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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027645
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】電力線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/54 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
H04B3/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132892
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000181354
【氏名又は名称】鹿島道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100169
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】三田 典玄
(72)【発明者】
【氏名】下田 博文
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 武彦
(72)【発明者】
【氏名】桑田 直人
【テーマコード(参考)】
5K046
【Fターム(参考)】
5K046AA03
5K046BA02
5K046BB05
5K046PS21
5K046PS30
5K046PS31
5K046PS51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通信回線が未設の工事現場においてインターネットやIoTを利用可能な電力線通信システムを提供する。
【解決手段】電力線通信システムにおいて、通信配線は、電源線1と、第1の通信回線C1を電源線1に接続させるPLC接続機器3Aと、第2の通信回線C2を電源線1に接続させる複数のタイプBのPLC接続機器3B1~3B3と、を備える。タイプAのPLC接続機器は、第1の通信回線C1をインターネットを利用可能な公衆通信回線とし、タイプBのPLC接続機器は、インターネットを利用不可能な無線LAN通信回線8B1、LPWA回線8B2及びその他のIoT通信回線8B3とし、第1の通信回線C1への接続機器を含むタイプAのPLC接続機器及び第2の通信回線C2への接続機器を含むタイプBのPLC接続機器の全体を防水箱に収納し、第1の通信回線C1と第2の通信回線C2間の通信及び第2の通信回線C2相互間の通信を可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源線と、第1の通信回線を前記電源線に接続させる、PLCアダプタを含む単数のタイプAのPLC接続機器と、第2の通信回線を前記電源線に接続させる、PLCアダプタを含む複数のタイプBのPLC接続機器とを備え;
前記タイプAのPLC接続機器は、前記第1の通信回線をインターネットを利用可能な公衆通信回線とし、
前記タイプBのPLC接続機器は、前記第2の通信回線をインターネットを利用不可能な、無線LAN通信回線、LPWA回線、その他のIoT通信回線等の通信回線とし;
前記第1の通信回線への接続機器を含むタイプAのPLC接続機器及び前記第2の通信回線への接続機器を含むタイプBのPLC接続機器の全体を防水箱に収納し;
前記第1の通信回線及び前記第2の通信回線を前記電源線に接続させることにより、前記第1の通信回線と前記第2の通信回線間の通信及び前記第2の通信回線相互間の通信を可能とする;
電力線通信システム。
【請求項2】
前記タイプAのPLC接続機器、又は、前記タイプBのPLC接続機器内に、又は並行して、ドリル等の工作機械に電力を供給するコンセントを備える;
請求項1に記載の電力線通信システム。
【請求項3】
前記電源線又は前記電源線から分岐した配線を足場管内に通す;
請求項1又は請求項2に記載の電力線通信システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力線通信システムの分野に属する。詳しくは、簡易に通信線を拡張可能な電力線通信システムの分野に属する。
【背景技術】
【0002】
トンネルの中等の工事現場において、通信設備が未だ敷設されていないが、電力線が敷設されている領域、或いは電力配線を敷設予定の領域がある。このような領域にあっても、通信回線を敷設したい場合がある。このような場合、通信回線を敷設するにあたり、電力線通信を利用すると、電力線をそのまま通信線に利用できるので、通信回路の敷設が容易である。特に、工事現場では、敷設・撤去とも容易で・迅速にできるので便宜である。
電力線通信の利用例として、例えば、家電製品の電源を遠隔位置からオンオフ制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-219957
【0004】
しかしながら、電力線通信では、通信と電力との干渉が生じやすい、実用的でないという欠点があり、これまで、実世界ではなかなか普及しなかった。
しかし、トンネル工事のような通信回線のない工事現場においても、インターネットに接続したい、IoT(Internet of Things、物のインターネット)を利用したいという要望がある。これまで、工事現場のIT(Information Technology)化には、通信会社の専門家との複雑で、長時間の打ち合わせと費用が必要であった。通常、工事現場には、通常コンピュータや通信の専門家はいないので、設置時、トラブル時には、専門家を呼ぶ必要があり、無駄な時間と費用が費やされていた。また、ネットワーク機器には電気的にデリケートな部分があり、水や埃から守るために、専用のボックス等を現場毎に特別に作成する必要があった。しかるに、本発明に係る電力線通信システムを使用すると、現場の工事担当者等が、工事中のトンネル内等でのインターネットの利用が容易、短時間かつ低予算でできるようになる。さらに、設置時に箱入りのPLC接続機器を工事現場に運搬して接続すれば良く、防塵・防水を考慮しなくても良いようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、通信回線が未設の工事現場においても、インターネットやIoTを利用可能な電力線通信システムを提供することを目的とする。また、専門家が現場にいなくても、現場の工事担当者等が、電波が届かない工事中のトンネル内等でのインターネットの利用が容易、短時間かつ低予算でできるようにすることを目的とする。また、設置時に防塵・防水を考慮しなくても良いようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するために、本発明の第1の態様における電力線通信システムは、例えば図1に示すように、
電源線1と、第1の通信回線C1を電源線1に接続させる、PLCアダプタ3を含む単数のタイプAのPLC接続機器3A1と、第2の通信回線C2を電源線1に接続させる、PLCアダプタ3を含む複数のタイプBのPLC接続機器3B1~3B3とを備え;
タイプAのPLC接続機器3Aは、第1の通信回線C1をインターネットを利用可能な公衆通信回線8Aとし、
タイプBのPLC接続機器3B1~3B3は、第2の通信回線C2をインターネットを利用不可能な、無線LAN通信回線8B1、LPWA回線8B2、その他のIoT通信回線8B3等の通信回線とし;
第1の通信回線C1への接続機器を含むタイプAのPLC接続機器3A1及び第2の通信回線C2への接続機器を含むタイプBのPLC接続機器3B1~3B3の全体を防水箱7に収納し;
第1の通信回線C1及び第2の通信回線C2を電源線1に接続させることにより、第1の通信回線C1と第2の通信回線C2間の通信及び第2の通信回線C2相互間の通信を可能とする。
【0007】
このように構成すると、通信回線が未設の工事現場においても、インターネットやIoTを利用可能な電力線通信システムを提供できる。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る電力線通信システムは、第1の態様において、例えば図1に示すように、
タイプAのPLC接続機器3A、又は、前記タイプBのPLC接続機器3B1~3B3内に、又は並行して、外部機器(ドリル等の工作機器)10に電力を供給するコンセント9を備える。
【0009】
このように構成すると、工事現場でドリル等の工作機械に電力を供給できる。
【0010】
また、本発明の第3の態様に係る電力線通信システムは、第1又は第2の態様において、例えば図1に示すように、
電源線1又は電源線1から分岐した配線2を足場管15内に通す。
【0011】
このように構成すると、電力線1又は配線2は足場管により外傷から保護される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通信回線が未設の工事現場においても、インターネットやインターネットを使ったIoTを利用可能な電力線通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施例1における電力線通信システムの通信配線の概略を示す図である。
図2図2は、実施例1におけるPLC接続機器3Aの構成を概略的に示す図である。
図3A図3Aは、実施例1におけるPLC接続機器3B1の構成を概略的に示す図である。
図3B図3Bは、実施例1におけるPLC接続機器3B2の構成を概略的に示す図である。
図3C図3Cは、実施例1におけるPLC接続機器3B3の構成を概略的に示す図である。
図3D図3Dは、実施例1におけるPLC接続機器3B4の構成を概略的に示す図である。
図4図4は、実施例2におけるPLC接続機器3Aの構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。図中、同一装置又は同一部分については同一の符号を用い、重複する説明を避けることとする。
【実施例0015】
図1に、実施例1における電力線通信システムの通信配線の概略を示す。
電源線1は、例えば2層又は3層交流の交流電線である。この電源線1は電力線通信の通信線としても機能する。この電源線1に配線2を介して単数のタイプAのPLCアダプタを含む機器(PLC接続機器3Aと称することとする)及び複数のタイプBのPLCアダプタを含む機器(3B1~3B3と称することとする)を接続する。電源線1及び配線2は電力線として機能するが、通信線としても機能する。タイプAのPLC接続機器3Aは電力線で通信を行うためのPLCアダプタ3を含み、ハブ6に公衆通信回線、すなわち、インターネットに接続するインターネット回線用ルータを含むものである。タイプBのPLC接続機器3B1~3B3は、インターネットに接続しないが、それぞれ、電力線でLANによる通信を行うためのPLCアダプタ3を含み、ハブ6に、それぞれ、内部の無線LAN通信回線8B1、LPWA回線8B2、その他のIoT通信回線8B3等に接続するルータを含む。PLC接続機器3A、3B1~3B3は、電源線1及び配線2を介して相互に接続され、全体として「LANのハブに接続されたネットワーク機器」のように働く。
【0016】
すなわち、タイプAのPLC接続機器3Aはインターネットに接続可能となり、タイプBのPLC接続機器3B1~3B3は、それぞれ、内部の無線LAN通信回線8B1、LPWA回線8B2、その他のIoT通信回線8B3に接続可能となるので、これらが接続されることにより、本電力線通信システムを構築する工事現場でインターネットやIoTの利用が可能になる。
また、各PLC接続機器は内部に、又は平行して、ドリル等の工作機器10を取り出す外部コンセントを有し、工事現場での作業に必要な電力を供給を行なえる。
【0017】
図2に、実施例1におけるPLC接続機器3A1の構成を概略的に示す。
PLC接続機器3A1はタイプAであり、公衆通信回線8Aに接続され、インターネットを利用可能になる。電源線1は配線2を介してPLCアダプタ3に接続され、PLCアダプタ3からの配線2Aがハブ6に接続され、ハブ6からの配線2Bが公衆通信回線8Aに接続される。
配線2は電源線1の分岐としての電力線による通信線であり、この配線2はPLCアダプタ3まで延びている。配線2の途中に、PLCをより正常に動作させるため、雷によるサージ電流を除去するサージフィルタ4及び諸種のノイズを除去するノイズフィルタ5が挿入される。「サージフィルタ4」は、電力線などで、突然現れる強力なスパイク状の電気の乱れ(雷などの影響によるもの等)を抑制し、電力線に繋がれた機器の電気的破壊を抑止する。「ノイズフィルタ5」は、電力線などで、恒常的、または高い頻度で派生する必要以外の電気信号の乱れ(ドリルなどのモーターを使用した機器の発生するノイズ等)を吸収し、通信に支障のないようにする。なお、ノイズフィルタ5がPLCアダプタ3に内蔵されている場合は、挿入を必要としない。
【0018】
また、PLCアダプタ3からハブ6まで延びる配線2Aは通常有線回線であり、ハブ6からPLC接続機器3A、3B1~3B4の反対側に延びる配線2Bは接続されるLAN等に対応して有線回線又は無線回線である。
公衆回線として、例えば通信会社が提供する無線回線、公衆Wi-Fiや、現場事務所用LAN等を利用可能である。
なお、防水箱7は通常樹脂製なので電波を通す。したがって、通信回線の全部又は一部(接続部)を防水箱7に入れることは可能である。
【0019】
図3Aに、実施例1におけるPLC接続機器3B1の構成を概略的に示す。
PLC接続機器3B1はタイプBであり、無線LAN通信回線8B1、すなわち、工事現場内部のLANに接続される。電源線1は配線2を介してPLCアダプタ3に接続され、PLCアダプタ3からの配線2Aがハブ6に接続され、ハブ6からの配線2Bが無線LAN(内部LAN)通信回線8B1に接続される。これにより、例えば、VAN(仮想社内ネットワーク)等を通じて工事会社の社内LAN等を使用可能にできる。
【0020】
ここで、タイプB1のPLC接続機器3B1を用いた場合の無線LAN通信回線8B1の具体例について説明する。
(A)工事現場の測量データ取得システム:無線LAN通信回線8B1はセンサーとしてステレオカメラを有する。工事現場で取得したステレオカメラの測量画像をタイプAのPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社に送信し、本社ではその測量画像に基づいて正確な測量データを求め、工事現場に測量に係る事項(カメラ位置、光軸方向、露光時間等)についてフィーッドバック指示する。また、測量の補助としてレーザ距離計やGPS(全地球測位システム)を使用可能であり、また照明及び照度計も使用可能である。
【0021】
(B)工事現場の資材の盗難防止システム:無線LAN通信回線8B1はセンサーとして監視カメラ、人感センサーを有する。工事現場では資材の盗難事故がしばしば発生する。資材置き場に監視カメラ、人感センサーを設置し、人がいないはずの資材置き場で監視カメラに人が映った場合又は人感センサーが相応の熱を感知した場合には、現場事務所にアラーム信号が送付されてアラームが鳴り響くと同時にタイプAのPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社にもアラーム信号が送付されてアラームが鳴り響く。
【0022】
(C)工事車両の位置や作業の様子の把握システム:無線LAN通信回線8B1はセンサーとしてGPS及び監視カメラを有する。工事現場で動きまわるブルドーザー、アスファルトフィニッシャー、ダンプカー等の位置これらの車両に搭載したGPSから位置データとして、また見晴らしの良い随所に設置した監視カメラから映像データとして取得され、タイプAのPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社に送信される。本社ではこれらの位置データ及び映像データを用いて車両を監視し、車輛操作に係る事項について工事現場にフィーッドバック指示する。
【0023】
(D)工事現場の人員健康管理システム:無線LAN8B1はセンサーとして体温計及び脈拍センサーを有する。工事現場では、各作業員が体温計及び脈拍センサーを身体又はヘルメット内側に付け、体温及び脈拍を測定する。体温及び脈拍の測定データは現地事務所に送信され、同時にタイプAのPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社にも送信される。現地事務所及び本社では、各作業員の体温及び脈拍の測定データを常時把握し、本社における各作業員の体温及び脈拍の標準データと比較して、体温又は脈拍の異常をソフトウェアで判断して、異常が検知された場合には、現地事務所及び本社にアラームが鳴り響く。
【0024】
(E)工事現場の作業員の作業監視(人員配置の把握を兼ねる)システム:無線LAN通信回線8B1はセンサーとして複数の監視カメラを有する。また、各作業者にマイクを配布する。工事現場の各所(理想的には全ての場所)を複数方向から見えるように複数の監視カメラを配置する。これにより、工事現場の各所における人員とその作業を監視可能になる。各監視カメラの映像はタイプAのPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社に送信される。本社ではカメラの映像から作業者と作業項目と進捗を把握し、記録する。そして、必要に応じて作業者にマイクで指示を与える。例えば、作業者が所定の場所にいない場合はマイクで所定の場所につくように指示する。アラームを用いても良い。
【0025】
(F)工事現場の通信環境改善システム:無線LAN通信回線8B1は各パーソナルコンピュータにIP電話を有する。IP電話はインターネットプロトコルを用いてデータ通信され、各パーソナルコンピュータで音声に変換され、電話として利用される。これにより、無線LAN通信回線8B1では、電話連絡が可能である。そこで、工事現場の作業者が工事現場でIP電話で通話ができるように教えることにより、工事現場の作業が円滑になる。本社に教材と教師があり、工事現場の作業者がPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社にアクセスすると、IP電話の使用に関する講義をIP電話を介して受けられる。補助として、工事現場にIP電話のマニュアルを置いても良い。
【0026】
(G)作業員からの外部への連絡システム:無線LAN通信回線8B1は各パーソナルコンピュータにIP電話を有する。工場現場で事故があった場合等、迅速に外部との電話連絡できる。したがって、(F)工事現場の通信環境改善システムと兼用可能である。
【0027】
(H)作業手順書の閲覧システム:無線LAN8通信回線B1はパーソナルコンピュータを有する。パーソナルコンピュータから、工事現場の作業者がPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社にアクセスすると、作業手順書のサイトを閲覧可能になる。工事現場の作業者が作業手順書を参照することにより、作業を滞りなく継続できる。
【0028】
(I)作業報告書作成システム:無線LAN通信回線8B1はパーソナルコンピュータを有する。パーソナルコンピュータから、工事現場の作業者がPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社にアクセスすると、作業報告書のサイトにアクセスできる。作業報告書のサイトでは作業報告書のフォーマットと報告例が提示され、作業報告書を完成・記録可能である。
【0029】
(J)コンクリートの品質管理システム:無線LAN通信回線8B1はパーソナルコンピュータ、可視光カメラ、温度計、湿度計、マイク、スピーカ等を有する。パーソナルコンピュータから、工事現場の作業者がPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社にアクセスし、撮影画像、温度・湿度データを本社に送信すると、経験者が作業現場におけるコンクリートの観察画像と温度・湿度データを見て、作業者にスピーカを通してアドバイス可能であり、通話も可能になる。
【0030】
(K)工事現場環境モニタリングシステム:無線LAN通信回線8B1はWBGT(湿球黒球温度)測定器を有し、WBGT,温度、湿度をモニタリング可能である。また、工事の周辺環境の騒音・土壌汚染・空気汚染用の各測定器を有し、騒音・土壌汚染・空気汚染をモニタリング可能である。また、土壌の水分量や水の流量用の各測定器を有し、水分量や水の流量をモニタリング可能である。これらの測定データをPLC接続機器3Aの公衆通信回線8Aを介して本社に送信すると、本社で、作業員の健康を守るための情報、工事に係る事故を未然に防ぐための情報を得て、処置を考え、工事現場に指示を伝えることができる。
【0031】
図3Bに、実施例1におけるPLC接続機器3B2の構成を概略的に示す。
PLC接続機器3B2はタイプBであり、無線LAN8B1、すなわち、LPWA回線に接続される。電源線1は配線2を介してPLCアダプタ3に接続され、PLCアダプタ3からの配線2Aがハブ6に接続され、ハブ6からの配線2BがLPWA回線8B2に接続される。これにより、例えば、低速度で良いが広範囲の領域を通信で管理する広域開発ネットワーク等を構築し、使用可能にできる。
PLC接続機器3B2を用いた場合のLPWA回線8B2についても、(A)~(K)の例が同様に適用できる。
【0032】
図3Cに、実施例1におけるPLC接続機器3B3の構成を概略的に示す。
PLC接続機器3B3はタイプBであり、その他のIoT通信回線8B3に接続される。電源線1は配線2を介してPLCアダプタ3に接続され、PLCアダプタ3からの配線2Aがハブ6に接続され、ハブ6からの配線2BがIoT機器を接続するその他のIoT通信回線8B3に接続される。これにより、例えば、工事現場監視用IoT機器等を使用可能にできる。
PLC接続機器3B3を用いた場合のその他のIoT通信回線8B3についても、(A)~(K)の例が同様に適用できる。
【0033】
図3Dに、実施例1におけるPLC接続機器3B4の構成を概略的に示す。
PLC接続機器3B4はタイプBであり、NEW通信回線(5G関連)8B4に接続される。電源線1は配線2を介してPLCアダプタ3に接続され、PLCアダプタ3からの配線2Aがハブ6に接続され、ハブ6からの配線2BがNEW通信回線(5G関連)8B4に接続される。
PLC接続機器3B4を用いた場合のNEW通信回線(5G関連)8B4についても、(A)~(K)の例が同様に適用できる。
【実施例0034】
図4に実施例2におけるPLC接続機器3Aの構成を概略的に示す。実施例1に対して、電源線1又は電源線1から分岐された配線2に建築現場で使用される足場管11が被せられている。すなわち、足場管11の中に電源線1又は電源線1から分岐された配線2を通し、通信線として使用する。これにより、新たな通信線を設けずに電力線を利用して通信線として利用することができる。また、電源線1及び配線2が足場管11で覆われるので、断線などの障害から保護される。
実施例2におけるタイプBのPLC接続機器3B1~3B4についても実施例1と同様の機器を適用でき、また、実施例2も(A)~(K)の例を適用できる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態は以上の例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは明白である。
例えば、足場管の代わりに別の絶縁性のパイプを使用しても良く、その他のIoT機器として現場監視用IoTや部品検査用IoTを接続しても良い。また、公衆通信回線通信機器(接続部)、無線LANアクセスポイント等は防水箱外にあっても良く、PLCアダプタとは別の防水箱内にあっても良い。また、(H)~(K)のパーソナルコンピュータに代えてスマートフォンを使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、電波の届かない土木工事現場等でのIoT機器等のためのデータ通信確保に利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 電源線
2,2A,2B 配線
3 PLCアダプタ
3A,3B1~3B4 PLC接続機器
4 サージフィルタ
5 ノイズフィルタ
6 ハブ
7 防水箱
8A 公衆通信回線 (8A0はその接続通信機器)
8B1 無線LAN (8B10はそのアクセスポイント)
8B2 LPWA (8B20はその接続通信機器)
8B3 IoT (8B30はその接続通信機器)
8B4 NEW通信回線(5G関連) (8B40はその接続通信機器)
9 外部コンセント
10 外部機器(ドリル等工作機器)
11 足場管
C1 第1の通信回線
C2 第2の通信回線

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4