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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027633
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】水位判定システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230222BHJP
   G01C 13/00 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G06T7/00 300E
G01C13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132872
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】397065480
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】川▲瀬▼ 康平
(72)【発明者】
【氏名】杉山 久人
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 懇辰
(72)【発明者】
【氏名】井藤 雅稔
(72)【発明者】
【氏名】原田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴史
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096DA02
5L096FA02
5L096FA33
5L096FA52
5L096GA51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】精度よく水位を判定する水位判定システムを提供する。
【解決手段】水位判定システム10は、水位の判定対象となる箇所を撮像して得られた画像を取得する画像取得部11と、取得された画像の互いに異なる位置に設定された複数の水位判定用の領域夫々における、水が写っている部分を検出する検出部12と、検出結果に基づいて、複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断して、水位の判定に用いると判断した水位判定用の領域の当該検出結果を用いて水位を判定する水位判定部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水位の判定対象となる箇所を撮像して得られた画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された画像の互いに異なる位置に設定された複数の水位判定用の領域それぞれにおける、水が写っている部分を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断して、水位の判定に用いると判断した水位判定用の領域の当該検出結果を用いて水位を判定する水位判定部と、
を備える水位判定システム。
【請求項2】
前記水位判定部は、前記検出部による検出結果に基づく前記複数の水位判定用の領域それぞれにおける水位に係る値の統計量を算出して、算出した統計量に基づいて当該複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断する請求項1に記載の水位判定システム。
【請求項3】
前記検出部は、前記複数の水位判定用の領域それぞれにおける、前記水位判定部による前記複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かの判断に用いられる障害物を検出する請求項1又は2に記載の水位判定システム。
【請求項4】
前記水位判定部は、前記複数の水位判定用の領域の間の水位に係る値の基準差分値を記憶しておき、当該基準差分値を用いて水位を判定する請求項1~3の何れか一項に記載の水位判定システム。
【請求項5】
前記水位判定部は、前記検出部による検出結果に基づく当該複数の水位判定用の領域それぞれの間の水位に係る値の差分値を算出し、算出した差分値に基づいて当該複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断する請求項1~4の何れか一項に記載の水位判定システム。
【請求項6】
前記水位判定部は、前記複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かの判断結果に基づいて水位の判定が可能であるか否かを判断する請求項1~5の何れか一項に記載の水位判定システム。
【請求項7】
前記水位判定部は、水位の判定に用いないと判断された水位判定用の領域の数と予め設定された閾値とを比較して、比較結果に基づいて水位の判定が可能であるか否かを判断する請求項6に記載の水位判定システム。
【請求項8】
前記検出部は、前記水位判定用の領域を水位の方向に分割した分割領域毎に水が写っている部分を検出する請求項1~7の何れか一項に記載の水位判定システム。
【請求項9】
前記水位判定部は、前記検出部の検出結果に応じて、分割領域それぞれについて、水、非水及び不定の何れかに係る領域と判定して、判定結果及び分割領域の位置関係に基づいて水位を判定する請求項8に記載の水位判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川等の水位を判定する水位判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川を撮像して得られた画像から河川の水位を判定することが提案されている。例えば、特許文献1には、河川を撮像して得られた画像に設定された水位判定用の領域における、水が写っている部分を検出して水位を判定することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/107528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水位をより適切に判定するために画像に複数の水位判定用の領域を設定して水位の判定を行うことが考えられる。しかしながら、当該領域の何れかに草木等の障害物が重なって水が写っていない場合、水が写っている部分を検出することができない。また、それ以外の場合にも、必ずしも全ての領域が水位の判定に適した画像になっているとは限らない。そのような場合、判定される水位の精度が悪くなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、精度よく水位を判定することができる水位判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る水位判定システムは、水位の判定対象となる箇所を撮像して得られた画像を取得する画像取得部と、画像取得部によって取得された画像の互いに異なる位置に設定された複数の水位判定用の領域それぞれにおける、水が写っている部分を検出する検出部と、検出部による検出結果に基づいて、複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断して、水位の判定に用いると判断した水位判定用の領域の当該検出結果を用いて水位を判定する水位判定部と、を備える。
【0007】
本発明に係る水位判定システムでは、水位の判定に際して、複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かが判断される。その結果、水位の判定に適した水位判定用の領域の検出結果のみが用いられて水位の判定が行われる。従って、本発明に係る水位判定システムによれば、精度よく水位を判定することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、精度よく水位を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る水位判定システムの構成を示す図である。
図2】水位判定に用いられる画像の例である。
図3】水位判定に用いられる画像の例である。
図4】仮想水位計の水が写っている部分と検出される水位とを示す図である。
図5】分割された仮想水位計を示す図である。
図6】分割領域を用いた水位の判定を説明するための図である。
図7】分割領域を用いた水位の判定を示すフローチャートである。
図8】水位の方向に対する仮想水位計のずれを示す図である。
図9】仮想水位計間の誤差の例に係るグラフである。
図10】仮想水位計間の相対誤差の平均値の例の表である。
図11】基準となる仮想水位計及び補正値の決定を示すフローチャートである。
図12】仮想水位計毎の算出される値(測定値)及び補正後の値の例を示す図である。
図13】仮想水位計の除外を示すフローチャートである。
図14】仮想水位計間の相対誤差の例の表である。
図15】仮想水位計の除外を示すフローチャートである。
図16】水位判定に用いられる画像の例である。
図17】仮想水位計間の相対誤差の例の表である。
図18】水位判定に用いられる画像の例である。
図19】仮想水位計間の相対誤差の例の表である。
図20】水位判定の可否の判断を示すフローチャートである。
図21】本発明の実施形態に係る水位判定システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図22】本発明の実施形態に係る水位判定システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面と共に本発明に係る水位判定システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1に本実施形態に係る水位判定システム10を示す。水位判定システム10は、河川等の水位を判定するシステム(装置)である。水位判定システム10によって判定された水位は、例えば、河川の氾濫の検出に用いられる。水位判定システム10によって判定された水位から、人工知能(AI)等が用いられて将来の水位が予測されてもよい。当該予測には、降水量等の情報が用いられてもよい。
【0012】
水位判定システム10は、PC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置等のコンピュータによって構成されている。水位判定システム10は、複数のコンピュータ、即ち、コンピュータシステムによって構成されていてもよい。水位判定システム10は、通信機能を有しており、他の装置との間で互いに情報の送受信を行うことができる。
【0013】
水位判定システム10は、カメラ20によって水位の判定対象となる箇所が撮像されて得られた画像に基づいて水位を判定する。カメラ20は、既存のものでよい。カメラ20は、水位の判定対象となる箇所を撮像できるように、予め位置決めされて固定的に設けられる。カメラ20による撮像は、例えば、一定時間毎に行われる。カメラ20による撮像の時間間隔は、水位判定システム10による水位の判定の時間間隔と同じものでよい。例えば、当該時間間隔は、数秒、数分又は数時間でよい。図2に、カメラ20によって撮像される画像100の例を示す。
【0014】
カメラ20は、通信機能を有しており、あるいは、通信機能を有する装置に接続されており、水位判定システム10に画像を送信してもよい。当該通信機能は、既存のものでよい。当該送信は、例えば、撮像が行われる度に行われる。
【0015】
引き続いて、本実施形態に係る水位判定システム10の機能を説明する。図1に示すように水位判定システム10は、画像取得部11と、検出部12と、水位判定部13とを備えて構成される。
【0016】
画像取得部11は、水位の判定対象となる箇所を撮像して得られた画像を取得する機能部である。例えば、画像取得部11は、カメラ20から送信された画像を受信して画像を取得する。また、画像取得部11は、上記以外の方法で画像を取得してもよい。画像取得部11は、取得した画像を検出部12に出力する。
【0017】
検出部12は、画像取得部11によって取得された画像の互いに異なる位置に設定された複数の水位判定用の領域それぞれにおける、水が写っている部分を検出する機能部である。検出部12は、複数の水位判定用の領域それぞれにおける、水位判定部13による複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かの判断に用いられる障害物を検出してもよい。検出部12は、水位判定用の領域を水位の方向に分割した分割領域毎に水が写っている部分を検出してもよい。
【0018】
例えば、検出部12は、以下のように検出を行う。検出部12は、画像取得部11によって取得される画像における複数の水位判定用の領域の位置を記憶している。水位判定用の領域は、水位の判定に用いられるため、以降では仮想水位計とも呼ぶ。図2に画像100において設定される仮想水位計200の例を示す。図2では、画像100の互いに異なる位置に3つの仮想水位計200が設定されている。仮想水位計200は、例えば、四角形の領域であり、以下のように設定される。仮想水位計200は、水位が上昇又は下降する際に画像100において、水位の判定対象となる河川等の水部分300の境界が写る位置に設けられる。例えば、図2に示すように水位の判定対象となる河川等の幅方向における端部である鉛直になっている人工物の部分に設定される。これによって、河川等の水位の上昇にあわせて、仮想水位計200において水が占める部分310が上昇する。仮想水位計200は、河川等の流れ方向における互いに異なる位置に複数、設定される。
【0019】
仮想水位計200は、例えば、水位判定システム10の管理者によって予め設定される。具体的は、画像をブラウザで表示して4点をクリックすることで、画像の座標軸上で各仮想水位計200について4つの端点が指定されて仮想水位計200が設定される。また、予め用意された矩形の図形を画像100上で三次元的に回転、移動等することで仮想水位計200が設定されてもよい。また、それ以外の方法で仮想水位計200が設定されてもよい。また、仮想水位計200は、四角形以外の形状であってもよい。
【0020】
検出部12は、画像取得部11から画像100を入力する。検出部12は、画像100の仮想水位計200それぞれにおける、水が写っている部分(即ち、水面に相当する部分)310を検出する。また、検出部12は、画像100の仮想水位計200それぞれにおける、障害物が写っている部分400を検出してもよい。障害物は、例えば、図3に示す植物の部分である。カメラ20と仮想水位計200に相当する撮像される部分との間に障害物があると、仮想水位計200に適切に河川等の水部分が写らない。障害物は、植物に限らず水位の判定に障害となり得るものであればよい。何を障害物とするかは、例えば、水位判定システム10の管理者によって予め設定されている。
【0021】
検出部12は、例えば、予め記憶した学習済モデルを用いて上記の検出を行う。学習済モデルは、機械学習によって生成されるセグメンテーションのためのものである。学習済モデルは、画像を入力して、入力した画像の画素(ピクセル)毎の分類を示す情報を出力するものである。分類は、当該画素の部分に写っているものを示すものである。分類は、水、障害物及びそれ以外を区別できるものであればよい。あるいは、学習済モデルは、画像における上記の分類毎の領域を、矩形の重ね合わせ等の多角形の領域として検出するものであってもよい。また、上記の分類毎に異なる学習済モデルが用いられてもよい。例えば、障害物の領域については、矩形の重ね合わせの領域として検出する学習済モデルが用いられて検出されてもよい。学習済モデルを用いた上記の検出自体は、既存の方法によって行われればよい。後述するように仮想水位計200は、水位の方向(水位が変化する方向)に分割した分割領域毎の水が写っている部分310が考慮され得る。上記の画素毎の検出は、当該分割領域毎の検出となっている。
【0022】
また、検出部12は、上記以外の方法で検出を行ってもよい。検出部12は、検出結果を示す情報を水位判定部13に出力する。検出結果を示す情報は、例えば、仮想水位計200の画素毎の分類を示す情報である。
【0023】
水位判定部13は、検出部12による検出結果に基づいて、複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断して、水位の判定に用いると判断した水位判定用の領域の当該検出結果を用いて水位を判定する機能部である。水位判定部13は、検出部12による検出結果に基づく複数の水位判定用の領域それぞれにおける水位に係る値の統計量を算出して、算出した統計量に基づいて当該複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断してもよい。水位判定部13は、複数の水位判定用の領域の間の水位に係る値の基準差分値を記憶しておき、当該基準差分値を用いて水位を判定してもよい。水位判定部13は、検出部12による検出結果に基づく当該複数の水位判定用の領域それぞれの間の水位に係る値の差分値を算出し、算出した差分値に基づいて当該複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断してもよい。
【0024】
水位判定部13は、検出部12の検出結果に応じて、分割領域それぞれについて、水、非水及び不定の何れかに係る領域と判定して、判定結果及び分割領域の位置関係に基づいて水位を判定してもよい。
【0025】
例えば、水位判定部13は、以下のように水位を判定する。水位判定部13は、検出部12から検出結果を示す情報を入力する。水位判定部13は、まず、検出部12による検出結果から、仮想水位計200毎に水位の判定に用いる値を算出する。例えば、水位判定部13は、仮想水位計200毎に仮想水位計200の面積に対する、水が写っている部分310の割合を算出する。具体的には、水位判定部13は、仮想水位計200全体の画素に対する、水が写っている部分310の画素の割合を、水位の判定に用いる値として算出する。水位の判定に用いる値は、1つの当該仮想水位計200から判定できる水位を示すものである。例えば、仮想水位計200の70%が水であるとされたら、仮想水位計200から水位は当該仮想水位計200の下から70%の位置であると判定される。
【0026】
しかし、検出部12による検出では、カメラ20によって得られる画像によっては、図4の左側に示すように仮想水位計200において、本来、水が写っている部分310として検出されるべき領域が検出漏れ領域500となるおそれがある。検出漏れ領域500は、例えば、水面における光の反射等で水が写っている部分310として検出されなかった領域である。この場合、上記のように単純に面積比で計算すると、図4の右側に示すように本来の水位320(水面)よりも検出漏れ領域500の総和510だけ低い水位と判定されてしまう。
【0027】
この問題を解決するため、水位判定部13は、図5に示すように仮想水位計200を水位の方向に分割した分割領域210毎の検出結果を用いて水位の判定に用いる値を算出してもよい。分割領域210は、仮想水位計200を水位の方向に予め設定した数に等分した短冊状の領域である。水位の方向は、仮想水位計200の設定の際にあわせて設定されればよい。図5に示す例では、仮想水位計200を10個の分割領域210に分割している。水位判定部13は、予めどのように仮想水位計200を分割領域210に分割するかを記憶している。
【0028】
水位判定部13は、各分割領域210について、上記と同様に水が写っている部分310の割合を算出する。水位判定部13は、算出した割合に基づいて、各分割領域210まで水が来ているか否か、即ち、水面が分割領域210の上にあるか否かを判断し、水位の判定に用いる値を算出する。例えば、水位判定部13は、各分割領域210について算出した割合と予め設定した閾値とを比較して、割合が閾値を超える分割領域210のうち、最も上の分割領域210の部分(より具体的には当該分割領域210の上端)に水位があることを示す値を水位の判定に用いる値とする。即ち、水位判定部13は、当該分割領域210の部分を仮想水位計200についての水位とする。
【0029】
また、更に精度よく判定を行うため、水位判定部13は、分割領域210を用いた仮想水位計200の水位の判定に用いる値を、以下のように算出してもよい。各分割領域210について、分割領域210の水が写っている部分310の割合が著しく多い、又は少ないならば、水の有無の判定は容易である。しかしながら、上記の検出漏れ領域500によって、判定が容易でなく、どっちつかず(不定)の状態となる場合がある。本算出は、そのような場合を考慮したものである。
【0030】
この水位判定部13の算出を、図6の仮想水位計200を示す図と、図7のフローチャートとを用いて説明する。まず、水位判定部13は、予め記憶した情報に基づいて仮想水位計200をN個(L1~LN)の分割領域210(短冊)に分割する(S101)。図6(a)に示すように最も低い位置にある分割領域210がL1であり、最も高い位置にある分割領域210がLN(図6(a)の場合、L10)である。続いて、水位判定部13は、各分割領域210について水が写っている部分310の割合である評価値を算出する。
【0031】
続いて、水位判定部13は、最も低い位置にある分割領域210であるL1について、評価値と予め記憶した閾値X0とを比較する(S102)。閾値X0は、図6(a)に示すように、最も低い位置にある分割領域210であるL1について、水に係る領域か非水に係る領域(即ち、水に係る領域でない)かを判定するためのものであり、閾値X0としてそれに応じた値が予め設定される。比較の結果、評価値が閾値X0以上であると判断された場合(S102のYES)、水位判定部13は、L1を水に係る領域であると判定する(S103)。比較の結果、評価値が閾値X0未満であると判断された場合(S102のNO)、水位判定部13は、L1を非水に係る領域であると判定する(S104)。
【0032】
続いて、水位判定部13は、L1以外の分割領域210であるL2~LNについて、評価値を用いた以下の判定を行う。判定は、L2~LNのうち一番下の領域L2から順番に行われる。まず、水位判定部13は、評価値と予め記憶した閾値X2とを比較する(S105)。閾値X2は、図6(a)に示すように、L1以外の分割領域210であるL2~LNについて、水に係る領域か否かを判定するためのものであり、閾値X2としてそれに応じた値が予め設定される。また、閾値X2としては、閾値X0以上の値が設定される。比較の結果、評価値が閾値X2以上であると判断された場合(S105のYES)、水位判定部13は、Li(判定の対象であるL2~LNの何れか)を水に係る領域であると判定する(S106)。
【0033】
比較の結果、評価値が閾値X2未満であると判断された場合(S105のNO)、続いて、水位判定部13は、評価値と予め記憶した閾値X1とを比較する(S107)。閾値X1は、図6(a)に示すように、L1以外の分割領域210であるL2~LNについて、非水に係る領域か否かを判定するためのものであり、閾値X1としてそれに応じた値が予め設定される。また、閾値X1としては、閾値X0以下の値が設定される。比較の結果、評価値が閾値X1未満であると判断された場合(S107のYES)、水位判定部13は、Liを非水に係る領域であると判定する(S108)。
【0034】
比較の結果、評価値が閾値X1以上であると判断された場合(S107のNO)、水位判定部13は、Li(判定の対象であるL2~LNの何れか)を不定の領域であると判定する。この場合、水位判定部13は、Liの一つ下の分割領域210であるLi-1の判定結果を参照し、LiをLi-1の判定結果の判定結果と同じ領域であると判定する(S109)。
【0035】
即ち、Li-1が水に係る領域であると判定されていた場合(S109のYES)、水位判定部13は、Liを水に係る領域であると判定する(S110)。Li-1が非水に係る領域であると判定されていた場合(S109のNO)、水位判定部13は、Liを非水に係る領域であると判定する(S111)。
【0036】
上記の判定がL2~LNについて行われると、全ての分割領域210であるL1~LNについて、水に係る領域又は非水に係る領域と判定される。水位判定部13は、水に係る領域であると判定された分割領域210のうち、最も上の分割領域210の部分に水位があることを示す値を水位の判定に用いる値とする。即ち、水位判定部13は、当該分割領域210の部分を仮想水位計200についての水位とする。
【0037】
上記の判定によれば、図6(b)に示す例では、L5の部分が水位の位置とされる。また、図6(c)に示す例では、L8の部分が水位の位置とされる。上記のように水位判定部13は、検出部12の検出結果に応じて、分割領域210それぞれについて、水、非水及び不定の何れかに係る領域と判定して、判定結果及び分割領域の位置関係に基づいて水位を判定してもよい。水位判定部13は、上記のように算出した各仮想水位計200について水位の判定に用いる値から、最終的な水位を判定する。
【0038】
水位判定部13は、複数の仮想水位計200それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断する。水位判定部13は、水位の判定に用いると判断した仮想水位計200の水位の判定に用いる値を用いて最終的な水位を判定する。
【0039】
例えば、水位判定部13は、複数の仮想水位計200それぞれにおける水位に係る値の統計量を算出して、算出した統計量に基づいて仮想水位計200それぞれについて水位の判定に用いる。具体的には、水位判定部13は、各仮想水位計200についての水位の判定に用いる値から、統計量として分散又は標準偏差を算出する。水位判定部13は、算出した統計量を用いて、各仮想水位計200についての水位の判定に用いる値から外れ値を検出する。外れ値の検出は既存の方法で行われればよい。即ち、水位判定部13は、外れ値に係る仮想水位計200を水位の判定から除外する(外れ値に係る仮想水位計200以外の仮想水位計200を水位の判定に用いると判断する)。
【0040】
水位判定部13は、除外した外れ値以外の値から最終的な水位を判定する。例えば、水位判定部13は、除外した外れ値以外の値のうちの中央値を最終的な水位の判定結果とする。あるいは、水位判定部13は、除外した外れ値以外の値の平均値を最終的な水位の判定結果とする。
【0041】
また、水位判定部13は、上記以外の方法で水位の判定に用いる仮想水位計200を判断してもよい。仮想水位計200が手作業で設定された場合等には、仮想水位計200それぞれから判定される水位には微妙な誤差が生じ得る。図8に、水位の方向(水位が変化する方向)に対して垂直の方向から見た、A,B,Cの3つの仮想水位計200の例を示す。仮想水位計200は、下端が川底(水位が0である位置)に位置し、かつ上端が想定される水位の最上部に位置するように設定されることが望ましい。しかしながら、図8に示すように仮想水位計200の水位の方向における位置は、必ずしも適切の位置とならないおそれがある。
【0042】
但し、このずれは時刻(日及び1日における時間)及びその他の環境条件によらない定常的な誤差である。そのため、このずれは補正が可能である。例えば、平常時に一定時間、仮想水位計200についての水位を上記のように測定し、平均を取ることで、ある仮想水位計200を基準とした、別の仮想水位計200との定常的な差を算出可能である。
【0043】
図9に仮想水位計200間の誤差の例に係るグラフを示す。図9(a)に、A,B,Cの3つの仮想水位計200から算出された水位レベルの時間変化のグラフを示す。水位レベルは、上述した方法で算出される、仮想水位計200について水位の判定に用いる値である。水位レベルの値が高いほど、水位が高いことを示す。図9(b)に、2つの仮想水位計200から算出された水位レベルの差分の時間変化のグラフを示す。図9に示すように、各仮想水位計200から算出される水位レベルに差分があったとしても、差分は定常的な値となる。
【0044】
水位判定部13は、複数の仮想水位計200間の水位に係る値の基準差分値を記憶しておき、当該基準差分値を用いて水位を判定してもよい。水位判定部13は、予め以下のように基準となる仮想水位計200及び上記の基準差分値である補正値を決定(選定)して記憶しておき、水位の判定に用いる。
【0045】
水位判定部13は、(水位を判定する以前のタイミングである)平常時に一定時間、各仮想水位計200についての水位に係る値を算出する。水位に係る値は、上述した水位の判定に用いる値であり、上述した方法で算出されればよい。水位判定部13は、算出した値の仮想水位計200間の相対誤差の平均値(時間平均)を算出する。水位判定部13は、当該相対誤差の平均値を、複数の仮想水位計200のうちの2つの仮想水位計200の組み合わせ毎に算出する。図10に、A~Eの5つの仮想水位計200がある場合の算出される相対誤差の平均値の例の表を示す。図10の表の値は、各仮想水位計200を基準とした場合の他の仮想水位計200との水位に係る値の相対誤差の平均値である。図10の表のB行C列は、Cの仮想水位計200の平均値-Bの仮想水位計200の平均値が-1であることを示している。
【0046】
水位判定部13は、仮想水位計200毎に他の仮想水位計200との相対誤差の平均値の絶対値の総和を算出する。水位判定部13は、算出した総和が最小となる仮想水位計200を、基準となる仮想水位計200と決定する。水位判定部13は、基準となる仮想水位計200と他の仮想水位計200との水位に係る値の相対誤差の平均値とを補正値として決定する。図10に示すように、補正値は、他の仮想水位計200毎に決定される。
【0047】
この水位判定部13による基準となる仮想水位計200及び補正値の決定を、図11のフローチャートを用いて説明する。まず、水位判定部13は、一定期間Tにおける一定時間間隔Δtの時刻tでの各仮想水位計200について水位に係る値を算出する。水位判定部13は、i番目の仮想水位計200とj番目の仮想水位計200との時刻t毎の水位に係る値Wit,Wjtの相対誤差ΔWijt=Wit-Wjtを算出する(S201)。相対誤差ΔWijtは、全ての仮想水位計200の組み合わせ及び全ての時刻tについて算出される。
【0048】
続いて、水位判定部13は、i番目の仮想水位計200について、j番目の仮想水位計200との相対誤差ΔWijtの時間平均ΔWij=ΣΔWijt/(T/Δt)を算出する(S202)。続いて、水位判定部13は、i番目の仮想水位計200について、全ての他の仮想水位計200との相対誤差ΔWijtの時間平均ΔWijの絶対値の総和である積算相対誤差Z=Σ|ΔWij|を算出する(S203)。積算相対誤差Zは、全ての仮想水位計200について算出される。
【0049】
水位判定部13は、積算相対誤差Zが最小となるk(Z=min(Z,…,Z))を決定する(S204)。水位判定部13は、k番目の仮想水位計200を基準となる仮想水位計200と決定する(S205)。また、水位判定部13は、k番目の仮想水位計200についての他の仮想水位計200との相対誤差ΔWkjtの時間平均ΔWkjを補正値Ckjとして決定する(S206)。水位判定部13は、基準となる仮想水位計200及び補正値を記憶しておき、最終的な水位の判定に用いる。
【0050】
続いて、基準となる仮想水位計200及び補正値を用いた最終的な水位の判定を説明する。水位判定部13は、上述したように各仮想水位計200について水位の判定に用いる値を算出する。水位判定部13は、基本的には、判定に用いる値が各仮想水位計200のうちの中央値となる仮想水位計200を、水位の判定に用いる仮想水位計200として決定する。図12(a)に、A~Eの5つの仮想水位計200がある場合の算出される値(測定値)の例を示す。図12(a)では、補正をせずに中央値を採用するとBの仮想水位計200が、水位の判定に用いる仮想水位計200として決定される。しかしながら、本実施形態ではこれは採用しない。
【0051】
水位判定部13は、基準となる仮想水位計200以外の仮想水位計200についての値を補正値で補正する。水位判定部13は、各仮想水位計200についての値に当該仮想水位計200に対応する補正値を足すことで補正後の値を算出する。水位判定部13は、補正後の値で中央値となる仮想水位計200を、水位の判定に用いる仮想水位計200として決定する。図12(b)に、図12(a)で示す値を、Bの仮想水位計200として図10で示す補正値で補正した値の例を示す。この場合、中央値は、Cの仮想水位計200の値(52)となり、Cの仮想水位計200が、水位の判定に用いる仮想水位計200として決定される。
【0052】
水位判定部13は、例えば、水位の判定に用いる仮想水位計200として決定した仮想水位計200の値を水位の結果を示す値とする。即ち、水位判定部13は、定常的な誤差を考慮した尤もらしい代表値を水位の結果を示す値とする。なお、基準となる仮想水位計200及び補正値を用いる場合の、水位の判定に用いる仮想水位計200の判断及び当該判断に応じた最終的な水位の判定は、上記以外の方法で行われてもよい。例えば、複数の仮想水位計200を、水位の判定に用いる仮想水位計200として採用して、それらの値の平均値を仮想水位計200の値を水位の結果を示す値としてもよい。
【0053】
カメラ20を設置した後、長時間経過すると、図3に示すように植物の成長等によって予期せぬ形で仮想水位計200に物体が重なることがある。これによって、仮想水位計200における水が写っている部分310が正しく検出できなくなるおそれがある。
【0054】
そこで、水位判定部13は、仮想水位計200における障害物が写っている部分400に基づいて、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かを判断してもよい。例えば、水位判定部13は、仮想水位計200毎に仮想水位計200の面積に対する、障害物の割合を、例えば、100分率で算出する。具体的には、水位判定部13は、仮想水位計200全体の画素に対する、障害物が写っている部分400の画素の割合を算出する。水位判定部13は、仮想水位計200毎に算出した障害物の割合と予め設定された閾値とを比較して、障害物の割合が閾値以上であれば、当該仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外する。あるいは、仮想水位計200に障害物が写っていたら、例えば、仮想水位計200に障害物に相当する矩形の領域が含まれていたら、水位判定部13は、当該仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外してもよい。水位判定部13は、仮想水位計200を除外した上で上述したように水位を判定すればよい。なお、除外した仮想水位計200が基準となる仮想水位計200であった場合には、水位判定部13は、除外されていない仮想水位計200から改めて基準となる仮想水位計200を決定すればよい。
【0055】
この水位判定部13による仮想水位計200の除外を、図13のフローチャートを用いて説明する。水位判定部13は、仮想水位計200毎以下の処理を行う。水位判定部13は、仮想水位計200の面積に対する障害物の割合を算出する。水位判定部13は、障害物の割合と予め設定された閾値とを比較する(S301)。比較の結果、障害物の割合が閾値未満であると判断された場合(S301のYES)、水位判定部13は、仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200とする(S302)。即ち、この場合、水位判定部13は、仮想水位計200を以降の水位の判定のための計算の対象に含める。比較の結果、障害物の割合が閾値以上であると判断された場合(S301のNO)、水位判定部13は、仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外する(S303)。即ち、この場合、水位判定部13は、仮想水位計200を以降の水位の判定のための計算の対象から除外する。
【0056】
図10に示すような、仮想水位計200間の定常的な相対誤差が把握された後、長時間経過すると、検出部12によって検出することができる障害物以外の要因(例えば、予め学習していない物体が障害物となる等)で仮想水位計200における水が写っている部分310が正しく検出できなくなるおそれがある。
【0057】
そこで、水位判定部13は、検出部12による検出結果に基づく仮想水位計200それぞれの間の水位に係る値の差分値を算出し、算出した差分値に基づいて当該複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断してもよい。例えば、水位判定部13は、算出した水位の判定に用いる値の仮想水位計200間の相対誤差を算出する。水位判定部13は、当該相対誤差を、複数の仮想水位計200のうちの2つの仮想水位計200の組み合わせ毎に算出する。なお、相対誤差は、上述した補正後の値が用いられて算出されてもよい。図14に、A~Eの5つの仮想水位計200がある場合の算出される相対誤差の例の表を示す。
【0058】
水位判定部13は、算出した相対誤差が異常値であるか否かを判定する。例えば、水位判定部13は、算出した相対誤差の絶対値と予め設定された閾値(例えば、図14に示す場合の例では25)とを比較して、相対誤差の絶対値が閾値以上である場合、算出した相対誤差が異常値であると判定する。図14では、異常値と判定される閾値を太字で示している。
【0059】
水位判定部13は、仮想水位計200毎に異常値と判断された相対誤差の数(相手の仮想水位計200の数)をカウントする。水位判定部13は、カウントした数と予め設定された閾値(例えば、図14に示す場合の例では3)とを比較する。水位判定部13は、カウントした数が閾値以上である場合、当該仮想水位計200は外れ値の原因であるとして、当該仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外する。図14に示す例では、Cの仮想水位計200については、異常値と判断された相対誤差の数が4であり、閾値以上となっている。従って、Cの仮想水位計200は、水位の判定に用いる仮想水位計200から除外される。
【0060】
また、水位判定部13は、複数の仮想水位計200それぞれの水位の判定に用いる時系列の値に基づいて、当該複数の仮想水位計200それぞれについて水位の判定に用いるか否かを判断してもよい。水位判定部13は、算出した水位の判定に用いる値が、現時点から予め設定した一定期間(Tc)遡った期間全てにおいて値が変化せず、最小値(例えば0)又は最大値(例えば100)であるかを判断する。水位判定部13は、これらの何れかである場合、当該仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外する。後述するように、これらの場合には、カメラ20の位置のずれ等によって、当該仮想水位計200を水位の判定に用いることができないと考えられるためである。
【0061】
水位判定部13は、仮想水位計200を除外した上で上述したように水位を判定すればよい。なお、除外した仮想水位計200が基準となる仮想水位計200であった場合には、水位判定部13は、除外されていない仮想水位計200から改めて基準となる仮想水位計200を決定すればよい。
【0062】
この水位判定部13による仮想水位計200の除外を、図15のフローチャートを用いて説明する。水位判定部13は、仮想水位計200毎以下の処理を行う。水位判定部13は、検出部12による検出結果に基づく他の仮想水位計200との間の水位に係る値の差分値である相対誤差を算出する(S401)。なお、仮想水位計200間の相対誤差の算出は、仮想水位計200毎の処理以前に行われていてもよい。続いて、水位判定部13は、異常値である相対誤差(即ち、絶対値が異常値の判断のための閾値X以上となる相対誤差)の数と、仮想水位計200の除外の判断のための閾値Yとを比較する(S402)。比較の結果、異常値である相対誤差の数が閾値Y未満であると判断された場合(S402のYES)、水位判定部13は、仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200とする(S403)。即ち、この場合、水位判定部13は、仮想水位計200を以降の水位の判定のための計算の対象に含める。比較の結果、異常値である相対誤差の数が閾値Y以上であると判断された場合(S402のNO)、水位判定部13は、仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外する(S404)。即ち、この場合、水位判定部13は、仮想水位計200を以降の水位の判定のための計算の対象から除外する。
【0063】
続いて、水位判定部13は、算出した水位の判定に用いる値が、現時点から予め設定した期間Tc遡った期間全てにおいて値が変化せず、最小値(例えば0)又は最大値(例えば100)であるかを判断する(S405)。これらの何れでもないと判断された場合(S405のNO)、水位判定部13は、仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200のままとする。これらの何れかであると判断された場合(S405のYES)、水位判定部13は、仮想水位計200を水位の判定に用いる仮想水位計200から除外する(S406)。
【0064】
風雨等の環境要因又は何らかの物体との衝突等の要因でカメラ20の位置が大きくずれることがある。これによって、例えば、図16及び図18に示す画像100のように画像100に写る河川等の水部分300の位置が、画像100における仮想水位計200の位置から大きくずれてしまう。例えば、図16に示す画像100では、仮想水位計200間で水面の位置が大きくずれている。また、図18に示す画像100では、多くの仮想水位計200に水が写っている部分310が含まれなくなってしまっている。この状態では、仮想水位計200からは適切に水位の判定をすることができない。この場合、カメラ20の設置をし直す必要があり、この事象の発生を検知することは重要である。
【0065】
そこで、水位判定部13は、複数の水位判定用の領域それぞれについて水位の判定に用いるか否かの判断結果に基づいて水位の判定が可能であるか否かを判断してもよい。水位判定部13は、水位の判定に用いないと判断された水位判定用の領域の数と予め設定された閾値とを比較して、比較結果に基づいて水位の判定が可能であるか否かを判断してもよい。
【0066】
例えば、水位判定部13は、以下のように水位の判定が可能であるか否かを判断する。水位判定部13は、上述したように各仮想水位計200について水位の判定からの除外を判断する。水位判定部13は、水位の判定から除外すると判断した仮想水位計200の数をカウントする。水位判定部13は、カウントした数と予め設定された閾値(例えば、5つの仮想水位計200を用いる場合には3)とを比較する。水位判定部13は、カウントした数が閾値以上である場合、カメラ20の設置に異常があるとして水位の判定が可能でないと判断する。この場合、水位判定部13は、以降の水位の判定を行わないか、あるいは、水位の判定を行ったとしても信頼しない値とする。水位判定部13は、カウントした数が閾値未満である場合、水位の判定が可能であると判断する。この場合、水位判定部13は、上述したように以降の水位の判定を行う。
【0067】
上述した仮想水位計200間の相対誤差を用いて仮想水位計200について水位の判定からの除外を判断する場合に、水位の判定が可能であるか否かの判断の例を示す。図17に、図16に示す画像に対応するA~Eの5つの仮想水位計200がある場合の算出される相対誤差の例の表を示す。図17に示す例では、全ての仮想水位計200が、水位の判定に用いる仮想水位計200から除外される。この場合、水位の判定から除外される仮想水位計200の数が閾値以上であるとして、水位の判定が可能でないと判断される。なお、図17で示した例は、仮想水位計200間の相対誤差を用いるものであったが、上述した障害物が写っている部分400の検出に基づいたものであってもよい。
【0068】
上述した仮想水位計200それぞれの水位の判定に用いる時系列の値を用いて仮想水位計200について水位の判定からの除外を判断する場合に、水位の判定が可能であるか否かの判断の例を示す。図19に、図18に示す画像に対応するA~Eの5つの仮想水位計200がある場合の算出される相対誤差の例の表を示す。図18及び図19に示す例では、B~Eの4つの仮想水位計200は、水面を捉えていない。そのため、これらの仮想水位計200の水位の判定に用いる値は上述した期間全てにおいて値が変化せず、最小値である。従って、B~Eの4つの仮想水位計200は、水位の判定に用いる仮想水位計200から除外される。この場合、水位の判定から除外される仮想水位計200の数が閾値以上であるとして、水位の判定が可能でないと判断される。
【0069】
なお、図18に示す画像100では、多くの仮想水位計200に水が写っている部分310が含まれなくなってしまっているが、カメラ20が河川の中央を向く等で、多くの仮想水位計200に水が写っている部分310しか含まれない場合も上記と同様に判断される。この場合、水位の判定に用いる値が上述した期間全てにおいて値が変化せず、最大値であるとして、仮想水位計200が、水位の判定に用いる仮想水位計200から除外される。
【0070】
この水位判定部13による、水位判定の可否の判断を、図20のフローチャートを用いて説明する。当該判断の時点で、各仮想水位計200について、水位の判定から除外されるか否かが判断されている。水位判定部13は、水位の判定から除外される仮想水位計200の数と、水位判定の可否の判断のための閾値Zとを比較する(S501)。比較の結果、水位の判定から除外される仮想水位計200の数が閾値Z未満であると判断された場合(S501のYES)、水位判定部13は、カメラ20は正常に設置されており、水位の判定が可能であると判断する(S502)。比較の結果、水位の判定から除外される仮想水位計200の数が閾値Z以上であると判断された場合(S501のNO)、水位判定部13は、カメラ20は正常に設置されておらず、水位の判定が可能でないと判断する(S503)。
【0071】
水位判定部13は、判定結果である水位を示す情報を出力する。例えば、水位判定部13は、判定された水位が用いられる装置又はモジュールに当該情報を送信又は出力する。また、水位判定部13は、水位判定システム10のユーザが判定結果である水位を参照できるように、判定結果を表示したり当該ユーザが用いる端末に送信したりしてもよい。また、水位判定部13は、上記以外の方法及び出力先に出力を行ってもよい。以上が、本実施形態に係る水位判定システム10の機能である。
【0072】
引き続いて、図21のフローチャートを用いて、本実施形態に係る水位判定システム10で実行される処理(水位判定システム10が行う動作方法)を説明する。本処理では、画像取得部11によって、水位の判定対象となる箇所がカメラ20によって撮像されて得られた画像100が取得される(S01)。続いて、検出部12によって、画像100の互いに異なる位置に設定された複数の仮想水位計200それぞれにおける、水が写っている部分310が検出される(S02)。また、仮想水位計200における障害物が写っている部分400が検出されてもよい。
【0073】
続いて、水位判定部13によって、検出部12による検出結果に基づいて、仮想水位計200それぞれについて水位の判定に用いるか否かが判断されて、水位の判定に用いると判断された仮想水位計200の当該検出結果が用いられて水位が判定される(S03)。また、仮想水位計200それぞれについて水位の判定に用いるか否かの判断結果に基づいて水位の判定が可能であるか否かが判断されてもよい。続いて、水位判定部13によって、水位の判定結果が出力される(S04)。上記の水位判定の処理(S01~S04)は、画像100が取得される(S01)度に繰り返し行われる。以上が、本実施形態に係る水位判定システム10で実行される処理である。
【0074】
上述した実施形態では、水位の判定に際して、複数の仮想水位計200それぞれについて水位の判定に用いるか否かが判断される。その結果、水位の判定に適した仮想水位計200の検出結果のみが用いられて水位の判定が行われる。従って、本実施形態によれば、精度よく水位を判定することができる。
【0075】
また、上述した実施形態のように、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断は、複数の仮想水位計200の水位に係る値の分散又は標準偏差等の統計量に基づいて行われてもよい。この構成によれば、統計量に基づいて確実かつ適切に上記の判断を行うことができる。その結果、確実かつ適切に精度よく水位を判定することができる。
【0076】
また、上述した実施形態のように、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断は、仮想水位計200における障害物が写っている部分400の検出結果に基づいて行われてもよい。この構成によれば、予め障害物となり得るものが分かっている場合に確実かつ適切に上記の判断を行うことができる。その結果、確実かつ適切に精度よく水位を判定することができる。
【0077】
また、上述した実施形態のように、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断及び当該判断をした後の水位の判定は、予め記憶した基準差分値、より具体的には、基準となる仮想水位計200及び補正値を用いて行われてもよい。この構成によれば、例えば、上述したように仮想水位計200間で水位に対する設置のずれがあったとしても、精度よく水位を判定することができる。
【0078】
また、上述した実施形態のように、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断は、複数の仮想水位計200間の水位に係る値の差分値に基づいて行われてもよい。この構成によれば、差分値に基づいて確実かつ適切に上記の判断を行うことができる。その結果、確実かつ適切に精度よく水位を判定することができる。
【0079】
また、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断は、上記の方法の任意の組み合わせによって行われてもよい。また、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断は、上記のように行われる必要はなく、検出部12による検出結果に基づいて行われるものであればよい。
【0080】
また、上述した実施形態のように、仮想水位計200を水位の判定に用いるか否かの判断結果に基づいて水位の判定が可能か否かを判断してもよい。この構成によれば、水位の適切な判定ができないにもかかわらず、水位の判定を継続してしまうことを防止することができる。上記の判断としては、水位の判定に用いないとした仮想水位計200の数と閾値との比較結果に基づいて行われてもよい。この構成によれば、より適切に上記の判断を行うことができる。但し、上記以外の方法で、上記の判断を行ってもよい。
【0081】
また、上述した実施形態のように、仮想水位計200を水位の方向に分割した分割領域210毎の検出結果を用いて水位の判定に用いる値を算出してもよい。この構成によれば、更に精度よく水位を判定することができる。この場合、具体的には、上述したように、分割領域210それぞれについて、水、非水及び不定の何れかに係る領域と判定して、判定結果及び分割領域の位置関係に基づいて水位を判定してもよい。但し、分割領域210毎の検出結果を用いて水位の判定に用いる値を算出するのであれば、上記以外の方法で、水位の判定に用いる値を算出してもよい。
【0082】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0083】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0084】
例えば、本開示の一実施の形態における水位判定システム10は、本開示の情報処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図22は、本開示の一実施の形態に係る水位判定システム10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の水位判定システム10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0085】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。水位判定システム10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0086】
水位判定システム10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0087】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の水位判定システム10における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0088】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、水位判定システム10における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0089】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0090】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。水位判定システム10が備える記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0091】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0092】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0093】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0094】
また、水位判定システム10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0095】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0096】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0097】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0098】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0099】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0100】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0101】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0102】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0103】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0104】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0105】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0106】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0107】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0108】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0109】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0110】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0111】
10…水位判定システム、11…画像取得部、12…検出部、13…水位判定部、20…カメラ、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。
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