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特開2023-27652光学部材、照明器具及び照明器具の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027652
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】光学部材、照明器具及び照明器具の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230222BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20230222BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20230222BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230222BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20230222BHJP
   G02B 3/00 20060101ALN20230222BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230222BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230222BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20230222BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230222BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 130
F21V5/00 100
F21V5/00 510
F21V5/00 530
F21V5/04 500
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
G02B5/08
G02B3/00 A
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132907
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】北出 眞人
【テーマコード(参考)】
2H042
3K013
【Fターム(参考)】
2H042DA01
2H042DA11
2H042DE04
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
(57)【要約】
【課題】保管及び/又は運搬を安定して行うことができる光学部材などを提供する。
【解決手段】光学部材100は、主面110a及び110bを有する板状の光学部材であって、主面110aから突出した複数のレンズ120と、主面110aから突出し、主面110aからの高さが複数のレンズ120よりも高い常夜灯用凸部130と、主面110a及び110bの一方から突出した凸部141と、主面110a及び110bの他方から突出した凸部142と、を備える。凸部142の先端には、凸部141の一部が挿入可能な大きさの凹部145が設けられている。凸部141は、平面視において、凹部145に重なっている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面、及び、当該第1主面の反対側の第2主面を有する板状の光学部材であって、
前記第1主面から突出した複数のレンズと、
前記第1主面から突出し、前記第1主面からの高さが前記複数のレンズよりも高い第1凸部と、
前記第1主面及び前記第2主面の一方から突出した第2凸部と、
前記第1主面及び前記第2主面の他方から突出した第3凸部と、を備え、
前記第3凸部の先端には、前記第2凸部の一部が挿入可能な大きさの凹部が設けられており、
前記第2凸部は、平面視において、前記凹部に重なっている、
光学部材。
【請求項2】
前記第2凸部は、前記第2主面から突出しており、
前記第3凸部は、前記第1主面から突出している、
請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記第2凸部の前記第2主面からの高さは、前記第3凸部の前記第1主面からの高さより高い、
請求項2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記第1凸部の前記第1主面からの高さは、前記第3凸部の前記第1主面からの高さより高い、
請求項2又は3に記載の光学部材。
【請求項5】
前記第3凸部の前記第1主面からの高さは、前記複数のレンズの前記第1主面からの高さより高い、
請求項2~4のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項6】
前記第2凸部の先端部は、平坦面と、当該平坦面より突出した突起と、を含み、
前記凹部は、前記突起が挿入可能な大きさである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項7】
前記第2凸部及び前記第3凸部の組を複数備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載の光学部材。
【請求項8】
複数の前記組は、平面視において、前記光学部材の中心を回転中心とする回転対称の位置に配置されている、
請求項7に記載の光学部材。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の光学部材と、
器具本体と、
前記器具本体に取り付けられた基板、及び、当該基板の主面に配置された複数の発光素子を有する発光モジュールと、を備え、
前記複数のレンズは、前記複数の発光素子と一対一に対応している、
照明器具。
【請求項10】
前記発光モジュールは、さらに、前記基板の主面に配置された常夜灯用の発光素子を含み、
前記第1凸部は、平面視において、前記常夜灯用の発光素子に重なっている、
請求項9に記載の照明器具。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか1項に記載の光学部材を複数製造する工程と、
複数の前記光学部材を上下に積み重ねる工程と、
積み重ねられた複数の前記光学部材を運搬する工程と、
運搬された複数の前記光学部材の1つを用いて照明器具を組み立てる工程と、を含み、
前記積み重ねる工程では、
一の前記光学部材の前記第2凸部の一部を、他の前記光学部材の前記凹部に挿入する、
照明器具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材、照明器具及び照明器具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に配置される照明器具であるシーリングライトが知られている。例えば、特許文献1に開示されたシーリングライトは、器具本体と、器具本体に取り付けられた発光モジュールと、発光モジュールを覆う、透光性を有するレンズカバーと、レンズカバーを覆う光拡散カバーと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-181602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシーリングライトのレンズカバーは、生産された後、保管され、又は、シーリングライトの組み立てを行う場所に運搬される。保管又は運搬の際に、レンズカバーは積み重ねられる。この場合において、レンズカバーの表面はレンズの凹凸が設けられており、安定して積み重ねることができない。
【0005】
そこで、本発明は、保管及び/又は運搬を安定して行うことができる光学部材、当該光学部材を備える照明器具及び照明器具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光学部材は、第1主面、及び、当該第1主面の反対側の第2主面を有する板状の光学部材であって、前記第1主面から突出した複数のレンズと、前記第1主面から突出し、前記第1主面からの高さが前記複数のレンズよりも高い第1凸部と、前記第1主面及び前記第2主面の一方から突出した第2凸部と、前記第1主面及び前記第2主面の他方から突出した第3凸部と、を備える。前記第3凸部の先端には、前記第2凸部の一部が挿入可能な大きさの凹部が設けられている。前記第2凸部は、平面視において、前記凹部に重なっている。
【0007】
本発明の一態様に係る照明器具は、上記一態様に係る光学部材と、器具本体と、前記器具本体に取り付けられた基板、及び、当該基板の主面に配置された複数の発光素子を有する発光モジュールと、を備える。前記複数のレンズは、前記複数の発光素子と一対一に対応している。
【0008】
本発明の一態様に係る照明器具の製造方法は、上記一態様に係る光学部材を複数製造する工程と、複数の前記光学部材を上下に積み重ねる工程と、積み重ねられた複数の前記光学部材を運搬する工程と、運搬された複数の前記光学部材の1つを用いて照明器具を組み立てる工程と、を含む。前記積み重ねる工程では、一の前記光学部材の前記第2凸部の一部を、他の前記光学部材の前記凹部に挿入する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保管及び/又は運搬を安定して行うことができる光学部材などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る照明器具の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る発光モジュールと光学部材と器具本体との構造上の関係を示す斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る光学部材の平面図である。
図5図5は、実施の形態に係る光学部材の側面図である。
図6図6は、実施の形態に係る光学部材の、図4のVI-VI線で表す位置で切断したときの端面図である。
図7図7は、実施の形態に係る光学部材を複数積み重ねた場合における、光学部材の載置部の端面図である。
図8図8は、実施の形態に係る光学部材を複数積み重ねた状態を示す側面図である。
図9図9は、実施の形態に係る光学部材の載置部の変形例を示す端面図である。
図10図10は、実施の形態に係る照明器具の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態に係る光学部材、照明器具及び照明器具の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
また、本明細書において、平行及び直交などの要素間の関係性を示す用語、円形及び矩形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0014】
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。
【0015】
また、本明細書において、「平面視」とは、特に断りのない限り、発光モジュールの基板の主面を正面から見ることを意味する。なお、Z軸は、基板の主面の法線に一致するように定義されている。このため、「平面視」とは、Z軸方向(具体的には、Z軸プラス方向)から見ることを意味する。
【0016】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0017】
(実施の形態)
[照明器具の全体構成]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態に係る照明器具1の全体構成について説明する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る照明器具1の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具1の分解斜視図である。図1及び図2における上方(Z軸プラス方向)が、天井に対向する床面(図示せず)の方向に相当する。つまり、図1及び図2における照明器具1は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。このことは、後述する図3及び図5図9についても同じである。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態の照明器具1は、例えば天井に取り付けられるシーリングライトである。本実施の形態に係る照明器具1は、器具本体10と、器具本体10に取り付けられた発光モジュール20と、を備える。発光モジュール20は、基板21と、基板21の主面に配置された複数の発光素子22と、を有する。本実施の形態では、基板21の主面にはさらに、複数の回路部品81が配置されており、これら複数の回路部品81により電源回路80が構成されている。照明器具1はさらに、発光モジュール20に沿って配置される反射シート40、回路カバー60、光学部材100、照明カバー70及び器具取付部90を備えている。照明カバー70の外周部には化粧板71が取り付けられている。
【0020】
[器具本体]
図1に示すように、器具本体10は、例えばアルミニウム板又は鋼板などの板金を用いて作製された円盤状の部材である。器具本体10の発光モジュール20などが配置される側の面には、例えば、光反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されている。
【0021】
また、器具本体10の中央部には、円形状の開口部が形成されており、当該開口部の周縁から発光モジュール20側に延びる略円筒状の支持部19(図2参照)が配置されている。支持部19は、例えば樹脂により形成された部材であり、器具取付部90と嵌め合わせ可能な構造を有している。器具取付部90は、天井に設置された天井側取付部材(引っ掛けシーリングボディ)に着脱自在に取り付けられる。つまり、器具本体10は、器具取付部90を介して、着脱自在に天井に取り付けられる。
【0022】
器具本体10において、支持部19の周囲には段差部11が形成されており、さらにその外側に環状の載置面部12が形成されている。発光モジュール20が器具本体10に取り付けられる場合、載置面部12に基板21の裏面が接触し、かつ、段差部11内の空間に、基板21の裏面から突出する回路部品81のリードなどが収容された状態で取り付けられる。
【0023】
載置面部12には、発光モジュール20の取り付け位置を規制する規制凸部13が設けられている。また、載置面部12には、光学部材100の載置部140の接触を避けるための凹部14、及び、光学部材100の突起160(図5を参照)の接触を避けるための凹部15が設けられている。
【0024】
[発光モジュール]
図2に示すように、発光モジュール20は、基板21と、基板21の主面(表面)に配置された複数の発光素子22と、基板21に配置された複数の回路部品81とを備える。基板21は、平面視(基板21の主面側から場合)における外形が、多角形状であり、かつ、中央部に円形の開口部23が形成されている。基板21の平面視における外形は、例えば、4つの角の先端部分が切り落とされた矩形状(以下、単に「矩形状」ともいう。)であると表現される。
【0025】
基板21は、金属配線がパターン形成された、いわゆるプリント基板であり、本実施の形態では、基板21として、片面に導体パターン(金属配線)が設けられた樹脂基板が採用されている。このような基板としては、ガラスエポキシ基板、及び複合基材エポキシ樹脂基板(CEM-3)などが例示される。
【0026】
本実施の形態の複数の発光素子22の各々は、例えばLEDチップがパッケージ化されたLED素子である。すなわち、発光モジュール20の実装構造は、LEDチップがパッケージ化されたLED素子を基板21の主面に実装したSMD(Surface Mount Device)構造である。
【0027】
複数の発光素子22には、色温度が異なる光を発する2種類以上の発光素子が含まれる。複数の発光素子22には、例えば、高色温度(例えば6500K)の発光素子と、低色温度(例えば2700K)の発光素子と、が含まれる。高色温度の発光素子と低色温度の発光素子とは、独立して発光が制御される。これにより、調光及び調色が可能になる。
【0028】
複数の発光素子22は、例えば、同種の発光素子毎に直列接続されている。あるいは、直列接続されたn(nは2以上の整数)個の発光素子22のグループ(発光素子群)を複数形成し、これら複数の発光素子群を並列に接続してもよい。なお、複数の発光素子22は全て、同じ種類の発光素子であってもよい。これら複数の発光素子22は、例えば図2に示すように、基板21の開口部23を中心とする多重環状に配列されている。このように多重環状に配列された複数の発光素子22により、発光モジュール20における発光部が構成されている。
【0029】
基板21の、平面視における中央部分(開口部23の周縁部分)の領域には、複数の回路部品81が配置されており、これら複数の回路部品81により、複数の発光素子22に発光のための電力を供給する電源回路80が構成されている。電源回路80は、例えば器具本体10から延設されたケーブル(図示せず)を介して供給される交流電力を、複数の発光素子22の発光に適した直流電力に変換して供給する。これにより、複数の発光素子22は発光する。電源回路80を構成する複数の回路部品81のそれぞれは、例えば、電解コンデンサ若しくはセラミックコンデンサなどの容量素子、抵抗素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、及び、ダイオード若しくは集積回路素子などの半導体素子などである。
【0030】
このように、基板21の主面には、電源回路80と、電源回路80を囲むように設けられた環状の発光部(複数の発光素子22)とが配置されている。本実施の形態では、基板21の主面にはさらに、電源回路80と発光素子22との間に、常夜灯用の発光素子30が配置されている。
【0031】
常夜灯用の発光素子30は、例えば、発光素子22と同様の構成を有するLED素子である。常夜灯用の発光素子30が発する光の色温度は、例えば電球色であるが、昼光色であってもよい。また、常夜灯用の発光素子30として、砲弾型のLEDが用いられてもよい。常夜灯用の発光素子30の正面(Z軸プラス方向側)には、絶縁カバー50(図2参照)及び、後述する光学部材100の常夜灯用凸部130が配置される。
【0032】
[反射シート]
反射シート40は、発光モジュール20と光学部材100との間に配置されている。反射シート40は、例えば樹脂で形成されたシート状の部材であり、複数の発光素子22から直接的又は間接的に反射シート40に向かう光を反射する。
【0033】
具体的には、反射シート40には、図2に示すように、複数の発光素子22のそれぞれを、光学部材100の側に露出させる複数の貫通孔41が形成されている。各発光素子22は、前方(Z軸プラス方向)から見た場合、反射シート40から露出した状態となり、発光素子22から放出される光は、反射シート40に遮蔽されることなく、光学部材100に向かう。また、発光素子22から直接的又は間接的に反射シート40に向かう光は、反射シート40で反射されて光学部材100に向かう。つまり、反射シート40により、発光素子22と光学部材100との間における光の損失が抑制される。
【0034】
[回路カバー]
回路カバー60は、基板21に配置された複数の回路部品81(電源回路80)を覆う部材である。回路カバー60は、本実施の形態では鉄又はアルミニウムなどの金属により形成されており、不燃性を有している。なお、回路カバー60の内面に、例えば、樹脂製の絶縁シートが配置されていてもよい。これにより、回路カバー60の内面を、回路カバー60の内部の回路部品81に近づけることができ、その結果、回路カバー60の高さ(Z軸方向の幅)を小さくすることができる。また、回路カバー60が金属ではなく、例えば、難燃性の樹脂によって形成されていてもよい。これにより、例えば、回路カバー60の小型化又は軽量化が図られる。
【0035】
本実施の形態では、回路カバー60は、例えば、図示しない複数のネジにより、光学部材100及び発光モジュール20とともに、器具本体10に取り付けられる。
【0036】
[光学部材]
図2に示すように、光学部材100は、発光モジュール20の複数の発光素子22を覆う発光部カバーである。光学部材100は、透明のアクリル樹脂などの透光性を有する(例えば透明の)樹脂材料を用いて形成されている。光学部材100は、平面視において、中央部に孔(開口部111)を有する円形状の外形を有しており、つまり、一般にドーナツ形状と呼ばれる形状を有している。
【0037】
光学部材100は、複数のレンズ120を有する。複数のレンズ120は、複数の発光素子22と一対一で対応して設けられている。レンズ120は、例えば、対応する発光素子22からの光の配光角を拡大する。すなわち、レンズ120は、光を発散させる機能を有する。このように、個々の発光素子22に対応してレンズ120を配置することで、例えば、複数の発光素子22それぞれからの光の拡散を緻密に制御することができる。光学部材100の具体的な形状については、後で説明する。
【0038】
[照明カバー]
照明カバー70は、拡散カバーの一例であり、器具本体10に取り付けられ、発光モジュール20の主面を覆っている。具体的には、照明カバー70は、器具本体10の発光モジュール20などが取り付けられた側を覆う部材であり、透光性を有する樹脂で形成されている。照明カバー70は、グローブとも呼ばれる。照明カバー70は、例えば乳白色の樹脂で形成されており、各発光素子22からの光を拡散して外部に放出することができる。
【0039】
照明カバー70の平面視における外形は、円形である。また、照明カバー70は、器具本体10に対して着脱自在に取り付けられる。本実施の形態では、照明カバー70の外周には、照明カバー70の平面視の外形(円形状)に応じた円環形状の化粧板71が取り付けられている。化粧板71は、図示しない複数のネジなどによって照明カバー70に固定される。照明カバー70は、化粧板71が固定された状態で器具本体10に対して着脱される。
【0040】
[光学部材の具体的な構成]
続いて、光学部材100の具体的な構成について、図3図6を用いて説明する。
【0041】
図3は、本実施の形態に係る発光モジュール20と光学部材100と器具本体10との構造上の関係を示す斜視図である。図4は、本実施の形態に係る光学部材100の平面図である。図5は、本実施の形態に係る光学部材100の側面図である。図6は、本実施の形態に係る光学部材100の、図4のVI-VI線で表す位置で切断したときの端面図である。
【0042】
光学部材100は、主面110a及び110bを有する板状の部材である。主面110aは、第1主面の一例であり、照明カバー70側の主面である。主面110bは、第2主面の一例であり、主面110bとは反対側の主面である。主面110bは、発光モジュール20及び器具本体10側の主面である。
【0043】
図3図5に示すように、光学部材100は、平面部110と、複数のレンズ120と、常夜灯用凸部130と、複数の載置部140と、凹部150と、突起160と、を備える。
【0044】
平面部110は、平面視において、複数のレンズ120の外側に位置する部分である。平面部110は、所定の厚みの平板形状を有する。平面部110は、平面視において、発光モジュール20に重ならない部分である。
【0045】
本実施の形態では、光学部材100の平面視における外形は、円形である。具体的には、光学部材100の平面視における外形は、器具本体10の載置面部12の外形とほぼ同じである。これに対して、発光モジュール20の平面視における外形は矩形状である。このため、光学部材100が発光モジュール20を覆うように配置した場合に、発光モジュール20に重ならない4つの弓形状の部分(平面部110)が形成される。
【0046】
複数のレンズ120は、図5及び図6に示すように、主面110aから突出している。複数のレンズ120は、主面110aからZ軸プラス方向に向かって突出したドーム形状を有する。複数のレンズ120の各々の主面110aからの高さh1は、互いにほぼ同じである。なお、「レンズの主面からの高さ」とは、主面と、レンズの当該主面から最も離れた部位との、主面法線方向における距離である。
【0047】
複数のレンズ120はそれぞれ、基板21の主面に配置された複数の発光素子22と一対一で対応している。つまり、一の発光素子22に着目すると、その正面(Z軸プラス方向)には、複数のレンズ120のうちの一のレンズ120が配置される。当該一の発光素子22が発する光は、対応する一のレンズ120によって拡散されて前方(Z軸プラス方向)に放出される。
【0048】
このような光学的機能を有するレンズ120は、多重環状に配列された複数の発光素子22の各々に対し、Z軸方向で対向する位置に配置される。つまり、複数のレンズ120は、図4に示すように、複数の発光素子22と同じく多重環状に配列されている。複数のレンズ120の集合の平面視におけるおおよその外形は、基板21と同様に、矩形状である。
【0049】
常夜灯用凸部130は、主面110aから突出した第1凸部の一例である。図5に示すように、常夜灯用凸部130の主面110aからの高さh2は、複数のレンズ120の主面110aからの高さh1より高い。具体的には、常夜灯用凸部130の主面110aからの高さh2は、複数のレンズ120の各々の主面110aからの高さh1のいずれよりも高い。なお、「凸部の主面からの高さ」とは、主面と、凸部の当該主面から最も離れた部位との、主面法線方向における距離である。また、常夜灯用凸部130の主面110aからの高さh2は、載置部140の凸部142の主面110aからの高さh4よりも高い。
【0050】
本実施の形態では、図5に示すように、常夜灯用凸部130は、カバー部131と、台座部132と、を有する。
【0051】
カバー部131は、平面視において、常夜灯用の発光素子30に重なる部分である。カバー部131は、台座部132の上面から、光学部材100の中心に向かって斜め上方に突出している。図3及び図4に示すように、カバー部131は、光学部材100の開口部111の一部を覆うように、光学部材100の内周端部から中心に向かって張り出している。カバー部131の先端部分と主面110aとの距離が、常夜灯用凸部130の高さh2である。
【0052】
台座部132は、カバー部131を支持する部分である。台座部132は、光学部材100の開口部111の縁に沿って設けられている。つまり、台座部132は、平面視において、環状に設けられた複数のレンズ120と開口部111との間に位置している。
【0053】
載置部140は、光学部材100の重ね合わせに利用される。載置部140の具体的な構成については後で説明する。
【0054】
光学部材100は、上述のように、発光モジュール20及び回路カバー60とともに、複数のネジなどによって器具本体10に固定される。この固定作業の際に光学部材100及び発光モジュール20の基板21を器具本体10に対する正規の位置に規制するための構成が、器具本体10などに設けられている。
【0055】
具体的には、器具本体10は、図2に示すように、規制凸部13を有する。基板21には、規制凸部13が挿入される切欠部24が設けられている。規制凸部13が、基板21の切欠部24に係合することで、基板21の器具本体10に対する位置及び姿勢が、正規の位置及び姿勢に決められる。
【0056】
なお、規制凸部13の高さは、基板21の厚みより高い。このため、光学部材100には、規制凸部13が挿入される凹部150が形成されている。凹部150は、光学部材100の主面110bから陥凹状に形成されている。凹部150は、規制凸部13と光学部材100との接触を避けるための空間を形成している。なお、凹部150は、規制凸部13に接触して光学部材100の位置決めに利用されてもよい。規制凸部13、切欠部24及び凹部150の組は、2組設けられているが、1組のみ又は3組以上設けられていてもよい。
【0057】
また、図4及び図5に示すように、光学部材100の主面110bには、突起160が設けられている。突起160は、発光モジュール20の基板21に設けられた貫通孔25(図3参照)、及び、器具本体10の凹部15(図3参照)にこの順で挿入される。平面視において、貫通孔25の大きさ及び形状は、突起160の大きさ及び形状とほぼ同じである。突起160が貫通孔25に挿入されることで、発光モジュール20(基板21)に対する光学部材100の位置を正規の位置に規制することができる。
【0058】
なお、器具本体10の凹部15は、平面視において、突起160よりも大きい。つまり、凹部15は、突起160と器具本体10との接触を避けるための空間を形成している。凹部15の代わりに貫通孔が設けられていてもよい。突起160、貫通孔25及び凹部15の組は、2組設けられているが、1組のみ又は3組以上設けられていてもよい。
【0059】
[載置部]
続いて、光学部材100の載置部140の具体的な構成について説明する。
【0060】
図5及び図6に示すように、載置部140は、凸部141及び142を有する。
【0061】
凸部141は、主面110a及び110bの一方から突出した第2凸部の一例である。本実施の形態では、凸部141は、主面110bから突出している。凸部141は、円錐台形状の凸部である。
【0062】
凸部142は、主面110a及び110bの他方から突出した第3凸部の一例である。図6に示すように、凸部142の先端には、凸部141の一部が挿入可能な大きさの凹部145が設けられている。つまり、凸部142は、凹部145を囲む環状の凸部である。
【0063】
凸部141は、平面視において、凹部145と重なっている。このため、2つの光学部材100を積み重ねた場合に、凸部141と凹部145とが平面視において同じ位置に位置し、凸部141の一部が凹部145に挿入される。具体的には、凸部141の先端に設けられた突起144が凹部145に挿入される(図7を参照)。
【0064】
本実施の形態では、図6に示すように、凸部141の先端部は、平坦面143と、突起144と、を含む。
【0065】
突起144は、平坦面143より突出している。突起144は、平面視において、凸部141の中心に位置しており、環状の平坦面143に囲まれている。なお、図6に示すように、突起144の先端には、凹部が設けられている。これにより、突起144の厚みを小さくすることができ、樹脂材料を用いた射出成形によって光学部材100を形成する場合にヒケなどの成形不良を抑制することができる。
【0066】
突起144は、凹部145に挿入可能な大きさである。一方で、平坦面143は、凹部145には挿入不可能な大きさである。図7は、本実施の形態に係る光学部材100を複数積み重ねた場合における、光学部材100の載置部140の端面図である。図7に示すように、2つの光学部材100を重ねた場合に、上側の光学部材100の平坦面143が下側の光学部材100の凸部142に載置される。このとき、上側の光学部材100の突起144が下側の光学部材100の凹部145に挿入されて、突起144の横方向への移動が凸部142によって規制される。このため、積み重ねた光学部材100の荷崩れを抑制することができる。
【0067】
本実施の形態では、図4に示すように、光学部材100は、4つの載置部140を備える。4つの載置部140は、平面視において、光学部材100の中心(中心軸J)を回転中心とする回転対称の位置に配置されている。具体的には、4つの載置部140は、90度回転対称の位置に配置されている。つまり、中心軸Jを中心に、光学部材100を90度、180度、270度のいずれで回転させた場合においても、4つの載置部140の位置は同じである。これにより、光学部材100の向きを回転させて重ねることができる。
【0068】
以下では、光学部材100の具体的な積み重ね方法について、図8を用いて説明する。
【0069】
図8は、本実施の形態に係る光学部材100を複数積み重ねた状態を示す側面図である。図8では、3つの光学部材100A~100Cがこの順に積み重ねられ、4つ目の光学部材100Dをさらに積み重ねる様子が示されている。
【0070】
図8に示すように、光学部材100A~100Dは、180度ずつ回転させた姿勢で順に載置される。このため、光学部材100Aの常夜灯用凸部130Aと光学部材100Cの常夜灯用凸部130Cとが平面視において重なり、光学部材100Bの常夜灯用凸部130Bと光学部材100Dの常夜灯用凸部130Dとが平面視において重なる。常夜灯用凸部130A及び130Cは、平面視において、常夜灯用凸部130B及び130Dとは重ならない。
【0071】
光学部材100Dを光学部材100Cの上に重ねる場合、光学部材100Dの4つの載置部140Dの各々の凸部141Dが、光学部材100Cの4つの載置部140Cの各々の凸部142Cの上に載置される。具体的には、各凸部141Dの突起144Dが各凸部142Cの凹部145(図8には示されていない)に挿入され、各凸部141Dの平坦面143Dが各凸部142Cに載置される。
【0072】
光学部材100Dを4ヶ所で支えることができるので、安定して光学部材100Dを積み重ねることができる。なお、最下段の光学部材100Aは、4つの載置部140Aの凸部141Aによって平面に安定して載置することができる。
【0073】
図8に示すように、最下段の光学部材100Aの常夜灯用凸部130Aのカバー部131Aは、2段目の光学部材100B及び3段目の光学部材100Cの各々の開口部111(図8には示されていない)に挿入される。これにより、常夜灯用凸部130Aのカバー部131Aが他の光学部材100に接触するのを避けている。2段目の常夜灯用凸部130Bのカバー部131B、3段目の常夜灯用凸部130Cのカバー部131C及び4段目の常夜灯用凸部130Dのカバー部131Dも同様に、他の光学部材100に接触するのを避けることができている。
【0074】
本実施の形態では、常夜灯用凸部130は、2段上の光学部材100の常夜灯用凸部130と平面視で重なるため、この2つの常夜灯用凸部130が接触しないように載置部140の高さを確保する必要がある。図6に示すように、載置部140の高さは、凸部141の高さh3と、凸部142の高さh4との和に相当する。光学部材100の主面110a及び110bの両方に凸部を設けることによって、載置部140に必要な高さを分散させることができる。つまり、主面110a及び110bの一方のみに高い凸部が形成されるのを抑制することができる。
【0075】
凸部142の主面110aからの高さh4は、複数のレンズ120の主面110aからの高さh1より高い。これにより、光学部材100を重ねた場合にレンズ120の表面が他の光学部材100に接触しにくくなるので、レンズ120の損傷を抑制し、配光特性の低下を抑制することができる。
【0076】
凸部141の主面110bからの高さh3は、凸部142の主面110aの高さh4より高い。これにより、光出射側の凸部142を低くすることができるので、凸部142がレンズ120から出射される光の妨げになることを抑制することができる。
【0077】
本実施の形態では、載置部140の凸部141が主面110bから器具本体10に向けて突出しているので、図3に示すように、器具本体10には、凸部141との接触を避けるための凹部14が設けられている。器具本体10の凹部14は、平面視において、凸部141よりも大きい。凹部14の代わりに貫通孔が設けられていてもよい。
【0078】
図8では、光学部材100を180度回転させて交互に積み重ねる例を示したが、これに限定されない。例えば、光学部材100を90度ずつ回転させながら順に積み重ねてもよい。この場合、常夜灯用凸部130は、4段上の光学部材の常夜灯用凸部130と平面視で重なる。このため、平面視で重なる常夜灯用凸部130間に3枚の光学部材100が配置されることになるので、光学部材100の厚みの分だけ距離を稼ぐことができ、載置部140の高さを低くすることができる。載置部140の高さが低くなることで、光学部材100の配光特性の低下を抑制することができる。また、載置部140の接触を避けるための、器具本体10の凹部14を小さくすることができる。
【0079】
また、図8において、常夜灯用凸部130Aの台座部132Aには、2段目の光学部材100Bが載置されてもよい。この場合、光学部材100Bをより安定して支持することができる。また、光学部材100Bに設けられる載置部140Bの個数を減らすことができる。例えば、光学部材100Bは、載置部140Bを1つのみ備えてもよい。台座部132Aと1ヶ所の載置部140Bとによって、光学部材100Bを安定して支持することができる。台座部132B、132C及び132Dについても同様に、光学部材100が載せられた場合に、載せられた光学部材100を支持することができる。
【0080】
また、環状の凸部142が主面110bに設けられていてもよい。図9は、本実施の形態の変形例に係る光学部材200の載置部240を示す端面図である。載置部240は、図6に示される載置部140を逆さまにした形状を有する。
【0081】
具体的には、載置部240は、図9に示すように、凸部241及び242を有する。
【0082】
凸部241は、第2凸部の一例であり、主面110aから突出している。凸部241は、図6の載置部140の凸部141を逆さまにした形状であり、先端部には平坦面243及び突起244が設けられている。
【0083】
凸部242は、第3凸部の一例であり、主面110bから突出している。凸部242の先端には、凸部241の一部(具体的には突起244)が挿入可能な大きさの凹部245が設けられている。つまり、凸部242は、凹部245を囲む環状の凸部である。
【0084】
本変形例では、主面110bから突出した凸部242の高さは、主面110aから突出した凸部241の高さよりも高い。つまり、主面110aから突出した凸部241が低くなるように構成されている。これにより、凸部241が複数のレンズ120から出射される光の妨げになりにくく、光学部材200の光学特性の低下を抑制することができる。
【0085】
[製造方法]
続いて、照明器具1の製造方法について、図10を用いて説明する。図10は、本実施の形態に係る照明器具1の製造方法を示すフローチャートである。図10は、複数の照明器具1を製造する方法を示している。
【0086】
図10に示すように、まず、光学部材100を複数製造する(S10)。例えば、光学部材100は、樹脂材料を用いた射出成形によって製造される。
【0087】
次に、製造した複数の光学部材100を上下に積み重ねる(S20)。具体的には、一の光学部材100の凸部141の一部を、他の光学部材100の凹部145に挿入する。より具体的には、図7を用いて説明したように、上側の光学部材100の凸部141の突起144を下側の光学部材100の凸部142の凹部145に挿入し、平坦面143を凸部142上に載置する。突起144が凸部142に引っ掛かることで横方向への移動が規制されるので、積み重ねた光学部材100は、荷崩れしにくく安定して保管しておくことができる。
【0088】
次に、積み重ねられた複数の光学部材100を運搬する(S30)。具体的には、積み重ねられた複数の光学部材100をそのまま(積み重ねられた状態)で、照明器具1の組み立てを行う作業場所まで運搬する。保管の際と同様に、突起144が凸部142に引っ掛かることで横方向への移動が規制されるので、積み重ねた光学部材100は、荷崩れしにくく安定して運搬することができる。
【0089】
次に、運搬された複数の光学部材100の1つを用いて照明器具1を組み立てる(S40)。なお、光学部材100以外の構成部品(器具本体10、発光モジュール20など)も、光学部材100と同様に製造された後、照明器具1の組み立てを行う作業場所まで運搬されている。各構成部品を所定の順序に沿って組み立てることで、照明器具1を製造することができる。
【0090】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る光学部材100は、主面110a、及び、主面110aの反対側の主面110bを有する板状の光学部材100であって、主面110aから突出した複数のレンズ120と、主面110aから突出し、主面110aからの高さが複数のレンズ120よりも高い常夜灯用凸部130と、主面110a及び110bの一方から突出した凸部142と、主面110a及び110bの他方から突出した凸部141と、を備える。凸部142の先端には、凸部141の一部が挿入可能な大きさの凹部145が設けられている。凸部141は、平面視において、凹部145に重なっている。
【0091】
これにより、2つの光学部材100を重ねた場合、上側の光学部材100の凸部141の一部を下側の光学部材100の凸部142の凹部145に挿入することができる。凸部141が凸部142の凹部145に係止することで、上側の光学部材100の横方向への位置が規制される。このため、光学部材100の保管及び/又は運搬の際に荷崩れが発生しにくくなり、安定して運搬及び/又は保管することができる。
【0092】
また、2つの光学部材100を重ねた場合に、下側の常夜灯用凸部130が上側の光学部材100を押し上げないように2つの光学部材100の間隔を確保する必要がある。この間隔は、凸部141と凸部142との合計の高さに依存する。つまり、本実施の形態に係る光学部材100では、必要な間隔を形成するための高さを凸部141と凸部142とに振り分けて確保している。このため、主面110a及び110bのいずれか一方に高い凸部を設けなくてよい。主面110aに設ける凸部の高さが低くなることで、当該凸部が複数のレンズ120から出射される光の妨げになりにくく、光学部材100の光学特性の低下を抑制することができる。また、主面110bに設けられる凸部の高さが低くなることで、当該凸部が器具本体10への取り付けの妨げになりにくく、取り扱いが容易になる。
【0093】
また、例えば、凸部141は、主面110bから突出しており、凸部142は、主面110aから突出している。
【0094】
これにより、凸部142の高さを低くすることで、凸部142が複数のレンズ120から出射される光の妨げになりにくく、光学部材100の光学特性の低下を抑制することができる。また、凸部141の高さを低くすることで、凸部141が器具本体10への取り付けの妨げになりにくく、取り扱いが容易になる。
【0095】
また、例えば、凸部141の主面110bからの高さh3は、凸部142の主面110aからの高さh4より高い。
【0096】
これにより、凸部142が低いので、凸部142が複数のレンズ120から出射される光の妨げになりにくく、光学部材100の光学特性の低下を抑制することができる。
【0097】
また、例えば、常夜灯用凸部130の主面110aからの高さh2は、凸部142の主面110aからの高さh4より高い。
【0098】
これにより、常夜灯用凸部130が凸部142より高いので、凸部142が常夜灯用凸部130から出射される光の妨げになりにくく、光学部材100の光学特性の低下を抑制することができる。
【0099】
また、例えば、凸部142の主面110aからの高さh4は、複数のレンズ120の主面110aからの高さh1より高い。
【0100】
これにより、複数のレンズ120が凸部142よりも低いので、光学部材100を重ねた場合にレンズ120と光学部材100とが接触しないようにすることができる。このため、レンズ120の損傷が起きにくく、光学部材100の光学特性の低下を抑制することができる。
【0101】
また、例えば、凸部141の先端部は、平坦面143と、平坦面143より突出した突起144と、を含む。凹部145は、突起144が挿入可能な大きさである。
【0102】
これにより、2つの光学部材100を重ねた場合、上側の光学部材100の凸部141の突起144を下側の光学部材100の凸部142の凹部145に挿入することができる。また、突起144が凹部145に挿入された場合に、凸部141の平坦面143が凸部142に当接することで、上側の光学部材100を下側の光学部材100に対して安定して積み重ねることができる。
【0103】
また、例えば、光学部材100は、凸部141及び142の組を複数備える。
【0104】
これにより、2つの光学部材100を重ねた場合、上側の光学部材100を複数の位置で支えることができるので、より安定して保管及び運搬を行うことができる。
【0105】
また、例えば、凸部141及び142の複数の組は、平面視において、光学部材100の中心を回転中心とする回転対称の位置に配置されている。
【0106】
これにより、複数の光学部材100の向きを変えて積み重ねることができる。例えば、180度回転させて交互に複数の光学部材100を積み重ねることで、上側の光学部材100に常夜灯用凸部130が当たらないようにすることができる。
【0107】
また、例えば、本実施の形態に係る照明器具1は、光学部材100と、器具本体10と、器具本体10に取り付けられた基板21、及び、基板21の主面に配置された複数の発光素子22を有する発光モジュール20と、を備える。複数のレンズ120は、複数の発光素子22と一対一に対応している。
【0108】
これにより、運搬及び/又は保管の際に光学部材100の損傷が起きにくいので、照明器具1の信頼性及び歩留まりを高めることができる。
【0109】
また、例えば、発光モジュール20は、さらに、基板21の主面に配置された常夜灯用の発光素子30を含む。常夜灯用凸部130は、平面視において、常夜灯用の発光素子30に重なっている。
【0110】
これにより、照明器具1に常夜灯の機能を持たせることができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る照明器具1の製造方法は、光学部材100を複数製造する工程と、複数の光学部材100を上下に積み重ねる工程と、積み重ねられた複数の光学部材100を運搬する工程と、運搬された複数の光学部材100の1つを用いて照明器具1を組み立てる工程と、を含む。積み重ねる工程では、一の光学部材100の凸部141の一部を、他の光学部材100の凹部145に挿入する。
【0112】
これにより、運搬及び/又は保管の際に光学部材の損傷が起きにくいので、信頼性の高い照明器具1を、高い歩留まりで製造することができる。
【0113】
(その他)
以上、本発明に係る光学部材、照明器具及び照明器具の製造方法について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0114】
例えば、上記実施の形態では、第1凸部の一例として常夜灯用凸部130を示したが、これに限定されない。例えば、第1凸部は、光学部材100の位置規制用の凸部であってもよい。
【0115】
また、例えば、各凸部の高さh1~h4は、上述した大小関係に限定されない。例えば、レンズ120の高さh1と、常夜灯用凸部130の高さh2と、凸部142の高さh4とは、互いに等しくてもよい。また、凸部142の高さh4は、レンズ120の高さh1より低くてもよい。また、凸部141の高さh3と、凸部142の高さh4とは、互いに等しくてもよい。あるいは、凸部141の高さh3は、凸部142の高さh4よりも低くてもよい。
【0116】
また、例えば、発光モジュール20が有する基板21として、4つの角の先端部分が切り落とされた矩形状である基板21を例示したが、発光モジュール20が有する基板21の平面視における外形はこれに限定されない。例えば、基板21の平面視における外形は、三角形状又は五角形状など、矩形以外の多角形状であってもよい。また、基板21の平面視における外形は、円形又は楕円形であってもよい。
【0117】
また、発光モジュール20が有する、複数の発光素子22が配置される基板(モジュール基板)は、実施の形態に係る基板21のような物理的に1枚の基板でなくてもよい。例えば、それぞれに1以上の発光素子22が配置された複数枚の基板が連結されることで、1つのモジュール基板が構成されてもよい。例えば、モジュール基板に要求されるサイズに応じて、モジュール基板を単一の基板で実現するか、複数の基板によって実現するかを決定してもよい。
【0118】
また、発光モジュール20が有する基板21として、上記実施の形態で例示した、ガラスエポキシ基板、及び複合基材エポキシ樹脂基板(CEM-3)以外の種類の基板が採用されてもよい。例えば、表面が樹脂被膜された金属材料からなるメタルベース基板が採用されてもよい。この場合、例えば、基板21の主面に配置された複数の発光素子22及び複数の回路部品81の熱が基板21を介して効率良く器具本体10に伝導される。
【0119】
また、各発光素子22に発光のための電力を供給する電源回路80は、基板21とは別体の基板に配置された複数の回路部品によって構成されてもよい。さらに、電源回路80は、照明器具1の外部に配置されてもよい。例えば、照明器具1に直流電力を供給する電源ボックス内に電源回路80が収容されていてもよい。これにより、例えば、照明器具1の小型化又は軽量化を図ることができる。
【0120】
また、基板21に配置された1以上の回路部品81は、電源回路80とは異なる種類の電気回路(電子回路)を構成してもよい。例えば、照明器具1の外部から送信される信号に従って、複数の発光素子22を調光制御又は調色制御する制御回路が、当該1以上の回路部品81によって構成されていてもよい。また、電源回路80が、上記制御回路を含んでもよい。
【0121】
また、発光素子22は、SMD型のLED素子であるとしたが、これに限定されない。例えば発光モジュール20は、LEDチップを基板21に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、波長変換材を含有する封止部材によって、基板21上に実装された複数のLEDチップを一括に封止、又は、個別に封止することで、所定の色温度の照明光を得ることができる。
【0122】
また、上記実施の形態及び変形例では、発光素子22としてLEDチップがパッケージ化されたLED素子が例示された。しかしながら、半導体レーザなどの半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)若しくは無機ELなどのEL素子の他の種類の固体発光素子が、発光素子22として採用されてもよい。
【0123】
また、例えば、照明器具1は、器具本体10、発光モジュール20及び光学部材100以外の構成要素を備えなくてもよい。例えば、照明器具1は、反射シート40、回路カバー60、照明カバー70などを備えなくてもよい。照明器具1は、シーリングライト以外の照明器具として実現されてもよい。
【0124】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
1 照明器具
10 器具本体
20 発光モジュール
21 基板
22 発光素子
30 常夜灯用の発光素子
100、100A、100B、100C、100D、200 光学部材
110a 主面(第1主面)
110b 主面(第2主面)
120 レンズ
130、130A、130B、130C、130D 常夜灯用凸部(第1凸部)
140、140A、140B、140C、140D、240 載置部
141、141A、141D、242 凸部(第2凸部)
142、142C、241 凸部(第3凸部)
143、143D、243 平坦面
144、144D、244 突起
145、245 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10