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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027654
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】制御装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/037 20060101AFI20230222BHJP
   B60Q 3/47 20170101ALI20230222BHJP
   B60Q 3/80 20170101ALI20230222BHJP
   B60J 3/04 20060101ALI20230222BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B60R16/037
B60Q3/47
B60Q3/80
B60J3/04
B60R16/02 660B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132909
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岩本 太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 学
(72)【発明者】
【氏名】坂本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 脩平
(72)【発明者】
【氏名】村本 政忠
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040BA00
3K040DA05
3K040EA04
(57)【要約】
【課題】複数の乗員が相乗りする移動体において、移動体が備える電装品に対する各乗員による制御を適切に制限する制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、移動体が備える電装品を制御する制御装置であって、前記電装品の操作に関する入力を受け付ける入力部と、前記入力部への入力に基づいて前記電装品を制御する電装品制御部と、前記移動体の複数の乗員の関係に応じて、前記入力部への入力を制限しない第1のモードと、前記入力部への入力を制限する第2のモードとを切り替える切替部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が備える電装品を制御する制御装置であって、
前記電装品の操作に関する入力を受け付ける入力部と、
前記入力部への入力に基づいて前記電装品を制御する電装品制御部と、
前記移動体の複数の乗員の関係に応じて、前記入力部への入力を制限しない第1のモードと、前記入力部への入力を制限する第2のモードとを切り替える切替部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記移動体内の乗員を検出する検出部と、
前記移動体内に複数の乗員がいる場合、前記複数の乗員の関係を判断する判断部と、
を備え、
前記切替部は、
前記複数の乗員の関係が所定の条件を満たしている場合、前記入力部を前記第1のモードに設定し、
前記複数の乗員の関係が前記所定の条件を満たしていない場合、前記入力部を前記第2のモードに設定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記移動体は、複数の乗員が相乗りする乗り物であり、
前記判断部は、前記乗り物の予約情報に基づいて、前記複数の乗員の関係を判断する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記判断部は、前記複数の乗員を撮像した画像、又は前記複数の乗員の間の会話に基づいて、前記複数の乗員の関係を判断する、請求項2又は3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記切替部は、前記複数の乗員の関係が、前記第1のモードの設定が許可された予め定められた関係である場合、前記電装品制御部を前記第1のモードに設定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記電装品制御部は、
前記第2のモードにおいて、前記移動体の内部を外部から視認可能な状態に制御し、
前記第1のモードにおいて、前記移動体の内部を、前記第2のモードより外部から視認が困難な状態に制御する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記電装品制御部は、前記入力部への入力に基づいて、前記移動体の窓の光の透過率を制御する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記電装品制御部は、前記入力部への入力に基づいて、前記移動体の室内灯の明るさを制御する、請求項1乃至7のいずか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記判断部が判断する前記複数の乗員の関係は、前記複数の乗員の親密度を含む、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
移動体が備える電装品を制御する制御装置が、
前記電装品の操作に関する入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおける入力に基づいて前記電装品を制御するステップと、
前記移動体の複数の乗員の関係に応じて、前記入力ステップにおける入力を制限しない第1のモードと、前記入力ステップにおける入力を制限する第2のモードとを切り替えるステップと、
を実行する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両において、全自動運転によるライドシェアモビリティの実用化が進められている。
【0003】
また、車両内の電装品の誤操作を防止、又は低減するために、電装品を操作する乗員が子供又は高齢者である場合に、乗員による入力部への入力を制限する技術が知られている(特許文献1参照)。さらに、車両内において、運転者及び通話相手のプライバシーを保護するために、同乗者の有無と、着信相手の種別とに基づいて、通話可否を判断するハンズフリー式移動体電話システムが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-179799号公報
【特許文献2】特開2004-147037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、全自動運転によるライドシェアモビリティ等の移動体では、必ずしも乗員が移動体の周囲を視認する必要がないため、移動体の窓の透過率、又は室内灯の明るさ等を制御してプライベートな空間を演出したいという要求がある。
【0006】
しかし、ライドシェアモビリティのように複数の乗員が相乗りする移動体では、複数の乗員によって、プライベートな空間に対する要求が異なるため、移動体の窓の透過率、又は室内灯の明るさ等を、各乗員が自由に設定できるようにすることは望ましくない。
【0007】
このような問題は、例えば、引用文献1、2に示されるような従来の技術を適用しただけでは解決することができない。
【0008】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の乗員が相乗りする移動体において、移動体が備える電装品に対する各乗員による制御を適切に制限する制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る制御装置は、移動体が備える電装品を制御する制御装置であって、前記電装品の操作に関する入力を受け付ける入力部と、前記入力部への入力に基づいて前記電装品を制御する電装品制御部と、前記移動体の複数の乗員の関係に応じて、前記入力部への入力を制限しない第1のモードと、前記入力部への入力を制限する第2のモードとを切り替える切替部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、複数の乗員が相乗りする移動体において、移動体が備える電装品に対する、各乗員による制御を適切に制限する制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る制御システムの構成例を示す図である。
図2】一実施形態に係る制御処理の一例について説明するための図である。
図3】一実施形態に係る制御処理の別の一例について説明するための図である。
図4】一実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る制御装置の処理の概要を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る判断処理の例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
図9】第3の実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
<制御システムの構成例>
図1は、一実施形態に係る制御システムの構成例を示す図である。制御システム1は、例えば、自動車等の車両10が備える電装品を制御するシステムである。なお、車両10は、本実施形態に係る移動体の一例である。本実施形態に係る移動体は、車両10に限られず、例えば、船舶、又は航空機等であっても良い。また、車両10は、自動車に限られず、列車、又はモノレール等の車両であっても良い。図1の例では、制御システム1は、車両10に搭載される制御装置100、表示入力装置110、及び電装品120等を含む。
【0014】
制御装置100は、車両10に搭載されるECU(Electric Control Unit)等のコンピュータの構成を有する電子制御装置である。制御装置100は、制御装置100が備えるコンピュータで所定のプログラムを実行することにより、例えば、入力部101、電装品制御部102、切替部103、検出部104、判断部105、通信部106、及び記憶部107等の機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0015】
入力部101は、車両10が備える表示入力装置110に、電装品120の操作画面を表示させて、ユーザによる電装品120の操作に関する入力を受け付ける入力処理(入力ステップ)を実行する。ここで、表示入力装置110は、例えば、車両10が備えるタッチパネルディスプレイ等の車内ディスプレイである。ただし、これに限られず、表示入力装置110は、表示機能付きの様々な形態の操作パネル等であって良い。
【0016】
電装品制御部102は、入力部101への入力に基づいて、電装品120を制御する電装品制御処理を実行する。ここで、電装品120は、制御装置100の制御に従って、例えば、車両10の窓の光の透過率(以下、窓の透過率と呼ぶ)、車内灯の明るさ等を変更するECU、又はデバイス等を含む。ただし、これに限られず、電装品120は、制御装置100の制御に従って、音量を変更する音響装置、又は車内の温度を変更する空調装置等の様々な電装品であって良い。
【0017】
切替部103は、車両10に乗車する複数の乗員の関係に応じて、入力部101への入力を制限しないプライベートモード(第1のモード)と、入力部101への入力を制限するパブリックモード(第2のモード)とを切り替える切替処理を実行する。
【0018】
例えば、全自動運転によるライドシェアモビリティ等の車両10では、必ずしも乗員が車両10を視認する必要がないため、車両10の窓の透過率、又は室内灯の明るさ等を制御してプライベートな空間を演出したいという要求がある。
【0019】
しかし、ライドシェアモビリティのように複数の乗員が相乗りする車両10では、複数の乗員によって、プライベートな空間に対する要求が異なるため、移動体の窓の透過率、又は室内灯の明るさ等を、各乗員が自由に制御できるようにすることは望ましくない。
【0020】
例えば、車両10に乗車している全ての乗員が、知り合い、又は家族等の親密な関係にある場合、車外環境に対して、車内空間のプライバシー性を高く設定したいという要求がある。一方、車両10に、知らない人同士が乗り合わせた場合、逆に、車外環境に対して、車内空間をオープンで、パブリックな空間に設定することで車両10内の緊張を緩和したいという要求がある。また、車両10に、知らない人同士が乗り合わせた場合、車外環境に対して、車内空間のプライバシー性を高く設定できてしまうと、犯罪防止の観点からも望ましくない。
【0021】
そこで、切替部103は、一例として、車両10の複数の乗員が互いに親密な関係である場合、例えば、車両10の窓の透過率を自由に設定可能なプライベートモードに設定する。一方、切替部103は、車両10の複数の乗員の中に、他の乗員と親密な関係でない乗員がいる場合、例えば、車両10の窓の透過率の設定範囲を制限し、車外から車内を視認可能な状態を維持するパブリックモードに設定する。なお、切替部103は、親密度以外の複数の乗員の関係に応じて、プライベートモードとパブリックモードとを切り替えて良い。
【0022】
検出部104は、例えば、車両10が備えるカメラ、又は車両10内をモニタするECU等から入力される、車両10内の乗員を撮像した画像データ、又は画像信号等(画像入力)に基づいて、車両10内の乗員を検出する検出処理を実行する。なお、検出部104は、例えば、車両10内の座席に設けられた着座センサ、又は車両10の乗員を認証する認証ECU等からのデータ、又は情報に基づいて、車両10内の乗員を検出しても良い。
【0023】
判断部105は、車両10内に複数の乗員がいる場合、複数の乗員の関係を判断する。例えば、車両10が複数の乗員が相乗りするライドシェアモビリティ等の乗り物である場合、判断部105は、乗り物の予約情報(予約時の人数、又は予約時に登録した情報等)に基づいて、複数の乗員の関係(親密度等)を判断しても良い。或いは、判断部105は、車両10が備えるカメラ、マイク、又は他のECU等から入力される画像入力、及び音声入力に基づいて、複数の乗員の会話状況、又は緊張度合い等解析して、複数の乗員の関係を判断しても良い。
【0024】
通信部106は、例えば、制御装置100が備える通信装置を用いて、制御装置100を車両10の車載ネットワークに接続し、車両10が備えるECU、又は無線通信モジュール等と通信する通信処理を実行する。また、通信部106は、制御装置100が備える通信装置を用いて、制御装置100をインターネット等の通信ネットワークに接続して、外部サーバ等と通信する機能を、さらに有していても良い。
【0025】
記憶部107は、例えば、制御装置100が備えるストレージデバイス、及びメモリ等に、様々な情報、データ、又はプログラム等を記憶する。
【0026】
(制御処理の一例)
図2は、一実施形態に係る制御処理の一例について説明するための図である。図2は、制御装置100の入力部101が表示入力装置110に表示させる、スモーク濃度の設定画面200の一例を示している。車両10の乗員は、この設定画面200において、複数の設定ボタン201の1つを選択することにより、車両10の窓の一部、又は全部のスモーク濃度を設定することができる。なお、窓のスモーク濃度は、例えば、透過率可変フィルム、又は調光フィルム等を用いて、光の透過率を変更することにより、実現することができる。
【0027】
車両10の乗員は、設定画面200により、スモーク濃度をより薄く設定することにより窓の光の透過率(透過度)が高くなり、例えば、車外から車内の視認性が良くなり、車両10内をよりパブリックな空間とすることができる。一方、乗員は、設定画面200により、スモーク濃度をより濃く設定することにより窓の光の透過率が低くなり、例えば、車外から車内の視認性が悪くなり、車両10内をよりプライベートな空間とすることができる。
【0028】
制御装置100の判断部105は、車両10内に複数の乗員がいる場合、複数の乗員の関係を判断する。また、制御装置100の切替部103は、例えば、判断部105が車両10内の全ての乗員が親密な関係であると判断した場合、プライベートモードに設定する。一方、切替部103は、車両10内に、車両10内の全ての乗員が親密な関係ではないと判断した場合、パブリックモードに設定する。
【0029】
切替部103がプライベートモードに設定すると、制御装置100の入力部101は、例えば、図2に示すように、設定画面200の複数の設定ボタン201の全てを設定範囲とする。これにより、車両10の乗員は、設定画面200への操作により、スモーク濃度を、車外から車内を視認し難い、プライベートな状態に容易に設定可能となる。
【0030】
一方、切替部103がパブリックモードに設定すると、入力部101は、図2に示すように、設定画面200の複数の設定ボタン201の設定範囲を制限し、車外から車内が見え難いスモーク濃度を設定できないようにする。これにより、車両10の乗員は、設定画面200への操作が行われても、スモーク濃度を、車外から車内を視認可能なパブリックな状態に維持することができるようになる。
【0031】
なお、図2では、スモークの濃度の設定画面200について説明したが、制御装置100は、例えば、室内灯、音響装置、空調装置等の他の電装品の設定画面についても同様の処理を適用することができる。
【0032】
(制御処理の別の一例)
図3は、一実施形態に係る制御処理の別の一例について説明するための図である。図2の例では、切替部103は、判断部105が判断した複数の乗員の関係に応じて、設定画面200を、スモーク濃度の設定範囲を制限しないプライベートモード、又はスモーク濃度の設定範囲を制限するパブリックモードに設定していた。
【0033】
別の一例として、切替部103は、判断部105が判断した複数の乗員の関係に応じて、車両10の車内を車外から見え難いプライベートモード、又は車両10の車内を車外から見え易いパブリックモードに設定しても良い。
【0034】
この場合、切替部103がプライベートモードに設定すると、制御装置100の電装品制御部102は、例えば、図3(A)に示すように、車両10の窓301のスモーク濃度を、例えば、自動的に濃く設定し、車内を車外から見え難く制御する。これにより、制御装置100は、例えば、図3(B)に示すように、車両10の車内を、車外からの視線等が気にならないプライベートな状態に設定することができる。好ましくは、制御装置100は、この状態からでも、設定画面200に対する乗員の操作により、窓301のスモーク濃度の設定を自由に変更可能である。
【0035】
一方、切替部103がパブリックモードに設定すると、電装品制御部102は、例えば、図3(C)に示すように、車両10の窓301のスモーク濃度を、例えば、自動的に薄く設定し、車内を車外から見え易く制御する。これにより、制御装置100は、例えば、図3(D)に示すように、車両10の車内を、車外の人や景色が見えるパブリックな状態に設定することができる。好ましくは、制御装置100は、この状態でも、設定画面200によるスモーク濃度の設定範囲を制限して、設定画面200に対する乗員の操作により、車外から車内が見え難いスモーク濃度に設定できないようにする。
【0036】
なお、図3では、スモークの濃度の設定について説明したが、制御装置100は、例えば、室内灯、音響装置、空調装置等の他の電装品の設定についても同様の処理を適用することが可能である。
【0037】
<ハードウェア構成>
図4は、一実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の例を示す図である。制御装置100は、コンピュータの構成を備えており、例えば、CPU(Central Processing Unit)401、メモリ402、ストレージデバイス403、通信装置404、I/F(Interface)405、及びバス406等を有する。
【0038】
CPU401は、例えば、ストレージデバイス403等の記録媒体に格納された所定のプログラムを実行することにより、図1に示すような制御装置100の各機能構成を実現するプロセッサである。メモリ402は、例えば、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及びCPU401の起動用のプログラム等を記憶した不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等を含む。ストレージデバイス403は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性、かつ大容量の記憶デバイスである。
【0039】
通信装置404は、制御装置100をネットワークに接続するための1つ以上の通信インタフェースを含む。例えば、通信装置404は、制御装置100を車両10の車載ネットワークに接続するための通信インタフェースを含む。また、通信装置404は、制御装置100を、例えば、インターネット等のWAN(Wide Area Network)に接続するための無線通信デバイス等を含み得る。
【0040】
I/F405は、制御装置100に、例えば、カメラ、マイク等の外部デバイスを接続するためのインタフェースである。バス406は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0041】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る制御方法の処理の流れについて説明する。
【0042】
(処理の概要)
図5は、一実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
【0043】
ステップS501において、制御装置100の判断部105は、制御装置100を搭載する移動体(例えば、車両10)内の複数の乗員の関係を判断する。
【0044】
ステップS502において、制御装置100の切替部103は、判断部105が判断した複数の乗員の関係が、入力部101への入力を制限しない第1のモードの設定が許可された関係である場合、処理をステップS503へ移行させる。一方、切替部103は、判断部105が判断した複数の乗員の関係が、入力部101への入力を制限しない第1のモードの設定が許可された関係でない場合、処理をステップS503へ移行させる。
【0045】
ステップS503に移行すると、切替部103は、入力部101への入力を制限しない第1のモードに設定する。一例として、切替部103は、車両10を、前述したプライベートモードに設定する。
【0046】
ステップS504に移行すると、切替部103は、入力部への入力を制限する第2のモードに設定する。一例として、切替部103は、車両10を、前述したパブリックモードに設定する。なお、パブリックモードは、前述した、窓のスモーク濃度の設定範囲に限られず、例えば、音響装置の音量の設定範囲、又は空調装置の温度の設定範囲等、様々な電装品の設定範囲を制限するものであって良い。
【0047】
続いて、制御装置100が実行する具体的な処理内容について、複数の実施形態を例示して説明する。
【0048】
[第1の実施形態]
図6は、第1の実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、図5で説明した制御装置100の処理の具体的な一例を示している。
【0049】
ステップS601において、検出部104は、車両10内の乗員を検出する。例えば、検出部104は、車両10が備えるカメラ、又は車両10内をモニタするECU等からの画像入力に基づいて、車両10内の乗員を検出する。或いは、検出部104は、画像入力に代えて(又は加えて)、車両10の座席に設けられた着座センサ等からセンサデータに基づいて、車両10の乗員を検出しても良い。
【0050】
ステップS602において、判断部105は、検出部104によって、車両10内で複数の乗員が検出されたか否かを判断する。複数の乗員が検出された場合、判断部105は、処理をステップS603に移行させる。一方、複数の乗員が検出されなかった場合、判断部105は、処理をステップS606に移行させる。
【0051】
ステップS603に移行すると、判断部105は、車両10の予約情報を取得する。例えば、判断部105は、記憶部107に予め記憶した予約情報を取得しても良いし、通信部106を用いて、車両10の予約情報を管理する外部サーバから予約情報を取得しても良い。
【0052】
ステップS604、S605において、判断部105は、取得した予約情報に基づいて、車両10の複数の乗客の関係を判断し、複数の乗客の親密度が所定の条件を満たしているか否かを判断する。一例として、判断部105は、ステップS604、S605において、図7に示すような判断処理を実行する。
【0053】
図7は、第1の実施形態に係る判断処理の処理を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6のステップS604、S605で、判断部105が実行する判断処理の一例を示している。
【0054】
ステップS701において、判断部105は、取得した予約情報を参照して、車両10の全ての乗員の予約が同時に行われたか否かを判断する。全ての乗員の予約が同時に行われている場合、判断部105は、処理をステップS703に移行させる。一方、全ての乗員の予約が同時に行われていない場合、判断部105は、処理をステップS702に移行させる。
【0055】
ステップS702に移行すると、判断部105は、取得した予約を参照して、車両10の全ての乗員が共通の所定情報を登録しているか否かを判断する。ここで、所定情報は、例えば、住所、会社名、部署名、サークル名、又は予め定めた合い言葉等、複数の乗客が知り合いである、又は親密な関係であると判断するための情報が予め定められているものとする。全ての乗員が共通の所定情報を登録している場合、判断部105は、処理をステップS703に移行させる。一方、全ての乗員が共通の所定情報を登録していない場合、判断部105は、処理をステップS704に移行させる。
【0056】
ステップS703に移行すると、判断部105は、複数の乗員の関係が、所定の条件を満たしていると判断する。一方、ステップS704に移行すると、判断部105は、複数の乗客の関係が、所定の条件を満たしていないと判断する。
【0057】
なお、図7に示した判断処理は、あくまで一例である。例えは、車両10が、乗車時に生体認証、又は所持物認証等による認証処理を行う場合、判断部105は、認証処理の結果と、予め登録されたユーザ情報とに基づいて、車両10の複数の乗客の関係が所定の条件を満たしているか否かを判断しても良い。また、所定の条件は、複数の乗客の関係が、例えば、親密であるか否か、家族であるか否か、友人であるか否か、カップルであるか否か、他人であるか否か、又は同じ職場であるか否か等、第1のモードに設定可能と判断するための様々な条件であって良い。
【0058】
ここで、図6に戻り、図6のフローチャートの説明を続ける。ステップS605において、複数の乗員の関係が所定の条件を満たしていると判断した場合、判断部105は、処理をステップS606に移行させる。一方、複数の乗員の関係が所定の条件を満たしていないと判断した場合、判断部105は、処理をステップS607に移行させる。
【0059】
ステップS606に移行すると、切替部103は、車両10を、入力部101への入力を制限しないプライベートモードに設定する。これにより、入力部101は、例えば、図2に示すような設定画面200において、車外から見え難いスモーク濃度を含む、全てのスモーク濃度を設定できるように制御する。
【0060】
一方、ステップS607に移行すると、切替部103は、車両10を、入力部101への入力を制限するパブリックモードに設定する。これにより、入力部101は、例えば、図2に示すような設定画面200において、車外から見え難いスモーク濃度を設定できないように制限する。
【0061】
上記の処理により、複数の乗員が相乗りする車両(移動体)10において、車両(移動体)10が備える電装品に対する、各乗員による制御を適切に制限する制御装置100を提供することができる。
【0062】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。なお、図8に示す処理のうち、ステップS601~S605の処理は、図6で説明した第1の実施形態に係る制御装置の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0063】
ステップS801に移行すると、切替部103は、車両10の内部を、パブリックモード(第2のモード)より外部からの視認が困難なプライベートモード(第1の状態)に設定する。これにより、電装品制御部102は、例えば、図3(A)に示すように、車両10の窓301のスモーク濃度を、車内を車外から視認し難いように、より濃い濃度に設定する。或いは、電装品制御部102は、車両10の室内灯、カーテン、シャッター、又はブラインド等の他の電装品120を制御して、車内を車外から視認し難い状態にしても良い。
【0064】
一方、ステップS802に移行すると、切替部103は、車両10の内部を外部から視認可能なパブリックモード(第2のモード)に設定する。これにより、電装品制御部102は、例えば、図3(C)に示すように、車両10の窓301のスモーク濃度を、車内を車外から視認し易いように、より薄い濃度に設定する。或いは、電装品制御部102は、車両10の室内灯、カーテン、シャッター、又はブラインド等の他の電装品120を制御して、車内を車外から視認し難い状態にしても良い。このとき、乗員が、例えば、窓のスモーク濃度を自由に設定できてしまうと、パブリックモードを維持することができないので、入力部101は、設定画面200において、車外から見え難いスモーク濃度を設定できないように制限することが望ましい。
【0065】
上記の処理により、第2の実施形態によれば、制御装置100は、車両10内の複数の乗員の関係に応じて、車両10をプライベートモード、又はパブリックモードに、自動的に切り替えることができる。
【0066】
なお、制御装置100は、例えば、車両10をプライベートモードに切り替えて良いか否かを乗員に、例えば、音声メッセージ等で問い合わせし、切替の中止が求められた場合、プライベートモードへの切替を中止しても良い。
【0067】
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係る制御装置の処理の例を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理のうち、ステップS601、S602の処理は、図6で説明した第1の実施形態に係る制御装置の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。また、ステップS901~S905の処理のうち、第1の実施形態と同様の処理に関する詳細な説明は省略する。
【0068】
ステップS901において、判断部105は、例えば、車両10が備えるカメラ、マイク、又は他のECU等から、入力される、車両10内の乗員を撮像した画像データ、又は画像信号等(画像入力)に基づいて、車両10内の画像、及び音声を取得する。
【0069】
ステップS902において、判断部105は、取得した画像、又は音声に基づいて、複数の乗員の関係を判断する。例えば、判断部105は、取得した画像から、乗員間の一緒度、近接度、笑顔度、又は楽しい度を算出し、複数の乗員の親密度(複数の乗員の関係の一例)を判定する従来技術(特開2011-170579等)を適用して、複数の乗員の親密度を判断しても良い。或いは、判断部105は、車内の音声に基づいて、車内の人物間の関係性、及び車内の人物間の親密度を推定する従来技術(特開2019-104354等)を適用して、複数の乗員の関係(関係性、及び親密度等)を判断しても良い。
【0070】
なお、車両10が、会員だけが利用可能な会員制のライドシェアモビリティである場合、判断部105は、車内の画像に基づく顔認証で車両10内の乗員を特定し、特定した乗員の会員情報等に基づいて、車両10内の複数の乗員の関係を判断しても良い。
【0071】
さらに、判断部105は、車内の画像データ、又は音声データを学習データとし、複数の乗員の関係を教師データとして機械学習で学習済の予測モデル等に、車内の画像データ、又は音声データ等を入力して、車両10内の複数の乗員の関係を判断しても良い。
【0072】
ステップS903において、判断部105は、車両10内の複数の乗員の関係が、所定の関係であるか否かを判断する。一例として、判断部105は、ステップS902において、車両10内の複数の乗員の親密度を判断し、車両10内の複数の乗員の親密度が閾値以上であるか否かを判断しても良い。別の一例として、判断部105は、車両10内の複数の乗員が、例えば、家族、友人、カップル、同じ職場、又はビジネスパートナー等の予め定められた関係であるか否かを判断しても良い。
【0073】
複数の乗員の関係が所定の関係である場合、判断部105は、処理をステップS904に移行させる。一方、複数の乗員の関係が所定の関係でない場合、判断部105は、処理をステップS905に移行させる。
【0074】
ステップS904に移行すると、切替部103は、車両10を、図6のステップS606、又は図8のステップS801で説明したプライベートモードに設定する。
【0075】
一方、ステップS905に移行すると、切替部103は、車両10を、図6のステップS607、又は図8のステップS802で説明したパブリックモードに設定する。
【0076】
上記の処理により、制御装置100は、車両10内の画像、及び音声に基づいて、車両10内の複数の乗員の関係を判定し、車両10をプライベートモード、又はパブリックモードに切り替えできるようになる。
【0077】
また、上記の処理を繰り返し実行し、車両10内の複数の乗員の親密度を判断することにより、例えば、乗員間でトラブルが発生した場合等、親密度が悪化した場合に、自動的にプライベートモードから、パブリックモードに切り替えること等も可能になる。
【0078】
以上、本発明の各実施形態によれば、複数の乗員が相乗りする移動体において、移動体が備える電装品に対する、各乗員による制御を適切に制限する制御装置を提供することができる。
【0079】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、又は応用が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 制御システム
10 車両(移動体の一例)
100 制御装置
101 入力部
102 電装品制御部
103 切替部
104 検出部
105 判断部
120 電装品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9