用者の前記第1のサービスの利用期間が
少なくとも同じである場合には、1人のスタッフが当該複数の利用者に前記第1のサービスを当該利用期間に提供するように、前記業務割表を更新してもよい。これによれば、第1の設定がされたサービスについては、1人のスタッフが1度に複数の利用者を対応することが可能になる。このため、より効率的な業務が可能な業務割表に更新することができる。
【0015】
上記の管理装置において、前記第1の更新手段は、第2のサービスについて第2の設定がされていれば、第1の利用者に提供する第3のサービスの提供期間の開始時刻が、前記第1の利用者に提供する前記第2のサービスの提供期間の開始時刻より前の時刻にならないように前記業務割表を更新してもよい。これによれば、第2の設定がされたサービスが或る所定のサービスよりも以前の時刻に提供されるように業務割表が制御される。このため、例えば、「朝食」に対して第2の設定がされれば、「薬の服用」が必ず朝食の開始時刻以降に開始するようにできる。つまり、サービス間の開始時刻の整合性を保つことが可能になる。
【0016】
上記の管理装置において、前記第1の更新手段は、第4のサービスについて第3の設定
がされていれば、第2の利用者が利用する前記第4のサービスの前記予定表における利
用期間を前記業務割表における提供期間として登録可能でない場合には、前記業務割表に登録可能な時刻のうち当該利用期間の開始時刻以降であって当該開始時刻に最も近い時刻を、前記第2の利用者の前記第4のサービスの提供期間の開始時刻とするように前記業務割表を更新してもよい。これによれば、第3の設定がされたサービスを、他のサービスと重複しない時間に提供できるように制御することができる。このため、或るスタッフが或る時間帯に、多くのサービスを提供する事態が発生することを抑制することができる。
【0017】
上記の管理装置において、前記予定表には、利用者ごとに各サービスの利用期間の初期値と修正値が登録可能であり、前記第2の更新手段は、各利用者が利用する各サービスについて、前記予定表における利用期間の初期値と前記業務割表における提供期間とで差異がある場合には、第1のユーザ操作に応じて、当該利用者の当該サービスについて前記業務割表における提供期間を前記予定表における利用期間の修正値として用いるように、前記予定表を更新してもよい。これによれば、業務割表における提供期間に合致するように、予定表における利用期間の修正値を設定することができる。つまり、業務割表と予定表との整合性を図ることができる。また、予定表における利用期間の初期値ではなく、修正値を設定することになるので、初期値の情報を残したまま、予定表を更新することができる。
【0018】
上記の管理装置において、前記第2の更新手段は、さらに、第2のユーザ操作に応じて選択された利用者が利用する、当該第2のユーザ操作に応じて選択されたサービスについて、前記予定表における利用期間の初期値と修正値とで差異がある場合には、当該修正値を当該初期値として用いるように当該初期値を更新してもよい。これによれば、予定表における利用期間の初期値を修正値に更新することができる。このため、予定表を確定的に更新することができる。
【0019】
上記の管理装置において、各スタッフが提供する各サービスについての名称、提供場所、提供期間、および利用者の情報を表す情報を前記業務割表として表示する表示手段をさらに有していてもよい。
【0020】
本発明は、上記手段の少なくとも一部を有する装置として捉えてもよいし、電子機器や制御システム、情報処理システム、情報処理装置、サーバ、管理システムとして捉えてもよい。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む制御方法(管理装置の制御方法)、管理方法(管理装置が実行する管理方法)、情報処理方法として捉えてもよい。また、本発明は、かかる方法を実現するためのプログラムやそのプログラムを非一時的に記録した記録媒体(記憶媒体)として捉えることもできる。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合せて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、スタッフごとの業務予定を管理する業務割表と、利用者ごとのサービスの利用予定を管理する予定表との整合性を容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、業務割表を用いたサービスの提供を説明する図である。
【
図3】
図3は、基本業務割表の生成について説明する図である。
【
図5】
図5Aは、週間ケア予定表が有する情報を示す図であり、
図5Bは、基本業務割表が有する情報を示す図である。
【
図6】
図6Aは、設定パラメータを説明する図であり、
図6Bは、人員配置表を説明する図である。
【
図7】
図7は、管理装置の各構成要素を示す構成図である。
【
図8】
図8は、基本業務割表の更新処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、週間ケア予定表の更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限られない。
【0024】
<実施形態>
本実施形態では、介護施設において、1または複数のスタッフが、その介護施設の1または複数の利用者に対してサービスを提供する業務を行う場合を想定して説明する。そして、
図1に示すように、各スタッフは、所定の期間における自身の業務予定が記された業務割表を参照して、利用者に対してサービスを提供する。そして、本実施形態では、利用者に対する介助または介護などの補助を行うサービスである「ケアサービス」を例にあげて、サービスについて説明する。なお、介護施設にてサービスが提供される必要はなく、任意の場所(例えば、学校、寮や特定の建物)にてサービスが提供されてもよい。さらに、サービスは、ケアサービスである必要はなく、利用者の予定やスタッフの予定がある程度、固定されているサービスであれば、任意のサービス(例えば、スポーツや学習塾の指導のサービスなど)であってもよい。
【0025】
[基本業務割表の概要について]
本実施形態では、週ごとの各スタッフの業務の予定(ケアサービスの提供期間の予定)を管理する業務割表として、
図2に示すような「基本業務割表」について説明する。基本業務割表は、後述する管理装置1の表示部16に表示されることにより、ユーザが参照可能である。なお、基本業務割表は、スポット的に(1回限りで)発生する業務の情報を含まず、定期的に(週ごとに)発生する業務の情報を含む。基本業務割表は、レーン情報と業務情報とを有する。
【0026】
レーン情報は、1日における1人のスタッフに対応する情報である。レーン情報は、スタッフの勤務体系を示す「シフト区分」、1人のスタッフを番号などにより示す「担当者氏名」、スタッフが有する資格を示す「資格」、スタッフが働く時間である「勤務時間」、スタッフが業務を行う場所である「担当場所」の情報を含む。例えば、
図2のレーン情報101は、「シフト情報」の情報として「準夜勤(前日から)」を示す情報、「担当者氏名」の情報として「スタッフ0063」を示す情報、「資格」の情報として「資格なし」を示す情報を含む。また、レーン情報101は、「勤務時間」の情報として「20:00~07:00」を示す情報と、「担当場所」として「2階居室、1回居室、食堂、グループホーム」を示す情報を有する。
【0027】
業務情報は、1日における1人のスタッフが提供する1つのケアサービスを示す情報である。1つのレーン情報に対して、複数の業務情報が対応する(紐づく)。業務情報は、ケアサービスの名称を示す「ケアサービス」、ケアサービスの提供場所である「場所」、ケアサービスの提供開始時刻である「開始時刻」、ケアサービスの利用者である「利用者」の情報を含む。また、業務情報は、「ケアサービス」や「場所」の情報を内部に記載した矩形のボックスの縦方向の長さにより、ケアサービスの提供期間の長さ(提供時間)を表している。
【0028】
図2の業務情報102は、「ケアサービス」の情報として「朝食」を示す情報、「場所」の情報として「食堂」を示す情報を含む。また、業務情報102は、「開始時刻」の情報として「07:00」を示す情報、「利用者」の情報として「佐藤、高橋、伊藤、渡辺、および小林」を示す情報を含む。一方、業務情報103は、「ケアサービス」の情報として「バイタル測定・朝」を示す情報、「開始時刻」の情報として「05:30」を示す情報、「利用者」の情報として「中村、渡辺、古田、および山崎」を示す情報を含む。しかしながら、業務情報103は、「場所」の情報を含まない。例えば、スタッフが「ケアサービス」の情報から一義的に、ケアサービスの提供場所を把握できるには、このように、業務情報が「場所」の情報を有しなくてもよい。また、例えば、「場所」の情報を含まない場合には、ケアサービスの提供場所は利用者それぞれの居室であると予め設定されていてもよい。
【0029】
また、業務情報は、対象となる具体的な利用者がいないケアサービス(業務)を示す情報であってもよい。例えば、
図2の業務情報104は、「ケアサービス」の情報として「朝食準備」を示す情報を含み、「場所」の情報として「食堂」を示す情報を含み、「開始時刻」の情報として「05:45」を示す情報を含む。一方で、業務情報104は、「利用者」の情報を含まない。
【0030】
ここで、
図5Bは、業務情報のより具体的なデータ構造を示す。業務情報は、ケアサービスの提供期間の情報を有する。提供期間は、提供期間の開始時刻と、提供期間の長さを示す。業務情報は、提供期間の開始時刻の情報として、ケアサービスの提供期間の開始時刻の初期値である「予定開始時刻」と、開始時刻の初期値から修正された開始時刻(開始時刻の修正値)である「修正開始時刻」との情報を有する。なお、
図2では、業務情報に「修正開始時刻」が登録されていれば「修正開始時刻」が開始時刻として表示されて、「修正開始時刻」が登録されていなければ「予定開始時刻」が開始時刻として表示されている。また、業務情報は、「予定開始時刻」と「修正開始時刻」との両方の情報を有している必要はなく、最も更新が新しい開始時刻を示すような「開始時刻」の情報のみを有していてもよい。そして、業務情報は、提供期間の長さの情報として、ケアサービスの提供期間の長さの初期値である「提供時間初期値」と、提供期間の長さの初期値から修正された提供期間の長さ(提供期間の長さの修正値)である「提供時間修正値」との情報を有する。
【0031】
[基本業務割表の生成について]
本実施形態では、
図3に示すように、週ごとの各利用者の受けるケアサービスの予定(各ケアサービスの利用期間)を管理する予定表である「週間ケア予定表」と、週ごとのスタッフの勤務割を示す「人員配置表」に基づき、基本業務割表は生成される(または更新される)。このとき、「設定パラメータ」が示す設定に応じて、基本業務割表は生成される。また、基本業務割表の情報が更新されると、ユーザからの指示(ユーザ操作)に従って、更新された基本業務割表の情報に応じて週間ケア予定表を更新することもできる。なお、基本業務割表の生成方法および更新方法については、
図8が示す基本業務割表の更新処理のフローチャートを用いて後述する。
【0032】
(週間ケア予定表について)
週間ケア予定表は、利用者情報(
図4では、利用者情報201)と予定情報(
図4では、予定情報202)とを有する。利用者情報は、利用者個人の情報を示す。利用者情報は、利用者の氏名を示す「利用者氏名」、利用者の識別番号を示す「ID」、利用者の居室の番号を示す「居室番号」、利用者が要する介護の度合いを示す「要介護度」の情報を有する。また、利用者情報は、利用者が介護保険を利用できる額の限度額を示す「介護保険利用限度額」、利用者が既に利用した介護保険額を示す「利用済み介護保険額」の情報を有していてもよい。さらに、利用者情報は、介護保険利用限度額に対する利用済み介護保
険額の割合(および、利用者が利用できる介護保険額の残額)を示す「介護サービス利用状況」、利用者の性別を示す「性別」の情報を有していてもよい。
図4の例では、利用者情報201は、「利用者氏名」の情報として「佐藤 〇〇」という情報を有し、「ID」の情報として「0010」という情報を有し、「居室番号」の情報として「1010」の情報を有する。なお、利用者情報は、利用者個人に関する情報であれば、任意の情報を有していてもよい。
【0033】
予定情報は、曜日別の利用者が利用するケアサービスの一覧を表す表である。いずれの曜日についての情報を示すかは、曜日タブによって変更することができる。例えば、
図4の例では、曜日タブ203において月曜日が選択されており、予定情報は、毎週月曜日において利用者が利用するケアサービスの一覧を表している。
【0034】
予定情報は、予め定められた各ケアサービスについて、ケアサービスの識別番号を示す「ケアサービスコード」、ケアサービスの種類を示す「ケアサービス」、特定行為であるか否かを示す「特定行為」の情報を含む。特定行為とは、認定を受けた介護士(特定介護士)のみが行うことのできる医療行為である。
【0035】
また、予定情報は、各ケアサービスの提供期間(利用期間)の情報を有する。提供期間(利用期間)は、提供期間の開始時刻と、提供期間の長さを示す。予定情報は、ケアサービスの開始時刻として、開始時刻の初期値を示す「開始時刻初期値」と、開始時刻の初期値から修正された開始時刻(開始時刻の修正値)を示す「修正開始時刻」の情報を有する。予定情報は、さらに、ケアサービスの提供期間の長さとして、提供期間の長さの初期値を示す「提供時間初期値」と、提供期間の長さの初期値から修正された提供期間の長さ(提供期間の長さの修正値)を示す「提供時間修正値」の情報を有する。
【0036】
さらに、利用者情報は、各ケアサービスについて、当該ケアサービスに要する内部スタッフの人数を示す「内部スタッフ(施設内)人数」や、当該ケアサービスに対する請求の種類を示す「内部スタッフ(施設内)収入区分」の情報なども有する。
【0037】
図4が示すような、予定情報202における「ケアサービスコード」が「1」であるケアサービスの例では、「ケアサービス」の情報として「排泄介助(0:00)」という情報が登録されており、「特定行為」の情報として「特定行為ではないこと」を示す情報が登録されている。また、当該ケアサービスについては、「開始時刻初期値」として「00:30」の情報が登録され、「修正開始時刻」として「00:40」の情報が登録されている。さらに、当該ケアサービスについては、「提供時間初期値」として「5」の情報が登録されており、「提供時間修正値」として「5」の情報が登録されている。「提供時間初期値」および「提供時間修正値」における「5」は、5分という時間の長さを示す。
【0038】
ここで、「開始時刻初期値」が予定表に登録されていないケアサービスは、その予定表に対応する利用者には提供されない。例えば、
図4の例では、予定情報202において、「ケアサービス」の情報が「排泄介助(9:00)」または「排泄介助(11:00)」を示すケアサービスは、月曜日においては、利用者である「佐藤 〇〇」には提供されない。
【0039】
なお、予定情報において「開始時刻初期値」と「修正開始時刻」とがともに登録されているケアサービスについては、「修正開始時刻」に当該ケアサービスの提供が開始されることを示している。また、予定情報において「提供時間初期値」と「提供時間修正値」とがともに登録されているケアサービスについては、「提供時間修正値」が示す時間の長さだけ当該ケアサービスが提供されることを示している。
図4の例では、予定情報202において「ケアサービス」の情報が「排泄介助(0:00)」を示すケアサービスは、「修
正開始時刻」の情報が示す00:40から提供されることを示している。一方、「ケアサービス」の情報が「昼食」を示すケアサービスは、「開始時刻初期値」の情報が示す12:00から提供されることを示している。
【0040】
(週間ケア予定表と基本業務割表の対応について)
ここで、
図5Aおよび
図5Bを用いて、週間ケア予定表が有する情報と、基本業務割表が有する情報との対応を説明する。
図5Aは、週間ケア予定表が有する主な情報であって、水曜日において、1人の利用者が利用する1つのケアサービスに対応する情報を示す。
図5Bは、基本業務割表が有する主な情報であって、水曜日において1人のスタッフが提供する1つのケアサービスに対応する情報を示す。そして、
図5Aが示す週間ケア予定表の情報と
図5Bが示す基本業務割表の情報は互いに対応している(紐づいている)ものとする。
【0041】
週間ケア予定表は、利用者ごと、ケアサービスごとに、サービス情報を有する。サービス情報は、上記した利用者情報と予定情報とを併せた情報である。基本業務割表は、上述したように、レーン情報と業務情報とを有する。レーン情報は、1日における1人のスタッフに対応する情報である。業務情報は、1つのケアサービスに対応する1人のスタッフの業務を示す情報である。そのため、1つのレーン情報に対して複数の業務情報が対応する。また、業務情報が示す「利用者」の数の分だけ、その業務情報に対してサービス情報が対応する(紐づく)。例えば、業務情報の「利用者」の情報が2名の氏名を示していれば、その業務情報に対して2つのサービス情報が対応するように記憶される。
【0042】
ここで、互いに対応するサービス情報と業務情報の対応関係について説明する。まず、
図5A、
図5Bに示すように、サービス情報と業務情報とが対応する場合には、サービス情報と業務情報において、「ケアサービス」、「グループ」、「場所」、「内部スタッフ(施設内)人数」、「内部スタッフ(施設内)収入区分」などには互いに同一の情報が登録される。一方で、業務情報における「利用者」のうちの1名の情報が、その業務情報に対応する1つのサービス情報における「利用者」の情報を示す。言い換えると、業務情報に対応する全てのサービス情報の「利用者」がまとめられた情報が、その業務情報における「利用者」である。なお、「グループ」の情報は、ケアサービスをグループ分けする(分類する)情報である。
【0043】
ここで、サービス情報において、「修正開始時刻」が登録されている場合には、ケアサービスの提供を開始する時刻を「修正開始時刻」が示し、「修正開始時刻」が登録されていない場合には、ケアサービスの提供を開始する時刻を「開始時刻初期値」が示す。そして、業務情報において、「修正開始時刻」が登録されている場合には、ケアサービスの提供を開始する時刻を「修正開始時刻」が示し、「修正開始時刻」が登録されていない場合には、ケアサービスの提供を開始する時刻を「予定開始時刻」が示す。従って、サービス情報と業務情報が対応している(紐づいている)場合であっても、サービス情報の「開始時刻初期値」と業務情報の「開始予定時刻」とは、必ずしも一致しない。また、サービス情報の「修正開始時刻」と業務情報の「修正開始時刻」とは、必ずしも一致しない。
【0044】
同様に、業務情報において、「提供時間修正値」が登録されている場合には、ケアサービスを提供する時間の長さを「提供時間修正値」が示し、「提供時間修正値」が登録されていない場合には、ケアサービスを提供する時間の長さを「提供時間初期値」が示す。そして、業務情報において、「提供時間修正値」が登録されている場合には、ケアサービスを提供する時間の長さを「提供時間修正値」が示し、「提供時間修正値」が登録されていない場合には、ケアサービスを提供する時間の長さを「予定開始時刻」を示す。従って、サービス情報と業務情報が対応している(紐づいている)場合であっても、サービス情報の「提供時間初期値」と業務情報の「提供時間初期値」とは、必ずしも一致しない。また
、サービス情報の「提供時間修正値」と業務情報の「提供時間修正値」とは、必ずしも一致しない。
【0045】
また、以下では、初期値と修正値のいずれであるかを明示せずに「開始時刻」と単に表現する場合がある。この場合には、「開始時刻」は、修正値(修正開始時刻)が登録されている場合には修正値であり、修正値が登録されていない場合には初期値(サービス情報では開始時刻初期値、業務情報では予定開示時刻)であるとする。なお、初期値と修正値のいずれであるかを明示せずに「提供期間の長さ」と単に表現する場合も同様である。
【0046】
一方で、本実施形態では、下記にて詳細に説明するが、サービス情報における提供期間(利用期間)と、当該サービス情報に対応する業務情報における提供期間とを合致させることができる。つまり、サービス情報が示す開始時刻と、業務情報が示す開始時刻とを合致させることができる。また、サービス情報が示す提供期間の長さと、業務情報が示す提供期間の長さとを合致させることができる。つまり、同一の利用者が利用する同一のケアサービスについて、基本業務割表と週間ケア予定表とで、ケアサービスの開始時刻の情報を合致させ、かつ、提供期間の長さの情報とを合致させることができる。
【0047】
(設定パラメータについて)
図6Aを用いて設定パラメータについて説明する。設定パラメータは、週間ケア予定表に基づき、基本業務割表を生成する(または更新する)際の生成(更新)の条件を示す情報を記憶する。設定パラメータは、
図6Aに示すように、ケアサービスそれぞれについて、当該ケアサービスを提供する施設を示す「施設」の情報、「同時複数利用者対応」の情報、「スタッフのケアサービス担当範囲を考慮して配置」の情報を有する。「同時複数利用者対応」の情報は、ケアサービスを同時に複数の利用者に対して提供しても良いか否かを示す。「スタッフのケアサービス担当範囲を考慮して配置」の情報は、同一ケアサービスについて1人のスタッフを複数の担当範囲に配置する必要があるか否かを示す。
【0048】
例えば、「同時複数利用者対応」の情報が「不可」を示している場合には、その「ケアサービス」は1回で1人に対してのみに提供される。一方で、「同時複数利用者対応」の情報が「可」を示している場合には、そのケアサービスは、1人のスタッフにより1回で複数の利用者に対して提供されることを許容する。なお、同時に同じケアサービスが提供される複数の利用者は、週間ケア予定表において少なくとも当該ケアサービスの提供期間(開始時刻初期値、修正開始時刻、提供時間初期値、および提供時間修正値)が同一である複数の利用者である必要がある。つまり、或るケアサービスについて「同時複数利用者対応」が「可」である設定(第1の設定)がされていれば、週間ケア予定表において少なくとも同じ提供期間に当該ケアサービスを利用する複数の利用者がいる場合には、1人のスタッフが当該複数の利用者に当該ケアサービスを当該提供期間に提供するように、前記業務割表が生成(更新)される。なお、同時に同じケアサービスが提供される複数の利用者にあたるかの判断には、週間ケア予定表における「資格」、「サービスケアコード」、「特定行為」、「開始時刻初期値」、「修正開始時刻」、「提供時間初期値」、「提供時間修正値」、「場所」の全部または一部が一致することを要求してもよい。
【0049】
また、設定パラメータは、ケアサービスそれぞれについて、当該ケアサービスを他のケアサービスと同時刻帯に提供するか否かを示す「同時刻帯対応」の情報を有する。例えば、ケアサービスである「朝食」について、「同時刻帯対応」の情報が「-」を示している場合には、業務情報における「朝食」の提供期間は、他のケアサービスの提供期間に影響を与えない。一方で、例えば、「朝食」について「同時刻帯対応」の情報が「血圧測定」を示している場合(第2の設定がされている場合)には、「朝食」の提供開始以後に「血圧測定」の提供が開始されるように、基本業務割表において「血圧測定」の開始時刻が制御される。つまり、或る利用者に提供する「血圧測定」が、当該利用者に提供する「朝食
」の開始時刻より前に提供開始されることがないように基本業務割表が生成(更新)される。さらに詳細に説明すると、或る利用者に提供する「血圧測定」の提供期間の開始時刻が、その利用者に提供する「朝食」の提供期間の開始時刻より前の時刻にならないように基本業務割表が更新される。
【0050】
さらに、設定パラメータは、ケアサービスそれぞれについて、「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報と「ずれ許容範囲(分)」の情報を有する。或るケアサービスについて、「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報が「可」を示す場合(第3の設定がされている場合)であって、サービス情報の「開始時刻初期値」に基づき基本業務割表を生成(更新)する場合には、サービス情報の「開始時刻初期値」が業務情報の「予定開始時刻」として登録される。そして、その「予定開始時刻」が示す時刻からケアサービスが提供できない場合(例えば、重複を許さない他のケアサービスの提供期間と重複する場合)には、特定の時刻が、基本業務割表の「修正開始時刻」として登録される。特定の時刻とは、対象のケアサービスを業務情報に登録可能な時刻であって、「ずれ許容範囲(分)」が示す時間の長さを上限として、サービス情報の「開始時刻初期値」から後ろにずらした範囲の時刻のうち、「開始時刻初期値」に最も近い時刻である。つまり、或る利用者が利用する或るケアサービスの週間ケア予定表における提供期間を基本業務割表における提供期間として登録可能でない場合には、基本業務割表に登録可能な時刻のうち週間ケア予定表の提供期間の開始時刻以降であって当該開始時刻に最も近い時刻を、その利用者のそのケアサービスの提供期間の開始時刻とするように基本業務割表が更新される。なお、或るケアサービスについて、「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報が「可」を示す場合であって、サービス情報の「修正開始時刻」に基づき基本業務割表を生成(更新)する場合には、「開始時刻初期値」を「修正開始時刻」に読み替えて、上記と同様の処理が行われる。また、「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報が「可」を示しており、「ずれ許容範囲(分)」の情報が「-」を示している場合には、開始時刻をずらす時間の長さの制限はないものとする。
【0051】
一方で、或るケアサービスについて、「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報が「不可」を示す場合には、上記と同様に、業務情報の「予定開示時刻」に予定情報の「開始時刻初期値」または「修正開始時刻」が登録されるが、業務情報の「修正開始時刻」には何も登録されない。つまり、サービス情報が示す開始時刻と、業務情報が示す開始時刻とが一致するように基本業務割表が生成(更新)される。このため、他のケアサービスが重複を許さない場合であっても、当該或るケアサービスが他のケアサービスに重複して提供されるように業務割表が生成(更新)される。
【0052】
(人員配置表について)
図6Bを用いて、人員配置表について説明する。人員配置表は、各曜日の各スタッフの勤務体系を仮想的に示す表である。具体的には、人員配置表は、スタッフが勤務する曜日を表す「曜日」、スタッフの勤務時間を表す「シフトコード」、スタッフが有する資格を表す「資格」、スタッフが勤務を担当する場所を示す「担当場所」の情報を有する。
【0053】
そして、人員配置表に従って、基本業務割表のレーン情報が生成される。例えば、
図6Bに示す基本業務割表において「曜日」の情報が「月曜日」である列が2つあるため、月曜日について2つのレーン情報が生成される。「曜日」の情報が「月曜日」を示す列の中で列601は列順で1番目であるから、列601の情報から、例えば、「レーン」の情報が「1レーン」を示し、「担当者氏名」の情報が「スタッフ0001」を示すレーン情報が生成される。そして、列601の情報を参照して、このレーン情報において、「シフト」の情報「B(08:30-17:30)」を示し、「資格」の情報が「看護」を示し、「担当場所」の情報が「2Fの看護(日勤、夜勤)」を示すようにレーン情報が生成され
る。なお、レーン情報における「レーン」と「担当者氏名」は、他のレーン情報と重複しないように、順番に番号などが付与されれば、任意のものでよい。なお、
図5Bに示すレーン情報の「シフト」の情報は、
図2に示すレーン情報の「シフト区分」と「勤務時間」をまとめた情報である。例えば、「シフト」の情報が「H(20:00~07:00)」とは、「シフト区分」の情報が「準夜勤(前日から)」を示し、かつ、「勤務時間」の情報が「20:00~07:00」を示すことを意味している。
【0054】
[管理装置の構成について]
図7を参照して、本実施形態に係る、週間ケア予定表と基本業務割表とを管理する管理装置1の構成について説明する。管理装置1は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレット端末などの任意の情報処理装置であってよい。管理装置1は、制御部11、取得部12、生成部13、業務割表更新部14、予定表更新部15、表示部16、記憶部17を有する。
【0055】
制御部11は、管理装置1の各構成要素を制御する。制御部11は、例えば、プロセッサを有しており、当該プロセッサがプログラムを実行することにより、管理装置1の各構成要素を制御する。
【0056】
取得部12は、ユーザからの指示を取得する。取得部12は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルに対するユーザ操作に応じて、ユーザからの指示を取得する。
【0057】
生成部13は、週間ケア予定表と人員配置表に基づき、設定パラメータが示す条件に従って、基本業務割表を生成する。生成部13が基本業務割表を生成する方法は、後述にて説明する。
【0058】
業務割表更新部14は、週間ケア予定表の修正を基本業務割表に反映するために、基本業務割表を更新する。業務割表更新部14が基本業務割表を更新する方法は、後述にて
図8を用いて説明する。なお、生成部13と業務割表更新部14は、基本業務割表を生成するという点で一致するため、1つの処理部として捉えてもよい。
【0059】
予定表更新部15は、基本業務割表の修正を週間ケア予定表に反映するために、週間ケア予定表を更新する。予定表更新部15が週間ケア予定表を更新する方法は、後述にて
図9Aおよび
図9Bを用いて説明する。
【0060】
表示部16は、
図4に示す週間ケア予定表や、
図2に示す基本業務割表を表示するディスプレイである。表示部16は、表示画面に対するタッチを検出するタッチパネルを有することにより、取得部12を兼ねていてもよい。
【0061】
記憶部17は、週間ケア予定表、基本業務割表、人員配置表および設定パラメータの情報を記憶する。また、記憶部17は、制御部11が実行するためのプログラムを記憶する。記憶部17は、これらの情報を記憶するために、例えば、HDD、ROMやRAMなどの任意の記憶媒体を有することができる。
【0062】
なお、ユーザは、取得部12に対する指示(ユーザ操作)によって、週間ケア予定表の各ケアサービスの提供期間を修正することができる。この場合には、例えば、ユーザが指示した時刻が、サービス情報の「修正開始時刻」に登録される。同様に、ユーザが指示した時間の長さが、サービス情報の「提供時間修正値」に登録される。
【0063】
一方で、ユーザは、取得部12に対する指示(ユーザ操作)によって、基本業務割表の各ケアサービスの提供期間も修正することができる。この場合には、ユーザが指示した時
刻が、業務情報の「修正開始時刻」に登録される。同様に、ユーザが指示した時間の長さが、業務情報の「提供時間修正値」に登録される。
【0064】
また、管理装置1は、例えば、CPU(プロセッサ)、メモリ、ストレージなどを備えるコンピュータにより構成することができる。その場合、
図7に示す構成は、ストレージに格納されたプログラムをメモリにロードし、CPUが当該プログラムを実行することによって実現されるものである。かかるコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンのような汎用的なコンピュータでもよいし、オンボードコンピュータのように組み込み型のコンピュータでもよい。あるいは、
図7に示す構成の全部または一部を、ASICやFPGAなどで構成してもよい。あるいは、
図7に示す構成の全部または一部を、クラウドコンピューティングや分散コンピューティングにより実現してもよい。
【0065】
[基本業務割表の更新処理]
図8は、基本業務割表を更新する処理について説明するフローチャートである。
図8のフローチャートの処理は、記憶部17に記憶されたプログラムを制御部11が実行することにより実現される。なお、本実施形態では、第1の方式、第2の方式、および第3の方式の3つの方式のいずれかによってシミュレーションが行われることで、基本業務割表が更新される。なお、生成部13が週間ケア予定表から基本業務割表を生成する場合にも、第1の方式および第2の方式のいずれかの方式によって基本業務割表が生成される。つまり、生成部13が基本業務割表を生成する場合には、後述するステップS1005またはS1007の処理が行われる。
【0066】
ステップS1001では、制御部11は、シミュレーションの方式を選択する指示をユーザから取得部12が取得したか否かを判定する。シミュレーションの方式を選択する指示を取得部12が取得した場合にはステップS1002に進み、そうでない場合にはステップS1001の処理が繰り返される。
【0067】
ステップS1002では、制御部11は、基本業務割表を更新する指示をユーザから取得部12が取得したか否かを判定する。基本業務割表を更新する指示をユーザから取得部12が取得した場合にはステップS1003に進み、そうでない場合にはステップS1002の処理が繰り返される。
【0068】
ステップS1001およびS1002では、例えば、ユーザが指示を選択するための画像を表示部16が表示する。そして、ユーザは、その画像を参照しながら、その指示を選択するための操作をマウスやキーボードを用いて行うことにより、その操作に対応する指示を行う。
【0069】
ステップS1003では、制御部11は、記憶部17から設定パラメータを取得する。
【0070】
ステップS1004では、制御部11は、ステップS1001において第1の方式を選択する指示を取得したか否かを判定する。ステップS1001において第1の方式を選択する指示が取得された場合にはステップS1005に進み、そうでない場合にはステップS1006に進む。
【0071】
ステップS1005では、制御部11は、業務割表更新部14を制御して、第1の方式として、週間ケア予定表の全てのサービス情報に基づき、基本業務割表を更新するシミュレーションを実行する。業務割表更新部14は、第1の方式では、既存の基本業務割表の内容にかかわらず、週間ケア予定表から基本業務割表を再度生成することで、既存の基本業務割表を更新する。
【0072】
具体的には、第1の方式では、業務割表更新部14は、まず、人員配置表に基づき、上述のようにレーン情報を生成する。次に、業務割表更新部14は、サービス情報における「開始時刻初期値」を業務情報における「予定開始時刻」として用い、サービス情報における「提供時間初期値」を業務情報における「提供時間初期値」として用いるように、業務情報を生成する。つまり、業務割表更新部14は、サービス情報における提供期間(利用期間)の初期値に、業務情報における提供期間の初期値が合致するように、業務情報を生成する。このとき、サービス情報における「ケアサービス」、「特定行為」、「グループ」、「内部スタッフ(施設内)人数」、「利用者」、「場所」などの情報を、業務情報における同名の情報に登録するようにする。
【0073】
その後、業務割表更新部14は、レーン情報に対して、複数の業務情報を対応付ける。このとき、業務割表更新部14は、例えば、業務情報を、その業務情報の「ケアサービス」を提供可能な「資格」が登録されたレーン情報であり、かつ、その業務情報の「場所」に対応する「担当場所」が登録されたレーン情報に対応付ける。これにより、新たに基本業務割表が生成されて、記憶部17に既に記憶された基本業務割表が更新される。
【0074】
なお、このとき、業務割表更新部14は、設定パラメータが示す条件を満たすように、基本業務割表を生成する。例えば、第1の利用者および第2の利用者の利用情報において、「朝食」のケアサービスについて、「開始時刻初期値」の情報が「9:00」を示し、「提供時間初期値」が「60」を示しているとする。そして、「朝食」のケアサービスについて、設定パラメータにおいて「同時複数利用者対応」の情報が「可」を示しているとする。この場合には、第1の利用者および第2の利用者の2つの予定情報における「朝食」の提供期間が同一であるため、設定パラメータに従って、業務割表更新部14は、1つの業務情報において「利用者」の情報が第1の利用者と第2の利用者の両方を示すように、基本業務割表を生成する。
【0075】
また、例えば、設定パラメータにおいて「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報が「許容しない」である所定のケアサービスが存在し、その所定のケアサービスは他のケアサービスと重複した期間に提供されることを許容しない場合を想定する。そして、所定のケアサービスについて、各スタッフの業務情報において「予定開始時刻」の情報が「9:00」を示し、かつ、「提供時間初期値」の情報が「30」を示すように登録される必要がある場合を想定する。この場合に、設定パラメータにおいて「基本業務割表で週間ケア予定表の開始時刻の変更を許可する場合」の情報が「許容する」を示し、かつ、「ずれ許容範囲(分)」の情報が「60」を示す「痰吸引」について、第1の利用者の利用情報において「開始時刻初期値」の情報が「9:00」を示しているとする。すると、各スタッフは、9:00から9:30において、所定のケアサービスのみを提供しなければならず、「痰吸引」を9:00から提供することはできない。一方で、「痰吸引」について、設定パラメータを参照すると「痰吸引」の開始時刻を60分以内でずらすことが可能であり、9:00以降で最も早く提供可能な9:30を「痰吸引」の開始時刻として適用可能である。このため、業務割表更新部14は、第1の利用者に対する「痰吸引」について、業務情報において「修正開始時刻」の情報が「9:30」を示すように、基本業務割表を生成する。
【0076】
ステップS1006では、制御部11は、ステップS1001において第2の方式を選択する指示を取得したか否かを判定する。ステップS1001において第2の方式を選択する指示が取得された場合にはステップS1007に進み、そうでない場合にはステップS1008に進む。
【0077】
ステップS1007では、制御部11は、業務割表更新部14を制御して、第2の方式
として、週間ケア予定表の全てのサービス情報に基づき、基本業務割表を生成するシミュレーションを実行する。ここで、第2の方式では、第1の方式とは、業務情報を生成する際に、提供期間の修正値が登録されているサービス情報については、初期値の代わりに修正値を用いることが異なる。具体的には、第2の方式では、「修正開始時刻」が登録されているサービス情報については、第1の方式における「開始時刻初期値」の代わりに「修正開始時刻」を用いる。そして、第2の方式では、「提供時間修正値」が登録されているサービス情報については、第1の方式の「提供時間初期値」の代わりに「提供時間修正値」を用いる。つまり、週間ケア予定表に提供期間(利用期間)の修正値が登録されている各利用者のケアサービスについては、週間ケア予定表における提供期間の修正値に基づき業務割表が更新される。なお、提供期間の修正値が登録されていないサービス情報についての処理は、第2の方式によるシミュレーションと、第1の方式によるシミュレーションとで同一である。つまり、提供期間の修正値が登録されていないサービス情報については、提供期間の初期値が用いられる。
【0078】
ステップS1008では、制御部11は、ステップS1001において第3の方式を選択する指示を取得したか否かを判定する。ステップS1001において第3の方式を選択する指示が取得された場合にはステップS1009に進み、そうでない場合には本フローチャートの処理が終了する。
【0079】
ステップS1009では、制御部11は、業務割表更新部14を制御して、第3の方式として、週間ケア予定表のサービス情報に基づき、ユーザが指定した基本業務割表を更新するシミュレーションを実行する。具体的には、業務割表更新部14は、ユーザが指定した基本業務割表の各業務情報のうち、その業務情報と対応する利用情報と差分のある業務情報について、第2の方式と同様の方法により更新する。このとき、業務情報とレーン情報との対応関係を維持するように、基本業務割表が更新されるとよい。なお、その他の業務情報については、業務割表更新部14は、ユーザが指定した基本業務割表の業務情報から更新しない。
【0080】
ここで、業務情報と、その業務情報に対応する利用情報とに差分があるか否かを判定する方法を説明する。業務割表更新部14は、業務情報に提供期間の修正値が登録されており、かつ、業務情報の提供期間の修正値と、当該業務情報に対応するサービス情報の提供期間の初期値とが異なる場合には、業務情報とサービス情報とに差分があると判定する。また、業務割表更新部14は、業務情報に提供期間の修正値が登録されておらず、かつ、業務情報の提供期間の初期値と、当該業務情報に対応するサービス情報の提供期間の初期値とが異なる場合には、業務情報とサービス情報とに差分があると判定する。その他の場合には、業務割表更新部14は、業務情報とサービス情報とに差分がないと判定する。なお、差分があるか否かを判定する場合に、サービス情報に提供期間の修正値が登録されていれば、当該サービス情報について「サービス情報の提供期間の初期値」の代わりに「サービス情報の提供期間の修正値」を用いてもよい。
【0081】
具体的には、業務割表更新部14は、業務情報に「修正開始時刻」が登録されており、かつ、この「修正開始時刻」とサービス情報の「開始時刻初期値」とが異なる場合には、業務情報とサービス情報とに差分があると判定する。業務情報に「修正開始時刻」が登録されておらず、かつ、業務情報の「予定開始時刻」とサービス情報の「開始時刻初期値」とが異なる場合には、業務割表更新部14は、業務情報とサービス情報とに差分があると判定する。さらに、業務割表更新部14は、業務情報に「提供時間修正値」が登録されており、かつ、この「提供時間修正値」とサービス情報の「提供時間初期値」とが異なる場合には、業務情報とサービス情報とに差分があると判定する。業務情報に「提供時間修正値」が登録されておらず、かつ、業務情報の「提供時間初期値」とサービス情報の「提供時間初期値」とが異なる場合には、業務割表更新部14は、業務情報とサービス情報とに
差分があると判定する。
【0082】
このように、業務割表更新部14(または生成部13)は、ユーザ操作(選択された方式)に応じて、各業務情報(利用者の各ケアサービス)について、利用情報の提供期間の初期値と修正値とのいずれかに基づき業務情報を更新するかを切り替えているといえる。また、業務割表更新部14(または生成部13)は、ユーザ操作(選択された方式)に応じて、全ての業務情報を更新するか、全ての業務情報のうちサービス情報と差異がある業務情報を更新するかを切り替えているといえる。これにより、ユーザは、より好適な方法を選択して、基本業務割表を更新することができる。
【0083】
例えば、第1の方式によれば、修正を考慮せずに、基本業務割表を更新(生成)したい場合に好適である。第2の方式によれば、1日に配置するスタッフの増減等でレーンに割り当てるケアサービスは変更されるものの、修正を考慮して、基本業務割表を更新(生成)したい場合に好適である。そして、第2の方式によれば、業務情報と利用情報とで、提供期間(提供期間の開始時刻および長さ)を合致させることができる。第3の方式によれば、既に割り当てたレーンとケアサービスの関係を崩すことなく、利用情報と差異がある業務情報のみを更新したい場合(利用情報と差異のない業務情報を更新したくない場合)に、好適である。
【0084】
なお、基本業務割表を更新する処理により、全ての曜日について基本業務割表が更新されてもよいし、ユーザにより選択された曜日についてのみ基本業務割表が更新されてもよい。
【0085】
[週間ケア予定表の更新処理]
図9Aおよび
図9Bは、週間ケア予定表を更新する処理について説明するフローチャートである。
図9Aおよび
図9Bのフローチャートの処理は、記憶部17に記憶されたプログラムを制御部11が実行することにより実現される。なお、本実施形態では、予定表更新部15は、サービス情報の提供期間の修正値を更新する処理と、サービス情報の提供期間の初期値を更新する処理との2つの処理を行うことができる。なお、上述のように、サービス情報の提供期間の初期値とは、サービス情報における「開始時刻初期値」と「提供時間初期値」である。サービス情報の提供期間の修正値とは、サービス情報における「修正開始時刻」と「提供時間修正値」である。サービス情報の提供期間の修正値を更新する処理によれば、サービス情報の提供期間の初期値が週間ケア予定表に残るため、ユーザは、修正値を削除することにより、いつでもサービス情報を初期状態に戻すことができる。一方で、サービス情報の提供期間の初期値を更新する処理によれば、ユーザは、サービス情報を確定的に更新することができる。
【0086】
(提供期間の修正値を更新する処理について)
図9Aは、サービス情報の提供期間の修正値を更新する処理を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS2001では、制御部11は、更新する対象の曜日を選択する指示をユーザから取得部12が取得したか否かを判定する。更新する対象の曜日を選択する指示をユーザから取得部12が取得した場合にはステップS2002に進み、そうでない場合にはステップS2001の処理が繰り返される。
【0088】
ステップS2002では、制御部11は、サービス情報(週間ケア予定表)の提供期間の修正値を更新する指示をユーザから取得部12が取得したか否かを判定する。提供期間の修正値を更新する指示をユーザから取得部12が取得した場合にはステップS2003に進み、そうでない場合にはステップS2002の処理が繰り返される。
【0089】
ステップS2003では、制御部11は、予定表更新部15を制御して、ステップS2001にて選択した曜日における各業務情報と、当該業務情報に対応するサービス情報とで差分(差異)があるか否かを判定する。なお、業務情報とサービス情報とに差分があるか否かの判定は、ステップS1009と同様に行うことができる。
【0090】
そして、予定表更新部15は、差分のあるサービス情報について、提供期間の修正値を更新する。具体的には、予定表更新部15は、サービス情報の「修正開始時刻」の値として業務情報の「修正開始時刻」の値を用い、サービス情報の「提供時間修正値」の値として業務情報の「提供時間修正」の値を用いるように、サービス情報を更新する。
【0091】
(提供期間の初期値を更新する処理について)
図9Bは、サービス情報の初期値を更新する処理を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS3001では、制御部11は、提供期間の初期値と修正値とで差分のあるサービス情報を表示する指示(差分表示の指示)を取得部12がユーザから取得したか否か判定する。差分表示の指示を取得部12が取得した場合にはステップS3002に進み、そうでない場合にはS3001の処理が繰り返される。
【0093】
ステップS3002では、制御部11は、提供期間の初期値と修正値とで差分のあるサービス情報の一覧を表示部16に表示する。つまり、表示部16は、「開始時刻初期値」と「修正開始時刻」とが異なるサービス情報と、「提供時間初期値」と「提供時間修正値」とが異なるサービス情報とを表示する。
【0094】
ステップS3003では、制御部11は、提供期間の初期値と修正値とで差分のあるサービス情報の中から、提供期間の初期値を更新するサービス情報を選択する指示を取得部12がユーザから取得したか否かを判定する。なお、ユーザは、サービス情報を選択することにより、利用者とその利用者が利用するケアサービスを選択しているといえる。ここで、ユーザは、1または複数のサービス情報を選択可能である。取得部12がサービス情報を選択する指示を取得した場合にはステップS3004に進み、そうでない場合にはステップS3003の処理が繰り返される。
【0095】
ステップS3004では、制御部11は、ステップS3003にて選択されたサービス情報の提供期間の初期値を更新する指示を取得部12がユーザから取得したか否かを判定する。取得部12がサービス情報の提供期間の初期値を更新する指示を取得した場合にはステップS3005に進み、そうでない場合にはステップS3004の処理が繰り返される。
【0096】
ステップS3005では、制御部11は、予定表更新部15を制御して、ステップS3003にて選択されたサービス情報の提供期間の初期値を更新する。具体的には、予定表更新部15は、ステップS3003にて選択されたサービス情報の「開始時刻初期値」として「修正開始時刻」の値を用いるように、「開始時刻初期値」を更新する。そして、予定表更新部15は、ステップS3003にて選択されたサービス情報の「提供時間初期値」として「提供時間修正値」の値を用いるように、「提供時間初期値」を更新する。このとき、予定表更新部15は、「修正開始時刻」と「提供時間修正値」をリセットする(「修正開始時刻」と「提供時間修正値」の登録を解除する)。
【0097】
このように
図9Bのフローチャートの処理によれば、
図9Aのフローチャートの処理で更新されたサービス情報の提供期間の修正値を、初期値に反映することができる。
【0098】
従って、本実施形態によれば、スタッフごとに業務の予定を管理する業務割表と、利用者ごとの受けるサービスの予定を管理する予定表との整合性を容易に確保することができる。
【0099】
また、業務情報と、当該業務情報に対応するサービス情報とで差分がある場合には、制御部11は、
図2に示すように、マーカー110などによって、当該差分がある旨を基本業務割表において表示するようにしてもよい。
【0100】
なお、実施形態に記載された事項のみによって特許請求の範囲の記載の解釈が限定されない。特許請求の範囲の記載の解釈には、出願時の技術常識を考慮した、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲も含む。
【符号の説明】
【0101】
1:管理装置、11:制御部、12:取得部、13:生成部、
14:業務割表更新部、15:予定表更新部、16:表示部、
17:記憶部